(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-21
(45)【発行日】2025-03-04
(54)【発明の名称】オゾン処理水システムを備えた超音波スケーラ
(51)【国際特許分類】
A61C 19/00 20060101AFI20250225BHJP
C02F 1/461 20230101ALI20250225BHJP
C02F 1/20 20230101ALI20250225BHJP
C02F 1/44 20230101ALI20250225BHJP
A61C 1/07 20060101ALI20250225BHJP
A61C 3/03 20060101ALI20250225BHJP
A61C 17/00 20060101ALI20250225BHJP
A61C 17/20 20060101ALI20250225BHJP
B01D 53/66 20060101ALN20250225BHJP
【FI】
A61C19/00 C
C02F1/461 Z ZAB
C02F1/20 A
C02F1/44 D
C02F1/44 H
A61C1/07 A
A61C19/00 J
A61C3/03
A61C17/00 E
A61C17/20
B01D53/66
(21)【出願番号】P 2022525920
(86)(22)【出願日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 US2020059041
(87)【国際公開番号】W WO2021092127
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2023-11-01
(32)【優先日】2019-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517264281
【氏名又は名称】デンツプライ シロナ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】グアラグノ,ケネス アール.
(72)【発明者】
【氏名】ハンバー,マイルス
(72)【発明者】
【氏名】ミリントン,ロジャー
(72)【発明者】
【氏名】ヒューエット,カール
(72)【発明者】
【氏名】フィトメ,サミュエル
【審査官】沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-012774(JP,A)
【文献】特表平10-503702(JP,A)
【文献】中国実用新案第201019857(CN,Y)
【文献】特開2001-056292(JP,A)
【文献】特開2007-010201(JP,A)
【文献】特開2008-061700(JP,A)
【文献】国際公開第2000/033757(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0070123(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 19/00
C02F 1/461
C02F 1/20
C02F 1/44
A61C 1/07
A61C 3/03
A61C 17/00
A61C 17/20
B01D 53/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波スケーラハンドピースにオゾン処理水を供給する方法であって、
給水源からオゾン水溶液超音波スケーラシステムの電解槽に水を送出するステップと、
前記電解槽に電流を流して前記水中でオゾンガスを発生させるステップと、
流体経路内に
2つまたは複数の再循環ループを設置して前記電解槽および前記
2つまたは複数の再循環ループ
の各々に
それぞれ対応する
2つまたは複数のガスセパレータを通して前記水およびオゾンガスを移動させるステップと、
規定濃度の溶存オゾンを有するオゾン処理水を生成するために前記電解槽に流される電流量によって前記水中のオゾンガス濃度のレベルを制御するステップと、
前記
2つまたは複数のガスセパレータを使用して、前記超音波スケーラハンドピースに送出される前記オゾン処理水の流れからガス状オゾンを分離するステップと、
前記オゾン処理水を前記超音波スケーラ
ハンドピースに送出するステップと、
前記2つまたは複数の再循環ループの設置に対応して、前記電解槽の膜の寿命を延長するために前記電解槽の両側にわたって、オゾンガスと前記電解槽からの他の酸化種との相互作用から生じる膜劣化を分散させるように、以前の動作においてカソード側であった前記オゾン水溶液超音波スケーラシステムの側が現在の動作においてアノード側になり、以前の動作においてアノード側であった前記オゾン水溶液超音波スケーラシステムの別の側が現在の動作においてカソード側になるように、規定の運転時間経過後に、および前記水中のオゾンガスが減衰したことを確認した後に、前記電解槽の電気極性を切り替えるステップと、
を含
み、
前記超音波スケーラハンドピースにオゾン処理水を供給するための装置または前記超音波スケーラハンドピースにオゾン処理水を供給するためのコンピュータシステムのプロセッサが、上記の全てのステップを実行する、
方法。
【請求項2】
前記水中の前記オゾンガスの溶解度を高めるために、前記オゾン水溶液超音波スケーラシステムの規定の流体レベルおよび圧力を維持するための1つまたは複数のポンプを設置するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記切り替え
るステップは、停滞水および微生物汚染を排除するか、または実質的に排除する、請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
前記給水源から送出される前記水は、脱イオン水または逆浸透から得られる水である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記
2つまたは複数のガスセパレータのチャンバ内の反転流を実質的に低減し、気泡が前記
2つまたは複数のガスセパレータの出口ポートに運ばれるのを防止するために、入口バッフルを使用して前記
2つまたは複数のガスセパレータに進入する前記オゾン処理水の流れを減速させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
超音波スケーラハンドピースにオゾン処理水を供給する
ための装置であって、
オゾン水溶液超音波スケーラの電解槽に水を送出するための給水源であって、前記電解槽は、流体経路を通して前記給水源と接続されており且つオゾン処理水を生じさせるために前記水中でオゾンガスを発生させるための電流を受け取るように適合されている、給水源と、
2つまたは複数のガスセパレータであって、各々のガスセパレータは、前記電解槽も収容する前記流体経路の対応する再循環ループ内に配置されており、前記各々のガスセパレータは、前記超音波スケーラハンドピースに送出されるオゾン処理水の流れからガス状オゾンを分離するように構成されている、ガスセパレータと、
前記流体経路の前記再循環ループ内に配置された1つまたは複数の紫外線センサであって、給水柱を通過する前記水中の溶存オゾンによって吸収される紫外線量によって前記水中の溶存オゾン濃度を測定するように適合されている、紫外線センサと、
を備え
、
2つまたは複数の再循環ループの設置に対応して、前記電解槽の膜の寿命を延長するために前記電解槽の両側にわたって、オゾンガスと前記電解槽からの他の酸化種との相互作用から生じる膜劣化を分散させるように、以前の動作においてカソード側であった前記オゾン水溶液超音波スケーラの側が現在の動作においてアノード側になり、以前の動作においてアノード側であった前記オゾン水溶液超音波スケーラの別の側が現在の動作においてカソード側になるように、規定の運転時間経過後に、および前記水中のオゾンガスが減衰したことを確認した後に、前記電解槽の電気極性を切り替えるように構成されている、
装置。
【請求項7】
前記流体経路の少なくとも一部における装置圧力を制御するために前記流体経路内に配置された1つまたは複数のポンプをさらに備える、請求項
6に記載の装置。
【請求項8】
前記流体経路の少なくとも一部における別の装置圧力を制御するためにガスを放出するように前記流体経路内に配置された1つまたは複数の弁をさらに備える、請求項
6に記載の装置。
【請求項9】
前記ガスセパレータ内のオゾン処理水のレベルを測定するために前記2つまたは複数のガスセパレータに接続された
2つまたは複数のレベルセンサをさらに備える、請求項
6に記載の装置。
【請求項10】
2つまたは複数のガスセパレータのガス放出経路内に配置され、分離されたガス状オゾンガスを酸素に変えるように適合されたオゾン破壊装置をさらに備える、請求項
6に記載の装置。
【請求項11】
前記給水源は、単一方向に前記水を送出するためのダックビル接続アセンブリを有するスパウトパウチまたはウォーターボトルである、請求項
6に記載の装置。
【請求項12】
前記給水源は、前記装置の基部内の装填トレイ内に保持される、請求項
6に記載の装置。
【請求項13】
前記電
解槽の極性は、前記装置の前記オゾンガスを生成する側を反転させるように切り替え可能である、請求項
6に記載の装置。
【請求項14】
前記1つまたは複数の紫外線センサの各々の両端に配置された発光ダイオード(LED)光源および検出用フォトダイオードをさらに備え、前記LED光源は、溶存オゾンによって吸収された紫外線量を測定するために前記検出用フォトダイオードに向けて紫外線を投射するように構成され、前記LED光源に近接して配置された監視用フォトダイオードは、前記LED光源の経時的な劣化を補償するために前記LED光源の出力強度の変化を測定するように構成される、請求項
6に記載の装置。
【請求項15】
前記スパウトパウチまたはウォーターボトルは、再使用または無線自動識別(RFID)ラベルを有さない代替給水源の使用を防止するために読み取られるように構成されたRFIDラベルを有する、請求項
11に記載の装置。
【請求項16】
超音波スケーラハンドピースにオゾン処理水を供給するためのコンピュータシステムであって、
給水源からオゾン水溶液超音波スケーラシステムの電解槽に水を送出するステップと、
前記電解槽に電流を流して前記水中でオゾンガスを発生させるステップと、
流体経路内に
2つまたは複数の再循環ループを設置して前記電解槽および前記
2つまたは複数の再循環ループ
の各々に
それぞれ対応する
2つまたは複数のガスセパレータを通して前記水およびオゾンガスを移動させるステップと、
規定濃度の溶存オゾンを有するオゾン処理水を生成するために前記電解槽に流される電流量によって前記水中のオゾンガス濃度のレベルを制御するステップと、
前記
2つまたは複数のガスセパレータを使用して、前記超音波スケーラハンドピースに送出される前記オゾン処理水の流れからガス状オゾンを分離するステップと、
前記オゾン処理水を前記超音波スケーラ
ハンドピースに送出するステップと、
2つ以上の再循環ループの設置に対応して、前記電解槽の膜の寿命を延長するために前記電解槽の両側にわたって、オゾンガスと前記電解槽からの他の酸化種との相互作用から生じる膜劣化を分散させるように、以前の動作においてカソード側であった前記オゾン水溶液超音波スケーラシステムの側が現在の動作においてアノード側になり、以前の動作においてアノード側であった前記オゾン水溶液超音波スケーラシステムの別の側が現在の動作においてカソード側になるように、規定の運転時間経過後に、および前記水中のオゾンガスが減衰したことを確認した後に、前記電解槽の電気極性を切り替えるステップと、
を実行するように構成されたプロセッサを備える、コンピュータシステム。
【請求項17】
前記プロセッサはさらに、前記水中の前記オゾンガスの溶解度を高めるために、前記オゾン水溶液超音波スケーラシステムの規定の流体レベルおよび圧力を維持するための1つまたは複数のポンプを使用するステップを実行するように構成される、請求項
16に記載のコンピュータシステム。
【請求項18】
前記切り替え
るステップは、停滞水および微生物汚染を排除するか、または実質的に排除する、請求項
16に記載のコンピュータシステム。
【請求項19】
前記給水源から送出される前記水は、脱イオン水または逆浸透から得られる水である、請求項
16に記載のコンピュータシステム。
【請求項20】
コンピュータシステムによって実行されると前記コンピュータシステムに、
給水源からオゾン水溶液超音波スケーラシステムの電解槽に水を送出するステップと、
前記電解槽に電流を流して前記水中でオゾンガスを発生させるステップと、
流体経路内に
2つまたは複数の再循環ループを設置して前記電解槽および前記
2つまたは複数の再循環ループ
の各々に
それぞれ対応する
2つまたは複数のガスセパレータを通して前記水およびオゾンガスを移動させるステップと、
規定濃度の溶存オゾンを有するオゾン処理水を生成するために前記電解槽に流される電流量によって前記水中のオゾンガス濃度のレベルを制御するステップと、
前記
2つまたは複数のガスセパレータを使用して
、超音波スケーラハンドピースに送出される前記オゾン処理水の流れからガス状オゾンを分離するステップと、
前記オゾン処理水を前記超音波スケーラ
ハンドピースに送出するステップと、
2つ以上の再循環ループの設置に対応して、前記電解槽の膜の寿命を延長するために前記電解槽の両側にわたって、オゾンガスと前記電解槽からの他の酸化種との相互作用から生じる膜劣化を分散させるように、以前の動作においてカソード側であった前記オゾン水溶液超音波スケーラシステムの側が現在の動作においてアノード側になり、以前の動作においてアノード側であった前記オゾン水溶液超音波スケーラシステムの別の側が現在の動作においてカソード側になるように、規定の運転時間経過後に、および前記水中のオゾンガスが減衰したことを確認した後に、前記電解槽の電気極性を切り替えるステップと、
を含む手順を実行させるプログラムを記憶する、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、全般的には、オゾン水溶液送出のための方法、装置、コンピュータシステム、およびコンピュータ可読記憶媒体に関し、より具体的には、超音波スケーラが閉鎖系オゾン水溶液送出を行うことができるようにするための方法、装置、コンピュータシステム、およびコンピュータ可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
オゾンは、3つの酸素原子(O3)から成る反応性の高いガスである。オゾンは、紫外線用のフィルタとして作用する。オゾンは非常に有効な抗菌剤であり、消毒製品および滅菌製品を含む医療用途に使用されてきた。ガス状オゾンは、細菌の細胞質膜および細胞壁上で酸化反応を生じさせる。結果として生じる細菌の細胞壁の損傷は、細菌を破壊するフリーラジカルを形成する細胞内のオゾンの蓄積を増加させる。
【0003】
