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<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-20
(45)【発行日】2025-03-03
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/20 20180101AFI20250221BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20250221BHJP
   F21S 43/40 20180101ALI20250221BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20250221BHJP
   F21V 11/02 20060101ALI20250221BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20250221BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20250221BHJP
   F21W 103/35 20180101ALN20250221BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20250221BHJP
【FI】
F21S43/20
F21S43/14
F21S43/40
F21V5/00 610
F21V5/00 320
F21V11/02 300
F21V5/04 650
F21W103:00
F21W103:35
F21Y115:10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021103897
(22)【出願日】2021-06-23
(65)【公開番号】P2023002996
(43)【公開日】2023-01-11
【審査請求日】2024-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】中元 琢也
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 康一
【審査官】吉田 昌弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-134326(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0208995(US,A1)
【文献】特開2014-067514(JP,A)
【文献】特開2016-071953(JP,A)
【文献】特開2019-119289(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/20
F21S 43/14
F21S 43/40
F21V 5/00
F21V 11/02
F21V 5/04
F21W 103/00
F21W 103/35
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に隙間を挟んで隣接した状態で配置される第1発光領域と第2発光領域との間の前記隙間を介して視認される第3発光領域を形成する車両用灯具であって、
前記隙間の後方に配置された隙間発光部と、
前記隙間と前記隙間発光部との間に配置された光制御部と、を備え、
前記隙間発光部は、正面視用発光部とその下方に配置された上方視用発光部とを含み、
前記上方視用発光部の下部及び前記光制御部の下部は、前記隙間より下方に延びており、
前記光制御部は、前記上方視用発光部からの光が前記隙間を通過するように前記上方視用発光部からの光を水平面に対して所定角度上方に制御する光学素子を含む車両用灯具。
【請求項2】
前記光学素子は、前記上方視用発光部からの光を水平面に対して第1角度上方に屈折させる複数のレンズカットであり、
前記複数のレンズカットは、上下方向に配置されており、
前記第1角度は、下方に配置されたレンズカットほど大きい請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記光学素子は、複数の傾斜シャッターを含む上方視用シャッター群であり、
前記複数の傾斜シャッターは、前記上方視用発光部からの光のうち水平面に対して所定角度上方に向かう光が通過するように上下方向に互いに間隔をあけて配置されており、
前記傾斜シャッターの水平面に対する第2角度は、下方に配置された傾斜シャッターほど大きい請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記光制御部は、複数の水平シャッターを含む正面視用シャッター群を含み、
