(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-20
(45)【発行日】2025-03-03
(54)【発明の名称】高い増幅、生存能力及び殺腫瘍作用を有するCAR-iNKT及びその使用
(51)【国際特許分類】
C12N 15/62 20060101AFI20250221BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20250221BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20250221BHJP
C12N 15/13 20060101ALI20250221BHJP
A61K 31/7088 20060101ALI20250221BHJP
A61K 40/15 20250101ALI20250221BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20250221BHJP
A61K 40/31 20250101ALI20250221BHJP
A61K 40/35 20250101ALI20250221BHJP
C07K 19/00 20060101ALN20250221BHJP
C07K 14/705 20060101ALN20250221BHJP
C07K 16/28 20060101ALN20250221BHJP
【FI】
C12N15/62 Z
C12N5/10
C12N15/63 Z ZNA
C12N15/13
A61K31/7088
A61K40/15
A61P35/00
A61K40/31
A61K40/35
C07K19/00
C07K14/705
C07K16/28
(21)【出願番号】P 2023530665
(86)(22)【出願日】2021-10-22
(86)【国際出願番号】 CN2021125615
(87)【国際公開番号】W WO2022127372
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-05-18
(31)【優先権主張番号】202011461635.3
(32)【優先日】2020-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523185822
【氏名又は名称】北京基因▲啓▼明生物科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲閭▼ ▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】熊 福▲銀▼
(72)【発明者】
【氏名】▲馮▼ ▲紀▼▲開▼
【審査官】田中 晴絵
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-515913(JP,A)
【文献】特表2018-522564(JP,A)
【文献】特表2017-529851(JP,A)
【文献】国際公開第2020/045610(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/232477(WO,A2)
【文献】Drug Delivery System,2013年,28-1,35-44
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
C12N 5/10
C07K 1/00-19/00
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
UniProt/GeneSeq
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キメラ抗原受容体、及びIL-15-IL-15Rα融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドであって、
前記キメラ抗原受容体はGPC3抗原結合ドメイン及び細胞内シグナルドメインを含み、前記細胞内シグナルドメインは、
CD28共刺激シグナルドメインと、アミノ酸配列がSEQ ID NO.29であるICD
1又はアミノ酸配列がSEQ ID NO.33であるICD3
と、CD3ζシグナル伝達ドメインとを含む、ポリヌクレオチド。
【請求項2】
前記細胞内シグナルドメインはアミノ酸配列がSEQ ID NO.33であるICD3である請求項1に記載のポリヌクレオチド。
【請求項3】
前記IL-15-IL-15Rα融合タンパク質のアミノ酸配列がSEQ ID NO.7である請求項1に記載のポリヌクレオチド。
