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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-19
(45)【発行日】2025-02-28
(54)【発明の名称】無線基地局
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/22 20090101AFI20250220BHJP
   H04W 24/10 20090101ALI20250220BHJP
   H04W 36/28 20090101ALI20250220BHJP
   H04W 36/30 20090101ALI20250220BHJP
【FI】
H04W36/22
H04W24/10
H04W36/28
H04W36/30
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022570990
(86)(22)【出願日】2020-12-25
(86)【国際出願番号】 JP2020048921
(87)【国際公開番号】W WO2022137554
(87)【国際公開日】2022-06-30
【審査請求日】2023-10-25
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100169797
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】横川 朋樹
(72)【発明者】
【氏名】岡村 真哉
(72)【発明者】
【氏名】下平 英和
(72)【発明者】
【氏名】原田 皓平
【審査官】野村 潔
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/138489(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/174058(WO,A1)
【文献】特開2017-046110(JP,A)
【文献】特開2016-201582(JP,A)
【文献】China Telecom, NTT DOCOMO, Huawei, Ericsson, ZTE, OPPO, Mediatek, VIVO,Support of inter-RAT HO from SA to EN-DC in Rel-16,3GPP TSG RAN WG2 #108 R2-1914511,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_108/Docs/R2-1914511.zip>,2019年11月05日
【文献】3GPP TSG-RAN; NR; Radio Resource Control(RRC) protocol specification(Release 16),3GPP TS 38.331 V16.0.0(2020-03),2020年04月06日,特に、pp.119-145
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周辺セルに関する測定報告を端末から受信する受信部と、
前記測定報告に基づいて、前記周辺セルにおけるトラフィック量を推定し、前記トラフィック量が規定値よりも小さい前記周辺セルをセカンダリーセルとして選択し、ハンドオーバにおいて、前記セカンダリーセルを含むセカンダリーセルグループを設定する制御部と
を備える無線基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プライマリー・セカンダリーセルを用いたハンドオーバに対応した無線基地局に関する。
【背景技術】
【0002】
3rd Generation Partnership Project(3GPP)は、5th generation mobile communication system(5G、New Radio(NR)またはNext Generation(NG)とも呼ばれる)を仕様化し、さらに、Beyond 5G、5G Evolution或いは6Gと呼ばれる次世代の仕様化も進めている。
【0003】
例えば、NR-NR Dual Connectivity(NR-DC)及びMulti-RAT Dual Connectivity(MR-DC)向けの無線リソース管理(RRM:Radio Resource Management)について検討することが合意されている(非特許文献1)。
【0004】
具体的には、デュアルコネクティビティに関して、プライマリー・セカンダリーセル(PSCell)を用いたハンドオーバ(HO with PSCell)が検討の対象に挙げられている。HO with PSCellでは、端末(User Equipment, UE)がハンドオーバを実行する前に、ハンドオーバ先(ターゲット)のプライマリーセル(PCell)が、当該UE周辺の無線基地局(eNBまたはgNB、セルと読み替えてもよい)を含むセカンダリーセルグループ(SCG)をセットアップし、ハンドオーバ完了と同時にデュアルコネクティビティを確立する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】"WID of REL-17 NR RRM further enhancement", RP-202053, 3GPP TSG RAN Meeting #89-e, 3GPP, 2020年9月
【発明の概要】
【0006】
しかしながら、上述したHO with PSCellには、次のような課題がある。具体的には、ハンドオーバ先のPCellがSCGに含まれるPSCell及びSCellをどのように選択するについては基準がなく、単純にUE周辺の無線基地局(せル)をSCGに含めても適切なデュアルコネクティビティを必ずしも実現できないことが懸念される。
【0007】
そこで、以下の開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、適切なSCGを設定しつつ、HO with PSCellを実行できる無線基地局の提供を目的とする。
【0008】
本開示の一態様は、端末(UE200)の周辺セルに関する受信品質を含む測定報告を前記端末から受信する受信部(測定報告処理部120)と、プライマリー・セカンダリーセルを用いたハンドオーバにおいて、前記受信品質に基づいて、ハンドオーバ元のセルに近いと推定される前記周辺セルをセカンダリーセルとして選択し、前記プライマリー・セカンダリーセルを含むセカンダリーセルグループを設定する制御部(制御部140)とを備える無線基地局(無線基地局100)である。
【0009】
本開示の一態様は、端末(UE200)と参照信号を送受信する送受信部(制御信号・参照信号処理部130)と、プライマリー・セカンダリーセルを用いたハンドオーバにおいて、前記参照信号の受信状態に基づいて、ハンドオーバ元のセルに近いと推定される周辺セルをセカンダリーセルとして選択し、前記セカンダリーセルを含むセカンダリーセルグループを設定する制御部(制御部140)とを備える無線基地局。
【0010】
本開示の一態様は、周辺セルに関する測定報告を端末(UE200)から受信する受信部(測定報告処理部120)と、前記測定報告に基づいて、前記周辺セルにおけるトラフィック量を推定し、前記トラフィック量が規定値よりも小さい前記周辺セルをセカンダリーセルとして選択し、ハンドオーバにおいて、前記セカンダリーセルを含むセカンダリーセルグループを設定する制御部(制御部140)とを備える無線基地局(無線基地局100)である。
【0011】
本開示の一態様は、端末(UE200)の能力情報を前記端末から受信する受信部(制御信号・参照信号処理部130)と、前記能力情報に基づいて、前記端末の能力に応じた前記端末の周辺セルをセカンダリーセルとして選択し、プライマリー・セカンダリーセルを用いたハンドオーバにおいて、前記セカンダリーセルを含むセカンダリーセルグループを設定する制御部(制御部140)とを備える無線基地局(無線基地局100)である。
【0012】
本開示の一態様は、プライマリー・セカンダリーセルを用いたハンドオーバにおいて、セカンダリーセルを含むセカンダリーセルグループを複数設定する制御部(制御部140)と、前記セカンダリーセルグループに含まれるセルを介して無線信号を送受信する送受信部(無線通信部110)とを備え、前記制御部は、端末の前記セルとの接続状態に応じて、何れかの前記セカンダリーセルグループを選択する無線基地局(無線基地局100)である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、無線通信システム10の全体概略構成図である。
