(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-20
(45)【発行日】2025-03-03
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、及び、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0203 20230101AFI20250221BHJP
【FI】
G06Q30/0203
(21)【出願番号】P 2021035079
(22)【出願日】2021-03-05
【審査請求日】2024-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000151221
【氏名又は名称】株式会社島精機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100214248
【氏名又は名称】青山 純
(74)【代理人】
【識別番号】100214260
【氏名又は名称】相羽 昌孝
(72)【発明者】
【氏名】北川 尚作
(72)【発明者】
【氏名】丸山 元希
【審査官】池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/216919(WO,A1)
【文献】特開2006-059078(JP,A)
【文献】特開2006-004303(JP,A)
【文献】特開2005-309601(JP,A)
【文献】特開2016-126749(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0228436(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類に付された情報記憶媒体であって前記衣類に関する衣類情報を記憶する記憶回路及び非接触通信を行う通信回路を有する前記情報記憶媒体から前記非接触通信により読み取られた前記衣類情報を取得する衣類情報取得部と、
前記衣類を身に着けた人物が撮像された画像データから前記人物に関する人物情報を取得する人物情報取得部と、
前記衣類情報取得部及び前記人物情報取得部が前記衣類情報及び前記人物情報を取得する度に、前記衣類情報及び前記人物情報を関連付けてデータベースに登録する登録部と、
前記データベースを参照し、前記衣類情報及び前記人物情報の関連性に基づく情報を求める処理部とを備
え、
前記人物情報取得部は、
前記人物情報として、前記人物の進行方向を少なくとも取得し、
前記処理部は、
前記進行方向を前記データベースの検索キーとして受け付けて、当該進行方向を満たす前記人物情報に関連付けられた前記衣類情報の組み合わせを抽出する、
情報処理装置。
【請求項2】
衣類に付された情報記憶媒体であって前記衣類に関する衣類情報を記憶する記憶回路及び非接触通信を行う通信回路を有する前記情報記憶媒体から前記非接触通信により読み取られた前記衣類情報を取得する衣類情報取得部と、
前記衣類を身に着けた人物が撮像された画像データから前記人物に関する人物情報を取得する人物情報取得部と、
前記衣類情報取得部及び前記人物情報取得部が前記衣類情報及び前記人物情報を取得する度に、前記衣類情報及び前記人物情報を関連付けてデータベースに登録する登録部と、
前記データベースを参照し、前記衣類情報及び前記人物情報の関連性に基づく情報を求める処理部とを備
え、
前記人物情報取得部は、
前記人物情報として、前記人物の進行方向を少なくとも取得し、
前記登録部は、
前記非接触通信により前記情報記憶媒体から前記衣類情報を読み取る読取装置、及び
、前記人物を撮像する撮像装置が設置された装置設置場所とともに、前記衣類情報及び前記人物情報を関連付けて登録し、
前記処理部は、
前記読取装置及び前記撮像装置が複数の前記装置設置場所に設置されている場合、複数の前記装置設置場所を前記データベースの検索キーとして受け付けて、前記装置設置場所毎に複数組の前記衣類情報及び前記人物情報を抽出し、
その抽出した前記装置設置場所毎の複数組の前記衣類情報及び前記人物情報を前記進行方向毎に集計することで前記人物の動線を求める、
情報処理装置。
【請求項3】
前記登録部は、
前記衣類情報及び前記人物情報が取得された取得日時とともに、前記衣類情報及び前記人物情報を関連付けて登録し、
前記処理部は、
所定の期間を前記データベースの検索キーとして受け付けて、当該期間に含まれる前記取得日時に関連付けられた複数組の前記衣類情報及び前記人物情報を抽出し、
その抽出した複数組の前記衣類情報及び前記人物情報に基づく統計指標を算出する、
請求項1
又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記人物情報取得部は、
前記人物情報として、1又は複数の前記人物が撮像された前記画像データから前記人物の人数を少なくとも取得し、
前記登録部は、
前記衣類情報及び前記人物情報が取得された取得日時とともに、前記衣類情報及び前記人物情報を関連付けて登録し、
前記処理部は、
所定の期間を前記データベースの検索キーとして受け付けて、当該期間に含まれる前記取得日時に関連付けられた複数組の前記衣類情報及び前記人物情報を抽出し、
その抽出した複数の前記衣類情報から所定の衣類条件に合致する条件合致数を計数するとともに、その抽出した複数の前記人物情報から前記人数の総人数を計数し、
前記総人数に対する前記条件合致数の割合を算出する、
請求項1
乃至請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記人物情報取得部は、
前記人物情報として、複数の前記衣類を組み合わせて身に着けた前記人物の外観的特徴に対する評価値を少なくとも取得し、
前記登録部は、
前記人物が組み合わせて身に着けた複数の前記衣類に関する前記衣類情報と、前記人物情報とを関連付けて登録し、
前記処理部は、
前記評価値を前記データベースの検索キーとして受け付けて、当該評価値を満たす前記人物情報に関連付けられた前記衣類情報の組み合わせを抽出する、
請求項1乃至請求項
4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記人物情報取得部は、
前記人物情報として、複数の前記衣類を組み合わせて身に着けた前記人物の外観的特徴に対する分類を少なくとも取得し、
前記登録部は、
前記人物が組み合わせて身に着けた複数の前記衣類に関する前記衣類情報と、前記人物情報とを関連付けて登録し、
前記処理部は、
前記分類を前記データベースの検索キーとして受け付けて、当該分類を満たす前記人物情報に関連付けられた前記衣類情報の組み合わせを抽出する、
請求項1乃至請求項
5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記処理部は、
前記人物情報取得部により取得された前記人物情報を提案条件として受け付けたとき、
前記提案条件として受け付けた前記人物情報の前記分類を前記データベースの検索キーとして、当該分類を満たす前記人物情報に関連付けられた前記衣類情報の組み合わせを抽出し、
その抽出した前記衣類情報の組み合わせに基づいて、前記衣類に関する提案情報を生成する、
請求項
6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記処理部は、
前記衣類情報取得部及び前記人物情報取得部により取得された前記衣類情報及び前記人物情報を提案条件として受け付けたとき、
前記提案条件として受け付けた前記人物情報の前記分類を前記データベースの検索キーとして、当該分類を満たす前記人物情報に関連付けられた前記衣類情報の組み合わせを抽出し、
その抽出した前記衣類情報の組み合わせと前記提案条件として受け付けた前記衣類情報とに基づいて、当該衣類情報により特定される前記衣類に組み合わせる新たな前記衣類に関する提案情報を生成する、
請求項
6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項
8のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
前記非接触通信により前記情報記憶媒体から前記衣類情報を読み取る読取装置と、
前記人物を撮像する撮像装置とを備える、
情報処理システム。
【請求項10】
衣類に付された情報記憶媒体であって前記衣類に関する衣類情報を記憶する記憶回路及び非接触通信を行う通信回路を有する前記情報記憶媒体から前記非接触通信により読み取られた前記衣類情報を取得する衣類情報取得工程と、
前記衣類を身に着けた人物が撮像された画像データから前記人物に関する人物情報を取得する人物情報取得工程と、
前記衣類情報取得工程及び前記人物情報取得工程が前記衣類情報及び前記人物情報を取得する度に、前記衣類情報及び前記人物情報を関連付けてデータベースに登録する登録工程と、
前記データベースを参照し、前記衣類情報及び前記人物情報の関連性に基づく情報を求める処理工程とを備