【請求項4】
前記GPC3抗原結合ドメインはSEQ ID NO.9と11のアミノ酸配列を含むGC33 ScFvである請求項1に記載のポリヌクレオチド。
【請求項5】
前記GPC3抗原結合ドメインはアミノ酸配列がSEQ ID NO.13を含むGC33 ScFvである請求項4に記載のポリヌクレオチド。
【請求項6】
前記キメラ抗原受容体は、順次連結されたGC33 ScFv、ヒンジ領域、膜貫通ドメイン、共刺激シグナルドメイン、ICD1又はICD3、及びCD3ζシグナル伝達ドメインを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項7】
前記ヒンジ領域、膜貫通ドメイン、共刺激シグナルドメイン、CD3ζシグナル伝達ドメインのアミノ酸配列はそれぞれSEQ ID NO.21、19、23、35である請求項6に記載のポリヌクレオチド。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドが形質導入されていることを特徴とする免疫細胞であって、免疫細胞はiNKTである免疫細胞。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド又は請求項8に記載の免疫細胞の、癌治療薬の製造における使用であって、前記癌は肝癌である使用。
【請求項10】
前記癌はGPC3過剰発現癌である請求項9に記載の使用。
【請求項11】
請求項1~7のいずれか1項に記載されたキメラ抗原受容体の発現ベクターであって、
ヌクレオチド配列がSEQ ID NO.30であるICD1の核酸配列又はヌクレオチド配列がSEQ ID NO.34であるICD3の核酸配列を含む、発現ベクター。
【請求項12】
ヌクレオチド配列がSEQ ID NO.8であるIL-15-IL-15Rα融合タンパク質の核酸配列をさらに含む請求項11に記載の発現ベクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、癌免疫療法の分野に属する。具体的には、本願は、GPC3抗原結合ドメインと、細胞内シグナル刺激ドメインと、IL-15-IL-15α融合タンパク質とを含むキメラ抗原受容体を提供し、また、対応する発現ベクター、形質導入システム、製薬用途などを提供する。
【背景技術】
【0002】
2018年の世界腫瘍報告によると、全世界の肝癌の新発症例は841080人で、781631人が肝癌で死亡している[1]。その中、中国の肝癌の新発病例は392868人であり、368960人が肝癌で死亡し[2]、ほぼ全世界の肝癌の新発病例と死亡のそれぞれの割合の半分を占めている。
【0003】
既存の肝癌治療には、手術切除、肝移植、局所治療(RFA、TACE、TAE、HIFAなど)、全身的治療(ソラフェニブ、レンバチニブなど)を含む。手術切除は治癒を実現することができるが、大多数の肝癌は発見されると最適な手術期を逃し、手術切除の治療方式は満足のいくものとは言えない。研究によると、中国の肝癌患者のメディアン生存時間はわずか23月、日本は60月、北米は33月、韓国は31月、欧州は24月、エジプトは11月、その他のアフリカ諸国は3月にすぎない[3]。肝癌の治療には、より安全で有効な治療方法を急が必要とする。
【0004】
キメラ抗原受容体技術は血液腫瘍の治療に顕著な治療効果を遂げており、Kymriah[4]とYescarta[5]は2017年にFDAからB細胞急性リンパ白血病、びまん性大Bリンパ腫の治療に承認された。GPC3は肝細胞癌細胞の70%に高発現しているが、正常成人組織細胞には発現していない[6]。GPC3は肝芽細胞腫、扁平上皮細胞肺癌、睾丸と卵巣卵黄嚢腫瘍、黒色腫、卵巣透明細胞癌などの腫瘍においても過剰発現状態を呈し[7]、キメラ抗原受容体技術による標的治療に好適な標的である。
【0005】
GPC3遺伝子はX染色体にあり、11個のエクソンを持つ。転写本は2130bpであり、580個のアミノ酸をコードし、約70kDaの分子量を有する。GPC3ポリペプチドはFurin制限酵素の切断部位を1つ含み、Arg358とCys359の間でポリペプチドを2つのフラグメントに切断し、ここで、N-末端は40kDa、C-末端は30kDaである。これら2つのサブユニットは、1つ又は複数のジスルフィド結合によって連結されていてもよい。N-末端サブユニットはさらに切断されて末梢血行中の可溶性GPC3となりうる。GPC3はCys495とCys508でヘパリン硫酸修飾を起こすことができる。GPC3 Ser560はホスファチジルイノシトールを介して細胞膜の脂質層に固着されている[8]。
【0006】