図2図2は、PSCellを用いたハンドオーバ(HO with PSCell)の例を示す図である。
図3図3は、無線基地局100の機能ブロック構成図である。
図4図4は、UE200の機能ブロック構成図である。
図5図5は、SCG(セル)選択の概略通信シーケンスを示す図である。
図6図6は、動作例1に係る無線基地局100のセル選択及びハンドオーバ動作フローを示す図である。
図7図7は、動作例2に係る無線基地局100のセル選択及びハンドオーバ動作フローを示す図である。
図8図8は、動作例3に係る無線基地局100のセル選択及びハンドオーバ動作フローを示す図である。
図9図9は、動作例4に係る無線基地局100のセル選択及びハンドオーバ動作フローを示す図である。
図10図10は、無線基地局100及びUE200のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。なお、同一の機能や構成には、同一または類似の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0015】
(1)無線通信システムの全体概略構成
図1は、本実施形態に係る無線通信システム10の全体概略構成図である。無線通信システム10は、Long Term Evolution(LTE)及び5G New Radio(NR)に従った無線通信システムである。なお、LTEは4Gと呼ばれてもよいし、NRは、5Gと呼ばれてもよい。
【0016】
また、LTE及びNRは、無線アクセス技術(RAT)と解釈されてもよく、本実施形態では、LTEは、第1無線アクセス技術と呼ばれ、NRは、第2無線アクセス技術と呼ばれてもよい。
【0017】
無線通信システム10は、無線アクセスネットワーク20、以下、RAN20)、及びユーザ端末200(User Equipment 200、以下、UE200)を含む。
【0018】
RAN20は、無線基地局100を含む。なお、無線基地局100は、NRに従ったgNBでもよいし、LTEに従ったeNBでもよい。gNB/eNB及びUEの数を含む無線通信システム10の具体的な構成は、図1に示した例に限定されない。
【0019】
無線通信システム10は、FR1及びFR2に対応する。各FRの周波数帯は、次のとおりである。
【0020】
・FR1:410 MHz~7.125 GHz
・FR2:24.25 GHz~52.6 GHz
FR1では、15, 30または60kHzのSub-Carrier Spacing(SCS)が用いられ、5~100MHzの帯域幅(BW)が用いられてもよい。FR2は、FR1よりも高周波数であり、60または120kHz(240kHzが含まれてもよい)のSCSが用いられ、50~400MHzの帯域幅(BW)が用いられてもよい。
【0021】
さらに、無線通信システム10は、FR2の周波数帯域よりも高周波数帯域にも対応してもよい。具体的には、無線通信システム10は、52.6GHzを超え、114.25GHzまでの周波数帯域に対応し得る。
【0022】
無線基地局100は、UE200とLTEまたはNRに従った無線通信を実行する。無線基地局100及びUE200は、複数のアンテナ素子から送信される無線信号を制御することによって、より指向性の高いビームを生成するMassive MIMO、複数のコンポーネントキャリア(CC)を束ねて用いるキャリアアグリゲーション(CA)、及びUEと複数のNG-RAN Nodeそれぞれとの間において同時に通信を行うデュアルコネクティビティ(DC)などに対応することができる。
【0023】
DCの種類は、複数の無線アクセス技術を利用するMulti-RAT Dual Connectivity(MR-DC)でもよいし、NRのみを利用するNR-NR Dual Connectivity(NR-DC)でもよい。また、MR-DCには、eNBがマスターノード(MN)を構成し、gNBがセカンダリーノード(SN)を構成するE-UTRA-NR Dual Connectivity(EN-DC)でもよいし、その逆であるNR-E-UTRA Dual Connectivity(NE-DC)でもよい。
【0024】
DCでは、マスターセルグループ(MCG)及びセカンダリーセルグループ(SCG)が設定されてよい。MCGには、プライマリーセル(PCell)が含まれ、SCGには、セカンダリーセル(SCell)が含まれてよい。
【0025】
また、SCellには、プライマリー・セカンダリーセル(PSCell)が含まれてよい。PSCellは、SCellの一種であるが、PCellと同等の機能を有する特別なSCellと解釈されてよい。PSCellでは、PCellと同様に、PUCCH(Physical Uplink Control Channel、上り制御チャネル)の送信、コンテンション型のランダムアクセス手順(CBRA)、Radio Link Monitoring(下りの無線品質監視)機能などが実行されてよい。
【0026】
さらに、無線通信システム10では、PSCellを用いたハンドオーバ(HO with PSCellと呼ばれてもよい)。HO with PSCellでは、DCを設定中のUE200がハンドオーバを実行する前に、ハンドオーバ先(ターゲット)のPCellが、UE200周辺の無線基地局(eNBまたはgNB、セルと読み替えてもよい)を含むSCGをセットアップし、ハンドオーバ完了と同時にDCを確立する。
【0027】
図2は、PSCellを用いたハンドオーバ(HO with PSCell)の例を示す。具体的には、図2は、UE200が、NRのスタンドアローン(NR SA)ネットワークからEN-DCネットワークにハンドオーバする場合におけるHO with PSCellの例を示す。
【0028】
図2に示すように、NR-SAネットワーク内の無線基地局100からEN-DCネットワーク内の無線基地局100に対してハンドオーバ要求(HO Request)が送信される(図中の(0))。EN-DCネットワーク内の無線基地局100は、ハンドオーバ要求に応じて、EN-DCネットワーク内においてSCGをセットアップする(図中の(1))。
【0029】
NR-SAネットワーク内の無線基地局100は、ハンドオーバ要求に対する応答(HO response)及びハンドオーバ先となるターゲットSCGの情報を受信(図中の(2))し、UE200に対してハンドオーバを指示(HO指示)する(図中の(3))。
【0030】
UE200は、HO指示に基づいて、EN-DCネットワークへのハンドオーバを実行し、EN-DCネットワーク内の無線基地局100(eNB)及びSCGとの同期処理を実行する(図中の(4))。
【0031】
3GPP Release 15の場合、UE200は、ハンドオーバ先のeNB(ターゲットPCell)へのハンドオーバ完了後に、周辺セル(eNB/gNB)の測定を実行し、SCG(PSCell及びSCell)を追加し、EN-DCを確立する。
【0032】
また、3GPP Release 16の場合、HO with PSCellがサポートされてよい。HO with PSCellでは、UE200がハンドオーバを実行する前に、ターゲットPCellがSCGをセットアップし、ハンドオーバ完了と同時にEN-DCを確立してよい。
【0033】
具体的には、図中の(1)では、ハンドオーバ実行前に、ターゲットPCellが周辺のeNB/gNB(が形成するセル)をSCGとしてセットアップする。
【0034】
図中の(2)では、ターゲットPCellによるSCGセットアップ完了後、ターゲットPCellからハンドオーバ元(ソース)PCellにSCGの情報及びHO responseを送信する。
【0035】
図中の(3)では、ソースPCellからUE200へのハンドオーバコマンド(HO command)送信時に、ターゲットPCellに移動した際に追加するターゲットSCGの情報も同時に送信する。
図中の(4)では、HO commandの情報に基づいて、UE200は、ターゲットPCell及びターゲットSCGの両方について同期処理を実行し、ハンドオーバが完了する。
【0036】
