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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-25
(45)【発行日】2025-03-05
(54)【発明の名称】電話システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/53 20060101AFI20250226BHJP
   H04Q 3/58 20060101ALI20250226BHJP
   H04L 51/21 20220101ALI20250226BHJP
【FI】
H04M3/53
H04Q3/58 101
H04L51/21
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021029997
(22)【出願日】2021-02-26
(65)【公開番号】P2022131185
(43)【公開日】2022-09-07
【審査請求日】2024-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】304014143
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 孝
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-092431(JP,A)
【文献】特開2009-182390(JP,A)
【文献】特開2008-067185(JP,A)
【文献】特開2008-092308(JP,A)
【文献】特開2012-227698(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L51/00-51/58
67/00-67/75
H04M1/00
1/24-3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
99/00
H04Q3/58-3/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
IP網に接続されたゲートウェイと、
通信回線を介して前記ゲートウェイに接続されて、前記IP網を介した音声通話を確立する電話端末とを備え、
前記ゲートウェイは、前記電話端末間でやり取りするメールを保存するためのメールボックスを有し、
前記電話端末は、利用者の取次メール送信操作に応じて、予め定型文として登録されている電話取次内容を含む、指定された取次先利用者宛てのメールを、前記ゲートウェイに送信し、前記ゲートウェイは、受信したメールのうち、予め設定したメールの重要度に応じてフィルタリングされた特定の受信メールを前記取次先利用者に対応する前記メールボックスに保存する
ことを特徴とする電話システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電話システムにおいて、
前記電話端末は、前記ゲートウェイのメールボックスにおける、自端末の利用者宛ての新着メールの到着状況を表示ランプで表示し、当該新着メールの到着表示中におけるメール確認キーの操作に応じて、前記ゲートウェイから取得された当該新着メールの内容を表示または音声出力すること
を特徴とする電話システム。
【請求項3】
請求項2に記載の電話システムにおいて、
前記通信回線を介して前記ゲートウェイおよび前記電話端末と接続されて、前記電話端末を呼制御することにより、前記電話端末による前記IP網を介した音声通話を確立する電話制御装置をさらに備え、
前記電話制御装置は、前記ゲートウェイから取得した前記新着メールの到着状況を、前記電話端末の前記表示ランプで表示するように指示し、前記電話端末における前記メール確認キーの操作に応じて、前記ゲートウェイから取得した当該新着メールの内容を当該電話端末に通知すること
を特徴とする電話システム。
【請求項4】
IP網に接続されたゲートウェイと、
通信回線を介して前記ゲートウェイに接続されて、前記IP網を介した音声通話を確立する電話端末と、
前記通信回線を介して前記ゲートウェイおよび前記電話端末と接続されて、前記電話端末を呼制御することにより、前記電話端末による前記IP網を介した音声通話を確立する電話制御装置と
を備え、
前記ゲートウェイは、前記電話端末間でやり取りするメールを保存するためのメールボックスを有し、
前記電話制御装置は、前記電話端末における利用者の取次メール送信操作に応じて、予め定型文として登録されている電話取次内容を含む、指定された取次先利用者宛てのメールを送信し、前記ゲートウェイは、受信したメールのうち、予め設定したメールの重要度に応じてフィルタリングされた特定の受信メールを前記取次先利用者に対応する前記メールボックスに保存する
