(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-21
(45)【発行日】2025-03-04
(54)【発明の名称】住宅の外構構造
(51)【国際特許分類】
E04H 1/02 20060101AFI20250225BHJP
【FI】
E04H1/02
(21)【出願番号】P 2024068530
(22)【出願日】2024-04-19
【審査請求日】2024-05-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 https://www.misawa.co.jp/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 https://www.misawa.co.jp/corporate/news_release/2024/0419/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 https://www.misawa.co.jp/corporate/news_release/2024/0419/release.pdf
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 https://www.misawa.co.jp/kodate/syouhin/smart_style_roomie/
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】307042385
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【氏名又は名称】荒船 博司
(72)【発明者】
【氏名】富田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】藤塚 亮太
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特許第7377390(JP,B1)
【文献】特開2015-014164(JP,A)
【文献】特開2013-019101(JP,A)
【文献】特開2018-154972(JP,A)
【文献】特開2000-220307(JP,A)
【文献】特開2000-265712(JP,A)
【文献】特許第7492076(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 1/00-1/14
E02D 27/01
E04B 1/00
E04F 11/00
E04F 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅が建築された敷地のうち前記住宅の正面外壁から離間した位置に塀が立設されており、
前記正面外壁には、人が出入りするための掃き出し窓が設けられており、
前記塀は、前記正面外壁のうち前記掃き出し窓が設けられた第一部位の前方に立設された第一塀を備えており、
前記正面外壁のうち前記掃き出し窓が設けられた前記第一部位と前記第一塀との間に、アウトリビングとしてのテラス部が設けられ、
前記テラス部は、前記第一部位と前記第一塀との間の地面に造成された盛土の上に設けられていて、当該テラス部の床面は、前記掃き出し窓の屋内側に設けられた部屋の床面と略等しい高さに設定され、
前記第一塀は、その上端部が、前記テラス部の床面よりも上方に位置するとともに、前記掃き出し窓の上下方向中央部よりも下方に位置するように設置されて
おり、
前記盛土は、前記テラス部から離間するについて徐々に下り勾配となる斜面を有し、当該斜面の最も低い箇所の高さ位置は、前記敷地のうち最も高さの低い箇所と略等しい高さ位置となっていることを特徴とする住宅の外構構造。
【請求項2】
住宅が建築された敷地のうち前記住宅の正面外壁から離間した位置に塀が立設されており、
前記正面外壁には、人が出入りするための掃き出し窓と、下端部が、前記掃き出し窓の下端部よりも上方に位置する腰高窓が設けられており、
前記正面外壁は、前記掃き出し窓が設けられた第一部位と、前記腰高窓が設けられた第二部位と、正面視において前記第一部位と前記第二部位との間に位置し、これら第一部位及び第二部位に隣接して配置されている第三部位と、を有しており、
前記塀は、
前記正面外壁のうち前
記第一部位
と前記第二部位と前記第三部位の前方に立設された第一塀と、
前記正面外壁のうち前
記第二部位の前方に立設された第二塀と、を備えており、
前記正面外壁のうち前記掃き出し窓が設けられた前記第一部位と前記第一塀との間に、アウトリビングとしてのテラス部が設けられ、
前記テラス部は、前記第一部位と前記第一塀との間の地面に造成された盛土の上に設けられていて、当該テラス部の床面は、前記掃き出し窓の屋内側に設けられた部屋の床面と略等しい高さに設定され、
前記第一塀は、その上端部が、前記テラス部の床面よりも上方に位置するとともに、前記掃き出し窓の上下方向中央部よりも下方に位置するように設置されており、
前記第二塀の上端部と前記腰高窓の下端部が略等しい高さ位置となっていることを特徴とする住宅の外構構造。
【請求項3】
請求項2に記載の住宅の外構構造において、
前記第一塀と前記第二塀は、平面視において前後方向に間隔を空けて配置されているとともに、間口方向にずれて配置されていることによって雁行配置されていることを特徴とする住宅の外構構造。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の住宅の外構構造において、
前記テラス部は、前記掃き出し窓の前方に配置されていて、前記腰高窓の前方に配置されない状態となっており、
前記第一塀は、前記第二塀よりも高さが低く設定され、
前記第一塀は、前記正面外壁のうち前記第一部位の前方の位置から前記第二部位の前方の位置にかけて配置され、
前記第二塀は、前記正面外壁のうち前記第二部位の前方の位置にのみ配置されていることを特徴とする住宅の外構構造。
【請求項5】
請求項2に記載の住宅の外構構造において、
前記塀は、平面視において、前記第二塀の延長線上に、前記第二塀と間隔を空けた位置に立設された第三塀を備え、
前記第二塀と前記第三塀との間が、人が出入りする門であることを特徴とする住宅の外構構造。
【請求項6】
請求項5に記載の住宅の外構構造において、
前記第三塀の後方であって、かつ、前記正面外壁から離間した位置に立設された第四塀を備え、前記第三塀と前記第四塀は、平面視において前後方向に間隔を空けて配置されているとともに、間口方向にずれて配置されていることによって雁行配置されており、
正面視において、前記正面外壁のうち前記第四塀の後方に位置する第
四部位には玄関開口部が設けられ、
前記正面外壁のうち前記玄関開口部が設けられた前記第
四部位と前記第四塀との間に、
前記玄関開口部の屋内側に設けられた土間床部と略等しい高さに設定された床面の玄関ポーチが設けられ、
