IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士ゼロックス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-情報処理装置およびプログラム 図1
  • 特許-情報処理装置およびプログラム 図2
  • 特許-情報処理装置およびプログラム 図3
  • 特許-情報処理装置およびプログラム 図4
  • 特許-情報処理装置およびプログラム 図5
  • 特許-情報処理装置およびプログラム 図6
  • 特許-情報処理装置およびプログラム 図7
  • 特許-情報処理装置およびプログラム 図8
  • 特許-情報処理装置およびプログラム 図9
  • 特許-情報処理装置およびプログラム 図10
  • 特許-情報処理装置およびプログラム 図11
  • 特許-情報処理装置およびプログラム 図12
  • 特許-情報処理装置およびプログラム 図13
  • 特許-情報処理装置およびプログラム 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-25
(45)【発行日】2025-03-05
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0482 20130101AFI20250226BHJP
【FI】
G06F3/0482
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021052800
(22)【出願日】2021-03-26
(65)【公開番号】P2022150268
(43)【公開日】2022-10-07
【審査請求日】2024-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】高橋 清志
(72)【発明者】
【氏名】桐川 翔太
(72)【発明者】
【氏名】谷崎 光祐
(72)【発明者】
【氏名】大石 訓子
(72)【発明者】
【氏名】小林 計英
【審査官】相川 俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-180638(JP,A)
【文献】特開2004-039032(JP,A)
【文献】特開2013-077312(JP,A)
【文献】特開2007-047324(JP,A)
【文献】特開2008-198011(JP,A)
【文献】特開2020-016686(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0482
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
ユーザの操作を受け付ける操作画面にて、ユーザの指示を受け付ける指示画像を表示し、
前記指示画像に係る情報を確認するための確認画像の表示を指示する操作がユーザによりなされた場合に、当該指示画像から前記操作画面の上下方向および左右方向の端までの距離により一の方向を定め、当該指示画像上の予め定められた特定領域から当該一の方向に当該確認画像を表示するように制御し、
前記操作画面上における前記特定領域の位置により、前記確認画像を表示する位置を定め、
前記一の方向と直交する方向における前記操作画面の端のうち、より前記特定領域までの距離が近い端に寄せて前記確認画像を表示する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
ユーザの操作を受け付ける操作画面にて、ユーザの指示を受け付ける指示画像を表示し、
前記指示画像に係る情報を確認するための確認画像の表示を指示する操作がユーザによりなされた場合に、当該指示画像から前記操作画面の上下方向および左右方向の端までの距離により一の方向を定め、当該指示画像上の予め定められた特定領域から当該一の方向に当該確認画像を表示するように制御し、
ユーザにより予め定められた操作が行われた場合に、前記確認画像の表示を維持する表示維持状態となるように制御し、
前記表示維持状態では、前記指示画像の位置の変更が行われた場合であっても、前記確認画像の大きさおよび位置を変更しないように制御する
ことを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、動画像の縮小画を一覧表示するよう制御する制御部と、表示された縮小画を選択する選択部とを有し、選択部により選択された縮小画に対応する動画像を一覧表示画面上に縮小画より大きいサイズで表示する場合、選択部により選択されている縮小画及びカーソル移動で選択可能な複数の縮小画の表示を妨げないように、制御部が動画像の表示位置を制御する、撮像装置について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許4595807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画面上に表示された画像に対し、その画像をユーザに確認させるための確認画像を表示させたい場合がある。確認画像としては、例えばサムネイル画像を拡大させた拡大サムネイル画像により、サムネイル画像に対応するファイルの内容をユーザに確認させるものが考えられる。また、別の確認画像としては、例えばアイコン画像に対応する文書の内容を表示する画像により、アイコン画像に対応する機能の内容等をユーザに確認させるものが考えられる。
これらの画像の確認画像を表示する際、例えばこれらの画像に対して常に同じ方向に確認画像を表示すると、画像の位置によっては、確認画像が表示される領域が小さくなり、ユーザの視認性が低下し、確認作業を行い難くなる場合が生じる。
本発明は、画像に対して常に同じ方向に確認画像を表示する場合と比較して、確認画像に対するユーザの視認性の低下を抑制する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、ユーザの操作を受け付ける操作画面にて、ユーザの指示を受け付ける指示画像を表示し、前記指示画像に係る情報を確認するための確認画像の表示を指示する操作がユーザによりなされた場合に、当該指示画像から前記操作画面の上下方向および左右方向の端までの距離により一の方向を定め、当該指示画像上の予め定められた特定領域から当該一の方向に当該確認画像を表示するように制御し、前記操作画面上における前記特定領域の位置により、前記確認画像を表示する位置を定め、前記一の方向と直交する方向における前記操作画面の端のうち、より前記特定領域までの距離が近い端に寄せて前記確認画像を表示することを特徴とする情報処理装置である。
