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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-20
(45)【発行日】2025-03-03
(54)【発明の名称】Sセルを組み込んだコールドプレート
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/473 20060101AFI20250221BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20250221BHJP
   H01L 25/18 20230101ALI20250221BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20250221BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20250221BHJP
【FI】
H01L23/46 Z
H01L25/04 C
H05K7/20 N
H05K7/20 F
H02M7/48 Z
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023130268
(22)【出願日】2023-08-09
(65)【公開番号】P2024028177
(43)【公開日】2024-03-01
【審査請求日】2024-11-13
(31)【優先権主張番号】17/820,956
(32)【優先日】2022-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100167461
【弁理士】
【氏名又は名称】上木 亮平
(72)【発明者】
【氏名】フォン チョウ
(72)【発明者】
【氏名】請川 紘嗣
【審査官】栗栖 正和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0210477(US,A1)
【文献】特開2018-022792(JP,A)
【文献】特開昭52-135678(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0152510(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0209133(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0286602(US,A1)
【文献】米国特許第5100737(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/473
H01L 25/07
H05K 7/20
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コールドプレートであって、
グラファイト又はグラファイト複合材料を備える本体を有するSセルであって、前記本体はパワーデバイスの凹部を画定し、前記Sセルは前記コールドプレートのキャビティ内に配置される、Sセルと、
前記Sセルを前記キャビティの基壁に接合する接合材と、
を備えるコールドプレート。
【請求項2】
前記Sセルの前記本体は、長さ、幅、及び奥行きを備え、前記Sセルの長さ及び奥行きは、前記Sセルの前記幅に対して高い熱伝導率を有する、
請求項1に記載のコールドプレート。
【請求項3】
前記Sセルの前記本体は、長さ、及び幅を備え、前記長さは前記幅よりも大きい、
請求項1に記載のコールドプレート。
【請求項4】
前記Sセルの前記本体の前記グラファイト複合材料は、グラファイトと、このグラファイトを少なくとも部分的に取り囲む金属部分と、を備える、
請求項1に記載のコールドプレート。
【請求項5】
前記金属部分は、前記グラファイトを完全に取り囲む、
請求項4に記載のコールドプレート。
【請求項6】
前記金属部分は、銅又は銅含有材料で形成される、
請求項4に記載のコールドプレート。
【請求項7】
前記接合材は、電気絶縁材料を備える、
請求項1に記載のコールドプレート。
【請求項8】
前記電気絶縁材料は、誘電体材料である、
請求項7に記載のコールドプレート。
【請求項9】
前記誘電体材料は、絶縁金属基板材料である、
請求項8に記載のコールドプレート。
【請求項10】
前記コールドプレートは、流体室、流体入口、及び流体出口をさらに備え、
前記流体入口及び前記流体出口は、前記流体室に熱的に結合される、
請求項1に記載のコールドプレート。
【請求項11】
パワーエレクトロニクスデバイスアセンブリであって、
キャビティを画定するコールドプレートであって、
前記コールドプレートの前記キャビティ内に配置されるSセルであって、前記Sセルはグラファイト又はグラファイト複合材料を含む本体を有し、前記本体はパワーデバイスの凹部を画定する、Sセルと、
前記Sセルを前記キャビティの基壁に接合する接合材と、
を備えるコールドプレートと、
前記Sセルの前記パワーデバイスの凹部内に埋め込まれるパワーエレクトロニクスデバイスと、
を備えるパワーエレクトロニクスデバイスアセンブリ。
