(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-25
(45)【発行日】2025-03-05
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/42 20060101AFI20250226BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20250226BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20250226BHJP
【FI】
B41J29/42 E
G03G21/16 104
H04N1/00 567Q
H04N1/00 C
(21)【出願番号】P 2021009355
(22)【出願日】2021-01-25
【審査請求日】2023-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】田中 佳行
(72)【発明者】
【氏名】樋口 智行
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 健司
【審査官】大関 朋子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-238680(JP,A)
【文献】特開2010-054990(JP,A)
【文献】特開2008-176189(JP,A)
【文献】特開2020-062792(JP,A)
【文献】特開2014-043085(JP,A)
【文献】特開2018-135012(JP,A)
【文献】特開2012-168463(JP,A)
【文献】特開2005-051559(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0206936(US,A1)
【文献】特開2004-299907(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0184022(US,A1)
【文献】特開2003-046713(JP,A)
【文献】特開2007-171308(JP,A)
【文献】特開2006-030842(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0077485(US,A1)
【文献】特開2019-032416(JP,A)
【文献】特開2008-268785(JP,A)
【文献】特開平08-339107(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/42
G03G 21/16
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筺体内に、
原稿載置台上に載置した原稿を読み取る画像読取部と、
画像読取部にて読み取られた画像または他の画像をシートに形成する画像形成部と、
前記画像形成部で画像が形成された前記シートを
、前記筺体における前記画像読取部と
前記画像形成部との間に形成された胴内排出空間に排出する排出部
と、を備える画像形成
装置であって、
前記筐体は、正面壁面と、前記胴内排出空間を形成する下部壁面と、前記下部壁面に接
続し、前記胴内排出空間を形成する右方壁面と、を含み、
前記下部壁面と前記右方壁面とは、互いに接続し、かつ前記正面壁面に接続しており、
前記筐体は、
前記下部壁面と前記正面壁面との境界に、前記下部壁面と前記正面壁面との前記境界に
沿った発光部と、
前記右方壁面と前記正面壁面との境界に、前記右方壁面と前記正面壁面との前記境界に
沿った発光部と、を備える、
画像形成装置。
【請求項2】
前記下部壁面と前記正面壁面との前記境界に沿った前記発光部と、前記右方壁面と前記
正面壁面との前記境界に沿った前記発光部とが、前記下部壁面と前記正面壁面との前記境
界と前記右方壁面と前記正面壁面との前記境界が接続する部分で互いに接続する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記下部壁面と前記正面壁面との前記境界に沿った前記発光部と、前記右方壁面と前記
正面壁面との前記境界に沿った前記発光部との接続部分が円弧である、
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記下部壁面と前記右方壁面とが暗色系に着色され、前記正面壁面が明色系に着色され
ている、
請求項1~3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記筺体には、
前記下部壁面と前記正面壁面との前記境界及び前記右方壁面と前記正面
壁面との前記境界に沿うように凹ませた段差部が設けられ、前記発光部は前記段差部の内
