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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-21
(45)【発行日】2025-03-04
(54)【発明の名称】受光素子、撮像素子、および撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H10F 39/18 20250101AFI20250225BHJP
   H04N 25/70 20230101ALI20250225BHJP
【FI】
H10F39/18 F
H10F39/18 A
H04N25/70
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021573087
(86)(22)【出願日】2021-01-13
(86)【国際出願番号】 JP2021000839
(87)【国際公開番号】W WO2021149556
(87)【国際公開日】2021-07-29
【審査請求日】2023-12-15
(31)【優先権主張番号】P 2020006566
(32)【優先日】2020-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井本 努
【審査官】黒田 久美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-117117(JP,A)
【文献】国際公開第2013/191039(WO,A1)
【文献】特開2013-175494(JP,A)
【文献】特開2011-176325(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10F 39/18
H04N 25/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射する光を信号電荷に光電変換する受光領域と、
前記信号電荷を時分割して一対の電荷蓄積電極へ振り分ける電界を前記受光領域に発生させる電圧が交互に印加される一対の電圧印加電極と、
前記受光領域における光の入射面に設けられて接地電位以下の電圧が印加される入射面電極と
が設けられるセンサ基板と、
前記センサ基板における前記光の入射面と対向する面に設けられ、前記電荷蓄積電極に蓄積される前記信号電荷を処理する画素トランジスタ
が設けられる回路基板と
行列状に配列される複数の前記受光領域の間に設けられ、隣接する前記受光領域を電気的に分離する画素分離領域と
を有し、
行列状に配列される複数の平面視矩形状をした前記受光領域における角部に設けられる前記画素分離領域は、前記光の入射面から前記センサ基板における前記入射面と対向する面まで達し、前記入射面電極と接地配線または負電圧発生回路とに接続され、
前記受光領域における前記角部以外の外周に設けられる前記画素分離領域は、前記光の入射面から前記受光領域における前記入射面と対向する面へ向かう中途部まで達する
受光素子。
【請求項2】
前記入射面電極は、
前記光の入射面に積層される負の固定電荷膜によって前記入射面に形成されるホール蓄積層である
請求項1に記載の受光素子。
【請求項3】
前記入射面電極は、
前記光の入射面にP型の不純物がドープされたP型導電層である
請求項1に記載の受光素子。
【請求項4】
前記入射面電極は、
前記光の入射面に積層される無機電極膜である
請求項1に記載の受光素子。
【請求項5】
前記入射面電極は、
前記光の入射面に積層される透光性を有する膜厚の金属膜である
請求項1に記載の受光素子。
【請求項6】
前記角部以外の外周に設けられる画素分離領域は、
複数の前記受光領域が行列状に配列される画素アレイを前記受光領域毎に区画し、電気的に浮遊している
請求項に記載の受光素子。
【請求項7】
前記角部以外の外周に設けられる画素分離領域は、
絶縁体によって構成される
請求項に記載の受光素子。
【請求項8】
前記角部に設けられる画素分離領域は、
表面に絶縁膜が設けられる金属によって構成される
請求項に記載の受光素子。
【請求項9】
入射する光を信号電荷に光電変換する複数の受光領域が行列状に配列される画素アレイと、
前記受光領域毎に、前記信号電荷を時分割して一対の電荷蓄積電極へ振り分ける電界を前記受光領域に発生させる電圧が交互に印加される一対の電圧印加電極と、
前記受光領域における光の入射面に設けられて接地電位以下の電圧が印加される入射面電極と
が設けられるセンサ基板と、
前記センサ基板における前記光の入射面と対向する面に設けられ、前記電荷蓄積電極に蓄積される前記信号電荷を処理する画素トランジスタ
が設けられる回路基板と
行列状に配列される複数の前記受光領域の間に設けられ、隣接する前記受光領域を電気的に分離する画素分離領域と
を有し、
行列状に配列される複数の平面視矩形状をした前記受光領域における角部に設けられる前記画素分離領域は、前記光の入射面から前記センサ基板における前記入射面と対向する面まで達し、前記入射面電極と接地配線または負電圧発生回路とに接続され、
前記受光領域における前記角部以外の外周に設けられる前記画素分離領域は、前記光の入射面から前記受光領域における前記入射面と対向する面へ向かう中途部まで達する
撮像素子。
【請求項10】
撮像光学系と、
入射する光を信号電荷に光電変換する複数の受光領域が行列状に配列される画素アレイと、
前記受光領域毎に、前記信号電荷を時分割して一対の電荷蓄積電極へ振り分ける電界を前記受光領域に発生させる電圧が交互に印加される一対の電圧印加電極と、
前記受光領域における光の入射面に設けられて接地電位以下の電圧が印加される入射面電極と
が設けられるセンサ基板と、
前記センサ基板における前記光の入射面と対向する面に設けられ、前記電荷蓄積電極に蓄積される前記信号電荷を処理する画素トランジスタ
が設けられる回路基板と
行列状に配列される複数の前記受光領域の間に設けられ、隣接する前記受光領域を電気的に分離する画素分離領域と
を有し、
行列状に配列される複数の平面視矩形状をした前記受光領域における角部に設けられる前記画素分離領域は、前記光の入射面から前記センサ基板における前記入射面と対向する面まで達し、前記入射面電極と接地配線または負電圧発生回路とに接続され、