え、
前記人物情報取得工程は、
前記人物情報として、前記人物の進行方向を少なくとも取得し、
前記処理工程は、
前記進行方向を前記データベースの検索キーとして受け付けて、当該進行方向を満たす前記人物情報に関連付けられた前記衣類情報の組み合わせを抽出する、
情報処理方法。
【請求項11】
衣類に付された情報記憶媒体であって前記衣類に関する衣類情報を記憶する記憶回路及び非接触通信を行う通信回路を有する前記情報記憶媒体から前記非接触通信により読み取
られた前記衣類情報を取得する衣類情報取得工程と、
前記衣類を身に着けた人物が撮像された画像データから前記人物に関する人物情報を取得する人物情報取得工程と、
前記衣類情報取得工程及び前記人物情報取得工程が前記衣類情報及び前記人物情報を取得する度に、前記衣類情報及び前記人物情報を関連付けてデータベースに登録する登録工程と、
前記データベースを参照し、前記衣類情報及び前記人物情報の関連性に基づく情報を求める処理工程とを備
え、
前記人物情報取得工程は、
前記人物情報として、前記人物の進行方向を少なくとも取得し、
前記登録工程は、
前記非接触通信により前記情報記憶媒体から前記衣類情報を読み取る読取装置、及び、前記人物を撮像する撮像装置が設置された装置設置場所とともに、前記衣類情報及び前記人物情報を関連付けて登録し、
前記処理工程は、
前記読取装置及び前記撮像装置が複数の前記装置設置場所に設置されている場合、複数の前記装置設置場所を前記データベースの検索キーとして受け付けて、前記装置設置場所毎に複数組の前記衣類情報及び前記人物情報を抽出し、
その抽出した前記装置設置場所毎の複数組の前記衣類情報及び前記人物情報を前記進行方向毎に集計することで前記人物の動線を求める、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、及び、情報処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、衣類の1枚ずつに付されたICタグに様々な情報を書き込み・読み出しできるシステムが開発され、店頭やオンラインショップ上での在庫管理、売り上げの傾向把握、個人のクローゼットの収納管理等に活用されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、会員が使用する会員端末と、衣類に付されたICタグの情報を読み取るICタグリーダと、会員のクローゼット情報を管理する服飾品管理サーバとがネットワークで接続された服飾品管理システムが開示されている。当該服飾品管理システムでは、会員を識別する会員IDと、会員が衣類を身に着けたときに読み取られたICタグの情報とを関連付けることで、会員の着用履歴を管理する機能を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1で開示された服飾品管理システムは、当該服飾品管理システムの会員を対象に着用履歴を管理する機能を提供するシステムであるため、着用履歴の取得対象となる人物が限定される。そのため、当該服飾品管理システムにて蓄積された着用履歴だけでは、衣類の着用動向を把握するためには、情報の不足や偏りが生じやすい。
【0006】
また、特許文献1で開示された服飾品管理システムにおける会員IDは、個人を識別するための識別子として用いられるものであり、各人物に固有の様々な情報を着用履歴に関連付けるものではない。そのため、どのような特徴を有する人物がどのような衣類を身に着けているのかといった詳細な分析を実現することができない。
【0007】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであって、人物の特徴を考慮した衣類の着用動向を的確に把握することを可能とする情報処理装置、情報処理システム、及び、情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態に係る画像処理装置は、
衣類に付された情報記憶媒体であって前記衣類に関する衣類情報を記憶する記憶回路及び非接触通信を行う通信回路を有する前記情報記憶媒体から前記非接触通信により読み取られた前記衣類情報を取得する衣類情報取得部と、
前記衣類を身に着けた人物が撮像された画像データから前記人物に関する人物情報を取得する人物情報取得部と、
前記衣類情報取得部及び前記人物情報取得部が前記衣類情報及び前記人物情報を取得する度に、前記衣類情報及び前記人物情報を関連付けてデータベースに登録する登録部と、
前記データベースを参照し、前記衣類情報及び前記人物情報の関連性に基づく情報を求める処理部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の情報処理装置によれば、登録部が、衣類情報取得部及び人物情報取得部が衣類情報及び人物情報を取得する度に、衣類情報及び前記人物情報を関連付けてデータベースに登録し、処理部が、そのデータベースを参照し、衣類情報及び人物情報の関連性に基づく情報を求める。これにより、人物の特徴を考慮した衣類の着用動向(トレンド)を的確に把握することができる。
【0010】
上記以外の課題、構成及び効果は、後述する発明を実施するための形態にて明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施形態に係る情報処理システム1の一例を示す全体構成図である。
【
図2】第1の実施形態に係る情報処理システム1における情報の流れの一例を示す説明図である。
【
図3】第1の実施形態に係る情報処理装置5の一例を示すブロック図である。
【
図4】第1の実施形態に係るデータベース60Aの一例を示すデータ構成図である。
【
図5】情報処理システム1の各装置(設置装置4、情報処理装置5、情報管理装置6及び端末装置7)を構成するコンピュータ900の一例を示すハードウエア構成図である。
【
図6】第1の実施形態に係る情報処理装置5の取得・登録動作の一例を示すフローチャートである。
【
図7】第1の実施形態に係る情報処理装置5の抽出・統計動作の一例を示すフローチャートである。
【
図8】第2の実施形態に係る情報処理システム1における情報の流れの一例を示す説明図である。
【
図9】第2の実施形態に係る情報処理装置5の一例を示すブロック図である。
【
図10】第2の実施形態に係るデータベース60Bの一例を示すデータ構成図である。
【
図11】第3の実施形態に係る情報処理システム1における情報の流れの一例を示す説明図である。
【
図12】第3の実施形態に係る情報処理装置5の一例を示すブロック図である。
【
図13】第3の実施形態に係るデータベース60Cの一例を示すデータ構成図である。
【
図14】第4の実施形態に係る情報処理システム1における情報の流れの一例を示す説明図である。
【
図15】第4の実施形態に係る情報処理装置5の一例を示すブロック図である。
【
図16】第4の実施形態に係るデータベース60Dの一例を示すデータ構成図である。
【
図17】第5の実施形態に係る情報処理システム1における情報の流れの一例を示す説明図である。
【
図18】第5の実施形態に係る情報処理装置5の一例を示すブロック図である。
【
図19】第5の実施形態に係る設置装置4の設置状態の一例を示す概要図である。
【
図20】第5の実施形態に係るデータベース60Eの一例を示すデータ構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明を実施するための各実施形態について説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術
によるものとする。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る情報処理システム1の一例を示す全体構成図である。
図2は、第1の実施形態に係る情報処理システム1における情報の流れの一例を示す説明図である。
【0014】
情報処理システム1は、衣類2と、衣類2を身に着けた人物Uとの関連性に基づく情報を求めるために、各種の情報処理を行うシステムである。情報処理システム1は、その構成要素として、複数の設置装置4と、情報処理装置5と、情報管理装置6と、端末装置7とを備える。情報処理システム1の各装置4~7は、ネットワーク8により通信可能に接続される。ネットワーク8は、任意の通信方式を採用すればよく、有線でもよいし無線でもよい。
【0015】
人物Uが身に着けた複数の衣類2の各々には、情報記憶媒体3が付されている。衣類2は、人物Uが着用可能な任意の衣類であり、例えば、ニット、シャツ、ズボン、スカート等の衣服だけでなく、マフラー、帽子、手袋等の小物も含む。
【0016】
情報記憶媒体3は、例えば、RFIDと呼ばれる電子タグ(ICタグ)により構成される。情報記憶媒体3は、
