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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-21
(45)【発行日】2025-03-04
(54)【発明の名称】コネクタハーネス
(51)【国際特許分類】
   H01R 24/60 20110101AFI20250225BHJP
   H01R 13/6581 20110101ALI20250225BHJP
【FI】
H01R24/60
H01R13/6581
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023179539
(22)【出願日】2023-10-18
【審査請求日】2024-06-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】木村 雅紀
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-113119(JP,A)
【文献】特開2013-004838(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0077655(US,A1)
【文献】特開2003-101161(JP,A)
【文献】国際公開第2022/080453(WO,A1)
【文献】中国実用新案第205069986(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 24/60
H01R 13/6581
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
嵌合方向に沿って対象物と嵌合可能なコネクタハーネスであって、
前記コネクタハーネスは、成型体と、バックシェルとを備えており、
前記成型体は、樹脂部と、ベース基板と、ケーブルと、コネクタとを備えており、
前記樹脂部は、前記バックシェルによって覆われており、且つ、前記ベース基板を覆っており、
前記ベース基板は、前記樹脂部の内部の所定位置に位置決めされており、
前記ケーブルは、接続端を有しており、
前記接続端は、前記ベース基板に接続されており、
前記コネクタは、前記ベース基板に接続されており、前記ベース基板から前記嵌合方向に沿って延びており、
前記嵌合方向は、前記ケーブルの前記接続端が延びる方向と交差しており、
前記コネクタは、端子と、ベースシェルを備えており、
前記ベースシェルは、前記嵌合方向と直交する平面において前記端子を覆っており、
前記バックシェルは、開口部と、立壁部とを有しており、
前記ベースシェルは、前記コネクタハーネスが組み立てられた組立状態において、前記開口部を通過して前記バックシェルの外部に突出しており、
前記立壁部は、前記開口部の縁から延びており、前記組立状態において、前記ベースシェルに接続されており、
前記成型体は、第1突当部と、第2突当部とを有しており、
前記第1突当部と前記第2突当部とは、所定方向における前記成型体の反対側に夫々位置しており、
前記バックシェルは、第1バックシェルと、第2バックシェルとを備えており、
前記組立状態において、前記第1バックシェルと前記第2バックシェルとは、前記所定方向において互いに組み合わされており、前記第1突当部は、前記第1バックシェルに突き当たっており、且つ、前記第2突当部は、前記第2バックシェルに突き当たっており、
前記組立状態において、前記第1バックシェルと前記第2バックシェルとは、互いに溶接されている
コネクタハーネス。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタハーネスであって、
前記ベース基板は、所定面と、反対面とを有しており、
前記所定面は、前記ケーブルに接続されており、
前記所定面及び前記反対面は、前記所定方向における前記ベース基板の反対側に夫々位置している
コネクタハーネス。
【請求項3】
請求項1記載のコネクタハーネスであって、
前記ベース基板は、所定面と、反対面とを有しており、
前記所定面は、前記ケーブルに接続されており、且つ、2つの所定エッジを有しており、
前記2つの所定エッジは、前記所定方向における前記所定面の反対側に夫々位置している
コネクタハーネス。
【請求項4】
請求項1記載のコネクタハーネスであって、
前記ベース基板は、所定面と、反対面とを有しており、
前記所定面は、前記ケーブルに接続されており、
前記所定面及び前記反対面は、前記嵌合方向における前記ベース基板の反対側に夫々位置している
コネクタハーネス。
【請求項5】
請求項1記載のコネクタハーネスであって、
前記ベース基板は、所定面と、反対面とを有しており、
前記所定面は、前記ケーブルに接続されており、且つ、2つの所定エッジを有しており、
前記2つの所定エッジは、前記嵌合方向における前記所定面の反対側に夫々位置している
コネクタハーネス。
【請求項6】
請求項2から請求項5までのいずれかに記載のコネクタハーネスであって、
前記樹脂部には、凹部が形成されており、
前記凹部は、前記ベース基板の前記所定面及び前記反対面の夫々に繋がっている
コネクタハーネス。
【請求項7】
請求項1記載のコネクタハーネスであって、
前記第1バックシェル及び前記第2バックシェルの夫々は、絞り加工品である
コネクタハーネス。
【請求項8】
請求項1記載のコネクタハーネスであって、
前記ケーブルは、複数の電線を備えており、
前記成型体は、ロケータを備えており、
前記ロケータは、前記電線を位置決めしつつ前記ベース基板に接続し、
前記ロケータは、前記第1突当部及び前記第2突当部の少なくとも一方において、少なくとも部分的に前記成型体の外部に露出している
コネクタハーネス。
【請求項9】
請求項1記載のコネクタハーネスであって、
前記第1バックシェルは、第1主板と、第1周辺板とを有しており、
前記第1周辺板は、前記第1主板から前記所定方向に沿って延びており、
前記第2バックシェルは、第2主板と、第2周辺板とを有しており、
前記第2周辺板は、前記第2主板から前記所定方向に沿って延びており、
前記第2周辺板には、複数のスリットが形成されており、
前記スリットの夫々は、前記所定方向に沿って延びており、
前記組立状態において、前記成型体の前記第1突当部は、前記第1主板に突き当たっており、前記成型体の第2突当部は、前記第2主板に突き当たっており、
前記組立状態において、前記第2周辺板は、前記第1周辺板の外側に位置しており、前記スリットの夫々の内側には、前記第1周辺板の一部が位置している
コネクタハーネス。
【請求項10】
請求項1記載のコネクタハーネスであって、
前記バックシェルの前記立壁部は、前記嵌合方向と直交する平面において閉じた筒形状を有しており、
前記コネクタの前記ベースシェルは、前記組立状態において、前記立壁部の内部を通過して延びている
コネクタハーネス。
【請求項11】
請求項1記載のコネクタハーネスであって、
前記コネクタハーネスは、外部ハウジングを備えており、
前記外部ハウジングは、前記バックシェルを覆っている
コネクタハーネス。
【請求項12】
請求項1記載のコネクタハーネスであって、
前記コネクタは、USB(Universal Serial Bus) Type-C規格に準拠したプラグである
コネクタハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル及びコネクタを含む成型体とバックシェルとを備えるコネクタハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、このタイプのコネクタハーネスが開示されている。
【0003】
図35を参照すると、特許文献1のコネクタ(コネクタハーネス)90は、ケーブル93、接続部(コネクタ)94、基板95及び樹脂部96を含む成型体92と、第1シェル98及びカバー99を含むシールドケース(バックシェル)97とを備えている。コネクタ94は、基板95から相手側コネクタ(図示せず)との嵌合方向に沿って延びている。基板95は、樹脂部96に取り付けられている。ケーブル93の端部は、嵌合方向と直交する方向に沿って延びており、樹脂部96の内部において基板95に接続されている。即ち、特許文献1のコネクタハーネス90は、L字形状を有している。特許文献1に開示されているような従来のL字形状のコネクタハーネスにおいては、コネクタをバックシェルに対して正確に位置決めする(例えば、コネクタをバックシェルから設計された突出量だけ突出させる)ため、バックシェルを曲げ加工で形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-4838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、バックシェルを曲げ加工で形成すると、成型体とバックシェルとの間に不可避的に隙間が形成される。曲げ加工によって形成した従来のバックシェルは、EMI(Electro Magnetic Interference)に対する近年の厳しい要求に応え難い。
【0006】
そこで、本発明は、コネクタをバックシェルに対して容易に位置決めでき、且つ、EMIを十分に低減可能なL字形状のコネクタハーネスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1のコネクタハーネスとして、
嵌合方向に沿って対象物と嵌合可能なコネクタハーネスであって、
前記コネクタハーネスは、成型体と、バックシェルとを備えており、
前記成型体は、樹脂部と、ベース基板と、ケーブルと、コネクタとを備えており、
前記樹脂部は、前記バックシェルによって覆われており、且つ、前記ベース基板を覆っており、
前記ベース基板は、前記樹脂部の内部の所定位置に位置決めされており、
前記ケーブルは、接続端を有しており、
前記接続端は、前記ベース基板に接続されており、
前記コネクタは、前記ベース基板に接続されており、前記ベース基板から前記嵌合方向に沿って延びており、
前記嵌合方向は、前記ケーブルの前記接続端が延びる方向と交差しており、
前記コネクタは、ベースシェルを備えており、
前記バックシェルは、開口部と、立壁部とを有しており、
前記ベースシェルは、前記コネクタハーネスが組み立てられた組立状態において、前記開口部を通過して前記バックシェルの外部に突出しており、
前記立壁部は、前記開口部の縁から延びており、前記組立状態において、前記ベースシェルに接続されており、
前記成型体は、第1突当部と、第2突当部とを有しており、
前記第1突当部と前記第2突当部とは、所定方向における前記成型体の反対側に夫々位置しており、
前記バックシェルは、第1バックシェルと、第2バックシェルとを備えており、
前記組立状態において、前記第1バックシェルと前記第2バックシェルとは、前記所定方向において互いに組み合わされており、前記第1突当部は、前記第1バックシェルに突き当たっており、且つ、前記第2突当部は、前記第2バックシェルに突き当たっており、
前記組立状態において、前記第1バックシェルと前記第2バックシェルとは、互いに溶接されている
コネクタハーネスを提供する。
【0008】
本発明は、第2のコネクタハーネスとして、第1のコネクタハーネスであって、
前記ベース基板は、所定面と、反対面とを有しており、
前記所定面は、前記ケーブルに接続されており、
前記所定面及び前記反対面は、前記所定方向における前記ベース基板の反対側に夫々位置している
コネクタハーネスを提供する。
【0009】