前記受光領域における前記角部以外の外周に設けられる前記画素分離領域は、前記光の入射面から前記受光領域における前記入射面と対向する面へ向かう中途部まで達する
撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、受光素子、撮像素子、および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
間接ToF(Time of Flight)方式を利用した測距システムに使用される受光素子は、複数の受光画素が行列状に配列される画素アレイを備える。各受光画素は、入射する光を信号電荷に光電変換する受光領域と、信号電荷を時分割して一対の電荷蓄積電極へ振り分ける電界を受光領域に発生させる電圧が交互に印加される一対の電極とを備える。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-86904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、受光画素は、微細化が進むと、電荷収集効率が低下する。
【0005】
そこで、本開示では、電荷収集効率を増大させることができる受光素子、撮像素子、および撮像装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、受光素子が提供される。受光素子は、センサ基板と、回路基板とを有する。センサ基板は、受光領域と、一対の電圧印加電極と、入射面電極とが設けられる。受光領域は、入射する光を信号電荷に光電変換する。一対の電圧印加電極は、前記信号電荷を時分割して一対の電荷蓄積電極へ振り分ける電界を前記受光領域に発生させる電圧が交互に印加される。入射面電極は、前記受光領域における光の入射面に設けられて接地電位以下の電圧が印加される。回路基板は、前記センサ基板における前記光の入射面と対向する面に設けられる。回路基板は、前記電荷蓄積電極に蓄積される前記信号電荷を処理する画素トランジスタが設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示に係る受光素子の一例である固体撮像素子の構成例を示す図である。
図2】本開示に係る画素の構成例を示す図である。
図3】本開示に係る画素の信号取り出し部の部分の構成例を示す図である。
図4】本開示に係る画素の回路構成例を示す図である。
図5】本開示に係る回路基板とセンサ基板との接続態様を示す図である。
図6】本開示に係る入射面電極および画素分離領域の説明図である。
図7A】本開示に係る画素分離領域の構成例を示す図である。
図7B】本開示に係る画素分離領域の構成例を示す図である。
図7C】本開示に係る画素分離領域の構成例を示す図である。
図8】本開示の変形例1に係る画素分離領域の説明図である。
図9】本開示の変形例2に係る画素分離領域の説明図である。
図10】本開示に係る画素分離領域の配置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0009】
[1.固体撮像素子の構成例]
本技術は、例えば間接ToF(Time of Flight)方式により測距を行う測距システムを構成する固体撮像素子や、そのような固体撮像素子を有する撮像装置などに適用することが可能である。
【0010】
例えば測距システムは、車両に搭載され、車外にある対象物までの距離を測定する車載用のシステムや、ユーザの手等の対象物までの距離を測定し、その測定結果に基づいてユーザのジェスチャを認識するジェスチャ認識用のシステムなどに適用することができる。
この場合、ジェスチャ認識の結果は、例えばカーナビゲーションシステムの操作等に用いることができる。
【0011】
図1は、本開示に係る受光素子の一例である固体撮像素子の構成例を示す図である。図1に示す固体撮像素子11は、裏面照射型のCAPD(Current Assisted Photonic Demodulator)センサであり、測距機能を有する撮像装置に設けられている。
【0012】
固体撮像素子11は、回路基板101と、回路基板101上に積層されるセンサ基板102とを備える。センサ基板102には、複数の受光画素(以下、単に「画素」と記載する)が行列状に配列される画素アレイ部21が設けられる。
【0013】
回路基板101には、周辺回路が設けられる。周辺回路部は、例えば垂直駆動部22、カラム処理部23、水平駆動部24、およびシステム制御部25等が設けられる。垂直駆動部22は、例えば、各画素において光電変換された信号電荷を処理する画素トランジスタ等を含む。なお、ここでは、回路基板101の構成要素と、センサ基板102の構成要素との接続関係の理解を容易にするため、各構成要素を同一平面上に記載している。
【0014】
このように、固体撮像素子11は、画素アレイ部21の画素がセンサ基板102に設けられ、画素トランジスタが回路基板101に設けられることによって、電荷収集効率の向上と消費電力の低減とを可能とした。かかる点については、図3を参照して後述する。
【0015】
固体撮像素子11には、さらに信号処理部26およびデータ格納部27も設けられている。なお、信号処理部26およびデータ格納部27は、固体撮像素子11と同じ基板上に搭載してもよいし、撮像装置における固体撮像素子11とは別の基板上に配置するようにしてもよい。
【0016】
画素アレイ部21は、受光した光量に応じた電荷を生成し、その電荷に応じた信号を出力する画素が行方向および列方向に、すなわち行列状に2次元配置された構成となっている。すなわち、画素アレイ部21は、入射した光を光電変換し、その結果得られた電荷に応じた信号を出力する画素を複数有している。
【0017】
ここで、行方向とは画素行の画素の配列方向(すなわち、水平方向)をいい、列方向とは画素列の画素の配列方向(すなわち、垂直方向)をいう。つまり、行方向は図中、横方向であり、列方向は図中、縦方向である。
【0018】
画素アレイ部21において、行列状の画素配列に対して、画素行ごとに画素駆動線28が行方向に沿って配線され、各画素列に2つの垂直信号線29が列方向に沿って配線されている。例えば画素駆動線28は、画素から信号を読み出す際の駆動を行うための駆動信号を伝送する。なお、図1では、画素駆動線28について1本の配線として示しているが、1本に限られるものではない。画素駆動線28の一端は、垂直駆動部22の各行に対応した出力端に接続されている。
