(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-25
(45)【発行日】2025-03-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 43/02 20220101AFI20250226BHJP
【FI】
H04L43/02
(21)【出願番号】P 2023508328
(86)(22)【出願日】2021-03-25
(86)【国際出願番号】 JP2021012604
(87)【国際公開番号】W WO2022201445
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2023-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】横田 智久
【審査官】中川 幸洋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0057860(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 43/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンドツーエンドの通信経路を構成する1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報を取得する取得手段と、
所定のコンセンサスアルゴリズムを用いて更新されるブロックチェーンに追加するトランザクションデータであって、前記ログ情報を含むトランザクションデータを生成する生成手段と
を備え
、
前記ログ情報は、あるサービスの提供のために用いられた前記1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報であり、
前記生成手段は、前記トランザクションデータに、前記あるサービスを特定するサービスIDを関連付け、
前記ログ情報として、前記あるサービスの提供において用いられた通信経路の状態を示す通信経路情報、及び前記あるサービスの提供において用いられた通信機器の状態を示す通信機器情報、の少なくとも何れかを含める
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記トランザクションデータを前記ブロックチェーンに登録する登録手段を更に備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記生成手段は、前記トランザクションデータに、
前記サービスID
を含めることを特徴とする請求項
1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記生成手段は、前記トランザクションデータに、前記ログ情報として、
前記あるサービスの提供時刻を特定する時刻情報
を含めることを特徴とする請求項
1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記生成手段は、前記トランザクションデータに、前記ログ情報として、
前記あるサービスの提供において用いられた通信経路を特定するための通信経路ID、及び、
前記あるサービスの提供において用いられた通信機器を特定するための通信機器IDの少なくとも何れかを含めることを特徴とする請求項
1から
4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記あるサービスに関するサービスレベル合意情報を取得する第2の取得手段と、
前記ログ情報と、前記サービスレベル合意情報とを比較し、比較結果を出力する比較手段と
を更に備えていることを特報とする請求項
1から
5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
エンドツーエンドの通信経路を構成する1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報を取得すること、
所定のコンセンサスアルゴリズムを用いて更新されるブロックチェーンに追加するトランザクションデータであって、前記ログ情報を含むトランザクションデータを生成すること
を含
み、
前記ログ情報は、あるサービスの提供のために用いられた前記1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報であり、
前記生成することにおいて、前記トランザクションデータに、前記あるサービスを特定するサービスIDを関連付け、
前記ログ情報として、前記あるサービスの提供において用いられた通信経路の状態を示す通信経路情報、及び前記あるサービスの提供において用いられた通信機器の状態を示す通信機器情報、の少なくとも何れかを含める
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータを、
エンドツーエンドの通信経路を構成する1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報を取得する取得手段、及び
所定のコンセンサスアルゴリズムを用いて更新されるブロックチェーンに追加するトランザクションデータであって、前記ログ情報を含むトランザクションデータを生成する生成手段
として機能させるためのプログラム
