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特許7639892検査支援装置、検査支援方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-25
(45)【発行日】2025-03-05
(54)【発明の名称】検査支援装置、検査支援方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 30/00 20180101AFI20250226BHJP
【FI】
G16H30/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023508304
(86)(22)【出願日】2021-03-25
(86)【国際出願番号】 JP2021012497
(87)【国際公開番号】W WO2022201417
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2023-07-13
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和3年に学会ウェブサイトで発表
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】天川 彩香
(72)【発明者】
【氏名】上條 憲一
(72)【発明者】
【氏名】ジョシ ヤティン
【審査官】鹿野 博嗣
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0008838(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0184643(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第112330627(CN,A)
【文献】masumi ohsaki,病理解析AIで病気を瞬時に判定へ、“病理医不足”の解決目指すメドメイ ンが海外向けにサービス開始,日本,TechCrunch Japan,2020年03月10日,[検索日 2024.08.22],インターネット: <URL: https://jp.techcrunch.com/2020/03/10/medmain-pidport/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遺伝子検査の検査対象である病理画像データを用いて、前記検査対象を腫瘍細胞の種類別に分類する分類手段と、
前記検査対象と関係する腫瘍細胞の種類別の判定の記録又は成績の少なくともいずれかを含む病理医の識別情報に基づいて、支援を依頼可能な病理医の中から、前記遺伝子検査の支援を依頼する病理医の候補を選択する選択手段と、
前記病理医の候補を提示する提示手段と
を備えた検査支援装置。
【請求項2】
前記選択手段は、共通点を有する病理医をまとめたリストの中から、前記遺伝子検査の支援を依頼する前記病理医の候補を選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の検査支援装置。
【請求項3】
前記支援を依頼する前記病理医の候補の中から指定された病理医がアクセス可能なアドレスへ、前記検査対象に関するデータを送信する通信手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1または2に記載の検査支援装置。
【請求項4】
前記通信手段は、前記病理医がアクセス可能なアドレスへ、コンピュータを用いた前記検査対象の分析結果とともに、前記検査対象に関するデータを送信する
ことを特徴とする請求項3に記載の検査支援装置。
【請求項5】
前記通信手段は、前記病理医がアクセス可能なクラウドサーバに、前記検査対象に関するデータをアップロードする
ことを特徴とする請求項4に記載の検査支援装置。
【請求項6】
前記通信手段は、前記病理医による前記検査対象に関する判定結果を受信し、
前記検査対象の判定結果に基づく情報を出力する出力手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の検査支援装置。
【請求項7】
前記出力手段は、前記検査対象である病理画像データとともに、前記検査対象の判定結果に基づく情報を出力する
ことを特徴とする請求項6に記載の検査支援装置。
【請求項8】
前記出力手段は、前記病理医による前記検査対象に関する判定結果を統計的に分析し、その分析の結果に基づく情報を出力する
ことを特徴とする請求項6または7に記載の検査支援装置。
【請求項9】
遺伝子検査の検査対象である病理画像データを用いて、前記検査対象を腫瘍細胞の種類別に分類し、
前記検査対象と関係する腫瘍細胞の種類別の判定の記録又は成績の少なくともいずれかを含む病理医の識別情報に基づいて、支援を依頼可能な病理医の中から、前記遺伝子検査の支援を依頼する病理医の候補を選択し、
前記病理医の候補を提示する
検査支援方法。
【請求項10】
遺伝子検査の検査対象である病理画像データを用いて、前記検査対象を腫瘍細胞の種類別に分類し、
前記検査対象と関係する腫瘍細胞の種類別の判定の記録又は成績の少なくともいずれかを含む病理医の識別情報に基づいて、支援を依頼可能な病理医の中から、前記遺伝子検査の支援を依頼する病理医の候補を選択し、
前記病理医の候補を提示する
ことをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査支援装置、検査支援方法、および記録媒体に関し、特に、病理標本を用いた腫瘍細胞の検査を補助する検査支援装置、検査支援方法、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
体細胞の遺伝子検査の対象とする細胞集団を取得するために、顕微鏡にレーザー照射装置が接続された機器が使用される。一つの手法では、薄切りにした組織を専用のスライドに貼り付けて染色した後、顕微鏡で組織の切片を観察しながら、検査領域の輪郭に沿ってレーザーを照射する。これにより、検査領域内の細胞集団を組織から切り離して回収することができる。これはダイセクション(解離)と呼ばれる技術の一例である。
【0003】
関連する技術では、デジタル化した病理画像を用いて、診断や診断の支援を行う。例えば、特許文献1に記載の関連する技術では、高倍率の病理画像及び低倍率の病理画像を用いて、病理組織を自動識別する。この技術は、デジタルパソロジーの一例である。
【0004】
特許文献2には、病理画像データに、ダイセクションの支援のための画像処理を施したうえ、加工した病理画像データを病理医の端末へ送信することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-203949号公報
【文献】国際公開第2011/108551号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
精確な遺伝子検査のため、腫瘍細胞の含有率が高い検査領域を含んだ病理画像データを使用することが要求される。しかしながら、病理医にとって、腫瘍細胞の含有率が高い検査領域を適切に判断することは困難である。そのような場合、不慣れな病理医は、熟練の病理医に助言又は支援を受けたいと考えるが、熟練の病理医が常に近くにいるとは限られない。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、病理画像データを用いる遺伝子検査を支援することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係わる検査支援装置は、遺伝子検査の検査対象である病理画像データを用いて、前記検査対象を腫瘍細胞の種類別に分類する分類手段と、前記検査対象と関係する腫瘍細胞の種類に基づいて、支援を依頼可能な病理医の中から、前記遺伝子検査の支援を依頼する病理医の候補を選択する選択手段と、前記病理医の候補を提示する提示手段とを備えている。
【0009】
本発明の一態様に係わる検査支援方法では、遺伝子検査の検査対象である病理画像データを用いて、前記検査対象を腫瘍細胞の種類別に分類し、前記検査対象と関係する腫瘍細胞の種類に基づいて、支援を依頼可能な病理医の中から、前記遺伝子検査の支援を依頼する病理医の候補を選択し、前記病理医の候補を提示する。
【0010】
本発明の一態様に係わる一時的でない記憶媒体は、遺伝子検査の検査対象である病理画像データを用いて、前記検査対象を腫瘍細胞の種類別に分類し、前記検査対象と関係する腫瘍細胞の種類に基づいて、支援を依頼可能な病理医の中から、前記遺伝子検査の支援を依頼する病理医の候補を選択し、前記病理医の候補を提示することをコンピュータに実行させるためのプログラムを格納している。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、病理画像データを用いる遺伝子検査を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】病理医の端末およびサーバを備えたシステム内におけるデータの送受信の一例を示す図である。
図2】病理標本の画像データの一例を示す図である。
図3】実施形態1に係わる検査支援装置の構成を示すブロック図である。
図4】実施形態1に係わる検査支援装置の動作を示すフローチャートである。
図5】実施形態2に係わる検査支援装置(クラウドサーバ)を備えたシステム内におけるデータの流れを示す図である。
図6】実施形態2に係わる検査支援装置の構成を示すブロック図である。
図7】実施形態2に係わる検査支援装置の動作を示すフローチャートである。
図8】実施形態3に係わる検査支援装置(クラウドサーバ)を備えたシステム内におけるデータの流れを示す図である。
図9】実施形態3に係わる検査支援装置の構成を示すブロック図である。
図10】実施形態3に係わる検査支援装置の動作を示すフローチャートである。
図11】実施形態1~3のいずれかに係わる検査支援装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0014】
(システム1)
図1を参照して、後述する実施形態1~3に係わる検査支援装置10~30が適用されるシステム1の構成の一例を説明する。図1は、システム1の構成の一例を概略的に示す図である。
【0015】
図1に示すように、システム1は、検査技師のスキャナ100、病理医の端末200、および、サーバ300を備えている。
【0016】
検査技師は、遺伝子検査の対象となる細胞組織の病理標本を作成する。検査技師は、スキャナ100を用いて、病理標本のスキャンデータを作成する。検査技師は、作成した病理標本のスキャンデータを、スキャナ100から病理医の端末200へ送信する。
