(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-20
(45)【発行日】2025-03-03
(54)【発明の名称】機械式及び化学式ポンプを含む陰圧治療
(51)【国際特許分類】
A61M 27/00 20060101AFI20250221BHJP
A61F 13/02 20240101ALI20250221BHJP
【FI】
A61M27/00
A61F13/02 340
(21)【出願番号】P 2022520441
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(86)【国際出願番号】 US2020053418
(87)【国際公開番号】W WO2021067366
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2023-09-01
(32)【優先日】2019-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519352676
【氏名又は名称】アートラ・メディカル、エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】AATRU MEDICAL,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110003856
【氏名又は名称】弁理士法人テックロー国際知財事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100180079
【氏名又は名称】亀卦川 巧
(74)【代理人】
【識別番号】230101177
【氏名又は名称】木下 洋平
(72)【発明者】
【氏名】ブアン、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ミッドオー、リチャード、エル.
(72)【発明者】
【氏名】ヴォイチェホフスキ、ティモシィ
(72)【発明者】
【氏名】ラッシュ、トーマス、イー.
(72)【発明者】
【氏名】サンダース、リード、オリヴァー
(72)【発明者】
【氏名】テッドハム、トーマス、アーサー
【審査官】田中 玲子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-183612(JP,A)
【文献】特表2018-535805(JP,A)
【文献】特表2011-504126(JP,A)
【文献】特表2021-536273(JP,A)
【文献】米国特許第10046095(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0070835(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0234726(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0331823(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 27/00
A61F 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の手当て部位を覆うためのドレープであって、減圧されて皮膚に対して密閉されると、前記ドレープの下が陰圧に維持されるドレープと、
シール要素であって、前記皮膚に貼られると前記ドレープと協働して、前記ドレープに覆われ前記シール要素に囲まれた、囲まれた空間を画定するシール要素と、
前記ドレープが前記手当て部位を覆っている場合に前記囲まれた空間と流体連通するように前記ドレープ及び前記シール要素に対して配置され、空気中の選択されたガスと反応し、前記囲まれた空間の前記選択されたガスを消費するように構成されているリアクタと、
少なくとも1つの可動要素を含んで配置されたバルブであって、ガスが前記バルブを通って前記囲まれた空間から吸い込まれる第1作動状態を有するバルブと、
機械式ポンプアセンブリであって、前記バルブが前記第1作動状態にあるとき、前記囲まれた空間と前記バルブを介して流体的に接続可能なポンプチェインバを含む機械式ポンプアセンブリを含み、前記バルブが前記第1作動状態にあるとき、前記囲まれた空間と流体的に接続され、前記囲まれた空間から前記機械式ポンプアセンブリの前記ポンプチェインバに空気を吸い込むように構成されている、機械式ポンプアセンブリとを具
え、
前記リアクタが、化学式ポンプアセンブリの化学式ポンプハウジングの中に設けられ、前記化学式ポンプアセンブリが、
前記化学式ポンプハウジングに設けられたスリットと、
前記化学式ポンプハウジングの内側チェインバから前記スリットを通って周囲に延びる第1プルタブと、
前記第1プルタブに接続された取外し可能層を具え、前記取外し可能層が、前記取外し可能層が取除かれるまで前記リアクタを空気から保護し、
前記化学式ポンプアセンブリが薄膜と接続された第2プルタブを具え、
前記薄膜が、前記第2プルタブが取除かれた後に、前記スリットを覆って密封する部分を有する、
陰圧アセンブリ。
【請求項2】
前記バルブが、前記ドレープに設けられている、請求項1の陰圧アセンブリ。
【請求項3】
前記リアクタが、前記ドレープからずらされて、
前記化学式ポンプハウジングに設けられ、前記バルブが、前記化学式ポンプハウジングに設けられている、請求項1の陰圧アセンブリ。
【請求項4】
前記機械式ポンプアセンブリが、前記機械式ポンプアセンブリが前記バルブの前記少なくとも1つの可動要素に接しないように前記囲まれた空間と流体連通しているときに、前記囲まれた空間から前記ポンプチェインバに空気を吸い込むように構成されている、請求項3の陰圧アセンブリ。
【請求項5】
前記機械式ポンプアセンブリが、前記機械式ポンプアセンブリが前記バルブの前記少なくとも1つの可動要素に接しないように前記囲まれた空間と流体連通しているときに、前記囲まれた空間から前記ポンプチェインバに空気を吸い込むように構成されている、請求項2の陰圧アセンブリ。
【請求項6】
前記機械式ポンプアセンブリが、両端に設けられた近位端及び遠位端を含み、前記機械式ポンプアセンブリが、前記近位端に設けられたノズルを少なくとも部分的に囲むシュラウドを含み、前記シュラウドが、前記空気が前記囲まれた空間から前記ポンプチェインバに吸い込まれたときに、前記ノズルが前記バルブの前記少なくとも1つの前記可動要素からずらされた状態で、前記ドレープ又は前記化学式ポンプハウジングと接する、請求項3の陰圧アセンブリ。
【請求項7】
前記機械式ポンプアセンブリが、両端に設けられた近位端及び遠位端を含み、前記機械式ポンプアセンブリが、前記近位端に設けられたノズルを少なくとも部分的に囲むシュラウドを含み、前記シュラウドが、前記空気が前記囲まれた空間から前記ポンプチェインバに吸い込まれたときに、前記ノズルが前記バルブの前記少なくとも1つの前記可動要素からずらされた状態で、前記ドレープ又は化学式ポンプハウジングと接する、請求項2の陰圧アセンブリ。
【請求項8】
前記可動要素が、前記化学式ポンプハウジングの外面を越えて外側に突出しないように設けられている、請求項1の陰圧アセンブリ。
【請求項9】
前記機械式ポンプアセンブリが、両端に設けられた近位端及び遠位端を含み、前記機械式ポンプアセンブリが、前記近位端に設けられたノズルを少なくとも部分的に囲むシュラウドを含み、前記シュラウドが、シーリングリップ及びバレル部外径を画定するバレル部を含み、前記バレル部は前記シーリングリップに対して前記シュラウドの反対側に設けられ、前記シュラウドが、前記シーリングリップと前記バレル部の間に設けられたカップ部も含み、前記カップ部は前記シーリングリップから前記バレル部に向かって延びるときにサイズが減少するカップ部外径を画定する、請求項1の陰圧アセンブリ。
【請求項10】
前記シュラウドが、前記バレル部と前記カップ部の間に設けられた接合領域を含み、前記接合領域は前記バレル部から前記カップ部に延びるときにサイズが大きくなる接合領域外径を画定し、前記シーリングリップが前記接合領域外径よりも大きいシーリングリップ外径を画定する、請求項9の陰圧アセンブリ。
【請求項11】
前記カップ部が、前記シーリングリップとの接合部においてカップ部最大外径を画定し、前記接合領域との接合部においてカップ部最小外径を画定し、前記カップ部最小外径が、前記バレル部外径より大きい、請求項10の陰圧アセンブリ。
【請求項12】
前記リアクタが、前記ドレープからずらされて、
前記化学式ポンプハウジングに設けられ、前記化学式ポンプアセンブリの前記ポンプチェインバが、前記化学式ポンプハウジングの中又は前記化学式ポンプハウジング上に設けられている、請求項1の陰圧アセンブリ。
【請求項13】
前記バルブが、前記化学式ポンプハウジングの中又は前記化学式ポンプハウジング上に設けられている、請求項12の陰圧アセンブリ。
【請求項14】
前記機械式ポンプアセンブリが、前記化学式ポンプハウジングの外からアクセス可能なアクチュエータを含む、請求項12の陰圧アセンブリ。
【請求項15】
前記バルブを前記ドレープに取付けるように前記バルブを取り囲むボスを更に含む、請求項1の陰圧アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
陰圧治療とは、陰圧を利用して皮膚の治療や回復を目的とした治療法である。陰圧とは、通常の大気圧よりも低い圧力を表す用語である。陰圧治療は、創傷や切り傷など、皮膚のいくつかの部位に利用される。さらに、陰圧治療は、複雑な治癒の懸念がある創傷の管理に有用である。さらに、陰圧治療は、シワ取りなどの美容目的にも用いられ得る。
【背景技術】
【0002】
陰圧治療は、全体として、手当て部位上の手当て部材の下を減圧状態に維持することによって達成される。ポンプのような真空発生源によって、手当て部位上の手当て部材の内側が減圧される。しかし、化学反応を利用して作動する真空発生源を最初に作動させた場合、真空発生源の作動開始から数分間は所望の陰圧が得られないことがある。その結果、陰圧治療の開始時に手当て部材が適切に密閉されていない場合、手当て部材が密閉されていないことを示す表示が数分間は目立たないことがある。さらに、最終的に減圧が得られた場合に、陰圧治療の目標圧力範囲よりも陰圧が低下しやすくなる(例えば、皮膚に真空がかかりすぎる)場合がある。陰圧が目標圧力範囲より低下すると、手当て部材が患者にとって不快なものとなり得る。