本発明は、第3のコネクタハーネスとして、第1のコネクタハーネスであって、
前記ベース基板は、所定面と、反対面とを有しており、
前記所定面は、前記ケーブルに接続されており、且つ、2つの所定エッジを有しており、
前記2つの所定エッジは、前記所定方向における前記所定面の反対側に夫々位置している
コネクタハーネスを提供する。
【0010】
本発明は、第4のコネクタハーネスとして、第1のコネクタハーネスであって、
前記ベース基板は、所定面と、反対面とを有しており、
前記所定面は、前記ケーブルに接続されており、
前記所定面及び前記反対面は、前記嵌合方向における前記ベース基板の反対側に夫々位置している
コネクタハーネスを提供する。
【0011】
本発明は、第5のコネクタハーネスとして、第4のコネクタハーネスであって、
前記ベース基板は、所定面と、反対面とを有しており、
前記所定面は、前記ケーブルに接続されており、且つ、2つの所定エッジを有しており、
前記2つの所定エッジは、前記嵌合方向における前記所定面の反対側に夫々位置している
コネクタハーネスを提供する。
【0012】
本発明は、第6のコネクタハーネスとして、第2から第5までのいずれかのコネクタハーネスであって、
前記樹脂部には、凹部が形成されており、
前記凹部は、前記ベース基板の前記所定面及び前記反対面の夫々に繋がっている
コネクタハーネスを提供する。
【0013】
本発明は、第7のコネクタハーネスとして、第1のコネクタハーネスであって、
前記第1バックシェル及び前記第2バックシェルの夫々は、絞り加工品である
コネクタハーネスを提供する。
【0014】
本発明は、第8のコネクタハーネスとして、第1のコネクタハーネスであって、
前記ケーブルは、複数の電線を備えており、
前記成型体は、ロケータを備えており、
前記ロケータは、前記電線を位置決めしつつ前記ベース基板に接続し、
前記ロケータは、前記第1突当部及び前記第2突当部の少なくとも一方において、少なくとも部分的に前記成型体の外部に露出している
コネクタハーネスを提供する。
【0015】
本発明は、第9のコネクタハーネスとして、第1のコネクタハーネスであって、
前記第1バックシェルは、第1主板と、第1周辺板とを有しており、
前記第1周辺板は、前記第1主板から前記所定方向に沿って延びており、
前記第2バックシェルは、第2主板と、第2周辺板とを有しており、
前記第2周辺板は、前記第2主板から前記所定方向に沿って延びており、
前記第2周辺板には、複数のスリットが形成されており、
前記スリットの夫々は、前記所定方向に沿って延びており、
前記組立状態において、前記成型体の前記第1突当部は、前記第1主板に突き当たっており、前記成型体の第2突当部は、前記第2主板に突き当たっており、
前記組立状態において、前記第2周辺板は、前記第1周辺板の外側に位置しており、前記スリットの夫々の内側には、前記第1周辺板の一部が位置している
コネクタハーネスを提供する。
【0016】
本発明は、第10のコネクタハーネスとして、第1のコネクタハーネスであって、
前記バックシェルの前記立壁部は、前記嵌合方向と直交する平面において閉じた筒形状を有しており、
前記コネクタの前記ベースシェルは、前記組立状態において、前記立壁部の内部を通過して延びている
コネクタハーネスを提供する。
【0017】
本発明は、第11のコネクタハーネスとして、第1のコネクタハーネスであって、
前記コネクタハーネスは、外部ハウジングを備えており、
前記外部ハウジングは、前記バックシェルを覆っている
コネクタハーネスを提供する。
【0018】
本発明は、第12のコネクタハーネスとして、第1のコネクタハーネスであって、
前記コネクタは、USB Type-C規格に準拠したプラグである
コネクタハーネスを提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、コネクタハーネスの嵌合方向とケーブルの端部が延びる方向とは、互いに交差している。即ち、本発明のコネクタハーネスは、略L字形状を有している。
【0020】
本発明によれば、成型体は、所定方向において反対側に夫々位置する第1突当部及び第2突当部を有している。コネクタハーネスを組み立てる際、第1バックシェル及び第2バックシェルが第1突当部及び第2突当部に夫々突き当たることで、バックシェルは、成型体に対して容易に位置決めされ、これにより、成型体の一部であるコネクタは、バックシェルに対して容易に位置決めされる。
【0021】
本発明によれば、互いに組み合わせた第1バックシェル及び第2バックシェルを互いに溶接することで、成型体とバックシェルとの間の隙間の形成を防止できる。特に、第1バックシェル及び第2バックシェルの夫々を搾り加工によって形成する場合、より確実に隙間の形成を防止できる。
【0022】
以上の説明を纏めると、本発明によれば、コネクタをバックシェルに対して容易に位置決めでき、且つ、EMIを十分に低減可能なL字形状のコネクタハーネスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施の形態によるコネクタハーネスを示す斜視図である。外部ハウジングの内部に位置するバックシェルの輪郭を破線で描画している。相手側コネクタの一部の輪郭を1点鎖線で描画している。
図2図1のコネクタハーネスを示す別の斜視図である。外部ハウジングを描画していない。成型体の隠れた輪郭を破線で描画している。
図3図2のコネクタハーネスを示す上面図である。
図4図3のコネクタハーネスをIV-IV線に沿って示す断面図である。ケーブルの後部を描画していない。コネクタの輪郭を破線で描画している。
図5図3のコネクタハーネスの一部(破線Aで囲んだ部分)を示す上面図である。
図6図2のコネクタハーネスを示す底面図である。
図7図2のコネクタハーネスを示す側面図である。第1バックシェルの隠れた輪郭を破線で描画している。
図8図2のコネクタハーネスの成型体を示す斜視図である。ベース基板の隠れた輪郭を破線で描画している。成型体の一部(1点鎖線で囲んだ部分)を拡大して描画している。
図9図8の成型体を示す底面図である。ベース基板の隠れた輪郭を破線で描画している。
図10図8の成型体のベース基板、ケーブル及びコネクタを、樹脂部を成型する前の状態で示す斜視図である。バックシェルの輪郭を破線で描画している。
図11図2のコネクタハーネスのバックシェルを示す分解斜視図である。
図12図11のバックシェルを示す別の分解斜視図である。
図13図2のコネクタハーネスの変形例を示す斜視図である。第1バックシェルの隠れた輪郭、ケーブルの隠れた輪郭及び隠れたベース基板の輪郭を破線で描画している。
図14図13のコネクタハーネスを示す側面図である。ケーブルの後部を描画していない。ケーブルの隠れた輪郭を破線で描画している。
図15図14のコネクタハーネスをXV-XV線に沿って示す断面図である。
図16図13のコネクタハーネスのバックシェルを示す分解斜視図である。
図17図16のバックシェルの第1バックシェルを示す側面図である。
図18図16のバックシェルの第2バックシェルを示す側面図である。
図19図1のコネクタハーネスの変形例を示す斜視図である。外部ハウジングの輪郭を破線で描画している。相手側コネクタの一部の輪郭を1点鎖線で描画している。
図20図19のコネクタハーネスを示す上面図である。外部ハウジングを描画していない。
図21図20のコネクタハーネスをXXI-XXI線に沿って示す断面図である。ケーブルの後部を描画していない。
図22図20のコネクタハーネスを示す底面図である。
図23図20のコネクタハーネスを示す側面図である。コネクタハーネスの一部(破線で囲んだ部分)を拡大して描画している。
図24図19のコネクタハーネスの成型体を示す斜視図である。第1バックシェルの輪郭及び隠れたベース基板の輪郭を破線で描画している。
図25図24の成型体を示す底面図である。隠れたベース基板の輪郭を破線で描画している。
図26図24の成型体のベース基板、ケーブル及びコネクタを、樹脂部を成型する前の状態で示す斜視図である。
図27図19のコネクタハーネスのバックシェルを示す分解斜視図である。
図28図27のバックシェルを示す別の分解斜視図である。
図29図19のコネクタハーネスの変形例を示す斜視図である。外部ハウジングを描画していない。第1バックシェルの隠れた輪郭及び隠れたベース基板の輪郭を破線で描画している。
図30図29のコネクタハーネスを示す側面図である。ケーブルの後部を描画していない。
図31図30のコネクタハーネスをXXXI-XXXI線に沿って示す断面図である。コネクタの輪郭を破線で描画している。
図32図29のコネクタハーネスのバックシェルを示す分解斜視図である。
図33図32のバックシェルの第1バックシェルを示す側面図である。
図34図32のバックシェルの第2バックシェルを示す側面図である。
図35】特許文献1のコネクタハーネスを示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1を参照すると、本発明の実施の形態によるコネクタハーネス10は、例えば、電気自動車において2つの機器を電気的に接続するために使用される。より具体的には、コネクタハーネス10は、嵌合方向に沿って対象物80と嵌合可能である。本実施の形態の対象物80は、相手側コネクタである。コネクタハーネス10と対象物80とが互いに嵌合した嵌合状態において、コネクタハーネス10に接続された機器(図示せず)は、対象物80が搭載された相手側機器(図示せず)と電気的に接続する。但し、本発明のコネクタハーネス10の用途は、特に限定されない。例えば、対象物80は、相手側コネクタに限定されない。
【0025】
本実施の形態の嵌合方向は、上下方向であり、Z方向である。本実施の形態において、「上方」は、+Z方向であり、「下方」は、-Z方向である。本実施の形態及び変形例のいずれにおいても、上下方向等の用語は、地面に対する絶対的な位置関係を示すものではなく、対象物80がコネクタハーネス10の上方に位置していると規定したときの相対的な位置関係を示すものに過ぎない。
【0026】
上述したように、本実施の形態の嵌合方向は、上下方向と一致している。但し、本発明は、これに限られない。例えば、嵌合方向は、上下方向に対してある程度斜交していてもよい。また、嵌合方向は、後述する変形例のように、上下方向と直交する横方向(Y方向)であってもよい。
【0027】
図1図2図3及び図6と併せて参照すると、本実施の形態のコネクタハーネス10は、成型体11と、バックシェル12と、絶縁体からなる外部ハウジング18とを備えている。バックシェル12は、成型体11を覆っている。外部ハウジング18は、バックシェル12全体を内部に埋め込むようにして樹脂から成型されている。即ち、外部ハウジング18は、成型体11と、バックシェル12とを覆っている。本実施の形態のコネクタハーネス10は、上述の部材を備えている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、外部ハウジング18は、必要に応じて設ければよい。一方、コネクタハーネス10は、上述の部材に加えて、別の部材を更に備えていてもよい。
【0028】
以下、本実施の形態の成型体11について説明する。
【0029】
図8を参照すると、本実施の形態の成型体11は、ケーブル50と、ベース基板20と、絶縁体からなるロケータ38と、コネクタ30と、絶縁体からなる樹脂部40とを備えている。本実施の形態の成型体11は、上述の部材を備えている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、成型体11は、上述の部材に加えて、別の部材を更に備えていてもよい。
