(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-21
(45)【発行日】2025-03-04
(54)【発明の名称】通信システム
(51)【国際特許分類】
H04L 25/52 20060101AFI20250225BHJP
【FI】
H04L25/52 Z
(21)【出願番号】P 2020097919
(22)【出願日】2020-06-04
【審査請求日】2023-05-15
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】林 翔太
(72)【発明者】
【氏名】紀藤 理
(72)【発明者】
【氏名】岩本 丈司
【審査官】吉江 一明
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-174751(JP,U)
【文献】特開平01-241237(JP,A)
【文献】特開2014-022930(JP,A)
【文献】特開2001-022420(JP,A)
【文献】米国特許第08811459(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 25/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスタ側機器と複数のスレーブ側機器とを備える通信システムであって、
前記複数のスレーブ側機器のうちの1つのスレーブ側機器は、前記マスタ側機器から無線通信によりデータを受信可能な無線通信モジュールと、前記無線通信モジュールと同一基板内に実装されたマイコンとを備え、
前記複数のスレーブ側機器は、それぞれ、前記無線通信モジュールとデータ通信可能に連結された他のマイコンを備え、
前記1つのスレーブ側機器において前記無線通信モジュールと前記マイコンとの間であって前記同一の基板内に、一対の送受信用シリアル通信ドライバを設け、前記一対の送受信用シリアル通信ドライバを繋ぐ通信線を通して前記無線通信モジュールで受け取ったデータを前記1つのスレーブ側機器において前記マイコンにシリアル通信で送るとともに、前記通信線から分岐して前記複数のスレーブ側機器のうちの他のスレーブ側機器において他のシリアル通信ドライバを介して前記他のマイコンに接続して前記無線通信モジュールで受け取ったデータを前記他のスレーブ側機器において前記他のマイコンにシリアル通信で送
り、
前記一対の送受信用シリアル通信ドライバ、及び、前記他のスレーブ側機器における他のシリアル通信ドライバは、一対のRS485ドライバ、及び、他のRS485ドライバであり、
前記マイコン及び前記他のマイコンにはそれぞれモータが接続されており、
前記1つのスレーブ側機器に設けられた前記一対のRS485ドライバのうちの一方は、前記無線通信モジュールが受信した前記マスタ側機器からのモータ駆動のための制御指令を、前記マイコンに接続された前記一対のRS485ドライバのうちの他方及び前記他のマイコンに接続された前記他のRS485ドライバに送ることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記1つのスレーブ側機器は、前記一対のRS485ドライバを繋ぐ通信線と、前記一対のRS485ドライバを繋ぐ通信線から分岐されたRS485通信用の通信線と、前記RS485通信用の通信線に接続されたコネクタとを前記同一基板内に実装している請求項
1に記載の通信システム。
【請求項3】
マスタ側機器と複数のスレーブ側機器とを備える通信システムであって、
前記複数のスレーブ側機器のうちの1つのスレーブ側機器は、前記マスタ側機器から無線通信によりデータを受信可能な無線通信モジュールと、前記無線通信モジュールと同一基板内に実装されたマイコンとを備え、
前記複数のスレーブ側機器は、それぞれ、前記無線通信モジュールとデータ通信可能に連結された他のマイコンを備え、
前記1つのスレーブ側機器において前記無線通信モジュールと前記マイコンとの間であって前記同一の基板内に、一対の送受信用シリアル通信ドライバを設け、前記一対の送受信用シリアル通信ドライバを繋ぐ通信線を通して前記無線通信モジュールで受け取ったデータを前記1つのスレーブ側機器において前記マイコンにシリアル通信で送るとともに、前記通信線から分岐して前記複数のスレーブ側機器のうちの他のスレーブ側機器において他のシリアル通信ドライバを介して前記他のマイコンに接続して前記無線通信モジュールで受け取ったデータを前記他のスレーブ側機器において前記他のマイコンにシリアル通信で送
り、
