(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-20
(45)【発行日】2025-03-03
(54)【発明の名称】表示装置の金属膜、表示装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20250221BHJP
【FI】
G09F9/00 351
G09F9/00 304Z
(21)【出願番号】P 2022505469
(86)(22)【出願日】2022-01-25
(86)【国際出願番号】 CN2022073756
(87)【国際公開番号】W WO2023130516
(87)【国際公開日】2023-07-13
【審査請求日】2022-03-28
(31)【優先権主張番号】202210020562.7
(32)【優先日】2022-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519182202
【氏名又は名称】深▲セン▼市▲華▼星光▲電▼半▲導▼体▲顕▼示技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002181
【氏名又は名称】弁理士法人IP-FOCUS
(72)【発明者】
【氏名】夏 蓉
【審査官】西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-096386(JP,A)
【文献】特開2007-258180(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0074071(US,A1)
【文献】特開2021-089299(JP,A)
【文献】特表2013-509675(JP,A)
【文献】米国特許第05774341(US,A)
【文献】特開2003-165126(JP,A)
【文献】特開2005-054555(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44B 13/00-18/00
B29C 39/00-43/58
E04F 13/00-13/30
G02F 1/133-1/1347
G09F 9/00-9/46
H01M 50/20-50/298
H01R 4/24-4/46
H04N 5/64-5/655
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置の金属膜であって、
ベース層と、
散熱性能を上げるために用いられる複数のフィラメントと、を含み、前記複数のフィラメントは、前記ベース層の一面に形成され、各前記フィラメントの末端がフック構造を含むことで、前記金属膜にベルクロ構造を有するフック面を形成する、
表示装置の金属膜。
【請求項2】
前記ベース層と複数の前記フィラメントとが一体形成される、
請求項1に記載の表示装置の金属膜。
【請求項3】
前記金属膜は、アルミニウム又は銅からなる、
請求項1に記載の表示装置の金属膜。
【請求項4】
各前記フィラメントは、断面径が0.05mmから1mmである、
請求項1に記載の表示装置の金属膜。
【請求項5】
表示パネルと、
金属膜であって、第1面及び前記第1面と背向する第2面を含むベース層と、前記ベース層の前記第1面に形成され、各前記フィラメントは、末端がフック構造を含むことで、前記金属膜にベルクロ構造を有するフック面を形成する複数のフィラメントと、を含む金属膜と、
前記表示パネルと前記金属膜との間に設けられる接着層と、を含み、
前記ベース層の前記第2面は、前記接着層を介して前記表示パネルと接着され、
前記表示パネルは、
前記接着層を介して前記ベース層の前記第2面に接着される基板と、
前記基板に設けられる表示機能層と、
前記表示機能層に設けられる偏光シートと、を含む、
表示装置。
【請求項6】
前記金属膜の前記ベース層と複数の前記フィラメントとが一体形成される、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記金属膜は、アルミニウム又は銅からなる、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項8】
各前記フィラメントは、断面径が0.05mmから1mmである、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項9】
第1面と、前記第1面と背向する第2面とを含む
