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特許7638955抗ヒトP40タンパク質ドメイン抗体及びその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-21
(45)【発行日】2025-03-04
(54)【発明の名称】抗ヒトP40タンパク質ドメイン抗体及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C07K 16/24 20060101AFI20250225BHJP
   C07K 16/46 20060101ALI20250225BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20250225BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20250225BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20250225BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20250225BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20250225BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20250225BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20250225BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20250225BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20250225BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20250225BHJP
   A61P 37/00 20060101ALI20250225BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20250225BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20250225BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20250225BHJP
【FI】
C07K16/24
C07K16/46
C12N15/13 ZNA
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/08
C07K19/00
A61P1/04
A61P17/06
A61P37/00
A61P37/02
A61K39/395 N
A61K47/68
【請求項の数】 37
(21)【出願番号】P 2022505553
(86)(22)【出願日】2020-07-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 CN2020105039
(87)【国際公開番号】W WO2021018114
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2023-07-28
(31)【優先権主張番号】201910706137.1
(32)【優先日】2019-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201911040745.X
(32)【優先日】2019-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201911171754.2
(32)【優先日】2019-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519063026
【氏名又は名称】中山康方生物医▲藥▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】AKESO BIOPHARMA,INC.
【住所又は居所原語表記】6 Shennong Road,Torch Development Zone Zhongshan,Guangdong 528437 (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】シア,ユ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジョンミン・マクスウェル
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ペン
(72)【発明者】
【氏名】リ,バイヨン
【審査官】藤澤 雅樹
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第103275222(CN,A)
【文献】特表2014-506132(JP,A)
【文献】国際公開第2019/110691(WO,A1)
【文献】特表2004-527212(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 16/00
C12N 15/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トIL-12/IL-23p40に特異的に結合する、抗体又はその抗原結合性断片であって、前記抗体は:
列番号24に記載の重鎖可変領域;及び
列番号25に記載の軽鎖可変領域
を含み、
HCDR1は、配列番号26に記載の配列からなり、
HCDR2は、配列番号4に記載の配列からなり、
HCDR3は、配列番号5に記載の配列からなり;
LCDR1は、配列番号27に記載の配列からなり、
LCDR2は、配列番号28に記載の配列からなり、及び
LCDR3は、配列番号22に記載の配列からなる、
抗体又はその抗原結合性断片
【請求項2】
請求項1記載の抗体又はその抗原結合性断片であって、前記抗体が、重鎖定常領域及び軽鎖定常領域をさらに含み、そして、前記定常領域が、マウス以外の種に由来する、抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項3】
請求項1又は2記載の抗体又はその抗原結合性断片であって、前記定常領域が、ヒト抗体に由来する、抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項4】
請求項1又は2記載の抗体又はその抗原結合性断片であって、前記定常領域が、ヒトIgGに由来する、抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項5】
請求項1又は2記載の抗体又はその抗原結合性断片であって、前記定常領域が、IgG1に由来する、抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項6】
請求項1又は2記載の抗体又はその抗原結合性断片であって、前記重鎖定常領域が、Igγ-1鎖C領域であり;前記軽鎖定常領域が、Igκ鎖C領域である、抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項7】
請求項1又は2記載の抗体又はその抗原結合性断片であって、前記抗体が、配列番号39に記載の重鎖及び配列番号40に記載の軽鎖を含むか又はそれらからなる、抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項8】
請求項1又は2記載の抗体又はその抗原結合性断片であって、前記抗原結合性断片が、Fab、Fab’、F(ab’) 、F、Fab/c、一本鎖抗体及び二価の抗体からなる群より選択される、抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項9】
請求項1又は2記載の抗体又はその抗原結合性断片であって、前記抗原結合性断片が、scFvである、抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項10】
請求項1又は2記載の抗体又はその抗原結合性断片であって、前記抗体が、ヒト化抗体、キメラ抗体又は多重特異性抗体である、抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項11】
請求項1又は2記載の抗体又はその抗原結合性断片であって、前記抗体が、二重特異性抗体である、抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項12】
請求項1又は2記載の抗体又はその抗原結合性断片であって、前記抗体が1-5M未満のでヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに結合する、抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項13】
請求項1又は2記載の抗体又はその抗原結合性断片であって、前記抗体が、100nM満のEC50でヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに結合する、抗体又はその抗原結合性断片
【請求項14】
単離されたポリヌクレオチドであって、前記ポリヌクレオチドが、配列番号37に記載のヌクレオチド配列、及び配列番号38に記載のヌクレオチド配列を含むか又はそれらからなる、ポリヌクレオチド。
【請求項15】
請求項14記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
【請求項16】
請求項14記載のポリヌクレオチド又は請求項15記載のベクターを含む、宿主細胞。
【請求項17】
請求項16記載の宿主細胞を適切な条件下で培養すること、及び前記細胞培養物から前記抗体又はその抗原結合性断片を単離することを含む、請求項1~13のいずれか項記載の抗体又はその抗原結合性断片を調製するための方法。
【請求項18】
請求項1~13のいずれか項記載の抗体又はその抗原結合性断片、及びそれに結合されたコンジュゲート部分を含む抗体コンジュゲートであって、前記コンジュゲート部分が、精製タグ、細胞傷害性薬剤又は検出可能な標識である、抗体コンジュゲート。
【請求項19】
前記コンジュゲート部分が、Hisタグ、放射性同位体、発光物質、着色物質、酵素又はポリエチレングリコールである、請求項18記載の抗体コンジュゲート。
【請求項20】
請求項1~13のいずれか項記載の抗体又はその抗原結合性断片を含む、融合タンパク質。
【請求項21】
請求項1~13のいずれか項記載の抗体又はその抗原結合性断片を含む、多重特異性抗体。
【請求項22】
請求項1~13のいずれか項記載の抗体又はその抗原結合性断片、請求項18又は19記載の抗体コンジュゲート、請求項20記載の融合タンパク質、又は請求項21記載の多重特異性抗体を含む、キット
【請求項23】
前記キットが、前記抗体又はその抗原結合性断片を特異的に同定する第二の抗体をさらに含む、請求項22記載のキット。
【請求項24】
前記第二の抗体が、検出可能な標識をさらに含む、請求項23記載のキット
【請求項25】
前記検出可能な標識が、放射性同位元素、発光物質、着色物質、酵素又はポリエチレングリコールである、請求項24記載のキット。
【請求項26】
試料中のヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインの存在又はレベルを検出するためのキットの調製における、請求項1~13のいずれか項記載の抗体又はその抗原結合性断片、請求項18又は19記載の抗体コンジュゲート、請求項20記載の融合タンパク質又は請求項21記載の多重特異性抗体の使用。
【請求項27】
請求項1~13のいずれか項記載の抗体又はその抗原結合性断片、請求項18又は19記載の抗体コンジュゲート、請求項20記載の融合タンパク質又は請求項21記載の多重特異性抗体、及び薬学的に許容され得る担体及び/又は賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項28】
請求項27記載の医薬組成物であって、前記医薬組成物が、皮下注射、皮内注射、静脈内注射、筋肉内注射又は病巣内注射による投与に適した形態である、医薬組成物。
【請求項29】
ヒトIL-12Rβ1又はヒトIL-23Rに対するヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインの結合を遮断する薬物
ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインの活性を遮断するか、又はそのレベルをダウンレギュレートするための薬物、又は
p40タンパク質ドメインに対するヒトIL-12Rβ1又はヒトIL-23Rの結合により媒介される細胞応答を遮断するための薬物
調製における、請求項1~13のいずれか項記載の抗体又はその抗原結合性断片、請求項18又は19記載の抗体コンジュゲート、請求項20記載の融合タンパク質、請求項21記載の多重特異性抗体又は請求項27又は28記載の医薬組成物の使用
【請求項30】
ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインのリガンドが、ヒトIL-12Rβ1又はヒトIL-23Rである、請求項29記載の使用。
【請求項31】
自己免疫疾患又は潰瘍性大腸炎を処置するための薬物の調製における、請求項1~13のいずれか一項記載の抗体又はその抗原結合性断片、請求項18又は19記載の抗体コンジュゲート、請求項20記載の融合タンパク質、請求項21記載の多重特異性抗体又は請求項27又は28記載の医薬組成物の使用。
【請求項32】
自己免疫疾患が、尋常性乾癬又は全身性エリテマトーデスであり、又は潰瘍性大腸炎が、難治性又は再発性である、請求項31記載の使用。
【請求項33】
ガンドIL-12Rβ1又はIL-23Rに対するヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインの結合を遮断する、
ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインの活性又はレベルをダウンレギュレートする、及び
p40タンパク質ドメインに対するヒトIL-12Rβ1又はヒトIL-23Rの結合により媒介される細胞応答を遮断す
ための、請求項27又は28記載の医薬組成物。
【請求項34】
IL-12/IL-23p40のリガンドは、IL-12Rβ1又はIL-23Rである、請求項33記載の医薬組成物。
【請求項35】
自己免疫疾患又は潰瘍性大腸炎の予防、処置、アジュバント処置及び/又は診断のための、請求項1~13のいずれか項記載の抗体又はその抗原結合性断片、請求項18又は19記載の抗体コンジュゲート、請求項20記載の融合タンパク質、請求項21記載の多重特異性抗体又は請求項27又は28記載の医薬組成物
【請求項36】
自己免疫疾患が、尋常性乾癬又は全身性エリテマトーデスであり、又は潰瘍性大腸炎が、難治性又は再発性である、請求項35記載の抗体又はその抗原結合性断片、抗体コンジュゲート、融合タンパク質、多重特異性抗体又は医薬組成物。
【請求項37】
従来の処置を受けているか、又は生物学的薬剤に対して不十分な応答性、不応答性又は不耐性であり、完全な奏功又は部分奏功に失敗している被験体における、自己免疫疾患又は潰瘍性大腸炎の予防、処置、アジュバント処置及び/又は診断のための、請求項1~13のいずれか一項記載の抗体又はその抗原結合性断片、請求項18又は19記載の抗体コンジュゲート、請求項20記載の融合タンパク質、請求項21記載の多重特異性抗体又は請求項27又は28記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬の分野に属し、特に、インターロイキンIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインの機能を遮断するためのモノクローナル抗体及びその使用に関する。
【0002】
背景
細胞傷害性リンパ球成熟因子(CLMF)又はナチュラルキラー細胞刺激因子(NKSF)としても知られるインターロイキン12(IL-12)は、インターロイキンファミリーのメンバーである。IL-12は、独特のヘテロ二量体構造を有し、二つのタンパク質ドメイン、p40及びp35を、ジスルフィド結合を介して、共有結合で結合することにより形成されるグリコシル化ペプチド鎖(相対分子量75,000ダルトンを有する)である。IL-12は、306個のアミノ酸からなり、10個のシステイン残基及び4個の潜在的グリコシル化部位を含む重鎖(p40)、及び197個のアミノ酸からなり、7個のシステイン残基及び3個の潜在的グリコシル化部位を含む軽鎖(p35)を有する。
【0003】
2000年にOppmannらにより発見されたインターロイキン‐12(IL-12)サイトカインファミリーの新たなメンバーであるインターロイキン23(IL-23)は、IL-12のp19タンパク質ドメインとp40タンパク質ドメインをジスルフィド結合を介して共有結合で結合することにより形成される、生物学的に活性な複合体サイトカインである。IL-23は、活性化された抗原提示細胞及び樹状細胞により分泌され得る。IL-23は、そのレセプターIL-23R及びIL-12Rβ1に結合するが、IL-12Rβ2には結合しない(Oppmann B et al., Immunity, 2000, 13(5): 715-725)。
IL-23及びIL-12は、ヤヌスキナーゼのTyk2、Jak2、及びSTATなどの同じシグナル伝達経路を共有するが、それぞれが、異なるT細胞に影響を及ぼす。IL23は、記憶T細胞CD4の急性増殖を誘導するが、IL-12は、バージン(virgin)CD4T細胞の増殖を刺激する。IL-12と同様に、ヒトIL-23は、PHA活性化T細胞及びCD45ROT細胞におけるIFN-γの産生及び増殖を刺激する。
IL-12及びIL-23の共通サブユニットp40を拮抗させることで、IL-12及びIL-23の経路を同時に効果的に拮抗させることができる。
【0004】
インターロイキン12は、主に樹状細胞、マクロファージ、Bリンパ球及びいくつかの他の抗原提示細胞(APC)により産生され、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)及び細胞傷害性T細胞(Tc細胞)の細胞毒性を増強し、静止しているか又は活性化したT細胞及びNK細胞を刺激してインターフェロンγ(IFN-γ)を産生させ、Th0からTh1への分化を促進することが出来る。また、IL-12は、Thl細胞がIFN-γ及びIL2を分泌するのを促進して、細胞性免疫応答を媒介し、T細胞及びNK細胞が、IFN-γ産生するのを誘導し、そして髄外造血機能を提供する。IL-12は、身体において、初期の非特異的免疫とそれに続く抗原特異的な適応免疫過程の両方において、極めて重要な役割を果たし、そしてIL-12は、多機能な免疫調節因子である(Manetti R et al., Journal of Experimental Medicine, 1993, 177(4): 1199-1204)。自己免疫誘導におけるIL-12の役割は、(1)抗原特異的なThl細胞の分化及び増殖を促進して、複数のサイトカインを産生させること、及びTh1型免疫応答を増強すること、及び(2)単核マクロファージを刺激して、様々な活性媒体を産生させること、免疫担当細胞の細胞毒性を増強すること及び自己組織の損傷を引き起こすことであり;IL-12はまた、抗体媒介性自己免疫にも関与している。
【0005】