前記一対の送受信用シリアル通信ドライバ、及び、前記他のスレーブ側機器における他のシリアル通信ドライバは、一対のRS485ドライバ、及び、他のRS485ドライバであり、
前記1つのスレーブ側機器は、前記一対のRS485ドライバを繋ぐ通信線と、前記一対のRS485ドライバを繋ぐ通信線から分岐されたRS485通信用の通信線と、前記RS485通信用の通信線に接続されたコネクタとを前記同一基板内に実装していることを特徴とする通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
通信システムにおいて、1(マスタ)対複数(スレーブ)の構成で、
図2に示すように、マスタ側機器100とスレーブ側機器101,102,103との間の通信を通信線L100,L101,L102,L103を用いてRS485通信で行う(例えば、特許文献1参照)。また、
図3に示すように、マスタ側機器200とスレーブ側機器201,202,203との間の通信を無線通信モジュール201a,202a,203aを用いて無線通信で行う。さらに、
図4に示すように、マスタ側機器300からスレーブ側機器301,302,303への通信として、ゲートウェイ304等の中継機器が無線通信でデータを受け取り、通信線L300を用いてRS485通信で行う(例えば、特許文献2参照)。この際、ゲートウェイ304等の中継機器におけるマイコン304aでは複数のシリアルポートP300,P301を使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-78502号公報
【文献】特開2017-98762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図2の有線方式の場合、ケーブルが長いほどケーブル費用がかかるとともに配線によって設置制限がある。
図2の有線方式に比べ
図3の無線方式を採用することによりケーブルを不要にできるが無線通信では無線通信モジュール(アンテナ等の通信手段も含む)201a,202a,203aがスレーブ側機器201,202,203毎に必要となる。
図4の場合、ゲートウェイ304等の中継機器が別途必要となる。ちなみに、ゲートウェイ等の中継機器を使用しないで、
図5に示すように、マスタ側機器400からスレーブ側機器401,402,403への通信として、1つの無線通信モジュール404で受信して1つのスレーブ側機器401のマイコン401aから通信線L400を用いてRS485通信で他のスレーブ側機器402,403のマイコン402a,403aに接続する構成を採用すると、無線通信モジュール404に繋がるスレーブ側機器401のマイコン401aにおいては無線通信モジュール404に接続するシリアルポートP400、及び、RS485ドライバ401bに接続するシリアルポートP401が必要となる。
【0005】
本発明の目的は、スレーブ側機器におけるマイコンのシリアルポート数を低減することができる通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための通信システムは、マスタ側機器と複数のスレーブ側機器とを備える通信システムであって、前記複数のスレーブ側機器のうちの1つのスレーブ側機器は、前記マスタ側機器から無線通信によりデータを受信可能な無線通信モジュールを備え、前記複数のスレーブ側機器は、それぞれ、前記無線通信モジュールとデータ通信可能に連結されたマイコンを備え、前記1つのスレーブ側機器において前記無線通信モジュールと前記マイコンとの間に、一対の送受信用シリアル通信ドライバを設け、前記一対の送受信用シリアル通信ドライバを繋ぐ通信線を通して前記無線通信モジュールで受け取ったデータを前記1つのスレーブ側機器において前記マイコンにシリアル通信で送るとともに、前記通信線から分岐して前記複数のスレーブ側機器のうちの他のスレーブ側機器においてシリアル通信ドライバを介してマイコンに接続して前記無線通信モジュールで受け取ったデータを前記他のスレーブ側機器において前記マイコンにシリアル通信で送ることを要旨とする。
【0007】
これによれば、1つのスレーブ側機器での無線通信モジュールとマイコンとの間において一対の送受信用シリアル通信ドライバを繋ぐ通信線から分岐して他のスレーブ側機器においてシリアル通信ドライバを介してマイコンに接続することにより、スレーブ側機器におけるマイコンのシリアルポート数を低減することができる。
【0008】