【請求項12】
前記パワーエレクトロニクスデバイスは、前記パワーデバイスの凹部の1つ以上の表面に焼結される、
請求項11に記載のパワーエレクトロニクスデバイス。
【請求項13】
前記Sセルの前記本体は、長さ、幅、及び奥行きを備え、前記Sセルの長さ及び奥行きは、前記Sセルの前記幅に対して高い熱伝導率を有する、
請求項11に記載のパワーエレクトロニクスデバイスアセンブリ。
【請求項14】
前記Sセルの前記本体は、長さ、及び幅を備え、前記長さは前記幅よりも大きい、
請求項11に記載のパワーエレクトロニクスデバイスアセンブリ。
【請求項15】
前記Sセルの前記本体は、前記グラファイト又はグラファイト複合材料を部分的に取り囲む金属部分をさらに備える、
請求項11に記載のパワーエレクトロニクスデバイスアセンブリ。
【請求項16】
前記接合材は、絶縁金属基板材料を備える、
請求項11に記載のパワーエレクトロニクスデバイスアセンブリ。
【請求項17】
パワーエレクトロニクスシステムであって、
回路基板アセンブリと、
前記回路基板アセンブリに結合されたパワーエレクトロニクスデバイスアセンブリであって、
キャビティを画定するコールドプレートであって、
前記コールドプレートの前記キャビティ内に配置されるSセルであって、前記Sセルはグラファイト又はグラファイト複合材料を含む本体を有し、前記本体はパワーデバイスの凹部を画定する、Sセルと、
前記Sセルを前記キャビティの基壁に接合する接合材と、
を備えるコールドプレートと、
前記Sセルの前記パワーデバイスの凹部内に埋め込まれるパワーエレクトロニクスデバイスと、
を備えるパワーエレクトロニクスデバイスアセンブリと、
を備えるパワーエレクトロニクスシステム。
【請求項18】
前記コールドプレートは、その第1表面に前記回路基板アセンブリに結合され、
コンデンサが、前記コールドプレートの前記第1表面とは反対側の第2表面に結合される、
請求項17に記載のパワーエレクトロニクスシステム。
【請求項19】
前記Sセルの前記本体は、長さ、幅、及び奥行きを備え、前記Sセルの長さ及び奥行きは、前記Sセルの前記幅に対して高い熱伝導率を有する、
請求項17に記載のパワーエレクトロニクスシステム。
【請求項20】
前記Sセルの前記本体は、長さ、及び幅を備え、前記長さは前記幅よりも大きい、
請求項17に記載のパワーエレクトロニクスシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、概して、パワーエレクトロニクスアセンブリに関し、より具体的には、パワーエレクトロニクスアセンブリ用の冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車における電子機器の使用が増加しているため、電子システムをよりコンパクトにする必要がある。このような電子システムの構成要素の1つに、インバータのスイッチとして使用されるパワーエレクトロニクスデバイスがある。パワーエレクトロニクスデバイスでは、熱が発生するため、高い冷却要求がある。
【0003】
さらに、従来はシリコンで構成されていたパワーエレクトロニクスデバイスを現在は炭化ケイ素で構成する傾向がある。炭化ケイ素を使用すると、デバイスの設置面積が小さくなるため、熱流束が大きくなる。このような理由から、コンパクトなパッケージサイズを維持しながら、パワーエレクトロニクスデバイスの冷却を改善する必要性が生じている。
【発明の概要】
【0004】
或る態様では、コールドプレートは、グラファイト又はグラファイト複合材料の本体を持つSセル(S-cell)を含む。本体はパワーデバイスの凹部を画定する。Sセルは、コールドプレートのキャビティ内に配置される。コールドプレートは、Sセルをキャビティの基壁に接合する接合材をさらに含む。
【0005】
別の態様では、パワーエレクトロニクスデバイスアセンブリは、キャビティを画定するコールドプレートと、パワーエレクトロニクスデバイスと、を含む。コールドプレートは、コールドプレートのキャビティ内に配置されるSセルを含む。Sセルは、グラファイト又はグラファイト複合材料を含む本体を有する。本体は、パワーデバイスの凹部を画定する。コールドプレートは、Sセルをキャビティの基壁に接合する接合材をさらに含む。パワーエレクトロニクスデバイスは、Sセルのパワーデバイスの凹部内に埋め込まれる。
【0006】
さらに別の態様では、パワーエレクトロニクスシステムは、回路基板アセンブリと、回路基板アセンブリに結合されるパワーエレクトロニクスデバイスアセンブリと、を含む。パワーエレクトロニクスデバイスアセンブリは、キャビティを画定するコールドプレートと、パワーエレクトロニクスデバイスと、を含む。コールドプレートは、コールドプレートのキャビティ内に配置されるSセルを含む。Sセルは、グラファイト又はグラファイト複合材料を含む本体を有する。本体は、パワーデバイスの凹部を画定する。コールドプレートはまた、Sセルをキャビティの基壁に接合する接合材を含む。パワーエレクトロニクスデバイスは、Sセルのパワーデバイスの凹部内に埋め込まれる。
【0007】