【発明の概要】
【0003】
上記の観点から、陰圧アセンブリは、ドレープ、シール要素、リアクタ、及び機械式ポンプアセンブリを含む。ドレープは、患者の手当て部位を覆い、減圧されて皮膚に対して密閉されると、ドレープの下を陰圧に維持することができる。シール要素は、皮膚に貼られると、ドレープと協働して、ドレープに覆われシール要素に囲まれた、囲まれた空間を画定する。リアクタは、空気中の選択されたガスと反応し消費するように構成され、ドレープが手当て部位を覆っている場合に囲まれた空間と流体連通するようにドレープ及びシール要素に対して配置される。機械式ポンプアセンブリは、囲まれた空間と流体接続可能であり、囲まれた空間と流体連通するポンプチェインバを有し、囲まれた空間からポンプチェインバに空気を吸い込む。
【0004】
上述した陰圧アセンブリは、ドレープ及び吸収性材料を含む手当て部材をさらに含んでもよい。さらに、リアクタは、手当て部材内に配置されてもよい。さらに、リリーフバルブがドレッシング上に配置されてもよい。リリーフバルブは、囲まれた空間及び周囲と流体連通している。周囲と囲まれた空間との間の圧力差が所定の圧力範囲外にある場合、リリーフバルブによって、周囲からのガスは囲まれた空間に入ることができる。
【0005】
機械式ポンプアセンブリは、手当て部材に接続されることができ、機械式ポンプアセンブリのポンプチェインバは、囲まれた空間と流体連通する。機械式ポンプアセンブリは、バルブ、継手、又はホースを介して手当て部材と接続され得る。バルブは、ガスがバルブを通って機械式ポンプアセンブリのポンプチェインバに出ることを可能にする一方で、周囲の空気がバルブを通って囲まれた空間に入ることを防止するように構成されてもよい。又は、バルブは、周囲の圧力が囲まれた空間の圧力よりも低いときに、ガスがバルブを通って出ることを可能にし、周囲と囲まれた空間との間の圧力差が所定の圧力範囲外にある場合、周囲からのガスがバルブを通って囲まれた空間に入ることを可能にするように構成された双方向バルブであってもよい。さらに、機械式ポンプアセンブリは、手動で作動するアクチュエータと、可動ポンプ要素と作動可能に(operatively)に接続されたバイアス機構を含んでもよい。手動で作動するアクチュエータが作動すると、バイアス機構が可動ポンプエレメントを移動させる。その結果、機械式ポンプアセンブリに空気が吸い込まれる。バイアス機構はバネであってもよく、可動ポンプ要素はピストンであってもよい。
【0006】
上述した陰圧アセンブリは、チェインバを有する化学式ポンプハウジングを含む化学式ポンプアセンブリをさらに含んでもよい。この実施形態では、リアクタは、手当て部材の替わりに化学式ポンプハウジングのチェインバ内に配置される。さらに、化学式ポンプアセンブリは、チェインバが陰圧下にあるときを示すためにチェインバに向かって移動するダイアフラムを含んでもよい。さらに、リリーフバルブは、代替的に、手当て部材の替わりに化学式ポンプアセンブリ上に配置されてもよいし、手当て部材上に残っていてもよい。
【0007】
化学式ポンプハウジングは、バルブ、継手、又はホースを介して手当て部材に接続されてもよい。さらに、化学式ポンプアセンブリは、第二バルブ、第二継手、又はホースを介して、第二手当て部位を覆う第二手当て部材に接続されてもよい。ホースは、化学式ポンプアセンブリを手当て部材及び第二手当て部材に同時に接続するために、Y字型であってもよい。化学式ポンプハウジングが手当て部材に接続されると、化学式ポンプアセンブリのチェインバは囲まれた空間と流体連通する。ホースは、化学式ポンプアセンブリの中に収納可能であってもよい。又は、ホースは、化学式ポンプアセンブリに設けられたラップ要素の周りに巻かれてもよい。また、手当て部材に継手が1つしかない場合、化学式ポンプアセンブリを継手から外し、機械式ポンプアセンブリを継手に接続してもよい。代替的に、化学式ポンプアセンブリと機械式ポンプアセンブリが、別々のバルブ、継手、及び/又はホースを介して手当て部材に接続されてもよい。
【0008】
さらに別の実施形態では、機械式ポンプアセンブリが、化学式ポンプアセンブリに接続されてもよい。その結果、機械式ポンプアセンブリのポンプチェインバは、化学式ポンプアセンブリを介して囲まれた空間と流体連通する。機械式ポンプアセンブリは、バルブ、継手、又はホースを介して化学式ポンプハウジングと接続可能であってもよい。バルブを有する実施形態では、ガスはバルブを通ってポンプチェインバに出ることができる一方で、同時に周囲の空気がバルブを通ってチェインバに入ることを防ぐこともできる。
【0009】
別の実施形態による陰圧アセンブリは、ドレープ、シール要素、バルブ、及び機械式ポンプアセンブリを含む。ドレープは、患者の手当て部位を覆い、減圧されて患者の皮膚に対して密閉されると、ドレープの下を陰圧に維持することが可能である。シール要素は、皮膚に貼られるとドレープと協働し、ドレープに覆われシール要素に囲まれた、囲まれた空間を画定する。バルブはドレープ上に設けられ、ガスがバルブを通って囲まれた空間から出る第1作動状態と、ガスがバルブを通って囲まれた空間から出るのを妨げる第2作動状態を有する。機械式ポンプアセンブリは、バルブが第1作動状態にあるとき、囲まれた空間とバルブを介して流体的に接続可能なポンプチェインバを含む。機械式ポンプアセンブリはまた、囲まれた空間と流体連通しているときに、囲まれた空間からポンプチェインバに空気を吸い込むように構成されている。
【0010】
陰圧アセンブリは、ドレープ、シール要素、及び吸収性材料を含む手当て部材をさらに含んでもよい。機械式ポンプアセンブリは、ポンプチェインバが囲まれた空間と流体連通するように、バルブを介して手当て部材と接続可能である。陰圧アセンブリは、ドレープがドレッシング部位を覆っているときに、リアクタが囲まれた空間と流体連通するように、ドレープ及びシール要素に対して配置されたリアクタを含んでもよい。リアクタは、空気中の選択されたガスと反応し、選択されたガスを消費する。一実施形態では、リアクタは手当て部材内に配置される。別の実施形態では、陰圧アセンブリは、リアクタが設けられた化学式ポンプを有する化学式ポンプアセンブリをさらに含む。
【0011】
さらに、手当て部材にリリーフバルブが設けられてもよい。リリーフバルブは、囲まれた空間及び周囲と流体連通する。周囲と囲まれた空間との間の圧力差が所定の圧力範囲外に場合に、リリーフバルブによって、周囲からのガスはリリーフバルブを通って囲まれた空間に入ることができる。又は、バルブは、周囲の圧力が囲まれた空間の圧力より低いときにバルブを通ってガスを出すことを可能にし、周囲と囲まれた空間との間の圧力差が所定の圧力範囲外にあるときに周囲からのガスがバルブを通って囲まれた空間に入ることを可能にする双方向バルブであってもよい。所定の圧力範囲は、大気圧より50~200mmHg低くてよい。
【0012】
さらに、機械式ポンプアセンブリは、手動で作動するアクチュエータと、可動ポンプ要素と作動可能に接続されたバイアス機構を含んでもよい。手動で作動するアクチュエータの作動によって、バイアス機構が可動ポンプ要素を移動させる。その結果、機械式ポンプアセンブリに空気が吸い込まれる。バイアス機構はバネであってもよく、可動ポンプ要素はピストンであってもよい。ホースは、機械式ポンプアセンブリの中に収納可能であってもよい。又は、ホースは、機械式ポンプアセンブリのラップ要素の周りに巻かれてもよい。機械式ポンプアセンブリは、バルブ、継手、又はホースを介して、第二手当て部位を覆う第二手当て部材にさらに接続されてもよい。
【0013】
別の実施形態による陰圧アセンブリは、患者の手当て部位を覆い、減圧されて皮膚に対して密閉されると、ドレープの下を陰圧に維持できるドレープと、皮膚に当てられるとドレープと協働し、ドレープによって覆われシール要素によって囲まれた、囲まれた空間を画定するシール要素を含む。陰圧アセンブリは、ドレープが手当て部位を覆っているときに囲まれた空間と流体連通するように、ドレープ及びシール要素に対して配置されたリアクタも含む。リアクタは、空気中の選択されたガスと反応し、選択されたガスを消費するように構成される。陰圧アセンブリはまた、少なくとも1つの可動要素を含むバルブを含む。バルブは、ガスがバルブを通って囲まれた空間から吸い込まれる第1作動状態を有する。陰圧アセンブリは、バルブが第1作動状態にあるとき、囲まれた空間とバルブを介して流体的に接続可能なポンプチェインバを含む機械式ポンプアセンブリも含む。機械式ポンプアセンブリは、囲まれた空間と流体的に接続され、囲まれた空間から機械式ポンプアセンブリのポンプチェインバに空気を吸い込むように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】
図2は、一実施形態による陰圧キットの手当て部材及び機械式ポンプアセンブリの概略断面図。
【
図3】
図3は、手当て部材及び機械式ポンプアセンブリの斜視図。
【
図4】
図4は、化学式ポンプアセンブリを手当て部材に接続する前の
図3の手当て部材及び化学式ポンプアセンブリの斜視図。
【
図5】
図5は、一実施形態による化学式ポンプアセンブリの概略断面図。
【
図5A】
図5Aは、さらに別の実施形態による化学式ポンプアセンブリの概略断面図。
【
図6】
図6は、作動前の機械式ポンプアセンブリの概略断面図。
【
図7】
図7は、作動後の機械式ポンプアセンブリの概略断面図。
【
図8】
図8は、化学式ポンプアセンブリを手当て部材に接続した後であって、手当て部材の下が治療範囲の陰圧になる前の、手当て部材及び化学式ポンプアセンブリの斜視図。
【
図9】
図9は、化学式ポンプアセンブリを手当て部材に接続し、機械式ポンプアセンブリを化学式ポンプアセンブリに接続した後であって、機械式ポンプアセンブリの作動前の、手当て部材、化学式ポンプアセンブリ、及び機械式ポンプアセンブリ(概略断面図)の斜視図。