また、通信システムにおいて、前記一対の送受信用シリアル通信ドライバ、及び、前記他のスレーブ側機器におけるシリアル通信ドライバは、RS485ドライバであるとよい。この場合、RS485通信を用いることによりノイズに強くなるとともに長距離の通信が可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、スレーブ側機器におけるマイコンのシリアルポート数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態における通信システムの電気的構成図。
【
図5】課題を説明するための通信システムの電気的構成図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。本実施形態では、農業用ハウスにおける窓の開閉装置に適用している。
図1に示すように、通信システム10は、マスタ側機器20と複数のスレーブ側機器(30,40,50)とを備える。
図1においては、説明の便宜上、複数のスレーブ側機器として、第1スレーブ側機器30と第2スレーブ側機器40と第3スレーブ側機器50を備えるものとして説明する。
【0012】
マスタ側機器20と複数のスレーブ側機器(30,40,50)とは双方向通信可能となっており、マスタ側機器20から各スレーブ側機器(30,40,50)に対し窓開閉モータ駆動のための制御指令を出力するとともに、各スレーブ側機器(30,40,50)からマスタ側機器20に対し実際の窓の開度に相当するモータ駆動量をフィードバックする。あるいは、各スレーブ側機器(30,40,50)からマスタ側機器20に対しモータ駆動に伴うモータ通電電流の検出値を送る。
【0013】
第1スレーブ側機器30は、無線通信モジュール31とRS485ドライバ32とRS485ドライバ33とマイコン34と第1窓開閉モータ35とコネクタ36を備える。第2スレーブ側機器40は、コネクタ41とRS485ドライバ42とマイコン43と第2窓開閉モータ44を備える。第3スレーブ側機器50は、コネクタ51とRS485ドライバ52とマイコン53と第3窓開閉モータ54を備える。
【0014】
第1スレーブ側機器30の無線通信モジュール31は、アンテナ等の通信手段と接続されており、マスタ側機器20と無線通信可能に接続されている。このように、複数のスレーブ側機器30,40,50のうちの1つのスレーブ側機器30は、マスタ側機器20から無線通信によりデータを受信可能な無線通信モジュール31を備える。
【0015】
第1スレーブ側機器30のマイコン34は、無線通信モジュール31と通信可能に連結されている。第2スレーブ側機器40のマイコン43は、無線通信モジュール31と通信可能に連結されている。第3スレーブ側機器50のマイコン53は、無線通信モジュール31と通信可能に連結されている。このように、複数のスレーブ側機器30,40,50は、それぞれ、無線通信モジュール31と通信可能に連結されたマイコン34,43,53を備える。
【0016】
第1スレーブ側機器30において無線通信モジュール31とRS485ドライバ32とは通信線L1によりシリアル通信可能に接続されている。RS485ドライバ32とRS485ドライバ33とは通信線L2によりRS485通信可能に接続されている。RS485ドライバ32とRS485ドライバ33は、いずれも、データの送信機能及びデータの受信機能を有する。RS485ドライバ33とマイコン34とは通信線L3によりシリアル通信可能に接続されている。マイコン34と第1窓開閉モータ35とは通信線L4により接続されている。このように、1つのスレーブ側機器30において無線通信モジュール31とマイコン34との間に、一対の送受信用シリアル通信ドライバとしてのRS485ドライバ32,33が設けられ、一対の送受信用シリアル通信ドライバとしてのRS485ドライバ32,33を繋ぐ通信線L2を通してRS485通信可能であり、無線通信モジュール31で受け取ったデータを1つのスレーブ側機器30においてマイコン34にシリアル通信で送ることができるようになっている。
【0017】
第1スレーブ側機器30において通信線L2からRS485通信用の通信線L5が分岐している。通信線L5にはコネクタ36が接続されている。コネクタ36からRS485通信用の通信線L6が延びている。通信線L6は第2スレーブ側機器40のコネクタ41及び第3スレーブ側機器50のコネクタ51と接続されている。
【0018】
第2スレーブ側機器40においてコネクタ41とRS485ドライバ42とは通信線L10によりRS485通信可能に接続されている。RS485ドライバ42は、データの送信機能及びデータの受信機能を有する。RS485ドライバ42とマイコン43とは通信線L11によりシリアル通信可能に接続されている。マイコン43と第2窓開閉モータ44とは通信線L12により接続されている。
【0019】