金属膜のベース層及び表示パネルを提供することと、 前記ベース層の前記第1面に複数のフィラメントを形成し、各前記フィラメントは、末端がフック構造を含むことで、前記金属膜にベルクロ構造を有するフック面を形成することと、 前記表示パネルを前記ベース層の前記第2面に接着させることと、 前記ベース層と複数の前記フィラメントとからなる
前記金属膜を前記表示パネルが支持されるように設けることと、を含み、 前記表示パネルを提供することは、 基板を提供することと、 前記基板に表示機能層を設けることと、 前記表示機能層に偏光シートを設けることと、 前記基板と前記ベース層との間に接着層を設けるとともに、前記接着層を介して前記基板と前記ベース層の前記第2面とを接続することと、をさらに含む、
表示装置の製造方法。
【請求項10】
前記ベース層の前記第1面に複数の前記フィラメントを形成することは、
メカニカルスレッドローリングにより前記ベース層の前記第1面に複数の前記フィラメントを形成することをさらに含み、
前記メカニカルスレッドローリングは、前記ベース層が、表面処理機に載置され、前記表面処理機が、複数の突起を含むことと、前記表面処理機を前記ベース層に沿って移動させるように制御することにより、前記突起と前記ベース層とが接触されることと、前記突起が前記ベース層の前記第1面に差し込むように前記表面処理機を制御することと、前記ベース層を固定するとともに、前記表面処理機を前記ベース層の前記第1面に沿って移動させるように制御することにより、前記ベース層の前記第1面に前記複数のフィラメントを形成することと、を含む、
請求項9に記載の表示装置の製造方法。
【請求項11】
前記ベース層の前記第1面に複数の前記フィラメントを形成することは、
前記ベース層の前記第1面にパターン化層を形成することと、
前記ベース層の前記第1面に複数の鉛直状フィラメントが形成されるように前記パターン化層により覆われていない前記ベース層を部分的に除去することと、
複数の前記鉛直状フィラメントが折り曲げられるように前記ベース層の複数の前記鉛直状フィラメントに圧力を加えることにより、前記ベース層の前記第1面に複数の前記フィラメントを形成することと、をさらに含む、
請求項9に記載の表示装置の製造方法。
【請求項12】
前記金属膜の前記ベース層と複数の前記フィラメントとが一体形成される、
請求項9に記載の表示装置の製造方法。
【請求項13】
前記金属膜は、アルミニウム又は銅からなる、
請求項9に記載の表示装置の製造方法。
【請求項14】
各前記フィラメントは、断面径が0.05mmから1mmである、
請求項9に記載の表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示技術分野に関し、特に表示装置の金属膜、表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、先行技術に係る表示装置を示す概略図である。フレキシブル性表示装置10は、フレキシブル性表示パネル11、第1接着層12及びバックプレート13を含む。第1接着層12は、フレキシブル性表示パネル11とバックプレート13とが接着されるようにフレキシブル性表示パネル11とバックプレート13との間に設けられる。バックプレート13は、フレキシブル性表示パネル11を支持するためのものである。バックプレート13は、金属板14、第2接着層15及び保護層16を含む。先行技術では、金属板14は、通常ステンレス材からなり、その高弾性及び高強度の特性を生かしてフレキシブル性表示パネル11を支持する機能を発揮する。また、金属板14に複数の中空構造を形成することによりステンレスの弾性変形抵抗を低下させることができ、表示装置10の折り曲げ又は折り畳みを確保することができる。しかしながら、ステンレス金属板14からなるバックプレート13は、フレキシブル性表示装置10の散熱性能を低下させてしまう。
【0003】
本発明は、これに鑑みてなされたものであり、先行技術の問題を解決するための表示装置の金属膜、表示装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ステンレス金属板14からなるバックプレート13は、フレキシブル性表示装置10の散熱性能を低下させてしまう。そこで、本発明は、これに鑑みてなされたものであり、先行技術の問題を解決するための金属膜、表示装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明のある態様によれば、ベース層と、前記ベース層の一面に形成される複数のフィラメントと、を含む金属膜が提供される。
【0006】
また、本発明のある態様では、前記ベース層と複数の前記フィラメントとが一体形成される。
【0007】
また、本発明のある態様では、各前記フィラメントは、末端がフック構造を含む。
