(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-21
(45)【発行日】2025-03-04
(54)【発明の名称】光エンジンアセンブリ、光相互接続システム、およびネットワークデバイス
(51)【国際特許分類】
G02B 6/42 20060101AFI20250225BHJP
G02B 6/30 20060101ALI20250225BHJP
G02B 6/36 20060101ALI20250225BHJP
【FI】
G02B6/42
G02B6/30
G02B6/36 301
(21)【出願番号】P 2023572939
(86)(22)【出願日】2022-05-18
(86)【国際出願番号】 CN2022093621
(87)【国際公開番号】W WO2022247706
(87)【国際公開日】2022-12-01
【審査請求日】2024-01-04
(31)【優先権主張番号】202110587294.2
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】肖 小康
(72)【発明者】
【氏名】李 惠萍
(72)【発明者】
【氏名】李 洋
(72)【発明者】
【氏名】古川 洋
【審査官】奥村 政人
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-212781(JP,A)
【文献】特開2017-044844(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0384007(US,A1)
【文献】特開2001-042168(JP,A)
【文献】特開2008-224954(JP,A)
【文献】特表2015-508183(JP,A)
【文献】特表2013-544447(JP,A)
【文献】特開2005-080292(JP,A)
【文献】国際公開第2016/088349(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第107003487(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/24
G02B 6/255-6/27
G02B 6/30- 6/34
G02B 6/36- 6/43
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光エンジン、結合ベース、およびファイバアレイユニットを備える、光エンジンアセンブリであって、前記結合ベースが前記光エンジンに締結され、第1のガイド部分が前記結合ベースに配置され、第2のガイド部分が前記ファイバアレイユニットに配置され、前記第1のガイド部分および前記第2のガイド部分の一方がガイドロッドであり、前記第1のガイド部分および前記第2のガイド部分の他方がガイド孔であり、前記ガイドロッドが前記ガイド孔に差込可能に接続され、前記光エンジンが、光信号と電気信号の間の変換を実施するように構成され、
前記ファイバアレイユニットから入力された光信号は、前記結合ベースを通過して前記光エンジンに到達し、および/または前記光エンジンによって出力された光信号は、前記結合ベースを通過して前記ファイバアレイユニットに到達して出力
し、
前記光エンジンは、コアおよび前記コア上に配置された第1の光導通部分を備え、前記結合ベースは、ベースおよび第2の光導通部分をさらに備え、前記ベースは、前記コアの表面に締結され、前記ベースおよび前記コアは積層方式で配置され、前記第2の光導通部分は、前記ベースに内蔵され、前記第1の光導通部分は、前記第2の光導通部分に光学的に結合され、前記第1のガイド部分は、前記ベースの、前記コアから離れた表面上に配置され、
前記光エンジンアセンブリは制限部分をさらに備え、前記制限部分は、前記ファイバアレイユニットと前記結合ベースの間の相対位置を制限するように構成され、
前記制限部分は、本体および前記本体に接続される方式で配置された弾性アームを備え、前記弾性アームは、第1の弾性アームおよび第2の弾性アームを備え、前記第1の弾性アームおよび前記第2の弾性アームの各々は、互いに接続された接続部分および当接部分を備え、前記本体は、前記ベースおよび前記コアが積層される方向に互いに対向して配置された第1の端部および第2の端部を備え、前記本体の前記第1の端部は、前記コアに近接して配置され、前記第1の弾性アームの前記接続部分は、前記本体の前記第1の端部に固定的に接続され、前記第2の弾性アームの前記接続部分は、前記本体の前記第2の端部に固定的に接続され、前記本体、前記第1の弾性アーム、および前記第2の弾性アームは、クランプ空間を共に囲み、
前記光エンジンアセンブリは、補強パッドをさらに備え、前記補強パッドには収容溝が設けられ、前記光エンジンは、前記収容溝を貫通して前記補強パッドと一緒に締結され、前記ベースは、前記補強パッドに締結され、
前記結合ベース、前記ファイバアレイユニットおよび前記補強パッドは前記クランプ空間に収容され、前記第1の弾性アームの前記当接部分は、前記補強パッドに対して当接し、前記第2の弾性アームの前記当接部分は、前記ファイバアレイユニットに対して当接し、前記補強パッドは、前記第1の弾性アームと前記ベースの間に位置される、光エンジンアセンブリ。
【請求項2】
前記コアは、第1の取り付け面、第2の取り付け面、および側面を備え、前記側面は、前記第1の取り付け面と前記第2の取り付け面の間に固定的に接続され、前記ベースは、前記第1の取り付け面に締結され、前記第1の光導通部分は、光路相互接続が行われる光導波路および屈折部材を備え、光路相互接続は、前記屈折部材および前記第2の光導通部分で行われる、請求項
1に記載の光エンジンアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の光導通部分は光導波路を含み、前記光導波路は前記コアに内蔵され、前記コアは第1の取り付け面、第2の取り付け面、および側面を含み、前記側面は前記第1の取り付け面と前記第2の取り付け面の間に固定的に接続され、前記第1の取り付け面は基板に固定的に接続され、前記光導波路の光ガイド面は前記側面に位置され、前記ベースは前記側面に締結され、前記第2の光導通部分は前記光導波路の前記光ガイド面に光学的に結合される、請求項
1に記載の光エンジンアセンブリ。
【請求項4】
前記ファイバアレイユニットは、光ガイドベースおよび前記光ガイドベースに締結された光ファイバを備え、前記光ガイドベース、前記ベース、および前記コアは、積層方式で順次配置され、当接ステップは、前記光ガイドベースの外壁に凸状に配置され、前記第2のガイド部分は、前記
光ガイドベースの、前記ベースに対向する表面に配置され、前記弾性アームは、前記当接ステップに対して当接する、請求項
1に記載の光エンジンアセンブリ。
【請求項5】
基板、電気的切り替えチップ、および請求項1に記載の光エンジンアセンブリを備える、光相互接続システムであって、前記電気的切り替えチップは前記基板上に配置され、前記光エンジンアセンブリは前記基板上に配置され、前記電気的切り替えチップは前記光エンジンアセンブリの光エンジンに電気的に接続される、光相互接続システム。
【請求項6】
前記基板は、積層方式で配置された第1の基板および第2の基板を備え、前記電気的切り替えチップは、前記第2の基板の、前記第1の基板から離れた表面に配置され、前記光エンジンは、前記第2の基板の、前記第1の基板から離れた前記表面に配置される、請求項
5に記載の光相互接続システム。
【請求項7】
システム回路基板および請求項
5に記載の光相互接続システムを備える、ネットワークデバイスであって、前記光相互接続システムは前記システム回路基板上に配置される、ネットワークデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる、2021年5月27日付で中国国家知識産権局に出願された、「光エンジンアセンブリ、光相互接続システム、およびネットワークデバイス」という名称の中国特許出願第202110587294.2号の優先権を主張するものである。
【0002】
本出願は、光通信技術の分野に関し、特に、光エンジンアセンブリ、光相互接続システム、およびネットワークデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
データセンタの通信帯域幅が継続的に発展するにつれて、光ファイバ通信の密度に対する要求はますます高くなり、光電気パッケージングは光通信モジュールの開発トレンドとなっている。光電気パッケージングとは、光チップと電気チップ(集積回路チップとも呼ばれる)とが同じパッケージング構造に配置されることを意味する。光電子通信システムでは、電気的切り替えチップの切り替え容量は既に51.2Tに増大されており、1つの光信号で搬送されることができる容量は100Gであり、1つの光エンジン(optical engine、OE)の容量は6.4Tであり、1つのファイバアレイユニット(fiber array unit、FAU)を使用して1つの光エンジンによってファンアウトされる必要がある光ファイバの数量は148であると想定される。1つの光相互接続システムに8つのこのような光エンジンが配置される場合、ファンアウトされる必要がある光ファイバの総数量は1000を超える。このような大量の光ファイバは、ファイバアレイユニットと光エンジンの間の結合およびアセンブリに対する非常に高い要件をもたらす。
【0004】