【0030】
図4及び図10を参照すると、本実施の形態のケーブル50は、接続端58を有している。接続端58は、上下方向及び横方向の双方と直交する前後方向におけるケーブル50の前端部であり、前後方向に沿って延びている。本実施の形態の前後方向は、X方向である。本実施の形態において、「前方」は、+X方向であり、「後方」は、-X方向である。
【0031】
本実施の形態のケーブル50は、複数の電線52と、導電体からなるシールド層54と、絶縁体からなる外被56とを備えている。電線52の夫々は、導電体からなる芯線と、絶縁体からなり芯線を覆う被覆とを備えている。シールド層54は、電線52を覆っている。外被56は、シールド層54を覆っている。本実施の形態のケーブル50は、上述の構造を有している。但し、本発明におけるケーブル50の構造は、特に限定されない。例えば、電線52の数は、1であってもよい。
【0032】
図10図9と併せて参照すると、本実施の形態のベース基板20は、回路基板であり、嵌合方向(Z方向)と直交する矩形平板形状を有している。ベース基板20は、所定面22と、反対面24とを有している。所定面22及び反対面24の夫々は、ベース基板20の主面として機能する。より具体的には、所定面22及び反対面24の夫々には、導電体からなる複数の導電パッド26等の導電パターンが形成されている。
【0033】
本実施の形態のベース基板20は、上下方向と直交する水平面(XY平面)と平行に配置されている。即ち、本実施の形態において、所定面22は、ベース基板20の上面であり、反対面24は、ベース基板20の下面である。本実施の形態の所定面22は、2つの所定エッジ28を有している。本実施の形態の所定エッジ28は、所定面22の横方向における両縁である。但し、本発明は、これに限られない。例えば、ベース基板20は、XY平面とある程度斜交していてもよい。
【0034】
ケーブル50の電線52は、接続端58の前端において外被56から露出している。電線52の夫々の前端において、芯線は、被覆から露出しており、ベース基板20の導電パッド26に半田付けされている。即ち、接続端58は、ベース基板20に接続されている。詳しくは、接続端58は、ベース基板20の後端に接続されている。本実施の形態によれば、電線52の芯線は、所定面22及び反対面24の導電パッド26に夫々接続されている。換言すれば、所定面22及び反対面24の夫々が接続端58に接続されている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、所定面22のみが接続端58に接続されていてもよい。即ち、所定面22は、ケーブル50に接続されていてもよい。
【0035】
本実施の形態によれば、電線52は、ベース基板20に取り付けられたロケータ38によって位置決めされている。即ち、ロケータ38は、電線52を位置決めしつつベース基板20に接続している。但し、本発明は、これに限られない。例えば、電線52の数が小さい場合、電線52は、ロケータ38のような位置決め部材を介さずに、ベース基板20に接続してもよい。即ち、ロケータ38は、必要に応じて設ければよい。
【0036】
図5図10と併せて参照すると、本実施の形態のコネクタ30は、絶縁体からなる保持部材32と、導電体からなる24個の端子34と、金属製のベースシェル36とを備えている。
【0037】
図10を参照すると、コネクタ30は、ベース基板20に接続されている。詳しくは、コネクタ30の端子34は、半田付けによってベース基板20の導電パッド26に夫々固定され接続されている。このように接続された端子34は、ケーブル50の電線52と電気的に夫々接続されている。また、コネクタ30のベースシェル36は、半田付けによってベース基板20の導電パッド26に固定され接地されている。
【0038】
コネクタ30は、ベース基板20から嵌合方向(Z方向)に沿って延びている。本実施の形態の嵌合方向は、ケーブル50の接続端58が延びる前後方向と直交している。即ち、コネクタハーネス10は、L字形状を有している。換言すれば、コネクタハーネス10は、所謂アングルタイプのコネクタハーネス10である。但し、本発明は、これに限られない。例えば、嵌合方向は、コネクタハーネス10がL字形状を有していると言える範囲内で、前後方向と斜交していてもよい。即ち、嵌合方向は、ケーブル50の接続端58が延びる方向と交差していればよい。
【0039】
図5を参照すると、コネクタ30の保持部材32は、前後方向と直交する平板形状を有している。コネクタ30の端子34のうちの12個は、保持部材32の前面に保持されており、横方向に並んでいる。端子34のうちの他の12個は、保持部材32の後面に保持されており、横方向に並んでいる。端子34は、嵌合方向(Z方向)と平行に延びる仮想的な軸について180°回転対称に配置されている。コネクタ30のベースシェル36は、嵌合方向と直交する直交平面(XY平面)においてトラック形状を有しており、XY平面において保持部材32及び端子34を覆っている。
【0040】
上述の構造から理解されるように、本実施の形態のコネクタ30は、USB(Universal Serial Bus) Type-C規格に準拠したプラグである。本実施の形態のコネクタ30は、横方向が長手方向になるように配置されている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、コネクタ30は、USB規格に準拠しないプラグであってもよく、USB規格に準拠したレセプタクルであってもよい。コネクタ30は、後述する変形例のように、前後方向が長手方向になるように配置されていてもよい。
【0041】
図10を参照すると、本実施の形態のコネクタ30のベースシェル36のうちベース基板20に固定された被固定部362の形状は、ベースシェル36の他の部位の形状と異なっている。より具体的には、被固定部362は、XY平面において、ベースシェル36の他の部位よりも大きなサイズを有している。但し、本発明は、これに限られず、ベースシェル36の形状は、必要に応じて変形可能である。
【0042】
本実施の形態のケーブル50の電線52の前端、ベース基板20、ロケータ38及びコネクタ30は、互いに固定された構造体を形成している。図4図10と併せて参照すると、本実施の形態の樹脂部40は、この構造体を内部に埋め込んで固定するようにして樹脂から成型されており、これにより、成型体11が形成されている。樹脂部40は、バックシェル12によって覆われており、且つ、ベース基板20を覆っている。本実施の形態によれば、樹脂部40は、バックシェル12によって完全に覆われている。
【0043】
図8及び図9を参照すると、上述のように形成された成型体11は、第1突当部42と、第2突当部44とを有している。第1突当部42と第2突当部44とは、所定方向における成型体11の反対側に夫々位置している。本実施の形態の所定方向は、上下方向であり、嵌合方向と一致している。即ち、本実施の形態において、第1突当部42は、成型体11の上面であり、第2突当部44は、成型体11の下面である。但し、本発明は、これに限られない。例えば、所定方向は、後述する変形例のように、嵌合方向と直交していてもよい。
【0044】
本実施の形態のベース基板20は、所定面22の一部及び反対面24の一部を除いて、樹脂部40の内部に完全に埋め込まれている。即ち、ベース基板20は、樹脂部40の内部の所定位置に位置決めされている。同様に、本実施の形態のロケータ38は、上下方向における両端面を除いて、樹脂部40の内部に完全に埋め込まれている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、ベース基板20及びロケータ38の夫々は、樹脂部40の内部に完全に埋め込まれていてもよい。
【0045】
本実施の形態のロケータ38は、第1突当部42及び第2突当部44の夫々において、部分的に成型体11の外部に露出している。即ち、本実施の形態において、第1突当部42は、樹脂部40の上面と、ロケータ38の上面とからなり、第2突当部44は、樹脂部40の下面と、ロケータ38の下面とからなる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第1突当部42は、樹脂部40の上面のみから形成されていてもよく、第2突当部44は、樹脂部40の下面のみから形成されていてもよい。ロケータ38は、第1突当部42及び第2突当部44の少なくとも一方において、少なくとも部分的に成型体11の外部に露出していてもよい。
【0046】
本実施の形態の樹脂部40には、凹部48が形成されている。本実施の形態の凹部48は、樹脂部40の前端に位置している。即ち、コネクタ30は、前後方向において、凹部48とケーブル50との間に位置している。凹部48は、樹脂部40の前端から後方に凹んでいる。詳しくは、凹部48は、所定凹部482と、反対凹部484とを含んでいる。所定凹部482及び反対凹部484の夫々は、半円柱形状を有している。所定凹部482は、ベース基板20の所定面22の前端に繋がっており、上方及び後方に開口している。反対凹部484は、ベース基板20の反対面24の前端に繋がっており、下方及び後方に開口している。即ち、凹部48は、ベース基板20の所定面22及び反対面24の夫々に繋がっている。
【0047】
本実施の形態の凹部48は、樹脂部40を成型する際に使用した上下の金型(図示せず)の2本のピン(図示せず)を引き抜いた跡である。この2本のピンは、樹脂部40を成型する際にベース基板20を上下に挟み込んで位置決めする。従って、所定凹部482及び反対凹部484の夫々のXY平面におけるサイズは、上下方向における位置に拘らず一定であるか、又は、上下方向においてベース基板20から離れるにつれて大きくなる。
【0048】
本実施の形態の凹部48は、上述の構造を有している。ベース基板20の前端を2本のピン(図示せず)によって保持することで、導電パターン(図示せず)に影響を与えることなく、ベース基板20を確実に位置決めできる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、樹脂部40を成型する際にベース基板20が樹脂から力を受けても殆ど移動しないような場合、ケーブル50及びコネクタ30のみを金型(図示せず)で保持してもよい。また、ケーブル50及びコネクタ30を金型で保持しつつ、1本のピンをベース基板20に下方から押し付けてもよい。ケーブル50、コネクタ30及びベース基板20を横方向における2つの金型で保持しつつ樹脂部40を成型してもよい。即ち、ピンによるベース基板20の保持は、必要に応じて行えばよい。換言すれば、凹部48は、必要に応じて形成されればよい。また、凹部48の位置、数及び形状は、特に限定されない。
【0049】
以下、本実施の形態のバックシェル12(図2参照)について説明する。
【0050】
図2に示されるように、本実施の形態のバックシェル12は、第1バックシェル60と、第2バックシェル70とを備えている。
【0051】
図2図11及び図12と併せて参照すると、本実施の形態の第1バックシェル60は、1枚の金属板からなり、第1本体部62と、第1延長部68とを有している。第1本体部62は、所定方向(上下方向)において第2バックシェル70に向かって開いた矩形箱形状を有している。第1延長部68は、所定方向において第2バックシェル70に向かって開いた半円筒形状を有している。第1延長部68は、第1本体部62の後端から後方に延びている。第1本体部62と第1延長部68とは、互いに隙間なく繋がっている。