本明細書で説明する態様及び実施形態によって提供されるこれらの特徴及び追加の特徴は、図面と併せて以下の詳細な説明を考慮することにより、より完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図面に記載された態様及び実施形態は、本質的に例示的かつ説明的であり、特許請求の範囲によって定義される主題を限定することを意図するものではない。例示的な実施形態に関する以下の詳細な説明は、同様の構造が同様の参照番号で示され、以下の図面と併せて読むと理解することができる。
図1図1は、本明細書で説明及び図示される1つ又は複数の実施形態による例示的なパワーエレクトロニクスシステムの概略斜視図である。
図2図2は、本明細書で説明及び図示される1つ又は複数の実施形態による、図1に図示されたパワーエレクトロニクスシステムの概略分解斜視図である。
図3図3は、本明細書で説明及び図示される1つ又は複数の実施形態による例示的なパワーエレクトロニクスシステムの概略断面図である。
図4図4は、本明細書で説明及び図示される1つ又は複数の実施形態による例示的なSセルの概略断面図である。
図5図5は、本明細書で説明及び図示される1つ又は複数の実施形態による、図4に図示されたSセルの概略斜視図である。
図6図6は、本明細書で説明及び図示される1つ又は複数の実施形態による、内部に埋め込まれた複数のSセルを有する例示的なコールドプレートの概略上面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書で説明する実施形態は、概して、Sセルを包含するコールドプレートを含むパワーエレクトロニクスデバイスアセンブリに結合された回路基板アセンブリを有するパワーエレクトロニクスシステムに向けられている。パワーエレクトロニクスデバイスは、Sセル内及び/又は回路基板アセンブリ内に埋め込むことができる。Sセルは、特に、パワーエレクトロニクスデバイスで発生する熱を移動させるための特定の熱伝導率を確保するために、サイズ及び形状が決められている。
【0010】
本開示のパワーエレクトロニクスデバイスアセンブリは、本明細書においてSセルと呼ばれる実装基材(mounting substrate)に貼り付けられるパワーエレクトロニクスデバイスを含む。以下に、より詳細に説明するように、Sセルは、パワーエレクトロニクスデバイスの底部電極をパワーエレクトロニクスデバイスアセンブリの他の構成要素から電気的に絶縁する電気絶縁層を含む。例えば、Sセルの一体型電気絶縁層は、電気的絶縁がSセル自体によって提供されるため、プリント回路基板とコールドプレートとの間の電気絶縁層の除去を可能にする。
【0011】
以下に、より詳細に説明するように、本開示のSセルは、コールドプレートに向かって熱流束の流れを促進するグラファイト層により、強化された放熱特性を提供する。本明細書で説明するSセルは、コンパクトなパッケージ内に、積層金属、グラファイト、及び1つ又は複数の電気絶縁層を含む。本明細書で説明するSセルのグラファイトは、等温プロファイルを持たないため、本明細書で説明するSセルは、適切な熱拡散を確保する目的で、特に形状及びサイズが決められている。より具体的には、2つの軸に沿って延びるSセルの一部は、比較的熱伝導率の低い第3の軸に沿って延びるSセルの一部に対して、熱伝導率の高い領域を画定することができる。その結果として得られるSセルの形状(例えば、矩形形状)は、熱伝導率の低い軸ではなく、熱伝導率の高い軸に沿って熱が拡散することを可能にする可能性があり、それによって、Sセル内の全体的な熱の拡散が改善され、及び/又は隣接するSセルへの熱の拡散が減少し、それによって、パワーエレクトロニクスシステム内の集中型Sセル(centralized S-cells)が過熱する問題を回避することができる。
【0012】
本明細書で説明するコールドプレート、パワーエレクトロニクスデバイスアセンブリ、回路基板アセンブリ、パワーエレクトロニクスシステムなどは、電気自動車やハイブリッド電気自動車などの電動化車両、任意の電気モータ、発電機、産業用工具、家庭用電化製品などに使用することができるが、これらに限定されるものではない。本明細書で説明する様々なアセンブリは、電気モータ、及び/又はバッテリに電気的に結合され得るとともに、直流(DC)電力を交流(AC)電力に変換するように動作可能なインバータ回路として構成され得る。
【0013】
本明細書で使用される「パワーエレクトロニクスデバイス」は、直流電力を交流電力に変換するために、及びその逆に変換するために使用されるあらゆる電気部品を意味する。実施形態は、AC-ACコンバータ、及びDC-DCコンバータの用途にも使用され得る。パワーエレクトロニクスデバイスの非限定的な例としては、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)、サイリスタ、及びパワートランジスタが挙げられる。
【0014】
本明細書で使用される「完全に埋め込まれる」という表現は、部品の各表面が基材によって取り囲まれている(surrounded)ことを意味する。例えば、パワーエレクトロニクスデバイスアセンブリが回路基板基材(circuit board substrate)によって完全に埋め込まれている場合、回路基板基材の材料が回路基板基材の各表面を覆っていることを意味する。部品の1つ又は複数の表面が露出している場合、部品は「部分的に埋め込まれている」ことになる。
