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特許7638979多層トークン化プラットフォームのための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-21
(45)【発行日】2025-03-04
(54)【発明の名称】多層トークン化プラットフォームのための方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/00 20120101AFI20250225BHJP
【FI】
G06Q20/00
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022522004
(86)(22)【出願日】2020-10-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(86)【国際出願番号】 US2020055113
(87)【国際公開番号】W WO2021072296
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2023-10-10
(31)【優先権主張番号】16/598,957
(32)【優先日】2019-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522145719
【氏名又は名称】ポントロ、インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】シンマオ、モニーク、ワッタナー-モニ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィッティ、アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】シャム、カ
(72)【発明者】
【氏名】デューイング、ロバート、ハヴロック
【審査官】板垣 有紀
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-525729(JP,A)
【文献】国際公開第2019/003072(WO,A1)
【文献】特開2019-012518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層トークン化プラットフォームを提供するための方法であって、
アドミニストレーションサーバ上のトークンマネージャによって、一般アセットプール内に1又は複数の一般アセットトークンを生成するステップであって、前記トークンマネージャは前記アドミニストレーションサーバ上に格納され、アセットプロトコルに基づく前記1又は複数の一般アセットトークンを生成し、前記アセットプロトコルは分散型台帳に格納され、前記アセットプロトコルはアセット属性を定義し、トークン状態データを含む、ステップと、
前記アドミニストレーションサーバ上のアプリケーションによって、各一般アセットトークンを1又は複数のスマートコントラクトプロトコルに関連付けるステップであって、前記1又は複数のスマートコントラクトプロトコルは前記分散型台帳に格納され、前記1又は複数のスマートコントラクトプロトコルの各々は前記一般アセットプール内の1又は複数の一般アセットトークンを検証し、前記1又は複数の一般アセットトークンは前記プラットフォームの複数のユーザに関連付けられ、前記一般アセットトークンの各々は第1の値を有し、前記1又は複数の一般アセットトークンは前記アプリケーションによって一般アセットプール内の1又は複数のアセットの値にマッピングされる、ステップと、
1又は複数のクライアントデバイスからサブスクリプション要求を受信するステップであって、前記アプリケーションによって前記1つ又は複数の一般アセットトークンの1つを使用して前記一般アセットプールからの特定アセットの一部にマッピングする1つ又は複数の特定アセットトークンを作成し、前記サブスクリプション要求の各々は、前記アドミニストレーションサーバに前記サブスクリプション要求を行う前記クライアントデバイスに関連付けられたユーザに関するアセット持分データを含み、前記一般アセットプール内の前記1又は複数のアセットは前記特定アセットを含み、前記1又は複数のクライアントデバイスは特定アセットトークンの作成に使用される前記1つ又は複数の一般アセットトークンの1つに関連付けられた前記複数のユーザの1名に関連付けられる、ステップと、
受信した少なくとも1つの前記サブスクリプション要求に応答する前記アドミニストレーションサーバ上の前記トークンマネージャによって、前記一般アセットプール内の特定アセットの一部にマッピングする第1の特定アセットトークンを作成するステップであって、前記第1の特定アセットトークンは前記サブスクリプション要求のデータに少なくとも部分的に基づき、データストアに格納される、ステップと、
前記第1の特定アセットトークンにマッピングする前記特定アセットの一部を前記データストア内のリポジトリに転送するステップであって、前記転送は、前記特定アセットに関連付けられた前記スマートコントラクトプロトコル内のデータ又はロジックによって制御される、ステップと、
前記生成された特定アセットトークンの記録と前記一般アセットトークンの更新された状態とをデジタルアセットとして格納するステップであって、前記記録は複数のユーザ間のタスク及びデータ対話を含み、前記複数のユーザの各々はリモートクライアントデバイスに関連付けられ、前記一般アセットトークン及び前記特定アセットトークンはアドミニストレーションサーバ上又は前記データストア上にデータとして格納される、ステップと、
を備える、方法。
【請求項2】
前記一般アセットトークンを含むように前記アドミニストレーションサーバ上のメモリに格納されたデータストアのリポジトリをアセットプールマネージャによって更新するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記データストアでの前記リポジトリから前記一般アセットトークンを削除するステップと、異なるメンバー及び値の属性を用いて更新された一般アセットプールに前記一般アセットトークンを関連付けるステップと、をさらに含み、前記一般アセットトークンは、新たに追加されたアセットによって拡張される以前の前記一般アセットプールに基づく第2の値を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記データストアに格納された、第1の特定アセット及び第1の特定アセットトークンの間での第2のマッピングをさらに含み、前記第1の特定アセットトークンは、特定アセット全体よりも少ない前記特定アセットの一部にマッピングする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記特定アセットの一部の値は、前記特定アセットの一部に関連付けられた前記一般アセットトークン及びトランザクションのコストと同等である、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記特定アセットの全体及び前記特定アセットの全体にマッピングされた全ての特定アセットトークンは、金融アセット又は物理的アセットであるアセットに関連付けられている、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記アプリケーションによって前記一般アセットトークンの情報及び前記特定アセットトークンの情報をデータストアに格納するステップをさらに含み、前記分散型台帳は、1つ又は複数の分散型マシンによって維持される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記アドミニストレーションサーバ上に格納された前記アプリケーションによって要求を受信して、前記複数のユーザのうちの第1のユーザと第2のユーザに関連付けられた第2のクライアントデバイスとの間で特定アセットトークンの持分を転送するステップと、
前記第1のユーザと前記第2のユーザとの間の前記特定アセットトークンの持分の前記転送に基づいて前記データストアを更新するステップと、
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記複数のユーザのうちの1名に関連付けられたクライアントデバイスから前記アドミニストレーションサーバ上の前記アプリケーションによってアセット推奨要求を受信するステップと、
推奨アセット情報を生成するためのモデルによって前記ユーザに関連付けられたデータを処理するステップであって、前記モデルは以前のデータによって訓練されている、ステップと、
前記モデルの出力に基づいて、前記アドミニストレーションサーバ上の前記アプリケーションによって推奨データを前記複数のユーザのうちの1名に関連付けられた前記クライアントデバイスに提供するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記データストアは前記アドミニストレーションサーバに関する1又は複数のリモートマシン上の分散型台帳によって少なくとも部分的に実装される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記データストアは中央サーバによって少なくとも部分的に実装される、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連アプリケーションへの相互参照
本願は、2018年10月10日に出願された「多層トークン化プラットフォーム(MULTI-TIERTOKENIZATION PLATFORM)」というタイトルの米国仮出願62/743,859号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
大規模なアセットへの投資は、状況と技術との両方によって、同じ権限に存在する大規模な金融リソースを有する大規模なエンティティに限定されてきた。たとえば、インフラストラクチャプロジェクトの金融ローンなどの大規模な非流動アセットタイプは、歴史的にいくつかの投資問題によって限定されてきた。
【0003】
たとえば、米国での大規模なインフラストラクチャプロジェクトの融資への参加は、主に米国に存在する大規模な専門金融機関に限定されている。米国での大規模なインフラストラクチャの融資取引への海外の機関投資家のアクセスは、可視性、距離、言語、及び現地市場の知識の欠如によって制限されている。さらに、大規模なインフラストラクチャプロジェクト又は特殊なインフラストラクチャファンドを介した投資家の直接参加は、通常、資金調達能力を超える最小投資額要件のために制約される。
【0004】
インフラストラクチャファンド又はプロジェクトへの資金調達コミットメントは厳格であり、集中リスクが高い場合に特定取引を行う傾向がある。プロジェクトに直接投資する場合でも、専門のプライベート公正ファンドを通じて投資する場合でも、インフラストラクチャセクタの投資家は限られた流動性しか利用できない。インフラストラクチャプロジェクトのような大規模なアセットの資金調達のニュアンスに対処する技術システムはない。金融大規模プロジェクト及びその他のタイプの非流動アセットの資金調達に関連付けられた問題に対する技術的解決策が必要とされる。
【発明の概要】
【0005】
大まかに説明すると、本技術は、大規模なアセット及び他のタイプの非流動的なアセットに対処するプラットフォームを提供するという技術的な問題に対する技術的解決策を提供する。本技術のプラットフォームは、マシンで実装され、分散型台帳システムを使用し、人工知能主導のユーザサポートサービスを提供する自動化された2層トークン化プロセスを提供する。この技術は、任意の地理的権限の任意の大規模アセットに対処するための柔軟な技術的解決策を提供する。
【0006】
本技術のプラットフォームは、2層トークン化プロセスを実装して、1つ又は複数のサーバ又はマシン上にデジタルアセットプールを構築する。アプリケーションは、大規模な金融及び物理的アセットのデジタル表現を作成することにより、一般アセットプールと呼ばれるデジタルアセットプールを構築する。場合によっては、2層トークン化プロセスは、スマートコントラクトと呼ばれるコンピュータプロトコルを使用して、各トークンに関連付けられた1つ又は複数のコントラクトの対話及び性能をデジタルで促進、検証、及び管理する。これらのスマートコントラクトは、ネットワークへの参加を許可されるユーザとトランザクションとを制限するパブリックネットワークまたは許可されたネットワークである1つ又は複数のブロックチェーン上で機能し得る。ブロックチェーンでスマートコントラクトを使用すると、多くの場合サードパーティなしでトランザクションを効率的に実行でき、トークンとそのトランザクションに関する情報を追跡可能で不変にすることができる。スマートコントラクトによって定義されたコントラクト上の機能を備える一般アセットトークン(GAT)は、一般アセットプールの比例配分の持分権(pro-rata ownership interests)を表す。スマートコントラクトによって定義されたコントラクト上の機能を備える特定アセットトークン(SAT)は、1つ又は複数のサーバ又はマシンと通信するリモートデバイスからのプラットフォームのユーザが一般アセットプールから選択及び削除する特定アセットの持分権を表す。適格な個人投資家及び/又は機関投資家に申し出される一般アセットトークンは、一般アセットプールを構築するための資金を生み出す。一般アセットトークンの所有者は、2層トークン化プロセスを通じて、一般アセットプールからアセット全体の一部を表す特定アセットトークンを作成する選択肢をサーバによって定期的に申し出され、技術プロトコル、所有権の集中制限、及び本プラットフォームによって確立された入札及び割り当てスキーマの対象となる。
【0007】
一般アセットトークンを使用して特定アセットトークンのカスタムポートフォリオを開発することにより、全てが一般アセットプールで利用可能なアセットから作成され、プラットフォームによってメモリに格納される。プラットフォームのユーザは、リスク/リターンの好みと任意のその他の投資基準を反映する所望なレベルの露出及び分散を確立できる。スマートコントラクトを利用した一般及び特定アセットへのトークン化により、従来の流動性の低いアセットタイプであっても、アセットトークンをより簡単に取引可能にし、増分を少なくすることで流動性を実現できる。さらに、本システムは、様々な機械学習及び人工知能(「AI」)ツールを使用して、取引のアイデアを推奨し、ユーザ(投資家など)間のトランザクションのアクティビティを継続的に促進することにより、情報を通じて流動性を大幅に向上させる。
【0008】