第3スレーブ側機器50においてコネクタ51とRS485ドライバ52とは通信線L20によりRS485通信可能に接続されている。RS485ドライバ52は、データの送信機能及びデータの受信機能を有する。RS485ドライバ52とマイコン53とは通信線L21によりシリアル通信可能に接続されている。マイコン53と第3窓開閉モータ54とは通信線L22により接続されている。
【0020】
第1スレーブ側機器30において無線通信モジュール31とRS485ドライバ32とRS485ドライバ33とマイコン34とコネクタ36と通信線L1,L2,L3,L5とが同一基板内に実装されている。また、第2スレーブ側機器40においてコネクタ41とRS485ドライバ42とマイコン43と通信線L10,L11とが同一基板内に実装されている。第3スレーブ側機器50においてコネクタ51とRS485ドライバ52とマイコン53と通信線L20,L21とが同一基板内に実装されている。
【0021】
このように、基板上においてRS485通信を行えるようにするとともに更に分岐する。即ち、RS485通信用の通信線L2から分岐して複数のスレーブ側機器30,40,50のうちの他のスレーブ側機器40,50においてシリアル通信ドライバとしてのRS485ドライバ42,52を介してマイコン43,53に接続している。そして、無線通信モジュール31で受け取ったデータを他のスレーブ側機器40,50においてマイコン43,53にシリアル通信で送ることができるようになっている。
【0022】
次に、作用について説明する。
マスタ側機器20から各スレーブ側機器30,40,50へのデータ通信は次のように行われる。まず、マスタ側機器20が制御命令のデータを出力する。すると、スレーブ側機器30の無線通信モジュール31がデータを受け取る。受け取ったデータは、RS485通信により第1スレーブ側機器30のマイコン34、第2スレーブ側機器40のマイコン43、第3スレーブ側機器50のマイコン53に送られる。そして、動作指示を受けた各スレーブ側機器30,40,50のマイコン34,43,53はモータ35,44,54の駆動を開始して窓開閉動作が行われる。
【0023】
このように、1つのスレーブ側機器30での無線通信モジュール31とマイコン34との間において、一対の送受信用シリアル通信ドライバとしてのRS485ドライバ32,33を繋ぐ通信線L2から分岐して他のスレーブ側機器40,50においてシリアル通信ドライバとしてのRS485ドライバ42,52を介してマイコン43,53に接続されている。第1スレーブ側機器30のマイコン34はシリアルポートP1を有し、第2スレーブ側機器40のマイコン43はシリアルポートP2を有し、第3スレーブ側機器50のマイコン53はシリアルポートP3を有する。これにより、スレーブ側機器30,40,50における各マイコン34,43,53のシリアルポート数はそれぞれ「1」であり、シリアルポート数は低減される。
【0024】
図1において仮想線で示すように第2スレーブ側機器40用の無線通信モジュール80及びRS485ドライバ81が不要になるとともに、第3スレーブ側機器50用の無線通信モジュール90及びRS485ドライバ91が不要になる。つまり、無線通信モジュールがスレーブ側機器30,40,50毎に必要がないとともに、長いケーブル配線が必要なく、さらに、ゲートウェイ等の中継機器が不要となることにより、コストの低減が図られる。また、
図2に示すようなケーブルを不要にできることから配線の簡素化が可能になる。
図5における無線通信モジュール404に繋がるマイコン401aは無線通信モジュール用のシリアルポートP400と、RS485ドライバ用のシリアルポートP401が必要であったが、
図1に示す本実施形態ではマイコン34は、1つのシリアルポートP1を有し、
図5での無線通信モジュール404とのシリアルポートP400と、RS485ドライバ401bとのシリアルポートP401を共通化して、シリアルポートを1つにできる。
【0025】
このように、その構成として、無線通信モジュール31とマイコン34,43,53との間の通信をシリアル通信ではなくRS485通信で行うことで、1個の無線通信モジュール31で受け取ったデータをRS485通信で各マイコン34,43,53に送ることが可能となる。ここでの「無線通信」は様々な通信規格にも適用可能である。シリアル通信は、短距離用通信(基本的に基板内で用いる通信)である。RS485通信は、ノイズに強く、長距離の通信が可能である。
【0026】
以下、詳しく説明する。
マスタ側から通信により各スレーブ側の機器(モータ)を制御する場合、従来は、
図2ではRS485通信による機器制御(有線)であり、
図3では無線通信による機器制御であり、