側から発光することを特徴とする請求項1~
4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記筺体における前記画像読取部の前面側の領域には前方側に突き出る板状の操作ユニ
ットが装着されてお
り、前記操作ユニットの下部にて発光する副発光部を有することを特
徴とする請求項1~
5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記発光部は、白色系の発光色で発光し、前記筺体には、前記発光部に沿って青色系の
プレートが設けられ、青色系の光で拡散させていることを特徴とする請求項1~
6のいず
れかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記発光部は複数設けられ、画像形成装置の状態に対応させて点灯方法を変更可能とし
たことを特徴とする請求項1~
7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
画像形成装置の状態を認識する制御部を備え、前記発光部はこの制御部で認識された状
態に応じて発光状態を変化させることを特徴とする請求項1~
8のいずれかに記載の画像
形成装置。
【請求項10】
筺体内に、
原稿載置台上に載置した原稿を読み取る画像読取部と、
画像読取部にて読み取られた画像または他の画像をシートに形成する画像形成部と、
前記画像形成部で画像が形成された前記シートを
、前記筺体における前記画像読取部と
前記画像形成部との間に形成された胴内排出空間に排出する排出部と、を備える画像形成
装置であって、
前記胴内排出空間は、当該画像形成装置の正面側が開口し、
前記画像読取部は、前記筺体の最上の位置に配置されており、前記画像読取部の上部の
外周縁には、
前記外周縁にわたる発光部が形成されていることを特徴とする画像形成装置
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示された画像形成装置では、筺体内に前面以外を囲まれた凹部状の排紙部4を備えており、この排紙部4の奥側の上部に照明ランプ46を設置している。この照明ランプ46は、排紙トレイ41上に用紙が排出されると自動的に点灯し、所定時間が経過すると消灯する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の画像形成装置は、筺体内の凹部に排出される印刷物に対して光をあてることで、暗くなりがちな凹部内で印刷物を探しやすくすることはできるが、離れた位置から見たときに、それ以上の情報を得られない。
本発明は、画像形成装置の状態を離れた位置からでも確認しやすくする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、筺体内に、原稿載置台上に載置した原稿を読み取る画像読取部と、画像読取部にて読み取られた画像または他の画像をシートに形成する画像形成部と、前記画像形成部で画像が形成された前記シートを排出する排出部と、前記排出部から排出される前記シートを載置する排出トレイとを備える画像形成装置であって、前記筺体における前記画像読取部と前記画像形成部との間に胴内排出空間が形成され、前記胴内排出空間は、当該画像形成装置の正面側が開口し、前記胴内排出空間と前記筺体との境界に沿って所定の長さを有する発光部が形成された構成としてある。
【0006】
前記構成の本発明の画像形成装置は、筺体内に、原稿載置台上に載置した原稿を読み取る画像読取部と、画像読取部にて読み取られた画像または他の画像をシートに形成する画像形成部と、前記画像形成部で画像が形成された前記シートを排出する排出部と、前記排出部から排出される前記シートを載置する排出トレイとを備えており、画像読取部が原稿載置台上に載置した原稿を読み取るか、あるいは外部から画像が供給されると、画像形成部は画像読取部にて読み取られた画像または他の画像をシートに形成し、排出部は前記画像形成部で画像が形成された前記シートを排出トレイに載置させるように排出する。
【0007】
また、前記筺体における前記画像読取部と前記画像形成部との間には、当該画像形成装置の正面側が開口するように胴内排出空間が形成されている。胴内排出空間は当該画像形成装置の正面側が開口しているため、この前記胴内排出空間と前記筺体との境界は、当該画像形成装置の正面部分に位置している。そして、この境界に沿って所定の長さを有する発光部が形成され、同発光部が境界に沿って所定の長さにわたって発光する。
【0008】
本発明の画像形成装置は、画像形成装置の正面部分で、胴内排出空間との境界に沿って所定の長さにわたって発光するため、離れた位置からでも発光の有無を視認しやすく、この発光部によって画像形成装置の状態を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】画像形成装置の主要構成を示す模式図である。