HO with PSCellは、3GPP Release 15のハンドオーバと比較すると、周辺セルの測定などを省略でき、EN-DCの早期確立が可能となる。これにより、ハンドオーバ時でもデータレートの向上などに貢献する。
【0037】
(2)無線通信システムの機能ブロック構成
次に、無線通信システム10の機能ブロック構成について説明する。具体的には、無線基地局100及びUE200の機能ブロック構成について説明する。
【0038】
(2.1)無線基地局100
図3は、無線基地局100の機能ブロック構成図である。図3に示すように、無線基地局100は、無線通信部110、測定報告処理部120、制御信号・参照信号処理部130及び制御部140を備える。
【0039】
無線通信部110は、LTEまたはNRに従った無線信号を送受信する。具体的には、無線通信部110は、LTEまたはNRに従った下りリンク信号(DL信号)を送信し、LTEまたはNRに従った上りリンク信号(UL信号)を受信する。
【0040】
特に、本実施形態では、無線通信部110は、デュアルコネクティビティに対応しており、セルグループ、具体的には、MCG及び/またはSCGに含まれるセルを介して無線信号を送受信する。本実施形態において、無線通信部110は、無線信号を送受信する送受信部を構成してよい。
【0041】
測定報告処理部120は、UE200から送信される測定報告(Measurement Report)に関する処理を実行する。具体的には、測定報告処理部120は、UE200によって実行されるサービングセル及びその周辺セル(近隣セル或いは隣接セルなどと呼ばれてもよい)に関する測定結果、特に、UE200の周辺セルに関する受信品質を含む測定報告をUE200から受信できる。本実施形態において、無線通信部110は、測定報告を端末から受信する受信部を構成してよい。
【0042】
受信品質としては、少なくともRSRP(Reference Signal Received Power)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)及びSINR(Signal-to-Interference plus Noise power Ratio)の何れかが含まれてよい。
【0043】
制御信号・参照信号処理部130は、無線通信部110が送受信する各種の制御信号に関する処理、及び無線通信部110が送受信する各種の参照信号に関する処理を実行する。
【0044】
具体的には、制御信号・参照信号処理部130は、無線通信部110から所定の制御チャネルを介して送信される各種の制御信号、例えば、無線リソース制御レイヤ(RRC)の制御信号を受信する。また、制御信号・参照信号処理部130は、無線通信部110に向けて、所定の制御チャネルを介して各種の制御信号を送信する。特に、本実施形態では、制御信号・参照信号処理部130は、UE200の能力情報(UE Capability Information)をUE200から受信できる。本実施形態において、制御信号・参照信号処理部130は、能力情報を端末から受信する受信部を構成してよい。
【0045】
能力情報としては、少なくともデュアルコネクティビティ(DC)に関する能力、例えば、UE200がサポートしているSCGのセル数、UE200が接続可能な周波数帯(FRでもよい)が含まれてよい。なお、能力情報は、このようなUE200の能力に限定されず、例えば、送信電力、送信ビーム、アンテナなどに関する能力が含まれてもよい。
【0046】
なお、チャネルには、制御チャネルとデータチャネルとが含まれてよい。制御チャネルには、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、RACH(Random Access Channel、Random Access Radio Network Temporary Identifier(RA-RNTI)を含むDownlink Control Information (DCI))、及びPhysical Broadcast Channel(PBCH)などが含まれてよい。
【0047】
また、データチャネルには、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)、及びPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)などが含まれる。データとは、データチャネルを介して送信されるデータを意味してよい。
【0048】
制御信号・参照信号処理部130は、Demodulation Reference Signal(DMRS)、及びChannel State Information-Reference Signal(CSI-RS)などの参照信号(RS)を用いた処理を実行する。
【0049】
DMRSは、データ復調に用いるフェージングチャネルを推定するための端末個別の基地局~端末間において既知の参照信号(パイロット信号)である。CSI-RSは、チャネル状態測定用の下りリンク参照信号である。
【0050】
なお、参照信号には、DMRS及びCSI-RS以外に、Phase Tracking Reference Signal (PTRS)、Sounding Reference Signal(SRS)、及び位置情報用のPositioning Reference Signal(PRS)などが含まれてもよい。つまり、無線基地局100が送信する参照信号と、UE200が送信する(無線基地局100が受信する)参照信号とが含まれてよい。
【0051】
このように、制御信号・参照信号処理部130は、UE200と参照信号を送受信できる。本実施形態において、制御信号・参照信号処理部130は、参照信号を送受信する送受信部を構成してよい。
【0052】
制御部140は、無線基地局100を構成する各機能ブロックを制御する。特に、本実施形態では、制御部140は、UE200のハンドオーバに関する制御を実行する。なお、ハンドオーバは、セル選択、セル再選択或いはセル遷移などの表現と同様と解釈されてもよい。さらに、本実施形態では、PSCellを用いるHO with PSCellと解釈されてもよい。
【0053】
制御部140は、特に、デュアルコネクティビティ(DC)をサポートしたハンドオーバに関する制御を実行できる。具体的には、制御部140は、UE200から受信した測定報告(MR)に含まれる受信品質(RSRPなど)に基づいて、UE200のハンドオーバ元のセルに近いと推定される周辺セルをSCell(PSCellでもよい)として選択できる。制御部140は、選択したSCellを含むSCGを設定できる。
【0054】
受信品質に基づくハンドオーバ元のセルに近いと推定される周辺セルの推定方法については、特に限定されないが、例えば、受信品質が最も良好、或いは受信品質が所定値以上の周辺セルをハンドオーバ元のセルに近いセルと推定してよい。
【0055】
制御部140は、UE200と送信及び/または受信した参照信号の受信状態に基づいて、ハンドオーバ元のセルに近いと推定される周辺セルをSCell(PSCellでもよい)として選択できる。制御部140は、選択したSCellを含むSCGを設定できる。
【0056】
例えば、制御部140は、参照信号(RS)を用いてUE200と無線基地局100との間のRTT(Round Trip Time)を取得し、取得したRTTの値(時間)に基づいてUE200の位置を推定できる。制御部140は、推定したUE200の位置に近いセルを選択してよい。この際、制御部140は、利用可能であれば、無線通信システム10のオペレータが有するセル(無線基地局)の配置情報(置局情報)を利用してもよい。
【0057】
制御部140は、UE200から受信した測定報告に基づいて、周辺セルにおけるトラフィック量を推定できる。制御部140は、推定したトラフィック量が規定値よりも小さい周辺セルをSCell(PSCellでもよい)として選択し、ハンドオーバ(特に、HO with PSCell)において、当該SCellを含むSCGを設定できる。
【0058】
トラフィック量の推定方法については、特に限定されないが、例えば、MRに含まれる受信品質に基づいてUE200の送信電力、変調方式などの情報を取得し、取得した当該情報からUE200それぞれが送受信するデータ量を算出することによって、周辺セルそれぞれが送受信するトラフィック量を推定してよい。
【0059】