【0015】
本明細書で使用される「Sセル」は、コールドプレートのキャビティ内に挿入される、パワーエレクトロニクスデバイスに固定されて動作可能な実装基材であり、金属層、グラファイト層、及び電気絶縁層のうちの1つ以上を含む。
【0016】
パワーエレクトロニクスデバイスアセンブリ、パワーエレクトロニクスシステム、及びコールドプレートの様々な実施形態を以下に詳細に説明する。可能な限り、同じ参照番号が、同じ又は同様の部品を参照するために図面全体を通して使用される。
【0017】
ここで図1及び図2を参照すると、例示的なパワーエレクトロニクスシステム100が、それぞれ組立図及び分解図で図示されている。図1及び図2によって図示されるパワーエレクトロニクスシステム100は、コールドプレート102、及び回路基板アセンブリ106を含む。図1及び図2には示されていないが、いくつかの実施形態では、接合層、又は熱グリース層が、コールドプレート102と回路基板アセンブリ106との間に配置されてもよい。コールドプレート102は、コールドプレート102のキャビティ103に結合又は埋め込まれ、及び/又は回路基板アセンブリ106の基板材料に結合又は埋め込まれるパワーエレクトロニクスデバイス140(図3参照)から熱流束を除去することができる任意のデバイスとすることができる。コールドプレートの非限定的な例としては、ヒートシンク、単相液体冷却、二相液体冷却、ベイパーチャンバー(vapor chamber)が挙げられる。図1及び図2は、単相液体冷却装置として構成されたコールドプレート102を図示している。コールドプレート102は、コールドプレート102内の流体室115に流体的に結合された流体入口132及び流体出口134を含む。図1及び図2では、流体入口132及び流体出口134がコールドプレート102の同じ側に図示されているが、本開示はそのような実施形態に限定されない。すなわち、他の実施形態では、流体入口132及び流体出口134は、他の面に配置されてもよい。例えば、図6では、流体入口132が第1表面上に、流体出口134が第1表面とは反対側の第2表面上に図示されている。図3を簡単に参照すると、リザーバ(図示せず)からの冷却液(移動矢印135として描かれている)は、流体入口132を通って流体室115に流入し、流体出口134を通って流体室115から流出し、冷却液から熱を除去するための熱交換器(図示せず)を通った後などにリザーバに戻される。図示しないが、冷却液135への熱伝達のための追加表面積を提供するために、流体室115にフィンを配列してもよい。
【0018】
再び図1及び図2を参照すると、回路基板アセンブリ106は、コールドプレート102の第1表面107に結合(例えば、貼り付け(affixed))されている。図1及び図2は、回路基板アセンブリ106が、コールドプレート102のスルーホール105、及び回路基板アセンブリ106のスルーホール109を介して配置された締結具101(例えば、ボルト及びナット)によって、コールドプレート102の第1表面107に貼り付けられている状態を示している。締結具101が使用される場合、コールドプレート102と回路基板アセンブリ106との間に配置される接合層は、回路基板アセンブリ106とコールドプレート102との間の熱抵抗を低下させるための放熱グリース層であってもよい。放熱グリースとして構成されたこのような接合層は、専用のスルーホールを有さないことに留意されたい。図1及び図2に示される実施形態は、追加の電気部品130(図3参照)がコールドプレート102に結合されている場合に、特に使用され得ることが理解されるべきである。このような部品が含まれない場合、以下に説明するように、スルーホール105,109及び締結具101を省略することができる。
【0019】
他の実施形態では、回路基板アセンブリ106は、はんだ層として構成されて間に配置される接合層104によってコールドプレート102の第1表面107に結合(例えば、貼り付け)される。例えば、回路基板アセンブリ106の底面は、回路基板アセンブリ106がはんだ層によってコールドプレート102の第1表面107に結合(例えば、貼り付け)されることを可能にする金属層を含むことができる。本開示の範囲から逸脱することなく、他の接合方法を利用することもできる。
【0020】
さらに他の実施形態では、回路基板アセンブリ106は、コールドプレート102上に直接3Dプリントされる(例えば、コールドプレート102の第1表面107上に3Dプリントされる)、3Dプリント層であってもよい。このような実施形態では、回路基板アセンブリ106の3Dプリント層が全体の熱抵抗を低減することを理解されたい。回路基板アセンブリ106をコールドプレート102に貼り付けるための他の付加的な製造プロセスもまた考えられ、本開示の範囲内に含まれる。
【0021】