【0008】
また、本発明のある態様では、前記金属膜は、アルミニウム又は銅からなる。
【0009】
また、本発明のある態様では、各前記フィラメントは、断面径が0.05mmから1mmである。
【0010】
本発明の他の態様によれば、表示パネルと、第1面及び前記第1面と背向する第2面を含むベース層と、前記ベース層の前記第1面に形成される複数の前記フィラメントと、を含む金属膜と、前記表示パネルと前記金属膜との間に設けられる接着層と、を含み、前記ベース層の前記第2面は、前記接着層を介して前記表示パネルと接着される表示装置が提供される。
【0011】
また、本発明の他の態様では、前記金属膜の前記ベース層と複数の前記フィラメントとが一体形成される。
【0012】
また、本発明の他の態様では、各前記フィラメントは、末端がフック構造を含む。
【0013】
また、本発明の他の態様では、前記表示パネルは、前記接着層を介して前記ベース層の前記第2面に接着される基板と、前記基板に設けられる表示機能層と、前記表示機能層に設けられる偏光シートと、を含む。
【0014】
また、本発明の他の態様では、前記金属膜は、アルミニウム又は銅からなる。
【0015】
また、本発明の他の態様では、各前記フィラメントは、断面径が0.05mmから1mmである。
【0016】
また、本発明のその他の態様によれば、第1面と、前記第1面と背向する第2面とを含むベース層及び表示パネルを提供することと、前記ベース層の前記第1面に複数のフィラメントを形成することと、前記表示パネルを前記ベース層の前記第2面に接着させることと、前記ベース層と複数の前記フィラメントとからなる金属膜を前記表示パネルが支持されるように設けることと、を含む表示装置の製造方法が提供される。
【0017】
また、本発明のその他の態様では、前記ベース層の前記第1面に複数の前記フィラメントを形成することは、メカニカルスレッドローリングにより前記ベース層の前記第1面に複数の前記フィラメントを形成することを含む。
【0018】
また、本発明のその他の態様では、前記ベース層の前記第1面に複数の前記フィラメントを形成することは、前記ベース層の前記第1面にパターン化層を形成することと、前記ベース層の前記第1面に複数の鉛直状フィラメントが形成されるように前記パターン化層により覆われていない前記ベース層を部分的に除去することと、複数の前記鉛直状フィラメントが折り曲げられるように前記ベース層の複数の前記鉛直状フィラメントに圧力を加えることにより、前記ベース層の前記第1面に複数の前記フィラメントを形成することと、を含む。
【0019】
また、本発明のその他の態様では、各前記フィラメントは、末端がフック構造を含む。
【0020】
また、本発明のその他の態様では、前記金属膜の前記ベース層と複数の前記フィラメントとが一体形成される。
【0021】
また、本発明のその他の態様では、前記表示パネルを提供することは、基板を提供することと、前記基板に表示機能層を設けることと、前記表示機能層に偏光シートを設けることと、前記基板と前記ベース層との間に接着層を設けるとともに、前記接着層を介して前記基板と前記ベース層の前記第2面とを接続することと、を含む。
【0022】
また、本発明のその他の態様では、前記金属膜は、アルミニウム又は銅からなる。
【0023】
また、本発明のその他の態様では、各前記フィラメントは、断面径が0.05mmから1mmである。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、複数のフィラメントを有する金属膜を提供することで、表示装置の散熱性能を向上させることができる。また、金属膜のフィラメントの末端は、フック構造を含むことで、金属膜にベルクロ(登録商標)構造を有するフック面を形成することができる。そして、ベルクロの原理によって表示装置を対応する表面マイクロソフト構造を有する物体に付着させることができるため、適用汎用性を向上させることができる。また、先行技術に比べ、本発明は、製造難易度が高くかつ材料利用率が低い複数の中空構造を有するステンレス板の使用を回避することができるため、生産難易度及び生産コストを大幅に低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る実施形態について説明することにより、本発明及びその効果を明らかにすることができる。
【
図1】先行技術に係る表示装置を示す概略図である。
【
図2】本発明の実施例に係る表示装置の部品の分解図である。
【
図5A】表示装置の概略図であり、本発明の第1実施例に係る表示装置の製造方法を示すものである。
【
図5B】表示装置の概略図であり、本発明の第1実施例に係る表示装置の製造方法を示すものである。