オゾンは20分の典型的な半減期で減衰し、輸送、充填および使用中のオゾン水溶液の濃度に影響を及ぼす。オゾンの有効性は時間と共に低下するので、臨床医は、各々のスケーリング処置のためにオゾン処理および使用の時間を決めなければならない。
【0004】
オゾンは、電解槽によって生成され得る。従来の電解槽では、純粋な水素および高い圧力を生成することが目的であり、したがって、非常に堅牢な構造が必要とされる。この設計目標は、低コストのポータブルな機器には適していないことを意味する。さらに、従来の電解槽は、過剰なガス状オゾンの放出を回避する必要があるため、溶液中の溶存オゾンのレベルが非常に低いことが一般的である。現在のところ、制御されたレベルの溶存オゾンをより高いレベルで生成することができる商業的な小規模電解槽はない。さらに、時間管理は、歯科医の1日のうちの最もストレスの多い部分であることがよく知られている。機器が起動して充電に達するのを待つことは容認できない。圧縮された酸素または室内空気からオゾンガスを生成するためにコロナ放電を使用する従来のオゾン処理プロセスは、水中にオゾンの気泡を形成しなければならない。これは、ガスを送水管路に直接注入するスパージャまたはベンチュリによって実現され得、圧力下でこのガス溶解を行う代替のシステムアーキテクチャは、本開示に記載される電解オゾン発生アーキテクチャの充填速度に近づき得るが、小型を維持しながら、制御および流束を用いてオゾンを生成および溶解する能力が限定される。1ロットのオゾン水溶液を製造するために今日使用されている方法は、1気圧(atm)またはそれに近い気圧で行われ、臨床的に有用な濃度(例えば、4ppm)を達成するには1リットルの水にオゾンを完全に充填するのに20分~30分も必要である。
【0005】
さらに、歯周治療およびメンテナンスの成功の鍵は、歯周ポケットからの病原性細菌の除去または低減および歯周の健康に適合する微生物叢の形成である。歯周デブライドメントに使用される現在の方法は、パワースケーラおよび手動式器具の両方を含む。デブライドメントに使用される現代の技術は、主に、硬質沈着物および軟質沈着物の両方の破壊に依存する。軟質沈着物は、表面に付着し、微生物細胞および生体高分子(すなわち、EPS、細胞外高分子物質)から構成される複合構造を成長させる微生物によって主に形成される。腸内毒素症は、健康なホメオスタシスが変化し、病原性細菌の不均衡が定着したときに起こる。歯周デブライドメントの目的は、歯肉炎を引き起こす要素(すなわち、プラーク、歯石、エンドトキシン)を完全に除去することによって歯肉の健康を回復させることである。適切な歯周治療は、歯肉縁下バイオフィルム、エンドトキシン、歯石などのプラークリテンションファクタを破壊および除去する。現代の歯周治療は、患者の快適さ、歯の構造の保存、生物学的に許容可能な歯根表面の作製、および炎症の消散を改善するという追加の目的を有する。
【0006】
超音波スケーラは、機械的デブライドメントと、創面切除されている表面に向けられる洗浄液による一定のフラッシングとの両方を行いながら、スケーラチップの周囲の流体を励起してマイクロストリーミングを生じさせる音響エネルギーとキャビテーションとを組み合わせる。スケーリング処置は、スケーラハンドピースおよびチップの安全な動作温度を維持し、沈着物およびデブリを洗い流し、洗浄される周囲表面に超音波音響エネルギーを結合するための媒体を提供するために、洗浄液を利用する。
【0007】
ほとんどの超音波スケーリング処置は、飲料水またはスケーリング機器および他の送水管路の清浄度を維持するために処理された水を利用する。さらに、歯周デブライドメントに薬剤が使用される場合があり、好適な薬剤としては、他の口内洗浄剤および抗菌剤と共に、クロルヘキシジン、ポビヨンヨード、過酸化水素が挙げられる。これらの薬剤はそれぞれ、その濃度に応じて限定された潜在能力および毒性を有する。
【発明の概要】
【0008】
例示的な実施形態は、装置、方法、システム、およびコンピュータ可読媒体を提供する。本明細書内の一態様では、要求に応じてオゾン水溶液を生成する能力を有する超音波スケーリング装置が提供される。該装置は、デブライドメントのために歯のバイオフィルムの除去を促進するためにオゾン水溶液の洗浄液を利用し得る。オゾン水溶液は、本明細書に記載のシステムによって制御される超音波スケーラハンドピースおよびインサートを通して口腔へ送出される。その目的は、臨床転帰(例えば、プロービング時の出血、臨床的付着喪失、歯周組織の炎症)を改善するために有効かつ安全なレベルのオゾン水溶液を送出することである。
【0009】
例示的な実施形態は、オゾンが口腔内微生物叢中の細菌負荷を低減するのに有効であるものである。このことは、虫歯、歯肉炎および歯周炎、口臭、心血管疾患、脳卒中、高血糖症、ならびに他の疾患のリスクの低減を含む、口腔の健康およびより広範囲の全身の健康状態にとって有意な利益を有する。
【0010】
例示的な実施形態はまた、オゾン水溶液を生成し、その送出を制御する能力を有する超音波スケーラが重要な市場障壁に対処するものである。診療所は、超音波スケーリングユニットに加えて別個のオゾン生成器を購入する必要はない。診療所は、水をオゾン処理し、輸送し、超音波スケーラリザーバを充填する必要はなくなる。
【0011】
本明細書内の一態様では、超音波スケーラハンドピースにオゾン処理水を供給する方法が開示される。該方法は、給水源からオゾン水溶液超音波スケーラシステムの電解槽に水を送出するステップと、電解槽に電流を流して水中にオゾンガスを発生させるステップと、流体経路内に1つまたは複数の再循環ループを設置して電解槽および1つまたは複数の再循環ループに対応する1つまたは複数のガスセパレータを通して水およびオゾンガスを移動させるステップと、規定濃度の溶存オゾンを有するオゾン処理水を生成するために電解槽に流される電流量によって水中のオゾンガス濃度のレベルを制御するステップと、1つまたは複数のガスセパレータを使用してハンドピースに送出されるオゾン処理水の流れからガス状オゾンを分離するステップとを含む。
【0012】
本明細書に開示される別の態様では、該方法は、以下の任意の組み合わせを含む。(i)水中のオゾンガスの溶解度を高めるために、オゾン水溶液超音波スケーラシステムの規定の流体レベルおよび圧力を維持するための1つまたは複数のポンプを設置するステップをさらに含み、(ii)2つ以上の再循環ループの設置に対応して、電解槽の膜(1つまたは複数の膜が使用され得る。各々の膜は、電極と機械的に連結され、したがって、2つの膜を使用することは、膜が高い機械的剪断応力を受けることを防止するために電極を分離する。例示的な実施形態では、3つまたは4つまたはそれ以上の膜が積層され得る)の寿命を延長するために電解槽の両側にわたって、オゾンガスと電解槽からの他の酸化種との相互作用から生じる膜劣化を分散させるように、以前の動作においてカソード側であったオゾン水溶液超音波スケーラシステムの側が現在の動作においてアノード側になり、以前の動作においてアノード側であったオゾン水溶液超音波スケーラシステムの別の側が現在の動作においてカソード側になるように、規定の運転時間経過後におよび水中のオゾンガスが減衰したことを確認した後に、電解槽の電気極性を切り替えるステップをさらに含み、(iii)切り替えステップは、停滞水および微生物汚染を排除または実質的に排除し、(iv)給水源から送出される水は、脱イオン水または逆浸透から得られた水であり(低電導度水は三相境界における電流密度を集中させて、オゾン発生を向上させ、電極上の鉱物沈着物による汚れを防止する)、(v)1つまたは複数のガスセパレータのチャンバ内の反転流を実質的に低減し、気泡が1つまたは複数のガスセパレータの出口ポートに運ばれるのを防止するために、入口バッフルを使用して1つまたは複数のガスセパレータに進入するオゾン処理水の流れを減速させるステップをさらに含む。このことはさらに、気泡が再循環ループに入ることを防止し、光学的紫外線吸光度オゾンセンサとの気泡干渉を除去する。
【0013】
本明細書内の別の態様では、超音波スケーラハンドピースにオゾン処理水を供給するための装置が開示される。該装置は、オゾン水溶液超音波スケーラの電解槽に水を送出するための給水源であって、電解槽は流体経路を通して給水源と接続され、オゾン処理水を生じさせるために水中でオゾンガスを発生させるための電流を受け取るように適合される、給水源と、1つまたは複数のガスセパレータであって、各々のガスセパレータは電解槽も収容する流体経路の対応する再循環ループ内に配置され、前記各々のガスセパレータはハンドピースに送出されるオゾン処理水の流れからガス状オゾンを分離するように構成される、ガスセパレータと、流体経路の前記再循環ループ内に配置される1つまたは複数の紫外線センサであって、水中を通過する水の一部によって吸収される紫外線量によって水中の溶存オゾン濃度を測定するように適合される、紫外線センサとを備える。
【0014】
さらに別の態様では、該装置の以下の特徴の1つまたは複数の組み合わせが開示される。(i)流体経路の少なくとも一部における装置圧力を制御するために流体経路内に配置された1つまたは複数のポンプをさらに備え、(ii)流体経路の少なくとも一部における装置の別の圧力を制御するためにガスを放出するために流体経路内に配置された1つまたは複数の弁をさらに備え、(iii)ガスセパレータ内のオゾン処理水のレベルを測定するために1つまたは複数のガスセパレータに接続された1つまたは複数のレベルセンサをさらに備え、(iv)1つまたは複数のガスセパレータのガス放出経路内に配置され、分離されたガス状オゾンガスを酸素に変えるように適合されたオゾン破壊装置をさらに備え、(v)給水源は、水を単一方向に送出するためのダックビル接続アセンブリを有するスパウトパウチまたはウォーターボトルであり、(vi)給水源は、装置の基部内の装填トレイ内に保持され、(vii)オゾン電解槽の極性は、オゾンガスを生成する装置の側を反転させるように切り替え可能である。
【0015】
さらなる態様では、超音波スケーラハンドピースにオゾン処理水を供給するためのコンピュータシステムが開示される。コンピュータシステムは、給水源からオゾン水溶液超音波スケーラシステムの電解槽に水を送出するステップと、電解槽に電流を流して水中にオゾンガスを発生させるステップと、流体経路内に1つまたは複数の再循環ループを設置して電解槽および1つまたは複数の再循環ループに対応する1つまたは複数のガスセパレータを通して水およびオゾンガスを移動させるステップと、規定濃度の溶存オゾンを有するオゾン処理水を生成するために電解槽に流される電流量によって水中のオゾンガス濃度のレベルを制御するステップと、1つまたは複数のガスセパレータを使用してハンドピースに送出されるオゾン処理水の流れからガス状オゾンを分離するステップとを実行するように構成されたプロセッサを備える。
【0016】
さらに別の態様では、コンピュータシステムによって実行されるときにコンピュータシステムに手順を実行させるプログラムを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体が開示され、該手順は、給水源からオゾン水溶液超音波スケーラシステムの電解槽に水を送出するステップと、電解槽に電流を流して水中にオゾンガスを発生させるステップと、流体経路内に1つまたは複数の再循環ループを設置して電解槽および1つまたは複数の再循環ループに対応する1つまたは複数のガスセパレータを通して水およびオゾンガスを移動させるステップと、規定濃度の溶存オゾンを有し、紫外線のオゾン吸光度特性によって測定されたオゾン処理水を生成するために電解槽に流される電流量によって水中のオゾンガス濃度のレベルを制御するステップと、1つまたは複数のガスセパレータを使用してハンドピースに送出されるオゾン処理水の流れからガス状オゾンを分離するステップとを含む。
【0017】
インラインオゾン水溶液生成を伴う完全統合システムは、処置に必要な場合に、治療室内でオゾン水溶液を生成し、使用することを可能にする。オゾン水溶液生成器およびスケーラの両方のための流体経路/流体路で使用される材料は、掃気作用を制限し、溶存オゾンとの材料適合性を確実にし、スケーリング器具から出る洗浄液の濃度を制御し、機器の有効性および信頼性を確実にするように制御および設計される。オゾン生成器および超音波スケーラを開発し、一体化することにより、オゾンに適合しない既存のスケーラにおけるオゾン水溶液の誤用が防止される。
【0018】
本明細書の一態様では、歯科医療従事者は、オゾン水溶液の生成の有無にかかわらず、超音波スケーリングユニットを使用することができる。単に送水管路の清浄度を維持するようにオゾンを止め、またはオゾンを低下させることができることにより、臨床医は、患者に対してオゾン水溶液を送出するタイミングを管理することができる。
【0019】
オゾン水溶液を生成し、関連する臨床的利益を達成するために、都市用水とは異なる特別に調整された水が必要とされ得る。様々なレベルの細菌叢および前記特別に調整された水とは異なる他の形態の水は、化学物質および/または添加剤を含有し得る。特別に調整された水は、例えば、2~4人の患者に対応する1/2リットルボトルに入れられる。水は、スケーラ水界面と結合して再充填を防止するように設計された専用の取付具を有する容器に入れて送出される。投入水を制御することによって、システムの信頼性ならびに洗浄液の質および有効性が制御され得る。
【0020】
例示的な実施形態では、該システムは、超音波スケーリングの有効性をオゾン水溶液の抗菌特性および抗バイオフィルム特性と組み合わせることによって、従来のデブライドメントの方法と比較して、歯周臨床パラメータ(例えば、プロービング時の出血(BOP)、臨床的付着喪失など)を有意に改善する。より有益な細菌叢を有する清掃されたポケットの再コロニー形成は、病原性集団がより完全に除去された場合ほど起こりやすくなる。持続的な歯周治療の目標は、これらの領域において、病原性(ディスバイオシスの)細菌叢から、局所組織に対してより害が少なく、宿主組織および生理機能との妥当な平衡状態を維持することができるより有益な集団への持続的なマイクロバイアルシフトを達成することである。その結果、歯周組織の炎症が軽減され、他のいずれのデブライドメント方法よりも歯肉炎および歯周病の治療を受けている患者の臨床パラメータが改善される。超音波スケーラの作用様式(すなわち、機械的、キャビテーション、マイクロストリーミング、および洗浄液のフラッシング作用)と組み合わされたオゾン水溶液は、病原性細菌を根絶し、デブライドメントの任意の他の方法よりもディスバイオテシス病原性歯肉縁下バイオフィルムおよびプラークの形成を遅らせる。結果としては、口内の爽快感の有意な改善、歯肉炎症の低減、および歯の長期保持が挙げられ得る。オゾン水溶液でスケーリングすることによって、オゾンは、超音波スケーリング中に口腔内に存在する患者細菌に由来する感染性エアロゾルを減少させる。該システムは水道水に触れることはなく、該システム内の全ての流体がオゾン処理されるので、システム配管および水路内のバイオフィルムの形成が抑制され、超音波スケーリングシステムの送水管路がほぼ無菌状態、すなわち、臨床処置(例えば、スケーリング、SRP)を行う際に100コロニー形成単位(CFU)未満、場合によっては5CFU程度の低い状態を維持することが可能になる。現在では、抗菌剤(例えば、クロロヘキシジン、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム、ポビドンヨード)があり、それらを超音波スケーラ洗浄液に送出するためのシステムが市販されているが、病原性細菌を根絶するこのシステムによって生成されるオゾンおよび酸素注入水は天然であり、添加剤または化学物質を含まない。オゾン水溶液は非常に急速に水と酸素に分解され、歯周ポケット内で活性を維持せず、他の抗菌剤よりも低い細胞毒性を有する。オゾン水溶液は味覚に影響を与えず、着色汚れを引き起こさない。超音波スケーラの主要な作用様式(例えば、機械的、音響的なマイクロストリーミング、キャビテーション、およびフラッシング洗浄)をオゾン水溶液と組み合わせることによって、硬質沈着物および軟質沈着物の両方が、任意の余分なステップまたは補助的な治療を加えることなく、切除され得る。この複合技術は、追加の治療(例えば、補助的な投薬、手用器具による処置、歯肉縁下のエア研磨など)を必要とせずに、病原性細菌を根絶し、バイオフィルムを歯肉縁下で破壊する。