請求項2に係る発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、ユーザの操作を受け付ける操作画面にて、ユーザの指示を受け付ける指示画像を表示し、前記指示画像に係る情報を確認するための確認画像の表示を指示する操作がユーザによりなされた場合に、当該指示画像から前記操作画面の上下方向および左右方向の端までの距離により一の方向を定め、当該指示画像上の予め定められた特定領域から当該一の方向に当該確認画像を表示するように制御し、ユーザにより予め定められた操作が行われた場合に、前記確認画像の表示を維持する表示維持状態となるように制御し、前記表示維持状態では、前記指示画像の位置の変更が行われた場合であっても、前記確認画像の大きさおよび位置を変更しないように制御することを特徴とする情報処理装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、画像に対して常に同じ方向に確認画像を表示する場合と比較して、確認画像に対するユーザの視認性の低下を抑制する。
請求項2の発明によれば、指示画像の位置を変更すると確認画像を表示する方向が変更される場合に比較して、画面の表示が煩雑になることを抑制する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施の形態が適用される画像表示装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2】操作画面の一例を示す図である。
図3】画像表示装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4】確認画像を表示する処理手順の例を示すフローチャートである。
図5】操作画面400の表示の一例を示す図であり、図5(A)は文書アイコンが指定される前の状態、図5(B)は表示指示ボタンが指定された状態を示している。
図6】確認画像を表示する大きさを決定する手順について説明するための図であり、図6(A)は特定領域に対し右方向に表示領域を確保する場合の例、図6(B)は特定領域に対し下方向に表示領域を確保する場合の例である。
図7】確認画像に対し一の方向と平行な方向に余白が生じる場合に、確認画像を表示する位置を決定する手順について説明するための図であり、図7(A)は一の方向が右方向であって確認画像の左右方向に余白が生じる場合の例、図7(B)は一の方向が下方向であって確認画像の上下方向に余白が生じる場合の例である。
図8】確認画像に対し一の方向と直交する方向に余白が生じる場合に、確認画像を表示する位置を決定する手順について説明するための図であり、図8(A)は一の方向が右方向であって確認画像の上下方向に余白が生じる場合の例、図8(B)は一の方向が下方向であって確認画像の左右方向に余白が生じる場合の例である。
図9】確認画像が文書アイコンの一部に重ねて表示される場合の例である。
図10】表示維持状態について説明するための図である。
図11】一の方向を決定する手順について説明するための図である。
図12】一の方向を決定する処理手順の例を示すフローチャートである。
図13】一の方向を決定する手順の変形例1について説明するための図である。
図14】一の方向を決定する手順の変形例2について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
[画像表示装置1のハードウェア構成]
図1は、本実施の形態が適用される画像表示装置1のハードウェア構成の一例を示した図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る画像表示装置1は、情報処理装置の一例として機能し、画面表示に際して予め定められた処理プログラムに従ってデジタル演算処理を実行する演算処理部10と、ユーザからの入力操作を受け付ける入力部20と、HDD(Hard Disk Drive)にて実現される2次記憶部30と、ユーザに対して画像やテキスト情報等を表示する液晶ディスプレイパネルや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイパネル等からなる表示部40と、ネットワークを介してデータの送受信を行う通信部50と、を備える。
【0009】
演算処理部10は、プロセッサの一例として装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)11、CPU11の作業用メモリ等として用いられるRAM(Random Access Memory)12、CPU11により実行される画像表示処理プログラム等が格納されるROM(Read Only Memory)13、書き換え可能で電源供給が途絶えた場合にもデータを保持できる、電池によりバックアップされたSRAM(Static RAM)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ14、演算処理部10に接続される入力部20等の各部を制御するインターフェース部15を備えている。不揮発性メモリ14には、表示部40にて表示されるサムネイル画像(後述)等の画像情報が記憶されている。
また、2次記憶部30には、画像データ等が記憶される他、演算処理部10により実行される画像表示処理プログラムが記憶されており、演算処理部10がこの画像表示処理プログラムを読み込むことによって、本実施の形態の画像表示装置1の各処理が実行される。
【0010】
ここで、プロセッサの一例であるCPU11により実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク等)、光記録媒体(光ディスク等)、光磁気記録媒体、半導体メモリ等のコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、演算処理部10へ提供される。また、CPU11によって実行されるプログラムは、インターネット等の通信手段を用いて画像表示装置1にダウンロードしてもよい。
なお、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、CPU等の汎用的なプロセッサや、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス等、専用のプロセッサを含むものである。