ことを特徴とする電話システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話システムの電話端末間で、メールやり取りするためのメール処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の電話端末を電話網に交換接続するビジネスホンシステムやPBXシステムなどの電話システムには、電子メールシステムと連携することにより、付加価値のある電話サービスを利用者に提供するメール処理技術が提案されている(例えば、特許文献1など参照)。
このようなメール制御技術では、予め設定されている利用者のメールアカウントに基づいて、電話システムが定期的にメールサーバへアクセスし、当該利用者への新着メールがメールサーバに蓄積されている場合には、当該利用者の電話端末により、新着メールの到着、さらには、新着メール数を通知するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平5-241556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来技術のような、新着メールの到着を電話端末の表示ランプを用いて通知する方式によれば、利用者がメールサーバへアクセスして受信メールを確認しなくても、利用者は新着メールが届いていることを、電話端末ですぐに確認ことができる。しかしながら、メールを送信する時には、依然として従来のように利用者が電話端末10とは別のPCやスマートホンでメーラーを起動して、例えば、電話取次内容を示す取次メールを作成したり、共有しておきたいメールを転送したりする必要があり、メールの作成や転送時における作業負担は軽減されないという問題点があった。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、少ない作業負担でメールの作成や転送を容易に行うことができるメール処理技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するために、本発明にかかる電話システムは、IP網に接続されたゲートウェイと、通信回線を介して前記ゲートウェイに接続されて、前記IP網を介した音声通話を確立する電話端末とを備え、前記ゲートウェイは、前記電話端末間でやり取りするメールを保存するためのメールボックスを有し、前記電話端末は、利用者の取次メール送信操作に応じて、予め定型文として登録されている電話取次内容を含む、指定された取次先利用者宛てのメールを、前記ゲートウェイに送信し、前記ゲートウェイは、受信したメールのうち、予め設定したメールの重要度に応じてフィルタリングされた特定の受信メールを前記取次先利用者に対応する前記メールボックスに保存するように構成したものである。
【0007】
また、本発明にかかる上記電話システムの一構成例は、前記電話端末は、前記ゲートウェイのメールボックスにおける、自端末の利用者宛ての新着メールの到着状況を表示ランプで表示し、当該新着メールの到着表示中におけるメール確認キーの操作に応じて、前記ゲートウェイから取得された当該新着メールの内容を表示または音声出力するように構成したものである。
【0008】
また、本発明にかかる上記電話システムの一構成例は、前記通信回線を介して前記ゲートウェイおよび前記電話端末と接続されて、前記電話端末を呼制御することにより、前記電話端末による前記IP網を介した音声通話を確立する電話制御装置をさらに備え、前記電話制御装置は、前記ゲートウェイから取得した前記新着メールの到着状況を、前記電話端末の前記表示ランプで表示するように指示し、前記電話端末における前記メール確認キーの操作に応じて、前記ゲートウェイから取得した当該新着メールの内容を当該電話端末に通知するように構成したものである。
【0009】
このような目的を達成するために、本発明にかかる電話システムは、IP網に接続されたゲートウェイと、通信回線を介して前記ゲートウェイに接続されて、前記IP網を介した音声通話を確立する電話端末と、前記通信回線を介して前記ゲートウェイおよび前記電話端末と接続されて、前記電話端末を呼制御することにより、前記電話端末による前記IP網を介した音声通話を確立する電話制御装置とを備え、前記ゲートウェイは、前記電話端末間でやり取りするメールを保存するためのメールボックスを有し、前記電話制御装置は、前記電話端末における利用者の取次メール送信操作に応じて、予め定型文として登録されている電話取次内容を含む、指定された取次先利用者宛てのメールを送信し、前記ゲートウェイは、受信したメールのうち、予め設定したメールの重要度に応じてフィルタリングされた特定の受信メールを前記取次先利用者に対応する前記メールボックスに保存するように構成したものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電話端末に到着が通知された新着メールの内容を、少ない作業負担で容易に閲覧することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施の形態にかかる電話システムの構成を示すブロック図である。
