(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-21
(45)【発行日】2025-03-04
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
H04N 25/78 20230101AFI20250225BHJP
H04N 25/772 20230101ALI20250225BHJP
H04N 25/77 20230101ALI20250225BHJP
H04N 25/79 20230101ALN20250225BHJP
【FI】
H04N25/78
H04N25/772
H04N25/77
H04N25/79
(21)【出願番号】P 2022509936
(86)(22)【出願日】2021-03-12
(86)【国際出願番号】 JP2021010226
(87)【国際公開番号】W WO2021193168
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2024-02-27
(31)【優先権主張番号】P 2020052229
(32)【優先日】2020-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楠田 絢一郎
【審査官】廣田 健介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/079597(WO,A1)
【文献】特開2007-019682(JP,A)
【文献】特開2006-350754(JP,A)
【文献】特開2017-046259(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 25/60-25/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが、受光量に応じた画素電圧を含む画素信号を生成し、前記画素信号と参照信号とを比較することによりAD変換を行う複数の画素回路と、
ランプ波形を有する電圧信号を生成する信号生成回路と、前記電圧信号に基づいて電圧フォロワ動作を行うことにより前記参照信号を生成し、前記参照信号を前記複数の画素回路に供給する電圧フォロワ回路とを有する参照信号生成部と
を備え
、
前記電圧フォロワ回路は、前記電圧信号が供給される正入力端子と、負入力端子と、前記負入力端子に接続され、前記参照信号を出力する出力端子と、前記出力端子に接続された出力回路とを有するアンプを有し、
前記出力回路は、
第1の電源ノードに接続されたソースと、前記出力端子に接続されたドレインと、ゲートとを有する第1導電型の第1のトランジスタと、
第2の電源ノードに接続されたソースと、前記出力端子に接続されたドレインと、ゲートとを有する第2導電型の第2のトランジスタと
を有し、
前記アンプは、
前記正入力端子および前記負入力端子に接続され、第1の電流および第2の電流を含む差動電流を生成する第1の差動トランジスタペアと、
前記第1の電源ノードと前記第2の電源ノードとを接続する第1の電流経路に設けられ、前記第1の電源ノードに接続されたソースと、ゲートと、ドレインとを有する前記第1導電型の第3のトランジスタと、
前記第1の電流経路に設けられ、前記第2の電源ノードに接続されたソースと、ゲートと、ドレインとを有する前記第2導電型の第4のトランジスタと、
前記第1の電流経路において、前記第3のトランジスタと前記第4のトランジスタとの間に設けられ、前記第1の電流経路上の第1のノードに接続されたソースと、前記第1の電流経路上の第2のノードに接続されたドレインと、第1のバイアス電圧が供給されたゲートとを有する前記第1導電型の第5のトランジスタと、
前記第1の電流経路において、前記第3のトランジスタと前記第4のトランジスタとの間に設けられ、前記第1のノードに接続されたドレインと、前記第2のノードに接続されたソースと、第2のバイアス電圧が供給されたゲートとを有する前記第2導電型の第6のトランジスタと
を有し、
前記アンプは、前記第1の電流および前記第2の電流に基づいて、前記第1の電流経路における前記第1のノードおよび前記第2のノードの間に流れる電流を制御し、
前記第1のトランジスタの前記ゲートは前記第1のノードに接続され、
前記第2のトランジスタの前記ゲートは前記第2のノードに接続された
撮像装置。
【請求項2】
前記第3のトランジスタは、前記第1の電流に応じた電流を流し、
前記第4のトランジスタは、前記第2の電流に応じた電流を流す
請求項
1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記アンプは、
ドレインと、前記ドレインに接続されたゲートと、前記第2の電源ノードに接続されたソースを有し、前記第1の電流が流れる前記第2導電型の第7のトランジスタと、
ドレインと、前記ドレインおよび前記第4のトランジスタの前記ゲートに接続されたゲートと、前記第2の電源ノードに接続されたソースを有し、前記第2の電流が流れる前記第2導電型の第8のトランジスタと、
前記第1の電源ノードと前記第2の電源ノードとを接続する第2の電流経路に設けられ、ドレインと、前記第7のトランジスタの前記ゲートおよび前記ドレインに接続されたゲートと、前記第2の電源ノードに接続されたソースとを有する前記第2導電型の第9のトランジスタと、
前記第2の電流経路に設けられ、ドレインと、前記ドレインおよび前記第3のトランジスタの前記ゲートに接続されたゲートと、前記第1の電源ノードに接続されたソースとを有する前記第1導電型の第10のトランジスタと
を有する
請求項
1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第3のトランジスタは、前記第1の電流に応じた電流を流し、
前記第4のトランジスタは、前記第2の電流を含む所定の電流値の電流を流す
請求項
1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記アンプは、
前記第1の電源ノードと前記第2の電源ノードとを接続する第2の電流経路に設けられ、ドレインと、ゲートと、前記第2の電源ノードに接続されたソースとを有し、前記第1の電流を含む所定の電流値の電流を流す、前記第2導電型の第11のトランジスタと、
前記第2の電流経路に設けられ、ドレインと、前記ドレインおよび前記第3のトランジスタの前記ゲートに接続されたゲートと、前記第1の電源ノードに接続されたソースとを有する、前記第1導電型の第12のトランジスタと
をさらに有し、
前記第1の差動トランジスタペアは、
ドレインを有し、前記第1の電流を生成する、前記第1導電型の第1の入力トランジスタと、
ドレインを有し、前記第2の電流を生成する、前記第1導電型の第2の入力トランジスタと
を有し、
前記第11のトランジスタの前記ドレインは、前記第1の入力トランジスタの前記ドレインに接続され、
前記第4のトランジスタの前記ドレインは、前記第2の入力トランジスタの前記ドレインに接続された
請求項
1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記アンプは、前記正入力端子および前記負入力端子に接続され、第3の電流および第4の電流を含む差動電流を生成する第2の差動トランジスタペアをさらに有し、
前記アンプは、前記第1の電流、前記第2の電流、前記第3の電流、および前記第4の電流に基づいて、前記第1のノードおよび前記第2のノードの間に流れる電流を制御する
請求項
1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記アンプは、
前記第1の電源ノードと前記第2の電源ノードとを接続する第2の電流経路に設けられ、前記第1の電源ノードに接続されたソースと、前記第2の電流経路上の第3のノードに接続されたゲートと、ドレインとを有する前記第1導電型の第13のトランジスタと、
前記第2の電流経路に設けられ、前記第2の電源ノードに接続されたソースと、前記第2の電流経路上の第4のノードに接続されたゲートと、ドレインとを有する前記第2導電型の第14のトランジスタと、
前記第2の電流経路において、前記第13のトランジスタと前記第14のトランジスタとの間に設けられ、前記第3のノードに接続されたソースと、前記第4のノードに接続されたドレインと、前記第1のバイアス電圧が供給されたゲートとを有する前記第1導電型の第15のトランジスタと、
前記第2の電流経路において、前記第13のトランジスタと前記第14のトランジスタとの間に設けられ、前記第3のノードに接続されたドレインと、前記第4のノードに接続されたソースと、前記第2のバイアス電圧が供給されたゲートとを有する前記第2導電型の第16のトランジスタと
をさらに有し、
前記第1の差動トランジスタペアは、
ドレインを有し、前記第1の電流を生成する、前記第1導電型の第1の入力トランジスタと、
ドレインを有し、前記第2の電流を生成する、前記第1導電型の第2の入力トランジスタと
を有し、
前記第2の差動トランジスタペアは、
ドレインを有し、前記第3の電流を生成する、前記第2導電型の第3の入力トランジスタと、
ドレインを有し、前記第4の電流を生成する、前記第2導電型の第4の入力トランジスタと
を有し、
前記第3のトランジスタの前記ドレインは、前記第3の入力トランジスタの前記ドレインに接続され、
前記第4のトランジスタの前記ドレインは、前記第2の入力トランジスタの前記ドレインに接続され、
前記第13のトランジスタの前記ドレインは、前記第4の入力トランジスタの前記ドレインに接続され、
前記第14のトランジスタの前記ドレインは、前記第1の入力トランジスタの前記ドレインに接続された
請求項
6に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、被写体を撮像する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、撮像装置では、フォトダイオードを含む画素がマトリクス状に配置され、各画素が、受光量に応じた画素電圧を生成する。そして、例えばAD変換回路(Analog to Digital Converter)が、画素電圧(アナログ信号)をデジタル信号に変換する。例えば、特許文献1には、画素電圧を含む信号と、ランプ波形を有する参照信号とを比較することによりAD変換を行う撮像装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
ところで、撮像装置では、撮像画像の画質が高いことが望まれており、さらなる画質の向上が期待されている。
【0005】
撮像画像の画質を高めることができる撮像装置を提供することが望ましい。
【0006】
本開示の一実施の形態における撮像装置は、複数の画素回路と、参照信号生成部とを備えている。複数の画素回路は、それぞれが、受光量に応じた画素電圧を含む画素信号を生成し、画素信号と参照信号とを比較することによりAD変換を行うように構成される。参照信号生成部は、ランプ波形を有する電圧信号を生成する信号生成回路と、電圧信号に基づいて電圧フォロワ動作を行うことにより参照信号を生成し、参照信号を複数の画素回路に供給する電圧フォロワ回路とを有するものである。電圧フォロワ回路は、電圧信号が供給される正入力端子と、負入力端子と、負入力端子に接続され、参照信号を出力する出力端子と、出力端子に接続された出力回路とを有するアンプを有する。出力回路は、第1の電源ノードに接続されたソースと、出力端子に接続されたドレインと、ゲートとを有する第1導電型の第1のトランジスタと、第2の電源ノードに接続されたソースと、出力端子に接続されたドレインと、ゲートとを有する第2導電型の第2のトランジスタとを有する。アンプは、正入力端子および負入力端子に接続され、第1の電流および第2の電流を含む差動電流を生成する第1の差動トランジスタペアと、第1の電源ノードと第2の電源ノードとを接続する第1の電流経路に設けられ、第1の電源ノードに接続されたソースと、ゲートと、ドレインとを有する第1導電型の第3のトランジスタと、第1の電流経路に設けられ、第2の電源ノードに接続されたソースと、ゲートと、ドレインとを有する第2導電型の第4のトランジスタと、第1の電流経路において、第3のトランジスタと第4のトランジスタとの間に設けられ、第1の電流経路上の第1のノードに接続されたソースと、第1の電流経路上の第2のノードに接続されたドレインと、第1のバイアス電圧が供給されたゲートとを有する第1導電型の第5のトランジスタと、第1の電流経路において、第3のトランジスタと第4のトランジスタとの間に設けられ、第1のノードに接続されたドレインと、第2のノードに接続されたソースと、第2のバイアス電圧が供給されたゲートとを有する第2導電型の第6のトランジスタとを有する。アンプは、第1の電流および第2の電流に基づいて、第1の電流経路における第1のノードおよび第2のノードの間に流れる電流を制御する。第1のトランジスタのゲートは第1のノードに接続される。第2のトランジスタのゲートは第2のノードに接続される。
