(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-25
(45)【発行日】2025-03-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250226BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20250226BHJP
G07F 13/00 20060101ALI20250226BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/06
G07F13/00 G
(21)【出願番号】P 2022511807
(86)(22)【出願日】2021-03-16
(86)【国際出願番号】 JP2021010491
(87)【国際公開番号】W WO2021200093
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2024-01-18
(31)【優先権主張番号】P 2020060385
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】末吉 正弘
(72)【発明者】
【氏名】岡田 浩
(72)【発明者】
【氏名】荒井 尚則
【審査官】田付 徳雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-127138(JP,A)
【文献】特開2018-039561(JP,A)
【文献】国際公開第2018/042668(WO,A1)
【文献】特開2013-140454(JP,A)
【文献】特開2010-224882(JP,A)
【文献】特開2019-144425(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0295058(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0006396(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G07F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料の購入に関する購入条件と、飲料容器を識別する容器識別子を含む購入情報を生成し、
生成した前記購入情報に基づいて、前記飲料容器を利用した飲料の提供を実施するための処理を行う
処理部を備え
、
前記購入条件は、サービスを利用して飲料を購入可能な場所が指定される購入場所に関する情報を少なくとも含み、
前記処理部は、
エンドユーザの機器からの要求に応じて、前記購入場所に関する情報を少なくとも含む提示情報を通知し、
提示される前記提示情報に応じて前記エンドユーザにより指定される前記購入条件、及び前記飲料容器から取得される前記容器識別子に基づいて、前記購入場所に関する情報を少なくとも含む前記購入情報を生成し、
前記購入情報を、前記飲料容器に対して記録し、
前記エンドユーザによって、前記飲料容器を利用した飲料の購入が行われたとき、当該飲料の購入の内容に応じて、記録された前記購入情報を処理する
情報処理装置。
【請求項2】
前記購入条件は
、サービスを利用可能な期間が指定される有効期限、
サービスで購入可能な商品が指定される購入商品、
サービスを利用して飲料を購入可能な回数が指定される購入最大回数、及び
購入した飲料の決済方法が指定される決済種別のうち、少なくとも1つの情報を
さらに含む
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、
前記飲料容器に対して飲料を吐出する飲料サーバが設置された購入場所にて前記エンドユーザにより飲料が指定された場合、指定された飲料を購入対象の飲料として、前記購入情報を処理し、
前記飲料容器に対して飲料を吐出する飲料サーバが設置された購入場所にて前記エンドユーザにより飲料が指定されない場合、前記飲料容器から取得される前記容器識別子及び前記購入条件に基づいて特定された飲料を購入対象の飲料として、前記購入情報を処理する
請求項
2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記処理部は、飲料メーカ又は飲料サーバメーカの機器により提供される飲料に関する飲料情報に基づいて、前記提示情報を通知する
請求項
3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記処理部は、
前記飲料容器に対する購入対象の飲料の提供に応じて、当該購入対象の飲料の決済に関する処理を行い、
前記購入情報の処理結果に基づいて、前記飲料容器に対して記録された前記購入情報を更新する
請求項
3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記処理部は、
決済種別に応じた決済に関する処理を行う決済代行サーバに対し、当該購入対象の飲料の決済を要求し、
前記決済代行サーバから通知される決済に関する処理結果を取得する
請求項
5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記処理部は、
購入済みの飲料に関する履歴を、履歴情報として蓄積し、
飲料メーカ又は飲料サーバメーカの機器からの要求に応じて、蓄積していた前記履歴情報を通知する
請求項
5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記履歴情報に基づき、前記エンドユーザに対する
健康面での留意事項に関するメッセージが生成され、
生成された前記メッセージが、前記エンドユーザの機器によって、前記エンドユーザに提示される
請求項
7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記購入情報は、前記飲料容器の所定の位置に取り付けられた、近距離無線通信の機能を含むICチップに記録され、
前記処理部は、近距離無線通信によって、処理した前記購入情報が前記ICチップに書込まれるようにするか、又は前記ICチップから読出された前記購入情報を処理する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記飲料容器に対して飲料を吐出する飲料サーバは、近距離無線通信の機能を含むリーダライタを有し、
前記処理部は、前記リーダライタにより、処理した前記購入情報を前記ICチップに書込むか、又は前記ICチップから読出された前記購入情報を処理する
請求項
9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記飲料容器は、エンドユーザごとに用いられるマイカップ又はマイボトルを含み、
前記購入情報は、エンドユーザごとに個別の情報であって、サブスクリプション方式に対応したサブスクリプション情報に含まれる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記購入情報は、
実際に飲料を購入した回数を示す実購入回数、及び
実際に飲料を購入した日時を示す購入日時をさらに含む
請求項
11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
情報処理装置が、
飲料の購入に関する
購入条件と、飲料容器を識別する
容器識別子を含む購入情報を生成
することと、
生成した前記購入情報に基づいて、前記飲料容器を利用した飲料の提供を実施するための処理を行う
ことと
を含み、
前記購入条件は、サービスを利用して飲料を購入可能な場所が指定される購入場所に関する情報を少なくとも含み、
エンドユーザの機器からの要求に応じて、前記購入場所に関する情報を少なくとも含む提示情報を通知することと、
提示される前記提示情報に応じて前記エンドユーザにより指定される前記購入条件、及び前記飲料容器から取得される前記容器識別子に基づいて、前記購入場所に関する情報を少なくとも含む前記購入情報を生成することと、
前記購入情報を、前記飲料容器に対して記録することと、
前記エンドユーザによって、前記飲料容器を利用した飲料の購入が行われたとき、当該飲料の購入の内容に応じて、記録された前記購入情報を処理することと
をさらに含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、情報処理装置、及び情報処理方法に関し、特に、より簡便に、飲料容器を利用して飲料を提供することができるようにした情報処理装置、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるマイカップ機能を有する飲料用自動販売機が、各種提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、カップに設けられるICタグが記憶する個別の識別情報と飲料情報とを対応付けて記憶し、ICタグから識別情報を読出し、カップに対して飲料を販売する際に、カップに設けられたICタグから読出された識別情報と対応付けられて記憶された飲料情報に基づき、飲料を販売させる制御を行う飲料用自動販売機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、サブスクリプション方式等の様々な方式のサービスが提案され、エンドユーザによるサービスの満足度を高めているが、マイカップ等の飲料容器を利用したサービスに関しても、より簡便に、飲料を提供することが求められていた。