場合によっては、多層トークン化プラットフォームを提供するための方法が開示される。この方法は、第1のマシン上のアプリケーションによって1つ又は複数の一般アセットトークンを起動するステップを含み、1つ又は複数の一般アセットトークンがプラットフォームの複数のユーザに関連付けられ、一般アセットトークンの各々が第1の値を有し、1つ又は複数の一般アセットトークンが、アプリケーションによって一般アセットプール内の1つ又は複数のアセットの値にマッピングされる。要求がアプリケーションによって受け取られ、1つ又は複数の一般アセットトークンの1つを使用して、一般アセットプールから特定アセットの一部にマッピングする1つ又は複数の特定アセットトークンを作成する。ここで、1つ又は複数のアセットは特定アセットを含む。要求は、特定アセットトークンの作成に使用される1つ又は複数の一般アセットトークンの1つに関連付けられた複数のユーザの1つに関連付けられたリモートマシンから起動できる。特定アセット全体の一部にマッピングする第1の特定アセットトークンが作成される。第1の特定アセットトークンは、少なくとも部分的に要求データに基づく。生成された特定アセットトークン及び一般アセットトークンの更新された状態の記録が格納される。
【0009】
場合によっては、多層トークン化プラットフォームを提供するためのシステムは、メモリ及び複数のプロセッサを有するサーバを含む。1つ又は複数のモジュールがメモリに格納され、複数のプロセッサによって実行される。モジュールは、第1のマシン上のアプリケーションによって1つ又は複数の一般アセットトークンを起動することを実行可能であり、プラットフォームの複数のユーザに関連付けられた1つ又は複数の一般アセットトークンは、アプリケーションによって、アプリケーションによって作成された1つ又は複数の一般アセットトークンをメモリに格納された一般アセットプールにマッピングし、一般アセットトークンの各々は第1の値を有し、アプリケーションによって要求データを受信して、1つ又は複数の一般アセットトークンの1つを使用して、特定アセット全体の一部にマッピングする1つ又は複数の特定アセットトークンを作成する。要求は、1つ又は複数の特定アセットトークンを作成するために使用される1つ又は複数の一般アセットトークンの1つに関連付けられた複数のユーザの1つに関連付けられたリモートマシンから開始される。1つ又は複数のアセットは、特定アセットを含み、特定アセットトークン全体の一部にマッピングされる第1の特定アセットトークンを作成する。第1の特定アセットトークンは、少なくとも部分的に要求データに基づき、一般アセットプールからいくつかの関連付けられた値を削除する特定アセットトークンを作成するために使用される一般アセットトークンの削除の記録を格納する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】リモートデータストアに格納されたプロトコルを2層トークン化プラットフォームに提供するためのシステムのブロック図を例示する。
図1B】ローカルサーバに格納されたプロトコルを使用して2層トークン化プラットフォームを提供するためのシステムのブロック図を例示する。
図2】2層トークン化プラットフォームを提供するためのアプリケーションのブロック図を例示する。
図3】プロトコルモジュールのブロック図を例示する。
図4】2層トークン化プラットフォームを提供する方法を例示する。
図5】特定アセットトークンを作成する方法を例示する。
図6】特定アセットトークンの割り当てを生成する方法を例示する。
図7】第1のユーザと第2のユーザとの間のトークン転送を処理するための方法を例示する。
図8】凍結された一般アセットトークンを再アクティブ化する方法を例示する。
図9】アセットの推奨をユーザに自動的に提供する方法を例示する。
図10】2層トークン化プラットフォームのユーザケースの概略図のブロック図を例示する。
図11】2層トークン化プラットフォームのアクティビティのフローチャートのブロック図を例示する。
図12】2層トークン化プラットフォームを実装するためのコンピューティング環境のブロック図を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
大まかに説明すると、本技術は、大規模なアセット及び他のタイプの非流動的なアセットに対処するプラットフォームを提供するという技術的な問題に対する技術的解決策を提供する。本技術のプラットフォームは、マシンで実装され、分散型台帳システムを使用し、人工知能主導のユーザサポートサービスを提供する自動化された2層トークン化プロセスを提供する。この技術は、任意の地理的権限の任意の大規模アセットに対処するための柔軟な技術的解決策を提供する。
【0012】
本技術のプラットフォームは、2層トークン化プロセスを実装して、1つ又は複数のサーバ又はマシンにわたるデジタルアセットプールを構築する。アプリケーションは、大規模金融及び物理的アセットのデジタル表現を作成することにより、一般アセットプールと呼ばれるデジタルアセットプールを構築する。2層トークン化プロセスは、スマートコントラクトと呼ばれるコンピュータプロトコルを使用して、各トークンに関連付けられた1つ又は複数のコントラクトの対話及び性能をデジタルで促進、検証、及び管理する。これらのスマートコントラクトは、ネットワークへの参加を許可されるユーザとトランザクションとを制限するパブリックネットワークまたは許可されたネットワークである1つ又は複数のブロックチェーン上で機能し得る。ブロックチェーン上でスマートコントラクトを使用すると、多くの場合サードパーティなしでトランザクションを効率的に実行でき、トークンとそのトランザクションに関する情報を追跡可能で不変にすることができる。スマートコントラクトによって定義されたコントラクト上の機能を備えた一般アセットトークン(GAT)は、一般アセットプールの比例配分の持分権を表す。スマートコントラクトによって定義されたコントラクト上の機能を備えた特定アセットトークン(SAT)は、プラットフォームのユーザが例えば1つ又は複数のサーバ又はマシン(本明細書の一部ではまとめてサーバと呼ぶ)と通信するリモートデバイスを介して入力を提供することにより、一般アセットプールから選択及び削除する特定アセットの持分権を表す。適格な個人投資家及び/又は機関投資家に提供される一般アセットトークンは、一般アセットプールを構築するための資金を生み出す。一般アセットトークンの保持者は、2層トークン化プロセスを通じて、サーバによって一般アセットプールからアセット全体の一部を表す特定アセットトークンを作成する選択肢を定期的に申し出され、技術プロトコル、所有権の集中制限、及び本プラットフォームによって確立された入札及び割り当てスキーマの対象である。
【0013】
一般アセットトークンを使用して特定アセットトークンのカスタムポートフォリオを開発することにより、全てが一般アセットプールで利用可能なアセットから作成され、プラットフォームによってメモリに格納される。プラットフォームのユーザは、リスク/リターンの好みと任意のその他の投資基準を反映する所望なレベルの露出及び分散を確立できる。スマートコントラクトを利用した一般及び特定アセットへのトークン化により、従来の流動性の低いアセットタイプであっても、アセットトークンをより簡単に取引可能にし、増分を少なくすることで流動性を実現できる。さらに、本システムは、様々な機械学習及び人工知能(「AI」)ツールを使用して、取引のアイデアを推奨し、ユーザ(投資家など)間のトランザクションアクティビティを継続的に促進することにより、情報を通じて流動性を大幅に向上させる。
【0014】
本技術のマシンベースのプラットフォームはいくつかの利点を有し、いくつかの技術的な問題に対する技術的解決策を提供する。
【0015】
技術的な問題の1つは、より控えめな金融リソースを持つエンティティが大規模金融アセット又は物理的アセットの資金調達(financing)に直接参加できるようにするための技術プラットフォームがないことである。大規模アセットの資金調達への小規模な参加を可能にするプラットフォーム又は技術的解決策はない。
【0016】
本技術は、2層カスケードトークン化システムを使用してアセットのデジタル化を可能にするプラットフォームを提供することにより、この技術的な問題を解決する。サーバ上のアプリケーションによってトークンを2層にデジタル化することにより、第2の層は、格納及びアクセスできるデジタルトークンとしてアセットの持分の一部を提供し、大規模金融アセット又は物理的アセットにアクセスできないユーザは、プラットフォームに合理的且つ簡単に参加して、大規模なアセットの資金調達に投資できる。
【0017】
大規模金融アセット又は物理的アセットの資金調達に関するもう1つの技術的な問題は、アセットが従来のプラットフォームによる分散を可能にする技術に関連付けられていないことである。むしろ、大規模アセットの資金調達に投資したい投資家は、従来の銀行技術による単一の大規模な投資に限定されている。
【0018】
本プラットフォームは、プラットフォームを実装するサーバを介して、デジタル一般アセットトークンを使用してデジタル特定アセットトークンを選択的に作成できるコンピュータ化されたプロトコル及びロジックを提供することにより、この技術的問題を解決する。この選択により、プラットフォームのユーザは、プラットフォームを通じて作成及び保持されるポートフォリオをカスタマイズできる。ユーザは、プラットフォーム機能を利用することで、大規模なアセットにおいて望ましいレベルのリターン及び分散プロファイルを実現できる。これは、以前の技術では不可能であった機能である。したがって、本プラットフォームは、これまで利用できなかった技術的機能を提供する。
【0019】
本プラットフォームの追加の機能及び利点は、アセット露出の入札を民主化する入札及び割り当てスキーマの採用を含むが、これに限定されない。これは、持分のライフサイクルにわたる中間インターバルでの価格発見を可能にし、現金又はその他のアセットに簡単に交換でき、必要に応じて流動性を提供するトークンの形式での部分的なアセットの持分を可能にする。本システムは、スマートコントラクトを使用して速度を向上させ、不変のトランザクションレコードで信頼を確立する、スケーラブルな自主的なマルチパーティコラボレーションシステムであるプラットフォームを提供する。全ての国内及び海外の関係者は、本プラットフォームでデジタルトークンを使用することにより、ローカル又はリモートの権限にある金融アセット又は物理的アセットの資金調達に参加できる。プラットフォームに組み込まれ、トークンに組み込まれている技術対応のコンプライアンス及び施行の特徴により、全ての参加者及びアクティビティが、アクティブな権限の規制要件を継続的に満たすことが保証される。さらに、機械学習及び人工知能のメカニズム(総称して「AI」と呼ばれる)により、参加者は、戦略、リスク、リターン、その他の好みに一致するポートフォリオを経済的に作成し、継続的なポートフォリオの推奨を通じてアセットトークンの流動性を促進することができ、これによりユーザ間のトークンの取引を奨励する。
【0020】
場合によっては、一般アセットトークンは、アプリケーションによって一般アセットプールにマッピングされる。特定アセットトークンは、一般アセットプール内のアセットの特定アセットの一部にマッピングされる。特定アセット全体が現実/金融アセットに関連付けられている。「特定アセット全体」への参照は、現実/金融アセットの全債務の一部を指す場合があるが、特定アセット全体は、債務の本システムの目録(inventory)の100%(例えば、「全体」など)である。
【0021】
図1Aは、リモートデータストアに格納されたプロトコルを2層トークン化プラットフォームに提供するためのシステムのブロック図を示す。図1Aのシステム100は、ユーザマシン110、120、及び130、ネットワーク140、サーバ150、アドミニストレータマシン170、データストア180、及び分散型台帳マシン190を含む。ユーザマシン110~130はそれぞれ、サーバ150によって提供される2層トークン化プラットフォームのユーザに関連付けられ得る。場合によっては、ユーザは、トークンがサーバ150によって提供されるアセットへの投資家であり得る。ユーザは、例えば、ネットワークブラウザを介して提供されるウェブページ、サーバ150によって提供されるウェブページ、モバイルアプリケーション、及びユーザマシン、サーバ150上に実装される又はユーザマシン及びサーバ150上に分散される他のメカニズムなどのコンテンツページと対話することができる。
【0022】
ネットワーク140は、ユーザマシン110~130とサーバ150との間でトラフィックをルーティングし得る。ネットワーク140はまた、場合によっては、サーバ150、マシン170、データストア180、及び分散型台帳マシン190の間でトラフィックの一部をルーティングし得る。ネットワーク140は、1つ又は複数のプライベートネットワーク、パブリックネットワーク、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、セルラーネットワーク、従来の電話サービスネットワーク、ワイヤレスネットワーク、Wi-Fi(登録商標)ネットワーク、有線ネットワーク、ピアツーピアネットワーク、又はマシン間でデータを通信するのに適したその他のネットワークとして実装することができる。
【0023】
アドミニストレーションサーバ(Administration server)150は、本明細書で論じられる機能を提供する1つ又は複数のサーバを含み得る。場合によっては、アドミニストレーションサーバは、アドミニストレーションアプリケーション160が分散される複数のサーバを含み得る。アドミニストレーションサーバ150は、ネットワーク140へのインターフェースとして機能し、ネットワーク要求及び応答を処理し、1つ又は複数のアドミニストレーションサーバ150と通信することができる1つ又は複数のネットワークサーバを含み得る。
【0024】
アドミニストレーションアプリケーション160は、サーバ150(1つ又は複数の物理的又は論理的マシン又はサーバによって実装され得る)のメモリに格納され、本明細書に記載の機能を実行するためにサーバのプロセッサによって実行される1つ又は複数のモジュール、オブジェクト、及び/又はプログラムを含み得る。アドミニストレーションアプリケーション160は、図2に関してより詳細に記載されている。
【0025】
アドミニストレータマシン170は、アドミニストレーションサーバ150によって実装される2層トークン化プラットフォームの態様を管理することができるアドミニストレーションアカウントに関連付けられ得る。
【0026】
データストア180は、1つ又は複数のプロトコル185を含み得る。プロトコル185は、本明細書で説明される機能の一部を実装することができるロジック、ルール、モジュール、オブジェクト、及び/又はプログラムを含み得る。図1Aの支払いについて、プロトコル185は、アドミニストレーションサーバ150からリモートで全部又は一部で実装され得る。
【0027】
分散型台帳マシン190は、アドミニストレーションサーバ150による2層トークン化プラットフォームの提供に関するデータ、情報、更新、変更、及び他の情報を格納及び/又はログに記録するために使用され得る。場合によっては、分散型台帳マシンは、ネットワーク内のピアのネットワーク全体に実装された元帳を実装することができ、各ピアは完全な元帳のコピーを保持する(たとえば、ブロックチェーンで実装された分散型台帳)。
【0028】