光エンジン上にファイバアレイユニットが組み立てられる既存の解決策では、光路相互接続は、能動結合を通してチップ結合ベースおよび光エンジン上で実行され、チップ結合ベースは、接着剤を使用して光エンジンに接合され、光路相互接続は、能動結合を通してファイバアレイユニットおよびチップ結合ベース上で実行され、ファイバアレイユニットは、チップ結合ベースに接合される。能動結合は、光が通過する必要があり、光デバイスの接続およびアセンブリ中に光路の挿入損失が監視される必要があることを意味する。光路の最小挿入損失が取得されるまでアセンブリ位置が調整されると、光路が固定される。しかしながら、このようなアセンブリ方式では、アセンブリ効率が比較的低く、光ファイバカットが発生すると、組み立てられた構成要素が廃棄される必要があり、修理されることができない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願の実施形態は、アセンブリ効率を高め、メンテナンス性を増大させることができる光エンジンアセンブリ、光相互接続システム、およびネットワークデバイスを提供する。
【0006】
第1の態様によれば、本出願は、光エンジン、結合ベース、およびファイバアレイユニットを含む、光エンジンアセンブリを提供する。結合ベースは光エンジンに締結され、第1のガイド部分は結合ベースに配置され、第2のガイド部分はファイバアレイユニットに配置され、第1のガイド部分および第2のガイド部分の一方はガイドロッドであり、第1のガイド部分および第2のガイド部分の他方はガイド孔であり、ガイドロッドはガイド孔に差込可能に接続され、光エンジンは、光信号と電気信号の間の変換を実施するように構成される。ファイバアレイユニットと光エンジンの間で伝送される光信号も結合ベースを通過する。ファイバアレイユニットから入力された光信号は、結合ベースを通過して光エンジンに到達し、および/または光エンジンによって出力された光信号は、結合ベースを通過して出力のためにファイバアレイユニットに到達する。
【0007】
ファイバアレイユニットの第2のガイド部分および結合ベースの第1のガイド部分が一緒に差込可能に接続されるため、ファイバアレイユニットは結合ベースに差込可能に接続され、その結果、ファイバアレイユニットと結合ベースの間の受動的結合が実施され、光エンジンアセンブリのアセンブリ効率が増大される。加えて、ファイバアレイユニットに光ファイバカットが発生した場合、故障したファイバアレイユニットが除去され、新しいファイバアレイユニットと置換され得る。これにより、光エンジンアセンブリのメンテナンス性が向上する。受動結合は、光デバイスのアセンブリ中に光が通過する必要がないか、または光路の挿入損失が監視される必要がないが、機械部分を使用して正確な位置特定が行われるアセンブリ方式である。
【0008】
加えて、光エンジンアセンブリを搬送する基板がはんだ付けされる必要があるとき、例えば、リフローはんだ付けプロセスを使用してネットワークデバイスのシステム回路基板上に基板がはんだ付けされるとき、リフローはんだ付けのはんだ付け温度は最高260℃であり、最初にファイバアレイユニットが除去され得、光エンジン、結合ベース、および基板は、予め製造された本体を形成し得、予め製造された本体の基板は、システム回路基板上にはんだ付けされる。はんだ付けが完了した後、ファイバアレイユニットは、高いはんだ付け温度に起因するファイバアレイユニットが損傷されることを防止するために、結合ベースに差込可能に接続される。
【0009】
第1の態様によれば、光エンジンは、コア、およびコア上に配置された第1の光導通部分を含み、結合ベースは、ベースおよび第2の光導通部分をさらに含み、ベースは、コア上に締結され、ベースおよびコアは積層方式で配置され、第2の光導通部分は、ベースに内蔵され、第1の光導通部分は、第2の光導通部分と光学的に結合され、第1のガイド部分は、ベースの、コアから離れた表面に配置される。
【0010】
ベースがコアに締結されるとき、ベースおよびコアは積層方式で配置される。第1の光導通部分の位置は、本出願では限定されない。第1の光導通部分は、コアに内蔵されていてもよいし、コアの、ベースと対向する表面または別の表面に配置されていてもよい。例えば、ベースは、互いに対向して配置された第1の表面および第2の表面を含む。ベースがコアに締結されると、第1の表面はコアに固定的に接続され、第2の表面はベースの、コアから離れた表面上に位置される。第1のガイド部分は、ベースの、コアから離れた表面上に配置され、すなわち、第1のガイド部分は、第2の表面上に配置される。
【0011】
結合ベースは、エアギャップを設ける代わりに、ベースに第2の光導通部分を作り込む方式で光導通を行う。結合ベースが接着剤を使用して光エンジンに接合されるとき、接着剤が光路を汚染する可能性が低減される。
【0012】
第1の態様によれば、本出願の第1の態様の第1の可能な実装形態では、光エンジンアセンブリは、制限部分をさらに含み、制限部分は、結合ベースに対するファイバアレイユニットの動きの可能性を低減するために、ファイバアレイユニットと結合ベースの間の相対位置を制限するように構成され、それにより、ファイバアレイユニットが結合ベースから外されるのを防止する。
【0013】
本出願の第1の態様または第1の態様の第1の可能な実装形態によれば、本出願の第1の態様の第2の可能な実装形態では、制限部分は、本体および本体に接続される方式で配置された弾性アームを含み、本体は、結合ベースおよびファイバアレイユニットを覆い、弾性アームは、ファイバアレイユニットに対して当接し、ファイバアレイユニットは、弾性アームの弾性力を使用することによって結合ベースに制限され、それにより、結合ベースとファイバアレイユニットの間の接続安定性が向上する。「当接」とは、2つの要素が互いに抵抗するように互いに力を加えることを意味する。
【0014】
本出願の第1の態様または第1の態様の第1もしくは第2の可能な実装形態によれば、本出願の第1の態様の第3の可能な実装形態では、本体は中空キャビティを有し、結合ベースは中空キャビティに固定的に収容され、ファイバアレイユニットは中空キャビティを貫通し、中空キャビティの側壁は結合ベースおよびファイバアレイユニットに取り付けられる。結合ベースが本体内に封入されているので、ファイバアレイユニットの、結合ベースに接続された一端が本体に封入され、それにより、結合ベースおよびファイバアレイユニットがアセンブリおよび使用中に汚染される可能性を低減する。
【0015】
本出願の第1の態様または第1の態様の第1から第3の可能な実装形態によれば、本出願の第1の態様の第4の可能な実装形態では、弾性アームは、互いに接続された接続部分および当接部分を含み、中空キャビティの側壁を通して形成された溝が本体に設けられ、溝は、ベースおよびコアが積層される方向に互いに対向して配置された第1の端部および第2の端部を含み、溝の第1の端部は、溝の、光エンジンに近接した一端に配置され、接続部分は、溝の第1の端部の側壁に締結され、弾性アームは、溝に収容され、それに沿って延在し、当接部分は、溝の第2の端部から露出し、ファイバアレイユニットに対して当接する。本体に溝が設けられているので、本体の変形能力が高められ、それによって、ファイバアレイユニットのプラッギングおよび除去が容易になる。
【0016】
本出願の第1の態様または第1の態様の第1から第4の可能な実装形態によれば、本出願の第1の態様の第5の可能な実装形態では、弾性アームは、第1の弾性アームおよび第2の弾性アームを含み、本体は、ベースおよびコアが積層される方向に互いに対向して配置された第1の端部および第2の端部を含み、本体の第1の端部はコアに取り付けられ、第1の弾性アームの接続部分は本体の第1の端部に固定的に接続され、第2の弾性アームの接続部分は本体の第2の端部に固定的に接続され、本体、第1の弾性アーム、および第2の弾性アームはクランプ空間を共に囲み、結合ベースおよびファイバアレイユニットはクランプ空間に収容され、第2の弾性アームの当接部分はファイバアレイユニットに対して当接する。
【0017】
制限部分の第1の弾性アームおよび第2の弾性アームを使用して光エンジン、結合ベース、およびファイバアレイユニットが一緒に組み立てられるので、結合ベースと光エンジンの間の接続安定性がさらに改善され、結合ベースとファイバアレイユニットの間の接続安定性が高められ、それによって光路の安定性が向上する。
【0018】
本出願の第1の態様または第1の態様の第1から第5の可能な実装形態によれば、本出願の第1の態様の第6の可能な実装形態では、光エンジンアセンブリは補強パッドをさらに含み、補強パッドには収容溝が設けられ、光エンジンは収容溝を貫通し、補強パッドと一緒に締結され、ベースは補強パッドに締結され、第1の弾性アームの当接部分は補強パッドに対して当接し、補強パッドは第1の弾性アームとベースの間に位置される。
【0019】
補強パッドを使用することで、光エンジンと結合ベースの接触面積(例えば、接合領域)が増大されるので、結合ベースと光エンジンの接続安定性が高められ(例えば、接合力が増大される)、プラッギングおよび除去により結合ベースが脱落するリスクが低減される。
【0020】
本出願の第1の態様または第1の態様の第1から第6の可能な実装形態によれば、本出願の第1の態様の第7の可能な実装形態では、コアは、第1の取り付け面、第2の取り付け面、および側面を含み、側面は、第1の取り付け面と第2の取り付け面との間に固定的に接続され、ベースは、第1の取り付け面に締結され、第1の光導通部分は、光路相互接続が行われる光導波路および屈折部材を含み、屈折部材および第2の光導通部分で光路相互接続が行われ、屈折部材および第2の光導通部分で光路相互接続が行われる。屈折部材は、光の伝送方向を変更するように構成される。例えば、屈折部材を使用して、ファイバアレイユニットから第2の光導通部分に入射する光の伝送方向が変更された後、光は光導波路に到達する。屈折部材を使用して光導波路から出力された光の伝送方向が変更された後、光は第2の導通部分に入射してファイバアレイユニットに到達する。屈折部材を使用して結合ベースおよび光エンジンが結合され、屈折部材を使用して光の伝送方向が変化され、それによって、光路設計の自由度を向上させる。屈折部材は、光の伝送方向を変更することができる光学デバイス、例えばグレーティングやリフレクタを含む。
【0021】