であって、
前記ログ情報は、あるサービスの提供のために用いられた前記1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報であり、
前記生成手段は、前記トランザクションデータに、前記あるサービスを特定するサービスIDを関連付け、
前記ログ情報として、前記あるサービスの提供において用いられた通信経路の状態を示す通信経路情報、及び前記あるサービスの提供において用いられた通信機器の状態を示す通信機器情報、の少なくとも何れかを含める
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
最新の技術を用いた5Gの導入により大容量・低遅延・多接続といった機能がネットワーク側で提供可能となりつつある。それに伴い、通信インフラストラクチャへの依存度がより高いサービスが広まりつつある。また、それに伴い、安心・安全面の課題と責任分解、保証や補償の課題が生じることが考えられる。例えば5Gのような無線技術とそれに付随する通信ネットワークを使って飛行させるドローンにおいて、通信ネットワークに起因した不備が発生した場合に、ドローンを使った輸送サービスの提供者と、ネットワークを提供した通信事業者、ドローンを製造した機器製造者の間でどこに問題が発生し、誰が保証や補償の責任を負うのかについて、End-to-Endで切り分けをしたいという需要が考えられる。
【0003】
現状では、通信機器や通信経路といった通信インフラストラクチャのログ情報は、例えば、SNMP、Telemetry、パケットキャプチャ、NetFlowなどの技術を用いて、通信事業者が管理するサーバに保存され、管理されている。
【0004】
一方、特許文献1には、ネットワーク内のデバイスに関する情報を追跡する方法が開示されている。この方法は、第1ゲートウェイで、複数のデバイスのうちの1つのデバイスの状態を示す情報をそれぞれ含む複数の通信を受信することと、第1ゲートウェイで、複数の通信のうちの2つ以上からの情報を、ネットワークに関する直前のトランザクションレコードのハッシュを含む単一のトランザクションレコードにグループ化することと、単一のトランザクションレコードを第1ゲートウェイからサーバに送ることと、を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された方法は、デバイスの状態を異種ネットワーク上でも収集、追跡、記録を実現することができるが、通信インフラストラクチャにおいて生じ得る上述の需要に応え得るものではない。
【0007】
上述の課題に応えるために、サービスの提供に用いられた通信インフラストラクチャに関する情報を、当該サービスの提供に関連する関係者が共有できる技術が求められている。
【0008】
本発明の一態様は、サービスの提供に用いられた通信インフラストラクチャに関する情報を、当該サービスの提供に関連する関係者が共有できる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面に係る情報処理装置は、エンドツーエンドの通信経路を構成する1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報を取得する取得手段と、所定のコンセンサスアルゴリズムを用いて更新されるブロックチェーンに追加するトランザクションデータであって、前記ログ情報を含むトランザクションデータを生成する生成手段とを備えていることを特徴とする。
【0010】
(削除)
【0011】
(削除)
【0012】
本発明の一側面に係る情報処理方法は、エンドツーエンドの通信経路を構成する1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報を取得すること、所定のコンセンサスアルゴリズムを用いて更新されるブロックチェーンに追加するトランザクションデータであって、前記ログ情報を含むトランザクションデータを生成することを含むことを特徴とする。
【0013】
(削除)
【0014】
本発明の一側面に係るプログラムは、コンピュータを、エンドツーエンドの通信経路を構成する1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報を取得する取得手段、及び所定のコンセンサスアルゴリズムを用いて更新されるブロックチェーンに追加するトランザクションデータであって、前記ログ情報を含むトランザクションデータを生成する生成手段として機能させるためのプログラムである。
【0015】
(削除)
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様によれば、サービスの提供に用いられた通信インフラストラクチャに関する情報を、当該サービスの提供に関連する関係者が共有できる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の例示的実施形態1に係る情報処理装置1の構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の例示的実施形態1に係る情報処理装置1が実行する情報処理方法S1の流れを示すフローチャートである。
【