【0007】
本開示の一実施の形態における撮像装置では、複数の画素回路のそれぞれにおいて、ランプ波形を有する電圧信号が生成され、この電圧信号に基づいて電圧フォロワ動作を行うことにより参照信号が生成される。そして、複数の画素回路のそれぞれにおいて、受光量に応じた画素電圧を含む画素信号が生成され、画素信号と参照信号とを比較することによりAD変換が行われる。生成された参照信号は、これらの複数の画素回路に供給される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施の形態に係る撮像装置の一構成例を表すブロック図である。
【
図2】
図1に示した撮像装置の一実装例を表す模式図である。
【
図3】
図1に示した画素に含まれる画素回路の一構成例を表す回路図である。
【
図4】
図1に示した参照信号生成部の一構成例を表す回路図である。
【
図5】
図4に示したアンプの一構成例を表すブロック図である。
【
図6】
図4に示したアンプの一構成例を表す回路図である。
【
図7】
図1に示した撮像装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【
図8】
図6に示したアンプの一動作例を表す説明図である。
【
図9】
図4に示した電圧フォロワ回路の一特性例を表す説明図である。
【
図10】比較例に係る参照信号生成部の一構成例を表す回路図である。
【
図11】変形例に係るアンプの一構成例を表す回路図である。
【
図12】他の変形例に係るアンプの一構成例を表す回路図である。
【
図13】他の変形例に係るアンプの一構成例を表す回路図である。
【
図15】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図16】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.撮像装置の使用例
3.移動体への応用例
【0010】
<実施の形態>
[構成例]
図1は、一実施の形態に係る撮像装置(撮像装置1)の一構成例を表すものである。撮像装置1は、画素アレイ11と、参照信号生成部12と、画素駆動部13と、垂直駆動部14と、信号処理部15と、タイミング生成部16とを備えている。
【0011】
画素アレイ11は、マトリクス状に配置された複数の画素Pを有している。画素Pは、フォトダイオードPDを有し、受光量に応じた画素電圧Vpixを含む画素信号SIGを生成し、この画素信号SIGに基づいてAD変換を行うように構成される。画素Pは、2枚の半導体基板にわたって配置される。
【0012】
図2は、撮像装置1の一実装例を表すものである。撮像装置1は、この例では、2枚の半導体基板101,102に形成される。半導体基板101は、撮像装置1における撮像面側に配置され、半導体基板102は、撮像装置1の撮像面側とは反対側に配置される。半導体基板101,102は互いに重ね合わされる。半導体基板101の配線と、半導体基板102の配線とは、配線103により接続される。配線103は、例えばCu-Cuなどの金属結合などを用いることができる。画素Pは、これらの2枚の半導体基板101,102にわたって配置される。
【0013】
図3は、画素Pの一構成例を表すものである。画素Pは、画素回路20を有している。画素回路20は、受光回路21と、比較回路22と、ラッチ23とを有している。
【0014】
受光回路21は、受光量に応じた画素電圧Vpixを生成するように構成される。受光回路21は、半導体基板101に配置される。受光回路21は、フォトダイオードPDと、排出トランジスタMN1と、転送トランジスタMN2と、フローティングディフュージョンFDと、リセットトランジスタMN3とを有している。排出トランジスタMN1、転送トランジスタMN2、およびリセットトランジスタMN3は、N型のMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである。
【0015】
フォトダイオードPDは、受光量に応じた量の電荷を生成して内部に蓄積する光電変換素子である。フォトダイオードPDのアノードは接地され、カソードは排出トランジスタMN1のソースおよび転送トランジスタMN2のソースに接続される。
【0016】
排出トランジスタMN1のゲートには画素駆動部13(
図1)から供給された制御信号OFGが供給され、ドレインには電圧VOFGが供給され、ソースはフォトダイオードPDのカソードおよび転送トランジスタMN2のソースに接続される。
【0017】
転送トランジスタMN2のゲートには画素駆動部13(
図1)から供給された制御信号TXが供給され、ソースはフォトダイオードPDのカソードおよび排出トランジスタMN1のソースに接続され、ドレインはフローティングディフュージョンFD、リセットトランジスタMN3のソース、および比較回路22におけるトランジスタMN4(後述)のゲートに接続される。
【0018】
フローティングディフュージョンFDは、フォトダイオードPDから転送された電荷を蓄積するように構成される。フローティングディフュージョンFDは、例えば、半導体基板101の表面に形成された拡散層を用いて構成される。
図3では、フローティングディフュージョンFDを、容量素子のシンボルを用いて示している。
【0019】
リセットトランジスタMN3のゲートには制御信号RSTが供給され、ドレインは比較回路22のトランジスタMN4(後述)のドレインに接続され、ソースはフローティングディフュージョンFD、転送トランジスタMN2のドレイン、および比較回路22のトランジスタMN4(後述)のゲートに接続される。
【0020】
この構成により、受光回路21では、制御信号OFGに基づいて、排出トランジスタMN1がオン状態になることにより、フォトダイオードPDに蓄積された電荷が排出される。そして、排出トランジスタMN1がオフ状態になることにより、露光期間が開始され、フォトダイオードPDに、受光量に応じた量の電荷が蓄積される。そして、露光期間が終了した後に、受光回路21は、リセット電圧Vresetおよび画素電圧Vpixを含む画素信号SIGを比較回路22に対して供給する。具体的には、受光回路21は、後述するように、フローティングディフュージョンFDの電圧がリセットされた後のP相(Pre-charge相)期間TPにおいて、その時のフローティングディフュージョンFDの電圧をリセット電圧Vresetとして比較回路22に供給する。また、受光回路21は、フォトダイオードPDからフローティングディフュージョンFDへ電荷が転送された後のD相(Data相)期間TDにおいて、その時のフローティングディフュージョンFDの電圧を画素電圧Vpixとして比較回路22に供給するようになっている。
【0021】
比較回路22は、参照信号REFと画素信号SIGとを比較することにより信号CMPを生成するように構成される。比較回路22は、参照信号REFの電圧が画素信号SIGの電圧よりも高い場合に信号CMPを高レベルにし、参照信号REFの電圧が画素信号SIGの電圧よりも低い場合に信号CMPを低レベルにするようになっている。比較回路22は、トランジスタMN4~MN6と、トランジスタMP1,MP2とを有している。トランジスタMN4~MN6はN型のMOSトランジスタであり、トランジスタMP1,MP2はP型のMOSトランジスタである。比較回路22は、2枚の半導体基板101,102にわたって配置される。具体的には、トランジスタMN4~MN6は半導体基板101に配置され、トランジスタMP1,MP2は半導体基板102に配置される。
【0022】
トランジスタMN4のゲートには画素信号SIGが供給され、ドレインは受光回路21におけるリセットトランジスタMN3のドレインに接続されるとともに、半導体基板101,102間の配線103を介してトランジスタMP1のドレインおよびアンプAMPの入力端子に接続され、ソースはトランジスタMN5のソースおよびトランジスタMN6のドレインに接続される。トランジスタMN5のゲートには、半導体基板101,102間の配線103を介して参照信号生成部12から参照信号REFが供給され、ドレインは半導体基板101,102間の配線103を介してトランジスタMP2のドレインおよびトランジスタMP1,MP2のゲートに接続され、ソースはトランジスタMN4のソースおよびトランジスタMN6のドレインに接続される。参照信号REFは、詳しくは後述するが、P相期間TPおよびD相期間TDにおいて時間の経過に応じて電圧レベルが徐々に変化する、いわゆるランプ波形を有する信号である。トランジスタMN6のゲートにはバイアス電圧Vbが供給され、ドレインはトランジスタMN4,MN5のソースに接続され、ソースは接地される。トランジスタMN4,MN5は差動対を構成し、トランジスタMN6は定電流源を構成する。
【0023】
トランジスタMP1のゲートはトランジスタMP2のゲートおよびドレインに接続されるとともに半導体基板101,102間の配線103を介してトランジスタMN5のドレインに接続され、ソースには電源電圧VDDが供給され、ドレインはアンプAMPの入力端子に接続されるとともに半導体基板101,102間の配線103を介してトランジスタMN4のドレインおよび受光回路21におけるリセットトランジスタMN3のドレインに接続される。トランジスタMP2のゲートはトランジスタMP1のゲートおよびトランジスタMP2のドレインに接続されるとともに半導体基板101,102間の配線103を介してトランジスタMN5のドレインに接続され、ソースには電源電圧VDDが供給され、ドレインはトランジスタMP1,MP2のゲートに接続されるとともに半導体基板101,102間の配線103を介してトランジスタMN5のドレインに接続される。トランジスタMP1,MP2は、トランジスタMN4,MN5の能動負荷を構成する。
【0024】
アンプAMPの入力端子はトランジスタMP1のドレインに接続されるとともに半導体基板101,102間の配線103を介してリセットトランジスタMN3のドレインおよび受光回路21におけるリセットトランジスタMN3のドレインに接続され、出力端子はラッチ23に接続される。比較回路22は、アンプAMPの出力端子から信号CMPを出力するようになっている。
【0025】
ラッチ23は、比較回路22から供給された信号CMP基づいて、画素駆動部13(
図1)から供給された、時間の経過に応じて変化する時刻コードCODEをラッチするように構成される。時刻コードCODEは、例えば、グレイコードを用いることができる。ラッチ23は、後述するように、P相期間TPにおいて、信号CMPの遷移タイミングで時刻コードCODEをラッチすることにより、P相期間TPが開始してから信号CMPが遷移するまでの時間(コード値CODE1)を取得する。また、ラッチ23は、D相期間TDにおいて、信号CMPの遷移タイミングで時刻コードCODEをラッチすることにより、D相期間TDが開始してから信号CMPが遷移するまでの時間(コード値CODE2)を取得する。これらの2つのコード値の差(CODE2-CODE1)は、受光量に応じた画素値に対応する。そして、ラッチ23は、垂直駆動部14から供給された制御信号に基づいて、2つのコード値CODE1,CODE2を信号処理部15に供給するようになっている。
【0026】
このようにして、画素回路20は、受光量に応じた画素電圧Vpixを含む画素信号SIGを生成し、この画素信号SIGに基づいてAD変換を行うことによりコード値CODE1,CODE2を生成するようになっている。
【0027】
参照信号生成部12は、参照信号REFを生成するように構成される。参照信号REFは、P相期間TPおよびD相期間TDにおいて、時間の経過に応じて電圧レベルが徐々に変化する、いわゆるランプ波形を有する。そして、参照信号生成部12は、生成した参照信号REFを、画素アレイ11(