図1Bは、ローカルサーバに格納されたプロトコルを使用して2層トークン化プラットフォームを提供するためのシステムのブロック図を示す。図1Aのシステム100は、ユーザマシン110、120、及び130、ネットワーク140、サーバ150、アドミニストレータマシン170、データストア180、及び分散型台帳マシン190を含む。図1Bのシステムは、プロトコル185がサーバ150に対して完全にローカルに実装され得ることを除いて、図1Aのシステムと同様である。
【0029】
図2は、2層トークン化プラットフォームを提供するためのアプリケーションのブロック図を示す。図2のアプリケーション200は、図1A及び1Bのシステムのアドミニストレーションアプリケーション160の詳細を提供する。アプリケーション200は、トークン管理210、アセットプールマネージャ220、取引エンジン230、ポートフォリオマネージャ240、支払いマネージャ250、コンプライアンスロジック260、及びプロトコル270を含む。
【0030】
トークンマネージメント210は、本技術の2層トークン化システムの一部として、一般アセットトークン及び特定アセットトークンを管理する。特に、トークン管理210は、一般アセットトークン及び特定アセットトークンに値及び持分を割り当て、特定アセットトークンを作成するために使用される一般アセットトークン、特定アセットトークンを作成するために使用された後に一般アセットトークンをリポジトリに移動すること、及びトークン管理の他の態様を管理し得る。
【0031】
アセットプールマネージャ220は、金融アセット及び現実アセットのデジタル表現を含む一般アセットプールを管理し得る。場合によっては、アセットプールマネージャ220は、プール状態を更新し、サブスクリプションイベント内の一般アセットトークンのユーザ及び特定アセットトークンのユーザによる持分権及び受益権の帰属を登録及び管理し、一般アセットトークンをリポジトリに移動し、イベントをトリガーすると、アセットプールに返されたリポジトリからの一般アセットトークンを追加し得る。
【0032】
取引エンジン230は、本システムのユーザ間の特定アセットトークンの転送を処理し得る。場合によっては、取引エンジン230は、特定アセットトークンの販売、特定アセットトークンの購入の申し出、及び本システムのユーザ間の特定アセットトークンの取引を管理し得る。
【0033】
ポートフォリオマネージャ240は、システムのユーザのためにポートフォリオを追跡し得る。場合によっては、ポートフォリオマネージャ240は、ユーザのプロファイル内の一般アセットトークン及び特定アセットトークン、ユーザのトークンに関連付けられた値を追跡することができ、ユーザがユーザの目的及び基準を満たす特定アセットトークンを選択するのを支援することができる。
【0034】
支払いマネージャ250は、ユーザ間及びユーザとプラットフォームとの間の支払いを処理し得る。場合によっては、支払いマネージャ250は、タスク及び操作を実行するためにユーザによってプラットフォームに支払われる料金、ユーザによって他のユーザに支払われる保険料、及び本システムによって処理される他の支払いを処理し得る。元金及び利息を支払うアセットの場合、支払いマネージャは、一般アセットトークンのユーザ又はそのような支払いに有益な利息を保持している特定アセットトークンのユーザへの元金及び利息の送信を定期的に計算、処理、及び記録し得る。
【0035】
コンプライアンスロジック260は、本システムが、必要な権限(jurisdiction)内の規制、法律、及び税の制約に準拠して動作することを保証するためのロジックを含み得る。プロトコル270は、本明細書で説明される機能の一部を実装することができるロジック、ルール、モジュール、オブジェクト、及び/又はプログラムを含む。プロトコル270は、図3に関してより詳細に議論されている。
【0036】
図3は、プロトコルモジュールのブロック図を例示する。図3のプロトコルモジュール300は、図1A及び1Bのプロトコル185及び195、及び図2のプロトコル270の詳細を提供する。プロトコル300は、アセット発見及びポートフォリオ作成310、適所証券化(securitization in place)320、2層アセットデジタル化330、カスケードトークン340、ポートフォリオマネージャ350、交換(exchange)360、保管(custody)370、コンプライアンス及びデータコンジット380、及び分析390を含む。
【0037】
アセット発見及びポートフォリオ作成(AD/PC)310は、一般アセットトークンを作成し、究極的にアセット購入の実装(onboard)のための資金を調達し、新しいアセットを実装(onboard)するように機能する。AD/PCプロトコルは、アセットのデジタル表現を作成するためにアセットの属性を定義し(アセットトークンの生成など)、ルールを埋め込み、一般アセットプールから一般アセットトークンのタスクを排出し、完了ルールを設定し、参加ウィンドウのタイムテーブルを設定し、一般アセットトークンの状態を設定し、それ以外の場合は、一般アセットトークンを管理する。
【0038】
適所証券化(SIP)320は、証券化トークン作成プロトコルを含む。SIPプロトコルは、要求に応じて特定アセットトークンを作成する。これは、一般プールからの特定アセットの割合を表す。SIPプロトコルは、トークンがターミナルバリュー(terminal value)に達したとき、又はそうでなければその他の方法で削除条件を満たしたときに、プラットフォームエコシステムから特定アセットトークンを削除することを提供することもできる。
【0039】
2層アセットデジタル化330は、ユーザがデジタルアセットと対話するための2層ブロックチェーンフレームワークを提供する。カスケードトークン340は、定期的な間隔及びローリングベースの両方で、ユーザ及びアセット生成部が互いに対話するためのルールを含む。ポートフォリオ管理350は、ユーザが自主投資を管理するための一連のプロトコルである。交換360は、定期的及びローリングベースの両方で、ユーザが互いに及びプラットフォームと対話するためのルールを含む。
【0040】
保管370は、持分権及び取引を保持、許可、登録、記録し、クライアントの現金及びトークン化された証券の処理を管理するための一連のプロトコルを含み、保護のための新しく作成されたトークンのホット及びコールドストレージと、既存の現金及びトークンの預け入れと、購入、販売、及び決済に関連する転送と、を含む、
【0041】
コンプライアンス及びデータコンジット380は、ネットワーク上でイベント及びイベントデータを記録し、ガバナンスのためにデータを抽出し、ガバナンス及び実行スキーマ(例えば、入札及び割り当てスキーマ)を実施することによって、規制事項及び内部制御へのコンプライアンスをアクティブに保証するロジックを含む。重要なことに、380は、オンチェーン(分散型台帳システムなど)及びオフチェーン(サーバ又はローカルデータストアなど)のソースからデータを要求及び交換するためのデータコンジットである。
【0042】
分析390は、ポートフォリオモニタリング、リスク評価、シナリオ分析を含むポートフォリオツールのスイート(suite)であり、AI及び機械学習の概念を使用して、外部データ及びデータ抽出を利用し、ユーザ定義の投資目的に従って推奨事項を作成する。
【0043】
場合によっては、アプリケーション200のモジュール210~260を実装するためにプロトコル300の少なくとも一部が使用され得る。場合によっては、プロトコルは、図2のアプリケーション200のモジュール210~260によって実装され得る。プロトコルモジュール300のプロトコルは、以下でより詳細に議論される。
【0044】
図4は、2層トークン化プラットフォームを提供する方法を例示する。ステップ410で、ユーザアカウントが2層トークン化プラットフォームに追加され得る。場合によっては、ユーザは最終的に一般アセットトークンと特定アセットトークンとの両方に関連付けられ得る。ユーザアカウントは、ユーザクレデンシャル、ユーザ投資目的データ、連絡先データ、及びユーザの他のデータを含み得る。
【0045】
ステップ415で、一般アセットトークンは、アプリケーションユーザのために起動され得る。場合によっては、ユーザは一般アセットトークンの持分を取得するために料金を支払い得る。そのため、各一般アセットトークンは値に関連付けられている。起動後、ステップ420で、アプリケーションは、金融アセット又は物理的アセットのデジタルバージョンを作成することにより、アセットを一般アセットプールに追加する。そのように作成された一般アセットプールの保持及び値は、ステップ425で更新され、一般アセットトークンのユーザは、一般アセットプールの一部の持分権及び受益権を登録する。一般アセットプールの保持は、一般アセットトークンの初期の発行及びその後の一般アセットトークンの販売からの収益を使用してシステムアドミニストレータによって取得されたアセットを含み得る。各一般アセットトークンの保持者は、一般アセットプールの値に対する比例配分権を有する。これは、その後デジタル形式で表される取得したアセットの値に基づく。
【0046】
一般アセットトークンの生成は、アセット発見/ポートフォリオ作成(AD/PC)プロトコルに従って進めることができる。AD/PCプロトコルは、アセット購入の実装、新しいアセットの実装、各アセットを表す同種のデジタルアセットの作成、ルールの埋め込み及び一般アセットトークンタスクの実行、完了ルールの設定、キャストイベントのタイムテーブルの設定、一般アセットトークンの状態の設定、及びそうでなければ一般アセットトークンの管理によって、一般アセットトークンを作成する。AD/PCプロトコルは、アセット生成部と投資家との間のタスク及びデータの対話である。AD/PCプロトコルは、アセット生成部とユーザとの間の別のルールセットであるカスケードトークンプロトコルと一緒に実行される。これは、AD/PCプロトコルからの切り替えメカニズムによってアクティブ化され、一般アセットトークンの状態を制御するAD/PCに結果を返す。
【0047】
AD/PCプロトコルは、それぞれの特定アセットを本フレームワークエコシステムに実装するための基盤である。それぞれの特定アセットが同種のデジタルアセットタイプとして電子的に定義される前に、AD/PCプロトコルは、法的権利及び義務をスマートコントラクトに組み込むことができる要素に変換する。まとめると、同種のデジタルアセットのプールは一般プールに属し、その経済的価値は、原アセット(underlying asset)に比例した割合の一般アセットトークンの目録の作成を支援する。同種のアセットタイプは、金融アセット、物理的アセット、又はアセットのプールであり得る。同等の各ユニットは同一の権利及び義務を有することになる。AD/PCプロトコル契約の定義は、アセットの契約上の権利及び義務の完全な初期値を一般プールの保持者に割り当てることから始まる。AD/PCプロトコルは、特定アセットのタイプ及び権限の規制に準拠するための一般アセットトークンの提供も登録する。登録により、本フレームワークは、アセット購入のために大規模な投資家グループから法定通貨でプールされた資金を調達するための一般アセットトークンを提供することができる。その後、キャストイベントと呼ばれる定期的な間隔で、一般アセットトークンを保持する投資家は、一般アセットトークンを使用してサブスクリプション要求を開始し、特定アセットトークンを作成し、特定アセットトークンのカスタムポートフォリオを構築し得る。カスタマイズされた組み合わせは自己主導型であり、後で説明するAIプロトコルの本フレームワークによって作成された利用可能なAIガイド付き推奨ツールを使用する。
【0048】
一般アセットトークンは、エバーグリーン(evergreen)であるか、又は永続的に存在する。しかし、一般アセットトークンは、リポジトリ内でアクティブ又は「凍結」され得る。リポジトリは、保持者が本システムでタスクを実行するために一般アセットトークンの全て又は増分を放棄するたびに、一般アセットトークンを格納する。リポジトリは、凍結された一般アセットトークンを保管するためのウォレットとして機能する。ウォレットに入る一般アセットトークンは凍結としてマークされる。その後、リポジトリ内の一般アセットトークンは、アセット購入の次のラウンドのために追加の資金を調達するためのオファーを介して再アクティブ化され得る。
【0049】
一般アセットトークンは、ユーザに販売されるとアクティブになり、報酬の比例配分を受け取る(主に、ただし排他的ではないが、元本及び利息)。本フレームワークは、特定アセットトークンのポートフォリオを確立するための支払いとして一般アセットトークンを収集し、収集された一般アセットトークンをリポジトリに格納する。一般アセットトークンは、部分的又は完全に使用され得る。一般アセットトークンの保持者が一般アセットトークンを使用してカスタムポートフォリオを作成すると、保持者は新しく作成された特定アセットトークンを所有するようになり、原契約(underlying contract)は、保持者が特定アセットトークンを以前に所有していた元の一般アセットトークンに戻すことを許容しないであろう。リポジトリ内の一般アセットトークンは、追加のアセット購入のために追加の資金を調達するために後日オークションにかけられ得る。後日オークションにかけられると、一般アセットトークンがリポジトリから再アクティブ化される。
【0050】
事実上、AD/PCプロトコルは、適格なユーザ(投資家など)が多様なアセットに従事することを可能にし、資金のプールを通じて購買力の質を大幅に向上させる。そうすることで、AD/PCプロトコルは、必要な人員を圧縮し、投資家により多くの制御及び選択肢を提供し、同時に複数のタスクをより効率的に実行することを可能にする。
【0051】
アナログの世界の投資家は購買力のためにリソースをプールすることもできるが、AD/PCプロトコルは、特に、公開されていない、又は見つけやすいわけではなく、特権アクセスを必要とすることが多いアセットのクラスを不明瞭にするために、投資可能なアセットへのアクセスを民主化(democratize)する。さらに、従来の投資ファンドは、制御、投資家向け広報アクティビティの考慮事項、及びコスト/運営の複雑さによって、プールされた投資家にアセットの組み合わせをカスタマイズする機能を提供していない。AD/PCプロトコルは、複数のマシンに分散型台帳を含むブロックチェーン技術を使用しており、従来のアセットマネージャによる万能型アプローチとは対照的に、各投資家は利用可能なアセットからカスタマイズされた投資ポートフォリオを作成できる。
【0052】
さらに、一般アセットトークン情報管理は、より動的、効率的で豊富である。各一般アセットトークンの「スマートコントラクト」は、カスタムポートフォリオの確立に使用できる場合、比例配分、選択できるアセットのプール、特定アセットトークンを作成する代わりにリポジトリに戻す一般アセットトークンの転送、及び本フレームワークによって制御される凍結/再アクティブ化スイッチを含む、トークンを消費するための承認に関する情報を含む。
【0053】
特に、一般アセットトークンの権利及び義務は、プラットフォーム報酬プログラムへの権利を含む。一般アセットトークンの値は、未請求のアセットを含むユーザネットワークの値に基づいている。ネットワークは、アクティビティ及び未請求のアセットから収益を受け取る。一般アセットトークンの保持者は、プラットフォームネットワークのルールに従って、アクティビティを実行し、ユーザネットワークのメンバーになることで報酬を受け取ることもできる。