図2に示すように、衣類2に関する衣類情報10を記憶する記憶回路30と、非接触通信を行う通信回路31とを有する。情報記憶媒体3は、衣類2のデザインや素材に合わせて任意の取付方法により衣類2に取り付けられる。情報記憶媒体3は、衣類2の製造段階で取り付けられ、例えば、衣類2の表示ラベルに縫い付けられたり接着されたりしてもよいし、衣類2の編糸に編み込まれてもよい。
【0017】
設置装置4は、例えば、
図1に示すように、店舗の入口に設置されて、その設置された装置設置場所を通過する人物Uに関する情報を取得する。設置装置4の装置設置場所は、各種の店舗の入口に限られず、例えば、道路、公園、テーマパーク等の屋外に設置されてもよいし、駅、空港、百貨店、ショッピングモール、オフィスビル等の屋内に設置されてもよい。
【0018】
設置装置4は、読取装置40と、撮像装置41と、通信装置42とを備える。読取装置40は、例えば、電子タグリーダ等で構成され、非接触通信により情報記憶媒体3から衣類情報10を読み取る装置である。撮像装置41は、例えば、CMOSセンサやCCDセンサ等を有するカメラで構成され、人物Uを撮像する装置である。通信装置42は、読取装置40により読み取られた衣類情報10と、撮像装置41により人物Uが撮像された画像データ11とを情報処理装置5に送信する。
【0019】
読取装置40による情報記憶媒体3の読取範囲(通信範囲)と、撮像装置41による画像データ11の撮像範囲とは重複するように設定される。その際、本実施形態では、画像データ11として撮像された人物Uと、その人物Uが身に着けた衣類2に付された情報記憶媒体3から読み取られた衣類情報10とが特定されるように、例えば、撮像範囲は、1人の人物Uだけが撮像されるように設定される。また、読取装置40が、例えば、電波の反射強度等から情報記憶媒体3の存在位置を所定の誤差内で特定可能な場合には、撮像範囲は、複数の人物Uが撮像されるように設定されてもよい。この場合には、複数の人物Uの撮像位置と、複数の情報記憶媒体3の存在位置とが照合されて、画像データ11として撮像された各人物Uが、どの情報記憶媒体3が付された衣類2をそれぞれ身に着けているかが特定される。
【0020】
情報処理装置5は、例えば、サーバやクラウドとして機能する汎用又は専用のコンピュ
ータ(後述の
図5参照)等で構成される。情報処理装置5は、複数の設置装置4により送信された衣類情報10及び画像データ11を受信(取得)する。また、情報処理装置5は、画像データ11に対して所定の画像認識処理を行うことにより、画像データ11から人物Uに関する人物情報12Aを取得する。情報処理装置5の詳細は後述する。
【0021】
情報管理装置6は、情報処理装置5と同様に、例えば、サーバやクラウドとして機能する汎用又は専用のコンピュータ(後述の
図5参照)等で構成される。情報管理装置6は、衣類情報10及び人物情報12Aを関連付けて登録可能なデータベース60Aを備える。データベース60Aの詳細は後述する。
【0022】
端末装置7は、情報処理システム1の管理者や利用者が使用する汎用又は専用のコンピュータ(後述の
図5参照)等で構成される。端末装置7は、入力画面を介して各種の操作入力を受け付けるとともに、アプリやブラウザ等の表示画面を介して各種の情報を表示する。
【0023】
衣類情報10は、
図2に示すように、商品固有情報と、製造情報と、デザイン情報とを含む。商品固有情報は、衣類2を識別するために製造メーカにより割り振られた情報であり、例えば、商品コード及びシリアルコード等を含む。製造情報は、衣類2の製造に関する情報であり、例えば、製造メーカ及び製造場所等を含む。デザイン情報は、衣類2のデザインに関する情報であり、例えば、商品区分(ニット、シャツ、ズボン、スカート等)、色、サイズ(S、M、L等でもよいし、mm単位でもよい)及び素材等を含む。なお、衣類情報10は、各衣類2に固有の情報であればよく、上記の例に限られない。
【0024】
衣類情報10は、衣類2の製造段階において、例えば、製造工場に設置された電子タグリーダライタ等の書込装置により情報記憶媒体3に書き込まれる。その際、情報記憶媒体3に書き込まれる衣類情報10は、商品固有情報、製造情報及びデザイン情報の一部でもよいし、全部でもよい。なお、情報記憶媒体3に書き込まれる衣類情報10が、商品固有情報のみである場合には、情報処理システム1の各装置4~7が、商品固有情報と製造情報及びデザイン情報とを関連付けて各種の衣類2に関する製造情報及びデザイン情報を管理・記憶する外部データベース装置(アパレルメーカ等が管理)に適宜アクセスすることで、当該商品固有情報に関連付けられた製造情報及びデザイン情報を取得するようにしてもよい。また、外部データベース装置に、上記の製造情報及びデザイン情報以外のその他の情報が記憶されている場合には、情報処理システム1の各装置4~7は、外部データベース装置に適宜アクセスすることで、その他の情報を取得するようにしてもよい。
【0025】
人物情報12Aは、
図2に示すように、個人属性情報と、身体情報と、着用品情報とを含む。個人属性情報は、人物Uの個人的属性に関する情報であり、例えば、年齢及び性別等を含む。身体情報は、人物Uの身体的特徴に関する情報であり、例えば、身長及び体型等を含む。着用品情報は、衣類2以外に人物Uが着用しているその他着用品に関する情報であり、例えば、眼鏡及びマスク等を含む。なお、人物情報12Aは、各人物Uに固有の情報であればよく、上記の例に限られない。
【0026】
なお、画像データ11に対する画像認識処理にて人物Uが着用している衣類2に関する着用衣類情報(衣類情報10のデザイン情報と同様の商品区分、色、サイズ及び素材等)を取得可能な場合には、人物情報12Aの着用品情報は、上記の着用衣類情報を含むものでもよい。このとき、撮像装置41による画像データ11の撮像範囲が、複数の人物Uが撮像されるように設定されている場合には、画像データ11に対する画像認識処理にて取得された着用衣類情報と、情報記憶媒体3から読み取られた衣類情報10に含まれるデザイン情報とが照合されて、各人物Uが、どの情報記憶媒体3が付された衣類2をそれぞれ身に着けているかが特定されてもよい。
【0027】
図3は、第1の実施形態に係る情報処理装置5の一例を示すブロック図である。
【0028】
情報処理装置5は、キーボード等により構成される入力部50と、情報処理プログラム510Aを記憶する記憶部51と、プロセッサ等により構成される制御部52と、ネットワーク8との通信インターフェースである通信部53と、ディスプレイ等により構成される出力部54とを備える。なお、入力部50や出力部54は省略されてもよく、その場合には、端末装置7を、入力部50や出力部54として機能させてもよい。
【0029】
制御部52は、情報処理プログラム510Aを実行することにより、衣類情報取得部520、人物情報取得部521A、登録部522A、処理部523A及び処理結果出力部524として機能する。
【0030】
衣類情報取得部520は、情報記憶媒体3から非接触通信により読み取られた衣類情報10を取得する。読取装置40の読取範囲内に複数の情報記憶媒体3が同時に存在する場合には、衣類情報取得部520は、複数の情報記憶媒体3からそれぞれ読み取られた複数の衣類情報10を取得する。
【0031】
人物情報取得部521Aは、衣類2を身に着けた人物Uが撮像された画像データ11に対して所定の画像認識処理を行うことにより、画像データ11から人物Uに関する人物情報12Aを取得する。撮像装置41の撮像範囲内に複数の人物Uが同時に存在することにより、画像データ11に複数の人物Uが撮像されている場合には、人物情報取得部521Aは、画像データ11から複数の人物Uに関する人物情報12Aをそれぞれ取得する。
【0032】
人物情報取得部521Aによる画像認識処理は、例えば、機械学習が行われた学習済みモデルを用いたものでもよいし、パターン認識等の人物認識アルゴリズムを用いたものでもよい。学習済みモデルは、例えば、様々な特徴を有する人物Uが撮像された画像データ11に対して人物情報12Aに対応する人物Uの特徴が教師ラベルとして付された学習用の画像データ11を事前に複数用意し、それら学習用の画像データ11に基づいて画像データ11と教師ラベルとの相関関係を機械学習により学習させたものである。
【0033】
登録部522Aは、衣類情報取得部520及び人物情報取得部521Aが衣類情報10及び人物情報12Aを取得する度に、衣類情報10及び人物情報12Aを関連付けてデータベース60Aに登録する。その際、登録部522Aは、衣類情報10及び人物情報12Aが取得された取得日時とともに、衣類情報10及び人物情報12Aを関連付けてデータベース60Aに登録する。したがって、複数の人物Uが設置装置4の前を次々に通過することで、各人物Uからそれぞれ取得された衣類情報10及び人物情報12Aがデータベース60Aに次々に登録されて蓄積される。取得日時は、例えば、衣類情報10が読み取られたときの読取日時でもよいし、画像データ11が撮像されたときの撮像日時でもよい。
【0034】
図4は、第1の実施形態に係るデータベース60Aの一例を示すデータ構成図である。
【0035】