【
図10】
図10は、化学式ポンプアセンブリを手当て部材に接続し、機械式ポンプアセンブリを化学式ポンプアセンブリに接続した後であって、機械式ポンプアセンブリの作動後の手当て部材、化学式ポンプアセンブリ、及び機械式ポンプアセンブリの斜視図。
【
図11】
図11は、化学式ポンプアセンブリを手当て部材に接続し、手当て部材の下が治療範囲の陰圧に到達し、ダイアフラムが化学式ポンプアセンブリ内のチェインバに向かって反転した後の、手当て部材および化学式ポンプアセンブリの斜視図。
【
図12】
図12は、化学式ポンプアセンブリを手当て部材に接続する前で、機械式ポンプアセンブリを手当て部材に接続した後であって、機械式ポンプアセンブリの作動前の、手当て部材、化学式ポンプアセンブリ、及び機械式ポンプアセンブリの斜視図。
【
図13】
図13は、ラップ要素を含む化学式ポンプハウジングの一部分の概略断面図。
【
図14】
図14は、別の実施形態による、手当て部材の下が治療範囲の陰圧になった後の、化学式ポンプアセンブリ、手当て部材、及び第二手当て部材の斜視図。
【
図15】
図15は、さらに別の実施形態による、機械式ポンプアセンブリを手当て部材に接続した後であって、機械式ポンプアセンブリの作動前の、機械式ポンプアセンブリ(概略断面図)及び手当て部材の斜視図。
【
図21】
図21は、一実施形態による、機械式ポンプアセンブリの作動前の、機械式ポンプアセンブリ及び化学式ポンプアセンブリの概略断面図。
【
図22】
図22は、一実施形態による、機械式ポンプアセンブリの作動前の、機械式ポンプアセンブリ及び化学式ポンプアセンブリの概略断面図。
【
図24】
図24は、機械式ポンプアセンブリと接続され、機械式ポンプアセンブリが作動した後の手当て部材の断面図。
【
図25】
図25は、化学式ポンプハウジングの内側チェインバに配置された機械式ポンプアセンブリを有する化学式ポンプアセンブリの正面の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1には、陰圧治療に有用な陰圧キット10が示されている。本明細書で記載する陰圧とは、大気圧以下の圧力である。陰圧キット10は、トレイキット12及び陰圧アセンブリを含む。
図1に示された実施形態では、陰圧アセンブリは、少なくとも1つの手当て部材14、化学式ポンプアセンブリ16、及び機械式ポンプアセンブリ18を含む。
【0016】
トレイキット12は、トップカバー20とボトムカバー22を具える。少なくとも1つの手当て部材14、化学式ポンプアセンブリ16、及び機械式ポンプアセンブリ18を格納するために、少なくとも1つの凹部24がボトムカバー22に設けられてもよい。トレイキット12が閉じられたときに、トップカバー20とボトムカバー22の間の空間を維持するために、スペーサ壁26が追加されてもよい。スペーサ壁26は、少なくとも1つの凹部24の周囲を少なくとも部分的に取り囲んでもよい。ボトムカバー22は、少なくとも1つの凹部24に構成要素を固定するための固定要素をさらに含んでもよい。また、トレイキット12は、トップカバー20及びボトムカバー22を閉じた状態に維持するためのクロージング要素を含んでもよく、トレイキット12が閉じられたときに、トレイキット12をロックするためのロックアタッチメントをさらに含んでもよい。
【0017】
図2を参照して、手当て部材14は、患者の皮膚の手当て部位28上に置かれる。手当て部位28は、これに限定されるものではないが、傷、切り傷、または傷や切り傷がない皮膚であってよい。図示された実施形態では、手当て部材14は、ドレープ40、ウィッキング性又は吸収性要素42、継手44を含む。手当て部材14は、シール要素46などのさらなる構成要素を含んでもよく、米国特許出願番号16/114,813及び/又は国際出願番号PCT/US2016/059364に記載されている手当て部材と同様の構造であってもよい。ドレープ40は、可撓性材料から作られてもよく、薄い可撓性エラストマーフィルムから作られてもよい。そのような材料の例には、ポリウレタン又はポリエチレンフィルムが含まれる。ドレープ40は、継手44と協働可能な少なくとも1つの開口部48(
図1参照。)を含んでもよい。図示された実施形態におけるドレープ40は、開口部48が周囲と連通していないときに減圧されて患者の皮膚に対して密閉されると、ドレープ40の下を陰圧に維持することができる薄いフィルムである。
【0018】
ドレープ40は、さらに、ドレープトップ52及びドレープエッジ54を具える。ドレープトップ52及びドレープエッジ54は、1つの連続したピース、又は複数のピースを融合させて作られてもよい。ドレープエッジ54は手当て部位28の周囲に配置され、ドレープトップ52は手当て部位28を覆う。ドレープ40は、様々な手当て部位28を覆うために、様々な形状及びサイズで作られてよい。開口部48は、ドレープトップ52を貫通して延びる。
【0019】
引き続き
図2を参照して、シール要素46は、ドレープ40及び皮膚Sと協働して、ドレープ40と手当て部位28の間に画定され、シール要素46によって囲まれた、囲まれた空間60を形成する。シール要素46は、手当て部材14とは別個のものであっても、手当て部材14の構成要素であってもよい。シール要素46は、ドレープ40と皮膚Sの間の流体(気体を含む。)が漏れるのを防ぐので、ガスケットのように機能する。適切に密閉されている場合、空気中の気体又は選択されたガスは、少なくとも一つの開口部48及び継手44を通って手当て部材14から選択的に出ることができる。故に、シール要素46は、手当て部材14内を陰圧に維持するのに役立つ。シール要素46は、シリコーン又はハイドロゲル材料などの材料から作られてもよい。
【0020】
手当て部材14は、創傷接触層68をさらに含んでもよい。ドレープトップ52は、創傷接触層68、及び/又はウィッキング性又は吸収性要素42を覆う。創傷接触層68は、ゴムのような特性を有する高分子材料などのエラストマー材料で作られてもよい。さらに、創傷接触層68は、薄い可撓性エラストマーフィルムであるエラストマー材料であってもよい。そのような材料のいくつかの例には、銀でコーティングされたナイロン、穴のあいたシリコーンメッシュ、又は患者の組織に付着しない他の材料が含まれる。創傷接触層68は、手当て部位28に接触する。創傷接触層68は、吸収性要素42と協働する少なくとも1つの開口部を含んでもよく、これにより、滲出物は手当て部位28から囲まれた空間60内へ移動し続けることができる。シール要素46はまた、創傷接触層68(創傷接触層68が含まれない場合は吸収性要素42)の手当て部位28に接する側に設けられてもよい。
【0021】
ドレープ剥離ライナー(図示せず。)がドレープエッジ54の下面に設けられる。ドレープ剥離ライナーは、手当て部材14が手当て部位28に当てられる前に取り除かれる。ドレープ剥離ライナーが取り除かれると、ドレープエッジ54の下面の接着剤66が露出される。手当て部材14が患者の上に置かれると、シール要素46とは異なるアクリル系接着剤であってよい接着剤66によって、手当て部位28の周りの患者の皮膚Sにドレープエッジ54が固定される。故に、ドレープエッジ54と皮膚Sとの間の接触が維持される。
【0022】
ウィッキング性又は吸収性要素42は、手当て部位28からの滲出物を吸収することができる吸収性材料から作られる。吸収性要素42は、高吸収性ポリマー、吸収性ビーズ、発泡体、または天然吸収剤から作られてもよい。また、吸収性要素42は、減圧を維持できるように、空気中の気体に対する適切な空隙を具えてもよい。例えば、吸収性要素42は、創傷から滲出物を吸収している間、気体に対する空隙が維持されるように、ドレープ40と比較して比較的剛直な発泡体から作られてもよい。吸収性要素42はまた、前述の体積コントロールをするために、例えば隣接するビーズ間で膨張して気体に対する空隙を形成する上述の高吸水性ポリマーから作られてもよい。吸収性要素42は、化学的に滲出物を吸収し、スポンジとは異なり滲出物がウィッキング要素を通って真空源に向かうのを防ぐ、商標「Vilmed」(米国登録商標)の下で入手可能なハイドロアクティブ創傷パッドでもよい。
【0023】
手当て部材14は、ドレープトップ52の開口部48を覆う通気性液体不透過性膜70を含んでもよい。実施形態では、通気性液体不透過性膜70は、ドレープトップ52の下面に設けられる。気体は、通気性液体不透過性膜70を通過することができるが、液体は、通気性液体不透過性膜70を通過することができない。故に、滲出物は、通気性液体不透過性膜70を通過して流れることができない。別の実施形態では、通気性液体不透過性膜70は、ドレープトップ52の上面に設けられる。さらに、
図2には、ドレープ40の下の手当て部材14内に配置されたリアクタの形態で化学式ポンプ82が示されている。化学式ポンプ82は、他の場所に配置されてもよく、これについては、以下でより詳細に説明する。
【0024】
図3には、(模式的に示されている)ホース62を介して機械式ポンプアセンブリ18と接続された手当て部材14が示されている。機械式ポンプアセンブリ18が手当て部材14に接続されると、機械式ポンプアセンブリ18は、以下でより詳細に記載する方法で、継手44を介して囲まれた空間60と流体連通する。機械式ポンプアセンブリ18の作動により、開口部48、継手44、及びホース62を介して、囲まれた空間60から機械式ポンプアセンブリ18に気体が吸い込まれる。このように、ドレープ40が皮膚Sの方に引き寄せられるという点で、皮膚Sに対する手当て部材14の密閉性をチェックしてもよい。その後、ホース62を継手44から取外してもよく、これにより、囲まれた空間60に空気が入り、囲まれた空間60内の圧力を大気圧に戻すことができる。
【0025】
図4には、手当て部材14と化学式ポンプアセンブリ16が示されている。化学式ポンプアセンブリ16は、化学式ポンプハウジング80、チェインバ84(
図5参照。)内に配置された化学式ポンプ82(