【0054】
AD/PCプロトコルは、いくつかの機能を実行し、永続的であり、一般アセットトークンの状態によって導かれる。機能は、許可されたブロックチェーンの対話及び検証プロトコルと、原一般アセットトークンの権利及び義務を含むスマートコントラクトの作成と、一般アセットトークンの発行及び販売と、一般アセットトークンの資金調達メカニズムへのフィアット(fiat)と、を含む。AD/PCプロトコルは、調達額がいつ満たされたかを判断することができ、アセット購入がいつ満たされたかを判断することができ、イベントをキャストするためのタイムテーブルを設定することができる。AD/PCプロトコルは、ブロックチェーンのスマートコントラクトによって管理された、支払いと、許可されたブロックチェーン上での一般アセットトークンの持分の登録及び保管と、一般アセットトークンの状態のブロックチェーン対応の動的記録と、許可されたブロックチェーン上でのリポジトリからの一般アセットトークンの追加及び削除のブロックチェーン対応の管理と、に対する報酬プロトコル(元本及び利息など)と、カスケードトークンプロトコルと対話するためのプロトコルと、を含む。AD/PCプロトコルは、さらに、ユーザ(つまり投資家)のKYC/AML、ID、及び外部アカウントを管理し、新しい一般アセットトークンを販売するか又は将来のラウンドで既存の一般アセットトークンをオークションにかけ、法定通貨で資金を調達し、一般アセットトークンを使用して条件に応じて特定アセットトークンを作成し、一般アセットトークンの保持者の持分をアクティブに記録することができる。
【0055】
図4の方法に戻ると、ステップ430で、特定アセットトークンが作成されることができる。一般アセットトークンを使用して、特定アセット全体の一部を表す特定アセットトークンを作成することができる。一般アセットトークンからの特定アセットトークンの作成は、キャストイベント中に一般アセットトークンを所有する1又は複数のユーザからのサブスクリプション要求の受信と、特定アセットトークンを受信するユーザからのプレミアムの受信と、割り当ての生成と、一般アセットプールから一般アセットトークンを削除してリポジトリに一般アセットトークンを配置することによる一般アセットトークンの「凍結」と、を含む。
【0056】
一般アセットトークンの保持者は、選択肢をシステムから定期的に提供され、キャストイベントと呼ばれるタイムテーブル中に、トークンを使用してカスタムポートフォリオ内の露出(exposure)を確立又は調整することになる。各キャスティングイベントで、一般アセットトークンの保持者は、他の人がまだ請求していない一般プール内の利用可能なアセットの持分出資金(ownership stake)を定義するサブスクリプション要求を提出することにより、その一般アセットトークンを使用して特定アセットトークンのポートフォリオを確立することを選択することができる。特定アセットトークンは、参加したい各特定アセットの持分の割合を表す(債券CUSIPと同様に)。サブスクリプション要求は、ユーザの一般アセットトークンの持分権の全部又は一部をカバーすることができる。キャストイベント毎に、一般プールで使用可能なアセットは時間の経過とともに異なることになる。これは、新しく追加されたアセットと、前のキャストイベントの後に残った一般プールアセットとで構成されるように更新されるためである。
【0057】
サブスクリプション要求が投資家のプール全体に持分を再割り当てするため、特定アセットへの出資を増やしたい参加者は、場合によっては、その一般アセットトークンの値の一部を一般プールの値に与えることで、他の一般アセットトークンの所有者にプレミアムを提供できる。次に、民主的な入札及び割り当てスキーマに基づいて割り当てが行われ、発表された参加ウィンドウの開始及び終了の日/時刻内に受信した入札に適用される。入札及び割り当てスキーマは、オランダのオークションプロセスに基づいて、最高入札額による割り当て及び最低清算価格による決済を優先する割り当てのルールを提供する。入札及び割り当てスキーマは、システムのガバナンスルールに従って時間の経過とともに変更できる。
【0058】
(サブスクリプション要求で定義される)新しく作成された特定アセットトークンの値と入札プレミアムとの合計は、一般アセットトークンの保持者の初期の出資金と等しくなることができる。たとえば、原アセットXは200ドルの値であり得る。発行時に、システムの10名のユーザは、一般アセットトークンの基となる一般プールを介して、アセットX毎に20ドルの出資金を有することができる。25%の持分制限が適用される場合、4名のユーザがアセットXの特定アセットトークン毎に50ドルを作成するために入札し得る。その後、アセットXは完全にサブスクライブされ、アセットXに対してこれ以上特定アセットトークンXを作成できなくなる。将来、特定アセットトークンXを購入しようとしている別のユーザは、法定通貨を使用するか、又は特定アセットトークンXと他のシステムの特定アセットトークンの交換を交渉することによって購入できるが、現在の特定アセットトークンXの1つの保持者が特定アセットトークンXの持分権を売却したいと考えている場合に限る。
【0059】
4名のユーザがアセットXへの集中度を高めるために、一般アセットトークンの発行時に、他のアセットへの出資金をその比例配分の露出(pro-rata exposure)から減らす必要がある。4名のユーザは、プール内の他のユーザに、アセットXの露出を削減(又はこの例では完全に終了)し、入札プレミアムを提供することにより他の残りのアセットの露出へのより高い集中を受け入れるように誘導することしかできない。入札プレミアムは向上するが、ユーザ(つまり投資家)のサブスクリプション要求が受け入れられることを保証するものではない。割り当ては、入札及び割り当てスキーマに基づいて行われる。
【0060】
上記のように、システムプラットフォームは、アセットXの完全又は部分的な証券化(securitization)を可能にする。アセットXをサブスクライブするユーザが1名だけの場合でも、アセットX用に50ドル(又はそれ以下)のアセットトークンXを1つ作成して、アセットXの150ドル相当(又は75%)を未請求のままにすることができる。値は一般アセットプールに残り、持分出資金は残りの一般アセットトークンに再割り当てされる。未請求のアセットXの75%は、完全にサブスクライブされるまで、ユーザ(つまり投資家)が将来のキャストイベントで請求できるようになる。言い換えると、従来の証券化とは異なり、ユーザが特定アセットトークンXの作成を開始するために、アセットXの値全体をサブスクライブする必要はない。
【0061】
単一の一般アセットトークンの保持者は、システムのガバナンスルールによって定義されて入札及び割り当てスキーマに適用される制限までのみ、特定アセットトークンを作成及び所有できる。ユーザ(つまり投資家)が全体として、原アセットの値よりも具体的なアセットトークンを作成することはできない。特定アセットトークンを作成するために様々な一般アセットトークンの保持者から受け取った要求の合計が原アセットの値を超える場合、特定アセットトークンは「オーバーサブスクライブ(oversubscribed)」される。これが発生すると、特定アセットトークンの作成は、原アセットの完全な持分が割り当てられるまで、入札及び割り当てスキーマに従って割り当てられる。そのアセットにおける任意の未履行のサブスクリプションの出資金は、未使用の一般アセットトークンと同等額で残されるであろう。
【0062】
一般アセットトークンの保持者が一般アセットトークンを使用してカスタマイズされたポートフォリオを作成すると、保持者は新しく作成された特定アセットトークンを所有し、特定アセットトークンを以前に所有していた元の一般アセットトークンに戻すことはできない。システムは、特定アセットトークン(及び関連付けられたプレミアムの入札)を作成するための支払いとして使用される一般アセットトークンの金額を凍結し、廃止された一般アセットトークンをリポジトリに格納する。システムリポジトリは、ユーザ(つまり投資家)がシステムでタスクを実行するために一般アセットトークンの全て又は増分を放棄するたびに、一般アセットトークンを格納する。リポジトリは、凍結された一般アセットトークンを保管するためのウォレットとして機能する。ウォレットに入る一般アセットトークンは、凍結としてマークされる。その後、別のラウンドのアセット購入のために追加の資金を調達するための追加の申し出を実行するために、リポジトリ内の一般アセットトークンが再アクティブ化され得る。
【0063】
プラットフォームは、保持されている一般アセットトークンの合計(アクティブ)と、特定アセットトークンを作成するために使用されている一般アセットトークンの合計(凍結)と、アクティブな一般アセットトークン及びアクティブな特定アセットトークンの値とを追跡するであろう。アクティブな一般アセットトークン及びアクティブな特定アセットトークンは、原アセットの残存している値に基づく基本的な値と、取引アクティビティによって確立され、基本的な値に対してプレミアム又はディスカウントされ得る市場価格とを有する。アクティブに保持されている一般アセットトークンの基本的な値(fundamental value)は、特定の時点での償却を差し引いた一般プール内の未請求アセットの値によって裏付けられる。アクティブな特定アセットトークンの基本的な値は、一般アセットプールから削除され、キャスティングイベント用に確立された入札及び割り当てスキーマに従って作成され、特定の時点での償却を差し引いた請求アセットの値によって裏付けられる。特定アセットの場合、その基本的な値の合計は、その特定アセットのアクティブな特定アセットトークンの合計値に、一般アセットトークンで表される未請求の一般プールに残存している特定アセットの同等の値を加えたものに等しくなる。プラットフォームはこの結合された値を追跡し、その結果、アクティブな特定アセットトークンと単一のアセットのアクティブな一般アセットトークンの同等の量とがカウントされたときに、各アセットが過大又は過小に表示されない。
【0064】
たとえば、排他的ではないが、システムの初期の市場の焦点などの米国のインフラストラクチャのプロジェクトの商用ユースケースでは、一般アセットトークンと特定アセットトークンの基となる値は、原アセットの償却により、時間の経過とともに変化する。この例では、一般アセットトークン及び特定アセットトークンは、ローンの満期時又は満期前に、一般プール又は特定アセットのいずれであっても、インフラストラクチャのプロジェクトの金融ローンに関連付けられているため、そのローンは借り換えられるか又は条件に達し得る。原アセットのローンが全額返済されると、特定アセットトークンが焼却される(burned)であろう。同様に、アセットへの残りの帰属は、一般アセットトークンでゼロに減少するであろう。
【0065】
特定アセットトークンの作成については、図5の方法に関して詳細に議論される。
【0066】
ステップ435で、ユーザ間のトークン転送がアプリケーションによって処理され得る。特定アセットトークンの転送は、メンバーが開始したトークンの販売、メンバーが開始したトークンの購入、又はメンバーが開始したトークンの取引を含み得る。トークン転送の処理の詳細については、図7の方法に関して議論される。
【0067】
ステップ440で、ユーザの支払いが生成される。場合によっては、プラットフォームの管理者がローンアセットを取得すると、一般アセットトークン及び特定アセットトークンの保持者は、報酬と呼ばれるアセットからキャッシュフローを受け取る。特定アセットトークンの保持者は、保持している特定アセットトークンによって表される特定の原アセットからキャッシュフロー(ローン元本及び利息の支払いからネットワーク料金を差し引いたもの)を受け取る。同様に、一般アセットトークンの保持者は、未請求アセットの一般プール内のアセットの比例配分のシェアからキャッシュフロー(たとえば、ローンの元本と利息の支払い、ユーザに請求される可能性のある料金を差し引いたもの)を受け取る。さらに、キャスティングイベントに続いて、一般アセットトークンの保持者及び特定アセットトークンの保持者は、成功したサブスクリプション要求によって支払われた入札のプレミアムを反映する追加の持分出資金の形で報酬を受け取り得る。支払いは、たとえば月次、四半期、年次、臨時の方法、又はその他の期間など、システムによって定期的に分散され得る。
【0068】
場合によっては、金融サービスを提供してそのようなサービスを提供するためにユーザ及びカウンターパーティに支払いを送受信するために、本システムは、全ての潜在的な参加者に対してKYC/AML(Know Your Customer/Anti Money Laundering)レビューを実施し、ユーザが資格要件を満たしていることを確認するシステム及び関連する規制によって確立されることになる。システムプラットフォームは、ブロックチェーンアプリケーション(及び場合によっては他のタイプのアプリケーション)を備えたサードパーティを利用し、プラットフォームは参加者のIDに関する情報にアクセスして更新できるようになる。
【0069】
KYC/AML要件を満たして最高の規制基準を満たすことにより、本システムは、特に、プラットフォームの参加者及びローンの借り手からの法定通貨(USDなど)での支払いの受け取り、並びにローンの売り手及びプラットフォームの参加者の指定された銀行口座への支払い(例えば、ユーザへの元本及び利息、及び取引を清算するためのユーザからの交換料金)など、その送金のニーズのために銀行及び他の金融機関とやり取りできることになる。
【0070】
ステップ445で、アセット情報及びアプリケーション記録がアプリケーションによって分散型台帳に格納される。本システムは、分散型台帳アーキテクチャを使用して、アセットの購入及び処分、トークンのトランザクション、並びに支払いの記録を格納し得る。
【0071】
ユーザは、2層のデジタルアセット1(DA1)及びデジタルアセット2(DA2)のプロトコルによって概説される、2層のブロックチェーンフレームワークを介してアセットと対話できる。本システムは、ユーザが投資可能なアセットと新しい方法で対話するための2層のブロックチェーンフレームワークを利用している。DAは、デジタルアセットとユーザ(つまり投資家)との間のタスク及びデータの対話である。DA1は、同種タイプのアセット(「アセット」)との対話を可能にするプロトコルの第1のセットを含む。DA2は、これに基づいて構築されており、特定アセット全体から派生した特定アセットの一部の組み合わせ(「ポートフォリオ」)との対話を可能にするプロトコルの第2のセットを含む。
【0072】
デジタルアセットプロトコルは、対話ノードを再シーケンス化して動的な豊富なデータ処理プロトコルを定義することによりプロセス及びリソースの要件を合理化し、悪名高いアセットが豊富でリソースが不足している投資ファンドモデルに長い間必要とされていた効率をもたらす。
【0073】
