(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-20
(45)【発行日】2025-03-03
(54)【発明の名称】層状粒子及びその方法
(51)【国際特許分類】
A61K 9/14 20060101AFI20250221BHJP
A61K 31/121 20060101ALI20250221BHJP
A61K 31/7105 20060101ALI20250221BHJP
A61K 31/713 20060101ALI20250221BHJP
A61K 38/02 20060101ALI20250221BHJP
A61K 39/00 20060101ALI20250221BHJP
A61K 39/39 20060101ALI20250221BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20250221BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20250221BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20250221BHJP
A61P 23/00 20060101ALI20250221BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20250221BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20250221BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20250221BHJP
A61P 31/00 20060101ALI20250221BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20250221BHJP
B82Y 5/00 20110101ALI20250221BHJP
B82Y 40/00 20110101ALI20250221BHJP
【FI】
A61K9/14
A61K31/121
A61K31/7105
A61K31/713
A61K38/02
A61K39/00 H
A61K39/39
A61K39/395 N
A61K47/02
A61K48/00
A61P23/00
A61P25/04
A61P27/02
A61P29/00
A61P31/00
A61P35/00
B82Y5/00
B82Y40/00
(21)【出願番号】P 2019532921
(86)(22)【出願日】2017-12-18
(86)【国際出願番号】 US2017066985
(87)【国際公開番号】W WO2018112456
(87)【国際公開日】2018-06-21
【審査請求日】2020-12-15
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-09
(32)【優先日】2016-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519213997
【氏名又は名称】デルファイ サイエンティフィック、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パナジオトウ、トーメイ
【合議体】
【審判長】藤原 浩子
【審判官】原田 隆興
【審判官】池上 京子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/089926号(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/181138号(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
層状粒子の製造方法であって、
(a)以下を備える、第1液体流を形成する工程:
(i)1つ以上のコア粒子を第1液体担体に導入すること、
(ii)前記1つ以上のコア粒子を前記第1液体担体中で混合して、第1混合物を形成すること、
(iii)任意に、前記第1混合物を均質化すること、及び
(iv)前記第1混合物に、酸、塩基、ポリマー、溶媒、及び塩からなる群から選択される1つ以上の反応物を導入すること、
(b)以下を備える、第2液体流を形成する工程:
(i)酸、塩基、ポリマー、溶媒、及び塩からなる群から選択される1つ以上の反応物を第2液体担体に導入すること、
(ii)前記1つ以上の反応物を第2液体担体中で混合して、第2混合物を形成すること、及び
(iii)任意に、前記第2混合物を均質化すること、
(c)前記第1液体流をマルチポート混合装置の第1ポートに連続的に送り込む工程、
(d)前記第2液体流を前記マルチポート混合装置の第2ポートに連続的に送り込む工程、並びに
(e)前記混合装置内で前記第1液体流と前記第2液体流を有効期間混合して、前記1つ以上のコア粒子上に層を形成する工程
を備え、
前記
有効期間混合が液体流混合物のキログラム当たり平均エネルギー比率約10
5~約10
10W/kgで前記混合装置で行われ、
並びに、
前記第1液体流と前記第2液体流とが工程(e)において混合されるときに、前記第1液体流中の前記1つ以上の反応物が前記第2液体流中の前記1つ以上の反応物と反応する、又は
前記第1液体流中の前記1つ以上の反応物及び前記第2液体流中の1つ以上の反応物が溶解塩を含み、前記溶解塩は前記第1液体流中の前記溶解塩と前記第2液体流中の前記溶解塩とが混合工程(e)の間に接触するときに析出するものである、
方法
であり、
前記1つ以上のコア粒子が、以下の1つ以上又はそれらの誘導体を含む、方法:
a)ポリマー:ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)(PLGA)、ポリ(ε-カプロラクトン)(PCL)、デンプン、多糖類、生体適合性ポリマー、ポリ(アクリレート)、及びポリ(スチレン)、架橋ポリマー、アルギン酸塩、PESを含むポリマー(PEG化ポリマー)、及びそれらの誘導体;
b)脂質:コレステロール、リン脂質、レシチン、大豆レシチン、卵レシチン、カチオン性脂質、中性脂質、及びステロール、並びにそれらの誘導体。いくつかの実施形態では、1つ以上の液体は、ポリ(エチレングリコール)(PEG化)を含む脂質、蛍光脂質、及び架橋脂質から選択される;
c)ゼラチン、スクロース、デキストロース、RNA、DNA、核酸を含む種、ペプチド、タンパク質、モノクローナル抗体、小分子薬剤、クルクミン、植物ステロール、カロチノイド、及びビタミンC;
d)植物油、大豆油、オリーブ油、キャノーラ油、コーン油、パーム油、ゴマ油、ビタミンE、ナッツ油、魚油、オメガ-3含有油、モノグリセリド、オリゴグリセリド、ポリグリセリド、ビタミンA、ビタミンK、オレイン酸、鉱油、スクアレン、スクアレン、精油、ワックス、ペルフルオロカーボン、ペルフルオロデカレン、及びFC-43;
e)塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ナトリウム塩、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カルシウム塩、リン酸マグネシウム、アルミノシリケート、シリカ、アルミナ、ジルコニア、金属酸化物、チタン酸バリウム、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、カーボン、グラファイト、グラッシーカーボン、アモルファスカーボン、金、銀、白金、パラジウム、金属粒子、及びそれらの誘導体;
f)抗がん剤、抗生物質、麻酔薬、抗炎症薬、眼薬、ワクチン、アジュバント、及び鎮痛剤;及び
g)ポリソルベート、Tween80、Tween20、Tween60、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、Triton-X100、Igepal CA-630、種々のKolliphor(商標)材料、Soluplus(登録商標)、Collidon(登録商標)、Span(登録商標)85、ソルビタントリオレート、アルブミン、乳清タンパク質、キサンタンガム、及びそれらの誘導体。
【請求項2】
工程(a)(iv)が前記第1混合物に1つ以上の界面活性剤を導入することをさらに備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程(a)
(i)の前に、前記1つ以上のコア粒子を洗浄することをさらに備える、又は
、前記1つ以上のコア粒子を溶液中で懸濁することを
さらに備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記有効期間が約1マイクロ秒~約1時間である、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
工程(e)が前記1つ以上の層状粒子を洗浄することをさらに備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1液体流中の前記1つ以上の反応物が酸であり、前記第2液体流中の前記1つ以上の反応物が塩基であり、前記酸と前記塩基とが反応して塩を形成する、又は
前記第1液体流中の前記1つ以上の反応物が塩基であり、前記第2液体流中の前記1つ以上の反応物が酸であり、前記酸と前記塩基とが反応して塩を形成する、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1液体流と前記第2液体流とで同一の液体
担体が使用される、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記層状粒子が結晶性固体粒子を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記層状粒子中に1つ以上の活性成分が封入されている、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1液体流中の前記塩が塩化カルシウム又は他のカルシウム塩を含み、前記第2液体流中の前記塩がリン酸ナトリウム又は他のリン酸塩を含む、又は
前記第1液体流中の前記塩がリン酸ナトリウムを含み、前記第2液体流中の前記塩が塩化カルシウムを含む、又は
前記第1液体流中の前記塩が塩化カルシウムを含み、前記第2液体流中の前記塩が炭酸ナトリウムを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1液体流
の前記コア粒子が核酸を含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1液体流中の前記液体担体が水性であり、前記第2液体流中の前記液体担体が、前記溶媒に溶解した1つ以上のポリマー
を有する1つ以上の水混和性有機溶媒を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
前記1つ以上の溶媒が水混和性アルコール又は水混和性ケトンを含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
層状粒子の製造方法であって、
(a)以下を備える、第1液体流(S1)を形成する工程:
(i)
酸、塩基、ポリマー、溶媒、及び塩からなる群から選択される1つ以上の反応物を第1液体担体(C1)に導入して前記第1液体流(S1)を形成すること、及び
(ii)任意に、前記第1液体流(S1)を均質化すること、
(b)以下を備える、第2液体流(S2)を形成する工程:
(i)
酸、塩基、ポリマー、溶媒、及び塩からなる群から選択される1つ以上の反応物を第2液体担体(C2)に導入して前記第2液体流(S2)を形成すること、及び
(ii)任意に、前記第2液体流(S2)を均質化すること、
(c)前記第1液体流(S1)をマルチポート混合装置の第1ポートに送り込む工程、
(d)前記第2液体流(S2)を前記マルチポート混合装置の第2ポートに送り込む工程、
(e)前記第1液体流(S1)と前記第2液体流(S2)とを混合して、1つ以上のコア粒子を形成する工程であって、前記混合が液体流混合物のキログラム当たり平均エネルギー比率約10
5~約10
10W/kgで前記混合装置で行われる、工程、並びに
(f)以下を備える、前記コア粒子を利用して層状粒子を製造する工程:
(i)以下を備える、第1液体流(FS1)を形成する工程:
(1)前記1つ以上のコア粒子を第1液体担体(FC1)に導入すること、
(2)前記1つ以上のコア粒子を前記第1液体担体(FC1)中で混合して、第1混合物を形成すること、
(3)任意に、前記第1混合物を均質化すること、及び
(4)前記第1混合物に
酸、塩基、ポリマー、溶媒、及び塩からなる群から選択される1つ以上の反応物を導入すること、
(ii)以下を備える、第2液体流(FS2)を形成する工程:
(1)
酸、塩基、ポリマー、溶媒、及び塩からなる群から選択される1つ以上の反応物を第2液体担体(FC2)に導入すること、
(2)前記1つ以上の反応物を前記第2液体担体(FC2)中で混合して、第2混合物を形成すること、及び
(3)任意に、前記第2混合物を均質化すること、
(iii)前記第1液体流(FS1)をマルチポート混合装置の第1ポートに連続的に送り込む工程、
(iv)前記第2液体流(FS2)を前記マルチポート混合装置の第2ポートに連続的に送り込む工程、並びに
(v)前記混合装置内で前記第1液体流(FS1)と前記第2液体流(FS2)を有効期間混合して、前記1つ以上のコア粒子上に層を形成する工程であって、前記
有効期間混合が液体流混合物のキログラム当たり平均エネルギー比率約10
5~約10
10W/kgで前記混合装置で行われる、工程、
を備える方法であって、
前記第1液体流(FS1)と前記第2液体流(FS2)とが工程(f)(v)において混合されるときに、前記第1液体流(FS1)中の前記1つ以上の反応物が前記第2液体流(FS2)中の前記1つ以上の反応物と反応する、又は
前記第1液体流(FS1)中の前記1つ以上の反応物及び前記第2液体流(FS2)中の
前記1つ以上の反応物が溶解塩を含み、前記溶解塩は前記第1液体流(FS1)中の前記溶解塩と前記第2液体流(FS2)中の前記溶解塩とが混合工程(f)(v)の間に接触するときに析出するものであ
り、
であり、
前記1つ以上コア粒子が、以下の1つ以上又はそれらの誘導体を含む、方法:
a)ポリマー:ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)(PLGA)、ポリ(ε-カプロラクトン)(PCL)、デンプン、多糖類、生体適合性ポリマー、ポリ(アクリレート)、及びポリ(スチレン)、架橋ポリマー、アルギン酸塩、PESを含むポリマー(PEG化ポリマー)、及びそれらの誘導体;
b)脂質:コレステロール、リン脂質、レシチン、大豆レシチン、卵レシチン、カチオン性脂質、中性脂質、及びステロール、並びにそれらの誘導体。いくつかの実施形態では、1つ以上の液体は、ポリ(エチレングリコール)(PEG化)を含む脂質、蛍光脂質、及び架橋脂質から選択される;
c)ゼラチン、スクロース、デキストロース、RNA、DNA、核酸を含む種、ペプチド、タンパク質、モノクローナル抗体、小分子薬剤、クルクミン、植物ステロール、カロチノイド、及びビタミンC;
d)植物油、大豆油、オリーブ油、キャノーラ油、コーン油、パーム油、ゴマ油、ビタミンE、ナッツ油、魚油、オメガ-3含有油、モノグリセリド、オリゴグリセリド、ポリグリセリド、ビタミンA、ビタミンK、オレイン酸、鉱油、スクアレン、スクアレン、精油、ワックス、ペルフルオロカーボン、ペルフルオロデカレン、及びFC-43;
e)塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ナトリウム塩、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カルシウム塩、リン酸マグネシウム、アルミノシリケート、シリカ、アルミナ、ジルコニア、金属酸化物、チタン酸バリウム、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、カーボン、グラファイト、グラッシーカーボン、アモルファスカーボン、金、銀、白金、パラジウム、金属粒子、及びそれらの誘導体;
f)抗がん剤、抗生物質、麻酔薬、抗炎症薬、眼薬、ワクチン、アジュバント、及び鎮痛剤;及び
g)ポリソルベート、Tween80、Tween20、Tween60、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、Triton-X100、Igepal CA-630、種々のKolliphor(商標)材料、Soluplus(登録商標)、Collidon(登録商標)、Span(登録商標)85、ソルビタントリオレート、アルブミン、乳清タンパク質、キサンタンガム、及びそれらの誘導体。
【請求項15】
前記第1混合物が懸濁液
及び乳濁液から選択される、又は
前記第2混合物が懸濁液、溶液、及び乳濁液から選択される、
請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記1つ以上のコア粒子が工程(e)の液体流混合物中に約0.01%~約50%(前記1つ以上のコア粒子の重量/(工程(e)の液体流混合物プラス前記1つ以上のコア粒子の重量))の量で存在する、
請求項1に記載の方法。
【請求項17】
工程1(a)(iii)及び工程1(b)(iii)の均質化が約500psi~45,000psiの圧力で行われる、
請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記混合装置が処理モジュールを有するホモジナイザー又はローターステーターミキサーをさらに備え、並びに
前記混合装置の前記処理モジュールにおける滞留時間が約1マイクロ秒~約100マイクロ秒である、
請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複合機能性を有し得る層状の小粒子、加えて、そのような粒子を製造するための方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
小粒子は、限定されないが、医薬品、食品、エネルギー、及びファインケミカル産業を含む多くの異なる産業において用途を有する。そのような粒子は、それらのサイズのために、拡散限界を減少させることができ、それ故に(影響のある分子に結合した)粒子が異なる境界を越えてより容易に移動することを可能にし得る。例えば、医薬品業界では、限定されないが、水への溶解度が低い傾向がある疎水性薬物を含む、さもなければ送達困難な生物学的活性成分の送達比率を高めるために小粒子がしばしば使用される。
【0003】
さらに、場合によっては、生物学的活性成分は、小粒子内に封入されて、生物学的活性成分が目的とする生物学的又は分子標的に非常に接近するまで生物学的活性成分を保護することが有効である。そのような場合、活性成分の放出の状況及びタイミングは正確に制御される必要がある。残念なことに、従来の封入技術を使用すると、活性成分は粒子から時期尚早に分離し、生物学的標的に達する前に表面に移動する可能性がある。この傾向のために、小粒子担体の所望の生物学的活性を保持するために、活性成分が小粒子担体から早期に放出することを防止する必要がある。
【0004】
ある種の生物学的活性成分の送達は、限定されないが、DNA、RNA、及びRNA干渉(RNAi)剤(例えば、低分子干渉RNA(siRNA)又はミクロ干渉RNA(miRNA)剤を含む重大な課題を引き起こす。最近、様々な疾患の治療のためにRNA(siRNA及びmiRNAを含む)及びDNAのフラグメントを送達することに大きな関心が寄せられている。しかし、裸のRNA及びDNA剤は有毒であり得、人体の免疫系によって容易に攻撃される。結果として、生体内有効性は、体外での結果に基づく期待に応えておらず、深刻な副作用もまた観察されている。
【0005】
特に、RNA系の治療薬は、心血管疾患、腎臓病、腫瘍、感染症、炎症性疾患、及び代謝性疾患などの様々な慢性疾患を治療する可能性があるため、近年大きな注目を集めている。RNA治療薬の有望性は、それらの優れた遺伝子サイレンシングの可能性、高い標的特異性、及び初期段階の臨床試験で見られる予備的な肯定的な結果に関連する。加えて、そのような治療薬を高純度で容易に製造することは、それらの広範な需要に寄与している。Industry Analysis and Forecast(2014-2020)は、RNA系治療薬の市場が2020年までに12億ドルに達することを示唆しており、2014~2020年の複合年間成長率は28.4%を表している。しかし、改善された送達技術が開発されない限り、RNA治療薬はそれらの潜在能力を最大限に発揮することは決してないであろう。
【0006】
RNAiは、改善された送達技術から大いに恩恵を受けるであろうRNA治療薬の分野を表す。RNAiは植物で最初に発見されたが、Andrew Fire及びCraig Melloが、Caenorhabditis elegans[3]において二本鎖RNAは一本鎖RNAよりも遺伝子発現の抑制を大きくすることができることを実証するまで動物では広く知られていなかった。RNAi方法は、RNA誘導型サイレンシング複合体(RISC)中のそれらの標的メッセンジャーRNAに選択的に結合してそれらの分解を促進し、それによって対応する遺伝子の発現を軽減する短いヌクレオチド配列(例えば、20~30ヌクレオチド)を利用する。この方法の有望性にもかかわらず、RNAi剤を送達することは、臨床環境においてRNAi治療薬を広く使用することに対する大きな障壁であり続ける。
【0007】
これまでに多数の小粒子系の製剤が開発されてきたが、それらは様々な問題を抱えており、その結果、広範な使用のために採用されていない。多くの場合、これらの製剤中のナノサイズ及びミクロンサイズの粒子は、不快な環境を乗り切って生き残るため、又はそれらが目標にうまく到達するとすぐに効果的に機能するために必要な複合機能性を欠いていた。最適な活性に必要な要求機能性を達成するためには、層状粒子を作製することが望ましいであろう。理論的には、1つ以上の層を有する粒子を利用することができ、各層は特定の目的のために設計された異なる機能性を粒子に備えることができる。例えば、層状粒子は、酸化からの活性成分の保護、単層粒子からの複数の活性成分の逐次送達、生体適合性を高めるための粒子の表面特性の変更をもたらし、又は反応性生物学的環境における隠密性をもたらすことができる。
【0008】
複合層状粒子は、より単純な粒子を製造するために通常使用されるものよりも複雑な製造工程を明らかに必要とする。これらの複雑な方法を商業規模で、又は医薬品製造に要求される制御された条件下で使用するためには、方法は効率的であり、規模の拡大に適しており、現在の良好な製造慣行(cGMP)に準拠する必要がある。生物学的活性成分(RNA及びDNAを含む)を送達するために層状粒子を製造するために現在使用されている1つの方法は、リン酸カルシウムを使用する。理論的には、リン酸カルシウムは生物学的活性小粒子のための望ましい出発物質である。リン酸カルシウムは無害で既に体内に存在する。さらに、リン酸カルシウムは正に荷電しており、これはRNA及びDNAフラグメントの負電荷とよく一致する。しかし、リン酸カルシウム粒子は重大な欠点を有する。例えば、リン酸カルシウム粒子(1)はよく知られているように不安定である、(2)活性剤を完全に封入又は完全に保護することができない可能性がある、及び(3)大規模に又は医薬品製造に適した条件下で製造することは困難である。結果として、RNA又はDNA治療薬を送達するために、リン酸カルシウムのマイクロ又はナノ粒子製剤を使用する臨床研究はなかった。ほとんどの場合、これらの治療法の開発者によって使用されている製剤は、代わりに脂質粒子を使用しており、それらはカチオン性脂質からの毒性及び肝臓相互作用を含む他の周知の問題を有する。
【0009】
現在、多機能粒子を含む製剤は、多層の使用ではなく、主として表面官能化のみに基づいている。例えば、Ferrari[1]は、ポリマーマトリックス中に活性成分を含む粒子を記載している。表面は、次いで隠密性とターゲティングを改善するために機能化されている。しかし、活性成分が存在する小胞は1つだけである。そのような粒子はいくつかの医薬品会社によって使用されている。
【0010】
米国特許第5,593,875号[2]は、トランスフェクションのためのリン酸カルシウム粒子の形成を記載している。これらの粒子は、反応物の希薄溶液を単に混合することによって形成される。粒子をある期間受動的に成長させ、次いで液体を希釈して粒子の成長を停止させ、一方、同時に、トランスフェクトされる細胞を希釈溶液に添加する。記載された粒子はいくつかの欠点を有する:これらの粒子(1)は層を有さない、(2)希釈溶液中で製造される、(3)成長を容易に制御できない、(4)成長を停止する最終希釈と同時に使用されなければならない。結果として、この方法は、非効率的であることに加えて、臨床現場での使用には実用的ではないであろう。
