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特許7638125医療システム及びコンピュータープログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-20
(45)【発行日】2025-03-03
(54)【発明の名称】医療システム及びコンピュータープログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/10 20180101AFI20250221BHJP
【FI】
G16H20/10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021052203
(22)【出願日】2021-03-25
(65)【公開番号】P2022149875
(43)【公開日】2022-10-07
【審査請求日】2023-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小久保 龍太
(72)【発明者】
【氏名】梅田 建
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 陽一
(72)【発明者】
【氏名】早川 和寿
【審査官】鹿野 博嗣
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0237176(US,A1)
【文献】韓国公開特許第2020-0021349(KR,A)
【文献】韓国登録特許第1607530(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療従事者又は患者による操作を受け付け、患者に対して処方された医薬品に関する電子処方箋のデータを発行し、前記電子処方箋に関する受け渡し対象の情報であるトークンの発行を前記トークンの受け渡しの履歴を記録し医療システムとは異なる装置である履歴管理システムに対して指示する発行部と、
前記トークンを、前記医薬品を受け取る者の端末に対して受け渡すことを前記履歴管理システムに指示する受け渡し制御部と、
を備える医療システム。
【請求項2】
前記履歴管理システムは、ブロックチェーンを用いて構成される、請求項1に記載の医療システム。
【請求項3】
前記受け渡し制御部は、前記端末のうち、認証情報を用いた認証を行う認証認可システムによって認証された端末に対して、前記トークンを受け渡すことを前記履歴管理システムに指示する、請求項1又は2に記載の医療システム。
【請求項4】
前記受け渡し制御部は、前記端末のうち、前記患者が使用するユーザー端末から前記トークンを受け渡された端末である代理人端末に対して、前記トークンを受け渡すことを前記履歴管理システムに指示する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の医療システム。
【請求項5】
前記履歴管理システムは、前記代理人端末に対して前記トークンが受け渡されたことを示す情報を記録している、請求項4に記載の医療システム。
【請求項6】
前記トークンは、前記電子処方箋のデータのハッシュ値を含む、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の医療システム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の医療システムとしてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品の処方に用いられる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医師が作成するカルテを電子化する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。このような電子カルテの技術は、例えば平成29年には一般病院及び一般診療所においてそれぞれ50%近くの普及が達成されており、医療業務の効率化が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-113004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、医薬品の処方に関しては、厚生労働省において平成30年度に電子処方箋の本格運用に向けた実証事業の最終報告書などが公開されてはいるものの、必ずしも十分な利便性が得られていない。
上記事情に鑑み、本発明は、医薬品の処方における利便性を向上させることができる技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、患者に対して処方された医薬品に関する電子処方箋のデータを発行し、前記電子処方箋に関する受け渡し対象の情報であるトークンの発行を前記トークンの受け渡しの履歴を記録する履歴管理システムに対して指示する発行部と、前記トークンを、前記医薬品を受け取る者の端末に対して受け渡すことを前記履歴管理システムに指示する受け渡し制御部と、を備える医療システムである。
【0006】
本発明の一態様は、上記の医療システムであって、前記履歴管理システムは、ブロックチェーンを用いて構成される。
【0007】
本発明の一態様は、上記の医療システムであって、前記受け渡し制御部は、前記端末のうち、認証情報を用いた認証を行う認証認可システムによって認証された端末に対して、前記トークンを受け渡すことを前記履歴管理システムに指示する。
【0008】
本発明の一態様は、上記の情報システムであって、前記受け渡し制御部は、前記端末のうち、前記患者が使用するユーザー端末から前記トークンを受け渡された端末である代理人端末に対して、前記トークンを受け渡すことを前記履歴管理システムに指示する。
【0009】
本発明の一態様は、上記の医療システムであって、前記履歴管理システムは、前記代理人端末に対して前記トークンが受け渡されたことを示す情報を記録している。
【0010】
本発明の一態様は、上記の医療システムであって、前記トークンは、前記電子処方箋のデータのハッシュ値を含む。
【0011】
本発明の一態様は、上記の医療システムとしてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、医薬品の処方における利便性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の管理システム100の第1実施形態のシステム構成を示す概略ブロック図である。
図2】電子処方箋管理装置10の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
図3】医療システム30の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
図4】医薬品管理システム40の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
図5】ユーザー端末50の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
図6】電子処方箋が発行される際の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
図7】電子処方箋のトークンが医療システム30からユーザー端末50へ受け渡される際の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
図8】電子処方箋のトークンがユーザー端末50から医薬品管理システム40へ受け渡される際の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
図9】電子処方箋にしたがって医薬品がユーザーに対して調剤される際の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
図10】本発明の管理システム100の第2実施形態のシステム構成を示す概略ブロック図である。
図11】電子処方箋のトークンがユーザー端末50から代理人端末60へ受け渡される際の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