DA1及びDA2は、ユーザが求める投資を特定するための可視性と、それらの投資を取得及び管理する能力とを大幅に向上させる。許可されたブロックチェーン上のカウンターパーティ及びその他のアセットに対するアセットのリアルタイムマップは、多くのステークホルダがアセット生成部、ユーザ(つまり、投資家)、ポートフォリオマネージャ、規制当局、税務署、及び会計としての機能をより効果的に実行するのに役立つ。全てのタイプの投資家は、最小の投資額要件、特権アクセス、及び認識のために歴史的に到達できなかった、これらの投資可能なアセットへの民主化されたアクセスを有することができる。これで、許可された全てのステークホルダ(ユーザ、アドミニストレータなど)は常に、アセットに関するマッピングツール及びエコシステム全体の参加により改善された透明性を有することになり、勢力の均衡に前向きな変化を提供する。
【0074】
多くの改善及び革新の中で、ブロックチェーン対応のデジタルアセットは、発見可能性の促進、トランザクション品質の向上、カウンターパーティのリスクの削減、透明性の提供、カスタマイズの有効化、交換の促進、コンプライアンスの組み込み、アセットデータ及び履歴の強化、検証の合理化、カスタマイズの促進、流動性の解放情報を提供し、正確で動的な記録管理を促進し、AIに基づく投資を促進する。アセットに関するDA1及びDA2はそれぞれ、コンプライアンスプロトコルに必要なロジックを管理するいくつかの機能要素で構成されている。これらの機能要素の一部は、パブリックブロックチェーン及び許可されたブロックチェーンの対話及び検証プロトコル、様々なタイプのアセットに関するブロックチェーン対応の許可及びユーザ(投資家など)の適格性ルール、許可されたブロックチェーン上の様々なタイプのアセットの動的な説明、アセットの許可されたブロックチェーンへのコンプライアンス、許可されたブロックチェーン上のカウンターパーティ及び他のアセットに対するアセットのリアルタイムマップ、アセットを発見するための自主発見プロトコル、特定のパラメータセット、アセットを特定するための支援された検出プロトコル(場合によっては、人工知能によって駆動される)、許可されたブロックチェーンでのトークントランザクションの検証、パブリックブロックチェーンでのトークンのデジタル登録及び保管、パブリックブロックチェーンのアセットのトランザクション履歴の動的な記録保持、プラットフォームシステムマネージャによるアセットの購入及び処分を記録する分散型台帳アーキテクチャ、トークンの供給、一般アセットトークン及び特定アセットトークンの保持者のシステムによるトランザクション、並びにトークンの保持者への元本及び利息の支払いを含み得る。
【0075】
場合によっては、許可されたブロックチェーン及びパブリックブロックチェーンでの現金及びトークン化されたアセットの制御、保管、及び保護は、保管プロトコルのロジック、ルール、及び機能によって制御される。
【0076】
保管プロトコルは、ブロックチェーン技術を使用して、アセットの作成からライフサイクルの終了までのライフサイクルにわたって現金及びトークン化されたアセットを保護する。アセット及びトランザクションのライフサイクルにわたって現金及びトークン化されたアセットを保護する機能は、他のプラットフォームプロトコルの1つで説明されているアクティビティを実行するために、デジタルアセットの作成、登録、及び持分権をカプセル化する。保管プロトコルは、アセット生成部、デジタルアセット、ユーザ(投資家など)、他のユーザのネットワーク、運用の居住地における関連ルール(保管ルールなど)の遵守を確保するための規制当局などの全てのオペレータの間のアセットの取り扱い及び転送に関するルールを含む。
【0077】
プロトコルは、持分権及びトランザクションを保持、許可、検証、登録、記録し、新しく作成されたトークン、既存の現金及びトークンの預金、購入、販売、決済に関連する転送を含む、クライアントの現金及びトークン化された証券の処理を管理するためのメカニズムをカバーしている。これは、現金及びトークン化された証券の所有者の検証及び許可、並びにそのようなアセットの所有者間のトランザクションを開始及び決済する参加者の検証及び許可を含む。
【0078】
保管プロトコルは、交換用の全ての技術モジュールの対応するルール(counterpart rule)と、保管特有の追加要素と、を含む。ルール及び要素は、パブリックブロックチェーンと許可されたブロックチェーンの対話及び検証プロトコル、ユーザKYC/AML、ID、外部アカウントの管理、イベントを記録する分散元帳アーキテクチャとの調整、システムマネージャによるアセットの購入及び処分の履歴、トークンの供給、一般アセットトークン及び特定アセットトークンの保持者によるトランザクション、トークンの保持者への元本及び利息の支払い、交換を管理するルールとの調整、許可されたブロックチェーンへの常駐及び更新、並びにパブリックブロックチェーンでの公開のための許可されたブロックチェーンからの価格設定及びエイジングデータの受信を含む。ルールは、トランザクションの検証、トランザクションの取り消し、カウンターパーティの義務、並びに秘密鍵及び公開鍵の管理及び使用に関係することができる。鍵は、ブロックチェーン上のトランザクションのユーザアドレスへのアクセスを保護するための暗号化手法に使用される。ルール及び要素は、配信及び決済メカニズム、サイドブロックチェーン及び物理ストレージでのデジタルストレージ、完了したトランザクションのパブリックブロックチェーンでのデジタル登録、トークン化されたアセットの登録、トークン化されたアセットの持分権の登録、サイドブロックチェーンへの書き込みの許可及び検証、バランスシートの検証、及びアセット所有者に代わって様々なトランザクションを開始すること、トランザクションの許可及び検証、全てのアセットの転送、アセット保持者に代わって様々なトランザクションを起動すること、並びにトランザクションの起動、検証、及び決済に必要な取引及び決済パラメータの決定を含むことができる。
【0079】
図4の方法に戻ると、ステップ450で、アクティブな一般アセットトークン及びアクティブな特定アセットトークンの値が更新される。アクティブに保持されている一般アセットトークンの基本的な値は、特定の時点での償却及びネットワーク料金が差し引かれた一般プール内の未請求アセットの値によって裏付けられている。この値は時間とともに変化し、本システムでは定期的に更新される。特定アセットトークンの基本的な値は、キャストイベント用に確立された入札及び割り当てスキーマに従って作成され、特定の時点での償却及びネットワーク料金が差し引かれた一般アセットプールから削除された請求済みアセットの値によって裏付けられる。この値は時間とともに変化し、本システムでは定期的に更新される。プラットフォーム上のアセットの基本的な値の合計は、全てのアクティブな特定アセットトークンの値に、未請求の一般プールのアセットと同等の値を加えたものである。
【0080】
ステップ455で、凍結された一般アセットトークンが再アクティブ化され、一般アセットプールに追加される。場合によっては、一般アセットトークン生成の第2ラウンドが実行され、一般アセットトークンが一般アセットプールに追加される。場合によっては、以前に提供されたものからの一般アセットトークンがまだ一般アセットプールにある場合、これらの一般アセットトークンを使用して特定アセットトークンを作成し、又は新しい一般アセットの値に基づいて新しい値を割り当てることができる。これは、図8の方法に関してより詳細に議論される。
【0081】
ステップ460で、コンプライアンス検証が実行される。場合によっては、コンプライアンス検証は、コンプライアンスプロトコルに従って少なくとも部分的に実行される。コンプライアンスプロトコルは、ネットワーク上でイベント及びイベントデータを記録し、ガバナンス用のデータを抽出し、ガバナンス及び実行スキーマ(入札及び割り当てスキーマなど)を適用することにより、規制事項及び内部統制へのコンプライアンスをアクティブに保証するための全てのロジックを確立する。コンプライアンスプロトコルは、会計委員会(accounting board)によって設定された一般的な運用仕様、証券規制、技術標準、及びその他の要件に一致するようにロジックをアクティブに調整する。コンプライアンスプロトコルを実行した後、プロセスはステップ420にループバックし、それにより、新しいアセットを預け入れて、時間の経過とともに累積的な一般アセットプールを増大させることができる。したがって、ステップ425での一般アセットプールの更新は、新しいアセットの後続のサイクルをプールに追加することと、リポジトリからの再アクティブ化された凍結一般アセットトークンの販売で受け取った収益で取得することと、以前のサイクルで作成された特定アセットトークンにマッピングされた以前の一般アセットプールのアセットを差し引くことと、を含み得る。これは、定期的に、又は一般アセットの再アクティブ化若しくは一般アセットトークンの特定アセットトークンへの変換などの1つ若しくは複数のイベントに応答して、実行され得る。
【0082】
ガバナンス、コンプライアンス、及び内部統制のこの能力において、コンプライアンスプロトコルは、監査者、規制当局、委員会メンバー、及び管理者などの関連する参加者の範囲を含むための許可鍵及び検証体制を必要とする。コンプライアンスプロトコルは、オンチェーンデータとオフチェーンデータとの間の交換メカニズムとして機能し、当事者間の外部データ及び内部データの要求をキュレートすることになる。
【0083】
コンプライアンスプロトコルは、本システムの運用権限でコンプライアンスプラットフォームを確立するのに役立ち、パブリックブロックチェーン及び許可されたブロックチェーンの対話及び検証プロトコル、法務モジュール、監査人モジュール、KYC/AMLモジュール、不正監視モジュール、入札及び割り当てスキーマモジュール、デフォルト及び再構築モジュール、企業財務モジュール、保管及び取引モジュール、受託者モジュール、及び特別目的事業体SPVモジュール(special purpose vehicle SPV module)を管理、実装、及び/又はアクセスし得る。
【0084】
図5は、特定アセットトークンを作成する方法を示す。図5の方法は、図4の方法のステップ430の詳細を示す。最初に、ステップ510で、キャスティングイベントがアプリケーションによって起動される。キャストイベントは、一般アセットトークンを使用して特定アセットトークンを作成しようとしている一般アセットトークンの保持者のサブスクリプションプロセスの開始を示す。
【0085】
次に、ステップ515で、アプリケーションによって一般アセットトークンを所有するユーザから1つ又は複数のサブスクリプション要求を受信することができる。サブスクリプション要求は、他の一般アセットトークンの保持者によって要求されていない、一般プールで利用可能なアセットの持分出資金を定義する。サブスクリプション要求は、一般アセットトークンの持分出資金の全部又は一部からなされ得る。一般アセットトークンの保持者は、一般アセットトークンを使用して、特定アセットトークンを作成するためのプロトコルを開始できる。一般アセットトークンの保持者は、その露出を調整する特定アセットトークンにサブスクリプション要求を送信することで、キャストイベント中にカスタムポートフォリオで露出を調整できる。場合によっては、特定アセットトークンは、ユーザが参加したい各特定アセットの持分のシェアを表す。
【0086】
ステップ520で、サブスクリプション要求に関連付けられたユーザからプレミアムを受け取ることができる。場合によっては、参加者は、他のユーザの一般アセットトークンの値に彼らの一般アセットトークンの値の一部を与えることによって、他の一般アセットトークンの保持者にプレミアムを提供し得る。
【0087】
特定アセットトークンの割り当ては、ステップ525でのサブスクリプション要求に応答して、アプリケーションによって生成され得る。特定アセットの割り当ては、財務で十分に受け入れられ且つ十分にテストされた手順を使用して実装され得る。特定アセットトークンを割り当てるための詳細は、図6の方法に関して議論される。
【0088】
ステップ530で、一般アセットトークンは、特定アセットトークンの生成された割り当てに応答して、アクティブな状態のトークンから削除され、リポジトリに移動され得る。一般アセットトークンの状態又は「凍結」の変更は、値をゼロに減らすことと、アクティブな母集団から一般アセットトークンを削除することと、凍結された一般アセットトークンをリポジトリに移動することと、を含む。一般アセットトークンを一般アセットプールからリポジトリに移動することにより、一般アセットトークンは、特定アセットトークンの作成に使用された後に「凍結」される。ステップ535で、プレミアムは、新たに作成された特定アセットトークンの決済において、新たに作成された特定アセットトークンの保持者から一般プール内の他のユーザに分配される。このステップにより、特定アセットトークンを作成するための決済方法が完了する。
【0089】
場合によっては、適所証券化(SIP)プロトコルを使用して、特定アセットトークンを作成及び管理する。SIPプロトコルは、要求に応じて特定アセットトークンを作成し、ターミナルバリューに到達するか、又はそうでなければ削除条件を満たすアセットトークンのエコシステムをスイープ(sweep)又はクリア(clear)する。SIPプロトコルは、アセット生成部とデジタルアセットとの間のタスクとデータとの対話をカバーする。SIPプロトコルは、アセットの値がユーザによって作成された特定アセットトークンに完全に割り当てられるまで、及びアセットがそのライフサイクルの終わりに達するまで、カスケードトークンプロトコル(以下を参照)から指示を受け取って特定アセットトークンを作成するとアクティブ化される。
【0090】
サブスクリプション要求が(ガバナンス、持分権の制限、並びに入札及び割り当てのスキーマに従って)割り当てられて価格が設定されると、SIPプロトコルは、特定アセットの部分的な持分を表す特定アセットトークンの作成を開始する。特定アセットトークンは、特定の状況下で、そのアセットのSIPプロトコルルールによって確立された増分でのみ作成されることができる。そのように作成された持分権の端数は、原アセットの持分出資金を反映する比率において比例配分の権利及び義務を有する特定のユーザに値を割り当てる。
【0091】
一般アセットトークンの保持者は、カスケードトークンプロトコル(以下を参照)を介して、キャストイベント中にサブスクリプション要求を開始し、作成する必要のある特定アセットトークンの量を決定する。SIPプロトコルは、AD/PCの一般プールの実装レジストリ(onboarding registry)からアセットの必要な割合が特定のユーザ(投資家など)に割り当てられるまで、同種のアセットの値を段階的に証券化する。SIPプロトコルは、同種のアセットを証券化するときに、増分値を証券化ビークルに差し入れ、AD/PCに警告して一般アセットトークンから対応する量を削除する。
【0092】
サブスクリプション要求は、キャストイベント中に全ての一般アセットトークンの保持者から収集され、AD/PCによって設定され、その時点までにエイジングされた(aged)特定アセットの値を保持する。それぞれの特定アセットトークンは、年齢、経済的利益及び負債の持分の割合を定義するサブスクリプション権、転送及び交換の権利、アセットの存続期間にわたるアセットの値、並びに特定アセットが枯渇した場合の末期メカニズム(sunset mechanism)を含む、投資の権利及び義務を組み込んだ「スマートコントラクト」を利用する。アセットに裏付けられる特定アセットトークンは、ターミナルバリュー/スクラップバリュー(scrap value)又はゼロ値に達することができ、経済的寿命を使い果たした後に焼却される。