前記第四塀は、その上端部が、前記玄関ポーチの床面よりも上方に位置するとともに、前記玄関開口部の上下方向中央部よりも下方に位置するように設置されていることを特徴とする住宅の外構構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅の外構構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、敷地の周囲に、住宅を外方から取り囲む外構構造物が設けられ、この外構構造物によって防犯性を高めることが行われている。外構構造物としては、例えばプレキャストコンクリートやコンクリートブロックなどの塀状の遮蔽物が採用され、住宅は、このような遮蔽物によって目隠しされ、住人のプライバシーが確保されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、住宅が、例えば塀状の遮蔽物によって厳重に目隠しされると、住宅の開放感が損なわれることはもちろんのこと、侵入者の姿を隠してしまうことにより防犯性が損なわれてしまう場合もある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、住宅の開放感が損なわれないようにしつつ防犯性を向上できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、住宅2の外構構造であって、例えば
図1~
図6に示すように、住宅2が建築された敷地1のうち前記住宅2の正面外壁4(南側外壁4)から離間した位置に塀30が立設されており、
前記正面外壁4には、人が出入りするための掃き出し窓5が設けられており、
前記塀30は、前記正面外壁4のうち前記掃き出し窓5が設けられた第一部位の前方に立設された第一塀31を備えており、
前記正面外壁4のうち前記掃き出し窓5が設けられた前記第一部位と前記第一塀31との間に、アウトリビングとしてのテラス部9(9a)が設けられ、
前記テラス部9は、前記第一部位と前記第一塀31との間の地面に造成された盛土Eの上に設けられていて、当該テラス部9の床面9aは、前記掃き出し窓5の屋内側に設けられた部屋16(17)の床面と略等しい高さに設定され、
前記第一塀31は、その上端部が、前記テラス部9の床面よりも上方に位置するとともに、前記掃き出し窓5の上下方向中央部よりも下方に位置するように設置されて
おり、
前記盛土Eは、前記テラス部9から離間するについて徐々に下り勾配となる斜面(ガーデンアプローチ1g)を有し、当該斜面の最も低い箇所の高さ位置は、前記敷地1のうち最も高さの低い箇所と略等しい高さ位置となっていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、正面外壁4のうち掃き出し窓5が設けられた第一部位と第一塀31との間に設けられたアウトリビングとしてのテラス部9(床部9a)は、第一部位と第一塀31との間の地面に造成された盛土Eの上に設けられているので、テラス部9の上にいる人は、地面に造成された盛土Eよりも更に高い位置にいることになる。そして、テラス部9の床面9aは、掃き出し窓5の屋内側に設けられた部屋16(17)の床面と略等しい高さに設定され、第一塀31は、その上端部が、テラス部9の床面よりも上方に位置するとともに、掃き出し窓5の上下方向中央部よりも下方に位置するように設置されているので、敷地1の外部からテラス部9を見た場合に、テラス部9にいる人の姿の大部分を視認することが可能となる。また、掃き出し窓5を開放することによって、屋
内側に設けられた部屋16(17)とテラス部9とを連続性を持った空間として利用できる。これにより、テラス部9及び掃き出し窓5は、第一塀31によって厳重に目隠しされない状態となって住宅2の開放感が損なわれにくい。しかも、テラス部9から掃き出し窓5を通じて屋内に侵入を試みようとする人の姿の大部分を、外部から捉えることができるので防犯性を向上させることができる。
さらに、テラス部9にいる人からは、高い位置から敷地1の外部を見ることができるので見晴らしがよく、敷地1への人の出入りを確認することができて防犯上好ましい。
また、盛土Eは、テラス部9から離間するについて徐々に下り勾配となる斜面を有し、当該斜面の最も低い箇所の高さ位置は、敷地1のうち最も高さの低い箇所と略等しい高さ位置となっているので、人は、テラス部9に向かうにつれて徐々に姿が、敷地1の外部から見えるようになる。そのため、テラス部9から掃き出し窓5を通じて屋内に侵入を試みようとすること自体がそもそもしにくくなるので防犯性を向上させることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、住宅2の外構構造であって、例えば
図1~
図3に示すように、住宅2が建築された敷地1のうち前記住宅2の正面外壁4(南側外壁4)から離間した位置に塀30が立設されており、
前記正面外壁4には、人が出入りするための掃き出し窓5と、下端部が、前記掃き出し窓5の下端部よりも上方に位置する腰高窓6が設けられており、
前記正面外壁4は、前記掃き出し窓5が設けられた第一部位と、前記腰高窓6が設けられた第二部位と、正面視において前記第一部位と前記第二部位との間に位置し、これら第一部位及び第二部位に隣接して配置されている第三部位と、を有しており、
前記塀30は、
前記正面外壁4のうち前
記第一部位
と前記第二部位と前記第三部位の前方に立設された第一塀31と、
前記正面外壁4のうち前
記第二部位の前方に立設された第二塀32と、を備えており、
前記正面外壁4のうち前記掃き出し窓5が設けられた前記第一部位と前記第一塀31との間に、アウトリビングとしてのテラス部9(9a)が設けられ、
前記テラス部9は、前記第一部位と前記第一塀31との間の地面に造成された盛土Eの上に設けられていて、当該テラス部9の床面9aは、前記掃き出し窓5の屋内側に設けられた部屋16(17)の床面と略等しい高さに設定され、
前記第一塀31は、その上端部が、前記テラス部9の床面よりも上方に位置するとともに、前記掃き出し窓5の上下方向中央部よりも下方に位置するように設置されており、
前記第二塀32の上端部と前記腰高窓6の下端部が略等しい高さ位置となっていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、正面外壁4のうち掃き出し窓5が設けられた第一部位と第一塀31との間に設けられたアウトリビングとしてのテラス部9(床部9a)は、第一部位と第一塀31との間の地面に造成された盛土Eの上に設けられているので、テラス部9の上にいる人は、地面に造成された盛土Eよりも更に高い位置にいることになる。そして、テラス部9の床面9aは、掃き出し窓5の屋内側に設けられた部屋16(17)の床面と略等しい高さに設定され、第一塀31は、その上端部が、テラス部9の床面よりも上方に位置するとともに、掃き出し窓5の上下方向中央部よりも下方に位置するように設置されているので、敷地1の外部からテラス部9を見た場合に、テラス部9にいる人の姿の大部分を視認することが可能となる。また、掃き出し窓5を開放することによって、屋内側に設けられた部屋16(17)とテラス部9とを連続性を持った空間として利用できる。これにより、テラス部9及び掃き出し窓5は、第一塀31によって厳重に目隠しされない状態となって住宅2の開放感が損なわれにくい。しかも、テラス部9から掃き出し窓5を通じて屋内に侵入を試みようとする人の姿の大部分を、外部から捉えることができるので防犯性を向上させることができる。
さらに、テラス部9にいる人からは、高い位置から敷地1の外部を見ることができるので見晴らしがよく、敷地1への人の出入りを確認することができて防犯上好ましい。