図12】電子処方箋のトークンが代理人端末60から医薬品管理システム40へ受け渡される際の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
図13】電子処方箋にしたがって医薬品が代理人に対して調剤される際の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
図14】代理人によって受け取られた医薬品がユーザーに対して渡される際の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
図15】管理システム100の変形例の構成を示す図である。
図16】変形例における認証処理の一具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の具体的な構成例について、図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の管理システム100の第1実施形態のシステム構成を示す概略ブロック図である。管理システム100は、電子処方箋管理装置10、履歴管理システム20、医療システム30、医薬品管理システム40及びユーザー端末50を備える。電子処方箋管理装置10、履歴管理システム20、医療システム30、医薬品管理システム40及びユーザー端末50は、ネットワーク90を介して通信する。ネットワーク90は、無線通信を用いたネットワークであってもよいし、有線通信を用いたネットワークであってもよい。ネットワーク90は、複数のネットワークが組み合わされて構成されてもよい。
【0015】
図2は、電子処方箋管理装置10の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。電子処方箋管理装置10は、例えばパーソナルコンピューターやサーバー装置などの情報処理装置を用いて構成される。電子処方箋管理装置10は、通信部11、記憶部12及び制御部13を備える。
【0016】
通信部11は、通信機器である。通信部11は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部11は、制御部13の制御に応じて、ネットワーク90を介して他の装置とデータ通信する。通信部11は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0017】
記憶部12は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部12は、制御部13によって使用されるデータを記憶する。記憶部12は、例えば電子処方箋記憶部121として機能してもよい。電子処方箋記憶部121は、管理システム100において発行された電子処方箋のデータを記憶する。電子処方箋のデータは、例えば処方箋が含むデータを含む。電子処方箋のデータは、例えばユーザー端末50のユーザーに対して処方された医薬品とその利用法(服用法など)を含む。電子処方箋のデータは、特定の識別情報(例えばURI:Uniform Resource Identifier)に対応付けて記憶されてもよい。電子処方箋のデータは、例えばHL7(Health Level Seven)や、FHIR(Fast Health Interoperable Resources)等の形式で記憶されてもよい。
【0018】
制御部13は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部13は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、情報管理部131及び情報提供部132として機能する。なお、制御部13の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0019】
情報管理部131は、電子処方箋記憶部121に記憶される電子処方箋のデータの新規登録や更新や削除などの管理処理を行う。例えば、医療システム30から新規の電子処方箋のデータの登録要求が受信された場合には、情報管理部131は、受信された電子処方箋のデータを電子処方箋記憶部121に登録する。例えば、医薬品管理システム40から電子処方箋のデータの更新要求が受信された場合には、情報管理部131は、受信された更新要求にしたがって、更新対象の電子処方箋のデータを更新する。例えば、医薬品管理システム40から電子処方箋のデータの削除要求が受信された場合には、情報管理部131は、受信された削除要求にしたがって、削除対象の電子処方箋のデータを削除する。なお、更新要求や削除要求の送信元は、上述した医薬品管理システム40に限られる必要は無い。例えば、医療システム30が送信元となってもよい。
【0020】
情報提供部132は、電子処方箋記憶部121に記憶される電子処方箋のデータを、他の情報処理装置に対して提供する。情報提供部132は、例えば予め定められた特定の識別情報(例えばURI)を指定して電子処方箋のデータの要求が受信された場合、このリクエストに応じて、識別情報に対応付けられた電子処方箋のデータを要求元の装置に提供する。
【0021】
履歴管理システム20は、1又は複数の情報処理装置を用いて構成される。履歴管理システム20は、記憶される情報の信頼性が高いシステムを用いて構成されることが望ましい。履歴管理システム20は、例えば1台の情報処理装置又は1つの情報処理システムとして構成されて、管理対象となる履歴の情報全てを記憶するように構成されてもよい。履歴管理システム20は、例えば複数の情報処理装置をネットワークで接続して構成された分散システムとして構成されて、管理対象となる履歴の情報を分散して記憶するように構成されてもよい。履歴管理システム20は、例えばブロックチェーンシステムとして構成されてもよい。この場合、履歴管理システム20に適用されるブロックチェーンは、パブリック型として構成されてもよいし、プライベート型として構成されてもよい。
【0022】
履歴管理システム20は、例えば電子処方箋に関する受け渡し対象情報(以下「トークン」という。)の受け渡しの履歴に関する情報を管理する。トークンは、例えば以下のような値を有してもよい。なお、履歴管理システム20がブロックチェーンを用いて構成された場合には、トークンの識別情報は、ブロック番号やコントラクトアドレスとして実現されてもよい。
【0023】
・トークンの識別情報(トークンID)
・処方日
・有効期限
・発行した者の識別情報(例えば医師のID)
・現在の占有者の識別情報
・電子処方箋の識別情報(例えばURI)
・電子処方箋のデータのハッシュ値
【0024】
トークンは、例えば医療システム30における医療従事者(例えば医師)の操作に応じて履歴管理システム20へ発行の要求が送信され、その要求に応じて履歴管理システム20によって発行される。トークンは、例えば処方箋単位で発行されてもよいし、薬の種別単位で発行されてもよいし、複数の薬の群単位で発行されてもよい。医療従事者の操作に応じて発行されたトークンは、そのトークンに応じた電子処方箋の発行先となるユーザー(例えば患者)のユーザー端末50に受け渡される。受け渡しは、例えば医療システム30において保持される秘密鍵に基づいて生成されるウォレットアドレスと、ユーザー端末50において保持される公開鍵に基づいて生成されるウォレットアドレスと、を用いて、医療システム30において保持されるトークンがユーザー端末50へ受け渡されてもよい。このようなトークンの受け渡しが行われた場合に、医療システム30やユーザー端末50の処理に応じて、履歴管理システム20においてその受け渡しの履歴を示す情報が記録される。
【0025】