制御部140は、UE200の能力情報(UE Capability Information)に基づいて、UE200の能力に応じたUE200の周辺セルをSCell(PSCellでもよい)として選択し、ハンドオーバ(特に、HO with PSCell)において、当該SCellを含むSCGを設定できる。
【0060】
例えば、制御部140は、UE200がサポートしているSCGのセル数に応じて、適切なセル数のSCGを選択したり、UE200が接続可能な周波数帯(例えば、FR1のみ)に応じて、FR1を利用するセルを含むSCGを選択(つまり、FR2を利用するセルを含むSCGは選択しない)したりしてよい。
【0061】
また、制御部140は、ハンドオーバ(特に、HO with PSCell)において、SCell(PSCellを含んでよい)を含むSCGを複数設定してもよい。例えば、制御部140は、HO with PSCellにおいて、3つのSCGをセットアップし、UE200のセルとの接続状態に応じて、何れかのSCGを選択してよい。
【0062】
具体的には、制御部140は、設定したSCGに含まれる何れかのセル(PSCellでもよい)とUE200との接続状態(例えば、同期が確立できるか否か)に応じて、何れかのSCGを選択できる。例えば、UE200が1つ目のSCGのセルとの接続を試みたものの同期が確立できない場合には、2つ目のSCGのセルとの接続を試みるようにしてもよい。或いは、UE200が3つのSCGとそれぞれ接続し、状態が最も良好なSCGが選択されるようにしてもよい。
【0063】
なお、SCG(PSCellを含むSCell)の具体的な選択方法については、さらに後述する。また、「ハンドオーバ(HO with PSCell)において」とは、当該ハンドオーバに先立って、ハンドオーバ実行中の何れかと解釈されてよい。
【0064】
また、制御部140は、上述したSCG(セル)の選択方法以外に、HO with PSCellにおいて、無線通信システム10のオペレータが有するセル(無線基地局)の置局情報を利用して、UE200のハンドオーバ元のセルに近いセルを選択してもよい。或いは、制御部140は、ハンドオーバ先の候補セルリストを用いてUE200のハンドオーバ元のセルに近いセルを選択してもよい。ハンドオーバ先の候補セルリストとしては、例えば、Neighbor list(3GPP TS38.133参照)などを用いてよい。ハンドオーバ先の候補セルリストの例については、さらに後述する。
【0065】
(2.2)UE200
図4は、UE200の機能ブロック構成図である。図4に示すように、UE200は、無線通信部210、制御信号・参照信号処理部220、品質測定部230及び制御部240を備える。
【0066】
無線通信部210は、NRに従った無線信号を送受信する。具体的には、無線通信部210は、NRに従った上りリンク信号(UL信号)を送信し、NRに従った下りリンク信号(DL信号)を受信する。
【0067】
無線通信部210は、Massive MIMO、複数のCCを束ねて用いるCA、及びUEと2つのRAN Nodeそれぞれとの間において同時に通信を行うDCなどに対応する。
【0068】
制御信号・参照信号処理部220は、UE200が送受信する各種の制御信号に関する処理、及びUE200が送受信する各種の参照信号に関する処理を実行する。
【0069】
具体的には、制御信号・参照信号処理部220は、無線基地局100から所定の制御チャネルを介して送信される各種の制御信号、例えば、無線リソース制御レイヤ(RRC)の制御信号を受信する。また、制御信号・参照信号処理部220は、無線基地局100に向けて、所定の制御チャネルを介して各種の制御信号を送信する。
【0070】
制御信号・参照信号処理部220は、DMRS及びCSI-RSなどの参照信号(RS)を用いた処理を実行する。
【0071】
DMRSは、データ復調に用いるフェージングチャネルを推定するための端末個別の基地局~端末間において既知の参照信号(パイロット信号)である。PTRSは、高い周波数帯で課題となる位相雑音の推定を目的した端末個別の参照信号である。
【0072】
なお、参照信号には、DMRS及びPTRS以外に、Channel State Information-Reference Signal(CSI-RS)、Sounding Reference Signal(SRS)、及び位置情報用のPositioning Reference Signal(PRS)などが含まれてもよい。
【0073】
また、制御信号・参照信号処理部220は、UE200の能力情報(UE Capability Information)に関する処理を実行できる。例えば、制御信号・参照信号処理部220は、無線基地局100からの能力情報の問い合わせ(UE Capability Enquiry)に応じて、UE Capability Informationを送信できる。
【0074】
品質測定部230は、UE200のサービングセル、及びサービングセルの周辺に形成されている周辺セルの受信品質を測定する。
【0075】
具体的には、品質測定部230は、同期信号ブロック(SSB:SS/PBCH Block)またはCSI-RSなどを用いて当該受信品質を測定できる。受信品質には、上述したように、RSRP、RSRQ及びSINRの少なくとも何れかが含まれてよい。
【0076】
RSRPは、UE200において測定される参照信号の受信レベルであり、RSRQは、UE200において測定される参照信号の受信品質(セル固有の参照信号の電力と、受信帯域幅内の総電力との比と解釈されてよい)である。
【0077】
SSBの測定では、SSB based RRM Measurement Timing Configuration(SMTC)と呼ばれるキャリア(サブキャリアと呼ばれてもよい)毎に設定可能な測定窓が用いられてよい。具体的には、SMTC windowは、UE200がSSBを用いた受信品質測定を実施する際、測定対象のセル毎の測定開始タイミング及び測定期間、測定周期をUE200が認識するため、ネットワーク(無線基地局100)からUE200に設定される測定窓と解釈されてよい。
【0078】
制御部240は、UE200を構成する各機能ブロックを制御する。特に、本実施形態では、制御部240は、制御信号・参照信号処理部220によるUE Capability Informationの送信、参照信号の送受信、及び品質測定部230による受信品質(RSRP、RSRQ及びSINR)の測定などに関する制御を実行する。
【0079】
(3)無線通信システムの動作
次に、無線通信システム10の動作について説明する。具体的には、HO with PSCellが適用される場合におけるSCG(SCell)の選択に関する動作について説明する。
【0080】
(3.1)動作概要
無線リソース管理(RRM:Radio Resource Management)の観点からは、HO with PSCellに関して、次のハンドオーバシナリオが想定される。
【0081】
・NR SAからEN-DC
・EN-DCからEN-DC
・NE-DCからNE-DC
・NR-DCからNR-DC
このようなシナリオを想定しつつ、以下では、ハンドオーバ先のPCell(図2参照)が、eNB/gNBをSCGとして選定する動作を規定する。具体的には、HO with PSCellにおけるSCGのセットアップ(設定と読み替えてよい)方法を規定する。
【0082】
図5は、SCG(セル)選択の概略通信シーケンスを示す。上述したように、RAN20(具体的には、無線基地局100)は、UE200の能力情報(UE Capability Information)を受信できる。UE200の能力(UE capability)には、SCGの選択に用いられるUE200がサポートしているSCGのセル数、UE200が接続可能な周波数帯などが含まれてよい。
【0083】
RAN20は、UE200の能力に応じたUE200の周辺セルをSCell(PSCellでもよい)として選択できる。
【0084】
また、RAN20は、UE200によって測定されたRSRP、RSRQ、SINRなど、及び/または無線基地局のトラフィック量の推定に用いられる測定結果(UE200の送信電力など)を含む測定報告(MR)を受信できる。RAN20(無線基地局100)は、RSRPなどの受信品質に基づいて、UE200のハンドオーバ元のセルに近いと推定される周辺セルをSCell(PSCellでもよい)として選択できる。
【0085】