【0017】
病理医は、端末200が受信した病理標本のスキャンデータを加工することによって、検査対象である病理標本の画像データ(以下、病理画像データと呼ぶ)を作成する。例えば、病理医は、組織の染色の濃度に基づいて、腫瘍細胞の割合が高い細胞が多いと考えられる注目領域を判断する。
【0018】
病理医は、注目領域のアノテーションを行う。例えば、病理医は、一般的な画像編集ソフトウェアを用いて、病理標本の画像データ上において、腫瘍細胞の領域の割合が高いと考えられる注目領域に対し、マーキングを付加してもよい。例えば、病理医は、端末200上で動作する一般的な画像編集ソフトウェアを用いて、病理標本の画像データ上の注目領域を囲むように、ドット又は線を入力する。あるいは、病理医は、検査技師が作成した病理標本そのものを取得して、病理標本上にマジック等でドット又は線を描いたのち、スキャナ100を用いて、病理標本をスキャンしてもよい。病理医の端末200は、このようにして作成された病理画像データを、支援の依頼とともに、サーバ300へ送信する。ここでは、検査技師が注目領域を指定する場合について説明した。しかしながら、注目領域は必ずしも指定される必要がない。注目領域が指定されない場合、以下の説明において、「注目領域」は、病理標本の画像データの全体と読み替えられる。
【0019】
サーバ300は、後述する実施形態1~3のいずれかに係わる検査支援装置10(図3)、検査支援装置20(図5)、および検査支援装置30(図9)のいずれかを備えている。以下で、検査支援装置10~30のいずれかを「検査支援装置10(20,30)」と記載する。
【0020】
サーバ300は、支援を依頼する病理医の候補を示す情報を、病理医の端末200へ送信する。例えば、サーバ300は、候補のリストを、病理医の端末200へ送信する。
【0021】
病理医の端末200は、サーバ300から、候補のリストを受信する。なお、サーバ300が備えた検査支援装置10(20,30)の詳細な構成及び動作については、実施形態1~3において説明する。
【0022】
なお、実施形態1~3に係わる検査支援装置10(20,30)を備えたシステム1の構成は、図1に示す例に限定されない。後述する実施形態2において、検査支援装置20を備えた他のシステム2(図5)について説明する。また、後述する実施形態3において、検査支援装置30を備えた他のシステム3(図8)について説明する。
【0023】
〔実施形態1〕
図3から図4を参照して、実施形態1について説明する。
【0024】
(検査支援装置10)
図3を参照して、本実施形態1に係わる検査支援装置10が備えた構成要素について説明する。図3は、検査支援装置10の構成を示すブロック図である。図3に示すように、検査支援装置10は、分類部12、選択部13、および提示部14を備えている。
【0025】
分類部12は、遺伝子検査の検査対象である病理画像データを用いて、検査対象を腫瘍細胞の種類別に分類する。分類部12は、分類手段の一例である。
【0026】
一例では、分類部12は、病理画像データのサンプルに映る腫瘍細胞の特徴を機械学習させた分類器を用いる。分類器は、例えば、CNN(Convolutional Neural Network)である。病理画像データのそれぞれのサンプルには、腫瘍細胞の種類の正解を示すタグ情報が予め付加されている。
【0027】
分類部12は、病理画像データのサンプルに付加されたタグ情報を参照して、病理画像データのサンプルに映る腫瘍細胞の種類を正しく識別できるように、分類器(CNN)を学習させる。分類部12は、このようにして学習した分類器を用いて、検査対象である病理画像データを種類別に分類したのち、検査対象と関係する腫瘍細胞の種類を示す情報を、選択部13へ出力する。例えば、検査対象と関係する腫瘍細胞の種類を示す情報は、腫瘍細胞別の尤度を示す情報であってもよい。
【0028】
選択部13は、検査対象と関係する腫瘍細胞の種類に基づいて、支援を依頼可能な病理医の中から、遺伝子検査の支援を依頼する病理医の候補(以下、単に候補と呼ぶ)を選択する。選択部13は、選択手段の一例である。
【0029】
一例では、選択部13は、分類部12から、検査対象と関係する腫瘍細胞の種類を示す情報を受信する。次に、選択部13は、サーバ300(図1)内にある病理医のデータベースを参照する。病理医のデータベースには、各病理医の識別情報とともに、各病理医に関する情報およびデータが格納されている。
【0030】
病理医のデータベースにおいて、各病理医の識別情報には、各病理医の経験年数や専門分野など、各病理医の能力を示す情報が紐づけられている。さらに、病理医のデータベースにおいて、各病理医の識別情報には、腫瘍細胞の種類別の判定の記録も紐づけられている。あるいは/加えて、各病理医の識別情報には、腫瘍細胞の種類別の判定の成績が紐づけられていてもよい。腫瘍細胞の種類別の判定の成績は、病理医が腫瘍細胞の種類をどれぐらい正確に判定できるかを示す。腫瘍細胞の種類別の判定の成績は、腫瘍細胞の種類別の判定の記録に基づいて、統計的に計算されてもよいし、評価者によって人手で与えられてもよい。
【0031】
選択部13は、病理医のデータベースに登録された各病理医について、検査対象と関係する腫瘍細胞の種類に関する判定の記録又は成績を確認する。そして、選択部13は、病理医のデータベースに登録された全ての病理医の間において、検査対象と関係する腫瘍細胞の種類に関する判定の記録又は成績を比較する。