【0019】
垂直駆動部22は、シフトレジスタやアドレスデコーダなどによって構成され、画素アレイ部21の各画素を全画素同時あるいは行単位等で駆動する。すなわち、垂直駆動部22は、垂直駆動部22を制御するシステム制御部25とともに、画素アレイ部21の各画素の動作を制御する駆動部を構成している。
【0020】
垂直駆動部22による駆動制御に応じて画素行の各画素から出力される信号は、垂直信号線29を通してカラム処理部23に入力される。カラム処理部23は、各画素から垂直信号線29を通して出力される信号に対して所定の信号処理を行うとともに、信号処理後の画素信号を一時的に保持する。
【0021】
具体的には、カラム処理部23は、信号処理としてノイズ除去処理やAD(Analog to Digital)変換処理などを行う。
【0022】
水平駆動部24は、シフトレジスタやアドレスデコーダなどによって構成され、カラム処理部23の画素列に対応する単位回路を順番に選択する。この水平駆動部24による選択走査により、カラム処理部23において単位回路ごとに信号処理された画素信号が順番に出力される。
【0023】
システム制御部25は、各種のタイミング信号を生成するタイミングジェネレータなどによって構成され、そのタイミングジェネレータで生成された各種のタイミング信号を基に、垂直駆動部22、カラム処理部23、および水平駆動部24などの駆動制御を行う。
【0024】
信号処理部26は、少なくとも演算処理機能を有し、カラム処理部23から出力される画素信号に基づいて演算処理等の種々の信号処理を行う。データ格納部27は、信号処理部26での信号処理にあたって、その処理に必要なデータを一時的に格納する。
【0025】
[2.画素の構成例]
次に、画素アレイ部21に設けられた画素の構成例について説明する。画素アレイ部21に設けられた画素は、例えば図2に示すように構成される。
【0026】
図2は画素アレイ部21に設けられた1つの画素51の断面を示しており、この画素51は外部から受光領域103に入射した光、特に赤外光を受光して光電変換し、その結果得られた電荷に応じた信号を出力する。
【0027】
画素51は、例えばシリコン基板、すなわちP型半導体領域からなるP型半導体基板を含むセンサ基板102と、センサ基板102上に形成された撮像光学系の一例であるオンチップレンズ62とを有している。センサ基板102は、回路基板101上に積層される。
【0028】
回路基板101には、後述する転送トランジスタ、リセットトランジスタ、増幅トランジスタ、および選択トランジスタ等の画素トランジスタが設けられる。回路基板101の回路構成の一例については、図4を参照して後述する。
【0029】
センサ基板102の図中、上側の表面、つまり受光領域103における外部からの光が入射する側の面(以下、入射面とも称する)上には、外部から入射した光を集光して受光領域103内に入射させるオンチップレンズ62が形成されている。
【0030】
また、画素51は、受光領域103の入射面上における画素51の端部分に、隣接する画素間での混色を防止するための画素間遮光部63-1および画素間遮光部63-2が形成されている。
【0031】
さらに、センサ基板102は、受光領域103における光の入射面に、接地電位以下の電圧が印加される入射面電極104が設けられことによって、電荷収集効率の向上を可能とした。かかる点については、図6を参照して後述する。
【0032】
受光領域103内における入射面とは反対の面側、すなわち図中、下側の面の内側の部分には、酸化膜64と、Tap(タップ)と呼ばれる信号取り出し部65-1および信号取り出し部65-2とが形成されている。
【0033】
この例では、受光領域103の入射面とは反対側の面近傍における画素51の中心部分に酸化膜64が形成されており、その酸化膜64の両端にそれぞれ信号取り出し部65-1および信号取り出し部65-2が形成されている。
【0034】
ここで、信号取り出し部65-1は、N型半導体領域であるN+半導体領域71-1およびN-半導体領域72-1と、P型半導体領域であるP+半導体領域73-1およびP-半導体領域74-1とを有している。
【0035】
すなわち、受光領域103の入射面とは反対側の面の表面内側部分における、酸化膜64の図中、右側に隣接する位置にN+半導体領域71-1が形成されている。また、N+半導体領域71-1の図中、上側に、そのN+半導体領域71-1を覆うように(囲むように)N-半導体領域72-1が形成されている。
【0036】
さらに、受光領域103の入射面とは反対側の面の表面内側部分における、N+半導体領域71-1の図中、右側に隣接する位置にP+半導体領域73-1が形成されている。また、P+半導体領域73-1の図中、上側に、そのP+半導体領域73-1を覆うように(囲むように)P-半導体領域74-1が形成されている。
【0037】
なお、ここでは図示はされていないが、より詳細には受光領域103をセンサ基板102の面と垂直な方向から見たときに、P+半導体領域73-1およびP-半導体領域74-1を中心として、それらのP+半導体領域73-1およびP-半導体領域74-1の周囲を囲むように、N+半導体領域71-1およびN-半導体領域72-1が形成されている。
【0038】
同様に信号取り出し部65-2は、N型半導体領域であるN+半導体領域71-2およびN+半導体領域71-2よりもドナー不純物の濃度が低いN-半導体領域72-2と、P型半導体領域であるP+半導体領域73-2およびP+半導体領域73-2よりもアクセプター不純物濃度が低いP-半導体領域74-2とを有している。ここで、ドナー不純物とは、例えばSiに対してのリン(P)やヒ素(As)等の元素の周期表で5族に属する元素が挙げられ。アクセプター不純物とは、例えばSiに対してのホウ素(B)等の元素の周期表で3族に属する元素が挙げられる。
【0039】
すなわち、受光領域103の入射面とは反対側の面の表面内側部分における、酸化膜64の図中、左側に隣接する位置にN+半導体領域71-2が形成されている。また、N+半導体領域71-2の図中、上側に、そのN+半導体領域71-2を覆うように(囲むように)N-半導体領域72-2が形成されている。
【0040】