【0021】
したがって、例示的な実施形態は、オゾン水溶液(AO)が、洗浄液中の抗菌機能を送出するための有利な選択肢であり、従来の抗菌添加剤の必要性に取って代わるものである。溶液中のオゾンは、広域抗菌剤であり、細菌、真菌およびウイルスを不活性化することができ、それらに対する耐性が発現する可能性がない。さらに、オゾン水溶液は、バイオフィルムの除去を加速させ、スケーリング処置を短縮するか、またはバイオフィルム除去の完全性を高める。バイオフィルムに対するオゾン水溶液の化学的作用は、スケーリングの作用の有効半径を広げ、また、物理的にアクセスできないバイオフィルムを攻撃する。Karin C.Huthらによる、「Effect of ozone on oral cells compared with established antimicrobials」と題された文献(Eur J Oral Sci.2006:Vol.114、pp435~440)内に示されているように、オゾン水溶液は、バイオフィルムを分解し、微生物細胞を死滅させるのに非常に有効であるが、患者の組織に対する毒性は低い。この文献の内容全体は、本明細書に完全に記載されているかのように、参照により本明細書に援用される。
【0022】
オゾン水溶液の洗浄液の使用は、同じ洗浄効果を有する超音波出力を低減することが可能であり、患者に対する不快感を低減する。オゾン水溶液スケーリング方法による結果を最適化することは、パラメータの共同制御を必要とし、したがって、オゾン生成送出手段を有する統合スケーラが非常に好ましい。該システムは、最適化された安全かつ有効なオゾン促進スケーリング治療を実現するための全ての必要不可欠な手段を提供する。
【0023】
任意の特定の要素または行為の説明を容易に識別するために、参照番号における最上位桁は、その要素が最初に導入された図番号を指す。本発明の特性と考えられる特定の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に記載されている。しかしながら、本発明自体、ならびにその好ましい使用形態、さらなる目的および利点は、添付図面と併せて読むと、例示的な実施形態の以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、一実施形態に従うシステムのブロック図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に従う電解槽の略図である。
【
図4】
図4は、一実施形態に従うシステムのブロック図である。
【
図6A】
図6Aは、一実施形態に従う紫外線(UV)センサの斜視図である。
【
図6B】
図6Bは、別の実施形態に従う紫外線(UV)センサの断面図である。
【
図6C】
図3Cは、別の実施形態に従う紫外線(UV)センサの斜視図である。
【
図7】
図7は、一実施形態に従う接続部の略図である。
【
図8】
図8は、一実施形態に従うパウチおよび接続部の略図である。
【
図9】
図9は、一実施形態に従う相互作用を示す図である。
【
図14】
図14は、一実施形態に従うシステムを示す図である。
【
図15】
図15は、一実施形態に従うシステムを示す図である。
【
図16】
図16は、一実施形態に従うシステムを示す図である。
【
図19B】20Bは、一実施形態に従うシステムの代替構成を示す図である。
【
図21】
図21は、一実施形態に従う方法を示すフローチャートである。
【
図22】
図22は、一実施形態に従うコンピュータシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書に記載される例示的な実施形態は、オゾン水溶液を有する超音波スケーラを対象とする。超音波スケーラは、水源、電解槽、ガスセパレータ、オゾン破壊装置、ポンプおよびハンドピースを備え、これらについて以下に説明する。
【0026】
システムおよび装置
【0027】
図1は、一実施形態に従うオゾン水溶液超音波スケーラシステム100のブロック図である。該システムは、該システムの安全な長期運転を可能にするように適合された給水源104を含む。例示的な実施形態では、給水源は、特に無視できるレベルの多価金属イオンを含む、脱イオン水または逆浸透から得られる水などの精製水である。選択された濃度の溶存二酸化炭素、または酸素、または不活性ガスを含む任意の水組成物が、提案されるシステムにおいて使用され得る。給水源104は、槽を汚染するか、またはオゾン処理時に望ましくない成分(例えば、臭素から臭化物、またはプロクロライト(prochlorite))を生成する可能性がある水が該システムに供給されないようにするための取付具を有する200ml~1000mlパッケージのようなパッケージ/ウォーターボトル/スパウトパウチ704で送出され得る。オゾン水溶液超音波スケーラシステム100は、取り付けられた1つ、2つ、またはそれ以上の給水源104を有する。該システムは、処置中に給水源104(スパウトパウチ704)が空になった場合に、1つの給水源104から別の給水源104に自動的に切り替えることが可能であり、したがって、患者を治療している間に臨床医の治療が中断されることを防止する。該システムは、パッケージが空であり、第2の処置を開始する前に交換される必要があることを臨床医に警告する。給水源104は、再充填を防止する取付具を有する。例示的な実施形態では、該システムは、接続力を探すか、または再使用および代替水源の使用を防止するRFIDラベルを読み取ることによって、パッケージが再充填されたかどうかを識別する。
【0028】
オゾン水溶液超音波スケーラシステム100はさらに、水を酸化させて溶液中にオゾンを形成する電解オゾン槽106を含む。従来の槽はさらに、副生成物としていくらかの酸素を生成し、酸素は、嫌気性生物を標的とする治療のための生成水の有用性をさらに高めるが、いずれにせよ、スケーリングを主たる目的としたオゾン水溶液(AO)の溶液の価値を低下させない。槽はまた、いくらかの過酸化水素を生成し得、そしてこの溶液の成分も、洗浄効果、漂白効果および抗菌効果にとって有益である。一部の例では、オゾンと過酸化水素の相乗効果が知られており、該システムによって有利に使用され得る。
【0029】
該システムは、ランタイムおよびアイドル時間中に適切なレベルを維持するために必要とされるよりも多くの電流で電解オゾン槽106を駆動することによって、起動時にシステム内のオゾンレベルをより急速に変化させることができる。起動時に、該システムは、2つの手段、すなわち、該システムを水で満たして加圧する一次ウォータポンプ118cと、該システムのガス側で一次ウォータポンプ118cを補助して流体をスケーラハンドピースに押し出すのに必要な十分なシステム動作圧力を生成する空気ポンプ118a(または空気ポンプ118b)とによって、規定圧力を達成する。
【0030】
例示的な実施形態では、監視制御デバイスは、ユーザの制御下で活性種の安定した既知の濃度の生成を可能にする。オゾンは強力な酸化剤であり、該システムは、安全性および有効性を保証するために、生成された濃度の自動監視制御を可能にしなければならない。
【0031】
ガスセパレータ116a、ガスセパレータ116bは、超音波ハンドピース108に送出される水の流れからガス状オゾンを分離する。ガス状オゾンは刺激性であり、スケーリングの有効性を有益に高めるものではないので、オゾン水溶液超音波スケーラシステム100は、気泡の含有量を最小限に抑えて、溶液中でオゾンの全てを器具に供給するように適合される。該システムはさらに、オゾンセンサまたはポンプなどの構成要素の動作を可能にするために、確実に該システム内の流路が十分に気泡を含まないようにする手段を含む。同様に、該システムは、カソードから除去するためにガス状水素を分離する手段を含み、このことにより、脱分極カソードからの過酸化水素廃液流を有する必要性が回避される。該システムは、臨床医の流量要求から、電解オゾン槽106内の流量条件を別個に最適化するように適合される。例えば、ガスセパレータ内のバッファ容積は、送出流量から槽内の瞬間流量を切り離すために使用される。バッファ容積134および再循環ループ132の使用は、入口から出口への正味の流量よりも多い内部流量を可能にし、要件に従って独立した流量変動を可能にする。実際には、このことは、正確な濃度測定および超音波ハンドピース108への送出の制御のための十分に混合されたシステム容積を提供するという追加の利点を有し、また、ガスセパレータ116a、ガスセパレータ116b、および停滞貯蔵容積内よりも応答時間が速いインラインセンサ102の統合を可能にする。
【0032】
さらに、該システムは、冷却または標的表面への超音波の結合などの他の要件を満たすことと併せて、ユーザ制御および設定選好に対応して、ハンドピースへの水の流量およびオゾン含有量を制御する手段を含む。本開示は、使用量および電力レベルのような器具パラメータに対応する、動的に制御された水流およびオゾンレベルを企図する(例えば、超音波パラメータから推測されるように、先端が標的表面と接触していない場合、励起電力は瞬間的に低減され得、水流も同様に低減され得る)。「能動的」スケーリングが発生すると、電力および水流の両方が、制御システムによって即座に増加され得る。適応挙動は、該システムに高い有用性の利点を提供することができ、手動制御装置を操作する必要性を低減することができる。さらに、該システムは、システム動作圧力を制御して、該システムを高圧で動作させ、生成ループ内でオゾンをより多く溶解させ、標準的なスケーリング器具を動作させるのに十分な圧力で水を供給し、既存の設備の使用を可能にすることを企図する。さらに、圧力は、例えば、該システムを充填するときに、および電気分解によって生成されたガスの排出を制御するために、流量制御方法の一部として使用され得る圧力信号を提供するように制御され得る。さらなる実施形態では、該システムは、いくつかの異なる圧力設定のうちの1つで動作するように調節され得、電解槽動作点は、異なる圧力で溶解されるガスの量を補償するように適合され得る。
【0033】
オゾン破壊装置114はさらに、例えばガス分離機能の一部として、該システムによって放出される任意の望ましくないオゾンを中和するために使用される。また、電解槽のカソードからの任意の関連する水素放出を管理する手段。水素は、電解槽自体の中で、またはその機能のために最適化された別個の構成要素の中で、または過剰オゾンの還元と併せて、酸化されて水に戻ることができる。超音波ハンドピース108は、オゾンリッチな洗浄液との関連で高い有効性で機能するように適合される。適応形態は、例えば、ハンドピースとオゾン溶液との適合性を高めるコーティング、低熱出力を有する超音波励振器、駆動ユニットに接続する感知装置、再循環水流オプション、または冷却および基本洗浄のための普通の水および先端のみに直接送出されるオンデマンドオゾン処理洗浄液を使用するデュアルフロー設計を含み得る。
【0034】
さらに、該システムは、ユーザインターフェース402と、給水源(図示せず)およびハンドピースへの物理的インターフェースと、該システムを歯科医師の要求ならびに関連処置の安全性および有効性に最適に適合させるための好適なケースワークとを含む。最初の実施形態では、該システムは、従来の非オゾン処理超音波スケーラと非常に類似した機能を果たすので、熟練した使用者は、確立された処置において新しいシステムを直ちに使用することができる。超音波およびオゾン生成機能の制御の統合は、提案される実施形態の有益な特徴である。
【0035】
該システムは、本質的に安全であり、設計によって、安全性および有効性の両方を提供するいくつかの特性を有する。したがって、該システムはオゾン水溶液を送出し、ガス状のオゾンは患者に送出されない。オゾン水溶液の流量は、該システムの低い圧力、流量制御、および超音波スケーラインサートのオリフィスによって制限される。オゾン生成は本質的に安全であり、ファラデーの電気分解の法則によって制御され、ガス生成は電流に正比例する。結果として、生成される電解オゾン(EO)は、EO生成器に送られるDC電流によって直接制限される。該システム内の水の存在は、電解式生成器がオゾン水溶液を生成するために必要であり、オゾン生成器122は、水の不在下では動作しないか、またはオゾンガスを生成しないように構成され得る。UVセンサ110は、水中のオゾンのレベルを直接監視する。ファラデー制御は、電流および結果として生じる槽電圧が電気化学反応を促進するものであるので、槽駆動パラメータが槽状態の制御および監視の両方を提供することができるように、安全な動作領域を確立する。該システムは、専用の接続部を有するカスタム容器内に送出される高純度水をオゾン処理し、オゾン処理洗浄液に含まれる投入水の品質および組成の両方に対する制御を行う。水道水をオゾン処理するか、またはコロナ放電によって室内空気から生成されたガスを溶解することを企図する他のシステムとは異なる。洗浄液の安全性は、投入水、システムを構築するために使用されるオゾン適合性材料、ならびにガスおよび同伴ガスが超音波スケーラハンドピースに送出されることを防止するガスセパレータによって制御される。過剰なオゾンガスは、オゾン破壊装置を介して酸素(O2)に変換されることによって中和され、ガス放出経路146からの局所環境へのオゾンの意図的な放出を防止する。システムからのオゾンの望ましくない排出(すなわち、漏出)の防御は、堅牢な管類、継手、および構成要素(すなわち、ポンプおよび弁)によって行われる。システム制御は、システム状態が洗浄液を送出する準備ができていない(すなわち、新鮮な水源が空である、目標オゾンレベルが満たされていない、システム圧力が達成されていない、または故障が検出された)場合に、超音波動作を防止する。