データベース60Aは、人物ID、取得日時及び人物情報12Aをフィールドとして有する人物情報テーブル600Aと、人物ID及び衣類情報10をフィールドとして有する衣類情報テーブル601Aとを備える。人物情報テーブル600Aと、衣類情報テーブル601Aとは、人物IDにより関連付けられる。人物IDは、人物Uを識別するために、登録部522Aにより自動的に割り振られる識別コードである。
【0036】
人物情報テーブル600Aには、画像データ11から取得された1人の人物Uに関する人物情報12Aが、1レコード分のデータとして登録される。衣類情報テーブル601A
には、1つの衣類2に付された情報記憶媒体3から読み取られた衣類情報10が、1レコード分のデータとして登録される。
【0037】
図4に示すデータベース60Aには、例えば、人物ID「U0001」で特定される人物Uが、商品コード「ABC111」で特定される衣類(ジャケット)と、商品コード「ABC222」で特定される衣類(スラックス)とを身に着けていたという情報が、
図4の矢印で示すように、人物IDにより関連付けられることで登録されている。
【0038】
処理部523Aは、データベース60Aを参照し、衣類情報10及び人物情報12Aの関連性に基づく情報を求める。処理部523Aは、例えば、端末装置7の入力画面を介してデータベース60Aの検索キー(検索条件)を受け付けることで、その検索キーに合致する複数組の衣類情報10及び人物情報12Aをデータベース60Aから抽出する。そして、処理部523Aは、その抽出した複数組の衣類情報10及び人物情報12Aを統計的に処理し、衣類情報10及び人物情報12Aの関連性に基づく情報を求める。ここでの1組の衣類情報10及び人物情報12Aは、1つの人物IDにて特定される衣類情報10及び人物情報12Aを示すものである。
【0039】
具体的には、処理部523Aは、所定の期間(例えば、時間、日、週、月、年単位等)をデータベース60Aの検索キーとして受け付けて、当該期間に含まれる取得日時に関連付けられた複数組の衣類情報10及び人物情報12Aをデータベース60Aから抽出し、その抽出した複数組の衣類情報10及び人物情報12Aに基づく統計指標を算出する。
【0040】
データベース60Aの検索キーは、上記のように所定の期間を検索キーとするだけでなく、例えば、衣類情報10及び人物情報12Aに含まれる情報を検索キーとして組み合わせてもよい。例えば、衣類情報10のうち、製造メーカ、商品区分、色、サイズ、素材等を検索キーとしてもよいし、人物情報12Aのうち、年齢、性別、身長、体型等を検索キーとしてもよい。また、複数の検索キーを任意組み合わせてもよい。
【0041】
統計指標は、衣類情報10及び人物情報12Aの関連性に基づく統計量であればよく、例えば、平均値、中央値、最頻値、標準偏差、分散、比率等である。例えば、処理部523Aが、衣類情報10に含まれる色と人物情報12Aに含まれる年齢との関係性に基づいて統計指標として比率を算出する場合、年齢層の比率を色別に算出してもよいし、色の比率を年齢別に算出してもよい。また、処理部523Aは、所定の期間を複数の期間に分割することで、例えば、日別や月別の統計指標を算出してもよい。
【0042】
処理結果出力部524は、処理部523Aにより求められた情報を、例えば、端末装置7の表示画面に表示させるための表示データを生成し、その生成した表示データを端末装置7に送信(出力)する。処理部523Aにより求められた情報(統計指標)は、例えば、棒グラフ、円グラフ、散布図等のグラフ形式や表形式等で表示される。
【0043】
図5は、情報処理システム1の各装置(設置装置4、情報処理装置5、情報管理装置6及び端末装置7)を構成するコンピュータ900の一例を示すハードウエア構成図である。
【0044】
設置装置4、情報処理装置5、情報管理装置6及び端末装置7の各々は、汎用又は専用のコンピュータ900により構成される。コンピュータ900は、
図5に示すように、その主要な構成要素として、バス910、プロセッサ912、メモリ914、入力デバイス916、出力デバイス917、表示デバイス918、ストレージ装置920、通信I/F(インターフェース)部922、外部機器I/F部924、I/O(入出力)デバイスI/F部926、及び、メディア入出力部928を備える。なお、上記の構成要素は、コン
ピュータ900が使用される用途に応じて適宜省略されてもよい。
【0045】
プロセッサ912は、1つ又は複数の演算処理装置(CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-processing unit)、DSP(digital signal processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等)で構成され、コンピュータ900全体を統括する制御部として動作する。メモリ914は、各種のデータ及びプログラム930を記憶し、例えば、メインメモリとして機能する揮発性メモリ(DRAM、SRAM等)と、不揮発性メモリ(ROM、フラッシュメモリ等)とで構成される。
【0046】
入力デバイス916は、例えば、キーボード、マウス、テンキー、電子ペン等で構成され、入力部として機能する。出力デバイス917は、例えば、音(音声)出力装置、バイブレーション装置等で構成され、出力部として機能する。表示デバイス918は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー、プロジェクタ等で構成され、出力部として機能する。入力デバイス916及び表示デバイス918は、タッチパネルディスプレイのように、一体的に構成されていてもよい。ストレージ装置920は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等で構成され、記憶部として機能する。ストレージ装置920は、オペレーティングシステムやプログラム930の実行に必要な各種のデータを記憶する。
【0047】
通信I/F部922は、インターネットやイントラネット等のネットワーク940(
図1のネットワーク8と同じであってもよい)に有線又は無線により接続され、所定の通信規格に従って他のコンピュータとの間でデータの送受信を行う通信部として機能する。外部機器I/F部924は、カメラ、プリンタ、スキャナ、リーダライタ等の外部機器950に有線又は無線により接続され、所定の通信規格に従って外部機器950との間でデータの送受信を行う通信部として機能する。I/OデバイスI/F部926は、各種のセンサ、アクチュエータ等のI/Oデバイス960に接続され、I/Oデバイス960との間で、例えば、センサによる検出信号やアクチュエータへの制御信号等の各種の信号やデータの送受信を行う通信部として機能する。メディア入出力部928は、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)ドライブ、CD(Compact Disc)ドライブ等のドライブ装置で構成され、DVD、CD等のメディア(非一時的な記憶媒体)970に対してデータの読み書きを行う。
【0048】
上記構成を有するコンピュータ900において、プロセッサ912は、ストレージ装置920に記憶されたプログラム930をメモリ914に呼び出して実行し、バス910を介してコンピュータ900の各部を制御する。なお、プログラム930は、ストレージ装置920に代えて、メモリ914に記憶されていてもよい。プログラム930は、インストール可能なファイル形式又は実行可能なファイル形式でメディア970に記録され、メディア入出力部928を介してコンピュータ900に提供されてもよい。プログラム930は、通信I/F部922を介してネットワーク940経由でダウンロードすることによりコンピュータ900に提供されてもよい。また、コンピュータ900は、プロセッサ912がプログラム930を実行することで実現する各種の機能を、例えば、FPGA(field-programmable gate array)、ASIC(application specific integrated circuit)等のハードウエアで実現するものでもよい。
【0049】
コンピュータ900は、例えば、据置型コンピュータや携帯型コンピュータで構成され、任意の形態の電子機器である。コンピュータ900は、クライアント型コンピュータでもよいし、サーバ型コンピュータやクラウド型コンピュータでもよい。
【0050】
(情報処理装置5の動作)
次に、上記構成を有する情報処理システム1の動作について説明する。
【0051】
図6は、第1の実施形態に係る情報処理装置5の取得・登録動作の一例を示すフローチャートである。
図6では、情報処理装置5が、複数の設置装置4から衣類情報10及び人物情報12Aを取得し、情報管理装置6のデータベース60Aに登録するときの情報処理方法について説明する。
【0052】