さらに、受光領域103の入射面とは反対側の面の表面内側部分における、N+半導体領域71-2の図中、左側に隣接する位置にP+半導体領域73-2が形成されている。また、P+半導体領域73-2の図中、上側に、そのP+半導体領域73-2を覆うように(囲むように)P-半導体領域74-2が形成されている。
【0041】
なお、ここでは図示はされていないが、より詳細には受光領域103をセンサ基板102の面と垂直な方向から見たときに、P+半導体領域73-2およびP-半導体領域74-2を中心として、それらのP+半導体領域73-2およびP-半導体領域74-2の周囲を囲むように、N+半導体領域71-2およびN-半導体領域72-2が形成されている。
【0042】
以下、信号取り出し部65-1および信号取り出し部65-2を特に区別する必要のない場合、単に信号取り出し部65とも称することとする。
【0043】
また、以下、N+半導体領域71-1およびN+半導体領域71-2を特に区別する必要のない場合、単にN+半導体領域71とも称し、N-半導体領域72-1およびN-半導体領域72-2を特に区別する必要のない場合、単にN-半導体領域72とも称することとする。
【0044】
さらに、以下、P+半導体領域73-1およびP+半導体領域73-2を特に区別する必要のない場合、単にP+半導体領域73とも称し、P-半導体領域74-1およびP-半導体領域74-2を特に区別する必要のない場合、単にP-半導体領域74とも称することとする。
【0045】
また、受光領域103では、N+半導体領域71-1とP+半導体領域73-1との間には、それらの領域を分離するための分離部75-1が酸化膜等により形成されている。同様にN+半導体領域71-2とP+半導体領域73-2との間にも、それらの領域を分離するための分離部75-2が酸化膜等により形成されている。以下、分離部75-1および分離部75-2を特に区別する必要のない場合、単に分離部75とも称することとする。
【0046】
受光領域103に設けられたN+半導体領域71は、外部から画素51に入射してきた光の光量、すなわち受光領域103による光電変換により発生した信号キャリアの量を検出するための検出部として機能する。また、P+半導体領域73は、多数キャリア電流を受光領域103に注入するための、すなわち受光領域103に直接電圧を印加して受光領域103内に電界を発生させるための注入接触部として機能する。
【0047】
画素51では、N+半導体領域71-1には、直接、図示せぬ浮遊拡散領域であるFD(Floating Diffusion)部(以下、特にFD部Aとも称する)が接続されており、さらにそのFD部Aは、図示せぬ増幅トランジスタ等を介して垂直信号線29に接続されている。
【0048】
同様に、N+半導体領域71-2には、直接、FD部Aとは異なる他のFD部(以下、特にFD部Bとも称する)が接続されており、さらにそのFD部Bは、図示せぬ増幅トランジスタ等を介して垂直信号線29に接続されている。ここで、FD部AとFD部Bとは互いに異なる垂直信号線29に接続されている。
【0049】
例えば間接ToF方式により対象物までの距離を測定しようとする場合、固体撮像素子11が設けられた撮像装置から対象物に向けて赤外光が射出される。そして、その赤外光が対象物で反射されて反射光として撮像装置に戻ってくると、固体撮像素子11の受光領域103は入射してきた反射光(赤外光)を受光して光電変換する。
【0050】
このとき、垂直駆動部22は画素51を駆動させ、光電変換により得られた電荷に応じた信号をFD部AとFD部Bとに振り分ける。なお、上述したように画素51の駆動は垂直駆動部22ではなく、垂直信号線29や他の垂直方向に長い制御線を介して、別に設けられた駆動部や水平駆動部24等により行われるようにしてもよい。
【0051】
例えばあるタイミングでは、垂直駆動部22はコンタクト等を介して2つのP+半導体領域73に電圧を印加する。具体的には、例えば垂直駆動部22はP+半導体領域73-1に1.5Vの電圧を印加し、P+半導体領域73-2には0Vの電圧を印加する。
【0052】
すると、受光領域103における2つのP+半導体領域73の間に電界が発生し、P+半導体領域73-1からP+半導体領域73-2へと電流が流れる。この場合、受光領域103内の正孔(ホール)はP+半導体領域73-2の方向へと移動することになり、電子はP+半導体領域73-1の方向へと移動することになる。
【0053】
したがって、このような状態でオンチップレンズ62を介して外部からの赤外光(反射光)が受光領域103内に入射し、その赤外光が受光領域103内で光電変換されて電子と正孔のペアに変換されると、得られた電子はP+半導体領域73間の電界によりP+半導体領域73-1の方向へと導かれ、N+半導体領域71-1内へと移動する。
【0054】
この場合、光電変換で発生した電子が、画素51に入射した赤外光の量、すなわち赤外光の受光量に応じた信号を検出するための信号キャリアとして用いられることになる。
【0055】
これにより、N+半導体領域71-1には、N+半導体領域71-1内へと移動してきた電子に応じた電荷が蓄積されることになり、この電荷がFD部Aや増幅トランジスタ、垂直信号線29等を介してカラム処理部23で検出される。
【0056】
すなわち、N+半導体領域71-1の蓄積電荷が、そのN+半導体領域71-1に直接接続されたFD部Aに転送され、FD部Aに転送された電荷に応じた信号が増幅トランジスタや垂直信号線29を介してカラム処理部23により読み出される。そして、読み出された信号に対して、カラム処理部23においてAD変換処理等の処理が施され、その結果得られた画素信号が信号処理部26へと供給される。
【0057】
この画素信号は、N+半導体領域71-1により検出された電子に応じた電荷量、すなわちFD部Aに蓄積された電荷の量を示す信号となる。換言すれば、画素信号は画素51で受光された赤外光の光量を示す信号であるともいうことができる。
【0058】
また、次のタイミングでは、これまで受光領域103内で生じていた電界と反対方向の電界が発生するように、垂直駆動部22によりコンタクト等を介して2つのP+半導体領域73に電圧が印加される。具体的には、例えばP+半導体領域73-2に1.5Vの電圧が印加され、P+半導体領域73-1には0Vの電圧が印加される。