また、正面外壁4には、下端部が、掃き出し窓5の下端部よりも上方に位置する腰高窓6が設けられ、塀30は、正面外壁4のうち腰高窓6が設けられているとともに、正面視において、第三部位を介して、第一部位と隣り合って配置されている第二部位の前方に立設された第二塀32を備え、第二塀32の上端部と腰高窓6の下端部が略等しい高さ位置となっているので、腰高窓6は、第二塀32によって厳重に目隠しされない状態となり、住宅2の開放感が損なわれにくい。しかも、腰高窓6を通じて屋内に侵入を試みようとする人がいた場合に、その姿の大部分が第二塀32よりも上方に露出することになり、敷地1の外部から確実に捉えることができるので、防犯性を向上させることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、例えば
図1,
図3に示すように、請求項2に記載の住宅2の外構構造において、
前記第一塀31と前記第二塀32は、平面視において前後方向に間隔を空けて配置されているとともに、間口方向にずれて配置されていることによって雁行配置されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、第一塀31と第二塀32は、平面視において前後方向に間隔を空けて配置されているとともに、間口方向にずれて配置されていることによって雁行配置されているので、第一塀31と第二塀32との間に隙間が形成されて斜めの角度から見やすい状態となる。これにより、テラス部9にいる人は、敷地1に出入りする人の姿を、第一塀31と第二塀32との間の隙間から確認することができるので防犯性を向上させることができる。さらに、第一塀31と第二塀32との間の隙間からは、視線が通るだけでなく、通気が取りやすくなるので、テラス部9に湿気が溜まりにくく、住宅2自体の通気性向上にも貢献できる。しかも、通気が取りやすくなれば掃き出し窓5を開放する機会も必然的に多くなることから住宅2の開放感の向上にも寄与する。
【0012】
請求項4に記載の発明は、例えば
図1,
図3,
図5,
図6に示すように、請求項2又は3に記載の住宅2の外構構造において、
前記テラス部9は、前記掃き出し窓5の前方に配置されていて、前記腰高窓6の前方に配置されない状態となっており、
前記第一塀31は、前記第二塀32よりも高さが低く設定され、
前記第一塀31は、前記正面外壁4のうち前記第一部位の前方の位置から前記第二部位の前方の位置にかけて配置され、
前記第二塀32は、前記正面外壁4のうち前記第二部位の前方の位置にのみ配置されていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、テラス部9は、掃き出し窓5の前方に配置されていて、腰高窓6の前方に配置されない状態となっており、第一塀31は、第二塀32よりも高さが低く設定され、第一塀31は、正面外壁4のうち第一部位の前方の位置から第二部位の前方の位置にかけて配置され、第二塀32は、正面外壁4のうち第二部位の前方の位置にのみ配置されているので、敷地1の地面よりも高い位置にあるテラス部9を足場にして、腰高窓6から屋内への侵入を試みようとした場合に、その人の姿は、第二塀32よりも高さの低い第一塀31の上端部から確実に露出してしまうことになる。これにより、テラス部9を足場にして腰高窓6から屋内への侵入を試みる人の姿を、敷地1の外部から確実に視認できるので、防犯性を向上させることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、例えば
図1,
図3に示すように、請求項2に記載の住宅2の外構構造において、
前記塀30は、平面視において、前記第二塀32の延長線上に、前記第二塀32と間隔を空けた位置に立設された第三塀33を備え、
前記第二塀32と前記第三塀33との間が、人が出入りする門36であることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、塀30は、平面視において、第二塀32の延長線上に、第二塀32と間隔を空けた位置に立設された第三塀33を備え、第二塀32と第三塀33との間が、人が出入りする門36であることから、第二塀32の延長線上にある門36を通じて敷地1を出入りする人の姿をテラス部9から見やすくなり、防犯性の向上に貢献できる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、例えば
図1,
図3に示すように、請求項5に記載の住宅2の外構構造において、
前記第三塀33の後方であって、かつ、前記正面外壁4から離間した位置に立設された第四塀34を備え、前記第三塀33と前記第四塀34は、平面視において前後方向に間隔を空けて配置されているとともに、間口方向にずれて配置されていることによって雁行配置されており、
正面視において、前記正面外壁4のうち前記第四塀34の後方に位置する第三部位には玄関開口部4dが設けられ、
前記正面外壁4のうち前記玄関開口部4dが設けられた前記第三部位と前記第四塀34との間に、前記玄関開口部4dの屋内側に設けられた土間床部10aと略等しい高さに設定された床面の玄関ポーチ1cが設けられ、
前記第四塀34は、その上端部が、前記玄関ポーチ1cの床面よりも上方に位置するとともに、前記玄関開口部4dの上下方向中央部よりも下方に位置するように設置されていることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、第三塀33と第四塀34は、平面視において前後方向に間隔を空けて配置されているとともに、間口方向にずれて配置されていることによって雁行配置されているので、第三塀33と第四塀34との間に隙間が形成されて斜めの角度から見やすい状態となる。これにより、敷地1のうち住宅2の正面外壁4の前方にいる人は、敷地1に出入りする人の姿を、第三塀33と第四塀34との間の隙間から確認することができるので防犯性を向上させることができる。さらに、第三塀33と第四塀34との間の隙間からは、視線が通るだけでなく、通気が取りやすくなるので、玄関ポーチ1cに湿気が溜まりにくく、住宅2自体の通気性向上にも貢献できる。しかも、通気が取りやすくなれば玄関開口部4dを開放する機会も必然的に多くなることから住宅2の開放感の向上にも寄与する。
さらに、正面外壁4のうち玄関開口部4dが設けられた第四部位と第四塀34との間に、玄関開口部4dの屋内側に設けられた土間床部10aと略等しい高さに設定された床面の玄関ポーチ1cが設けられ、第四塀34は、その上端部が、玄関ポーチ1cの床面よりも上方に位置するとともに、玄関開口部4dの上下方向中央部よりも下方に位置するように設置されているので、敷地1の外部から玄関ポーチ1cを見た場合に、玄関ポーチ1cにいる人の姿の大部分を視認することが可能となる。これにより、玄関ポーチ1c及び玄関開口部4dは、第四塀34によって厳重に目隠しされない状態となるので、住宅2の開放感が損なわれにくい。しかも、玄関ポーチ1cから玄関開口部4dを通じて屋内に侵入を試みようとする人の姿の大部分を、外部から捉えることができるので防犯性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、住宅の開放感が損なわれないようにしつつ防犯性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】住宅と住宅が建築された敷地を示す正面図である。
【
図2】住宅と住宅が建築された敷地の一部を示す正面図である。
【
図3】住宅の第一層と住宅が建築された敷地を示す平面図である。
【
図5】住宅と住宅が建築された敷地の一部を示す断面図である。
【