正常な生理条件下で、GPC3は様々な胚胎細胞膜に広く発現したが、正常成人肝組織には発現しなかった。ヒトGPC3突然変異はSGBS(simpson golabi behmel syndrome)を引き起こし、多臓器や骨の異形成を伴う巨大児として示す。GPC3は細胞膜に固着されており、細胞内領域を持たないが、異なる成長因子、ケモカイン、サイトカインと相互作用してもよく、それにより細胞膜表面に濃度勾配を形成し、さらにこれらのリガンドとそれらの受容体との結合を促進する[8]。
【0007】
不変ナチュラルキラーT細胞(invariant natural killer T cell、iNKT)は、胸腺由来T細胞のユニークな亜群であり、CD1d制限性を持ち、T細胞とナチュラルキラー細胞(natural killer cell、NK)の両方の系統に特徴的な表面受容体を発現しており、T細胞とNK細胞の共通の生物学的特徴と、先天的免疫と養子免疫を橋渡するような重要な役割を持っている。ヒトiNKT細胞において、Vα24-Jα18はTCRα鎖を形成した後、Vβ11 TCRβ鎖とTCRを形成する[9]。
【0008】
iNKT細胞は、胸腺において少なくとも3つのエフェクター亜群に分化し、CD4+Tヘルパー細胞の亜群に類似し、また、先天的リンパ球(ILCs)の亜群に類似してもよい[10-12]。機能的iNKT細胞亜群は、様々な細胞表面マーカーと特徴的な転写因子の発現によって区別される。NKT1細胞はTh1細胞やILC1sに類似しており、いずれも転写因子T-betを高発現し、活性化後にIFN-γを分泌するからである。NKT1細胞も他のiNKT細胞亜群よりも大きな細胞毒性機能を示した。NKT1細胞がTh1細胞やILC1sと異なる点は、TCR活性化によりIFN-γを産生するほか、IL-4などの因子を産生することである。NKT2細胞から分泌されるサイトカインには、Th2細胞と同様にIL-4及びIL-13が含まれる。一方、NKT17細胞はサイトカイン分泌においてTh17細胞と類似している[13-15]。
【0009】
異なるiNKT細胞亜群は異なる組織で濃縮されている。NKT1細胞は肝臓で高度に濃縮され、一方、NKT17細胞は主にリンパ節、皮膚や肺に存在し、脾臓にも少量の細胞がある[16]。NKT2細胞は肺や脾臓を含む複数の部位に存在するが、腸間膜リンパ節に特に豊富である[16]。周囲リンパ節において、iNKT細胞は迅速に活性化され、病原体との闘いにおいて重要な役割を果たす可能性がある[17]。
【0010】
ヒト血液中のiNKT細胞は、DN iNKT(double-negative、DN)細胞、CD4+iNKT細胞、及びCD8+iNKT(CD8αα又はCD8αβ)に分類される[9]。特にCD8+iNKT細胞は現在ヒトでしか発見されていない。ある研究によると、DN iNKTとCD8+iNKT細胞が活性化する時、そのIFN-γ分泌と細胞毒性機能が顕著に増加することを示した[9]。
【0011】
現在のGPC3キメラ抗原受容体、例えば、本特許に近いUS 10731127B2、CN 109468279 Aにおいて、遺伝子修飾により、T細胞にGPC3抗原に対するキメラ受容体を発現させ、そのうち、CARはGPC3抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、共刺激シグナル伝達領域及びCD3ζシグナル伝達ドメインを含み、GPC3抗原を持つ肝癌細胞に対して殺傷作用を示す。しかし、通常のT細胞が固形腫瘍に効果的に浸潤することができないこと、固形腫瘍の腫瘍微小環境が低酸素でより酸性であることを考慮すると、CAR-T細胞の増幅と長期生存に非常に不利であり、それによりCAR-T細胞の治療効果に深刻な影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
以上の問題を解決するために、出願人はiNKT細胞のホーミング特性及び非特異的殺傷機能を利用して、GPC3抗原に結合できるキメラ抗原受容体を持つように遺伝子修飾することにより、GPC3抗原を持つ肝癌細胞を特異的に殺傷できるanti-GPC3-CAR-iNKT細胞を構築する。
【0013】
遺伝子修飾により、anti-GPC3-CAR-iNKT細胞が活性化したときに、anti-GPC3-CAR-iNKT細胞をCD8+anti-GPC3-CAR-iNKT細胞及びCD4-CD8-anti-GPC3-CAR-iNKT細胞に分化させるサイトカインを特異的に発現するようにし、それにより、anti-GPC3-CAR-iNKT細胞の肝癌細胞に対する特異的及び非特異的な殺傷機能を発揮するのにより有利である。
【0014】