【0011】
参考文献[4]のElizabeth Verena Gigerは、リン酸カルシウム粒子の表面を官能化して安定性を高めるための方法を探索している。しかし、粒子は反応物の超希薄溶液の無制御な混合によって製造される。
【0012】
Yangらによって、参考文献[5]において、有機溶媒内の油中水滴型乳濁液中でリン酸カルシウムナノ粒子を製造する方法が記載されている。
しかし、この方法は、大量の危険な溶媒を使用することを必要とし、規模を拡大するのが困難である。
【0013】
制御された効果的な方法で活性成分を送達するための新しい層状粒子が依然として必要とされている。さらに、規模が拡大された製造に修正可能であり、かつ、効率的で、拡大可能で、よく制御された製造方法を必要とする医薬品及び他の製品の製造に使用できる粒子を製造する方法の継続的な必要性がある。
【発明の概要】
【0014】
本開示は、層状粒子の製造方法を提供することによって上記問題に対処する。
【0015】
本開示の他の態様は、本開示の方法によって製造された粒子を提供する。他の実施形態も開示される。
【0016】
本開示の方法は、正確な寸法で小粒子上に1つ以上の層を構築することを可能にする。これらの方法は、従来の方法を用いたものよりも高い濃度を有する粒子を生成することができ、それ故、製造方法の効率を高める。さらに、本開示の方法は、有機溶媒の使用を回避し、粒子の周囲に1つ以上の層を作製することによって活性成分を完全に封入することができる。さらに、本開示の方法は、所望に応じて、活性成分の表面及び放出特性を改質することができる粒子の表面上に1つ以上の層を作製することができる。結果として、本開示による層状粒子は、制御された効果的な方法で正確な量の活性成分を送達することができる。
【0017】
実施形態の上述の態様は、添付の図面と併せて以下の実施形態の説明を参照することによってより明らかになり、よりよく理解されるであろう。
本発明の一態様を以下に示す。
[発明1]
層状粒子の製造方法であって、
(a)以下を備える、第1液体流を形成する工程:
(i)1つ以上のコア粒子を第1液体担体に導入すること、
(ii)前記1つ以上のコア粒子を前記第1液体担体中で混合して、第1混合物を形成すること、
(iii)任意に、前記第1混合物を均質化すること、及び
(iv)前記第1混合物に1つ以上の反応物を導入すること、
(b)以下を備える、第2液体流を形成する工程:
(i)1つ以上の反応物を第2液体担体に導入すること、
(ii)前記1つ以上の反応物を第2液体担体中で混合して、第2混合物を形成すること、及び
(iii)任意に、前記第2混合物を均質化すること、
(c)前記第1液体流をマルチポート混合装置の第1ポートに連続的に送り込む工程であって、前記第1液体流は、前記混合装置の流速の割合で、前記混合装置に送り込まれる、工程、
(d)前記第2液体流を前記マルチポート混合装置の第2ポートに連続的に送り込む工程、並びに
(e)前記混合装置内で前記第1液体流と前記第2液体流を有効期間混合して、前記1つ以上のコア粒子上に層を形成する工程
を備え、
前記混合装置は液体流混合物のキログラム当たり平均エネルギー比率約10
3
~約10
10
W/kgを作る能力がある、
方法。
[発明2]
工程(a)(iv)が前記第1混合物に1つ以上の界面活性剤を導入することをさらに備える、発明1に記載の方法。
[発明3]
工程(b)(i)が前記第2液体担体に1つ以上の界面活性剤を導入することをさらに備える、発明1に記載の方法。
[発明4]
工程(a)が前記1つ以上のコア粒子を洗浄することをさらに備える、発明1に記載の方法。
[発明5]
前記有効期間が約1マイクロ秒~約1時間である、発明1に記載の方法。
[発明6]
前記1つ以上のコア粒子を溶液中で懸濁することをさらに備える、発明4に記載の方法。
[発明7]
前記1つ以上のコア粒子を解凝集することをさらに備える、発明6に記載の方法。
[発明8]
前記有効期間が約1マイクロ秒~約20秒である、発明5に記載の方法。
[発明9]
前記有効期間が約1マイクロ秒~約1分である、発明1に記載の方法。
[発明10]
工程(e)が前記1つ以上の層状粒子を洗浄することをさらに備える、発明1に記載の方法。
[発明11]
工程(a)(iv)及び工程(b)(iii)~工程(e)を繰り返して前記層の厚さを増加させることをさらに備える、発明1に記載の方法。
[発明12]
工程(a)~(e)を繰り返して第2の層を形成することをさらに備える、発明1に記載の方法。
[発明13]
前記1つ以上の層状粒子を溶液中で懸濁することをさらに備える、発明12に記載の方法。
[発明14]
前記1つ以上の層状粒子を解凝集することをさらに備える、発明13に記載の方法。
[発明15]
前記混合物を濾過して、約200nm~約25ミクロンのサイズを有する粒子を除去することをさらに備える、発明14に記載の方法。
[発明16]
前記混合物を滅菌することをさらに備える、発明14に記載の方法。
[発明17]
前記1つ以上の層状粒子を凍結乾燥することをさらに備える、発明1に記載の方法。
[発明18]
前記1つ以上の層状粒子を乾燥することをさらに備える、発明1に記載の方法。
[発明19]
前記1つ以上の層状粒子を熱処理することをさらに備える、発明1に記載の方法。
[発明20]
前記第1液体流中の前記1つ以上の反応物が酸である、発明1に記載の方法。
[発明21]
前記第1液体流中の前記1つ以上の反応物が塩基である、発明1に記載の方法。
[発明22]
前記第2液体流中の前記1つ以上の反応物が塩基である、発明20に記載の方法。
[発明23]
前記第2液体流中の前記1つ以上の反応物が酸である、発明21に記載の方法。
[発明24]
前記酸と前記塩基とが反応して塩を形成する、発明22に記載の方法。
[発明25]
前記酸と前記塩基とが反応して塩を形成する、発明23に記載の方法。
[発明26]
前記第1液体流及び前記第2液体流中の前記反応物が塩である、発明1に記載の方法。
[発明27]
前記塩が反応して他の塩を形成する、発明26に記載の方法。
[発明28]
前記第1液体流と前記第2液体流とで同一の液体が使用される、発明1に記載の方法。
[発明29]
前記第1液体流と前記第2液体流とで異なる液体が使用される、発明1に記載の方法。
[発明30]
前記層状粒子が結晶性固体粒子を含む、発明1に記載の方法。
[発明31]
前記層状粒子が非晶質固
体粒子を含む、発明1に記載の方法。
[発明32]
前記層状粒子が固体、液体、又は半固体の粒子を含む、発明1に記載の方法。
[発明33]
前記層状粒子が小分子、核酸、タンパク質、ペプチド、及びモノクローナル抗体、並び荷それらの組み合わせから選択される粒子を含む、発明1に記載の方法。
[発明34]
前記層状粒子中に1つ以上の活性成分が封入されている、発明1に記載の方法。
[発明35]
前記層状粒子内のマトリックスに1つ以上の活性成分が埋め込まれている、発明1に記載の方法。
[発明36]
前記マトリックスがポリマー、金属酸化物、有機塩、無機塩、脂質、油、及びワックスから選択される、発明35に記載の方法。
[発明37]
前記第1液体流と前記第2液体流とが工程(e)において混合されるときに、前記第1液体流中の前記1つ以上の反応物が前記第2液体流中の前記1つ以上の反応物と反応する、発明1に記載の方法。
[発明38]
前記第1液体流中の前記1つ以上の反応物及び前記第2液体流中の1つ以上の反応物が、前記第1液体流中の前記塩と前記第2液体流中の前記塩とが混合工程(e)の間に接触するときに析出する溶解塩を含む、発明37に記載の方法。
[発明39]
前記第1液体流中の前記塩が塩化カルシウム又は他のカルシウム塩を含み、前記第2液体流中の前記塩がリン酸ナトリウム又は他のリン酸塩を含む、発明38に記載の方法。
[発明40]
前記第1液体流中の前記塩がリン酸ナトリウムを含み、前記第2液体流中の前記塩が塩化カルシウムを含む、発明38に記載の方法。
[発明41]
前記第1液体流中の前記塩が塩化カルシウムを含み、前記第2液体流中の前記塩が炭酸ナトリウムを含む、発明38に記載の方法。
[発明42]
前記第1液体流中の前記塩がリン酸ナトリウムを含み、前記第2液体流中の前記塩が塩化カルシウムを含む、発明38に記載の方法。
[発明43]
前記第1液体流、前記第2液体流、又は前記第1液体流と前記第2液体流の両方がさらに核酸を含む、発明39に記載の方法。
[発明44]
前記第1液体流、前記第2液体流、又は前記第1液体流と前記第2液体流の両方がさらに核酸を含む、発明40に記載の方法。
[発明45]
前記第1液体流、前記第2液体流、又は前記第1液体流と前記第2液体流の両方がさらに核酸を含む、発明41に記載の方法。
[発明46]
前記第1液体流、前記第2液体流、又は前記第1液体流と前記第2液体流の両方がさらに核酸を含む、発明42に記載の方法。
[発明47]
前記第1液体流、前記第2液体流、又は前記第1液体流と前記第2液体流の両方が1つ以上の活性医薬成分をさらに含む、発明39に記載の方法。
[発明48]
前記第1液体流、前記第2液体流、又は前記第1液体流と前記第2液体流の両方が1つ以上の活性医薬成分をさらに含む、発明40に記載の方法。
[発明49]
前記第1液体流、前記第2液体流、又は前記第1液体流と前記第2液体流の両方が1つ以上の活性医薬成分をさらに含む、発明41に記載の方法。
[発明50]
前記第1液体流、前記第2液体流、又は前記第1液体流と前記第2液体流の両方が1つ以上の活性医薬成分をさらに含む、発明42に記載の方法。
[発明51]
前記第1液体流と前記第2液体流とが混和性である、発明1に記載の方法。
[発明52]
前記第1液体流と前記第2液体流とが不混和性である、発明1に記載の方法。
[発明53]
前記第1液体流中の前記液体担体が溶媒であり、前記第2液体流中の前記液体担体が逆溶剤である、発明51に記載の方法。
[発明54]
前記第1液体流中の前記液体担体が逆溶剤であり、前記第2液体流中の前記液体担体が溶媒である、発明51に記載の方法。
[発明55]
前記第1液体流中の前記液体担体が溶媒であり、前記第2液体流中の前記液体担体が逆溶剤である、発明52に記載の方法。
[発明56]
前記第1液体流中の前記液体担体が逆溶剤であり、前記第2液体流中の前記液体担体が溶媒である、発明52に記載の方法。
[発明57]
前記第1液体流中の前記液体担体が水性であり、前記第2液体流中の前記液体担体が、前記溶媒に溶解した1つ以上のポリマー又は1つ以上の脂質を有する1つ以上の水混和性有機溶媒を含む、発明51に記載の方法。
[発明58]
前記1つ以上の溶媒が水混和性アルコール又は水混和性ケトンを含む、発明7に記載の方法。
[発明59]
前記1つ以上の溶媒がエタノール、メタノール、アセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、及びポリ(エチレングリコール)から選択される、発明57に記載の方法。
[発明60]
前記1つ以上のポリマーがポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)(PLGA)、ポリ(ε-カプロラクトン)(PCL)、デンプン、多糖類、生体適合性ポリマー、ポリ(アクリレート)、及びポリ(スチレン)、並びにそれらの誘導体から選択される、発明57に記載の方法。
[発明61]
前記1つ以上の脂質がコレステロール、リン脂質、カチオン性脂質、中性脂質、及びステロール、並びにそれらの誘導体から選択される、発明57に記載の方法。
[発明62]
前記1つ以上の液体が、ポリ(エチレングリコール)(PEG化)を含む脂質、蛍光脂質、及び架橋脂質から選択される、発明57に記載の方法。
[発明63]
前記第1液体流、前記第2液体流、又は前記第1液体流と前記第2液体流の両方が1つ以上の活性医薬成分をさらに含む、発明57に記載の方法。
[発明64]
前記層が、析出、結晶化、重合、架橋、酸-塩基反応、置換反応、酸化反応、還元反応、吸着、及び化学吸着のうちの1つから生じる、発明1に記載の方法。
[発明65]
コア粒子の製造方法であって、
(a)以下を備える、第1液体流を形成する工程:
(i)1つ以上の反応物を第1液体担体に導入して第1液体流を形成すること、及び
(ii)任意に、前記第1液体流を均質化すること、
(b)以下を備える、第2液体流を形成する工程:
(i)1つ以上の反応物を第2液体担体に導入して第2液体流を形成すること、及び
(ii)任意に、前記第2液体流を均質化すること、
(c)前記第1液体流をマルチポート混合装置の第1ポートに送り込む工程、
(d)前記第2液体流を前記マルチポート混合装置の第2ポートに送り込む工程、並びに
(e)前記第1液体流と前記第2液体流とを混合して、1つ以上のコア粒子を形成する工程
を備え、
前記混合装置は液体流混合物のキログラム当たり平均エネルギー比率約10
3
~約10
10
W/kgを作る能力がある、
方法。
[発明66]
(a)以下を備える、第1液体流を形成する工程:
(i)前記1つ以上のコア粒子を第1液体担体に導入すること、
(ii)前記1つ以上のコア粒子を前記第1液体担体中で混合して、第1混合物を形成すること、
(iii)任意に、前記第1混合物を均質化すること、及び
(iv)前記第1混合物に1つ以上の反応物を導入すること、
(b)以下を備える、第2液体流を形成すル工程:
(i)1つ以上の反応物を第2液体担体に導入すること、
(ii)前記1つ以上の反応物を前記第2液体担体中で混合して、第2混合物を形成すること、及び
(iii)任意に、前記第2混合物を均質化すること、
(c)前記第1液体流をマルチポート混合装置の第1ポートに連続的に送り込む工程であって、前記第1液体流は、前記混合装置の流速の割合で、前記混合装置に送り込まれる、工程、
(d)前記第2液体流を前記マルチポート混合装置の第2ポートに連続的に送り込む工程、並びに
(e)前記混合装置内で前記第1液体流と前記第2液体流を有効期間混合して、前記1つ以上のコア粒子上に層を形成する工程
を備える、前記コア粒子を利用して層状粒子を製造する工程
をさらに備える発明65に記載の方法であって、
前記混合装置は液体流混合物のキログラム当たり平均エネルギー比率約10
3
~約10
10
W/kgを作る能力がある、
方法。
[発明67]
前記1つ以上の層状粒子を洗浄することをさらに備える、発明66に記載の方法。
[発明68]
工程(a)~(e)を繰り返して第2の層を形成することをさらに備える、発明66に記載の方法。
[発明69]
発明1に記載の方法によって製造される層状粒子。
[発明70]
発明65に記載の方法によって製造されるコア粒子。
[発明71]
前記第1混合物が懸濁液、溶液、及び乳濁液から選択される、発明1に記載の方法。
[発明72]
前記第2混合物が懸濁液、溶液、及び乳濁液から選択される、発明1に記載の方法。
[発明73]
前記混合装置の流速の割合が約0.0001~約0.9である、発明1に記載の方法。
[発明74]
前記割合が約0.001~約0.9である、発明73に記載の方法。
[発明75]
前記第1混合物が懸濁液、溶液、及び乳濁液から選択される、発明66に記載の方法。
[発明76]
前記第2混合物が懸濁液、溶液、及び乳濁液から選択される、発明66に記載の方法。
[発明77]
前記混合装置がホモジナイザー又はローターステーターミキサーである、発明1に記載の方法。
[発明78]
前記1つ以上のコア粒子が工程(e)の液体流混合物中に約0.01%~約50%(前記1つ以上のコア粒子の重量/(工程(e)の液体流混合物プラス前記1つ以上のコア粒子の重量))の量で存在する、発明1に記載の方法。
[発明79]
前記1つ以上のコア粒子が工程(e)の液体流混合物中に約2%~約50%(前記1つ以上のコア粒子の重量/(工程(e)の液体流混合物プラス前記1つ以上のコア粒子の重量))の量で存在する、発明1に記載の方法。
[発明80]
前記1つ以上のコア粒子が工程(e)の液体流混合物中に約5%~約50%(前記1つ以上のコア粒子の重量/(工程(e)の液体流混合物プラス前記1つ以上のコア粒子の重量))の量で存在する、発明1に記載の方法。
[発明81]
前記1つ以上のコア粒子が工程(e)の液体流混合物中に約2%~約40%(前記1つ以上のコア粒子の重量/(工程(e)の液体流混合物プラス前記1つ以上のコア粒子の重量))の量で存在する、発明1に記載の方法。
[発明82]
工程1(a)(iii)及び工程1(b)(iii)の均質化が約500psi~45,000psiの圧力で行われる、発明1に記載の方法。
[発明83]
工程1(a)(iii)及び工程1(b)(iii)の均質化が約3,000psi~30,000psiの圧力で行われる、発明1に記載の方法。
[発明84]
前記混合装置がさらに処理モジュールを備える、発明1に記載の方法。
[発明85]
前記処理モジュールの滞留時間が約1マイクロ秒~約1ミリ秒である、発明84に記載の方法。
[発明86]
前記処理モジュールの滞留時間が約2マイクロ秒~約100マイクロ秒である、発明84に記載の方法。
[発明87]
前記処理モジュールの滞留時間が約10マイクロ秒~約90マイクロ秒である、発明84に記載の方法。
[発明88]
前記処理モジュールの滞留時間が約10マイクロ秒~約25マイクロ秒である、発明84に記載の方法。
[発明89]
前記混合装置がホモジナイザー又はローターステーターミキサーである、発明65に記載の方法。
[発明90]
前記層状粒子約1~約300ナノメートルの平均粒径サイズを有する、発明1に記載の方法。
[発明91]
前記層状粒子約1~約300ナノメートルの平均粒径サイズを有する、発明66に記載の方法。
[発明92]
前記1つ以上の活性成分が活性医薬成分である、発明34に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図6】一実施形態による層状粒子を製造する方法を示す。
【
図7A】一実施形態による層状粒子を製造する方法の一部を示す。
【
図7B】一実施形態による層状粒子を製造する方法の一部を示す。
【
図8A】一実施形態による層状粒子を製造する方法の一部を示す。
【
図8B】一実施形態による層状粒子を製造する方法の一部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に記載される実施形態は、網羅的であること、又は本発明を以下の詳細な説明において開示される明確な形態に限定することを意図しない。むしろ、実施形態は、他の当業者が本開示の原理及び実施を認識し理解し得るように選択、説明される。
【0020】
本開示の一態様は、層状粒子の製造方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は以下を備える:
(a)以下を備える、第1液体流を形成する工程:
(i)1つ以上のコア粒子を第1液体担体に導入すること、
(ii)1つ以上のコア粒子を第1液体担体中で混合して、第1混合物を形成すること、
(iii)任意に、第1混合物を均質化すること、及び
(iv)第1混合物に1つ以上の反応物を導入すること、
(b)以下を備える、第2液体流を形成する工程:
(i)1つ以上の反応物を第2液体担体に導入すること、
(ii)第2液体担体中で1つ以上の反応物を混合して、第2混合物を形成すること、及び
(iii)任意に、第2混合物を均質化すること、
(c)第1液体流をマルチポートホモジナイザー、ローターステーターミキサー又はマイクロリアクターの第1ポートに連続的に送り込む工程であって、第1液体流は、ホモジナイザー、ローターステーターミキサー又はマイクロリアクターの流速の割合で、ホモジナイザー、ローターステーターミキサー又はマイクロリアクターに送り込まれる、工程、
(d)第2液体流をマルチポートホモジナイザー、ローターステーターミキサー又はマイクロリアクターの第2ポートに連続的に送り込む工程、並びに
(e)ホモジナイザー、ローターステーターミキサー又はマイクロリアクター内で第1液体流と第2液体流を有効期間混合して、1つ以上のコア粒子上に層を形成する工程。
【0021】
いくつかの実施形態では、工程(a)(iv)が、第1混合物に1つ以上の界面活性剤を導入することをさらに備える。いくつかの実施形態では、工程(b)(i)が、1つ以上の界面活性剤を第2液体担体に導入することをさらに備える。いくつかの実施形態では、工程(a)が1つ以上のコア粒子を洗浄することをさらに備える。本明細書で使用されるように、用語「層状粒子」は、1つ以上の層を有するコア粒子を意味する。
【0022】
いくつかの実施形態では、工程(b)が1つ以上のコア粒子を洗浄することをさらに備える。
【0023】
本明細書で使用されるように、用語「有効期間」が第1液体流と第2液体流とを十分に混合して1つ以上のコア粒子上に層を形成する期間である。いくつかの実施形態では、有効期間が約1マイクロ秒~約1時間である。他の実施形態では、有効期間が約1マイクロ秒~約20秒である。他の実施形態では、有効期間が約1マイクロ秒~約1分である。他の実施形態では、有効期間が約1マイクロ秒~約100マイクロ秒である。いくつかの実施形態では、有効期間が約10マイクロ秒~約90マイクロ秒である。
【0024】
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、1つ以上のコア粒子を溶液中で懸濁することをさらに備える。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、1つ以上のコア粒子を解凝集することをさらに備える。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の層状粒子を溶液中で懸濁することをさらに備える。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、1つ以上の層状粒子を解凝集することをさらに備える。
【0025】
いくつかの実施形態では、工程(e)が、1つ以上の層状粒子を洗浄することをさらに備える。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、工程(a)(iv)及び工程(b)(iii)~工程(e)を繰り返して層の厚さを増加させることをさらに備える。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、工程(a)~(e)を繰り返して第2の層を形成することをさらに備える。
【0026】
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、1つ以上の層状粒子を溶液中で懸濁することをさらに備える。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、1つ以上の層状粒子を解凝集することをさらに備える。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、混合物を濾過して、約200nm~約25ミクロンのサイズを有する粒子を除去することをさらに備える。
【0027】
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、混合物を滅菌することをさらに備える。
【0028】
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、1つ以上の層状粒子を凍結乾燥することをさらに備える。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、1つ以上の層状粒子を乾燥することをさらに備える。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、1つ以上の層状粒子を熱処理することをさらに備える。
【0029】
いくつかの実施形態では、第1液体流中の1つ以上の反応物が酸である。いくつかの実施形態では、第1液体流中の1つ以上の反応物は塩基である。いくつかの実施形態では、第2液体流中の1つ以上の反応物は塩基である。いくつかの実施形態では、第2液体流中の1つ以上の反応物は酸である。いくつかの実施形態では、酸と塩基とが反応して塩を形成する。いくつかの実施形態では、第1液体流及び第2液体流中の反応物が塩である。いくつかの実施形態では、塩が反応して他の塩を形成する。
【0030】
いくつかの実施形態では、第1液体流と第2液体流とで同一の液体が使用される。いくつかの実施形態では、第1液体流と第2液体流とで異なる液体が使用される。いくつかの実施形態では、層状粒子が結晶性固体粒子を含む。いくつかの実施形態では、層状粒子が非晶質固体粒子を含む。いくつかの実施形態では、層状粒子が、固体、液体又は半固体の粒子を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、層状粒子が、小分子、核酸、タンパク質、ペプチド、及びモノクローナル抗体から選択される。いくつかの実施形態では、層状粒子中に1つ以上の活性医薬成分が封入されている。いくつかの実施形態では、層状粒子内のマトリックスに1つ以上の活性医薬成分が埋め込まれている。いくつかの実施形態では、マトリックスが、ポリマー、金属酸化物、有機塩、無機塩、脂質、油、及びワックスから選択される。