本出願の第1の態様または第1の態様の第1から第7の可能な実装形態によれば、本出願の第1の態様の第8の可能な実装形態では、第1の光導通部分は光導波路を含み、光導波路はコアに内蔵され、コアは第1の取り付け面、第2の取り付け面、および側面を含み、側面は第1の取り付け面と第2の取り付け面の間に固定的に接続され、第2の取り付け面は基板に接続され、光導波路の光ガイド面は側面に位置され、ベースは側面に締結され、第2の光導通部分は光ガイド面に光学的に結合される。光導波路および第2の光導通部分における光の伝送方向は、結合ベースおよびファイバアレイユニットの配列方向と平行であり、第2の光導通部分、結合ベースおよびファイバアレイユニットによって形成される光路は屈曲されず、その結果、光路での光損失が低減されることができる。
【0022】
本出願の第1の態様または第1の態様の第1から第8の可能な実装形態によれば、本出願の第1の態様の第9の可能な実装形態では、ファイバアレイユニットは、光ガイドベースおよび光ガイドベースに締結された光ファイバを含み、当接ステップは、光ガイドベースの外壁に凸状に配置され、光ガイドベース、ベース、およびコアは、積層方式で順次配置され、第2のガイド部分は、ガイドベースの、ベースに対向する表面に配置され、弾性アームは、当接ステップに対して当接する。当接ステップは、光路の伝送安定性を向上させるために、本体に対する光ガイドベースの動きを制限するように構成される。
【0023】
第2の態様によれば、本出願は、基板、電気的切り替えチップ、および第1の態様または第1の態様の第1から第9の可能な実装形態による光エンジンアセンブリを含む光相互接続システムを提供し、電気的切り替えチップは基板上に配置され、光エンジンアセンブリは基板上に配置され、電気的切り替えチップは光エンジンアセンブリの光エンジンに電気的に接続される。電気的切り替えチップは、光エンジンに出力電気信号を送信し、光エンジンから入力電気信号を受信するように構成される。
【0024】
第2の態様によれば、本出願の第2の態様の第1の可能な実装形態では、基板は、積層方式で配置された第1の基板および第2の基板を含み、電気的切り替えチップは、第2の基板の、第1の基板から離れた表面に配置され、光エンジンは、第2の基板の、第1の基板から離れた表面に配置される。
【0025】
第3の態様によれば、本出願は、システム回路基板、第2の態様または第2の態様の第1の可能な実装形態による光相互接続システムを含むネットワークデバイスを提供し、光相互接続システムはシステム回路基板上に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本出願の第1の実装形態による組み立てられた光相互接続システムの概略3次元図である。
【
図2】本出願の第1の実装形態による光相互接続システムの平面の概略図である。
【
図3】本出願の第1の実装形態による光相互接続システムの光エンジンアセンブリの概略3次元アセンブリ図である。
【
図4】
図3に示される光エンジンアセンブリの概略3次元分解図である。
【
図5】本出願の第1の実装形態による第1の光導通部分の概略3次元分解図である。
【
図6a】本出願の第1の実装形態による光相互接続システムの出力光信号の光路の概略図である。
【
図6b】本出願の第1の実装形態による光相互接続システムにおける入力光信号の光路の概略図である。
【
図7】本出願の第1の実装形態による結合ベースの概略3次元図である。
【
図8】本出願の第1の実装形態による制限部分の概略3次元図である。
【
図9】本出願の第1の実装形態によるファイバアレイユニットの概略3次元図である。
【
図10】本出願の第1の実装形態によるファイバアレイユニットの光ガイドベースの底面図である。
【
図11】本出願の第1の実装形態による基板上への光エンジンの配置の概略図である。
【
図12】本出願の第1の実装形態による結合ベース、制限部分、およびファイバアレイユニットを予め相互接続する概略図である。
【
図13】本出願の第1の実装形態によるファイバアレイユニットが除去された後の光相互接続システムの概略図である。
【
図14】本出願の第2の実装形態による光相互接続システムの平面の概略図である。
【
図15】本出願の第2の実装形態による光相互接続システムの側面の概略図である。
【
図16】本出願の第3の実装形態による光相互接続システムの概略3次元分解図である。
【
図17】本出願の第3の実装形態による光相互接続システムの概略3次元アセンブリ図である。
【
図18】本出願の第3の実装形態による光相互接続システムの側面の概略図である。
【
図19】本出願の第3の実装形態による結合ベースの概略3次元図である。
【
図20】本出願の第3の実装形態による補強パッドの概略3次元図である。
【
図21】本出願の第3の実装形態による補強パッドの概略3次元図である。
【
図22】本出願の第3の実装形態による基板上への光エンジンの配置の概略図である。
【
図23】本出願の第3の実装形態による結合ベース、補強パッド、およびファイバアレイユニットを予め相互接続する概略図である。
【
図24】本出願の第3の実装形態によるファイバアレイユニットが除去された後の光相互接続システムの概略図である。
【
図25】本出願の第3の実装形態による組み立てられた光相互接続システムの概略3次元図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
データセンタの通信帯域幅が継続的に発展するにつれて、光ファイバ通信の密度に対する要求はますます高くなり、光電気パッケージングは光通信モジュールの開発トレンドとなっている。光電気パッケージングとは、光モジュールおよび電気モジュールが全体としてパッケージングされていることを意味する。光通信システムでは、電気的切り替えチップの切り替え容量は既に51.2Tに増大されており、1つの光信号で搬送されることができる容量は100Gである。1つの光エンジン(optical engine、OE)の容量は最大6.4Tであり、1つのファイバアレイユニット(fiber array unit、FAU)を使用して1つの光エンジンによってファンアウトされる必要がある光ファイバの数量は最大148であると想定される。1つの光相互接続システムに8つのこのような光エンジンが配置される場合、ファンアウトされる必要がある光ファイバの総数量は1000を超える。このような大量の光ファイバは、ファイバアレイユニット(fiber array unit、FAU)上での結合およびアセンブリに非常に高い要件を課す。
【0028】
光エンジン上にファイバアレイユニットが組み立てられる既存の解決策では、光路相互接続は、能動結合を通してチップ結合ベースおよび光エンジン上で実行され、チップ結合ベースは、接着剤を使用して光エンジンに接合され、光路相互接続は、能動結合を通してファイバアレイユニットおよびチップ結合ベース上で実行され、ファイバアレイユニットは、チップ結合ベースに接合される。チップ結合ベースの、光エンジンから離れた表面にエアギャップが形成される。光エンジンの一端に近接したエアギャップの側壁にレンズが配置される。ファイバアレイユニットは、光ファイバ結合部分、および光ファイバ結合部分に差込可能に接続された光ファイバアレイを含む。光ファイバ結合部分は、チップ結合ベースの、光エンジンから離れ、エアギャップを覆う表面に接合される。光ファイバ結合部分にはプリズムが配置される。ファイバアレイユニットは、光ファイバ結合部分に締結される。光エンジンによって放出される光信号が一例として使用される。光信号は、エアギャップの側壁のレンズを通過し、プリズムで反射された後、光ファイバアレイに入射する。
【0029】
前述のアセンブリ解決策では、光路相互接続は、能動結合を通してファイバアレイユニットおよびチップ結合ベース上で実行される。しかしながら、能動結合中、光は通過する必要があり、光路の挿入損失が監視される必要があり、それによってアセンブリ効率に影響を及ぼす。加えて、チップ結合ベースは、接着剤を使用して光エンジンに締結され、光ファイバ結合部分は、接着剤を使用してチップ結合ベースに固定的に接続される。光ファイバアレイに光ファイバカットが発生する場合、システム全体が廃棄され、悪いメンテナンス性になる。加えて、チップ結合ベースを光エンジンに締結するプロセスおよび光ファイバ結合部分をチップ結合ベースに締結するプロセスにおいて、接着剤がエアギャップに侵入しやすく、それによって、光路が汚染されて不具合が生じる。
【0030】
関連技術では、基板と光エンジンの間の電気的接続および基板とシステム回路基板の間の電気的接続の両方の間で、無線周波数性能および損失がリフローはんだ付け(温度は最大260℃)によって確保される必要があり得る。しかしながら、光ファイバ結合部分および光ファイバは、高温に対する耐性はない。その結果、電気的結合プロセスは光結合プロセスと互換性がない。アセンブリ中、通常、最初に電気的結合(デバイス間の電気的接続)が完了し、次いで光結合(デバイス間の光路相互接続)が実行される。これは、結合プロセスに高い要件を及ぼし、複数の固定具の開発が必要とされ、汎用性が低く、生産効率が低い。
【0031】
これに基づいて、本出願は、光エンジンアセンブリ、ならびに光エンジンアセンブリに関連した光相互接続システムおよびネットワークデバイスを提供する。光エンジンアセンブリは、光エンジン、結合ベース、およびファイバアレイユニットを含む。結合ベースは、光エンジンに締結される。第1のガイド部分および第2のガイド部分の一方はガイドロッドであり、第1のガイド部分および第2のガイド部分の他方はガイド孔であり、ガイドロッドはガイド孔に差込可能に接続され、光エンジンは、光信号と電気信号の間の変換を実施するように構成される。ファイバアレイユニットと光エンジンの間で伝送される光信号も結合ベースを通過する。ファイバアレイユニットから入力された光信号は、結合ベースを通過して光エンジンに到達し、および/または光エンジンによって出力された光信号は、結合ベースを通過して出力のためにファイバアレイユニットに到達する。
