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特許7638435備品情報提供システムおよび備品情報提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-20
(45)【発行日】2025-03-03
(54)【発明の名称】備品情報提供システムおよび備品情報提供方法
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/00 20060101AFI20250221BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20250221BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20250221BHJP
   A47F 10/02 20060101ALI20250221BHJP
   B65D 1/38 20060101ALI20250221BHJP
   B65D 25/00 20060101ALI20250221BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20250221BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20250221BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20250221BHJP
【FI】
G08B25/00 510M
H04N7/18 D
G06T7/00 660Z
A47F10/02
B65D1/38
B65D25/00
G07G1/00 331B
G06K7/10
G06K19/07 230
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2024502336
(86)(22)【出願日】2022-02-24
(86)【国際出願番号】 JP2022007619
(87)【国際公開番号】W WO2023162092
(87)【国際公開日】2023-08-31
【審査請求日】2024-07-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 嘉人
【審査官】神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-039716(JP,A)
【文献】特開2007-235668(JP,A)
【文献】国際公開第2012/120627(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/00 - 7/14
G06K 17/00
G08B 13/00 - 15/02
G08B 23/00 - 31/00
H04N 7/18
G06T 7/00
A47F 10/02
B65D 1/38
B65D 25/00
G07G 1/00
G06K 19/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設内で使用される備品に関する備品情報を前記施設の管理者に提供する備品情報提供システムであって、
前記施設内で使用される複数の備品にそれぞれ取り付けられ、対応する前記備品の識別情報を記憶する複数の無線タグと、
前記施設内に設置され、前記複数の無線タグから前記識別情報を含む信号を受信する、少なくとも1つの無線タグリーダと、
前記施設の出入口に設置され、前記出入口から出て行く人物を撮影するカメラと、
前記少なくとも1つの無線タグリーダと通信接続された第1のサーバと
前記カメラおよび前記第1のサーバと通信接続された第2のサーバとを備え、
前記少なくとも1つの無線タグリーダは、前記出入口に設置された第1の無線タグリーダを少なくとも含み、
前記第1のサーバは、前記複数の備品の各々の画像を、対応する前記識別情報と紐付けて記憶するための第1の記憶装置を備え、
前記第2のサーバは、前記カメラの撮影画像データを記憶するための第2の記憶装置を備え、
前記第1のサーバは、
前記少なくとも1つの無線タグリーダの前記信号の受信履歴に基づいて、第1の時刻における前記備品の在庫情報と、前記第1の時刻から所定時間が経過した第2の時刻における前記備品の在庫情報とを取得し、
前記第1の時刻における前記在庫情報と、前記第2の時刻における前記在庫情報とを比較することにより、前記所定時間中に前記施設から持ち出された前記備品の前記識別情報を検出し、
検出された前記識別情報を用いて、前記所定時間における前記少なくとも1つの無線タグリーダの前記信号の受信履歴から、前記施設から前記備品が持ち出された時刻である持ち出し時刻を推定し、
検出された前記識別情報を用いて、前記第1の記憶装置から、前記施設から持ち出された前記備品の画像を取得し、
前記第2のサーバは、
推定された前記持ち出し時刻における前記撮影画像データを、前記第2の記憶装置から取得し、
推定された前記持ち出し時刻における前記撮影画像データを、取得された前記備品の画像を用いて分析することにより、前記備品の画像を含んだ撮影画像を検出し、
前記第1のサーバは、
検出された前記撮影画像を含む前記備品情報を前記施設の管理者に提供する、備品情報提供システム。
【請求項2】
前記第1のサーバは、
前記第1の時刻における前記少なくとも1つの無線タグリーダの前記受信履歴に含まれる前記識別情報を、前記第1の時刻における前記在庫情報として取得し、
前記第2の時刻における前記少なくとも1つの無線タグリーダの前記受信履歴に含まれる前記識別情報を、前記第2の時刻における前記在庫情報として取得し、
前記第1の時刻における前記在庫情報に含まれる一方で、前記第2の時刻における前記在庫情報に含まれていない前記識別情報を、前記施設から持ち出された前記備品の前記識別情報として検出する、請求項1に記載の備品情報提供システム。
【請求項3】
前記第2のサーバにより検出された前記撮影画像は、前記施設から持ち出された前記備品の画像と、前記備品を前記施設から持ち出した人物の画像とを含む、請求項1または2に記載の備品情報提供システム。
【請求項4】
前記無線タグは、前記無線タグリーダからの電波により動作するパッシブタグである、請求項1から3のいずれか1項に記載の備品情報提供システム。
【請求項5】
前記施設は、商業施設であり、
前記備品は、買い物かごを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の備品情報提供システム。
【請求項6】
施設内で使用される複数の備品にそれぞれ取り付けられ、対応する前記備品の識別情報を記憶する複数の無線タグと、
前記施設内に設置され、前記複数の無線タグから前記識別情報を含む信号を受信する、少なくとも1つの無線タグリーダと、
前記施設の出入口に設置され、前記出入口から出て行く人物を撮影するカメラと、
前記少なくとも1つの無線タグリーダと通信接続された第1のサーバと、
前記カメラおよび前記第1のサーバと通信接続された第2のサーバとを備え、
前記少なくとも1つの無線タグリーダは、前記出入口に設置された第1の無線タグリーダを少なくとも含み、
前記第1のサーバは、前記複数の備品の各々の画像を、対応する前記識別情報と紐付けて記憶するための第1の記憶装置を備え、かつ
前記第2のサーバは、前記カメラの撮影画像データを記憶するための第2の記憶装置を備えたシステムにより、前記施設内で使用される備品に関する備品情報を前記施設の管理者に提供する備品情報提供方法であって、
前記第1のサーバが、前記少なくとも1つの無線タグリーダの前記信号の受信履歴に基づいて、第1の時刻における前記備品の在庫情報と、前記第1の時刻から所定時間が経過した第2の時刻における前記備品の在庫情報とを取得するステップと、