【0036】
オゾン水溶液超音波スケーラシステム100の構成要素を簡単に説明してきたが、ここで前記構成要素についてより詳細に説明する。
【0037】
例示的な実施形態では、給水源104は、
図17~
図19に示されるように、個々のパッケージ内で予め調整される。パッケージは、該システムへの好適な無菌接続(図示せず)によって無菌状態にされる。処置中の供給の連続性を保証するために、該システムは、複数の(例えば、2つの)容器の使用を可能にし、処置の間に第1の容器が空である場合に容器間で切り替えるように適合される。例示的な実施形態では、該システムは、該システムの安全かつ最適な動作を保証するために、正確な水パッケージが挿入されたことを判断する。
【0038】
別の例示的な実施形態では、
図15に示されるように、飲料水源からのリアルタイムの精製水が取り込まれる。ここでは、水道水1504を浄化するために、別個の浄化供給装置、または一体化された浄化装置が使用される。浄化供給システムは、電解槽の安全な供給のための正確な動作を保証するために、水質センサを含む。外部浄化装置が使用される場合、膜に対して高い親和性を有し、また膜劣化プロセスを促進することが知られているFe、Cu、Zn、またはAlなどの残存する微量のイオンを除去するという特定の機能を有する小さな二次浄化段が含まれ得る。特に、一体化された浄水機構は、従来の逆浸透/脱イオン技術を使用することができ、または好ましくは、供給される標準的な飲料水/非オゾン処理水を取り入れ、該システムの平均使用率に対して十分な流束の精製水を生成することができる、電気脱イオンなどの自己再生脱イオン技術を使用することができる。該システムがより大きなスペースを占有することになるが、ピーク需要と平均需要との間のバッファリングを可能にするために、中間水リザーバが使用され得る。水道水1504は、典型的には、規定圧力で利用可能であり、この圧力は、浄化プロセスにおける初期濾過ステップを促進するために使用され得、その結果、この目的のためだけに該システム内に別個のポンプを含む必要性が低減される。該システムは、ボトル供給構成に加えて、配管された給水源からの動作を可能にするように適合され、操作者がいつでも非オゾン処理動作を選択できるようにし、実際に必要でないときに純水供給源を枯渇させることを回避できるようにする。配管された給水源が濾過および脱イオン化されない限り、その給水源を電解オゾン生成器で使用することは好ましくない。配管された給水源は、該システムのオゾン生成器122部分を通らずに、ハンドピースへの水排出を可能および不可能にするために水圧および別個の水用ソレノイドに対する自身の制御を有するバイパス送水管路を通って送出される。該システムはさらに、配管された水用の外部接続部を有さないように設計され得るが、ボトル供給構成から水を引いて、オゾン処理なしで直接ハンドピースに送出するバイパス管を依然として備え得る。非オゾン処理動作はまた、電解オゾン槽106への電流をオフにすることによって、該システムのオゾン生成器122部分を通して送出され得、槽電流はまた、有意により低いレベルで操作され得るか、またはオゾンを生成するのに必要な電流でまれにパルス化され得、その結果、該システム内の送水管路の清浄度を維持するために検出不可能なレベルのオゾンが送出される。
【0039】
図2は、一実施形態に従う電解槽の略図である。気相におけるO2からのO3の形成の代わりに、水の直接酸化による電気化学的オゾン生成は、触媒電極表面がいくつかの異なる吸着中間体を介する反応のネットワークの部位である複雑な電気化学プロセスである。反応ネットワークは、酸素とオゾンとの混合物を生成する。触媒表面の化学的性質は、オゾン生成の割合に影響を及ぼすが、酸素形成経路は、エネルギー的により好ましく、典型的には、電極電流の少なくとも半分が、最もオゾンを促進する表面上でも酸素を形成する。
【0040】
目標は、プロセスのエネルギーコストに直接影響することから、達成可能な最低槽電圧で可能な限り速い酸素発生速度(ひいては水素生成速度)を達成することである。電気分解の多くは、電極間で電流を搬送する伝導性電解質を用いて直接行われるが、膜202(プロトン伝導膜)を使用してプロトン電流を搬送することができるが、他の核種を相当な速度で通過させることはできない。このことにより、純水の電気分解を達成することができ、化学的な単純さおよび望ましくない副生成物がないという点で顕著な利点が得られる。膜202は、ナフィオン(Nafion)、アクイヴィオン(Aquivion)、および同様の製品のようなテフロン(Teflon)のスルホン化誘導体であり得る。これらの槽は、通常、プロトン交換膜水電解槽(PEMWE)と呼ばれる。例えば、酸素/水素生成のためのいわゆる「Membrel」プロセスにおけるPEMWE工業電解槽は、長い耐用年数を有し得る。しかしながら、槽電圧が上昇し、オゾン選択触媒が使用される場合、達成可能な耐用年数は、極度の酸化環境における膜および電極の劣化のために、特に膜ポリマーを効果的に攻撃するいくつかのフリーラジカル媒介反応のために、かなり短くなる。
【0041】
酸素の代わりにオゾンを選択的に生じさせることにより、廃棄物として水素が発生する。オゾン水溶液超音波スケーラシステム100の目標は、高い溶存オゾン濃度と槽の長い耐用年数との組み合わせを達成することであり、ホウ素ドープダイヤモンド(BDD)の電極を使用して、この材料の酸素形成に対するオゾン形成の優先的比率を利用することができる。しかしながら、材料としてのBDDは、機械的特性に関してダイヤモンドと本質的に同等であり、制御された伝導性の層を形成するために好適な基板上にドープダイヤモンド層を直接合成することによって作製されなければならないので、いくつかの現実的な課題を示す。したがって、BDD電極は、比較的高価で壊れやすい構成要素である。例示的な実施形態では、電解オゾン槽106は、薄いホウ素ドープダイヤモンドコーティングを有する一対の有孔シリコンプレートと、シリコンプレート間のプロトン伝導性膜202の層と、水および放出ガスが有孔表面を通過するための流路204とを備える。この構成は、プレートの全ての孔の縁部に必要な3相境界領域を提供する。当然のことがら、本明細書に照らして他の同様の構成が実現され得る。本開示における実施例は、説明を明確にするためにのみ使用され、例示的な実施形態に限定されない。本開示から、追加の動作、挙動、タスク、アクティビティ、および操作が考えられ、これらは例示的な実施形態の範囲内で企図される。
【0042】
図3Aは、一実施形態に従う電解オゾン槽106の第1の構成の斜視図である。この構成では、流路204は膜202に平行に配置される。
【0043】
図3Bは、一実施形態に従う電解オゾン槽106の別の構成の斜視図であり、この場合、流路204は、膜202に対して垂直に配置される。
【0044】
図4は、一実施形態に従うオゾン水溶液超音波スケーラシステム100の構成要素間の相互作用400のブロック図である。相互作用400は、電解オゾン槽106と、超音波ハンドピース108と、UVセンサ110と、ソレノイド128と、フットペダル130と、ユーザインターフェース402と、超音波制御盤404と、オゾンシステム主制御盤406と、電源408と、センサ410と、ポンプ412との間の通信を含む。
図1のオゾン水溶液超音波スケーラシステム100の一部または全ての構成要素。超音波制御盤404およびオゾンシステム主制御盤406は、オゾン水溶液超音波スケーラシステム100における相互作用400を制御するための1つまたは複数の制御ユニットに含まれるか、または1つまたは複数の制御ユニットを形成する。
【0045】
図6Aは、一実施形態に従うUVセンサ110の斜視図である。
【0046】
UVセンサ110は、温度センサ付きLED602と、レンズの追加を可能にするマウント604と、容易な取り外しおよびメンテナンスを可能にする光学要素および電子要素のための取り付け点を保持する蓋606であって、放熱を行う蓋606と、時間と共に変化するLED出力/強度の補償を可能にする監視用フォトダイオード(軸外)608であって、温度センサを有する監視用フォトダイオード608と、光透過、化学物質に対する耐性、および最小のフローボイドを有する機械的靭性を可能にするためにサファイアで作製された段窓部610とを備える。UVセンサ110はさらに、必要に応じて熱膨張を可能にするための温度センサ孔612と、光学要素およびプリント回路基板(PCB)を保持する窓に圧力を加えるために、例えば雄ねじ式にねじ込まれる陽極酸化アルミニウム管614と、温度と共に変化するフォトダイオード(PD)感度変化の補償を可能にする温度センサ付き測定用フォトダイオード(軸上)616(検出器)と、ルーティンググロメット618と、光路の精度および統合の容易さを保証するためのカイナー(Kynar)ポリフッ化ビニリデン(PVDF)ブロックマニホールド620と、オゾンレベルが測定される水を受け入れるための投入用カイナーバーブ継手622とを有し、その水は排出用カイナーバーブ継手624を通して排出される。
【0047】
オゾン水溶液超音波スケーラシステム100は、安全性および有効性の両方を維持するために、紫外線の吸光度を測定することによって水中のオゾンを直接測定するように構成される。UVセンサ110は、光吸収の原理で動作し、紫外線発光ダイオード(UV LED)を利用する。
図5に示すように、光は、約280nmの紫外領域においてオゾンによって強く吸収される。280nmのLEDは、260nmのLED(260nmは吸収ピークである)よりも安価であり、依然として検出可能に十分に吸収されるので、選択され得る。当然のことながら、選択は280nmのLEDに限定されない。
【0048】
オゾン吸光度の光スペクトルを
図5に示す。溶存オゾンを測定するためのセンサは、この現象を利用する。その原理は、オゾンによる光の吸収である。例えば、生成されるオゾンが多いほど、検出されるUV信号は小さくなる。測定用フォトダイオード(軸上)616に到達する光は、ランベルト・ベールの法則によって数学的に記述され、この法則は、光の減衰を、光が通過する材料の特性に関連付けるものである。
【数1】
【0049】
給水柱を通って投射される光は、検出器(測定フォトダイオード(軸上)616)の増幅器の出力における電圧Vとして表される。V0は、光を吸収または散乱するものがないときの検出器からの電圧である。これは、LEDの温度Tledと共に変化するLED輝度に依存する。該システムは、2つのパラメータ、すなわちLEDからの出力およびLEDの温度を連続的に監視する。σ[λ]は、吸収断面積(単位面積)である。Vは、検出された光を表す信号電圧である。検出器電圧はその温度に依存するので、UVセンサ110は温度効果を測定して補償することができる。その値は、温度変化によって変化するLED波長λに依存する。この変化は予測可能であり、追加の回路およびソフトウェアを使用して補償され得る。x[λ]は、溶存オゾンを含有する水中を光が進む距離である光路長である。光路長/吸収断面積は、材料膨張に起因する温度変化によって変化する可能性がある。この変化は、材料の選択によって最小限に抑えられ、ドリフトは補償されるか、または単に受け入れられる。これらの値は、ユニットごとに変化する可能性があり、したがって、製造における最終試験手順の一部として較正方法を使用することによって修正され得、較正は、既知の「濃度」の溶存オゾンを使用して行われ、組み合わされた定数(-σ.x)に対する値を提供することができる。この値は,「較正定数」と呼ばれる。該システムは、この定数が温度によってどのように変化するかを知り、動作中に周囲温度によってその定数を調整することによって、温度によって引き起こされる変化に対してこの定数を補正することができる。損失は、窓部の汚染または光の邪魔になるものによって引き起こされる。これは、流路xに純水が存在する場合には、より頻繁な0テストとして評価され得る。この波長では有意な吸収体は存在しないと仮定され、実験は、例えば過酸化物は、この波長では、あまり影響を与えないことを示している。システム起動中(例えば、毎日)、前日からのカソード液はUVセンサを通って循環し、カソード液はオゾンを含まず、光路に関連するあらゆる誤差(すなわち、オゾン測定値を相殺する光子を反射および吸収する残留物、表面蓄積)をゼロにするための基準流体となる。LED加熱を低減し、「暗電流」を除去するために、LEDはパルス化され、「オン」状態および「オフ」状態の両方で測定する。パルスは、例えば、約3ミリ秒「オン」3ミリ秒「オフ」で持続し、例えば、200マイクロ秒ほど短くてもよく、10秒ほど長くてもよい。タイミングはソフトウェア制御されるが、追加の回路素子は、ピコ秒の再現性および精度でハードウェアベースの脈動を提供し得る。各フラッシュの「オン」値は、それから減算された対応する「オフ」値を有し(過渡的な照明変動の除去を可能にする)、得られた値は、100回のフラッシュ、または10回程度のフラッシュ、または100000回を超えるフラッシュを平均したものである。
【0050】
光の使用は、溶存オゾンを測定するための非接触アプローチであり、水と接触しなければならない電解オゾンセンサに関係する送水管路内に汚染物質を導入することを回避する。
【0051】
図6Bは、別の例示的な実施形態に従うUVセンサ110を示す。前記UVセンサ110は、オゾン水溶液超音波スケーラシステム100のマニホールド(図示せず)に適合することを可能にする外側ハウジングを有するように構成され得る。複数のマニホールド取付点642により、センサをマニホールドに取り付けることができる。UVセンサ110は、UV LED626によって投射された光の強度を監視するための監視用フォトダイオード(軸外)608を含む。測定用フォトダイオード(軸上)616は、投射軸上に位置し、流体ポート636から給水柱634を通過する水中のオゾンの濃度を示す戻りUV光の量を測定するように構成される。コリメートレンズ628は、測定用フォトダイオード(軸上)616に向けてUV光をコリメートする。測定用フォトダイオード(軸上)616は、ハウジング640に結合され、例えば製造中のフレキシブル回路630の動きが測定用フォトダイオード(軸上)616を軸から変位させないように、フレキシブル回路630に接続される。フレキシブル回路は、理想的には、外部/主制御回路からUVセンサ110への電力、アナログ信号、温度、およびデジタルの通信回線の導入を可能にするオンボード電気接続638を有し、局所測定能力および局所計算能力を有さないセンサにおいて発生する雑音を防止または実質的に排除する局所測定および計算を可能にする。
【0052】
別の例示的な実施形態では、
図6Cに示すように、複数のUVセンサ110が無数の構成で組み合わされ、各センサは、電解オゾン槽106の対応する切り替え構成中に使用されるように構成され、例えば、アノード/カソード構成中に1つのUVセンサ110が使用され得、電解オゾン槽106の極性の反転によってカソード/アノード構成へ切り替えられるときに異なるUVセンサ110が使用され得る。リジッドPCB644は、フレキシブル回路630のサブパーツであり得る。