【0032】
以下では、特定の実装形態および添付の図面に基づいて、光エンジンアセンブリおよび光エンジンアセンブリに関連した光相互接続システムについてさらに説明する。
【0033】
図1に示されるように、本出願の第1の実装形態は、1つまたは複数の光相互接続システム1000およびシステム回路基板2000を含む、ネットワークデバイス3000を提供する。光相互接続システム1000は、システム回路基板2000上に配置され、光相互接続システム1000は、システム回路基板2000に電気的に接続される。ネットワークデバイス3000は、光相互接続システム1000を使用して別のデバイスとの情報交換を実行する。この実装形態では、ネットワークデバイス3000はスイッチである。ネットワークデバイス3000のタイプは、本出願では限定されないことが理解され得る。代替的に、ネットワークデバイス3000は、ルータ、アクセスネットワークの中央局側デバイス、電気通信室またはデータセンタ機器室のフレーム形状デバイスのサービスボード、無線基地局のベースバンドユニットなどであってもよい。
【0034】
図2に示されるように、光相互接続システム1000は、光通信構成要素100、基板300、伝送端光ファイバインターフェース400、および受信端光ファイバインターフェース600を含む。光通信構成要素100、伝送端光ファイバインターフェース400、および受信端光ファイバインターフェース600は、すべて基板300上に配置される。この実装形態では、基板300はスイッチの基板であり、基板300は少なくとも1つの回路基板を含む。基板300は、略平坦であり、第1の方向(例えば、
図2に示されるX方向)および第2の方向(例えば、
図2に示されるY方向であり、X方向はY方向に垂直である)に沿って延在する。第1の方向は、第2の方向とは異なる。
【0035】
光通信構成要素100は、電気的切り替えチップ102、および1つまたは複数の光エンジンアセンブリ103(
図2には一例としていくつかの光エンジンアセンブリのみを示す)を含む。電気的切り替えチップ102および1つまたは複数の光エンジンアセンブリ103のすべては、基板300上に配置される。電気的切り替えチップ102は、1つまたは複数の光エンジンアセンブリ103に電気的に接続される。電気的切り替えチップ102は、出力電気信号を光エンジンアセンブリ103に送信し、光エンジンアセンブリ103から入力電気信号を受信するように構成される。光エンジンアセンブリ103は、出力電気信号を出力するための出力光信号に変換し、および/または受信した入力光信号を入力電気信号に変換し、入力電気信号を電気的切り替えチップ102に伝送するように構成される。
【0036】
この実装形態では、信号の送信および受信に基づいて、光エンジンアセンブリ103は、送信光エンジンアセンブリおよび受信光エンジンアセンブリを含む。送信光エンジンアセンブリは、伝送端光ファイバ201(
図2は一例として1つのみを示す)を通して伝送端光ファイバインターフェース400に接続され、伝送端光ファイバインターフェース400は、外部伝送端光ファイバ203(
図2は一例としていくつかの外部伝送端光ファイバのみを示す)を使用して外部デバイス(図には示されず)に接続される。送信光エンジンアセンブリは、電気的切り替えチップ102によって出力される出力電気信号を受信し、出力電気信号を出力光信号に変換するように構成される。出力された光信号は、伝送端光ファイバ201、伝送端光ファイバインターフェース400、および外部伝送端光ファイバ203を通過してから外部デバイスに出力される。この実装形態では、送信光エンジンアセンブリは、光源プールファイバ204(
図2は一例として1つの光源プールファイバのみを示す)を使用して外部光源プール109に接続される。外部光源プール109から放出された無変調レーザは、光源プールファイバ204を通って送信され、光エンジンアセンブリに結合される。送信光エンジンアセンブリは、出力電気信号に基づいてレーザを変調して出力光信号に変換し、伝送端光ファイバ201を介して伝送端光ファイバインターフェース400に接続され、信号送信を完了するために、出力光信号を外部伝送端光ファイバ203にさらに伝送する。代替的に、光源は、送信光エンジンアセンブリに内蔵されてもよいことが理解され得る。
【0037】
受信光エンジンアセンブリは、電気的切り替えチップ102に電気的に接続される。受信光エンジンアセンブリは、受信端光ファイバ205(
図2は一例として1つの受信端光ファイバのみを示す)を通して受信端光ファイバインターフェース600に接続される。受信端光ファイバインターフェース600は、外部受信端光ファイバ207(
図2は一例としていくつかの外部受信端光ファイバのみを示す)を通して外部デバイス(図には示されず)と接続される。外部受信端光ファイバ207を使用して外部デバイスによってネットワークデバイス3000に伝送された入力光信号は、受信端光ファイバ205を通過し、受信端光ファイバインターフェース600を通して受信端光エンジンアセンブリに伝送される。受信光エンジンアセンブリは、入力光信号を入力電気信号に変換し、入力電気信号を電気的切り替えチップ102に送信して信号受信を完了する。
【0038】
光エンジンアセンブリ103および伝送端光ファイバ201は互いに独立していてもよく、または伝送端光ファイバ201は光エンジンアセンブリ103の一部であってもよいことに留意されたい。光エンジンアセンブリ103および光源プールファイバ204は互いに独立していてもよく、または光源プールファイバ204は光エンジンアセンブリ103の一部であってもよい。
【0039】
図3および
図4に示されるように、光エンジンアセンブリ103(送信光エンジンアセンブリおよび受信光エンジンアセンブリ)は、光エンジン(optical engine、OE)10、結合ベース30、およびファイバアレイユニット50を含む。光エンジン10は、光信号と電気信号の間の変換を実施するように構成される。光信号は、出力光信号および入力光信号を含む。電気信号は、入力電気信号および出力電気信号を含む。結合ベース30は光エンジン10に締結され、結合ベース30はファイバアレイユニット50に差込可能に接続され、結合ベース30は光エンジン10とファイバアレイユニット50の間に位置される。ファイバアレイユニット50から入力された光信号(例えば、入力光信号)は、結合ベース30を通過して光エンジン10に到達し、および/または、光エンジン10から出力された光信号(例えば、出力光信号)は、結合ベース30を通過してファイバアレイユニット50に到達する。
図2では、1つの光エンジン10上にファイバアレイユニット50が配置された一例のみを示している。
【0040】
ファイバアレイユニット50は、結合ベース30に差込可能に接続され、その結果、ファイバアレイユニット50と結合ベース30の間の受動的結合が実施され、それにより、光エンジンアセンブリ100のアセンブリ効率が増大する。加えて、ファイバアレイユニット50に光ファイバカットが発生した場合、故障したファイバアレイユニット50が除去され、新しいファイバアレイユニット50と置換され得る。受動結合は、光要素のアセンブリ中に光が通過する必要がないか、または光路の挿入損失が監視される必要がないが、機械部分を使用して正確な位置特定が行われるアセンブリ方式である。
【0041】
この実装形態では、電気的切り替えチップ102(
図1および
図2に示される)および光エンジン10は、はんだ付けまたは接合を通して基板300上に締結され、電気的切り替えチップ102および光エンジン10は、基板300を使用して電気的に接続される。光エンジン10およびファイバアレイユニット50が積層される方向は、第3の方向である(例えば、
図3および
図4に示されるZ方向)。第3の方向は第1の方向と異なり、第3の方向は第2の方向と異なる。電気的切り替えチップ102および光エンジン10を基板300上に配置する方式は、本出願では限定されないことが理解され得る。
【0042】
具体的には、光エンジン10は、コア11および第1の光導通部分13を含む。コア11は、電気的切り替えチップ102に電気的に接続される。コア11は、第1の取り付け面111、第2の取り付け面113、および側面115を含む。側面115の一端は第1の取り付け面111に接続され、側面115の第2の端部は第2の取り付け面113に固定的に接続され、第1の取り付け面111は基板300に固定的に接続される。第1の光導通部分13の光ガイド面は、第2の取り付け面113上に位置され、光(入力光信号および出力光信号を含む)を送信および受信するように構成される。第1の取り付け面111および第2の取り付け面113は、互いに対向して平行に配置される。第1の取り付け面111および第2の取り付け面113は平行に配置されなくてもよいことが理解され得る。
【0043】
この実装形態では、格子結合を通して結合ベース30と光エンジン10の間に光結合が実施される。
図5に示されるように、第1の光導通部分13は複数あり、各第1の光導通部分13は、光導波路131および屈折部材135を含む。光導波路131は、コア11(
図4に示される)に内蔵され、光信号(入力光信号または出力光信号)を伝送するように構成される。屈折部材135は、コア11(
図4に示される)に配置され、光導波路131と光学的に結合され、屈折部材135は、結合ベース30と光学的に結合される。屈折部材135は、光の伝送方向を変更する、例えば、光導波路131から出力される出力光信号がファイバアレイユニット50に入射するように、出力光信号の伝送方向を変更する、またはファイバアレイユニット50から入力される入力光信号が光導波路131に入射するように、入力光信号の伝送方向を変更するように構成される。光導波路131は、第1の方向(例えば、
図4および