さらに他の実施形態では、回路基板アセンブリ106は、コールドプレート102の第1表面107に積層されてもよい。さらに、回路基板アセンブリ106の様々な構成要素とパワーエレクトロニクスデバイスアセンブリ120(図3)との間に、レーザドリル加工を用いてビア接続を行ってもよい。すなわち、ビアは、積層回路基板アセンブリ106を貫通して、各導電層の上面及びパワーエレクトロニクスデバイスアセンブリ120のパワーデバイスまで穿設される。その後、ビアは電気めっき法により銅で充填され、部品間の電気的接続が確立される。
【0022】
次に図3を参照すると、例示的なパワーエレクトロニクスシステム100の断面図が図示されている。図示された実施形態では、追加の電気部品130がコールドプレート102の第2表面に結合(貼り付け)されている。非限定的な例として、追加の電気部品130は、例えば、インバータ回路のコンデンサとすることができる。他の実施形態では、追加の電気部品130は、コールドプレート102に取り付けられていなくてもよいことを理解されたい。
【0023】
回路基板アセンブリ106は、電気絶縁材料で作られた基材(substrate)111を含む。電気絶縁材料は、限定するものではないが、FR-4などのプリント回路基板の製造に使用される材料とすることができる。回路基板アセンブリ106は、埋め込まれた導電層110、及び複数のビア112(導電ビアとサーマルビアとの両方)をさらに含む。いくつかの実施形態では、回路基板アセンブリ106は、その中に完全に、又は部分的に埋め込まれた複数のパワーエレクトロニクスデバイスアセンブリ120も含むことができる。しかしながら、図3に示された実施形態は、本明細書でより詳細に説明されるように、コールドプレート102のキャビティ103内に配置されるSセル121内に埋め込まれたパワーエレクトロニクスデバイスアセンブリ120を示す。
【0024】
非限定的な例として、コールドプレート102は、電気自動車用のインバータ回路のための6つのSセル121、及び6つのパワーエレクトロニクスデバイスアセンブリ120を受容するための6つのキャビティ103をその中に含むことができる。しかしながら、用途に応じて任意の数のSセル及びパワーエレクトロニクスデバイスアセンブリを利用することができることを理解されたい。
【0025】
各パワーエレクトロニクスデバイスアセンブリ120は、コールドプレート102のキャビティ103内に受容されるSセル121と、Sセル121に結合(貼り付け)されるパワーエレクトロニクスデバイス140と、を含む。上述のように、Sセル121は、パワーエレクトロニクスデバイス140が接合される基材である。Sセル121は、パワーエレクトロニクスデバイス140の底面の電極に接続するための導電性表面領域を提供する。Sセル121はさらに、電気的絶縁と同様に熱拡散機能を提供する。しかしながら、いくつかの実施形態では、本明細書でさらに詳細に説明するように、追加の電気絶縁層180をSセル121とコールドプレート102のキャビティ103の基壁(base wall)104との間に介在させて、追加の電気絶縁を提供することができる。
【0026】
非限定的な例として、Sセル121は、合計6つのSセル121が、コールドプレートの6つのキャビティ103の各々に配置されてもよい。さらに、パワー・エレクトロニクスデバイスアセンブリ120は、合計6つのパワーエレクトロニクスデバイスアセンブリ120が、6つのSセル121の各々に埋め込まれてもよい。従来の配置では、従来のSセルの形状及びサイズにより、Sセルの各々から均一な熱拡散が生じ、その結果、Sセル間、特に中央に位置するSセルにおいて熱拡散が生じ、それによりコールドプレートの全体的な冷却性能が低下していた。従って、本開示のSセル121は、以下に説明するように、熱流束が、隣接するSセルへの熱の拡散を回避する方向に向くように、特にその形状及びサイズが決められている。
【0027】
図4及び図5は、それぞれ、例示的なSセル121を示す断面図及び上面斜視図である。Sセル121は、複数の積層された層から形成される本体131を含む。特に、図4及び図5に示されるSセル121は、第1金属層122、グラファイト層124、及び第2金属層126を含む本体131を含む。第2金属層126は、グラファイト層に面する第1面125と、第1面125に対向する第2面128とを含み、第2面128は、その中にパワーエレクトロニクスデバイス140を受容するように寸法決めされた凹部127を有する。図4及び図5に示されるように、第1及び第2金属層122,126は、少なくとも部分的にグラファイト層124を取り囲んでいる。本明細書で使用される「グラファイト複合材料」という用語は、図4及び図5に示されるとともに本明細書で以下により詳細に説明されるように、グラファイトが金属によって少なくとも部分的に取り囲まれているような構造を包含することを意味する。以下に、より詳細に説明するように、第2金属層126は、パワーエレクトロニクスデバイス140の底面上の電極に電気的接続を行うために導電性ビアが接触し得る導電性表面を提供する。図4及び図5に示されるSセル121の様々な層は、単なる例示に過ぎないことを理解されたい。すなわち、例えば、Sセル121は、金属部分(例えば、1つ又は複数の金属層、金属シェル、金属ケーシングなど)によって少なくとも部分的に囲まれた1つ又は複数のグラファイト層を有してもよい。さらなる例では、Sセル121は、金属部分がその中に1つ又は複数のグラファイト層を封入するように、金属部分によって完全に取り囲まれている1つ又は複数のグラファイト層を含むことができる。これらの例のいずれもが、本明細書で使用される「グラファイト複合材料」という用語に包含される。