図3は、医療システム30の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。医療システム30は、医療機関(例えば病院や診療所)において患者の情報を管理するために使用されるシステムである。医療システム30は、例えばFHIR等の規格に準拠して構成されてもよい。医療システム30は、例えば電子処方箋に関する処理を行う。医療システム30は、医療機関において作業を行う者(以下「医療従事者」という。)によって操作される。医療従事者の具体例として、医師、看護師、薬剤師、窓口担当者などがある。医療システム30は、特定の処理に関しては、患者等の一般の者(医療従事者ではない者)によって操作されてもよい。このような処理の具体例として、自身に対して既に発行された電子処方箋のトークンの受け渡し処理がある。
【0026】
医療システム30は、例えばパーソナルコンピューターやサーバー装置などの情報処理装置を用いて構成される。1台の情報処理装置を用いて構成されてもよいし、複数台の情報処理装置を用いて構成されてもよい。以下の説明では、1台の情報処理装置を用いて構成される場合の構成について説明する。医療システム30は、通信部31、操作部32、表示部33、情報取得部34、記憶部35及び制御部36を備える。
【0027】
通信部31は、通信機器である。通信部31は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部31は、制御部36の制御に応じて、ネットワーク90を介して他の装置とデータ通信する。通信部31は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0028】
操作部32は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。操作部32は、医療システム30の操作者(例えば医療従事者や患者)の指示を医療システム30に入力する際に操作される。操作部32は、入力装置を医療システム30に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、操作部32は、入力装置において入力に応じ生成された入力信号を医療システム30に入力する。操作部32は、マイク及び音声認識装置を用いて構成されてもよい。この場合、操作部32は発話された文言を音声認識し、認識結果の文字列情報を医療システム30に入力する。操作部32は、医療従事者等の指示を医療システム30に入力可能な構成であればどのように構成されてもよい。
【0029】
表示部33は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置である。表示部33は、画像データや文字データを表示する。表示部33は、画像表示装置を医療システム30に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、表示部33は、画像データや文字データを表示するための映像信号を生成し、自身に接続されている画像表示装置に映像信号を出力する。
【0030】
情報取得部34は、トークンの受け渡しを行うために必要となる情報を取得する。情報取得部34は、例えば、トークンの受け渡し先を示す情報(例えばウォレットアドレス)を取得するために使用されてもよい。この場合、例えばトークンの受け渡し先を示す情報が所定のフォーマットの符号化情報の画像(例えばバーコードや二次元コード)として表されている場合には、情報取得部34はその画像を撮像するためのカメラ(イメージセンサ-)を用いて構成されてもよい。例えばトークンの受け渡し先を示す情報が所定のフォーマットの無線信号として表されている場合には、情報取得部34はその無線信号を受信するための無線通信装置(例えばRFIDリーダー、Bluetooth(登録商標)機器)を用いて構成されてもよい。
【0031】
情報取得部34は、例えば、電子処方箋のデータそのものの送受信に使用されてもよい。この場合、情報取得部34は、電子処方箋のデータそのものを有線通信や無線通信によって送信先の装置(例えば患者のユーザー端末50)に対して送信する。
【0032】
記憶部35は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部35は、電子処方箋記憶部351、認証情報記憶部352及び鍵情報記憶部353として機能する。
【0033】
電子処方箋記憶部351は、医療システム30によって発行された電子処方箋のデータを記憶する。認証情報記憶部352は、医療システム30を操作する操作者を認証するために使用される認証情報を記憶する。認証情報記憶部352は、例えば医療システム30を操作する正当な権限を有する各医療従事者等の認証情報を記憶する。認証情報記憶部352は、例えば各医療従事者等のユーザーID及びパスワードを記憶してもよい。認証情報記憶部352は、二要素認証のための認証情報を記憶してもよい。鍵情報記憶部353は、トークンの発行や受け渡しに使用される暗号鍵の情報を記憶する。鍵情報記憶部353は、例えば暗号鍵情報を記憶してもよい。鍵情報記憶部353は、例えば暗号鍵情報と、その暗号鍵情報に対応する公開鍵情報を記憶してもよい。
【0034】
制御部36は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部36は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、認証制御部361、電子処方箋発行部362及びトークン受け渡し制御部363として機能する。なお、制御部36の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0035】
認証制御部361は、医療システム30を操作しようとする者について認証を行う。認証制御部361は、認証情報記憶部352に記憶されている認証情報に基づいて、医療システム30を操作しようとする者が正当な権限を有する者であるか否かについて認証する。認証制御部361によって認証された者のみが医療システム30を操作することができるように構成されてもよいし、認証制御部361によって認証された者のみが特定の操作(例えば電子処方箋を発行する操作)を行うことができるように構成されてもよい。
【0036】
電子処方箋発行部362は、電子処方箋を発行する処理を行う。電子処方箋発行部362は、例えば所定のフォーマットにしたがって電子処方箋のデータを生成する。電子処方箋発行部362は、生成された電子処方箋のデータを電子処方箋管理装置10に登録する。電子処方箋発行部362は、発行された電子処方箋に関するトークンの生成を履歴管理システム20に要求する。電子処方箋発行部362は、患者に対して処方される医薬品の種別毎に電子処方箋のデータを発行し、トークンの生成を要求してもよい。電子処方箋発行部362は、発行された電子処方箋のデータを、正当なユーザー(例えば電子処方箋によって医薬品が処方された患者)のユーザー端末50に対して無線通信又は有線通信で送信してもよい。その際には、電子処方箋発行部362は、例えば情報取得部34を介して電子処方箋のデータを送信してもよい。例えば、電子処方箋のデータの送信は、Bluetooth(登録商標)のような近距離通信を用いて行われてもよいし、WiFi(登録商標)やインターネット等のネットワークを介した通信によって行われてもよい。
【0037】
トークン受け渡し制御部363は、履歴管理システム20によって発行されたトークンを、正当なユーザー(例えば電子処方箋によって医薬品が処方された患者)のユーザー端末50に対して受け渡す処理を行う。トークン受け渡し制御部363は、例えばトークンをユーザー端末50に対して受け渡すことを示すデータ(履歴を示すデータ)を生成し、生成されたデータを履歴管理システム20に登録することによって、トークンの受け渡しを行ってもよい。トークン受け渡し制御部363は、例えば電子処方箋発行部362によって電子処方箋が発行されたこと(又は電子処方箋発行部362によって電子処方箋のデータがユーザー端末50に送信されたこと)に応じて、トークンをユーザー端末50に対して受け渡すことを示すデータ(履歴を示すデータ)を生成し、生成されたデータを履歴管理システム20に登録することによって、トークンの受け渡しを行ってもよい。トークン受け渡し制御部363の処理には、トークンの受け渡しの履歴(トークンの受け渡し元、トークンの受け渡し先、タイムスタンプ等の情報)を履歴管理システム20に登録可能であれば、どのような実装がなされてもよい。
【0038】