図4に破線で示す。)、及び化学式ポンプハウジング80の底部に設けられチェインバ84と流体連通している下部開口部86を含む。継手44と接続されると、化学式ポンプハウジング80内のチェインバ84は、下部開口部86、少なくとも1つの開口部48、及びドレープ40上の継手44を介して囲まれた空間60と流体連通する。化学式ポンプアセンブリ16は、以下により詳細に記載する方法で、手当て部材14の内側を減圧する。
【0026】
化学式ポンプアセンブリ16の化学式ポンプ82は、空気中の選択されたガスと反応するように構成されたリアクタである。化学式ポンプ82は、化学式ポンプ82が囲まれた空間60と流体連通することができるように、ドレープ40及びシール要素46に対して配置されている。化学式ポンプ82は、囲まれた空間60から選択されたガスを消費し、それによってガスを除去し、ガス圧を減少させる。このように、化学式ポンプ82は、入り口及び従来のポンプのようにある場所から別の場所に流体を移動させる排出口を含まないにもかかわらず、空気からガスを除去し、それによって囲まれた空間60内のガス圧を低下させる。化学式ポンプアセンブリ16に使用できるリアクタの例は、米国特許出願公開番号2014/0109890及び/又は国際出願番号PCT/US2016/059364に記載されている。化学式ポンプ82は、作動可能な状態になるまで化学式ポンプの周囲を密閉して、化学式ポンプ82を周囲に露出させることによって、作動させてもよい。又は、米国特許出願公開番号2014/0109890の含浸パッドに見られるような電解質溶液を破断可能なパッケージで具え、基質上の還元剤と反応するように後で破断させてもよい。創傷治療に利用される、治療用陰圧システムの場合、報告された動作圧の範囲は、760mmHgの標準大気圧に対して-50mmHg~-200mmHg(絶対圧力で560~710mmHg)である。圧力が560mmHgより低い場合、少なくとも1つの手当て部材14は、患者にとって不快なものとなり得る。圧力が710mmHgを超える場合、710mmHg以下の圧力と比較して、陰圧治療の効果が低くなる可能性がある。しかしながら、560~710mmHgの範囲内でより小さい目標圧力範囲が望まれる場合がある。故に、リアクタ82は、所定の目標圧力範囲内で減圧された圧力を維持するように構成されてもよい。
【0027】
化学式ポンプ82が囲まれた空間60から選択されたガスを消費する場合、化学式ポンプアセンブリ16は、予め定められたチェインバ体積を維持するように構成される。リアクタ82の大きさは、他の要因の中でも、チェインバ84、ホース62及び囲まれた空間60の容積に依存する。別の実施形態では、
図2に示されているように、リアクタ82は、化学式ポンプアセンブリ16の替わりに手当て部材14内に設けられてもよい。その結果、手当て部材14内に陰圧を加える方法において、化学式ポンプアセンブリ16は取除かれてもよい。
【0028】
図5に示された実施形態では、第1バルブ92が設けられた上部開口部90が、化学式ポンプハウジング80の上部に設けられている。さらに、上部開口部90及び第1バルブ92は、化学式ポンプハウジング80の側面及び化学式ポンプハウジング80の他の場所に設けられてよい。別の実施形態では、第1バルブ92と同様に作動するバルブが、手当て部材14に設けられてもよい。第1バルブ92は、機械式ポンプアセンブリ18と協働するように構成される。第1作動状態において、第1バルブ92は、機械式ポンプアセンブリ18が第1バルブ92に挿入されたとき、空気が第1バルブ92を通ってチェインバ84から出ることを可能にする。第2作動状態において、第1バルブ92は、機械式ポンプアセンブリ18が第1バルブ92に挿入されていないときに、周囲の空気が上部開口部90及び第1バルブ92を通ってチェインバ84に入ることを妨げる。このようなバルブの例としては、これらに限定されるものではないが、ばねを用いた逆止弁、及びフラップを具えるバルブが挙げられる。
図5には、フラップ94を有する第1バルブ92が示されている。第1バルブ92のフラップ94は、機械式ポンプアセンブリ18が上部開口部90に導入される前に閉じられる。機械式ポンプアセンブリ18が導入されない限り、上部開口部90及び第1バルブ92を介してガスが漏れることはない。第1バルブ92のフラップ94は、機械式ポンプアセンブリ18が取り除かれると、その弾力的な力によって閉じられた位置に戻る。
【0029】
図示された実施形態では、シール部材96は、化学式ポンプハウジング80の底面に設けられている。また、シール部材96は、化学式ポンプハウジング80の側面及び化学式ポンプハウジング80の他の場所に設けられてもよい。図示された実施形態では、シール部材96は、下部開口部86に配置され、継手44と協働するように構成される。化学式ポンプアセンブリ16が継手44に押圧され嵌合されると、シール部材96によって、空気は下部開口部86を介してチェインバ84に入ることができる。化学式ポンプアセンブリ16が継手44と嵌合されていないときは、シール部材96は、周囲空気がチェインバ84に入るのを防止する。
図5には、フラップ98を有するシール部材96が示されている。シール部材96のフラップ98は、化学式ポンプアセンブリ16が継手44に嵌合される前は閉じられる。フラップ98がそれらの最初の閉じられた位置から動かされない限り、気体はシール部材96を通って侵入することができない。代替的に、シール部材96は、弁(foil)又は継手44に押し付けられたときに孔が空く他の部材であってもよい。
【0030】
図4を参照すると、図示された実施形態ではダイアフラム100である陰圧インジケータが、システムが陰圧下にあることをユーザに示すために、化学式ポンプハウジング80上に配置されてもよい。
図4を参照すると、ダイアフラム100は、チェインバ84内の圧力が大気圧であり得る所定の圧力以上であるときに、化学式ポンプハウジング80から突出するドーム形状であってよい。ダイアフラム100は、弾性材料から作られてもよい。化学式ポンプアセンブリ16又は手当て部材14内の圧力が目標圧力範囲より低くなると、ダイアフラム100は、化学式ポンプハウジング80内に引き込まれる。ダイアフラム100が化学式ポンプハウジング80の内部に向かって引き寄せられると、ダイアフラム100は反転する。ダイアフラム100が反転すると、これにより、システムが陰圧であることをユーザに示す表示がなされる。代替的に、インジケータは、手当て部材14に設けられてもよい。
【0031】
図6及び
図7には、機械式ポンプアセンブリ18が概略的に示されている。図示された実施形態では、機械式ポンプアセンブリ18は、手当て部材14の囲まれた空間60内に陰圧を作り出すために使用される単一動作の真空源(a single action vacuum source)である。化学式ポンプアセンブリ16が手当て部材14に最初に取付けられると(
図8参照)、化学式ポンプアセンブリ16が完全に作動するまで、すなわち、リアクタ82がチェインバ84及び囲まれた空間60から空気中の選択されたガスを取除くまで、手当て部材14の囲まれた空間60内に陰圧は生成されない。故に、機械式ポンプアセンブリ18は、手当て部材14を陰圧に維持する助けにもなり得る。さらに、機械式ポンプアセンブリ18は、手当て部材14を手当て部位28に向かって引き寄せることを促してもよい。
【0032】
一実施形態では、機械式ポンプアセンブリ18は、手動で作動するアクチュエータと、可動ポンプ要素と作動可能に接続されたバイアス機構とを含んでもよい。手動で作動するアクチュエータの作動によって、バイアス機構が可動ポンプ要素を移動させ、機械式ポンプアセンブリに空気が吸い込まれる。その結果、囲まれた空間60内に陰圧が作り出される。従って、機械式ポンプアセンブリ18は、空気圧ピストンシリンダであってもよい。
図6を参照すると、機械式ポンプアセンブリ18は、機械式ポンプハウジング120と、第1チェインバ138及び第2チェインバ140を有するポンプチェインバを含む。アクチュエータ144は、機械式ポンプハウジング120の側部に設けられてもよい。アクチュエータ144は、手動で操作され、機械式ポンプアセンブリ18の作動を起動させるために使用され得る。そのようなアクチュエータの例としては、これらに限定されるものではないが、ボタン、スイッチ、又はトリガーが挙げられる。
【0033】
第1チェインバ138を第2チェインバ140から分離するために、内壁122が用いられてもよい。内部壁122は、ピストンロッド130を受け入れるためのロッド開口部142を含む。シール124は内壁122を取り囲んで、内壁122の周りで第1チェインバ138と第2チェインバ140の間を任意のガスが通過することを防止する。代替的に、内壁122は、機械式ポンプハウジング120と一体的に形成することができる。さらに、ロッド開口部142の第2シール146が、ピストンロッド130を取り囲んでもよく、これにより、ピストンロッド130の動きを制限することなく、ガスがロッド開口部142を通って第1チェインバ138及び第2チェインバ140の間を通過するのを防止することができる。
【0034】
機械式ポンプハウジング120は、底部に配置された先端部134を含む。先端部134は、第1チェインバ138と流体連通する先端開口部136を含む。さらに、機械式ポンプアセンブリ18は、先端部134と接続することができるホース62を介して、又は継手44と直接接続される先端部134を介して、ドレープ40上の開口部48と流体連通してもよい。ホース62は、任意の長さにすることができ、従って、長いホース62が用いられてもよい。故に、化学式ポンプアセンブリ16が手当て部材14に取付けられる前に、機械式ポンプアセンブリ18を手当て部材14上で作動させることができる。これは、手当て部位28において手当て部材14を密閉する助けとなる。その結果、機械式ポンプアセンブリ18は、手当て部材14に直接減圧を加えることができる。
【0035】
図示された実施形態では、バイアス機構はばね126であり、可動エレメントはピストン128である。ばね126及びピストン128は、第1チェインバ138に設けられる。機械式ポンプアセンブリ18が作動する前に、ピストンロッド130の大部分も第1チェインバ138に配置される。また、ピストンロッド130の上部に設けられたヘッド132は、第2チェインバ140内に設けられる。機械式ポンプアセンブリ18が、化学式ポンプアセンブリ16の第1バルブ92に導入される(