また、プロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。そしてプロセッサの各動作の順序は、記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【0011】
入力部20は、ユーザが操作の入力を行うポインティングデバイス等の装置である。
例えば入力部20がマウス等の場合、ユーザがカーソルの移動操作やクリック操作を行うことにより、表示部40の画面上の位置や表示された画像等を指定することができる。
また、入力部20がタッチパネル等の場合、ユーザは、指等をタッチパネルに接触させる操作や、この指等が接触した状態を予め定められた時間より長く維持する操作を行うことにより、画面上の位置や表示された画像を指定することができる。なお、この場合、入力部20は、表示部40と一体となって設けられる。
上記したポインティングデバイス等の装置の他に、キー入力操作を行うキーボード等を入力部20として備えてもよい。
【0012】
図2は、本実施の形態が適用される画像表示装置1の操作画面の一例を示す図である。
表示部40は、図2に示すような、ユーザによる操作を受け付けるための画面である操作画面400を表示する。換言すると操作画面400は、ユーザの操作を受け付ける指示画像等が配置される領域である。なお文書は、文字のほかに画像を含んでいてもよく、文字を含まず画像のみからなっていてもよい。
【0013】
操作画面400には、文書アイコン410の他に、表示指示ボタン411、確認画像420、ツールバー430等が表示される。
文書アイコン410は、ユーザの指示を受け付ける指示画像の一例である。ユーザの指示は文書の選択、閲覧、保存場所の移動、指示画像の表示場所の移動等を含む。また、表示指示ボタン411は、確認画像420の表示に係る指示をするための画像である。確認画像420は、文書アイコン410等の指示画像に係る文書の内容をユーザに確認させるための画像である。ツールバー430は、ユーザによる電子文書に対する操作を簡易化するために用意された指示部の集合体である。この電子文書に対する操作としては、電子文書を保存、印刷、回転、検索、暗号化する操作、2以上の電子文書を束ねる操作等が挙げられる。
なお、本実施の形態において、表示部40における操作画面400の大きさは、ユーザの操作により変更することができる。さらに、ユーザの操作により、操作画面400の形状を変更し、図2とは異なる縦横比の矩形形状とすることもできる。
【0014】
文書アイコン410は、文書に対するユーザの指示を受け付ける指示画像である。文書アイコン410は、ファイルハンドリングソフトウェアにて管理されるファイルについて、内容の少なくとも一部を確認するためのサムネイル画像であってもよい。このサムネイル画像は、例えば、対応するファイルが画像データの場合、単に元の画像を縮小した画像として表示される。また、対応するファイルが複数ページの文書データの場合、第1ページ等代表的なページを縮小した画像として表示される。サムネイル画像として表示された文書アイコン410は、例えば、対応するファイルを開くためのアイコンとして機能する。
また、サムネイル画像として表示された文書が複数のページからなる場合、ユーザによる表示ページの変更を受け付ける画像(図示せず)を文書アイコン410に関連付けがなされた状態で表示してもよい。なお、本実施の形態において、「ページ」とは、操作画面400にて一枚の面として一度に表示されるデータのまとまりである。
文書アイコン410としては、ユーザによる第三者との電子文書の受け渡しに用いられるトレイ、電子文書の格納に用いられるフォルダ、電子文書等を絵記号で表したものでもよい。
【0015】
表示指示ボタン411は、ユーザによる確認画像420の表示を指示する操作を受け付ける画像であり、確認画像420の表示に係る指示を受け付ける画像である指示ボタンの一例である。なお、この指示ボタンは、文書アイコン410に関連付けがなされた状態で表示される。また、図2にて例示した表示指示ボタン411に代えて、確認画像420を表示維持状態とする指示に対応した維持指示ボタン(図10を用いて後述)が表示される態様もある。
本実施の形態では、表示指示ボタン411や維持指示ボタン412は、文書アイコン410の右上の角部に重ねて表示される。この場合、表示指示ボタン411や維持指示ボタン412は文書アイコン410の視認性を低下させないように表示されることが好ましい。例えば、表示指示ボタン411は、文書アイコン410よりも小さく表示される。また、表示指示ボタン411を半透明にして文書アイコン410の重なった部分が透けて見えるように表示される。
【0016】
確認画像420は、指示画像の内容をユーザに確認させるための画像である。なお、この確認画像420は、ユーザにより表示を指示する操作が行われた場合に、新たにプログラムを起動することなく表示される。図2の例では、文書アイコン410に対応する文書の内容を確認させるための確認画像420として、文書のサムネイル画像を拡大した画像が表示されている。なお、確認画像420として表示されるサムネイル画像の解像度は、文書アイコン410として表示されるサムネイル画像の解像度に比べて高くする態様がある。
【0017】
その他、操作画面400には、図示するように、文書アイコン410に対応するファイルや機能の名前等のテキスト440を、夫々の画像に関連付けて表示してもよい。また、確認画像420に関連付けてテキスト440を表示してもよい。
【0018】
[画像表示装置1の機能構成]
次に、画像表示装置1の機能構成について説明する。
図3は、画像表示装置1の機能構成の一例を示したブロック図である。図示するように、画像表示装置1は、ユーザによる操作が行われたか否かを判定する操作判定部101と、表示部40の画面上の2点間の距離を判定する距離判定部102と、表示部40へ表示する内容を制御する表示制御部103と、指示ボタンを表示部40へ出力する指示ボタン出力部104と、指示画像に対応する確認画像420を表示部40へ出力する確認画像出力部105と、表示部40へ出力される画像を取得する画像取得部106とを有する。
【0019】
操作判定部101は、操作画面400(図2参照)に対し、入力部20を介したユーザ操作が行われたか否かを判定する。このユーザ操作とは、例えば、操作画面400上の画像やアイコン、位置等を指定する操作や、スクロール操作、キー入力操作等である。