【0053】
オゾン濃度の閉ループ制御を備えたオゾン水溶液生成器の超音波歯科用スケーラへの組み込みは、重要な構成要素の削減および流体マニホールドへの組み込みを必要とする。オゾンの濃度を監視するために使用されるUVセンサ110は、日々の極性切り替えをサポートするために、該システムの両側のカソード液およびアノード液において必要な重要な構成要素である。2つの小さなセンサまたは2つのチャネルを有する単一のセンサが必要である。代替的なアプローチは、センサを通る再循環水ループを迂回させるために4つの三方弁を使用することを含み、弁は、該システムのどちらの側がオゾンを生成しているかに応じて切り替わる。
【0054】
オゾンは電解槽内で生成されるので、その生成は、槽に流入するDC電流のレベルに基づいて増減され得る。UVセンサによって提供される情報は、該システム内で再循環されている水の中のオゾン濃度の測定値を制御ループに提供する。オゾン水溶液は、槽からガスセパレータに移動し、次いでガスセパレータからUVセンサに移動する。ガスセパレータは、確実にUVセンサを通って流れる水に気泡が含まれないようにし、気泡は、UVセンサ内の光を遮断し、測定においてノイズを生成する。該システムがオフである間に流体路内に形成される静的気泡は、UVセンサから流し出されなければならない。透き通った給水柱を実現するために、該システムを通る流体チャネルは、流速を低下させ、気泡が流れに運び去られることを防止する渦電流およびボイドを回避するように設計される。
【0055】
マニホールド適合UVセンサは、マニホールドへのUVセンサの組み付け時にマニホールドに接続される2つの流体ポートを有する。UVセンサの本体とマニホールドとの間の界面シールは、流体接続を形成する。水は、マニホールドから流出し、UVセンサに流入し、UVセンサからマニホールドに戻る。流体路は、気泡の閉じ込めを回避するように配向され、したがって、重力が気泡のフラッシングを補助することができるように、マニホールドの底部にUVセンサを配置することが好ましい。給水柱の各端部のサファイア窓部は、気泡およびデブリがセンサを通る水の流れによって容易に除去されるように、流体流にさらされなければならない。センサをマニホールドの底部に取り付けることは、歯科治療室に設置するための要件であるスケーラの高さを最小にする必要性を支援する薄型のセンサを設計することによって、超音波スケーラへの組み込みをより容易にサポートする。
【0056】
マニホールド適合UVセンサ110は、組み立てを容易にするように設計され得る。該センサは、給水柱634に紫外線を透過させることができる密封流体路を提供する。給水柱634の両端には、信号対雑音比を最適化するように整列された電気光学要素がある。UV LED626および測定用フォトダイオード(軸上)616をフレキシブル回路630上に取り付けることは、これらの電気光学要素を、LEDを制御し、フォトダイオードに電力を供給して増幅させ、デジタル化し、アナログフォトダイオード信号を分析するための全ての電子部品を統合する任意のリジッドPCBから機械的に切り離す。センサ回路は、オゾン濃度を計算するために較正値および損失値と共に検出用フォトダイオードおよび監視用フォトダイオードからのアナログ電圧を使用するアルゴリズムを処理するマイクロプロセッサを含む。ローカルマイクロプロセッサを維持することによって、オゾン濃度は、例えば、I2Cバスを介して、オゾン水溶液システム全体、超音波スケーラ、およびユーザインターフェースを制御する役割を担う中央マイクロプロセッサにデジタル転送され得る。アナログ信号ラインを短く保ち、外部雑音源(例えば、ポンプモータ、ソレノイド、電源、DCレギュレータ、タッチスクリーン電子部品)から遮蔽することができるので、フォトダイオードに近いアナログ信号を処理することにより、電気的雑音結合の可能性が低減される。オゾン濃度のアナログ信号処理、アナログ・デジタル変換、計算、およびデジタル化の両方を完全に統合して設計されたUVセンサ110はさらに、工場較正ルーチンを単純化する。UVセンサ110は、較正され、完成モジュールとして在庫され得る。超音波スケーラは、DC電源と、センサ情報にアクセスするためのI2Cバスを介した接続とを提供する。該センサは、シリアル化情報、オゾン濃度、損失情報に関連するセンサ健全性診断情報、UV LED626およびフォトダイオードの温度値、ならびにファームウェアバージョンおよび較正の詳細を提供することができる。このモジュールアプローチは、センサがオゾン水溶液超音波スケーラ706に一旦設置されると較正を必要とせずにスワップアウトされ得るので、製品サービスを直接サポートする。
【0057】
図1に戻って、ガスセパレータ116aおよびガスセパレータ116bについてさらに説明する。オゾン水溶液超音波スケーラシステム100では、オゾン含有水と平衡状態にあるガスヘッドスペースが存在する。アノード側124で局所的に高いガス濃度が生成されるため、気泡はアノード側124で生成される。気泡は、流れの中で合体してヘッドスペース136を形成し、一般に、十分に混合されたシステムにおけるこのヘッドスペース136は、水とほぼ平衡状態にある。ヘッドスペース136および任意の出口における同伴ガスの容積を制御することが重要である。従来のオゾン処理システムは、パイプを通って流れる水にオゾンガスを溶解させるためにベンチュリを使用するが、このアプローチは、未溶解ガスが歯科用ハンドピースに移動することを防止するものではなく、40ml/分未満、典型的には20ml/分未満の低流量を使用するシステムを支援するものではない。なぜなら、これらの流れには、ガスを流路に引き込むことによって適切なオゾン濃度を生成するためのエネルギー(流体速度および容積)がないからである。
【0058】
最適化された流れシステムの一部として、流れの気泡のない部分は、ユーザの要求に応答して、超音波ハンドピース108への流れシステムの排出部に向けられる。オゾン濃度変動およびシステム圧力変動の両方のいくらかのバッファリングまたは平均化を行うことも可能である。さらに、ポンプは、気泡がない場合に最も効率的に動作する。オゾン生成槽が動作しているときに流れシステム内に気泡が存在し、したがって、流れから気泡を継続的に分離することにより、気泡を含まない超音波スケーリング洗浄液が生成され、洗浄液から逃げたガスが患者の口腔内に流入することが防止される。少なくとも、このガスセパレータはさらに、オゾン処理水用のバッファリザーバ、ガスヘッドスペース136のバッファ容積、水位感知のための領域、ならびに複数のガスおよび水接続のための接続点を提供する。例示的な実施形態では、単一のオゾン水溶液超音波スケーラシステム100において以下の機能が組み合わされる。(i)オゾン水溶液の迅速な生成を提供し、電解オゾン槽106の寿命を延長するために該システムの極性を交互に変えることができるように、それぞれが水の容積を分離するガスセパレータを有する2つの再循環ループ132のような複数の再循環ループ132および対応するガスセパレータを使用する機能(電解オゾン槽106のアノード側124のガスセパレータ116aは使用中であるが、カソード側126の別のガスセパレータ116bは使用中でない場合があり、極性の切り替えは、カソード側126であったガスセパレータ116bが今度はアノード側124になり、その結果動作できる状態になるようにすることができる)。極性切り替えは、例えば日々発生し得、良好な性能、すなわち短時間で(例えば、30秒で)目標濃度に到達し、スケーリング中にその濃度を維持する能力を維持するように、槽を健全な状態に保つ。スケーリングの間、該システム内の水は、オゾン水溶液がハンドピースから出て新鮮な水が該システム内に送り込まれるので、絶えず希釈される。セパレータ内のレベルを維持するために、オゾン濃度が希釈され、EO槽をオンにして濃度を維持する必要がある。極性切り替えの別の重要な理由は、時間および廃水を要する日々のシステムフラッシングを不要にすることである。カソード液水の(例えば)日々のフラッシングがなければ、該システムは空にならない、または交換されないであろう。極性切り替えは、カソード液側がアノード液側に切り替えられ、次いで水がオゾン処理され、スケーリング中に交換されることを確実にする。(ii)気泡を含まない超音波スケーリング洗浄液を提供し、ガスが洗浄液から患者の口腔内に逃げるのを防止するためにガスセパレータの排出部から同伴ガスを除去する機能、(iii)UVセンサ110に浄水試料を提供する機能(気泡はUV光を反射および回折させて間違った信号測定をもたらす。気泡によって生成された光減衰信号は平均化され得るが、電解オゾン槽106の性能は、浄水試料によって強化される)、(iv)回路内の圧力平滑化を提供する機能、(v)電解オゾン槽106の制御によって排出部における濃度変動を低減する機能、(vi)制御回路のタイムスケールを延長する機能(帯域幅の低減)、(vii)電解オゾン槽106の槽流のパラメータを、ガスセパレータの制御された排出の使用を通して超音波ハンドピース108へのオゾン処理水の排出流から独立させる機能、(viii)該システムからの過剰なガスの分離および収集のためのヘッドスペース136を提供する機能、(ix)システム圧力変動を平滑化する機能、(x)水リザーバをヘッドスペース接続部から(例えば、オゾン破壊装置114に対して)隔離する機能。
【0059】
システムトポロジは、貫流を内部再循環ループ132と組み合わせて、最適な電解オゾン槽106およびオゾン処理水の送出に必要な別個の流れ条件を一致させる。槽は、熱およびガス気泡移送の両方の理由から、電極板を横切る水の流速が速いほぼ定常状態で最もよく動作する。排出流は、ユーザ制御に応答しなければならず、非常に断続的であり得る。
【0060】
気泡は水中では自然な上昇速度を有し、流れから気泡を効率的に除去する浮揚を可能にするためには、滞留時間が表面への気泡の最大上昇時間よりも長い自由表面を有する流れの一部が存在しなければならない。最大上昇時間は、気泡サイズおよび気泡が表面に達するまでに上昇しなければならない高さの関数である。例示的な実施形態では、セパレータの設計特徴は、入口流がリザーバの自由表面に向けられるが、ヘッドスペースから液体中への追加のガスの乱流気泡混入を引き起こさないように下から自由表面に向けられることであり得る。液体レベルは、通常動作中に非混入状態を維持するためにセンサ102のような水位センサを使用することによって該システムによって管理される。
【0061】
別の例示的な実施形態では、電解オゾン槽106からセパレータへの流路は、確実に平均気泡サイズが可能な限り大きくなるように、気泡合体を最大化し、気泡分裂を最小限に抑える。気泡は大きいほど速く上昇するので、より良好なセパレータ性能またはより小さいセパレータ作業容積を使用することが可能になる。
【0062】
別の例示的な実施形態では、セパレータ内への水の流入は、以下に説明するように、噴流を最小限に抑え、流入領域における乱流渦の規模を低減するように、遮られ、調整される。
【0063】
別の例示的な実施形態では、セパレータの液体容積には、チャンバ内の大量の反転流を抑制するように離間されたバッフルが設けられ、したがって、比較的低いエネルギー循環流によって気泡が出口ポートに向かって下方に運ばれる可能性を低減する。入口およびバッフルの設計は、チャンバの全領域にわたって均一にゆっくりと下方に移動する流れを可能な限り多く作り出すような設計である。流れの中の渦は、バッフルの間隔よりも小さくしなければならず、この間隔は、チャンバ形状ならびに入口ポートおよび出口ポートの配置に適するように適合され得る。
【0064】
セパレータチャンバは、以下の関係を満たす断面積によって特徴付けられる。(i)気泡上昇時間<リザーバ内の水の滞留時間、(ii)気泡上昇速度(目標直径カットオフに対する)>チャンバ内の流れの下向き平均速度、(iii)セパレータ内の気泡挙動および流れ条件はいくつかの相互作用する設計パラメータによって決定される、(iv)気泡はチャンバ内の水に可能な限り侵入しない(気泡の除去と、新鮮なオゾン処理水と新鮮な投入水によって希釈されているセパレータ容積との混合とのバランスが保たれる。再循環ループ投入流から出てくる気泡がセパレータ内の液体の全容積に侵入することができる場合、気泡が再循環ループ出口ポートまたは流体排出ポートに引き込まれる可能性が高い。したがって、気泡がガス側に放出され、排出管路に入らない、または再循環ループに再び入らないように、気泡はガス・流体界面に向けられる。流入する流れは自由表面に向けられ、気泡を水中に運ぶ反転循環が抑制される、(v)チャンバ内の渦流の直径は流れ溶液の横方向寸法によって設定される。容積の再分割は、渦サイズを制限し、したがって気泡の侵入深さを制限するようになされるべきである、(vi)チャンバ内の平均流速は除去が必要である最も小さい気泡の上昇速度未満である、(vii)チャンバ全体にわたる速度変動は可能な限り低い、すなわち、速度変動は層流プラグ流れプロファイルに近似される、(viii)チャンバからの出口点(特に送出流路の出口点)は過剰な下向き流速の可能性が最小限に抑えられる場所に配置される。このことは、気泡が出口点に到達する危険性を最小限に抑える、(ix)出口流れポートはチャンバの領域全体から比較的均一に流れを引き出すように遮蔽される。
【0065】
上記の概念的設計規則を満たすチャンバは、断面が円筒形または矩形であり得る。断面は、アスペクト比(高さ/幅)>1、好ましくはアスペクト比(高さ/幅)>2を有し得る。チャンバの再分割は、機能に影響を及ぼすことなく、異なる形態(例えば、正方形または円形または六角形)であり得、分離要素は、チャンバの基部から自由表面までまたは自由表面からわずかに離れた所まで広がり得るが、これらに限定されない。自由水面より上のガスヘッドスペース136の高さは、他の要因によって決定され、水の容積の気泡分離機能に影響を与えることなく大きく変化し得る。オゾン処理溶液と共に使用するために、好ましくは、湿潤表面は全て、フルオロポリマーのようなオゾン不活性材料、またはオゾンと有意に反応しない保護層でコーティングされた基材から構成される。チャンバには、センサ102のようなレベル感知手段が関連付けられ得る。チャンバの構造は、機能に影響を及ぼすことなく、例えばチャンバに組み込まれた容量センサまたは他の深さセンサによる、レベル感知を可能にするように適合され得る。
【0066】
リザーバ容積138と流体接続している圧縮性ガス容積の組み合わせは、その容積に接続された回路内の圧力パルスの平滑化をもたらす。このシステムでは、この平滑作用は、空気ポンプ118a(または空気ポンプ118b)からの流入流、リザーバ容積138を通る再循環流、および出口140への流出流に適用される。これらの流れのいずれかにおける許容可能な圧力パルスについての適用可能な基準、および既知の圧力脈動源(例えば、ポンプまたは弁)が存在する場合、チャンバ内の流体とガスの容積は、圧力変動対時間の必要なフィルタリングを提供するように適合され得る。必要とされる容積の特定の値は、関連するパイプ流のイナータンスおよびパイプの弾性にも依存する。例示的な実施形態では、パイプは無視できるほどの弾性を有し、圧力平滑化の最適化は、流れイナータンスおよびチャンバ容積の計算によって導出される。