【0059】
これにより、受光領域103における2つのP+半導体領域73の間で電界が発生し、P+半導体領域73-2からP+半導体領域73-1へと電流が流れる。
【0060】
このような状態でオンチップレンズ62を介して外部からの赤外光(反射光)が受光領域103内に入射し、その赤外光が受光領域103内で光電変換されて電子と正孔のペアに変換されると、得られた電子はP+半導体領域73間の電界によりP+半導体領域73-2の方向へと導かれ、N+半導体領域71-2内へと移動する。
【0061】
これにより、N+半導体領域71-2には、N+半導体領域71-2内へと移動してきた電子に応じた電荷が蓄積されることになり、この電荷がFD部Bや増幅トランジスタ、垂直信号線29等を介してカラム処理部23で検出される。
【0062】
すなわち、N+半導体領域71-2の蓄積電荷が、そのN+半導体領域71-2に直接接続されたFD部Bに転送され、FD部Bに転送された電荷に応じた信号が増幅トランジスタや垂直信号線29を介してカラム処理部23により読み出される。そして、読み出された信号に対して、カラム処理部23においてAD変換処理等の処理が施され、その結果得られた画素信号が信号処理部26へと供給される。
【0063】
このようにして、同じ画素51において互いに異なる期間の光電変換で得られた画素信号が得られると、信号処理部26は、それらの画素信号に基づいて対象物までの距離を示す距離情報を算出し、後段へと出力する。
【0064】
このように互いに異なるN+半導体領域71へと信号キャリアを振り分けて、それらの信号キャリアに応じた信号に基づいて距離情報を算出する方法は、間接ToF方式と呼ばれている。
【0065】
また、画素51における信号取り出し部65の部分を図2中、上から下方向、つまり受光領域103の面と垂直な方向に見ると、例えば図3に示すようにP+半導体領域73の周囲がN+半導体領域71により囲まれるような構造となっている。なお、図3において、図2における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0066】
図3に示す例では、画素51の中央部分には図示せぬ酸化膜64が形成されており、画素51の中央からやや端側の部分に信号取り出し部65が形成されている。特に、ここでは画素51内には2つの信号取り出し部65が形成されている。
【0067】
そして、各信号取り出し部65では、その中心位置に矩形状にP+半導体領域73が形成されており、そのP+半導体領域73を中心として、P+半導体領域73の周囲が矩形状、より詳細には矩形枠形状のN+半導体領域71により囲まれている。すなわち、N+半導体領域71は、P+半導体領域73の周囲を囲むように形成されている。
【0068】
また、画素51では、画素51の中心部分、すなわち矢印A11に示す部分に外部から入射してくる赤外光が集光されるようにオンチップレンズ62が形成されている。換言すれば、外部からオンチップレンズ62に入射した赤外光は、オンチップレンズ62により矢印A11に示す位置、つまり図2における酸化膜64の図2中、上側の位置に集光される。
【0069】
ここで、間接ToF方式の測距に使用される一般的な画素は、信号取り出し部65と、画素トランジスタとがセンサ基板102における同じ層内に設けられる。このため、画素は、微細化が進むと、信号取り出し部65と画素トランジスタとの距離が近くなり、信号取り出し部65から画素トランジスタ側へ電流のリークが発生して電荷収集効率が低下する。
【0070】
具体的には、上記したように、画素は、一対のP+半導体領域73に対して交互に所定の電圧を印加し、P+半導体領域73-1とP+半導体領域73-2との間に順次双方向の電流を流して、FD部AとFD部Bとに光電変換により得られた電荷を振り分ける。
【0071】
しかしながら、画素は、微細化が進み、信号取り出し部65と画素トランジスタとの距離が近くなると、本来、P+半導体領域73-1とP+半導体領域73-2との間に流れるべき電流の一部が画素トランジスタのPwell領域へリークする。
【0072】
これにより、画素は、消費電力が増大するだけでなく、電荷を信号取り出し部65へ誘導するために受光領域に発生させる電界強度が弱くなり、その結果、N+半導体領域71によって補足される電荷が減少するので、電荷収集効率が低下する。
【0073】
そこで、本開示に係る画素51は、画素トランジスタが回路基板101に設けられ、信号取り出し部65を含む受光領域103が回路基板101に積層されるセンサ基板102に設けられる。
【0074】
このように、画素51では、信号取り出し部65と画素トランジスタとが積層される異なる基板に設けられるので、画素51が面方向に微細化されても、信号取り出し部65と画素トランジスタとの距離が短くなることがない。
【0075】
したがって、画素51は、微細化された場合に、信号取り出し部65から画素トランジスタへの電流のリークを防止することによって、消費電力を低減することができると共に、電荷収集効率を向上させることができる。
【0076】
[3.画素の路構成例]
次に、図4を参照し、本開示に係る画素の回路構成例について説明する。図4は、本開示に係る画素の回路構成例を示す図である。
【0077】
図4に示す様に、画素51では、センサ基板102に、N+半導体領域71-1およびP+半導体領域73-1等を含む信号取り出し部65-1が設けられる。回路基板101には、信号取り出し部65-1に対応する画素トランジスタとなる転送トランジスタ721A、FD722A、リセットトランジスタ723A、増幅トランジスタ724A、及び、選択トランジスタ725Aが設けられる。
【0078】
また、画素51では、センサ基板102に、N+半導体領域71-2およびP+半導体領域73-2等を含む信号取り出し部65-2が設けられる。回路基板101には、信号取り出し部65-2に対応する画素トランジスタとなる転送トランジスタ721B、FD722B、リセットトランジスタ723B、増幅トランジスタ724B、及び、選択トランジスタ725Bが設けられる。
【0079】
垂直駆動部22は、P+半導体領域73-1に所定の電圧MIX0を印加し、P+半導体領域73-2に所定の電圧MIX1を印加する。上述した例では、電圧MIX0およびMIX1の一方が1.5Vで、他方が0Vである。P+半導体領域73-1および73-2は、所定の電圧が印加される電圧印加電極である。