IL-23は、様々な免疫疾患において重要な役割を果たしており、乾癬の発症に関与すると考えられている。乾癬の皮膚病変部での異常なIL-2及びTNF-aの蓄積は、乾癬の発症及び進行を促進し、皮膚病変部でリンパ球が複数のサイトカインを分泌することで、Th1サイトカインを主に含む巨大な細胞ネットワークを形成することが、前記疾患の重要な病理学的基盤であると考えられている。DCにより分泌されるTh1サイトカインは、乾癬の発症における開始因子であると考えられ、そして成熟したDCは、IFN-α及びIL-12の発現を増加させることができる。前記疾患の発症における精神的、遺伝的及び感染因子の特異的な作用機序は、不明である。Saint-Mezardらは、精神的ストレスが、皮膚DCの凝集を促進し、ハプテンに対する皮膚の遅延性アレルギー反応を増強することを見出した。IL-23はまた、DC誘導性炎症反応にも作用することが実験的に確認されているが、それが直接的な炎症因子であるかどうかは明らかでない。IL-12は、皮膚リンパ球抗原を介してT細胞を皮膚表面に媒介することにより乾癬の発症を誘導し、そしてRosmarinらは、IL-12の構造、レセプター及び機能を分析し、乾癬が、IL-12レベルを変化させることにより処置され得ることを示唆した(Rosmarin D et al., Journal of Drugs in Dermatology, 2005, 4(3): 318-325)。
【0006】
全身性エリテマトーデス(SLE)は、複雑な全身性世自己免疫疾患である。現在、中国では臨床処置に有効な処置の手段がなく、従来の処置は、主にホルモン及び免疫抑制剤を含む。有名な製薬会社Johnson&Johnsonの製品である、STELARA(R)(ウステキヌマブ(ustekinumab))は、米国FDAによりSLEの処置薬として承認されている、完全ヒトIL-12及びIL-23アンタゴニストであり、SLEの処置における抗IL-12p40抗体の有効性を示している(Janssen R&DのSTELARA(ウステキヌマブ)は、フェーズII試験において全身性エリテマトーデスの処置に肯定的な結果を示す)。
【0007】
したがって、IL-12及びIL-23は、自己免疫誘導及び免疫応答維持において極めて重要であり、その結果、IL-12及びIL-23の産生又はシグナル伝達を遮断するいかなる部分も、自己免疫疾患の発症及び進行を予防又は抑制することができる。
【0008】
構造的に、IL-12及びIL-23は、両方ともp40タンパク質ドメインを有し、p40タンパク質ドメインに特異的に結合するモノクローナル抗体は、IL-12及びIL-23経路の遮断薬として使用することができ、それにより、自己免疫疾患(尋常性乾癬及び全身性エリテマトーデスなど)を処置するための新たな薬物である。
【0009】
潰瘍性大腸炎は、主に免疫機能障害を特徴とする、1つのIBD疾患である。潰瘍性大腸炎は、複雑な臨床病理学的変化、長期の疾患経過及び反復される発作を特徴とし、複雑な疾患の病態を有する免疫疾患である。半数以上の患者が、従来の治療又は生物学的治療を受けており、緩和されていない。潰瘍性大腸炎は、ある特定の遺伝的状況における外因性因子と宿主因子の複合作用の結果である。病変は、通常S状結腸及び直腸に位置し、下行結腸、又は結腸全体にまで及ぶこともある。疾患の経過は長く、そして反復される発作が一般的である。前記疾患は、如何なる年齢でも発生するが、20~30歳代で最も多くみられる。潰瘍性大腸炎の特徴を考慮すると、潰瘍性大腸炎に罹患した患者を処置するためのより優れた抗体薬物を見出す必要がある。
【0010】
概要
本発明者らは、IL-12/IL-23p40の結晶構造に基づき、人工知能を使用して、モノクローナル抗体技術を設計して、抗体配列を開発し、ELISA等の方法により抗体の予備スクリーニングを行って、その後の薬力学的研究のための候補抗体として、より効力を有する抗体を最終的に選択した。
【0011】
さらに、本発明者らは、ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメイン(例えば、H5L9、H5L10、H5L11、H5L12、H5L14及びH8L15と呼ばれるヒト化抗体)に対するヒト化抗体を調製した。
本発明者らは、驚くべきことに、前記抗体がヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに特異的に結合し、良好な結合活性を示すことができることを見出した。
【0012】
さらに、本発明者らは、驚くべきことに、本明細書に開示された抗体が、細胞表面レセプターIL-12Rβ1及びIL-23Rに対するヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインの結合を効果的に遮断し、ヒト末梢血単核リンパ球によるIL-23誘導性IL-17Aの分泌を阻害することができることを見出した。
【0013】
本発明者らはまた、驚くべきことに、本明細書に開示された抗体が、ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに効果的に結合し、リガンドIL-12Rβ1及びIL-23Rに対するヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインの結合を遮断し、IL-12/IL-23の下流のシグナル伝達経路の活性化を阻害することが出来ることを見出した。前記抗体は、自己免疫疾患(例えば、尋常性乾癬又は全身性エリテマトーデス)及び潰瘍性大腸炎(例えば、難治性又は再発性)の予防及び治療のための薬剤を調製するために使用される可能性がある。
【0014】
上記抗体のCDR領域のアミノ酸配列は、当業者に周知の技術的手段、例えば、VBASE2データベースにより分析される。
【0015】
抗体の前記CDR領域が、抗原に対する抗体の結合特異性を担っていることは、当業者により理解されるであろう。抗体の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域の既知の配列を考慮すると、Kabat、IMGT、Chothia及びAbMのナンバリングシステムを含む、抗体のCDR領域を決定するためのいくつかの方法がある。
【0016】
具体的には、前記AbMナンバリングシステム:CDRを定義するためのAbM法は、Martinの関連研究(Martin ACR, Cheetham JC, Rees AR (1989) Modelling antibody hypervariableloops: A combined algorithm. Proc Natl Acad Sci USA 86: 9268-9272)から導出され、そしてこの方法は、Kabat法とChothia法の部分的定義を統合している。
【0017】
Kabatナンバリングシステム:例えば、Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, Md., 1991を参照のこと。
Chothiaナンバリングシステム:例えば、Chothia & Lesk (1987) J. Mol. Biol. 196: 901-917; Chothia et al.(1989), Nature 342: 878-883を参照のこと。IMGTナンバリングシステム:例えば、Lefranc et al., Dev. Comparat. Immunol. 27: 55-77, 2003を参照のこと。
【0018】
しかしながら、抗体又はその変異体に対するCDRの全ての定義の適用は、本明細書に定義され且つ使用される用語の範囲内にあるものとする。前記抗体の可変領域のアミノ酸配列が既知である場合、当業者は、一般に、配列そのもの以外のいかなる実験データにも依存することなく、どの残基が特定のCDRを含むかを決定することができる。Kabat及びChothiaCDRナンバリングシステムにより定義されるCDRの適切なアミノ酸残基を、比較のために以下に列挙する。具体的なCDRを含む残基の正確な数は、そのCDRの配列及びサイズにより変化する。
【0019】
好ましくは、本明細書中に開示された、抗体H5L9、H5L10、H5L11、H5L12及びH5L14は、同じHCDR1~3を有し、
前記重鎖可変領域の3つのHCDR領域のアミノ酸配列は、以下の通りである:
HCDR1:GYSFTTYW(配列番号3)
HCDR2:IMSPVDSDI(配列番号4)
HCDR3:ARRRPGQGYFDF(配列番号5)
本明細書に開示された抗体H5L9は、LCDR1~3を有し、
前記軽鎖可変領域の3つのCDR領域のアミノ酸配列は、以下の通りである:
LCDR1:QNVGSW(配列番号8)
LCDR2:ASS(配列番号9)
LCDR3:QQYDIYPFT(配列番号10)
本明細書に開示された抗体H5L10は、LCDR1~3を有し、
前記軽鎖可変領域の3つのCDR領域のアミノ酸配列は、以下の通りである:
LCDR1:QSVGSW(配列番号19)
LCDR2:ASN(配列番号21)
LCDR3:QQYNIYPYT(配列番号22)
本明細書に開示された抗体H5L11及びH5L12は、同じLCDR1~3を有し、
前記軽鎖可変領域の3つのCDR領域のアミノ酸配列は、以下の通りである:
LCDR1:QSVSSW(配列番号20)
LCDR2:ASN(配列番号21)
LCDR3:QQYNIYPYT(配列番号22)
本明細書に開示された抗体H5L14は、LCDR1~3を有し:
前記軽鎖可変領域の3つのCDR領域のアミノ酸配列は、以下の通りである:
LCDR1:QSVSSW(配列番号20)
LCDR2:ASN(配列番号21)
LCDR3:QQYNIYPFT(配列番号23)
本明細書に開示された抗体H8L15は、HCDR1~3及びLCDR1~3を有し、
前記重鎖可変領域の3つのHCDR領域のアミノ酸配列、は以下の通りである:
HCDR1:GYTFTSYW(配列番号26)
HCDR2:MSPVDSDI(配列番号4)
HCDR3:ARRRPGQGYFDF(配列番号5)
前記軽鎖可変領域の3つのCDR領域のアミノ酸配列は、以下の通りである:
LCDR1:QSVGTW(配列番号27)
LCDR2:AAS(配列番号28)
LCDR3:QQYNIYPYT(配列番号22)。
【0020】
本発明を以下に詳述する。
本発明の1つの態様は、好ましくはヒトIL-12/IL-23p40に特異的に結合する抗体又はその抗原結合性断片に関し、ここで、
(1)前記抗体は、
配列番号1に記載の重鎖可変領域に含まれるHCDR1、HCDR2及びHCDR3を含み、(ここで好ましくは、前記HCDR1は、配列番号3に記載の配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり、
前記HCDR2は、配列番号4に記載の配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり、及び
前記HCDR3は、配列番号5に記載の配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなる);
及び、前記抗体はさらに、
配列番号6に記載の軽鎖可変領域に含まれるLCDR1、LCDR2及びLCDR3を含み、(ここで好ましくは、前記LCDR1は、配列番号8に記載のアミノ酸配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり、
前記LCDR2は、配列番号9に記載のアミノ酸配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり、及び
前記LCDR3は、配列番号10に記載の配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなる);
(2)前記抗体は、
配列番号1に記載の重鎖可変領域に含まれるHCDR1、HCDR2及びHCDR3を含み、(ここで好ましくは、前記HCDR1は、配列番号3に記載の配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり、
前記HCDR2は、配列番号4に記載の配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり、及び
前記HCDR3は、配列番号5に記載の配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなる);
前記抗体はさらに、
配列番号11に記載の軽鎖可変領域に含まれるLCDR1、LCDR2及びLCDR3を含み、(ここで好ましくは、前記LCDR1は、配列番号19に記載のアミノ酸配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは配列と少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり、
前記LCDR2は、配列番号21に記載のアミノ酸配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり、及び
前記LCDR3は、配列番号22に記載の配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなる);
(3)前記抗体は、
配列番号1に記載の重鎖可変領域に含まれるHCDR1、HCDR2及びHCDR3を含み、(ここで好ましくは、前記HCDR1は、配列番号3に記載の配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり、
前記HCDR2は、配列番号4に記載の配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり、及び
前記HCDR3は、配列番号5に記載の配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれからなる);
前記抗体はさらに、
配列番号13及び15に記載の軽鎖可変領域に含まれるLCDR1、LCDR2及びLCDR3を含み、(ここで好ましくは、前記LCDR1は、配列番号20に記載のアミノ酸配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり、
前記LCDR2は、配列番号21に記載のアミノ酸配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり、及び
前記LCDR3は、配列番号22に記載の配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる);
(4)前記抗体は、
配列番号1に記載の重鎖可変領域に含まれるHCDR1、HCDR2及びHCDR3を含み、(ここで好ましくは、前記HCDR1は、配列番号3に記載の配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり、
前記HCDR2は、配列番号4に記載の配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり、及び
前記HCDR3は、配列番号5に記載の配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれからなる);
前記抗体はさらに、
配列番号17に記載の軽鎖可変領域に含まれるLCDR1、LCDR2及びLCDR3を含み、(ここで好ましくは、前記LCDR1は、配列番号20に記載のアミノ酸配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり、
前記LCDR2は、配列番号21に記載のアミノ酸配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれからなり、及び
前記LCDR3は、配列番号23に記載の配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれからなる);
(5)前記抗体は:
配列番号24に記載の重鎖可変領域に含まれるHCDR1、HCDR2及びHCDR3を含み:(ここで好ましくは、前記HCDR1は、配列番号26に記載の配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり、
前記HCDR2は、配列番号4に記載の配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり、及び
前記HCDR3は、配列番号5に記載の配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなる);
前記抗体はさらに、
配列番号25に記載の軽鎖可変領域に含まれるLCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む(ここで好ましくは、前記LCDR1は、配列番号27に記載のアミノ酸配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり、
前記LCDR2は、配列番号28に記載のアミノ酸配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれからなり、及び
前記LCDR3は、配列番号22に記載の配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2又は3)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれからなる)。
【0021】
本発明のいくつかの実施態様では、前記抗体は、
(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列、
配列番号1に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は
配列番号1に記載の前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなる、重鎖可変領域;及び
配列番号6に記載のアミノ酸配列、
配列番号6に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は
配列番号6に記載の前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなる、軽鎖可変領域;
(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列、
配列番号1に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は
配列番号1に記載の前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなる、重鎖可変領域;及び
配列番号11に記載のアミノ酸配列、
配列番号11に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は
配列番号11に記載の前記配列と比較して、1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなる、軽鎖可変領域;
(3)配列番号1に記載のアミノ酸配列、
配列番号1に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は
配列番号1に記載の前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなる、重鎖可変領域;及び
配列番号13に記載のアミノ酸配列、
配列番号13に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は
配列番号13に記載の前記配列と比較して、1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなる、軽鎖可変領域;
(4)配列番号1に記載のアミノ酸配列、
配列番号1に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は
配列番号1に記載の前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなる、重鎖可変領域;及び
配列番号15に記載のアミノ酸配列、