図6】住宅が建築された敷地の一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。なお、以下の実施形態及び図示例における方角は、あくまでも説明の便宜上設定したものである。本実施形態においては、南側を前方とし、北側を後方として説明している。また、東西方向と間口方向は同一であり、東西方向は左右方向として説明している。
【0023】
(敷地及び住宅の構造について)
図1~
図3,
図5,
図6において符号1は、宅地である敷地を示す。この敷地1は、住宅2が建てられるとともに前庭を含んだ第一敷地1aと、図示しない道路に面して駐車場とされた第二敷地1bと、を有する。第二敷地1bは、第一敷地1aの南側に隣り合って配置されている。
第二敷地1bのうち、第一敷地1aとは反対側に位置する南側縁部に沿った部分は、敷地1全体の接道面1dとされている。すなわち、その接道面1dよりも南側が、人又は車両が通る道路となっている。そのため、第二敷地1bは、駐車スペースとして利用される場合が多い。なお、第二敷地1bには、コンクリート板が敷設されている。
また、敷地1は、接道面1dを除く周縁部に柵1fが設けられた状態となっている。
【0024】
本実施形態の住宅2は、壁や床、屋根といった建物の構成要素を予め工場にてパネル化しておき、施工現場でこれらのパネルを組み立てて構築するパネル工法で構築されるが、従来の軸組工法や壁式工法の木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造等の建物にも適用することができる。
また、パネル(建築用木質パネル)とは、縦横の框材が矩形状に組み立てられるとともに、矩形枠の内部に補助桟材が縦横に組み付けられて枠体が構成され、この枠体の両面もしくは片面に、合板等の面材が貼設されたものであり、内部中空な構造となっている。さらに、その内部中空な部分には、グラスウールやロックウール等の断熱材が装填される。
【0025】
また、このような住宅2は、基礎2aの上に建築された2階建ての住宅本体3と、住宅本体3の上に設けられた傾斜屋根7と、を備えている。
住宅本体3は、1階に相当し、第一床によって床が構成された第一層3aと、第一層3aよりも半層高い位置に設けられた1.5階に相当し、第二床によって床が構成された第二層3bと、を含んで構成されている。
【0026】
傾斜屋根7は、南側屋根面が軒先までの長さが長く、北側屋根面が軒先までの長さが短く形成された招き屋根とされている。南側屋根面と北側屋根面は、本実施形態においては1/3勾配とされている。また、南側屋根面には、複数の太陽電池モジュールを有する太陽電池アレイ8が設置されている。
【0027】
第一敷地1aの南側に位置する前庭は、第一敷地1aのうち住宅本体3の正面部分よりも前方(南側)に位置する敷地部分であって、かつ、玄関ポーチ1c及び玄関アプローチ1eを除いた敷地部分を指すものとする。本実施形態においては、玄関10が住宅本体3の東側部分にあって、玄関ポーチ1cが東側に設けられるため、第一敷地1aのうち住宅本体3の正面部分よりも前方(南側)に位置する敷地部分の西側部分を、前庭と称呼するものとする。
【0028】
このような前庭と、玄関ポーチ1c及び玄関アプローチ1eの一部は、塀30によって囲まれている。塀30は、住宅本体3の西側端部に設けられた袖壁の延長線上に位置する第五塀35と、平面視において当該第五塀35と直交して東側に伸び、第一敷地1aと第二敷地1bとを仕切る第一塀31と、平面視において第一塀31と平行する第二塀32と、平面視において第二塀32の延長線上に位置する第三塀33と、平面視において第三塀33と平行して東側に伸び、東側の柵1fに達する第四塀34と、を有している。
これら各塀31~35は、例えば繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics, FRP)によって構成されており、作業員一人で持ち運びが可能な程度に軽量とされている。すなわち、各塀31~35は、持ち運びが可能な状態に構成された塀ユニットによって構成されている。各塀31~35を構成する塀ユニットは、下端部が地面に埋設されて自立しているが、下端部が地面に埋設されたフーチング部材に連結された状態で設置されてもよい。
【0029】
第五塀35は、住宅本体の袖壁4eと一体形成されてはいないものの、互いの端部が近接して設けられている。また、袖壁4eと第五塀35の厚みは略等しく設定されている。そのため、これら袖壁4eと第五塀35は、あたかも一体性のある壁のように見える。ただし、第五塀35は、地面からの高さが1000mm程度に設定されており、袖壁4eよりも高さは低い。
【0030】
第一塀31は、上記のように平面視において第五塀35と直交して東側に伸びていて、塀30のうち最も南側に位置しており、第一敷地1aと第二敷地1bとの間を最も長く仕切っている。すなわち、第一塀31は、第一敷地1a及び第二敷地1bに面する面積が最も広くなっている。第一塀31は、第五塀35と一体形成されており、第五塀35と同一の高さに設定されている。
【0031】
第二塀32は、上記のように平面視において第一塀31と平行に配置されているとともに、第一塀31よりも北側に位置している。また、この第二塀32の西側端部は、第一塀31の東側端部よりも西側に位置し、第二塀32の東側端部は、第一塀31の東側端部よりも東側に位置している。また、第二塀32は、
図1に示すように、第一塀31よりも高さが高く設定されている。第二塀32の地面からの高さ寸法は、例えば1100~1500mm程度に設定されている。
第一塀31と第二塀32との間は隙間が空いた状態となっている。そのため、視線が通りやすくなっているので、敷地1への侵入を試みようとする侵入者にとっては、敷地1の内側からも外側からも見られやすくなり浸入しにくい。また、隙間から通気が取りやすいので、前庭に湿気が溜まりにくく、住宅本体3自体の通気性向上にも貢献できる。また、第一塀31と第二塀32との間に植物Pを植栽することで、視線と風を通しつつ、人の侵入を抑制できるので好ましい。
【0032】
第三塀33は、上記のように平面視において第二塀32の延長線上に位置し、第二塀32と間隔を空けて配置されている。第三塀33は、第二塀32と同一の高さに設定されている。そして、第二塀32と第三塀33との間は、第一敷地1aと第二敷地1bとの間を行き来するための出入口である門36とされている。
【0033】
第四塀34は、上記のように平面視において第三塀33と平行して東側に伸びていて、塀30のうち最も北側に位置しており、東側端部が、東側の柵1fに達している。また、この第四塀34の西側端部は、第三塀33の東側端部よりも西側に位置し、東側端部は、第三塀33の東側端部よりも東側に位置している。第四塀34は、第三塀33と同一の高さに設定されている。
第三塀33と第四塀34との間も隙間が空いた状態となっている。そのため、視線が通りやすくなっているので、敷地1への侵入を試みようとする侵入者にとっては、敷地1の内側からも外側からも見られやすくなり浸入しにくい。また、隙間から通気が取りやすいので、玄関ポーチ1c付近にも湿気が溜まりにくく、住宅本体3自体の通気性向上にも貢献できる。また、第三塀33と第四塀34との間に植物Pを植栽することで、視線と風を通しつつ、人の侵入を抑制できるので好ましい。
【0034】
門36は、門扉装置37によって開放又は閉塞される。門扉装置37は、いわゆる親子開きタイプであり、幅の広い親扉37aと、幅の狭い子扉37bと、を有している。双方の扉体(親扉37a、子扉37b)は対称的な配置とされて、かつ対照的に動作する。本実施形態においては親扉37aが第二塀32側に位置し、子扉37bが第三塀33側に位置している。