なお、無線基地局100は、UE200の能力情報または測定報告以外に基づいてSCG(SCell)を選択することもできるが、具体的な動作例については、さらに以下で説明する。
【0086】
(3.2)動作例
以下では、無線基地局100によるSCG(SCell)の選択動作例について説明する。具体的には、動作例1~4について説明する。
【0087】
(3.2.1)動作例1
図6は、動作例1に係る無線基地局100のセル選択及びハンドオーバ動作フローを示す。本動作例では、ソースPCellに近いセルが選択される。
【0088】
図6に示すように、無線基地局100(ソースPCell)は、周辺セルの情報を取得する(S10)。例えば、無線基地局100は、オペレータが有するセルの置局情報を用いて周辺セルの位置を取得してよい。
【0089】
或いは、無線基地局100は、ハンドオーバ先の候補セルリストを用いて周辺セル(隣接セル、近隣セルなどと読み替えてもよい)の情報を取得してもよい。
【0090】
ハンドオーバ先の候補セルリストとしては、Neighbor list(3GPP TS38.133参照)、Neighbor
cell list(3GPP TS36.133参照)或いはNeighbor relationに関するNeighbor relation tableなどが用いられてよい。
【0091】
また、無線基地局100は、上述したように、測定報告(MR)に含まれる受信品質(RSRP、RSRQ及び/またはSINR)に基づいて、周辺セルの位置を取得(推定)してもよい。
【0092】
或いは、無線基地局100は、参照信号(RS)を用いてUE200の位置を推定し、UE200の位置からソースPCellに近いセルを選択してもよい。
【0093】
上述したように、RSを用いる場合、RTTを利用する方法が挙げられる。具体的には、RSを用いて、X個(例えば、X=3)の無線基地局100とUE200との間のRTTを取得し、RTTの値に基づいてUE200の位置を推定してよい。このようなRTTの測定は、Multi RTTと呼ばれてもよい。
【0094】
また、無線基地局100は、RSの受信タイミング差からX個(例えば、X=3)の無線基地局100に対するUE200の位置を推定してもよい。このようなタイミング差の測定は、下りリンク/上りリンク(DL/UL)-TDOA(Timing Difference of Arrival)と呼ばれてもよい。
【0095】
或いは、無線基地局100は、DL/UL-RSの到来角(例えば、ビーム(SSBでもよい)のインデックスでよい)X個(例えば、X=3)を用いて、無線基地局100からのUE200の位置を推定してもよい。このような到来角の測定は、DL-AoD(Angle of departure), UL-AoA(Angle of arrival)と呼ばれてもよい。
【0096】
無線基地局100は、上述した何れかの方法によってソースPCellに近いセルを選択する(S20)。
【0097】
無線基地局100は、選択したセル(SCell)を含むSCGを設定し、UE200のハンドオーバ、具体的には、HO with PSCellを実行する(S30)。
【0098】
なお、無線基地局100は、ソースPCellに近いセルを推定できず、SCGセルの選択が困難な場合、HO with PSCellでなく、通常のハンドオーバを実行してよい。
【0099】
(3.2.2)動作例2
図7は、動作例2に係る無線基地局100のセル選択及びハンドオーバ動作フローを示す。本動作例では、トラフィックが最も少ないeNB/gNB(セル)が選択される。
【0100】
図7に示すように、無線基地局100(ソースPCell)は、周辺セル(無線基地局)が送受信するトラフィックの情報を取得する(S110)。例えば、無線基地局100は、上述したように、MRに含まれる受信品質に基づいてUE200の送信電力、変調方式などの情報を取得し、取得した当該情報からUE200それぞれが送受信するデータ量を算出することによって、周辺セルそれぞれが送受信するトラフィック量を推定できる。
【0101】
つまり、無線基地局100は、UE200から報告されるMRの情報に基づいて、周辺セルにおいて取り扱われているトラフィックを推測し、推測したトラフィックに基づいて、eNB/gNBを選択してよい。
【0102】
ここでは、無線基地局100は、取り扱いトラフィック量が最も少ない周辺セル(eNB/gNB)を選択する(S120)。
【0103】
無線基地局100は、選択したセル(SCell)を含むSCGを設定し、UE200のハンドオーバ、具体的には、HO with PSCellを実行する(S130)。
【0104】
なお、無線基地局100は、トラフィック量を推定できず、SCGセルの選択が困難な場合、HO with PSCellでなく、通常のハンドオーバを実行してよい。
【0105】
(3.2.3)動作例3
図8は、動作例3に係る無線基地局100のセル選択及びハンドオーバ動作フローを示す。本動作例では、UE200の能力に応じたeNB/gNB(セル)が選択される。
【0106】
図8に示すように、無線基地局100(ソースPCell)は、UE200の能力情報(UE Capability Information)を取得する(S210)。当該能力情報には、上述したように、UE200がサポートしているSCGのセル数、UE200が接続可能な周波数帯が含まれてよい。セル数は、絶対値でもよいし、何らかの基準値に対する相対値でもよい。また、周波数帯は、FR単位でもよいし、FRよりも細かい特定のバンド(或いはバンド組合せ)でもよい。
【0107】
例えば、FR2に対応していないUEがハンドオーバする場合、FR2を利用するセルはSCGに含まれるセルとして選択されなくてよい。
【0108】
なお、UE Capability Informationは、ハンドオーバ要求(図2の(0)参照)時においてソースPCellからターゲットPCellに通知されてもよい。
【0109】
無線基地局100は、取得したUE200の能力情報に応じたセルを選択する(S220)。
【0110】
無線基地局100は、選択したセル(SCell)を含むSCGを設定し、UE200のハンドオーバ、具体的には、HO with PSCellを実行する(S230)。
【0111】
なお、無線基地局100は、能力情報を取得できず、SCGセルの選択が困難な場合、HO with PSCellでなく、通常のハンドオーバを実行してよい。
【0112】
(3.2.4)動作例4
図9は、動作例4に係る無線基地局100のセル選択及びハンドオーバ動作フローを示す。本動作例では、複数のSCGをセットアップし、セットアップしたSCGの中から最適なSCG(セル)が選択される。
【0113】
図9に示すように、無線基地局100(ソースPCell)は、複数のターゲットSCGをセットアップする(S310)。セットアップするSCGの数は特に限定されないが、Y個(例えば、Y=3)のSCGがセットアップされてよい。
【0114】
無線基地局100は、セットアップしたSCGに含まれる何れかのセル(PSCellでもよい)とUE200との接続状態(例えば、同期が確立できるか否か)に応じて、何れかのSCGを選択する(S320)。
【0115】
例えば、UE200が1つ目のSCGのセルとの接続を試みたものの同期が確立できない場合には、2つ目のSCGのセルとの接続を試みるようにしてもよい。或いは、UE200が3つのSCGとそれぞれ接続し、状態が最も良好なSCGが選択されるようにしてもよい。
【0116】
なお、接続状態は、所定レイヤ(特定のレイヤに限定されなくてよい)での同期が確立できるか否かとしてよい。或いは、同期確立に限らず、受信品質など、他のパラメータが代替的に、または追加的に用いられてもよい。
【0117】
無線基地局100は、選択したSCGを設定し、UE200のハンドオーバ、具体的には、HO with PSCellを実行する(S330)。
【0118】
(3.2.5)その他
上述した動作例1~4では、異なる選択方法によって、SCG(セル)が選択されていたが、当該動作例の何れか2つ、またはそれ以上を組み合わせてもよい。
【0119】
また、複数の動作例が組み合わされた場合、全ての選択方法によって選択されたSCG(セル)が一致する場合のみ、ハンドオーバ(HO with PSCell)が実行され、そうでない場合、通常のハンドオーバが実行されてもよい。
【0120】
(4)作用・効果