配列番号15に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は
配列番号15に記載の前記配列と比較して、1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなる、軽鎖可変領域;
(5)配列番号1に記載のアミノ酸配列、
配列番号1に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は
配列番号1に記載の前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなる、重鎖可変領域;及び
配列番号17に記載のアミノ酸配列、
配列番号17に記載の前記配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は
配列番号17に記載の前記配列と比較して、1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなる、軽鎖可変領域;
(6)配列番号24に記載のアミノ酸配列、
配列番号24に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は
配列番号24に記載の前記配列と比較して、1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなる、重鎖可変領域;及び
配列番号25に記載のアミノ酸配列、
配列番号25に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は
配列番号25に記載の配列と比較して、1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなる、軽鎖可変領域
を含む。
【0022】
本発明の1つの実施態様では、前記抗体は、前記重鎖可変領域においてフレームワーク領域(FRs)、好ましくはFR-H1、FR-H2、FR-H3及びFR-H4を含むFRをさらに含む(ここで、前記FR-H1は、配列番号29に記載のアミノ酸配列、配列番号29に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は配列番号29に記載の前記アミノ酸配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり;前記FR-H2は、配列番号30に記載のアミノ酸配列、配列番号30に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は配列番号30に記載の前記アミノ酸配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり;FR-H3は、配列番号31に記載のアミノ酸配列、配列番号31に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は配列番号31に記載の前記アミノ酸配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり;FR-H4は、配列番号32に記載のアミノ酸配列、配列番号32に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は配列番号32に記載の前記アミノ酸配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなる)。
【0023】
本発明の1つの実施態様では、前記抗体は、前記軽鎖可変領域においてフレームワーク領域(FRs)、好ましくはFR-L1、FR-L2、FR-L3及びFR-L4を含むFRをさらに含む(ここで、FR-L1は、配列番号33に記載のアミノ酸配列、配列番号33に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は配列番号33に記載の前記アミノ酸配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり;FR-L2は、配列番号34に記載のアミノ酸配列、配列番号34に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は配列番号34に記載の前記アミノ酸配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり;FR-L3は、配列番号35に記載のアミノ酸配列、配列番号35に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は配列番号35に記載の前記アミノ酸配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり;FR-L4は、配列番号36に記載のアミノ酸配列、配列番号36に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は配列番号36に記載の前記アミノ酸配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなる)。
【0024】
本発明の1つの実施態様では、前記抗体は、前記軽鎖可変領域においてフレームワーク領域(FRs)、好ましくはFR-L1、FR-L2、FR-L3及びFR-L4を含むFRをさらに含む(ここで前記FR-L1は、配列番号41に記載のアミノ酸配列、配列番号41に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は配列番号41に記載の前記アミノ酸配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり;前記FR-L2は、配列番号42に記載のアミノ酸配列、配列番号42に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は配列番号42に記載の前記アミノ酸配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり;前記FR-L3は、配列番号43に記載のアミノ酸配列、配列番号43に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は配列番号43に記載の前記アミノ酸配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり;前記FR-L4は、配列番号44に記載のアミノ酸配列、配列番号44に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は配列番号44に記載の前記アミノ酸配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなる)。
【0025】
本発明の1つの実施態様では、前記抗体は、前記軽鎖可変領域においてフレームワーク領域(FRs)、好ましくはFR-L1、FR-L2、FR-L3及びFR-L4を含むFRをさらに含む、(ここで、前記FR-L1は、配列番号33に記載のアミノ酸配列、配列番号33に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は配列番号33に記載の前記アミノ酸配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり;前記FR-L2は、配列番号45に記載のアミノ酸配列、配列番号45に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は配列番号45に記載の前記アミノ酸配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり;前記FR-L3は、配列番号46に記載のアミノ酸配列、配列番号46に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は配列番号46に記載の前記アミノ酸配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり;前記FR-L4は、配列番号36に記載のアミノ酸配列、配列番号36に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は配列番号36に記載の前記アミノ酸配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなる)。
【0026】
本発明の1つの実施態様では、前記抗体は、前記軽鎖可変領域において、フレームワーク領域(FRs)、好ましくはFR-L1、FR-L2、FR-L3及びFR-L4を含むFRをさらに含む(ここで、前記FR-L1は、配列番号33に記載のアミノ酸配列、配列番号33に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は配列番号33に記載の前記アミノ酸配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり;前記FR-L2は、配列番号47に記載のアミノ酸配列、配列番号47に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は配列番号47に記載の前記アミノ酸配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり;FR-L3は、配列番号46に記載のアミノ酸配列、配列番号46に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は配列番号46に記載の前記アミノ酸配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり;前記FR-L4は、配列番号36に記載のアミノ酸配列、配列番号36に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は配列番号36に記載の前記アミノ酸配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなる)。
【0027】
本発明の1つの実施態様では、前記抗体は、前記軽鎖可変領域におけるフレームワーク領域(FRs)、好ましくはFR-L1、FR-L2、FR-L3及びFR-L4を含むFRをさらに含む(ここで、前記FR-L1は、配列番号33に記載のアミノ酸配列、配列番号33に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は配列番号33に記載の前記アミノ酸配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり;前記FR-L2は、配列番号45に記載のアミノ酸配列、配列番号45に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は配列番号45に記載の前記アミノ酸配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり;前記FR-L3は、配列番号48に記載のアミノ酸配列、配列番号48に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は配列番号48に記載の前記アミノ酸配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなり;前記FR-L4は、配列番号36に記載のアミノ酸配列、配列番号36に記載の前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は配列番号36に記載の前記アミノ酸配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むか又はそれらからなる)。
【0028】
本発明の1つの実施態様では、前記抗体は、配列番号39に記載の重鎖及び配列番号40に記載の軽鎖を含むか又はそれらからなる。
【0029】
本発明の1つの実施態様では、前記抗体は、配列番号49に記載の重鎖及び配列番号50に記載の軽鎖を含むか又はそれらからなる。
【0030】
本発明の1つの実施態様では、前記抗体は、配列番号49に記載の重鎖及び配列番号51に記載の軽鎖を含むか又はそれらからなる。
【0031】
本発明の1つの実施態様では、前記抗体は、配列番号49に記載の重鎖及び配列番号52に記載の軽鎖を含むか又はそれらからなる。
【0032】
本発明の1つの実施態様では、前記抗体は、配列番号49に記載の重鎖及び配列番号53に記載の軽鎖を含むか又はそれらからなる。
【0033】
本発明の1つの実施態様では、前記抗体は、配列番号49に記載の重鎖及び配列番号54に記載の軽鎖を含むか又はそれらからなる。
【0034】
本発明の1つの態様は、配列番号3、4及び5に記載の配列を含む単離されたポリペプチドに関する(ここで、前記ポリペプチドは、抗ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメイン抗体の一部としてヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに特異的に結合し、前記抗体は、配列番号8、9及び10に記載の配列をさらに含む)。
【0035】
本発明の1つの態様は、配列番号8、9及び10に記載の配列を含む単離されたポリペプチドに関する(ここで、前記ポリペプチドは、抗ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメイン抗体の一部としてヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに特異的に結合し、前記抗体は、配列番号3、4及び5に記載の配列をさらに含む)。
【0036】
本発明の1つの態様は、配列番号3、4及び5に記載の配列を含む単離されたポリペプチドに関する(ここで、前記ポリペプチドは、抗ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメイン抗体の一部としてヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに特異的に結合し、前記抗体は、配列番号19、21及び22に記載の配列をさらに含む)。
【0037】
本発明の1つの態様は、配列番号19、21及び22に記載の配列を含む単離されたポリペプチドに関する(ここで、前記ポリペプチドは、抗ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメイン抗体の一部としてヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに特異的に結合し、前記抗体は、配列番号3、4及び5に記載の配列をさらに含む)。
【0038】
本発明の1つの態様は、配列番号3、4及び5に記載の配列を含む単離されたポリペプチドに関する(ここで、前記ポリペプチドは、抗ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメイン抗体の一部としてヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに特異的に結合し、前記抗体は、配列番号20、21及び22に記載の配列をさらに含む)。
【0039】
本発明の1つの態様は、配列番号20、21及び22に記載の配列を含む単離されたポリペプチドに関する(ここで、前記ポリペプチドは、抗ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメイン抗体の一部としてヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに特異的に結合し、前記抗体は、配列番号3、4及び5に記載の配列をさらに含む)。
【0040】
本発明の1つの態様は、配列番号3、4及び5に記載の配列を含む単離されたポリペプチドに関する(ここで、前記ポリペプチドは、抗ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメイン抗体の一部としてヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに特異的に結合し、前記抗体は、配列番号20、21及び23に記載の配列をさらに含む)。
【0041】
本発明の1つの態様は、配列番号20、21及び23に記載の配列を含む単離されたポリペプチドに関する(ここで、前記ポリペプチドは、抗ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメイン抗体の一部としてヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに特異的に結合し、前記抗体は、配列番号3、4及び5に記載の配列をさらに含む)。
【0042】
本発明の1つの態様は、配列番号26、4及び5に記載の配列を含む単離されたポリペプチドに関する(ここで、前記ポリペプチドは、抗ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメイン抗体の一部としてヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに特異的に結合し、前記抗体は、配列番号27、28及び22に記載の配列をさらに含む)。
【0043】
本発明の1つの態様は、配列番号27、28及び22に記載の配列を含む単離されたポリペプチドに関する(ここで、前記ポリペプチドは、抗ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメイン抗体の一部としてヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに特異的に結合し、前記抗体は、配列番号26、4及び5に記載の配列をさらに含む)。
【0044】
本発明の1つの態様は、
配列番号1又は24に記載の配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド(ここで、前記ポリペプチドは、抗ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメイン抗体の一部としてヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに特異的に結合し、前記抗体は、配列番号6、11、13、15、17又は25に記載の配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列をさらに含む);又は
配列番号6、11、13、15、17又は25に記載の配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド(ここで、前記ポリペプチドは、抗ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメイン抗体の一部としてヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに特異的に結合し、前記抗体は、配列番号1又は24に記載の配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列をさらに含む)
に関する。
【0045】
本発明の1つの実施態様では、前記抗原結合性断片は、Fab、Fab’、F(ab’)、Fd、Fv、dAb、Fab/c、相補性決定領域(CDR)断片、一本鎖抗体(例えば、scFv)、二価の抗体及びドメイン抗体からなる群より選択される。
【0046】
本発明の1つの実施態様では、前記抗体は、ヒト化抗体、キメラ抗体又は多重特異性抗体(例えば二重特異性抗体)である。
【0047】
本発明の1つの実施態様では、前記抗体は、約10-5M未満、例えば、約10-6M、10-7M、10-8M、10-9M未満、又は10-10M以下のKを有するヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに結合する。好ましくは、前記Kは、Fortebio分子相互作用解析装置により測定される。