前記複数の水平シャッターは、前記正面視用発光部からの光のうち水平方向に進行する光が通過するように上下方向に互いに間隔をあけて配置されており、
前記正面視用シャッター群は、前記上方視用シャッター群の上方に共用開口部を挟んで配置されており、
前記複数の水平シャッターの長さは、下方に配置された水平シャッターほど短い請求項3に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記光制御部により制御される光を拡散させる拡散レンズ部又は拡散面をさらに備え、
前記拡散レンズ部又は前記拡散面は、前記光制御部と前記隙間の間に配置されている請求項1から4のいずれか1項に記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記第1発光領域は、車両の後端部に配置され、
前記第2発光領域は、前記第1発光領域に対して可動する可動部に配置されている請求項1から5のいずれか1項に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関し、特に、視点位置にかかわらず、第1発光領域及び第2発光領域が一体的に(繋がって)発光しているように視認させることができる車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
図8(a)は特許文献1に記載の車両用灯具の横断面図、図8(b)は図8(a)のA1-A1断面図である。
【0003】
図8(a)に示すように、車両の後端部の左右両側に設けられるリアコンビネーションランプ100と車両のトランクリッド等の可動部に設けられるリッドランプ110とを水平方向に隙間120を挟んで隣接して配置した場合(トランクリッドを閉めた状態で)において、リアコンビネーションランプ100を点灯することで形成される第1発光領域a1とリッドランプ110を点灯することで形成される第2発光領域a2との間に暗部(隙間120に対応する暗部)が形成されることなく、第1発光領域a1及び第2発光領域a2が一体的に発光しているように視認させるため、隙間120の後方に発光部130を配置することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。発光部130は、導光部150に入光した光源140からの光が、導光部150の裏面に設けられたレンズカットで内面反射され、導光部150の表面から出光することで発光する。
【0004】
図9(a)は、図8(b)中の位置p1から視認した場合の第1発光領域a1、第2発光領域a2及び第3発光領域a3(発光部130)の位置関係の概略図である。図9(b)は、図8(b)中の位置p2から視認した場合の第1発光領域a1、第2発光領域a2及び第3発光領域a3(発光部130)の位置関係の概略図である。
【0005】
特許文献1においては、位置p1から視認した場合(図8(b)参照)、図9(a)に示すように、第3発光領域a3(発光部130)が隙間120からはみ出ない(ずれない)ため、第1発光領域a1及び第2発光領域a2が一体的(繋がって)に発光しているように視認される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2016-134326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、本発明者が検討したところ、特許文献1においては、発光部130が隙間120の後方にずれた位置に配置されているため(図8(a)、図8(b)参照)、位置p1より上方の位置p2から視認した場合(図8(b)参照)、図9(b)に示すように、第3発光領域a3(発光部130)が隙間120からはみ出て(ずれて)しまい、第1発光領域a1及び第2発光領域a2が一体的に(繋がって)発光しているように視認されないという課題がある。
【0008】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、視点位置にかかわらず、第1発光領域及び第2発光領域が一体的に(繋がって)発光しているように視認させることができる車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかる車両用灯具は、水平方向に隙間を挟んで隣接した状態で配置される第1発光領域と第2発光領域との間の前記隙間を介して視認される第3発光領域を形成する車両用灯具であって、前記隙間の後方に配置された隙間発光部と、前記隙間と前記隙間発光部との間に配置された光制御部と、を備え、前記隙間発光部は、正面視用発光部とその下方に配置された上方視用発光部とを含み、前記上方視用発光部の下部及び前記光制御部の下部は、前記隙間より下方に延びており、前記光制御部は、前記上方視用発光部からの光が前記隙間を通過するように前記上方視用発光部からの光を水平面に対して所定角度上方に制御する光学素子を含む。