前記第1のサーバが、前記第1の時刻における前記在庫情報と、前記第2の時刻における前記在庫情報とを比較することにより、前記所定時間中に前記施設から持ち出された前記備品の前記識別情報を検出するステップと、
前記第1のサーバが、検出された前記識別情報を用いて、前記所定時間における前記少なくとも1つの無線タグリーダの前記信号の受信履歴から、前記施設から前記備品が持ち出された時刻である持ち出し時刻を推定するステップと、
前記第2のサーバが、検出された前記識別情報を用いて、前記第2の記憶装置から、前記施設から持ち出された前記備品の画像を取得するステップと、
前記第2のサーバが、推定された前記持ち出し時刻における前記撮影画像データを、取得された前記備品の画像を用いて分析することにより、前記備品の画像を含んだ撮影画像を検出するステップと、
前記第1のサーバが、検出された前記撮影画像を含む前記備品情報を前記施設の管理者に提供するステップとを備える、備品情報提供方法。
【請求項7】
前記第1の時刻における前記在庫情報と、前記第2の時刻における前記在庫情報とを取得するステップは、
前記第1の時刻における前記少なくとも1つの無線タグリーダの前記受信履歴に含まれる前記識別情報を、前記第1の時刻における前記在庫情報として取得するステップと、
前記第2の時刻における前記少なくとも1つの無線タグリーダの前記受信履歴に含まれる前記識別情報を、前記第2の時刻における前記在庫情報として取得するステップとを含み、
前記施設から持ち出された前記備品の前記識別情報を検出するステップは、前記第1の時刻における前記在庫情報に含まれる一方で、前記第2の時刻における前記在庫情報に含まれていない前記識別情報を、前記施設から持ち出された前記備品の前記識別情報として検出するステップを含む、請求項6に記載の備品情報提供方法。
【請求項8】
前記撮影画像を検出するステップは、前記撮影画像データから前記備品の画像を検出するステップを含む、請求項6に記載の備品情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、施設内で使用される備品に関する情報を提供する備品情報提供システムおよび備品情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2009-217364号公報(特許文献1)には、店舗内で使用される買い物かごが盗難されることを監視するシステムが開示されている。特許文献1に記載されるシステムでは、買い物かごには、買い物かごを識別するIDを含む無線信号を送信可能なICタグが取り付けられている。店舗内には、ICタグから送信された無線信号を受信可能な複数のセンサが設置されている。
【0003】
上記システムにおいて、監視装置は、全ての買い物かごに対応するIDが取得された場合には、買い物かごの盗難が発生していないと判定する。一方、何れかの買い物かごのIDが取得されていないと判定された場合には、監視装置は、盗難されたと判定された買い物かごのIDを取得したセンサの近傍に設けられたスピーカから買い物かごが盗難された旨の警報を発する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-217364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されるシステムによれば、買い物かごの盗難が発生したこと、および、盗難の発生位置を従業員が直ちに知ることができる。また、買い物かごが盗難された位置の周囲の買い物客にも盗難が発生したことを知らせることができるため、目撃者を増やすことができる。
【0006】
しかしながら、買い物客によっては、購入した商品を駐車場または駐輪場まで運搬するために、買い物かごを一時的に店舗から持ち出す場合がある。このような一時的な持ち出しについても、管理装置が買い物かごの盗難が発生したと判定して警報を発することにより、買い物客の信用を損ねてしまう可能性が懸念される。したがって、買い物かごの盗難を正確に検知して買い物かごの盗難の再発を防止するための仕組みが必要である。
【0007】
本開示は、このような課題を解決するためになされたものであり、本開示の目的は、施設内で使用される備品が持ち出されたことを正確に検知し、かつ、備品を持ち出した人物の情報を提供することができる備品情報提供システムおよび備品情報提供方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に従う備品情報提供システムは、施設内で使用される備品に関する備品情報を提供する。備品情報提供システムは、複数の無線タグと、少なくとも1つの無線タグリーダと、カメラと、少なくとも1つのサーバとを備える。複数の無線タグは、施設内で使用される複数の備品にそれぞれ取り付けられ、対応する備品の識別情報を記憶する。少なくとも1つの無線タグリーダは、施設内に設置され、複数の無線タグから識別情報を含む信号を受信する。カメラは、施設の出入口に設置され、出入口から出て行く人物を撮影する。少なくとも1つのサーバは、少なくとも1つの無線タグリーダおよびカメラと通信接続される。少なくとも1つの無線タグリーダは、出入口に設置された第1の無線タグリーダを少なくとも含む。少なくとも1つのサーバは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるプログラムを記憶するメモリと、記憶装置とを備える。記憶装置は、複数の備品の各々の画像を、対応する識別情報と紐付けて記憶するとともに、カメラの撮影画像データを記憶する。少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つの無線タグリーダの信号の受信履歴に基づいて、第1の時刻における備品の在庫情報と、第1の時刻から所定時間が経過した第2の時刻における備品の在庫情報とを取得する。少なくとも1つのプロセッサは、第1の時刻における在庫情報と、第2の時刻における在庫情報とを比較することにより、所定時間中に施設から持ち出された備品の識別情報を検出する。少なくとも1つのプロセッサは、検出された識別情報を用いて、第1の無線タグの受信履歴から、施設から備品が持ち出された時刻である持ち出し時刻を推定する。少なくとも1つのプロセッサは、検出された識別情報を用いて、記憶装置から、施設から持ち出された備品の画像を取得する。少なくとも1つのプロセッサは、推定された持ち出し時刻における撮影画像データを、取得された備品の画像を用いて分析することにより、備品の画像を含んだ撮影画像を検出し、検出された撮影画像を含む備品情報を提供する。
【0009】
本開示の一態様に従う備品情報提供方法は、施設内で使用される備品に関する備品情報を提供する備品情報提供方法である。施設内で使用される複数の備品には複数の無線タグがそれぞれ取り付けられている。複数のタグの各々は、対応する備品の識別情報を記憶するように構成される。施設内には、複数の無線タグから識別情報を含む信号を受信する少なくとも1つの無線タグリーダと、施設の出入口から出て行く人物を撮影するカメラとが設置される。少なくとも1つの無線タグリーダは、出入口に設置された第1の無線タグリーダを少なくとも含む。備品情報提供方法は、複数の備品の各々の画像を、対応する識別情報と紐付けて記憶装置に記憶するステップと、カメラの撮影画像データを記憶装置に記憶するステップと、少なくとも1つの無線タグリーダの信号の受信履歴に基づいて、第1の時刻における前記備品の在庫情報と、第1の時刻から所定時間が経過した第2の時刻における備品の在庫情報とをコンピュータにより取得するステップと、第1の時刻における在庫情報と、第2の時刻における在庫情報とを比較することにより、所定時間中に施設から持ち出された備品の識別情報をコンピュータにより検出するステップと、検出された識別情報を用いて、所定時間における少なくとも1つの無線タグリーダの信号の受信履歴から、施設から前記備品が持ち出された時刻である持ち出し時刻をコンピュータにより推定するステップと、検出された識別情報を用いて、記憶装置から、施設から持ち出された備品の画像をコンピュータにより取得するステップと、推定された持ち出し時刻における撮影画像データを、取得された備品の画像を用いて分析することにより、備品の画像を含んだ撮影画像をコンピュータにより検出するステップと、検出された撮影画像を含む備品情報をコンピュータにより提供するステップとを備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、施設内で使用される備品が持ち出されたことを正確に検知して、備品を持ち出した人物の情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態に従う備品情報提供システムの全体構成図である。