【
図3】変形例にかかる画像形成装置の外観の斜視図である。
【
図4】変形例にかかる画像形成装置の外観の斜視図である。
【
図6】変形例にかかる画像形成装置の外観の斜視図である。
【
図7】変形例にかかる発光部の発光状態を示す模式図である。
【
図8】変形例にかかる画像形成装置の外観の斜視図である。
【
図10】変形例にかかる同画像形成装置の一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、画像形成装置の外観を斜視図により示している。
同図において、画像形成装置10は、平面視で概略矩形形状となる略角柱形状の筺体11を有する本体12を備えている。この本体12内には、前記筺体11の上部に位置される原稿載置台13a上に載置した原稿を読み取る画像読取部13と、この画像読取部13の下方に配置されて同画像読取部13で読み取られた画像を所定のシート上に形成する画像形成部14と、この画像形成部14で画像が形成された前記シートを排出する排出部15と、この排出部15から排出される前記シートを載置する排出トレイ16とを備えている。なお、この実施例では、画像読取部13の一部としてADF13bが装着されており、ADF13bは原稿載置台13aの上に配置されている。
【0011】
ADF13bは中央から右方上方に向けて緩やかに傾斜する原稿給紙台13b1を備えられており、左方には原稿給紙台13b1上の原稿を引き込んで下方に向けて180度反転し、原稿載置台13aの左端上面を通過させた後、原稿給紙台13b1の下の原稿排出トレイ13b2上に排出する機構部13b3が備えられている。ADF13bは、機構部13b3を含む全体として明色系の白色に着色されているが、原稿給紙台13b1と原稿排出トレイ13b2の部分は暗色系の濃灰色に着色されている。原稿が概ね白色の用紙であり、暗色系の原稿給紙台13b1と原稿排出トレイ13b2上において原稿を識別しやすい。
【0012】
本体12の筺体11の内側には、前記画像読取部13の下に位置して前方と左方に開口する胴内排出空間17が形成されている。また、この胴内排出空間17を除くと本体12は、胴内排出空間17の後方と右方とにおいて上下方向に連続する筺体11を有している。筺体11は全体として明色系の白色で着色されており、胴内排出空間17を形成する壁面17aは概ね暗色系の濃灰色で着色されている。
【0013】
本体12内における胴内排出空間17の下方と右方には、画像形成部14が収容されているので、前記胴内排出空間17は本体12における前記画像読取部13と前記画像形成部14との間に形成されていることになる。このように、前記胴内排出空間17は本体12における前記画像読取部13と前記画像形成部14との間に形成されているが、前記画像読取部13と前記画像形成部14との間で後方と右方に胴内排出空間17が存在しない部分があっても構わない。
【0014】
図2は、画像形成装置の主要構成を模式図により示している。
同図は、前記胴内排出空間17の部分から下方の部位を示しており、胴内排出空間17の底面は排出トレイ16が形成されている。排出トレイ16は左上がり右下がりの傾斜面となるように形成されている。上述したように胴内排出空間17を形成する壁面17aは概ね暗色系の濃灰色で着色されており、壁面17aのうちの上部壁面17a1(天井の部位)は水平に形成され、右方壁面17a2は鉛直に形成され、下部壁面17a3(底の部位)は左上がり右下がりの傾斜面となっている。なお、本体12における胴内排出空間17の右方の部位には、前方に突き出るように操作パネル(操作ユニットとも呼ぶ)12aが突出して形成されている。操作パネル12aは背面側は明色系の白色に着色され、操作部位となる上面はタッチパネルがほぼ全面に配置され、周囲のベゼル部分は暗色系の黒色に着色されている。
【0015】
胴内排出空間17の右方は排出部15の排紙口15aが形成されており、同排出部15は胴内排出空間17の下方に配置される画像形成部14で画像を形成されたシートを同排紙口15aを介して前記排出トレイ16に排出する。
排出部15は、搬送ベルトやローラーなどからなる搬送ユニット18の一部を構成しており、搬送ユニット18は本体12の下部に配置される数段の用紙カセット19の用紙を画像形成部14に搬送し、画像が形成された用紙を排紙する。このように搬送ユニット18は、一部において用紙カセット19から用紙を引き出し、画像形成部14において用紙を搬送し、排出部15において用紙を排出する機構となっている。本実施例においては、搬送ユニット18が、搬送の全てを担っているが、各段階で個別に機能する機構としても良い。