図2】第1の実施の形態にかかる電話システムのメール処理動作を示すシーケンス図である。
図3】第2の実施の形態にかかる電話システムのメール処理動作を示すシーケンス図である。
図4】第3の実施の形態にかかる電話システムの構成を示すブロック図である。
図5】第3の実施の形態にかかる電話システムのメール処理動作を示すシーケンス図である。
図6】第3の実施の形態にかかる電話システムのメール処理動作の他の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる電話システム1について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる電話システムの構成を示すブロック図である。
この電話システム1は、全体としてビジネスホンシステムやPBXシステムなどの電話システムからなり、ゲートウェイ30を介してインターネットなどのIP網(IP電話網)NWに、複数の電話端末10を交換接続することにより、利用者に対して各種の電話サービスを提供するシステムである。
【0013】
[電話システム]
図1に示すように、本実施の形態にかかる電話システム1は、主な構成として、複数の電話端末10とゲートウェイ30を備えている。
【0014】
[ゲートウェイ]
ゲートウェイ30は、全体としてVoIPゲートウェイからなり、通信回線L2を介してIP網NWと接続し、通信回線L1を介して接続された電話端末10を、IP網NWに中継接続するように構成されている。
また、ゲートウェイ30は、予め設定されている各電話端末10の利用者のメールアカウントに基づいて、IP網NWに接続されているメールサーバ40に定期的にアクセスし、各利用者宛ての電子メールを自動受信して、当該利用者に対応するメールボックスに保存するように構成されている。また、ゲートウェイ30は、電話端末10間でやり取りするメールをメールボックスに保存するように構成されている。
【0015】
この際、ゲートウェイ30は、保存対象となるメールについては、メールの重要度に応じた予めフィルタを設定して、当該利用者宛てのメールのうち、フィルタを通過した特定のメールのみ保存するようにしてもよい。これにより、電話端末10で通知される新着メールを重要度の高いものだけに絞り込むことができ、メール確認作業に要する利用者負担を軽減できるとともに、ゲートウェイ30のメモリリソースを節約できる。メールの重要度に応じたフィルタは、例えば、送信元アドレス、メールの件名、メールの本文に含まれる特定のキーワード等に応じて新着メールをフィルタリングするように予め設定することができる。
【0016】
[電話端末]
電話端末10は、全体としてIP電話端末からなり、ゲートウェイ30を介してIP網NWに接続された呼制御サーバ50との間で呼制御メッセージをやり取りすることにより、VoIP(Voice over Internet Protocol)技術に基づいて、IP網NWを介した音声通話を確立するように構成されている。
また、電話端末10は、ゲートウェイ30に定期的にアクセスして、予め設定されている自端末の利用者と対応するメールボックスを参照し、新着メールの到着を確認するように構成されている。この際、メールボックスの参照については、IMAP(Internet Message Access Protocol)などの一般的なメールプロトコルを利用すればよい。
【0017】
また、電話端末10は、図1に示すように、LEDなどの表示素子からなる表示ランプ12、メール確認キー11、およびLCDなどの画面表示装置からなる画面表示部13を備え、表示ランプ12の表示状態を制御することにより新着メールの到着状況を利用者に通知し、到着表示中におけるメール確認キー11の押下に応じて新着メールをゲートウェイ30から取得し、画面表示部13で新着メールの内容を表示し、あるいは、新着メールの内容を音声に変換して受話器あるいはスピーカで音声出力するように構成されている。
【0018】
したがって、利用者は、メール確認キー11を押下するという極めて簡素な操作で、到着通知された新着メールを電話端末10で確認できることになる。なお、一般的な電話端末10では、発着信を行う回線キーに回線ランプが設けられており、表示ランプ12およびメール確認キー11を、これら回線ランプおよび回線キーで構成してもよい。また、予め用意されている機能を割り当てられる機能キーとその機能キーに設けられている表示ランプで、メール確認キー11および表示ランプ12を構成してもよい。
【0019】
これにより、表示ランプ12およびメール確認キー11を、これら回線ランプおよび回線キーで構成した場合には、音声通話の着信および応答と、新着メールの到着および内容確認とを、共通の回線ランプおよび回線キーで、利用者とのインターフェースに用いることができる。したがって、利用者は違和感なく新着メールの到着および内容確認に関するサービスを利用することができる。また、新着メールの到着および内容確認のための表示ランプや操作キーを新たな追加する必要がなくなり、既存の電話端末に対してソフトウェアの変更だけで導入することができる。