【0067】
ガスセパレータは、電解オゾン槽106から直接流れを引き出すのではなく、スケーリング処置中に引き出すためのオゾン水溶液のリザーバ容積138を提供する。該システムは、排出流とは別に槽を通る再循環によって効率的に循環され混合されるチャンバ内のオゾンレベルの制御設定点を使用し得る。したがって、オゾンセンサ制御ループは、感知素子を通る不均一な流れパターン、またはセンサを通る流れが少ないかまたは流れが全くない期間における可変オゾン分解による誤差のリスクなしに具現化され得る。オゾン水溶液のリザーバを有することは、超音波ハンドピースに流出するオゾンレベルの変動を最小限に抑え、電解オゾン槽106瞬間動作パラメータまたは駆動ポンプの瞬時動作から排出流量を切り離す。オゾン水溶液超音波洗浄液として分配される流体は、超音波ハンドピース108を介して該システムから流出するので、補充されなければならない。セパレータ内の水位を維持するために、新鮮な水が該システムに流入して排出流を補う。新鮮な水はセパレータおよび再循環ループ内の流体と混合されていくらかの希釈液を生じ、これはオゾンセンサの制御下で電解槽によって回収される。好ましくは、制御ループの時定数は、該システムの使用タイミングと比較して短いが、動作条件の瞬間的な変動は、チャンバおよび流れループにおける混合プロセスによって必然的に平滑化されるので、動作条件のあらゆる瞬間的な変動を補償する必要はない。
【0068】
セパレータの容積があるので、該システムは、所望のオゾン濃度に達する前に、起動時にこの容積の水を充填する必要がある。目標濃度レベルは、一定期間にわたって特定の電流(例えば、500mAを2分間)駆動することによって、またはセパレータおよび再循環経路内の溶存オゾンのレベルを決定するためにUVセンサを監視する閉ループコントローラを使用することによって達成され得る。
【0069】
電解オゾン槽106の効率を高めるために、電解槽三相境界で形成された気泡は、有効作業面積を減少させないように電極表面から分離される。これを達成するために、再循環流および電解槽フローチャネルは、この表面における速い流速のために調整される。排出流が直接槽を通過して排出部に向かう場合、介在するバッファ容積があっても、槽速度は排出流要求に応じて変化するので、槽における瞬間的な動作条件を完全に決定することは不可能であり、また、電極膜接合体全体の所望の圧力バランスを維持するためにカソード側の流量の対応する流量調節が必要である。このように両方の流路を動的に調節することは、該システム全体に厳しい制御負担をかける。さらに、閾値流速未満では、槽加熱または気泡除去の失敗のいずれかがリスクとなり、さらに、瞬間排出オゾンレベルだけでなく、さらに低流量での電極接合体の温度限界に応じて槽電流を調節する必要がある。該システムは、交差流路を備え、流路の組み合わせが実装され、システム要件の全てを満たすことができるようにする要素としてガスセパレータの構成要素を使用することにより、これらの問題の多くを同時に解決する。リザーバ容積138と電解オゾン槽106との間の再循環流量は、高流速条件および安定条件の槽動作条件を最適化するように別個に設定され得ると同時に、さらに電解槽フローチャネルが適切な流量特性および圧力特性を有する補充流および排出流を提供することを可能にする。
【0070】
速い流速および狭い流路で操作される場合、電解オゾン槽106において有意な圧力降下が存在する。システム設計は、この圧力降下を再循環ループの内部で生じさせるが、貫流経路における見かけの圧力降下に影響を及ぼさない。したがって、別個の圧力要件が共に共通の流路に適用される場合よりも、該システムをさらに最適化することが可能である。例示的な実施形態では、ガスセパレータによって表されるような該システムの平均作動圧力は、超音波ハンドピース108のような取り付けられた器具の作動圧力に設定される。流れを電解オゾン槽106に流すために必要な追加の圧力は、この作動圧力と直列に生じるのではなく、再循環ポンプと電解オゾン槽106との間の接続部にのみ生じる。
【0071】
ガスセパレータ(複数可)への入口142は、ジェット乱流を大幅に低減し、ガスセパレータの主容積部が、
図13Aに示されるように流れを即座に拡散させる入口バッフル1304の使用により、穏やかな流れパターンで動作することを可能にする。入口バッフル1304と管列1314との組み合わせは、セパレータへの流れを減速させ、制御する。課題は、短い距離で、入口パイプ内の速度からジェット速度を遅くすることである。単純に直径を大きくすることは、流れの分離および不均一な速度プロファイルのために効果がない。徐々にテーパー状になった拡径部でさえ、この混合を妨げるものではない。基本的な概念は、ジェットを半径方向の流れに迂回させて分離を防止する障害物と、それに続く、プラグ流れを遅い平均速度に制限するために細い管が詰められた「積層」セクションとを組み合わせる。試験は、1cm直径が最大で1000ml/分まで容易に機能することを示した。
図13Bに見られるように、ほとんどの気泡は表面1302において逃げ、チャンババッフル1308は全体的な反転循環を抑制し、気泡は下方への水の流れ1306よりも速く上昇する。
図13Cに示すように、一体型管1310の中実中央部分1312は、センサ102に影響を及ぼす表面外乱を防止する。一体型管1310は、中央領域と同じ高さの水およびガスのレベルの平衡のために、上部および底部の一面に開口部を有する。
【0072】
対象となる全ての気泡について、平均下降水速度は上昇気泡速度よりも遅いので、気泡はヘッドスペースへ逃げることができる。小さな気泡は大きな気泡よりもはるかにゆっくりと上昇するので、臨界直径は、確立された関係を使用して水速度と上昇速度とを等しくすることによって求められ得る。
【0073】
非限定的な実施形態では、非常に小さい気泡に対して、気泡の速度は、Hadamard/Rybcynski関係式によって、0.2~2mmの気泡について、速度V=ρ.g.d2/12.μとして表され得、代替式は、V(m/秒)=120×d(m)であり、式中、ρは流体の密度であり、gは重力加速度であり、dは気泡径であり、μは液体の動的粘度である。
【0074】
さらに、非常に小さい気泡については、サイズと速度との間、ならびに速度に対する温度の影響とイオン強度の影響との間に規則的な関係が存在する。しかしながら、温度の影響およびイオン強度の影響は極めて小さい影響であり得る。
【0075】
分析は、直径3cmのセパレータに相当する面積についての値の例を示す(実際の内径は3.3cmであり、入口管面積を引くと、流れについてのこの正味面積が得られる)。
【0076】
流量=500ml/分=8.33ml/秒である。面積=7.1cm2、下降流速度は約1.2cm/秒である。Vrise=1.2cm/秒の気泡サイズは、約100~140μmである。セパレータの流れが均一であれば、約100μmより大きい気泡は全て逃げる。高速ジェット入口流は、平均流よりもはるかに高速で循環渦を移動させるので、このことは分離性能を損なう。乱流がエネルギーを散逸させるのに十分な容積がない。静かな入口、および主チャンバ内のいくつかのさらなるプラグ流強制バッフルを使用して、同じチャンバ容積内で理論に近い分離性能を目指すことができる。
【0077】
性能を高めるためのさらなる例示的な実施形態は、例えば約15mmの、入口の上のより大きな直径のフロースプレッダと、入口における「ジェットバッフル」の追加とを含む。また、気泡の分裂を低減するための入口内のより大きな積層管、および渦をさらに減衰させるための主チャンバ容積内のより小さい直径(例えば、約5mm)の管パッキンを含む。入口流はパッキンを「回避する」ことができず、再循環出口に到達することができないことが予想される。
【0078】
オゾン水溶液を超音波ハンドピース108に送出するために、システム圧力(15psi(約103.42KPa)~40psi(約275.79KPa)の範囲であり得るが、より典型的には22psi(約151.68KPa))要件は、約65ml/分以下であるが、より典型的には25ml/分の排出流量を生成するために必要な圧力によって決定される。いくつかの超音波インサートは、インサートチップを通る小さな流体路を有するように設計される。これらの流体路は、0.020インチ(約0.050cm)未満、典型的には0.15インチ(約0.038cm)未満であり得る。システム圧力はさらに、起動時に該システムを所望の濃度に迅速に充填するために考慮すべき重要な要素であるオゾンのガス溶解速度に影響を及ぼす。圧力は、ポンプ(空気ポンプ、一次水ポンプ)および電解オゾン槽106によって生成されたガスによって該システム内で生成される。空気ポンプは、主に起動時に、連続流量を送出するためのシステム圧力を維持するために追加の投入を必要とし得る高流量排出の期間において使用され、また、ガスセパレータ内に水が貯蔵されない長期間の保管および出荷のためにオゾン水溶液超音波スケーラシステム100をパージするために使用され得る。一次水ポンプ118cは、該システムおよびガスセパレータを充填し、さらに、該システムが約22psi(約151.68KPa)のシステム圧力で動作している間に流体を該システムに追加するが、例えば、15psi(約103.42KPa)~40psi(約275.79KPa)の範囲であり得、15psi(約103.42KPa)未満および40psi(約275.79KPa)超でも動作し得る。電解オゾン槽106が該システムにガスを加えると、システム圧力は上昇し続けるので、システム圧力は圧力調整によって制御され得る。圧力変換器からの入力に基づいてソフトウェアによって開閉される弁120を介して電子的に制御される。例示的な実施形態では、バッファ容積134内のガスは、直列の2つの弁120によって放出され得、第1の弁は開いて少量を排出した後に閉じ、第2の弁120は開いて、オゾンガスを酸素ガスに変えるオゾン破壊装置114を通して少量を排出する。この弁切り替えは、システム圧力の急降下を防止する。システム圧力を制限および制御するための機械的方法は、圧力逃し弁を介してセパレータのヘッドスペース内のガスを放出することである。圧力逃し弁は、シールおよびばね圧力を利用し、システム圧力がばね力によって生成されるシール上の圧力を超えたときにのみ、開いて通気する。迅速な動作および非常に低い機械的ヒステリシスを有する圧力逃し弁は、安定したレベルのシステム圧力を提供する。圧力変換器をシステムポンプと共に使用して、システム圧力を上昇させ、所望の排出流量およびガス溶解度を支援することができる。これらの圧力制御手段に加えて、セパレータ内の流体レベルを維持するレベルセンサ102がある。適切な流体レベルを維持することにより、ガスヘッドスペースの容積が制御され、システム圧力に影響を与えるヘッドスペース容積の急激な変化が防止される。従来の水オゾン処理システムに勝るオゾン水溶液超音波スケーラシステム100のアーキテクチャの重要な利点は、そのアーキテクチャが、例えば、3分未満で、溶存オゾンを含まない状態から完全充填状態に至る能力を有し、30秒未満で完全充填を達成する可能性があることである。
【0079】
オゾン水溶液超音波スケーラシステム100を使用する際に、以下のステップを行うことができる。システム圧力をチャージするために、ガス側の空気ポンプ118aがオンにされる。閉鎖系容器からの水は、レベルセンサ102がそれらの予め設定された容積に達するまで、該システム内に圧送される。例示的な実施形態では、これらのステップは、10秒未満で起こり、予め設定された容積に2秒未満で到達する可能性があり、システム流体および動作圧力をそれらの所望のレベルまで上昇させる。(該システム内の流体レベルは、流体路を充填し、水リザーバおよびガスヘッドスペースを形成するために十分な容積をガスセパレータに追加するために必要となる。ガスセパレータは、例示的な実施形態では、例えば20%~80%、または典型的には40%~60%、またはガスセパレータ内のバッフルのすぐ上まで水で満たされ得る。該システム内の圧力は、ほぼ0psiから上昇する。水を圧送してガス容積を減少させることによって、いくらかの圧力が該システムに加えられるが、通気ソレノイド弁は、典型的には、より急速に該システムに水を充填するために開くのを助ける。所望の水位に達したら、空気ポンプを作動させて、システム圧力を15psi(約103.42KPa)~40psi(約275.79KPa)、典型的には22psi(約151.68KPa)急速にチャージする。)この時点で、システム再循環ポンプがオンになり、駆動電流が電解オゾン槽106に供給される。例示的な実施形態では、電解オゾン槽106は、急速なシステム充電を可能にするために、オゾン水溶液超音波スケーラシステム100の初期充電の間、その通常の動作電流の1.1倍~7倍で電力供給され得る。再循環ポンプはまた、小さな気泡が槽膜・電極界面の三相境界から急速に一掃されるように、電解槽からガスを急速に引き出すのを助けるために、再循環速度を増加させる、より高いデューティサイクルまたは電圧で動作し得る。これらの小さな気泡は、槽三相境界の表面で結合する小さな気泡から、または遅延放出から形成される大きな気泡と比較して、より大きな表面積を形成する。電解オゾン槽106からのガスは、より高いシステム動作圧力のために、より急速に再循環水に溶解される。オゾンの水への溶解度は、水の温度、溶解されているオゾンガスの濃度、および再循環水およびオゾンガスを含む該システム内の圧力に依存する。より高い圧力は、より高い溶存オゾンレベルに等しい。例示的な実施形態では、1気圧を超える20psi(約137.89KPa)~24psi(約165.47KPa)で操作することによって、2倍を超える量のオゾンをシステム水に溶解させることができる。同伴ガスは、再循環ループから分離され、次いでUVセンサ110を通して送られる。UVセンサ110は、起動ルーチンを監視し、閉ループコントローラが電解オゾン槽106および再循環ポンプの両方を通常の電力レベルに戻す定常状態条件を達成することを可能にする。槽およびモータへのより高い電流を起動シーケンスのみに制限することにより、信頼性および槽膜寿命が改善される。起動時に、歯科臨床医は、該システムを準備するために超音波ハンドピース108に水を直ちに充填し始めることができ、また、超音波インサートを用いてスケーリングまたはすすぎを開始することもできる。しかしながら、これは、該システムに流入する新鮮な水による追加の希釈のために、全体の充電時間を遅らせるか、または急速充電を達成するためにより多くの電力を槽に必要とする場合がある。
【0080】