【
図5C】表示装置の概略図であり、本発明の第1実施例に係る表示装置の製造方法を示すものである。
【
図5D】表示装置の概略図であり、本発明の第1実施例に係る表示装置の製造方法を示すものである。
【
図5E】表示装置の概略図であり、本発明の第1実施例に係る表示装置の製造方法を示すものである。
【
図6A】表示装置の概略図であり、本発明の第2実施例に係る表示装置の製造方法を示すものである。
【
図6B】表示装置の概略図であり、本発明の第2実施例に係る表示装置の製造方法を示すものである。
【
図6C】表示装置の概略図であり、本発明の第2実施例に係る表示装置の製造方法を示すものである。
【
図6D】表示装置の概略図であり、本発明の第2実施例に係る表示装置の製造方法を示すものである。
【
図6E】表示装置の概略図であり、本発明の第2実施例に係る表示装置の製造方法を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施例に係る図面を参照しながら、本発明の実施例に係る発明を明確かつ十分に説明する。明らかに、説明される実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、本発明の全ての実施例ではない。本発明の実施例によれば、当業者が他の実施例を容易に想到し得る。想到される実施例は、本発明の保護範囲に属する。
【0027】
図2は、本発明の実施例に係る表示装置の部品の分解図である。
図3は、
図2の表示装置の断面図である。
図2及び
図3に示すように、表示装置100は、表示パネル110、接着層120、金属膜130、フレキシブル性回路板140及び駆動回路板150を含む。接着層120は、表示パネル110と金属膜130とが接続されるように表示パネル110と金属膜130との間に設けられる。金属膜130は、表示パネル110が支持されるように設けられる。表示パネル110は、基板111、表示機能層112及び偏光シート113を含む。フレキシブル性回路板140及び駆動回路板150は、表示機能層112と電気的に接続されるように表示機能層112の一方側に設けられる。表示機能層112は、基板111に設けられ、偏光シート113は、表示機能層112に設けられる。
【0028】
本発明の表示装置100は、フレキシブル性表示装置又は非フレキシブル性表示装置であってもよい。表示装置100は、液晶表示装置又は有機発光ダイオード(OLED)表示装置を含むが、これらに限定されるものではない。表示装置100がフレキシブル性である場合に、表示装置100は、折り曲げ可能又は折り畳み可能の特性を有する。そして、表示パネル110及び金属膜130は、それぞれフレキシブル性表示パネル及びフレキシブル性金属膜である。また、表示装置100がOLED表示装置である場合に、表示パネル110の表示機能層112は、OLED素子を含む。
【0029】
図3に示すように、金属膜130は、ベース層131及び複数のフィラメント132を含む。ベース層131は、第1面1311及び第1面1311と背向する第2面1312を含む。複数のフィラメント132は、ベース層131の第1面1311に形成される。金属膜130のベース層131の第2面1312は、接着層120を介して表示パネル110の基板111と接着される。
【0030】
本実施例では、金属膜130は、例えば、アルミニウム又は銅の散熱性機能の材質からなる。そして、エッチング又はメカニカルスレッドローリングにより金属膜130のベース層131の第1面1311に複数のフィラメント132を形成する。そして、フィラメント132の寸法を制御することにより、単位面積当たりのフィラメント132の数量を制御することができる。フィラメント132の数量を増やすことにより金属膜130の散熱面積を効率よく増大することができ、表示装置100に良好な散熱性能を与えることができる。本実施例では、各フィラメント132の断面の直径は、0.05mmから1mmである。複数のフィラメント132がベース層131から離間することを回避する観点から金属膜130のベース層131と複数のフィラメント132とは一体形成されることが好ましい。
【0031】
図4は、
図3の表示装置のA部分の拡大図である。