【0032】
例えば、選択部13は、病理医のデータベースに登録された全ての病理医の間において、検査対象と関係する腫瘍細胞の種類に関する判定を行った回数を比較して、その回数が多い順に、所定の人数の病理医を候補として選択する。あるいは、選択部13は、病理医のデータベースに登録された全ての病理医の中から、検査対象と関係する腫瘍細胞の種類に関する判定の成績が固い順に、所定の人数の病理医を候補として選択してもよい。
【0033】
一変形例では、病理医のデータベースは、リスト化されていてもよい。この場合、各病理医は、その属性、能力、専門分野、経験、評価、または負荷(仕事量)に応じて、リストに登録されていてもよい。
【0034】
病理医のリストは、何らかの共通点を有する病理医をまとめたものである。例えば、リストは、単一の病院に勤務する病理医を含む。または、リストは、同一のグループに属する病院のいずれかに所属する病理医を含む。さらに他の例では、リストは、特定の地域または国の内にいる病理医を含む。
【0035】
上記の変形例では、選択部13は、病理医の端末200から、支援の依頼の要求とともに、病理医のデータベースに登録されたいずれかのリストを特定する情報も受信する。選択部13は、特定されたリストの中から、候補を選択する。
【0036】
選択部13は、このようにして、遺伝子検査の支援を依頼する病理医の候補を選択する。選択部13は、病理医のデータベースから選択した候補を示す情報を、提示部14へ出力する。候補を示す情報は、候補の氏名及び所属など、候補の識別情報を含む。さらに、候補を示す情報は、候補の能力を示す情報、および、検査対象と関係する腫瘍細胞の種類に関する判定の記録又は成績の情報を含んでいてもよい。
【0037】
提示部14は、病理医の候補を提示する。提示部14は、提示手段の一例である。ここでの提示とは、五感を通じて情報を知得させることを意味する。具体的には、提示部14は、文字、記号、数字、デザイン、音声、および振動のいずれか又はその組み合わせにより、だれが候補であるのかを明示する。
【0038】
一例では、提示部14は、選択部13から、候補を示す情報を受信する。提示部14は、候補のリストを作成し、病理医の端末200へ、候補のリスト(リストデータ)を送信する(図1)。そして、提示部14は、病理医の端末200を制御し、病理医の端末200の画面に、候補のリストを表示する。
【0039】
(検査支援装置10の動作)
図4を参照して、本実施形態1に係わる検査支援装置10の動作を説明する。図4は、検査支援装置10の各部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【0040】
図4に示すように、分類部12は、遺伝子検査の検査対象である病理画像データを用いて、検査対象を腫瘍細胞の種類別に分類する(S1)。分類部12は、病理画像データの種類を示す情報を、選択部13へ出力する。
【0041】
選択部13は、病理画像データの種類を示す情報に基づいて、サーバ300(図1)に格納された病理医のデータベース(図示せず)から、支援を依頼可能な病理医に関する情報を取得する(S2)。
【0042】
選択部13は、腫瘍細胞の種類に基づいて、支援を依頼可能な病理医の中から、遺伝子検査の支援を依頼する候補を選択する(S3)。選択部13は、候補を示す情報を、提示部14へ出力する。
【0043】
提示部14は、候補を提示する(S4)。一例では、提示部14は、候補のリストを、病理医の端末200(図1)の画面に表示する。
【0044】
以上で、検査支援装置10の動作は終了する。
【0045】
(変形例)
一変形例では、検査支援装置10の構成要素の少なくとも一部の機能は、サーバ300内ではなく、病理医の端末200が備えたメモリ、およびプロセッサにより、実現されてもよい。特に、検査支援装置10の構成要素の全部が、病理医の端末200内で実現されてもよい。
【0046】
本変形例では、検査支援装置10は、病理医の端末200内において、上述のステップS1からS4までの処理を実行する。ステップS2において、選択部13は、サーバ300に格納された病理医のデータベースを参照する。ただし、選択部13は、病理医の端末200が備えた記憶部(図示せず)に予め記録された病理医のデータベースのコピーを参照してもよい。この場合、検査支援装置10は、ステップS2において、サーバ300を参照する必要がない。したがって、検査支援装置10は、オフラインの環境下であっても、上述の動作を実行することができる。
【0047】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、分類部12は、遺伝子検査の検査対象である病理画像データを用いて、検査対象を腫瘍細胞の種類別に分類する。選択部13は、腫瘍細胞の種類に基づいて、支援を依頼可能な病理医の中から、遺伝子検査の支援を依頼する病理医の候補を選択する。提示部14は、病理医の候補を提示する。ユーザは、提示された候補の中から、支援を依頼する病理医を決定する。そして、ユーザは、病理医からの助言などの支援を受けつつ、病理画像データを遺伝子検査に用いるかどうかを判断する。これにより、病理画像データを用いる遺伝子検査を支援することができる。
【0048】
〔実施形態2〕
図5から図7を参照して、実施形態2について説明する。なお、本実施形態2において、前記実施形態1と共通する構成要素に関しては、同じ符号を付し、その(それらの)構成要素に関する説明を省略する。