【0032】
いくつかの実施形態では、1つ以上のコア粒子又は1つ以上の層は、限定されないが、以下の1つ以上又はそれらの誘導体を含む:
a)ポリマー:ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)(PLGA)、ポリ(ε-カプロラクトン)(PCL)、デンプン、多糖類、生体適合性ポリマー、ポリ(アクリレート)、及びポリ(スチレン)、架橋ポリマー、アルギン酸塩、PESを含むポリマー(PEG化ポリマー)、及びそれらの誘導体;
b)脂質:コレステロール、リン脂質、レシチン、大豆レシチン、卵レシチン、カチオン性脂質、中性脂質、及びステロール、並びにそれらの誘導体。いくつかの実施形態では、1つ以上の液体は、ポリ(エチレングリコール)(PEG化)を含む脂質、蛍光脂質、及び架橋脂質から選択される;
c)ゼラチン、スクロース、デキストロース、RNA、DNA、核酸を含む種、ペプチド、タンパク質、モノクローナル抗体、小分子薬剤、クルクミン、植物ステロール、カロチノイド、及びビタミンC;
d)植物油、大豆油、オリーブ油、キャノーラ油、コーン油、パーム油、ゴマ油、ビタミンE、ナッツ油、魚油、オメガ-3含有油、モノグリセリド、オリゴグリセリド、ポリグリセリド、ビタミンA、ビタミンK、オレイン酸、鉱油、スクアレン、スクアレン、精油、ワックス、ペルフルオロカーボン、ペルフルオロデカレン、及びFC-43;
e)塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ナトリウム塩、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カルシウム塩、リン酸マグネシウム、アルミノシリケート、シリカ、アルミナ、ジルコニア、金属酸化物、チタン酸バリウム、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、カーボン、グラファイト、グラッシーカーボン、アモルファスカーボン、金、銀、白金、パラジウム、金属粒子、及びそれらの誘導体;
f)抗がん剤、抗生物質、麻酔薬、抗炎症薬、眼薬、ワクチン、アジュバント、及び鎮痛剤;及び
g)ポリソルベート、Tween80、Tween20、Tween60、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、Triton-X100、Igepal CA-630、種々のKolliphor(商標)材料、Soluplus(登録商標)、Collidon(登録商標)、Span(登録商標)85、ソルビタントリオレート、アルブミン、乳清タンパク質、キサンタンガム、及びそれらの誘導体。
【0033】
いくつかの実施形態では、第1液体担体としては、限定されないが、水、緩衝液、エタノール、メタノール、アセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ポリ(エチレングリコール)、ジクロロメタン、ヘプタン、及び他のリモネン、並びに2-メチルテトラヒドロフラン(2-MeTHF)、グリセロール、並びにそれらの誘導体及び組み合わせが挙げられる。
【0034】
いくつかの実施形態では、1つ以上の反応物としては、限定されないが、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、硝酸カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸ナトリウム、アルミニウム、硫酸アルミニウム、過酸化ベンゾイル、アンモニア、酸化窒素、ステアリン酸、塩酸、硫酸、シリカ、硝酸亜鉛、フルフリルアルコール、パラチオン亜鉛、オキシ塩化ジルコニウムが挙げられる。
【0035】
いくつかの実施形態では、第2液体担体としては、限定されないが、水、緩衝液、エタノール、メタノール、アセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ポリ(エチレングリコール)、ジクロロメタン、ヘプタン及び他のリモネン、並びに2-メチルテトラヒドロフラン(2-MeTHF)、グリセロール、並びにそれらの誘導体及び組み合わせが挙げられる。
【0036】
いくつかの実施形態では、第1液体流と第2液体流とが工程(e)において混合されるときに、第1液体流中の1つ以上の反応物が第2液体流中の1つ以上の反応物と反応する。いくつかの実施形態では、第1液体流中の1つ以上の反応物及び第2液体流中の1つ以上の反応物が、第1液体流中の塩と第2液体流中の塩とが混合工程(e)の間に接触するときに析出する溶解塩を含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、第1液体流中の塩が、塩化カルシウム又はいずれか他のカルシウム塩を含み、第2液体流中の塩がリン酸ナトリウム又はいずれか他のリン酸塩を含む。いくつかの実施形態では、第1液体流中の塩がリン酸ナトリウムを含み、第2液体流中の塩が塩化カルシウムを含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、第1液体流、第2液体流、又は第1液体流と第2液体流の両方がさらに核酸を含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、第1液体流、第2液体流、又は第1液体流と第2液体流の両方が1つ以上の活性医薬成分をさらに含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、第1液体担体と第2液体担体とは同じである。
【0041】
いくつかの実施形態では、工程(e)における混合のエネルギー比率が約10~約1010W/kgである。
【0042】
いくつかの実施形態では、第1液体流と第2液体流とが混和性である。いくつかの実施形態では、第1液体流と第2液体流とが不混和性である。いくつかの実施形態では、第1液体流中の液体担体が溶媒であり、第2液体流中の液体担体が逆溶剤である。いくつかの実施形態では、第1液体流中の液体担体が逆溶剤であり、第2液体流中の液体担体が溶媒である。
【0043】
いくつかの実施形態では、第1液体流中の液体担体が溶媒であり、第2液体流中の液体担体が逆溶剤である。いくつかの実施形態では、第1液体流中の液体担体が逆溶剤であり、第2液体流中の液体担体が溶媒である。いくつかの実施形態では、第1液体流中の液体担体が水性であり、第2液体流中の液体担体が、溶媒に溶解した1つ以上のポリマー又は1つ以上の脂質を有する1つ以上の水混和性有機溶媒を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、1つ以上の溶媒が、水混和性アルコール又は水混和性ケトンを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の溶媒が、エタノール、メタノール、アセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、及びポリ(エチレングリコール)から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上のポリマーが、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)(PLGA)、ポリ(ε-カプロラクトン)(PCL)、デンプン、多糖類、生体適合性ポリマー、ポリ(アクリレート)、及びポリ(スチレン)、並びにそれらの誘導体から選択される。
【0045】
いくつかの実施形態では、1つ以上の脂質が、コレステロール、リン脂質、カチオン性脂質、中性脂質、及びステロール、並びにそれらの誘導体から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上の液体が、ポリ(エチレングリコール)(PEG化)を含む脂質、蛍光脂質、及び架橋脂質から選択される。
【0046】
いくつかの実施形態では、第1液体流、第2液体流、又は第1液体流と第2液体流の両方が1つ以上の活性医薬成分をさらに含む。いくつかの実施形態では、層が、析出、結晶化、重合、架橋、酸-塩基反応、置換反応、酸化反応、還元反応、吸着、及び化学吸着のうちの1つから生じる。
【0047】
いくつかの実施形態では、第1混合物が、懸濁液、溶液、及び乳濁液から選択される。いくつかの実施形態では、第2混合物が、懸濁液、溶液、及び乳濁液から選択される。
【0048】
いくつかの実施形態では、ホモジナイザー、ローターステーターミキサー又はマイクロリアクターの流速の割合が、約0.0001~約0.9である。いくつかの実施形態では、割合が、約0.001~約0.9である。
【0049】
本開示の他の態様は、以下を備える層状粒子の製造方法を提供する:
(a)コア粒子を含む液体媒体と液体担体とを混合して、混合物を作製すること、
(b)混合物を均質化してコア粒子を解凝集すること、
(c)混合物を第1液体流と第2液体流とに分離すること、
(d)第1液体流に1つ以上の反応物を導入し、第2液体流に1つ以上の反応物を導入すること、
(e)第1液体流と第2液体流とを混合又は均質化して反応させて層を形成すること。
【0050】
いくつかの実施形態では、液体媒体が界面活性剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、工程(e)が層状粒子を洗浄することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、工程(a)~(e)を繰り返して第2の層を形成することをさらに備える。
【0051】
いくつかの実施形態では、同じコア粒子、反応物、及び液体担体が利用される。いくつかの実施形態では、異なるコア粒子、反応物、及び液体担体が利用される。
【0052】
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、層状粒子を溶液中で懸濁することをさらに備える。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、混合物を濾過して、約200nm~約25ミクロンのサイズを有する粒子を除去することをさらに備える。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、混合物を滅菌することをさらに備える。
【0053】
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、層状粒子を凍結乾燥することをさらに備える。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、層状粒子を乾燥することをさらに備える。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、層状粒子を熱処理することをさらに備える。
【0054】
本開示の他の態様は、以下を備える層状粒子の製造方法を提供する:
(a)以下を備える、第1液体流を形成する工程:
(i)1つ以上のコア粒子を第1液体担体に導入すること、
(ii)1つ以上のコア粒子を第1液体担体中で混合して、第1混合物を形成すること、
(iii)任意に、第1混合物を均質化すること、及び
(iv)第1混合物に1つ以上の反応物を導入すること、
(b)以下を備える、第2液体流を形成する工程:
(i)1つ以上のコア粒子を第2液体担体に導入すること、
(ii)第2液体担体中で1つ以上のコア粒子を混合して、第2混合物を形成すること、
(iii)任意に、第2混合物を均質化すること、及び
(iv)第2混合物に1つ以上の反応物を導入すること、並びに
(c)第1液体流と第2液体流とを混合して、1つ以上のコア粒子上に層を形成する工程。
【0055】