【0020】
距離判定部102は、操作画面400に表示された文書アイコン410等の指示画像(図2参照)から、操作画面400の上下方向および左右方向の端までの距離を判定する。より詳しくは、指示画像の上下左右方向の各辺や、指示画像上にて予め定められた特定領域、指示画像上にて予め定められた基準位置等から、操作画面400の上下方向および左右方向の端までの距離を判定する。なお、この特定領域および基準位置についての詳細は、図11を用いて後述する。
また、本実施の形態における距離判定部102は、指示画像から上下方向および左右方向の端までの距離に基づいて、操作画面400における指示画像の位置を判定する。
【0021】
表示制御部103は、操作判定部101および距離判定部102が判定した内容等に基づいて、文書アイコン410や確認画像420、ツールバー430(図2参照)等の表示の態様を制御する。表示制御部103は、例えば、操作判定部101が判定した内容に基づいて、文書アイコン410を表示する位置を制御する。また、例えば、距離判定部102が判定した内容に基づいて、確認画像420が表示される位置と大きさとを制御する。
また、表示制御部103は、画像取得部106が取り込んだ画像を、指示画像として表示するように制御する。例えば、画像取得部106からサムネイル画像を取り込み、対応するファイルを開くための文書アイコン410として表示するように制御する。
【0022】
指示ボタン出力部104は、確認画像420を表示させる指示を行うための表示指示ボタン411や、確認画像420の表示を維持する指示を行うための維持指示ボタン412等、確認画像420の表示に係る指示を行うための指示ボタンを、表示部40に出力する。この指示ボタンは、文書アイコン410等の指示画像に関連付けがなされた状態で表示される。
【0023】
確認画像出力部105は、確認画像420の表示が指示されたという操作判定部101の判定に基づいて、画像取得部106が取得した確認画像420を取り出す。確認画像出力部105は、新たにプログラムを起動させずに、ユーザが指示した文書アイコン410に対応する確認画像420を表示部40に出力する。
【0024】
画像取得部106は、文書アイコン410や他のアイコン等の指示画像、指示ボタン出力部104が出力する指示ボタン、確認画像出力部105が出力する確認画像420等、表示部40にて表示される画像を取得する。例えば、2次記憶部30が記憶している文書に基づいて、文書アイコン410としてサムネイル画像を生成し、取得する。また例えば、すでに2次記憶部30に記憶されている画像を取り出し、確認画像420として取得する。
なお、画像取得部106が取得した画像は、指示画像や指示ボタン、確認画像420として取り出しが可能な状態にて記憶される。なお、この画像を記憶する機能は、不揮発性メモリ14(図1参照)にて実現される。
【0025】
[確認画像の表示]
確認画像420が表示される際の処理について、図3~10を用いて説明する。
図4は、確認画像420aを表示する処理手順の例を示すフローチャートである。
図5は、操作画面400の表示の一例を示す図であり、図5(A)は文書アイコン410aが指定される前の状態、図5(B)は表示指示ボタン411aが指定された状態を示している。
図6は、確認画像420aを表示する大きさを決定する手順について説明するための図であり、図6(A)は特定領域416に対し右方向に表示領域421を確保する場合の例、図6(B)は特定領域416に対し下方向に表示領域421を確保する場合の例である。
【0026】
また、図7は、確認画像420aに対し一の方向と平行な方向に余白が生じる場合に、確認画像420aを表示する位置を決定する手順について説明するための図であり、図7(A)は一の方向が右方向であって確認画像420aの左右方向に余白が生じる場合の例、図7(B)は一の方向が下方向であって確認画像420aの上下方向に余白が生じる場合の例である。
図8は、確認画像420aに対し一の方向と直交する方向に余白が生じる場合に、確認画像420aを表示する位置を決定する手順について説明するための図であり、図8(A)は一の方向が下方向であって確認画像の左右方向に余白が生じる場合の例、図8(B)は一の方向が右方向であって確認画像420aの上下方向に余白が生じる場合の例である。
図9は、確認画像420aが文書アイコン410aの一部に重ねて表示される場合の例である。
図10は確認画像420aの表示を維持する表示維持状態について説明するための図である。
【0027】
図5(A),(B)に示すように、本実施の形態における表示部40は、操作画面400上に、画面上の位置や画像等を指し示すカーソル200を表示している。カーソル200は、入力部20を介して入力されるユーザの操作により移動し、ユーザが指定する画面上の位置や画像等を指し示すように表示される。
操作画面400には、文書アイコン410(410a,410b,410c)と、ツールバー430とが表示されている。
【0028】
図5(B)に示す表示指示ボタン411aは、ユーザによる確認画像420aを表示させる指示を受け付けるための画像である。また、図5~10に示す特定領域416は、文書アイコン410a上にて予め定められた領域であり、文書アイコン410aが表示される領域よりも小さい領域である。本実施の形態では、表示指示ボタン411aまたは維持指示ボタン412aは、特定領域416に対応させて表示される特定画像の一例である。なお、表示指示ボタン411aおよび維持指示ボタン412aは、文書アイコン410aよりも小さい特定領域416に対応しているため、文書アイコン410aを完全には覆わないようになっている。
【0029】
さらに、図6~9に示す表示領域421は、確認画像420aを表示するために確保される領域であり、特定領域416に対し、上下方向又は左右方向の何れか一方向に位置している。確保された表示領域421に確認画像420aを表示することで、特定領域416に対し、上下方向又は左右方向の何れか一方向に確認画像420aが表示される。確認画像420aは、表示領域421の全体にわたって表示されなくともよい。ここで、特定領域416に対し一方向に確認画像420aが表示されるとは、確認画像420aに対して当該一方向とは逆の方向において、特定領域416の少なくとも一部が、確認画像420aと重ならずに位置することをいう。例えば特定領域416に対し右方向に確認画像420aが表示される場合、確認画像420aの左方向において特定領域416の少なくとも一部が、確認画像420aと重ならずに位置する。特定領域416は文書アイコン410a上にて予め定められた領域であるから、文書アイコン410aの少なくとも一部は、確認画像420aと重ならずに表示されることになる。