まず、ステップS100にて、人物Uが設置装置4の前を通過したときに、設置装置4の読取装置40が、人物Uが身に着けた衣類2に付された情報記憶媒体3から衣類情報10を読み取る。このとき、人物Uが、情報記憶媒体3がそれぞれ付された複数の衣類2を身に着けている場合には、読取装置40は、複数の情報記憶媒体3から複数の衣類情報10をそれぞれ読み取る。そして、ステップS101にて、ステップS100と並行して、撮像装置41が、その人物Uを撮像し、画像データ11を生成する。
【0053】
次に、ステップS102にて、通信装置42が、衣類情報10及び画像データ11を情報処理装置5に送信する。なお、通信装置42は、衣類情報10及び画像データ11を随時送信してもよいし、所定の送信タイミング(所定の周期が経過した時でもよいし、所定の人数の人物Uが通過した時でもよい)が満たされたときに、それまでに取得された衣類情報10及び人物情報12Aをまとめて情報処理装置5に送信してもよい。
【0054】
次に、ステップS110にて、情報処理装置5の衣類情報取得部520は、通信装置42により送信された衣類情報10を受信することで、情報記憶媒体3から読み取られた衣類情報10を取得する。
【0055】
次に、ステップS111にて、人物情報取得部521Aが、通信装置42により送信された画像データ11を受信し、画像データ11に対して所定の画像認識処理を行うことで、画像データ11から人物情報12Aを取得する。
【0056】
次に、ステップS112にて、登録部522Aが、衣類情報10及び人物情報12Aが取得された取得日時を示す取得日時情報とともに、ステップS110、S111でそれぞれ取得された衣類情報10及び人物情報12Aを情報管理装置6に送信する。
【0057】
次に、ステップS120にて、情報管理装置6は、取得日時、衣類情報10及び人物情報12Aを関連付けてデータベース60Aに登録する。すなわち、データベース60Aの人物情報テーブル600A及び衣類情報テーブル601Aには、取得日時、衣類情報10及び人物情報12Aを各フィールドの情報とするレコードが新たに追加される。このとき、人物Uが、情報記憶媒体3がそれぞれ付された複数の衣類2を身に着けている場合には、データベース60Aの人物情報テーブル600Aには、新たな人物IDが割り振られた1レコード分の人物情報12Aが追加されるとともに、衣類情報テーブル601Aには、複数の情報記憶媒体3からそれぞれ読み取られた複数レコード分の衣類情報10が、その新たな人物IDに関連付けられた状態で追加される。
【0058】
以上のようにして、様々な衣類2を身に着けた複数の人物Uが設置装置4の前を通過する度に、各人物Uからそれぞれ取得された衣類情報10及び人物情報12Aがデータベース60Aに登録されることで、衣類情報10及び人物情報12Aが蓄積される。なお、上記ステップS110が、情報処理方法の衣類情報取得工程に相当し、上記ステップS111が、情報処理方法の人物情報取得工程に相当し、上記ステップS112が、情報処理方法の登録工程に相当する。
【0059】
図7は、第1の実施形態に係る情報処理装置5の抽出・統計動作の一例を示すフローチャートである。
図7にて、情報処理装置5が、端末装置7からデータベース60Aの検索キーを受け付けて、その検索キーに基づいてデータベース60Aを参照し、衣類情報10及び人物情報12Aの関連性に基づく情報を求めるときの情報処理方法について説明する。
【0060】
まず、ステップS200にて、情報処理システム1の管理者や利用者等が、端末装置7の入力画面にてデータベース60Aの検索キーを入力操作すると、ステップS201にて、端末装置7は、その検索キーを情報処理装置5に送信する。
【0061】
次に、ステップS210にて、情報処理装置5の処理部523Aは、検索キーを情報管理装置6に送信し、ステップS211にて、情報管理装置6が、データベース60Aに対する抽出処理を行うことで、検索キーに合致する複数組の衣類情報10及び人物情報12Aをデータベース60Aから抽出する。そして、ステップS212にて、処理部523Aは、その抽出した複数組の衣類情報10及び人物情報12Aを統計的に処理し、統計指標を算出する。
【0062】
次に、ステップS213にて、処理結果出力部524は、ステップS212で算出された統計指標を端末装置7の表示画面に表示させるための表示データを生成し、その生成した表示データを端末装置7に送信する。
【0063】
次に、ステップS220にて、端末装置7は、検索キーに対する応答として、情報処理装置5により送信された表示データを受信し、その表示データに基づいて表示画面を表示する。
【0064】
以上のようにして、データベース60Aに蓄積された衣類情報10及び人物情報12Aから、衣類情報10及び人物情報12Aの関連性に基づく情報が求められ、その情報が端末装置7に表示される。なお、上記ステップS210~S211が、情報処理方法の処理工程に相当する。
【0065】
したがって、本実施形態に係る情報処理装置5によれば、登録部522Aが、衣類情報取得部520及び人物情報取得部521Aが衣類情報10及び人物情報12Aを取得する度に、衣類情報10及び人物情報12Aを関連付けてデータベース60Aに登録し、処理部523Aが、そのデータベース60Aを参照し、衣類情報10及び人物情報12Aの関連性に基づく情報を求める。これにより、人物Uの特徴を考慮した衣類2の着用動向を的確に把握することができる。
【0066】
また、登録部522Aが、取得日時とともに衣類情報10及び人物情報12Aを関連付けてデータベース60Aに登録し、処理部523Aが、所定の期間をデータベース60Aの検索キーとして受け付けて、当該期間に含まれる取得日時に関連付けられた複数組の衣類情報10及び人物情報12Aをデータベース60Aから抽出し、その抽出した複数組の衣類情報10及び人物情報12Aに基づく統計指標を算出する。これにより、期間単位での衣類2の着用動向を的確に把握することができる。
【0067】
(第2の実施形態)
図8は、第2の実施形態に係る情報処理システム1における情報の流れの一例を示す説明図である。
図9は、第2の実施形態に係る情報処理装置5の一例を示すブロック図である。
【0068】
第1の実施形態では、画像データ11に撮像された人物Uと、その人物Uが身に着けた
衣類2に付された情報記憶媒体3とが関係付けられる場合について説明した。これに対し、第2の実施形態では、画像データ11には、1又は複数の人物U、すなわち、不特定の人数の人物Uからなる人物群Gが撮像されており、その画像データ11に撮像された1又は複数の人物Uの人数(人物群Gを構成する人数)と、その1又は複数の人物Uが身に着けた衣類2に付された情報記憶媒体3とが関連付けられる場合について説明する。なお、第2の実施形態に係る情報処理システム1の各装置4~7の基本的な構成や動作は、第1の実施形態と同様であるため、以下では第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0069】
制御部52は、情報処理プログラム510Bを実行することにより、衣類情報取得部520、人物情報取得部521B、登録部522B、処理部523B及び処理結果出力部524として機能する。
【0070】
人物情報取得部521Bは、人物情報12Bとして、1又は複数の人物Uが撮像された画像データ11から人物Uの人数を少なくとも取得する。したがって、人物情報12Bは、
図8に示すように、画像データ11から取得された人物Uの人数を含む。なお、人物情報取得部521Bが、個人属性情報、身体情報及び着用品情報の各々に関して人物Uの人数を取得してもよい。
【0071】
登録部522Bは、衣類情報10及び人物情報12Bが取得された取得日時とともに、衣類情報10及び人物情報12Bを関連付けてデータベース60Bに登録する。したがって、複数の人物Uが設置装置4の前を次々に通過することで、各人物Uからそれぞれ取得された衣類情報10及び人物情報12Bがデータベース60Bに次々に登録されて蓄積される。その際、本実施形態では、上記のように、画像データ11として撮像された1又は複数の人物Uの人数と、その1又は複数の人物Uが身に着けた衣類2の情報記憶媒体3から読み取られた衣類情報10とが関連付けられる。
【0072】
図10は、第2の実施形態に係るデータベース60Bの一例を示すデータ構成図である。
【0073】
データベース60Bは、取得日時、衣類情報10及び人物情報12Bをフィールドとしてそれぞれ有する。データベース60Bには、1人又は複数の人物Uから取得された衣類情報10及び人物情報12Bと、それらが取得された取得日時とが、各フィールドに登録される。
【0074】
データベース60Bは、人物群ID、取得日時及び人物情報12Bをフィールドとして有する人物情報テーブル600Bと、人物群ID及び衣類情報10をフィールドとして有する衣類情報テーブル601Bとを備える。人物情報テーブル600Bと、衣類情報テーブル601Bとは、人物群IDにより関連付けられる。人物群IDは、1つの画像データ11に撮像された1又は複数の人物Uを、1つの人物群Gとして識別するために、登録部522Bにより自動的に割り振られる識別コードである。