【0020】
また、電話端末10は、利用者による取次メール送信操作に応じて、予め定型文として登録されている電話取次内容を含む、指定された取次先利用者宛てのメールを、ゲートウェイ30のメールボックスに保存するように構成されている。例えば、IP網NWからの着信に利用者が応答した後、担当者へその電話を取り次ぐ場合、担当者が不在で取り次げない場合がある。このような場合は、担当者不在の旨を発信側に通知して終話した後、取次メール送信操作を行うことにより、一連の電話取次内容を示す取次メールが自動生成されて、ゲートウェイ30を介して指定した取次先利用者へ送信されることになる。
【0021】
この際、取次メールは、予め登録されている、例えば、「XX様(090-aaaa-bbbb)へ折り返しの電話を願いします」という定型文を用いて自動生成される。折り返し先の名前や電話番号や、取次先担当者のメールアドレスについては、利用者が取次メールを送信する際、操作入力してもよく、予め登録されている電話帳を参照して指定するように構成してもよい。
【0022】
また、取次メール送信操作は、これに応じた操作キーを別途設けてもよいが、電話端末10の既存操作キーを利用してもよい。例えば、前述した既存の機能キーや回線キーを取次メール送信操作キーとして用いてもよい。特に、これら機能キーや回線キーに利用者が割り当てられている場合、その利用者を取次先として用いてもよい。これにより、利用者による取次先の指定操作を省くことができる。
【0023】
[第1の実施の形態の動作]
次に、図2を参照して、本実施の形態にかかる電話システム1の動作について説明する。図2は、第1の実施の形態にかかる電話システムのメール処理動作を示すシーケンス図である。ここでは、電話端末10Aから電話端末10Bへ取次メールを送信する場合を例として説明する。
【0024】
図2に示すように、電話端末10Aは、例えば、IP網NWからの着信に利用者が応答した後(ステップS100)、担当者へその電話を取り次ぐ場合、担当者が不在で取り次げない場合がある。このような場合、利用者は、担当者不在の旨を発信側に通知して終話した後(ステップS101)、取次メール送信操作を行う(ステップS102)。
これにより、電話端末10Aで、取次メールが自動生成されて(ステップS103)、ゲートウェイ30に送信され(ステップS104)、ゲートウェイ30の当該担当者と対応するメールボックスに保存される(ステップS105)。
【0025】
電話端末10Aは、利用者の取次メール送信操作に応じて、定型文を用いた取次メールを自動生成する。この際、取次メールは、予め登録されている、例えば、「XX様(090-aaaa-bbbb)へ折り返しの電話を願いします」という定型文を用いて自動生成される。折り返し先の名前や電話番号については、利用者が取次メールを送信する際、操作入力してもよく、予め登録されている電話帳を参照して指定するように構成してもよい。
【0026】
この後、電話端末10Bは、時刻T2にメール確認タイミングが到来した場合、ゲートウェイ30に、予め設定されている自端末の利用者と対応するメールボックスに関するメール確認要求を通知する(ステップS110)。
ゲートウェイ30は、電話端末10Bからのメール確認要求に応じて、指定されたメールボックスで新着メールを確認し、新着メールが到着している場合、新着メールありを示すメール確認応答を返送する(ステップS111)。
【0027】
電話端末10Bは、ゲートウェイ30から新着メールありを示すメール確認応答が返送された場合、表示ランプ12を例えば点滅表示することにより利用者に新着メールの到着を通知する(ステップS112)。
これにより、新着メールの到着を確認した利用者が、電話端末10のメール確認キー11を押下した場合(ステップS113)、電話端末10は、ゲートウェイ30に、対応するメールボックスに関するメール取得要求を通知する(ステップS114)。
【0028】
ゲートウェイ30は、電話端末10からのメール取得要求に応じて、指定されたメールボックスから新着メールを取得し、当該新着メールを含むメール取得応答を返送する(ステップS115)。
電話端末10は、ゲートウェイ30から返送されたメール取得応答から新着メールを抽出し、画面表示部13で当該新着メールの内容を表示し、あるいは、当該新着メールの内容を音声に変換して受話器あるいはスピーカで音声出力する(ステップS116)。
【0029】
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、ゲートウェイ30が、電話端末10間でやり取りするメールを保存するためのメールボックスを有し、電話端末10が、利用者の取次メール送信操作に応じて、予め定型文として登録されている電話取次内容を含む、指定された取次先利用者宛てのメールを、ゲートウェイ30のメールボックスに保存するように構成したものである。