【0016】
本画像形成装置10では、本体12の内部の右側部分で用紙の搬送を行い、その過程でインクジェット方式の画像形成部14が用紙上に画像を形成するようにしており、胴内排出空間17の下方における画像形成部14の左方にスペースが空く。このスペースに本画像形成装置10の消耗品装着部20が備えられている。消耗品装着部20は、上方にインクカートリッジ21が収容され、その下方にインク供給ユニット22が配置され、その近傍に廃液ボックス23が配置されている。インクカートリッジ21に収容される所定のカラーインクは、インク供給ユニット22を経て画像形成部14のヘッドに供給されて画像を形成するのに使用される。また、所定のタイミングで実施されるヘッドクリーニングの際に排出される廃液は廃液ボックス23にて回収される。なお、インクカートリッジ21とインク供給ユニット22は全体としてインク供給部と呼び、廃液ボックス23は廃液収容部とも呼ぶ。なお、筺体11内には、制御部12bが備えられており、操作パネル12aの表示や操作入力を制御し、同操作に対応して各部を制御する。
【0017】
図1を参照すると、前記胴内排出空間17を形成する上部壁面17a1と右方壁面17a2と下部壁面17a3は、筺体11の正面壁面と接する境界を有している。なお、右方壁面17a2と下部壁面17a3が筺体11の正面壁面と接する境界は円弧を描くように形成されている。
ここで、下部壁面17a3の前端部には発光部30が形成されている。具体的には内部に白色系の発光色を発光するLEDが直線状に配置されると共に、その上面を青色系のプレートで被覆することで青色系の光で拡散可能としてある。発光部30は、左上がり右下がりとなっている下部壁面17a3の左端から円弧を描き始める右端までほぼ直線状に形成されている。すなわち、ほぼ下部壁面17a3の前端の長さにわたって直線状に形成されている。発光部30の発光状態である点灯方法は、制御部12bが本画像形成装置10の状態に基づいて適宜制御する。
【0018】
このように、胴内排出空間17は、画像形成装置10の正面側が開口しており、胴内排出空間17と筺体11との境界に沿って所定の長さを有する発光部30が形成されている。発光部30は画像形成装置10の正面部分で、胴内排出空間17との境界に沿って所定の長さにわたって発光するため、外装の一部がライン状に発光することになり、離れた位置からでも発光の有無を視認しやすく、この発光部30によって画像形成装置10の状態を表示することができる。また、点灯時には青色系の光が発光して拡散される。暗色系に着色された部位と明色系で着色された部位の境界において青色系の光が発光するので、発光を際だたせ、視認性が向上する結果、遠く離れた位置からでも容易に視認できる。
【0019】
画像形成装置10の状態の一例として、画像形成が完了してシートが排出された状態を示したり、一連のプリントジョブの間はゆっくり点滅し、プリントジョブが完了したら点灯を継続して点灯させ、エラーが生じたら早い点滅を繰り返す。むろん、これらは一例に過ぎず、他の態様による点灯の制御も可能である。
本実施例においては、発光部30は胴内排出空間17と筺体11との境界部分に形成しているだけであるが、これに加えて操作パネル12aの下部を発行させるようにしても良い。この場合、操作パネル12aは、筺体11における画像読取部13の前面側の領域の前方側にて突き出る板状の操作ユニットであり、発光部30に加えて操作パネル12aの下部にて発光する副発光部31を有している。副発光部31は、視認しやすい位置に配設されるので、視認しやすくなる。
前記実施例の画像形成装置10は、下部に一段の用紙カセット19が備えられており、オフィスにおいてテーブルなどに置かれたときに作業しやすい高さとなっている。むろん、本実施例はこのような構成に限られない。
【0020】
図3は、変形例にかかる画像形成装置の外観の斜視図である。
この変形例にかかる画像形成装置110も、前記実施例の画像形成装置10よりも高さ方向に長い略角柱形状の筺体111を有する本体112を備え、上部に位置される画像読取部113と、この画像読取部113の下方に配置されて同画像読取部113で読み取られた画像を所定のシート上に形成する画像形成部114と、この画像形成部114で画像が形成された前記シートを排出する排出部115と、この排出部115から排出される前記シートを載置する排出トレイ116とを備えている。また、下段には四段の用紙カセット119が備えられており、いわゆるオフィスの床に設置されたときに作業しやすい高さとなっている。
【0021】
本実施例においても本体112の筺体111は、前記画像読取部113の下に位置して前方と左方に開口する胴内排出空間117が形成され、胴内排出空間117を形成する壁面117aは概ね暗色系の濃灰色で着色されている。また、胴内排出空間117を形成する壁面117aは、水平に形成された上部壁面117a1と、鉛直に形成された右方壁面117a2と、左上がり右下がりの傾斜面として形成された下部壁面117a3を備えている。