図4に示すように、フィラメント132の末端は、フック構造1321を含むことで、ベース層131の第1面1311にベルクロ構造のフック面を形成することができる。ベルクロの原理によって表示装置100を対応する表面マイクロソフト構造を有する物体に付着させることができるため、適用汎用性を向上させることができる。同じ原理によって表示装置100を簡単に物体から離間させることができる。また、本発明の表示装置100がフレキシブル性である場合に、金属膜130によって本発明の表示装置100を対応する表面マイクロソフト構造を有する曲面に付着させることができる。また、ベルクロの原理によってフィラメント132は、フック面と対応する毛面構造であってもよく、同様に表面マイクロソフト構造を有する物体に付着させることができる。本発明では、これらを限定するものではない。先行技術に比べ、本発明は、製造難易度が高くかつ材料利用率が低い複数の中空構造を有するステンレス板の使用を回避することができるため、生産難易度及び生産コストを大幅に低下させることができる。
【0032】
図5Aから
図5Eは、表示装置の概略図であり、本発明の第1実施例に係る表示装置の製造方法を示すものである。
【0033】
まず、
図5Aに示すように、表示パネル210及びベース層231を提供する。表示パネル210は、基板211、表示機能層212及び偏光シート213を含む。基板211は、ベース層231と接着されるように設けられる。表示機能層212は、基板211に設けられ、偏光シート213は、表示機能層212に設けられる。本発明の表示装置は、フレキシブル性表示装置又は非フレキシブル性表示装置であってもよい。表示装置がフレキシブル性である場合に、表示装置100は、折り曲げ可能又は折り畳み可能の特性を有する。また、表示装置がOLED表示装置である場合に、表示パネル110の表示機能層112は、OLED素子を含む。
【0034】
次に、メカニカルスレッドローリングによりベース層231の第1面2311に複数のフィラメント232を形成する。
図5Bに示すように、ベース層231は、第1面2311及び第1面2311と背向する第2面2312を含む。ベース層231は、表面処理機20に載置される。表面処理機20は、複数の突起21を含む。
図5Cに示すように、表面処理機20をベース層231に沿って移動させるように制御することにより、突起21とベース層231とが接触する。次に、突起21がベース層231の第1面2311に差し込むように表面処理機20を制御する。本実施例では、突起21がベース層231に差し込む深さは、0.1mmから1mmである。
図5Dに示すように、ベース層231を固定するとともに、表面処理機20をベース層231の第1面2311に沿って移動させるように制御することにより、ベース層231の第1面2311に複数のフィラメント232を形成することができる。表面処理機20の移動に伴い、フィラメント232の長さが漸次増加することで、フィラメント232の末端を突起21の表面に沿って突起21の底座と互いに接触するまでに延在させることができる。そして、突起21の底座の規制によりフィラメント232の末端をフック構造となるように折り曲げることができる。
【0035】
最後、
図5Eに示すように、表示パネル210をベース層231の第2面2312に接着させることにより、表示装置200を形成することができる。具体的には、表示パネル210は、接着層220を介してベース層231と接着される。ベース層231と複数のフィラメント232とから金属膜230が構成される。金属膜230は、表示パネル210が支持されるように設けられる。
【0036】
本実施例では、金属膜230は、例えば、アルミニウム又は銅の散熱性機能の材質からなる。そして、フィラメント232の寸法を制御することにより、単位面積当たりのフィラメント232の数量を制御することができる。フィラメント232の数量を増やすことにより金属膜230の散熱面積を効率よく増大することができ、表示装置200に良好な散熱性能を与えることができる。本実施例では、各フィラメント232の断面の直径は、0.05mmから1mmである。また、金属膜230のベース層231と複数のフィラメント232とは一体形成されるため、複数のフィラメント232がベース層231から離間することを回避することができる。一方、フィラメント232の末端は、フック構造を含むことで、ベース層231の第1面2311にベルクロ構造のフック面を形成することができる。ベルクロの原理によって表示装置200を対応する表面マイクロソフト構造を有する物体に付着させることができるため、適用汎用性を向上させることができる。同じ原理によって表示装置200を簡単に物体から離間させることができる。また、本発明の表示装置200がフレキシブル性である場合に、金属膜230によって本発明の表示装置200を対応する表面マイクロソフト構造を有する曲面に付着させることができる。適用領域において、本発明の表示装置200は、極めて広い汎用性を有する。
【0037】
図6Aから
図6Eは、表示装置の概略図であり、本発明の第2実施例に係る表示装置の製造方法を示すものである。