【0052】
図11及び図12に示されるように、本実施の形態の第1バックシェル60は、第1主板63と、第1周辺板64とを有している。第1主板63及び第1周辺板64の夫々は、第1本体部62の一部である。第1主板63は、所定方向(Z方向)と直交する矩形平板形状を有している。第1周辺板64は、第1主板63から所定方向に沿って延びている。詳しくは、第1周辺板64は、所定方向と直交するXY平面における第1主板63の互いに繋がった3つの縁から所定方向に沿って第2バックシェル70に向かって延びている。3つの縁から延びる第1周辺板64の3つの部位は、XY平面において互いに隙間なく繋がっている。加えて、第1周辺板64は、第1延長部68と隙間なく繋がっている。
【0053】
第1バックシェル60の第1主板63には、第1開口部65と第1立壁部66とが形成されている。第1開口部65は、嵌合方向(Z方向)において第1主板63を貫通している。第1立壁部66は、第1開口部65の縁全体から嵌合方向において第1周辺板64から離れるように延びている。即ち、第1立壁部66は、嵌合方向と直交するXY平面において第1開口部65を囲んでいる。
【0054】
図2図11及び図12と併せて参照すると、本実施の形態の第2バックシェル70は、1枚の金属板からなり、第2本体部72と、第2延長部78とを有している。第2本体部72は、所定方向(上下方向)において第1バックシェル60に向かって開いた矩形箱形状を有している。第2延長部78は、所定方向において第1バックシェル60に向かって開いた半円筒形状を有している。第2延長部78は、第2本体部72の後端から後方に延びている。第2本体部72と第2延長部78とは、互いに隙間なく繋がっている。
【0055】
図11及び図12に示されるように、本実施の形態の第2バックシェル70は、第2主板73と、第2周辺板74とを有している。第2主板73及び第2周辺板74の夫々は、第2本体部72の一部である。第2主板73は、所定方向(Z方向)と直交する矩形平板形状を有している。第2周辺板74は、第2主板73から所定方向に沿って延びている。詳しくは、第2周辺板74は、所定方向と直交するXY平面における第2主板73の互いに繋がった3つの縁から所定方向に沿って第1バックシェル60に向かって延びている。3つの縁から延びる第2周辺板74の3つの部位は、XY平面において互いに隙間なく繋がっている。加えて、第2周辺板74は、第2延長部78と隙間なく繋がっている。
【0056】
第2周辺板74には、複数のスリット77が形成されている。スリット77の夫々は、第2周辺板74に形成された狭い溝であり、第2周辺板74を切り欠いている。スリット77の夫々は、所定方向に沿って延びている。
【0057】
以下、本実施の形態のコネクタハーネス10(図2参照)について説明する。
【0058】
図10図2と併せて参照すると、第1バックシェル60と第2バックシェル70とは、所定方向(Z方向)において成型体11を挟み込むようにして互いに組み合わされており、これにより、外部ハウジング18(図1参照)を成型する前のコネクタハーネス10が組み立てられている。換言すれば、コネクタハーネス10が組み立てられた組立状態において、第1バックシェル60と第2バックシェル70とは、所定方向において互いに組み合わされている。
【0059】
本実施の形態によれば、第2バックシェル70は、第1バックシェル60の所定方向(Z方向)における端部を覆うようにして、第1バックシェル60に組み合わされる。換言すれば、第2バックシェル70は、第1バックシェル60に部分的に被せるようにして、第1バックシェル60に組み合わされる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第1バックシェル60を、第2バックシェル70に部分的に被せるようにして、第2バックシェル70に組み合わせてもよい。
【0060】
図2図11及び図12と併せて参照すると、組立状態において、第1バックシェル60の第1本体部62と第2バックシェル70の第2本体部72とは、互いに組み合わされてバックシェル12の本体部13を形成しており、第1バックシェル60の第1延長部68と第2バックシェル70の第2延長部78とは、互いに組み合わされてバックシェル12の延長部16を形成している。延長部16は、本体部13の後端から後方に延びている。本体部13と延長部16とは、互いに隙間なく繋がっており、コネクタ30及びケーブル50の後部を除いて、成型体11を隙間なく覆っている。
【0061】
図4図2図11及び図12と併せて参照すると、バックシェル12は、開口部14を有している。本実施の形態の開口部14は、第1バックシェル60の第1開口部65である。開口部14は、嵌合方向(Z方向)においてバックシェル12を貫通しており、嵌合方向と直交するXY平面においてコネクタ30のベースシェル36に対応するトラック形状を有している。開口部14のXY平面におけるサイズは、ベースシェル36の被固定部362のXY平面におけるサイズと殆ど等しい。ベースシェル36は、組立状態において、開口部14を通過してバックシェル12の外部に突出しており、これにより、開口部14が塞がれている。
【0062】
バックシェル12は、立壁部15を有している。本実施の形態の立壁部15は、第1バックシェル60の第1立壁部66である。立壁部15は、開口部14の縁から延びており、組立状態において、コネクタ30のベースシェル36に接続されている。この結果、バックシェル12は、ベースシェル36を介して、ベース基板20に接地されている。
【0063】
図4を参照すると、組立状態において、成型体11の第1突当部42は、第1バックシェル60に突き当たっており、且つ、成型体11の第2突当部44は、第2バックシェル70に突き当たっている。図2及び図7を参照すると、組立状態において、第1バックシェル60と第2バックシェル70とは、互いに溶接されている。例えば、第1バックシェル60と第2バックシェル70とは、互いにレーザ溶接されている。図2を参照すると、このように溶接されたコネクタハーネス10には、溶接跡17が形成されている。
【0064】
図4図2及び図8と併せて参照すると、本実施の形態によれば、コネクタハーネス10を組み立てる際、第1バックシェル60及び第2バックシェル70が第1突当部42及び第2突当部44に夫々突き当たることで、バックシェル12は、成型体11に対して容易に位置決めされ、これにより、成型体11の一部であるコネクタ30は、バックシェル12に対して容易に位置決めされる。
【0065】
詳しくは、図8を参照すると、本実施の形態によれば、ベース基板20を樹脂部40の内部の設計された所定位置に位置決めすることで、ベース基板20は、成型体11における設計された位置に配置される。図2図8と併せて参照すると、本実施の形態によれば、第1バックシェル60及び第2バックシェル70を成型体11に突き当たった状態で互いに溶接することで、ベース基板20は、コネクタハーネス10における設計された位置に配置される。ベース基板20を上述のように位置決めすることで、ベース基板20に固定されたコネクタ30は、バックシェル12に対して容易に位置決めされる。例えば、コネクタ30の長手方向を設計された方向に沿って延ばすことができ、コネクタ30をバックシェル12から設計された突出量だけ突出させることができる。
【0066】
図2及び図7を参照すると、本実施の形態によれば、互いに組み合わせた第1バックシェル60及び第2バックシェル70を互いに溶接することで、成型体11とバックシェル12との間の隙間の形成を防止できる。仮に、第1バックシェル60又は第2バックシェル70を曲げ加工で形成すると、成型体11とバックシェル12との間に不可避的に隙間が形成される。一方、図11及び図12を参照すると、本実施の形態の第1バックシェル60及び第2バックシェル70の夫々は、1枚の金属板を絞り加工して形成した絞り加工品である。このため、より確実に隙間の形成を防止できる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第1バックシェル60及び第2バックシェル70の夫々は、鋳造によって形成してもよいし、複数の金属板を隙間なく接合して形成してもよい。
【0067】
図2を参照しつつ以上の説明を纏めると、本実施の形態によれば、コネクタ30をバックシェル12に対して容易に位置決めでき、且つ、EMI(Electro Magnetic Interference)を十分に低減可能なL字形状のコネクタハーネス10を提供できる。本実施の形態のコネクタハーネス10は、高速信号の伝送に適している。但し、本発明は、これに限られず、様々なコネクタハーネス10に適用可能である。
【0068】
本実施の形態は、既に説明した様々な変形例に加えて、以下に説明するように、更に様々に変形可能である。
【0069】
図8及び図9を参照すると、本実施の形態の第1突当部42及び第2突当部44の夫々は、凹凸のない平面であり、所定方向(Z方向)と直交する所定平面(XY平面)と平行に延びている。本実施の形態によれば、樹脂部40を簡易な金型(図示せず)によって成型できる。但し、本発明は、これに限られず、第1突当部42及び第2突当部44の夫々は、例えば、以下に説明するように変形可能である。
【0070】
例えば、ロケータ38の上面及び下面のみが第1突当部42及び第2突当部44として夫々機能してもよい。樹脂部40の表面に凹みを形成してもよく、樹脂部40の表面を、この凹みによって複数の領域に分断してもよい。この場合、これらの領域のうちのいくつかを第1突当部42又は第2突当部44として使用してもよい。一方、樹脂部40の表面に複数の突起を形成してもよい。この場合、これらの突起のうちのいくつかを第1突当部42又は第2突当部44として使用してもよい。上述した変形例において、複数の領域又は複数の突起のうちの3つを第1突当部42又は第2突当部44として機能させることで、第1バックシェル60及び第2バックシェル70と突き当たる平面を規定できる。
【0071】
図2図4及び図5を参照すると、本実施の形態のバックシェル12の立壁部15は、嵌合方向(Z方向)と直交するXY平面において閉じた筒形状を有している。コネクタ30のベースシェル36は、組立状態において、立壁部15の内部を通過して延びている。即ち、本実施の形態の立壁部15は、ベースシェル36をXY平面において隙間なく覆っている。この構造によれば、EMIをより確実に低減できる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、立壁部15は、ベースシェル36の前面及び後面のみを覆っていてもよい。
【0072】
図2を参照すると、本実施の形態のバックシェル12の立壁部15は、コネクタ30のベースシェル36に溶接されており、これにより、ベースシェル36に対して電気的に確実に接続されている。但し、立壁部15とコネクタ30とが互いに電気的に接続される限り、立壁部15とコネクタ30との間の接続方法は、特に限定されない。例えば、立壁部15に突起を形成してベースシェル36に押し付けてもよい。また立壁部15をバネ力によってベースシェル36に押し付けてもよい。
【0073】