図1)における複数の画素回路20に供給するようになっている。参照信号生成部12は、
図3に示したように、半導体基板102に配置される。
【0028】
画素駆動部13(
図1)は、画素アレイ11における複数の画素回路20の動作を制御するように構成される。具体的には、画素駆動部13は、制御信号OFG,TX,RSTを生成し、これらの制御信号OFG,TX,RSTを受光回路21に供給するとともに、時刻コードCODEを生成し、この時刻コードCODEをラッチ23に供給することにより、画素回路20の動作を制御するようになっている。画素駆動部13は、例えば半導体基板102に配置される。
【0029】
垂直駆動部14は、画素アレイ11における複数の画素回路20のそれぞれが生成したコード値CODE1,CODE2を、所定の順番で信号処理部15に供給するように構成される。垂直駆動部14は、例えば半導体基板102に配置される。
【0030】
信号処理部15は、複数の画素回路20のそれぞれが生成したコード値CODE1,CODE2に基づいて所定の画像処理を行うことにより画像信号Spicを生成するように構成される。所定の画像処理は、例えば、画素回路20が生成した2つのコード値CODE1,CODE2に基づいて相関2重サンプリング(CDS;Correlated Double Sampling)の原理を利用して画素値を生成する処理や、黒レベルを補正する黒レベル補正処理を含む。信号処理部15は、例えば半導体基板102に配置される。
【0031】
タイミング生成部16は、各種タイミング信号を生成し、生成した各種タイミング信号を、参照信号生成部12、画素駆動部13、垂直駆動部14、および信号処理部15に供給することにより、撮像装置1の動作を制御するように構成される。タイミング生成部16は、例えば半導体基板102に配置される。
【0032】
(参照信号生成部12)
図4は、参照信号生成部12の一構成例を表すものである。なお、
図4には、参照信号生成部12が生成した参照信号REFが供給される複数の画素回路20をも図示している。参照信号生成部12は、信号生成回路31と、電圧フォロワ回路34とを有している。
【0033】
信号生成回路31は、参照信号REFと同様のランプ波形を有する信号REF0を生成するように構成される。信号生成回路31は、電流源32と、抵抗素子33とを有している。電流源32は、流す電流を変更可能な可変電流源であり、一端には電源電圧VDDが供給され、他端は抵抗素子33の一端および電圧フォロワ回路34の入力端子に接続される。抵抗素子33の一端は電流源32の他端および電圧フォロワ回路34の入力端子に接続され、他端は接地されている。この構成により、信号生成回路31は、電流源32が流す電流の電流値を切り替えることにより、ランプ波形を有する信号REF0を生成するようになっている。
【0034】
電圧フォロワ回路34は、信号REF0に基づいて電圧フォロワ動作を行うことにより参照信号REFを生成するように構成される。電圧フォロワ回路34は、アンプ35を有している。アンプ35は、正入力端子InPと、負入力端子InNと、出力端子OUTとを有している。アンプ35の正入力端子InPには信号REF0が供給され、負入力端子InNはアンプ35の出力端子OUTと接続される。アンプ35は、出力端子OUTから参照信号REFを出力する。電圧フォロワ回路34は、アンプ35が出力端子OUTから出力した参照信号REFをアンプ35の負入力端子InNに供給する。電圧フォロワ回路34は、このように負帰還動作を行うことにより、電圧フォロワ動作を行うようになっている。
【0035】
このようにして、参照信号生成部12では、信号生成回路31が、ランプ波形を有する信号REF0を生成し、電圧フォロワ回路34が、この信号REF0に基づいて電圧フォロワ動作を行うことにより参照信号REFを生成する。そして、参照信号生成部12は、生成した参照信号REFを、画素アレイ11(
図1)における複数の画素回路20に供給するようになっている。
【0036】
図5は、アンプ35の一構成例を表すものである。アンプ35は、差動入力回路91と、バイアス回路92と、出力回路93とを有している。差動入力回路91は、正入力端子InPの電圧および負入力端子InNの電圧の電圧差に応じた差動信号を出力するように構成される。バイアス回路92は、差動入力回路91から供給された差動信号に基づいて、出力回路93の動作点を設定するように構成される。このバイアス回路92は、トランスリニア原理を利用した回路である。出力回路93は、レイルトゥーレイル動作が可能な出力回路である。このようなアンプ35は、例えば、クロス結合型フィードフォワードAB級アンプとも呼ばれる。
【0037】
図6は、アンプ35の具体的な回路構成の一例を表すものである。アンプ35は、定電流源ISと、トランジスタMP11~MP22,MN31~MN40と、抵抗素子R1,R2と、容量素子C1,C2とを有している。トランジスタMP11~MP22はP型のMOSトランジスタであり、トランジスタMN31~MN40は、N型のMOSトランジスタである。
【0038】
定電流源ISの一端はトランジスタMP11のゲートおよびドレインに接続されるとともにトランジスタMP12,MP13,MP19のゲートに接続され、他端は接地ノードNVSSに接続される。トランジスタMP11のゲートはトランジスタMP11のドレインおよび定電流源ISの一端に接続されるとともにトランジスタMP12,MP13,MP19のゲートに接続され、ソースは電源ノードNVDDに接続され、ドレインはトランジスタMP11のゲートおよび定電流源ISの一端に接続されるとともにトランジスタMP12,MP13,MP19のゲートに接続される。トランジスタMP11,MP12,MP13,MP19は、カレントミラー回路を構成する。
【0039】
トランジスタMP12のゲートはトランジスタMP11のゲートおよびドレインに接続されるとともに定電流源ISの一端およびトランジスタMP13,MP19のゲートに接続され、ソースは電源ノードNVDDに接続され、ドレインはトランジスタMN31のゲートおよびドレインに接続されるとともにトランジスタMN39のゲートに接続される。トランジスタMN31のゲートはトランジスタMN31,MP12のドレインに接続されるとともにトランジスタMN39のゲートに接続され、ドレインはトランジスタMN31のゲートおよびトランジスタMP12のドレインに接続されるとともにトランジスタMN39のゲートに接続され、ソースは接地ノードNVSSに接続される。トランジスタMN31,MN39は、カレントミラー回路を構成する。
【0040】
トランジスタMP13のゲートはトランジスタMP11のゲートおよびドレインに接続されるとともに定電流源ISの一端およびトランジスタMP12,MP19のゲートに接続され、ソースは電源ノードNVDDに接続され、ドレインはトランジスタMP14,MP15のソースに接続される。トランジスタMP14のゲートはアンプ35の負入力端子InNに接続され、ソースはトランジスタMP15のソースに接続されるとともにトランジスタMP13のドレインに接続され、ドレインはトランジスタMN32のゲートおよびドレインに接続されるとともにトランジスタMN35のゲートに接続される。トランジスタMP15のゲートはアンプ35の正入力端子InPに接続され、ソースはトランジスタMP14のソースに接続されるとともにトランジスタMP13のドレインに接続され、ドレインはトランジスタMN33のゲートおよびドレインに接続されるとともにトランジスタMN34のゲートに接続される。トランジスタMN32のゲートはトランジスタMN32,MP14のドレインに接続されるとともにトランジスタMN35のゲートに接続され、ドレインはトランジスタMN32のゲートおよびトランジスタMP14のドレインに接続されるとともにトランジスタMN35のゲートに接続され、ソースは接地ノードNVSSに接続される。トランジスタMN33のゲートはトランジスタMN33,MP15のドレインに接続されるとともにトランジスタMN34のゲートに接続され、ドレインはトランジスタMN33のゲートおよびトランジスタMP15のドレインに接続されるとともにトランジスタMN34のゲートに接続され、ソースは接地ノードNVSSに接続される。トランジスタMP14,MP15は差動対を構成し、トランジスタMN32,MN35はカレントミラー回路を構成し、トランジスタMN33,MN34はカレントミラー回路を構成する。
【0041】
トランジスタMP13~MP15,MN32,MN33は、
図5に示した差動入力回路91に対応する。
【0042】
トランジスタMN34のゲートはトランジスタMN33のゲートおよびドレインに接続されるとともにトランジスタMP15のドレインに接続され、ドレインはトランジスタMP16のゲートおよびドレインに接続されるとともにトランジスタMP17のゲートに接続され、ソースは接地ノードNVSSに接続される。トランジスタMP16のゲートはトランジスタMP16,MN34のドレインに接続されるとともにトランジスタMP17のゲートに接続され、ソースは電源ノードNVDDに接続され、ドレインはトランジスタMP16のゲートおよびトランジスタMN34のドレインに接続されるとともにトランジスタMP17のゲートに接続される。トランジスタMP16,MP17はカレントミラー回路を構成する。
【0043】
トランジスタMP17のゲートはトランジスタMP16のゲートおよびドレインに接続されるとともにトランジスタMN34のドレインに接続され、ソースは電源ノードNVDDに接続され、ドレインはノードN1に接続される。トランジスタMP18のゲートはトランジスタMP21のゲートおよびドレインに接続されるとともにトランジスタMN39のドレインに接続され、ソースはノードN1に接続され、ドレインはノードN2に接続される。トランジスタMN36のゲートはトランジスタMN38のゲートおよびドレインに接続されるとともにトランジスタMP19のドレインに接続され、ドレインはノードN1に接続され、ソースはノードN2に接続される。トランジスタMN35のゲートはトランジスタMN32のゲートおよびドレインに接続されるとともにトランジスタMP14のドレインに接続され、ドレインはノードN2に接続され、ソースは接地ノードNVSSに接続される。
【0044】
トランジスタMP19のゲートはトランジスタMP11のゲートおよびドレインに接続されるとともに定電流源ISの一端およびトランジスタMP12,MP13のゲートに接続され、ソースは電源ノードNVDDに接続され、ドレインはトランジスタMN38のゲートおよびドレインに接続されるとともにトランジスタMN36のゲートに接続される。トランジスタMN38ゲートはトランジスタMN38のドレインおよびトランジスタMP19のドレインに接続されるとともにトランジスタMN36のゲートに接続され、ドレインはトランジスタMN38のゲートおよびトランジスタMP19のドレインに接続されるとともにトランジスタMN36のゲートに接続され、ソースはトランジスタMN37のゲートおよびドレインに接続される。トランジスタMN37のゲートはトランジスタMN37のドレインおよびトランジスタMN38のソースに接続され、ドレインはトランジスタMN37のゲートおよびトランジスタMN38のソースに接続され、ソースは接地ノードNVSSに接続される。トランジスタMP19,MN38,MN37は、トランジスタMN36のゲートに供給されるバイアス電圧を生成するバイアス回路を構成する。
【0045】
トランジスタMP20のゲートはトランジスタMP20のドレインおよびトランジスタMP21のソースに接続され、ソースは電源ノードNVDDに接続され、ドレインはトランジスタMP20のゲートおよびトランジスタMP21のソースに接続される。トランジスタMP21のゲートはトランジスタMP21,MN39のドレインに接続されるとともにトランジスタMP18のゲートに接続され、ソースはトランジスタMP20のゲートおよびドレインに接続され、ドレインはトランジスタMP21のゲートおよびトランジスタMN39のドレインに接続されるとともにトランジスタMP18のゲートに接続される。トランジスタMN39のゲートはトランジスタMN31のゲートおよびドレインに接続されるとともにトランジスタMP12のドレインに接続され、ドレインはトランジスタMP21のゲートおよびドレインに接続されるとともにトランジスタMP18のゲートに接続され、ソースは接地ノードNVSSに接続される。トランジスタMP20,MP21,MN39は、トランジスタMP18のゲートに供給されるバイアス電圧を生成するバイアス回路を構成する。