【0006】
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、より簡便に、飲料容器を利用して飲料を提供することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術の一側面の情報処理装置は、飲料の購入に関する購入条件と、飲料容器を識別する容器識別子を含む購入情報を生成し、生成した前記購入情報に基づいて、前記飲料容器を利用した飲料の提供を実施するための処理を行う処理部を備える情報処理装置である。
【0008】
本技術の一側面の情報処理方法は、情報処理装置が、飲料の購入に関する条件と、飲料容器を識別する識別子を含む購入情報を生成し、生成した前記購入情報に基づいて、前記飲料容器を利用した飲料の提供を実施するための処理を行う情報処理方法である。
【0009】
本技術の一側面の情報処理装置、及び情報処理方法においては、飲料の購入に関する条件と、飲料容器を識別する識別子を含む購入情報が生成され、生成された前記購入情報に基づいて、前記飲料容器を利用した飲料の提供を実施するための処理が行われる。
【0010】
本技術の一側面の飲料容器は、飲料の購入に関する購入条件と、飲料容器を識別する容器識別子を含む購入情報を生成し、生成した前記購入情報に基づいて、前記飲料容器を利用した飲料の提供を実施するための処理を行う情報処理装置からの要求に応じて、前記飲料容器に対して飲料を吐出する飲料サーバに設けられたリーダライタとの間で近距離無線通信を行うことにより、前記購入情報が書込まれるか、又は記録された前記購入情報が読出されるICチップを有する飲料容器である。
【0011】
本技術の一側面の飲料容器においては、飲料の購入に関する購入条件と、飲料容器を識別する容器識別子を含む購入情報を生成し、生成した前記購入情報に基づいて、前記飲料容器を利用した飲料の提供を実施するための処理を行う情報処理装置からの要求に応じて、ICチップによって、前記飲料容器に対して飲料を吐出する飲料サーバに設けられたリーダライタとの間で近距離無線通信が行われ、前記購入情報が書込まれるか、又は記録された前記購入情報が読出される。
【0012】
本技術の一側面の飲料サーバは、飲料の購入に関する購入条件と、飲料容器を識別する容器識別子を含む購入情報を生成し、生成した前記購入情報に基づいて、前記飲料容器を利用した飲料の提供を実施するための処理を行う情報処理装置からの要求に応じて、容器置き台に置かれた前記飲料容器に取り付けられたICチップとの間で近距離無線通信を行うことにより、前記購入情報を書込むか、又は記録された前記購入情報を読出すリーダライタを有する飲料サーバである。
【0013】
本技術の一側面の飲料サーバにおいては、飲料の購入に関する購入条件と、飲料容器を識別する容器識別子を含む購入情報を生成し、生成した前記購入情報に基づいて、前記飲料容器を利用した飲料の提供を実施するための処理を行う情報処理装置からの要求に応じて、リーダライタによって、容器置き台に置かれた前記飲料容器に取り付けられたICチップとの間で近距離無線通信が行われ、前記購入情報が書込まれるか、又は記録された前記購入情報が読出される。
【0014】
本技術の一側面の電子機器は、飲料の購入に関する購入条件と、飲料容器を識別する容器識別子を含む購入情報を生成し、生成した前記購入情報に基づいて、前記飲料容器を利用した飲料の提供を実施するための処理を行う情報処理装置から通知される、飲料に関する提示情報を提示する提示部と、提示した前記提示情報に応じてエンドユーザにより指定される前記購入条件を受け付ける受付部と、前記飲料容器に対して記録された前記容器識別子を読出す読出し部とを備え、前記購入情報は、前記エンドユーザにより指定された前記購入条件、及び前記飲料容器から読出された前記容器識別子に基づき、生成される電子機器である。
【0015】
本技術の一側面の電子機器においては、飲料の購入に関する購入条件と、飲料容器を識別する容器識別子を含む購入情報を生成し、生成した前記購入情報に基づいて、前記飲料容器を利用した飲料の提供を実施するための処理を行う情報処理装置から通知される、飲料に関する提示情報が提示され、提示された前記提示情報に応じてエンドユーザにより指定される前記購入条件が受け付けられ、前記飲料容器に対して記録された前記容器識別子が読出される。また、前記購入情報は、前記エンドユーザにより指定された前記購入条件、及び前記飲料容器から読出された前記容器識別子に基づき、生成されるものである。
【0016】
本技術の一側面の情報処理装置、又は電子機器は、独立した装置であってもよいし、1つの装置を構成している内部ブロックであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本技術を適用した飲料プラットフォームの構成の例を示す図である。
【
図2】本技術を適用した飲料プラットフォームの全体構成の例を示す図である。
【
図3】飲料プラットフォームのデータベースにより管理されるデータ種別の例を示す図である。
【
図4】飲料プラットフォームを中心としたエンティティの範囲を示す図である。
【
図5】飲料プラットフォームで用いられるデータ構造の例を示す図である。
【
図6】飲料プラットフォームを構成するPFサーバのハードウェア構成の例を示す図である。
【
図7】
図6のPFサーバの機能的構成の例を示す図である。
【
図8】情報機器のハードウェア構成の例を示す図である。
【
図9】
図8の情報機器の機能的構成の例を示す図である。
【
図10】飲料プラットフォームにおけるシーンごとの動作の例を示す図である。
【
図11】事業者側での初期設定を行う場合の処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図12】エンドユーザ側での初期設定を行う場合の処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図13】エンドユーザ側での購入条件の設定を行う場合の処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図14】エンドユーザ側での飲料の実購入を行う場合の処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図15】事業者側での初期登録情報の取得を行う場合の処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図16】事業者側での購入履歴情報の取得とアドバイスの通知を行う場合の処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<1.本技術の実施の形態>
【0019】
マイカップやマイボトル等の飲料容器を利用して飲料を提供するサービスが各種提案されている。現状では、エンドユーザが自身の好みの飲料を、マイカップ等の飲料容器を利用して購入するためには、その都度飲料の指定を行って明示的に決済手段を指定することが必要となる。
【0020】
また、現状では、飲料の購入場所を限定したり、購入可能な有効期限を設けたり、あるいは、購入予定商品に応じた最大購入回数を設定したりすることができないため、エンドユーザの手軽さや要望に配慮したサブスクリプションベースでの利用を提案することができなかった。
【0021】
エンドユーザ側では、何をいつ、どれだけ飲んだかなどの飲料に関する履歴管理に手間がかかるという問題もある。具体的には、1日に飲む量の目標を決めた飲料の履歴管理や、1日のアルコール飲料の上限を設けて、飲料サーバから飲める回数の制限を行うなどの管理を行うことができない。
【0022】
さらには、現状、エンドユーザによる購入の履歴も蓄積されていないため、そのような履歴を利用したアドバイスを提供することができない。つまり、マイカップ等の飲料容器を利用したエンドユーザの飲料の購入履歴をログ情報として管理し、そのログ情報を利用して飲料メーカ又は飲料サーバメーカが、エンドユーザに対して直接健康面(ヘルスケア)でのアドバイスをすることができなかった。
【0023】
なお、現状、自動販売機等での飲料の購入時に用いられる容器としては、ペットボトルや缶が主体であり、エンドユーザに対するマイカップやマイボトル等の飲料容器の利用による地球環境負荷軽減への取り組みが十分になされていない。
【0024】
そこで、本技術では、上述した問題を解決するために、エンドユーザが、マイカップやマイボトル等の飲料容器を利用して飲料を購入可能な飲料プラットフォームを提案する。以下、図面を参照しながら、本技術の実施の形態について説明する。
【0025】
(システムの構成)