図2】買い物かごの外観図である。
図3図1に示した備品情報提供システムのハードウェア構成を示す図である。
図4】備品管理システムのサーバにおいて管理される情報の一例を示す図である。
図5】かご画像データの一例を示す図である。
図6】店舗出入口テーブルの一例を示す図である。
図7】カメラシステムIDテーブルの一例を示す図である。
図8】かご状態DB、開店前在庫データおよび閉店後在庫データの一例を示す図である。
図9】紛失かごデータの一例を示す図である。
図10】カメラ問合せデータおよび画像依頼信号の一例を示す図である。
図11】カメラシステムのサーバにおける画像応答信号の生成処理を説明する図である。
図12】分析結果画像の一例を示す図である。
図13】紛失かごに関する情報の表示例を示す図である。
図14】備品管理システムにより実行される処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図15】備品管理システムにより実行される処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図16】カメラシステムにより実行される処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0013】
<備品情報提供システムの適用例>
本実施の形態に従う備品情報提供システムは、施設内で使用される備品に関する情報を当該施設の管理者に提供するためのシステムである。備品に関する情報には、盗難などによって施設から持ち出された備品を特定するための情報と、当該備品を施設から持ち出した人物を特定するための情報とが含まれる。以下では、本実施の形態に従う備品情報提供システムが適用される施設の一例として、商業施設を挙げて説明する。
【0014】
商業施設では、買い物客が購入する商品を運搬するために買い物かごが使用される。買い物客は、商品を購入した後に、施設内に設置されたかご置き場に買い物かごを返却することが求められている。しかしながら、買い物客の中には、買い物かごを返却せずに盗難する者がいる。
【0015】
このような買い物かごの盗難を防止する対策として、上記特許文献1には、買い物かごが盗難されたときに直ちに警報を発するシステムが記載されている。しかしながら、購入した商品を駐車場または駐輪場まで運搬するために、買い物客が買い物かごを一時的に施設から持ち出す場合がある。このような一時的な持ち出しを買い物かごの盗難と扱うことにより、買い物客の信用を損ねてしまうおそれがある。
【0016】
本実施の形態に従う備品情報提供システムは、買い物かごが盗難されたことを正確に検知するとともに、買い物かごを盗難した人物の画像を取得するように構成される。
【0017】
<備品情報提供システムの全体構成>
図1は、本開示の実施の形態に従う備品情報提供システムの全体構成図である。
【0018】
図1に示すように、本実施の形態に従う備品情報提供システムは、備品管理システム100と、カメラシステム120との連携によって実現される。備品管理システム100は、商業施設200内で使用される備品を管理するためのシステムである。備品には、買い物かご1が含まれている。カメラシステム120は、商業施設200内を監視するためのシステムである。
【0019】
図2は、買い物かご1の外観図である。図2に示すように、買い物かご1は、商品を収容するかご本体と、かご本体に取り付けられた取っ手部とを有する。買い物かご1には、RFID(Radio Frequency Identification)タグ2が搭載されている。図2の例では、RFIDタグ2はかご本体に取り付けられている。
【0020】
RFIDタグ2は、近距離無線通信方式を用いて、後述するRFIDリーダと無線通信を行うように構成される。RFIDタグ2は「無線タグ」の一実施例に対応する。なお、無線タグは、RFIDタグに限定されるものではなく、例えば、NFC(Near Field Communication)タグであってもよい。
【0021】
RFIDタグ2は、アンテナ、処理回路およびメモリを含んで構成される。メモリには、各買い物かごに付与された識別情報(以下、「RFIDタグ番号」とも称する)が記憶されている。このRFIDタグ番号は、処理回路からの指示に基づいてメモリから読み出される。
【0022】
なお、無線タグは、一般に、電源搭載の有無によって、パッシブタグと、アクティブタブとに分類される。パッシブタグは、電源を搭載せず、無線タグリーダからの電波をエネルギー源として動作する無線タグである。アクティブタグは、電源を内蔵した無線タグである。本実施の形態では、RFIDタグ2は、パッシブタグであり、RFIDリーダから受ける電波によって動作する。これによると、備品管理システム100を低廉に構成することができる。
【0023】
図1に戻って、備品管理システム100は、複数のRFIDリーダ10と、サーバ12とを備える。複数のRFIDリーダ10は、商業施設200内に設置される。RFIDリーダ10は、例えば、商業施設200内に設置されたかご置き場など、買い物かご1が集積される場所に設置されている。RFIDリーダ10は、携帯型リーダであってもよい。
【0024】
複数のRFIDリーダ10の少なくとも一部は、買い物客が商業施設200内に出入りするための出入口202に設置される。図1の例では、商業施設200には、3つの出入口202が設けられており、この3つの出入口202にそれぞれ対応して、3台のRFIDリーダ10が設置されている。複数のRFIDリーダ10は、サーバ12と互いに通信可能に構成されている。RFIDリーダ10とサーバ12との間の通信は、有線であってもよいし無線であってもよい。
【0025】
RFIDリーダ10は、図示しない電源から電力の供給を受けて動作し、近距離無線通信方式を用いて、買い物かご1に搭載されたRFIDタグ2と無線通信するように構成される。なお、上述したように、RFIDタグ2は、パッシブタグであるため、RFIDリーダ10からの電波によって動作する。RFIDリーダ10は「無線タグリーダ」の一実施例に対応する。
【0026】
RFIDリーダ10は、アンテナおよび処理回路を含んで構成される。RFIDリーダ10は、近距離無線通信規格に従って、アンテナを通じて周囲に対して一定時間毎にリクエスト信号を送信する。買い物かご1に搭載されたRFIDタグ2は、RFIDリーダ10から発せられるリクエスト信号を受信して動作する。RFIDタグ2は、メモリに記憶されているRFIDタグ番号を含むレスポンス信号を生成し、変調してRFIDリーダ10へ送信する。
【0027】
RFIDリーダ10は、リクエスト信号に応答してRFIDタグ2から送信されるレスポンス信号を受信すると、当該レスポンス信号の受信時刻と、当該レスポンス信号に含まれるRFIDタグ番号とを紐付けて記憶する。
【0028】