なお、本実施形態の門扉装置37における各扉体は、各塀33,34に固定された支柱に対してヒンジを介して取り付けられている。ただし、これに限られるものではなく、各扉体は、各塀33,34に隣接して立設された支柱に対してヒンジを介して取り付けられてもよい。
【0035】
また、前庭には、屋内の第一層居室16と同様に住人が普段いる場所として利用される屋外空間としてのアウトリビング9が、住宅本体3の南側外壁4(正面外壁4)から張り出して設けられている。
本実施形態のアウトリビング9は、複数のデッキ材によって床部9aが構成されたテラス部である。床部9aにおける上面(床面)の高さ位置は、住宅本体3における第一層3aの床面と略等しい高さに設定されている。
【0036】
住宅本体3の南側外壁4は、西側の第一外壁4a(正面外壁4の第一部位)と、平面視において第一外壁4aの東側端部から南側に延びる第二外壁4bと、平面視において第二外壁4bの南側端部から東側に延びる第三外壁4c(正面外壁4の第二部位)と、を有している。これら第一外壁4a、第二外壁4b、第三外壁4cはクランク状に一体形成されている。
【0037】
アウトリビング9の床部9aは、第一外壁4a及び第二外壁4bに近接して配置されているが、第二外壁4bよりも東側には突出しておらず、第三外壁4cには隣接していない状態となっている。
また、床部9aは、住宅2の正面(南側面)に隣接して配置されて、住宅2に固定されない状態で地面に置かれた浮き床ユニットとされている。ただし、これに限られるものではなく、住宅2に固定された状態であってもよい。
本実施形態において、床部9aは、第五塀35には近接して配置されているが、南側の第一塀31からは離間して配置されている。つまり、床部9aは、第一外壁4aと、第二外壁4bと、西側の第五塀35に近接して囲まれた状態となっている。そして、床部9aと南側の第一塀31との間は地面となっており、低木(ここでは高さ2~3メートル以下とする)、あるいは低木よりも高さの低い又は高い植物など、様々な種類の植物Pが植栽可能な植栽スペースとされている。
【0038】
前庭のうち、床部9aの東側であって、かつ、第三外壁4cの南側には、玄関アプローチ1eと枝分かれして伸びるガーデンアプローチ1gと、床部9aと南側の塀1fとの間に設けられた植栽スペースと連続する植栽スペースと、が設けられている。この植栽スペースは、第一塀31及び第二塀32に近接する位置に設けられている。
ガーデンアプローチ1gは、
図6に示すように、玄関アプローチ1e側端部からアウトリビング9側端部に向かうにつれて徐々に上っていくように傾斜して形成されている。アウトリビング9の床部9aは、ガーデンアプローチ1gのうち最も高い部分よりも一段高く設定されている。すなわち、前庭のうちアウトリビング9の床部9aが設置される箇所は、盛土Eによって形成されて、第一敷地1aの他の箇所よりも高さが高く設定されている。盛土Eは、本実施形態においては、最も高い箇所が400~600mm(本実施形態においては500mm)程度の高さに造成されており、その上に、床部9aが設置されている。また、床部9a自体の高さ寸法は、200~400mm(本実施形態においては260mm)程度に設定されている。
また、ガーデンアプローチ1gには、人の歩行時に足が載せられる複数の飛び石(踏み石)が間隔を空けて並んで設けられている。
【0039】
玄関アプローチ1eは、第二敷地1bと玄関ポーチ1cとの間に位置する通路スペースを指すものとし、その途中部分に、上記の門36が設けられている。また、玄関アプローチ1eの北側端部からガーデンアプローチ1gが西側に枝分かれして伸びた状態となっている。
この玄関アプローチ1eには、人の歩行時に足が載せられる複数の飛び石(踏み石)が間隔を空けて並んで設けられている。玄関アプローチ1eの飛び石とガーデンアプローチ1gの飛び石は同一種類の物であり、これらの飛び石が同一の間隔で配置されることで、玄関アプローチ1eとガーデンアプローチ1gの一体性が高まるようになっている。
【0040】
玄関アプローチ1eの東側には、玄関ポーチ1cが設けられている。本実施形態の玄関ポーチ1cは、上下二段に形成されており、宅配ボックスBの扉の南側の位置で段が分かれている。
玄関ポーチ1cの下段部分は、玄関アプローチ1eよりも一段高く設定されている。また、玄関ポーチ1cの上段部分は、玄関ポーチ1cの下段部分よりも一段高く設定されているとともに、住宅本体3における第一層3aの床面よりも一段低く設定されている。すなわち、玄関ポーチ1cの上段部分の上面は、アウトリビング9における床部9aの上面よりも高さ低くなっている。
【0041】
住宅本体3の正面(南側面)における東側端部には、玄関ポーチ1cに面して玄関開口部4dが設けられている。より詳細に説明すると、南側外壁4のうち最も東側に位置する第三外壁4cの一部には開口が形成されていて、当該開口の奥に設けられた外壁部分(正面外壁4の第四部位)に、玄関ドアによって開閉される玄関開口部4dが形成されている。
【0042】
次に、
図3~
図5を参照して、住宅本体3の内部について説明する。
【0043】
玄関開口部4dを通過した位置には玄関10が設けられている。
玄関10は、上記の上段部分と略等しい高さの床面とされた土間床部10aと、土間床部10aから一段上がった位置の玄関ホール部10bと、ウォークインクローク10cと、を有している。なお、玄関ホール部10bにおける床の高さ位置は、1階全体(第一層3a)の床の高さ位置と等しい。
【0044】
玄関ホール部10bにおける北側端部の西側の位置には建具付きの出入口があり、出入口を抜けた位置には第一層居室16が設けられている。
また、玄関10から第一層居室16内に入ると、北側に伸びる廊下状のスペース11があり、その廊下状スペース11の東側には水廻り室12が設けられ、北側には主寝室13が設けられている。
【0045】
水廻り室12は、玄関10におけるウォークインクローク10cの北側に配置されており、トイレ12aと、洗面所12bと、ランドリールーム12cと、浴室12dが配置されている。
廊下状スペース11と水廻り室12とを連通する出入口は、廊下状スペース11の東側縁部に設けられており、当該出入口は洗面所12bに面して配置されている。つまり、出入口を通過して水廻り室12に入ると、その位置が洗面所12bであり、その東側にトイレ12aが配置されている。さらにその北側に、ランドリールーム12c及び浴室12dが配置されている。
【0046】
主寝室13は、廊下状スペース11の北側端部にある出入口を通じて出入りすることができる。主寝室13は、第一層居室16の北側であって、かつ、水廻り室12におけるランドリールーム12c及び浴室12dの西側に配置されている。主寝室13は、
図4に示すように、上部空間が、第二層3bの天井まで吹き抜ける吹抜け空間とされており、第二層3bの寝室21に隣接している。
【0047】
そして、主寝室13の西側には、第一低天井収納室14が設けられている。また、第一低天井収納室14の西側には、第二低天井収納室15が設けられている。これら第一低天井収納室14及び第二低天井収納室15は、第一床と第二床との間に設けられている。すなわち、第二層3bの床を構成する第二床は、第一層3aの床を構成する第一床における一部の上方に設けられ、これら第一床と第二床との間が第一低天井収納室14及び第二低天井収納室15とされている。
【0048】