別の例示的な実施形態では、オゾン水溶液超音波スケーラシステム100は、カソード側126およびアノード側124の両方が対称または実質的に対称であるように設計される。その際、カソード用およびアノード用のガスセパレータでは、サイズ、構造、容積、および流体から気泡を分離するそれらの能力が同一または実質的に同一である。例示的な実施形態では、両側が溶存オゾンセンサを有し、例えば、各々の側がUVセンサ110(
図14)を有し、1つのUVセンサ110は、それぞれが一方の側に属する2つの別個の流体路を測定することができ、または1つのUVセンサ110は、いずれかの再循環ループ132内のオゾンガスを監視する能力を該システムに提供するために該システムのいずれかの流路がUVセンサを通るように流路を方向転換させることができる一連の遮断弁を有する。両方の再循環ループ132内のオゾンガスを同時にまたは交互に測定する能力は、自己診断を追加することができる。両側を監視することによって、アノードをアノードとして維持する決定が行われ得る、またはオゾンレベルが許容可能に低い場合(例えば、約0.2ppm未満または検出不能)、該システムは極性を反転させることができる。オゾン水溶液超音波スケーラシステム100のソフトウェアは、例えば、Hブリッジを介して電解オゾン槽106に対する極性を変化させ、オゾンを生成している該システムのいずれかの側の出口140からの排出流を生成する。アノードおよびカソードの両方におけるオゾンレベルを監視することの別の利点は、ガスクロスオーバーを監視することである。カソード再循環ループ内のオゾンは、槽膜穿孔または流体および/もしくはガスシールの喪失の初期徴候を示し得る。このタイプの自己診断は、安全性の懸念を軽減すること、ならびに機能性または性能の喪失前にエンドユーザに警告することの両方に役立ち得る。
【0081】
システム極性を切り替える必要性は、カソード液中の流体レベルおよび信頼性に関係する重要なシステム特性を維持する必要性から生じる。動作中、水分子は、電気浸透によって膜202を通して引き出される。経時的に、ガスセパレータ116bは、その流体レベルを上昇させるであろう(水が電気浸透を介してアノードからカソードに移動するにつれて、またはEO槽の内部の流体漏出から、カソード液容積が増加する)。該システムのカソード側から排出する排水管またはその理由がなければ、ガスセパレータ116bは満杯になり、最終的には排水される必要がある。該システム全体の極性を日々切り替えることによって、例えば、使用日からの流体レベルのわずかな上昇が容易に管理される。極性切り替えに関する信頼性要件は、電解槽の長期性能目標と、特別な起動または停止のプロセスステップを必要とせずにカソード液中の水の清浄度を維持する必要性とから生じる。余分なメンテナンスステップは、余分な時間が必要であるか、または排水管路を設置するかまたは都合よく配置する必要があるため、望ましくない。超音波スケーラは、典型的には、カウンタートップ上、キャビネットの中、または手術器具用に設計された特別な引き出しの中に置かれる。しかしながら、これらの場所は、排水管を利用できる場所ではなく、したがって、該システムは、1日の終わりにカソード液水を収集するための廃棄物入れを必要とすることになる。あるいは、臨床医は、特別なパージサイクルを実行することによって、該システムから手術用シンクへ流体を除去しなければならない。パージサイクルは、メンテナンスポンプ、小型ダイヤフラム空気ポンプを動作させ、水ソレノイドの開放によって該システムからハンドピースへと水を押し出す。このパージサイクルの間、水は近くのシンクまたは小さなリザーバへと分配される。このパージの間、ヘッドスペース内に貯蔵されたオゾンガスもハンドピースから放出されるリスクが存在する。これはオゾンガスへの望ましくない曝露になるであろう。この曝露と、不便で追加のセットアップ時間を必要とする特別なパージサイクルを実行する必要性とを回避するために、極性を日々変化させることができるシステムは、該システムの前日のカソード液側を自動的にリフレッシュし、オゾン処理する。
【0082】
該システムのカソード側の水は、スケーリング中に使用されていないので、追加のセットアップまたはシャットダウンステップを介して定期的に交換される必要がある。この水は、該システムのカソード側から廃棄物容器へ、排水管の中へ水を移動させることができる小型空気ポンプを必要とするパージプロセスを介して交換され得る、または弁を通して超音波ハンドピース108に移送され得る。これらのオプションは、超音波スケーラの起動またはシャットダウン中に特別なカソードパージステップを必要とする場合がある。スケーリング処置の間、水は、純水源から、例えば、不正開封防止機能が付いた、かつカスタム取付具を用いて設計されたカスタム閉鎖水包装システム(例えば、スパウトパウチ704)から、ポンプによって移送される。水は、該システムのアノード側124を通って移動し、オゾンが水の中に溶解され、次いで、変換器および超音波スケーラチップの両方のための冷却洗浄液として超音波ハンドピース108に送出される。起動時に、カソードセパレータ(ガスセパレータ116b)は、還元反応のために電解オゾン槽106のカソード側を通して再循環される適切な量の水で満たされる。
【0083】
あるいは、カソードおよびアノードは、例えば、毎日、切り替えられ得る。該システムが使用されていないオフ時間、例えば12時間~16時間の間、オゾンは自然に減衰し、オゾン水溶液の半減期は、典型的には約20分であり、クロスオーバーガスの影響からのいかなる懸念も回避する。オゾンが約0.5ppm以下に減衰すると、電解オゾン槽106の三相境界での逆化学反応のリスクが最小限に抑えられる。該システムは、槽の電気極性を切り替えることによって、槽の極性を安全に変化させることができる。ソフトウェアは、適切なソレノイド弁を開放することによってオゾン水溶液が送出されるように、この極性変化を促す。極性を変化させることによって、前日からの残りのカソード水は、電解オゾン槽106を通って、その正または酸化アノード側124で再循環される。前日からの残りのアノード水は、自然に減衰するので、対応するセパレータ内のオゾンは酸素に戻り、この水は槽の還元側であるカソードを通して再循環される。両方のセパレータは、超音波ハンドピース108に水を送出することができる流体管路およびソレノイド弁を必要とする。毎日、オゾンレベルが減衰したことを検証した後にのみ極性を切り替えることによって、槽は、そのアノードとカソードとを交互に切り替えることができ、典型的にはカソード電極上に沈着する沈着物による汚れを制限するのに役立つ。オゾンと他の酸化種(HO、H2O2、H3Oなど)との相互作用から生じる膜劣化は、槽の両側に分布し、各膜の寿命を延長することができる。さらに、カソード液は毎日交換され、該システムの各側はオゾン処理されて停滞水を防止し、微生物汚染の可能性を排除または実質的に排除する。当然のことながら、停滞水を防止し、オゾン暴露を低減し、膜202の寿命を延長する他の構成は、本明細書に照らして実現することができる。本開示における実施例は、説明を明確にするためにのみ使用され、例示的な実施形態に限定されない。本開示から、追加の動作、挙動、タスク、アクティビティ、および操作が考えられ、これらは例示的な実施形態の範囲内で企図される。
【0084】
さらに、オゾンの紫外線吸光度を利用して水中の溶存オゾンのレベルを検出する光学的方法は、機構および光路の変化(すなわち、デブリ、UV源の経年変化)を考慮するためにオフセット補正を必要とする場合がある。該システムに対して毎日極性を変化させることによって、前日のカソード水、溶解した水素を含む水を使用して任意のセンサオフセットをゼロにして、水中の吸収成分の可変濃度なしで補正を行うことができる。
【0085】
オゾンガスは呼吸器系の刺激を引き起こすことが知られており、したがって、患者がオゾンガスを吸入しないように、例示的な実施形態は、オゾン濃度に対する制御およびオゾン生成に対する制限を組み入れている。該システムからの放出オゾンは、完全に、送出された水流に由来する。ガスセパレータからの全てのヘッドスペースガス状オゾンは、局所環境に放出される前に触媒作用によって破壊される。
【0086】
オゾン処理洗浄液によるスケーリングについての1つの懸念は、維持されなければならない口腔内での口腔内ガス放出(洗浄液から拡散する溶存オゾンが局所環境を自然に作り出す)である。患者の口腔に送出されるオゾン処理水が蓄積し、臨床医によって口腔から排出される前にガスを放出する場合、曝露のリスクは、スケーリング処置中に生じ得る。
【0087】
超音波スケーラ電子機器内にオゾン発生および制御を完全に組み込むことによって、オゾンガスの曝露は、該システムの使用を監視することによって、オゾンガス曝露を制限するための特定の機構を有するオゾン制御システムを提供する一度の処置の間に、軽減され得る。口腔内に放出されるオゾンガスの量に影響を及ぼし得る超音波スケーラパラメータとしては、洗浄液の流量、超音波出力レベル、スケーリング処置のデューティサイクル、ならびに使用される吸引力のタイプ、すなわち、大量排気および/または唾液排出器が挙げられるが、これらに限定されない。
【0088】
オゾン濃度は、洗浄液中の利用可能なオゾンの量を直接決定する。健康な歯肉を有する患者の場合、臨床医は、より低い濃度のオゾンを使用することを選択することができ、この濃度は、システム送水管路におけるバイオフィルム成長を抑制するためにのみ必要なレベルであり、例えば、0.020ppm~1.0ppm、より典型的には0.5ppmである。歯肉炎または歯周病を有する患者については、より高い濃度、それぞれ1.2ppm~3.0ppm、および3.0ppm~6.0ppmの濃度が使用者によって選択され得る。
【0089】
制御システムは、リアルタイムクロックを使用して動作し得、スケーラが使用を追跡することを可能にする。患者1人当たりの総スケーリング時間が表示され、使用しない期間(典型的には、30分~1時間)後に自動的にリセットされ得る。この使用データはまた、ある期間にわたって生成および分配されるオゾンの総量を監視するために使用され得る。該システムは、高濃度での長いスケーリング期間に達した場合、オゾン濃度を自動的に低下させることができる。一例として、3.0ppm~6.0ppmで45分を超えるスケーリング時間は、患者にとって安全な曝露限界に達したと判断され得る。
【0090】
吸引力の使用を確実にするために、該システムには超音波マイクロホンを備え得る。超音波マイクロホンは、吸引力の使用による音響放出を検出する能力を有する。該システムが吸引力の使用を検出することができない場合、該システムは、臨床医がより高い濃度のオゾンを送出するのを防止し得る。超音波マイクロホンは、ハンドピースケーブル内に超音波マイクロホンを設置することによってハンドピースの近くに配置され得る。該システムのハウジングは、全方向検出能力を提供するために、いくつかの超音波マイクロホンを備え得る。超音波マイクロホンは、特定の手術室唾液排出器吸引力および大量排気の音について訓練され得る。あるいは、該システムは、弱い吸引力および適切な吸引力の両方を識別するように予めプログラムされ得、臨床医によって選択された場合に、より高い濃度を可能にする。大量排気は、200LPM~250LPM(リットル/分)の典型的な流量で流体およびガスの両方を除去することができ、このレベルの吸引力は、口腔から吸引される前に超音波洗浄液から逃げたオゾンを患者が吸入するリスクを排除する。
【0091】
超音波スケーラ電子機器およびオゾン制御回路の完全な統合は、整流拡散および急速分解を考慮に入れた制御ループの形成を可能にする。整流拡散は、振動音波が気泡形成を引き起こすときに、音響エネルギーが溶液からの溶解ガスをせん断する結果である。これらの気泡は、溶液中を移動する音波と共に膨張および圧縮し、ガスは、これらの気泡の中へ拡散して、気泡の崩壊を防止し、本質的に溶解ガスを遊離させることができる。これらの小さな気泡は、ハンドピースを通って流れ、超音波ハンドピース108の先端から出ることができる。整流拡散が口腔内のオゾンガスの放出に加わり得るので、様々なレベルの超音波励起に使用されるオゾンの濃度は、2つの電子制御回路の統合によって直接制御され得る。急速分解は、機械的励起によるオゾンの酸素への加速された減衰であり、この場合、該システムは、オゾン濃度を上昇させて、オゾンが歯周ポケットに到達するように洗浄液中の適切なオゾンレベルを維持するのを助けることができる。
【0092】
超音波スケーラは、変換器と超音波スケーラチップの両方を冷却するために洗浄液を使用する。超音波スケーラの流量は臨床医によって調節され得るが、典型的な流量は15ml/分~25ml/分であり、該システムは、流れの低位端では例えば2ml/分~5ml/分程度の少量で、流れの高位端では例えば30ml/分~45ml/分程度の多量で動作し得る。
【0093】
例示的な実施形態は、ガスセパレータ116aまたはガスセパレータ116bは、非接触流体レベル感知、例えば、容量法または光学法を使用して監視され得る流体レベルを提供する。アノードセパレータ内の流体のレベルを監視することによって、該システムから出る流体の流量を計算することができる。該システムは、典型的には22psi(約151.68KPa)の圧力下で動作する。排出ソレノイドが開放されると、該システム内に蓄積された圧力が、流量制御装置を介して、開放排出ソレノイドを通って、超音波ハンドピース108のケーブル内に、そしてハンドピース内に水を押し出し、水は最終的に超音波ハンドピース108のインサート上の洗浄ポートから出る。流量制御装置は、システム電子機器と直接通信することができない機械装置である。代替的な流量制御装置は、比例弁、サーボ制御弁、サーボ制御機械式調整器を介して、または単にシステム内部動作圧力を調整することによって操作され得る。臨床医が、ハンドピースおよびハンドピースケーブルインターフェースに位置する機械式流量制御装置を調節すると、アノードセパレータ容積の減少率が検出され得る。一次ポンプがアノードセパレータを充填する期間において、システムソフトウェアは水使用率を計算しないことを認識し得る。充填時間の間、レベルセンサはさらに、一次ポンプが適切に動作しているかどうか、および水容器が空になったかどうかを判断するために使用され得る。水容器が空である場合、一次ポンプはアノードセパレータを充填することができない。ポンプがアノードセパレータ内のレベルを上昇させるのに十分な時間、例えば、50ミリ秒~10秒を示すようにタイマーが設定される。該システムのガス側または流体側のいずれかの故障によって漏れが生じた場合、オゾンガスが手術室に放出される可能性がある。該システムは、オゾンの生成および超音波スケーリング出力の送出を無効にするシステム圧力の急降下を認識することができる。さらに、オゾン水溶液超音波スケーラシステム100は、内部(システムハウジング内部)ガス状オゾンレベルが100ppbを超えた場合にオゾン水溶液生成を自動的に停止する内部ガス状オゾンガスモニタ112を有し得る。さらに、例示的な実施形態では、該装置の流体経路は、オゾン処理水が患者の口腔への送出のためにインサートチップから出る場所を除いて、全て閉鎖される。