【0038】
まず、
図6Aに示すように、表示パネル310及びベース層331を提供する。ベース層331は、第1面3311及び第1面3311と背向する第2面3312を含む。表示パネル310は、基板311、表示機能層312及び偏光シート313を含む。基板311は、ベース層331の第2面3312と接着されるように設けられる。表示機能層312は、基板311に設けられ、偏光シート313は、表示機能層312に設けられる。本発明の表示装置は、フレキシブル性表示装置又は非フレキシブル性表示装置であってもよい。表示装置がフレキシブル性である場合に、表示装置は、折り曲げ可能又は折り畳み可能の特性を有する。また、表示装置がOLED表示装置である場合に、表示パネル310の表示機能層312は、OLED素子を含む。
【0039】
次に、ベース層331の第1面3311に複数のフィラメント332を形成する。
図6Bに示すように、フォトマスク及びこれと対応するエッチング方法によりベース層331の第1面3311にパターン化層4を形成する。
図6Cに示すように、ベース層331を化学エッチング機に載置し、パターン化層4により覆われていないベース層331を化学液によって部分的に除去することで、ベース層331の第1面3311に複数の鉛直状フィラメント332’を形成することができる。
図6Dに示すように、パターン化層4を除去するとともに、エッチング済みのベース層331をプレス機30に載置する。鉛直状フィラメント332’が折り曲げられるようにベース層331の複数の鉛直状フィラメント332’に圧力を加えることにより、ベース層331の第1面3311に複数のフィラメント332を形成することができる。
【0040】
最後、
図6Eに示すように、表示パネル310をベース層331の第2面3312に接着させることにより、表示装置300を形成することができる。具体的には、表示パネル310は、接着層320を介してベース層331と接着される。ベース層331と複数のフィラメント332とから金属膜330が構成される。金属膜330は、表示パネル310が支持されるように設けられる。
【0041】
本実施例では、金属膜330は、例えば、アルミニウム又は銅の散熱性機能の材質からなる。そして、フィラメント332の寸法を制御することにより、単位面積当たりのフィラメント332の数量を制御することができる。フィラメント332の数量を増やすことにより金属膜330の散熱面積を効率よく増大することができ、表示装置300に良好な散熱性能を与えることができる。本実施例では、各フィラメント332の断面の直径は、0.05mmから1mmである。また、金属膜330のベース層331と複数のフィラメント332とは一体形成されるため、複数のフィラメント332がベース層331から離間することを回避することができる。一方、フィラメント332の末端は、フック構造を含むことで、ベース層331の第1面3311にベルクロ構造のフック面を形成することができる。ベルクロの原理によって表示装置300を対応する表面マイクロソフト構造を有する物体に付着させることができるため、適用汎用性を向上させることができる。同じ原理によって表示装置300を簡単に物体から離間させることができる。また、本発明の表示装置300がフレキシブル性である場合に、金属膜330によって本発明の表示装置300を対応する表面マイクロソフト構造を有する曲面に付着させることができる。適用領域において、本発明の表示装置300は、極めて広い汎用性を有する。
【0042】
以上のことから、本発明によれば、複数のフィラメントを有する金属膜を提供することで、表示装置の散熱性能を向上させることができる。また、金属膜のフィラメントの末端は、フック構造を含むことで、金属膜にベルクロ構造を有するフック面を形成することができる。そして、ベルクロの原理によって表示装置を対応する表面マイクロソフト構造を有する物体に付着させることができるため、適用汎用性を向上させることができる。また、先行技術に比べ、本発明は、製造難易度が高くかつ材料利用率が低い複数の中空構造を有するステンレス板の使用を回避することができるため、生産難易度及び生産コストを大幅に低下させることができる。
【0043】
以上、本実施例に係る金属膜、表示装置及びその製造方法については説明した。具体的な実施例を用いて本発明の原理及び実施形態を説明した。上記実施例の説明は、本発明の内容を理解しやすくするためのものである。上記実施例に記載の内容を修正したり、又はその一部の構成を同等に置き換えたりすることができると当業者に理解されたい。これらの修正又は置き換えは、本発明の内容から逸脱するべきものではない。