第一低天井収納室14及び第二低天井収納室15は、天井高が0.8m~1.4mに設定されている。この0.8m~1.4mの天井高とは、人が第一低天井収納室14及び第二低天井収納室15に入って、何とか作業ができる最低限の高さを確保するための高さ範囲であり、かつ、このように天井高を必要最小限に抑えることで、住宅2の高さが高くなることによって隣接する建物に及ぼす日照減少等の影響を極力少なくすることができる高さ範囲である。
【0049】
第一低天井収納室14は、主寝室13との間に出入口を備えており、主寝室13からのみ出入りが可能となっている。すなわち、第一低天井収納室14は、主寝室13に付属する収納スペースとなっており、主寝室13で日常的に過ごす住人が利用しやすい。また、この第一低天井収納室14には、季節ごとに入れ替える物品等が収納される。
【0050】
第二低天井収納室15は、第一層居室16との間に出入口を備えており、第一層居室16との間に設けられた出入口から出入りする構成となっている。すなわち、第二低天井収納室15は、第一層居室16に付属する収納スペースとなっており、第一層居室16で日常的に過ごす住人が利用しやすい。
また、第二低天井収納室15は、第一層居室16側の外壁から突出する袖壁15aが設けられることで概略的に南北に仕切られている。そして、袖壁15aよりも奥のスペースには、普段は使用しない防災用品等が収納され、手前の第一層居室16側には、普段使用する生活用品等が収納される。
【0051】
第一層居室16は、ダイニングルーム17(以下、ダイニング17)とリビングルーム18(以下、リビング18)とキッチンルーム19(以下、キッチン19)の機能を一室に併存させた部屋である。
このような第一層居室16は、南北方向よりも東西方向に長く形成されており、西側にダイニング17、東側にリビング18及びキッチン19が配置されている。また、リビング18は南側に配置されて、キッチン19は北側に配置されている。
【0052】
ダイニング17は、住宅本体3の西側端部であって、かつ南側端部に配置されており、南側に位置する第一外壁4aを介してアウトリビング9と隣接している。
第一外壁4aには、掃き出し窓5が設けられている。アウトリビング9は、第一外壁4aから張り出すようにして設けられており、掃き出し窓5を通じてダイニング17とアウトリビング9との間を自在に行き来することができる。
ダイニング17には、ダイニングテーブル17aが設置されるとともに、西側の外壁に沿って腰掛部17bが設置されている。また、アウトリビング9にも腰掛部9bが設置されている。そして、双方の腰掛部17b,9bは、掃き出し窓5を挟んで隣り合っている。そのため、ダイニング17とアウトリビング9とに連続性があるような印象を持たせることができるようになっている。なお、腰掛部9bの高さは、第五塀35及び第一塀31の上端部よりも上方に突出しない程度の寸法に設定されており、敷地1の外部からアウトリビング9を見た場合に腰掛部9bの存在が目立たず、景観性に優れる。
【0053】
リビング18及びキッチン19は、ダイニング17の東側に配置されている。
キッチン19にはキッチン台19aが設置されている。キッチン台19aは、廊下状スペース11側の内壁に接するペニンシュラキッチンとされている。この内壁の北側及び南側は、通路又は出入口として認識される空間となっており、キッチン台19aの周囲に回遊動線を形成することができる。
【0054】
リビング18は、南側に位置する第三外壁4cを介して前庭と隣接している。
第三外壁4cには、下端部が、人の腰ぐらいの高さ(例えば床から約80~100cm程度)に位置する腰高窓6が設けられている。
リビング18には、腰高窓6の下端部よりも下方に腰掛部18bが設けられている。したがって、腰掛部18bに着座して後を振り向くと、腰高窓6から屋外空間が見えるようになっている。
このような腰高窓6と掃き出し窓5は、
図1,
図2に示すように、正面視において隣り合って配置されている。そのため、住宅2の正面における開放感を向上させることができる。
なお、前庭を取り囲む塀30のうち、少なくとも掃き出し窓5及び腰高窓6の前方に位置する第五塀35及び第一塀31は、その上端部の高さ位置が、腰高窓6の下端部よりも上方とならないように設置されている。換言すれば、第五塀35及び第一塀31の上端部と腰高窓6の下端部は略等しい高さ位置となっているか、もしくは、第五塀35及び第一塀31の上端部が腰高窓6の下端部よりも若干下方に位置している状態となっている。そのため、第五塀35及び第一塀31の高さが高くなり過ぎないようにすることができる。また、第五塀35及び第一塀31は、その上端部の高さ位置が、掃き出し窓5の上下方向中央部よりも下方に位置するように設置されている。すなわち、地面に設置された状態の第五塀35及び第一塀31は、上端部の高さ位置が、第五塀35及び第一塀31よりも住宅2側にいる人の姿を完全に覆い隠すのが困難な程度に低く設定されていることとなる。
【0055】
ダイニング17の北側には、上記の第二低天井収納室15が配置されており、ダイニング17と第二低天井収納室15との間に設けられた出入口から出入りすることができる。
そして、このような出入口の東側に、第一層3aの第一床と第二層3bの第二床とを接続する階段3cが設けられている。階段3cを上った先には廊下部分があり、その廊下部分の北側には、
図4に示すように、住人が日常的に過ごす場所である2つの寝室20,21が、東西に並んで設けられている。
【0056】
階段3cを上った先の廊下部分の南側には、第一層居室16の上部空間に面していて、住人同士で共有する多目的スペース(ホームコモンズ)として利用される第二層部屋22が設けられている。第二層部屋22は、住宅本体3の西側端部に寄せて配置されており、第一層居室16のうちダイニング17のある西側端部の上部空間に隣接している。換言すれば、第二層部屋22は、平面視において第一層居室16の長手方向一端部に隣接して配置されている。
【0057】
第二層部屋22は、第一層居室16の上部空間との間に設けられた第二層仕切壁によって第一層居室16の上部空間と仕切られている。また、第二層仕切壁には少なくとも一つの第二層開口部が形成されている。
より詳細に説明すると、第二層仕切壁は、第一層居室16の長手方向一端部(西側端部)に面する第一仕切壁23と、平面視において第一仕切壁23と直交して配置された第二仕切壁24と、を有している。そして、第一仕切壁23は、平面視において住宅本体3の西側外壁と直交して設けられている。また、第二仕切壁24は、第一仕切壁23のうち第一層居室16の長手方向他端部側(東側)に位置する端部に設けられて北側に向かって伸びている。第二層部屋22は、住宅本体3の西側外壁と、第一仕切壁23と、第二仕切壁24と、寝室21との間の内壁25と、によって囲まれている。第二層部屋22の出入口は、第二仕切壁24と内壁25との間に設けられている。
また、第二層部屋22のうち、第一仕切壁23に沿って机22aが配置されている。机22aは、造り付けのカウンターでもよい。
【0058】
第一仕切壁23のうち天井の直下の東側端部には、第二層開口部としての第一開口部23aが形成されている。
また、第二仕切壁24のうち天井の直下の南側端部には、第二層開口部としての第二開口部24aが形成されている。
すなわち、第一開口部23a及び第二開口部24aは、第一仕切壁23と第二仕切壁24との交点部分に寄せて配置されている。したがって、例えば机22aの位置から正面に視線を向けると、ダイニング17及びアウトリビング9側が視界に入り、同じ位置から左に視線を向けると、リビング18、キッチン19、及びアウトリビング9以外の屋外空間が視界に入ることとなる。