図4は、医薬品管理システム40の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。医薬品管理システム40は、電子処方箋に基づいて医薬品を患者に調剤する機関(例えば薬局)において患者や医薬品の情報を管理するために使用されるシステムである。医薬品管理システム40は、例えばFHIR等の規格に準拠して構成されてもよい。医薬品管理システム40は、例えば電子処方箋に関する処理を行う。医薬品管理システム40は、薬局において作業を行う者(以下「調剤従事者」という。)によって操作される。調剤従事者の具体例として、薬剤師、窓口担当者などがある。医薬品管理システム40は、特定の処理に関しては、患者等の一般の者(調剤従事者ではない者)によって操作されてもよい。このような処理の具体例として、自身に対して既に受け渡しがなされた医薬品に関する電子処方箋のトークンの受け渡し処理がある。
【0039】
医薬品管理システム40は、例えばパーソナルコンピューターやサーバー装置などの情報処理装置を用いて構成される。1台の情報処理装置を用いて構成されてもよいし、複数台の情報処理装置を用いて構成されてもよい。以下の説明では、1台の情報処理装置を用いて構成される場合の構成について説明する。医薬品管理システム40は、通信部41、操作部42、表示部43、情報取得部44、記憶部45及び制御部46を備える。
【0040】
通信部41は、通信機器である。通信部41は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部41は、制御部46の制御に応じて、ネットワーク90を介して他の装置とデータ通信する。通信部41は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0041】
操作部42は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。操作部42は、医薬品管理システム40の操作者(例えば調剤従事者や患者)の指示を医薬品管理システム40に入力する際に操作される。操作部42は、入力装置を医薬品管理システム40に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、操作部42は、入力装置において入力に応じ生成された入力信号を医薬品管理システム40に入力する。操作部42は、マイク及び音声認識装置を用いて構成されてもよい。この場合、操作部42は発話された文言を音声認識し、認識結果の文字列情報を医薬品管理システム40に入力する。操作部42は、医療従事者等の指示を医薬品管理システム40に入力可能な構成であればどのように構成されてもよい。
【0042】
表示部43は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の画像表示装置である。表示部43は、画像データや文字データを表示する。表示部43は、画像表示装置を医薬品管理システム40に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、表示部43は、画像データや文字データを表示するための映像信号を生成し、自身に接続されている画像表示装置に映像信号を出力する。
【0043】
情報取得部44は、トークンの受け渡しを行うために必要となる情報を取得する。情報取得部44は、例えば、トークンの受け渡し先を示す情報(例えばウォレットアドレス)を取得するために使用されてもよい。この場合、例えばトークンの受け渡し先を示す情報が所定のフォーマットの符号化情報の画像(例えばバーコードや二次元コード)として表されている場合には、情報取得部44はその画像を撮像するためのカメラ(イメージセンサ-)を用いて構成されてもよい。例えばトークンの受け渡し先を示す情報が所定のフォーマットの無線信号として表されている場合には、情報取得部44はその無線信号を受信するための無線通信装置(例えばRFIDリーダー、Bluetooth(登録商標)機器)を用いて構成されてもよい。
【0044】
情報取得部44は、例えば、電子処方箋のデータそのものの送受信に使用されてもよい。この場合、情報取得部44は、電子処方箋のデータそのものを有線通信や無線通信によって送信元の装置(例えば患者のユーザー端末50)から受信してもよいし、送信先の装置(例えば患者のユーザー端末50)に対して送信してもよい。
【0045】
記憶部45は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部45は、電子処方箋記憶部451、認証情報記憶部452及び鍵情報記憶部453として機能する。
【0046】
電子処方箋記憶部451は、医薬品管理システム40において取得された電子処方箋のデータを記憶する。認証情報記憶部452は、医薬品管理システム40を操作する操作者を認証するために使用される認証情報を記憶する。認証情報記憶部452は、例えば医薬品管理システム40を操作する正当な権限を有する各調剤従事者等の認証情報を記憶する。認証情報記憶部452は、例えば各調剤従事者等のユーザーID及びパスワードを記憶してもよい。認証情報記憶部452は、二要素認証のための認証情報を記憶してもよい。鍵情報記憶部453は、トークンの受け渡しに使用される暗号鍵の情報を記憶する。鍵情報記憶部453は、例えば暗号鍵情報を記憶してもよい。鍵情報記憶部453は、例えば暗号鍵情報と、その暗号鍵情報に対応する公開鍵情報を記憶してもよい。
【0047】
制御部46は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部46は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、認証制御部461、電子処方箋管理部462及びトークン受け渡し制御部463として機能する。なお、制御部46の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0048】
認証制御部461は、医薬品管理システム40を操作しようとする者について認証を行う。認証制御部461は、認証情報記憶部452に記憶されている認証情報に基づいて、医薬品管理システム40を操作しようとする者が正当な権限を有する者であるか否かについて認証する。認証制御部461によって認証された者のみが医薬品管理システム40を操作することができるように構成されてもよいし、認証制御部461によって認証された者のみが特定の操作(例えば電子処方箋を取得する操作)を行うことができるように構成されてもよい。
【0049】
電子処方箋管理部462は、電子処方箋を管理する処理を行う。電子処方箋管理部462は、例えば患者のユーザー端末50から取得されたトークンに記録されている情報に基づいて、ネットワーク90を介して電子処方箋のデータを電子処方箋管理装置10から取得してもよい。より具体的には、電子処方箋管理部462は、トークンに記録されている特定の識別情報(URI等)にアクセスすることによって電子処方箋のデータを取得してもよい。電子処方箋管理部462は、他の方法で電子処方箋のデータを取得してもよい。例えば、電子処方箋管理部462は、ユーザー端末50から無線通信又は有線通信で電子処方箋のデータを受信してもよい。その際には、電子処方箋管理部462は、情報取得部44を介して電子処方箋のデータを受信してもよい。例えば、電子処方箋のデータのやりとりは、Bluetooth(登録商標)のような近距離通信を用いて行われてもよいし、WiFi(登録商標)やインターネット等のネットワークを介した通信によって行われてもよい。電子処方箋管理部462は、取得された電子処方箋の内容を表示部43に表示させてもよい。電子処方箋管理部462は、取得された電子処方箋のデータを電子処方箋記憶部451に記録してもよい。
【0050】