図1は、本技術を適用した飲料プラットフォームの構成の例を示している。
【0026】
飲料プラットフォーム100は、マイカップ10-1やマイボトル10-2等の飲料容器10を利用して、エンドユーザが契約内容に応じて飲料を購入可能なサービス(以下、飲料サブスクリプションサービスともいう)を提供するためのプラットフォームである。飲料プラットフォーム100は、飲料メーカや飲料サーバメーカ、決済代行事業者、エンドユーザなどにより利用される。
【0027】
飲料メーカは、飲料(ドリンク)を製造及び販売する主体である。飲料サーバメーカは、飲料をエンドユーザに提供するための飲料サーバ20を製造及び販売する主体である。飲料メーカは、飲料サーバメーカに対し、飲料を提供する。
【0028】
エンドユーザは、飲料を、マイカップ10-1やマイボトル10-2等の自己の飲料容器10を用いて飲料サーバ20から飲料を購入する主体である。マイカップ10-1等の飲料容器10は、飲料の容器として用いられるが、その底面等の所定の位置に、近距離無線通信機能を搭載したICチップ11が装着されている。詳細は後述するが、このICチップ11は、サブスクリプション情報を書込んだり、認証を行ったりする場合などに使用される。
【0029】
サブスクリプション情報は、サブスクリプション方式に対応したサービスを提供するための情報であって、購入条件と、飲料容器ID、実購入回数、及び購入日時などの情報を含む。サブスクリプション方式とは、定額料金を支払うことで一定期間のサービスを受けられることを保証するなど、サービスを利用した期間に応じて料金を支払う方式である。例えば、毎月又は毎年単位で定額料金を支払えば、その期間中、エンドユーザは、飲料容器10を利用して飲料を、飲み放題となる。
【0030】
購入条件は、飲料の購入に関する条件であって、購入場所、有効期限、購入商品、購入最大回数、決済種別などの情報を含む。
【0031】
飲料容器IDは、飲料容器10を識別する容器識別子であり、飲料容器10に対し、ユニークに採番される。例えば、飲料容器10として、マイカップ10-1を用いる場合、飲料容器IDは、マイカップIDとなる。
【0032】
図1において、マイカップ10-1等の飲料容器10の底面には、コイン型のICトークンなどのICチップ11が装着されている。例えば、レストランやカフェ等の飲食店に設置された飲料サーバ20の容器置き台に、飲料容器10が置かれたとき、リーダライタ21とICチップ11との間で近距離無線通信が行われることで、ICチップ11に記録されるサブスクリプション情報が処理される。
【0033】
また、飲料サーバ20では、内部で保持している飲料が、吐出部から、容器置き台に置かれた飲料容器10に対して吐出されることで、飲料容器10の容器内に飲料が注がれる。そして、飲料の吐出が完了した後に、飲料容器10は、飲料サーバ20の容器置き台から取り出される。
【0034】
飲料サーバ20は、ネットワーク200を介して、飲料プラットフォーム100に接続される。ネットワーク200は、インターネット、イントラネット、又は携帯電話網などの通信網を含んで構成され、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)等の通信プロトコルを用いた機器間の相互接続を可能にしている。
【0035】
飲料プラットフォーム100では、飲料サブスクリプションサービスによって、マイカップ10-1等の飲料容器10を利用した飲料の提供を実施するに際して、サービスに加入したエンドユーザに関する各種の処理が実行される。例えば、エンドユーザの会員管理、エンドユーザが使用する飲料容器10の認証、エンドユーザに対して実施する決済、エンドユーザに関するログ情報の蓄積や配信、エンドユーザの健康に関するアドバイスの提供などを実施するための処理が行われる。
【0036】
飲料プラットフォーム100においては、飲料を提供する飲料メーカやカフェごとに、飲料サーバ20や、各種の機器などが設けられ、エンドユーザに対し、飲料容器10を利用した飲料の提供が実施可能とされる。また、飲料プラットフォーム100は、各地点に設置された飲料サーバ20の管理(業務運用)を実施する。
【0037】
例えば、
図2に示すように、カフェXの飲料サーバ20-1と、飲料メーカAの飲料サーバ20-2と、飲料メーカBの飲料サーバ20-3と、飲料メーカCの飲料サーバ20-4と、飲料メーカDの飲料サーバ20-5とが各地点に設置され、飲料プラットフォーム100上で動作している場合を想定する。
【0038】
なお、
図2の例では、飲料サーバ20-5に対し、リーダライタ21が設けられた場合を図示しているが、飲料サーバ20-1乃至20-4についても同様に、リーダライタ21が設けられている。
【0039】
この場合において、エンドユーザは、スマートフォン等の情報機器を用いて、事前に、飲料サブスクリプションサービスの会員に登録しておくことで、当該サービスの契約内容に応じた飲料サーバ20-1乃至20-5のいずれかで、飲料容器10を用いて飲料の提供を受けることができる。エンドユーザが飲料の提供を受けるに際しては、飲料サーバ20のリーダライタ21を介して、容器置き台に置かれた飲料容器10のICチップ11に記録されたサブスクリプション情報が適宜処理される。
【0040】
このとき、自動販売機や飲食店等の購入場所や、コーヒーや紅茶等の飲料種別、実際に飲料を購入した回数や日時を示す実購入回数や購入日時などの情報を、サブスクリプション情報として、飲料容器10のICチップ11に記録可能である。
【0041】
そのため、近距離無線通信機能を搭載したスマートフォンやPC(Personal Computer)等の情報機器により、ICチップ11からサブスクリプション情報を読出して、エンドユーザが何の飲料をどれだけ飲んだかなどの情報を提示可能である。なお、これらの情報は、飲料プラットフォーム100を利用して、インターネット等のネットワーク200を介してオンラインでも提示可能である。
【0042】
飲料サブスクリプションサービスに関する決済は、外部の決済代行事業者に依頼することができる。すなわち、決済代行サーバ40では、飲料プラットフォーム100から決済処理が要求された場合、電子マネーやクレジットカードなどの決済種別に応じた決済処理が行われる。
【0043】
例えば、エンドユーザは、飲料サブスクリプションサービスの会員の登録時に、電子マネーやクレジットカードなどの決済種別を登録しておくだけで、当該サービスの契約内容に応じた飲料サーバ20-1乃至20-5のいずれかで、所望の飲料の提供を受けた場合でも、複雑な手順を踏むことなく、簡単に支払いを済ませることが可能となる。
【0044】
図3は、飲料プラットフォーム100のデータベースにより管理されるデータ種別の例を示している。
【0045】
このデータ種別は、購入場所、飲料種別、決済種別、サブスクリプション情報、購入条件、及びログ情報を含んでいる。
【0046】
購入場所は、飲料を購入する場所として、自動販売機、飲食店(レストラン、カフェを含む)、社食、イベント会場などの場所を指定可能である。飲料種別は、飲料の種別として、コーヒー、紅茶、ジュース、ビールなどの飲料を指定可能である。決済種別は、購入した飲料の決済方法として、電子マネー、クレジットカードなどの種別を指定可能である。
【0047】
サブスクリプション情報は、飲料容器ID、実購入回数、購入日時、及び購入条件などの情報から構成される。飲料容器IDは、各エンドユーザが所持する自己の飲料容器10を識別する容器識別子である。実購入回数と購入日時は、エンドユーザが自己の飲料容器10を利用して実際に飲料を購入した回数とその購入した日時を表している。購入条件は、飲料の購入に関する条件であり、エンドユーザからの指示などに応じて指定される。
【0048】
購入条件は、購入場所、有効期限、購入商品、及び購入最大回数などの飲料サブスクリプションサービスを利用するための情報から構成される。購入場所は、サービスを利用して飲料を購入可能な場所が指定される。有効期限は、サービスを利用可能な期間が指定される。購入商品は、サービスで購入可能な商品が指定される。購入最大回数は、サービスを利用して飲料を購入可能な回数が指定される。
【0049】
ログ情報は、履歴管理、健康アドバイザリサービスなどの情報から構成される。履歴管理は、エンドユーザによる飲料の購入履歴に関する情報が管理される。健康アドバイザリサービスは、飲料の購入履歴に基づき、健康面(ヘルスケア)でのアドバイスメッセージを生成するための情報が含まれる。
【0050】
(エンティティ)
図4は、本技術を適用した飲料プラットフォーム100を中心としたエンティティの範囲を示している。このエンティティの範囲を、図中の破線の枠E内で表している。
【0051】
図4において、飲料サーバメーカにより提供される飲料サーバ20は、様々な場所に設置されており、各飲料サーバ20には、飲料メーカから、様々な種別の飲料22が提供されて内部に保持される。各飲料サーバ20は、飲料プラットフォーム100に接続されており、飲料サブスクリプションサービスに加入しているエンドユーザに対し、所望の飲料を提供可能である。