【0022】
先の実施例においては、下部壁面17a3の前端に発光部30が形成されていたが、本実施例においては、鉛直に形成された右方壁面117a2と、筺体111の正面壁面との境界に、発光部120が形成されている。具体的には、鉛直に形成された右方壁面117a2の上端から円弧を描き始める下端までほぼ直線状に形成されている。すなわち、ほぼ右方壁面117a2の前端の長さにわたって直線状に形成されている。発光部120の発光状態は、図示しない制御部が本画像形成装置110の状態に基づいて適宜制御する。
【0023】
発光部120では、内部に白色系の発光色を発光するLEDが直線状に配置されると共に、その上面を青色系のプレートで被覆することで青色系の光で拡散可能としてある。
このように、胴内排出空間117は、画像形成装置110の正面側が開口しており、胴内排出空間117と筺体111との境界に沿って所定の長さを有する発光部120が形成されている。発光部120は画像形成装置10の正面部分で、胴内排出空間117との境界に沿って所定の長さにわたって発光するため、離れた位置からでも発光の有無を視認しやすく、この発光部120によって画像形成装置110の状態を表示することができる。また、点灯時には青色系の光が発光して拡散される。
【0024】
本実施例においては、発光部120が鉛直方向に長く形成されており、遠くからでも障害物によって見えなくなることが少ない。なお、本実施例においては、右方壁面117a2の前端に発光部120が配置され、先の実施例においては、下部壁面17a3の前端に発光部30が形成されていたが、右方壁面117a2と下部壁面117a3の両方の前端に発光部130を形成しても良い。この場合、両者が接続する円弧の部分にも配置しても良い。発光部130が長く形成されることで、視認性が向上する。
【0025】
前記実施例の画像形成装置10,110は、発光部30,130では、内部に白色系の発光色を発光するLEDが直線状に配置されると共に、その上面を青色系のプレートで被覆してい青色系の光を拡散可能としているが、発光部はこのような構成に限られない。
図4は、変形例にかかる画像形成装置の外観の斜視図であり、
図5は、同画像形成装置の一部断面図である。
【0026】
本実施例の画像形成装置210においては、筺体211の下部前面に手前側に開口可能な扉211aが形成されている。この扉211aは右端を回転軸心として左端側が手前に回動して開閉可能である。開閉させるときに同扉211aを引き出すため、扉211aの上端には、
図5に示すように、上方に開口する概略U字型とした凹み211a1を形成してある。凹み211a1は、手前側の壁面で筺体211の前面と形成する手前側壁材211a1aと、手前側壁材211a1aの上端からやや下がった位置から奥側に向けて延設される底壁材211a1bと、底壁材211a1bを介して連結されて画像形成装置210の奥側にオフセットされた位置から上方に延設された奥側壁材211a1cとから形成されている。凹み211a1を段差部と呼ぶことにする。この段差部では、手前側壁材211a1aが奥側壁材211a1cよりも低いので、指先を入れて手前側壁材211a1aの上端に指をかけ、手前に引き出すことで扉211aを開くことができる。
【0027】
手前側壁材211a1aの奥側の壁面、すなわち、筺体211の正面側とはならない側の面には発光部230が形成されている。発光部230は、白色系の発光色を発光するLED230a1の上面を青色系のプレート230a2で被覆した直線状の発光素子230aで形成されている。
扉211aの上端は、胴内排出空間217を形成する下部壁面217a3と境界を接しており、概ね水平方向に直線状に形成されている。このため、発光部230は、胴内排出空間217と、筺体211の前面を形成する扉211aとの境界に沿って所定の長さを有する形状となっている。
【0028】
また、
図6は、変形例にかかる画像形成装置の外観の斜視図である。
図4に示す画像形成装置210では、発光部230が胴内排出空間217を形成する下部壁面217a3の前端との境界に配設されているのに対して、
図6に示す画像形成装置310では、発光部330が胴内排出空間317を形成する右方壁面317a2の前端との境界に配設されている点で相違する。
【0029】
画像形成装置210では、発光部230が手前側壁材211a1aの裏側から奥側壁材211a1cの正面側を照らすようにしており、間接照明となる。従って、明るくしても目に優しいという効果を得られる。画像形成装置310においても同様の効果を得られることは言うまでもない。