共刺激ドメインの組み合わせを最適化することにより、anti-GPC3-CAR-iNKT細胞の増幅と長期生存能力を高め、anti-GPC3-CAR-iNKT細胞のアポトーシスを低下させ、患者体内におけるanti-GPC3-CAR-iNKT細胞の抗腫瘍機能を十分に発揮する。
【0015】
TRAFファミリー分子はRIP、TRADDなどの下流分子に結合することにより、最終的にNF-κB経路を活性化し、細胞増殖を促進し、アポトーシスを防止することができる。TRAFファミリー分子と結合したmotifを参考することにより、ICD1、ICD2、ICD3の3つの細胞内シグナルドメインを設計し、それぞれCAR分子に構築し、細胞内シグナルドメインがそれぞれICD1、ICD2、ICD3である場合のCAR-iNKT細胞のCAR-iNKT細胞の増殖、細胞亜群及び腫瘍細胞に対する殺傷能力の変化を観察する。
【0016】
IL-15はT細胞が増殖し、CD8+T細胞亜群に分化することを促進し、それによってT細胞の細胞傷害効果を向上させることができる。しかし、IL-15が機能するには必ずIL-15Rαと結合してからIL-15Rγと結合でき、それにより、細胞増殖と分化シグナルを刺激する。本発明では、CAR分子中にIL-15-IL-15Rα融合タンパク質を構築して共発現することにより、CAR-iNKT細胞のCD8+CAR-iNKT細胞亜群への分化を促進し、そしてCAR-iNKT細胞の増殖を促進し、CAR-iNKTの腫瘍細胞に対する殺傷により有利であり、臨床適用のニーズを満たす。
【0017】
従来技術に比べ、本願の技術的解決手段は腫瘍の殺傷効率が向上し、CAR-iNKT細胞の増殖速度が速く、細胞の生体外培養周期を短縮させ、CAR-iNKT細胞の生体内での生存時間を増加させ、治療効果を大幅に向上させ、再発を減少させ、毒性や副作用を軽減することができる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
一態様において、本願は、GPC3抗原結合ドメイン、細胞内シグナル刺激ドメインを含むキメラ抗原受容体を提供する。
【0019】
さらに、前記キメラ抗原受容体はIL-15-IL-15α融合タンパク質をさらに含む。
【0020】
さらに、前記細胞内シグナル刺激ドメインはアミノ酸配列がそれぞれSEQ ID NO.29、31、33であるICD1、ICD2又はICD3である。
【0021】
さらに、前記細胞内シグナル刺激ドメインはアミノ酸配列がSEQ ID NO.33であるICD3である。
【0022】
さらに、前記IL-15-IL-15α融合タンパク質のアミノ酸配列がSEQ ID NO.7である。
【0023】
さらに、前記GPC3抗原結合ドメインはSEQ ID NO.9と11のアミノ酸配列を含むGC33 ScFvである。
【0024】
さらに、前記GPC3抗原結合ドメインはアミノ酸配列がSEQ ID NO.13であるGC33 ScFvである。
【0025】
さらに、前記キメラ抗原受容体は、順次連結されたGC33 ScFv、ヒンジ領域、膜貫通ドメイン、共刺激シグナルドメイン、ICD1、ICD2又はICD3、CD3ζシグナル伝達ドメイン、IL-15-IL-15α融合タンパク質を含む。
【0026】
さらに、前記ヒンジ領域、膜貫通ドメイン、共刺激シグナルドメイン、CD3ζシグナル伝達ドメインのアミノ酸配列はそれぞれSEQ ID NO.21、19、23、35である。
【0027】
別の態様において、本願は、上記キメラ抗原受容体が形質導入されている免疫細胞を提供する。
【0028】
さらに、前記免疫細胞は、T細胞、NK細胞又はiNKT細胞である。
【0029】
さらに、前記免疫細胞はiNKT細胞である。
【0030】
別の態様において、本願は、上記キメラ抗原受容体又は免疫細胞の、癌治療薬の製造における使用を提供する。
【0031】
別の態様において、本願は、上記キメラ抗原受容体又は免疫細胞を使用する癌の治療方法を提供する。
【0032】
さらに、前記癌はCPG3過剰発現癌である。
【0033】
さらに、前記癌は肝癌である。
【0034】
別の態様において、本願は、上記キメラ抗原受容体の発現ベクターを提供する。
【0035】
さらに、発現ベクターは、ヌクレオチド配列がそれぞれSEQ ID NO.30、32、34であるICD1、ICD2又はICD3核酸配列を含む。
【0036】
さらに、発現ベクターは、ヌクレオチド配列がSEQ ID NO.8であるIL-15-IL-15α融合タンパク質核酸配列を含む。
【0037】
別の態様において、本願は、上記発現ベクターを含む形質導入システムを提供する。
【0038】