【0048】
本発明の1つの実施態様では、前記抗体は、約100nM未満、例えば、約10nM、1nM、0.9nM、0.8nM、0.7nM、0.6nM、0.5nM、0.4nM、0.3nM、0.2nM、0.1nM以下のEC50を有するヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに結合する。具体的には、前記EC50は、間接ELISA法により測定される。
【0049】
本発明の1つの実施態様では、前記抗体は、定常領域を含み、そして前記定常領域は、マウス以外の種、例えばヒト抗体、好ましくはヒトIgG、より好ましくはIgG1に由来する。
【0050】
本発明の1つの実施態様では、前記抗体の定常領域はヒト化され、例えば、前記重鎖定常領域は、Igγ-1鎖C領域、好ましくはGenBankアクセッション番号P01857のIgγ-1鎖C領域であり;前記軽鎖定常領域は、Igκ鎖C領域、好ましくはGenBankアクセッション番号P01834のIgκ鎖C領域である。
【0051】
本発明の別の態様は、配列番号3、4及び5に記載の配列を含むポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドに関する(ここで、前記ポリペプチドは、抗ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメイン抗体の一部としてヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに特異的に結合し、前記抗体は、配列番号8、9及び10に記載の配列をさらに含む)。
【0052】
本発明の1つの態様は、配列番号8、9及び10に記載の配列を含むポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドに関する(ここで、前記ポリペプチドは、抗ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメイン抗体の一部としてヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに特異的に結合し、前記抗体は、配列番号3、4及び5に記載の配列をさらに含む)。
【0053】
本発明の別の態様は、配列番号3、4及び5に記載の配列を含むポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドに関する(ここで、前記ポリペプチドは、抗ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメイン抗体の一部としてヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに特異的に結合し、前記抗体は、配列番号19、21及び22に記載の配列をさらに含む)。
【0054】
本発明の1つの態様は、配列番号19、21及び22に記載の配列を含むポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドに関する(ここで、前記ポリペプチドは、抗ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメイン抗体の一部としてヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに特異的に結合し、前記抗体は、配列番号3、4及び5に記載の配列をさらに含む)。
【0055】
本発明の別の態様は、配列番号3、4及び5に記載の配列を含むポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドに関する(ここで、前記ポリペプチドは、抗ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメイン抗体の一部としてヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに特異的に結合し、前記抗体は、配列番号20、21及び22に記載の配列をさらに含む)。
【0056】
本発明の1つの態様は、配列番号20、21及び22に記載の配列を含むポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドに関する(ここで、前記ポリペプチドは、抗ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメイン抗体の一部としてヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに特異的に結合し、前記抗体は、配列番号3、4及び5に記載の配列をさらに含む)。
【0057】
本発明の別の態様は、配列番号3、4及び5に記載の配列を含むポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドに関する(ここで、前記ポリペプチドは、抗ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメイン抗体の一部としてヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに特異的に結合し、前記抗体は、配列番号20、21及び23に記載の配列をさらに含む)。
【0058】
本発明の1つの態様は、配列番号20、21及び23に記載の配列を含むポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドに関する(ここで、前記ポリペプチドは、抗ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメイン抗体の一部としてヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに特異的に結合し、前記抗体は、配列番号3、4及び5に記載の配列をさらに含む)。
【0059】
本発明の別の態様は、配列番号26、4及び5に記載の配列を含むポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドに関する(ここで、前記ポリペプチドは、抗ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメイン抗体の一部としてヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに特異的に結合し、前記抗体は、配列番号27、28及び22に記載の配列をさらに含む)。
【0060】
本発明の1つの態様は、配列番号27、28及び22に記載の配列を含むポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドに関する(ここで、前記ポリペプチドは、抗ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメイン抗体の一部としてヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに特異的に結合し、前記抗体は、配列番号26、4及び5に記載の配列をさらに含む)。
【0061】
本発明の1つの態様は、配列番号1又は24に記載の配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド(ここで、前記ポリペプチドは、抗ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメイン抗体の一部としてヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに特異的に結合し、前記抗体は、配列番号6、11、13、15、17又は25に記載の配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列をさらに含む);又は
配列番号6、11、13、15、17又は25に記載の配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド(ここで、前記ポリペプチドは、抗ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメイン抗体の一部としてヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに特異的に結合し、前記抗体は、配列番号1又は24に記載の配列、前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性、又は前記配列と比較して1つ以上(好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個)の保存的アミノ酸突然変異(好ましくは置換、挿入又は欠失)を有するアミノ酸配列を更に含む)
に関する。
【0062】
具体的には、前記ポリヌクレオチドは、配列番号2に記載のヌクレオチド配列、又は前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれらからなる。
【0063】
具体的には、前記ポリヌクレオチドは、配列番号7に記載のヌクレオチド配列、又は前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれらからなる。
【0064】
具体的には、前記ポリヌクレオチドは、配列番号12に記載のヌクレオチド配列、又は前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれらからなる。
【0065】
具体的には、前記ポリヌクレオチドは、配列番号14に記載のヌクレオチド配列、又は前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれらからなる。
【0066】
具体的には、ポリヌクレオチドは、配列番号16に記載のヌクレオチド配列、又は前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれらからなる。
【0067】
具体的には、前記ポリヌクレオチドは、配列番号18に記載のヌクレオチド配列、又は前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれらからなる。
【0068】
具体的には、前記ポリヌクレオチドは、配列番号37に記載のヌクレオチド配列、又は前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれらからなる。
【0069】
具体的には、前記ポリヌクレオチドは、配列番号38に記載のヌクレオチド配列、又は前記配列に対して少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%又は90%、好ましくは少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれらからなる。
【0070】
本発明のさらに別の態様は、上記のように本明細書に開示されたポリヌクレオチド分子のいずれか1つを含むベクターに関する。
【0071】
本発明のさらに別の態様は、上記のように本明細書に開示されたポリヌクレオチド分子又は本明細書に開示されたベクターのいずれか1つを含む宿主細胞に関する。
【0072】
本発明のさらに別の態様は、上記のように本明細書に開示された抗体又はそれらの抗原結合性断片の何れか1つを調製し、本明細書に開示された宿主細胞を適切な条件で培養し、そして前記細胞培養物から抗体又はその抗原結合性断片を単離する方法に関する。
【0073】
本発明の1つの態様は、前記抗ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメイン抗体又はその抗原結合性断片及びそれに結合したコンジュゲート部分を含む抗体コンジュゲートをさらに提供し、ここで、前記コンジュゲート部分は、精製タグ(例えば、Hisタグ)、細胞傷害性薬剤又は検出可能な標識である。好ましくは、前記コンジュゲート部分は、放射性同位元素、発光物質、着色物質、酵素又はポリエチレングリコールである。
【0074】
本発明の1つの態様は、上記のような抗ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメイン抗体又はそれらの抗原結合性断片のいずれか1つを含む融合タンパク質をさらに提供する。
【0075】
本発明の1つの態様は、本明細書に記載の抗体又はその抗原結合性断片を含む、多重特異性抗体、好ましくは二重特異性抗体を提供する。
【0076】
本発明の1つの態様は、上記のように本明細書に開示された抗体又はそれらの抗原結合性断片のいずれか1つ、又は本明細書に開示された抗体コンジュゲート、融合タンパク質、又は多重特異性抗体を含むキットをさらに提供する。
【0077】
好ましくは、前記キットは、前記抗体又はその抗原結合性断片を具体的に特定する第2の抗体をさらに含み;場合により、前記第2の抗体は、放射性同位元素、発光物質、着色物質、酵素又はポリエチレングリコールなどの検出可能な標識をさらに含む。
【0078】
本発明のさらに別の態様は、試料中のヒトIL-12/IL-23p40の存在又はレベルを検出するためのキットの調製における、上記のように本明細書に開示された抗体又はそれらの抗原結合性断片、抗体コンジュゲート、融合タンパク質又は多重特異性抗体のいずれか1つの使用に関する。
【0079】
本発明のさらに別の態様は、上記のように本明細書に開示された抗体又はそれらの抗原結合性断片、前記抗体コンジュゲート、前記多重特異性抗体又は前記融合タンパク質のいずれか1つを含み、そして場合により、薬学的に許容され得る担体及び/又は賦形剤を含む医薬組成物に関する。
【0080】
本発明のさらに別の態様は、
ヒトIL-12Rβ1又はヒトIL-23Rに対するヒトIL-12/IL-23p40の結合を遮断する薬剤、
ヒトIL-12/IL-23p40の活性を遮断するか、又はそのレベルをダウンレギュレートするための薬剤、又は
p40に対するヒトIL-12Rβ1又はヒトIL-23Rの結合により媒介される細胞応答を遮断するための薬剤;
(好ましくは前記ヒトIL-12/IL-23p40のリガンドは、ヒトIL-12Rβ1又はヒトIL-23Rである)
の調製における、上記のような抗体又はそれらの抗原結合性断片又は前記抗体コンジュゲート、前記多重特異性抗体、前記融合タンパク質又は前記医薬組成物のいずれか1つの使用に関する。
【0081】
本発明の1つの態様は、自己免疫疾患(例えば、尋常性乾癬又は全身性エリテマトーデス)及び潰瘍性大腸炎(例えば、難治性又は再発性)からなる群より選択される疾患を処置するための薬剤の調製における、上記のような抗体又はその抗原結合性断片、前記抗体コンジュゲート、前記多重特異性抗体、前記融合タンパク質又は前記医薬組成物のいずれか1つ使用に関する。
【0082】
本発明のさらに別の態様は、本明細書に記載の抗体又はその抗原結合性断片、抗体コンジュゲート、多重特異性抗体、融合タンパク質又は医薬組成物を含む細胞を投与すること、又は上記のように本明細書に開示された抗体又はそれらの抗原結合性断片、抗体コンジュゲート、多重特異性抗体、融合タンパク質又は医薬組成物のいずれか1つの有効量を必要とする被験体に投与することを含むインビボ又はインビトロ方法に関する。前記方法は、
リガンドIL-12Rβ1又はIL-23Rに対するヒトIL-12/IL-23p40の結合を遮断する方法、
ヒトIL-12/IL-23p40の活性又はレベルをダウンレギュレートする方法、及び
p40に対するヒトIL-12Rβ1又はヒトIL-23Rの結合により媒介される細胞応答を遮断する方法;
(好ましくは、前記IL-12/IL-23p40のリガンドは、IL-12Rβ1又はIL-23Rである)
からなる群より選択される。
【0083】
本発明の1つの実施態様では、前記インビトロ方法は、非治療目的及び/又は非診断目的である。
【0084】
本発明のさらに別の態様は、自己免疫疾患(例えば、尋常性乾癬又は全身性エリテマトーデス)又は潰瘍性大腸炎(例えば、難治性又は再発性)の予防、治療、アジュバント治療及び/又は診断のための薬剤の調製における、上記のように本明細書に開示された抗体又はそれらの抗原結合性断片、抗体コンジュゲート、多重特異性抗体、融合タンパク質又は医薬組成物のいずれか1つの使用、又は自己免疫疾患(例えば、尋常性乾癬又は全身性エリテマトーデス)又は潰瘍性大腸炎(例えば、難治性又は再発性)の予防、治療、アジュバント治療及び/又は診断のためのそれらの使用に関する。
【0085】
本発明の1つ実施態様では、前記薬剤は、皮下注射、皮内注射、静脈内注射、筋肉内注射又は病巣内注射による投与に適した形態である。
【0086】
本発明のさらに別の態様は、上記のように本明細書に開示された抗体又はその抗原結合性断片、抗体コンジュゲート、多重特異性抗体、融合タンパク質又は医薬組成物のいずれか1つを必要とする被験体に投与することを含む、自己免疫疾患(例えば、尋常性乾癬又は全身性エリテマトーデス)又は潰瘍性大腸炎(例えば、難治性又は再発性)の予防、治療、アジュバント治療及び/又は診断のための方法に関する。
【0087】
本発明はまた、(i)患者の試料中のヒトIL-12/IL-23p40のレベルを測定すること(ここで、前記患者は、ヒトIL-12/IL-23p40に対して陽性である)、及び(ii)抗ヒトIL-12/IL-23p40抗体又はその抗原結合性部分の治療的有効量を患者に投与することを含む、潰瘍性大腸炎に罹患している患者を処置する方法も提供する。
【0088】
本明細書に記載の潰瘍性大腸炎は、難治性及び再発性であり得る。例えば、いくつかの患者では、前記潰瘍性大腸炎は、再発性であり;いくつかの患者では、前記潰瘍性大腸炎は、難治性である。
【0089】
本発明のいくつかの態様では、前記患者は、従来の処置を受けているか又は生物学的薬剤に対して不十分な応答性、非応答性又は不耐性である。いくつかの具体的な実施態様では、前記患者が、従来の治療を受けていること、又は生物学的薬剤に対して不十分な応答性、非応答性又は不耐性であることは、完全な奏功又は部分奏功の失敗をもたらす。
【0090】
本明細書で使用する場合、前記H8L15H1L1は、抗ヒトIL-12/IL-23p40モノクローナル抗体であり、その配列及び構造については、特許CN201910706137.1を参照することができる。H8L15H1L1モノクローナル抗体において、前記HCDR1は、配列GYTFTSYW(配列番号3)を含み、前記HCDR2は、配列MSPVDSDI(配列番号4)を含み、前記HCDR3は、配列ARRRPGQGYFDF(配列番号5)を含み、前記LCDR1は、配列QSVGTW(配列番号6)を含み、前記LCDR2は、配列AAS(配列番号7)を含み、前記LCDR3は、配列QQYNIYPYT(配列番号8)を含む。
【0091】
本発明において、特に限定されない限り、本明細書において使用される科学的及び技術的用語は、当業者により一般的に理解される意味を有する。さらに、本発明において使用される細胞培養、分子遺伝学、核酸化学及び免疫学の実験的操作は、対応する分野において広く使用される日常的な操作である。なお、本発明をより理解するために、関連用語の定義及び説明が以下に提供される。
【0092】
本明細書で使用される場合、用語「抗原結合性領域」は、所与の抗原に特異的に結合するタンパク質、又はタンパク質の一部を意味する。例えば、抗原と相互作用し、その抗体に抗原に対する特異性及び親和性を付与するアミノ酸残基を含む抗体の一部は、「抗原結合性領域」と呼ばれる。前記抗原結合性領域は、一般に、1つ以上の相補性決定領域(CDRs)を含む。いくつかの抗原結合性領域は、1つ以上の「フレームワーク」領域(FRs)をさらに含む。CDRは、抗原結合の特異性及び親和性に寄与するアミノ酸配列である。
【0093】