【0049】
(システム2)
図5を参照して、本実施形態2に係わる検査支援装置20が適用されるシステム2の構成の一例を説明する。図5は、システム2の構成の一例を概略的に示す図である。
【0050】
図5に示すように、システム2は、病理医の端末200に加えて、クラウドサーバ300、および、他の病理医Dr.B,Dr.C,Dr.Dの各端末400b,400c,400dをさらに備えている。なお、他の病理医の人数は特に限定されない。他の病理医Dr.B,Dr.C,Dr.Dは、いずれも、支援を依頼可能な病理医であるとする。
【0051】
病理医(ユーザ)の端末200と、他の病理医の端末400b~400dとは、共通のクラウドサーバ300と接続している。病理医の端末200および他の病理医の端末400b~400dは、クラウドサーバ300上のデータを参照することができる。また、病理医の端末200および他の病理医の端末400b~400dは、それぞれ、クラウドサーバ300上にデータをアップロードすることもできるし、クラウドサーバ300上からデータをダウンロードすることもできる。
【0052】
クラウドサーバ300上において、本実施形態2に係わる検査支援装置20が構成されている。検査支援装置20に関して、以下で説明する。
【0053】
(検査支援装置20)
図6を参照して、本実施形態2に係わる検査支援装置20が備えた構成要素について説明する。図6は、検査支援装置20の構成を示すブロック図である。図6に示すように、検査支援装置20は、分類部12、選択部13、選択部13、および提示部14を備えている。また、検査支援装置20は、通信部25をさらに備えている。
【0054】
通信部25は、支援を依頼する病理医の候補の中から指定された病理医(以下、オブザーバと呼ぶ)がアクセス可能なアドレスへ、検査対象に関するデータを送信する。通信部25は、通信手段の一例である。
【0055】
例えば、病理医(ユーザ)の端末200は、他の病理医Dr.Bをオブザーバとして指定したとする。通信部25は、選択部13から、他の病理医Dr.B~Dr.Dを示す情報を受信する。また、通信部25は、病理医の端末200から、オブザーバを指定する情報を受信する。一例では、オブザーバは、病理医の端末200のユーザによって人手で指定される。あるいは、後述する変形例のように、検査支援装置20が、オブザーバを指定してもよい。
【0056】
通信部25は、指定されたオブザーバの端末400bがアクセス可能なクラウドサーバ300(図5)のアドレスへ、検査対象に関するデータを送信する。このとき、通信部25は、オブザーバではない他の病理医の端末400c,400dが、クラウドサーバ300上にある検査対象に関するデータを参照またはダウンロードできないように、検査対象に関するデータのアクセス権を制限してもよい。
【0057】
(検査支援装置20の動作)
図7を参照して、本実施形態2に係わる検査支援装置20の動作を説明する。図7は、検査支援装置20の各部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【0058】
図7に示すように、分類部12は、遺伝子検査の検査対象である病理画像データを用いて、検査対象を腫瘍細胞の種類別に分類する(S1)。分類部12は、病理画像データの種類を示す情報を、選択部13へ出力する。
【0059】
選択部13は、病理画像データの種類を示す情報に基づいて、サーバ300(図1)に格納された病理医のデータベース(図示せず)から、支援を依頼可能な病理医に関する情報を取得する(S2)。
【0060】
選択部13は、腫瘍細胞の種類に基づいて、支援を依頼可能な病理医の中から、遺伝子検査の支援を依頼する候補を選択する(S3)。選択部13は、候補を示す情報を、提示部14および通信部25へ出力する。
【0061】
提示部14は、候補を提示する(S4)。一例では、提示部14は、候補のリストを、病理医の端末200(図1)の画面に表示する。
【0062】
通信部25は、候補の中から指定された病理医(すなわちオブザーバ)がアクセス可能なアドレスへ、検査対象に関するデータを送信する(S25)。
【0063】
以上で、検査支援装置20の動作は終了する。
【0064】
(変形例)
一変形例では、検査支援装置20の構成要素の少なくとも一部の機能は、クラウドサーバ300内ではなく、病理医の端末200が備えたメモリおよびプロセッサにより、実現されてもよい。
【0065】
特に、検査支援装置20の構成要素の全部が、病理医の端末200内で実現されてもよい。この場合、病理医の端末200は、任意のネットワークを介して、他の病理医の端末400b~400dと通信可能に接続する。
【0066】
本変形例では、検査支援装置20は、病理医の端末200内において、上述のステップS1からS4までの処理を実行する。ステップS2において、選択部13は、サーバ300に格納された病理医のデータベースを参照する。ただし、選択部13は、病理医の端末200が備えた記憶部(図示せず)に予め記録された病理医のデータベースのコピーを参照してもよい。この場合、検査支援装置20は、ステップS2において、サーバ300を参照する必要がない。
【0067】
その後、病理医は、病理医の端末200へ、オブザーバを指定する情報を入力する。ステップS25において、通信部25は、任意のネットワークを介して、検査対象に関するデータを、他の病理医の端末400b~400dへ送信する。