トークン受け渡し制御部463は、電子処方箋管理部462によって取得された電子処方箋のトークンを、正当なユーザー(例えば電子処方箋によって医薬品が処方された患者)のユーザー端末50から受け取る処理や、正当なユーザー(例えば電子処方箋に応じた医薬品の調剤を受けた患者)のユーザー端末50に対して受け渡す処理を行う。トークン受け渡し制御部463は、例えばトークンをユーザー端末50から受け取ることを示すデータを生成し、生成されたデータを履歴管理システム20に登録することによって、トークンの受け取りを行ってもよい。トークン受け渡し制御部463は、例えば電子処方箋のデータをユーザー端末50から受信したことに応じて、トークンをユーザー端末50から受け取ったことを示すデータを生成し、生成されたデータを履歴管理システム20に登録することによって、トークンの受け取りを行ってもよい。トークン受け渡し制御部463は、例えばトークンの受け取るために必要となる情報(例えば受け取りのウォレットアドレス)を示す情報を表示部43に表示させる処理を行ってもよい。トークン受け渡し制御部463の処理には、トークンの受け渡しの履歴(トークンの受け渡し元、トークンの受け渡し先、タイムスタンプ等の情報)を履歴管理システム20に登録可能であれば、どのような実装がなされてもよい。また、トークンの受け渡しの処理については、トークン受け渡し制御部363と同様である。
【0051】
図5は、ユーザー端末50の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。ユーザー端末50は、例えばスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピューター、携帯ゲーム機、スマートウォッチ等のウェアラブルデバイス、専用機器などの情報機器を用いて構成される。ユーザー端末50は、通信部51、操作部52、表示部53、情報取得部54、記憶部55及び制御部56を備える。
【0052】
通信部51は、通信機器である。通信部51は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部51は、制御部56の制御に応じて、ネットワーク90を介して他の装置とデータ通信する。通信部51は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0053】
操作部52は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。操作部52は、ユーザー端末50の操作者(例えば患者)の指示をユーザー端末50に入力する際に操作される。操作部52は、入力装置をユーザー端末50に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、操作部52は、入力装置において入力に応じ生成された入力信号をユーザー端末50に入力する。操作部52は、マイク及び音声認識装置を用いて構成されてもよい。この場合、操作部52は発話された文言を音声認識し、認識結果の文字列情報をユーザー端末50に入力する。操作部52は、患者等の指示をユーザー端末50に入力可能な構成であればどのように構成されてもよい。
【0054】
表示部53は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の画像表示装置である。表示部53は、画像データや文字データを表示する。表示部53は、画像表示装置をユーザー端末50に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、表示部53は、画像データや文字データを表示するための映像信号を生成し、自身に接続されている画像表示装置に映像信号を出力する。
【0055】
情報取得部54は、トークンの受け渡しを行うために必要となる情報を取得する。情報取得部54は、例えば、トークンの受け渡し先を示す情報(例えばウォレットアドレス)を取得するために使用されてもよい。この場合、例えばトークンの受け渡し先を示す情報が所定のフォーマットの符号化情報の画像(例えばバーコードや二次元コード)として表されている場合には、情報取得部54はその画像を撮像するためのカメラ(イメージセンサ-)を用いて構成されてもよい。例えばトークンの受け渡し先を示す情報が所定のフォーマットの無線信号として表されている場合には、情報取得部54はその無線信号を受信するための無線通信装置(例えばRFIDリーダー、Bluetooth(登録商標)機器)を用いて構成されてもよい。
【0056】
情報取得部54は、例えば、電子処方箋のデータそのものの送受信に使用されてもよい。この場合、情報取得部54は、電子処方箋のデータそのものを有線通信や無線通信によって送信元の装置(例えば医療システム30)から受信してもよいし、送信先の装置(例えば医薬品管理システム40)に対して送信してもよい。
【0057】
記憶部55は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部55は、電子処方箋記憶部551、認証情報記憶部552及び鍵情報記憶部553として機能する。
【0058】
電子処方箋記憶部551は、電子処方箋のデータを記憶する。認証情報記憶部552は、ユーザー端末50を操作する操作者を認証するために使用される認証情報を記憶する。認証情報記憶部552は、例えばユーザー端末50を操作する正当な権限を有するユーザーの認証情報を記憶する。認証情報記憶部552は、例えばユーザーに予め発行されたユーザーID及びパスワードを記憶してもよい。認証情報記憶部552は、二要素認証のための認証情報を記憶してもよい。鍵情報記憶部553は、トークンの受け渡しに使用される暗号鍵の情報を記憶する。鍵情報記憶部553は、例えば暗号鍵情報を記憶してもよい。鍵情報記憶部553は、例えば暗号鍵情報と、その暗号鍵情報に対応する公開鍵情報を記憶してもよい。
【0059】
制御部56は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部56は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、認証制御部561、認証制御部561、電子処方箋管理部562及びトークン受け渡し制御部563として機能する。なお、制御部56の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0060】
認証制御部561は、ユーザー端末50を操作しようとする者について認証を行う。認証制御部561は、認証情報記憶部552に記憶されている認証情報に基づいて、ユーザー端末50を操作しようとする者が正当な権限を有する者であるか否かについて認証する。認証制御部561によって認証された者のみがユーザー端末50を操作することができるように構成されてもよい。
【0061】
電子処方箋管理部562は、電子処方箋を管理する処理を行う。電子処方箋管理部562は、例えば医療システム30から取得されたトークンに記録されている情報に基づいて、ネットワーク90を介して電子処方箋のデータを電子処方箋管理装置10から取得してもよい。より具体的には、電子処方箋管理部562は、トークンに記録されている特定の識別情報(URI等)にアクセスすることによって電子処方箋のデータを取得してもよい。電子処方箋管理部562は、他の方法で電子処方箋のデータを取得してもよい。例えば、電子処方箋管理部562は、他の装置(例えば医療システム30や医薬品管理システム40)から無線通信又は有線通信で電子処方箋のデータを受信してもよい。その際には、電子処方箋管理部562は、情報取得部54を介して電子処方箋のデータを受信してもよい。例えば、電子処方箋のデータのやりとりは、Bluetooth(登録商標)のような近距離通信を用いて行われてもよいし、WiFi(登録商標)やインターネット等のネットワークを介した通信によって行われてもよい。電子処方箋管理部562は、取得された電子処方箋の内容を表示部53に表示させてもよい。電子処方箋管理部562は、取得された電子処方箋のデータを電子処方箋記憶部551に記録してもよい。
【0062】
トークン受け渡し制御部563は、電子処方箋管理部562によって取得された電子処方箋のトークンを、正当な装置(例えば医療システム30や医薬品管理システム40)から受け取る処理や、正当な装置(例えば医薬品管理システム40)に対して受け渡す処理を行う。トークン受け渡し制御部563の処理は、例えば医療システム30のトークン受け渡し制御部363や、医薬品管理システム40のトークン受け渡し制御部463と同様に構成されてもよい。