本明細書中で使用される場合、用語「抗体」は、標的抗原に特異的に結合するためにインタクトな抗体と競合することができる任意なアイソタイプのインタクトな免疫グロブリン又はその抗原結合性断片を指し、そして、例えば、キメラ、ヒト化、完全ヒト、及び二重特異性抗体又はそれらの抗原結合性断片を含む。そのような「抗体」は、抗原結合性タンパク質である。
【0094】
インタクトな抗体は、一般に、少なくとも2つの全長の重鎖及び2つの全長の軽鎖を含むが、場合により、重鎖のみを含み得るラクダ科の動物に自然に存在する抗体のように、より少ない鎖を含んでもよい。抗体又はその抗原結合性断片は、単一の供給源のみに由来してもよく、又は「キメラの」であってもよく、すなわち、抗体の異なる部分は、以下にさらに記載するように、2つの異なる供給源に由来してもよい。抗体又はその抗原結合性断片は、組換えDNA技術により、又はインタクトな抗体の酵素的もしくは化学的切断によりハイブリドーマにおいて産生され得る。別段の記載がない限り、用語「抗体」は、2つの全長の重鎖及び2つの全長の軽鎖を含む抗体に加えて、その誘導体、変異体及び断片も含む。
【0095】
本明細書で使用される場合、用語の「抗体」又は「免疫グロブリン鎖」(重鎖又は軽鎖)の「抗原結合性断片」(又は「断片」と略される)は、抗体の全長中に存在するアミノ酸残基の少なくともいくつかを欠くが、その抗原に特異的に結合することができる抗体(入手したもの又は合成したもののどちらでもよい)の一部を含む。そのような断片は、標的抗原に特異的に結合するので生物学的に活性であり、他の抗体又はそれらの抗原結合性断片と競合して、所与のエピトープに特異的に結合することができる。1つの態様では、そのような断片は、抗体の全長軽鎖又は重鎖に存在する少なくとも1つのCDRを保持し、そしていくつかの実施態様では、そのような断片は、単一の重鎖及び/又は軽鎖又はその一部を含む。そのような生物学的に活性な断片は、組換えDNA技術により、又は、例えば、インタクトな抗体の酵素的又は化学的切断により生成することができる。
【0096】
免疫学的に機能的な免疫グロブリン断片は、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv、Fd、dAb、Fab/c、相補性決定領域(CDR)断片、一本鎖抗体(例えば、scFv)、二価の抗体及びドメイン抗体を含むが、それらに限定されず、ヒト、マウス、ラット、ラクダ科の動物又はウサギを含むがこれらに限定されない任意の哺乳動物に由来することができる。1つ以上のCDRのような、本明細書に開示された抗体の機能部分は、第2のタンパク質又は低分子に共有結合して、体内の特定の標的に向けられた治療薬を生成することができ、それにより、二機能性の治療特性を有するか、又は融合タンパク質のような延長された血清半減期を有することがさらに意図される。
【0097】
本明細書で使用される場合、用語「抗体全長鎖」、「全長抗体」、「インタクトな抗体」及び「全抗体」は、本明細書で交換可能に使用され、本明細書で定義されるような天然の抗体構造と実質的に類似した構造を有する抗体、又はFc領域に重鎖を有する抗体を指す。
【0098】
用語「軽鎖」は、結合特異性を付与するのに十分な可変領域配列を有する全長軽鎖及びそれらの断片を含む。前記全長軽鎖は、可変領域ドメインV及び定常領域ドメインCを含む。前記軽鎖の可変領域ドメインは、そのポリペプチドのアミノ末端にある。前記軽鎖は、κ鎖及びλ鎖を含む。
【0099】
用語「重鎖」は、結合特異性を付与するのに十分な可変領域配列を有する全長重鎖及びそれらの断片を含む。前記全長重鎖は、可変領域ドメインV及び3つの定常領域ドメインCH1、CH2及びCH3を含む。前記Vドメインは、そのポリペプチドのアミノ末端にあり、前記Cドメインは、そのカルボキシル末端にあり、前記CH3は、そのポリペプチドのカルボキシル末端に最も近い。前記重鎖は、IgG(IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4のサブタイプを含む)、IgA(IgA1及びIgA2のサブタイプを含む)、IgM及びIgEを含むいずれのアイソタイプであってもよい。
【0100】
本明細書で使用される場合、用語「Fab断片」は、1つの軽鎖であるCH1及び1つの重鎖の可変領域からなる。Fab分子の前記重鎖は、別の重鎖分子とジスルフィド結合を形成できない。
【0101】
本明細書中で使用される場合、用語「Fc」領域は、抗体の前記CH1ドメイン及び前記CH2ドメインを含む2つの重鎖断片を含む。前記2つの重鎖断片は、2つ以上のジスルフィド結合により及び前記CH3ドメインの疎水性相互作用により一緒に保持される。
【0102】
本明細書で使用される場合、用語「Fab’断片」は、1つの軽鎖及び1つの重鎖の一部(前記Vドメイン、前記CH1ドメイン、及び前記CH1ドメインとCH2ドメインとの間の領域の一部を含む)を含み、その結果、2つのFab’断片の2つの重鎖の間に鎖間ジスルフィド結合が形成され、F(ab’)分子を得ることができる。
【0103】
本明細書で使用される場合、用語「F(ab’)断片」は、前記CH1ドメインとCH2ドメインの間の定常領域の一部を含む、2つの軽鎖及び2つの重鎖を含み、その結果、鎖間ジスルフィド結合が2つの重鎖の間に形成される。したがって、前記F(ab’)断片は、2つの重鎖間のジスルフィド結合により一緒に保持された2つのFab’断片からなる。
【0104】
本明細書で使用される場合、用語「Fv領域」は、前記重鎖及び軽鎖由来の可変領域を含むが、前記定常領域を欠く。
【0105】
本明細書で使用される場合、用語「Fd」断片は、Vドメイン及びCH1ドメインからなる抗体断片を指す(Ward et al., Nature, 341:544-546 (1989))。
【0106】
本明細書で使用される場合、用語「dAb」断片は、Vドメインからなる(Ward et al., Nature 341:544-546 (1989))。
【0107】
本明細書で使用される場合、用語「Fab’-SH」は、Fab’に対する本明細書での呼称であり、ここで前記定常ドメインの1つ以上のシステイン残基は、遊離チオール基を含む。
【0108】
本明細書で使用される場合、用語「Fab/c」断片は、免疫グロブリンのペプシン消化により形成される中間体であり、それは、高い親和性を保持しながら、FabとFc領域の利点、すなわち、インビボでの強い拡散性と低い代謝クリアランスを兼ね備えている(Liu Jianjun, Chinese Journal of Cellular and Molecular Immunology, 1989(4):29-29)。
【0109】
本明細書で使用される場合、用語「一本鎖抗体」は、前記重鎖可変領域及び軽鎖可変領域が柔軟なリンカーにより連結されて、単一のポリペプチド鎖(それは抗原結合性領域を形成する)(例えば、Bird et al., Science, 242:423-426 (1988), 及びHuston et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90:5879-5883 (1988)を参照のこと)を形成するFv分子である。単鎖抗体は、国際特許公開番号88/01649号及び米国特許第4,946,778号及び5,260,203号に詳細に記載されており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0110】
本明細書で使用される場合、用語「ドメイン抗体」は、前記重鎖又は前記軽鎖の可変領域のみを含む免疫機能性免疫グロブリン断片である。いくつかの場合では、2つ以上のV領域はペプチドリンカーにより共有結合的に連結されて、多価ドメイン抗体(特に2価ドメイン抗体)が形成される。前記二価のドメイン抗体の2つのV領域は、同じ又は異なる抗原を標的としてもよい。
【0111】
本明細書で使用される場合、用語「二価の抗原結合性タンパク質」又は「二価の抗体」は、2つの抗原結合性部位を含む。いくつかの場合では、前記2つの結合性部位は、同じ抗原特異性をもつ。前記二価の抗体は二重特異性であってよい。
【0112】
本明細書で使用される場合、用語「多重特異的抗原結合性タンパク質」又は「多重特異性抗体」は、複数の抗原又はエピトープを標的とする抗原結合性タンパク質又は抗体である。
【0113】
本明細書中で使用される場合、用語の「二重特異的な」、「二重特異性」又は「二機能性の」抗原結合性タンパク質又は抗体は、それぞれ2つの異なる抗原結合性部位を有するハイブリッド抗原結合性タンパク質又は抗体である。二重特異性抗体は、多重特異的抗原結合性タンパク質又は多重特異性抗体であり、ハイブリドーマの融合又はFab’断片の連結を含むがこれらに限定されない様々な方法により産生することができる。例えば、Songsivilai and Lachmann, 1990, Clin. Exp. Immunol. 79:315-321; Kostelny et al., 1992, J. Immunol. 148:1547-1553を参照のこと。二重特異的抗原結合性タンパク質又は抗体の前記二つの結合性部位は、同じ又は異なるタンパク質標的に存在する2つの異なるエピトープに結合する。
【0114】
本明細書で使用される場合、用語「mAb」及び「モノクローナル抗体」は、高度に相同な抗体の群に由来する、すなわち、自発的に起こり得る天然の突然変異を除いて、同一の抗体分子の群に由来する抗体又は抗体の断片を指す。前記モノクローナル抗体は、抗原上の単一のエピトープに対して高度に特異的である。前記ポリクローナル抗体は、前記モノクローナル抗体と比較して、一般に、抗原上の異なるエピトープを一般的に同定する少なくとも2つ以上の異なる抗体を含む。モノクローナル抗体は、一般に、Kohlerらにより最初に報告されたハイブリドーマ技術(Nature, 256:495, 1975)により得ることができ、そして組換えDNA技術(例えば、米国特許第4,816,567号を参照のこと)により得ることもできる。
【0115】
本明細書で使用される場合、用語「ヒト化抗体」は、ヒト免疫グロブリン(レセプター抗体)のCDR領域の全て又は一部が、非ヒト抗体(ドナー抗体)のCDR領域により置き換えられる場合に得られる抗体又は抗体断片を指し、ここで、前記ドナー抗体は、期待される特異性、親和性又は反応性を有する非ヒト(例えば、マウス、ラット又はウサギ)抗体であってもよい。さらに、前記レセプター抗体のフレームワーク領域(FRs)におけるいくつかのアミノ酸残基はまた、対応する非ヒト抗体のアミノ酸残基により、又は他の抗体のアミノ酸残基により置き換えられて、前記抗体の性能をさらに改善又は最適化することができる。ヒト化抗体のさらなる詳細については、例えば、Jonesetal., Nature, 321:522-525 (1986); Reichmann et al., Nature, 332:323-329 (1988); Presta, Curr. Op. Struct. Biol., 2:593-596 (1992);及びClark, Immunol. Today 21:397-402 (2000)を参照のこと。
【0116】
本明細書で使用される場合、用語「エピトープ」は、免疫グロブリン又は抗体が特異的に結合する抗原上の部位を指す。前記分野における「エピトープ」は「抗原性決定基」とも呼ばれる。前記エピトープ又は抗原性決定基は、一般に、アミノ酸、炭水化物又は糖側鎖などの分子の化学的に活性な表面基からなり、通常、特異的な三次元構造特性及び特異的な電荷特性を有する。例えば、前記エピトープは、一般に、独特の空間的コンフォーメーションにおいて、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15個の連続の又は非連続のアミノ酸を含み、それは「線状」又は「配座」であることができる。例えば、Epitope Mapping Protocols in Methods in Molecular Biology, Vol. 66, G. E. Morris, Ed. (1996)を参照のこと。線状エピトープ(linear epitope)では、タンパク質と相互作用分子(例えば、抗体)との間のすべての相互作用部位は、タンパク質の一次アミノ酸配列に沿って線状に配置される。配座エピトープ(conformational epitope)では、前記相互作用部位は、互いに分離されたタンパク質のアミノ酸残基にまたがって配置される。
【0117】
用語「ポリペプチド」又は「タンパク質」は、本明細書で使用される場合、アミノ酸残基のポリマーを指すために使用される。
【0118】
前記用語はまた、その中の1つ以上のアミノ酸残基が、天然に存在するアミノ酸の類似体又は模倣体であるアミノ酸ポリマー、及び天然に存在するアミノ酸ポリマーを指すためにも使用される。前記用語はまた、例えば、糖残基の付加により修飾されて糖タンパク質を形成したアミノ酸ポリマー、又はリン酸化されたアミノ酸ポリマーを含んでもよい。ポリペプチド及びタンパク質は、天然に存在する細胞及び非組換え細胞により産生することができ、又はポリペプチド及びタンパク質は、遺伝子操作された細胞又は組換え細胞により産生されてもよく、そして天然のタンパク質のアミノ酸配列を有する分子、又は天然の配列の1つ以上のアミノ酸において欠失、挿入及び/又は置換を有する分子を含む。
【0119】
具体的には、用語「ポリペプチド」及び「タンパク質」は、抗ヒトp40抗体(p40抗体とも呼ばれる)などの抗体、p40結合タンパク質、及び抗原結合性タンパク質の1つ以上のアミノ酸において欠失、挿入、及び/又は置換を有する抗体又は配列を含む。
【0120】
用語「ポリペプチド断片」は、全長タンパク質と比較したとき、アミノ末端欠失、カルボキシル末端欠失、及び/又は内部欠失を有するポリペプチドを指す。そのような断片はまた、全長タンパク質と比較したとき、修飾されたアミノ酸を含んでもよい。特定の実施態様では、そのような断片は、長さが約5~500のアミノ酸である。例えば、断片は、長さが少なくとも5、6、8、10、14、20、50、70、100、110、150、200、250、300、350、400又は450のアミノ酸であり得る。有用なポリペプチド断片は、結合性ドメインを含む抗体の免疫学的に機能的な断片を含む。ヒトp40抗体の場合、有用な断片としては、CDR領域、重鎖又は軽鎖の可変ドメイン、抗体鎖の一部、2つのCDRを確実に含む可変ドメインなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0121】
ポリペプチドの「誘導体」は、挿入、欠失又は置換以外の方法、例えば、別の化学的部分(例えば、PEGをコンジュゲートしたポリペプチド)とのコンジュゲーションにより、化学的に修飾されるポリペプチド(例えば、抗原結合性タンパク質又は抗体)である。
【0122】
本明細書で使用される場合、用語「単離された」は、自然の状態から人工的な手段により得られたことを指す。ある特定の「単離された」物質又は成分が自然界に存在する場合、その自然環境において変化が生じるか、自然環境から隔離されるか、又はその両方の場合でもよい。例えば、ある特定の単離されていないポリヌクレオチド又はポリペプチドは、ある特定の生きている動物中に自然に存在し、そのような自然の状態から単離された高純度の同じポリヌクレオチド又はポリペプチドは、単離されたポリヌクレオチド又はポリペプチドと呼ばれる。前記用語「単離された」は、前記物質の活性に影響を与えない、人工又は合成の物質又は他の不純物の存在を排除しない。
【0123】
本明細書で使用される場合、用語「ベクター」は、その中にポリヌクレオチドを挿入することができる核酸ビヒクルを指す。ベクターが、挿入されるポリヌクレオチドによりコードされるタンパク質の発現を可能にする場合、前記ベクターは発現ベクターと呼ばれる。ベクターは形質転換、形質導入、又は形質移入(トランスフェクション)により宿主細胞に導入することができ、その結果、ベクターにより運ばれる遺伝物質の要素を宿主細胞において発現させることができる。ベクターとしては、当業者に周知である、プラスミド;ファージミド;コスミド;酵母人工染色体(YAC)、細菌人工染色体(BAC)、又はP1由来の人工染色体(PAC)などの人工染色体;ラムダファージ又はM13ファージなどのファージ;及び動物ウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。
ベクターとして用いることができる動物ウイルスとしては、レトロウイルス(レンチウイルスを含む)、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス(単純ヘルペスウイルスなど)、ポックスウイルス、バキュロウイルス、パピローマウイルス、及びパポバウイルス(SV40など)が挙げられるが、これらに限定されない。ベクターは、プロモーター配列、転写開始配列、エンハンサー配列、選択要素、及びレポーター遺伝子を含むがこれらに限定されない、発現を制御する様々な要素を含んでもよい。さらに、ベクターは、複製開始部位をさらに含んでもよい。
【0124】
本明細書で使用される場合、用語「宿主細胞」は、大腸菌( E. coli)又は枯草菌(bacillus subtilis)などの原核細胞、酵母細胞又はアスペルギルス(aspergillus)などの真菌細胞、S2ショウジョウバエ細胞又はSf9などの昆虫細胞、又は線維芽細胞、CHO細胞、COS細胞、NSO細胞、HeLa細胞、BHK細胞、HEK293細胞又はヒト細胞などの動物細胞を含むが、これらに限定されないベクターを用いて導入することが出来る細胞を指す。
【0125】
本明細書で使用される場合、用語「特異的に結合する」は、抗体とそれが標的とする抗原との間の反応のような、2つの分子間の非ランダム結合反応を指す。いくつかの実施態様では、抗原に特異的に結合する抗体(又は抗原に特異的である抗体)は、約10-5M未満、例えば約10-6M、10-7M、10-8M、10-9M、未満又は10-10M以下の親和性(K)で抗原に結合する抗体を意味する。
【0126】
本明細書で使用される場合、用語「K」は、抗体と抗原との間の結合親和性を記載するために使用される、特異的な抗体-抗原相互作用についての解離平衡定数を指す。分子結合速度論により測定されるいくつかのパラメータのうち、K値は解離平衡定数である。抗体医薬の研究において、KD値は、対象となる抗体と標的抗原分子との間の親和性効果の強さを特徴づけるパラメータであり、式:K=kdis/onにより計算される。より小さい平衡解離定数は、より強い抗体-抗原結合及び抗体と抗原との間のより高い親和性を示す。kon(会合速度定数)は抗原-抗体複合体の形成速度であり、より小さいkonは、抗原に対する抗体の結合速度がより速いことを示唆する。kdis(解離速度定数)は、抗体が抗原-抗体複合体から解離する速度であり、より小さいkdisは、抗体が抗原から解離する速度がより遅く、抗体と抗原との間の結合がより強固であることを示唆する。一般に、抗体は、例えば、生物層干渉法(BLI)技術を用いるFortebio分子相互作用解析装置により測定して、約10-5M未満、例えば、約10-6M、10-7M、10-8M、10-9M未満又は10-10M以下の解離平衡定数(K)で抗原(例えば、L1タンパク質)に結合する。
【0127】
本明細書で使用される場合、用語「EC50」は、抗体の最大応答の50%である、有効濃度を指す。
【0128】
本明細書で使用される場合、用語「モノクローナル抗体」及び「McAb」は、同じ意味を有し、交換可能に使用される;用語「ポリクローナル抗体」及び「PcAb」は、同じ意味を有し、交換可能に使用される。加えて、本明細書では、アミノ酸は一般に、当該分野で公知の1文字及び3文字の省略形で表される。例えば、アラニンは、A又はAlaで表すことができる。
【0129】
本明細書で使用される場合、用語「パーセント配列同一性」及び「パーセント配列相同性」は、交換可能に使用される。
【0130】