【0030】
図10に示す維持指示ボタン412aは、確認画像420aの表示を維持するユーザの指示を受け付けるための画像である。この維持指示ボタン412aは、表示指示ボタン411aが指定されて確認画像420aが表示されている場合に、例えば表示指示ボタン411aが表示されていた位置に表示される。この維持指示ボタン412aに対する指示等、ユーザの操作により確認画像420aの表示が維持されている状態を、表示維持状態とする。
【0031】
次に、図4に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、図3に示した操作判定部101は、入力部20を介した操作に基づいて、いずれかの文書アイコン410が指定されているか否かを判定する(ステップ501)。本実施の形態では、操作判定部101は、いずれかの文書アイコン410を指し示すようにカーソル200を移動する操作を文書アイコン410への指定として判定する。例えば、文書アイコン410上にカーソル200を位置させるマウスオーバー操作等を文書アイコン410への指定として判定する。図5(A)の例では、いずれの文書アイコン410上にも、カーソル200が位置していないため、文書アイコン410が指定されていないと判定する。
【0032】
このステップ501にて、文書アイコン410が指定されていない場合には(ステップ501でNO)、文書アイコンが指定されるまで待機する。文書アイコン410が指定されている場合には(ステップ501でYES)、指示ボタン出力部104は表示指示ボタン411の出力および表示を行う(ステップ502)。例えば、図5(A)に示す文書アイコン410a上にカーソル200を位置させるマウスオーバー操作があった場合には、図5(B)に示すように表示指示ボタン411aを表示する(ステップ502)。
【0033】
次に、操作判定部101は、入力部20を介した操作に基づいて、表示指示ボタン411aが指定されているか否かを判定する(ステップ503)。本実施の形態における操作判定部101は、例えば、表示指示ボタン411aへのマウスオーバー操作を表示指示ボタン411aへの指定として判定する。
表示指示ボタン411aが指定されていない場合には(ステップ503でNO)、表示指示ボタン411aが指定されるまで待機する。表示指示ボタン411aが指定されている場合には(ステップ503でYES)、表示制御部103は、距離判定部102が判定した文書アイコン410aから操作画面400の上下方向および左右方向の端までの距離に基づいて、確認画像420を表示する一の方向を決定する(ステップ504)。なお、この距離判定部102の判定に基づいて確認画像420を表示する一の方向を決定する手順については、図11,12を用いて詳細を後述する。
【0034】
続いて、表示制御部103は、文書アイコン410a上の予め定められた特定領域416から、操作画面400の一の方向の端までの領域を、確認画像420を表示するための表示領域421として確保する(ステップ505)。
図6(A)には、ステップ504にて右方向を一の方向として定めた場合の、表示領域421の例を示している。本実施の形態においては、特定領域に対応付けて表示指示ボタン411aが表示されており、表示指示ボタン411aから操作画面400の一の方向の端までの領域が表示領域421となる。より詳しくは、表示指示ボタン411aから操作画面400の右方向の端までの距離Xと、操作画面400の上下方向の幅Yとにより定まる矩形の領域を、表示領域421として確保する。
なお、図6~9においては、この表示領域421を破線で示す。
【0035】
また、図6(B)には、ステップ504にて下方向を一の方向として定めた場合の、表示領域421の例を示している。この場合、表示制御部103は、表示指示ボタン411aから操作画面400の下方向の端までの距離Yと、操作画面400の左右方向の幅Xとにより定まる矩形の領域を、表示領域421として確保する。
このように、表示制御部103は、特定領域から操作画面400の一の方向の端までの距離と、操作画面400の一の方向と交差する方向の幅とにより定まる矩形の領域を、表示領域421として確保する。
【0036】
次に、表示制御部103は、確保した表示領域421の大きさに基づいて、確認画像420aを表示する大きさを決定する(ステップ506)。より詳しくは、特定領域から操作画面400の一の方向における端までの領域である表示領域421において、確認画像420aの全体が最も大きく表示されるように、確認画像420aの表示倍率を決定する。
本実施の形態においては、表示領域421に対し上下方向および左右方向のマージンMa,Mbを考慮した上で、確認画像420aの全体を表示することができるように確認画像420aの表示倍率を決定する。このマージンとは、表示領域421の内側に4辺に沿って設けられる余白であって、確認画像420aは表示領域421のマージンを除いた部分にて表示される。後述する図9のように、他の実施形態においては、このマージンを設けずに、表示領域421の全体に確認画像420aが表示できるように制御することも可能である。
なお、図6~8においては、表示領域421からマージンを除いた部分を、一点鎖線で示す。
【0037】
例えば、表示領域421に縦長の確認画像420aを表示する場合、表示制御部103は、表示領域421の縦幅Yから上下方向のマージンMaを除いた幅Y-2Maと、確認画像420aの縦幅とが一致する表示倍率を、仮の表示倍率として算出する。そして、この仮の表示倍率における確認画像420aの横幅と、表示領域421の横幅Xから左右方向のマージンMbを除いた幅X-2Mbとを比較する。仮の表示倍率における確認画像420aの横幅がX-2Mb以下である場合には、確認画像420aの全体を表示することができるため、算出した仮の表示倍率を確認画像420aを表示する大きさとして決定する。また、仮の表示倍率における確認画像420aの横幅がX-2Mbよりも大きい場合には、確認画像420aの少なくとも一部がはみ出すため、確認画像420aの横幅とX-2Mbとが一致する表示倍率を算出し直し、確認画像420aを表示する大きさとして決定する。