【0063】
図6は、電子処方箋が発行される際の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。まず、医療システム30において認証処理が実行される(ステップS101)。この後の医療システム30の処理は、認証処理によって正当な権限を有する者であると認証された者によって行われた操作に応じた処理となる。医療システム30に対して処方箋に関する情報が入力されることによって、医療システム30は電子処方箋を生成する(ステップS102)。医療システム30は、電子処方箋管理装置10に対し、電子処方箋を登録することを示す要求データ(電子処方箋登録要求)を送信する(ステップS103)。
【0064】
電子処方箋管理装置10は、正当な医療システム30から電子処方箋登録要求を受信すると、要求された電子処方箋のデータを登録する。電子処方箋管理装置10は、登録された電子処方箋の識別情報(例えばURI)を発行し、登録の要求元である医療システム30に対して識別情報を送信する。
【0065】
医療システム30は、電子処方箋管理装置10から送信された識別情報を含むトークンの生成を履歴管理システム20に対して要求する(ステップS105)。この要求において、医療システム30は、例えばURI等を含むトークン生成要求を履歴管理システム20に送信してもよい。履歴管理システム20は、医療システム30から要求されたトークンを発行する(ステップS106)。そして、履歴管理システム20は、要求に応じて発行されたトークンを登録する(ステップS107)。
【0066】
図7は、電子処方箋のトークンが医療システム30からユーザー端末50へ受け渡される際の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。まず、医療システム30において認証処理が実行される(ステップS201)。この後の医療システム30の処理は、認証処理によって正当な権限を有する者であると認証された者によって行われた操作に応じた処理となる。医療システム30において、患者のユーザー端末50に対してトークンを受け渡すことを履歴管理システム20に対して指示するための操作が行われる(ステップS202)。操作に応じて、医療システム30は、トークンをユーザー端末50へ受け渡すことを履歴管理システム20に要求する(ステップS203)。履歴管理システム20は、この要求に応じて、トークンを医療システム30からユーザー端末50へ受け渡したことを示す情報(履歴を示すデータ:トークン移転履歴情報)を生成し、生成されたトークン移転履歴情報を記録する(ステップS204)。医療システム30は、電子処方箋のデータをユーザー端末50に送信する(ステップS205)。ユーザー端末50は、電子処方箋のデータを受信すると、受信された電子処方箋のデータを自装置に記録する(ステップS206)。
【0067】
図8は、電子処方箋のトークンがユーザー端末50から医薬品管理システム40へ受け渡される際の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。まず、ユーザー端末50において認証処理が実行される(ステップS301)。この後のユーザー端末50の処理は、認証処理によって正当な権限を有する者であると認証された者によって行われた操作に応じた処理となる。ユーザー端末50において、医薬品管理システム40に対してトークンを受け渡すことを履歴管理システム20に対して指示するための操作が行われる(ステップS302)。操作に応じて、ユーザー端末50は、トークンを医薬品管理システム40へ受け渡すことを履歴管理システム20に要求する(ステップS303)。履歴管理システム20は、この要求に応じて、トークンをユーザー端末50から医薬品管理システム40へ受け渡したことを示す情報(履歴を示すデータ:トークン移転履歴情報)を生成し、生成されたトークン移転履歴情報を記録する(ステップS304)。
【0068】
医薬品管理システム40は、ユーザー端末50から受け渡されたトークンに関する情報(例えば電子処方箋の識別情報)を履歴管理システム20に対して要求する(ステップS305)。履歴管理システム20は、要求されたトークンに関する情報を医薬品管理システム40へ送信する(ステップS306)。トークンに関する情報を受信した医薬品管理システム40は、受信された情報に基づいて電子処方箋のデータを取得する。例えば、医薬品管理システム40は、電子処方箋の識別情報(例えばURI)に基づいて、電子処方箋管理装置10に電子処方箋のデータを要求する情報を送信する(ステップS307)。電子処方箋管理装置10は、電子処方箋のデータを要求する情報を受信すると、要求された電子処方箋のデータを要求元の装置(医薬品管理システム40)に送信する(ステップS308)。電子処方箋のデータを受信した医薬品管理システム40は、受信された電子処方箋の内容を記録し表示する(ステップS309)。なお、ステップS305~S309において電子処方箋のデータを取得する処理は、電子処方箋のデータをユーザー端末50から無線通信や有線通信等によって医薬品管理システム40へ送信することで実現されてもよい。
【0069】
図9は、電子処方箋にしたがって医薬品がユーザーに対して調剤される際の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。まず、図8のステップS309で医薬品管理システム40において表示された電子処方箋の内容にしたがって、薬剤師によってユーザーに対し医薬品が調剤される。そして、調剤された医薬品がユーザーに対して引き渡される(ステップS400)。その後、医薬品管理システム40において認証処理が実行される(ステップS401)。この後の医薬品管理システム40の処理は、認証処理によって正当な権限を有する者であると認証された者によって行われた操作に応じた処理となる。なお、このような認証処理は、図8のS307の処理の前に行われてもよい。その場合、図9におけるステップS401の処理は省略されてもよい。
【0070】
医薬品管理システム40において、調剤された医薬品の受け取りをしたユーザーのユーザー端末50に対してトークンを受け渡すことを履歴管理システム20に対して指示するための操作が行われる(ステップS402)。操作に応じて、医薬品管理システム40は、トークンをユーザー端末50へ受け渡すことを履歴管理システム20に要求する(ステップS403)。履歴管理システム20は、この要求に応じて、トークンを医薬品管理システム40からユーザー端末50へ受け渡したことを示す情報(履歴を示すデータ:トークン移転履歴情報)を生成し、生成されたトークン移転履歴情報を記録する(ステップS404)。
【0071】
ユーザー端末50のユーザーは、医薬品の引き渡しを受けたことに応じて、ユーザー端末50を操作し、医薬品を受け取ったことを入力する。この入力に応じて、ユーザー端末50のトークン受け渡し制御部563は、自装置に受け渡されたトークンについて償却することを履歴管理システム20に対して指示する(ステップS405)。履歴管理システム20は、トークンを償却することを示す指示を受信すると、償却を指示されたトークンについて償却処理する(ステップS406)。履歴管理システム20は、例えばそのトークを償却したことを示す情報を記録することで償却処理を行ってもよい。
【0072】
このように構成された管理システム100によれば、医薬品の処方における利便性を向上させることができる。具体的には以下のとおりである。管理システム100では、医薬品の処方に関して、電子処方箋が発行される。電子処方箋のデータそのものは、電子処方箋管理装置10において記録される。電子処方箋のデータを電子処方箋管理装置10から取得するために必要となるデータ(例えばURI等の識別情報)は、トークンとして取り扱われる。トークンのデータは、電子処方箋のデータとは独立して履歴管理システム20において管理される。トークンの受け渡しに関する履歴の情報は履歴管理システム20において記録される。そのため、電子処方箋のデータの受け渡しの正当性を担保することが可能となる。例えば、医薬品の処方の対象となるユーザーが、正当なユーザー(即ち、医療機関において医薬品を処方されたユーザー)であることを確認することが可能である。