サーバ12は、商業施設200内で使用される備品を管理するための機能を有する。サーバ12は、一例として、商業施設200を運営する運営会社に設置されている。サーバ12は、運営会社から商業施設の管理を委託された管理担当者によって利用され得る。
【0029】
RFIDリーダ10は、予め定められた所定周期(例えば、数分間)で、自機の識別情報(以下、「RFIDリーダID」とも称する)とともに、レスポンス信号の受信履歴をサーバ12に送信する。この際に、既にRFIDリーダ10に蓄積されている受信履歴の一部を削除することで、受信履歴の記憶に使用するメモリ容量を抑制することができる。
【0030】
なお、RFIDリーダ10は、上記所定周期に従って受信履歴を定期的にサーバ12に送信する構成に限定されず、サーバ12からの送信要求に応じて、直近の所定時間(例えば、3分間)における受信履歴を送信する構成としてもよい。
【0031】
サーバ12は、各RFIDリーダ10から受信履歴を受信すると、各RFIDリーダ10の受信履歴を記憶装置に登録する。商業施設200内に複数のRFIDリーダ10が設置されている場合には、記憶装置には、各RFIDリーダ10の受信履歴が登録される。
【0032】
カメラシステム120は、複数のカメラ20と、サーバ22とを備える。複数のカメラ20は、商業施設200内に設置される。具体的には、複数のカメラ20は、商業施設200の出入口202に設置される。カメラ20の設置台数は、出入口202の数と一致している。図1の例では、3つの出入口ENTにそれぞれ対応して、3台のカメラ20が設置されている。
【0033】
カメラ20は、対応する出入口202を撮影視野に含むように配置されている。カメラ20は、商業施設200の外部へ出ていく人物を撮影するように構成される。カメラ20は「カメラ」の一実施例に対応する。
【0034】
サーバ22は、商業施設200内を監視するための機能を有する。サーバ22は、一例として、商業施設200を運営する運営会社に設置されており、運営会社から商業施設の管理を委託された管理担当者によって利用され得る。
【0035】
サーバ22は、カメラ20およびサーバ12と互いに通信可能に構成される。カメラ20とサーバ22との間の通信は、有線であってもよいし無線であってもよい。サーバ12とサーバ22との間の通信は、通信網NW(代表的には、インターネット)を介して行われる。
【0036】
カメラ20は、動画像からなる撮影画像データをサーバ22へ送信する。サーバ22は、各カメラ20からの撮影画像データを、送信元のカメラ20の識別情報(以下、「カメラID」とも称する)と紐付けて記憶装置(データベース)に保存する。なお、サーバ22は、後述するように、サーバ12からの画像依頼信号に応答して、データベースに保存される撮影画像を読み出してサーバ12へ送信するように構成される。
【0037】
<備品情報提供システムのハードウェア構成>
図3は、図1に示した備品情報提供システムのハードウェア構成を示す図である。
【0038】
図3に示すように、備品管理システム100において、サーバ12は、CPU(Central Processing Unit)111と、ROM(Read Only Memory)112と、RAM(Random Access Memory)113と、記憶装置114と、入力部115と、表示部116と、通信IF(インターフェイス)117とを含む。これらのコンポーネントは、通信バスを通じて各種データを遣り取りする。
【0039】
CPU111は、ROM112に格納されているプログラムをRAM113に展開して実行する。ROM112に格納されているプログラムには、サーバ12によって実行される処理が記述されている。
【0040】
記憶装置114は、各種情報を記憶するストレージであって、商業施設200の情報、および商業施設200内で使用される備品(買い物かご1を含む)の情報等を記憶する。記憶装置114は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)やソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)等である。
【0041】
入力部115は、タッチパネル、マウス、キーボード等で構成され、ユーザ操作を受け付ける。表示部116は、ディスプレイ、各種インジケータ等で構成され、CPU111からの処理結果等を出力する。
【0042】
通信IF117は、RFIDリーダ10およびカメラシステム120のサーバ22との信号およびデータを遣り取りするためのインターフェイスである。
【0043】
図3には、CPU111がプログラムを実行することで必要な処理が提供される構成例を示したが、これらの提供される処理の一部または全部を、専用のハードウェア回路(例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)等を用いて実装してもよい。
【0044】
カメラシステム120において、サーバ22は、WEBサーバ24、アプリケーションサーバ26、およびデータベースサーバ28を含んで構成される。
【0045】
WEBサーバ24は、CPU241と、ROM242と、RAM243と、記憶装置244と、通信IF245とを含む。これらのコンポーネントは、通信バスを通じて各種データを遣り取りする。
【0046】
アプリケーションサーバ26は、CPU261と、ROM262と、RAM263と、記憶装置264と、通信IF265とを含む。これらのコンポーネントは、通信バスを通じて各種データを遣り取りする。
【0047】
WEBサーバ24およびアプリケーションサーバ26の各々において、CPUは、ROMに格納されているプログラムをRAMに展開して実行する。ROMに格納されているプログラムには、各サーバによって実行される処理が記述されている。
【0048】
記憶装置は、各種情報を記憶するストレージである。WEBサーバ24の記憶装置244には、アプリケーションサーバ26における画像分析処理によって生成された分析結果画像272を含む情報を記憶する。アプリケーションサーバ26の記憶装置264は、画像分析処理に用いられる画像分析データ282および抽出対象画像データ283を含む情報を記憶する。
【0049】
データベースサーバ28は、データベース280を記憶する。データベース280は、商業施設200内に設置されたカメラ20の撮影画像データ281を含む。
【0050】
<備品管理システムの機能構成>
次に、図4から図10を用いて、備品管理システム100の機能構成について説明する。
【0051】
図4は、備品管理システム100のサーバ12において管理される情報の一例を示す図である。図4を参照して、サーバ12の記憶装置114には、商業施設200に関する情報が格納される施設情報DB130と、商業施設200内における買い物かご1の状態に関する情報が格納されるかご状態DB134とが記憶されている。
【0052】
施設情報DB130は、かご画像データ131と、店舗出入口テーブル132と、カメラシステムIDテーブル133とを含む。図5は、かご画像データ131の一例を示す図である。
【0053】
図5を参照して、かご画像データ131は、備品管理システム100によって管理される全ての買い物かご1の画像ファイルを含む。各買い物かご1には、買い物かご1の識別情報(RFIDタグ番号)を記憶したRFIDタグ2が取り付けられている。各買い物かご1の画像ファイルは、RFIDタグ番号と対応付けてかご画像データ131に登録される。図5には、管理対象となる買い物かご1が1種類である場合のかご画像データ131が例示されている。この場合、各買い物かご1のRFIDタグ番号には、1種類の買い物かご1の画像ファイル(ファイル名:kago.png)が紐付けられている。
【0054】