【0010】
このような構成により、視点位置にかかわらず、第1発光領域及び第2発光領域が一体的に(繋がって)発光しているように視認させることができる。
【0011】
これは、上方視用発光部からの光が隙間を通過するように、光制御部(光学素子)が上方視用発光部からの光を水平面に対して所定角度上方に制御するため、目線を上下に振っても、第3発光領域が、隙間からはみ出ることなく、常に、第1発光領域と第2発光領域間の隙間内に形成されることによるものである。
【0012】
上記車両用灯具において、前記光学素子は、前記上方視用発光部からの光を水平面に対して第1角度上方に屈折させる複数のレンズカットであり、前記複数のレンズカットは、上下方向に配置されており、前記第1角度は、下方に配置されたレンズカットほど大きくてもよい。
【0013】
また、上記車両用灯具において、前記光学素子は、複数の傾斜シャッターを含む上方視用シャッター群であり、前記複数の傾斜シャッターは、前記上方視用発光部からの光のうち水平面に対して所定角度上方に向かう光が通過するように上下方向に互いに間隔をあけて配置されており、前記傾斜シャッターの水平面に対する第2角度は、下方に配置された傾斜シャッターほど大きくてもよい。
【0014】
また、上記車両用灯具において、前記光制御部は、複数の水平シャッターを含む正面視用シャッター群を含み、前記複数の水平シャッターは、前記正面視用発光部からの光のうち水平方向に進行する光が通過するように上下方向に互いに間隔をあけて配置されており、
前記正面視用シャッター群は、前記上方視用シャッター群の上方に共用開口部を挟んで配置されており、前記複数の水平シャッターの長さは、下方に配置された水平シャッターほど短くてもよい。
【0015】
また、上記車両用灯具において、前記光制御部により制御される光を拡散させる拡散レンズ部又は前記拡散面をさらに備え、前記拡散レンズ部又は拡散面は、前記光制御部と前記隙間の間に配置されていてもよい。
【0016】
また、上記車両用灯具において、前記第1発光領域は、車両の後端部に配置され、前記第2発光領域は、前記第1発光領域に対して可動する可動部に配置されていてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、視点位置にかかわらず、第1発光領域及び第2発光領域が一体的に(繋がって)発光しているように視認させることができる車両用灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】車両用灯具30が搭載された車両Vの後端部の正面図である。
図2図1のA-A断面図である。
図3図2中の矢印50方向から見た第1リフレクタ12及び第2リフレクタ13(第2反射面13a)の矢視図である(インナーレンズ14、アウターレンズ15等省略)。
図4】(a)隙間Sと視点位置P1、P2との関係を表す図、(b)正面位置、すなわち、視点位置P1から視認される第3発光領域A3の例、(c)上方位置、すなわち、水平面に対して所定角度θ2上方の視点位置P2から視認される第3発光領域A3の例である。
図5】(a)、(b)図2のB-B断面図である。
図6図1のA-A断面図である。
図7】(a)隙間Sと視点位置P1、P2との関係を表す図、(b)、(c)図6のC-C断面図、である。
図8】(a)特許文献1に記載の車両用灯具の横断面図、(b)図8(a)のA1-A1断面図である。
図9】(a)図8(b)中の位置p1から視認した場合の第1発光領域a1、第2発光領域a2及び第3発光領域a3(発光部130)の位置関係の概略図、(b)図8(b)中の位置p2から視認した場合の第1発光領域a1、第2発光領域a2及び第3発光領域a3(発光部130)の位置関係の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の第1実施形態である車両用灯具30について添付図面を参照しながら説明する。各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
【0020】
図1は車両用灯具30が搭載された車両Vの後端部の正面図である(図1中車両用灯具30省略)。図2は、図1のA-A断面図である。
【0021】