【0080】
N+半導体領域71-1および71-2は、受光領域103に入射された光が光電変換されて生成された電荷を検出して、蓄積する電荷蓄積電極である。
【0081】
転送トランジスタ721Aは、ゲート電極に供給される駆動信号TRGがアクティブ状態になるとこれに応答して導通状態になることで、N+半導体領域71-1に蓄積されている電荷をFD722Aに転送する。転送トランジスタ721Bは、ゲート電極に供給される駆動信号TRGがアクティブ状態になるとこれに応答して導通状態になることで、N+半導体領域71-2に蓄積されている電荷をFD722Bに転送する。
【0082】
FD722Aは、N+半導体領域71-1から供給された電荷を一時保持する。FD722Bは、N+半導体領域71-2から供給された電荷を一時保持する。FD722Aは、図2を参照して説明したFD部Aに対応し、FD722Bは、FD部Bに対応するものである。
【0083】
リセットトランジスタ723Aは、ゲート電極に供給される駆動信号RSTがアクティブ状態になるとこれに応答して導通状態になることで、FD722Aの電位を所定のレベル(リセット電圧VDD)にリセットする。リセットトランジスタ723Bは、ゲート電極に供給される駆動信号RSTがアクティブ状態になるとこれに応答して導通状態になることで、FD722Bの電位を所定のレベル(リセット電圧VDD)にリセットする。なお、リセットトランジスタ723Aおよび723Bがアクティブ状態とされるとき、転送トランジスタ721Aおよび721Bも同時にアクティブ状態とされる。
【0084】
増幅トランジスタ724Aは、ソース電極が選択トランジスタ725Aを介して垂直信号線29Aに接続されることにより、垂直信号線29Aの一端に接続されている定電流源回路部726Aの負荷MOSとソースフォロワ回路を構成する。増幅トランジスタ724Bは、ソース電極が選択トランジスタ725Bを介して垂直信号線29Bに接続されることにより、垂直信号線29Bの一端に接続されている定電流源回路部726Bの負荷MOSとソースフォロワ回路を構成する。
【0085】
選択トランジスタ725Aは、増幅トランジスタ724Aのソース電極と垂直信号線29Aとの間に接続されている。選択トランジスタ725Aは、ゲート電極に供給される選択信号SELがアクティブ状態になるとこれに応答して導通状態となり、増幅トランジスタ724Aから出力される画素信号を垂直信号線29Aに出力する。
【0086】
選択トランジスタ725Bは、増幅トランジスタ724Bのソース電極と垂直信号線29Bとの間に接続されている。選択トランジスタ725Bは、ゲート電極に供給される選択信号SELがアクティブ状態になるとこれに応答して導通状態となり、増幅トランジスタ724Bから出力される画素信号を垂直信号線29Bに出力する。
【0087】
画素51の転送トランジスタ721Aおよび721B、リセットトランジスタ723Aおよび723B、増幅トランジスタ724Aおよび724B、並びに、選択トランジスタ725Aおよび725Bは、例えば、垂直駆動部22によって制御される。
【0088】
このように、画素51は、信号取り出し部65がセンサ基板102に設けられ、画素トランジスタが回路基板101に設けられるので、信号取り出し部65から画素トランジスタへの電流のリークを防止することにより、電荷収集効率を向上させることができる。
【0089】
また、画素51は、信号取り出し部65を含む受光領域103が、例えば、GaAs、InGaAs等のIII-V族化半導体によって形成される。これにより、画素51は、直接遷移型バンド構造による量子効率向上、感度向上、基板薄膜化によるセンサ低背化が可能となる。
【0090】
また、信号取り出し部65を含む受光領域103は、例えば、Ge、GaSb等によって形成されてもよい。この場合、画素51は、高電子移動度による電子収集効率向上、および低正孔移動度による消費電力低減が可能となる。
【0091】
[4.回路基板とセンサ基板との接続態様]
次に、図5を参照して回路基板とセンサ基板との接続態様について説明する。図5は、本開示に係る回路基板とセンサ基板との接続態様を示す図である。
【0092】
図5には、受光領域103のP+半導体領域73へ所定の電圧を印加するセンサ基板102側の配線と、回路基板101側の配線とを接続するCu-Cu接合部MIXを白丸で示している。また、受光領域103のN+半導体領域71に接続されるセンサ基板102側の配線と、回路基板101側の配線とを接続するCu-Cu接合部DETを黒丸で示している。
【0093】
図5に示すように、画素51は、Cu-Cu接合部MIXが画素アレイ21の外側に2箇所設けられる。また、Cu-Cu接合部DETは、画素51毎に2箇所設けられる。これにより、画素51は、Cu-Cu接合部MIXが画素毎に設けられる場合に比べて、Cu-Cu接合部MIXの数を低減することで微細化が容易になる。なお、Cu-Cu接合部MIXは、TCV(Through Chip Via)によって構成されてもよい。また、Cu-Cu接合部MIX,DETは、バンプによって構成されてもよい。
【0094】
[5.入射面電極および画素分離領域]
次に、図6を参照して本開示に係る入射面電極および画素分離領域について説明する。図6は、本開示に係る入射面電極および画素分離領域の説明図である。図6に示すように、画素51では、例えば、受光領域103内に、信号取り出し部65-1から信号取り出し部65-2へ電流を流すと、光電変換された電荷は、電流によって発生する電界により、矢印で示すように、信号取り出し部65-2から信号取り出し部65-1へ誘導される。
【0095】
ここで、画素51は、光の入射面の面方向における微細化が進むと、信号取り出し部65-1と信号取り出し部65-2との間隔が縮小されるが、受光領域103の厚さ(深さ)方向の長さは縮小されない。
【0096】
このため、画素51は、微細化される場合、信号取り出し部65-1から信号取り出し部65-2へ電流を流しても、受光領域103における光の入射面近傍まで十分に電界を広げることができない。その結果、画素51は、受光領域103における光の入射面近傍において光電変換された電荷を効率的に信号取り出し部65-2へ誘導することができず、電荷収集効率が低下する。