【0052】
エンドユーザUは、スマートフォン等の情報機器50を操作して、飲料プラットフォーム100に接続することで、事前に飲料サブスクリプションサービスに加入している。また、エンドユーザUは、飲料容器メーカにより提供される飲料容器10を所持している。この飲料容器10のICチップ11には、飲料プラットフォーム100によって、サブスクリプション情報が記録されている。
【0053】
エンドユーザUは、所望の飲料を購入する際に、自己の飲料容器10が飲料サーバ20の容器置き台に設置され、ICチップ11に記録されたサブスクリプション情報がリーダライタ21により読出されて処理されることで、自己の飲料容器10を利用して、所望の飲料の提供を受けることができる。このとき、決済処理は、決済代行事業者により提供される決済代行サーバ40が、飲料プラットフォーム100からの要求に応じて実施する構成となっている。
【0054】
(データ構造)
図5は、飲料プラットフォーム100で用いられるデータ構造の例を示している。
【0055】
飲料プラットフォーム100では、飲料情報DB181や、会員管理DB182などのデータベースが管理される。
【0056】
飲料メーカ又は飲料サーバメーカにより提供されるメーカサーバ30では、登録用API(Application Programming Interface)が実行され、飲料情報DB181に対し、購入場所、飲料種別、飲料商品名、決済種別、及びアドバイザリ情報などの情報が初期設定として登録される。
【0057】
エンドユーザUは、飲料サブスクリプションサービスに加入するに際し、スマートフォン等の情報機器50を操作して、会員管理DB182に対し、年齢や性別等のユーザ属性や、電子マネーやクレジットカード等の決済属性を、初期設定として登録する。
【0058】
飲料プラットフォーム100では、エンドユーザUのサービス加入時に、エンドユーザUごとにユーザIDを付与して、ユーザ属性等の情報とともに、会員管理DB182により管理する。なお、会員管理DB182で管理される情報のうち、飲料容器属性には、サブスクリプション情報に含まれる飲料容器10に関する情報(飲料容器ID等)と紐付けられる。また、購入履歴には、エンドユーザUが実際に飲料を購入したときに、当該購入に関する情報が履歴として蓄積される。
【0059】
飲料プラットフォーム100は、飲料情報DB181に登録された情報を、飲料サブスクリプションサービスに加入するエンドユーザUの情報機器50に対して提示する。これにより、当該エンドユーザUは、情報機器50に提示された情報を確認し、購入条件として、購入場所や飲料種別、飲料商品名、決済種別などを選択したり、有効期限や購入最大回数などを指定したりする。
【0060】
飲料プラットフォーム100では、エンドユーザUにより指定又は選択された購入条件と、飲料容器10を識別する飲料容器IDと、エンドユーザUが実際に飲料を購入したときの実購入回数及び購入日時を含むサブスクリプション情報が生成され、飲料容器10のICチップ11に記録される。
【0061】
メーカサーバ30では、取得用APIが実行され、会員管理DB182に格納された情報が取得される。例えば、メーカサーバ30は、会員管理DB182から取得した購入履歴情報と、飲料情報DB181で管理されるアドバイザリ情報に基づき、お得情報や健康面での留意事項に関するアドバイスメッセージを生成して、情報機器50に通知する。これにより、エンドユーザUは、自己の飲料の購入に応じたアドバイスメッセージを確認することができる。
【0062】
なお、
図5において、決済代行事業者により提供される決済代行サーバ40では、飲料プラットフォーム100からの要求に応じて、サブスクリプション情報に含まれる決済種別に応じた決済処理が実施される。
【0063】
(PFサーバの構成)
図6は、飲料プラットフォーム100を構成するPFサーバ101のハードウェア構成の例を示している。
【0064】
PFサーバ101において、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112、RAM(Random Access Memory)113は、バス114により相互に接続されている。CPU111は、ROM112や記憶部118に記録されたプログラムを実行することで、PFサーバ101の各部の動作を制御する。RAM113には、各種のデータが適宜記録される。
【0065】
バス114には、さらに、入出力I/F115が接続されている。入出力I/F115には、入力部116、出力部117、記憶部118、通信部119、及びドライブ120が接続されている。
【0066】
入力部116は、マイクロフォン、キーボード、マウスなどから構成される。出力部117は、スピーカ、ディスプレイなどから構成される。記憶部118は、HDD(Hard Disk Drive)や半導体メモリなどから構成される。通信部119は、無線LAN(Local Area Network)やセルラー方式の通信等の無線通信、又はイーサーネット(登録商標)等の有線通信に対応した通信モジュールとして構成される。
【0067】
ドライブ120は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体121を駆動する。
【0068】
図7は、
図6のPFサーバ101の機能的構成の例を示している。
図7において、処理部151の各機能は、
図6のCPU111によって、各種のプログラムが実行されることで実現される。
【0069】
送信部152と受信部153は、
図6の通信部119の機能の一部として構成される。送信部152は、処理部151から供給される各種の情報を、ネットワーク200を介して他の機器に送信する。受信部153は、ネットワーク200を介して他の機器から送信されてくる各種の情報を受信して、処理部151に供給する。
【0070】
データベース154は、
図6の記憶部118に記録される。例えば、データベース154は、飲料情報DB181や、会員管理DB182等のデータベースを有する。
【0071】
処理部151は、飲料情報処理部161、会員情報処理部162、サブスクリプション情報処理部163、及び決済処理部164を有する。
【0072】
飲料情報処理部161は、飲料情報DB181により管理される飲料情報に関する処理を行う。
【0073】
具体的には、飲料情報処理部161は、メーカサーバ30から送信される飲料情報が受信部153により受信された場合、受信された飲料情報を、飲料情報DB181に登録する。また、飲料情報処理部161は、エンドユーザが情報機器50を操作して購入条件の設定を行う場合、飲料情報DB181から飲料情報を読出して送信部152に供給し、ネットワーク200を介して情報機器50に送信されるようにする。
【0074】
会員情報処理部162は、会員管理DB182により管理される会員情報又は購入履歴情報等の情報に関する処理を行う。
【0075】
具体的には、会員情報処理部162は、エンドユーザの操作に応じて情報機器50から送信される会員情報が受信部153により受信された場合、受信された会員情報を、会員管理DB182に登録する。また、会員情報処理部162は、メーカサーバ30から会員情報又は購入履歴情報が要求された場合、会員管理DB182から会員情報又は購入履歴情報を読出して送信部152に供給し、ネットワーク200を介してメーカサーバ30に送信されるようにする。
【0076】
サブスクリプション情報処理部163は、サブスクリプション情報に関する処理を行う。
【0077】
具体的には、サブスクリプション情報処理部163は、エンドユーザが情報機器50を操作して購入条件の設定を行う場合に、情報機器50から受信した購入条件と飲料容器IDに基づき、サブスクリプション情報を生成する。サブスクリプション情報処理部163は、生成したサブスクリプション情報を送信部152に供給して情報機器50に送信し、飲料容器10のICチップ11に書込まれるようにする。
【0078】
また、サブスクリプション情報処理部163は、エンドユーザが実際に飲料を購入する場合に、飲料サーバ20により飲料容器10のICチップ11から読出されたサブスクリプション情報が受信されたとき、受信したサブスクリプション情報の認証を行う。サブスクリプション情報処理部163は、サブスクリプション情報を、認証結果や決済結果等に応じて更新して、送信部152に供給して飲料サーバ20に送信し、飲料容器10のICチップ11に書込まれるようにする。
【0079】
決済処理部164は、電子マネーやクレジットカード等の決済種別に応じた決済に関する処理を行う。
【0080】
具体的には、決済処理部164は、飲料サーバ20から決済処理要求を受信した場合、その要求を送信部152に供給し、ネットワーク200を介して決済代行サーバ40に送信されるようにする。決済処理部164は、決済代行サーバ40から決済結果を受信した場合、その決済結果を、サブスクリプション情報処理部163に供給する。
【0081】
なお、