いくつかの実施形態では、工程(a)(iv)が、第1混合物に1つ以上の界面活性剤を導入することをさらに備える。いくつかの実施形態では、工程(b)(iv)が、第2混合物に1つ以上の界面活性剤を導入することをさらに備える。いくつかの実施形態では、工程(c)が、1つ以上のコア粒子を洗浄することをさらに備える。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、工程(a)(iv)及び工程(b)(iv)~工程(c)を繰り返して層の厚さを増加させることをさらに備える。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、工程(a)~(c)を繰り返して第2の層を形成することをさらに備える。
【0056】
本開示の他の態様は、以下を備えるコア粒子の製造方法を提供する:
(a)以下を備える、第1液体流を形成する工程:
(i)1つ以上の反応物を第1液体担体に導入して第1液体流を形成し、
(ii)任意に、第1液体流を均質化すること、
(b)以下を備える、第2液体流を形成する工程:
(i)1つ以上の反応物を第2液体担体に導入して第2液体流を形成すること、及び
(ii)任意に、第2液体流を均質化すること、
(c)第1液体流をマルチポートホモジナイザー、ローターステーターミキサー又はマイクロリアクターの第1ポートに送り込む工程、
(d)第2液体流をマルチポートホモジナイザー、ローターステーターミキサー又はマイクロリアクターの第2ポートに送り込む工程、並びに
(e)第1液体流と第2液体流とを混合して、1つ以上のコア粒子を形成する工程。
【0057】
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、コア粒子を利用して以下を備える層状粒子を製造する:
(a)以下を備える、第1液体流を形成する工程:
(i)1つ以上のコア粒子を第1液体担体に導入すること、
(ii)1つ以上のコア粒子を第1液体担体中で混合して、第1混合物を形成すること、
(iii)任意に、第1混合物を均質化すること、及び
(iv)第1混合物に1つ以上の反応物を導入すること、
(b)以下を備える、第2液体流を形成する工程:
(i)1つ以上の反応物を第2液体担体に導入すること、
(ii)第2液体担体中で1つ以上の反応物を混合して、第2混合物を形成すること、及び
(iii)任意に、第2混合物を均質化すること、
(c)第1液体流をマルチポートホモジナイザー、ローターステーターミキサー又はマイクロリアクターの第1ポートに連続的に送り込む工程であって、第1液体流は、ホモジナイザー、ローターステーターミキサー又はマイクロリアクターの流速の割合で、ホモジナイザー、ローターステーターミキサー又はマイクロリアクターに送り込まれる、工程、
(d)第2液体流をマルチポートホモジナイザー、ローターステーターミキサー又はマイクロリアクターの第2ポートに連続的に送り込む工程、並びに
(e)ホモジナイザー、ローターステーターミキサー又はマイクロリアクター内で第1液体流と第2液体流を有効期間混合して、1つ以上のコア粒子上に層を形成する工程。
【0058】
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、1つ以上の層状粒子を洗浄することをさらに備える。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、工程(a)~(e)を繰り返して第2の層を形成することをさらに備える。
【0059】
当業者は、本開示の方法における工程が任意の順序で実行され得ることを理解する。工程の順序は、当業者によって望まれる条件に応じて変化する。
【0060】
本開示の他の態様は、本開示の方法によって製造された層状粒子を提供する。
【0061】
本開示の他の態様は、本開示の方法によって製造されたコア粒子を提供する。
【0062】
本開示の他の態様では、混合エネルギーは、ホモジナイザー、ローターステーターミキサー又はマイクロリアクターの圧力及び処理モジュールの種類によって制御される。ホモジナイザー、ローターステーターミキサー及びマイクロリアクターについては、約105~約1010W/kgのエネルギーレベルが典型的である。いくつかの実施形態では、エネルギーレベルは10~約1010W/kgである。
【0063】
本開示の他の態様において、2つの流れの接触時間は、約2から約100マイクロ秒~約0.5から約100秒まで変化し得る。正確な接触時間は、使用されるホモジナイザー、ローターステーターミキサー又はマイクロリアクターの種類などの様々な要因によって決まる。米国特許第5,187,554号[10]は、0.5~20秒の範囲の接触時間を支持している。高圧ホモジナイザーが使用される場合、高エネルギーゾーンでの接触時間は類似する傾向がある(例えば、約2~約100マイクロ秒)。
【0064】
本開示の方法によって形成された層状粒子は様々な特徴を有する。図は、例示目的のために、本開示の方法の異なる実施形態によって作製された粒子の特定の特徴のみを示す。
【0065】
図1は、一実施形態による層状粒子10を説明する。層状粒子10は、被覆層12を有するコア14を含む。層状粒子10は、固体、液体又は半固体とすることができる。
【0066】
図2は、一実施形態による層状粒子16を説明する。層状粒子16は、被覆層12及び被覆層18を有するコア14を含む。被覆層12はコア14を囲み、被覆層18は被覆層12を囲んでいる。層状粒子16は、固体、液体又は半固体とすることができる。
【0067】
図3は、一実施形態による層状粒子20を説明する。層状粒子20は、コア14、被覆層12、及びコア14内に埋め込まれた又は溶解された活性成分22を含むマトリックスを含む。
【0068】
図4は、一実施形態による層状粒子24を説明する。層状粒子24は、コア14、被覆層12、及び結晶材料26を含む。
【0069】
図5は、一実施形態による層状粒子28を説明する。層状粒子28は、コア14、被覆層12、及びポリエチレングリコール30を含む。
【0070】
図6は、層状粒子を製造する方法32を説明する。この説明では、コア粒子106を含む液体流34は、制御された混合条件38及び制御された時間40の下で液体流36と混合されて層状粒子42を生成する。
【0071】
図7Aは、一実施形態による層状粒子を製造する方法44の一部を示す。工程46は、コア粒子を形成するための反応物、液体担体及び界面活性剤の選択を備える。工程48は、2つ以上の異なる反応物液体流を形成することを備える。工程50は、工程48からの液体流を処理するためのマルチポートミキサーをセットすることを備える。工程52は、液体流を処理してコア粒子を形成することを備える。工程54は、コア粒子を単離し洗浄するための任意の工程である。工程56は、工程54からのコア粒子を懸濁させて解凝集させるための任意の工程である。工程58は、第1の層のための反応物を選択することを備える。工程60は、2つ以上の異なる反応物液体流を形成することを備える。
【0072】
図7Bは、一実施形態による層状粒子を製造する方法44の一部を示す。
図7Aに示される工程60の後に開始して、工程62は、液体流を処理するためのマルチポートホモジナイザーをセットすることを備える。工程64は、工程60からの液体流を処理して粒子上に層を形成することを備える。工程66は、粒子を単離し洗浄する任意の工程である。工程68は、工程60~66を繰り返して層の厚さを増加させる任意の工程である。工程70は、任意に工程58~66を繰り返して、異なる材料の他の層を作製する。工程72は、工程66~70のいずれか1つからの粒子を懸濁させ、解凝集させる任意の工程である。工程74は、工程64~72のいずれかからの懸濁液を濾過して大粒子を除去する又は懸濁液を滅菌する任意の工程である。工程76は、工程64~72のいずれか1つからの粒子を凍結乾燥、乾燥又は他の方法で熱処理する任意の工程である。
【0073】
図8Aは、一実施形態による層状粒子を製造する方法78の一部を示す。工程80は、本開示においてさらに記載されるように、コア粒子、反応物、界面活性剤、及び液体担体などの材料の選択を備える。工程82は、コア粒子を液体流に導入することを備える。工程84は、粗分散液を作製するためのローターステーター又はホモジナイザー混合を備える。工程86は、粒子を解凝集するための高圧均質化を備える。工程88は、2つ以上の異なる反応物液体流の形成を備える。工程90は、液体流を処理するためのマルチポートミキサーをセットすることを備える。工程92は、マルチポートミキサーを用いて工程90からの2つ以上の液体流を処理することを備える。
【0074】
図8Bは、一実施形態による層状粒子を製造する方法78の一部を示す。
図8Aで製造された粒子から始めて、工程94は粒子を単離し洗浄する任意の工程である。工程96は、工程82~94を繰り返して同じ材料を使用して層の厚さを増加させる任意の工程である。工程98は、工程80~94を繰り返して異なる材料の他の層を作製する任意の工程である。工程100は、工程82~94を繰り返して工程94からの粒子を最終溶液中で懸濁する任意の工程である。工程102は、工程92又は96~100のいずれかからの懸濁液を濾過して大粒子を除去する又は懸濁液を滅菌する任意の工程である。工程104は、工程92~100のいずれか1つからの粒子を凍結乾燥、乾燥又は他の方法で熱処理する任意の工程である。
【0075】
本開示はまた、層状粒子の製造のための様々な方法を提供する。本開示の方法は、層状粒子の形成を制御する重要なパラメータ及びサブ方法に影響を及ぼし、(a)コア粒子の表面を露出させるためのコア粒子の解凝集、及び(b)粒子とは無関係に発生するのではなく、粒子表面に層形成(化学反応又は析出など)が起こることにつながる方法を進めることを備える。以下の例示的な工程は、本開示の方法にとって典型的であるが、決して限定的であることを意味しない。
【0076】
1.適切な材料:コア粒子、次の粒子層を形成するために使用される反応物、及び各流れ中の担体液が選択される。コア粒子は市販されている、又は以前に作製されたものであり得る。反応物に関しては、例えば、一方は酸であり、他方は塩基であり、反応時にそれらは塩を形成する。反応物はまた、置換反応を介して反応し、第3の塩を生じる2つの塩であり得る。化学反応ではなく、析出や結晶化などの物理的方法を伴う他の選択肢もある。例えば、1つの流れは溶媒に溶解したポリマーを含み得る。他の流れは溶媒と混和性である液体を含んでいてもよいが、それはポリマーを溶解しない。これらの流れが組み合わさると、ポリマーの溶解度が低下する。これはポリマーを析出させ得る。溶解した材料が結晶化するときの結晶化方法は、上記の析出と同様である。流れごとに複数の反応物が存在し得る。担体液は、それらが適合し典型的には(常にではないが)混和性であるように選択される。これらの担体液は、様々なpHを有する水溶液、有機溶媒、又はそれらの組み合わせとすることができる。それらは任意に界面活性剤を含んでいてもよい。
【0077】
2.コア粒子を液体媒体中で混合する。液体中の粒子の典型的な濃度は約0.01~約10重量%の範囲であるが、粒子濃度は含まれる材料に応じて約50%に近づき得る。任意に、1つ以上の界面活性剤を溶液に混合する。
【0078】
3.ローターステーターミキサーを使用して粗分散液を作製する。例えば、IKAミキサー(IKA Works,Inc.,2635 Northchase Parkway SE,Wilmington,NC 28405、USA)を使用し得、あるいは、懸濁液に浸漬された単一回転プロペラを使用することができる。この工程は、液体を完全に解凝集させ得ないが、さらに処理することができる懸濁液を作製し得る。ローターステーターミキサーの場合、重要な加工パラメータは回転速度と処理モジュールの種類である。500~18,000rpmの範囲の速度が典型的である一方、処理モジュールは、製造業者の提案に基づいて、処理分散液に適するように選択される。
【0079】
4.粗懸濁液を高圧均質化する。まず、粗懸濁液を高圧ホモジナイザー(HPH)の入口容器に注ぐ。圧力は典型的には約3000~約30,000psiの範囲内にあるように選択されるが、それは約500psi~約45,000psi以上に広げることができる。ホモジナイザーの処理モジュールの種類は、分散液を処理するのに適するように選択される。処理モジュールは、HPHの種類に基づき、例えば、均質化弁(APV,Niro Soaviなど)、反応室(DyHydromatics)又は相互作用室(Microfluidics)であり得る。加工品の出口温度は、処理モジュールの後に典型的に配置されている熱交換器によって制御される。解凝集が完了するまで材料を数回再循環させ得、これは粒度分析器、光学顕微鏡、又は当業者に公知の他の手段を使用して確認することができる。