本明細書で使用される場合、用語「類似性」、「配列類似性」及び「同一性」は、配列を整列させ、比較することにより決定される、2つ以上のタンパク質又はポリペプチド分子の配列間の相関を指す。「パーセント同一性」は、比較される分子中の同一のアミノ酸残基のパーセンテージを指し、比較される最小分子のサイズに基づいて計算することができる。そのような計算のためには、アラインメントのギャップ(もしあれば)は、特定の数学的モデル又はコンピュータプログラム(すなわち、「アルゴリズム」)により対処されなければならない。
【0131】
ポリペプチドのために使用される場合、用語「実質的同一性」は、例えば、プログラムにより提供されるデフォルトのギャップ重みを使用し、プログラムGAP又はBESTFITを使用して最適にアライメントした場合、2つのペプチド配列が、少なくとも70%、75%又は80%の配列同一性、少なくとも90%又は95%の配列同一性、又は少なくとも97%、98%又は99%の配列同一性を有することを意味する。
【0132】
いくつかの場合では、同一でない残基の位置は、保存的なアミノ酸置換により異なる。「保存的アミノ酸置換」とは、アミノ酸残基が、類似の化学的特性(例えば、電荷、親水性又は疎水性)を所有する側鎖R基を有する別のアミノ酸残基で置換されたものである。一般に、保存的アミノ酸置換は、そのタンパク質の機能及び特性を実質的に保持する。
【0133】
2つ以上のアミノ酸配列が、保存的置換によって互いに異なる場合、前記置換の保存的性質を補正するために、パーセント配列同一性を高めてもよい。この調整を行う方法は、当業者には周知である。例えば、Pearson, Methods Mol. Biol., 243:307-31 (1994)を参照のこと。
【0134】
類似の化学的特性を所有する側鎖を有するアミノ酸の基の例としては、1)脂肪族ヒドロキシル側鎖:グリシン、アラニン、バリン、ロイシン及びイソロイシン、2)脂肪族ヒドロキシル側鎖:セリン及びスレオニン、3)アミド含有側鎖:アスパラギン及びグルタミン、4)芳香族側鎖:フェニルアラニン、チロシン及びトリプトファン、5)塩基性側鎖:リジン、アルギニン及びヒスチジン、6)酸性側鎖:アスパラギン酸及びグルタミン酸、及び7)硫黄含有側鎖:システイン及びメチオニンが挙げられる。例えば、保存的アミノ酸置換基は、バリン-ロイシン-イソロイシン-アラニン-グリシン、フェニルアラニン-チロシン、リジン-アルギニン、スレオニン-セリン、グルタミン酸-アスパラギン酸及びアスパラギン-グルタミンである。
【0135】
場合により、保守的置換は、Gonnet et al., Science, 256:1443-45 (1992)に開示されたPAM250対数尤度行列において正の値を有する任意の変化であり、これは参照により本明細書に組み込まれる。「適度に保存的な」置換とは、PAM250対数尤度行列において負でない値を有する任意の変化である。
【0136】
ポリペプチドの配列同一性は、通常、配列分析ソフトウェアにより測定される。タンパク質分析ソフトウェアは、異なる置換、欠失及び他の修飾(保存的アミノ酸置換を含む)に割り当てられた類似性の尺度を使用して配列を照合する。
【0137】
例えば、(プログラムにより特定されるデフォルトパラメータを使用する)「Gap」や「Bestfit」などのプログラムを含むGCGは、密接に関連するポリペプチド(例えば、異なる生物種由来の相同ポリペプチド)間の、又は野生型タンパク質とその突然変異タンパク質との間の、配列相同性又は配列同一性を決定するために使用することができる。例えば、GCG Version 6.1 (University of Wisconsin, WI)を参照のこと。ポリペプチド配列は、FASTAを使用して、デフォルト又は推奨されるパラメータで比較することもできる。チャレンジ配列とクエリ配列の間の最適な重複の領域のためのアラインメントを提供するGCGバージョン6.10FASTA(例えばFASTA2及びFASTA3)を参照のこと(Pearson, Methods Enzymol. 183:63-98 (1990); Pearson, Methods Mol. Biol., 132:185-219 (2000))。
【0138】
異なる生物由来の大規模な配列を含むデータベースと配列を比較する場合に使用される別の好ましいアルゴリズムは、コンピュータプログラムBLAST、特に、blasp又はblasn(プログラムにより提供されるデフォルトパラメータを使用)である。例えば、Altschul et al., Mol. Biol., 215:403-410 (1990); Altschul et al., Nucleic Acids Res., 25:3389-402 (1997)を参照のこと。
【0139】
用語「処置」又は「処置すること」は、通常、必要な薬理学的効果及び/又は生理学的効果を得るための操作を指す。疾患又はその症状を完全に又は部分的に予防する点で、前記効果は予防的であり得;及び/又は疾患及び/又は疾患の副作用を部分的又は完全に安定化する又は治療する点で、前記効果は治療的であり得る。
【0140】
本明細書で使用される場合、「処置」又は「処置する」は、(a)疾患又は疾患の症状が、前記疾患に罹る可能性はあるが、まだ疾患に罹患していると診断されていない患者に、生じるのを予防すること;(b)疾病の症状を抑制すること、すなわち、その進行を阻止すること;又は(c)疾患の症状を緩和すること、すなわち、疾患又は症状の退行を引き起こすことを含む、患者における疾患に対するいずれの処置をも包含する。
【0141】
本明細書で使用される場合、用語「一般的処置」は、薬物物質が血流を通して輸送され、全身の細胞に到達し、影響を及ぼす処置を指す。
【0142】
本明細書で使用される場合、用語「全身化学療法」は、マルチモーダルな処置の一部としての局所進行性疾患に対する化学療法を除外する一般的な化学療法を指し、ここで、局所進行性疾患に対する前記化学療法は、導入化学療法、放射線治療を同時併用する化学療法、及びアジュバンド化学療法を含む。
【0143】
本明細書で使用される場合、用語「被験体」(本明細書では、「患者」と呼ばれることもある)は、齧歯類、ネコ、イヌ及び霊長類などの哺乳動物を指す。好ましくは、本発明の被験体は、ヒトである。
【0144】
「投与する」、「投与」又は「投与すること」は、当業者に公知の様々な方法及び送達システムのいずれかを用いて、治療剤を含む組成物を被験体に物理的に導入することを意味する。自己免疫疾患関連の因子(例えば、抗ヒトIL-12/IL-23p40抗体)のための阻害剤の投与経路としては、静脈内、筋肉内、皮下、腹腔内、脊髄又は例えば注射又は注入による他の非経口の投与経路が挙げられる。本明細書で使用される場合、語句「非経口投与」は、経腸及び局所投与を除く投与方式で、典型的には注射によるものを指し、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、リンパ内、病巣内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内、硬膜外及び胸骨内の注射及び注入及びインビボのエレクトロポレーションが挙げられるが、これらに限定されない。
【0145】
特定の実施態様では、自己免疫疾患関連の因子(例えば、抗ヒトIL-12/IL-23p40抗体)に対する前記阻害剤は、非経口経路により投与され、そしていくつかの実施態様では、前記阻害剤は経口的に投与される。他の非経口経路としては、例えば、鼻腔内、膣、直腸、舌下又は局所投与などの局所、表皮又は粘膜の投与経路が挙げられる。
【0146】
投与は、例えば、1回、複数回、及び/又は1回以上の延長期間にわたって実施されてもよい。
【0147】
「被験体」は、ヒト又は非ヒト動物のいずれかを含む。用語「非ヒト動物」としては、非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌなどの脊椎動物、及びマウス、ラット及びモルモットなどの齧歯類が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施態様では、前記被験体は、ヒトである。用語「被験体」及び「患者」は、本明細書では交換可能に使用される。
【0148】
用語「約(about)」、「およそ(approximately)」又は「実質的に含む」は、当業者により決定される特定の値又は組成物についての許容可能な誤差範囲内の値又は組成物を指し、それらは部分的に、前記値又は組成物がどのように測定又は決定されるか、すなわち、測定システムの限界に依存する。例えば、「約」、「およそ」又は「実質的に含む」は、当該技術分野で実施される1又は1以上の標準偏差内にあることを指してもよい。あるいは、「約」又は「実質的に含む」は、それにより修飾されるパラメータ又は値に対して最大10%又は20%(すなわち、±10%又は±20%)異なる範囲を指してもよい。例えば、約3mgは、2.7mgと3.3mgの間(10%の場合)又は2.4mgと3.6mgの間(20%の場合)の任意の数を含んでもよい。
【0149】
投与の方式
以下の内容は、本明細書に開示された薬剤の投与の方式を制限することを意図するものではない。
【0150】
1つの実施態様では、本明細書に開示された薬剤は、単回投与又は複数回投与に適した医薬組成物に製剤化することができる。
【0151】
本明細書に開示された薬剤は、経口投与又は非経口投与(静脈内、筋肉内、局所又は皮下経路による)を含むがこれらに限定されない様々な適切な経路で投与される。
【0152】
いくつかの実施態様では、本明細書に開示された薬剤は、経口投与又は注射、例えば静脈内注射又は腹腔内注射の方法により投与される。
【0153】
本明細書に開示された薬剤の適切な剤形としては、錠剤、トローチ剤、丸薬、カプセル剤(例えば、硬カプセル、軟カプセル、腸溶性カプセル及びマイクロカプセル)、エリキシル剤、顆粒剤、シロップ剤、注射剤(筋肉内、静脈内、腹腔内)、顆粒剤、乳剤、懸濁剤、溶液、散剤、及び経口又は非経口投与用の徐放性製剤の剤形が挙げられるが、これらに限定されない。
【0154】
本明細書に開示された薬剤は、薬学的に許容され得る担体及び/又は賦形剤を含む。
【0155】
本発明の有益な効果:
ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに対する前記ヒト化抗体は、IL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに特異的に結合することができ、細胞表面レセプターIL-12Rβ1及びIL-23Rに対するIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインの結合を効果的に遮断し、ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインの下流のシグナル経路の活性化を阻害し、IL-23誘導性IL-17A分泌を阻害することができる。
【0156】
前記ヒトp40に対する本明細書に開示された抗体の結合活性は、対照抗体ウステキヌマブ及びAb123FR1のそれよりも有意に良好である。
【0157】
本明細書に開示された前記抗体は、自己免疫疾患(例えば、尋常性乾癬又は全身性エリテマトーデス)及び潰瘍性大腸炎(例えば、難治性又は再発性)を予防及び治療するための薬剤を調製するために使用される可能性を有する。その一方で、前記抗体は、良好な応用性と市場価値を有する。
【図面の簡単な説明】
【0158】
図1】ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに対するH5L9及びAb123FR1の結合活性の検出結果。
図2】ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに対するH5L10及びAb123FR1の結合活性の検出結果。
図3】ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに対するH5L11、H5L12、H5L14及びAb123FR1の結合活性の検出結果。
図4】ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに対するH8L15及びAb123FR1の活性の検出結果。
図5】ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに対するH5L9の親和定数の検出結果。上から下に向かっての曲線対に対応する抗体濃度は、それぞれ5nM、2.5nM、1.25nM、0.75nM及び0.31nMである。
図6】ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに対するH5L10の親和定数の検出結果。上から下に向かっての曲線対に対応する抗体濃度は、それぞれ5nM、2.5nM、1.25nM、0.75nM及び0.31nMである。
図7】ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに対するH5L11の親和定数の検出結果。上から下に向かっての曲線対に対応する抗体濃度は、それぞれ5nM、2.5nM、1.25nM、0.75nM及び0.31nMである。
図8】ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに対するH5L12の親和定数の検出結果。上から下に向かっての曲線対に対応する抗体濃度は、それぞれ5nM、2.5nM、1.25nM、0.75nM及び0.31nMである。
図9】ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに対するH5L14の親和定数の検出結果。上から下に向かっての曲線対に対応する抗体濃度は、それぞれ5nM、2.5nM、1.25nM、0.75nM及び0.31nMである。
図10】ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに対するAb123FR1の親和定数の検出結果。上から下に向かっての曲線対に対応する抗体濃度は、それぞれ5nM、2.5nM、1.25nM、0.75nM及び0.31nMである。
図11】ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに対するH8L15の親和定数の検出結果。上から下に向かっての曲線対に対応する抗体濃度は、それぞれ5nM、2.5nM、1.25nM、0.75nM及び0.31nMである。
図12】ヒトIL-12/IL-23p40タンパク質ドメインに対するウステキヌマブの親和定数の検出結果。上から下に向かっての曲線対に対応する抗体濃度は、それぞれ5nM、2.5nM、1.25nM、0.75nM及び0.31nMである。
図13】ヒトIL-12の293T-IL-12Rβ1及びIL-23R細胞(FACS)に対する結合を競合的に遮断する抗体H5L9、H5L10、H5L11、H5L12、H5L14及びウステキヌマブ。
図14】ヒトIL-23の293T-IL-12Rβ1及びIL-23R細胞(FACS)に対する結合を競合的に遮断する抗体H5L9、H5L10、H5L11、H5L12、H5L14及びウステキヌマブ。
図15】自発的全身性エリテマトーデスを有するマウスの脾臓細胞によるIL-23誘導性IL-17A分泌を有意に阻害するH8L15。
図16】乾癬モデルマウスの皮膚損傷を有意に改善するH8L15。
図17】各実験群における潰瘍性大腸炎の病理学的スコアの統計結果;潰瘍性大腸炎モデルマウスの病理学的変化と臨床症状を有意に軽減するH8L15。
図18】実験マウスの体重の変化。
図19】組換えヒトIL-23と組み合わせたDSSにより誘導された大腸炎マウスのH8L15処置についての皮膚病理組織学的観察の実証。
図20】ヒトIL-12の293T-IL-12Rβ1及びIL-23R細胞(FACS)に対する結合を競合的に遮断する抗体Ab123FR1、H8L15及びウステキヌマブ。
図21】ヒトIL-23の293T-IL-12Rβ1及びIL-23R細胞(FACS)に対する結合を競合的に遮断する抗体Ab123FR1、H8L15及びウステキヌマブ。
【0159】
詳細な説明
以下、実施例を参照して本発明の実施態様について詳細に説明する。当業者は、以下の実施例は本発明を説明するためにのみ使用され、本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではないことを理解するであろう。技術又は条件が特定されていない場合、実施例は、当該技術分野の文献に記載されている技術又は条件(例えば、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, authored by J. Sambrook et al., and translated by Huang Peitang et al., Third Edition, Science Pressを参照のこと)又は製品マニュアルに従って実施された。使用される試薬又は装置は、その製造者が特定されていない場合は、市販の従来製品である。
【0160】
本発明の以下の実施例では、C5BL/6マウスは、広東医学研究所動物センター(Guangdong Medical Laboratory Animal Center)より購入した。
【0161】
本発明の以下の実施例では、IL-12(ヒトIL12(HisTag))は、Sino Biologicalより購入した(カタログ番号:CT-050-H08H-20、ロット番号:LC11MC2805)。
【0162】
本発明の以下の実施例では、抗IL-12/IL-23p40抗体であるAb123FR1を対照抗体として使用し、その調製方法は中国登録特許CN103275222B号を参照することができる。これは、Akeso Biopharma,Incにより製造され、その配列は、中国特許CN103275222B号における、配列番号3の位置20~468及び配列番号4の位置20~233として示された。
【0163】
本発明の以下の実施例では、同じ標的に対する抗p40抗体である、ウステキヌマブ(商標名Stelara)は、対照抗体としてJohnson&Johnsonから購入した。
【0164】
本発明の以下の実施例では、使用した細胞株293T-IL-12Rβ1及びIL-23Rは、AkesoBiopharma,Inc.により製造されたものである。細胞株293T-IL-12Rβ1及びIL-23Rは、第3世代レンチウイルス系(例えば、A Third Generation Lentivirus Vector with a Conditional Packaging System, Dull T, Zufferey R, Kelly M, Mandel RJ, Nguyen M, Trono D, and Naldini L., J Virol. 1998. 72(11):8463-8471を参照のこと)を使用している293T細胞のウイルス感染により調製され、ここで、使用した前記レンチウイルス発現ベクターは、pLenti-IL-12Rβ1-BSD(IL-12Rβ1、GenBank登録番号3549;Invitrogenから購入した、ベクターpLenti-BSD、カタログ番号:K497000)及びpCDH-IL-23R-puro(IL-23R、GenBank登録番号149233;Yubio社から購入したベクターpCDH-CMV-MCS-EF1-Puro、製品番号VT1480)であった。
【0165】
前記アイソタイプの対照抗体は、ヒト抗鶏卵リゾチーム(anti-hen egg lysozym)IgG(抗HEL、すなわちヒトIgG(hIgG1と略す))であり、その配列は、「親和性成熟は抗タンパク質抗体のFvドメインの安定性と可塑性を高める」(Acierno et al., J Mol Biol., 2007, 374(1):130-46、ここで前記重鎖のアミノ酸配列は配列番号21に記載され、前記軽鎖のアミノ酸配列は配列番号22に記載されている)からのものである。前記アイソタイプの対照抗体は、Akeso Biopharma社の実験室で調製した。
【0166】
前記hIL-23組換えタンパク質(IL-23、GeneBank登録番号51561)はAkeso Biopharma,Inc.の研究室で調製した。
【0167】