図7の処理部151の機能は、1台のPFサーバ101の動作により実現されることは勿論、複数台のPFサーバ101が協働して動作することで実現しても構わない。
【0082】
(情報機器の構成)
図8は、情報機器50のハードウェアの構成の例を示している。
【0083】
情報機器50において、CPU511、ROM512、及びRAM513は、バス514により相互に接続される。CPU511は、ROM512や記憶部517に記録されたプログラムを実行することで、情報機器50の各部の動作を制御する。RAM512には、各種のデータが適宜記録される。
【0084】
バス514には、さらに、入出力I/F520が接続される。入出力I/F520には、入力部515、出力部516、記憶部517、通信部518、及び近距離無線通信部519が接続される。
【0085】
入力部515は、各種の入力データを、入出力I/F520を介してCPU511を含む各部に供給する。例えば、入力部515は、物理的なボタンやタッチパネル等から構成される操作部531、イメージセンサや信号処理部等から構成されるカメラ部532、及び空間情報や時間情報等のセンシングを行うセンサ部533を有する。
【0086】
出力部516は、入出力I/F520を介してCPU511からの制御に従い、各種の情報を出力する。例えば、出力部516は、パネル部と信号処理部等から構成される表示部541、及びスピーカや出力端子に接続されるヘッドホン等から構成される音出力部542を有する。
【0087】
記憶部517は、CPU511からの制御に従い、各種のデータやプログラムを記録する。記憶部517は、半導体メモリ等の補助記憶装置として構成される。
【0088】
通信部518は、CPU511からの制御に従い、ネットワーク200を介して他の機器と通信を行う。通信部518は、セルラー方式の通信(例えばLTE-Advancedや5G等)や、無線LANなどの無線通信、又は有線通信に対応した通信モジュールとして構成される。
【0089】
近距離無線通信部519は、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信規格に準拠した無線通信を行い、各種のデータをやりとりする。
【0090】
図9は、
図8の情報機器50の機能的構成の例を示している。
図9において、処理部551の各機能は、
図8のCPU511によって、各種のプログラムが実行されることで実現される。
【0091】
送信部552と受信部553は、
図8の通信部518の機能の一部として構成される。送信部552は、処理部551から供給される各種の情報を、ネットワーク200を介して他の機器に送信する。受信部553は、ネットワーク200を介して他の機器から送信されてくる各種の情報を受信して、処理部551に供給する。
【0092】
受付部554は、
図8の操作部531等に対応して構成される。例えば、受付部554は、タッチパネルや物理的なボタンにより、エンドユーザの指示を受け付けて、当該指示に応じた操作情報を、処理部551に供給する。提示部555は、
図8の表示部541等に対応して構成される。例えば、提示部555は、処理部551から供給される提示情報を提示する。
【0093】
書込み部556と読出し部557は、
図8の近距離無線通信部519の機能に対応して構成される。例えば、書込み部556は、処理部551から供給される各種の情報を、NFC等に準拠した無線通信により、飲料容器10のICチップ11に書込む。読出し部557は、NFC等に準拠した無線通信により、飲料容器10のICチップ11に記録された各種の情報を読出し、処理部551に供給する。
【0094】
処理部551は、情報処理部561を有する。情報処理部561は、各種の情報に関する処理を行う。
【0095】
例えば、情報処理部561は、PFサーバ101から送信される飲料情報が受信部553により受信された場合、提示情報として提示部555に提示する。例えば、情報処理部561は、PFサーバ101から送信されるサブスクリプション情報が受信部553により受信された場合、書込み部556に供給して、飲料容器10のICチップ11に書込まれるようにする。また、情報処理部561は、読出し部557から供給されるサブスクリプション情報を、送信部552に供給して、ネットワーク200を介してPFサーバ101に送信されるようにする。
【0096】
(各シーンの動作の例)
図10は、飲料プラットフォーム100におけるシーンごとの動作の例を示している。
【0097】
図10においては、シーンに応じた大分類と、シーンごとの動作に応じた中分類に分けて、その内容と備考のパターンを一覧で表している。
【0098】
「エンドユーザ側での購入条件の設定」であるシーンAにおいては、エンドユーザにより設定される購入条件として、購入商品、購入最大回数、購入場所及び有効期限、並びに権利購入種別がそれぞれ指定される。
【0099】
具体的には、「飲料商品名」として「○○」が指定され(A-1)、「飲料種別」として「××」が指定される(A-2)。「購入最大回数」としては「1回分」が指定可能である(A-3)。あるいは、「場所限定」として「△△」、「期間限定」として「1日限定」、「購入最大回数」として「○○」を指定することで、「場所△△で、1日限定で○○杯まで」である購入条件が指定される(A-4)。「権利購入種別」としては「無制限」が指定可能である(A-5)。
【0100】
「エンドユーザ側での実購入」であるシーンBにおいては、エンドユーザが実際に飲料を購入する際に、購入場所にて飲料商品を未選択とする(B-1)か、又は飲料商品を選択する(B-2)。
【0101】
具体的には、購入場所にて飲料商品を未選択とする場合に、購入条件等の情報に基づき、飲料容器IDからエンドユーザが購入したい飲料商品を特定することで、事前に設定した飲料商品が購入される(B-1)。一方で、同一の商品種別で該当する飲料商品が複数ある場合には、エンドユーザが、購入場所にて複数の飲料商品の中から指定した飲料商品が購入される(B-2)。
【0102】
また、シーンBにおいては、購入条件を満足しない場合、すなわち、異常系の挙動として、エンドユーザに対し、購入条件を満足しないことが通知される(B-3)。さらに、シーンBでは、購入条件に設定した決済種別で自動的に決済が行われる(B-4)。
【0103】
「事業者側での初期設定」であるシーンCにおいては、飲料メーカ又は飲料サーバメーカからの初期登録として、飲料情報が登録される(C-1)。「エンドユーザ側での初期設定」であるシーンDにおいては、エンドユーザからの会員登録として、会員情報が登録される(D-1)。
【0104】
「事業者側での情報取得」であるシーンEにおいては、エンドユーザにより初期登録された会員情報が取得される(E-1)か、エンドユーザによる飲料商品の実購入の履歴に関する購入履歴情報が取得される(E-2)。「事業者側からのアドバイス」であるシーンFにおいては、購入履歴情報に基づき、お得情報や健康面での留意事項などのアドバイスメッセージが生成される(F-1)。
【0105】
以下、
図11乃至
図16を参照して、
図10に示した各シーンのシーケンスの例を説明するが、実際の運用での順序に合わせて、シーンC,D,A,B,E,Fの順に説明する。
【0106】
(第1の例)
まず、
図11のシーケンス図を参照して、シーンCでの動作、すなわち、事業者側での初期設定を行う場合の処理の流れを説明する。
【0107】
図11のシーケンス図においては、5つのオブジェクトの間のやり取りが上下方向の時系列で表されている。これらのオブジェクトのうち、「エンドユーザ」は、エンドユーザUによる操作を表している。
【0108】
「飲料容器」は、ICチップ11が取り付けられた飲料容器10により実行される処理の流れを示している。「情報機器」は、エンドユーザUが所持する情報機器50により実行される処理の流れを示している。
【0109】
「飲料プラットフォーム」は、飲料プラットフォーム100を構成するPFサーバ101により実行される処理の流れを示している。「飲料サーバメーカ又は飲料メーカ」は、メーカサーバ30により実行される処理の流れを示している。これらのオブジェクトの関係は、後述する他の図でも同様とされる。
【0110】
飲料サーバメーカや飲料メーカ等の事業者側での初期設定を行う場合において、PFサーバ101は、メーカサーバ30に対し、飲料情報を要求する(S11)。
【0111】
メーカサーバ30は、PFサーバ101からの要求に応じて、要求元のPFサーバ101の飲料情報処理部161により管理される飲料情報DB181に対し、飲料情報を初期登録する(S12)。この飲料情報には、購入場所、飲料種別、飲料商品名、決済種別などの情報が含まれる。
【0112】
このように、
図11のシーケンス図は、
図10のC-1に対応するものであり、飲料サーバメーカや飲料メーカ等の事業者側から、飲料プラットフォーム100を利用する際の初期設定を行う場合に実行される処理の流れを示している。
【0113】
(第2の例)
次に、
図12のシーケンス図を参照して、シーンDでの動作、すなわち、エンドユーザ側での初期設定を行う場合の処理の流れを説明する。
【0114】