図1に示すように、自動車等の車両Vの後端部の左右両側には、それぞれ、リアコンビネーションランプ10及びリッドランプ20が配置されている。リッドランプ20は、車両Vの後端部に設けられたトランクリッド等の可動部40(図1参照)に配置されている。以下、説明の便宜のため、図1等に示すように、XYZ軸を定義する。X軸は、車両前後方向に延びている。Y軸は、車幅方向に延びている。Z軸は、鉛直方向に延びている。
【0022】
リアコンビネーションランプ10とリッドランプ20は、可動部40が閉じられた状態で、Y軸方向に隙間S(図1図2参照)を挟んで隣接した状態で配置されている。その際、リアコンビネーションランプ10とリッドランプ20は、それぞれの端部が互いに対向した状態で配置されている。リアコンビネーションランプ10及びリッドランプ20それぞれの互いに対向する端部のZ軸方向に関する高さH(図1参照)は同一である。なお、隙間SのY軸方向に関する幅W(図2参照)は、例えば、5mm程度である。
【0023】
図2に示すように、リアコンビネーションランプ10とリッドランプ20との間の隙間Sの後方には、車両用灯具30が配置されている。左右両側に搭載されるリアコンビネーションランプ10、リッドランプ20及び車両用灯具30は左右対称の構成であるため、以下、代表して、車両の後端部の右側(車両前方に向かって右側)に搭載されるリアコンビネーションランプ10、リッドランプ20及び車両用灯具30について説明する。
【0024】
リアコンビネーションランプ10及びリッドランプ20は、同時に点灯され、例えば、テールランプ、ストップランプとして機能する。リアコンビネーションランプ10及びリッドランプ20を構成する光学系は、目的のランプ機能(例えば、テールランプ、ストップランプ)を実現できればどのような構成であってもよい。例えば、リアコンビネーションランプ10及びリッドランプ20を構成する光学系は、LED等の光源と反射面とを組み合わせた光学系であってもよいし、LED等の光源と導光体(例えば、導光板や導光棒)とを組み合わせた光学系であってもよいし、その他の光学系であってもよい。
【0025】
リアコンビネーションランプ10の一例について説明する。なお、リッドランプ20については、公知のものを用いることができるため、説明を省略する。
【0026】
図2に示すように、リアコンビネーションランプ10は、光源11、第1リフレクタ12、第2リフレクタ13、インナーレンズ14、アウターレンズ15、ハウジング16を備えている。
【0027】
光源11は、ソケット型の光源で、例えば、赤色光を発光する少なくとも1つのLED等の半導体発光素子を含む。光源11は、ハウジング16に形成された貫通穴に挿入された状態でハウジング16に取り付けられている。光源11の光軸AX11は、X軸に対して車幅方向外側に角度θ1傾斜している。
【0028】
第1リフレクタ12は、光源11の前方に配置された第1反射面12aを含む。第1反射面12aは、光源11からの光を反射する。
【0029】
第2リフレクタ13は、第1反射面12aの前方から車両後方かつ車幅方向内側に向かって延びる第2反射面13aを含む。第2反射面13aは、第1反射面12aからの反射光を反射する。
【0030】
図3は、図2中の矢印50方向から見た第1リフレクタ12及び第2リフレクタ13(第2反射面13a)の矢視図である(インナーレンズ14、アウターレンズ15等省略)。
【0031】
図3に示すように、第2反射面13aは、主反射面13a1及び隙間反射面13a2を含む。
【0032】
主反射面13a1は、隙間Sと第1反射面12aとの間に配置されている(図2参照)。主反射面13a1に入射した第1反射面12aからの反射光Ray1(図3参照)は、インナーレンズ14及びアウターレンズ15を透過して車両後方に照射される(図2参照)。
【0033】
隙間反射面13a2は、隙間Sの後方に配置されている(図2参照)。隙間反射面13a2に入射した第1反射面12aからの反射光Ray2(図3参照)は、後述のように光制御部32により制御され、隙間Sを通過して車両後方に照射される(図2参照)。
【0034】
インナーレンズ14は、アクリルやポリカーボネイト等の透明樹脂製で、第2リフレクタ13(第2反射面13a)の前方に配置されている。
【0035】
アウターレンズ15は、アクリルやポリカーボネイト等の透明樹脂製で、インナーレンズ14の前方に配置されている。アウターレンズ15は、ハウジング16に取り付けられており、ハウジング16との間に灯室17を構成している。光源11(発光部)、第1リフレクタ12(第1反射面12a)、第2リフレクタ13(第2反射面13a)、インナーレンズ14は、灯室17内に配置されている。なお、図2中の符号18が示すのは、内部構造がアウターレンズ15を透して外部から視認されないように設けられたエクステンション(装飾部材)である。