図5に示されるX方向)に沿って延在する。この実装形態では、屈折部材135はグレーティングであり、屈折部材135は出力光信号の伝送方向を第1の方向から第3の方向に変更し、または屈折部材135は入力光信号の伝送方向を第3の方向から第1の方向に変更し、すなわち、屈折部材135は光路を約90度曲げる。第1の光導通部分13の構造は本出願において限定されず、屈折部材135はさらに、光の伝送方向を変更することができる別の光学デバイス、例えば反射板であってもよいことが理解され得る。
【0044】
送信光エンジンアセンブリのコア11は、ドライバ(driver)および変調器(modulator)を含み得る。ドライバは、出力電気信号を変調器に適した電流または電圧信号に変換するように構成される。変調器は、出力電気信号から変換された電流または電圧信号を光導波路131の光信号にロードし、光信号を出力光信号に変調するように構成される。この実装形態における送信光エンジンアセンブリは、出力電気信号を出力光信号に変換する機能を有することが知られることができる。送信光エンジンアセンブリのコア11は、別の必要なまたは不要なデバイスをさらに含み得ることが理解され得る。本明細書では詳細は説明されない。
【0045】
受信光エンジンアセンブリのコア11は、光電子検出器およびトランスインピーダンスアンプ(trans-impedance amplifier、TIA)を含み得る。光電子検出器は、入力光信号を検出し、入力電気信号を生成するように構成される。トランスインピーダンスアンプは、光電子検出器によって生成された入力電気信号を受信し、入力電気信号を増幅し、増幅された入力電気信号を出力するように構成される。一般に、光通信システムでは、光電子検出器およびトランスインピーダンスアンプが協働して使用される。光電子検出器は、光インターフェースによって受信された弱い光信号を電気信号に変換するように構成され、生成された電気信号は電流信号である。トランスインピーダンスアンプは、安定した電圧信号を形成する程度に電流信号を増幅する。この実装形態における受信光エンジンアセンブリは、入力光信号を検出し、入力光信号を入力電気信号に変換する機能を有することが知られることができる。受信光エンジンアセンブリのコア11は、別の必要なまたは不要なデバイスをさらに含み得ることが理解され得る。本明細書では詳細は説明されない。
【0046】
送信光エンジンアセンブリでは、
図6aに示されるように、光導波路131から放出された出力光信号(
図6aに示される実線I)が屈折部材135に入射され、屈折部材135が出力光信号の伝送方向を第1の方向(
図6aに示されるX方向)から第3の方向(
図6aに示されるZ方向)に変更し、その結果、出力光信号が光エンジン10からファイバアレイユニット50に伝送される。
【0047】
同様に、受信光エンジンアセンブリでは、
図6bに示されるように、ファイバアレイユニット50から入力された入力光信号(
図6bに示される実線II)が屈折部材135に入射され、屈折部材135が入力光信号の伝送方向を第3の方向(
図6bに示されるZ方向)から第1の方向(
図6bに示されるX方向)に変更し、その結果、入力光信号が光導波路131に入射される。
【0048】
図3および
図7に示されるように、結合ベース30は、ベース31、第2の光導通部分32、および第1のガイド部分33を含む。ベース31は、コア11の、基板300から離れた表面に締結される。言い換えると、ベース31は、コア11の第2の取り付け面113に締結される。ベース31およびコア11は、積層方式で配置される。この実装形態では、ベース31は、透明構造、例えばガラスから作られる透明構造である。ベース31は、互いに対向して配置された第1の表面311および第2の表面313を含む。第1の表面311は接着剤を使用して第2の取り付け面113に固定的に接続され、第2の表面313はベース31の、光エンジン10から離れた表面に位置される。
【0049】
ベース31には、第2の光導通部分32(
図7に示される点状物)が内蔵される。言い換えると、第2の光導通部分32は、ベース31に包まれる。第2の光導通部分32は、第3の方向(
図7に示されるZ方向)に沿って延在し、第2の光導通部分32は、第1の表面311から第2の表面313まで延在し、第2の光導通部分32の一端面は、第1の表面311上に位置され、第2の光導通部分32の他端面は、第2の表面313上に位置される。第2の光導通部分32は複数あり、その結果、結合ベース30には複数の光チャネルが形成される。複数の第2の光導通部分32は、第2の方向(
図7に示されるY方向)に沿って配列される。各第2の光導通部分32および1つの第1の光導通部分13では光路相互接続が実行され、光結合が実現される。入力光信号は、ベース31に内蔵された第2の光導通部分32を使用して第1の光導通部分13に入射させることができ、第1の光導通部分13から出力された出力光信号は、ベース31に内蔵された第2の光導通部分32を使用してファイバアレイユニット50に出力させることができる。
【0050】
結合ベース30は、エアギャップを設ける代わりに、ベース31に第2の光導通部分32を作り込む方式で光導通を行う。結合ベース30が接着剤を使用して光エンジン10に接合されるとき、接着剤が光路を汚染する可能性が低減される。第2の光導通部分32は、光導波路または光ファイバを含む。光導波路は、レーザ直接書き込みまたはイオン注入を通してベース31に形成されることができる。ベース31には貫通孔が設けられてもよく、貫通孔は第1の表面311および第2の表面313を通して形成される。ベース31の貫通孔には、接着剤を使用して光ファイバ裸線が締結されることができ、研削および研磨プロセスを使用して光側面が処理される。第2の光導通部分32が光を伝送することができれば、第2の光導通部分32の構造は本出願において限定されないことが理解され得る。
【0051】
第1のガイド部分33は、ベース31の第2の表面313に配置され、すなわち、第1のガイド部分33は、ベース31の、光エンジン10から離れた表面に配置される。第1のガイド部分33およびファイバアレイユニット50は、差込可能に接続され、その結果、ファイバアレイユニット50は、ベース31の第2の表面313に取り付けられる。第1の光導通部分13(光導波路131および屈折部材135)、第2の光導通部分32およびファイバアレイユニット50は、光(入力光信号および出力光信号)を伝送することができる光路を形成する。
【0052】
いくつかの実装形態では、ベース31は、互いに接続された透明領域および不透明領域を含むことが理解され得る。言い換えると、ベース31の局所領域は透明領域とし、透明領域に第2の光導通部分32が配置され、不透明領域または透明領域に第1のガイド部分33が配置されてもよい。
【0053】
図3、
図4、および
図8に示されるように、光エンジンアセンブリ103は、制限部分40をさらに含む。制限部分40は、結合ベース30とファイバアレイユニット50の間の相対位置を制限して、ファイバアレイユニット50に対する結合ベース30の動きの可能性を低減するように構成され、それによって、ファイバアレイユニット50が結合ベース30から外されるのを防止する。
【0054】
制限部分40は、本体41および本体41に接続される方式で配置された弾性アーム43を含む。本体41が結合ベース30に固定的に接続され、本体41がファイバアレイユニット50に取り付けられ、弾性アーム43がファイバアレイユニット50に対して当接し、その結果、ファイバアレイユニット50は結合ベース30上に制限される。弾性アーム43の弾性力を使用してファイバアレイユニット50の位置が結合ベース30上に制限され、その結果、結合ベース30とファイバアレイユニット50の間の接続安定性が高められ、光エンジンアセンブリ103のアセンブリ困難性がさらに低減される。
【0055】
本体41は、中空キャビティ410を有する。結合ベース30は、中空キャビティ410に固定的に収容され、ファイバアレイユニット50は、中空キャビティ410を貫通し、中空キャビティ410の側壁は、結合ベース30のベース31およびファイバアレイユニット50に取り付けられる。結合ベース30が本体41内に封入されているので、結合ベース30に接続されたファイバアレイユニット50の一端が本体41に封入され、それによって、結合ベース30およびファイバアレイユニット50がアセンブリおよび使用中に汚染される可能性を低減する。
【0056】
この実装形態では、本体41が結合ベース30のベース31の周壁に接着剤を使用して接合され、その結果、本体41が結合ベース30に封止され、それにより、埃などの不純物が本体41に侵入して光路を汚染する可能性を低減する。本体41および結合ベース30の接続方式は限定されないことが理解され得る。例えば、本体41の側壁は、結合ベース30のベース31にクランプされてもよい。
【0057】
本体41には溝411がさらに設けられ、溝411は本体41の中空キャビティ410の側壁を通して形成され、溝411は第3の方向(
図8に示されるZ方向)に延在する。本体41に溝411が設けられているので、本体41の変形能力が高められ、それによって、ファイバアレイユニット50のプラッギングおよび除去が容易になる。溝411は、ベース31およびコア11が積層される方向に沿って互いに対向して配置された第1の端部4111および第2の端部4113を含む。第2の端部4113と比較して、第1の端部4111は光エンジン10に近接して配置される(
図3に示される)。弾性アーム43は、溝411の第1の端部4111の側壁に締結され、溝411に沿って延在する。
【0058】
弾性アーム43の数量は2つであり、2つの弾性アーム43は、第2の方向(
図8に示されるY方向)に沿って間隔をあけて本体41に配置される。ファイバアレイユニット50は、ファイバアレイユニット50と結合ベース30の間の接続安定性を高めるために、2つの弾性アーム43の間にクランプされる。弾性アーム43は、力を受けて本体41から移動して、2つの弾性アーム43間の開口部の直径を増大し得、それにより、ファイバアレイユニット50が中空キャビティ410に入りやすくなり、光相互接続システム1000のアセンブリの利便性が向上する。