【0038】
また例えば、表示領域421に横長の確認画像420aを表示する場合、表示制御部103は、表示領域421の横幅Xから左右方向のマージンMbを除いた幅X-2Mbと、確認画像420aの横幅とが一致する表示倍率を、仮の表示倍率として算出する。そして、この仮の表示倍率における確認画像420aの横幅と、表示領域421の縦幅Yから上下方向のマージンMaを除いた幅Y-2Maとを比較する。仮の表示倍率における確認画像420aの縦幅がY-2Ma以下である場合には、算出した仮の表示倍率を確認画像420aを表示する大きさとして決定する。また、仮の表示倍率における確認画像420aの縦幅がY-2Maよりも大きい場合には、確認画像420aの横幅とX-2Mbとが一致する表示倍率を算出し直し、確認画像420aを表示する大きさとして決定する。
【0039】
さらに、ステップ507にて、表示制御部103は、特定領域416の位置に基づいて、確認画像420aを表示する位置を決定する。
例えば、一の方向が右方向であって、図7(A)に示すように、Y-2Maと、確認画像420aの縦幅とが一致する表示倍率における確認画像420aの横幅がX-2Mbよりも小さい場合、確認画像420aに対し左右方向に余白が生じる。この場合、表示制御部103は、特定領域416に寄せた位置を、確認画像420aを表示する位置として決定する。すなわち、図7(A)の一点鎖線で示す領域において、確認画像420aを左詰めで表示するように制御する。また、一の方向が下方向であって、図7(B)に示すように、X-2Mbと、確認画像420aの横幅とが一致する表示倍率における確認画像420aの縦幅がY-2Mbよりも小さい場合、確認画像420aに対し上下方向に余白が生じる。この場合、表示制御部103は、特定領域416に寄せた位置を、確認画像420aを表示する位置として決定する。すなわち、図7(B)の一点鎖線で示す領域において、確認画像420aを上詰めで表示するように制御する。
このように、一の方向と平行な方向において余白が生じる場合には、表示制御部103は、確認画像420aを特定領域416に寄せて表示するように制御する。
【0040】
また例えば、一の方向が右方向であって、図8(A)に示すように、X-2Mbと、確認画像420aの横幅とが一致する表示倍率における確認画像420aの縦幅がY-2Maよりも小さい場合、上下方向において余白が生じる。この場合、表示制御部103は、操作画面400の上下方向の端のうち、特定領域416とより近い上方向の端に寄せた位置を、確認画像420aを表示する位置として決定する。すなわち、図8(A)の一点鎖線で示す領域において、確認画像420aを上詰めで表示するように制御する。
このように、一の方向と直交する方向において余白が生じる場合には、表示制御部103は、この直交方向における操作画面400の端のうち、より特定領域までの距離が近い端に寄せて、確認画像420aを表示するように制御する。
【0041】
以上のように、特定領域の位置に基づいて確認画像420aを表示する位置を制御することで、文書アイコン410a等の指示画像と表示される確認画像420aとの対応が分かり易くなる。
また、例えば、一の方向が上下方向であって、図8(B)に示すように、確認画像420aの横幅がY-2Maよりも小さい場合、左右方向において余白が生じる。この場合、表示制御部103は、確認画像420aを表示する位置を、左右方向の中央に決定するように構成してもよい。
【0042】
次に、確認画像出力部105は、画像取得部106から確認画像420aを取り出して表示部40に出力し、ステップ504,506,507で決定した一の方向、大きさ、位置にて表示させる(ステップ508)。図5(B)の例では、文書アイコン410aの右方向に、確認画像420aの縦幅とY-2Maが等しくなる大きさで、特定領域(表示指示ボタン411a)に寄せた位置にて確認画像420aを表示している。
【0043】
確認画像420aは、図5(B)に示すように、操作画面400に表示された他の文書アイコン410b,410cや、ツールバー430の少なくとも一部に重なるように表示されることがある。
また、確認画像420aを表示する方向や大きさ、位置、表示領域421のマージンの有無や大きさ等により、確認画像420aが文書アイコン410aの少なくとも一部に重なって表示されることもある。例えば、図9に示すように、特定領域416(表示指示ボタン411a)が文書アイコン410aの右上角部に位置し、一の方向が左方向である場合、表示制御部103は、文書アイコン410aの一部に重ねて、且つ表示指示ボタン411aとは重ねずに確認画像420aを表示する。
なお、図9では、表示領域421にマージンを設けない態様における表示例を示している。このため、確認画像420aの縦幅と、表示領域421の上下方向の幅Yとが一致する大きさにて、確認画像420aが表示されている。
【0044】
このように、確認画像420aは文書アイコン410aの少なくとも一部と重なる位置に表示してよい。このように構成することで、文書アイコン410aと重ならない位置に確認画像を表示する場合と比べ、確認画像420aの表示のために確保される表示領域421を大きくすることができる。
また、本実施の形態のように表示指示ボタン411aを特定領域416に対応付けて表示した場合と、特定領域416に対応付けずに表示した場合との何れの場合であっても、確認画像420aは文書アイコン410a上の表示指示ボタン411aと重ならない位置に表示してよい。このように構成することにより、ユーザは自身が表示指示ボタンを操作した文書を認識しやすくなる。表示指示ボタン411aが維持指示ボタン412aに変更された際、維持指示ボタン412aを操作しやすくなる。
【0045】
続いて、指示ボタン出力部104は、維持指示ボタン412を表示部40に出力して表示する(ステップ509)。この維持指示ボタン412は、確認画像420の表示を表示維持状態にすることを受け付ける。例えば、図5(B)に示す表示指示ボタン411aが指定されて確認画像420aが表示されている場合に、表示指示ボタン411aを図10に示す維持指示ボタン412aに変更して表示する。
【0046】
続いて、操作判定部101は、維持指示ボタン412が指定されているか否かを判定する(ステップ510)。本実施の形態では、操作判定部101は、例えば、維持指示ボタン412へのクリック操作を維持指示ボタン412への指定として判定する。