図6は、店舗出入口テーブル132の一例を示す図である。図6を参照して、店舗出入口テーブル132は、商業施設200の名称である「店舗名」、商業施設200の出入口202の名称である「出入口名」、出入口202の識別情報である「出入口ID」、商業施設200内に設置されたカメラ20の識別情報である「カメラID」、および商業施設200内に設置されたRFIDリーダ10の識別情報である「RFIDリーダID」のデータを含む。
【0055】
図6では、店舗出入口テーブル132は、商業施設200(図1参照)に設置された3つの出入口202について、出入口名および出入口IDのデータを含んでいる。店舗出入口テーブル132は、さらに、3つの出入口202にそれぞれ設置されている3台のカメラ20のカメラIDと、3台のRFIDリーダ10のRFIDリーダIDとを含んでいる。
【0056】
図7は、カメラシステムIDテーブル133の一例を示す図である。図7を参照して、カメラシステムIDテーブル133は、カメラシステム120の識別情報である「カメラシステムID」、および、各カメラシステム120に含まれるカメラ20の「カメラID」のデータを含む。カメラシステムIDテーブル133は、さらに、各カメラ20を管理するサーバ22にアクセスするために割り当てられたアドレスである「送信先アドレス」のデータを含む。
【0057】
かご画像データ131、店舗出入口テーブル132、およびカメラシステムIDテーブル133は、商業施設200の管理担当者によって施設情報DB130に格納される。
【0058】
図4に戻って、かご状態DB134は、商業施設200内に存在している買い物かご1の識別情報(RFIDタグ番号)のデータを含む。サーバ12は、かご状態DB134に記憶される買い物かご1に関するデータを用いて、開店前在庫データ136および閉店後在庫データ138を生成し、生成した在庫データ136,138を記憶装置114に保存する。
【0059】
図8は、かご状態DB134、開店前在庫データ136、および閉店後在庫データ138の一例を示す図である。図8を参照して、かご状態DB134には、商業施設200内に設置されているRFIDリーダ10におけるレスポンス信号の受信履歴が登録される。受信履歴は、RFIDタグ2からレスポンス信号を受信した時刻と、送信元のRFIDタグ2の識別情報(RFIDタグ番号)と、RFIDリーダ10の識別情報(RFIDリーダID)とを含む。
【0060】
複数のRFIDリーダ10が設置されている場合には、かご状態DB134は、各RFIDリーダ10の受信履歴を記憶する。かご状態DB134には、商業施設200の営業日毎に、各RFIDリーダ10の受信履歴は、受信時刻の順に並べて保存される。
【0061】
サーバ12は、ある営業日の商業施設200の開店時刻直前のRFIDリーダ10の受信履歴をかご状態DB134から抽出し、抽出した受信履歴を開店前在庫データ136として記憶装置114に保存する。開店前在庫データ136は、ある営業日の商業施設200の開店時刻における買い物かご1の在庫情報に相当する。開店時刻は「第1の時刻」の一実施例に対応し、開店前在庫データ136は「第1の時刻における在庫情報」の一実施例に対応する。本実施の形態では、商業施設200の開店時刻を午前10時とし、閉店時刻を午後10時とし、午前10時から午後10時までの時間を営業時間とする。
【0062】
サーバ12は、開店時刻(午前10時)直前の所定長さの時間における受信履歴をかご状態DB134から抽出する。図8の例では、午前9時50分から午後10時までの10分間における受信履歴が抽出され、開店前在庫データ136として記憶装置114に保存される。
【0063】
サーバ12は、さらに、当該営業日の閉店直後のRFIDリーダ10の受信履歴をかご状態DB134から抽出し、抽出した受信履歴を閉店後在庫データ138として記憶装置114に保存する。閉店後在庫データ138は、ある営業日の商業施設200の閉店時刻における買い物かご1の在庫情報に相当する。閉店時刻は「第2の時刻」の一実施例に対応し、閉店後在庫データ138は「第2の時刻における在庫情報」の一実施例に対応する。具体的には、サーバ12は、閉店時刻(午後10時)直後の所定長さの時間における受信履歴をかご状態DB134から抽出する。図8の例では、午後10時から午後10時10分までの10分間における受信履歴が抽出され、閉店後在庫データ138として記憶装置114に保存される。
【0064】
図4に戻って、サーバ12は、記憶装置114に保存されている開店前在庫データ136および閉店後在庫データ138に基づいて、紛失かごデータ140を生成する。紛失かごデータ140は、開店時刻から閉店時刻までの時間、すなわち、商業施設200の営業時間中に、商業施設200から持ち出された買い物かご1(以下、「紛失かご」とも称する)を示すデータである。
【0065】
図9は、紛失かごデータ140の一例を示す図である。図9を参照して、サーバ12は、記憶装置114に保存されている開店前在庫データ136と閉店後在庫データ138とを比較する。サーバ12は、開店前在庫データ136に含まれている受信履歴のうち、閉店後在庫データ138に含まれていない受信履歴を検出する。
【0066】
上述したように、開店前在庫データ136は、開店時刻における買い物かご1の在庫情報であり、閉店後在庫データ138は、閉店時刻における買い物かご1の在庫情報である。開店前在庫データ136に含まれる一方で、閉店後在庫データ138に含まれていない受信履歴は、開店時刻には商業施設200内に存在していたが、閉店時刻には商業施設200内には存在していない買い物かご1からのレスポンス信号の受信履歴に相当する。サーバ12は、この買い物かご1を、営業時間中に商業施設200から持ち出された買い物かご1(紛失かご)であると判断し、この買い物かご1からの受信履歴を紛失かごデータ140として扱う。
【0067】
図9の例では、開店前在庫データ136には、RFIDタグ番号が「tag1」、「tag2」、「tag3」、「tag4」、「tag5」の買い物かご1からの受信履歴が含まれている。したがって、開店時刻には、商業施設200は、これら5つの買い物かご1を保有していると判断される。閉店後在庫データ138には、RFIDタグ番号が「tag1」、「tag2」、「tag3」、「tag5」の買い物かご1からの受信履歴が含まれている。したがって、閉店時刻には、商業施設200は、これら4つの買い物かご1を保有していると判断される。
【0068】
開店前在庫データ136と閉店後在庫データ138とを比較すると、閉店後在庫データ138には、RFIDタグ番号「tag4」の買い物かご1からの受信履歴が含まれていない。したがって、RFIDタグ番号「tag4」を有する買い物かご1からの受信履歴が、紛失かごデータ140として抽出される。
【0069】
次に、サーバ12は、かご状態DB134に記憶されている、商業施設200の営業時間中の受信履歴を参照する。サーバ12は、営業時間中の受信履歴の中から、紛失かごデータ140に含まれるRFIDタグ番号を含む受信履歴を検索する。そして、サーバ12は、紛失かごのRFIDタグ番号を含む受信履歴の検索結果の中から、受信時刻が最も遅い(すなわち、最新の)受信履歴を検出する。サーバ12は、検出された受信履歴を用いて、紛失かごデータ140を書き換える。このとき、サーバ12は、紛失かごデータ140に含まれている「受信時刻」および「RFIDリーダID」を、検出された最新の受信履歴に含まれる「受信時刻」および「RFIDリーダID」にそれぞれ書き換える。
【0070】
図9の例では、サーバ12は、営業時間中のRFIDリーダ10の受信履歴から、RFIDタグ番号「tag4」を含む受信履歴を検索する。そして、サーバ12は、検索結果に含まれる少なくとも1つの受信履歴のうち、受信時刻が最も遅い(最新の)受信履歴を検出する。受信時刻「2022/01/27 17:45」の受信履歴が最新の受信履歴である場合、サーバ12は、この受信履歴に含まれる受信時刻「2022/01/27 17:45」と、RFIDリーダID「R1」とを用いて、紛失かごデータ140を書き換える。