【0068】
本変形例の構成によれば、検査支援装置20は、オフラインの環境下であっても、上述の動作を実行することができる。
【0069】
他の一変形例では、検査支援装置20が、支援を依頼可能な病理医の中から、オブザーバを指定する。具体的には、検査支援装置20は、病理医のデータベースにおいて、検査対象と関係する腫瘍細胞の種類についての判定の記録又は成績を参照する。そして、検査支援装置20は、支援を依頼可能な病理医の間において、検査対象と関係する腫瘍細胞の種類についての判定の記録又は成績をスコアリングする。例えば、検査支援装置20は、検査対象と関係する腫瘍細胞の種類に関する判定を行った回数が多いほどスコアが高くなるように作成された計算式を用いる。ただしスコアリングの手法はこれに限定されない。検査支援装置20は、支援を依頼可能な病理医をそれぞれスコアリングして、スコアが高い順に一定の人数の病理医をオブザーバに指定する。
【0070】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、分類部12は、遺伝子検査の検査対象である病理画像データを用いて、検査対象を腫瘍細胞の種類別に分類する。選択部13は、腫瘍細胞の種類に基づいて、遺伝子検査の支援を依頼する病理医の候補を選択する。提示部14は、病理医の候補を提示する。ユーザは、提示された候補の中から、支援を依頼する病理医を決定する。そして、ユーザは、病理医からの助言などの支援を受けつつ、病理画像データを遺伝子検査に用いるかどうかを判断する。これにより、病理画像データを用いる遺伝子検査を簡略化することができる。
【0071】
さらに、本実施形態の構成によれば、支援を依頼する病理医の候補の中から指定された病理医がアクセス可能なアドレスへ、検査対象に関するデータを送信する通信部25をさらに備えている。これにより、指定された病理医は、検査対象に関するデータにアクセスして、検査対象に関する判定を実施することができる。
【0072】
〔実施形態3〕
図8から図10を参照して、実施形態3について説明する。なお、本実施形態3において、前記実施形態1または2と共通する構成要素に関しては、同じ符号を付し、その(それらの)構成要素に関する説明を省略する。
【0073】
(システム3)
図8を参照して、本実施形態3に係わる検査支援装置30が適用されるシステム3の構成の一例を説明する。図8は、システム3の構成の一例を概略的に示す図である。
【0074】
図8に示すように、システム3は、病理医の端末200に加えて、クラウドサーバ300、および、他の病理医Dr.B,Dr.C,Dr.Dの各端末400b,400c,400dをさらに備えている。なお、他の病理医の人数は特に限定されない。他の病理医Dr.B,Dr.C,Dr.Dは、いずれも、支援を依頼可能な病理医であるとする。
【0075】
病理医(ユーザ)の端末200と、他の病理医の端末400b~400dとは、共通のクラウドサーバ300と接続している。病理医の端末200および他の病理医の端末400b~400dは、クラウドサーバ300上のデータを参照することができる。また、病理医の端末200および他の病理医の端末400b~400dは、それぞれ、クラウドサーバ300上にデータをアップロードすることもできるし、クラウドサーバ300上からデータをダウンロードすることもできる。
【0076】
クラウドサーバ300上において、本実施形態3に係わる検査支援装置30が構成されている。検査支援装置30に関して、以下で説明する。
【0077】
(検査支援装置30)
図9を参照して、本実施形態3に係わる検査支援装置30が備えた構成要素について説明する。図9は、検査支援装置30の構成を示すブロック図である。図9に示すように、検査支援装置30は、分類部12、選択部13、選択部13、および提示部14を備えている。また、検査支援装置20は、通信部25および出力部36をさらに備えている。
【0078】
出力部36は、検査対象の判定結果に基づく情報を出力する。出力部36は、出力手段の一例である。
【0079】
一例では、出力部36は、通信部25から、オブザーバによる検査対象に関する判定結果を受信する。そして、出力部36は、検査対象の判定結果に基づく情報を生成し、それを出力する。より具体的には、出力部36は、オブザーバが腫瘍細胞の種類をどのように判定したのかを示す情報を出力する。例えば、その情報とは、腫瘍細胞の種類を明示的に特定するものであってもよいし、腫瘍細胞の種類がA,B,・・・のいずれかである可能性を確率的に評価するものであってよい。
【0080】
(検査支援装置30の動作)
図10を参照して、本実施形態3に係わる検査支援装置30の動作を説明する。図10は、検査支援装置10の各部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【0081】
図10に示すように、分類部12は、遺伝子検査の検査対象である病理画像データを用いて、検査対象を腫瘍細胞の種類別に分類する(S1)。分類部12は、病理画像データの種類を示す情報を、選択部13へ出力する。
【0082】
選択部13は、病理画像データの種類を示す情報に基づいて、サーバ300(図1)に格納されたデータベース(図示せず)から、支援を依頼可能な病理医に関する情報を取得する(S2)。選択部13は、支援を依頼可能な病理医に関する情報を、選択部13へ出力する。