【0059】
弾性アーム43の数量は、本出願では限定されず、1つ、3つ、またはそれ以上の弾性アーム43があってもよいことが理解され得る。
【0060】
弾性アーム43は、互いに接続された接続部分431および当接部分433を含み、接続部分431の、当接部分433から離れた一端が本体41に固定的に接続される。当接部分43がファイバアレイユニット50に対して弾性的に対して当接し、その結果、制限部分40は、ファイバアレイユニット50を結合ベース30上に制限し、それにより、ファイバアレイユニット50が結合ベース30に対して移動する可能性を低減し、ファイバアレイユニット50が結合ベース30から外されるのを防止する。接続部分431は、溝411の第1の端部4111の側壁に締結され、溝411に沿って延在する。当接部分433は、弾性アーム43によってファイバアレイユニット50をクランプするための力を高めるために、溝411の第2の端部4113から露出され、ファイバアレイユニット50が位置される方向に向かって延在する。
【0061】
この実装形態では、当接部分433は、弾性アーム43の弾性変形能力を高めるために、ほぼS字形の曲げ構造である。弾性アーム43の構造は、本出願では限定されず、例えば正方形構造であることが理解され得る。本体41上の、弾性アーム43が配置される位置は、本出願では限定されない。例えば、溝411が省略され、弾性アーム43は、本体41の、光エンジン10から離れた端部に直接配置されてもよい。
【0062】
この実装形態では、制限部分40は、形成が容易な金属材料で作られ、弾性アーム43および本体41は統合され、本体41は、接着剤を使用して光エンジン10に接合され、両側の弾性アーム43は、カスタマイズされた固定具を使用して開閉され得る。ファイバアレイユニット50がプラッギングおよび除去されると、弾性アーム43は力を受けて本体41から移動し、ファイバアレイユニット50が本体41に挿入されて結合ベース30に差込可能に接続された後に閉じられ、ファイバアレイユニット50を締結して押圧する。弾性アーム43および本体41の材料は、代替的に異なっていてもよいことが理解され得る。
【0063】
図6aおよび
図9に示されるように、ファイバアレイユニット50は、光ガイドベース51および光ガイドベース51上に締結された光ファイバ53を含む。光ガイドベース51は、制限部分40の中空キャビティ410に収容される。光ガイドベース51、ベース31、およびコア11は、積層方式で順次配置される。光ガイドベース51の、光エンジン10と対向する表面には、第2のガイド部分515(
図10に示される)が配置される。第2のガイド部分515および第1のガイド部分33は、一緒に差込可能に接続され、ファイバアレイユニット50が結合ベース30に差込可能に接続されるか、またはファイバアレイユニット50が結合ベース30から除去されるとき、ガイドおよび位置特定を実施するために、結合ベース30に対する光ガイドベース51の動きをガイドするように構成される。
【0064】
この実装形態では、第1のガイド部分33(
図7に示される)はガイドロッドであり、ベース31には第1の表面311および第2の表面313を通して形成された貫通孔(図には示されず)が設けられ、貫通孔にはガイドロッド(例えば、精密なガイドロッド)が締結され、第2のガイド部分515はガイド孔であり、ガイドロッドはガイド孔に収容され、その結果、ファイバアレイユニット50と結合ベース30の間の正確な位置合わせおよび差し込み可能な位置特定が実施される。ガイドロッドは、金属、ガラス、またはセラミックなどの材料を含むが、これらに限定されず、ガイドロッドの、ベース31から離れた上部側面は、プラッギングおよび除去アセンブリの位置合わせおよびガイドを容易にするための面取り部を有する。
【0065】
第1のガイド部分33および第2のガイド部分515の一方はガイドロッドであり、第1のガイド部分33および第2のガイド部分515の他方はガイド孔であり、ガイドロッドはガイド孔に差込可能に接続されることが理解され得る。例えば、別の実装形態では、第1のガイド部分33はガイド孔であり、第2のガイド部分515はガイドロッドである。
【0066】
ファイバアレイユニット50および結合ベース30をプラグ接続可能に接続する方法は、本出願では限定されないことが理解され得る。例えば、結合ベースにはシュートが設けられ、摺動ブロックがファイバアレイユニット50の側壁に配置され、摺動ブロックはシュートに摺動可能に配置され、ファイバアレイユニット50と結合ベース30の間に差し込み可能な接続を実施する。
【0067】
光ガイドベース51にV字形溝または締結孔が設けられ、接着剤を使用して光ファイバ53がV字形溝または締結孔に締結されてもよい。光エンジン10の第1の光導通部分13によって形成される光チャネル、第2の光導通部分32によって形成される光チャネル、および光ファイバ53によって形成される光チャネルは、光を伝送することができる光路を形成するように位置合わせされる。光ガイドベース51の、ベース31と対向する表面は、研削および研磨プロセスを使用して処理される。光ファイバ53は複数ある。光ファイバ53の端面は光学的に接地されており、光ファイバ53の端面は結合ベース30のベース31上の第2の光導通部分32に光学的に結合され、入力光信号を受信して出力光信号を送信する。
【0068】
第2のガイド部分515は、光ガイドベース51の、光エンジン10と対向する表面上に配置され、結合ベース30の第2のガイド部分515および第1のガイド部分33は、正確な位置合わせおよび制限を実施して、ファイバアレイユニット50のプラッギングおよび除去中の光路位置合わせおよび結合を確実にし得る。光ファイバコネクタ(MT、LC、DLC、SCなど)は、光ファイバ53の、ベース31から離れた他端に配置され、外部光ファイバを締結し得る。光ファイバ53はまた、スプライシング方式で外部光ファイバに接続されてもよい。この実装形態では、ファイバアレイユニット50の光ファイバ53の光ファイバは曲げ構造で、光ファイバ53の曲げ角度は約90°である。いくつかの実装形態では、光ファイバ53は線形構造であってもよいことが理解され得る。
【0069】
ファイバアレイユニット50を結合ベース30に組み立てるプロセスでは、光を通過させる必要はなく、光路の挿入損失が監視される必要はないが、第2のガイド部分515と第1のガイド部分33の間の差し込み可能な接続を通して迅速な位置特定が行われ、その結果、ファイバアレイユニット50の予め設定された取り付け領域が結合ベース30の予め設定された取り付け領域に取り付けられ、すなわち、受動結合方式でファイバアレイユニット50と光エンジン10の間で光結合が実施される。したがって、光エンジン10へのファイバアレイユニット50のアセンブリ効率が増大される。
【0070】
光ガイドベース51の外壁には、当接ステップ513が凸状に配置される。ファイバアレイユニット50が制限部分40に挿入され、結合ベース30に差込可能に接続されると、弾性アーム43の当接部分433が当接ステップ513に対して当接する。当接ステップ513は、光信号の伝送中の光損失を低減し、光エンジンアセンブリ103の信頼性をさらに向上させるために、本体41に対する光ガイドベース51の動きを制限するように構成される。この実装形態では、当接ステップ513は、第3の方向に沿って延在し、第3の方向に沿った本体41に対する光ガイドベース51の動きを制限するように構成される。
【0071】
以下では、光相互接続システム1000のアセンブリ手順を簡単に説明する。
【0072】
図11に示されるように、光エンジン10は、基板300上に配置される。光エンジン10は、はんだまたは接着剤を使用して基板300に締結される。光エンジン10と基板300の間の電気的接続は、例えば、高温リフローはんだ付けプロセスを使用することによって、金線を用いて結合することを通して行われ得る。パッドが光エンジン10上の第2の取り付け面113上に配置されてもよく、代替的に光エンジン10と基板300の間の電気的接続は、光エンジン10上のパッドと基板300の間ではんだ付けを行うことによって実施されてもよいことが理解され得る。いくつかの実装形態では、光エンジン10および基板300は、差し込み可能な電気コネクタを使用することによってさらに締結および接続されてもよい。
【0073】
図12に示されるように、結合ベース30(
図6aに示される)、制限部分40、およびファイバアレイユニット50が一緒に組み立てられ、結合ベース30と光エンジン10の間で能動結合が実施される。例えば、光エンジン10は、一般に、ファイバアレイユニット50に結合された1つまたは複数の対の直進導波路を含み、対応するチャネルの1つまたは複数の対が、直進導波路に対応するファイバアレイユニット50に配置される。各対のチャネルの一方は外部光源に接続され、他方は外部光パワーメータに接続される。結合中、リンク挿入損失がオンラインで監視され、挿入損失が最小であるとき、結合ベース30と光エンジン10の間で接着剤の分配および硬化が実行され、その結果、光エンジン10の第1の光導通部分13のチャネル、第2の光導通部分32のチャネル、およびファイバアレイユニット50のチャネルの位置合わせが実施される。結合ベース30および光エンジン10が硬化された後、ファイバアレイユニット50は結合ベース30から除去される。別の光エンジンアセンブリ103(
図2に示される)の光エンジン10、結合ベース30、および制限部分40は、同様の方式で基板300上に配置される。
【0074】
ファイバアレイユニット50が(
図13に示されるように)除去された後、光エンジン10、結合ベース30、制限部分40、および基板300は、予め製造された本体を形成し、予め製造された本体は、リフローはんだ付けを通してネットワークデバイス3000のシステム回路基板2000に電気的に接続される。
【0075】