【0071】
検索結果に含まれる少なくとも1つの受信履歴のうちの受信時刻が最も遅い(最新の)受信履歴は、営業時間中における買い物かご1(紛失かご)からの最後の受信履歴に相当する。この最後の受信履歴は、当該受信履歴を最後に、買い物かご1からのレスポンス信号の受信が途絶えていることを示している。
【0072】
そこで、サーバ12は、この最後の受信履歴の受信時刻を、買い物かご1(紛失かご)が商業施設200から持ち出された持ち出し時刻であると推定する。サーバ12は、紛失かごデータ140に含まれる「受信時刻」を、推定された持ち出し時刻に書き換える。さらにサーバ12は、紛失かごデータ140に含まれる「RFIDリーダID」を、買い物かご1からの最後のレスポンス信号を受信したRFIDリーダ10のRFIDリーダIDに書き換える。これにより、紛失かごデータ140は、買い物かご1(紛失かご)の持ち出し時刻と、買い物かご1(紛失かご)が出入口202を通じて持ち出される際にこの買い物かご1からのレスポンス信号を受信したRFIDリーダ10のRFIDリーダIDとを含んだデータとなる。
【0073】
図4に戻って、サーバ12は、紛失かごデータ140に基づいて、カメラ問合せデータ142を生成する。サーバ12は、生成したカメラ問合せデータ142を用いて、画像依頼信号144を生成する。図10は、カメラ問合せデータ142および画像依頼信号144の一例を示す図である。
【0074】
図10を参照して、カメラ問合せデータ142は、紛失かごデータ140に含まれる「受信時刻」、「RFIDリーダID」および「RFIDタグ番号」を含む。図10では、受信時刻「2022/01/27 17:45」、RFIDリーダID「R1」、およびRFIDタグ番号「tag4」がカメラ問合せデータ142に含まれている。
【0075】
カメラ問合せデータ142は、「カメラID」をさらに含む。この「カメラID」は、店舗出入口テーブル132(図6参照)に基づいて生成される。サーバ12は、店舗出入口テーブル132において、紛失かごデータ140に含まれる「RFIDリーダID」に紐付けられた「カメラID」を検出し、その検出した「カメラID」をカメラ問合せデータ142に含める。
【0076】
図6に示す店舗出入口テーブル132では、RFIDリーダID「R1」には、店舗名「SH1」、出入口名「ENT1」、出入口ID「E1」、およびカメラID「C1」が紐付けられている。これは、店舗名「SH1」の商業施設200における出入口名「ENT1」の出入口202に、RFIDリーダID「R1」を有するRFIDリーダ10と、カメラID「C1」を有するカメラ20とが設置されていることを示している。したがって、サーバ12は、カメラID「C1」をカメラ問合せデータ142に含める。
【0077】
次に、サーバ12は、カメラ問合せデータ142を用いて、画像依頼信号144を生成する。画像依頼信号144とは、カメラシステム120に対して、カメラ20による撮影画像の送信を依頼するための信号である。図10に示すように、画像依頼信号144は、備品管理システム100の識別情報である「備品管理システムID」と、「RFIDタグ番号」と、「かご画像」と、「カメラID」と、「受信時刻」と、「時間幅」とを含む。これらのデータのうち「RFIDタグ番号」、「カメラID」および「受信時刻」には、カメラ問合せデータ142に含まれるデータが用いられる。
【0078】
「かご画像」は、「RFIDタグ番号」を有する買い物かご1(紛失かご)の画像ファイルを示す。「かご画像」は、かご画像データ131(図5参照)に基づいて生成される。「時間幅」は、カメラ20の撮影画像データから切り取られる撮影画像の長さを示す。図10の例では、RFIDタグ番号「tag4」を有する買い物かご1の画像ファイル「kago.png」と、時間幅「10秒」とが画像依頼信号144に含まれている。
【0079】
図10に示される画像依頼信号144によれば、カメラシステム120において、カメラID「C1」を有するカメラ20による撮影画像データのうち、RFIDタグ番号「tag4」を有する買い物かご1からのレスポンス信号の受信時刻「2022/01/27 17:45」を含む時間幅(10秒)の撮影画像が切り取られることとなる。
【0080】
サーバ12は、生成した画像依頼信号144を、通信網NWを介してカメラシステム120のサーバ22へ送信する。サーバ22は、サーバ12から画像依頼信号144を受信すると、これに応答する画像応答信号300を生成する。
【0081】
<カメラシステムの機能構成>
次に、図11を用いて、カメラシステム120の機能構成について説明する。
【0082】
図11は、カメラシステム120のサーバ22における画像応答信号300の生成処理を説明する図である。
【0083】
図11を参照して、サーバ22において、アプリケーションサーバ26は、画像依頼信号144に含まれている「カメラID」に基づいて、データベースサーバ28から画像分析データ282を取得する。具体的には、アプリケーションサーバ26は、データベースサーバ28に保存されている、カメラID「C1」のカメラ20の撮影画像データ281を読み出す。アプリケーションサーバ26は、読み出した撮影画像データ281から、画像依頼信号144に含まれている受信時刻および時間幅を有する撮影画像(動画像)を切り取る。この撮影画像は、受信時刻「2022/01/27 17:45」を中心として10秒の時間幅を有している。アプリケーションサーバ26は、撮影画像データ281から切り取った撮影画像を、画像分析データ282として取得する。
【0084】
さらに、アプリケーションサーバ26は、画像依頼信号144に含まれているかご画像を、抽出対象画像データ283として取得する。図11の例では、アプリケーションサーバ26は、RFIDタグ番号「tag4」を有する買い物かご1の画像を示す画像ファイル「kago.png」を、抽出対象画像データ283として取得する。
【0085】
次に、アプリケーションサーバ26は、画像分析データ282および抽出対象画像データ283を用いて画像分析処理270を実行する。具体的には、アプリケーションサーバ26は、画像分析データ282から、抽出対象画像データ283が示すかご画像を検出する処理を実行する。この画像分析処理270において、アプリケーションサーバ26は、撮影画像内に含まれているかご画像を識別するためのマークを、撮影画像に重ね合わせることにより、分析結果画像272を生成する。図12は、分析結果画像272の一例を示す図である。
【0086】
図12に示すように、分析結果画像272は、カメラID「C1」を有するカメラ20による撮影画像と、当該撮影画像に含まれている抽出対象画像データ283(かご画像)を識別するためのマークとを含んで構成されている。
【0087】
撮影画像は、店舗名「SH1」の商業施設200における、出入口名「ENT1」および出入口ID「E1」を有する出入口202をカメラ20によって撮影したものである。撮影画像には、出入口202から出て行く人物Mの画像が含まれている。
【0088】
この撮影画像から検出されたかご画像は、抽出対象画像データ283として取得された、RFIDタグ番号「tag4」を有する買い物かご1(紛失かご)の画像(画像ファイル「kago.png」)に一致する画像である。マークは、例えば、検出された買い物かご1の画像を囲むように、撮影画像に重ね合わせて表示される。
【0089】
分析結果画像272には、さらに、撮影画像に含まれる買い物かご1(紛失かご)の識別情報(RFIDタグ番号「tag4」)が重ねて表示される。
【0090】
この分析結果画像272は、買い物かご1(紛失かご)が商業施設200から持ち出された持ち出し時刻(2022/01/27 17:45)付近において、当該買い物かご1を商業施設200から持ち出した人物を捉えたものである。したがって、分析結果画像272から、買い物かご1を盗難した人物を特定することが可能となる。