このステップ510にて、維持指示ボタン412aが指定されていない場合には(ステップ510でNO)、維持指示ボタン412aが指定されるまで待機する。維持指示ボタン412aが指定されている場合には(ステップ510でYES)、表示制御部103は、表示維持状態に移行する(ステップ511)。図10に示す例では、維持指示ボタン412aがクリック操作により指定された後、確認画像420aの表示が表示維持状態となっており、表示指示ボタン411aまたは維持指示ボタン412a上にカーソル200が位置していない状態でも、確認画像420aの表示が維持されている。
【0047】
ここで、表示維持状態にて操作画面400でスクロール操作等が行われ、文書アイコン410aが移動することがある。本実施の形態では、この文書アイコン410aの移動が行われた場合であっても、確認画像420aの大きさおよび位置は、表示維持状態へ移行したときの設定を維持する。例えば、図10に示すように、文書アイコン410aが位置Aにある状態で表示維持状態へと移行した場合、その後文書アイコン410aが位置Bへ移動しても、確認画像420aの大きさおよび位置は、変化しないようになっている。
【0048】
次に、操作判定部101は、表示維持状態を解除する操作が行われたか否かを判定する(ステップ512)。本実施の形態における操作判定部101は、例えば、表示領域421以外の位置でのクリック操作や、維持指示ボタン412aへの再度のクリック操作を行うことを、表示維持状態を解除する操作として判定する。そして、解除する操作が行われていない場合には(ステップ512でNO)、表示維持状態を継続する。解除する操作が行われた場合には(ステップ512でYES)、表示制御部103は、確認画像420aの表示維持状態を解除する(ステップ513)。
以上の処理手順により、確認画像420aを表示する処理は終了する。
【0049】
以上のようにして、本実施の形態における画像表示装置1は、ユーザの操作により確認画像420aの表示が指示された場合に、文書アイコン410aから操作画面400の上下方向および左右方向の端までの距離により一の方向を定め、文書アイコン410a上の特定領域416から一の方向に確認画像420aを表示するように制御する。
【0050】
なお、図2,5~10等では、確認画像420aが対応する文書アイコン410aよりも大きく表示された例を示しているが、操作画面400が小さい場合には、確認画像420aが文書アイコン410aよりも小さく表示される場合もある。
【0051】
[一の方向を決定する手順]
次に、図11,12を用いて、一の方向を決定する手順について、詳細を説明する。
図11は、一の方向を決定する手順を説明するための、操作画面400の例である。また、図12は、一の方向を決定する手順の例を示すフローチャートである。
【0052】
ここで、図11に示すように、文書アイコン410aの左上角部の基準位置415aから操作画面400の左方向の端までの距離をXa、上方向の端までの距離をYaとする。また、文書アイコン410aの右下角部の基準位置415bから操作画面400の右方向の端までの距離をXb、下方向の端までの距離をYbとする。
また、文書アイコン410a上の予め定められた特定領域416から、操作画面400の左方向の端までの距離をXa’、右方向の端までの距離をXb’、上方向の端までの距離をYa’、下方向の端までの距離をYb’とする。なお、本実施の形態においては、特定領域416に対応付けて表示指示ボタン411aを表示している。図11に示すように、表示指示ボタン411aから操作画面400の左右方向および上下方向の端までの距離は、Xa’,Xb’,Ya’,Yb’である。
【0053】
さらに、以下の説明では、便宜上、操作画面400を「左上」「左下」「右上」「右下」の4つの領域に区分することがある。なお、この「左上」「左下」「右上」「右下」とは、図11に示すように操作画面400を左右方向に2等分する破線と、上下方向に2等分する破線とによって分割される領域に夫々対応する。
【0054】
まず、距離判定部102は、文書アイコン410aの基準位置415a,415bから操作画面400の端までの距離Xa,Ya,Xb,Ybを取得する(ステップ601)。
次に、距離判定部102は、ステップ602にて、Xa≦Xbであるか否かを判定する。Xa≦Xbである場合(ステップ602でYES)はステップ603に進み、Ya≦Ybであるか否かを判定する。Ya≦Ybである場合には(ステップ603でYES)、文書アイコン410aが操作画面400の「左上」にあると判定する(ステップ604)。
【0055】
さらに、ステップ605にて、距離判定部102は、特定領域416から操作画面400の右方向の端までの距離Xb’と、下方向の端までの距離Yb’とについて、Yb’≦Xb’であるか否かを判定する。Yb’≦Xb’である場合には(ステップ605でYES)、表示制御部103は、一の方向を「右」方向に決定する(ステップ606)。また、Yb’≦Xb’でない場合(Yb’>Xb’である場合)には(ステップ605でNO)、表示制御部103は、一の方向を「下」方向に決定する(ステップ613)。
【0056】
また、ステップ603でYa≦Ybでない場合(Ya>Ybである場合)には(ステップ603でNO)、距離判定部102は、文書アイコン410aが操作画面400の「左下」にあると判定する(ステップ607)。
次に、ステップ608にて、Xb’≦Ya’であるか否かを判定する。Xb’≦Ya’である場合には(ステップ608でYES)、表示制御部103は、一の方向を「上」方向に決定する(ステップ609)。また、Xb’≦Ya’でない場合(Xb’>Ya’である場合)には(ステップ608でNO)、表示制御部103は、一の方向を「右」方向に決定する(ステップ606)。
【0057】
さらに、Xa≦Xbでない場合(Xa>Xbである場合)には(ステップ602でNO)、ステップ610に進み、Ya≦Ybであるか否かを判定する。Ya≦Ybである場合には(ステップ610でYES)、文書アイコン410aが操作画面400の「右上」にあると判定する(ステップ611)。
そして、ステップ612にて、Xa’≦Yb’であるか否かを判定する。Xa’≦Yb’である場合には(ステップ612でYES)、表示制御部103は、一の方向を「下」方向に決定する(ステップ613)。また、Xa’≦Yb’でない場合(Xa’>Yb’である場合)には(ステップ612でNO)、表示制御部103は、一の方向を「左」方向に決定する(ステップ616)。