【0075】
人物情報テーブル600Bには、画像データ11から取得された人物Uの人数(人物群Gを構成する人数)を少なくとも含む人物情報12Bが、1レコード分のデータとして登録される。衣類情報テーブル601Bには、1つの衣類2に付された情報記憶媒体3から読み取られた衣類情報10が、1レコード分のデータとして登録される。なお、
図10では、身体情報及び着用品情報の記載を省略している。
【0076】
図10に示すデータベース60Bには、例えば、人物群ID「G0001」で特定される人物群Gは、4人の人物U(20代1人、30代1人、40代1人、60代1人)からなり、4人の人物Uのいずれかが、商品コード「ABC111」で特定される衣類(ジャ
ケット)、商品コード「ABC222」で特定される衣類(スラックス)、及び、商品コード「DEF333」で特定される衣類(ニット)を身に着けていたという情報が、
図10の矢印で示すように、人物群IDにより関連付けることで登録されている。
【0077】
処理部523Bは、所定の期間をデータベース60Bの検索キーとして受け付けて、当該期間に含まれる取得日時に関連付けられた複数組の衣類情報10及び人物情報12Bをデータベース60Bから抽出する。そして、処理部523Bは、その抽出した複数の衣類情報10から所定の衣類条件に合致する条件合致数を計数するとともに、その抽出した複数の人物情報12Bから人数の総人数を計数し、総人数に対する条件合致数の割合を算出する。ここでの1組の衣類情報10及び人物情報12Bは、1つの人物群IDにて特定される衣類情報10及び人物情報12Bを示すものである。
【0078】
例えば、処理部523Bは、所定の期間として1時間(検索キー)の間に取得された60組の衣類情報10及び人物情報12Bを抽出したとき、その抽出した60の衣類情報10から所定の衣類条件(例えば、「商品区分」が「コート」かつ「色」が「黒」)に合致する条件合致数(例えば、40)を計数するとともに、その抽出した60の人物情報12Bから人数の総人数(例えば、400)を計数し、総人数に対する条件合致数の割合(例えば、10%)を算出する。このようにして、1時間の間に設置装置4の前を通過した総人数に対して「黒」の「コート」を着用している人数の割合が算出される。
【0079】
なお、読取装置40が、情報記憶媒体3の存在位置を特定可能な場合には、複数の人物Uの撮像位置と、複数の情報記憶媒体3の存在位置とが照合されて、画像データ11として撮像された各人物Uが、どの情報記憶媒体3が付された衣類2をそれぞれ身に着けているかが特定されてもよい。また、画像データ11に対する画像認識処理にて複数の人物Uがそれぞれ着用している衣類2に関する着用衣類情報を取得可能な場合には、画像データ11に対する画像認識処理にて取得された着用衣類情報と、情報記憶媒体3から読み取られた衣類情報10に含まれるデザイン情報とを照合することで、画像データ11として撮像された各人物Uが、どの情報記憶媒体3が付された衣類2をそれぞれ身に着けているかが特定されてもよい。この場合には、登録部522Bが、各人物Uがそれぞれ身に付けている衣類2に関する衣類情報10を各人物Uに関連付けてデータベース60Bに登録することで、処理部523Bは、第1の実施形態と同様に、人物単位での統計指標を算出するようにしてもよい。
【0080】
本実施形態に係る情報処理装置5によれば、登録部522Bが、取得日時とともに、衣類情報10及び人物Uの人数を含む人物情報12Bを関連付けてデータベース60Bに登録し、処理部523Bが、所定の期間をデータベース60Bの検索キーとして受け付けて、当該期間に含まれる取得日時に関連付けられた複数組の衣類情報10及び人物情報12Bを抽出し、その抽出した複数の衣類情報10から所定の衣類条件に合致する条件合致数を計数するとともに、その抽出した複数の人物情報12Bから人数の総人数を計数し、総人数に対する条件合致数の割合を算出する。これにより、期間単位で所定の衣類条件に合致する衣類2を着用している人物Uの割合を的確に把握することができる。
【0081】
(第3の実施形態)
図11は、第3の実施形態に係る情報処理システム1における情報の流れの一例を示す説明図である。
図12は、第3の実施形態に係る情報処理装置5の一例を示すブロック図である。
【0082】
第1の実施形態では、人物情報取得部521Aが、画像データ11から
図2、
図5に例示する人物情報12Aを取得する場合について説明した。これに対し、第3の実施形態では、人物情報取得部521Cが、人物情報12Cとして、人物Uの外観的特徴に対する評
価値をさらに取得する場合について説明する。なお、第3の実施形態に係る情報処理システム1の各装置4~7の基本的な構成や動作は、第1の実施形態と同様であるため、以下では第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0083】
人物Uの外観的特徴に対する評価値とは、コーディネート、メイク若しくはヘアースタイル又はこれらの2つ以上の組み合わせを評価対象の要素として、人物Uの外観的特徴を所定の基準で評価したときの数値(100点満点の点数評価)や段階値(A、B、Cのような段階評価)で表される。
【0084】
制御部52は、情報処理プログラム510Cを実行することにより、衣類情報取得部520、人物情報取得部521C、登録部522C、処理部523C及び処理結果出力部524として機能する。
【0085】
人物情報取得部521Cは、画像データ11に対して学習済みモデルや認識アルゴリズム等を用いた所定の画像認識処理を行うことにより、人物情報12Cとして、複数の衣類2を組み合わせて身に着けた人物Uの外観的特徴に対する評価値を少なくとも取得する。本実施形態では、人物情報12Cは、
図11に示すように、第1の実施形態に係る人物情報12Aに加えて、人物Uの外観的特徴に対する評価値を含む。
【0086】
登録部522Cは、人物Uが組み合わせて身に着けた複数の衣類2に関する衣類情報10と、その人物Uの外観的特徴に対する評価値を少なくとも含む人物情報12Cとを関連付けて登録する。
【0087】
図13は、第3の実施形態に係るデータベース60Cの一例を示すデータ構成図である。
【0088】
データベース60Cは、人物ID、取得日時及び人物情報12Cをフィールドとして有する人物情報テーブル600Cと、人物ID及び衣類情報10をフィールドとして有する衣類情報テーブル601Cとを備える。データベース60Cは、人物情報テーブル600Cのフィールドとして外観的特徴に対する評価値(100点満点の点数評価)を有し、それ以外は、
図4に示すデータベース60Aと同様に構成される。
【0089】
処理部523Cは、所定の評価値をデータベース60Cの検索キーとして受け付けて、当該評価値を満たす人物情報12Cに関連付けられた衣類情報10の組み合わせを抽出する。
【0090】
例えば、処理部523Cは、所定の評価値として「80点以上」を検索キーとして受け付けると、「80点以上」の評価値を有する人物情報12Cに関連付けられた衣類情報10を抽出する。
図13に示すデータベース60Cでは、例えば、人物ID「U0001」で特定される人物Uに対して「90点」の評価値が付与されているため、人物ID「U0001」に関連付けられた衣類情報10の組み合わせとして、商品コード「ABC111」で特定される衣類(ジャケット)と、商品コード「ABC222」で特定される衣類(スラックス)との組み合わせが抽出される。
【0091】
本実施形態に係る情報処理装置5によれば、登録部522Cが、人物Uが組み合わせて身に着けた複数の衣類2に関する衣類情報10と、その人物Uの外観的特徴に対する評価値を少なくとも含む人物情報12Cとを関連付けてデータベース60Cに登録し、処理部523Cが、評価値をデータベース60Cの検索キーとして受け付けて、当該評価値を満たす人物情報12Cに関連付けられた衣類情報10の組み合わせを抽出する。これにより、外観的特徴に対して所定の評価値が得られる衣類2の組み合わせ(コーディネート)を
的確に把握することができる。
【0092】
(第4の実施形態)
図14は、第4の実施形態に係る情報処理システム1における情報の流れの一例を示す説明図である。
図15は、第4の実施形態に係る情報処理装置5の一例を示すブロック図である。
【0093】
第3の実施形態では、人物情報取得部521Cが、人物情報12Cとして、人物Uの外観的特徴に対する評価値を取得する場合について説明した。これに対し、第4の実施形態では、人物情報取得部521Dが、人物情報12Dとして、人物Uの外観的特徴に対する分類を取得する場合について説明する。なお、第4の実施形態に係る情報処理システム1の各装置4~7の基本的な構成や動作は、第3の実施形態と同様であるため、以下では第3の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0094】