図4を参照すると、組立状態において、成型体11の第1突当部42は、第1バックシェル60の第1主板63に突き当たっており、成型体11の第2突当部44は、第2バックシェル70の第2主板73に突き当たっている。この構造によれば、平面と平面とが互いに突き当たるため、バックシェル12を成型体11に対して安定的に位置決めできる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第1主板63及び第2主板73の夫々には、突起が形成されていてもよい。
【0074】
図7を参照すると、第1バックシェル60と第2バックシェル70とは、第1周辺板64と第2周辺板74とがXY平面において互いに重なるようにして、互いに組み合わされている。組立状態において、第2バックシェル70の第2周辺板74は、第1バックシェル60の第1周辺板64のXY平面における外側に位置しており、スリット77の夫々のXY平面における内側には、第1周辺板64の一部が位置している。
【0075】
本実施の形態によれば、第2バックシェル70の第2周辺板74にスリット77を設けることで、第2周辺板74を複数のバネ片に分割できる。この結果、第2バックシェル70の第2周辺板74を第1バックシェル60の第1周辺板64に容易に密着させることができる。加えて、スリット77を第1周辺板64によってXY平面における内側から覆うことができる。即ち、本実施の形態によれば、EMIをより確実に低減できる。加えて、第2周辺板74を第1周辺板64に溶接し易い。但し、本発明は、これに限られない。例えば、スリット77は、必要に応じて形成すればよい。
【0076】
図7図11及び図12を参照すると、本実施の形態の第1バックシェル60の第1周辺板64は、複数のガイド突起69を有している。ガイド突起69の夫々は、第1周辺板64の所定方向(Z方向)における縁に繋がっており、所定方向において第1主板63から離れるように突出している。ガイド突起69を設けることで、第2バックシェル70を第1バックシェル60に被せ易い。但し、本発明は、これに限られない。例えば、ガイド突起69は、必要に応じて設ければよい。
【0077】
図4を参照すると、図示したバックシェル12の延長部16は、前後方向と直交するYZ平面において、ケーブル50を、距離をあけて覆っている。但し、延長部16は、図示したコネクタハーネス10を組み立てた後に、外被56から露出させたシールド層54にかしめられ、これにより、シールド層54は、バックシェル12及びコネクタ30のベースシェル36を介して、ベース基板20に接地される。
【0078】
図10に示されるように、本実施の形態によれば、ベース基板20の所定面22及び反対面24は、所定方向(Z方向)におけるベース基板20の反対側に夫々位置しており、且つ、嵌合方向(Z方向)におけるベース基板20の反対側に夫々位置している。換言すれば、本実施の形態によれば、第1バックシェル60及び第2バックシェル70は、所定面22及び反対面24を夫々覆うようにして組み合わされている。但し、本発明は、これに限られず、ベース基板20の所定方向及び嵌合方向に対する配置は、様々に変形可能である。以下、3つの変形例について説明する。
【0079】
図13及び図14図1及び図2と比較すると、第1変形例によるコネクタハーネス10Aは、コネクタハーネス10と同じ成型体11と、コネクタハーネス10のバックシェル12と異なるバックシェル12Aとを備えている。コネクタハーネス10Aは、コネクタハーネス10と同様に、嵌合方向に沿って対象物80と嵌合可能である。本変形例の嵌合方向は、コネクタハーネス10と同様に、上下方向であり、Z方向である。
【0080】
コネクタハーネス10Aのケーブル50の接続端58は、コネクタハーネス10と同様に、前後方向(X方向)に沿って延びている。即ち、嵌合方向は、接続端58が延びる方向と交差しており、コネクタハーネス10Aは、L字形状を有している。コネクタハーネス10Aは、コネクタハーネス10と同様に、外部ハウジング18を備えていてもよく、外部ハウジング18は、バックシェル12Aを覆っていてもよい。
【0081】
図13に示されるように、本変形例のバックシェル12Aは、第1バックシェル60Aと、第2バックシェル70Aとを備えている。第1バックシェル60Aと第2バックシェル70Aとは、所定方向において互いに組み合わされている。本変形例の所定方向は、横方向(Y方向)であり、嵌合方向(Z方向)と直交している。
【0082】
成型体11のベース基板20は、所定面22と、反対面24とを有している。所定面22は、ケーブル50に接続されており、且つ、2つの所定エッジ28を有している。所定面22及び反対面24は、嵌合方向(Z方向)におけるベース基板20の反対側に夫々位置している。本変形例によれば、ベース基板20の2つの所定エッジ28は、所定方向における所定面22の反対側に夫々位置している。換言すれば、本変形例によれば、第1バックシェル60A及び第2バックシェル70Aは、2つの所定エッジ28を夫々覆うようにして組み合わされている。
【0083】
以下、本変形例のバックシェル12Aについて説明する。
【0084】
図13図16及び図17と併せて参照すると、本変形例の第1バックシェル60Aは、1枚の金属板を絞り加工して形成した絞り加工品であり、第1本体部62Aと、第1延長部68Aとを有している。第1本体部62Aは、所定方向(Y方向)において第2バックシェル70Aに向かって開いた矩形箱形状を有している。第1延長部68Aは、所定方向において第2バックシェル70Aに向かって開いた半円筒形状を有している。第1延長部68Aは、第1本体部62Aの後端から後方に延びている。第1本体部62Aと第1延長部68Aとは、互いに隙間なく繋がっている。
【0085】
図16及び図17に示されるように、本変形例の第1バックシェル60Aは、第1主板63Aと、第1周辺板64Aとを有している。第1主板63A及び第1周辺板64Aの夫々は、第1本体部62Aの一部である。第1主板63Aは、所定方向(Y方向)と直交する矩形平板形状を有している。第1周辺板64Aは、第1主板63Aから所定方向に沿って延びている。詳しくは、第1周辺板64Aは、所定方向と直交する所定平面(XZ平面)における第1主板63Aの全ての縁から所定方向に沿って第2バックシェル70Aに向かって延びており、XZ平面において閉じている。加えて、第1周辺板64Aは、第1延長部68Aと隙間なく繋がっている。
【0086】
第1バックシェル60Aの第1周辺板64Aには、第1開口部65Aと第1立壁部66Aとが形成されている。第1開口部65Aは、嵌合方向(Z方向)において第1周辺板64Aを貫通しており、且つ、所定方向(Y方向)における第1主板63Aの反対側に開口している。第1立壁部66Aは、第1開口部65Aの縁全体から、嵌合方向の外側に向かって延びている。即ち、第1立壁部66Aは、嵌合方向と直交するXY平面において第1開口部65Aを囲んでいる。
【0087】
図13図16及び図18と併せて参照すると、本変形例の第2バックシェル70Aは、1枚の金属板を絞り加工して形成した絞り加工品であり、第2本体部72Aと、第2延長部78Aとを有している。第2本体部72Aは、所定方向(Y方向)において第1バックシェル60Aに向かって開いた矩形箱形状を有している。第2延長部78Aは、所定方向において第1バックシェル60Aに向かって開いた半円筒形状を有している。第2延長部78Aは、第2本体部72Aの後端から後方に延びている。第2本体部72Aと第2延長部78Aとは、互いに隙間なく繋がっている。
【0088】
図16及び図18に示されるように、本変形例の第2バックシェル70Aは、第2主板73Aと、第2周辺板74Aとを有している。第2主板73A及び第2周辺板74Aの夫々は、第2本体部72Aの一部である。第2主板73Aは、所定方向(Y方向)と直交する矩形平板形状を有している。第2周辺板74Aは、第2主板73Aから所定方向に沿って延びている。詳しくは、第2周辺板74Aは、所定方向と直交する所定平面(XZ平面)における第2主板73Aの全ての縁から所定方向に沿って第1バックシェル60Aに向かって延びており、XZ平面において閉じている。加えて、第2周辺板74Aは、第2延長部78Aと隙間なく繋がっている。
【0089】
第2バックシェル70Aの第2周辺板74Aには、第2開口部75Aと第2立壁部76Aとが形成されている。第2開口部75Aは、嵌合方向(Z方向)において第2周辺板74Aを貫通しており、且つ、所定方向(Y方向)における第2主板73Aの反対側に開口している。第2立壁部76Aは、第2開口部75Aの縁全体から、嵌合方向の外側に向かって延びている。即ち、第2立壁部76Aは、嵌合方向と直交するXY平面において第2開口部75Aを囲んでいる。
【0090】
以下、本変形例のコネクタハーネス10Aについて上述した実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0091】
図13図16と併せて参照すると、第1バックシェル60Aと第2バックシェル70Aとは、所定方向(Y方向)において成型体11を挟み込むようにして互いに組み合わされており、これにより、外部ハウジング18(図1参照)を成型する前のコネクタハーネス10Aが組み立てられている。換言すれば、コネクタハーネス10Aが組み立てられた組立状態において、第1バックシェル60Aと第2バックシェル70Aとは、所定方向において互いに組み合わされている。本変形例によれば、第2バックシェル70Aは、第1バックシェル60Aの所定方向における端部を覆うようにして、第1バックシェル60Aに組み合わされる。
【0092】
組立状態において、第1バックシェル60Aの第1本体部62Aと第2バックシェル70Aの第2本体部72Aとは、互いに組み合わされてバックシェル12Aの本体部13Aを形成しており、第1バックシェル60Aの第1延長部68Aと第2バックシェル70Aの第2延長部78Aとは、互いに組み合わされてバックシェル12Aの延長部16Aを形成している。延長部16Aは、本体部13Aの後端から後方に延びている。本体部13Aと延長部16Aとは、互いに隙間なく繋がっており、コネクタ30及びケーブル50の後部を除いて、成型体11を隙間なく覆っている。
【0093】
図13を参照すると、第1バックシェル60Aと第2バックシェル70Aとは、第1周辺板64Aと第2周辺板74AとがXZ平面において互いに重なり、且つ、第1立壁部66Aと第2立壁部76AとがXY平面において互いに重なるようにして、互いに組み合わされている。組立状態において、第2周辺板74Aは、第1周辺板64AのXZ平面における外側に位置しており、第2立壁部76Aは、第1立壁部66AのXY平面における外側に位置している。
【0094】
図13図16から図18までと併せて参照すると、バックシェル12Aは、開口部14Aを有している。本変形例の開口部14Aは、第1バックシェル60Aの第1開口部65Aと第2バックシェル70Aの第2開口部75Aとを互いに組み合わせて形成した孔である。開口部14Aは、嵌合方向(Z方向)においてバックシェル12Aを貫通しており、嵌合方向と直交するXY平面においてコネクタ30のベースシェル36に対応するトラック形状を有している。開口部14AのXY平面におけるサイズは、ベースシェル36の被固定部362のXY平面におけるサイズと殆ど等しい。ベースシェル36は、組立状態において、開口部14Aを通過してバックシェル12Aの外部に突出している。この結果、開口部14Aが塞がれている。
【0095】