【0073】
また、トークンには電子処方箋のデータのハッシュ値が含まれてもよい。その場合、医薬品管理システム40において医薬品を調剤する際に、取得された電子処方箋のデータが改ざんされていないか確認することができる。そのため、電子処方箋を用いたシステムにおいて、より正確に医薬品を調剤することが可能となる。具体的には以下のような処理が行われる。電子処方箋管理部462は、電子処方箋データを取得し、予め定められた所定のハッシュアルゴリズムに基づいてハッシュ値を算出する。電子処方箋管理部462は、トークンに含まれているハッシュ値と、算出されたハッシュ値とを比較する。ハッシュ値が一致している場合には、電子処方箋管理部462は、取得された電子処方箋のデータが改ざんされていないと判定する。この場合、電子処方箋管理部462は、表示部43に改ざんがされていないという判定結果を出力してもよい。一方、ハッシュ値が一致していない場合には、電子処方箋管理部462は、取得された電子処方箋のデータが改ざんされたと判定する。この場合、電子処方箋管理部462は、表示部43にエラーを示す情報を出力してもよい。このような処理は、ユーザー端末50の電子処方箋管理部562によって実行されてもよいし、代理人端末60によって実行されてもよい。
【0074】
(変形例)
トークンの移転を示す履歴の情報の送信によって、実質的にトークンの送信が行われてもよい。例えば、送信元の装置の秘密鍵に応じたウォレットアドレスから送信先の公開鍵に応じたウォレットアドレスへトークンを移転させることを示す情報が、ブロックチェーンで構成される履歴管理システム20へ登録されることによって、このような処理が行われてもよい。この場合、送信先の装置において、送信先の装置の秘密鍵を用いて履歴管理システム20にアクセスすることによって、移転されたトークンの内容を示す情報が取得されてもよい。
図7のステップS205及びS206において、電子処方箋のデータをユーザー端末50が取得する処理は、例えば図8に示されるS305~S309の処理のように、トークン情報をユーザー端末50が取得し、その情報(例えば電子処方箋の識別情報)を用いて電子処方箋管理装置10にアクセスすることによって電子処方箋のデータを受信する形で実現されてもよい。
【0075】
[第2実施形態]
図10は、本発明の管理システム100の第2実施形態のシステム構成を示す概略ブロック図である。以下、第2実施形態における管理システム100に関して、第1実施形態における管理システム100とは異なる点について主に説明する。
【0076】
第2実施形態における管理システム100は、電子処方箋管理装置10、履歴管理システム20、医療システム30、医薬品管理システム40、ユーザー端末50に加えてさらに代理人端末60を備える。電子処方箋管理装置10、履歴管理システム20、医療システム30、医薬品管理システム40、ユーザー端末50及び代理人端末60は、ネットワーク90を介して通信する。
【0077】
代理人端末60は、代理人によって操作される情報機器である。代理人は、患者に対して処方された医薬品を患者の代理人として受け取り、その後に患者に対して医薬品を渡す者である。代理人端末60は、代理人によって操作されるという点を除けば、ユーザー端末50と同様に構成される。すなわち、代理人端末60に関する説明は、上述したユーザー端末50に関する説明において「ユーザー」を「代理人」に置き換えたものと同等である。
【0078】
図11は、電子処方箋のトークンがユーザー端末50から代理人端末60へ受け渡される際の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。まず、ユーザー端末50において認証処理が実行される(ステップS501)。この後のユーザー端末50の処理は、認証処理によって正当な権限を有する者であると認証された者によって行われた操作に応じた処理となる。ユーザー端末50において、代理人端末60に対してトークンを受け渡すことを履歴管理システム20に対して指示するための操作が行われる(ステップS502)。操作に応じて、ユーザー端末50は、トークンを代理人端末60へ受け渡すことを履歴管理システム20に要求する(ステップS503)。履歴管理システム20は、この要求に応じて、トークンをユーザー端末50から代理人端末60へ受け渡したことを示す情報(履歴を示すデータ:トークン移転履歴情報)を生成し、生成されたトークン移転履歴情報を記録する(ステップS504)。ユーザー端末50は、電子処方箋のデータを代理人端末60に送信する(ステップS505)。代理人端末60は、電子処方箋のデータを受信すると、受信された電子処方箋のデータを自装置に記録する(ステップS506)。
【0079】
図12は、電子処方箋のトークンが代理人端末60から医薬品管理システム40へ受け渡される際の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。まず、代理人端末60において認証処理が実行される(ステップS601)。この後の代理人端末60の処理は、認証処理によって正当な権限を有する者であると認証された者(正当な代理人)によって行われた操作に応じた処理となる。代理人端末60において、医薬品管理システム40に対してトークンを受け渡すことを履歴管理システム20に対して指示するための操作が行われる(ステップS602)。操作に応じて、代理人端末60は、トークンを医薬品管理システム40へ受け渡すことを履歴管理システム20に要求する(ステップS603)。履歴管理システム20は、この要求に応じて、トークンを代理人端末60から医薬品管理システム40へ受け渡したことを示す情報(履歴を示すデータ:トークン移転履歴情報)を生成し、生成されたトークン移転履歴情報を記録する(ステップS604)。以降の処理は、図8のステップS305~S309と同じであるため説明を省略する。
【0080】
図13は、電子処方箋にしたがって医薬品が代理人に対して調剤される際の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。まず、図12のステップS609で医薬品管理システム40において表示された電子処方箋の内容にしたがって、薬剤師によってユーザーに対し医薬品が調剤される。そして、調剤された医薬品がユーザーの代理人に対して引き渡される(ステップS700)。その後、医薬品管理システム40において認証処理が実行される(ステップS701)。この後の医薬品管理システム40の処理は、認証処理によって正当な権限を有する者であると認証された者によって行われた操作に応じた処理となる。なお、このような認証処理は、図12のS607の処理の前に行われてもよい。その場合、図13におけるステップS701の処理は省略されてもよい。
【0081】
医薬品管理システム40において、調剤された医薬品の受け取りをした代理人の代理人端末60に対してトークンを受け渡すことを履歴管理システム20に対して指示するための操作が行われる(ステップS702)。操作に応じて、医薬品管理システム40は、トークンを代理人端末60へ受け渡すことを履歴管理システム20に要求する(ステップS703)。履歴管理システム20は、この要求に応じて、トークンを医薬品管理システム40から代理人端末60へ受け渡したことを示す情報(履歴を示すデータ:トークン移転履歴情報)を生成し、生成されたトークン移転履歴情報を記録する(ステップS704)。
【0082】
図14は、代理人によって受け取られた医薬品がユーザーに対して渡される際の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。まず、医薬品が代理人からユーザーに対して引き渡される(ステップS800)。その後、代理人端末60において認証処理が実行される(ステップS801)。この後の代理人端末60の処理は、認証処理によって正当な権限を有する者であると認証された者によって行われた操作に応じた処理となる。
【0083】