【0046】
トランジスタMP16~MP21,MN34~MN39は、
図5に示したバイアス回路92に対応する。
【0047】
トランジスタMP22のゲートは、ノードN1に接続され、ソースは電源ノードNVDDに接続され、ドレインはアンプ35の出力端子OUTに接続される。トランジスタMN40のゲートはノードN2に接続され、ドレインはアンプ35の出力端子OUTに接続され、ソースは接地ノードNVSSに接続される。容量素子C1の一端はノードN1に接続され、他端は抵抗素子R1の一端に接続される。抵抗素子R1の一端は容量素子C1の他端に接続され、他端は出力端子OUTに接続される。容量素子C2の一端はノードN2に接続され、他端は抵抗素子R2の一端に接続される。抵抗素子R2の一端は容量素子C2の他端に接続され、他端は出力端子OUTに接続される。容量素子C1,C2および抵抗素子R1,R2は、位相補償回路を構成する。
【0048】
トランジスタMP22,MN40、容量素子C1,C2、および抵抗素子R1,R2は、
図5に示した出力回路93に対応する。
【0049】
この構成により、撮像装置1では、後述するように、参照信号REFを、画素アレイ11における複数の画素Pの画素回路20に対して安定して供給することができるようになっている。
【0050】
ここで、画素回路20は、本開示における「画素回路」の一具体例に対応する。参照信号生成部12は、本開示における「参照信号生成部」の一具体例に対応する。信号生成回路31は、本開示における「信号生成回路」の一具体例に対応する。電圧フォロワ回路34は、本開示における「電圧フォロワ回路」の一具体例に対応する。画素信号SIGは、本開示における「画素信号」の一具体例に対応する。参照信号REFは、本開示における「参照信号」の一具体例に対応する。アンプ35は、本開示における「アンプ」の一具体例に対応する。出力回路93は、本開示における「出力回路」の一具体例に対応する。
【0051】
電源ノードNVDDは、本開示における「第1の電源ノード」の一具体例に対応する。接地ノードNVSSは、本開示における「第2の電源ノード」の一具体例に対応する。トランジスタMP22は、本開示における「第1のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMN40は、本開示における「第2のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMP14,MP15のペアは、本開示における「第1の差動トランジスタペア」の一具体例に対応する。トランジスタMP17は、本開示における「第3のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMN35は、本開示における「第4のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMP18は、本開示における「第5のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMN36は、本開示における「第6のトランジスタ」の一具体例に対応する。ノードN1は、本開示における「第1のノード」の一具体例に対応する。ノードN2は、本開示における「第2のノード」の一具体例に対応する。トランジスタMN33は、本開示における「第7のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMN32は、本開示における「第8のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMN34は、本開示における「第9のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMP16は、本開示における「第10のトランジスタ」の一具体例に対応する。
【0052】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の撮像装置1の動作および作用について説明する。
【0053】
(全体動作概要)
まず、
図1,3を参照して、撮像装置1の全体動作概要を説明する。参照信号生成部12は、参照信号REFを生成する。画素アレイ11における複数の画素回路20のそれぞれは、受光量に応じた画素電圧Vpixを含む画素信号SIGを生成し、この画素信号SIGに基づいてAD変換を行うことによりコード値CODE1,CODE2を生成する。画素駆動部13は、画素アレイ11における複数の画素回路20の動作を制御する。垂直駆動部14は、画素アレイ11における複数の画素回路20のそれぞれが生成したコード値CODE1,CODE2を、所定の順番で信号処理部15に供給する。信号処理部15は、複数の画素回路20のそれぞれが生成したコード値CODE1,CODE2に基づいて所定の画像処理を行うことにより画像信号Spicを生成する。タイミング生成部16は、各種タイミング信号を生成し、生成した各種タイミング信号を、参照信号生成部12、画素駆動部13、垂直駆動部14、および信号処理部15に供給することにより、撮像装置1の動作を制御する。
【0054】
(詳細動作)
画素アレイ11における複数の画素回路20(
図3)のそれぞれでは、制御信号OFGに基づいて、排出トランジスタMN1がオン状態になることにより、フォトダイオードPDに蓄積された電荷が排出される。そして、排出トランジスタMN1がオフ状態になることにより、露光期間が開始され、フォトダイオードPDに、受光量に応じた量の電荷が蓄積される。そして、露光期間が終了した後に、画素回路20は、リセット電圧Vresetおよび画素電圧Vpixを含む画素信号SIGに基づいてAD変換を行う。以下に、このAD変換について詳細に説明する。
【0055】
図7は、ある着目した画素回路20におけるAD変換の一動作例を表すものであり、(A)は制御信号RSTの波形を示し、(B)は制御信号TXの波形を示し、(C)は参照信号REFの波形を示し、(D)は画素信号SIGの波形を示し、(E)は信号CMPの波形を示す。
【0056】
まず、タイミングt11において、参照信号生成部12は、参照信号REFの電圧をリセット電圧Vresetに変化させる(
図7(C))。また、このタイミングt11において、画素駆動部13は、制御信号RSTを低レベルから高レベルに変化させる(
図7(A))。これにより、画素回路20では、リセットトランジスタMN3がオン状態になり、フローティングディフュージョンFDがリセットされ、画素信号SIGの電圧がリセット電圧Vresetになる(
図7(D))。そして、タイミングt11から所定の時間が経過した後に、画素駆動部13は、制御信号RSTを高レベルから低レベルに変化させる(
図7(A))。これにより、リセットトランジスタMN3はオフ状態になる。
【0057】
次に、タイミングt12において、参照信号生成部12は、参照信号REFの電圧をリセット電圧Vresetから電圧V1に変化させる(
図7(C))。これにより、参照信号REFの電圧は画素信号SIGの電圧より高くなるので、比較回路22は、信号CMPを高レベルにする(
図7(E))。
【0058】
次に、タイミングt13~t15の期間(P相期間TP)において、画素回路20は、この画素信号SIGの電圧(リセット電圧Vreset)に基づいてAD変換を行う。具体的には、タイミングt13において、参照信号生成部12は、参照信号REFの電圧を、電圧V1から所定の変化度合いで低下させ始める(
図7(C))。また、画素駆動部13は、このタイミングt13において、時刻コードCODEのインクリメント動作を開始する。
【0059】
そして、タイミングt14において、参照信号REFの電圧が画素信号SIGの電圧(リセット電圧Vreset)を下回る(
図7(C),(D))。これに応じて、比較回路22は、信号CMPを高レベルから低レベルに変化させる(
図7(E))。ラッチ23は、この信号CMPの遷移に基づいて、時刻コードCODEをラッチする。このタイミングt14においてラッチ23においてラッチされた時刻コードCODEのコード値はCODE1である。このコード値CODE1は、タイミングt13~t14の時間の長さに対応するコード値であるとともに、リセット電圧Vresetに対応するコード値である。
【0060】
そして、タイミングt15において、P相期間TPの終了に伴い、参照信号生成部12は、参照信号REFの電圧を電圧V2に変化させる((
図7(C)))。そして、このタイミングt15~t16の期間において、垂直駆動部14は、この画素回路20が生成したコード値CODE1を信号処理部15に供給する。
【0061】
次に、タイミングt16において、参照信号生成部12は、参照信号REFの電圧を電圧V2から電圧V1に変化させる(
図7(C))。これにより、参照信号REFの電圧は画素信号SIGの電圧より高くなるので、比較回路22は、信号CMPを低レベルから高レベルに変化させる(
図7(E))。
【0062】
次に、タイミングt17において、画素駆動部13は、制御信号TXを低レベルから高レベルに変化させる(
図7(B))。これにより、画素回路20では、転送トランジスタMN2がオン状態になり、フォトダイオードPDで発生した電荷がフローティングディフュージョンFDに転送され、画素信号SIGの電圧が画素電圧Vpixになる(
図7(D))。そして、タイミングt17から所定の時間が経過した後に、画素駆動部13は、制御信号TXを高レベルから低レベルに変化させる(
図7(B))。これにより、転送トランジスタMN2はオフ状態になる。
【0063】
次に、タイミングt18~t20の期間(D相期間TD)において、画素回路20は、この画素信号SIGの電圧(画素電圧Vpix)に基づいてAD変換を行う。具体的には、タイミングt18において、参照信号生成部12は、参照信号REFの電圧を、電圧V1から所定の変化度合いで低下させ始める(
図7(C))。また、画素駆動部13は、このタイミングt18において、時刻コードCODEのインクリメント動作を開始する。
【0064】
そして、タイミングt19において、参照信号REFの電圧が画素信号SIGの電圧(画素電圧Vpix)を下回る(
図7(C),(D))。これに応じて、比較回路22は、信号CMPを高レベルから低レベルに変化させる(
図7(E))。ラッチ23は、この信号CMPの遷移に基づいて、時刻コードCODEをラッチする。このタイミングt19においてラッチ23においてラッチされた時刻コードCODEのコード値はCODE2である。このコード値CODE2は、タイミングt18~t19の時間の長さに対応するコード値であるとともに、画素電圧Vpixに対応するコード値である。
【0065】
そして、タイミングt20において、D相期間TDの終了に伴い、参照信号生成部12は、参照信号REFの電圧を電圧V2に変化させる((
図7(C)))。そして、このタイミングt20~t21の期間において、垂直駆動部14は、この画素回路20が生成したコード値CODE2を信号処理部15に供給する。
【0066】
信号処理部15は、複数の画素回路20のそれぞれが生成したコード値CODE1,CODE2に基づいて所定の画像処理を行う。例えば、信号処理部15は、2つのコード値CODE1,CODE2に基づいて相関2重サンプリングの原理を利用して画素値を生成する。また、信号処理部15は、黒レベルを補正する黒レベル補正処理などを行う。このようにして、信号処理部15は画像信号Spicを生成する。
【0067】
(電圧フォロワ回路34について)
次に、電圧フォロワ回路34の動作について説明する。電圧フォロワ回路34は、負帰還動作を行うことにより、信号生成回路31から供給された信号REF0に応じた参照信号REFを生成し、生成した参照信号REFを、画素アレイ11における複数の画素回路20に供給する。
【0068】
まず、アンプ35におけるバイアス回路92の動作について説明する。
【0069】
図8は、アンプ35の一動作例を表すものである。アンプ35では、例えば、トランジスタMN36,MN38,MN37,MN40が1つのループを構成している。このループでは、トランスリニア原理により、以下の式が成り立つ。