これにより、取次メール送信操作という極めて簡単な操作で、取次メールが自動生成されて、指定された取次先利用者へ送信される。このため、電話端末10とは別のPCやスマートホンでメーラーを起動して取次メールを作成して送信する必要がなくなり、少ない作業負担で取次メールを容易に作成でき、電話の取次作業に要する作業負担を大幅に削減できる。
【0030】
また、本実施の形態において、電話端末10が、ゲートウェイ30のメールボックスにおける、自端末の利用者宛ての新着メールの到着状況を表示ランプ12で表示し、当該新着メールの到着表示中におけるメール確認キー11の操作に応じて、ゲートウェイ30から当該新着メールを取得して表示または音声出力するように構成してもよい。
これにより、利用者は、電話端末10で表示ランプ12により新着メールありが表示されている際に、メール確認キー11を操作するだけで、その新着メールの内容が、操作した電話端末10で表示または音声出力されることになる。
【0031】
したがって、利用者は、新着メールありが表示されている電話端末10とは別のPCやスマートホンでメーラーを起動してゲートウェイ30にアクセスし、新着メールを検索してその内容を確認する必要はない。
新着メールありが表示されている電話端末10でメール確認キー11を押下するという極めて簡素な操作で、到着通知された新着メールを電話端末10で確認できることになる。このため、電話端末10に到着が通知された新着メールの内容を、極めて少ない作業負担で容易に閲覧することが可能となる。
【0032】
また、メールサーバ40によって、使用するメールプロトコルが異なるが、ゲートウェイ30が一般的に備えている公知の自動メール取得機能は、各種のプロトコルに対応することができる。したがって、このようなゲートウェイ30の自動メール取得機能を利用することにより、電話端末10がこれらプロトコルの相違に対応する必要がなくなり、電話端末10のソフトウェアを簡素化することが可能となる。
【0033】
また、ゲートウェイ30における新着メールの到着有無を、電話端末10から定期的に確認するようにしたので、ゲートウェイ30が用いるメールプロトコルが一般的なものであっても、本発明を実現することができる。なお、ゲートウェイ30が用いるメールプロトコルがIMAPなどのように、新着メールの到着を、逐次、プッシュ通知で通知するプロトコルである場合、例えば、図2のステップS110を省くことができ、電話端末10の処理負担を削減できる。
【0034】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態にかかる電話システム1について説明する。
図2では、電話端末10間で取次メールをやり取りする場合を例として説明した。本実施の形態では、閲覧しているメールを他の電話端末10へ転送する場合を例として説明する。
【0035】
本実施の形態において、電話端末10は、ゲートウェイ30のメールボックスにおける、自端末の利用者宛ての新着メールの到着状況を表示ランプ12で表示し、当該新着メールの到着表示中におけるメール確認キー11の操作に応じて、ゲートウェイ30から当該新着メールを取得して表示または音声出力し、表示中または音声出力中におけるメール転送操作に応じて、利用者により入力された内容を含む、指定された相手先宛ての転送メールを、ゲートウェイ30のメールボックスに保存するように構成されている。
【0036】
メール転送操作については、メール確認キー11の操作で実現してもよい。メール確認キー11は、新着メールを取得して表示する際に用いられるが、この操作は、メールを表示していない場合に行われるものであり、メールを表示している際には行われない。したがってメールを表示している際に、メール確認キー11が操作された場合には、メール転送操作として判定すればよい。これにより、新たな操作キーを電話端末10に追加する必要がなくなり、既存の電話端末に対してソフトウェアの変更だけで、本実施の形態を実施することができる。
本実施の形態にかかるその他の構成については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0037】
[第2の実施形態の動作]
次に、図3を参照して、本実施の形態にかかる電話システム1の動作について説明する。図3は、第2の実施の形態にかかる電話システムのメール処理動作を示すシーケンス図である。ここでは、電話端末10Aから電話端末10Bへ転送メールを送信する場合を例として説明する。
【0038】
図3に示すように、電話端末10Aにおいて、例えば、ゲートウェイ30から取得したメールを表示または音声出力している際(ステップS200)、利用者がメール転送操作を行った場合(ステップS201)、電話端末10Aは、利用者の転送先入力操作により、表示中のメールの転送先を取得し(ステップS202)、表示中のメールの内容を含む、当該転送先宛ての転送メールを自動生成し(ステップS203)、ゲートウェイ30へ送信する(ステップS204)。