上述した実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。具体的には、無線基地局100は、HO with PSCellにおいて、UE200から受信した測定報告(MR)に含まれる受信品質(RSRPなど)に基づいて、UE200のハンドオーバ元のセルに近いと推定される周辺セルをSCell(PSCellでもよい)として選択し、選択したSCellを含むSCGを設定できる。
【0121】
また、無線基地局100は、UE200と送信及び/または受信した参照信号の受信状態に基づいて、ハンドオーバ元のセルに近いと推定される周辺セルをSCell(PSCellでもよい)として選択することもできる。
【0122】
或いは、無線基地局100は、UE200から受信した測定報告に基づいて、周辺セルにおけるトラフィック量を推定し、推定したトラフィック量が規定値よりも小さい周辺セルをSCell(PSCellでもよい)として選択することもできる。
【0123】
さらに、無線基地局100は、UE200の能力情報(UE Capability Information)に基づいて、UE200の能力に応じたUE200の周辺セルをSCell(PSCellでもよい)として選択することもできる。
【0124】
また、無線基地局100は、SCell(PSCellを含んでよい)を含むSCGを複数設定し、UE200のセルとの接続状態に応じて、何れかのSCGを選択することもできる。
【0125】
このため、特に、HO with PSCellを実行する場合において、UE200または無線基地局100の能力または状態などに応じた適切なSCGを設定し得る。これにより、HO with PSCellが適用される場合でも適切なデュアルコネクティビティを実現し得る。
【0126】
(5)その他の実施形態
以上、実施形態について説明したが、当該実施形態の記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
【0127】
例えば、上述した実施形態では、無線通信システム10では、LTE及びNRに対応していたが、NRのみ対応してもよい。また、無線通信システム10は、Beyond 5G、5G Evolution或いは6Gと呼ばれる方式に従った無線通信システムでもよい。
【0128】
上述した実施形態では、HO with PSCellが適用されるデュアルコネクティビティを前提としていたが、適用条件を満たす場合、HO with PSCell以外のハンドオーバに上述したセル(Sルグループ)の選択方法が適用されてもよい。
【0129】
また、上述した実施形態の説明に用いたブロック構成図(図3,4)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的または論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的または論理的に分離した2つ以上の装置を直接的または間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置または上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0130】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。例えば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。何れも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0131】
さらに、上述した無線基地局100及びUE200(当該装置)は、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図10は、当該装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図10に示すように、当該装置は、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006及びバス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0132】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。当該装置のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つまたは複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0133】
当該装置の各機能ブロック(図3,4参照)は、当該コンピュータ装置の何れかのハードウェア要素、または当該ハードウェア要素の組み合わせによって実現される。
【0134】
また、当該装置における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0135】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインタフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU)によって構成されてもよい。
【0136】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。さらに、上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行されてもよいし、2つ以上のプロセッサ1001により同時または逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
【0137】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Read Only Memory(ROM)、Erasable Programmable ROM(EPROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、Random Access Memory(RAM)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施形態に係る方法を実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0138】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Compact Disc ROM(CD-ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記録媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0139】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0140】
通信装置1004は、例えば周波数分割複信(Frequency Division Duplex:FDD)及び時分割複信(Time Division Duplex:TDD)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
【0141】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0142】
また、プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0143】
さらに、当該装置は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor: DSP)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、Programmable Logic Device(PLD)、Field Programmable Gate Array(FPGA)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部または全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0144】