【0083】
選択部13は、腫瘍細胞の種類に基づいて、遺伝子検査の支援を依頼する病理医の候補を選択する(S3)。選択部13は、支援を依頼する病理医の候補を示す情報を、提示部14へ出力する。
【0084】
提示部14は、支援を依頼する病理医の候補(以下、単に候補と呼ぶ場合がある)を提示する(S4)。一例では、提示部14は、候補のリストを、病理医の端末200(図1)の画面に表示する。
【0085】
ユーザ(病理医)は、候補のリストの中から、病理医をオブザーバとして指定する。病理医の端末200(図1)は、ユーザによってオブザーバとして指定された病理医を示す情報を、オブザーバの端末がアクセス可能なクラウドサーバ300(図8)へアップロードする。ここでは、ユーザは、他の病理医Dr.Bを、オブザーバとして指定したとする。
【0086】
通信部25は、ユーザによってオブザーバに指定された他の病理医(Dr.B)の端末400b(図8)へ、検査対象に関するデータを送信する(S25)。
【0087】
オブザーバは、検査対象に関する判定結果を、他の病理医の端末400b(図8)に入力する。他の病理医の端末400b~400d(図8)は、オブザーバによる検査対象に関する判定結果を、クラウドサーバ300へアップロードする。
【0088】
通信部25は、他の病理医の端末400b(図8)から、オブザーバによる検査対象に関する判定結果を受信する(S36)。通信部25は、オブザーバによる検査対象に関する判定結果を、出力部36へ出力する。
【0089】
出力部36は、オブザーバによる検査対象の判定結果に基づく情報を、病理医の端末200へ出力する(S37)。
【0090】
以上で、検査支援装置30の動作は終了する。
【0091】
(変形例)
一変形例では、検査支援装置30の構成要素の少なくとも一部の機能は、クラウドサーバ300内ではなく、病理医の端末200が備えたメモリおよびプロセッサにより、実現されてもよい。
【0092】
特に、検査支援装置30の構成要素の全部が、病理医の端末200内で実現されてもよい。この場合、病理医の端末200は、任意のネットワークを介して、他の病理医の端末400b~400dと通信可能に接続する。
【0093】
本変形例では、検査支援装置30は、病理医の端末200内において、上述のステップS1からS4までの処理を実行する。その後、病理医は、病理医の端末200へ、オブザーバを指定する情報を入力する。ステップS25において、通信部25は、任意のネットワークを介して、検査対象に関するデータを、オブザーバに指定された他の病理医Dr.Bの端末400bへ送信する。
【0094】
ステップS36において、通信部25は、任意のネットワークを介して、オブザーバによる検査対象の判定結果を、他の病理医の端末400b~400dから受信する。ステップS37において、出力部36は、病理医の端末200が備えたディスプレイ機器または病理医の端末200と接続された外部機器へ、オブザーバによる検査対象の判定結果に基づく情報を出力する。
【0095】
本変形例の構成によれば、検査支援装置30は、オフラインの環境下であっても、上述の動作を実行することができる。
【0096】
他の変形例では、検査支援装置20が、腫瘍細胞の種類に基づいて、支援を依頼可能な病理医をスコアリングして、スコアが高い順に一定の人数の病理医をオブザーバに指定してもよい。前記実施形態2の一変形例の説明を引用し、本変形例の詳細についての説明を省略する。
【0097】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、分類部12は、遺伝子検査の検査対象である病理画像データを用いて、検査対象を腫瘍細胞の種類別に分類する。選択部13は、腫瘍細胞の種類に基づいて、遺伝子検査の支援を依頼する病理医の候補を選択する。提示部14は、病理医の候補を提示する。ユーザは、提示された候補の中から、支援を依頼する病理医を決定する。そして、ユーザは、病理医からの助言などの支援を受けつつ、病理画像データを遺伝子検査に用いるかどうかを判断する。これにより、病理画像データを用いる遺伝子検査を支援することができる。
【0098】
さらに、本実施形態の構成によれば、通信部25は、支援を依頼する病理医の候補の中から指定された病理医がアクセス可能なアドレスへ、検査対象に関するデータを送信する。これにより、指定された病理医は、検査対象に関するデータにアクセスして、検査対象に関する判定を実施することができる。
【0099】
さらにまた、本実施形態に構成によれば、出力部36は、検査対象の判定結果に基づく情報を出力する。ユーザは、検査対象の判定結果に基づく情報を参照しつつ、病理画像データを遺伝子検査に用いるかどうかを判断する。これにより、病理画像データを用いる遺伝子検査を簡略化することができる。
【0100】
(ハードウェア構成について)
前記実施形態1~3で説明した検査支援装置10~30の各構成要素は、機能単位のブロックを示している。これらの構成要素の一部又は全部は、例えば図8に示すような情報処理装置900により実現される。図8は、情報処理装置900のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0101】
図8に示すように、情報処理装置900は、一例として、以下のような構成を含む。
【0102】
・CPU(Central Processing Unit)901