Vgs(MN36)+Vgs(MN40)=Vgs(MN38)+Vgs(MN37)
…(EQ1)
ここで、Vgs(MN36)はトランジスタMN36のゲート・ソース間電圧であり、Vgs(MN40)はトランジスタMN40のゲート・ソース間電圧であり、Vgs(MN38)はトランジスタMN38のゲート・ソース間電圧であり、Vgs(MN37)はトランジスタMN37のゲート・ソース間電圧である。仮に、これらの4つのトランジスタMN36,MN38,MN37,MN40のサイズ(ゲート幅Wおよびゲート長L)が互いに等しい場合には、この式EQ1により、以下の式EQ2,EQ3が得られる。
I36 = I38 …(EQ2)
I37 = I40 …(EQ3)
ここで、I36はトランジスタMN36に流れる電流であり、I38はトランジスタMN38に流れる電流であり、I37はトランジスタMN37に流れる電流であり、I40はトランジスタMN40に流れる電流である。ここで、電流I37,I38は、定電流源ISの電流値と、トランジスタMP11,MP19におけるカレントミラー比により設定される。これらの電流I37,I38は、互いに等しい。このようにして、式EQ2,EQ3における電流I37,I38は設定されるので、その結果、式EQ2,EQ3における電流I36,I40もまた設定される。
【0070】
同様に、アンプ35では、例えば、トランジスタMP18,MP21,MP20,MP22が1つのループを構成している。このループでは、トランスリニア原理により、以下の式が成り立つ。
Vgs(MP18)+Vgs(MP22)=Vgs(MP21)+Vgs(MP20)
…(EQ4)
ここで、Vgs(MP18)はトランジスタMP18のゲート・ソース間電圧であり、Vgs(MP22)はトランジスタMP22のゲート・ソース間電圧であり、Vgs(MP21)はトランジスタMP21のゲート・ソース間電圧であり、Vgs(MP20)はトランジスタMP20のゲート・ソース間電圧である。仮に、これらの4つのトランジスタMP18,MP21,MP20,MP22のサイズ(ゲート幅Wおよびゲート長L)が互いに等しい場合には、この式EQ4により、以下の式EQ5,EQ6が得られる。
I18 = I21 …(EQ5)
I20 = I22 …(EQ6)
ここで、I18はトランジスタMP18に流れる電流であり、I21はトランジスタMP21に流れる電流であり、I20はトランジスタMP20に流れる電流であり、I22はトランジスタMP22に流れる電流である。ここで、電流I20,I21は、定電流源ISの電流値と、トランジスタMP11,MP12におけるカレントミラー比と、トランジスタMN31,MN39におけるカレントミラー比により設定される。これらの電流I20,I21は、互いに等しい。このようにして、式EQ5,EQ6における電流I20,I21は設定されるので、その結果、式EQ5,EQ6における電流I18,I20もまた設定される。
【0071】
以上では、4つのトランジスタMN36,MN38,MN37,MN40のサイズが互いに等しく、4つのトランジスタMP18,MP21,MP20,MP22のサイズが互いに等しい場合を例に挙げて説明した。実際には、例えば、MN36,MN40のサイズを調節することにより、電流I36,I40を設定することができ、同様に、MP18,MP22のサイズを調節することにより、電流I18,I20を設定することができる。
【0072】
次に、トランジスタMP17,MP18,MN36,MN35の電流経路に着目する。正入力端子InPにおける電圧と負入力端子InNにおける電圧が互いに等しい定常状態では、アンプ35は、例えば、以下の式が成り立つように設計される。
I17 = I35 = I18 + I36 …(EQ7)
ここで、I17はトランジスタMP17に流れる電流であり、I35はトランジスタMN35に流れる電流である。定常状態では、式EQ7に示したように、トランジスタMP17に流れる電流I17と、トランジスタMN35に流れる電流I35は、互いに等しい。
【0073】
例えば、アンプ35の正入力端子InPにおける電圧が上昇した場合には、過渡的に、トランジスタMP14に流れる電流が増加するとともにトランジスタMP15に流れる電流が減少するので、トランジスタMN35に流れる電流I35が増加するとともにトランジスタMP17に流れる電流I17が減少する。この場合には、ノードN1,N2における電圧が低下する。ノードN1における電圧が低下することにより、トランジスタMP18のゲート・ソース間電圧Vgs(MP18)の絶対値が小さくなるので、トランジスタMP18に流れる電流I18が減少する。このようにトランジスタMP18のゲート・ソース間電圧Vgs(MP18)の絶対値が小さくなることにより、式EQ4から明らかなように、トランジスタMP22のゲート・ソース間電圧Vgs(MP22)の絶対値が大きくなるので、トランジスタMP22に流れる電流I22が増加する。また、ノードN2における電圧が低下することにより、トランジスタMN36のゲート・ソース間電圧Vgs(MN36)が大きくなるので、トランジスタMN36に流れる電流I36が増加する。このようにトランジスタMN36のゲート・ソース間電圧Vgs(MN36)が大きくなることにより、式EQ1から明らかなように、トランジスタMN40のゲート・ソース間電圧Vgs(MN40)が小さくなるので、トランジスタMN40に流れる電流I40が減少する。このように、出力回路93において、トランジスタMP22に流れる電流I22が増加し、トランジスタMN40に流れる電流I40が減少するので、アンプ35の出力端子OUTにおける電圧が上昇する。電圧フォロワ回路34では、アンプ35の出力端子OUTは負入力端子InNに接続されているので、アンプ35の負入力端子InNにおける電圧が上昇する。そして、正入力端子InPにおける電圧と負入力端子InNにおける電圧がほぼ等しくなると、定常状態(式EQ7)に戻る。
【0074】
同様に、例えば、アンプ35の正入力端子InPにおける電圧が下降した場合には、過渡的に、トランジスタMP15に流れる電流が増加するとともにトランジスタMP14に流れる電流が減少するので、トランジスタMP17に流れる電流I17が増加するとともにトランジスタMN35に流れる電流I35が減少する。この場合には、ノードN1,N2における電圧が上昇する。ノードN1における電圧が上昇することにより、トランジスタMP18のゲート・ソース間電圧Vgs(MP18)の絶対値が大きくなるので、トランジスタMP18に流れる電流I18が増加する。このようにトランジスタMP18のゲート・ソース間電圧Vgs(MP18)の絶対値が大きくなることにより、式EQ4から明らかなように、トランジスタMP22のゲート・ソース間電圧Vgs(MP22)の絶対値が小さくなるので、トランジスタMP22に流れる電流I22が減少する。また、ノードN2における電圧が上昇することにより、トランジスタMN36のゲート・ソース間電圧Vgs(MN36)が小さくなるので、トランジスタMN36に流れる電流I36が減少する。このようにトランジスタMN36のゲート・ソース間電圧Vgs(MN36)が小さくなることにより、式EQ1から明らかなように、トランジスタMN40のゲート・ソース間電圧Vgs(MN40)が大きくなるので、トランジスタMN40に流れる電流I40が増加する。このように、出力回路93において、トランジスタMN40に流れる電流I40が増加し、トランジスタMP22に流れる電流I22が減少するので、アンプ35の出力端子OUTにおける電圧が下降する。電圧フォロワ回路34では、アンプ35の出力端子OUTは負入力端子InNに接続されているので、アンプ35の負入力端子InNにおける電圧が下降する。そして、正入力端子InPにおける電圧と負入力端子InNにおける電圧がほぼ等しくなると、定常状態(式EQ7)に戻る。
【0075】
電圧フォロワ回路34では、アンプ35の正入力端子InPに入力された信号REF0が変化した場合に、出力回路93における電流I22,I40が大きく変化し得る。しかしながら、電圧フォロワ回路34の内部では、様々なノードにおける電圧変化は少ない。また、例えば、出力端子OUTにおける電圧を、接地レベルから電源電圧レベルまでの広い電圧範囲で変化させた場合でも、様々なノードにおける電圧変化が少ない。その結果、電圧フォロワ回路34は、以下に示すように、安定的に動作することができる。
【0076】
図9は、電圧フォロワ回路34における発振解析のシミュレーション結果を表すものである。特性WG_0は、負荷電流が0mAである場合におけるゲイン特性を示し、特性WP_0は、負荷電流が0mAである場合における位相特性を示す。特性WG_500は、負荷電流が500mAである場合におけるゲイン特性を示し、特性WP_500は、負荷電流が500mAである場合における位相特性を示す。
【0077】
この電圧フォロワ回路34では、負荷電流がこのように大きく変化した場合でも、特性の変動を抑えることができ、十分な位相余裕を確保することができる。よって、電圧フォロワ回路34は、様々な負荷条件において、安定的に動作することができる。
【0078】
このように撮像装置1では、電圧フォロワ回路34が安定的に動作することができるので、撮像画像の画質を高めることができる。すなわち、撮像装置1では、画素アレイ11における複数の画素回路20のそれぞれがAD変換を行うので、参照信号生成部12は、参照信号REFをこれらの複数の画素回路20に供給する必要がある。このように参照信号REFを複数の画素回路20に供給する場合には、参照信号生成部12は、これらの複数の画素回路20における入力容量や、これらの複数の画素回路20への配線容量を駆動できるように、大きな出力電流を流すことができることが望まれる。
【0079】
例えば、
図10に示したように、ソースフォロワ34Rを用いて、参照信号REFを複数の画素回路20に供給するように参照信号生成部12Rを構成した場合には、ソースフォロワ34Rのトランジスタ18のゲート幅Wを大きくする必要がある。しかしながら、この場合には、このトランジスタ18のゲート・ソース間の寄生容量が大きくなるので、ソースフォロワ34Rの遮断周波数が低くなるとともに、ソースフォロワ34Rの出力インピーダンスは高周波領域においてその遮断周波数の影響で上昇する。よって、参照信号生成部12Rが参照信号REFを複数の画素回路20に供給しようとすると、このような周波数特性により、発振やリンギングが生じてしまうので、参照信号REFを、画素アレイ11における複数の画素回路20に供給するのが難しい。その結果、このような参照信号生成部12Rを備えた撮像装置では、画質を高めることが難しい。
【0080】
また、例えば一般的なオペアンプを用いて電圧フォロワ回路を構成し、このような電圧フォロワ回路を用いて、参照信号REFを複数の画素回路20に供給するように参照信号生成部を構成した場合には、例えば、負荷電流が大きく変化した場合に、オペアンプの動作点が大きく変化してしまい、例えば、位相余裕が著しく低下してしまう。よって、このような参照信号生成部は、参照信号REFを、画素アレイ11における複数の画素回路20に供給するのが難しい。その結果、このような参照信号生成部を備えた撮像装置では、画質を高めることが難しい。
【0081】
一方、撮像装置1では、
図5,6に示したように、トランスリニア原理を利用したバイアス回路92により、出力回路93の動作点を設定するようにした。これにより、上述したように、出力端子OUTにおける電圧を、接地レベルから電源電圧レベルまでの広い電圧範囲で変化させた場合や、負荷電流が大きく変化した場合において、アンプ35における様々なノードにおける電圧変化を少なくすることができる。よって、参照信号生成部12は、参照信号REFを、画素アレイ11における複数の画素回路20に供給することができる。その結果、撮像装置1では、画質を高めることができる。
【0082】
このように、撮像装置1では、ランプ波形を有する信号REF0を生成する信号生成回路31と、この信号REF0に基づいて電圧フォロワ動作を行うことにより参照信号REFを生成し、この参照信号REFを複数の画素回路20に供給する電圧フォロワ回路34とを設けるようにしたので、ソースフォロワを用いた場合に比べて、撮像画像の画質を高めることができる。
【0083】