他の部分が組み立てられた後、ファイバアレイユニット50は、制限部分40に受動的に挿入される。ファイバアレイユニット50が結合ベース30と受動的に位置合わせされた後、アセンブリが(
図1に示されるように)完了する。ファイバアレイユニット50が挿入された後に光ファイバカットが再び発生した場合、ファイバアレイユニット50を除去して置換する。
【0076】
基板と光エンジンの間の電気接続および基板とシステム回路基板の間の電気接続中、無線周波数性能および損失は、リフローはんだ付け(はんだ付け温度は最高260℃である)によって確保される必要があり得る。しかしながら、光ファイバおよび光ファイバコネクタは、高温に対する耐性がなく、破損しやすい。
【0077】
しかしながら、本出願では、予め製造された本体がネットワークデバイス3000のシステム回路基板2000にはんだ付けされる前に、光アレイユニット50、結合ベース30、および光エンジン10(すなわち、光エンジン10の第1の光導通部分13、第2の光導通部分32、およびファイバアレイユニット50の光路位置合わせ)の間の予めの相互接続が完了される。同様に、光エンジン10、結合ベース30、およびファイバアレイユニット50の間の予めの相互接続は、チップレベルで完了される。光アレイユニット50、結合ベース30、および光エンジン10の間の予めの相互接続が完了された後、ファイバアレイユニット50が除去され、次いで、予め製造された本体の基板300が、ネットワークデバイス3000のシステム回路基板2000にはんだ付けされる。予め製造された本体がネットワークデバイス3000のシステム回路基板2000上にはんだ付けされた後、光アレイユニット50および結合ベース30は、一緒に差込可能に接続される。このようにして、光相互接続システム100がネットワークデバイス3000のシステム回路基板2000にはんだ付けされるときに生成される高温に起因してファイバアレイユニット50が損傷する可能性が低減され、それによって、電気的結合プロセスと光結合プロセスの間の不適合性の問題を低減し、結合困難性を低減するのに役立つ。
【0078】
図14および
図15に示されるように、本出願の第2の実装形態で提供される光相互接続システム1000の構造は、第1の実装形態で提供される光相互接続システム1000の構造とほぼ同じである。相違点は、基板300が、積層方式で配置された第1の基板301および第2の基板303を含み、第2の基板303の、第1の基板301から離れた表面に電気的切り替えチップ102が配置され、第2の基板303の、第1の基板301から離れた表面に光エンジン10が配置されることである。光エンジン10は、出力電気信号を出力光信号に変換し、入力光信号を検出し、入力光信号を入力電気信号に変換するように構成される。この実装形態では、電気的切り替えチップ102は第2の基板303に電気的に接続され、光エンジン10は第2の基板303に電気的に接続される。第1の基板301はネットワークデバイスの基板であり、第2の基板303は光/電気キャリア基板である。第1の基板301が第2の基板303を搬送することができ、第2の基板301が光エンジンアセンブリ103および電気的切り替えチップ102を搬送することができるならば、第1の基板303はネットワークデバイスの基板に限定されず、第2の基板303は光/電気キャリア基板に限定されないことが理解され得る。
【0079】
具体的には、光ファイバインターフェース400および外部光源プール109が第1の基板301上に配置され、光ファイバインターフェース400は光ファイバ201を使用して光エンジンアセンブリ103に接続され、光ファイバインターフェース400は外部光ファイバ203に接続され、外部光源プール109は光源プールファイバ204を使用してファイバアレイユニット50に接続される。
【0080】
外部光源プール109から放出された無変調レーザは、光源プールファイバ204を通してファイバアレイユニット50に伝送され、光エンジン10の第1の光導通部分(図には示されず)に結合される。光エンジン10による変調を通して取得された出力光信号は、光ファイバアレイ50に結合され、光ファイバ201を通して光ファイバインターフェース400に接続され、さらに外部光ファイバ203に伝送されて、出力光信号の送信を完了する。
【0081】
外部光ファイバ203から伝送された入力光信号は、光ファイバインターフェース400を通して光ファイバ201に伝送された後には、ファイバアレイユニット50を使用して光エンジン10に結合される。入力光信号の受信を完了するために、光検出および光-電気変換が光エンジン10に実装される。
【0082】
第2の実装形態では、電気的切り替えチップ102および光エンジンアセンブリ103は、全体を形成するように第2の基板303上に配置され、それによって光相互接続システム1000のアセンブリおよび分解を容易にする。加えて、光エンジン10は、出力電気信号を出力光信号に変換し、入力光信号を検出し、入力光信号を入力電気信号に変換する機能を統合する。これは、光通信構成要素100の構造を単純化するのに役立ち、光相互接続システム1000のアセンブリの困難性およびケーブル配線の困難性をさらに低減する。
【0083】
図16および
図17に示されるように、本出願の第3の実装形態で提供される光エンジンアセンブリ103と第1の実装形態で提供される光エンジンアセンブリ103の相違点は、光結合がファイバアレイユニット50と光エンジン10の間においてエッジ結合方式で実施されることにある。
【0084】
より具体的には、光エンジン10は、コア11およびコア11に内蔵された第1の光導通部分13を含む。コア11は、第1の取り付け面111、第2の取り付け面113、および側面115を含む。第1の取り付け面111および第2の取り付け面113は対向して配置され、側面115は第1の取り付け面111と第2の取り付け面113の間に接続される。第1の取り付け面111は、基板300に締結される。第1の光導通部分13は、光導波路(図には示されず)を含む。第1の光導通部分13の光導波路の光ガイド面は、コア11の側面115に位置され、光を伝送するように構成される。
【0085】
側面115にステップ1151(
図18に示される)が形成されているのは、光導波路の端面処理プロセスおよび第1の光導通部分13の分割プロセスが矛盾しているためである。
図19に示されるように、結合ベース30は、ベース31、第2の光導通部分32、および第2のガイド部分33を含む。ベース31は、互いに対向して配置された第1の表面311および第2の表面313を含む。嵌合ステップ3111が第1の表面311に配置され、嵌合ステップ3111が光エンジン10のステップ1151(
図18に示される)に嵌合方式で接続されることで、結合困難性が低減され、接合信頼性が向上する。第2の光導通部分32はベース31に内蔵されており、第2の光導通部分32は第1の光導通部分13の光ガイド面と光学的に結合される。第2のガイド部分33は、第2の表面313に凸状に配置され、すなわち、第2のガイド部分33は、ベース31の、光エンジン10から離れた表面に凸状に配置される。
【0086】
この実装形態では、結合ベース30およびファイバアレイユニット50は、第1の方向(
図17に示されるX方向)に配列され、光エンジン10および基板300は、第3の方向(
図17に示されるZ方向)に積層方式で配列される。
【0087】
出力光信号(
図18に示される実線III)の送信が一例として使用される。出力された光信号は、第1の光導通部分13および結合ベース30を通過した後に、ファイバアレイユニット50から出力される。出力光信号の伝送方向は、第1の方向に沿う。第1の光導通部分13および第2の光導通部分32における光の伝送方向は、結合ベース31およびファイバアレイユニット50の配列方向と平行であり、第2の光導通部分32、結合ベース30、およびファイバアレイユニット50によって形成される光路は屈曲されず、光路での光損失が低減されることができる。
【0088】
図16、
図17、
図18、および
図20に示されるように、光エンジンアセンブリ103は、補強パッド60をさらに含む。補強パッド60は、光エンジン10のコア11に締結され、補強パッド60は、ベース31の第1の表面311に締結され、すなわち、補強パッド60は、ベース31の、第1のガイド部分33から離れた面に締結される。光エンジン10は、補強パッド60と基板300の間に位置される。
【0089】
この実装形態では、
図17および
図21に示されるように、制限部分40は金属ばねである。制限部分40は、本体41および本体41に接続される方式で配置された弾性アーム43を含む。弾性アーム43がファイバアレイユニット50に対して当接し、その結果、制限部分40は、ファイバアレイユニット50を結合ベース30上に制限し、それにより、ファイバアレイユニット50が結合ベース30から外されることを防止する。
【0090】
本体41は、シート構造である。本体41は、ベース31およびコア11が積層される方向(
図17に示されるX方向)に互いに対向して配置される第1の端部411および第2の端部413を含む。本体41の第1の端部411は、コア11に近接して配置される。弾性アーム43は、第1の弾性アーム435および第2の弾性アーム437を含む。第1の弾性アーム435と第2の弾性アーム437は両方とも接続部分431および当接部分433を含み、第1の弾性アーム435の接続部分431は本体41の第1の端部411に固定的に接続される。第2の弾性アーム437の接続部分431は、本体41の第2の端部413に固定的に接続される。本体41、第1の弾性アーム435、および第2の弾性アーム437は、クランプ空間を共に囲む。補強パッド60、結合ベース30、およびファイバアレイユニット50は、クランプ空間に順次配列される。第1の弾性アーム435の当接部分433が補強パッド60を使用して結合ベース30のベース31に対して当接し、第2の弾性アーム437の当接部分433がファイバアレイユニット50に対して当接し、その結果、制限部分40がファイバアレイユニット50を結合ベース30に制限する。