代理人端末60において、医薬品の受け取りをしたユーザーのユーザー端末50に対してトークンを受け渡すことを履歴管理システム20に対して指示するための操作が行われる(ステップS802)。操作に応じて、代理人端末60は、トークンをユーザー端末50へ受け渡すことを履歴管理システム20に要求する(ステップS803)。履歴管理システム20は、この要求に応じて、トークンを代理人端末60からユーザー端末50へ受け渡したことを示す情報(履歴を示すデータ:トークン移転履歴情報)を生成し、生成されたトークン移転履歴情報を記録する(ステップS804)。
【0084】
ユーザー端末50のユーザーは、代理人から医薬品の引き渡しを受けたことに応じて、ユーザー端末50を操作し、医薬品を受け取ったことを入力する。この入力に応じて、ユーザー端末50のトークン受け渡し制御部563は、自装置に受け渡されたトークンについて償却することを履歴管理システム20に対して指示する(ステップS805)。履歴管理システム20は、トークンを償却することを示す指示を受信すると、償却を指示されたトークンについて償却処理する(ステップS806)。履歴管理システム20は、例えばそのトークを償却したことを示す情報を記録することで償却処理を行ってもよい。
【0085】
このように構成された第2実施形態における管理システム100によれば、医薬品の処方における利便性を向上させることができる。具体的には以下のとおりである。管理システム100では、医薬品の処方に関して、患者本人に代わって代理人が医薬品を受け取ることができる。その際に、トークンが代理人端末60に受け渡されていることを示す履歴の情報に応じてその代理人が正当な代理人であることを容易に判断することが可能となる。すなわち、電子処方箋のデータを取得するために必要となる識別情報(URI等の識別情報)を含むトークンが代理人端末60に受け渡されていることに応じて、正当な代理人であることが判断されてもよい。また、履歴管理システム20にアクセスしてそのトークンの受け渡しの履歴を確認することによって、より正確に正当な代理人であるか否かについて判断することが可能となる。
【0086】
(変形例)
トークンの移転を示す履歴の情報の送信によって、実質的にトークンの送信が行われてもよい。この構成については、第1実施形態と同様に構成されてもよい。
【0087】
図11のステップS505及びS506において、電子処方箋のデータを代理人端末60が取得する処理は、例えば図12に示されるS605~S609の処理のように、トークン情報を代理人端末60が取得し、その情報(例えば電子処方箋の識別情報)を用いて電子処方箋管理装置10にアクセスすることによって電子処方箋のデータを受信する形で実現されてもよい。
【0088】
図15は、管理システム100の変形例の構成を示す図である。変形例の管理システム100では、認証認可システム70が備えられる。このような認証認可システム70は、例えば第1実施形態の管理システム100に備えられてもよいし、第2実施形態の管理システム100に備えられてもよい。認証認可システム70は、1又は複数の情報処理装置を用いて構成される。認証認可システム70は、ユーザー端末50のユーザーや代理人端末60の代理人などによって使用される認証情報を予め記憶する。認証情報にはどのような情報が用いられてもよい。例えば、認証情報としてユーザーや代理人によって使用されているメールアドレス(ID)及びパスワードの組合せが用いられてもよい。認証認可システム70は、認証情報に対応付けて、各ユーザーに割り当てられたユーザー識別子を記憶してもよい。また、認証認可システム70は、ユーザーの属性に関する情報を記憶する。属性に関する情報の具体例として、氏名、性別、居住地域(国、都道府県、市町村、郵便番号など)がある。認証認可システム70には、既存に認証プロトコルが適用されてもよい。例えば、認証認可システム70には、OIDC(OpenID Connect)が適用されてもよいし、OAuthが適用されてもよいし、他の認証プロトコルが適用されてもよい。
【0089】
図16は、変形例における認証処理の一具体例を示す図である。第1実施形態及び第2実施形態において、例えば図8に示されるステップS301の認証処理や、図9に示されるステップS401の認証処理において、図16に示されるような認証処理が実行されてもよい。以下、図16に示される処理について説明する。まず、ユーザー端末50に対して医薬品管理システム40へのアクセスの指示が入力されると(ステップS901)、ユーザー端末50は、医薬品管理システム40へアクセスする(ステップS902)。医薬品管理システム40は、ユーザー端末50からアクセスを受けると、アクセス元のユーザー端末50を認証認可システム70にリダイレクトする。認証認可システム70は、ユーザー端末50に対し認証画面のデータを送信する(ステップS903)。
【0090】
ユーザー端末50は、認証認可システム70から受診された認証画面を表示する(ステップS904)。認証画面には、認証情報の入力をユーザーに求める文字や画像が含まれる。ユーザー端末50に対し、ユーザーは認証情報を入力する(ステップS905)。ユーザー端末50は、入力された認証情報を認証認可システム70に送信する(ステップS906)。認証認可システム70は、予め記憶されている認証情報を用いて、受信された認証情報について正当な情報であるか否か判定する。受信された認証情報が、予め記憶されている認証情報と一致した場合には、認証認可システム70は送信元のユーザー端末50を認証する(ステップS907)。認証認可システム70は、認証結果を示す認証応答のデータをリダイレクトで医薬品管理システム40へ返す(ステップS908)。このとき、認証認可システム70は、トークンエンドポイントにアクセスするコードを流通させる。
【0091】
その後、医薬品管理システム40と認証認可システム70のトークンエンドポイントとの間で、トークンリクエストとレスポンスとが送受信される。このとき、認証認可システム70においてユーザーの属性として記憶されている情報が流通する。その後、医薬品管理システム40は、ユーザー端末50に対して認証処理の結果を送信する(ステップS909)。
【0092】
このように構成された場合、認証制御部461は、上記のように認証認可システム70と連携してユーザー端末50のユーザーを認証する。図16では、医薬品管理システム40の認証処理を例に説明したが、他の装置における認証処理において認証認可システム70が用いられてもよい。例えば、医療システム30の認証処理において認証認可システム70が適用されてもよい。より具体的には、図6に示されるステップS101の処理において認証認可システム70が用いられてもよい。例えば、ユーザー端末50におけるユーザーの認証に認証認可システム70が適用されてもよい。
【0093】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0094】
100…管理システム, 10…電子処方箋管理装置, 11…通信部, 12…記憶部, 121…電子処方箋記憶部, 13…制御部, 131…情報管理部, 132…情報提供部, 20…履歴管理システム, 30…医療システム, 31…通信部, 32…操作部, 33…表示部, 34…情報取得部, 35…記憶部, 351…電子処方箋記憶部, 352…認証情報記憶部, 353…鍵情報記憶部, 36…制御部, 361…認証制御部, 362…電子処方箋発行部, 363…トークン受け渡し制御部, 40…医薬品管理システム, 41…通信部, 42…操作部, 43…表示部, 44…情報取得部, 45…記憶部, 451…電子処方箋記憶部, 452…認証情報記憶部, 453…鍵情報記憶部, 46…制御部, 461…認証制御部, 462…電子処方箋管理部, 463…トークン受け渡し制御部, 50…ユーザー端末, 51…通信部, 52…操作部, 53…表示部, 54…情報取得部, 55…記憶部, 551…電子処方箋記憶部, 552…認証情報記憶部, 553…鍵情報記憶部, 56…制御部, 561…認証制御部, 562…電子処方箋管理部, 463…トークン受け渡し制御部, 60…代理人端末
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