バックシェル12Aは、立壁部15Aを有している。本変形例の立壁部15Aは、第1バックシェル60Aの第1立壁部66Aと第2バックシェル70Aの第2立壁部76Aとを互いに組み合わせて形成した板である。立壁部15Aは、開口部14Aの縁から延びており、嵌合方向(Z方向)と直交するXY平面において閉じた筒形状を有している。組立状態において、コネクタ30のベースシェル36は、立壁部15Aの内部を通過して延びており、立壁部15Aは、ベースシェル36に接続されている。この結果、バックシェル12Aは、ベースシェル36を介して、ベース基板20に接地されている。
【0096】
図15を参照すると、成型体11は、第1突当部42Aと、第2突当部44Aとを有している。本変形例によれば、成型体11の樹脂部40の所定方向(Y方向)における両面が、第1突当部42A及び第2突当部44Aとして夫々機能する。即ち、第1突当部42Aと第2突当部44Aとは、所定方向における成型体11の反対側に夫々位置している。本変形例によれば、ロケータ38は、第1突当部42A及び第2突当部44Aのいずれにおいても、成型体11の外部に露出していない。但し、本発明は、これに限られない。ロケータ38は、第1突当部42A及び第2突当部44Aの一方又は両方において、成型体11の外部に露出していてもよい。
【0097】
組立状態において、成型体11の第1突当部42Aは、第1バックシェル60Aに突き当たっており、且つ、成型体11の第2突当部44Aは、第2バックシェル70Aに突き当たっている。詳しくは、組立状態において、第1突当部42Aは、第1バックシェル60Aの第1主板63Aに突き当たっており、第2突当部44Aは、第2バックシェル70Aの第2主板73Aに突き当たっている。図13を参照すると、第1バックシェル60A及び第2バックシェル70Aは、嵌合方向(Z方向)においても成型体11を挟み込んでいる。また、組立状態において、第1バックシェル60Aと第2バックシェル70Aとは、互いに溶接されている。このように溶接されたコネクタハーネス10には、溶接跡17が形成されている。
【0098】
本変形例によれば、前述した実施の形態と同様に、コネクタ30をバックシェル12Aに対して容易に位置決めでき、且つ、EMIを十分に低減可能なL字形状のコネクタハーネス10Aを提供できる。
【0099】
本変形例は、前述した実施の形態と同様に、様々に変形可能である。
【0100】
例えば、本変形例のバックシェル12Aの立壁部15Aは、コネクタ30のベースシェル36に溶接されている。但し、立壁部15Aとコネクタ30との間の接続方法は、特に限定されない。
【0101】
例えば、図16図11と比較すると、本変形例の第1バックシェル60Aは、第1バックシェル60のガイド突起69のような部位を有していない。本変形例の第2バックシェル70Aには、第2バックシェル70のスリット77のような部位が形成されていない。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第1バックシェル60Aは、ガイド突起69を有していてもよく、第2バックシェル70Aには、スリット77が形成されていてもよい。
【0102】
図19図1と併せて参照すると、第2変形例によるコネクタハーネス10Bは、コネクタハーネス10と同様に、嵌合方向に沿って対象物80と嵌合可能である。但し、本変形例の嵌合方向は、コネクタハーネス10と異なり、横方向であり、Y方向である。本変形例の嵌合方向は、横方向と一致している。但し、本発明は、これに限られない。例えば、嵌合方向は、横方向に対してある程度斜交していてもよい。
【0103】
本変形例のコネクタハーネス10Bは、成型体11Bと、バックシェル12Bと、絶縁体からなる外部ハウジング18Bとを備えている。成型体11B、バックシェル12B及び外部ハウジング18Bは、コネクタハーネス10の成型体11、バックシェル12及び外部ハウジング18と夫々異なる形状を有しているが、夫々同様な構造を有している。例えば、バックシェル12Bは、成型体11Bの大部分を隙間なく覆っている。外部ハウジング18Bは、樹脂から成型されており、成型体11Bと、バックシェル12Bとを覆っている。本変形例のコネクタハーネス10Bは、上述の部材を備えている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、外部ハウジング18Bは、必要に応じて設ければよい。
【0104】
以下、本変形例の成型体11Bについて説明する。
【0105】
図24図8と比較すると、本変形例の成型体11Bは、成型体11と同じケーブル50と、成型体11のベース基板20と異なるベース基板20Bと、成型体11と同じロケータ38と、成型体11のコネクタ30と異なるコネクタ30Bと、成型体11の樹脂部40と異なる樹脂部40Bとを備えている。本変形例のコネクタハーネス10Bは、上述の部材を備えている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、ロケータ38は、必要に応じて設ければよい。
【0106】
図26図25と併せて参照すると、本変形例のベース基板20Bは、回路基板であり、嵌合方向(Y方向)及び前後方向によって規定されるXY平面と平行な矩形平板形状を有している。ベース基板20Bは、所定面22Bと、反対面24Bとを有している。所定面22B及び反対面24Bの夫々は、ベース基板20Bの主面として機能する。より具体的には、所定面22B及び反対面24Bの夫々には、導電体からなる複数の導電パッド26等の導電パターンが形成されている。
【0107】
図25及び図26図9及び図10と比較すると、ベース基板20Bの所定面22B及び反対面24Bにおける導電パターンの配置は、ベース基板20の所定面22及び反対面24における導電パターンの配置と異なっている。この相違点を除き、ベース基板20Bは、ベース基板20と同様な構造を有しており、ベース基板20と同様に機能する。例えば、本変形例において、所定面22Bは、ベース基板20Bの上面であり、反対面24Bは、ベース基板20Bの下面である。本変形例の所定面22Bは、2つの所定エッジ28を有している。本変形例の所定エッジ28は、所定面22Bの横方向における両縁である。
【0108】
図26を参照すると、ケーブル50の接続端58は、前後方向に沿って延びており、ベース基板20Bに接続されている。詳しくは、接続端58の電線52は、ベース基板20Bに取り付けられたロケータ38によって位置決めされた後に、ベース基板20Bの後端に接続されている。図26図10と併せて参照すると、所定面22B及び反対面24Bの夫々は、所定面22及び反対面24と同様に、ケーブル50に接続されている。
【0109】
図26を参照すると、コネクタ30Bは、ベース基板20Bに接続されており、ベース基板20Bから嵌合方向(Y方向)に沿って延びている。本変形例の嵌合方向は、ケーブル50の接続端58が延びる前後方向と直交している。即ち、コネクタハーネス10Bは、L字形状を有している。但し、本発明は、これに限られない。例えば、嵌合方向は、コネクタハーネス10BがL字形状を有していると言える範囲内で、前後方向と斜交していてもよい。即ち、嵌合方向は、ケーブル50の接続端58が延びる方向と交差していればよい。
【0110】
図23及び図26図5及び図10と比較すると、本変形例のコネクタ30Bは、ベース基板20Bに固定された部位の構造がコネクタ30と異なることを除き、コネクタ30と同様な構造を有している。例えば、コネクタ30Bは、平板形状の保持部材32と、保持部材32に保持された24個の端子34とを備えている。加えて、コネクタ30Bは、ベースシェル36Bを備えている。ベースシェル36Bは、嵌合方向(Y方向)と直交する直交平面(XZ平面)においてトラック形状を有しており、直交平面において保持部材32及び端子34を覆っている。コネクタ30Bは、コネクタ30と同様に、USB Type-C規格に準拠したプラグである。
【0111】
図26を参照すると、コネクタ30Bの端子34は、半田付けによってベース基板20の導電パッド26に夫々固定され接続されている。また、コネクタ30Bのベースシェル36Bは、半田付けによってベース基板20の導電パッド26に固定され接地されている。図26図10と比較すると、本変形例のコネクタ30Bのベースシェル36Bは、コネクタ30の被固定部362に代えて、複数の被固定部362Bを有している。被固定部362Bの夫々は、棒状の部位であり、ベースシェル36Bの他の部位から嵌合方向(Y方向)に沿って突出して、半田付けによって導電パッド26に固定され接続されている。
【0112】
本変形例のケーブル50の電線52の前端、ベース基板20B、ロケータ38及びコネクタ30Bは、互いに固定された構造体を形成している。図21図26と併せて参照すると、本変形例の樹脂部40Bは、この構造体を内部に埋め込んで固定するようにして樹脂から成型されており、これにより、成型体11Bが形成されている。図21を参照すると、樹脂部40Bは、バックシェル12Bによって覆われており、且つ、ベース基板20Bを覆っている。本変形例によれば、樹脂部40Bは、バックシェル12Bによって完全に覆われている。
【0113】
図24及び図25を参照すると、上述のように形成された成型体11Bは、第1突当部42Bと、第2突当部44Bとを有している。第1突当部42Bと第2突当部44Bとは、所定方向における成型体11Bの反対側に夫々位置している。本変形例の所定方向は、上下方向であり、嵌合方向(Y方向)と直交している。即ち、本変形例において、第1突当部42Bは、成型体11Bの上面であり、第2突当部44Bは、成型体11Bの下面である。
【0114】
本変形例のベース基板20Bは、所定面22Bの一部及び反対面24Bの一部を除いて、樹脂部40Bの内部に完全に埋め込まれている。即ち、ベース基板20Bは、樹脂部40Bの内部の所定位置に位置決めされている。同様に、本変形例のロケータ38は、上下方向における両端面を除いて、樹脂部40Bの内部に完全に埋め込まれている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、ベース基板20B及びロケータ38の夫々は、樹脂部40Bの内部に完全に埋め込まれていてもよい。
【0115】
本変形例のロケータ38は、第1突当部42B及び第2突当部44Bの少なくとも一方において、少なくとも部分的に成型体11Bの外部に露出している。より具体的には、ロケータ38は、第1突当部42B及び第2突当部44Bの夫々において、部分的に成型体11Bの外部に露出している。即ち、本変形例において、第1突当部42Bは、樹脂部40Bの上面と、ロケータ38の上面とからなり、第2突当部44Bは、樹脂部40Bの下面と、ロケータ38の下面とからなる。
【0116】
本変形例の樹脂部40Bには、凹部48Bが形成されている。凹部48Bは、前述した実施の形態の凹部48(図8参照)と同様に、樹脂部40Bを成型する際に使用した上下の金型(図示せず)の2本のピン(図示せず)を引き抜いた跡である。本変形例によれば、凹部48Bは、樹脂部40Bの前端近傍に位置しており、凹部48Bとコネクタ30Bの被固定部362Bとは、嵌合方向(Y方向)における樹脂部40Bの両側に夫々位置している。この配置によれば、ケーブル50及びコネクタ30Bを金型で保持し、且つ、ベース基板20Bを2本のピンによって保持することで、導電パターン(図示せず)に殆ど影響を与えることなく、ベース基板20Bを確実に位置決めできる。加えて、ベース基板20Bの捩れに起因するコネクタ30Bの半田の破損を防止できる。
【0117】