【0028】
非限定的な例として、Sセルの層は、接合層129(すなわち、活性金属ろう付け層(active metal brazing layers))を形成する高温活性金属ろう付け法(high-temperature active metal brazing method)によって一緒に接合されてもよい。しかしながら、種々の層は、他の既知の技術、及びまだ開発されていない技術を使用して接合され得ることを理解されたい。
【0029】
図4及び図5の実施形態における図示のSセル121は、グラファイト層124、及び一対の金属層(すなわち、第1金属層122及び第2金属層126)を含み、図5に示されるZ軸に沿って対称であるSセル121を提供することに留意されたい。Sセル121の対称性は、高温接合プロセス(high-temperature bonding process)中にSセルにかかる力のバランスをとる。第1及び第2金属層122,126とグラファイト層124とは、異なる熱膨張係数を有するので、接合プロセス中に熱的に誘発される応力のバランスをとるために、対称的な基材積層体(symmetrical substrate stack)であることが望ましい場合がある。
【0030】
第1及び第2金属層122,126は、任意の適切な金属、又は合金で作ることができる。銅、及びアルミニウムは、非限定的な例として、第1及び第2金属層122,126として使用され得る。さらに、本明細書で説明するグラファイト層を少なくとも部分的に、又は完全に取り囲むために使用される金属部分は、銅及び/又はアルミニウム(ただし、これらに限定されない)などの任意の適切な金属又は合金であってもよいことを理解されたい。
【0031】
図5の実施形態に示されるグラファイト層124は、Sセル121を横切る熱とコールドプレート102(図3)に向かう熱の両方の拡散を促すために設けられている。グラファイトの結晶構造は、グラファイトに高い熱伝導率を提供し、コールドプレート102に向かって熱流束を伝導するのに有用である。しかしながら、グラファイトは、等温プロファイルを持たない。むしろ、グラファイトは、2つの軸に沿って高い熱伝導率を有し、第3の軸では低い熱伝導率を有する非等温プロファイルを持つ。グラファイトの非等温プロファイルを考慮するため、Sセル121は、その長さ寸法が幅寸法よりも大きくなるような長方形の形状に設計されている。図5を参照すると、グラファイト層124は、図5に示されるX軸及びZ軸に沿って高い熱伝導率を有する。したがって、Sセル121は、X軸方向の寸法がY軸方向の寸法よりも大きくなるように設計される。すなわち、Sセル121の幅wは、一般に座標軸のY軸に対応し、Sセル121の長さlは、一般に座標軸のX軸に対応し、Sセル121の奥行きdは、一般にSセル121のZ軸に対応する。長さl及び幅wは、一般に、本明細書で説明するように、Sセル121に矩形形状を与える平面を規定し、さらに一般に、凹部127が配向される横方向の平面を規定する。奥行きdは一般にSセル121の厚さを規定し、さらに一般に、凹部127が配向される垂直方向の平面を規定する。
【0032】
Sセルの矩形形状及びグラファイトの特性により、Sセル121の長さl及び奥行きdは、比較的高い熱伝導率の方向を規定し、一方、Sセル121の幅wは、比較的低い熱伝導率の方向を規定する。非限定的な例では、X軸及びZ軸に沿った方向におけるSセル121の熱伝導率は約1500W/(mK)であり得る一方、y軸に沿った方向におけるSセル121の熱伝導率は約10W/(mK)であり得る。別の非限定的な例では、Y軸に対するX軸及びZ軸に沿った方向におけるSセル121の熱伝導率の比は、約100:1、約150:1、又は約150:1より大きい値であってもよい。その結果、熱流束は、Y軸に対してX軸及びZ軸に沿った方向に移動しやすくなり、したがって、Sセル121の長さl及び奥行きdに沿ってX軸及びZ軸に沿った方向に移動しやすくなる。この熱流束の移動により、熱流束がY軸に沿って隣接するSセル121に移動しにくくなり、隣接するSセル121が互いに過熱し合う問題を回避することができる。本明細書で、より詳細に説明するように、サーマルビアは、熱流束を受け取り、それをコールドプレート102に向かって移動させるために、X軸に沿ったSセルの縁部に設けることができる。熱流束はまた、Z軸に沿ってコールドプレート102に向かって移動する。
【0033】
Sセル121の第2金属層126は、その第2面128に形成された凹部127を有する。凹部127は、例えば、化学エッチングによって形成することができる。凹部127は、パワーエレクトロニクスデバイス140(例えば、図3及び図6参照)を受容するサイズ及び形状を有する。第2面128は、一般に、第1面125(第2金属層126の第1の主要面又は表面として構成される)とは反対側にある第2金属層126の第2の主要面又は表面とすることができる。すなわち、第2金属層126は、第1面125がグラファイト層124に面し、反対側の第2面128がパワーエレクトロニクスデバイス140及び回路基板アセンブリ106(図3)に面する平坦層とすることができる。