【0036】
上記構成のリアコンビネーションランプ10においては、光源11を点灯すると、光源11が発光した光は、第1反射面12aにより反射され、第2反射面13aに入射する。
【0037】
第2反射面13aのうち主反射面13a1に入射した第1反射面12aからの反射光Ray1(図3参照)は、インナーレンズ14及びアウターレンズ15を透過して車両後方に照射される(図2参照)。
【0038】
一方、第2反射面13aのうち隙間反射面13a2に入射した第1反射面12aからの反射光Ray2(図3参照)は、後述のように光制御部32により制御され、隙間Sを通過する(図2参照)。
【0039】
図1中、符号A1が示すハッチング領域は、リアコンビネーションランプ10(光源11)を点灯することで形成される第1発光領域(例えば、リアコンビネーションランプ10を構成するアウターレンズ15)を表す。以下、第1発光領域A1と記載する。図1中、符号A2が示すハッチング領域は、リッドランプ20を点灯することで形成される第2発光領域(例えば、リッドランプ20を構成するアウターレンズ)を表す。以下、第2発光領域A2と記載する。
【0040】
次に、第1発光領域A1と第2発光領域A2との間の隙間Sを介して視認される第3発光領域A3について説明する。
【0041】
図4(a)は隙間Sと視点位置P1、P2との関係を表す図、図4(b)は、正面位置、すなわち、視点位置P1から視認される第3発光領域A3の例である。図4(c)は、上方位置、すなわち、水平面に対して所定角度θ2上方の視点位置P2から視認される第3発光領域A3の例である。角度θ2は、例えば、15~20°である。
【0042】
第3発光領域A3は、目線を上下方向に振っても(例えば、視点位置をP1からP2に移動しても)隙間S内に形成される。
【0043】
例えば、視点位置P1から視認した場合、図4(b)に示すように、第3発光領域A3は、隙間S内に形成される。視点位置P2から視認した場合も同様に、図4(c)に示すように、第3発光領域A3は、隙間S内に形成される。そして、目線を上下方向に振ると、例えば、視点位置をP1からP2に徐々に移動すると、第3発光領域A3は、目線(視点位置)の移動に追従して図4(b)の位置から図4(c)の位置に徐々に移動する。反対に、視点位置をP2からP1に徐々に移動すると、第3発光領域A3は、目線(視点位置)の移動に追従して図4(c)の位置から図4(b)の位置に徐々に移動する。
【0044】
次に、上記のように目線を上下に振っても(例えば、視点位置をP1からP2に移動しても)第3発光領域A3が隙間S内に形成される車両用灯具30の一例について説明する。以下、リアコンビネーションランプ10と一体化された車両用灯具30の一例について説明する。なお、車両用灯具30は、リアコンビネーションランプ10と別体であってもよい。この場合、リアコンビネーションランプ10として公知のものを用いることができる。
【0045】
図5(a)、図5(b)は、図2のB-B断面図である。
【0046】
図5(a)に示すように、車両用灯具30は、隙間発光部31と、光制御部32と、を備えている。
【0047】
隙間発光部31は、例えば、隙間Sの後方に配置された隙間反射面13a2である。隙間発光部31は、第1反射面12aからの反射光を反射することにより発光する。隙間発光部31は、正面視用発光部31aとその下方に配置された上方視用発光部31bとを含む。
【0048】
上方視用発光部31bの下部は、正面視で、隙間Sより下方に延びている。
【0049】
光制御部32は、例えば、隙間Sと隙間発光部31との間に配置された隙間用レンズ部である。光制御部32の下部は、正面視で、隙間Sより下方に延びている。以下、隙間用レンズ部32と記載する。隙間用レンズ部32は、アウターレンズ15の一部である(図2参照)。なお、隙間用レンズ部32は、アウターレンズ15とは別体であってもよい。
【0050】
図5(b)に示すように、隙間用レンズ部32は、上方視用発光部31bからの光RayAが隙間Sを通過するように上方視用発光部31bからの光RayAを水平面に対して所定角度θ3上方に制御する光学素子(複数)を含む。この光学素子は、上方視用発光部31bからの光RayAを水平面に対して角度θ3(本発明の第1角度の一例)上方に屈折させるレンズカットLC(複数)で、例えば、プリズム状のレンズカット(複数)である。レンズカットLC(複数)は、隙間用レンズ部32のうち上方視用発光部31bからの光RayAが入射する領域32bに、上下方向に配置(形成)されている。また、レンズカットLCは、隙間用レンズ部32のうち正面視用発光部31aからの光RayBが入射する領域32aにも上下方向に配置(形成)されている。