エンドユーザ側での初期設定を行う場合において、エンドユーザUは、情報機器50に提示される設定画面に対し、会員情報の設定操作を行う(S31)。
【0115】
情報機器50は、エンドユーザUからの操作に応じて、PFサーバ101の会員情報処理部162により管理される会員管理DB182に対し、会員情報を登録する(S32)。この会員情報には、ユーザ属性、決済属性などの情報が含まれる。
【0116】
このように、
図12のシーケンス図は、
図10のD-1に対応しており、エンドユーザ側から、飲料プラットフォーム100を利用する際の初期設定を行う場合に実行される処理の流れを示している。
【0117】
(第3の例)
次に、
図13のシーケンス図を参照して、シーンAでの動作、すなわち、エンドユーザ側での購入条件の設定を行う場合の処理の流れを説明する。
【0118】
エンドユーザ側での購入条件の設定を行う場合において、情報機器50は、PFサーバ101に対し、飲料情報一覧を要求する(S51)。この飲料情報一覧要求を送るタイミングであるが、情報機器50が自動的に要求してもよいし、エンドユーザUが明示的に指示してもよい。
【0119】
PFサーバ101の飲料情報処理部161は、情報機器50からの要求に応じて、情報機器50に対し、飲料情報を通知する(S52)。この飲料情報は、メーカサーバ30から得られた情報であって、購入場所や飲料種別などの情報を含む。これにより、情報機器50では、購入場所や飲料種別などの情報が、提示情報として提示される。
【0120】
エンドユーザUは、情報機器50に提示される設定画面(提示情報)に対し、所定の操作を行うことで、購入条件を指定する(S53)。具体的には、商品aである飲料商品名、種別bである飲料種別、1回分である購入最大回数などが、購入条件として指定される。
【0121】
情報機器50は、エンドユーザUからの操作に応じて、飲料容器10に取り付けられたICチップ11に対し、飲料容器IDを要求する(S54)。これにより、ICチップ11に記録された飲料容器IDが、情報機器50の読出し部557により読出される(S55)。情報機器50は、購入条件と飲料容器IDを、PFサーバ101に通知する(S56)。
【0122】
PFサーバ101のサブスクリプション情報処理部163は、情報機器50から通知された情報に基づき、サブスクリプション情報を生成する(S57)。このサブスクリプション情報は、購入条件と飲料容器IDを含んでいる。
【0123】
PFサーバ101のサブスクリプション情報処理部163は、情報機器50に対し、生成したサブスクリプション情報を、飲料容器10のICチップ11に書込むように要求する(S58)。これにより、ICチップ11では、情報機器50の書込み部556によってサブスクリプション情報が書込まれ(S59)、書込みされた旨がPFサーバ101に通知される(S60)。
【0124】
また、PFサーバ101は、メーカサーバ30に対し、エンドユーザにより指定された購入条件に関するログ情報を通知する(S61)。
【0125】
このように、
図13のシーケンス図は、
図10のA-1乃至A-4に対応しており、エンドユーザ側での購入条件の設定を行う際に、エンドユーザにより指定された購入条件と、当該エンドユーザが所持している飲料容器10を識別する飲料容器IDに基づき生成されるサブスクリプション情報が、当該飲料容器10のICチップ11に書込まれる。
【0126】
(第4の例)
次に、
図14のシーケンス図を参照して、シーンBでの動作、すなわち、エンドユーザ側での実購入を行う場合の処理の流れを説明する。
【0127】
なお、
図14のシーケンス図においては、上述した
図13等と比べて、オブジェクトとして、「情報機器」の代わりに、「飲料サーバ」を記載しているが、「飲料サーバ」は、飲料サーバ20により実行される処理の流れを示している。また、「決済代行事業者」は、決済代行サーバ40により実行される処理の流れを示している。
【0128】
エンドユーザUにより飲料の実購入が行われる場合、飲料サーバ20の容器置き台に置かれた飲料容器10に関する設定が行われ、購入対象の飲料商品が設定される(S71)。このとき、飲料サーバ20が設置された購入場所において、エンドユーザUが飲料商品を指定する場合(
図10のB-2)と、飲料商品を指定しない場合(
図10のB-1)とがある。
【0129】
すなわち、購入場所にて、飲料サーバ20により提供される飲料商品として、同一の商品種別で該当する飲料商品が複数ある場合には、前者のように、複数の飲料商品の中からエンドユーザUにより指定された飲料商品が購入対象となる(
図10のB-2)。また、後者の場合には、飲料プラットフォーム100側で、飲料サーバ20の容器置き台に置かれた飲料容器10の飲料容器IDから、購入条件等の情報に基づき、購入対象の飲料商品が自動的に特定される(
図10のB-1)。
【0130】
PFサーバ101のサブスクリプション情報処理部163は、飲料サーバ20に対し、容器置き台に置かれた飲料容器10のICチップ11に記録されたサブスクリプション情報を要求する(S72)。
【0131】
飲料サーバ20においては、リーダライタ21が、ICチップ11との間で、近距離無線通信を行うことで、サブスクリプション情報が読出され(S73)、PFサーバ101に通知される(S74)。これにより、PFサーバ101のサブスクリプション情報処理部163では、飲料サーバ20からのサブスクリプション情報が取得される。
【0132】
PFサーバ101のサブスクリプション情報処理部163においては、取得されたサブスクリプション情報に含まれる購入情報(購入条件や実購入回数等の情報)が確認され(S75)、サブスクリプション情報の認証が行われる(S76)。例えば、この認証処理では、認証対象のサブスクリプション情報に含まれる購入商品や購入最大回数、購入場所、有効期限などの購入条件が満たされているかどうかが確認され、当該サブスクリプション情報を読出したICチップ11が取り付けられた飲料容器10に対し、飲料を提供可能かどうかが判定される。
【0133】
飲料サーバ20では、容器置き台に置かれた飲料容器10に飲料を提供可能であると判定された場合、飲料容器10に対し、購入対象の飲料が吐出される。そして、飲料サーバ20は、飲料容器10に対する飲料の吐出が完了した場合、PFサーバ101に対し、その旨を通知するとともに、決済処理を要求する(S77)。なお、購入条件を満たしていない場合には、その旨(有効期限が切れているなど)が、エンドユーザUに対して通知される(
図10のB-3)。
【0134】
PFサーバ101の決済処理部164は、飲料サーバ20からの吐出完了通知と決済処理要求に応じて、決済代行サーバ40に対し、決済処理を要求する(S78)。
【0135】
決済代行サーバ40は、PFサーバ101からの要求に応じて、事前設定された決済種別に応じた決済処理を行う(S79)。決済代行サーバ40は、決済処理の結果を、PFサーバ101に通知する(S80)。
【0136】
すなわち、決済代行事業者が、飲料サブスクリプションサービスの決済を代行して行うことで、購入対象の飲料の料金は、ICチップ11の機能を利用した電子マネーによる支払いか、飲料容器IDに紐付けられたクレジットカードを利用した引き落としなどで処理される(
図10のB-4)。
【0137】
PFサーバ101のサブスクリプション情報処理部163は、飲料サーバ20からの吐出完了通知、及び決済代行サーバ40からの決済結果通知に基づき、サブスクリプション情報を更新する(S81)。例えば、この更新処理では、エンドユーザUによる飲料の実購入に応じて、サブスクリプション情報に含まれる情報のうち、実購入回数と購入日時の値が更新される。
【0138】
PFサーバ101のサブスクリプション情報処理部163は、飲料サーバ20に対し、更新したサブスクリプション情報をICチップ11に書込むように要求する(S82)。
【0139】
飲料サーバ20においては、リーダライタ21が、飲料容器10のICチップ11との間で、近距離無線通信を行うことで、更新したサブスクリプション情報が書込まれ(S83)、書込みされた旨がPFサーバ101に通知される(S84)。
【0140】
PFサーバ101は、飲料サーバ20からの書込み通知に応じて、メーカサーバ30に対し、決済処理に関するログ情報を通知する(S85)。
【0141】
このように、
図14のシーケンス図は、
図10のB-1乃至B-4に対応しており、エンドユーザ側での実購入を行う際に、エンドユーザにより指定された購入条件や、過去の実購入の内容に応じて、サブスクリプション情報が認証され、購入条件を満たしている場合には、飲料容器10への飲料の吐出が完了した後に決済処理が行われ、今回の実購入の内容に応じて更新されたサブスクリプション情報が、飲料容器10のICチップ11に書込まれる。
【0142】
なお、決済処理のタイミングは、飲料サブスクリプションサービスのサービス内容やエンドユーザUの契約内容などにより変更することができる。例えば、