【0034】
図6は、Sセル121を含むパワーエレクトロニクスデバイス140及びコールドプレート102を含む、パワーエレクトロニクスデバイスアセンブリ146の部分分解図を示す。図6は、Sセル121の凹部127に対するパワーエレクトロニクスデバイス140及び接合層143を示す。接合層143は、例えば、はんだ層であってもよい。別の例として、接合層143は、液相拡散接合層(transient liquid phase bond layer)143であってもよい。パワーエレクトロニクスデバイス140は、その上面に複数の電極141,142を含む。大きい電極141は電源電極であってもよく、小さい電極142は信号電極であってもよい。図6では見えないが、パワーエレクトロニクスデバイス140は、その底面に1つ以上の電極をさらに含むことに留意されたい。パワーエレクトロニクスデバイスの底面上の1つ以上の電極は、凹部127にパワーエレクトロニクスデバイス140を配置することによって、第2金属層126に電気的に接続される。このように、パワーエレクトロニクスデバイス140の底面電極への電気的接続は、第2金属層126を経由して行うことができる。
【0035】
図3も参照すると、複数の電極141,142、及び第2金属層126への電気的接続は、複数のビア112によって行われる場合がある。これらのビア112は、パワーエレクトロニクスデバイス140に駆動信号を提供するとともに、スイッチング電流のための電流経路を提供することができる。いくつかの実施形態において、ビア112のいくつかは、駆動信号又はスイッチング電流を伝達しないサーマルビアとして構成されてもよいことに留意されたい。さらに、コールドプレート102のキャビティ103内にSセルが配置されることにより、本明細書で説明するように、パワーエレクトロニクスデバイス140からSセルを介してコールドプレートへの流束移動が可能になる。このようにして、熱流束はパワーエレクトロニクスデバイス140から離れ、Sセル121を介してコールドプレート102に向かって最適に誘導される。図3に示すように、冷たい冷却液135は流体入口132からコールドプレート102に流入し、流体室115を流れ、温められた冷却液として流体出口134から流出する。
【0036】
なお図3及び図6を参照すると、コールドプレート102のキャビティ103は、本明細書で説明するように、パワーエレクトロニクスデバイス140が埋め込まれる又はそれに結合されるSセル121を受容する形状及び/又はサイズにすることができる。Sセル121とコールドプレート102のキャビティ103の1つ又は複数の壁との間に接合材180を配置してもよい。例えば、Sセル121をキャビティ103内に固定するために、接合材180をキャビティ103の基壁104及び/又は1つ以上の側壁に適用することによって、Sセル121をキャビティ103内に接合することができる。接合材180は、概して、本開示によって限定されず、概して、接合特性を提供する任意の材料であってよい。いくつかの実施形態では、接合材180は、例えば誘電体のような電気絶縁体として作用する材料であってもよい。別の例では、接合材180はIMS誘電体材料であってもよい。しかしながら、電気絶縁特性を有する他の材料も考えられ、本開示の範囲内に含まれる。
【0037】
ここで、本開示の実施形態は、Sセルを含むコールドプレートを含むパワーエレクトロニクスデバイスアセンブリに結合された回路基板アセンブリを有するパワーエレクトロニクスシステムに向けられていることが理解されるべきである。パワーエレクトロニクスデバイスは、Sセル内及び/又は回路基板アセンブリ内に埋め込むことができる。Sセルは、グラファイト又はグラファイト複合材料から形成され、特に、Sセルの熱伝導性によって熱流束がコールドプレートに向かって移動し、隣接するSセルから離れる方向に移動するように寸法決めされる。このようなパワーエレクトロニクスシステムはコンパクトであり、Sセルを電気的に絶縁する能力を維持しながら熱伝導率を向上させ、それによりSセルからコールドプレートへの熱流束を改善し、従来のパッケージに比べてPCBの熱拡散及び冷却性能を向上させる。
【0038】
本明細書において、「実質的」及び「約」という用語は、任意の定量的な比較、値、測定、又は他の表現に起因し得る、内在する不確実性の程度を表すために利用され得ることに留意されたい。これらの用語はまた、本明細書において、定量的な表現が、問題となる主題の基本的な機能の変化をもたらすことなく、述べられた基準から変わり得る程度を表すために利用される。
【0039】
特定の実施形態が本明細書で図示及び記載されているが、様々な他の変更及び修正が、請求された主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく行われ得ることを理解されたい。更に、請求された主題の様々な態様が本明細書に記載されているが、このような態様は、組み合わされて利用される必要はない。したがって、添付の特許請求の範囲は、請求された主題の範囲内にある全てのこのような変更及び修正を包含することが意図される。