【0039】
ゲートウェイ30は、電話端末10Aからの転送メールを受信して、転送先と対応するメールボックスに保存する(ステップS205)。
これにより、前述の図2で説明したステップS100~S118が実行されて、転送先である電話端末10Bで転送メールが表示または音声出力されることになる。
【0040】
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、電話端末10が、ゲートウェイ30のメールボックスにおける、自端末の利用者宛ての新着メールの到着状況を表示ランプ12で表示し、当該新着メールの到着表示中におけるメール確認キー11の操作に応じて、ゲートウェイ30から当該新着メールを取得して表示または音声出力し、表示中または音声出力中におけるメール送信操作に応じて、利用者により入力された内容を含む、指定された相手先宛てのメールを、ゲートウェイ30のメールボックスに保存するように構成したものである。
【0041】
これにより、メール表示中におけるメール転送操作という極めて簡単な操作で、表示中のメール内容を含む転送メールが自動生成されて、指定された転送先利用者へ送信される。このため、電話端末10とは別のPCやスマートホンでメーラーを起動して取次メールを作成して送信する必要がなくなり、少ない作業負担でメールを容易に転送でき、メール転送作業に要する作業負担を大幅に削減できる。
【0042】
[第3の実施の形態]
次に、図4を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかる電話システム1について説明する。図4は、第2の実施の形態にかかる電話システムの構成を示すブロック図である。
【0043】
図1では、IP網NWに接続されている呼制御サーバ50が、IP網NWおよびゲートウェイ30を介して各電話端末10の呼制御を行う場合を例として説明したが、これに限定されるものではない。本実施の形態では、電話システム1に電話制御装置20を設けて、各電話端末10の呼制御を電話制御装置20で行う構成について説明する。
【0044】
[電話制御装置]
電話制御装置20は、全体として呼制御を行うサーバ装置からなり、例えばSIP(Session Initiation Protocol)などの呼制御プロトコルに基づいて、ゲートウェイ30を介してIP網NWとの間で呼制御メッセージをやり取りするとともに、通信回線L1を介して電話端末10との間で呼制御メッセージをやり取りすることにより、各電話端末10をIP網NWに交換接続するように構成されている。
【0045】
本実施の形態では、電話制御装置20が、通信回線L1を介してゲートウェイ30に定期的にアクセスして、ゲートウェイ30との間でメール処理動作を行うように構成されている。したがって、これにより、電話端末10BがIP電話端末ではない、専用の内線電話端末(ボタン電話機)である場合であっても、前述した第1の実施の形態のメール処理動作を本実施の形態でも同様に実行することができ、同様の作用効果を得ることができる。
【0046】
図5は、第2の実施の形態にかかる電話システムのメール処理動作を示すシーケンス図である。本実施の形態では、電話制御装置20が備えられているため、図2におけるゲートウェイ30との間のメール確認、メール取得の処理は、電話制御装置20とゲートウェイ30との間で実行され(ステップS310、S311、S316、S317)、電話端末10の表示ランプ点滅は、電話制御装置20の指示に基づいて実行され、電話端末10では、電話制御装置20から通知された新着メールの内容が表示される(ステップS312、S313、S314、S315、S318、S319)。
【0047】
図6は、第3の実施の形態にかかる電話システムのメール処理動作の他の例を示すシーケンス図である。図5のシーケンスでは、電話端末10Aが取次メールの送信操作に応じて取次メールを作成して、ゲートウェイ30に送信したが、図6に示すように、電話端末10Aの取次メールの送信操作、例えば、操作キーの押下に応じて、電話制御装置20が、取次メールを作成して、ゲートウェイ30に送信するように構成してもよい。これにより、電話端末10AがIP電話端末ではない、専用の内線電話端末(ボタン電話機)である場合であっても、前述した第1の実施の形態のメール処理動作を本実施の形態でも同様に実行することができる。
【0048】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0049】
1…電話システム、10…電話端末、11…メール確認キー、12…表示ランプ、13…画面表示部、20…電話制御装置、30…ゲートウェイ、40…メールサーバ、50…呼制御サーバ、NW…IP網、L1,L2…通信回線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6