また、情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、Downlink Control Information(DCI)、Uplink Control Information(UCI)、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、Medium Access Control(MAC)シグナリング、報知情報(Master Information Block(MIB)、System Information Block(SIB))、その他の信号またはこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0145】
本開示において説明した各態様/実施形態は、Long Term Evolution(LTE)、LTE-Advanced(LTE-A)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4th generation mobile communication system(4G)、5th generation mobile communication system(5G)、Future Radio Access(FRA)、New Radio(NR)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、Ultra Mobile Broadband(UMB)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、Ultra-WideBand(UWB)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせなど)適用されてもよい。
【0146】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0147】
本開示において基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局及び基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MMEまたはS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
【0148】
情報、信号(情報等)は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0149】
入出力された情報は、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報は削除されてもよい。入力された情報は他の装置へ送信されてもよい。
【0150】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0151】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0152】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0153】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(Digital Subscriber Line:DSL)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0154】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術の何れかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、またはこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0155】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一のまたは類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(Component Carrier:CC)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0156】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0157】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0158】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるため、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0159】
本開示においては、「基地局(Base Station:BS)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0160】
基地局は、1つまたは複数(例えば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(Remote Radio Head:RRH)によって通信サービスを提供することもできる。
【0161】
「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局、及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部または全体を指す。
【0162】
本開示においては、「移動局(Mobile Station:MS)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(User Equipment:UE)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0163】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0164】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型または無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのInternet of Things(IoT)機器であってもよい。
【0165】
また、本開示における基地局は、移動局(ユーザ端末、以下同)として読み替えてもよい。例えば、基地局及び移動局間の通信を、複数の移動局間の通信(例えば、Device-to-Device(D2D)、Vehicle-to-Everything(V2X)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、基地局が有する機能を移動局が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
【0166】
同様に、本開示における移動局は、基地局として読み替えてもよい。この場合、移動局が有する機能を基地局が有する構成としてもよい。
無線フレームは時間領域において1つまたは複数のフレームによって構成されてもよい。時間領域において1つまたは複数の各フレームはサブフレームと呼ばれてもよい。サブフレームはさらに時間領域において1つまたは複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジー(numerology)に依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
【0167】
ニューメロロジーは、ある信号またはチャネルの送信及び受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。ニューメロロジーは、例えば、サブキャリア間隔(SubCarrier Spacing:SCS)、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(Transmission Time Interval:TTI)、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
【0168】