【0051】
なお、角度θ3は、全てのレンズカットLCについて同一ではなく、下側に配置されたレンズカットLCほど大きくなるように(徐々に大きくなるように)設定されている。具体的には、角度θ3は、目線を上下方向に振った場合(例えば、視点位置をP1からP2に移動した場合)であっても、第3発光領域A3が隙間S内に形成されるように(隙間Sからはみ出すことなく形成されるように)、下側に配置されたレンズカットLCほど大きくなるように(徐々に大きくなるように)設定されている。このような角度θ3は、例えば、所定のシミュレーションソフトウエアを用いて見出すことができる。
【0052】
上記構成の車両用灯具30においては、図5(a)に示すように、正面視用発光部31aからの光RayBは、隙間用レンズ部32を透過し、隙間Sを通過して車両後方に照射される。なお、上側に配置されたレンズカットLCについては、角度θ3が小さいため、正面視用発光部31aからの光RayBの一部は、当該角度θ3が小さいレンズカットLCを透過してX軸方向に進行し、隙間Sを通過する。
【0053】
一方、図5(b)に示すように、上方視用発光部31bからの光RayA(及び正面視用発光部31aからの光RayBの一部)は、レンズカットLC(複数)により、水平面に対して角度θ3上方に屈折され、隙間Sを通過する。
【0054】
その結果、正面位置、すなわち、視点位置P1から視認した場合、図4(b)に示すように、第3発光領域A3は、第1発光領域A1と第2発光領域A2との間の隙間S内に形成される。
【0055】
一方、上方位置、すなわち、視点位置P2から視認した場合、図4(c)に示すように、第3発光領域A3は、第1発光領域A1と第2発光領域A2との間の隙間S内に形成される。
【0056】
そして、角度θ3は、下側に配置されたレンズカットLCほど大きくなるように(徐々に大きくなるように)設定されているため、目線を上下方向に振ると、例えば、視点位置をP1からP2に徐々に移動すると、レンズカットLCにより屈折される光が角度θ3の小さい順に見えなくなり、第3発光領域A3が、目線(視点位置)の移動に追従して図4(b)の位置から図4(c)の位置に徐々に移動する。
【0057】
以上のように、目線を上下に振っても(例えば、視点位置をP1からP2に移動しても)第3発光領域A3は、隙間Sからはみ出ることなく、常に、リアコンビネーションランプ10(第1発光領域A1)とリッドランプ20(第2発光領域A2)間の隙間S内に形成される(図4(b)、図4(c)参照)。その結果、第1発光領域A1及び第2発光領域A2が一体的に(繋がって)発光しているように視認される。
【0058】
以上説明したように、第1実施形態によれば、視点位置にかかわらず、第1発光領域A1及び第2発光領域A2が一体的に(繋がって)発光しているように視認させることができる。
【0059】
これは、上方視用発光部31bからの光RayAが隙間Sを通過するように、隙間用レンズ部32(レンズカットLC)が上方視用発光部31bからの光RayAを水平面に対して角度θ3上方に制御するため、目線を上下に振っても、第3発光領域A3が、隙間Sからはみ出ることなく、常に、リアコンビネーションランプ10(第1発光領域A1)とリッドランプ20(第2発光領域A2)間の隙間S内に形成される(図4(b)、図4(c)参照)ことによるものである。
【0060】
すなわち、図5(b)等に示すように、上方視用発光部31bの下部及び隙間用レンズ部32の下部が、Z軸方向に関し、隙間Sの下端より下方に延びているため、当該隙間用レンズ部32にレンズカットLC(複数)を設けることにより、主に、上方視用発光部31bからの光RayAを水平面に対して角度θ3上方に制御し、隙間Sを狙って通すことができることによるものである。
【0061】
次に、本発明の第2実施形態である車両用灯具30Aについて添付図面を参照しながら説明する。各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
【0062】
以下、第1実施形態である車両用灯具30との相違点を中心に説明する。第1実施形態である車両用灯具30と同一の構成については同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0063】
図6は、図1のA-A断面図である。図6は、図2と比べ、光制御部として隙間用レンズ部32に代えてシャッター部33を用いている点、隙間用レンズ部32としてレンズカットLCの無い素通しのレンズ部を用いている点が相違する。それ以外、図2と同様である。
【0064】
次に、車両用灯具30Aについて説明する。
【0065】