【0058】
また、Ya≦Ybでない場合(Ya>Ybである場合)には(ステップ610でNO)、距離判定部102は、文書アイコン410aが操作画面400の「右下」にあると判定する(ステップ614)。
そして、ステップ615にて、Ya’≦Xa’であるか否かを判定する。Ya’≦Xa’である場合には(ステップ615でYES)、表示制御部103は、一の方向を「左」方向に決定する(ステップ616)。また、Ya’≦Xa’でない場合(Ya’>Xa’である場合)には(ステップ615でNO)、表示制御部103は、一の方向を「上」方向に決定する(ステップ609)。
【0059】
以上の手順により、一の方向を決定する処理は終了する。
なお、本実施の形態では、基準位置415a,415bから操作画面400の端までの距離Xa,Xb,Ya,Ybから文書アイコン410aの位置を判定し、さらに特定領域416から操作画面400の端までの距離Xa’,Xb’,Ya’,Yb’のうち何れか2つの距離を比較して、一の方向を決定する構成とした。他の実施の形態では、単に距離Xa,Xb,Ya,Ybを比較して、最も大きい距離に対応する方向を、一の方向として決定してもよい。また例えば、単に距離Xa’,Xb’,Ya’,Yb’を比較して、最も大きい距離に対応する方向を、一の方向として決定してもよい。
【0060】
[一の方向を決定する手順の変形例1]
上記した本実施の形態では、文書アイコン410a上に、予め定められた特定領域416と、特定領域416とは異なる2つの基準位置415a,415bとを設けた。そして、特定領域416から操作画面400の端までの距離および基準位置415a,415bから操作画面400の端までの距離に基づいて、確認画像420aを表示する一の方向を決定した。
一の方向を決定する手順の変形例1では、特定領域416内に基準位置415cを設け、この基準位置415cから操作画面400の端までの距離に基づいて一の方向を決定する。
図13は一の方向を決定する手順の変形例1について説明するための図である。
【0061】
図13では、特定領域416に対応付けて表示指示ボタン411aが表示されており、さらに特定領域416内に基準位置415cが存在している。この場合にも、基準位置415cから操作画面400の上下方向および左右方向の端までの距離Xc,Xd,Yc,Ydにより、文書アイコン410aが操作画面400の「左上」「左下」「右上」「右下」の何れの領域に位置しているかを判定する。そして、文書アイコン410aの位置から定まる2方向について、特定領域416から操作画面400の端までの距離を比較し、より距離の大きい方向を、一の方向として決定することができる。また、単に距離Xc,Xd,Yc,Ydを比較し、最も大きい距離に対応する方向を、一の方向として決定することもできる。
なお、図13のように、基準位置415cが特定領域416内に存在し、且つ特定領域416に対応付けて表示指示ボタン411aが表示されていることで、ユーザは、確認画像420aが表示される位置や大きさを予測しやすくなる。
【0062】
[一の方向を決定する手順の変形例2]
次に、一の方向を決定する手順の変形例2では、基準位置を設けず、特定領域416から操作画面400の端までの距離に基づいて一の方向を決定する。
図14は、一の方向を決定する手順の変形例2について説明するための図である。
この変形例2において、特定領域416は、文書アイコン410aが表示された領域に対応させて定められている。この場合、例えば、文書アイコン410aの上下左右方向の端から、同じ方向の操作画面400の端までの距離Xc’,Xd’,Yc’,Yd’を比較して、最も大きい距離に対応する方向を、一の距離として決定することができる。
【0063】
このように、一の方向を決定されるために用いられる、文書アイコン410a等の指示画像から操作画面400の端までの距離の取り方は、様々な態様を取り得る。より詳しくは、指示画像の上下左右方向の各辺や、指示画像上にて予め定められた特定領域、指示画像上にて予め定められた基準位置等から、操作画面400の上下方向および左右方向の端までの距離等を取り得る。
【0064】
上記した本実施の形態では、確認画像420aの全体が、基準位置415または特定領域416から操作画面400の端までの距離により定まる最大サイズにて表示される例を示した。ここで、例えば、確認画像420aの原型である原型画像が、名刺をスキャンしたデータのような小さな画像であり、表示領域421の縦幅および横幅がこの原型画像よりも大きい場合がある。このとき、確認画像420aが文書アイコン410aの確認に適した大きさを超えた大きさにて表示され、ユーザの操作画面400に対する操作が阻害される恐れがある。
従って、表示される確認画像420aの大きさを、確認画像420aの原型である原型画像の大きさに基づいて定めてもよい。例えば、確認画像420aを表示する大きさを定める処理において、原型画像の大きさ(縦幅、横幅)をピクセル情報等で取得し、表示される確認画像420aの大きさ(縦幅、横幅)の上限として設定することができる。
【0065】
また、本実施の形態では、表示指示ボタン411aおよび維持指示ボタン412aを指定することで、確認画像420aの表示や表示維持状態への移行が行われるように構成したが、これに限られるものではない。確認画像420aの表示や表示維持状態への移行の指示は、マウス等のポインティングデバイスを用いた他の操作や、キー入力操作等、他のユーザ操作によって行われてもよい。
【0066】
本実施の形態における画像表示装置1が行う処理は、例えば、アプリケーションソフトウェア等のプログラムとして用意される。このプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD-ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0067】
1…画像表示装置、10…演算処理部、20…入力部、30…2次記憶部、40…表示部、50…通信部、101…操作判定部、102…距離判定部、103…表示制御部、104…指示ボタン出力部、105…確認画像出力部、106…画像取得部、410,410a,410b,410c…文書アイコン、411,411a…表示指示ボタン、412,412a…維持指示ボタン、416…特定領域、421…表示領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14