なお、第一開口部23a及び第二開口部24aは共に、ガラスが嵌め込まれた嵌め殺し窓とされている。ただし、これに限られるものではなく、第一開口部23a及び第二開口部24aは共に、ガラス及びサッシ等が嵌められていない状態であってもよい。
【0059】
第一層居室16は、
図5に示すように、上部空間が、傾斜屋根7の直下まで吹き抜ける吹抜け空間とされており、第二層部屋22に隣接している。第一層居室16の天井16aは勾配天井とされており、その上端部は、第二層3bの各部屋における天井と同一の高さに設定されている。そのため、第二層開口部である第一開口部23a及び第二開口部24aを通じて第一層居室16から第二層部屋22を見たときも、第二層開口部である第一開口部23a及び第二開口部24aを通じて第二層部屋22から第一層居室16を見たときも、第一層居室16と第二層部屋22が連続性を持って見える状態となり、平屋住宅2であっても手狭な印象を受けにくくなる。しかも、第二層部屋22から第一層居室16を見るときに、第二層開口部である第一開口部23a及び第二開口部24aを見ると自然に勾配天井16aが目に入ることになり、視線が勾配天井16aに沿って下向きになりやすくなることから、例えば第一層居室16の天井が水平天井である場合に比して、第一層居室16にいる家族の様子を確認しやすくなる。さらに、第二層開口部である第一開口部23a及び第二開口部24aの上端縁は、第二層部屋22の水平天井と略等しい高さ位置に設定されているので、自然な姿勢で第一層居室16を見ることができ、第一層居室16にいる家族の様子を確認しやすくなる。
なお、勾配天井である天井16aの下端部には、間接照明を設置するスペース16bが設けられている。
【0060】
以上のように構成された住宅2では、住人は、第二層部屋22で在宅ワーク等の仕事やその他の作業等を行うことができる。第二層部屋22で作業等を行っている住人と、それ以外の第一層居室16及びアウトリビング9に居る住人は、互いの姿を視界に捉えたり、声を聞いたりすることでお互いの存在を感じることができるようになっている。
【0061】
(敷地におけるセキュリティの構造について)
敷地1は、外部からの人の侵入を防いで防犯性を向上させるための複数のセキュリティ構造が設けられている。
【0062】
まず、上記のように敷地1は、接道面1dを除いて柵1fによって囲まれており、柵1fが隣地との境界となっている。すなわち、柵1fが、最も外側にあるセキュリティラインとなっている。したがって、住人及び来客を含む人の出入りは、柵1fのない接道面1d側を通じて行われる。
【0063】
接道面1d側から敷地1に入ると、第二敷地1bに立ち入ることができる。第二敷地1bは、駐車スペースとして利用されるため、自動車が駐車されていると、人は、自動車を避けて通行することとなる。そのため、人は、自然に門36(玄関アプローチ1e)へと誘導されることとなる。
なお、門36を開閉する門扉装置37の扉体37a,37bは、本実施形態においては横フレームを複数備えていて、これら複数の横フレーム間から視線が通るため透視性に優れた構成となっている。そのため、人は、門扉装置37によって身を隠すことができないようになっている。
【0064】
玄関アプローチ1eに誘導された人は、門扉装置37を開いて門36を通過し、第一敷地1aに立ち入ることができる。門36を通過して右に行くと玄関ポーチ1cがあり、玄関開口部4dに向かう場合は、上下二段に形成された玄関ポーチ1cを上る。玄関ポーチ1cを上ると、人の姿(上半身)は、第四塀34の上端部よりも上方に突出して外部から見えるようになる。
玄関ポーチ1cに立つ人の姿は、正面から見た場合は、第四塀34の上端部よりも上方に突出して外部から見えるが、門扉装置37側から見た場合は、門扉装置37が視線の通る構成であるため全身を捉えることができる。さらに、柵1fは、第四塀34よりも高さが低く設定されているため、隣地側からも人の姿を視認することが可能となっている。
【0065】
さらに、門36を通過して左に行くと前庭があり、前庭の奥にはアウトリビング9が設けられている。アウトリビング9に行く場合は、盛土Eによって形成された勾配のあるガーデンアプローチ1gを上っていく。ガーデンアプローチ1gをアウトリビング9に向かって進むと、人の姿(上半身)は、第一塀31及び第二塀32の上端部よりも上方に突出して外部から見えるようになる。特に、第一塀31は、第二塀32よりも高さが低く設定されているため、進めば進むほど、人の姿は外部に対して露出することになる。
ガーデンアプローチ1gを進む人の姿は、正面から見た場合は、第一塀31及び第二塀32の上端部よりも上方に突出して外部から見えるが、門扉装置37側から見た場合は、門扉装置37が視線の通る構成であるため全身を捉えることができる。さらに、第一塀31と第二塀32との間には隙間が形成されているため、この隙間からも人の姿を視認することが可能となっている。
また、腰高窓6から宅内への侵入を試みようとする場合、人の姿は、必然的に第二塀32の上端部よりも上方に位置することになる。そのため、腰高窓6から宅内に侵入する人の姿は、外部から全身が見えることとなる。
【0066】
ガーデンアプローチ1gからアウトリビング9の床部9aの上に一段上がると、高さ位置がより高くなるため、上半身と下半身の大部分を含む人の姿を外部から視認することが可能となる。そのため、アウトリビング9にいる人の姿は、正面からだけでなく、門扉装置37側から見た場合も、第一塀31と第二塀32との間の隙間から見た場合も、西側の隣地から柵1fの上を越して見た場合も確実に視認することができる。人の姿の大部分が見えるため、腰を屈めた状態であっても外部から見ることが可能となっている。このことから、掃き出し窓5から宅内への侵入を試みようとする場合、人の姿は、必然的に第五塀35及び第一塀31の上端部よりも上方に位置することになり、掃き出し窓5から宅内に侵入する人の姿は、外部から大部分が見えることとなる。
【0067】
また、アウトリビング9に住人がいる場合は、道路及び第二敷地1bよりも高い位置にいることになるので見晴らしがよく、道路を通行する人の姿を視認しやすい。そのため、塀30を乗り越えて第一敷地1aへの侵入を試みようとする人がいても、アウトリビング9から容易にその姿を捉えることができるので、アウトリビング9にいる人は、すぐに退避行動に移ることができる。さらに、塀30に隠れて門36から侵入を試みようとする人がいても、第一塀31と第二塀32との間の隙間から人の姿を確認することができるので、アウトリビング9にいる人は、すぐに退避行動に移ることができる。
【0068】
本実施形態によれば、以下のような優れた効果を奏する。
すなわち、正面外壁4のうち掃き出し窓5が設けられた第一部位と第一塀31との間に設けられたアウトリビング9の床部9aは、第一部位と第一塀31との間の地面に造成された盛土Eの上に設けられているので、アウトリビング9の上にいる人は、地面に造成された盛土Eよりも更に高い位置にいることになる。そして、アウトリビング9の床面9aは、掃き出し窓5の屋内側に設けられた部屋16(17)の床面と略等しい高さに設定され、第一塀31は、その上端部が、アウトリビング9の床面よりも上方に位置するとともに、掃き出し窓5の上下方向中央部よりも下方に位置するように設置されているので、敷地1の外部からアウトリビング9を見た場合に、アウトリビング9にいる人の姿の大部分を視認することが可能となる。また、掃き出し窓5を開放することによって、屋内側に設けられた部屋16(17)とアウトリビング9とを連続性を持った空間として利用できる。これにより、アウトリビング9及び掃き出し窓5は、第一塀31によって厳重に目隠しされない状態となって住宅2の開放感が損なわれにくい。しかも、アウトリビング9から掃き出し窓5を通じて屋内に侵入を試みようとする人の姿の大部分を、外部から捉えることができるので防犯性を向上させることができる。