図9)か、又はホース62によって継手44と接続される(
図3)と、アクチュエータ144は、機械式ポンプアセンブリ18の作動を起動させるために使用される。機械式ポンプアセンブリ18が作動すると、アクチュエータ144とピストンロッド130の間のコネクタ170(
図6参照)がピストンロッド130を解放し、空気が先端開口部136を介して機械式ポンプハウジング120の第1チェインバ138に入る。コネクタ170は、ピストンロッド130と再び係合させることができる。従って、機械式ポンプアセンブリ18は、再利用可能であってもよい。
図7に示されているように、ばね126は、ピストン128を内壁122に向かって偏らせ、これにより、空気が第1チェインバ138に吸い込まれる。ピストンロッド130は、第2チェインバ140内に移動し、ヘッド132は、機械式ポンプハウジング120の上面に向かって移動する。その結果、手当て部材14に陰圧がもたらされる。
【0036】
陰圧アセンブリは、目標圧力範囲より低い陰圧に達する可能性があり、例えば、囲まれた空間60内で真空、すなわち、陰圧が過度に達成される可能性がある。目標圧力範囲を維持するために、
図5に示されるように、必要に応じて圧力を解放するために、リリーフバルブ148が化学式ポンプハウジング80上に設けられてもよい。又は、リリーフバルブ148と同様の動作のリリーフバルブが手当て部材14のドレープ40に設けられてもよい。リリーフバルブ148は、必要に応じて圧力を手動または自動で逃がすことができる任意のバルブであってよい。
図5には、リリーフバルブ148が化学式ポンプアセンブリ16に設けられている一実施形態が示されている。リリーフバルブ148は、リリーフバルブ148が手当て部材14に設けられている実施形態においても同様に機能することが理解される。
図5を参照すると、リリーフバルブ148は、ポスト162と接続された化学式ポンプハウジング80内に突出する可撓性キャップ160を具える。可撓性キャップ160は、通常、開口部164を覆っている。可撓性キャップ160は、弾性材料から作られてもよい。周囲と手当て部材14、又は周囲と化学式ポンプアセンブリ16内のチェインバ84の間の圧力差が、例えば、50mmHgと200mmHgの間に設定されてもよい所定の圧力範囲から外れると、可撓性キャップ160の可撓性周囲190が化学式ポンプハウジング80又はドレープ40の中に吸い込まれる。可撓性キャップ160の可撓性周囲190が化学式ポンプハウジング80又は手当て部材14の内側に向かって引き寄せられると、可撓性キャップ160の周囲に空間が生じ、空気が開口部164を通過することができるようになる。開口部164が可撓性キャップ160によって覆われていない場合、可撓性キャップ160の可撓性周囲190が化学式ポンプハウジング80の内面上で緩んで、内圧が開口部164を再密閉する圧力に到達するまで、周囲からの空気が化学式ポンプアセンブリ16又は手当て部材14に入る。その後、化学式ポンプアセンブリ16及び/又は手当て部材14は、リリーフバルブ148が再密閉される陰圧量となり、これは、例えば、50mmHgと200mmHgの間の治療範囲内の圧力範囲である一方で、開口部164が開く圧力差とは違ってもよい。
【0037】
別の実施形態では、
図5Aに示されているように、第1バルブ192及びリリーフバルブ148の替わりに、双方向バルブ184が化学式ポンプハウジング80上に設けられている。代替的に、双方向バルブ184は、少なくとも1つの手当て部材14上に設けられてもよい。さらに別の実施形態では、双方向バルブ184は、米国特許第5,439,143号に記載されているバルブと同様の構造であってもよい。化学式ポンプアセンブリ16は、双方向バルブ184を介して囲まれた空間60と流体連通していてもよい。代替的に、機械式ポンプアセンブリ18も、双方向バルブ184を介して囲まれた空間60と流体連通してもよい。
図15に示されているように、ホース62は、機械式ポンプアセンブリ18に取付けられ、双方向バルブ184の中に挿入されてもよい。その結果、機械式ポンプアセンブリ18は、囲まれた空間60と流体連通する。
【0038】
双方向バルブ184は、3つの作動状態を含んでもよい。第1作動状態では、外部圧力が囲まれた空間60及び/又はチェインバ84の圧力より低いとき、気体は、双方向バルブ184を通ってチェインバ84及び/又は囲まれた空間60から出ることができる。第2作動状態では、双方向バルブ184は、チェインバ84及び/又は囲まれた空間60の圧力が第1の所定の閾値と第2の所定の閾値との間にあるとき、ガスが双方向バルブ184を通って囲まれた空間60及び/又はチェインバ84に入ること又は出ることを妨げる。第3作動状態において、囲まれた空間60及び/又はチェインバ84の圧力が所定の閾値より低い場合に、双方向バルブ184によって、周囲からの気体は双方向バルブ184を通って囲まれた空間60及び/又はチェインバ84に入ることができる。一実施形態では、所定の閾値は、560mmHg、すなわち、大気圧より200mmHg低い。さらに別の実施形態では、双方向バルブ184は、圧力差が第1又は第2の所定の閾値にあるときに双方向バルブ184を自動的に作動させるばねを含んでもよい。
【0039】
さらに別の実施形態では、機械式ポンプアセンブリ18は、複数の手当て部材に接続される。さらに、機械式ポンプアセンブリ18は、複数の手当て部材に同時に接続することができる。例えば、機械式ポンプアセンブリ18は、第2手当て部材188に接続されてもよい。ホース62は、機械式ポンプアセンブリ18を手当て部材14及び第2手当て部材188に同時に接続するためのY字型継手186を含んでもよい。さらに、化学式ポンプアセンブリ16は、複数の手当て部材に接続されても、複数の手当て部材に同時に接続されてもよい。
図14に示されているように、ホース62は、化学式ポンプアセンブリ16を手当て部材14及び第2手当て部材188に同時に接続するためのY字型継手186を含んでもよい。
【0040】
以下、陰圧キット10を用いた陰圧治療を実現する方法について説明する。まず、トレイキット12から少なくとも1枚の手当て部材14を取り外し、ドレープ剥離ライナーを剥がしてドレープエッジ54の下面の接着剤66を露出させる。ドレープエッジ54は、少なくとも1つの手当て部位28の周囲の皮膚S上に配置され、接着剤66によって皮膚Sに固定される。
【0041】
図8を参照して、ドレープ40が手当て部位28の上に固定され、化学式ポンプアセンブリ16のシール部材96がドレープ40上の継手44に導入される。シール部材96は、継手44の上に配置され、フラップ98が開かれる。フラップ98が開かれると、化学式ポンプアセンブリ16は、手当て部材14と流体連通する。リアクタ82は、囲まれた空間60から選択されたガスを消費し始めるが、この時点では完全ではない。
【0042】
その後、
図9に示されているように、機械式ポンプアセンブリ18を化学式ポンプアセンブリ16に設けられた第1バルブ92に挿入して、フラップ94を開く。フラップ94が開かれると、機械式ポンプアセンブリ18は、化学式ポンプアセンブリ16内のチェインバ84と流体連通する。代替的に、機械式ポンプアセンブリ18は、双方向バルブ184の中に挿入される。また、機械式ポンプアセンブリ18は、化学式ポンプアセンブリ16を介して囲まれた空間60と流体連通する。機械式ポンプアセンブリ18が化学式ポンプアセンブリ16と流体連通しているとき、
図10に示されているように、アクチュエータ144は、機械式ポンプアセンブリ18の作動を起動させるために使用される。そして、ばね126がピストン128を内壁122の方へ押す。ピストン128が移動すると、機械式ポンプアセンブリ18の第1チェインバ138に空気が入り、手当て部材14が皮膚Sに向かって引き寄せられる。その後、機械式ポンプアセンブリ18が取り外され、
図11に示されているように、第1バルブ92のフラップ94がその弾力的な力によって閉じられる。双方向バルブ184を有する実施形態では、双方向バルブ184は、機械式ポンプアセンブリ18が双方向バルブ184から取り外されると、第2作動状態に移動する。化学式ポンプアセンブリ16内のリアクタ82が、手当て部材14を減圧し続けるか、又は減圧を維持してもよい。その結果、手当て部材14内の圧力は陰圧に減圧され、陰圧インジケータ100は、陰圧が達成されたときに信号を発する。減圧された圧力が目標圧力範囲より低くなると、リリーフバルブ148又は双方向バルブ184は、減圧された圧力を所定の圧力差に回復するために必要に応じて圧力を解放する。
【0043】
別の実施形態では、機械式ポンプアセンブリ18は、化学式ポンプアセンブリ16の前に挿入さてもよい。まず、少なくとも1つの手当て部材14が、少なくとも1つの手当て部位28の上に配置され、固定される。次に、機械式ポンプアセンブリ18は、ホース62によって手当て部材14上の継手44に接続される。代替的に、第1バルブ92又は双方向バルブ184が、化学式ポンプアセンブリ16の替わりに手当て部材14上に設けられ、手当て部材14と機械式ポンプアセンブリ18を直接的に流体連通させる。その結果、機械式ポンプアセンブリ18は、囲まれた空間60と流体連通する。第1バルブ92又は双方向バルブ184は、さらに、継手44に置き替えられてもよい。これらの代替実施形態では、機械式ポンプアセンブリ18は、手当て部材14上の第1バルブ92又は双方向バルブ184に挿入される。
【0044】
機械式ポンプアセンブリ18が手当て部材14に接続された後、機械式ポンプアセンブリ18はアクチュエータによって作動される。その結果、ピストン128が内壁122に向かって移動し、空気が機械式ポンプアセンブリ18の第1チェインバ138に入る。機械式ポンプアセンブリ18は取り外され、化学式ポンプアセンブリ16と交換される。化学式ポンプアセンブリ16内のリアクタ82は、手当て部材14の陰圧を維持するために、空気中の選択されたガスと反応を開始する。囲まれた空間60内の陰圧が達成されると、手当て部材14及び/又は化学式ポンプアセンブリ16上のインジケータは、手当て部材14が陰圧に達したときに信号を発する。必要に応じて、リリーフバルブ148又は双方向バルブ184は、減圧された圧力が目標圧力範囲より低くなると圧力を解放する。