図4では無線通信によるマスタ側機器300からのデータをゲートウェイ304等の中継機器が受信し、マイコン304aを介してRS485ドライバ305から、有線、コネクタ等を経由したRS485通信による機器制御である。
図5では無線通信でデータを受け取り、機器を制御する(ゲートウェイ無し)。このような従来方式では、無線通信を利用する場合、無線通信モジュールがスレーブ側機器毎に必要になる。また、RS485通信を利用する場合、ゲートウェイ等の中継機器が必要である。
図5のように中継機器を用いない場合でも、スレーブ側機器内のマイコン401aには、無線通信モジュール用と、RS485ドライバ用のシリアルポートP400,P401が必要である。
【0027】
本実施形態においては、無線通信のデータをRS485通信に変換するとともに分岐させて各機器を制御することにより、無線通信モジュール、中継機器等の部品数を削減しつつ通信費用を抑制することができる。即ち、
図1では無線通信モジュール31とマイコン34との間をRS485通信することにより分岐可能となり、1個の無線通信モジュールでデータを受け取りRS485通信で複数の機器を制御できる。
【0028】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)マスタ側機器20と複数のスレーブ側機器30,40,50とを備える通信システム10の構成として、複数のスレーブ側機器30,40,50のうちの1つのスレーブ側機器30は、マスタ側機器20から無線通信によりデータを受信可能な無線通信モジュール31を備える。複数のスレーブ側機器30,40,50は、それぞれ、無線通信モジュール31とデータ通信可能に連結されたマイコン34,43,53を備える。1つのスレーブ側機器30において無線通信モジュール31とマイコン34との間に、一対の送受信用シリアル通信ドライバとしてのRS485ドライバ32,33を設け、一対の送受信用シリアル通信ドライバとしてのRS485ドライバ32,33を繋ぐ通信線L2を通して無線通信モジュール31で受け取ったデータを1つのスレーブ側機器30においてマイコン34にシリアル通信で送るとともに、通信線L2から分岐して複数のスレーブ側機器30,40,50のうちの他のスレーブ側機器40,50においてシリアル通信ドライバとしてのRS485ドライバ42,52を介してマイコン43,53に接続して無線通信モジュール31で受け取ったデータを他のスレーブ側機器40,50においてマイコン43,53にシリアル通信で送る。よって、スレーブ側機器30,40,50におけるマイコン34,43,53のシリアルポート数を低減することができる。
【0029】
(2)一対の送受信用シリアル通信ドライバ(32,33)、及び、他のスレーブ側機器40,50におけるシリアル通信ドライバ(42,52)は、RS485ドライバである。よって、RS485通信を用いることによりノイズに強くなるとともに長距離の通信が可能となる。
【0030】
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○複数のスレーブ側機器として、スレーブ側機器の数は「2」以上であればよい。
〇マスタ側機器20と複数のスレーブ側機器(30,40,50)とは双方向通信可能であったが、これに限ることなく、マスタ側機器20から複数のスレーブ側機器(30,40,50)にのみ通信できる単方向(一方向)通信でもよい。この単方向(一方向)通信を行う場合、一対の送受信用シリアル通信ドライバ(32,33)、及び、他のスレーブ側機器40,50におけるシリアル通信ドライバ(42,52)としてRS485ドライバに代わり、例えばRS422ドライバを用いてもよい。
【0031】
要は、少なくともマスタ側機器から複数のスレーブ側機器に通信できるシステム構成であればよい。
〇
図1ではアクチュエータとしてモータ35,44,54を用いたが、モータ以外の機器であってもよい。
【0032】
○農業用ハウスにおける窓の開閉装置に適用したが、これに限ることなく他の農業分野での通信システムに適用してもよい。
さらに、農業分野に用いる通信システム以外にも、例えば、一般産業機器に用いる通信システムに適用することもできる。例えば、電磁弁を駆動する装置における通信システムに適用してもよい。
【符号の説明】
【0033】
10…通信システム、20…マスタ側機器、30…第1スレーブ側機器、31…無線通信モジュール、32…RS485ドライバ、33…RS485ドライバ、34…マイコン、40…第2スレーブ側機器、42…RS485ドライバ、43…マイコン、50…第3スレーブ側機器、52…RS485ドライバ、53…マイコン、L2…通信線。