【0091】
アプリケーションサーバ26は、作成された分析結果画像272をWEBサーバ24へ送信する。WEBサーバ24は、分析結果画像272を記憶装置244に格納する。
【0092】
さらに、アプリケーションサーバ26は、備品管理システム100のサーバ12に対する画像応答信号300を生成する。画像応答信号300は、サーバ12から受信した画像依頼信号144(図10参照)に対して、カメラシステム120の識別情報である「カメラシステムID」と、分析結果画像272が保存される場所(すなわち、WEBサーバ24)を記述したURL(Uniform Resource Locator)および当該保存場所にアクセスするために用いるキーの情報とを追加したものである。
【0093】
アプリケーションサーバ26は、生成された画像応答信号300を、通信網NWを介して備品管理システム100のサーバ12へ送信する。
【0094】
<備品情報の提供>
備品管理システム100において、カメラシステム120のサーバ22から画像応答信号300を受信すると、サーバ12は、画像応答信号300を用いて、紛失かごに関する情報302を生成する。そして、サーバ12は、商業施設200の管理者の指示に応じて、紛失かごに関する情報302を提供する。例えば、サーバ12は、紛失かごに関する情報302を表示部116に表示させる。図13は、紛失かごに関する情報302の表示例を示す図である。
【0095】
紛失かごに関する情報302には、画像検索結果データ304と、紛失かごの持ち出し時刻に関する情報306とが含まれている。サーバ12は、サーバ22からの画像応答信号300に含まれているWEBサーバ24のURLおよびキーの情報を、カメラ問合せデータ142(図10参照)に追加することにより、画像検索結果データ304を生成する。サーバ12は、画像検索結果データ304に対して、商業施設200の店舗名「SH1」および買い物かご1が持ち出された出入口202の出入口名「ENT1」を示す情報をさらに追加する。
【0096】
持ち出し時刻に関する情報306には、紛失かごの識別情報(RFIDタグ番号)、紛失かごの画像ファイル名、紛失かごが商業施設200から持ち出された持ち出し時刻、および、カメラシステム120が画像分析を行った時間幅に関する情報が含まれる。
【0097】
表示部116に画像検索結果データ304が表示されている状態において、入力部115は、分析結果画像272を表示させるためのユーザ操作を受け付けることができる。例えば、管理者が、マウスのポインタ308をWEBサーバ24のURLに合わせてクリックする操作を行った場合、サーバ12は、このURLおよびキーの情報を用いてWEBサーバ24にアクセスし、WEBサーバ24から分析結果画像272を取得する。サーバ12は、取得された分析結果画像272を表示部116に表示する。
【0098】
商業施設200の管理者は、表示部116に表示された情報を確認することにより、商業施設200から持ち出された買い物かご1の識別情報(RFIDタグ番号)およびかご画像、買い物かご1が持ち出された商業施設200および出入口202に関する情報、買い物かご1が持ち出された推定時刻の情報、ならびに、買い物かご1を持ち出した人物の画像を取得することができる。
【0099】
<備品情報提供処理の流れ>
次に、備品情報提供システムにより実行される処理の流れについて説明する。
【0100】
図14および図15は、備品管理システム100により実行される処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0101】
図14を参照して、商業施設200に設置された複数のRFIDリーダ10の各々は、一定時間毎にリクエスト信号を送信する(ステップS01)。なお、複数のRFIDリーダ10の少なくとも一部は、商業施設200の出入口202に設置されている(図1参照)。
【0102】
商業施設200内で使用される買い物かご1に搭載されたRFIDタグ2は、RFIDリーダ10から発せられるリクエスト信号を受信して作動する。RFIDタグ2は、買い物かご1の識別情報であるRFIDタグ番号を含むレスポンス信号を生成して、RFIDリーダ10へ送信する。
【0103】
各RFIDリーダ10は、買い物かご1に搭載されたRFIDタグ2からのレスポンス信号を受信したか否かを判定する(ステップS02)。RFIDタグ2からのレスポンス信号を受信した場合(S02のYES判定時)、RFIDリーダ10は、レスポンス信号の受信履歴をサーバ12の記憶装置114に設けられたかご状態DB134に保存する(ステップS03)。かご状態DB134には、図8に示したように、各RFIDリーダ10におけるレスポンス信号の受信時刻、レスポンス信号を受信したRFIDリーダ10のRFIDリーダID、および、買い物かご1に搭載されるRFIDタグ2のRFIDタグ番号が紐付けられて保存される。
【0104】
サーバ12は、商業施設200の開店時刻が到来したか否かを判定する(ステップS04)。商業施設200の開店時刻が到来したと判定された場合(S04のYES判定時)には、サーバ12は、かご状態DB134に記憶される受信履歴を用いて、開店前在庫データ136を生成し、記憶装置114に保存する(ステップS05)。S05では、サーバ12は、商業施設200の開店時刻直前の所定長さの時間における各RFIDリーダ10の受信履歴をかご状態DB134から抽出し、開店前在庫データ136として記憶装置114に保存する。
【0105】
次に、サーバ12は、商業施設200の閉店時刻が到来したか否かを判定する(ステップS06)。商業施設200の閉店時刻が到来したと判定された場合(S06のYES判定時)には、サーバ12は、かご状態DB134に記憶される受信履歴を用いて、閉店後在庫データ138を生成し、記憶装置114に保存する(ステップS07)。S07では、サーバ12は、商業施設200の閉店時刻直後の所定長さの時間における各RFIDリーダ10の受信履歴をかご状態DB134から抽出し、閉店後在庫データ138として記憶装置114に保存する。
【0106】
なお、開店時刻が到来していない場合(S04のNO判定時)、および、閉店時刻が到来していない場合(S06のNO判定時)には、処理がS01に戻される。S01~S03に示すRFIDリーダ10およびRFIDタグ2との間の無線通信が継続して実行され、RFIDリーダ10の受信履歴がかご状態DB134に格納される。
【0107】
閉店後在庫データ138が記憶装置114に保存されると、サーバ12は、記憶装置114に保存されている開店前在庫データ136と閉店後在庫データ138とを比較する(ステップS08)。そして、サーバ12は、S08における比較結果に基づいて、紛失かごデータ140(図9参照)を生成する(ステップS09)。S09では、サーバ12は、開店前在庫データ136に含まれる一方で、閉店後在庫データ138に含まれていない受信履歴を、紛失かごデータ140として抽出する。サーバ12は、この紛失かごデータ140に含まれている「受信時刻」および「RFIDリーダID」を、営業時間中における紛失かごからの受信履歴のうち、受信時刻が最も遅い(最新の)受信履歴に含まれる「受信時刻」および「RFIDリーダID」にそれぞれ書き換える。
【0108】
次に、サーバ12は、S09で生成された紛失かごデータ140に基づいて、カメラ問合せデータ142(図10参照)を生成する(ステップS10)。S10では、サーバ12は、紛失かごデータ140と、店舗出入口テーブル132(図6参照)とを用いて、紛失かごを撮影したカメラ20の「カメラID」を検出し、検出した「カメラID」をカメラ問合せデータ142に含める。
【0109】