図7(a)は隙間Sと視点位置P1、P2との関係を表す図、図7(b)、図7(c)は、図6のC-C断面図、である。
【0066】
図7(b)に示すように、車両用灯具30Aは、隙間発光部31と、光制御部33と、を備えている。
【0067】
隙間発光部31は、例えば、隙間Sの後方に配置された隙間反射面13a2である。隙間発光部31は、第1反射面12aからの反射光を反射することにより発光する。隙間発光部31は、正面視用発光部31aとその下方に配置された上方視用発光部31bとを含む。
【0068】
上方視用発光部31bの下部は、正面視で、隙間Sより下方に延びている。
【0069】
光制御部33は、例えば、隙間Sと隙間発光部31との間に配置されたシャッター部である。光制御部33の下部は、正面視で、隙間Sより下方に延びている。以下、シャッター部33と記載する。
【0070】
図7(c)に示すように、シャッター部33は、上方視用発光部31bからの光RayCが隙間Sを通過するように上方視用発光部31bからの光RayCを水平面に対して角度θ4上方に制御する光学素子(複数)を含む。この光学素子は、複数の傾斜シャッター34aを含む上方視用シャッター群34である。傾斜シャッター34a(複数)は、上方視用発光部31bの前方に、当該上方視用発光部31bからの光RayCが通過するように上下方向に互いに間隔をあけて配置されている。
【0071】
なお、傾斜シャッター34aの水平面に対する角度θ4(本発明の第2角度の一例)は、全ての傾斜シャッター34aについて同一ではなく、下側に配置された傾斜シャッター34aほど大きくなるように(徐々に大きくなるように)設定されている。具体的には、角度θ4は、目線を上下方向に振った場合(例えば、視点位置をP1からP2に移動した場合)であっても、第3発光領域A3が隙間S内に形成されるように(隙間Sからはみ出すことなく形成されるように)、下側に配置された傾斜シャッター34aほど大きくなるように(徐々に大きくなるように)設定されている。このような角度θ4は、例えば、所定のシミュレーションソフトウエアを用いて見出すことができる。
【0072】
また、シャッター部33は、複数の水平シャッター35aを含む正面視用シャッター群35を含む。
【0073】
図7(b)に示すように、水平シャッター35a(複数)は、正面視用発光部31aからの光RayDが通過するように上下方向に互いに間隔をあけて配置されている。
【0074】
正面視用シャッター群35は、上方視用シャッター群34の上方に、正面視用発光部31aからの光が通過する共用開口部36を挟んで配置されている。なお、図示しないが、正面視用シャッター群35及び上方視用シャッター群34は、例えば、同一フレームにより保持されている。
【0075】
なお、水平シャッター35aの長さ(X軸方向長さ)は、全ての水平シャッター35aについて同一ではなく、下側に配置された水平シャッター35aほど短くなるように(徐々に短くなるように)設定されている。具体的には、水平シャッター35aの長さ(X軸方向長さ)は、目線を上下方向に振ると、例えば、視点位置をP1からP2に徐々に移動すると、当該視点位置方向への光が上から順に遮光されて見えなくなるように設定されている。このような水平シャッター35aの長さ(X軸方向長さ)は、例えば、所定のシミュレーションソフトウエアを用いて見出すことができる。
【0076】
上記構成の車両用灯具30Aにおいては、図7(b)に示すように、正面視用発光部31aからの光RayDは、正面視用シャッター群35及び共用開口部36を通過し、隙間Sを通過する。
【0077】
一方、図7(c)に示すように、上方視用発光部31bからの光RayCは、上方視用シャッター群34を通過し、水平面に対して角度θ4上方に進行し、隙間Sを通過する。また、正面視用発光部31aからの光RayEは、共用開口部36を通過し、水平面に対して所定角度(例えば、角度θ4)上方に進行し、隙間Sを通過する。
【0078】
その結果、正面位置、すなわち、視点位置P1から視認した場合、図4(b)に示すように、第3発光領域A3は、第1発光領域A1と第2発光領域A2との間の隙間S内に形成される。
【0079】
一方、上方位置、すなわち、視点位置P2から視認した場合、図4(c)に示すように、第3発光領域A3は、第1発光領域A1と第2発光領域A2との間の隙間S内に形成される。
【0080】
そして、目線を上下方向に振ると、例えば、視点位置をP1からP2に徐々に移動すると、当該視点位置方向への光が上から順に水平シャッター35aにより遮光されて見えなくなる。その際、傾斜シャッター34aの水平面に対する角度θ4が、下側に配置された傾斜シャッター34aほど大きくなるように(徐々に大きくなるように)設定されているため、第3発光領域A3が、目線(視点位置)の移動に追従して図4(b)の位置から図4(c)の位置に徐々に移動する。