【0093】
デジタル証券化トークンの作成は、アセットの従来の証券化とは対照的に、プロセス、構造、及びリソースを大幅に圧縮する。従来の証券化では、特別目的事業体(「SPV(special purpose vehicle)」)が作成される。特定の特性を満たすアセットが取得され、SPVに転送される。アセットはターゲットサイズにプールされる。新しい証券が作成され、アセットのプールによって裏付けられ、受託者によって管理される。全ての証券は同時に作成される。このプロセスには3カ月以上かかる場合がある。200万ドル以上のコストで開始すると、これは取引の経済性を消費し、新しい投資商品の作成を妨げる場合がある。
【0094】
SIPプロトコルは、ブロックチェーン対応のスマートコントラクトを使用して発行プロセスを圧縮し、任意のアセットタイプのデジタル証券化アセットトークンを作成できる。証券化されたアセットトークンは、アセットが実装されているプラットフォームで作成されるため、「適所証券化」を構成する。アセットの転送及びSPVのウェブなしで、原アセットの複雑さ及び管理する証券規制に応じて、SIPプロトコルは1~4週間で任意のアセットに準拠したデジタルセキュリティトークンを作成する準備を整える。アセットが実装及び準備された後、特定アセットトークンが「要求に応じて」作成されることができる。
【0095】
このローリングベース(rolling basis)の証券化は、以前のシステムでは現在実行できない。管理が複雑なため、プール全体に対して完全な証券化が行われ、プール全体の価格設定が一度に設定される。これは、プレミアム又は割引の場合がある。ローリングベースの証券化により、そのように作成された全ての証券を簡単に切り分けて、作成時にタイムスタンプを付けることができる。部分的な持分のシェアは現在のアセット(current asset)の値で価格設定され、発行が特定アセットトークンを求めるユーザによってトリガーされたため、過剰発行による割引価格設定を回避する。増分特定アセットトークンを作成する作業は、電子的な指示によって合理化され、目録は分散型台帳によって計算及び追跡される。
【0096】
ローリングベースの証券化に加えて、別のSIPプロトコルの革新は、末期条件に達する特定アセットトークンを「焼却する(burn)」スイープメカニズムである。スイープメカニズムは、従来の証券化手順では提供されない革新である。SPVを使用するアセットの証券化は、受託者の使用を含み、ドキュメント及びリソースを大量に消費するプロセスである。このプロトコルは、セルフクリーニングの証券化プロセスを作成する。したがって、特定アセットの部分的なシェアはローリングベースで作成されるが、同じアセットの全ての特定アセットトークンが同時に廃止される。
【0097】
SIPプロトコルは、エコシステムに実装された新しいアセット毎にいくつかの重要な機能を実行し、アセットが完全に割り当てられるか又は廃止されると完了する。これらの機能は、パブリックブロックチェーン及び許可されたブロックチェーンの対話及び検証プロトコル、アセット生成部がプラットフォーム上で実装する元のアセットのブロックチェーン対応の記述(値及び費用/支払いのウォーターフォール及びシャドウレーティングを含み、許可されたブロックチェーンで行われる)と、そのエイジングとしてアセットの値を反映し(許可されたブロックチェーンで行われ、定期的にパブリックブロックチェーンで公開され)、AD/PCによって設定された参加ウィンドウと連携して、アセットの部分の増分を確立し、許可されたブロックチェーンの元のアセットからの一意の識別子を有する特定アセットの部分的なシェアを作成するためのカスケードトークンプロトコルからの指示を受け取る動的評価プロトコルと、許可されたブロックチェーンの登録ユーザ(投資家など)への割り当てを含む識別バッジの作成と、デジタル特定アセットの各部分的なシェアの基となる権利及び義務を含むスマート契約の作成と、カスケードトークンプロトコルにおいて一般アセットトークンの選択によってトリガーされたときのパブリックブロックチェーン上の特定アセットトークンのデジタル登録及び保管と、パブリックブロックチェーン上の特定アセットトークンの値の定期的な検証及び記録、スマートコントラクトによって管理され、一般アセットトークン及び特定アセットトークンの許可されたブロックチェーンでの支払いのための報酬プロトコル(元本及び利息など)と、パブリックブロックチェーンでの性能状態の記録と、ターミナルバリュー又はゼロ値(「焼却」)に達するアセットを反映し、許可されたブロックチェーン及びパブリックブロックチェーン上のアセットトークンのアクティブな目録をスイープして管理するための決済プロトコルと、パブリックブロックチェーンでの決済時に特定アセットトークンの定期的な検証及び「焼却」と、特定アセットトークンの保持者の持分権のアクティブな記録と、を含む。
【0098】
カスケードトークンプロトコル(CTプロトコル)は、ユーザ(投資家など)及びアセット生成部が定期的及びローリングベースの両方で相互に対話するためのルールを含む。CTプロトコルは、ユーザ及びアセット生成部の間の別のルールセットであるAD/PCプロトコルと一緒に実行及び/又は動作し、AD/PCからのスイッチメカニズムによってアクティブ化される。CTプロトコルは、一般アセットトークンの状態を制御し、特定アセットトークンの対応する作成を計算するAD/PCに結果を返す。
【0099】
ユーザ(投資家など)及びアセット生成部は、一般アセットトークン及び特定アセットトークンの組み合わせを使用して相互に対話する。一般アセットトークンは、ブロックチェーンに実装するためのアセットを購入するための資金を調達するためにユーザに販売される。一般アセットトークンは、アセットプールから削除してリポジトリに配置し、その後の申し出のためにアセットプールに再導入できるという点で、エバーグリーン又は永続的に存在する。同種のアセットタイプ毎に、SIPプロトコルは、同種のアセットタイプの部分的なシェアを表す、準拠するデジタル投資商品又はブロックチェーン上の特定アセットトークンを作成する。特定アセットトークンは、ターミナルバリュー又はゼロ値に達することができ、経済的寿命を使い果たした後に焼却される。CTプロトコルは、特定アセットトークンを作成するために投資家が支払うプレミアムを残りの未請求アセットの追加の持分出資金に変換するための計算を実行する。
【0100】
まず、特定アセットトークンの値全体がエコシステムの一般プールに属し、如何なる特定のユーザにも割り当てられない。如何なる特定のユーザにも割り当てられていないが、DA1に実装されている値アセット及び任意の経済的利益は、エコシステムに属している。原アセットに資金を提供する一般アセットトークンを購入したユーザのための報酬システムをサポートする。
【0101】
キャストイベントと呼ばれる定期的な間隔で、一般アセットトークンを保持しているユーザは、それらのトークンを使用して、DA1アセットの部分的なシェアの組み合わせからカスタムDA2ポートフォリオを作成できる。このように、一般アセットトークンを使用して、一般アセットトークンの値に等しい多くの特定アセットトークンの「カスケード」ポートフォリオを作成できる。
【0102】
CTプロトコルは、アセット生成部及び投資家がどのように対話するかを定義するための重要なプロトコルである。この革新により、投資家はプールされたプラットフォームで初めてカスタムポートフォリオを作成できる。このプロトコルは、投資家が取引全体又は投資の自主的な組み合わせに投資するための独自の柔軟性を提供するために重要であるが、プラットフォームアドミニストレータはパイプラインを再ロードするためにアセットを検索し続けることができる。
【0103】
CTプロトコルは、特定アセットトークンの入札及び価格設定メカニズムを民主化する。サブスクリプション要求は投資家のプール全体に持分権を再割り当てするため、特定アセットにおけるその出資金を増やしたい参加者は、一般アセットトークンの値の一部を一般プールの値に与えることにより、他の保持者にプレミアムを提供する必要がある。次に、民主的な入札及び割り当てスキーマに基づいて割り当てが行われ、発表された参加ウィンドウの開始日時内に受信した入札に適用される。入札及び割り当てスキーマは、たとえばオランダのオークションプロセスに基づく割り当てのルールを提供する。ユーザは、購入したい金額及び価格に入札する。入札が行われると、最高入札から最低入札への割り当てが行われる。支払われる価格は、割り当てを受ける最低落札価格である。入札及び割り当てスキーマは、本プラットフォームのガバナンスルールに従って時間の経過とともに変更できる。
【0104】
CTプロトコルは、いくつかの技術モジュール及び機能を含む。これらのモジュール及び機能は、パブリックブロックチェーン及び許可されたブロックチェーンの対話及び検証プロトコルと、許可されたブロックチェーンの参加ウィンドウをホストしてパブリックブロックチェーンの結果を記録するメカニズムと、カスケードトークンメカニズムの基となる権利及び義務を含むスマートコントラクトの作成(特定アセットトークンの比例配分で参加するための一般アセットトークンの使用を含む)と、参加イベントでの消費の前後における一般アセットトークンのアクティブ化状態を更新するためのプロトコルと、AD/PCプロトコルを介した一般アセットトークンの目録のブロックチェーン対応の動的記録と、識別バッジ上の特定アセットトークンの「持分権の割り当てを更新するためのプロトコルと、一般プールの目録からの削除と、プラットフォーム上の既存の一般アセット及び特定アセットトークンの保持者に購入のために利用可能な新しい実装/未請求のアセット又は一般アセットトークンの可用性を通知する準拠プログラムの確立(初期の販売及びその後のオークション)と、を含む。これらは、特定アセットトークンの場合は原アセット特有の詳細、又は一般アセットトークン特有の詳細を含むことができる。
【0105】
図6は、特定アセットトークンの割り当てを生成する方法を示す。図6の方法は、図5の方法のステップ525の詳細を示す。ステップ605で、一般アセットトークンを所有するユーザからアプリケーションによって受け取られた特定アセットトークンの入札が分析される。次に、ステップ610で、特定アセットトークンの要求の合計が原アセットの値よりも大きいかどうかについて決定がなされる。要求の合計が原アセットの値よりも大きくない場合、ステップ620で、全ての特定アセットトークンのシェアが要求されたかどうかに関して決定がなされる。全ての特定アセットトークンのシェアが要求されていない場合、アプリケーションは未請求のSATのシェアを一般プール内の他のユーザに再分配する。
【0106】
ステップ610に戻ると、特定アセットトークンの要求の合計が原アセットの値よりも大きい場合、ステップ615で、特定アセットトークンが入札及び割り当てスキーマ毎に作成及び割り当てられる。
【0107】
全ての特定トークンがオーバーサブスクライブされているか、完全に要求されているか、又は部分的に要求されているかにかかわらず、図6の方法は、ステップ630で完了し、特定アセットトークンのシェア価格を調整する。ステップ635で、特定アセットトークンの割り当てが完了する。場合によっては、オランダのオークションを使用してアセットを割り当てることができ、財務省の請求書オークションで使用されるものと同様である。オランダのオークションの例は次の通りである。特定アセットは、使用可能な100ユニットを有し得る。まず、5名のユーザ又はオーナーは、それぞれ20の一般トークンのユニットに相当する20の特定アセットトークンを割り当てる。5名のオーナーは全て、特定トークン毎に25のユニットを作成したいと考えている。つまり、特定アセットは25のユニットでオーバーサブスクライブされる。オーナー1は1.2の一般トークンのプレミアム入札を行い、25の特定ユニットのそれぞれを作成し、オーナー2は25のユニットのそれぞれに対して1.15のプレミアム入札を行い、オーナー3は25のユニットのそれぞれに対して1.15のプレミアム入札を行い、オーナー4は25のユニットのそれぞれに対して1.1のプレミアム入札を行い、オーナー5は25ユニットの各々に対して1.1のプレミアム入札を行う。入札は最高のプレミアム入札から最低の入札までランク付けされ、100のユニットの全てがアセットに割り当てられるまで、数量は最高のプレミアム入札から割り当てられる。この場合、オーナー1は25の特定トークンのユニットを作成する権利を取得し、オーナー2及び3はそれぞれ2番目に高い入札額が等しく、オーナー4及び5は3番目に高い入札額が等しいためそれぞれ25のユニットを作成する権利を取得するが、完全な50のユニットを満たすために十分なユニットが残っているわけではない。代わりに、残りの半分、つまり12.5のユニットを作成する権利を取得する。このオランダのオークションの例では、清算価格は1.1の一般トークンになる。これは、割り当てられた最低入札額である。したがって、10の一般トークンのプレミアムは、20未満の特定トークンで終了する入札者に落札者によって支払われる。オーナー4及び5は、12.5(元の20に対して)の特定のトークンの保持の減少を補うために、それぞれ5つの一般トークンのプレミアムを受け取る。
【0108】
図7は、第1のユーザと第2のユーザとの間のトークン転送を処理するための方法を示す。図7の方法は、図4の方法のステップ435の詳細を示す。ステップ710で、販売を介して特定アセットトークンの持分を転送する要求が受け取られるかどうかに関して決定がなされる。ステップ710で特定アセットトークンの持分を販売する要求が受信された場合、ステップ715で、トークン販売通知がアプリケーションによって生成される。ステップ720で、トークン販売通知がユーザ及び分散型台帳に送信され得る。ステップ725で、購入を介して特定アセットトークンの持分を転送する要求が受け取られたかどうかに関して決定がなされる。購入を介してトークンを転送する要求が受信された場合、ステップ730でトークン購入通知が生成され、ステップ735でトークン購入通知がアプリケーションによって送信される。購入通知は、関係するユーザ及び分散型台帳システムに送信されることができ、場合によっては、他のシステム又はマシンに報告されることができる。
【0109】
ステップ740で、要求が複数のユーザ間の取引を介して特定アセットトークンの持分権を転送するために受信され得る。ステップ745で、トークン取引通知がアプリケーションによって生成され得る。ステップ750で、その通知がアプリケーションによって送信され得る。通知は、取引に関与するユーザ、一般アセットトークン及び/又は特定アセットトークンを有する他のユーザ、及び分散型台帳システムに送信されることができ、場合によっては、他のシステム又はマシンに報告されることができる。
【0110】