次に、サーバ12は、カメラ問合せデータ142に基づいて画像依頼信号144(図10参照)を生成し(ステップS11)、生成した画像依頼信号をカメラシステム120のサーバ22へ送信する(ステップS12)。
【0110】
図15を参照して、画像依頼信号144を送信した後、サーバ12は、カメラシステム120のサーバ22から画像応答信号300(図11参照)を受信したか否かを判定する(ステップS13)。
【0111】
サーバ22から画像応答信号300を受信した場合(S13のYES判定時)には、サーバ12は、画像応答信号300に含まれる情報と、カメラ問合せデータ142とを用いて、画像検索結果データ304(図13参照)を生成する(ステップS14)。サーバ12は、生成された画像検索結果データ304を含む紛失かごに関する情報302を表示部116に表示する(ステップS15)。
【0112】
サーバ12は、画像検索結果データ304に含まれるWEBサーバ24のURLをクリックするユーザ操作を入力部115が受け付けたか否かを判定する(ステップS16)。ユーザ操作を受け付けた場合(S16のYES判定時)には、サーバ12は、URLおよびキーの情報を用いてWEBサーバ24にアクセスし、WEBサーバ24から分析結果画像272を取得する(ステップS17)。サーバ12は、取得された分析結果画像272を表示部116に表示する(ステップS18)。
【0113】
図16は、カメラシステム120により実行される処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0114】
図16を参照して、サーバ22は、商業施設200の出入口202に設置されたカメラ20の撮影画像データをデータベースサーバ28内のデータベース280に保存する(ステップS21)。
【0115】
サーバ22(アプリケーションサーバ26)は、備品管理システム100のサーバ12から画像依頼信号144を受信したか否かを判定する(ステップS22)。画像依頼信号144を受信した場合(S22のYES判定時)には、サーバ22(アプリケーションサーバ26)は、画像依頼信号144に含まれている「カメラID」、「受信時刻」および「時間幅」の情報を用いて、データベース280に保存されているカメラ20の撮影画像データから画像分析データ282を抽出して記憶装置264に保存する(ステップS23)。S23では、サーバ22は、画像依頼信号144に含まれる「カメラID」を有するカメラ20の撮影画像データ281をデータベース280から読み出し、読み出した撮影画像データ281から、画像依頼信号144に含まれている「受信時刻」および「時間幅」を有する撮影画像(動画像)を切り取る(図11参照)。
【0116】
サーバ22(アプリケーションサーバ26)はさらに、画像依頼信号144に含まれている「かご画像」を、抽出対象画像データ283として記憶装置264に保存する(ステップS24)。
【0117】
次に、サーバ22(アプリケーションサーバ26)は、画像分析データ282および抽出対象画像データ283を用いて画像分析処理を実行する(ステップS25)。S25では、サーバ22は、画像分析データ282から、抽出対象画像データ283が示すかご画像を検出する処理を実行する。サーバ22は、撮影画像内に含まれているかご画像を識別するためのマークを、撮影画像に重ね合わせることにより、分析結果画像272(図12参照)を生成する(ステップS26)。
【0118】
サーバ22(アプリケーションサーバ26)は、S26にて生成された分析結果画像272をWEBサーバ24へ送信する。WEBサーバ24は、分析結果画像272を記憶装置244に格納する(ステップS27)。
【0119】
次に、サーバ22(アプリケーションサーバ26)は、備品管理システム100のサーバ12に対する画像応答信号300(図11参照)を生成する(ステップS28)。サーバ22は、生成された画像応答信号300を、通信網NWを介して備品管理システム100のサーバ12へ送信する(ステップS29)。
【0120】
以上説明したように、本実施の形態に従う備品情報提供システムでは、商業施設200の出入口202にはRFIDリーダ10およびカメラ20が設置されるとともに、商業施設200内で使用される買い物かご1にはRFIDタグ2が搭載される。この構成において、RFIDタグ2からの受信履歴に基づいて、商業施設200の開店時刻における買い物かご1の在庫情報(開店前在庫データ)、および、商業施設200の閉店時刻における買い物かご1の在庫情報(閉店後在庫データ)が取得される。そして、これら2つの在庫情報を比較した結果に基づいて、営業時間中に商業施設200から持ち出された買い物かご1(紛失かご)に関する情報が取得される。
【0121】
さらに、営業時間中のRFIDリーダ10の受信履歴から、紛失かごの持ち出し時刻および紛失かごが持ち出された出入口が推定され、この推定された情報を基に、カメラ20の撮影画像データから、持ち出し時刻付近における出入口の撮影画像が取得される。そして、取得された撮影画像から紛失かごの画像を検出するための画像分析処理を行うことによって、買い物かご1を商業施設200から持ち出した人物の画像が取得される。
【0122】
本実施の形態によると、買い物客が一時的に買い物かごを商業施設から持ち出した場合には、開店前在庫データおよび閉店後在庫データに基づいて取得される紛失かごデータ140には、この買い物かごに関する情報が含まれていない。したがって、一時的な買い物かごの持ち出しを、買い物かごが盗難されたと誤って判断することを防ぐことができる。これにより、買い物かごが盗難されたことを正確に検知することが可能となる。
【0123】
また、本実施の形態によれば、買い物かごを持ち出した人物の画像が取得されるため、管理者は、取得された画像に基づいて、買い物かごを持ち出した人物を特定することが可能となる。
【0124】
本実施の形態に従う備品情報提供システムは、買い物かごの盗難を事後的に検知することで盗難の検知の正確さを向上させるものであり、買い物かごの盗難の現行犯を捕まえることを意図したものではない。そのため、買い物かごの盗難を直接的に阻止することができない。ただし、本実施の形態に従う備品情報提供システムによって買い物かごを盗難した人物を特定できることを買い物客に対して周知させることにより、買い物かごの盗難の抑止効果を期待することができる。
【0125】
なお、上述した実施の形態では、施設内で使用される備品として、商業施設内で使用される買い物かごを例示したが、本実施の形態に従う備品提供システムが適用される施設および備品はこれに限定されるものではない。
【0126】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0127】
1 買い物かご、2 RFIDタグ、10 RFIDリーダ、12,22 サーバ、20 カメラ、24 WEBサーバ、26 アプリケーションサーバ、28 データベースサーバ、100 備品管理システム、111,241,261 CPU、112,242,262 ROM、113,243,263 RAM、114,244,264 記憶装置、115 入力部、116 表示部、117,245,265 通信IF、120 カメラシステム、130 施設情報DB、131 かご画像データ、132 店舗出入口テーブル、133 カメラシステムIDテーブル、134 かご状態DB、136 開店前在庫データ、138 閉店後在庫データ、140 紛失かごデータ、142 カメラ問合せデータ、144 画像依頼信号、200 商業施設、202 出入口、270 画像分析処理、272 分析結果画像、280 データベース、281 撮影画像データ、282 画像分析データ、283 抽出対象画像データ、300 画像応答信号、302 画像検索結果データ、NW 通信網。
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