【0080】
5.2つの異なる液体流を形成する。第1の流れは懸濁液であり、その中に1つ以上の反応物が溶解している。他の流れは、第1の流れの液体と混和性の液体に溶解した他の反応物又は複数の反応物を含む。反応物の濃度は、反応タイプ、反応速度及び層の所望の厚さに基づいて予め決定され得る。各液体流は2ポートミキサーの1つのポートに導かれ、所定の比率で供給される。用途に応じて、使用し得る様々なミキサーがある。例えば、1つは、T.Panagiotou,S.Mesite,R.Fisher及びI.Gruverman,「Production of Stable Drug Nanospensions Using Microfluidics Reaction Technology」に記載されている。NSTI-Nanotech 2007,www.nsti.org,ISBN 1420063766,Vol.4,pp.246-249,2007は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。この1つの装置は、実質的にデュアルポートホモジナイザーであり、市販されている(Microfluidics(Westwood,MA)製model CR5)。例えば、Quadro Engineering(Ontario,Canada)からのデュアルフィードローターステーターミキサーもある。
【0081】
さらに、Microfluidics(MMR)からの市販されていない技術も使用し得る。Precision Nanosystems(Vancouver,BC,Canada)のものなどの低エネルギーMicrofluidicsリアクターもまた、いくつかの状況で使用され得る。
【0082】
6.機械をセットする。工程3のようにデュアルポートホモジナイザーが使用されると仮定すると、圧力、処理モジュール及び温度が選択される。さらに、流れのうちの1つの流速はポンプを使用して制御される。機械の総流量は圧力及び処理モジュールによって制御されるので、第2の流れの流量はそれ自体を調整し、それで2つの流れの流量の合計は機械の総流量に等しい。2つの流れの流速の比は、物理的方法の化学反応の化学量論を制御し、それ故に反応率を制御する。
【0083】
7.レイヤを作製する。HPH機の電源を入れ、流れを混合し所定の期間、典型的にはそれらが処理モジュールを通過するときに合計約1秒の間反応させる。処理モジュールの高エネルギーゾーンにおける滞留時間は、約10~25マイクロ秒であると計算される。化学反応/物理的方法はこれらの時間規模内及び処理モジュールのマイクロリットル体積内で完了するので、粒子は反応物、その後に反応生成物に極めて接近する。加えて、方法は、それらの小規模のために促進される(以前の研究で実証されたように、例えば、参考文献[7]-[9]参照)。反応物の濃度、圧力、滞留時間、機械を通過する回数、及び初期粒度が各層の厚さを決定する。典型的な厚さは、500nm未満の初期サイズを有する粒子については約1~10nmである。
【0084】
9.任意に、粒子を単離して洗浄する。作製層の間に粒子を洗浄して、前の方法の反応物及び不純物を除去することが必要な場合がある。それらを洗浄する1つの方法は、粒子を濾過し、次いでフィルター上に捕捉された粒子を清浄な溶液で洗浄することであろう。他の方法は、遠心分離機を使用して粒子を分離し、次いで清浄な溶液でそれらを洗浄することである。さらに他の方法は、中空繊維接線濾過を用いて不純物を分離することであろう。これは、タンパク質、RNA、DNA、ペプチドなどを含む比較的高分子量の材料に最適である。任意に、層の厚さは工程5~8を繰り返すことによって増加させることができる。
【0085】
10.任意に、工程4~8又は9を繰り返して、同じ又は異なる材料の他の層を作製する。
【0086】
11.任意に、工程1~3を繰り返して工程8又は9からの粒子を最終的な溶液中で懸濁させる。
【0087】
12.任意に、懸濁液を濾過して大粒子を除去する、又は公知の濾過方法を用いて懸濁液を濾過滅菌する。
【0088】
13.任意に、粒子を当業者に公知の方法を用いて凍結乾燥する。
【0089】
上記で概説した一般的な方法工程に加えて、本開示は、当業者には公知であろう方法の変形例を含む。そのような変形例としては、限定されないが、以下が挙げられる。
(a)コア粒子は、工程5及び刊行物[6]~[9]にも記載されたデュアル供給装置、並びに先のマイクロフルイディクスの米国特許第8,187,554号を使用して形成される。これらのコア粒子は、固体、液体又は半固体の材料からなり得る。以下は一例である:参考文献[11]に記載されているように、活性成分を任意に含む固体ポリマー粒子は、溶媒-逆溶剤析出によって形成される。これらはコア粒子を形成し、一方、層は後の段階で形成される。層の機能は、活性成分が早期に粒子から浸出するのを防止することである可能性がある。
(b)少なくとも1つの層と同時にコア粒子を形成する。例えば、工程4から出発して、コア粒子及び第1の層の両方を使用して反応物を選択する。コア粒子が第1の層に必要とされる方法よりも速い方法によって形成される場合、コア粒子が最初に形成され、層材料が粒子を被覆するであろう。以下は一例である:乳濁液を形成する液体媒体中の液体粒子(液滴)は、参考文献[8]に記載されているように、一方が乳濁液の不連続相を形成し、他方が連続相を形成する2つの液体及び不混和流を別々に注入することによって製造される。一方の液体流はポリマーを含んでいてもよく、これは析出すると液滴の周囲にコーティングを作製し、ナノカプセルを形成する。
(c)工程4において2つより多い液体反応物流が使用されて、粒子の周囲にコーティングを作製する。これは、複数の方法が行われて、反応物を分離しておく必要がある場合に有効である。
【0090】
上記の方法の変形例から生じる粒子は、異なる形態を有してもよい。これらの形態のいくつかは、添付図面において例示としてのみ示されている。例えば、
図1は、単層で囲まれた球形コア粒子を示す。コア粒子は、固体、液体又は半液体であり得る。ポリマー製の中実球状コア粒子は、液体中でのポリマーのミクロ析出又はナノ析出によって製造し得、参考文献[11]を参照されたい。それらはまた、乳化重合又は噴霧乾燥の結果として製造され得、例えば、米国特許第5,269,980号を参照されたい。
【0091】
これらの層は、障壁として機能して、粒子の特定の成分が粒子から放出されるのを防ぐ、又はそれらの放出速度を遅くし得る。特定の用途では、特定の電気的又は電子的特性を有する層で粒子を被覆する必要があり得る。一例として、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)は、超音波トランスデューサ及び圧電共振器に使用される圧電材料である。そのような用途では、PZT層で被覆された粒子を利用することが望ましい可能性がある。以下の参考文献は、PZTを製造するための湿式化学及び工程を記載している。「シュウ酸塩及び水酸化物共沈による化学量論的で均質なチタン酸ジルコン酸鉛粉末の低温合成」,B.Guiffard and M.Troccaz Materials Research Bulletin Volume 33,Issue 12,December 1998,Pages 1759-1768。この場合、共沈後に熱処理工程がある。
【0092】
乳化中に液体粒子が形成され得る。これらの粒子の周囲の固体層は、液体粒子の成分を酸化から保護し、臭気を低減し、又は成分が浸出するのを防止し得る。同様に、脂質を含むことが多い半液体粒子の周囲の層は、粒子内部の化合物を保護し得る。
【0093】
図2は、多層を有する粒子を示す。各層は異なる機能を有することが可能である。例えば、医薬品用途の場合、第1の層はコア粒子内部の特定の化合物を保護するために使用し得る。第2の層は、高い生体適合性を有する表面を作製するために使用され得、そのため粒子は免疫系によって受け入れられ、付着されない。
【0094】
図3のコア粒子は、1つ以上の材料が埋め込まれているか又は溶解しているマトリックスからなる。例は、前の段落で述べたように、活性成分が溶解又は埋め込まれているポリマー粒子であろう。他の例は、RNA、DNA又はペプチド分子を含むリン酸カルシウムなどの塩であろう。他の例としては、タンパク質分子を含む炭酸ナトリウム粒子が挙げられる。
【0095】
図4は、結晶性材料からなり、典型的には丸い形状ではないコア粒子を示す。そのような材料の例としては、癌を治療するために使用されるパクリタキセルなどの固体小分子薬が挙げられる。
【0096】
図5は、粒子を取り囲むPEG種を有する層状粒子を示す。そのような種は粒子を安定化し、隠密性の表面を形成するために使用され、それで医薬品用途のための粒子は人体の免疫系により検出されない。
【0097】
粒子を解凝集する一般的な方法は、それらを様々な液体中で懸濁し、任意に界面活性剤を添加し、次いで高エネルギー装置を使用して粒子に剪断力を加えることである。剪断力は、粒子を互いに分離することに役立つ一方、界面活性剤の存在は、粒子を長期間にわたって離しておくことに役立つ。この欄で後述するように、粒子が小さければ小さいほど、必要な剪断力は高くなる。高圧ホモジナイザー(HPH)及び超音波処理器を含む、粒子を解凝集する一般的に使用される技術がある。
【0098】
粒子が解凝集したら、それらはすぐに覆われるようになる。コーティングを形成する1つ以上の反応物が粒子懸濁液と混合される。これが第1液体流を形成する。次いで他の液体流が形成される。第2液体流は、第1液体流中の反応物と反応する反応物を含む。反応物は化学反応を受けて他の種を形成し得る。例えば、一方は酸であり、他方は塩基であり、反応するとそれらは塩を形成し得る。反応物はまた、置換反応を介して反応し、第3の塩を生じる2つの塩であり得る。化学反応ではなく、析出や結晶化などの物理的方法を伴う他の選択肢もある。例えば、1つの流れは溶媒に溶解したポリマーを含み得る。他の流れは溶媒と混和性である液体を含んでいてもよいが、それはポリマーを溶解しない。これらの流れが合流すると、ポリマーの溶解度は低下する。これはポリマーを析出させ得る。しかし、化学反応又は物理的方法が制御された条件下及び正確なタイミングで行われない限り、ポリマーは粒子上に析出することも、各粒子を薄層で被覆し得ない。これは、粒子の周囲に薄層を形成するのに必要とされる高エネルギーで2つの流れを混合させることを可能にする適切な装置を使用することによって達成され得る。さらに、混合時間は化学反応又は物理的方法の時間スケールと一致しなければならないであろう。
【0099】
多層粒子のためのベースとしての機能を果たすコア粒子は、互いに分離して被覆される表面積を露出させることができる。ナノサイズ及びミクロンサイズの粒子は、高い表面エネルギーを有し、凝集又は集合する傾向があり、これは一般に界面活性剤を利用し、液体に剪断をかけてコア粒子を分散させることによって達成される。必要とされる剪断(エネルギー)のレベルもまた界面活性剤の種類及び量に依存する。
【0100】
いくつかの実施形態では、液体がパイプ、オリフィス、チャネルなどを通って流れるときに、液体の運動エネルギーの結果として剪断が発生し得る。液体は加圧され(位置エネルギー)、液体が流れるにつれて位置エネルギーは運動エネルギーに変換される。いくつかの実施形態では、超音波処理をエネルギー源として使用することができる。いくつかの実施形態では、小さな気泡が高速で移動し、液体中で破裂する結果として、剪断が発生する。
【0101】
コア粒子上にコーティングを形成するために、反応物はコア粒子の表面で反応する必要があり、又は反応物が液体中で反応するがコア粒子の表面に析出する。これらの状況のいずれにも当てはまらない場合、反応生成物はコア粒子とは独立した方法で粒子を形成するであろう。
【0102】
反応物が粒子の表面で反応するためには、反応物の1つはコア粒子の表面の一部であり得る。いくつかの実施形態では、表面は反応を触媒し得る。反応が液相で起こる場合、生成物が形成した後、生成物が大きな独立した粒子に成長する前に、生成物は表面を非常に早く被覆しなければならないであろう。したがって、反応物がコア粒子よりも小さい規模で混合し、その結果、反応物が反応して小さな構造を形成し、それが最終的にコーティングを形成することが重要である。反応速度との関連で反応物の混合のタイミングも重要である。
【0103】