【0045】
さらに別の実施形態では、化学式ポンプアセンブリ16及び機械式ポンプアセンブリ18は、両方とも少なくとも1つの手当て部材14に接続される。この実施形態では、第1バルブ、継手、又はホース、及び第2バルブ、継手、又はホースが手当て部材14上に設けられる。化学式ポンプアセンブリ16は、第1バルブ、継手、又はホースを介して手当て部材14に接続される。機械式ポンプアセンブリ18は、第2バルブ、継手、又はホースに対して接続される。例えば、化学式ポンプアセンブリ16は、
図12に示されているように、手当て部材14上に配置された継手44を介して手当て部材14に接続され、機械式ポンプアセンブリ18は、ホース62及び手当て部材14上に設けられた第2継手166を介して手当て部材14に接続されている。また、特に、上述したリリーフバルブ148と同様の少なくとも1つのリリーフバルブを含む手当て部材14の場合、化学式ポンプアセンブリ16は、既知の陰圧創傷治療装置で現在使用されているものと同様の電気機械式ポンプに置き換えられてもよい。しかしながら、既知の陰圧創傷治療装置とは異なり、手当て部材14上のリリーフバルブ(複数可)は、手当て部材の下の囲まれた空間の圧力を治療範囲内に維持するために(上述のように)開閉することができる。また、リリーフバルブの替わりに、手当て部材14は、機械式ポンプアセンブリ18と協働し得る双方向バルブ184と同様の双方向バルブを含み得る一方、既知の陰圧創傷治療装置で現在使用されているものと同様の電気機械式ポンプが
図12に示されている継手44に接続されてもよい。
【0046】
さらに、ホース62を収納するための少なくとも1つのアタッチメントを機械式ポンプアセンブリ18又は化学式ポンプアセンブリ16に設けられてもよい。このようなアタッチメントの例は、ラップ要素であるが、これに限定されるものではない。
図13を参照して、化学式ポンプアセンブリ16は、その周りにホース62を巻き付けることができる化学式ポンプハウジング80に設けられたラップ要素176を含んでもよい。代替的に、ラップ要素176は、機械式ポンプハウジング120に設けられてもよい。ホース62は、保管及び輸送中にホース62が固定されるように、少なくとも1つのアタッチメントの周りに巻き付けられ得る。別の実施形態では、ホース62は、化学式ポンプアセンブリ16の中に納められてもよい。さらに別の実施形態では、ホース62は、機械式ポンプアセンブリ18の中に納められてもよい。代替的に、トレイキット12が、ホース62を格納するための追加の凹部を含んでもよい。
【0047】
図16及び
図17に注目すると、代替的な機械式ポンプアセンブリ200が示されている。機械式ポンプアセンブリ200は、両端に設けられた近位端202及び遠位端204を含む。機械式ポンプアセンブリ200は、機械式ポンプ206と、以下により詳細に説明される、化学式ポンプアセンブリ216(
図18乃至22)の化学式ポンプハウジング214の内側チェインバ212及び/又は陰圧アセンブリ218(
図23及び24)の囲まれた空間60’に流体的に接続可能なポンプチェインバ208を含む。
【0048】
再び
図16及び17を参照して、機械式ポンプアセンブリ200は、チャージボタン220、アクチュエータ222、及び可動ポンプ要素(図示せず。
図7のピストン128と同様。)と作動可能に接続されたバイアス機構(図示せず。
図7のばね126と同様。)を含んでもよい。 実際には、チャージボタン220は、
図17に示されるように、ポンプチェインバ208から空気を排出すべく作動し、チャージ位置を画定してもよい(例えば、押し下げられると、遠位端204から近位端202に向かって移動する。)。
【0049】
機械式ポンプアセンブリ200内の内部アセンブリにより、チャージボタン220は、アクチュエータ222が作動されるまでチャージ位置に留まる。アクチュエータ222の作動によって、バイアス機構が、可動ポンプを動かし、ポンプチェインバ208に空気を吸い込む。その結果、ポンプチェインバ208内に陰圧が作り出される。参考までに、
図16に、アクチュエータ222が作動した後の機械式ポンプアセンブリ200を示す。
【0050】
機械式ポンプアセンブリ200はまた、近位端202に設けられたノズル224を含む。
図16及び
図17に引き続き注目すると、ノズル224は、ノズル224を少なくとも部分的に囲むシュラウド226によって受入れられてもよい。図示された実施形態におけるシュラウド226は、プランジャ形状である。
【0051】
シュラウド226は、機械式ポンプアセンブリ200の近位端202に設けられてもよい。シュラウド226は、機械式ポンプ206と機械式ポンプアセンブリ200が接続されるべき物体との間の流体密封を可能にするために十分な柔軟性と剛性をもたらす任意の数の材料で作られてよい。
【0052】
機械式ポンプアセンブリ200は、
図22に示されるように、シュラウド226なしで使用することができ、又は特定の状況においてシュラウド226を具えないことがあることに留意されたい。シュラウド226が用いられる場合、シュラウド226は、
図24に示され、以下により詳細に記載されるように、陰圧アセンブリ218のドレープ40’と接してもよい。さらに、シュラウド226は、囲まれた空間60’とポンプチェインバ208の間に流体的工学に設けられ得る内部体積228を画定する。
【0053】
図16及び
図17に示されるように、シュラウド226は、シーリングリップ232、バレル部234、カップ部236、及び接合領域238を含む。シーリングリップ232、バレル部234、カップ部236、及び接合領域238は、全て同じ材料(複数可)で作られてもよい。代替的に、シーリングリップ232、バレル部234、カップ部236、及び接合領域238は、互いに異なる材料から作られてもよい。
【0054】
シーリングリップ232は、ドレープ40’と接し、シーリングリップ内径232a及びシーリングリップ外径232bを画定する。シーリングリップ内径232a及びシーリングリップ外径232bは、近位-遠位軸方向に延びる場合、均一な直径であってもよい。シーリングリップ232は、ドレープ40’及び/又は化学式ポンプハウジング214に直接接する係合面232cを含んでもよく、これにより、機械式ポンプアセンブリ200と、化学式ポンプアセンブリ216の化学式ポンプハウジング214の内側チェインバ212又は陰圧アセンブリ218の囲まれた空間60’の間が確実に好ましい流体連通となる。
【0055】
バレル部234は、バレル部内径及びバレル部外径を画定する。バレル部内径及びバレル部外径は、近位-遠位軸方向に延びる場合、それぞれ均一な直径を維持してもよい。バレル部234は、シーリングリップ232に対してシュラウド226の反対側に設けられ、シーリングリップ232の係合面232cに対して反対方向に向く取付け面234aを含んでもよい。取付け面234aは、機械式ポンプ206と直接接してもよい。取付け面234aは、機械式ポンプ206からわずかにオフセットされていてもよい。ノズル224は、シュラウド226に受入れられ、シュラウド226のバレル部234の内径に直接接する。
【0056】
カップ部236は、シーリングリップ232とバレル部234の間に設けられる。カップ部236は、シーリングリップ232からバレル部234に向かって延びるときにサイズが減少するカップ部外径を画定する。さらに、カップ部236は、シーリングリップ232との接合部においてカップ部最大外径を画定する。さらに、カップ部236は、接合領域238との接合部において、カップ部最小外径を画定する。さらに、カップ部最小外径は、バレル部外径との接合部においてバレル部外径より大きい、又は等しい。
【0057】
最後に、接合領域238は、バレル部234とカップ部236の間に設けられる。さらに、接合領域238は、バレル部234からカップ部236に延びるときにサイズが大きくなる接合領域外径238aを画定する。しかしながら、シーリングリップ外径232bは、接合領域外径238aよりも大きい。
【0058】
シュラウド226の前述のレイアウト、より詳細には、シュラウド226を構成する構成要素には、多数の利点がある。例えば、シュラウド226は、以下により詳細に記載するように、バルブ244(
図21及び24)を貫通せず、それによって、望ましくない物質が内側チェインバ212又は囲まれた空間60’に入るリスクが最小となる。さらに、以下でも詳述するように、コンパクトなサイズによって、バルブ244と確実に容易かつ良好に流体係合するので、内側チェインバ212及び囲まれた空間60’から空気を容易かつ迅速に抜くことができる。
【0059】
機械式ポンプアセンブリ200は、様々な構成要素とともに利用され得る。例えば、
図21及び22に示されるように、機械式ポンプアセンブリ200は、リアクタ242を含む化学式ポンプアセンブリ216の化学式ポンプハウジング214とともに利用され得る。リアクタ242は、上述した化学式ポンプ82と同様のものであってよい。
図22に示されるように、機械式ポンプアセンブリ200は、化学式ポンプハウジング214のバルブ244と協働して、内側チェインバ212内及び内側チェインバ212と流体連通している手当て部材の下に所望の陰圧をもたらす。
【0060】
図18乃至22を参照して、化学式ポンプアセンブリ216の化学式ポンプハウジング214は、内側チェインバ212を画定する少なくとも1つの壁256を含む。少なくとも1つの壁256は、上壁258、下壁262、及び少なくとも1つの側壁264を含んでよい。上壁258は、内側チェインバ212によって下壁262から間隔をあけて配置される。
図19に示されるように、下壁262は、バルブ244を受入れるための開口部266を画定してもよいが、開口部266及びバルブ244は、化学式ポンプハウジング214の他の場所及び他の壁上に配置されてもよい。
【0061】