さらに、前記形質導入システムは、ウイルス形質導入システム及び非ウイルス形質導入システムである。
【0039】
さらに、前記形質導入システムは、レンチウイルス形質導入システムである。
【0040】
別の態様において、本願は、アミノ酸配列がそれぞれSEQ ID NO.29、31又は33である細胞内シグナル刺激分子を提供する。
【0041】
別の態様において、本願は、SEQ ID NO.30、32又は34である上記細胞内シグナル刺激分子の核酸コード配列を提供する。
【0042】
別の態様において、本願は、アミノ酸配列がSEQ ID NO.7であるIL-15-IL-15α融合タンパク質を提供する。
【0043】
別の態様において、本願は、SEQ ID NO.8である上記IL-15-IL-15α融合タンパク質の核酸コード配列を提供する。
【0044】
別の態様において、本願は、上記細胞内シグナル刺激分子又はその核酸コード配列、又は上記IL-15-IL-15α融合タンパク質又はその核酸コード配列の、癌を治療するキメラ抗原受容体の製造における使用を提供する。
【0045】
本発明におけるCPG3過剰発現癌の種類は、出願日前の先行技術及びその後の研究から当業者が知ることができる。
【0046】
本発明の最適化改変後の細胞内シグナル刺激ドメイン(本発明ではICD1、ICD2、ICD3を実施例とする)は、CAR-iNKTの増殖速度を速め、CAR-iNKTからのIFN-γの分泌の増加を促進し、CAR-iNKT細胞の殺腫瘍効果を向上させ、CAR-iNKT細胞の枯渇状態を軽減し、CAR-iNKTの生体内での生存期間を延長することができる。
【0047】
本発明のIL-15-IL-15Rα融合タンパク質核酸は、CD8+CAR+iNKT細胞の割合の増加を促進し、CAR-iNKTからのIFN-γ分泌の増加を促進し、CAR-iNKT細胞の殺腫瘍効果を向上させ、CAR-iNKT細胞の枯渇状態を軽減し、CAR-iNKTの生体内での生存期間を延長することができる。
【0048】
本発明は、上記の1つ又は複数の要素を含み、且つ同時にT細胞、NK細胞又はNKT細胞の表面に発現するキメラ抗原受容体タンパク質を構築するために用いられる核酸発現ベクターを含む。必要に応じて種々の市販のベクターを選択してもよいし、分子生物学分野の従来技術に基づいてベクターを構築してもよい。1つの具体的な実施形態において、本発明が使用するベクターは、レンチウイルスプラスミドベクターpLV300である。このプラスミドは第4世代自己不活化レンチウイルスベクターシステムであり、このシステムは合計4つのプラスミド、すなわちGag/Polタンパク質をコードするパッケージングプラスミド、Revタンパク質をコードするパッケージングプラスミド、VSV-Gタンパク質をコードするエンベローププラスミド、及び空のベクターpLV300を含み、標的核酸配列、すなわちキメラ抗原受容体タンパク質をコードする核酸配列を組み換えて形質導入するために使用することができる。ベクターpLV300では、キメラ抗原受容体タンパク質の発現は、pGK-300プロモーターによって調節される。
【0049】
本発明は、上記ベクターを含むウイルスであって、レンチウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス等を含むが、これらに限定されないウイルスを含む。本発明のウイルスには、パッケージシングされた感染力を有するウイルスが含まれ、また、パッケージシングされた感染力を有するウイルスに必要な成分を含むパッケージシング対象ウイルスも含まれる。T細胞、NK細胞又はNKT細胞をトランスフェクションする当技術分野で知られている他のウイルス及びそれに対応するプラスミドベクターもまた、本発明に使用することができる。本発明の一実施形態において、前記ウイルスは、上記のpLV300-anti-GPC3 CAR組換えベクターを含むレンチウイルスである。
【0050】
本発明は、本発明の核酸、又は該核酸を含む前記組換えプラスミドを含む、若しくは該プラスミドを含む本発明の上記ウイルスシステムが形質導入されているトランスジェニックTリンパ球、NK細胞又はiNKT細胞を含む。非ウイルス及びウイルスを含む、本分野の従来の核酸形質導入方法は、いずれも本発明に使用することができる。非ウイルスシステムによる形質導入方法はエレクトロポレーション法とトランスポゾン法とを含む。最近、Amaxa社が研究開発したnucleofector核トランスフェクション装置は外来遺伝子を細胞核に直接形質導入し、標的遺伝子の効率的な形質導入を実現することができる。