以下の実施例は、本発明のさらなる例示であり、本発明を限定することを意図していない。
【0168】
実施例1.抗ヒトp40抗体H8L15の重鎖配列及び軽鎖配列の設計、発現及び精製
【0169】
1.抗体の設計
抗ヒトIL-12/IL-23p40抗体H8L15を調製するために、本発明者らは、IL-12/IL-23p40タンパク質ドメインの構造に基づく量子シミュレーション計算、及び抗原-抗体結合及び抗体のCDR領域と抗原との間の相互作用のための構造生物学に基づく三次元空間構造シミュレーション技術により、抗体が抗原に結合するCDR領域のアミノ酸配列を決定した。一方、前記CDR領域の三次元構造に影響することなく、抗体のフレームワーク部分をそれに対応して最適化し、最終的にヒトIL-12/IL-23p40に特異的に結合する抗体H5L9、H5L10、H5L11、H5L12、H5L14及びH8L15を得た。
【0170】
前記抗体の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域のアミノ酸配列及びそれらをコードするDNA配列は、以下の通りである:
H5L9:重鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号1に記載され、それをコードするDNA配列は配列番号2に記載される。
H5L9:軽鎖可変領域のアミノ酸配列は配列番号6に記載され、それをコードするDNA配列は配列番号7に記載される。
H5L10:重鎖可変領域のアミノ酸配列は配列番号1に記載され、それをコードするDNA配列は配列番号2に記載される。
H5L10:軽鎖可変領域のアミノ酸配列は配列番号11に記載され、それをコードするDNA配列は配列番号12に記載される。
H5L11:重鎖可変領域のアミノ酸配列は配列番号1に記載され、それをコードするDNA配列は配列番号2に記載される。
H5L11:軽鎖可変領域のアミノ酸配列は配列番号13に記載され、そのコードするDNA配列は配列番号14に記載される。
H5L12:重鎖可変領域のアミノ酸配列は配列番号1に記載され、それをコードするDNA配列は配列番号2に記載される。
H5L12:軽鎖可変領域のアミノ酸配列は配列番号15に記載され、そのコードするDNA配列は配列番号16に記載される。
H5L14:重鎖可変領域のアミノ酸配列は配列番号1に記載され、それをコードするDNA配列は配列番号2に記載される。
H5L14:軽鎖可変領域のアミノ酸配列は配列番号17に記載され、それをコードするDNA配列は配列番号18に記載される。
H8L15:重鎖可変領域のアミノ酸配列は配列番号24に記載され、それをコードするDNA配列は配列番号37に記載される。
H8L15:軽鎖可変領域のアミノ酸配列は配列番号25に、それをコードするDNA配列は配列番号38に記載される。
【0171】
1.抗体の発現及び精製
H8L15のような上記抗体の、重鎖可変領域(配列番号37に記載;定常領域:Igγ-1鎖C領域;アクセッション番号P01857)をコードするヌクレオチド配列及び軽鎖可変領域(配列番号38に記載;定常領域:Igκ鎖C領域;アクセッション番号P01834)をコードするヌクレオチド配列を、それぞれベクターpUC単純(Genscriptにより提供される)にクローニングし、H8L15の全長重鎖ヌクレオチドを含むpUC57単純-H8L15H及びH8L15の全長軽鎖ヌクレオチドを含むpUC57単純-H8L15Lを、それぞれ得た。
【0172】
プラスミドpUC57単純-H8L15H及びpUC57単純-H8L15Lを消化し(HindIII&EcoRI)、電気泳動により単離した重鎖ヌクレオチド配列及び軽鎖ヌクレオチド配列をベクターpcDNA3.1にサブクローニングし、そして組換えプラスミドを抽出して293F細胞にコトランスフェクトした。
【0173】
トランスフェクトした293F細胞を7日間培養した後、その培地を高速で遠心分離し、得られた上清を濃縮し、HiTrap MabSelect SuReカラムに充填した。前記タンパク質を、溶離液を用いて一段階で溶離して、標的試料を単離した。抗体試料をPBS緩衝液中に保存した。
【0174】
他の抗体も同様に調製した。この実施例で調製した抗体H5L9、H5L10、H5L11、H5L12、H5L14及びH8L15を以下の実施例2~4で使用した。
【0175】
実施例2.ヒトIL-12/IL-23p40に対する抗体H5L9、H5L10、H5L11、H5L12、H5L14、H8L15、Ab123FR1及びウステキヌマブの結合活性のELISA法による検出
【0176】
マイクロプレートをヒトp40-His(Akeso Biopharma, Inc;遺伝子p40:GeneBankアクセッション番号NM002187)でコーティングした。4°Cで12時間超インキュベートした後、プレートをPBSTで洗浄し、軽くたたいて乾燥し、PBS中の1%BSAの溶液でブロックした。ブロッキングが完了した後、プレートをPBSTで洗浄し、軽くたたいて乾燥した。PBST溶液で濃度勾配をつけて希釈した抗体をプレートのウェルに加え、抗体の希釈勾配を表1に詳述する。試験抗体を含有するプレートを、37°Cで30分間インキュベートし、次いで、PBSTで洗浄し、軽くたたいて乾燥した。1:5000の比率で希釈したHRP標識ヤギ抗ヒトIgG(H+L)(Jackson ImmunoResearch Inc.,から購入、カタログ番号:109-035-088)二次抗体作用溶液を加え、得られた混合物を37°Cで30分間インキュベートした。インキュベート後、プレートをPBSTで洗浄し、軽くたたいて乾燥した。TMB(Neogen、308177)を加え、光の不存在下で5分間発色させ、次いで、停止溶液を加えて発色反応を停止させた。次いで、プレートを直ちにプレートリーダーに入れ、プレート中の各ウェルのOD値を450nmで読み取った。このデータをSoftMax Pro 6.2.1により分析した。
【0177】
抗原ヒトp40-Hisに対する抗体H5L9及びAb123FR1の結合の検出結果を図1に示す。全ての用量のOD値を表1に示す。横軸を抗体濃度、縦軸を吸光度値としたカーブフィッティングにより、抗体の結合EC50を計算し、その結果を表1に示す。
【0178】
抗原ヒトp40-Hisに対する抗体H5L10及びAb123FR1の結合の検出結果を図2に示す。全ての用量のOD値を表2に示す。横軸を抗体濃度、縦軸を吸光度値としたカーブフィッティングにより、抗体の結合EC50を算出し、その結果を表2に示す。
【0179】
抗原ヒトp40-Hisに対する抗体H5L11、H5L12、H5L14及びAb123FR1の結合の検出結果を図3に示す。全ての用量のOD値を表3に示す。横軸を抗体濃度、縦軸を吸光度値としたカーブフィッティングにより、抗体の結合EC50を算出し、その結果を表3に示す。
【0180】
抗原ヒトp40-Hisに対する抗体H8L15及びAb123FR1の結合の検出結果を図4に示す。全ての用量のOD値を表4に示す。横軸を抗体濃度、縦軸を吸光度値としたカーブフィッティングにより、抗体の結合EC50を算出し、その結果を表4に示す。
【0181】
前記結果は、抗原ヒトp40-Hisに対するH5L9、H5L10、H5L11、H5L12、H5L14及びH8L15の結合効率が、用量依存性であることを示す。
【0182】
図1及び表1に示すように、H5L9は、ヒトp40-Hisに0.079nMのEC50で結合し、Ab123FR1は、ヒトp40-Hisに0.063nMのEC50で結合する。H5L9の結合効率は、Ab123FR1と同程度であった。
【0183】
図2及び表2に示すように、H5L10はヒトp40-Hisに0.057nMのEC50で結合し、Ab123FR1は、ヒトp40-Hisに0.051nMのEC50で結合する。H5L10の結合効率は、Ab123FR1と同程度であった。
【0184】
図3及び表3に示すように、H5L11、H5L12、H5L14及びAb123FR1は、それぞれ0.082nM、0.082nM、0.107nM及び1.181nMのEC50値でヒトp40-Hisに結合する。H5L11、H5L12及びH5L14の結合効率は、Ab123FR1のそれよりも明白に良好であった。
【0185】
図4及び表4に示すように、H8L15、Ab123FR1及びウステキヌマブは、それぞれ0.059nM、0.074nM及び0.077nMのEC50値でヒトp40-Hisに結合する。結合効率の点では、Ab123FR1はウステキヌマブと同等であるが、一方、H8L15は、残りの二つよりも有意に良好である。
【0186】
【表1】
【0187】
【表2】
【0188】
【表3】
【0189】
【表4】
【0190】
実施例3.ヒトIL-12/IL-23p40抗原に対するH5L9、H5L10、H5L11、H5L12、H5L14、H8L15、Ab123FR1及びウステキヌマブの親和定数のFortebioによる測定
【0191】
H5L9、H5L10、H5L11、H5L12、H5L14、H8L15、Ab123FR1及びウステキヌマブの試料希釈用緩衝液は、PBS(0.02% Tween-20、0.1% BSA、pH 7.4)であった。p40-HisをHIS1K(製造メーカー:Fortebio、カタログ番号:18-5120)センサー上に1μg/mLの濃度で40秒間固定化した。センサを緩衝液中で60秒間平衡化し、センサ上に固定化されたp40-Hisを5~0.31nM(二倍希釈)の濃度で120秒間抗体に結合させ、次いで、そのタンパク質を緩衝液中で300秒間解離させた。センサーを10mM グリシン溶液(pH=1.5)でリフレッシュした。検出温度は、37°Cで、検出周波数は、0.3Hz、サンプルプレート振とう速度は500rpmであった。データを1:1モデルフィッティングにより解析し、親和定数を得た。
【0192】
ヒトp40-Hisに対するヒト化抗体H5L9、H5L10、H5L11、H5L12、H5L14、Ab123FR1、H8L15及びウステキヌマブ(対照抗体として)の親和定数の測定結果を表5に示し、検出結果を図5、6、7、8、9、10、11及び12に示す。
【0193】
前記結果は、ヒトp40-Hisに対するH5L9の親和定数は8.49E-10M、ヒトp40-Hisに対するH5L10の親和定数は1.21E-10M、ヒトp40-Hisに対するH5L11の親和定数は1.36E-10M、ヒトp40-Hisに対するH5L12の親和定数は9.05E-11M、ヒトp40-Hisに対するH5L14の親和定数は6.20E-11M、ヒトp40-Hisに対するAb123FR1の親和定数は7.40E-11M、ヒトp40-Hisに対するH8L15の親和定数は6.09E-11M、ヒトp40-Hisに対するウステキヌマブの親和定数は8.64E-11Mを示す。
【0194】
親和性の点では、強から弱への順:H8L15、H5L14、Ab123FR1、ウステキヌマブ、H5L12、H5L10、H5L11そしてH5L9にランク付けされた。
ヒトp40-Hisに対してH8L15及びH5L14は、Ab123FR1及びウステキヌマブより強い親和性を示した。
【0195】
【表5】
【0196】
実施例4.293T-IL-12Rβ1及びIL-23R細胞に対するヒトIL-12及びIL-23の結合を競合的に遮断する抗ヒトIL-12/IL-23p40抗体のフローサイトメトリーによる検出
【0197】
1.1.293T-IL-12Rβ1及びIL-23R細胞に対するヒトIL-12の結合を競合的に遮断する抗体H5L9、H5L10、H5L11、H5L12、H5L14及びウステキヌマブのフローサイトメトリーによる検出
293T-IL-12Rβ1及びIL-23R細胞を通常の方法で消化し、それぞれ30万個の細胞を有するいくつかの試料に分けた。200μLの1% PBSAを各試料に加え、混合物を700×gで5分間遠心分離して、上清を廃棄した。実験計画に従って、対応する希釈した抗体(30μg/mLの最高最終濃度、3倍希釈、合計で8濃度)及びヒトIL-12(Sino Biological、カタログ番号:CT-050-H08H-20)(20nMの最終濃度)を1:1の比率で混合し、ブランク対照を設定した。抗体とヒトIL12の混合物を氷上で30分間インキュベートし、次いで100μL/試料で細胞沈殿物に加えた。得られた混合物を十分に混合し、氷上で60分間インキュベートした。200μLの1% PBSAを加え、混合物を700×gで5分間遠心分離して、上清を廃棄し、次いで2回洗浄した。Alexa Fluor(R)488抗Hisタグ抗体(Biolegend、カタログ番号:652509)を1:400の比率で希釈し、100μLで各チューブに加えた。混合物を十分に混合し、光の不存在下、氷上で40分間インキュベートした。200μLの1% PBSAを加え、混合物を700×gで5分間遠心分離して、上清を廃棄し、次いで2回洗浄した。1% PBSAを200μL/チューブで加え、細胞を再懸濁し、試験のためにフローサイトメトリーチューブに移した。FACSにより検出された293T-IL-12Rβ1及びIL-23R細胞に対するヒトIL-12の結合を競合的に遮断する抗体H5L9、H5L10、H5L11、H5L12、H5L14及びウステキヌマブの結果を表6及び図13に示す。
【0198】
表6及び図13に示す結果によれば、H5L9、H5L10、H5L11、H5L12、H5L14及びウステキヌマブはいずれも、293T-IL-12Rβ1及びIL-23Rの細胞膜表面上のIL-12Rβ1に対するIL-12の結合を競合的に遮断することができ、ここで、H5L9の競合的結合活性に有意性は見られず、H5L10、H5L11、H5L12、H5L14及びウステキヌマブのEC50は、それぞれ0.3312μg/mL、0.414μg/mL、0.3172μg/mL、0.5320μg/mL及び0.3770μg/mLであった。
【0199】
293T-IL-12Rβ1及びIL-23Rの細胞膜表面上でのIL-12Rβ1に対するIL-12の結合を競合的に遮断する強度の点で、抗体は強から弱への順:H5L12、H5L10、ウステキヌマブ、H5L11、H5L14そしてH5L9にランク付けされた。
【0200】
上記の結果は、細胞膜表面上のIL-12Rβ1に対するIL-12の結合を競合的に遮断するH5L12及びH5L10の競合的結合活性は、ウステキヌマブのそれよりも良好であることを示す。
【0201】
【表6】
【0202】
1.2.293T-IL-12Rβ1及びIL-23R細胞に対するヒトIL-12の結合を競合的に遮断する抗体Ab123FR1、H8L15及びウステキヌマブのフローサイトメトリーによる検出
293T-IL-12Rβ1及びIL-23R細胞を通常の方法で消化し、それぞれ30万個の細胞を有するいくつかの試料に分けた。200μLの1% PBSAを各試料に加え、混合物を1200rpmで5分間遠心分離して、上清を廃棄した。実験計画に従って、対応する希釈した抗体(最高最終濃度60μg/mL、3倍希釈、合計で8濃度)及びIL12-His(Sino Biological、カタログ番号:CT-050-H08H-20)(40nM)を1:1の比率で混合し、ブランク対照を設定した。抗体とIL12の混合物を氷上で30分間インキュベートし、次いで100μL/試料で細胞沈殿物に加えた。得られた混合物を十分に混合し、氷上で60分間インキュベートした。200μLの1% PBSAを加え、混合物を1200rpmで5分間遠心分離して、上清を廃棄し、次いで2回洗浄した。THETM Hisタグ抗体(FITC)(Genscript、カタログ番号:A01620)を1:500の比率で希釈して、100μLで各チューブに加えた。混合物を十分に混合し、光の不存在下、氷上で40分間インキュベートした。200μLの1% PBSAを加え、混合物を1200rpmで5分間遠心分離して、上清を廃棄し、次いで2回洗浄した。1% PBSAを200μL/チューブ加え、細胞を再懸濁し、試験のためにフローサイトメトリーチューブに移した。FACSにより検出された293T-IL-12Rβ1及びIL-23R細胞に対するヒトIL-12の結合を競合的に遮断する抗体Ab123FR1、H8L15及びウステキヌマブの結果を表7及び図20に示す。
表7及び図20に示す結果によれば、Ab123FR1、H8L15及びウステキヌマブはいずれも、293T-IL-12Rβ1及びIL-23Rの細胞膜表面上のIL-12Rβ1に対するIL-12の結合を競合的に遮断することができ、Ab123FR1、H8L15及びウステキヌマブの結合EC50値は、それぞれ1.99μg/mL、1.46μg/mL及び1.58μg/mLである。
【0203】
上記の結果は、細胞膜表面上のIL-12Rβ1に対するIL-12の結合を競合的に遮断するH8L15の競合的結合活性は、Ab123FR1及びウステキヌマブのそれよりも良好であることを示す。
【0204】
【表7】
【0205】
2.1.293T-IL-12Rβ1及びIL-23R細胞に対するヒトIL-23の結合を競合的に遮断する抗体H5L9、H5L10、H5L11、H5L12、H5L14及びウステキヌマブのフローサイトメトリーによる検出
293T-IL-12Rβ1及びIL-23R細胞を通常の方法で消化し、それぞれ30万個の細胞を有するいくつかの試料に分けた。200μLの1% PBSAを各試料に加え、混合物を700×gで5分間遠心分離して、上清を廃棄した。実験計画に従って、対応する希釈した抗体(最高最終濃度30μg/mL、3倍希釈、合計で8濃度)及びヒトIL-23(IL-23-His-ビオチン(Biotin)(Akesobio社、ロット番号:20161209)(最終濃度2μg/mL)を1:1の比率で混合し、ブランク対照を設定した。抗体とヒトIL23の混合物を氷上で30分間インキュベートし、次いで100μL/試料で細胞沈殿物に加えた。得られた混合物を十分に混合し、氷上で60分間インキュベートした。200μLの1% PBSAを加え、混合物を700×gで5分間遠心分離して、上清を廃棄し、次いで2回洗浄した。FITCステプタビジン(Steptavidin)(Biolegend、カタログ番号:405202)を1:500の比率で希釈し、100μLで各チューブに加えた。混合物を十分に混合し、光の不存在下、氷上で40分間インキュベートした。200μLの1% PBSAを加え、混合物を700×gで5分間遠心分離して、上清を捨て、次いで2回洗浄した。1%PBSAを200μL/チューブで加え、細胞を再懸濁し、試験のためにフローサイトメトリーチューブに移した。FACSにより検出された293T-IL-12Rβ1及びIL-23R細胞に対するヒトIL-23の結合を競合的に遮断する抗体H5L9、H5L10、H5L11、H5L12、H5L14及びウステキヌマブの結果を表8及び図14に示す。
【0206】
表8及び図14に示す結果によれば、H5L9、H5L10、H5L11、H5L12、H5L14及びウステキヌマブは、いずれも293T-IL-12Rβ1及びIL-23Rの細胞膜表面上のIL-23レセプター複合体に対するIL-23の結合を競合的に遮断することができ、これらの抗体の競合的結合EC50値は、それぞれ、4.252μg/mL、0.6995μg/mL、0.8643μg/mL、0.7748μg/mL、0.8806μg/mL及び1.158μg/mLである。
【0207】
293T-IL-12Rβ1及びIL-23Rの細胞膜表面上のIL-23レセプター複合体に対するIL-23の結合を競合的に遮断する強度の点では、抗体は、強から弱への順:H5L10、H5L12、H5L11、H5L14、ウステキヌマブそしてH5L9にランク付けされた。
【0208】
上記の結果は、293T-IL-12Rβ1及びIL-23Rの細胞膜表面上のIL-23レセプター複合体に対するIL-23の結合を競合的に遮断するH5L10、H5L12、H5L11及びH5L14の競合的結合活性が、ウステキヌマブのそれよりも良好であることを示す。
【0209】
【表8】
【0210】
2.2.293T-IL-12Rβ1及びIL-23R細胞に対するヒトIL-23の結合を競合的に遮断する抗体Ab123FR1、H8L15及びウステキヌマブのフローサイトメトリーによる検出