上壁258は、上壁外面258a及び上壁内面258bを含んでもよい。更に、下壁262は、下壁外面262a及び下壁内面262bを含んでもよい。図示されるように、下壁内面262bは、下壁外面262aとは反対の方向であって、上壁外面258aと同じ方向に面する。プルタブ252を受け入れるために、スリット248が上壁258に設けられてもよい。
【0062】
図18に示されるように、プルタブ252は、第1プルタブ252a及び第2プルタブ252bを含んでもよい。一実施形態では、第1プルタブ252a及び第2プルタブ252bは別個の要素であるが、別の実施形態では、第1プルタブ252a及び第2プルタブ252bは接続又は一体化されてもよい。
【0063】
リアクタ242は、内側チェインバ212内に設けられている。さらに、第1プルタブ252aは、内側チェインバ212からスリット248を通って空気中に延び、取外し可能層254が取除かれるまでリアクタ242を保護するために、取外し可能層254がプルタブ252に接続される。リアクタ242は、空気中の選択されたガスと反応するように構成され、リアクタ242が空気にさらされたときに選択されたガスを消費する。図示された実施形態では、リアクタ242は、空気中の選択されたガス、例えば、酸素と反応するように構成されている。
【0064】
図示された実施形態における細長いスリット248は、化学式ポンプアセンブリ216の化学式ポンプハウジング214に設けられている。スリット248が覆われていないと、内側チェインバ212は周囲に露出される。プルタブ252は、内側チェインバ212からスリット248を通って周囲に延びる。
【0065】
取外し可能層254を含むパケット268は、パケット268から取外し可能層254を取除いた後までリアクタ242が周囲に露出されないように、リアクタ242を覆う。パケット268は、リアクタ242の周囲を密封するホイルパケット268であってもよい。第1プルタブ252aは、スリット248を通って延び、取外し可能層254に接続される。第1プルタブ252aは、第1プルタブ252aをスリット248から取除くために引っ張られてもよい。
【0066】
第1プルタブ252aがスリット248を通って引っ張られると、取外し可能層254が、スリット248を通ってパケット268から、及び所望により内側チェインバ212から取除かれ、リアクタ242が周囲に露出される。取外し可能層254が取除かれた後、リアクタ242は、内側チェインバ212内の選択されたガス、例えば、酸素と反応し始める。第1プルタブ252aは、以下により詳細に記載するように、手当て部材14’に接続した後に取除くことが好ましい。しかしながら、第1プルタブ252aは、ポンプアセンブリを手当て部材14’に貼り付ける前に取除かれてもよい。
【0067】
第2プルタブ252bは、上壁外面258aの一部を覆って配置され、付着された薄膜282に接続される。薄膜282はフラップ284を含み、
図22に示されているように、スリット248はフラップ284の下に設けられる。第2プルタブ252bは、フラップ284の下面に設けられた剥離層286(
図18に破線で図示)に接続される。剥離層286は、薄膜282の下面に設けられた接着剤を覆う。第2プルタブ252bが引っ張られると、第2プルタブ252bは、剥離層286をフラップ284から切り離し、フラップ284の下面に設けられた接着剤が露出される。その後、フラップ284は、上壁外面258aに向かって移動し、上壁外面258aの残りの部分を覆い、その結果、スリット248も覆われる。その結果、内側チェインバ212は、スリット248を介して周囲に露出しなくなる。薄膜282がスリット248を覆うと、リアクタ242は、手当て部材の下の囲まれた空間60、60’の中の選択されたガスと反応し、ホース62’を介して手当て部材に既に接続されている場合、閉鎖系を作り出す。したがって、減圧されると閉ざされた空間が出来上がる。内側チェインバ212が陰圧下にあるとき、薄膜282は、内側チェインバ212に向かってスリット248を通って引き込まれる。このように、スリット248と協働する薄膜282は、内側チェインバ212が陰圧下であることをユーザに示すことができる。また、スリット248の近傍の薄膜282に、例えば、直線、十字などのインジケータ290を設けて、陰圧のさらなる表示を行ってもよい。
【0068】
図18乃至22に示されるように、化学式ポンプアセンブリ216の化学式ポンプハウジング214は、ホース継手274をさらに含んでもよい。ホース継手274は、管状であってもよく、内側チェインバ212と連通する通路を含む。一実施形態では、ホース継手274は、化学式ポンプハウジング214のスリット248とは反対側に設けられる。ホース継手274は、化学式ポンプハウジング214の凹部に設けられてもよいが、ホース継手274は、化学式ポンプハウジング214の任意の面に設けられ得る。
【0069】
ホース62’は、ポンプアセンブリを手当て部材14’に接続するために、ホース継手274に取り付けられる。
図20に示されるように、化学式ポンプアセンブリ216の化学式ポンプハウジング214は、複数の手当て部材に同時に接続されてもよい。特に、ホース62’は、化学式ポンプハウジング214を手当て部材14’及び第2手当て部材188に同時に接続するために、Y字型継手186を含んでもよい。
図20は、単に接続を概略的に示しているに過ぎず、決して限定的なものではないことに留意されたい。例えば、化学式ポンプハウジング214は、
図23及び24に示されるように、手当て部材に接続されてもよい。
【0070】
図19、21及び22を参照して、バルブ244は、内側チェインバ212と流体連通するように、化学式ポンプハウジング214に設けられる。代替的に、バルブ244は、
図23及び24に示されるように、ドレープ40’に設けられてもよい。参考までに、化学式ポンプハウジング214に設けられたバルブ244と、ドレープ40’に設けられたバルブ244は、構造が同じである。分かりやすくするために、まず、化学式ポンプハウジング214に設けられたバルブ244について説明する。
【0071】
バルブ244は、開口部266をふさぐための少なくとも1つの可動要素244a、少なくとも1つの壁256と同一平面上にある取付部244bを含む。バルブ244の取付部244bは、バルブ244を化学式ポンプハウジング214の下壁262に取付けるために、下壁262と直接接してもよい。取付部244bはまた、
図19、21、及び22に示されるものよりもさらに内側チェインバ212の中に凹む、すなわち、受入れられてもよく、又はボスが開口部266の周りで下壁外面262aから延びてもよい。バルブ244を内側チェインバ212に凹ませる、又は開口部266をボスで囲むことによって、機械式ポンプアセンブリ200の作動時に、
図24に示されるのと同様に、ドーム形状に向かって移動する際に、可動要素244aは、接触から保護される。本明細書で述べたように、開口部266は、化学式ポンプハウジング214の下壁262に設けられてもよい。しかしながら、開口部266、ひいてはバルブ244は、本開示の範囲から逸脱することなく、化学式ポンプハウジング214の他の壁(例えば、上壁258、少なくとも1つの側壁264)に設けられてもよいことが理解されるであろう。
【0072】
バルブ244は、上壁内面258bと下壁外面262aの間の距離が上壁内面258bとバルブ244の間の距離より大きくなるように下壁262に受入れられてもよい。さらに、バルブ244の可動要素244aと上壁258の間の距離は、取付部224bと上壁258の間の距離より小さい。
【0073】
可動要素244aは、少なくとも1つの壁256の外面を越えて外側に突出しないように設けられる。例えば、少なくとも1つの壁256は、下壁262であってよい。バルブ244のこのような向きには、多数の利点がある。例えば、この向きでは、バルブ244が誤って作動されることはない。さらに、バルブ244が化学式ポンプハウジング214の外部の物体に不用意に接触する危険性が低減される。
【0074】
図23及び24に注目すると、手当て部材14’が示されている。参考までに、
図23及び24の手当て部材14’は、特に断りのない限り、
図2に示された手当て部材14と同様である。注目すべきは、
図23及び24の手当て部材14’の開口部48が、
図2の継手44と比較して、
図18乃至22を参照して先に説明したバルブ244を含むことである。さらに、
図23及び24の手当て部材14’は、バルブ244をドレープ40’に取付けるようにバルブ244を取り囲むボス278を含んでもよい。ボス278により、配置がさらに構造的に安定し、バルブ244の十分な凹部となり、可動要素244aを外部接触による干渉から保護する。故に、ボス278は、ドレープ40’のドレープトップ52’と接してもよい。これらが主な相違点であるので、
図23及び24の省略された説明のみがなされる。
図23及び24は、特にドレープ40’が薄膜から作られ得ることを考慮すると、模式的であり、縮尺通りに示されていないことは明らかである。
【0075】
陰圧アセンブリ218は、患者の手当て部位を覆うためのドレープ40’を含む。陰圧アセンブリ218は、減圧されて皮膚Sに対して密閉されると、ドレープ40’の下を陰圧に維持することが可能である。この真空は、化学式ポンプハウジング214及び/又は機械式ポンプ206によってもたらされてもよい。陰圧アセンブリ218はまた、皮膚Sに当てられると、ドレープ40’と協働して、囲まれた空間60’を画定するシール要素46を含む。囲まれた空間60’は、ドレープ40’によって覆われ、シール要素46によって囲まれる。
【0076】
図19、21及び22に示されるバルブ244と同様に、
図23及び24に示されるバルブ244は、ガスがバルブ244を通って囲まれた空間60’から出る第1作動状態と、ガスがバルブ244を通って囲まれた空間60’に入る又は出ることが妨げられる第2作動状態を有する。バルブ244は、ガスが内側チェインバ212/囲まれた空間60’から取除かれることを可能にする一方で、ガスが内側チェインバ212/囲まれた空間60’に入ることを防ぐために、予め定められた圧力で開き(すなわち、密閉されてない状態又は第1作動状態)、その後閉じる(すなわち、密閉された状態又は第2作動状態)。注目すべきは、作動圧力になると、バルブ244が開き、ガスが流れることを可能にすることである。そしてまた、作動圧力ではなくなった場合、バルブ244は自動的に閉じ、内側チェインバ212/囲まれた空間60’の中又は外へのガスの動きが止まる。