・ROM(Read Only Memory)902
・RAM(Random Access Memory)903
・RAM903にロードされるプログラム904
・プログラム904を格納する記憶装置905
・記録媒体906の読み書きを行うドライブ装置907
・通信ネットワーク909と接続する通信インタフェース908
・データの入出力を行う入出力インタフェース910
・各構成要素を接続するバス911
前記実施形態1~3で説明した検査支援装置10~30の各構成要素は、これらの機能を実現するプログラム904をCPU901が読み込んで実行することで実現される。各構成要素の機能を実現するプログラム904は、例えば、予め記憶装置905やROM902に格納されており、必要に応じてCPU901がRAM903にロードして実行される。なお、プログラム904は、通信ネットワーク909を介してCPU901に供給されてもよいし、予め記録媒体906に格納されており、ドライブ装置907が当該プログラムを読み出してCPU901に供給してもよい。
【0103】
上記の構成によれば、前記実施形態1~3において説明した検査支援装置10~30が、ハードウェアとして実現される。したがって、前記実施形態1~3において説明した効果と同様の効果を奏することができる。
【0104】
以上、実施形態(及び実施例)を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態(及び実施例)に限定されるものではない。上記実施形態(及び実施例)の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0105】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0106】
〔付記〕
(付記1)
遺伝子検査の検査対象である病理画像データを用いて、前記検査対象を腫瘍細胞の種類別に分類する分類手段と、
前記検査対象と関係する腫瘍細胞の種類に基づいて、支援を依頼可能な病理医の中から、前記遺伝子検査の支援を依頼する病理医の候補を選択する選択手段と、
前記病理医の候補を提示する提示手段と
を備えた検査支援装置。
【0107】
(付記2)
前記選択手段は、共通点を有する病理医をまとめたリストの中から、前記検査対象と関係する腫瘍細胞の種類に基づいて、前記遺伝子検査の支援を依頼する病理医の候補を選択する
ことを特徴とする付記1に記載の検査支援装置。
【0108】
(付記3)
前記支援を依頼する病理医の候補の中から指定された病理医がアクセス可能なアドレスへ、前記検査対象に関するデータを送信する通信手段をさらに備えた
ことを特徴とする付記1または2に記載の検査支援装置。
【0109】
(付記4)
前記通信手段は、前記病理医がアクセス可能なアドレスへ、コンピュータを用いた前記検査対象の分析結果とともに、前記検査対象に関するデータを送信する
ことを特徴とする付記3に記載の検査支援装置。
【0110】
(付記5)
前記通信手段は、前記病理医がアクセス可能なクラウドサーバに、前記検査対象に関するデータをアップロードする
ことを特徴とする付記4に記載の検査支援装置。
【0111】
(付記6)
前記通信手段は、前記病理医による前記検査対象に関する判定結果を受信し、
前記検査対象の判定結果に基づく情報を出力する出力手段をさらに備えた
ことを特徴とする付記3から5のいずれか1項に記載の検査支援装置。
【0112】
(付記7)
前記出力手段は、前記検査対象である病理画像データとともに、前記検査対象の判定結果に基づく情報を出力する
ことを特徴とする付記6に記載の検査支援装置。
【0113】
(付記8)
前記出力手段は、前記病理医による前記検査対象に関する判定結果を統計的に分析し、その分析の結果に基づく情報を出力する
ことを特徴とする付記6または7に記載の検査支援装置。
【0114】
(付記9)
遺伝子検査の検査対象である病理画像データを用いて、前記検査対象を腫瘍細胞の種類別に分類し、
前記検査対象と関係する腫瘍細胞の種類に基づいて、支援を依頼可能な病理医の中から、支援を依頼可能な病理医の中から、前記遺伝子検査の支援を依頼する病理医の候補を選択し、
前記病理医の候補を提示する
検査支援方法。
【0115】
(付記10)
遺伝子検査の検査対象である病理画像データを用いて、前記検査対象を腫瘍細胞の種類別に分類し、
前記検査対象と関係する腫瘍細胞の種類に基づいて、支援を依頼可能な病理医の中から、前記遺伝子検査の支援を依頼する病理医の候補を選択し、
前記病理医の候補を提示する
ことをコンピュータに実行させるためのプログラムを格納した、一時的でない記録媒体。
【0116】
(付記11)
前記リストは、同一の病院に所属する病理医を含む
ことを特徴とする付記2に記載の検査支援装置。
【0117】
(付記12)
前記リストは、同一グループの病院に所属する病理医を含む
ことを特徴とする付記2に記載の検査支援装置。
【0118】
(付記13)
前記リストは、特定の地域または国に属する病理医を含む
ことを特徴とする付記2に記載の検査支援装置。
【符号の説明】
【0119】
10 検査支援装置
12 分類部
13 選択部
14 提示部
20 検査支援装置
25 通信部
30 検査支援装置
36 出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11