また、撮像装置1では、アンプ35の出力回路93が、電源ノードNVDDに接続されたソースと出力端子OUTに接続されたドレインとを有するP型のトランジスタMP22と、接地ノードNVSSに接続されたソースと出力端子OUTに接続されたドレインとを有するN型のトランジスタMN40とを有するようにした。これにより、出力回路93は、レイルトゥーレイル動作を行うことができるので、参照信号生成部12は、大きな振幅を有する参照信号REFを生成することができる。これにより、例えば、撮像装置1では、撮像画像のダイナミックレンジを向上させることができるので、撮像画像の画質を高めることができる。
【0084】
また、撮像装置1では、アンプ35は、電源ノードNVDDと接地ノードNVSSとを接続する1つの電流経路に、トランジスタMP17と、トランジスタMP18,MN36と、トランジスタMN35とを設けるようにした。トランジスタMP17は、電源ノードNVDDに接続されたソースを有し、トランジスタMN35は接地ノードNVSSに接続されたソースを有するようにした。トランジスタMP18は、この電流経路において、トランジスタMP17とトランジスタMN35との間に設けられ、この電流経路上のノードN1に接続されたソースと、バイアス電圧が供給されたゲートと、この電流経路上のノードN2に接続されたドレインとを有するようにした。トランジスタMN36は、この電流経路において、トランジスタMP17とトランジスタMN35との間に設けられ、ノードN2に接続されたソースと、バイアス電圧が供給されたゲートと、ノードN1に接続されたドレインとを有するようにした。そして、アンプ35は、差動入力回路19のトランジスタMP14,MP15に流れる電流に基づいて、ノードN1とノードN2との間に流れる電流を制御するようにした。具体的には、トランジスタMP17が、差動入力回路19のトランジスタMP15に流れる電流に応じた電流を流し、トランジスタMN35が、差動入力回路19のトランジスタMP14に流れる電流に応じた電流を流すようにした。これにより、電圧フォロワ回路34における様々なノードにおける電圧変化を少なくすることができ、参照信号生成部12は、参照信号REFを複数の画素回路20に供給することができる。その結果、撮像装置1では、画質を高めることができる。また、撮像装置1では、フレームレートを高めることも可能である。これにより、撮像装置1では、さらに画質を高めることができる。
【0085】
[効果]
以上のように本実施の形態では、ランプ波形を有する信号REF0を生成する信号生成回路と、この信号REF0に基づいて電圧フォロワ動作を行うことにより参照信号を生成し、この参照信号を複数の画素回路に供給する電圧フォロワ回路とを設けるようにしたので、撮像画像の画質を高めることができる。
【0086】
[変形例1]
上記実施の形態では、P型のMOSトランジスタであるMP14,MP15を用いて差動入力回路91の差動対を構成したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、N型のMOSトランジスタを用いて差動入力回路91の差動対を構成してもよい。以下に、本変形例に係るアンプ35Aについて、詳細に説明する。
【0087】
図12は、アンプ35Aの一構成例を表すものである。アンプ35Aは、トランジスタMN51~MN54,MP41~MP43を有している。トランジスタMN51~MN54は、N型のMOSトランジスタであり、トランジスタMP41~MP43はP型のMOSトランジスタである。
【0088】
トランジスタMN51のゲートはアンプ35Aの負入力端子InNに接続され、ドレインはトランジスタMP41のゲートおよびドレインに接続されるとともにトランジスタMP17のゲートに接続され、ソースはトランジスタMN52のソースに接続されるとともにトランジスタMN53のドレインに接続される。トランジスタMN52のゲートはアンプ35Aの正入力端子InPに接続され、ドレインはトランジスタMP42のゲートおよびドレインに接続されるとともにトランジスタMP43のゲートに接続され、ソースはトランジスタMN51のソースに接続されるとともにトランジスタMN53のドレインに接続される。トランジスタMN53のゲートはトランジスタMN31のゲートおよびドレインに接続されるとともにトランジスタMP12のドレインおよびトランジスタMN39のゲートに接続され、ドレインはトランジスタMN51,MN52のソースに接続され、ソースは接地ノードNVSSに接続される。トランジスタMP41のゲートはトランジスタMP41,MN51のドレインに接続されるとともにトランジスタMP17のゲートに接続され、ソースは電源ノードNVDDに接続され、ドレインはトランジスタMP41のゲートおよびトランジスタMN51のドレインに接続されるとともにトランジスタMP17のゲートに接続される。トランジスタMP42のゲートはトランジスタMP42,MN52のドレインに接続されるとともにトランジスタMP43のゲートに接続され、ソースは電源ノードNVDDに接続され、ドレインはトランジスタMP42のゲートおよびトランジスタMN52のドレインに接続されるとともにトランジスタMP43のゲートに接続される。トランジスタMN51,MN52は差動対を構成し、トランジスタMP41,MP17はカレントミラー回路を構成し、トランジスタMP42,MP43はカレントミラー回路を構成する。
【0089】
トランジスタMN51~MN53,MP41,MP42は、
図5に示した差動入力回路91に対応する。
【0090】
トランジスタMP43のゲートはトランジスタMP42のゲートおよびドレインに接続されるとともにトランジスタMN52のドレインに接続され、ソースは電源ノードNVDDに接続され、ドレインはトランジスタMN54のゲートおよびドレインに接続されるとともにトランジスタMN35のゲートに接続される。トランジスタMN54のゲートはトランジスタMN54,MP43のドレインに接続されるとともにトランジスタMN35のゲートに接続され、ドレインはトランジスタMN54のゲートおよびトランジスタMP43のドレインに接続されるとともにトランジスタMN35のゲートに接続され、ソースは接地ノードNVSSに接続される。トランジスタMN54,MN35はカレントミラー回路を構成する。
【0091】
トランジスタMP43,MP17~MP21,MN54,MN35~MN39は、
図5に示したバイアス回路92に対応する。
【0092】
接地ノードNVSSは、本開示における「第1の電源ノード」の一具体例に対応する。電源ノードNVDDは、本開示における「第2の電源ノード」の一具体例に対応する。トランジスタMN40は、本開示における「第1のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMP22は、本開示における「第2のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMN51,MN52のペアは、本開示における「第1の差動トランジスタペア」の一具体例に対応する。トランジスタMN35は、本開示における「第3のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMP17は、本開示における「第4のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMN36は、本開示における「第5のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMP18は、本開示における「第6のトランジスタ」の一具体例に対応する。ノードN2は、本開示における「第1のノード」の一具体例に対応する。ノードN1は、本開示における「第2のノード」の一具体例に対応する。トランジスタMP42は、本開示における「第7のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMP41は、本開示における「第8のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMP43は、本開示における「第9のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMN54は、本開示における「第10のトランジスタ」の一具体例に対応する。
【0093】
例えば、アンプ35Aの正入力端子InPにおける電圧が上昇した場合には、過渡的に、トランジスタMN52に流れる電流が増加するとともにトランジスタMN51に流れる電流が減少するので、トランジスタMN35に流れる電流が増加するとともにトランジスタMP17に流れる電流が減少する。この場合には、ノードN1,N2における電圧が低下する。これにより、上記実施の形態の場合と同様に、出力回路93において、トランジスタMP22に流れる電流が増加し、トランジスタMN40に流れる電流が減少するので、アンプ35Aの出力端子OUTにおける電圧が上昇する。そして、正入力端子InPにおける電圧と負入力端子InNにおける電圧がほぼ等しくなると、定常状態に戻る。
【0094】
同様に、例えば、アンプ35Aの正入力端子InPにおける電圧が下降した場合には、過渡的に、トランジスタMN51に流れる電流が増加するとともにトランジスタMN52に流れる電流が減少するので、トランジスタMP17に流れる電流が増加するとともにトランジスタMN35に流れる電流が減少する。この場合には、ノードN1,N2における電圧が上昇する。これにより、上記実施の形態の場合と同様に、出力回路93において、トランジスタMN40に流れる電流が増加し、トランジスタMP22に流れる電流が減少するので、アンプ35Aの出力端子OUTにおける電圧が下降する。そして、正入力端子InPにおける電圧と負入力端子InNにおける電圧がほぼ等しくなると、定常状態に戻る。
【0095】
[変形例2]
上記実施の形態では、カレントミラー回路(トランジスタMN32~MN35)を用いて、差動入力回路91とバイアス回路92とを接続したが、これに限定されるものではない。以下に、本変形例に係るアンプ35Bについて詳細に説明する。
【0096】
図12は、アンプ35Bの一構成例を表すものである。アンプ35Bは、トランジスタMN61,MN62を有している。トランジスタMN61,MN62は、N型のMOSトランジスタである。
【0097】
トランジスタMN61のゲートはトランジスタMN31のゲートおよびドレインに接続されるとともにトランジスタMP12のドレインおよびトランジスタMN62,MN39のゲートに接続され、ドレインはトランジスタMP14,MP16のドレインおよびトランジスタMP16,MP17のゲートに接続され、ソースは接地ノードNVSSに接続される。トランジスタMN62のゲートはトランジスタMN31のゲートおよびドレインに接続されるとともにトランジスタMP12のドレインおよびトランジスタMN61,MN39のゲートに接続され、ドレインはノードN2に接続され、ソースは接地ノードNVSSに接続される。トランジスタMN31,MN61,MN62は、カレントミラー回路を構成する。
【0098】
トランジスタMP13~MP15は、
図5に示した差動入力回路91に対応する。トランジスタMP16~MP21,MN61,MN62,MN36~MN39は、
図5に示したバイアス回路92に対応する。このように、アンプ35Bでは、フォールデッドカスコード回路を用いて、差動入力回路91とバイアス回路92とを接続している。
【0099】