【0077】
バルブ244は、曲がりくねっていない流路を有し、双方向の流れを可能にしてもよい。さらに、バルブ244は、例えば、シリコーン、炭化水素耐性フルオロシリコーンゴム、フルオロエラストマー、及びパーフルオロエラストマーを含む様々なエラストマー材料で作られてもよい。さらに、バルブ244は、可動要素244aに様々なカット246を含み、そこを通るガスの通過(すなわち、周囲と内側チェインバ212/囲まれた空間60’の間の連通)を可能にしてもよい。例えば、バルブ244が単一のカット又は複数のカットを有し得ることが想定される。さらに、カット246は、直線、曲線、形状、又はそれらの組み合わせを規定し得る。例えば、カットは、Xまたは十字の形状であってもよい。
【0078】
例示に過ぎないが、バルブ244はXカットを含み、50デュロメータシリコーン材料で作られてもよく、それによってバルブ244は約60mmHgで開き(すなわち、密閉されていない状態)、約55mmHgで閉じる(すなわち、再び密閉された状態)ことができる。代替的に、バルブ244は、Xカットを有する60デュロメータシリコーン材料で作られ、約120mmHgで開き、約85mmHgで閉じることも可能である。Xカットの場合、バルブ244は非常にゆっくりと圧力が低下し、作動後にXが完全に再整列しない可能性がある。
【0079】
決して限定するものではないが、別の例として、バルブ244は、3.85mm長の単一のカットを有し、60デュロメータシリコーン材料で作られてもよい。これにより、バルブ244は180mmHgで開き、バルブ244は優れた再密封性を示す。別の非限定的な例では、60デュロメータシリコーン材料を用いた単一の2.55mmのスリットを有するバルブ244であってもよい。これにより、バルブ244は220mmHgで開いてもよい。
【0080】
図21及び22に示されるように、機械式ポンプ206のポンプチェインバ208は、バルブ244を介して内側チェインバ212に流体接続可能であり、内側チェインバ212からポンプチェインバ208に空気を吸い込むことができる。さらに、機械式ポンプ206は、バルブ244が機械式ポンプ206を貫通しないように内側チェインバ212と流体連通したときに、内側チェインバ212からポンプチェインバ208に空気を吸い込むように構成される。
図21に示されるように、機械式ポンプ206は、機械式ポンプ206がバルブ244を貫通しないように内側チェインバ212と流体的に接続されたときに、内側チェインバ212からポンプチェインバ208に空気を吸い込むように構成される。
【0081】
図24を参照して、機械式ポンプ206及び機械式ポンプアセンブリ200のポンプチェインバ208は、バルブ244が第1作動状態にあるとき、バルブ244を介して囲まれた空間60’に流体的に接続可能である。機械式ポンプ206は、少なくとも1つの可動要素244aからずらされている一方で、囲まれた空間60’と流体的に接続し、囲まれた空間60’から機械式ポンプアセンブリ200のポンプチェインバ208に空気を吸い込むように構成される。さらに、機械式ポンプ206は、機械式ポンプアセンブリ200がバルブ244を貫通しないように囲まれた空間60’と流体的に接続されたときに、囲まれた空間60’からポンプチェインバ208に空気を吸い込むように構成されている。
【0082】
以下、陰圧治療を実現するための方法について説明する。ドレープ40’は、患者の手当て部位28を覆うように当てられてもよく、ドレープ40’は、患者の皮膚Sに対して密閉され、ドレープ40’によって覆われた囲まれた空間60’を画定し、化学式ポンプを作動させて、囲まれた空間60’の中の選択されたガスを消費させてもよい。
【0083】
本方法には、双方向バルブ244を介して囲まれた空間60’と機械式ポンプアセンブリ200が流体的に接続するように機械式ポンプアセンブリ200を配置すること、機械式ポンプ206の全ての部分が双方向バルブ244から間隔を空けて配置された機械式ポンプ206を用いて囲まれた空間60’から空気を減少させることも含んでもよい。さらに、空気が囲まれた空間60’から減少するとき、双方向バルブ244は機械式ポンプ206を貫通せず、空気が囲まれた空間60’から減少するとき、機械式ポンプ206は双方向バルブ244を貫通しない。
【0084】
図25には、機械式ポンプアセンブリ300と化学式ポンプアセンブリ302とが一緒に設けられている実施形態が示されている。化学式ポンプアセンブリ302は、上述の化学式ポンプアセンブリ216と非常に多くの側面において類似しており、そのため、化学式ポンプアセンブリ302については一部省いて説明される。化学式ポンプアセンブリ302は、化学式ポンプハウジング304を含む。上述したスリット248と同様のスリット306が、化学式ポンプハウジング304に設けられる。また、ホース継手308が、化学式ポンプハウジング304に設けられ、化学式ポンプハウジング304の内側チェインバ312と流体連通する。
【0085】
上述したリアクタ242と同様のリアクタ320が、内側チェインバ312内に設けられる。リアクタ320は、ガスを消費するように、空気中のガスと反応するように構成される。図示された実施形態では、リアクタ320は、取外し可能層324を含むパケット322内に密封されている。第1プルタブ330は、周囲からスリット306を通って延び、取外し可能層324と接続される。第1プルタブ330は、パケット322から取外し可能層324を取除くようにスリット306を通って引っ張られてもよく、こうしてリアクタ320を内側チェインバ312内の空気にさらすことができる。
【0086】
薄膜332が化学式ポンプハウジング304の外側に設けられる。薄膜332はフラップ334を含み、フラップの下面には、フラップの下面の接着剤を覆うように、剥離層(
図25では見えない。)が設けられる。第2プルタブ336は、フラップ334上の剥離層と接続される。第2プルタブ336を引っ張ると、剥離層が取除かれ、その結果、フラップ334上の接着剤が露出される。接着剤が露出した状態で、上述の化学式ポンプアセンブリ216と同様の方法で、フラップ334をスリット306の上に持ってくることができる。
【0087】
図25に示される実施形態では、化学式ポンプアセンブリと機械式ポンプアセンブリが組合わされた単一ユニットが示されている。
図25に示された実施形態にはまた、少なくとも1つの可動要素352を含むバルブ350が含まれる。しかしながら、バルブ350は、
図19に示されているバルブ242のようにハウジングの外部に露出されるのとは対照的に、内側チェインバ312内に設けられる。機械式ポンプアセンブリ300は、手当て部材を
図25に示されたアセンブリに接続する継手308にホース(
図20のホース62’と同様)が設けられると、手当て部材(
図3に示された手当て部材14と同様)の下の囲まれた体積(例えば、
図3に示された囲まれた体積60を参照。)と流体接続可能なポンプチェインバ360を含んでいる。
【0088】
機械式ポンプアセンブリ300は、ポンプチェインバ360を画定する機械式ポンプハウジング362を含む。ピストン364は、ポンプチェインバ360を画定するように機械式ポンプハウジング362に設けられる。ピストン364は、従来の方法でロッド366と接続されてよい。図示された実施形態ではばね368であるバイアス機構は、ピストン364を偏らせるように作用して、ポンプチェインバ360を(
図25に示されているように左側に)拡張させる。
【0089】
機械式ポンプアセンブリ300を作動させるために、アクチュエータ380が設けられ、アクチュエータ380は、化学式ポンプハウジング304に気密に接続された弾力性カバー382によって覆われたボタンであってもよい。
図25に示されるように、機械式ポンプアセンブリ300は、作動前、故に、囲まれた空間(例えば、
図3における囲まれた空間60)から空気を吸い込む前が示されている。アクチュエータ380は、ロッド366と作動可能に接続されている。アクチュエータ380の作動、例えば、アクチュエータ380をバネ368のバイアス力に抗して(
図25に示される向きで)右に押すと、アウトレット・エア・ライン388を介して周囲と接続されているアウトレット・バルブ386によって、ポンプチェインバ360から空気が排出させられる。アクチュエータ380に力を加えるのをやめると、ばね368は、ピストンを(
図25に示される向きで)左に偏らせる。従って、内側チェインバ312及び囲まれた体積(例えば、
図3の囲まれた空間60を参照。)内の空気は、ポンプチェインバ360内に吸い込まれ、従って、手当て部材の下が減圧される。その後、手当て部材の下の圧力が所望の圧力に達するまで、アクチュエータ380を再び作動させてもよい。リアクタ320は、次に、例えば、酸素のような選択されたガスを、内側チェインバ312及び手当て部材の下の囲まれた空間からさらに取除いてもよい。
【0090】
機械式ポンプアセンブリ300は、
図25において、化学式ポンプハウジング304の内部に示されている。代替的に、機械式ポンプアセンブリ300は、化学式ポンプハウジング304と接続されているが、その外部に設けられてもよい。また、手当て部材の下の圧力が低すぎることを避けるべく、必要に応じて圧力を解放するためのリリーフバルブ(上述の化学式ポンプハウジング80上のリリーフバルブ148と同様)が化学式ポンプハウジング304に設けられてもよい。
【0091】
上記の開示された様々な実施形態、他の特徴及び機能、又はその代替物若しくは変形物は、望ましくは、他の多くの異なるシステム又はアプリケーションと組合わされ得ることが理解されるであろう。また、その中の様々な現在予見されていない若しくは予想されていない代替案、修正、変形又は改良が、その後、当業者によってなされ得ることも、以下の特許請求の範囲に包含されることが意図されている。