場合によっては、一般アセットトークンを保持しているユーザ及び特定アセットトークンの保持者は、法定通貨においてプラットフォームアドミニストレータに支払われる交換料金のためにシステムのプラットフォーム内でトークンを交換することができる。交換料金は、交換トランザクションの金額のパーセンテージであろう。
【0111】
これらの交換では、各ユーザに関連付けられたトークンの全体的又は部分的な交換が許可される。様々なトークンの保持者間で同等の値を計算して伝達するメカニズムは、一般アセットトークン又は特定アセットトークンの値をサポートする原アセットに基づくであろう。また、現在のユーザ又は新しいユーザは、他の特定アセットトークン若しくは一般アセットトークン又は法定通貨を使用して値を転送することにより、別のトークンの保持者のトークンに「入札」することができる。逆に、一般又は特定アセットトークンを保持している投資家は、現在のユーザ又は新しいユーザにトークンを販売することを「申し出る(offer)」ことができる。現在のプラットフォームは、上記の「入札及び申し出」のために現在のトークンの保持者及び他の適格な新規投資家のネットワーク全体で取引を発表及びキュレートするための市場を提供する。
【0112】
現在のプラットフォームは、外部交換所での特定アセットトークン(一般アセットトークンではない)の一覧表示を容易にする。本システムは、既存の認可された交換所を利用することができる。場合によっては、システムは、一般及び特定アセットトークンの交換機能を長期的に提供できる。その目標は、プラットフォームのユーザに、トークンの幅広い組み合わせの間で交換するための最大の柔軟性を提供し、システムトークン特有のAI主導の推奨及びポートフォリオ構築ツールを提供することである。
【0113】
本システムは、機械学習/AIを使用して作成するためにどの原特定アセットトークンを選択するかのその選択を支援するように一般アセットトークンのユーザを支援する。これは、AI主導のガイド付き決定プロセスを含む。AIは、特定の投資プロファイル、目的、及びユーザ(投資家など)の基準に基づいて、その特定のユーザ(投資家など)とそのニーズに最適なアセットとの間で最適な一致を見つけるであろう。逆に、AIは、特定の投資家の投資目的又は彼らが指定する特定の条件に違反する現在のアセットを特定し、そのアセットを削除することを推奨する。事実上、現在のプラットフォームは、資本を使用するだけでなく、データを通じて原アセットに流動性を生み出すであろう。
【0114】
場合によっては、本システムは、定期的及びローリングベースの両方で、ユーザがユーザのネットワークを介して互いに対話するためのルールを有する交換プロトコルを実装し得る。
【0115】
その目標は、プラットフォームのユーザに、幅広いトークンの組み合わせの間で交換するための最大の柔軟性を提供し、推奨及びポートフォリオ構築ツールを提供することである。本システムは代替交換で特定アセットトークン(一般アセットトークンではない)の外部リストを有するが、交換及びトークンに参加/所有するユーザの適格性のルールは、システム交換ルールによって設定されることになる。
【0116】
このモジュールは、交換を容易にするために関連するトランザクション料金を収集する。デジタルアセットを交換する機能は、あらゆるタイプの投資可能なアセットの流動性を大幅に向上させる。プロジェクト金融アセット(project finance asset)などの特定アセットタイプでは、これにより初めて流動性が提供される。
【0117】
交換プロトコルは、いくつかの技術モジュール及び機能を含む。これらのモジュール及び機能は、パブリックブロックチェーン及び許可されたブロックチェーンの対話及び検証プロトコル、投資家のKYC/AMLと、IDと、分散型台帳アーキテクチャを調整してプラットフォームマネージャによるアセットの購入及び処分のイベント及び履歴を記録する外部アカウントとの管理、トークンの供給、プラットフォームの一般アセットトークン及び特定アセットトークンの保持者によるトランザクション、トークンの保持者への元金及び利息の支払い、許可されたブロックチェーンに常駐及び更新され、パブリックブロックチェーンでの公開のために許可されたブロックチェーンから価格設定及びエイジングデータを受け取る、交換を管理するルールとの調整、トランザクションを検証するためのルール、トランザクションの取り消し、カウンターパーティの義務、並びに分配及び決済のメカニズムを含む。
【0118】
場合によっては、システムはユーザに一般アセットトークンの後続の申し出を提供することがある。本システムは、その所有者が特定アセットトークンを作成するために一般アセットトークンを使用した後、リポジトリを使用して一般アセットトークンを凍結する。凍結された一般アセットトークンはプールされ、アセット購入の追加ラウンドを容易にするために新しい所有者に提供されることになる。将来の申し出は、一般アセットトークンの新しい価格を再設定することになる。
【0119】
ラウンド2で新しい現金を調達するためのリポジトリからの一般アセットトークンを将来の申し出のときに、(一般プールの出資金を所有する代わりに選択した)特定アセットを作成するためのサブスクリプション要求を送信していないラウンド1の一般アセットトークンの保持者がいることができる。ラウンド2の申し出に先立ち、ラウンド1の一般アセットトークンの保持者には2つの選択肢が与えられる。1)一般アセットトークンを提出し、ラウンド2の申し出に先立ち、ラウンド1の未請求アセットの残りのプールにおける出資金を反映した特定アセットトークンを作成する選択肢が与えられる。キャスティングイベントに使用される入札プロセスとは異なり、これは全ての一般トークンの保持者の比例配分のアセットの混合物(mix)であることになる。又は、2)代わりに、ラウンド1の一般アセットトークンの保持者がラウンド2の申し出に先立ちラウンド1の特定アセットトークンを作成しないことを選択した場合、ラウンド1からラウンド2の評価レベルに一般アセットトークンを「リセット」することを余儀なくされる。
【0120】
「リセット」では、新しい値レベルは、ラウンド2が行われる前にその一般アセットトークンの保持者に支払われた現金(ローン利息を除く)の金額よりも小さい、ラウンド1の一般アセットトークンの元のコストである一般アセットトークンのラウンド1の実際の残存している値に応じた、ラウンド2の申し出の価格に基づくことになる。「リセット」の比率は、残りのラウンド1の値と新しいラウンド2の申し出の価格とに基づいて計算される非常に具体的な数値である。したがって、ラウンド1の一般アセットトークンからラウンド2の一般アセットトークンへの変換は正確になる。
【0121】
この「リセット」の目的は、ラウンド1とラウンド2の一般アセットトークンの保持者が、特定アセットトークンを作成するための値に関して、ラウンド1からの未請求アセットとオークションにかけられている一般アセットトークンのラウンド2の後に購入された未請求アセットとを組み合わせたプールからの同じ権利及びキャッシュフローを用いて、同じ平価(parity)になることを可能にすることである。
【0122】
たとえば、初期の発行時に100の一般アセットトークンが$10/トークンで作成されたと仮定する。この供給のうち、98の一般アセットトークンは、特定アセットトークンを作成するために使用されたため、システムリポジトリに提出された。償却のため、2つの未使用のラウンド1の一般アセットトークンのそれぞれの値は12カ月の終わりに7.50ドルである。
【0123】
12カ月の終わりに、システムは98の一般アセットトークンを1トークンあたり10ドルでオークションにかけることを発表する。オークションに先立ち、ラウンド1の一般アセットトークンの保持者の1名がトークンを提出して、ラウンド1から残存している未請求のアセットプールの半分について特定アセットトークンを作成する。もう一方のラウンド1の一般アセットトークンの保持者は、彼の一般アセットトークンを提出せず、ラウンド2の申し出が完了する。ラウンド1の一般アセットトークンの残存している値は$7.50であった。ラウンド2のオークションは$10/トークンである。ラウンド1の一般アセットトークンの保持者の保持は0.75の一般アセットトークンに調整され、強制的な「リセット」により、ラウンド2の一般アセットトークンのオークションで平価になる。したがって、ラウンド2で申し出される一般アセットトークンの総数は99に更新される(98に加えてオークションの直前に提出された1の一般アセットトークン)。ラウンド2の一般アセットトークンの総数は99.75になる(99にラウンド1の一般アセットトークンを強制的にリセットすると0.75が加算される)。
【0124】
ラウンド1及びラウンド2の一般アセットトークンは、平価になり、ラウンド1の未請求アセット及びラウンド2の一般アセットトークンの申し出からの収益を使用して購入したアセットの組み合わせのプールから特定アセットを作成する権利を有する。
【0125】
上記の例では、ラウンド2の申し出が1.0であるため、一般アセットトークンのラウンド1の申し出は0.75の一般アセットトークンに調整された。その0.75の一般アセットトークンは、新しい合計見積もり(total proforma)の未処理の一般アセットトークンの値を掛けると、0.75の一般アセットトークンの保持者が将来のキャスティングイベントに参加する場合の調整後の購買力(%の出資金)を反映する。
【0126】
A=B/Cである。
【0127】
ここで:Aは、新しい合計見積もりの未処理の一般アセットトークンの値である。
【0128】
Bは、新しい合計見積もりの未請求アセットの合計であり、つまり、残存している未請求のラウンド1のアセットプールと新しいラウンド2のアセットプールの合計である。
【0129】
Cは、未処理の一般アセットトークンの合計見積もりの数である。
【0130】
本システムは、キャスティングイベントが開催されるときに、プラットフォーム上の既存の一般アセット及び特定アセットトークンの保持者に通知することになる。取引プロトコルを通じて、システムはメンバー及び公衆が現在の保持者によって販売のために申し出されている特定アセットトークンを確認できるようにする。特定アセットトークンは、適格なユーザが法定通貨で購入するか、又は他のシステムアセットを交換することで購入されることができる。
【0131】
図8は、凍結された一般アセットトークンを再アクティブ化する方法を示す。図8の方法は、図4の方法のステップ455の詳細を示す。特定アセットトークンを作成するための一般アセットトークンの使用に関する通知は、ステップ810で、一般アセットトークンに関連付けられたユーザに送信される。通知は、一般アセットトークンを使用して特定アセットトークンを作成するための選択肢をユーザに示し得る。一般アセットトークン及び一般アセットプールは、ステップ815でリポジトリから一般アセットトークンを再アクティブ化することの追加時に検出される。
【0132】
次に、前の一般アセットトークンは、ステップ835で一般アセットプールから削除される。ステップ820で、利用可能な一般アセットトークンのスポットに関する一般アセットプールに新しい一般アセットトークンが追加される。
【0133】
ステップ825で、方法論は、前のラウンドから残された全ての再アクティブ化された一般アセットトークン及び一般アセットトークンの値を、新しい各サイクルで取得された新しい一般プールのアセットと、以前のプールサイクルで特定アセットを作成するために使用されなかった一般プールのアセットとの追加を含む新しい一般アセットプールにマッピングする。
【0134】
図9は、アセットの推奨をユーザに自動的に提供する方法を例示する。ステップ910で、アプリケーションは、ユーザ特有の投資プロファイル、目標及びユーザ基準データを受け取ることができる。投資プロファイルデータは、例えば、国内対海外アセット、様々な業界や技術、その他の好みなど、ユーザが持っている投資のタイプや好みを含み得る。目標は、ユーザが値を高めたいのか、現金を受け取りたいのか、又は他の目的を望んでいるのかを示し得る。
【0135】
ステップ915で、アプリケーションは、推奨アセット情報を自動的に生成するために、受け取ったデータをモデルの入力にマッピングする。場合によっては、モデルは、人工知能を使用してユーザの投資プロファイル、目標、及びその他の基準に最適なアセットを決定するニューラルネットワーク又はその他の機械言語モデルであり得る。
【0136】
アプリケーションは、データウェアハウスを永続的に構築し、機械学習手法を通じて、ユーザ知識ベース及びプラットフォーム知識ベースの追加情報を購入して、ユーザクエリを強化する。
【0137】
ステップ925で、受信した入力は、強化されたクエリに変換され、モデルによって処理されて、出力が生成される。分析リソースが限られている多くのユーザは、なじみのないアセットタイプや権限のクエリにおいて特に、単純なクエリを提示し得る。ユーザによる分析の品質を制約するこの制限を解決するために、925の方法論は、データ分析及び機械学習の手法を使用して、受信した入力を、オンチェーン及びオフチェーンのソース及びモデルからプラットフォームによって蓄積されたより広範なデータセット及びトレンドに関連付ける。これにより、元の検索クエリの規模(dimension)が「強化」クエリに拡張される。ステップ930で、モデルの出力は、特定のユーザのためのアセット推奨に変換される。
【0138】
ステップ935で、投資家の目標を満たさない現在のアセットが識別される。場合によっては、システムはユーザの現在保有しているアセットを分析して、ユーザのポートフォリオ内のアセットがユーザの投資プロファイル、目標、又はその他の基準を満たしていないかどうかを判断する。ステップ940で、アプリケーションは、モデルの変換された出力及び識別された現在のアセットに基づいて、アセットの推奨をユーザに提供する。
【0139】
ステップ945で、ユーザフィードバックがユーザ知識ベースに記録され、成果(outcome)がプラットフォーム知識ベースに預けられる。ステップ950で、ユーザ知識ベース及びプラットフォーム知識ベースがトランザクションを永続的に検索及び提案してユーザクエリを補足する。925の方法論を補完するものとして、ステップ950は、データ分析及び機械学習の手法を使用して、受信した入力を、オンチェーン及びオフチェーンのソース及びモデルからプラットフォームによって蓄積されたより広範なデータセット及びトレンドに関連付けて、パターン、関係を識別し、アクティブにユーザを知らせる。アクティビティを促進するための技術及び情報の使用は、特に非流動性が従来の市場を妨げる場合に、大規模なアセットの資金調達を解決するために不可欠である。
【0140】
場合によっては、ポートフォリオ管理は、本システムによって実装されるポートフォリオ管理(PM)プロトコルによって処理され得る。PMプロトコルは、投資家としてのユーザが自主投資を管理するための一連のプロトコルであり、AI主導の推奨ツールの追加の知能を用いる。PMプロトコルを使用すると、ユーザはデジタルアセットを利用して投資目標を送信し、基となる権利及び義務を実行できる。
【0141】