【0097】
そこで、画素51は、受光領域103における光の入射面に入射面電極104が設けられる。入射面電極は、例えば、回路基板101に設けられる接地(グランド)配線または負電圧生成回路に接続され、0Vまたは負電圧が印加される。
【0098】
このため、画素51は、信号取り出し部65-1から信号取り出し部65-2へ電流を流すと、信号取り出し部65-1から入射面電極104へも電流が流れる。これにより、画素51は、信号取り出し部65-1から入射面電極104へ流れる電流により発生する電界によって、矢印で示すように、光の入射面近傍において光電変換された電荷を効率的に信号取り出し部65-2へ誘導することができる。
【0099】
このように、画素51は、光の入射面に接地電位以下の電圧が印加される入射面電極104を備えるので、微細化されても、光の入射面近傍において光電変換された電荷を信号取り出し部65-1へ誘導することによって、電荷収集効率を向上させることができる。
【0100】
なお、入射面電極104は、入射光を透過させる必要があるため、透明電極が採用される。例えば、入射面電極104は、例えば、受光領域103における光の入射面に積層される負の固定電荷膜によって、光の入射面に形成されるホール蓄積層である。
【0101】
また、入射面電極104は、受光領域103における光の入射面にP型の不純物がドープされたP型導電層であってもよい。また、入射面電極104は、受光領域103における光の入射面に積層されるITO(Indium Tin Oxide)膜等の無機電極膜であってもよい。また、入射面電極104は、受光領域103における光の入射面に積層される透光性を有する膜厚(例えば、50nm以下)のW膜等の金属膜であってもよい。
【0102】
画素51は、上記した何れの入射面電極104が設けられる場合にも、信号取り出し部65から入射面電極104へ流れる電流により発生する電界によって、光の入射面近傍において光電変換された電荷を信号取り出し部65へ効率的に誘導することができる。
【0103】
また、画素51は、受光領域103と、隣接する画素51の受光領域103との間に、隣接する受光領域を電気的に分離する画素分離領域105を備える。画素分離領域105は、例えば、各画素51の間に形成されるDTI(Deep Trench Isolation)である。
【0104】
画素分離領域105は、受光領域103における光の入射面から受光領域103における光の入射面と対向する面へ向かう中途部まで達する。かかる画素分離領域105は、画素51毎に設けられる複数の受光領域103が行列状に配列される画素アレイ21を受光領域103毎に区画するように設けられる。
【0105】
これにより、各画素51は、画素分離領域105によって、受光領域103内に光電変換した電荷を閉じ込めることができるため、隣接する画素51に電荷が漏れることによる電気的混色の発生を抑制することができる。次に、かかる画素分離領域103の構成例について説明する。
【0106】
[6.画素分離領域の構成例]
図7A図7Cは、本開示に係る画素分離領域の構成例を示す図である。図7Aに示すように、画素分離領域105Aは、例えば、SiO等の絶縁体106によって構成される。これにより、画素51は、上記したように、画素分離領域105Aによって画素51間における電気的混色を抑制することができる。また、画素分離領域105によれば、受光領域103へ入射した光を反射することによって、入射光が隣接する画素51へ漏れることによる光学的混色を抑制することができる。
【0107】
また、図7Bに示すように、画素分離領域105Bは、表面にSiO等の絶縁膜107が設けられる金属108によって構成されてもよい。画素分離領域105Bによれば、金属108が遮光膜として機能するので、入射光が隣接する画素51へ漏れることによる光学的混色を抑制することができる。
【0108】
また、図7Cに示すように、画素分離領域105Cは、表面に負の固定電荷膜109が設けられるSiO等の絶縁体106によって構成されてもよい。画素分離領域105Cによれば、負の高低電荷膜109が受光領域103の電界分布を維持しつつ、画素分離領域105Cの表面で発生する暗電流や白点を抑制することができる。
【0109】
また、図7A図7Cに示す画素分離領域105A,105B,105Cは、電気的に浮遊状態(フローティング状態)にすることができる。この場合、画素51は、信号取り出し部65から入射面電極104へ流れる電流が受光領域103内をより均一に流れるため、画素51が微細化しても、入射面電極104近傍まで必要な電界を形成することができる。
【0110】
また、画素分離領域105Bの金属108、および、画素分離領域105Cにおける負の固定電荷膜109は、接地電位以下の電圧が印加されてもよい。この場合、画素51は、画素分離領域105B,105C近傍の受光領域103におけるSiがP型にピニングされるため、画素分離領域105B,105Cの表面で発生する暗電流や白点を抑制することができる。
【0111】
上記したように、画素51は、画素分離領域105A,105B,105Cによって、光学的混色や電気的混色が抑制されるため、輝度画像や距離画像の解像度を向上させることができると共に、暗電流等に起因するノイズを低減することができる。また、画素51は、背景光が強い場合、入射面電極104に印加する電圧を0Vに近付けることによって、感度を下げることもできる。
【0112】
[7.画素分離領域の変形例]
次に、図8図10を参照して画素分離領域の変形例および配置例について説明する。図8は、本開示の変形例1に係る画素分離領域の説明図である。図9は、本開示の変形例2に係る画素分離領域の説明図である。図10は、本開示に係る画素分離領域の配置例を示す図である。
【0113】
図8に示すように、変形例1に係る画素51Aは、受光領域103における光の入射面からセンサ基板102における光の入射面と対向する面まで達する画素分離領域110を備える。画素分離領域110は、例えば、SiO等の絶縁体によって構成される。画素分離領域110は、センサ基板102の表裏を貫通するように設けられるため、隣接する画素51Aとの間で生じる光学的混色や電気的混色をより確実に抑制することができる。
【0114】