また、Sleeping Beautyトランスポゾン(Sleeping Beauty system)又はPiggyBacトランスポゾンなどのトランスポゾンサブシステムによる形質導入効率は通常のエレクトロポレーションよりも大きく向上し、nucleofectorトランスフェクション装置とSBトランスポゾンサブシステムを併用することはすでに報告されており、この方法は高い形質導入効率を持つだけでなく、標的遺伝子の特異的部位への組み込みを実現することができる。本発明の一実施形態において、キメラ抗原受容体遺伝子修飾を実現するiNKT細胞の形質導入方法は、レンチウイルスによる形質導入方法である。この方法は形質導入効率が高く、外来遺伝子が安定して発現でき、iNKTリンパ球を臨床レベルに到達するまでの生体外の培養時間を短縮できるなどの利点がある。レンチウイルストランスフェクションにより導入した核酸は転写、翻訳によりiNKT細胞膜表面に発現する。キメラ抗原受容体を表面に発現する本発明のトランスジェニックiNKT細胞は、種々の異なる培養腫瘍細胞の生体外での細胞毒性実験により、腫瘍細胞に対して高度に特異的な殺傷効果(細胞毒性とも呼ばれる)を有することが証明されている。従って、キメラ抗原受容体タンパク質をコードする本発明の核酸、該核酸を含むプラスミド、該プラスミドを含むウイルス、及び上記核酸、プラスミド又はウイルスをトランスフェクションしたトランスジェニックiNKT細胞、Tリンパ球又はNK細胞は、腫瘍の免疫療法に有効に使用することができる。
【0051】
キメラ抗原受容体タンパク質が本発明の細胞内シグナルドメインを細胞外標的結合領域に結合させて構築される場合、細胞外結合領域は、対応する標的(既存の既知標的を含むがこれに限定されない)を特異的に認識する受容体(リガンド)、特異的一本鎖抗体scFv、TCRm、VLR(本発明ではヒトGPC3標的を例として探索する)を含む。受容体(リガンド)、特異的一本鎖抗体scFv、TCRm又はVLRは、上記文献に開示された配列に従って、遺伝子工学的方法又は化学的合成方法により製造され得る。
【0052】
本発明の核酸は、DNA形態でもRNA形態でもよい。DNA形態は、cDNA、ゲノムDNA、又は人工的に合成されたDNAを含む。DNAは一本鎖でも二本鎖でもよい。DNAは、コード鎖又は非コード鎖であってもよい。キメラ抗原受容体タンパク質のアミノ酸配列をコードする本発明の核酸コドンは縮退可能であり、すなわち、同一のアミノ酸配列をコードする複数の縮退核酸配列がいずれも本発明の範囲内に含まれる。対応するアミノ酸をコードする縮退核酸コドンは、当該分野に公知である。本発明はまた、本発明と同一のアミノ酸配列を有するポリペプチド又はポリペプチドのフラグメント、アナログ及び誘導体をコードする上記ポリヌクレオチドの変異体に関する。このポリヌクレオチドの変異体は、天然に発生する等位変異体であってもよいし、天然に発生しない変異体であってもよい。これらのヌクレオチド変異体は、置換変異体、欠失変異体、及び挿入変異体を含む。当該分野で知られているように、等位変異体は、ポリヌクレオチドの置換形態であり、1つ又は複数のヌクレオチドの置換、欠失又は挿入であってもよいが、それがコードするポリペプチドの機能を実質的に変化させることはない。
【0053】
現在のCAR-T、CAR-NKによる固形腫瘍の治療技術において、通常のT細胞、NK細胞は固形腫瘍に効果的に浸潤できないため、NK細胞は生体外での増幅が制限され、CAR-T、CAR-NKによる固形腫瘍の治療効果は制限される。本発明では、細胞内シグナルドメインの最適化により、CAR-iNKTの効率的な増幅を促進し、CAR-iNKTの枯渇状態を減少させ、CAR-iNKTの生体内での生存期間を延長することができ、また、IL-15-IL-15Rαの共発現の作用で、CAR-iNKTは腫瘍の殺傷により有利なCD8+CAR-iNKT及びCD4-CD8-CAR-iNKT表現型に分化し、これにより、CAR-iNKTの腫瘍細胞に対する殺傷作用を増強する。これは現在固形腫瘍を治療するCAR-T、CAR-NK技術にはない利点である。本発明の細胞内シグナルドメインの組み合わせ及びIL-15-IL-15Rα融合タンパク質の共発現は、固形腫瘍の治療におけるCAR-iNKT技術の使用を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図2(A)】CAR-iNKT細胞の各培養時間におけるCD8+CAR+iNKT細胞亜群の割合である。
【
図2(B)】CAR-iNKT細胞の各培養時間におけるCD8+CAR+iNKT細胞亜群の割合である。
【
図2(C)】CAR-iNKT細胞の各培養時間におけるCD4+CAR+iNKT細胞亜群の割合である。
【