電源ノードNVDDは、本開示における「第1の電源ノード」の一具体例に対応する。接地ノードNVSSは、本開示における「第2の電源ノード」の一具体例に対応する。トランジスタMP22は、本開示における「第1のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMN40は、本開示における「第2のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMP14,MP15のペアは、本開示における「第1の差動トランジスタペア」の一具体例に対応する。トランジスタMP17は、本開示における「第3のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMN35は、本開示における「第4のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMP18は、本開示における「第5のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMN36は、本開示における「第6のトランジスタ」の一具体例に対応する。ノードN1は、本開示における「第1のノード」の一具体例に対応する。ノードN2は、本開示における「第2のノード」の一具体例に対応する。トランジスタMN61は、本開示における「第11のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMP16は、本開示における「第7のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMP14は、本開示における「第1の入力トランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMP15は、本開示における「第2の入力トランジスタ」の一具体例に対応する。
【0100】
トランジスタMN61は、差動入力回路91のトランジスタMP14に流れる電流と、トランジスタMP16に流れる電流の合計電流が、所定の電流値の電流として流れる。すなわち、トランジスタMN61は定電流源として動作するので、この合計電流の電流値は一定である。同様に、トランジスタMN62は、差動入力回路91のトランジスタMP15に流れる電流と、トランジスタMP18,MN36に流れる電流の合計電流が、所定の電流値の電流として流れる。すなわち、トランジスタMN62は定電流源として動作するので、この合計電流の電流値は一定である。
【0101】
例えば、アンプ35Bの正入力端子InPにおける電圧が上昇した場合には、過渡的に、トランジスタMP14に流れる電流が増加するとともにトランジスタMP15に流れる電流が減少する。このようにトランジスタMP15に流れる電流が減少するので、トランジスタMP18,MN36からトランジスタMN62に流れる電流が増加する。また、このようにトランジスタMP14に流れる電流が増加するので、トランジスタMP16からトランジスタMN61に流れる電流が減少するため、トランジスタMP17に流れる電流が減少する。この場合には、ノードN1,N2における電圧が低下する。これにより、上記実施の形態の場合と同様に、出力回路93において、トランジスタMP22に流れる電流が増加し、トランジスタMN40に流れる電流が減少するので、アンプ35Bの出力端子OUTにおける電圧が上昇する。そして、正入力端子InPにおける電圧と負入力端子InNにおける電圧がほぼ等しくなると、定常状態に戻る。
【0102】
同様に、例えば、アンプ35Bの正入力端子InPにおける電圧が下降した場合には、過渡的に、トランジスタMP15に流れる電流が増加するとともにトランジスタMP14に流れる電流が減少する。このようにトランジスタMP14に流れる電流が減少するので、トランジスタMP16からトランジスタMN61に流れる電流が増加するため、トランジスタMP17に流れる電流が増加する。また、このようにトランジスタMP15に流れる電流が増加するので、トランジスタMP18,MN36からトランジスタMN62に流れる電流が減少する。この場合には、ノードN1,N2における電圧が上昇する。これにより、上記実施の形態の場合と同様に、出力回路93において、トランジスタMN40に流れる電流が増加し、トランジスタMP22に流れる電流が減少するので、アンプ35Bの出力端子OUTにおける電圧が下降する。そして、正入力端子InPにおける電圧と負入力端子InNにおける電圧がほぼ等しくなると、定常状態に戻る。
【0103】
[変形例3]
上記実施の形態では、1つの差動対を用いて差動入力回路91を構成したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、2つの差動対を用いて差動入力回路91を構成してもよい。以下に、本変形例に係るアンプ35Cについて、詳細に説明する。
【0104】
図13は、アンプ35Cの一構成例を表すものである。アンプ35Cは、トランジスタMN51~MN53,MP71~MP75,MN81~MN85と、バイアス回路38,39とを有している。トランジスタMN51~MN53,MN81~MN85はN型のMOSトランジスタであり、トランジスタMP71~MP75は、P型のMOSトランジスタである。
【0105】
トランジスタMN51のゲートはアンプ35Cの負入力端子InNに接続され、ドレインはトランジスタMP71のドレインおよびトランジスタMP72のソースに接続され、ソースはトランジスタMN52のソースに接続されるとともにトランジスタMN53のドレインに接続される。トランジスタMN52のゲートはアンプ35Cの正入力端子InPに接続され、ドレインはトランジスタMP74のドレインおよびトランジスタMP75のソースに接続され、ソースはトランジスタMN51のソースに接続されるとともにトランジスタMN53のドレインに接続される。トランジスタMN53のゲートはトランジスタMN31のゲートおよびドレインに接続されるとともにトランジスタMP12のドレインおよびトランジスタMN39のゲートに接続され、ドレインはトランジスタMN51,MN52のソースに接続され、ソースは接地ノードNVSSに接続される。トランジスタMN51,MN52は差動対を構成する。
【0106】
トランジスタMP13~MP15,MN51~MN53は、
図5に示した差動入力回路91に対応する。
【0107】
トランジスタMP71のゲートはノードN3に接続され、ソースは電源ノードNVDDに接続され、ドレインはトランジスタMN51のドレインおよびトランジスタMP72のソースに接続される。トランジスタMP72のゲートにはバイアス回路38からバイアス電圧が供給され、ソースはトランジスタMP71,MN51のドレインに接続され、ドレインはノードN3に接続される。トランジスタMP73のゲートはトランジスタMP21のゲートおよびドレインに接続されるとともにトランジスタMN39のドレインおよびトランジスタMP18のゲートに接続され、ソースはノードN3に接続され、ドレインはノードN4に接続される。トランジスタMN83のゲートはトランジスタMN38のゲートおよびドレインに接続されるとともにトランジスタMP19のドレインおよびトランジスタMN36のゲートに接続され、ドレインはノードN3に接続され、ソースはノードN4に接続される。トランジスタMN82のゲートにはバイアス回路39からバイアス電圧が供給され、ドレインはノードN4に接続され、ソースはトランジスタMN81,MP14のドレインに接続される。トランジスタMN81のゲートはノードN4に接続され、ドレインはトランジスタMP14のドレインおよびトランジスタMN82のソースに接続され、ソースは接地ノードNVSSに接続される。トランジスタMP71,MP74はカレントミラー回路を構成し、トランジスタMN81,MN84はカレントミラー回路を構成する。
【0108】
トランジスタMP74のゲートはノードN3に接続され、ソースは電源ノードNVDDに接続され、ドレインはトランジスタMN52のドレインおよびトランジスタMP75のソースに接続される。トランジスタMP75のゲートにはバイアス回路38からバイアス電圧が供給され、ソースはトランジスタMP74,MN52のドレインに接続され、ドレインはノードN1に接続される。トランジスタMN85のゲートにはバイアス回路39からバイアス電圧が供給され、ドレインはノードN2に接続され、ソースはトランジスタMN84,MP15のドレインに接続される。トランジスタMN84のゲートはノードN4に接続され、ドレインはトランジスタMP15のドレインおよびトランジスタMN85のソースに接続され、ソースな接地ノードNVSSに接続される。
【0109】
バイアス回路38,39のそれぞれはバイアス電圧を生成するように構成される。
【0110】
トランジスタMP71~MP75,MN81~MN85,MP18~MP21,MN36~MN39、およびバイアス回路38,39は、
図5に示したバイアス回路92に対応する。
【0111】
電源ノードNVDDは、本開示における「第1の電源ノード」の一具体例に対応する。接地ノードNVSSは、本開示における「第2の電源ノード」の一具体例に対応する。トランジスタMP22は、本開示における「第1のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMN40は、本開示における「第2のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMP14,MP15のペアは、本開示における「第1の差動トランジスタペア」の一具体例に対応する。トランジスタMP14は、本開示における「第1の入力トランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMP15は、本開示における「第2の入力トランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMP17は、本開示における「第3のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMN35は、本開示における「第4のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMP18は、本開示における「第5のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMN36は、本開示における「第6のトランジスタ」の一具体例に対応する。ノードN1は、本開示における「第1のノード」の一具体例に対応する。ノードN2は、本開示における「第2のノード」の一具体例に対応する。
【0112】
トランジスタMN52,MN51のペアは、本開示における「第2の差動トランジスタペア」の一具体例に対応する。トランジスタMN52は、本開示における「第3の入力トランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMN51は、本開示における「第4の入力トランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMP71は、本開示における「第13のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMN81は、本開示における「第14のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMP73は、本開示における「第15のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタMN83は、本開示における「第16のトランジスタ」の一具体例に対応する。ノードN3は、本開示における「第3のノード」の一具体例に対応する。ノードN4は、本開示における「第4のノード」の一具体例に対応する。
【0113】
[その他の変形例]
また、これらの変形例のうちの2以上を組み合わせてもよい。
【0114】
<2.撮像装置の使用例>
図14は、上記実施の形態に係る撮像装置1の使用例を表すものである。上述した撮像装置1は、例えば、以下のように、可視光や、赤外光、紫外光、X線等の光をセンシングする様々なケースに使用することができる。
【0115】
・ディジタルカメラや、カメラ機能付きの携帯機器等の、鑑賞の用に供される画像を撮影する装置
・自動停止等の安全運転や、運転者の状態の認識等のために、自動車の前方や後方、周囲、車内等を撮影する車載用センサ、走行車両や道路を監視する監視カメラ、車両間等の測距を行う測距センサ等の、交通の用に供される装置
・ユーザのジェスチャを撮影して、そのジェスチャに従った機器操作を行うために、テレビジョンや、冷蔵庫、エアーコンディショナ等の家電に供される装置
・内視鏡や、赤外光の受光による血管撮影を行う装置等の、医療やヘルスケアの用に供される装置
・防犯用途の監視カメラや、人物認証用途のカメラ等の、セキュリティの用に供される装置
・肌を撮影する肌測定器や、頭皮を撮影するマイクロスコープ等の、美容の用に供される装置
・スポーツ用途等向けのアクションカメラやウェアラブルカメラ等の、スポーツの用に供される装置
・畑や作物の状態を監視するためのカメラ等の、農業の用に供される装置
【0116】