図14に示したように、エンドユーザUが実際に飲料を購入したときに決済処理を行うようにしてもよいし、あるいは、定額料金で一定期間(1ヶ月間や1年間等)のサービスを受けられるサービス内容や契約内容である場合には、任意のタイミング(毎月の定額支払いや、1年に一度の支払い等のタイミング)で定額料金を支払う決済処理が行われるようにしてもよい。
【0143】
(第5の例)
次に、
図15のシーケンス図を参照して、シーンEでの動作、すなわち、事業者側での情報取得を行う場合の処理の流れを説明する。
【0144】
飲料サーバメーカや飲料メーカ等の事業者側での初期登録情報の取得を行う場合において、メーカサーバ30は、PFサーバ101に対し、初期登録情報を要求する(S91)。
【0145】
PFサーバ101の会員情報処理部162は、メーカサーバ30からの要求に応じて、会員情報を取得する(S92)。ここでは、初期登録情報として、会員管理DB182で管理している会員情報が取得され、要求元のメーカサーバ30に対して通知される(S93)。この会員情報には、ユーザIDやユーザ属性等の情報が含まれる。
【0146】
なお、事業者側での初期登録情報の取得に際しては、シーンA,Dの動作で、エンドユーザ側で購入条件や初期登録情報を設定しておく必要がある。
【0147】
このように、
図15のシーケンス図は、
図10のE-1に対応しており、飲料プラットフォーム100を利用時に、飲料サーバメーカや飲料メーカ等の事業者側から、各種の情報の取得を行う場合に実行される処理の流れを示している。
【0148】
(第6の例)
最後に、
図16のシーケンス図を参照して、シーンE,Fでの動作、すなわち、事業者側の情報取得とアドバイスを行う場合の処理の流れを説明する。
【0149】
飲料サーバメーカや飲料メーカ等の事業者側での購入履歴情報の取得を行う場合において、メーカサーバ30は、PFサーバ101に対し、購入履歴情報を要求する(S111)。
【0150】
PFサーバ101の会員情報処理部162は、メーカサーバ30からの要求に応じて、購入履歴情報を取得する(S112)。ここでは、会員管理DB182で管理されている購入履歴情報が取得され、要求元のメーカサーバ30に対して通知される(S113)。
【0151】
メーカサーバ30は、PFサーバ101からの購入履歴情報に基づき、アドバイスメッセージを生成する(S114)。ここでは、エンドユーザUによる飲料の購入履歴を分析することで、特定期間での割引セールや新製品の紹介などのお得情報に関するメッセージが生成されたり、あるいは、短期間での特定飲料の飲み過ぎへの注意喚起などの健康面での留意事項に関するメッセージが生成されたりする。
【0152】
メーカサーバ30は、エンドユーザUが所持する情報機器50に対し、生成したアドバイスメッセージを通知する(S115)。これにより、エンドユーザUは、情報機器50に提示されるアドバイスメッセージを確認して、自己の飲料の購入に応じたお得情報や、健康面での留意事項などの情報を得ることができる(S116)。
【0153】
このように、
図16のシーケンス図は、
図10のE-2,F-1に対応しており、飲料プラットフォーム100を利用時に、飲料サーバメーカや飲料メーカ等の事業者側から、エンドユーザUに対してアドバイスメッセージの通知を行う場合に実行される処理の流れを示している。
【0154】
<2.変形例>
【0155】
上述した説明では、飲料サーバ20のリーダライタ21や、情報機器50の近距離無線通信部519が、飲料容器10に取り付けられたICチップ11との間で、近距離無線通信を行うことで、サブスクリプション情報を書き込んだり、読み出したりする構成を例示したが、NFC(例えばFeliCa(登録商標))等の近距離無線通信に限らず、他の通信方式を用いても構わない。あるいは、2次元コード(例えばQRコード(登録商標))やバーコード等のコードを用いてサブスクリプション情報を提示して、カメラ等で撮影して読み取るようにしても構わない。
【0156】
また、上述した説明では、スマートフォン等の情報機器50が、飲料容器10のICチップ11との間で、NFC等の近距離無線通信を行い、サブスクリプション情報の読み書きをする構成を例示したが、専用のリーダライタ等の外部機器により、ICチップ11のサブスクリプション情報が読み書きされるようにしても構わない。また、エンドユーザが、スマートフォン等の情報機器50を操作して、会員情報や購入条件等の情報を入力する際には、タッチパネルをタップ操作して情報を入力したり、音声入力を利用して情報を入力したりすることができる。
【0157】
また、上述した説明では、飲料プラットフォーム100を利用して、飲料サブスクリプションサービスを提供する構成を例示したが、本技術を適用したプラットフォームを利用して、飲料に関するサービス限らず、他の物品を提供するサービスや、各種のレンタルサービス、シェアリングサービスなどの他のサービスが提供されるようにしてもよい。
【0158】
以上のように、本技術によれば、情報処理装置(例えば飲料プラットフォーム100を構成するPFサーバ101)によって、飲料の購入に関する購入条件と、飲料容器(例えばマイカップ等の飲料容器10)を識別する容器識別子(例えば飲料容器ID)を含む購入情報(例えばサブスクリプション情報)が生成され、生成された購入情報に基づいて、飲料容器を利用した飲料の提供を実施するための処理(例えば
図14のシーケンス図の処理)が行われる。
【0159】
また、エンドユーザが自身の好みの飲料を、マイカップやマイボトル等の飲料容器10を利用して購入する際に、その都度飲料の指定を行うことなく、さらには、明示的に決済手段を指定することなく、飲料を購入することが可能となる。また、購入場所を限定したり、有効期限を設けたり、あるいは、購入予定商品に応じた最大購入回数を設定したりすることができるため、エンドユーザの手軽さや要望に配慮したサブスクリプションベースでの利用を提案することが可能となる。これにより、より簡便に、マイカップ等の飲料容器10を利用して飲料を提供することができる。
【0160】
さらに、エンドユーザは、いつもお気に入りのマイカップ等の飲料容器10を使って、出先で飲料の提供を受けることができるため、出先でも飲料を手軽に楽しむことができる。また、エンドユーザが何をいつ、どれだけ飲んだかなどの飲料に関する履歴管理が行われるため、1日に飲む量の目標を決めた飲料の履歴管理や、1日のアルコール飲料の上限などを設けて、飲料サーバ20から飲める回数の制限を行うなどの管理を行うことができる。
【0161】
このような履歴管理により、エンドユーザのヘルスケアの目安を定めたり、購入履歴を利用したアドバイスを提供したりすることができる。例えば、エンドユーザの購入履歴をログ情報として管理し、そのログ情報を利用して飲料メーカや飲料サーバメーカが、エンドユーザに対して健康面(ヘルスケア)でのアドバイスを提示することができる。
【0162】
購入した飲料の料金の支払いに関しては、マイカップ等の飲料容器10に取り付けられたICチップ11により、各種の電子マネーによる支払いか、飲料容器IDと紐付けられたクレジットカードでの引き落としが可能となる。よって、エンドユーザは、手間をかけずに、購入した飲料の料金の支払うことができる。
【0163】
現状、自動販売機等での飲料の購入時に用いられる容器としては、ペットボトルや缶が主体であり、地球環境負荷軽減への取り組みが十分になされているとは言い難いが、エンドユーザが、マイカップ等の飲料容器10を利用することで、ペットボトルや缶の利用頻度が低減され、プラスチック類や、アルミニウムのゴミを削減することができる。その結果として、地球環境負荷軽減の対応として十分な取り組みを実現することができる。
【0164】
また、飲料メーカからすれば、既存のペットボトルや缶、ビンなどの容器を前提としたビジネスに加えて、飲料サーバ20と、マイカップ等の飲料容器10を介して、エンドユーザと直接つながって、購入履歴に基づいたワントゥワンマーケティングを可能とするビジネス形態を確立することができる。ワントゥワンマーケティング(One-to-One Marketing)とは、企業がマーケティング活動を行っていく際に、顧客一人ひとりの趣向や属性などを基とした上で、顧客に対して個別にマーケティングを行っていくという手法である。
【0165】
<3.コンピュータの構成>
【0166】
上述したフローチャートの各ステップの処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、各装置のコンピュータにインストールされる。
【0167】
コンピュータが実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブル記録媒体に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線又は無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0168】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブル記録媒体をドライブに装着することにより、入出力I/Fを介して、記憶部にインストールすることができる。また、プログラムは、有線又は無線の伝送媒体を介して、通信部で受信し、記憶部にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROMや記憶部に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0169】