これまでの実施例では、発光部が点灯するか、消滅するかのいずれかだけであったが、本発明はこれに限られない。
【0030】
図7は、変形例にかかる発光部の発光状態を示す模式図である。
同図に示す発光部430では、4つの発光素子421~424を備えており、個別に点灯と消滅の状態を選択することができる。同図a~eに示すように、全部の消灯状態を基本状態として、左の発光素子421から右に向けて順次発光素子422~424が点灯していくようにすることができる。発光状態の変化は図示しない制御部が実施する。
このようにして順番に一つずつ点灯していくようにすると、あたかも排紙中であることを伝えることができるし、遠くからでもこの画像形成装置の動作を認識することができる。
【0031】
図8は、変形例にかかる画像形成装置の外観の斜視図であり、
図9は、同画像形成装置の一部断面図である。
この実施例では、画像読取部513の一部としてADF513bが装着されており、ADF513bは原稿載置台513aの上に配置されている。ADF513bは中央から右方上方に向けて緩やかに傾斜する原稿給紙台513b1を備えられており、左方には機構部513b3が備えられ、原稿給紙台513b1の下には原稿排出トレイ513b2が備えられている。
【0032】
ADF513bの上端は、概略矩形形状であるが、原稿給紙台513b1と原稿排出トレイ13b2の部位を除いて明色系に着色されている。原稿給紙台513b1と原稿排出トレイ13b2の部位を除くことで、ADF513bの上面は略L字形に形成される。そして、このL字型部分の外周縁の角部分に青色に発光する発光部530が形成されている。
【0033】
発光部530の断面は、
図9に示すものはL字型に形成されており、
図10に示すものは台形状に形成されている。L字形とすることで、少なくとも二面から発光することができる。台形としたものは底面を除く三面から発光することができる。いずれの発光部530も上方及び周縁方向に青色の光を照射する。
このように、ADF513bを含む画像読取部513は、筺体511の最上の位置に配置されており、画像読取部513の一部であるADF513bの上部の縁部には、所定の長さを有する発光部530が形成されている。ADF513bの上面は画像形成装置510における最も高い位置に配置されているので、オフィス内で障害物に邪魔されることなく視認でき、その発光状態によって、画像形成装置510の状態を遠方からでも認識しやすくなる。
【0034】
なお、本発明は前記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・前記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・前記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって前記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・前記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が前記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
【符号の説明】
【0035】
10…画像形成装置、11…筺体、12…本体、12a…操作パネル、12b…制御部、13…画像読取部、13a…原稿載置台、13b…ADF、13b1…原稿給紙台、13b2…原稿排出トレイ、13b3…機構部、14…画像形成部、15…排出部、15a…排紙口、16…排出トレイ、17…胴内排出空間、17a…壁面、17a1…上部壁面、17a2…右方壁面、17a3…下部壁面、18…搬送ユニット、19…用紙カセット、20…消耗品装着部、21…インクカートリッジ、22…インク供給ユニット、23…廃液ボックス、30…発光部、31…副発光部、110…画像形成装置、111…筺体、112…本体、113…画像読取部、114…画像形成部、115…排出部、116…排出トレイ、117…胴内排出空間、117a…壁面、117a1…上部壁面、117a2…右方壁面、117a3…下部壁面、119…用紙カセット、120…発光部、130…発光部、210…画像形成装置、211…筺体、211a…扉、211a1a…手前側壁材、211a1b…底壁材、211a1c…奥側壁材、217…胴内排出空間、217a3…下部壁面、230…発光部、230a…発光素子、230a1…LED、230a2…プレート、310…画像形成装置、317…胴内排出空間、317a2…右方壁面、330…発光部、421~424…発光素子、430…発光部、510…画像形成装置、511…筺体、513…画像読取部、513a…原稿載置台、513b…ADF、513b1…原稿給紙台、513b3…機構部、530…発光部。