【0040】
特許請求の主題の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載された実施形態に様々な修正及び変更がなされ得ることは、当業者にとって明らかであろう。したがって、本明細書は、そのような修正及び変更が添付の特許請求の範囲及びその等価物の範囲内に入ることを条件として、本明細書に記載の様々な実施形態の修正及び変更を網羅することが意図される。
本明細書に開示される発明は以下の態様を含む。
<態様1>
コールドプレートであって、
グラファイト又はグラファイト複合材料を備える本体を有するSセルであって、前記本体はパワーデバイスの凹部を画定し、前記Sセルは前記コールドプレートのキャビティ内に配置される、Sセルと、
前記Sセルを前記キャビティの基壁に接合する接合材と、
を備えるコールドプレート。
<態様2>
前記Sセルの前記本体は、長さ、幅、及び奥行きを備え、前記Sセルの長さ及び奥行きは、前記Sセルの前記幅に対して高い熱伝導率を有する、
態様1に記載のコールドプレート。
<態様3>
前記Sセルの前記本体は、長さ、及び幅を備え、前記長さは前記幅よりも大きい、
態様1に記載のコールドプレート。
<態様4>
前記Sセルの前記本体の前記グラファイト複合材料は、グラファイトと、このグラファイトを少なくとも部分的に取り囲む金属部分と、を備える、
態様1に記載のコールドプレート。
<態様5>
前記金属部分は、前記グラファイトを完全に取り囲む、
態様4に記載のコールドプレート。
<態様6>
前記金属部分は、銅又は銅含有材料で形成される、
態様4に記載のコールドプレート。
<態様7>
前記接合材は、熱絶縁材料を備える、
態様1に記載のコールドプレート。
<態様8>
前記熱絶縁材料は、誘電体材料である、
態様7に記載のコールドプレート。
<態様9>
前記誘電体材料は、絶縁金属基板材料である、
態様8に記載のコールドプレート。
<態様10>
前記コールドプレートは、流体室、流体入口、及び流体出口をさらに備え、
前記流体入口及び前記流体出口は、前記流体室に熱的に結合される、
態様1に記載のコールドプレート。
<態様11>
パワーエレクトロニクスデバイスアセンブリであって、
キャビティを画定するコールドプレートであって、
前記コールドプレートの前記キャビティ内に配置されるSセルであって、前記Sセルはグラファイト又はグラファイト複合材料を含む本体を有し、前記本体はパワーデバイスの凹部を画定する、Sセルと、
前記Sセルを前記キャビティの基壁に接合する接合材と、
を備えるコールドプレートと、
前記Sセルの前記パワーデバイスの凹部内に埋め込まれるパワーエレクトロニクスデバイスと、
を備えるパワーエレクトロニクスデバイスアセンブリ。
<態様12>
前記パワーエレクトロニクスデバイスは、前記パワーデバイスの凹部の1つ以上の表面に焼結される、
態様11に記載のパワーエレクトロニクスデバイス。
<態様13>
前記Sセルの前記本体は、長さ、幅、及び奥行きを備え、前記Sセルの長さ及び奥行きは、前記Sセルの前記幅に対して高い熱伝導率を有する、
態様11に記載のパワーエレクトロニクスデバイスアセンブリ。
<態様14>
前記Sセルの前記本体は、長さ、及び幅を備え、前記長さは前記幅よりも大きい、
態様11に記載のパワーエレクトロニクスデバイスアセンブリ。
<態様15>
前記Sセルの前記本体は、前記グラファイト又はグラファイト複合材料を部分的に取り囲む金属部分をさらに備える、
態様11に記載のパワーエレクトロニクスデバイスアセンブリ。
<態様16>
前記接合材は、絶縁金属基板材料を備える、
態様11に記載のパワーエレクトロニクスデバイスアセンブリ。
<態様17>
パワーエレクトロニクスシステムであって、
回路基板アセンブリと、
前記回路基板アセンブリに結合されたパワーエレクトロニクスデバイスアセンブリであって、
キャビティを画定するコールドプレートであって、
前記コールドプレートの前記キャビティ内に配置されるSセルであって、前記Sセルはグラファイト又はグラファイト複合材料を含む本体を有し、前記本体はパワーデバイスの凹部を画定する、Sセルと、
前記Sセルを前記キャビティの基壁に接合する接合材と、
を備えるコールドプレートと、
前記Sセルの前記パワーデバイスの凹部内に埋め込まれるパワーエレクトロニクスデバイスと、
を備えるパワーエレクトロニクスデバイスアセンブリと、
を備えるパワーエレクトロニクスシステム。
<態様18>
前記コールドプレートは、その第1表面に前記回路基板アセンブリに結合され、
コンデンサが、前記コールドプレートの前記第1表面とは反対側の第2表面に結合される、
態様17に記載のパワーエレクトロニクスシステム。
<態様19>
前記Sセルの前記本体は、長さ、幅、及び奥行きを備え、前記Sセルの長さ及び奥行きは、前記Sセルの前記幅に対して高い熱伝導率を有する、
態様17に記載のパワーエレクトロニクスシステム。
<態様20>
前記Sセルの前記本体は、長さ、及び幅を備え、前記長さは前記幅よりも大きい、
態様17に記載のパワーエレクトロニクスシステム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6