さらに、アウトリビング9にいる人からは、高い位置から敷地1の外部を見ることができるので見晴らしがよく、敷地1への人の出入りを確認することができて防犯上好ましい。
【0069】
また、正面外壁4には、下端部が、掃き出し窓5の下端部よりも上方に位置する腰高窓6が設けられ、塀30は、正面外壁4のうち腰高窓6が設けられているとともに、正面視において第一部位と隣り合って配置されている第二部位の前方に立設された第二塀32を備え、第二塀32の上端部と腰高窓6の下端部が略等しい高さ位置となっているので、腰高窓6は、第二塀32によって厳重に目隠しされない状態となり、住宅2の開放感が損なわれにくい。しかも、腰高窓6を通じて屋内に侵入を試みようとする人がいた場合に、その姿の大部分が第二塀32よりも上方に露出することになり、敷地1の外部から確実に捉えることができるので、防犯性を向上させることができる。
【0070】
また、第一塀31と第二塀32は、平面視において前後方向に間隔を空けて配置されているとともに、間口方向にずれて配置されていることによって雁行配置されているので、第一塀31と第二塀32との間に隙間が形成されて斜めの角度から見やすい状態となる。これにより、アウトリビング9にいる人は、敷地1に出入りする人の姿を、第一塀31と第二塀32との間の隙間から確認することができるので防犯性を向上させることができる。さらに、第一塀31と第二塀32との間の隙間からは、視線が通るだけでなく、通気が取りやすくなるので、アウトリビング9に湿気が溜まりにくく、住宅2自体の通気性向上にも貢献できる。しかも、通気が取りやすくなれば掃き出し窓5を開放する機会も必然的に多くなることから住宅2の開放感の向上にも寄与する。
【0071】
また、アウトリビング9は、掃き出し窓5の前方に配置されていて、腰高窓6の前方に配置されない状態となっており、第一塀31は、第二塀32よりも高さが低く設定され、第一塀31は、正面外壁4のうち第一部位の前方の位置から第二部位の前方の位置にかけて配置され、第二塀32は、正面外壁4のうち第二部位の前方の位置にのみ配置されているので、敷地1の地面よりも高い位置にあるアウトリビング9を足場にして、腰高窓6から屋内への侵入を試みようとした場合に、その人の姿は、第二塀32よりも高さの低い第一塀31の上端部から確実に露出してしまうことになる。これにより、アウトリビング9を足場にして腰高窓6から屋内への侵入を試みる人の姿を、敷地1の外部から確実に視認できるので、防犯性を向上させることができる。
【0072】
また、塀30は、平面視において、第二塀32の延長線上に、第二塀32と間隔を空けた位置に立設された第三塀33を備え、第二塀32と第三塀33との間が、人が出入りする門36であることから、第二塀32の延長線上にある門36を通じて敷地1を出入りする人の姿をアウトリビング9から見やすくなり、防犯性の向上に貢献できる。
【0073】
また、第三塀33と第四塀34は、平面視において前後方向に間隔を空けて配置されているとともに、間口方向にずれて配置されていることによって雁行配置されているので、第三塀33と第四塀34との間に隙間が形成されて斜めの角度から見やすい状態となる。これにより、敷地1のうち住宅2の正面外壁4の前方にいる人は、敷地1に出入りする人の姿を、第三塀33と第四塀34との間の隙間から確認することができるので防犯性を向上させることができる。さらに、第三塀33と第四塀34との間の隙間からは、視線が通るだけでなく、通気が取りやすくなるので、玄関ポーチ1cに湿気が溜まりにくく、住宅2自体の通気性向上にも貢献できる。しかも、通気が取りやすくなれば玄関開口部4dを開放する機会も必然的に多くなることから住宅2の開放感の向上にも寄与する。
さらに、正面外壁4のうち玄関開口部4dが設けられた第四部位と第四塀34との間に、玄関開口部4dの屋内側に設けられた土間床部10aと略等しい高さに設定された床面の玄関ポーチ1cが設けられ、第四塀34は、その上端部が、玄関ポーチ1cの床面よりも上方に位置するとともに、玄関開口部4dの上下方向中央部よりも下方に位置するように設置されているので、敷地1の外部から玄関ポーチ1cを見た場合に、玄関ポーチ1cにいる人の姿の大部分を視認することが可能となる。これにより、玄関ポーチ1c及び玄関開口部4dは、第四塀34によって厳重に目隠しされない状態となるので、住宅2の開放感が損なわれにくい。しかも、玄関ポーチ1cから玄関開口部4dを通じて屋内に侵入を試みようとする人の姿の大部分を、外部から捉えることができるので防犯性を向上させることができる。
【0074】
また、盛土Eは、アウトリビング9から離間するについて徐々に下り勾配となる斜面を有し、当該斜面の最も低い箇所の高さ位置は、敷地1のうち最も高さの低い箇所と略等しい高さ位置となっているので、人は、アウトリビング9に向かうにつれて徐々に姿が、敷地1の外部から見えるようになる。そのため、アウトリビング9から掃き出し窓5を通じて屋内に侵入を試みようとすること自体がそもそもしにくくなるので防犯性を向上させることができる。
【0075】
また、近年、二酸化炭素の排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの推進による脱炭素社会の実現や、SDGs(Sustainable Development Goals)の目標達成が求められており、建築業界においても、建物を二酸化炭素排出量の少ない木造とする取り組みが進められている。本実施形態の住宅は、建築用木質パネルを用いたパネル工法によって構築されているので、カーボンニュートラルの推進による脱炭素社会の実現や、SDGsの目標達成に貢献できる。
【符号の説明】
【0076】
1 敷地
1a 第一敷地
1b 第二敷地
1c 玄関ポーチ
1d 接道面
1e 玄関アプローチ
1f 柵
1g ガーデンアプローチ
2 住宅
2a 基礎
3 住宅本体
4 正面外壁
4a 第一外壁
4b 第二外壁
4c 第三外壁
4d 玄関開口部
4e 袖壁
5 掃き出し窓
6 腰高窓
9 アウトリビング
9a 床部
9b 腰掛部
30 塀
31 第一塀
32 第二塀
33 第三塀
34 第四塀
35 第五塀
36 門
E 盛土
P 植物
【要約】
【課題】住宅の開放感が損なわれないようにしつつ防犯性を向上できるようにする。
【解決手段】住宅2が建築された敷地1のうち前記住宅2の正面外壁4から離間した位置に塀30が立設され、正面外壁には、人が出入りするための掃き出し窓5が設けられ、塀は、正面外壁のうち掃き出し窓が設けられた第一部位の前方に立設された第一塀を備え、正面外壁のうち掃き出し窓が設けられた第一部位と第一塀との間にテラス部9が設けられ、テラス部は、第一部位と第一塀との間の地面に造成された盛土Eの上に設けられ、テラス部の床面は、掃き出し窓の屋内側に設けられた部屋16の床面と略等しい高さに設定され、第一塀は、その上端部が、テラス部の床面よりも上方に位置するとともに、掃き出し窓の上下方向中央部よりも下方に位置するように設置されている。
【選択図】
図1