本変形例の凹部48Bは、所定凹部482Bと、反対凹部484Bとを含んでいる。所定凹部482B及び反対凹部484Bの夫々は、円柱形状を有している。所定凹部482Bは、ベース基板20Bの所定面22Bに繋がっており、上方に開口している。反対凹部484Bは、ベース基板20Bの反対面24Bに繋がっており、下方に開口している。即ち、凹部48Bは、ベース基板20Bの所定面22B及び反対面24Bの夫々に繋がっている。
【0118】
以下、本変形例のバックシェル12B(図19参照)について説明する。
【0119】
図19に示されるように、本変形例のバックシェル12Bは、第1バックシェル60Bと、第2バックシェル70Bとを備えている。
【0120】
図19図27及び図28と併せて参照すると、本変形例の第1バックシェル60Bは、1枚の金属板を絞り加工して形成した絞り加工品であり、第1本体部62Bと、第1延長部68Bとを有している。第1本体部62Bは、所定方向(上下方向)において第2バックシェル70Bに向かって開いた矩形箱形状を有している。第1延長部68Bは、所定方向において第2バックシェル70Bに向かって開いた半円筒形状を有している。第1延長部68Bは、第1本体部62Bの後端から後方に延びている。第1本体部62Bと第1延長部68Bとは、互いに隙間なく繋がっている。
【0121】
図27及び図28を参照すると、第1バックシェル60Bは、第1主板63Bと、第1周辺板64Bとを有している。第1主板63B及び第1周辺板64Bの夫々は、第1本体部62Bの一部である。第1主板63Bは、所定方向(Z方向)と直交する矩形平板形状を有している。第1周辺板64Bは、第1主板63Bから所定方向に沿って延びている。詳しくは、第1周辺板64Bは、所定方向と直交するXY平面における第1主板63Bの互いに繋がった3つの縁から所定方向に沿って第2バックシェル70Bに向かって延びている。3つの縁から延びる第1周辺板64Bの3つの部位は、XY平面において互いに隙間なく繋がっている。加えて、第1周辺板64Bは、第1延長部68Bと隙間なく繋がっている。
【0122】
第1バックシェル60Bの第1周辺板64Bには、第1開口部65Bと第1立壁部66Bとが形成されている。第1開口部65Bは、嵌合方向(Y方向)において第1周辺板64Bを貫通しており、且つ、所定方向(Z方向)における第1主板63Bの反対側に開口している。第1立壁部66Bは、第1開口部65Bの縁全体から、嵌合方向の外側に向かって延びている。即ち、第1立壁部66Bは、嵌合方向と直交するXZ平面において第1開口部65Bを囲んでいる。
【0123】
図19図27及び図28と併せて参照すると、本変形例の第2バックシェル70Bは、1枚の金属板を絞り加工して形成した絞り加工品であり、第2本体部72Bと、第2延長部78Bとを有している。第2本体部72Bは、所定方向(上下方向)において第1バックシェル60Bに向かって開いた矩形箱形状を有している。第2延長部78Bは、所定方向において第1バックシェル60Bに向かって開いた半円筒形状を有している。第2延長部78Bは、第2本体部72Bの後端から後方に延びている。第2本体部72Bと第2延長部78Bとは、互いに隙間なく繋がっている。
【0124】
図27及び図28を参照すると、第2バックシェル70Bは、第2主板73Bと、第2周辺板74Bとを有している。第2主板73B及び第2周辺板74Bの夫々は、第2本体部72Bの一部である。第2主板73Bは、所定方向(Z方向)と直交する矩形平板形状を有している。第2周辺板74Bは、第2主板73Bから所定方向に沿って延びている。詳しくは、第2周辺板74Bは、所定方向と直交するXY平面における第2主板73Bの互いに繋がった3つの縁から所定方向に沿って第1バックシェル60Bに向かって延びている。3つの縁から延びる第2周辺板74Bの3つの部位は、XY平面において互いに隙間なく繋がっている。加えて、第2周辺板74Bは、第2延長部78Bと隙間なく繋がっている。
【0125】
第2バックシェル70Bの第2周辺板74Bには、第2開口部75Bと第2立壁部76Bとが形成されている。第2開口部75Bは、嵌合方向(Y方向)において第2周辺板74Bを貫通しており、且つ、所定方向(Z方向)における第2主板73Bの反対側に開口している。第2立壁部76Bは、第2開口部75Bの縁全体から、嵌合方向の外側に向かって延びている。即ち、第2立壁部76Bは、嵌合方向と直交するXZ平面において第2開口部75Bを囲んでいる。
【0126】
以下、本変形例のコネクタハーネス10Bについて前述した実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0127】
図19図24と併せて参照すると、第1バックシェル60Bと第2バックシェル70Bとは、所定方向(Z方向)において成型体11Bを挟み込むようにして互いに組み合わされており、これにより、外部ハウジング18Bを成型する前のコネクタハーネス10Bが組み立てられている。換言すれば、コネクタハーネス10Bが組み立てられた組立状態において、第1バックシェル60Bと第2バックシェル70Bとは、所定方向において互いに組み合わされている。
【0128】
本変形例によれば、第2バックシェル70Bは、第1バックシェル60Bの所定方向(Z方向)における端部を覆うようにして、第1バックシェル60Bに組み合わされる。詳しくは、第1バックシェル60Bと第2バックシェル70Bとは、第1周辺板64Bと第2周辺板74BとがXY平面において互いに重なり、且つ、第1立壁部66Bと第2立壁部76BとがXZ平面において互いに重なようにして、互いに組み合わされている。組立状態において、第2周辺板74Bは、第1周辺板64BのXY平面における外側に位置しており、第2立壁部76Bは、第1立壁部66BのXZ平面における外側に位置している。
【0129】
図26に示されるように、本変形例によれば、ベース基板20Bの所定面22B及び反対面24Bは、所定方向(Z方向)におけるベース基板20Bの反対側に夫々位置している。換言すれば、本変形例によれば、第1バックシェル60B及び第2バックシェル70Bは、所定面22B及び反対面24Bを夫々覆うようにして組み合わされている。一方、所定面22Bの2つの所定エッジ28は、嵌合方向(Y方向)における所定面22Bの反対側に夫々位置している。
【0130】
図19図27及び図28と併せて参照すると、組立状態において、第1バックシェル60Bの第1本体部62Bと第2バックシェル70Bの第2本体部72Bとは、互いに組み合わされてバックシェル12Bの本体部13Bを形成しており、第1バックシェル60Bの第1延長部68Bと第2バックシェル70Bの第2延長部78Bとは、互いに組み合わされてバックシェル12Bの延長部16Bを形成している。延長部16Bは、本体部13Bの後端から後方に延びている。本体部13Bと延長部16Bとは、互いに隙間なく繋がっており、コネクタ30B及びケーブル50の後部を除いて、成型体11Bを隙間なく覆っている。
【0131】
図23図27及び図28と併せて参照すると、バックシェル12Bは、開口部14Bを有している。本変形例の開口部14Bは、第1バックシェル60Bの第1開口部65Bと第2バックシェル70Bの第2開口部75Bとを互いに組み合わせて形成した孔である。開口部14Bは、嵌合方向(Y方向)においてバックシェル12Bを貫通しており、嵌合方向と直交するXZ平面においてコネクタ30Bのベースシェル36Bに対応するトラック形状を有している。開口部14BのXZ平面におけるサイズは、ベースシェル36BのXZ平面におけるサイズと殆ど等しい。ベースシェル36Bは、組立状態において、開口部14Bを通過してバックシェル12Bの外部に突出している。この結果、開口部14Bが塞がれている。
【0132】
バックシェル12Bは、立壁部15Bを有している。本変形例の立壁部15Bは、第1バックシェル60Bの第1立壁部66Bと第2バックシェル70Bの第2立壁部76Bとを組み合わせて形成した板である。立壁部15Bは、開口部14Bの縁から延びており、嵌合方向(Z方向)と直交するXY平面において閉じた筒形状を有している。組立状態において、コネクタ30Bのベースシェル36Bは、立壁部15Bの内部を通過して延びており、立壁部15Bは、ベースシェル36Bに接続されている。この結果、バックシェル12Bは、ベースシェル36Bを介して、ベース基板20B(図26参照)に接地されている。
【0133】
図21を参照すると、組立状態において、成型体11Bの第1突当部42Bは、第1バックシェル60Bに突き当たっており、且つ、成型体11Bの第2突当部44Bは、第2バックシェル70Bに突き当たっている。詳しくは、組立状態において、第1突当部42Bは、第1バックシェル60Bの第1主板63Bに突き当たっており、第2突当部44Bは、第2バックシェル70Bの第2主板73Bに突き当たっている。図19を参照すると、第1バックシェル60B及び第2バックシェル70Bは、嵌合方向(Y方向)においても成型体11を挟み込んでいる。また、組立状態において、第1バックシェル60Bと第2バックシェル70Bとは、互いに溶接されている。
【0134】
本変形例によれば、前述した実施の形態と同様に、コネクタ30Bをバックシェル12Bに対して容易に位置決めでき、且つ、EMIを十分に低減可能なL字形状のコネクタハーネス10Bを提供できる。
【0135】
本変形例は、前述した実施の形態のように更に様々に変形可能である。
【0136】
例えば、図20及び図22を参照すると、本変形例のバックシェル12Bの立壁部15Bは、コネクタ30Bのベースシェル36Bに溶接されており、これにより、ベースシェル36Bに対して電気的に確実に接続されている。但し、立壁部15Bをベースシェル36Bに接続する方法は、特に限定されない。
【0137】
例えば、図27図11と併せて参照すると、第1バックシェル60Bの第1周辺板64Bは、複数のガイド突起69を有していてもよい。また、第2バックシェル70Bの第2周辺板74Bには、所定方向(Z方向)に沿って延びる複数のスリット77が形成されていてもよい。
【0138】
図29図19と比較すると、第3変形例によるコネクタハーネス10Cは、コネクタハーネス10Bと同じ成型体11Bと、コネクタハーネス10Bのバックシェル12Bと異なるバックシェル12Cとを備えている。
【0139】
コネクタハーネス10Cは、コネクタハーネス10Bと同様に、嵌合方向に沿って対象物80と嵌合可能である。本変形例の嵌合方向は、コネクタハーネス10Bと同様に、横方向であり、Y方向である。コネクタハーネス10Cのケーブル50の接続端58は、コネクタハーネス10Bと同様に、前後方向(X方向)に沿って延びている。即ち、嵌合方向は、接続端58が延びる方向と交差しており、コネクタハーネス10Cは、L字形状を有している。コネクタハーネス10Cは、コネクタハーネス10Bと同様に、外部ハウジング18Bを備えていてもよく、外部ハウジング18Bは、バックシェル12Cを覆っていてもよい。
【0140】
図29に示されるように、本変形例のバックシェル12Cは、第1バックシェル60Cと、第2バックシェル70Cとを備えている。第1バックシェル60Cと第2バックシェル70Cとは、所定方向において互いに組み合わされている。本変形例の所定方向は、横方向(Y方向)であり、嵌合方向(Y方向)と一致している。
【0141】
成型体11Bのベース基板20Bは、所定面22Bと、反対面24Bとを有している。所定面22Bは、ケーブル50に接続されており、且つ、2つの所定エッジ28を有している。本変形例によれば、2つの所定エッジ28は、嵌合方向(Y方向)における所定面22Bの反対側に夫々位置している。また、2つの所定エッジ28は、所定方向(Y方向)における所定面22Bの反対側に夫々位置している。換言すれば、本変形例によれば、第1バックシェル60C及び第2バックシェル70Cは、2つの所定エッジ28を夫々覆うようにして組み合わされている。