【0094】
さらに別の代替実施形態では、2つの水パッケージ/給水源104(例えば、スパウトパウチ704)は、
図15に示されるように1つのパッケージが空になった場合に歯科処置を中断しないというさらなる利便性を提供する。該システムは、パッケージが空になったことを感知し、オゾンシステム主制御盤406を使用して自動的に切り替えることができ、例えば、センサは、流体流の欠如、セパレータ内のレベルを上昇させることができないこと、または単に流体の喪失を感知し得る。さらに、ポンプ内の流体の有無を識別するためにモータ電流が監視され得る。
図16の2つの圧力逃し弁(圧力逃がし弁B1602および圧力逃がし弁A1604)の使用は、確実に水素および酸素ガスがガス側で混合されないようにして、膜をその耐用年数を制限し得るクロスオーバーガス反応から保護する。
【0095】
図7は、一実施形態に従う接続アセンブリ702の略図である。接続アセンブリ702は、オゾン水溶液超音波スケーラ706への接続のためにスパウトパウチ704(
図8にも示されている)のような給水源104に組み込まれる。
【0096】
図9は、一実施形態に従う相互作用を示す図である。相互作用は、外蓋がオゾン水溶液超音波スケーラ706から取り外される段階902と、スパウトパウチ704が外蓋に挿入される段階904と、外蓋がオゾン水溶液超音波スケーラ706に再挿入される段階906とを含む。
【0097】
図10は、一実施形態に従う接続アセンブリ702のタイムライン、接続前1002および接続後1004の略図である。例示的な実施形態では、接続アセンブリ702は、再充填禁止ポートを形成するダックビル1006と、オゾン水溶液超音波スケーラ706に接続するための歯科用器具コネクタ1008と、漏出を遮断するシールを形成するOリング1010と、接続後1004に示されるように挿入時に穿孔されるフォイルシール1012とを含む。
【0098】
図11は、一実施形態に従う接続アセンブリ702の別の図であり、ダックビル1006を収容するダックビル弁1102をさらに備える。アセンブリは、超音波溶接/スナップ/接着剤1104によって接続される。
【0099】
図12は、接続アセンブリ702のより詳細な分解組立図である。接続アセンブリ702は、歯科用器具コネクタ1008と、フォイルシール1012と、ダックビル弁1102と、注出口本体1202と、注出口キャップ1204とを含む。
【0100】
図17Aは、一実施形態に従うオゾン水溶液超音波スケーラ706の代替構成(オゾン水溶液超音波スケーラ構成A1702)を示す図である。オゾン水溶液超音波スケーラ構成A1702は、オゾン水溶液超音波スケーラ706が狭い外形を有するように構成された直列構成の2つの給水源104を備える。オゾン水溶液超音波スケーラ構成A1702はさらに、給水源104内の液体の水のレベルを示すレベル状態1708を備える。
【0101】
図17Bは、一実施形態に従うオゾン水溶液超音波スケーラ706の代替構成(オゾン水溶液超音波スケーラ構成B1704)であり、オゾン水溶液超音波スケーラ706が幅広の外形を有するように構成された並列構成の2つの給水源104を有する代替構成を示す図である。
【0102】
図17Cは、一実施形態に従うオゾン水溶液超音波スケーラ706の代替構成(オゾン水溶液超音波スケーラ構成C1706)を示す図である。この実施形態では、スパウトパウチ704は、ユーザインターフェース1710の下の区画1712内に保管される。
【0103】
図17Dは、プラスチックスパウトパウチ1714、カートン1716およびボトル1718を含む給水源104のさらなる例示的な形状を示す。
【0104】
図18A(オゾン水溶液超音波スケーラ構成D1802)および
図18B(オゾン水溶液超音波スケーラ構成E1804)は、
図18Cの狭い外形を有するスケーラ(オゾン水溶液超音波スケーラ構成F1806)とは対照的に、幅広の外形を有するスケーラを製造するためにプラスチックスパウトパウチ1714およびカートンが並列構成で使用されるシステムの別の代替構成を示す。本明細書内で説明される構成のいずれにおいても、超音波ハンドピース108は、磁気手段によってスケーラの基部に取り付けられる磁気結合ハンドピース(両面)1808であり得る。
【0105】
図19Aおよび
図19Bはさらに、カートン1716またはボトル1718として給水源を収容する区画1712を有するオゾン水溶液超音波スケーラ構成C1706の代替構成を示す。
【0106】
さらに別の例示的な実施形態では、
図20Aは、基部2002および取外し可能なインターフェース2004を有する構成を示しており、
図20Bは、ハンドピース保持ポート2006および区画1712領域に照明2008を有する装填トレイを示す。
【0107】
方法
【0108】
次に
図21を参照しながら、例示的な実施形態に従うプロセス2100 2100について説明する。プロセス2100は、ステップ2102に示されるように、給水源104から脱イオン水を送達することによって開始する。ステップ2104において、流体レベルを維持し、ガス溶解度を高めて最終的に水をハンドピースへと押し出すのに十分な圧力を達成するために水が一次水ポンプ118cのようなポンプを介して圧送される。ステップ2106において、水は、再循環ループの対応するポンプ(例えば、空気ポンプ118aおよび空気ポンプ118b)を使用して、再循環ループ内の電解オゾン槽106のような電解槽を通して移動される。ステップ2108において、電気分解により、アノード側に酸素ガスとオゾンガスが発生し、カソード側に水素ガスが発生する。次のステップのステップ2110において、同伴ガスは水中に溶解され、過剰なガスは再循環される水から分離される。過剰なガスは、圧力逃がし弁のような弁120を使用してオゾン破壊装置114を通して排出される。ステップ2112において、電解オゾン槽106に供給される電流量を制御することによって、規定のオゾンレベルが、例えば、送水管路を維持するために(約0.5ppm)、または臨床的有効性を実現するために(4ppm~6ppm)で維持される。ステップ2114は、UVセンサ110を使用して流体経路144内のオゾン濃度を監視し、電気分解による生成を調節することによってオゾンの生成を制御するステップを含む。複数のUVセンサ110、例えば、極性構成(極性スイッチ)ごとに1つのUVセンサが使用され得る。ステップ2116において、加圧システムから超音波ハンドピース108へのオゾン水溶液の流れは、ポンプ(複数可)が規定の流体レベルおよびシステム圧力を維持するときに、水ソレノイド弁を使用して制御される。さらに、オゾン水溶液超音波スケーラシステム100は、ステップ2118において、例えば水位の状態を報告するか、またはオゾン水溶液に対するユーザの要求に応答して、該システムの安全性および有効性を制御するように構成される。その後、プロセス2100は終了する(ステップ2120)。
【0109】
コンピュータシステム
【0110】
装置について説明してきたが、ここで
図22を参照する。
図22は、本明細書内の例示的な実施形態の少なくともいくつかに従って使用され得るコンピュータシステム2200のブロック図である。この例示的なコンピュータシステム2200に関して本明細書内では様々な実施形態を説明することができるが、この説明を読んだ後に、他のコンピュータシステムおよび/またはアーキテクチャを使用して本開示を実装する方法が当業者に明らかになり得る。
【0111】
本明細書内の例示的な一実施形態では、超音波制御盤404およびオゾンシステム主制御盤406のようなオゾン水溶液超音波スケーラシステム100の少なくともいくつかの構成要素は、
図22のコンピュータシステム2200を形成し得る、またはコンピュータシステム2200に含まれ得る。コンピュータシステム2200は、少なくとも1つのコンピュータプロセッサ2206を含む。コンピュータプロセッサ2206は、例えば、中央処理ユニット(CPU)、多重処理ユニット、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)を含み得る。コンピュータプロセッサ2206は、通信インフラ2202(例えば、通信バス、クロスオーバー・バー・デバイス、ネットワーク)に接続され得る。本明細書内の例示的な実施形態では、コンピュータプロセッサ2206は、電解オゾン槽106およびオゾン形成プロセスのタイミングを制御するCPUを含む。
【0112】
ディスプレイインターフェース2208(またはユーザインターフェース402のような他のインターフェース)は、ディスプレイユニット2214上に表示するために、通信インフラ2202から(またはフレームバッファ(図示せず)から)テキスト、ビデオグラフィックス、および他のデータを転送する。例えば、ディスプレイインターフェース2208は、グラフィックス処理ユニットを有するビデオカードを含み得る、または操作者に該装置を制御するためのインターフェースを提供し得る。
【0113】
コンピュータシステム2200はさらに、コンピュータプロセッサ2206に情報を送信するためにコンピュータシステム2200の操作者によって、ディスプレイユニット2214と共に使用され得る入力ユニット2210を含む。入力ユニット2210は、例えば、タッチスクリーンモニタを含み得る。一例では、ディスプレイユニット2214、入力ユニット2210、およびコンピュータプロセッサ2206は、まとまってユーザインターフェースを形成し得る。
【0114】
オゾン処理水を超音波スケーラハンドピースに供給する1つまたは複数のステップは、コンピュータ可読プログラム命令の形態で非一時的な記憶装置に記憶され得る。処置を実行するために、プロセッサ2206は、記憶装置に記憶されている適切な命令をメモリにロードし、その後、ロードされた命令を実行する。
【0115】
コンピュータシステム2200は、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)であり得るメインメモリ2204をさらに備え、また二次メモリ2218も含み得る。二次メモリ2218は、例えば、ハードディスクドライブ2220および/または取り外し可能な記憶ドライブ2222(例えば、フロッピーディスクドライブ、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、フラッシュメモリドライブなど)を含み得る。取り外し可能な記憶ドライブ2222は、周知の方法で取り外し可能な記憶ユニット2226からの読み出し、および/または取り外し可能な記憶ユニット2226への書き込みを行う。取り外し可能な記憶ユニット2226は、例えば、フロッピーディスク、磁気テープ、光ディスク、フラッシュメモリデバイスなどであり得、これらは、取り外し可能な記憶ドライブ2222によって書き込みおよび読み取りが可能である。取り外し可能な記憶ユニット2226は、コンピュータ実行可能ソフトウェア命令および/またはデータを記憶する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。
【0116】
さらなる例示的な実施形態では、二次メモリ2218は、コンピュータシステム2200にロードされるコンピュータ実行可能プログラムまたは他の命令を記憶する他のコンピュータ可読媒体を含み得る。このようなデバイスは、取り外し可能な記憶ユニット2228およびインターフェース2224(例えば、プログラムカートリッジおよびカートリッジインターフェース)と、取り外し可能なメモリチップ(例えば、消去可能プログラマブル・リードオンリメモリ(「EPROM」)またはプログラマブル・リードオンリメモリ(「PROM」)および関連するメモリソケットと、ソフトウェアおよびデータを取り外し可能な記憶ユニット2228からコンピュータシステム2200の他の部分に転送することを可能にする他の取り外し可能な記憶ユニット2228およびインターフェース2224とを含み得る。
【0117】
コンピュータシステム2200はさらに、コンピュータシステム2200と外部デバイスとの間でソフトウェアおよびデータの転送を可能にする通信インターフェース2212を含み得る。このようなインターフェースは、モデム、ネットワークインターフェース(例えば、イーサネットカード、またはIEEE802.11ワイヤレスLANインターフェース)、通信ポート(例えば、ユニバーサルシリアルバス(「USB」)ポートまたはFireWire(登録商標)ポート)、PCメモリカード国際協会(「PCMCIA」)インターフェース、Bluetooth(登録商標)などを含み得る。通信インターフェース2212を介して転送されるソフトウェアおよびデータは、通信インターフェース2212による送信および/または受信が可能であり得る信号の形態(電子的、電磁的、光学的または別のタイプの信号であり得る)であり得る。信号は、通信路2216(例えば、チャネル)を介して通信インターフェース2212に供給され得る。通信路2216は、信号を搬送し、ワイヤまたはケーブル、光ファイバ、電話回線、セルラーリンク、無線周波数(「RF」)リンクなどを使用して実装され得る。通信インターフェース2212は、コンピュータシステム2200とリモートサーバまたはクラウドベースのストレージ(図示せず)との間でソフトウェアまたはデータまたは他の情報を転送するために使用され得る。
【0118】
1つまたは複数のコンピュータプログラムまたはコンピュータ制御ロジックは、メインメモリ2204および/または二次メモリ2218に記憶され得る。コンピュータプログラムはさらに、通信インターフェース2212を介して受信され得る。コンピュータプログラムは、コンピュータプロセッサ2206によって実行されると、コンピュータシステム2200に後述の方法を実行させるコンピュータ実行可能命令を含む。したがって、コンピュータプログラムは、コンピュータシステム2200およびオゾン水溶液超音波スケーラシステム100の他の構成要素を制御することができる。
【0119】
別の実施形態では、ソフトウェアは、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶され、取り外し可能な記憶ドライブ2222、ハードディスクドライブ2220、および/または通信インターフェース2212を使用して、メインメモリ2204および/または二次メモリ2218にロードされ得る。制御ロジック(ソフトウェア)は、コンピュータプロセッサ2206によって実行されると、コンピュータシステム2200、より詳細には該装置に、本明細書に記載されている方法のいくつかまたは全てを実行させる。
【0120】
最後に、別の例示的な実施形態では、ASIC、FPGAなどのハードウェアコンポーネントを使用して、本明細書内で説明する機能を実行することができる。本明細書内で説明する機能を実行するようなそのようなハードウェアコンポーネントの実装は、この説明から当業者(複数を含む)には明らかであろう。