人物Uの外観的特徴に対する分類とは、コーディネート、メイク若しくはヘアースタイル又はこれらの2つ以上の組み合わせを分類対象の要素として、人物Uの外観的特徴を所定の基準でグループ分けしたときの分類で表される。人物Uの外観的特徴が、例えば、コーディネートの系統別に分類された場合には、カジュアル系、ビジネス系、モード系、ナチュラル系、ストリート系等のように分類される。
【0095】
制御部52は、情報処理プログラム510Dを実行することにより、衣類情報取得部520、人物情報取得部521D、登録部522D、処理部523D及び処理結果出力部524として機能する。
【0096】
人物情報取得部521Dは、人物情報12Dとして、複数の衣類を組み合わせて身に着けた人物Uの外観的特徴に対する分類を少なくとも取得する。したがって、人物情報12Dは、
図14に示すように、画像データ11から取得された人物Uの外観的特徴に対する分類を含む。
【0097】
人物情報取得部521Dは、画像データ11に対して学習済みモデルや認識アルゴリズム等を用いた所定の画像認識処理を行うことにより、人物情報12Dとして、複数の衣類を組み合わせて身に着けた人物Uの外観的特徴に対する分類を少なくとも取得する。本実施形態では、人物情報12Dは、
図14に示すように、第1の実施形態に係る人物情報12Aに加えて、人物Uの外観的特徴に対する分類を含む。
【0098】
登録部522Dは、人物Uが組み合わせて身に着けた複数の衣類2に関する衣類情報10と、その人物Uの外観的特徴に対する分類を少なくとも含む人物情報12Dとを関連付けて登録する。
【0099】
図16は、第4の実施形態に係るデータベース60Dの一例を示すデータ構成図である。
【0100】
データベース60Dは、人物ID、取得日時及び人物情報12Dをフィールドとして有する人物情報テーブル600Dと、人物ID及び衣類情報10をフィールドとして有する衣類情報テーブル601Dとを備える。データベース60Dは、人物情報テーブル600Dのフィールドとして外観的特徴に対する分類(コーディネートの系統別)を有し、それ以外は、
図4に示すデータベース60Aと同様に構成される。
【0101】
処理部523Dは、所定の分類をデータベース60Dの検索キーとして受け付けて、当該評価値を満たす人物情報12Dに関連付けられた衣類情報10の組み合わせを抽出する
。
【0102】
例えば、処理部523Dは、所定の分類として「ビジネス系」を検索キーとして受け付けると、「ビジネス系」の分類を有する人物情報12Dに関連付けられた衣類情報10を抽出する。
図16に示すデータベース60Dでは、例えば、人物ID「U0001」で特定される人物Uに対して「ビジネス系」の分類が付与されているため、人物ID「U0001」に関連付けられた衣類情報10の組み合わせとして、商品コード「ABC111」で特定される衣類(ジャケット)と、商品コード「ABC222」で特定される衣類(スラックス)との組み合わせが抽出される。
【0103】
また、処理部523Dは、衣類2の組み合わせを提案するための所定の提案条件を受け付けて、当該提案条件を満たす衣類情報10の組み合わせをデータベース60Dから抽出し、その抽出した衣類情報10の組み合わせに基づいて、衣類2に関する提案情報(レコメンド情報)を生成する。
【0104】
提案情報を生成する第1の提案方法として、処理部523Dは、人物情報取得部521Dにより取得された人物情報12Dを提案条件として受け付けたとき、提案条件として受け付けた人物情報12Dの分類をデータベース60Dの検索キーとして、当該分類を満たす人物情報12Dに関連付けられた衣類情報10の組み合わせを抽出する。そして、処理部523Dは、その抽出した衣類情報10の組み合わせに基づいて、衣類2に関する提案情報を生成する。
【0105】
上記の第1の提案方法では、例えば、人物Uが設置装置4の前を通過したときに、人物情報取得部521Dが、その人物Uが撮像された画像データ11から人物情報12Dを取得する。そして、処理部523Dが、そのようにして取得された人物情報12Dを提案条件として受け付けて、提案情報を生成することで、その人物Uの分類が、例えば、「ストリート系」である場合には、「ストリート系」の衣類2の組み合わせが提案される。これにより、人物Uの特徴(例えば、好みの系統)に合わせたコーディネートを提案することができる。なお、提案情報は、例えば、その人物Uが所持する端末装置7(例えば、携帯電話、スマートフォン等)に送信されるようにすればよい。
【0106】
提案情報を生成する第2の提案方法として、処理部523Dは、衣類情報取得部520及び人物情報取得部521Dにより取得された衣類情報10及び人物情報12Dを提案条件として受け付けたとき、提案条件として受け付けた人物情報12Dの分類をデータベース60Dの検索キーとして、当該分類を満たす人物情報12Dに関連付けられた衣類情報10の組み合わせを抽出する。そして、処理部523Dは、その抽出した衣類情報10の組み合わせと、提案条件として受け付けた衣類情報10とに基づいて、当該衣類情報10により特定される衣類2に組み合わせる新たな衣類2に関する提案情報を生成する。
【0107】
上記の第2の提案方法では、例えば、人物Uが設置装置4の前を通過したときに、衣類情報取得部520が、その人物Uが身に着けた衣類2に付された情報記憶媒体3から衣類情報10を取得するとともに、人物情報取得部521Dが、その人物Uが撮像された画像データ11から人物情報12Dを取得する。そして、処理部523Dが、そのようにして取得された衣類情報10及び人物情報12Dを提案条件として受け付けて、提案情報を生成することで、その人物Uの分類が、例えば、「ナチュラル系」である場合には、その人物Uが現在身に着けている衣類2に組み合わせるのに適した「ナチュラル系」の新たな衣類2が提案される。これにより、人物Uの特徴(例えば、好みの系統)に合わせて、人物Uが現在身に着けている衣類2に組み合わせるための新たな衣類2を提案することができる。なお、提案情報は、例えば、その人物Uが所持する端末装置7(例えば、携帯電話、スマートフォン等)に送信されるようにすればよい。
【0108】
本実施形態に係る情報処理装置5によれば、登録部522Dが、人物Uが組み合わせて身に着けた複数の衣類2に関する衣類情報10と、その人物Uの外観的特徴に対する分類値を少なくとも含む人物情報12Dとを関連付けてデータベース60Dに登録し、処理部523Dが、分類をデータベース60Dの検索キーとして受け付けて、当該分類を満たす人物情報12Dに関連付けられた衣類情報10の組み合わせを抽出する。これにより、外観的特徴に対して所定の分類が得られる衣類2の組み合わせ(コーディネート)を的確に把握することができる。
【0109】
(第5の実施形態)
図17は、第5の実施形態に係る情報処理システム1における情報の流れの一例を示す説明図である。
図18は、第5の実施形態に係る情報処理装置5の一例を示すブロック図である。
図19は、第5の実施形態に係る設置装置4の設置状態の一例を示す概要図である。
【0110】
第1の実施形態では、登録部522Aが、衣類情報10及び人物情報12Aが取得された取得日時とともに、衣類情報10及び人物情報12Aを関連付けてデータベース60Aに登録する場合について説明した。これに対し、第5の実施形態では、登録部522Eが、設置装置4の装置設置場所とともに、衣類情報10及び人物情報12Eを関連付けてデータベース60Eに登録する場合について説明する。
【0111】
また、第1の実施形態では、人物情報取得部521Aが、画像データ11から
図2、
図5に例示する人物情報12Aを取得する場合について説明した。これに対し、第5の実施形態では、人物情報取得部521Eが、人物情報12Eとして、人物Uの進行方向をさらに取得する場合について説明する。なお、第5の実施形態に係る情報処理システム1の各装置4~7の基本的な構成や動作は、第1の実施形態と同様であるため、以下では第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0112】
制御部52は、情報処理プログラム510Eを実行することにより、衣類情報取得部520、人物情報取得部521E、登録部522E、処理部523E及び処理結果出力部524として機能する。
【0113】
人物情報取得部521Eは、画像データ11に対して学習済みモデルや認識アルゴリズム等を用いた所定の画像認識処理を行うことにより、人物情報12Eとして、人物Uの進行方向を少なくとも取得する。本実施形態では、人物情報12Eは、
図17に示すように、第1の実施形態に係る人物情報12Aに加えて、人物Uの進行方向を含む。
【0114】
登録部522Eは、衣類情報10及び人物情報12Eが取得された取得日時と、設置装置4の装置設置場所とともに、衣類情報10及び人物情報12Eを関連付けてデータベース60Eに登録する。
【0115】
複数の設置装置4は、例えば、