本システムの管理者がアセットを取得すると、一般アセットトークン及び特定アセットトークンの保持者はアセットからキャッシュフローを受け取り、トークンの値は次のように減少する。特定アセットトークンの保持者は、保有している特定アセットトークンによって表される特定原アセットから(ローン元本及び利息の支払いからプラットフォーム管理料金を差し引いた)キャッシュフローを受け取る。同様に、一般アセットトークンの保持者は、一般プールの原アセットから(ローンの元本及び利息の支払いからプラットフォーム管理料金を差し引いた)アクティビティのキャッシュフローを受け取る。
【0142】
投資家としてのユーザは、技術並びに目録の作成及び補充を含む、プラットフォームの運用のために料金を支払う。ネットワーク料金は、支払い期間の開始時(全ての会計四半期又は第1の支払い期間の比例配分)のローンのアセット(トークンではなく)の未処理額に部分的に応じる。一般及び特定アセットトークンの保持者は、料金控除後の法定通貨で投資収益を受け取る。
【0143】
PMプロトコルは、いくつかの技術モジュール及び機能を含む。モジュール及び機能の一部は、パブリックブロックチェーン及び許可されたブロックチェーンの対話及び検証プロトコル、許可されたブロックチェーンでアクティブに保持されている任意の一般アセットトークンの値を動的に更新するプロトコル、許可されたブロックチェーンで一般プール内の未請求のアセットの比例配分の値を動的に更新するプロトコル、許可されたブロックチェーン及びパブリックブロックチェーンのアクティブなアセットトークンの値を動的に更新するためのプロトコル、プラットフォームのユーザを登録するためのプロトコル、ユーザを一般アセットトークン及び特定アセットトークンに関連付けるためのプロトコル、許可されたブロックチェーンでプレミアム報酬を管理するためのプロトコル、許可されたブロックチェーンに起因するネットワーク料金を管理するためのプロトコル、許可されたブロックチェーン及びパブリックブロックチェーンで報酬及び値を送信するための支払いプロトコル、並びにブロックチェーンとパブリックブロックチェーンで借り換えによるものか又は終了によるものかによらずにローンの満期(値)でアセットトークンを「決済」するためのプロトコルを含む。
【0144】
場合によっては、ポートフォリオの監視は分析プロトコルによって実行され得る。分析プロトコルは、ポートフォリオモニタリング、リスク評価、シナリオ分析を含むポートフォリオツールのスイートであり、AI及び機械学習の概念を使用して、外部データとデータ抽出を利用し、ユーザ定義の投資目標に従って推奨事項を作成する。
【0145】
このプラットフォームは、トークン投資家が、AI主導のガイド付き決定プロセス(別のプロトコルで説明)を介して、変換する原アセットトークンと交換するアセットを選択するのを支援する。これは、コンポーネントを動的に集合(assemble)、抜粋(cull)、及び再グループ化できる第1の真にインテリジェントなトークンである。
【0146】
AIコンポーネントは、特定の投資プロファイル、目標、及びユーザの基準に基づいて、その特定のユーザ(投資家など)とアセットとの間の最適な一致を求める。逆に、AIは、特定のユーザの投資目標又はユーザが指定する条件に違反する現在のアセットを識別し、そのアセットを削除することを推奨する。
【0147】
AIプロトコルは、本システムのデータフロー及びトランザクションだけでなく、業界データに関する独自のデータ分析によってトレーニングされている。AIプロトコルは、パブリックブロックチェーン及び許可されたブロックチェーンの対話及び検証プロトコル、シナリオ構築モジュール、ストレステストモジュール、目標構築部、推奨ツール、並びに性能評価モジュールなどの機能を含む。
【0148】
図10は、2層トークン化プラットフォームのユーザケースの概略図のブロック図を示す。図10の概略図では、ユーザ1001は、1004で一般トークンを売買し、1008でデジタルアセットを取引することができる。デジタルアセットのレートは、交換1009を通じてなされ得る。1005で、ユーザは、ポートフォリオを確立し、一般トークンを変換することもできる。1007でユーザはさらにトークンを交換し、1006で特定トークンを売買し、ブロックチェーン1010に記録し得る。
【0149】
ユーザ1001は、1016での入出金を含む1015で口座を管理することができ、1018で支払いを行ったり受け取ったりすることができる。ウォレットのアドミニストレーションは1017に実行され得る。
【0150】
ユーザは1014で実装されることができ、1013で認定投資家として検証され得る。アドミニストレータは、1019でシステムのユーザに関する調査を実行し、1028で、使用済みの一般トークンをリポジトリに凍結すること及び凍結した一般トークンをオークション用に再利用することを含む、一般トークン及びその他のトークンの操作を作成することができる。一般トークンのオークションは1025で実装され得る。
【0151】
本システムのアドミニストレータは、1020で特定のトークンを作成して書き込み、1021でポートフォリオ料金を管理し、1027で発表することもできる。管理者は、1026で銀行管理を実行し得る。支払い仲介業者への接続の管理は、アプリケーション及びプロトコルにわたる値の転送を管理するために不可欠である。ここで、「銀行」は、従来の機関だけでなく、暗号アセットのホットストレージ及びコールドストレージのプロバイダを含む支払い仲介者のデジタルプロバイダを指す場合がある。時間の経過とともに、収益及び費用の管理は1024で発生し、一般トークンの変換は1023で発生する。監査人及び会計士1011は、システム及び規制当局1012と対話し得る。
【0152】
図11は、2層トークン化プラットフォームのアクティビティのフローチャートのブロック図を例示する。図11のアクティビティのフローチャート1100、及び(例として)インフラストラクチャのローンは、銀行「A」によって行われ得る。これは、シンジケートローン(syndicated loan)を引き起こし、アドミニストレータによるアセットの検索の一部として取得され得る。アドミニストレータは一般トークンを発行し得る。一般トークンの契約はブロックチェーン分散型台帳システムに格納され得る。参加ウィンドウはアドミニストレータによって生成され得る。ユーザは一般トークンを選択して一般トークンをカスタマイズ及び使用して特定のトークンを選択し得る。その後、ユーザは、特定のトークンの受信に応じて、ポートフォリオを管理し得る。ユーザが特定のトークンを選択すると、アドミニストレータは特定のトークンが生成された一般トークンを凍結し得る。凍結された一般トークンは、後続の申し出のためにアクティブ化されるまで、トークンリポジトリで管理される。参加ウィンドウの作成に応じて、特有のトークンが発行、割り当て、及び管理され得る。一般アセットトークンは、未請求のアセットとして管理され得る。例えば、元金、利息、料金、その他の支払いなどを含む支払いは受け取られて割り当てられ得る。インフラストラクチャローン(例)を行った銀行「A」は、決済の支払いを受け取り得る。支払いを受け取って割り当てた後、アドミニストレータは一般トークンをアクティブにし、ブロックチェーンは特定のトークンを焼却することができ、銀行は決済の支払いを受け取ることができる。
【0153】
商業用語では、2層トークン化デジタルアセットプラットフォームは、一般アセットトークンの初期発行及び申し出、特定アセットトークンの作成、一般アセットトークンの後続の申し出、一般アセットトークン及び特定アセットトークンに関連する支払い、並びにトークンの保持者間のプラットフォームトークンの取引など、4つの主要な商業分野をカバーする技術革新を供給する。
【0154】
本技術のプラットフォームは、新規又は既存の投資家に、申し出価格のパーセンテージとしての手数料でプラットフォームを介して一般アセットトークンを定期的に提供する。一般アセットトークンはエバーグリーンのトークンである。それらが初期の投資家に発行された後、特定アセットトークンを作成するために使用される一般アセットトークンが凍結される。凍結された一般アセットトークンは、「二次」対新しい問題のプロキシとして、将来の申し出のラウンドのために再アクティブ化できる。凍結及び再アクティブ化の繰り返しのサイクルにより、一般アセットトークンは「エバーグリーン」になる。
【0155】
一般アセットトークンとは対照的に、特定アセットトークンは、原アセットのローンアセットが返済されるにつれて、作成されて焼却されるか、時間の経過とともに償却される。一般アセットトークンの保持者は、一般アセットトークンを使用して一連のプロトコルを開始し、サブスクリプション要求を通じて特定アセットトークンを作成する。サブスクリプション要求は、特定アセットへのカスタマイズされた露出を作成するために、キャストイベントに参加したい一般アセットトークンの保持者から収集される。
【0156】
プラットフォーム上の全てのトランザクション及びアセットは、最初は法定通貨建てである。本プラットフォームは、会計目的で基本法定通貨を選択することができ、時間の経過とともに他の通貨を組み込むことができる。場合によっては、他の国のアセットは現地通貨建てで処理されることができ、本システムは、一般的なビジネス及び税法に従って、実効基本通貨への変換を決定する。
【0157】
分散型台帳アーキテクチャは、フレームワークシステムによるアセットの購入及び処分と、一般及び特定アセットトークンの保持者によるトークンのトランザクションと、プラットフォームとトークンの保持者との間の支払いと、の記録を維持する。
【0158】
許可されたブロックチェーン及びパブリックブロックチェーンの組み合わせを利用できるプラットフォーム独自のブロックチェーン技術に加えて、プラットフォームは、特定の外部トークンの受け入れ並びに外部ウォレット及び暗号交換との対話を含む、分散型技術アプリケーションと相互運用可能である。
【0159】
図12は、2層トークン化プラットフォームを実装するためのコンピューティング環境のブロック図を示す。図12のシステム1200は、ユーザマシン110、120、及び130、サーバ150、アドミニストレータマシン170、データストア180、及び分散型台帳マシン190などのコンテキストで実装され得る。図12のコンピューティングシステム1200は、1つ又は複数のプロセッサ1210及びメモリ1220を含む。メインメモリ1220は、プロセッサ1210による実行のための命令及びデータを部分的に格納する。メインメモリ1220は、動作中に実行可能コードを格納することができる。図12のシステム1200は、大容量記憶装置1230、携帯型記憶媒体ドライブ1240、出力装置1250、ユーザ入力装置1260、グラフィックスディスプレイ1270、及び周辺機器128をさらに含む。
【0160】
図12に示される構成要素は、単一のバス1290を介して接続されているように描かれている。しかしながら、構成要素は、1つ又は複数のデータ転送手段を介して接続され得る。例えば、プロセッサユニット1210及びメインメモリ1220は、ローカルマイクロプロセッサバスを介して接続されることができ、大容量記憶装置1230、周辺デバイス128、携帯型記憶装置1240、及びディスプレイシステム1270は、1つ又は複数の入力/出力(I/O)バスを介して接続され得る。
【0161】
磁気ディスクドライブ、光ディスクドライブ、フラッシュドライブ、又は他のデバイスと共に実装され得る大容量記憶装置1230は、プロセッサユニット1210によって使用されるためのデータ及び命令を記憶するための不揮発性記憶装置である。大容量記憶装置1230は、そのソフトウェアをメインメモリ1220にロードする目的で、本発明の実施形態を実施するためのシステムソフトウェアを格納することができる。
【0162】
携帯型記憶装置1240は、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク若しくはデジタルビデオディスク、BSドライブ、メモリカード若しくはスティック、又は他の携帯型又は取り外し可能メモリなどの携帯型不揮発性記憶媒体と連動して動作し、図12のコンピュータシステム1200との間でデータ及びコードを入力及び出力する。本発明の実施形態を実施するためのシステムソフトウェアは、そのような携帯型媒体に格納され、携帯型記憶装置1240を介してコンピュータシステム1200に入力され得る。
【0163】
入力装置1260は、ユーザインターフェースの一部を提供する。入力装置1260は、英数字及び他の情報を入力するためのキーボードなどの英数字キーパッド、マウス、トラックボール、スタイラス、カーソル方向キー、マイクロフォン、タッチスクリーン、加速度計、及び他の入力装置などのポインティングデバイスを含み得る。さらに、図12に示されるようなシステム1200は、出力装置1250を含む。適切な出力デバイスの例は、スピーカ、プリンタ、ネットワークインターフェイス、及びモニタを含む。
【0164】
ディスプレイシステム1270は、液晶ディスプレイ(LDC)又は他の適切なディスプレイデバイスを含み得る。ディスプレイシステム1270は、テキスト及びグラフィック情報を受信し、ディスプレイデバイスへの出力のために情報を処理する。ディスプレイシステム1270はまた、タッチスクリーンとして入力を受け取り得る。
【0165】
周辺機器1280は、コンピュータシステムに追加の機能を追加するために、任意のタイプのコンピュータサポート装置を含み得る。例えば、周辺機器1280は、モデム又はルータ、プリンタ、及び他の装置を含み得る。
【0166】
1200のシステムはまた、いくつかの実装形態では、アンテナ、無線送信機、及び無線受信機1290を含み得る。アンテナ及び無線機は、スマートフォン、タブレット、及び無線通信可能な他の装置などの装置に実装され得る。1つ又は複数のアンテナは、セルラーネットワーク、Wi-Fi(登録商標)ネットワーク、ブルートゥース(登録商標)装置などの商用装置ネットワーク、及び他の無線周波数ネットワークを介して、データを送受信するのに適した1つ又は複数の無線周波数で動作することができる。デバイスは、アンテナを使用して送受信される信号を処理するための1つ又は複数の無線送信機及び受信機を含み得る。
【0167】
図12のコンピュータシステム1200に含まれる構成要素は、本発明の実施形態での使用に適することができ、当技術分野でよく知られているそのようなコンピュータ構成要素の広いカテゴリを表すことを意図するコンピュータシステムに典型的に見られるものである。したがって、図12のコンピュータシステム1200は、パーソナルコンピュータ、ハンドヘルドコンピューティングデバイス、スマートフォン、モバイルコンピューティングデバイス、ワークステーション、サーバ、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、又は任意の他のコンピューティングデバイスであり得る。コンピュータは、様々なバス構成、ネットワークプラットフォーム、マルチプロセッサプラットフォームなどを含むこともできる。Unix(登録商標)、Linux(登録商標)、Windows(登録商標)、Macintosh OS(登録商標)、アンドロイド(登録商標)、及びJava(登録商標)、.NET、C、C++、Node.JS、その他の適切な言語など、様々なオペレーティングシステムが使用されることができる。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12