液体中で懸濁した小粒子を取り扱うとき、解凝集は一定量のエネルギーを必要とする。第一の近似値は、乱流理論によって与えられ、混合電源入力、溶液密度及び粘度からこれを推定するために使用される。例えば、Kolmogorov AN.The Local Structure of Turbulence in Incompressible Viscous Fluid for Very Large Reynolds Numbers(非常に大きなレイノルズ数に対する非圧縮性粘性流体中の乱流の局所構造).Proc.USSR Acad.Sci.1941;30,299-303を参照されたい。
【数1】
【0104】
ここで、vは動粘度、εは乱流混合における単位質量当たりのエネルギー散逸率である。このコルモゴロフ長λは、熱が消散する前に形成された最小の渦の大きさ、及び形成されている物体の大きさに関連した長さ規模であり、それは関連する輸送方法の時間スケールにも大きな影響を与える。この式は、粒子が小さいほど、必要エネルギーが大きいことを示している。
【0105】
液体中で懸濁された粒子を解凝集するための一般的な方法は、高圧均質化(HPH)又はミクロ流動化方法を使用することである。これらの方法に使用される装置は、Niro Soavi(Parma,Italy)及びMicrofluidics(Westwood,MA,USA)などの会社から市販されている。これらの会社の適切な機器の例としては、それぞれPantaPLUS 1000及び110EHが挙げられる。これらの装置のうちの1つを利用して粒子を解凝集することができる。
【0106】
そのような装置は、2000バールに近い、又はそれを超える圧力への液体反応物流の加圧を伴う[6~8]。圧力エネルギーは、400m/sを超える速度でマイクロチャネルを通って流れを送り込むために使用される。これらの高速度は、25~50nmの混合規模での高度の乱流(75,000のレイノルズ数に対応する)の原因である。機器の高エネルギーゾーンにおける滞留時間は10~90マイクロ秒の範囲で変化し、25~50nmまでの現象が完了するのに10~90マイクロ秒を有することを示している。
【0107】
粒子が解凝集したら、液体流をコーティングの前駆体を含む他の液体流と混合し得る。しかし、前述のように、これらの流れの混合方法は実際のコーティングを形成するために重要である。反応物流との混合は、T-ミキサー、マイクロ流体チップなどの多重ポートを有する混合装置、又はMicrofluidics(Westwood,MA)のモデルCR5若しくはMMR技術などの2ポート均質化装置を用いて行うことができる。
【0108】
最後の2つの装置は、高い剪断をもたらし、さらに2つ以上の流体流を所定の速度で同時に送り込む能力をもたらす。したがって、CR5を使用すると、粒子の解凝集及び反応物の混合は一段階で起こり得る。
【0109】
本開示の方法を実施する1つの方法は、改良型高圧ホモジナイザー(HPH)又はマイクロフルイダイザー型プロセッサーを使用することである[6]。そのような装置は、液体中で懸濁した粒子を解凝集するため、又は大きな固体又は液体粒子を粉砕し、ミクロンサイズ及びナノサイズの粒子を有する製剤を形成するために一般的に使用される。これらの方法に使用される装置は、Niro Soavi(Parma,Italy)、Microfluidics(Westwood,MA,USA)、及びDyHydromatics(Maynard,MA,USA)などの会社から市販されている。これらの会社の適切な機器の例としては、それぞれPantaPLUS 1000、110EH及びPSI 20が挙げられる。これらの装置のうちの1つを利用して粒子を解凝集することができる。
【0110】
本開示の特定の実施形態では、液体の複数の流れが装置に入ることをも可能にするように変更された上述の装置を使用することが有用である。変更は、(例えば)参考文献[7]に従って、又はMicrofluidics(Westwood、MA)からのモデルCR5又はMMR技術、又は他のホモジナイザー製造業者によって行われ得る。
【0111】
上記の方法及び最終結果は、J.J.Kirkland(1965)に記載されたレイヤバイレイヤ(LbL)製造技術とは異なる。「Porous Thin-Layer Modified Glass Bead Supports for Gas Liquid Chromatography(気液クロマトグラフィー用の多孔質薄層修飾ガラスビーズ支持体)」。Analytical Chemistry.37:1458.doi:10.1021/ac60231a004及びまたR.K.Her(1966)。「コロイド粒子の多層」Journal of Colloid and Interface Science.21:569.doi:10.1016/0095-8522(66)90018-3。その技術は、間に洗浄工程で逆荷電した材料の交代層を堆積させることからなる。したがって、電荷を運ぶ化合物にのみ適用される。以下は、LbL技術と本開示の方法との間のいくつかの重要な違いである。
【0112】
(a)LbL法は逆荷電した種に基づく。LbL法では、粒子の電荷は反対の電荷を有する種を引き付け、それが最終的に層を形成する。本開示の方法は、層を形成するための種の電荷に依存しないので、帯電していない種に対して使用することができる。本明細書に記載の方法では、被覆される粒子は、それが合成されているときに、層状材料にごく接近している。粒子と層状材料の総表面積は、表面エネルギーと共に、他の粒子よりも層状材料が粒子の周囲に層を形成するときに減少するので、熱力学は一般に粒子上の層状材料の吸着を支持する。これは層形成の位置とタイミングの両方を制御する。
【0113】
LbL法の場合のように、層が静電荷のみと一緒に保持されている場合、粒子は、それが生成された環境とは異なるpH又はイオン強度を有する環境で使用されるとばらばらになり得る。これは望ましくない可能性があり、なぜなら粒子が意図したターゲットに到達する前に、粒子が時期尚早にばらばらになる可能性があるためである。対照的に、層が電荷のみと一緒に保たれていない場合、それらはpH及びイオン強度の変化においてより安定している。本開示の方法は、層を形成するために荷電種に依存しない。そのため、それらは、電荷のある又は電荷のない材料に使用することができる。
【0114】
(b)LbL法はコア粒子の解凝集を特定しない。解凝集は、それが粒子表面を露出させるので有利であり、従って層は粒子の周囲に形成される。
【0115】
以下の非限定的な例は、本開示の方法及び層状粒子の特定の利点及び改良を例示する。これらの例は例示のみを目的としており、本開示の他の実施形態を限定又は排除することを目的としていない。
【0116】
例1:リン酸カルシウム粒子
流れ1. 5mg/mlのリン酸ナトリウム、50ml。
流れ2. 5mg/mlの塩化カルシウム、40ml。
流れ1を、DyHydromatics(Maynard,MA)からのHPH、モデルPSI-20の容器に注ぐ。流れ2はピペットで吸い上げられる。ピペットの先端は容器の出口に配置されている。圧力は20,000psiに設定されている。機械が始動し、2~3秒後にピペットハンドルが押し下げられて、それにより機械の圧縮ストロークの間に少量の流れ2を分注する。1分で20mlの流れ2を分注した後、1mlの試料を採取し、粒度を測定する。使用される粒度分析器は、Anton Paar(Graz,Austria)製のLitesizer500動的光散乱機器である。流れ2からさらに多く合計約25mlが分注されると、容器内の液体は濁る。粒度測定のために他の試料が得られる。分注流れ2は次いで停止し、一方機械はまだ動作している。10~15分間処理した後も液体の外観は変化しない。
【0117】
粒子は非常に凝集しており、凝集物は以下に示すようにミクロンサイズの範囲で測定される。
2.288ミクロン(2288nm)-20mlの流れ2の添加後
4.666ミクロン(4666nm)-40mlの流れ2のすべての添加後
【0118】
一次粒度は200nm未満である。
【0119】
例2.リン酸カルシウム/RNA粒子
流れ1. 5mg/mlリン酸ナトリウム-2.5mg/ml RNA溶液、50ml
流れ2. 5mg/ml塩化カルシウム溶液、40ml
例2においても、例1で使用したのと同じ装置を使用する。
【0120】
流れ1は機械容器に注がれる。流れ2はピペットで吸い上げられる。ピペットの先端は容器の出口に配置されている。圧力は20,000psiに設定されている。機械が始動し、2~3秒後にピペットハンドルが押し下げられて、それにより機械の圧縮ストロークの間に少量の流れ2を分注する。約1分で20mlの流れ2を分注した後、試料(1ml)を採取し、粒度を測定する。流れ2からさらに多くが分注されるにつれて、容器内の液体は濁る。粒度測定のために他の1mlの試料を得る。分注流れ2は次いで停止し、一方機械はまだ動作している。2~3分後、試料は透明になる。
【0121】
以下に見られるように、粒子は製造後1時間を超えて安定している(凝集していない)ので、一次粒度は容易に測定される。
134nm-20mlの流れ2の添加後
207nm-40mlの流れ2のすべての添加後
【0122】
例3.リン酸カルシウム/RNA粒子
この例は例2と同様であるが、リン酸ナトリウム、RNA及び塩化カルシウムの濃度が2倍である。
【0123】
流れ1. 10mg/mlリン酸ナトリウム-5mg/ml RNA溶液、50ml
流れ2. 10mg/mlの塩化カルシウム溶液、40ml
例1で使用したものと同じ装置をここで使用した。
【0124】
流れ1は機械容器に注がれる。流れ2はピペットで吸い上げられる。ピペットの先端は容器の出口に配置されている。圧力は20,000psiに設定されている。機械が始動し、数秒後にピペットハンドルが押し下げられ、それによって機械の圧縮ストロークの間に少量の流れ2を分注する。1分で20mlの流れ2を分注した後、試料を採取し、粒度を測定する。流れ2からより多くのものが以前と同じ速度で分注されるにつれて、容器内の液体は濁るようになる。粒度測定のために他の1mlの試料を得る。分注流れ2は次いで停止し、一方機械はまだ動作している。2~3分後、試料はより透明になった。
【0125】
以下に見られるように、粒子は製造後1時間を超えて安定している(凝集していない)ので、一次粒度は容易に測定される。
184nm-20mlの流れ2の添加後
1100nm-40mlの流れ2のすべての添加後
一次粒度は200nm未満である。
【0126】
例4リン酸カルシウム/RNA粒子
この例は例2と類似しているが、流れ2の体積はより大きい。
【0127】
流れ1. 10mg/mlリン酸ナトリウム-5mg/ml RNA溶液、50ml
流れ2. 10mg/mlの塩化カルシウム溶液、60ml
例1で使用したものと同じ装置をこの例で使用した。
【0128】
流れ1は機械容器に注がれる。流れ2はピペットで吸い上げられる。ピペットの先端は容器の出口に配置されている。圧力は20,000psiに設定されている。機械が始動し、数秒後にピペットハンドルが押し下げられ、それによって機械の圧縮ストロークの間に少量の流れ2を分注する。45秒以内に20mlの流れ2を分注した後、1mlの試料を採取し、粒度を測定する。流れ2からより多くのものが以前と同じ速度で分注されるにつれて、容器内の液体は濁るようになる。
【0129】
他の試料1mlを粒度測定用に得る。分注流れ2は次いで停止し、一方機械はまだ動作している。2~3分後、試料はより透明になる。
【0130】
以下に見られるように、粒子は製造後1時間を超えて安定している(凝集していない)ので、一次粒度は容易に測定される。
134nm-30mlの流れ2の添加後
380nm-40mlの流れ2のすべての添加後
【0131】
一次粒度は70~150nmである。
【0132】
製造後、懸濁液を0.22ミクロンのフィルターに通して、粒子を濾過又は滅菌する必要があるかどうかを決定し、これは製剤をヒト又はヒト以外の動物の体内に注射するのに必須である。
【0133】
参考文献
上記の各参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0134】
以上、実施形態を開示してきたが、本発明は開示された実施形態に限定されるものではない。代わりに、本願は、その一般原理を用いた本発明のあらゆる変形、使用、又は適応を網羅することを意図している。さらに、本願は、本発明が関連し、添付の特許請求の範囲の制限内に入る、当技術分野における公知の又は慣習的な慣行の範囲内にあるように本開示からの逸脱を網羅することを意図している。