スロットは、時間領域において1つまたは複数のシンボル(Orthogonal Frequency Division Multiplexing(OFDM))シンボル、Single Carrier Frequency Division Multiple Access(SC-FDMA)シンボルなど)で構成されてもよい。スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。
【0169】
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つまたは複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(またはPUSCH)は、PDSCH(またはPUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(またはPUSCH)は、PDSCH(またはPUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
【0170】
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、何れも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。
【0171】
例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロットまたは1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及びTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
【0172】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
【0173】
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
【0174】
なお、1スロットまたは1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロットまたは1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
【0175】
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partialまたはfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
【0176】
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
【0177】
リソースブロック(RB)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つまたは複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに関わらず同じであってもよく、例えば12であってもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに基づいて決定されてもよい。
【0178】
また、RBの時間領域は、1つまたは複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム、または1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームなどは、それぞれ1つまたは複数のリソースブロックで構成されてもよい。
【0179】
なお、1つまたは複数のRBは、物理リソースブロック(Physical RB:PRB)、サブキャリアグループ(Sub-Carrier Group:SCG)、リソースエレメントグループ(Resource Element Group:REG)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
【0180】
また、リソースブロックは、1つまたは複数のリソースエレメント(Resource Element:RE)によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0181】
帯域幅部分(Bandwidth Part:BWP)(部分帯域幅などと呼ばれてもよい)は、あるキャリアにおいて、あるニューメロロジー用の連続する共通RB(common resource blocks)のサブセットのことを表してもよい。ここで、共通RBは、当該キャリアの共通参照ポイントを基準としたRBのインデックスによって特定されてもよい。PRBは、あるBWPで定義され、当該BWP内で番号付けされてもよい。
【0182】
BWPには、UL用のBWP(UL BWP)と、DL用のBWP(DL BWP)とが含まれてもよい。UEに対して、1キャリア内に1つまたは複数のBWPが設定されてもよい。
【0183】
設定されたBWPの少なくとも1つがアクティブであってもよく、UEは、アクティブなBWPの外で所定の信号/チャネルを送受信することを想定しなくてもよい。なお、本開示における「セル」、「キャリア」などは、「BWP」で読み替えられてもよい。
【0184】
上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームまたは無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロットまたはミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(Cyclic Prefix:CP)長などの構成は、様々に変更することができる。
【0185】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、またはこれらのあらゆる変形は、2またはそれ以上の要素間の直接的または間接的なあらゆる接続または結合を意味し、互いに「接続」または「結合」された2つの要素間に1またはそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合または接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1またはそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」または「結合」されると考えることができる。
【0186】
参照信号は、Reference Signal(RS)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
【0187】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0188】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0189】
本開示において使用する「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0190】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0191】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0192】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0193】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0194】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0195】
10 無線通信システム
20 RAN
100 無線基地局
110 無線通信部
120 測定報告処理部
130 制御信号・参照信号処理部
140 制御部
200 UE
210 無線通信部
220 制御信号・参照信号処理部
230 品質測定部
240 制御部
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 ストレージ
1004 通信装置
1005 入力装置
1006 出力装置
1007 バス
図1
図2
図3
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図10