【0091】
この実施形態では、第1の弾性アーム435および第2の弾性アーム437は、第1の方向に沿って間隔をあけて本体41に配列される。第1の弾性アーム435の数量は2つであり、第2の弾性アーム437の数量は2つである。2つの第1の弾性アーム435は、本体41の第1の端部411に第2の方向に沿って間隔をあけて配列され、2つの第2の弾性アーム437は、本体41の第2の端部413に第2の方向に沿って間隔をあけて配列される。光エンジン10は、2つの第1の弾性アーム435によってクランプされており、光エンジン10は、2つの第1の弾性アーム435の間に位置される。ファイバアレイユニット50は、2つの第2の弾性アーム437によってクランプされ、ファイバアレイユニット50は、2つの第2の弾性アーム437の間に位置される。
【0092】
制限部分40の第1の弾性アーム435および第2の弾性アーム437を使用して光エンジン10、結合ベース30、およびファイバアレイユニット50が一緒に組み立てられるので、結合ベース30と光エンジン10の間の接続安定性がさらに改善され、それによって光路の安定性が向上する。
【0093】
この実装形態では、ファイバアレイユニット50の光ファイバ53の光ファイバは、線形構造である。光ファイバ53を90°屈曲させる必要がないため、ファイバアレイユニット50における第2の光導通部分13、結合ベース30、および光ファイバ53によって形成される光路が第1の方向に沿って延在し、それによって、光損失が低減する。
【0094】
ファイバアレイユニット50は、光ファイバにかかる応力を低減し、光ファイバカットのリスクを低減するために、光ファイバ53のピグテールを締結するように構成された、光ファイバテールスリーブ(図には示されず)をさらに含み得る。
【0095】
この実装形態では、補強パッド60は、接着剤を使用して光エンジン10のコア11(第2の取り付け面113および/または側面115)に接合され、補強パッド60は、接着剤を使用してベース31の第1の表面311に締結される。補強パッド60の、基板300と対向する表面には収容溝62が配置され、光エンジン10は収容溝62を貫通している。補強パッド60を使用することで、光エンジン10と結合ベース30との接触面積(例えば、接合領域)が増大されるので、光エンジン10と結合ベース30の接続安定性が高められ(例えば、接合力が増大される)、ファイバアレイユニット50のプラッギングおよび除去により結合ベース30が脱落するリスクが低減される。この実装形態では、補強パッド60と光エンジン10の熱膨張係数間の整合を実行するために、補強パッド60の材料はガラスであってもよく、シリコンまたはセラミックなどの別の材料であってもよい。アセンブリ中、結合ベース30は、最初に能動結合方式で光エンジン10の第1の光導通部分13の光ガイド面に結合され、接着剤を使用して補強パッド60上に締結される。
【0096】
以下では、光相互接続システム1000のアセンブリ手順を簡単に説明する。
【0097】
図22に示されるように、光エンジン10は、基板300上に配置される。光エンジン10は、はんだまたは接着剤を使用して基板300に締結される。光エンジン10と基板300の間の電気的接続は、例えば、高温リフローはんだ付けプロセスを使用することによって、金線を用いて結合することを通して行われ得る。
【0098】
図23に示されるように、補強パッド60は、光エンジン10上に固定的にスリーブが付けられ、ファイバアレイユニット50および結合ベース30は、一緒に差込可能に接続され、結合ベース30は、能動結合方式で光エンジン10に取り付けられる。光エンジン10は、一般に、ファイバアレイユニット50に結合された1つまたは複数の対の直進導波路を含み、対応するチャネルの1つまたは複数の対が、直進導波路に対応するファイバアレイユニット50に配置される。各対のチャネルの一方は外部光源に接続され、他方は外部光パワーメータに接続される。結合中、リンク挿入損失がオンラインで監視され、挿入損失が最小であるとき、結合ベース30と光エンジン10の間で接着剤の分配および硬化が実行され、その結果、光エンジン10の第1の光導通部分13のチャネル、第2の光導通部分32のチャネル、およびファイバアレイユニット50のチャネルの位置合わせが実施される。別の光エンジンアセンブリ103(
図16に示される)の光エンジン10、結合ベース30、および補強パッド60は、同様の方式で基板300上に配置される。
【0099】
図24に示されるように、ファイバアレイユニット50が除去される。ファイバアレイユニット50が除去された後、光エンジン10および結合ベース30を伴う構成要素全体は、はんだ付けまたは他の方式を通して基板300に接続されてもよい。
【0100】
図25に示されるように、他の部分のアセンブリが完了した後、ファイバアレイユニット50は結合ベース30に受動的に結合され、制限部分40は、固定具を使用して補強パッド60、結合ベース30、およびファイバアレイユニット50を覆い、その結果、補強パッド60、結合ベース30、およびファイバアレイユニット50は、制限部分40のクランプ空間に締結される。これにより、最終的な動作が完了される。ファイバアレイユニット50が挿入された後に光ファイバカットが再び発生した場合、ファイバアレイユニット50を除去して置換する。
【0101】
補強パッド60は省略されてもよく、弾性アーム43は第1の弾性アーム435および第2の弾性アーム437を含み、第1の弾性アーム435の接続部分431は本体41の第1の端部に締結方式で接続され、第2の弾性アーム437の接続部分431は本体41の第2の端部に締結方式で接続され、本体41、第1の弾性アーム435、および第2の弾性アーム437は協働してクランプ空間を囲み、結合ベース30およびファイバアレイユニット50はクランプ空間に収容され、第1の弾性アーム435の当接部分433は結合ベース30に対して当接し、第2の弾性アーム437の当接部分433はファイバアレイユニット50に対して当接することが理解され得る。
【0102】
本出願で使用され得る「含む」および「を含んでもよい」などの表現は、開示された機能、動作、または成分要素の存在を示し、1つまたは複数の追加の機能、動作、および成分要素を限定しないことを理解されたい。本出願では、「含む」および/または「有する」などの用語は、特定の特徴、数量、動作、成分、構成要素、またはそれらの組み合わせを表すものとして解釈され得るが、1つまたは複数の他の特徴、数量、動作、成分、構成要素、またはそれらの組み合わせの存在または追加の可能性を排除するものと解釈されるべきではない。
【0103】
加えて、本出願では、「および/または」という表現は、関連付けに列挙された単語のいずれかまたはすべての組み合わせを含む。例えば、「Aおよび/またはB」という表現は、Aを含んでもよく、Bを含んでもよく、またはAとBの両方を含んでもよい。
【0104】
本出願では、「第1」および「第2」などの序数を含む表現は、要素を変更し得る。しかしながら、このような要素は、式によって限定されない。例えば、上記の説明は、要素の順序および/または重要性を限定するものではない。この表現は、1つの要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。例えば、第1のユーザ機器と第2のユーザ機器は異なるユーザ機器を示すが、第1のユーザ機器と第2のユーザ機器は両方ともユーザ機器である。同様に、本出願の範囲から逸脱することなく、第1の要素は第2の要素と呼ばれ得、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ばれ得る。
【0105】
構成要素が別の構成要素に「接続する」または「接続される」場合、構成要素は別の構成要素に直接接続または直接接続されるか、または代替的に構成要素と別の構成要素の間にさらなる構成要素が存在してもよいことを理解されたい。加えて、ある構成要素が別の構成要素に「直接接続する」または「直接接続される」とき、それらの間に構成要素は存在しないことを理解されたい。
【0106】
前述の説明は、本出願の特定の実装形態に過ぎず、本出願の保護範囲は、これに限定されない。本出願において開示される技術的範囲内で当業者によって容易に想到されるいかなる変形または置換も、本出願の保護範囲内に入るものとする。したがって、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0107】
10 光エンジン
11 コア
13 第1の光導通部分
30 結合ベース
31 ベース
32 第2の光導通部分
33 第1のガイド部分
40 制限部分
41 本体
43 弾性アーム
50 ファイバアレイユニット
51 光ガイドベース
53 光ファイバ
60 補強パッド
62 収容溝
100 光通信構成要素
102 電気的切り替えチップ
103 光エンジンアセンブリ
109 外部光源プール
111 第1の取り付け面
113 第2の取り付け面
115 側面
131 光導波路
135 屈折部材
201 伝送端光ファイバ
203 外部伝送端光ファイバ
204 光源プールファイバ
205 受信端光ファイバ
207 外部受信端光ファイバ
300 基板
301 第1の基板
303 第2の基板
311 第1の表面
313 第2の表面
400 伝送端光ファイバインターフェース
410 中空キャビティ
411 溝
413 第2の端部
431 接続部分
433 当接部分
435 第1の弾性アーム
437 第2の弾性アーム
513 当接ステップ
515 第2のガイド部分
600 受信端光ファイバインターフェース
1000 光相互接続システム
1151 ステップ
2000 システム回路基板
3000 ネットワークデバイス
3111 嵌合ステップ
4111 第1の端部
4113 第2の端部