【0081】
以上のように、目線を上下に振っても(例えば、視点位置をP1からP2に移動しても)第3発光領域A3は、隙間Sからはみ出ることなく、常に、リアコンビネーションランプ10(第1発光領域A1)とリッドランプ20(第2発光領域A2)間の隙間S内に形成される(図4(b)、図4(c)参照)。その結果、第1発光領域A1及び第2発光領域A2が一体的に(繋がって)発光しているように視認される。
【0082】
以上説明したように、第2実施形態によれば、視点位置にかかわらず、第1発光領域A1及び第2発光領域A2が一体的に(繋がって)発光しているように視認させることができる。
【0083】
これは、上方視用発光部31bからの光RayCが隙間Sを通過するように、シャッター部33(上方視用シャッター群34)が上方視用発光部31bからの光RayCを水平面に対して角度θ4上方に制御するため、目線を上下に振っても、第3発光領域A3が、隙間Sからはみ出ることなく、常に、リアコンビネーションランプ10(第1発光領域A1)とリッドランプ20(第2発光領域A2)間の隙間S内に形成される(図4(b)、図4(c)参照)ことによるものである。
【0084】
すなわち、図7(c)等に示すように、上方視用発光部31bの下部及びシャッター部33の下部が、Z軸方向に関し、隙間Sの下端より下方に延びているため、主に、上方視用発光部31bからの光RayCを水平面に対して角度θ4上方に制御し、隙間Sを狙って通すことができることによるものである。
【0085】
次に、変形例について説明する。
【0086】
上記第1実施形態においては、隙間用レンズ部32と隙間Sとの間に、隙間用レンズ部32を透過した光を拡散させる拡散レンズ部(例えば、シボ加工が施された拡散面を含む拡散レンズ部)を配置してもよい。又は、隙間用レンズ部32のうち隙間Sが対向する面を拡散面(例えば、シボ加工が施された拡散面)としてもよい。
【0087】
このようにすれば、拡散レンズ部又は拡散面を透過した光が拡散されることにより光量が減少するため、第3発光領域A3の質感と、第1、第2発光領域A1、A2の質感を一致させることができる。
【0088】
同様に、上記第2実施形態においても、シャッター部33と隙間Sとの間に、シャッター部33を通過した光を拡散させる拡散レンズ部(例えば、シボ加工が施された拡散面を含む拡散レンズ部)を配置してもよい。例えば、レンズカットLCの無い素通しの隙間用レンズ部32(図7参照)を拡散レンズ部として用いてもよい。
【0089】
このようにすれば、拡散レンズ部を透過した光が拡散されることにより光量が減少するため、第3発光領域A3の質感と、第1、第2発光領域A1、A2の質感を一致させることができる。
【0090】
また、上記各実施形態では、第1発光領域A1がリアコンビネーションランプ10により形成され、第2発光領域A2がリッドランプ20により形成される例について説明したが、これに限らない。例えば、第1発光領域A1は、リアコンビネーションランプ10以外の他のランプにより形成されてもよく、第2発光領域A2も、リッドランプ20以外の他のランプにより形成されてもよい。
【0091】
上記実施形態で示した数値は全て例示であり、これと異なる適宜の数値を用いることができるのは無論である。
【0092】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。上記実施形態の記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0093】
10…リアコンビネーションランプ、11…光源、12…第1リフレクタ、12a…第1反射面、13…第2リフレクタ、13a…第2反射面、13a1…主反射面、13a2…隙間反射面、14…インナーレンズ、15…アウターレンズ、16…ハウジング、17…灯室、20…リッドランプ、30…車両用灯具、30A…車両用灯具、31…隙間発光部、31a…正面視用発光部、31b…上方視用発光部、32…光制御部(隙間用レンズ部)、33…光制御部(シャッター部)、34…上方視用シャッター群、34a…傾斜シャッター、35…正面視用シャッター群、35a…水平シャッター、36…共用開口部、40…可動部、A1…第1発光領域、A2…第2発光領域、A3…第3発光領域、LC…光学素子(レンズカット)、S…隙間、V…車両
図1
図2
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図7
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図9