図2(D)】CAR-iNKT細胞の各培養時間におけるCD4-CD8-CAR+iNKT細胞亜群の割合である。
【
図3(A)】各エフェクター/ターゲット比におけるanti-GPC3 CAR-iNKTの肝癌細胞Huh-7に対する殺傷効果である。
【
図3(B)】細胞内シグナルドメインが4-1BBのanti-GPC3 CAR-iNKTと比べる場合の、各エフェクター/ターゲット比における各群のanti-GPC3 CAR-iNKTの肝癌細胞Huh-7に対する殺傷効果の上昇倍数である。
【
図4(A)】anti-GPC3 CAR-iNKT細胞と肝癌細胞を24時間共培養した後の細胞培養上清中のIFN-γ含有量である。
【
図4(B)】各群のanti-GPC3 CAR-iNKT細胞と肝癌細胞Huh-7を3:1で接種し、24時間共培養した後の、細胞培養上清中のIFN-γ含有量が、細胞内シグナルドメインが4-1BBのanti-GPC3-CAR-iNKT群に比べる場合のIFN-γの変化倍数である。
【
図5】anti-GPC3 CAR-iNKT細胞と肝癌細胞を24時間共培養した後のLAG-3の発現状況である。
【
図6】anti-GPC3 CARの構造概略図である。
【
図7】レンチウイルスベクターの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
【0056】
実施例1 キメラ抗原受容体分子を含むレンチウイルスの製造
HEK-293T細胞を継代し、細胞が60~70%融合するまで成長した後、CAR分子を含む発現ベクターをパッケージングプラスミドと共にpEI試薬を用いてHEK-293T細胞にトランスフェクションし、トランスフェクション4時間後、新鮮な培地を交換した。トランスフェクション48~72時間後、細胞培養上清を収集した。上清を超遠心分離することにより、パッケージング後にCAR分子を含むレンチウイルスを濃縮した。濃縮後のレンチウイルスについてウイルス力価を測定し、-80℃で使用時まで凍結保存した。
キメラ抗原受容体の各部分の具体的なヌクレオチド及びアミノ酸配列は、各部分の名称が表記された配列表を参照すればよい。
【0057】
実施例2 anti-GPC3 CARにおける異なる細胞内シグナル刺激ドメインによる構築及びIL-15-IL15Rα融合タンパク質の発現の有無の、総iNKT細胞増殖への影響
anti-iNKT mircrobeadsでヒト末梢血単核球からiNKT細胞を単離した後、24ウェルプレートに1ウェル当たり2×10
5個の細胞を接種し、1ウェル当たりX-VIVO完全培地(100IU/ml及び100ng/ml α-Galcerを含む)を加えて48時間培養した後、各ウェルから細胞を収集し、400xgで5分間遠心分離し、上清を捨てた後、新鮮なX-VIVO完全培地を加えて再懸濁させた後、再び24ウェルプレートに接種し、各ウェルの細胞にそれぞれ4-1BB、ICD1、ICD2、ICD3、4-1BB-IL-15、ICD1-IL-15、ICD2-IL-15、ICD3-IL-15CARを含む異なるレンチウイルスを加えて感染させた。24時間後、各ウェルの細胞を遠心分離管に収集し、400xgで5分間遠心分離した後、計数し、5×10
5 cells/mlで新鮮なX-VIVO完全培地を加えて培養し、48時間ごとに液を交換した。7日目、14日目、21日目まで培養した際に、サンプリングしてそれぞれ計数及びフローサイトメトリー検出を行って、キメラ抗原受容体分子の発現状況を証明した。
その結果、細胞内シグナル刺激ドメインICD1、ICD3及びIL-15-IL-15α融合タンパク質はiNKT細胞の増殖を明らかに促進し(
図1を参照)、CD8+CAR+iNKT細胞の増加を促進することができ、培養7日目に、各群のCAR-iNKT細胞では、CD8+CAR+iNKT細胞の割合が最も高く、細胞内シグナルドメインがICD3のCAR-iNKT群では、CD8+CAR+iNKT細胞の割合は20%~30%に達することができる(IL-15-IL-15Rα共発現か、IL-15-IL-15Rαを発現しない)。その後、培養時間が長くなるにつれて、CD8+CAR+iNKT細胞の割合は徐々に低下していくが、細胞内シグナル刺激ドメインが4-1BBのCAR-iNKT細胞に比べて、細胞内シグナル刺激ドメインがICD1、ICD3のCAR-iNKTでは、同時刻のCD8+CAR+iNKT細胞の割合が2~3倍増加している(
図2(a)、
図2(b))。
培養中、各群のCD4+CAR+iNKT細胞の割合は徐々に増加したが(