【0142】
以下、本変形例のバックシェル12Cについて説明する。
【0143】
図29図32及び図33と併せて参照すると、本変形例の第1バックシェル60Cは、1枚の金属板を絞り加工して形成した絞り加工品であり、第1本体部62Cと、第1延長部68Cとを有している。第1本体部62Cは、所定方向(Y方向)において第2バックシェル70Cに向かって開いた矩形箱形状を有している。第1延長部68Cは、所定方向において第2バックシェル70Cに向かって開いた半円筒形状を有している。第1延長部68Cは、第1本体部62Cの後端から後方に延びている。第1本体部62Cと第1延長部68Cとは、互いに隙間なく繋がっている。
【0144】
図32及び図33に示されるように、本変形例の第1バックシェル60Cは、第1主板63Cと、第1周辺板64Cとを有している。第1主板63C及び第1周辺板64Cの夫々は、第1本体部62Cの一部である。第1主板63Cは、所定方向(Y方向)と直交する矩形平板形状を有している。第1周辺板64Cは、第1主板63Cから所定方向に沿って延びている。詳しくは、第1周辺板64Cは、所定方向と直交するXZ平面における第1主板63Cの全ての縁から所定方向に沿って第2バックシェル70Cに向かって延びており、XZ平面において閉じている。加えて、第1周辺板64Cは、第1延長部68Cと隙間なく繋がっている。
【0145】
第1バックシェル60Cの第1主板63Cには、第1開口部65Cと第1立壁部66Cとが形成されている。第1開口部65Cは、嵌合方向(Y方向)において第1主板63Cを貫通している。第1立壁部66Cは、第1開口部65Cの縁全体から嵌合方向において第1周辺板64Cから離れるように延びている。即ち、第1立壁部66Cは、嵌合方向と直交するXZ平面において第1開口部65Cを囲んでいる。
【0146】
図29図32及び図34と併せて参照すると、本変形例の第2バックシェル70Cは、1枚の金属板を絞り加工して形成した絞り加工品であり、第2本体部72Cと、第2延長部78Cとを有している。第2本体部72Cは、所定方向(Y方向)において第1バックシェル60Cに向かって開いた矩形箱形状を有している。第2延長部78Cは、所定方向において第1バックシェル60Cに向かって開いた半円筒形状を有している。第2延長部78Cは、第2本体部72Cの後端から後方に延びている。第2本体部72Cと第2延長部78Cとは、互いに隙間なく繋がっている。
【0147】
図32及び図34に示されるように、本変形例の第2バックシェル70Cは、第2主板73Cと、第2周辺板74Cとを有している。第2主板73C及び第2周辺板74Cの夫々は、第2本体部72Cの一部である。第2主板73Cは、所定方向(Y方向)と直交する矩形平板形状を有している。第2周辺板74Cは、第2主板73Cから所定方向に沿って延びている。詳しくは、第2周辺板74Cは、所定方向と直交するXZ平面における第2主板73Cの全ての縁から所定方向に沿って第1バックシェル60Cに向かって延びており、XZ平面において閉じている。加えて、第2周辺板74Cは、第2延長部78Cと隙間なく繋がっている。
【0148】
以下、本変形例のコネクタハーネス10Cについて上述した第2変形例との相違点を中心に説明する。
【0149】
図29図32と併せて参照すると、第1バックシェル60Cと第2バックシェル70Cとは、所定方向(Y方向)において成型体11Bを挟み込むようにして互いに組み合わされており、これにより、外部ハウジング18B(図19参照)を成型する前のコネクタハーネス10Cが組み立てられている。換言すれば、コネクタハーネス10Cが組み立てられた組立状態において、第1バックシェル60Cと第2バックシェル70Cとは、所定方向において互いに組み合わされている。本変形例によれば、第2バックシェル70Cは、第1バックシェル60Cの所定方向における端部を覆うようにして、第1バックシェル60Cに組み合わされる。
【0150】
組立状態において、第1バックシェル60Cの第1本体部62Cと第2バックシェル70Cの第2本体部72Cとは、互いに組み合わされてバックシェル12Cの本体部13Cを形成しており、第1バックシェル60Cの第1延長部68Cと第2バックシェル70Cの第2延長部78Cとは、互いに組み合わされてバックシェル12Cの延長部16Cを形成している。延長部16Cは、本体部13Cの後端から後方に延びている。本体部13Cと延長部16Cとは、互いに隙間なく繋がっている。図29図30と併せて参照すると、本体部13C及び延長部16Cは、コネクタ30B及びケーブル50の後部を除いて、成型体11Bを隙間なく覆っている。
【0151】
図29を参照すると、第1バックシェル60Cと第2バックシェル70Cとは、第1周辺板64Cと第2周辺板74CとがXZ平面において互いに重なるようにして、互いに組み合わされている。組立状態において、第2周辺板74Cは、第1周辺板64CのXZ平面における外側に位置している。
【0152】
図31図33と併せて参照すると、バックシェル12Cは、開口部14Cを有している。本変形例の開口部14Cは、第1バックシェル60Cの第1開口部65Cである。開口部14Cは、嵌合方向(Y方向)においてバックシェル12Cを貫通しており、嵌合方向と直交するXZ平面においてコネクタ30Bのベースシェル36Bに対応するトラック形状を有している。開口部14CのXZ平面におけるサイズは、ベースシェル36BのXZ平面におけるサイズと殆ど等しい。ベースシェル36Bは、組立状態において、開口部14Cを通過してバックシェル12Cの外部に突出しており、これにより、開口部14Cが塞がれている。
【0153】
バックシェル12Cは、立壁部15Cを有している。本変形例の立壁部15Cは、第1バックシェル60Cの第1立壁部66Cである。立壁部15Cは、開口部14Cの縁から延びており、嵌合方向(Y方向)と直交するXZ平面において閉じた筒形状を有している。組立状態において、コネクタ30Bのベースシェル36Bは、立壁部15Cの内部を通過して延びており、立壁部15Cは、ベースシェル36Bに接続されている。この結果、バックシェル12Cは、ベースシェル36を介して、ベース基板20Bに接地されている。
【0154】
図31を参照すると、成型体11Bは、第1突当部42Cと、第2突当部44Cとを有している。本変形例によれば、成型体11Bの樹脂部40Bの所定方向(Y方向)における両面が、第1突当部42C及び第2突当部44Cとして夫々機能する。即ち、第1突当部42Cと第2突当部44Cとは、所定方向における成型体11Bの反対側に夫々位置している。本変形例によれば、ロケータ38は、第1突当部42C及び第2突当部44Cのいずれにおいても、成型体11Bの外部に露出していない。このため、第1突当部42C及び第2突当部44Cの夫々は、樹脂部40Bの表面のみからなる。
【0155】
組立状態において、成型体11Bの第1突当部42Cは、第1バックシェル60Cに突き当たっており、且つ、成型体11Bの第2突当部44Cは、第2バックシェル70Cに突き当たっている。詳しくは、組立状態において、第1突当部42Cは、第1バックシェル60Cの第1主板63Cに突き当たっており、第2突当部44Cは、第2バックシェル70Cの第2主板73Cに突き当たっている。図29を参照すると、組立状態において、第1バックシェル60Cと第2バックシェル70Cとは、互いに溶接されている。
【0156】
本変形例によれば、前述した実施の形態と同様に、コネクタ30Bをバックシェル12Cに対して容易に位置決めでき、且つ、EMIを十分に低減可能なL字形状のコネクタハーネス10Cを提供できる。
【0157】
本変形例は、前述した実施の形態及び変形例と同様に、様々に変形可能である。例えば、本変形例のバックシェル12Cの立壁部15Cは、コネクタ30Bのベースシェル36Bに溶接されているが、立壁部15Cとコネクタ30Bとの間の接続方法は、特に限定されない。また、第1バックシェル60Cは、ガイド突起69(図7参照)を有していてもよく、第2バックシェル70Cには、スリット77(図7参照)が形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0158】
10,10A,10B,10C コネクタハーネス
11,11B 成型体
12,12A,12B,12C バックシェル
13,13A,13B,13C 本体部
14,14A,14B,14C 開口部
15,15A,15B,15C 立壁部
16,16A,16B,16C 延長部
17 溶接跡
18,18B 外部ハウジング
20,20B ベース基板
22,22B 所定面
24,24B 反対面
26 導電パッド
28 所定エッジ
30,30B コネクタ
32 保持部材
34 端子
36,36B ベースシェル
362,362B 被固定部
38 ロケータ
40,40B 樹脂部
42,42A,42B,42C 第1突当部
44,44A,44B,44C 第2突当部
48,48B 凹部
482,482B 所定凹部
484,484B 反対凹部
50 ケーブル
52 電線
54 シールド層
56 外被
58 接続端
60,60A,60B,60C 第1バックシェル
62,62A,62B,62C 第1本体部
63,63A,63B,63C 第1主板
64,64A,64B,64C 第1周辺板
65,65A,65B,65C 第1開口部
66,66A,66B,66C 第1立壁部
68,68A,68B,68C 第1延長部
69 ガイド突起
70,70A,70B,70C 第2バックシェル
72,72A,72B,72C 第2本体部
73,73A,73B,73C 第2主板
74,74A,74B,74C 第2周辺板
75A,75B 第2開口部
76A,76B 第2立壁部
77 スリット
78,78A,78B,78C 第2延長部
80 対象物
【要約】
【課題】コネクタをバックシェルに対して容易に位置決めでき、且つ、EMIを十分に低減可能なL字形状のコネクタハーネスを提供すること。
【解決手段】コネクタハーネス10は、樹脂部40、ベース基板20、ケーブル50及びコネクタ30を含む成型体11と、第1バックシェル60及び第2バックシェル70を含むバックシェル12とを備えている。ケーブル50は、樹脂部40の内部に位置するベース基板20に接続されている。コネクタ30は、ベース基板20からケーブル50が延びる方向と交差する嵌合方向(Z方向)に沿って延びている。成型体11は、第1突当部42と、第2突当部44とを有している。第1バックシェル60と第2バックシェル70とは、所定方向(Z方向)において互いに組み合わされて溶接されている。第1突当部42は、第1バックシェル60に突き当たっており、第2突当部44は、第2バックシェル70に突き当たっている。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
図18
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図20
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図22
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図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35