また、図9に示すように、変形例2に係る画素51Bが備える画素分離領域110Aは、センサ基板102の表裏を貫通するように設けられるが、構成が図8に示す画素分離領域110とは異なる。
【0115】
画素分離領域110Aは、表面にSiO等の絶縁膜107が設けられる金属108によって構成される。かかる画素分離領域110Aは、例えば、図10に示すように、行列状に配列される複数の平面視矩形状をした受光領域103における角部に設けられ、入射面電極104と接地配線または負電圧発生回路とを接続する。
【0116】
画素分離領域110Aは、例えば、センサ基板102の接地(グランド)端子と、各入射面電極104との間を、受光領域103における光の入射面と対向する面側の低抵抗配線、または、回路基板101上の低抵抗配線によって接続することができる。これにより、入射面電極104は、配線抵抗による電圧降下が抑制される。
【0117】
また、画素分離領域110Aが平面視矩形状をした受光領域103における角部に設けられる場合、受光領域103の平面視における角部以外の外周には、例えば、図6に示した画素分離領域105が設けられる。
【0118】
このため、各受光領域103は、平面視における外周のうち角部以外の殆どの外周が、受光領域103における光の入射面から深さ方向の中途部まで伸びる画素分離領域105によって囲まれる。
【0119】
これにより、信号取り出し部65から入射面電極104へ流れる電流の大半が受光領域103内を均一に流れるため、画素51が微細化しても、入射面電極104近傍まで必要な電界を形成することができる。
【0120】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0121】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
入射する光を信号電荷に光電変換する受光領域と、
前記信号電荷を時分割して一対の電荷蓄積電極へ振り分ける電界を前記受光領域に発生させる電圧が交互に印加される一対の電圧印加電極と、
前記受光領域における光の入射面に設けられて接地電位以下の電圧が印加される入射面電極と
が設けられるセンサ基板と、
前記センサ基板における前記光の入射面と対向する面に設けられ、前記電荷蓄積電極に蓄積される前記信号電荷を処理する画素トランジスタ
が設けられる回路基板と
を有する受光素子。
(2)
前記入射面電極は、
前記光の入射面に積層される負の固定電荷膜によって前記入射面に形成されるホール蓄積層である
前記(1)に記載の受光素子。
(3)
前記入射面電極は、
前記光の入射面にP型の不純物がドープされたP型導電層である
前記(1)に記載の受光素子。
(4)
前記入射面電極は、
前記光の入射面に積層される無機電極膜である
前記(1)に記載の受光素子。
(5)
前記入射面電極は、
前記光の入射面に積層される透光性を有する膜厚の金属膜である
(1)に記載の受光素子。
(6)
行列状に配列される複数の前記受光領域の間に設けられ、隣接する前記受光領域を電気的に分離する画素分離領域
を有する前記(1)~(6)のいずれか一つに記載の受光素子。
(7)
前記画素分離領域は、
前記光の入射面から前記受光領域における前記入射面と対向する面へ向かう中途部まで達する
前記(6)に記載の受光素子。
(8)
前記画素分離領域は、
複数の前記受光領域が行列状に配列される画素アレイを前記受光領域毎に区画し、電気的に浮遊している
前記(7)に記載の受光素子。
(9)
前記画素分離領域は、
前記光の入射面から前記センサ基板における前記入射面と対向する面まで達する
前記(6)に記載の受光素子。
(10)
前記画素分離領域は、
行列状に配列される複数の平面視矩形状をした前記受光領域における角部に設けられ、前記入射面電極と接地配線または負電圧発生回路とを接続する
前記(9)に記載の受光素子。
(11)
前記画素分離領域は、
絶縁体によって構成される
前記(6)~(10)のいずれか一つに記載の受光素子。
(12)
前記画素分離領域は、
表面に絶縁膜が設けられる金属によって構成される
前記(6)~(10)のいずれか一つに記載の受光素子。
(13)
前記画素分離領域は、
表面に負の固定電荷膜が設けられる絶縁体によって構成される
前記(6)~(10)のいずれか一つに記載の受光素子。
(14)
入射する光を信号電荷に光電変換する複数の受光領域が行列状に配列される画素アレイと、
前記受光領域毎に、前記信号電荷を時分割して一対の電荷蓄積電極へ振り分ける電界を前記受光領域に発生させる電圧が交互に印加される一対の電圧印加電極と、
前記受光領域における光の入射面に設けられて接地電位以下の電圧が印加される入射面電極と
が設けられるセンサ基板と、
前記センサ基板における前記光の入射面と対向する面に設けられ、前記電荷蓄積電極に蓄積される前記信号電荷を処理する画素トランジスタ
が設けられる回路基板と
を有する撮像素子。
(15)
撮像光学系と、
入射する光を信号電荷に光電変換する複数の受光領域が行列状に配列される画素アレイと、
前記受光領域毎に、前記信号電荷を時分割して一対の電荷蓄積電極へ振り分ける電界を前記受光領域に発生させる電圧が交互に印加される一対の電圧印加電極と、
前記受光領域における光の入射面に設けられて接地電位以下の電圧が印加される入射面電極と
が設けられるセンサ基板と、
前記センサ基板における前記光の入射面と対向する面に設けられ、前記電荷蓄積電極に蓄積される前記信号電荷を処理する画素トランジスタ
が設けられる回路基板と
を有する撮像装置。
【符号の説明】
【0122】
11 固体撮像素子, 21 画素アレイ部, 22 垂直駆動部, 51 画素, 61 基板, 62 オンチップレンズ, 71-1,71-2,71 N+半導体領域, 73-1,73-2,73 P+半導体領域, 441-1,441-2,441 分離領域, 471-1,471-2,471 分離領域, 631 反射部材, 721 転送トランジスタ, 722 FD, 723 リセットトランジスタ, 724 増幅トランジスタ, 725 選択トランジスタ
図1
図2
図3
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図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10