<3.移動体への応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0117】
図15は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0118】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。
図15に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
【0119】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0120】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0121】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0122】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0123】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0124】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0125】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0126】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0127】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。
図15の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0128】
図16は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0129】
図16では、車両12100は、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
【0130】
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。撮像部12101及び12105で取得される前方の画像は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0131】
なお、
図16には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0132】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0133】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0134】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0135】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0136】
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部12031に適用され得る。これにより、車両制御システム12000では、撮像部12031により得られた撮像画像の画質を高めることができる。その結果、車両制御システム12000では、車両の衝突回避あるいは衝突緩和機能、車間距離に基づく追従走行機能、車速維持走行機能、車両の衝突警告機能、車両のレーン逸脱警告機能等を、高い精度で実現できる。
【0137】
以上、実施の形態および変形例、ならびにそれらの具体的な応用例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0138】
例えば、上記実施の形態では、画素Pを2枚の半導体基板101,102にわたって配置したが、これに限定されるものではなく、画素Pを1枚の半導体基板に配置してもよいし、3枚以上の半導体基板にわたって配置してもよい。
【0139】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0140】
なお、本技術は以下のような構成とすることができる。以下の構成の本技術によれば、撮像画像の画質を高めることができる。
【0141】
(1)それぞれが、受光量に応じた画素電圧を含む画素信号を生成し、前記画素信号と参照信号とを比較することによりAD変換を行う複数の画素回路と、
ランプ波形を有する電圧信号を生成する信号生成回路と、前記電圧信号に基づいて電圧フォロワ動作を行うことにより前記参照信号を生成し、前記参照信号を前記複数の画素回路に供給する電圧フォロワ回路とを有する参照信号生成部と
を備えた撮像装置。
(2)前記電圧フォロワ回路は、前記電圧信号が供給される正入力端子と、負入力端子と、前記負入力端子に接続され、前記参照信号を出力する出力端子と、前記出力端子に接続された出力回路とを有するアンプを有し、
前記出力回路は、
第1の電源ノードに接続されたソースと、前記出力端子に接続されたドレインと、ゲートとを有する第1導電型の第1のトランジスタと、
第2の電源ノードに接続されたソースと、前記出力端子に接続されたドレインと、ゲートとを有する第2導電型の第2のトランジスタと
を有する
前記(1)に記載の撮像装置。
(3)前記アンプは、
前記正入力端子および前記負入力端子に接続され、第1の電流および第2の電流を含む差動電流を生成する第1の差動トランジスタペアと、
前記第1の電源ノードと前記第2の電源ノードとを接続する第1の電流経路に設けられ、前記第1の電源ノードに接続されたソースと、ゲートと、ドレインとを有する前記第1導電型の第3のトランジスタと、
前記第1の電流経路に設けられ、前記第2の電源ノードに接続されたソースと、ゲートと、ドレインとを有する前記第2導電型の第4のトランジスタと、
前記第1の電流経路において、前記第3のトランジスタと前記第4のトランジスタとの間に設けられ、前記第1の電流経路上の第1のノードに接続されたソースと、前記第1の電流経路上の第2のノードに接続されたドレインと、第1のバイアス電圧が供給されたゲートとを有する前記第1導電型の第5のトランジスタと、
前記第1の電流経路において、前記第3のトランジスタと前記第4のトランジスタとの間に設けられ、前記第1のノードに接続されたドレインと、前記第2のノードに接続されたソースと、第2のバイアス電圧が供給されたゲートとを有する前記第2導電型の第6のトランジスタと
を有し、
前記アンプは、前記第1の電流および前記第2の電流に基づいて、前記第1の電流経路における前記第1のノードおよび前記第2のノードの間に流れる電流を制御し、
前記第1のトランジスタの前記ゲートは前記第1のノードに接続され、
前記第2のトランジスタの前記ゲートは前記第2のノードに接続された
前記(2)に記載の撮像装置。
(4)前記第3のトランジスタは、前記第1の電流に応じた電流を流し、
前記第4のトランジスタは、前記第2の電流に応じた電流を流す
前記(3)に記載の撮像装置。
(5)前記アンプは、
ドレインと、前記ドレインに接続されたゲートと、前記第2の電源ノードに接続されたソースを有し、前記第1の電流が流れる前記第2導電型の第7のトランジスタと、
ドレインと、前記ドレインおよび前記第4のトランジスタの前記ゲートに接続されたゲートと、前記第2の電源ノードに接続されたソースを有し、前記第2の電流が流れる前記第2導電型の第8のトランジスタと、
前記第1の電源ノードと前記第2の電源ノードとを接続する第2の電流経路に設けられ、ドレインと、前記第7のトランジスタの前記ゲートおよび前記ドレインに接続されたゲートと、前記第2の電源ノードに接続されたソースとを有する前記第2導電型の第9のトランジスタと、
前記第2の電流経路に設けられ、ドレインと、前記ドレインおよび前記第3のトランジスタの前記ゲートに接続されたゲートと、前記第1の電源ノードに接続されたソースとを有する前記第1導電型の第10のトランジスタと
を有する
前記(3)または(4)に記載の撮像装置。
(6)前記第3のトランジスタは、前記第1の電流に応じた電流を流し、
前記第4のトランジスタは、前記第2の電流を含む所定の電流値の電流を流す
前記(3)に記載の撮像装置。
(7)前記アンプは、
前記第1の電源ノードと前記第2の電源ノードとを接続する第2の電流経路に設けられ、ドレインと、ゲートと、前記第2の電源ノードに接続されたソースとを有し、前記第1の電流を含む所定の電流値の電流を流す、前記第2導電型の第11のトランジスタと、
前記第2の電流経路に設けられ、ドレインと、前記ドレインおよび前記第3のトランジスタの前記ゲートに接続されたゲートと、前記第1の電源ノードに接続されたソースとを有する、前記第1導電型の第12のトランジスタと
をさらに有し、
前記第1の差動トランジスタペアは、
ドレインを有し、前記第1の電流を生成する、前記第1導電型の第1の入力トランジスタと、
ドレインを有し、前記第2の電流を生成する、前記第1導電型の第2の入力トランジスタと
を有し、
前記第11のトランジスタの前記ドレインは、前記第1の入力トランジスタの前記ドレインに接続され、
前記第4のトランジスタの前記ドレインは、前記第2の入力トランジスタの前記ドレインに接続された
前記(3)または(6)に記載の撮像装置。
(8)前記アンプは、前記正入力端子および前記負入力端子に接続され、第3の電流および第4の電流を含む差動電流を生成する第2の差動トランジスタペアをさらに有し、
前記アンプは、前記第1の電流、前記第2の電流、前記第3の電流、および前記第4の電流に基づいて、前記第1のノードおよび前記第2のノードの間に流れる電流を制御する
前記(3)に記載の撮像装置。
(9)前記アンプは、
前記第1の電源ノードと前記第2の電源ノードとを接続する第2の電流経路に設けられ、前記第1の電源ノードに接続されたソースと、前記第2の電流経路上の第3のノードに接続されたゲートと、ドレインとを有する前記第1導電型の第13のトランジスタと、
前記第2の電流経路に設けられ、前記第2の電源ノードに接続されたソースと、前記第2の電流経路上の第4のノードに接続されたゲートと、ドレインとを有する前記第2導電型の第14のトランジスタと、
前記第2の電流経路において、前記第13のトランジスタと前記第14のトランジスタとの間に設けられ、前記第3のノードに接続されたソースと、前記第4のノードに接続されたドレインと、前記第1のバイアス電圧が供給されたゲートとを有する前記第1導電型の第15のトランジスタと、
前記第2の電流経路において、前記第13のトランジスタと前記第14のトランジスタとの間に設けられ、前記第3のノードに接続されたドレインと、前記第4のノードに接続されたソースと、前記第2のバイアス電圧が供給されたゲートとを有する前記第2導電型の第16のトランジスタと
をさらに有し、
前記第1の差動トランジスタペアは、
ドレインを有し、前記第1の電流を生成する、前記第1導電型の第1の入力トランジスタと、
ドレインを有し、前記第2の電流を生成する、前記第1導電型の第2の入力トランジスタと
を有し、
前記第2の差動トランジスタペアは、
ドレインを有し、前記第3の電流を生成する、前記第2導電型の第3の入力トランジスタと、
ドレインを有し、前記第4の電流を生成する、前記第2導電型の第4の入力トランジスタと
を有し、
前記第3のトランジスタの前記ドレインは、前記第3の入力トランジスタの前記ドレインに接続され、
前記第4のトランジスタの前記ドレインは、前記第2の入力トランジスタの前記ドレインに接続され、
前記第13のトランジスタの前記ドレインは、前記第4の入力トランジスタの前記ドレインに接続され、
前記第14のトランジスタの前記ドレインは、前記第1の入力トランジスタの前記ドレインに接続された
前記(3)または(8)に記載の撮像装置。
【0142】
本出願は、日本国特許庁において2020年3月24日に出願された日本特許出願番号2020-052229号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願のすべての内容を参照によって本出願に援用する。
【0143】
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。