ここで、本明細書において、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に行われる必要はない。すなわち、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含む。
【0170】
また、プログラムは、1のコンピュータ(プロセッサ)により処理されるものであってもよいし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであってもよい。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されてもよい。
【0171】
さらに、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0172】
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、本技術は、1つの機能を、ネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0173】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0174】
また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。
【0175】
なお、本技術は、以下のような構成をとることができる。
【0176】
(1)
飲料の購入に関する購入条件と、飲料容器を識別する容器識別子を含む購入情報を生成し、
生成した前記購入情報に基づいて、前記飲料容器を利用した飲料の提供を実施するための処理を行う
処理部を備える
情報処理装置。
(2)
前記処理部は、
前記購入情報を、前記飲料容器に対して記録し、
エンドユーザによって、前記飲料容器を利用した飲料の購入が行われたとき、当該飲料の購入の内容に応じて、記録された前記購入情報を処理する
前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記購入条件は、購入場所、有効期限、購入商品、購入最大回数、及び決済種別のうち、少なくとも1つの情報を含む
前記(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記購入条件は、前記エンドユーザにより指定される
前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の情報処理装置。
(5)
前記容器識別子は、前記飲料容器に対して記録される
前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の情報処理装置。
(6)
前記処理部は、
前記エンドユーザの機器からの要求に応じて、飲料に関する提示情報を通知し、
提示される前記提示情報に応じて前記エンドユーザにより指定される前記購入条件、及び前記飲料容器から取得される前記容器識別子に基づいて、前記購入情報を生成する
前記(5)に記載の情報処理装置。
(7)
前記処理部は、飲料メーカ又は飲料サーバメーカの機器により提供される飲料に関する飲料情報に基づいて、前記提示情報を通知する
前記(6)に記載の情報処理装置。
(8)
前記処理部は、購入場所にて前記エンドユーザにより指定された飲料、又は前記容器識別子から特定された飲料を、購入対象の飲料として、前記購入情報を処理する
前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の情報処理装置。
(9)
前記処理部は、
前記飲料容器に対する購入対象の飲料の提供に応じて、当該購入対象の飲料の決済に関する処理を行い、
前記購入情報の処理結果に基づいて、前記飲料容器に対して記録された前記購入情報を更新する
前記(8)に記載の情報処理装置。
(10)
前記処理部は、
決済種別に応じた決済に関する処理を行う決済代行サーバに対し、当該購入対象の飲料の決済を要求し、
前記決済代行サーバから通知される決済に関する処理結果を取得する
前記(9)に記載の情報処理装置。
(11)
前記処理部は、
購入済みの飲料に関する履歴を、履歴情報として蓄積し、
飲料メーカ又は飲料サーバメーカの機器からの要求に応じて、蓄積していた前記履歴情報を通知する
前記(9)又は(10)に記載の情報処理装置。
(12)
前記履歴情報に基づき、前記エンドユーザに対するメッセージが生成され、
生成された前記メッセージが、前記エンドユーザの機器によって、前記エンドユーザに提示される
前記(11)に記載の情報処理装置。
(13)
前記購入情報は、前記飲料容器の所定の位置に取り付けられた、近距離無線通信の機能を含むICチップに記録され、
前記処理部は、近距離無線通信によって、処理した前記購入情報が前記ICチップに書込まれるようにするか、又は前記ICチップから読出された前記購入情報を処理する
前記(1)乃至(12)のいずれかに記載の情報処理装置。
(14)
前記飲料容器に対して飲料を吐出する飲料サーバは、近距離無線通信の機能を含むリーダライタを有し、
前記処理部は、前記リーダライタにより、処理した前記購入情報を前記ICチップに書込むか、又は前記ICチップから読出された前記購入情報を処理する
前記(13)に記載の情報処理装置。
(15)
前記飲料容器は、エンドユーザごとに用いられるマイカップ又はマイボトルを含み、
前記購入情報は、エンドユーザごとに個別の情報であって、サブスクリプション方式に対応したサブスクリプション情報に含まれる
前記(1)乃至(14)のいずれかに記載の情報処理装置。
(16)
前記購入情報は、実購入回数、及び購入日時をさらに含む
前記(15)に記載の情報処理装置。
(17)
情報処理装置が、
飲料の購入に関する条件と、飲料容器を識別する識別子を含む購入情報を生成し、
生成した前記購入情報に基づいて、前記飲料容器を利用した飲料の提供を実施するための処理を行う
情報処理方法。
(18)
飲料の購入に関する購入条件と、飲料容器を識別する容器識別子を含む購入情報を生成し、生成した前記購入情報に基づいて、前記飲料容器を利用した飲料の提供を実施するための処理を行う情報処理装置からの要求に応じて、前記飲料容器に対して飲料を吐出する飲料サーバに設けられたリーダライタとの間で近距離無線通信を行うことにより、前記購入情報が書込まれるか、又は記録された前記購入情報が読出されるICチップを有する
飲料容器。
(19)
飲料の購入に関する購入条件と、飲料容器を識別する容器識別子を含む購入情報を生成し、生成した前記購入情報に基づいて、前記飲料容器を利用した飲料の提供を実施するための処理を行う情報処理装置からの要求に応じて、容器置き台に置かれた前記飲料容器に取り付けられたICチップとの間で近距離無線通信を行うことにより、前記購入情報を書込むか、又は記録された前記購入情報を読出すリーダライタを有する
飲料サーバ。
(20)
飲料の購入に関する購入条件と、飲料容器を識別する容器識別子を含む購入情報を生成し、生成した前記購入情報に基づいて、前記飲料容器を利用した飲料の提供を実施するための処理を行う情報処理装置から通知される、飲料に関する提示情報を提示する提示部と、
提示した前記提示情報に応じてエンドユーザにより指定される前記購入条件を受け付ける受付部と、
前記飲料容器に対して記録された前記容器識別子を読出す読出し部と
を備え、
前記購入情報は、前記エンドユーザにより指定された前記購入条件、及び前記飲料容器から読出された前記容器識別子に基づき、生成される
電子機器。
【符号の説明】
【0177】
10 飲料容器, 10-1 マイカップ, 10-2 マイボトル, 11 ICチップ, 20,20-1乃至20-N 飲料サーバ, 21 リーダライタ, 30 メーカサーバ, 40 決済代行サーバ, 50 情報機器, 100 飲料プラットフォーム, 101 PFサーバ, 111 CPU, 112 ROM, 113 RAM, 116 入力部, 117 出力部, 118 記憶部, 119 通信部, 151 処理部, 152 送信部, 153 受信部, 154 データベース, 161 飲料情報処理部, 162 会員情報処理部, 163 サブスクリプション情報処理部, 164 決済処理部, 200 ネットワーク, 511 CPU, 512 ROM, 513 RAM, 515 入力部, 516 出力部, 517 記憶部, 518 通信部, 519 近距離無線通信部, 531 操作部, 532 カメラ部, 533 センサ部, 541 表示部, 542 音出力部, 551 処理部, 552 送信部, 553 受信部, 554 受付部, 555 提示部, 556 書込み部, 557 読出し部, 561 情報処理部