293T-IL-12Rβ1及びIL-23R細胞を通常の方法で消化し、それぞれ30万個の細胞を有するいくつかの試料に分けた。200μLの1% PBSAを各試料に加え、混合物を1200rpmで5分間遠心分離して、上清を廃棄した。実験計画に従って、対応する希釈した抗体(最高濃度60μg/mL、3倍希釈、合計で8濃度)及びヒトIL23-His-ビオチン(Akeso Biopharma,Inc.,ロット番号:20161209)(4μg/mL)を1:1の比率で混合し、ブランク対照を設定した。抗体とIL-His-ビオチンの混合物を、氷上で30分間インキュベートし、次いで、100μL/試料で細胞沈殿物に加えた。得られた混合物を十分に混合し、氷上で60分間インキュベートした。200μLの1% PBSAを加え、混合物を1200rpmで5分間遠心分離して、上清を廃棄し、次いで2回洗浄した。FITCステプタビジン(Biolegend、カタログ番号:405202)を1:500の比率で希釈し、100μLで各チューブに加えた。混合物を十分に混合し、光の不存在下、氷上で40分間インキュベートした。200μLの1% PBSAを加え、混合物を1200rpmで5分間遠心分離して、上清を廃棄し、次いで2回洗浄した。1% PBSAを200μL/チューブで加え、細胞を再懸濁し、試験のためにフローサイトメトリーチューブに移した。293T-IL-12Rβ1及びIL-23R細胞に対するヒトIL-23の結合を競合的に遮断する抗体Ab123FR1、H8L15及びウステキヌマブのFACSにより検出された結果を表9及び図21に示す。
【0211】
表9及び図21に示す結果によれば、Ab123FR1、H8L15及びウステキヌマブは、いずれも、293T-IL-12Rβ1及びIL-23Rの細胞膜表面上のIL-23のIL-23Rに対する結合を競合的に遮断することができる。Ab123FR1、H8L15及びウステキヌマブの結合EC50値は、それぞれ1.41μg/mL、0.8942μg/mL及び1.434μg/mLである。
【0212】
上記の結果は、293T-IL-12Rβ1及びIL-23Rの細胞膜表面上のIL-23Rに対するIL-23の結合を競合的に遮断するH8L15の競合的結合活性は、Ab123FR1及びウステキヌマブのそれよりも良好であることを示す。
【0213】
【表9】
【0214】
実施例5.自発的全身性エリテマトーデスを有するマウスの脾臓細胞によるIL‐17A分泌を効果的に阻害するH8L15
【0215】
自発的全身性エリテマトーデスのモデル(Jeltsch-David H. Autoimmun Rev. 2014;13(9):963-973.)マウス(上海SLAC実験動物有限公司(Shanghai SLAC Laboratory Animal Co., Ltd.)から購入したMRL/lprマウス)を抱水クロラールで麻酔し、75%エチルアルコールに浸漬して消毒して、バイオセーフティキャビネットに移し、次いで解剖して脾臓を採取した。1640の完全培地を含む皿の中で脾臓を洗浄して、脂肪及び筋膜組織を除去した、洗浄したマウス脾臓を70μmのセルストレーナーに入れ、シリンジのプランジャーで穏やかに粉砕し、脾臓細胞の懸濁液を培養液で繰り返し洗浄した。濾液を採取し、170×gで5分間遠心分離して、上清を廃棄した。赤血球ライセート7mLを加えて、細胞沈殿物を再懸濁させた。混合物を穏やかに十分混合して、8分間氷上に放置し、次いで等量の完全培地を加えて溶解を停止した。混合物を170×gで5分間遠心分離して、上清を廃棄した。細胞沈殿物を遠心分離し、1640完全培地で2回洗浄し、次いで、細胞沈殿物を1640完全培地に再懸濁し、計数して、細胞密度を調整し、96ウェルプレート(1×10/100μL)に播種した。実験計画に従って、50μLの抗体を50μLのIL-23(20ng/mLの最終濃度)と共に1時間プレインキュベートし、次いで50μLのIL-2(100U/mLの最終濃度)を加え、混合物を37°C/5%COで、6日間インキュベーター中でインキュベートした。6日後、遠心分離により細胞上清を採取し、上清中のIL-17Aの濃度をELISAにより検出した。
【0216】
図15に示すように、IL-23は、自発的全身性エリテマトーデスモデルマウスの脾臓細胞によるIL-17A分泌を促進するのに有効である。IL-23が作用している間にH8L15を加えると、IL-17A分泌が有意に阻害され、その阻害活性は有意に用量依存性であり、薬力学的活性はAB123FR1(Ab123FR1と呼ばれることもある)よりも著しく優れている。
【0217】
実施例6.乾癬モデルマウスの皮膚損傷を効果的に改善するH8L5
【0218】
剃毛後、C57BL/6マウス(広東医学研究所動物センターより購入)を1群あたり10匹のマウスで、正常群、モデル群、陽性対照群及びH8L15群に無作為に分けた。組換えヒトIL-23の最初の注射の1日前に、アイソタイプの対照抗体(すなわち、ヒト抗鶏卵リゾチーム)をモデル群に皮下注射し、H8L15投与群には対応する濃度のH8L15を注射し、正常群には等量の生理食塩水を皮下注射した。投与1日後、3.5% 抱水クロラールを7.5mL/kgの投与量で腹腔内注射してC57BL/6マウスを麻酔し、正常群のマウスには25μL/マウスの生理食塩水を皮内注射し、残りのマウスには10μg/25μL/マウスの組換えヒトIL-23を皮内注射した。注射は1日1回、連続6日間行った。組換えヒトIL-23の最終皮内注射後2日目に、各群のマウスを頚部脱臼に供し、頚部皮膚の小片(約0.5cm×0.5cm)を切り取り、ホルマリン組織固定液で固定した。マウス皮膚の病理切片を24時間後に各群6匹のマウスについて作成した。病理切片を作製した後、1つの代表的な視野を100×顕微鏡下で選択し、元の画像中の6つの部位を無作為に選択して、マウスの皮膚表皮の厚さを測定した。データは平均±標準誤差で表し、結果はGraphPadソフトウェアで処理した群間の比較後の一元配置分散分析により評価した。P<0.05は有意差を示し、P<0.01は超有意差を示す。
【0219】
結果を図16に示す。正常群と比較して、モデル群のマウスの皮膚表皮の厚さは、明白に増加した(P<0.01)。投与後、H8L15は、乾癬マウスにおける表皮肥厚の阻害に有効である(P<0.01)。
【0220】
実施例7.抗IL-12/IL-23p40抗体を用いた大腸炎の処置
【0221】
H8L15などの抗IL-12/IL-23p40抗体は、潰瘍性大腸炎モデルマウスにおける病理学的変化及び臨床症状の軽減に有効であることが見出された。
C57BL/6マウスをDSS(デキストラン硫酸ナトリウム)で誘導することにより大腸炎モデルを確立した。実験マウスを正常群に3匹と他のそれぞれの群に6匹に分けた。陽性対照群(DSS群)、アイソタイプの対照抗体群(抗HEL)、高投与量H8L15群(120mg/kg)及び低投与量H8L15群(40mg/kg)を設定した。前記薬物をD0、D3、D6に皮下注射した。正常群では、動物モデルは飲用ボトルを通して滅菌水を与えることにより確立した;DSS(MP Bio、カタログ番号:Q1723)群では、1% DSS溶液(250mLの滅菌水に2.5gのDSSを加えて調製した)を9日間連続して飲用ボトルを通して与え、動物モデルを作成した;抗体を用いた実験群では、1% DSS溶液(250mLの滅菌水に2.5gのDSSを加えて調製した)を、飲用ボトルを通して与え、hIL-23組換えタンパク質(200μL/100μg/マウス)を毎日((D1~D5、D7~D9)腹腔内注射することにより動物モデルを確立した。
【0222】
実験動物の使用及び福祉は、国際実験動物管理評価認定協会(AAALAC)の規定に従って実施された。動物の健康と死亡を毎日監視し、日常検査には、行動活動、体重変化及び外観などの動物の日常行動に対する被験物質又は薬物の影響の観察が含まれる。
【0223】
実験指標は、大腸炎に対する前記薬物の影響を検討するためのものであり、特異的指標は表10に示すマウス大腸炎の病理学的スコアの表に基づいた。
【0224】
【表10】
【0225】
【表11】
【0226】
実験結果について、表10は、マウス大腸炎の病理学的スコアリングの基準であり、表11は、マウスモデルの確立方法及び各実験群における抗体の投与スキームであり、及び大腸炎の病理学的スコアリング結果を図17に示す。組換えヒトIL-23(HE染色×100)(a:正常群;b:DSS群;c:DSS+hIL-23+hIgG1(120mg/kg)群;d:DSS+hIL-23+H8L15(120mg/kg)群;e:DSS+hIL-23+H8L15(40mg/kg)群)と組み合わせたDSSにより誘導された大腸炎マウスのH8L15の処置のための皮膚組織病理学的観察の実証を図19に示す。
【0227】
結論:図18に示す実験期間におけるマウスの体重によれば、モデル群におけるマウスの体重は常に減少するが、処置群におけるマウスの体重は減少せず、これはモデル群のそれと明白に異なる。
【0228】
図17に示す大腸炎の病理学的スコアによれば、モデル群は、大腸炎の明白な特徴を示し、一方、高投与量の処置群及び低投与量の処置群は、モデル群と統計的に有意な差を示し、抗体H8L15が潰瘍性大腸炎の処置に有効であることを示す。
【0229】
配列に関する情報は次のとおりである:
H5L9、H5L10、H5L11、H5L12及びH5L14の重鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号1に記載される。
【化1】
【0230】
H5L9、H5L10、H5L11、H5L12及びH5L14の重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、配列番号2に記載される。
【化2】
【0231】
H5L9、H5L10、H5L11、H5L12及びH5L14については、HCDR1は、配列番号3に記載され、HCDR2は、配列番号4に記載され、HCDR3は、配列番号5に記載される。
HCDR1:GYSFTTYW(配列番号3)
HCDR2:MSPVDSDI(配列番号4)
HCDR3:ARRRPGQGYFDF(配列番号5)
【0232】
H5L9の軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号6に記載される。
【化3】
【0233】
H5L9の軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、配列番号7に記載される。
【化4】
【0234】
H5L9については、LCDR1は、配列番号8に記載され、LCDR2は、配列番号9に記載され、及びLCDR3は、配列番号10に記載される。
LCD 1:QNVGSW(配列番号8)
LCDR2:ASS(配列番号9)
LCDR3:QQYDIYPFT(配列番号10)
【0235】
H5L10の軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号11に記載される。
【化5】
【0236】
H5L10の軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、配列番号12に記載される。
【化6】
【0237】
H5L11の軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号13に記載される。
【化7】
【0238】
H5L11の軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、配列番号14に記載される。
【化8】
【0239】
H5L12の軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号15に記載される。
【化9】
【0240】
H5L12の軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、配列番号16に記載される。
【化10】
【0241】
H5L14の軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号17に記載される。
【化11】
【0242】
H5L14の軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、配列番号18に記載される。
【化12】
【0243】
L10のLCDR1は、配列番号19に記載される。
QSVGSW
L11、L12及びL14のLCDR1は、配列番号20に記載される。
QSVSSW
L10、L11、L12及びL14のLCDR2は、配列番号21に記載される。
ASN
L10、L11及びL12のLCDR3は、配列番号22に記載される。
QQYNIYPYT
L14のLCDR3は、配列番号23に記載される。
QQYNIYPFT
【0244】
H8L15の重鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号24に記載される。
【化13】
【0245】
H8L15の軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号25に記載される。
【化14】
【0246】
H8L15については、HCDR1は、配列番号26に記載され、HCDR2は、配列番号4に記載され、HCDR3は、配列番号5に記載され、LCDR1は、配列番号27に記載され、LCDR2は、配列番号28に記載され、LCDR3は、配列番号22に記載され、FR-H1は、配列番号29に記載され、FR-H2は、配列番号30に記載され、FR-H3は、配列番号31に記載され、FR-H4は、配列番号32に記載され、FR-L1は、配列番号33に記載され、FR-L2は、配列番号34に記載され、FR-L3は、配列番号35に記載され、及びFR-L4は、配列番36記載される。
HCDR1:GYTFTSYW(配列番号26)
HCDR2:MSPVDSDI(配列番号4)
HCDR3:ARRRPGQGYFDF(配列番号5)
LCDR1:QSVGTW(配列番号27)
LCDR2:AAS(配列番号28)
LCDR3:QQYNIYPYT(配列番号22)
FR-H1:EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCQSS(配列番号29)
FR-H2:IGWVRQMPGQGLEWIGI(配列番号30)
FR-H3:RYNPMFRGQVTMSVDKSSSTAYLQWSSLKASDTAMYYC(配列番号31)
FR-H4:WGQGTMVTVSS(配列番号32)
FR-L1:EIVLTQSPATLSASPGERATISCRAS(配列番号33)
FR-L2:VAWYQQKPGQAPRSLIY(配列番号34)
FR-L3:NLQSGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYC(配列番号35)
FR-L4:FGQGTRLEIK(配列番号36)
【0247】
H8L15の重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、配列番号37に記載される。
【化15】
【0248】
H8L15の軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、配列番号38に記載される。
【化16】
【0249】
H8L15の重鎖アミノ酸配列は、配列番号39に記載される。
【化17】
【0250】
H8L15の軽鎖アミノ酸配列は、配列番号40に記載される。
【化18】
【0251】
H5L9については、FR-H1、FR-H2、FR-H3及びFR-H4の配列は、H8L15の配列と同じであり、FR-L1の配列は、配列番号41に記載され、FR-L2の配列は、配列番号42に記載され、FR-L3の配列は、配列番号43に記載され、FR-L4の配列は、配列番号44に記載される。
FR-L1:DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKAS(配列番号41)
FR-L2:LAWYQQKPGKAPKSLIYS(配列番号42)
FR-L3:RQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYC(配列番号43)
FR-L4:FGQGTKLEIK(配列番号44)
【0252】
H5L10については、FR-H1、FR-H2、FR-H3及びFR-H4の配列は、H8L15の配列と同じであり、FR-L1の配列は、配列番号33に記載され、FR-L2の配列は、配列番号45に記載され、FR-L3の配列は、配列番号46に記載され、FR-L4の配列は、配列番号36に記載される。
FR-L1:EIVLTQSPATLSASPGERATISCRAS(配列番号33)
FR-L2:LAWYQQKPGQAPRSLIYA(配列番号45)
FR-L3:LQSGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYC(配列番号46)
FR-L4:FGQGTRLEIK(配列番号36)
【0253】
H5L11については、FR-H1、FR-H2、FR-H3及びFR-H4の配列は、H8L15の配列と同じであり、FR-L1の配列は、配列番号33に記載され、FR-L2の配列は、配列番号47に記載され、FR-L3の配列は、配列番号46に記載され、FR-L4の配列は、配列番号36に記載される。
FR-L1:EIVLTQSPATLSASPGERATISCRAS(配列番号33)
FR-L2:LAWYQQKPGQAPRSLIYS(配列番号47)
FR-L3:LQSGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYC(配列番号46)
FR-L4:FGQGTRLEIK(配列番号36)
【0254】
H5L12については、FR-H1、FR-H2、FR-H3及びFR-H4の配列は、H8L15の配列と同じであり、FR-L1の配列は、配列番号33に記載され、FR-L2の配列は、配列番号45に記載され、FR-L3の配列は、配列番号48に記載され、FR-L4の配列は、配列番号36に記載される。
FR-L1:EIVLTQSPATLSASPGERATISCRAS(配列番号33)
FR-L2:LAWYQQKPGQAPRSLIYA(配列番号45)
FR-L3:RQSGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYC(配列番号48)
FR-L4:FGQGTRLEIK(配列番号36)
【0255】
H5L14については、FR-H1、FR-H2、FR-H3及びFR-H4の配列は、H8L15の配列と同じであり、FR-L1の配列は、配列番号33に記載され、FR-L2の配列は、配列番号45に記載され、FR-L3の配列は、配列番号46に記載され、FR-L4の配列は、配列番号36に記載される。
FR-L1:EIVLTQSPATLSASPGERATISCRAS(配列番号33)
FR-L2:LAWYQQKPGQAPRSLIYA(配列番号45)
FR-L3:LQSGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYC(配列番号46)
FR-L4:FGQGTRLEIK(配列番号36)
【0256】
H5L9、H5L10、H5L11、H5L12及びH5L14の重鎖アミノ酸配列は、配列番号49に記載される。
【化19】
【0257】
H5L9の軽鎖アミノ酸配列は、配列番号50に記載される。
【化20】
【0258】
H5L10の軽鎖アミノ酸配列は、配列番号51に記載される。
【化21】
【0259】
H5L11の軽鎖アミノ酸配列は、配列番号52に記載される。
【化22】
【0260】
H5L12の軽鎖アミノ酸配列は、配列番号53に記載される。
【化23】
【0261】
H5L14の軽鎖アミノ酸配列は、配列番号54に記載される。
【化24】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【配列表】
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