図2(c))、細胞内シグナル刺激ドメインが4-1BBのCAR-iNKT細胞に比べ、細胞内シグナル刺激ドメインがICD1、ICD3のCAR-iNKTでは、CD4+CAR+iNKT細胞の割合の増加は少なかった。一方、各群の細胞では、CD4-CD8-CAR+iNKT細胞の割合は培養時間とともに減少し、細胞内シグナルドメインがICD3のCAR-iNKT群では、CD4-CD8-CAR+iNKT細胞の割合が同時点の各群のCAR-iNKTの中で最も低かった(
図2(d))。
【0058】
実施例3 各細胞内シグナルドメイン及びIL-15-IL-15Rα融合タンパク質の発現の有無の、CAR-iNKTの腫瘍殺傷能力への影響
各群のCAR-iNKT細胞を21日目まで培養したとき、エフェクター細胞とターゲット細胞の比をそれぞれ1:3、1:1、3:1とし、各群からそれぞれ0.33×10
5個のCAR-iNKT細胞、1×10
5個のCAR-iNKT細胞、3×10
5個のCAR-iNKT細胞、1×10
5個のHuh-7細胞を取って6時間共培養した後、各群の培養上清について上清中の蛍光強度(CAR-iNKT細胞の殺傷能力が高いほどHuh-7細胞内に放出されるCFSEが多く、蛍光強度が高い)をマイクロプレートリーダーで測定し、各群のCAR-iNKT細胞の殺傷効率を計算した(
図3)。細胞内シグナルドメインがICD1、ICD3のCAR-iNKT細胞は、肝癌細胞Huh-7に対する殺傷効果が明らかに向上し、IL-15-IL-15Rαの共発現は細胞内シグナルドメインがICD1、ICD3のCAR-iNKT細胞の殺傷効果を明らかに向上させた(
図3(a)、
図3(b))。
【0059】
実施例4 各細胞内シグナルドメイン及びIL-15-IL-15Rα融合タンパク質の発現の有無の、CAR-iNKT細胞からのIFN-γ分泌への影響
各群のCAR-iNKT細胞を21日目まで培養した後、エフェクター細胞とターゲット細胞の比を3:1とし、各群のCAR-iNKT細胞(各群の3×10
5個のCAR-iNKT細胞)をそれぞれ1×10
5個のHuh-7細胞とともにX-VIVO(IL-2とα-GalCerを含まない)0.5mlで24時間培養した後、細胞を収集し、400xgで5分間遠心分離した後、上清を取り、ELISA法により上清中のIFN-γ含有量を測定した。以上から分かるように、細胞内シグナルドメインがICD1、ICD3の場合、anti-GPC3CAR-iNKT細胞のIFN-γ分泌量が明らかに増加し(
図4(A))、各群のCAR-iNKT細胞はIL-15-IL-15Rα融合タンパク質を共発現することでIFN-γ分泌能力を向上させることができ、特にCAR-iNKT細胞の細胞内シグナルドメインがICD3の場合、そのIFN-γ分泌能力は細胞内シグナルドメインが4-1BBのCAR-iNKTの約2倍であった(
図4(B))。
【0060】
実施例5 各細胞内シグナルドメイン及びIL-15-IL-15Rα融合タンパク質の発現の有無の、CAR-iNKT細胞の免疫チェックポイントLAG-3発現への影響
研究によれば、iNKT細胞では、LAG3(PD-1ではない)の発現が増加すると、iNKT細胞のIFN-γの分泌能力が損なわれることが示されている。各群のCAR-iNKT細胞を21日目まで培養した後、エフェクター細胞とターゲット細胞の比を1:1とし、各群のCAR-iNKT細胞(各群の1×10
5個のCAR-iNKT細胞)をそれぞれ1×10
5個のHuh-7細胞とともにX-VIVO(IL-2とα-GalCerを含まない)0.5mlで48時間培養した後、400xgで5分間遠心分離した後に、上清を捨てて、細胞を収集し、LAG-3抗体を標識した後、各群のCAR-iNKT表面のLAG3発現状況をフローサイトメトリーにより検出した。細胞内シグナルドメインがICD1、ICD3の場合、LAG-3を発現する細胞の割合が低下し、IL-15-IL-15Rαを共発現すると、LAG-3を発現する細胞の割合が低下した(
図5)。これは、ICD1、ICD3を用いて細胞内シグナルドメインとし、IL-15-IL-15Rα融合タンパク質を共発現することで共阻害分子LAG3の発現を低下させることができることを示しており、これにより、CAR-iNKT細胞のIFN-γ発現能力を向上させる可能性があり、これは、前述したように、細胞内シグナルドメインとしてICD1、ICD3を用い、IL-15-IL-15Rα融合タンパク質を共発現することにより、CAR-iNKT細胞のIFN-γ分泌を増加させることができることと一致し(
図4(A))、それにより、CAR-iNKT細胞の腫瘍細胞に対する殺傷能力が向上した(
図3(A))。
【0061】
参考文献:
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【配列表】