図19に示すように、交差点毎に設置される。設置装置4の装置設置場所を示す情報は、例えば、設置装置4又は情報処理装置5に事前に記憶されており、登録部522Eは、その情報を参照することでデータベース60Eに登録する。例えば、設置装置4の通信装置42が、装置設置場所を示す情報を記憶している場合には、通信装置42が、衣類情報10及び画像データ11を情報処理装置5に送信する際に、その装置設置場所を示す情報を付加することで、登録部522Eが、装置設置場所を特定する。また、情報処理装置5が、設置装置4を識別するための装置IDと、各設置装置4の装置設置場所とを対応付けて記憶している場合には、通信装置42が、衣類情報10及び画像データ11を情報処理装置5に送信する際に、設置装置4の装置IDを付加する
ことで、登録部522Eが、装置IDに対応する装置設置場所を特定する。
【0116】
図20は、第5の実施形態に係るデータベース60Eの一例を示すデータ構成図である。
【0117】
データベース60Eは、人物ID、取得日時、装置設置場所(取得場所)及び人物情報12Eをフィールドとして有する人物情報テーブル600Eと、人物ID及び衣類情報10をフィールドとして有する衣類情報テーブル601Eとを備える。データベース60Eは、人物情報テーブル600Eのフィールドとして、装置設置場所と、人物Uの進行方向とを有し、それ以外は、
図4に示すデータベース60Aと同様に構成される。
【0118】
処理部523Eは、所定の進行方向をデータベース60Eの検索キーとして受け付けて、当該進行方向を満たす人物情報12Eに関連付けられた衣類情報10の組み合わせを抽出する。
【0119】
また、処理部523Eは、設置装置4が、
図19に示すように、複数の装置設置場所に設置されている場合、所定の地域(例えば、市区町村、メッシュ単位等)をデータベース60Eの検索キーとして受け付けて、当該地域に含まれる装置設置場所に関連付けられた複数組の衣類情報10及び人物情報12Eを抽出する。そして、処理部523Eは、その抽出した複数組の衣類情報10及び人物情報12Eに基づく統計指標を算出する。
【0120】
さらに、処理部523Eは、設置装置4が、
図19に示すように、複数の装置設置場所に設置されている場合、複数の装置設置場所をデータベース60Eの検索キーとして受け付けて、装置設置場所毎に複数組の衣類情報10及び人物情報12Eを抽出する。そして、処理部523Eは、その抽出した装置設置場所毎の複数組の衣類情報10及び人物情報12Eを進行方向毎に集計することで人物Uの動線を求める。なお、
図19では、複数の設置装置4は、交差点毎に設置された場合を例示したが、駅、店舗等の屋内の各所(出入口や通路等)に設置されて、屋内における人物Uの動線を求めるために使用されてもよい。例えば、設置装置4が、店舗の出入口に設置されている場合には、データベース60Eから同一の装置設置場所において同一の衣類情報10及び人物情報12Eを含む2レコードを抽出し、進行方向が入店を示す1つ目のレコードの取得日時と、進行方向が退店を示す2つ目の取得日時との差分から当該店舗の滞留時間を求めることで、例えば、年齢別、性別別、期間別等で滞留時間に関する統計指標を算出してもよい。
【0121】
なお、装置設置場所に固有の情報として、例えば、気象情報を利用するようにしてもよい。気象情報は、例えば、天候(晴、雲、雨、雪等)、気温、湿度、風向、風速、気圧、降水量等である。この場合には、登録部522Eは、衣類情報10及び人物情報12Eが取得された取得日時と、設置装置4の装置設置場所と、装置設置場所における気象情報とともに、衣類情報10及び人物情報12Eを関連付けてデータベース60Eに登録する。装置設置場所における気象情報は、例えば、設置装置4が気象情報を観測する気象観測センサを備える場合には、設置装置4から取得されてもよいし、気象庁や気象情報提供事業者等により運用される気象情報提供システムから気象実況情報として取得されてもよい。また、処理部523Eは、所定の気象条件(例えば、晴、気温20℃以上)をデータベース60Eの検索キーとして受け付けて、当該気象条件に合致する気象情報に関連付けられた複数組の衣類情報10及び人物情報12Eを抽出する。そして、処理部523Eは、その抽出した複数組の衣類情報10及び人物情報12Eに基づく統計指標を算出する。
【0122】
本実施形態に係る情報処理装置5によれば、登録部522Eが、人物Uが組み合わせて身に着けた複数の衣類2に関する衣類情報10と、その人物Uの進行方向を少なくとも含む人物情報12Dとを関連付けてデータベース60Eに登録し、処理部523Eが、進行
方向をデータベース60Eの検索キーとして受け付けて、当該進行方向を満たす人物情報12Eに関連付けられた衣類情報10の組み合わせを抽出する。これにより、特定の進行方向に向かう人物Uが着用している衣類2の組み合わせ(コーディネート)を的確に把握することができる。
【0123】
また、登録部522Eが、装置設置場所とともに衣類情報10及び人物情報12Eを関連付けてデータベース60Eに登録し、処理部523Eが、所定の地域をデータベース60Eの検索キーとして受け付けて、当該地域に含まれる装置設置場所に関連付けられた複数組の衣類情報10及び人物情報12Eをデータベース60Eから抽出し、その抽出した複数組の衣類情報10及び人物情報12Eに基づく統計指標を算出する。これにより、地域単位での衣類2の着用動向を的確に把握することができる。
【0124】
さらに、処理部523Eが、複数の装置設置場所をデータベース60Eの検索キーとして受け付けて、装置設置場所毎に複数組の衣類情報10及び人物情報12Eを抽出し、その抽出した装置設置場所毎の複数組の衣類情報10及び人物情報12Eを進行方向毎に集計することで人物Uの動線を求める。これにより、人物Uの動線を的確に把握することができる。
【0125】
(他の実施形態)
本発明は、上記の実施形態に制約されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本発明の技術思想に含まれるものである。
【0126】
例えば、第1乃至第5の実施形態は、少なくとも2つの実施形態を任意に組み合わせてもよく、例えば、第1の実施形態に第3の実施形態を組み合わせてもよいし、第1の実施形態に第3及び第4の実施形態を組み合わせてもよい。
【0127】
また、第1乃至第5の実施形態では、情報管理装置6が、データベース60A~60Eを備えるものとして説明したが、情報処理装置5の記憶部51に、データベース60A~60Eが記憶されていてもよい。
【0128】
また、第1乃至第5の実施形態では、情報処理システム1の各装置4~7が、衣類情報10の商品固有情報に基づいて外部データベース装置にアクセスすることで、外部データベース装置に記憶されたその他の情報を付加的に取得する場合について説明したが、各装置4~7は、その他の情報の具体例として、衣類2の話題や需要に関する情報を取得するようにしてもよい。衣類2の話題や需要に関する情報は、例えば、衣類2の商品固有情報に基づいてインターネット上のウェブサイトを自動で巡回する自動巡回プログラム等を実行して、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)におけるハッシュタグの情報や、記事、投稿、コメント等に含まれる文字列又は写真を解析することにより外部データベース装置に随時蓄積される。その際、文字列又は写真に日時や場所の情報が含まれている場合には、それらの情報も外部データベース装置に合わせて蓄積される。そして、情報処理装置5の処理部523A~523Eが、衣類情報10及び人物情報12A~12Eの関連性に基づく情報を求める際に、商品固有情報に基づいて上記の外部データベース装置にアクセスして衣類2の話題や需要に関する情報を取得することで、話題や需要の観点を含む統計指標を算出するようにしてもよい。さらに、話題や需要に関する情報に日時や場所の情報が含まれている場合には、処理部523A~523Eは、データベース60A~60Eに登録された取得日時、装置設置場所及び気象情報と合わせることで、話題や需要の観点を含む統計指標を複合的に算出するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0129】
1…情報処理システム、2…衣類、3…情報記憶媒体、4…設置装置、
5…情報処理装置、6…情報管理装置、8…ネットワーク、
10…衣類情報、11…画像データ、12A~12E…人物情報、
30…記憶回路、31…通信回路、40…読取装置、41…撮像装置、42…通信装置、50…入力部、51…記憶部、52…制御部、53…通信部、54…出力部、
510A~510E…情報処理プログラム、
520…衣類情報取得部、521A~521E…人物情報取得部、
522A~522E…登録部、523A~523E…処理部、524…処理結果出力部、60A~60E…データベース、
600A~600E…人物情報テーブル、601A~601E…衣類情報テーブル、
900…コンピュータ、G…人物群、U…人物