図3】本発明の例示的実施形態1に係る情報処理装置2の構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の例示的実施形態1に係る情報処理装置2が実行する情報処理方法S2の流れを示すフローチャートである。
【
図5】本発明の例示的実施形態1に係る情報処理装置3の構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明の例示的実施形態1に係る情報処理装置3が実行する情報処理方法S3の流れを示すフローチャートである。
【
図7】本発明の例示的実施形態1に係る情報処理システム6の構成を示すブロック図である。
【
図8】本発明の例示的実施形態2における通信ネットワークの一例を示す図である。
【
図9】本発明の例示的実施形態2におけるサービス提供者の端末の構成例を示すブロック図である。
【
図10】本発明の例示的実施形態2における管理者の端末の構成例を示すブロック図である。
【
図11】ブロック生成部が生成するブロックに含まれるデータの一例を示す図である。
【
図12】エンドユーザが生成したブロックがブロックチェーンに登録されるまでの流れを示すタイムチャートである。
【
図13】本発明の例示的実施形態3におけるサービス提供者の端末の構成例を示すブロック図である。
【
図14】本発明の例示的実施形態3における管理者の端末の構成例を示すブロック図である。
【
図15】管理者が生成したブロックがブロックチェーンに登録されるまでの流れを示すタイムチャートである。
【
図16】本発明の例示的実施形態4における通信ネットワークの一例を示す図である。
【
図17】例示的実施形態4における管理者の端末の構成例を示すブロック図である。
【
図18】トランザクションデータとサービスレベル合意情報に含まれるデータの一例を示す図である。
【
図19】比較部が行った比較の結果を表示部に表示する画面の一例である。
【
図20】ログ情報とサービスレベル合意情報とを比較し、比較結果を出力する比較・出力方法の流れを示すフローチャートである。
【
図21】ソフトウェアによって各部を構成する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〔例示的実施形態1〕
本発明の第1の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本例示的実施形態は、後述する例示的実施形態の基本となる形態である。
図1は、例示的実施形態1に係る情報処理装置1の構成を示すブロック図である。
【0019】
(情報処理装置1の構成)
図1に示すように、情報処理装置1は、取得部11と生成部12とを備える。取得部11は、エンドツーエンドの通信経路を構成する1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報を取得する。生成部12は、所定のコンセンサスアルゴリズムを用いて更新されるブロックチェーンに追加するトランザクションデータであって、ログ情報を含むトランザクションデータを生成する。取得部11は、請求の範囲に記載した「取得手段」の一形態であり、生成部12は、請求の範囲に記載した「生成手段」の一形態である。
【0020】
本例示的実施形態において、通信インフラストラクチャとは、通信ネットワークを構成する通信事業者が所有する通信機器及び通信経路を指す。通信ネットワークを構成する通信事業者は1又は複数存在し、それぞれの通信事業者は、それぞれの通信インフラストラクチャを所有している。通信ネットワークを用いたサービスの提供者、サービスの利用者、1又は複数の通信事業の管理者、通信事業又はサービスの監督者等のエンドユーザ同士は、通信ネットワークを介して接続されている。通信ネットワーク中の通信機器をノードとも称する。通信経路は、エンドユーザの端末とノード、及びノードとノードを繋ぐ経路である。一のエンドユーザの端末は、1又は複数の通信事業者が所有する通信機器(ノード)と通信経路を経由して、他のエンドユーザの端末と通信することができる。本例示的実施形態において、通信ネットワークを用いたサービスとは、例えば、ドローンを用いた物品の搬送サービスである。この場合、サービスの提供者は、ドローンを通信ネットワークを介して制御し、物品の搬送を行うことができる。サービスの利用者は、ドローンを用いた物品の搬送サービスを利用することができる。この場合、各エンドユーザは、サービスの提供に関連する関係者の一員であり、ステークホルダとも称する。
【0021】
本例示的実施形態において、ログ情報とは、サービスの利用者とそのサービスの提供者との間の取引に関する情報(サービスの内容、条件等)とサービスの提供に用いた通信に関する情報である。ログ情報は、通信事業者が所有する通信機器と通信経路に関する情報を含む。ログ情報は、通信サービスを利用した時刻を含んでもよい。以下において、通信機器に関する情報は通信機器情報とも称する。また、通信経路に関する情報は通信経路情報とも称する。通信機器情報と通信経路情報とを合わせて通信関連情報とも称する。
【0022】
本例示的実施形態において、トランザクションデータとは、サービスの利用者とそのサービスの提供者との間の取引に関する情報とサービスの提供に関する情報である。特に、本例示的実施形態におけるトランザクションデータは、所定のコンセンサスアルゴリズムを用いて更新されるブロックチェーンに追加するトランザクションデータである。トランザクションデータは、ログ情報を含む。トランザクションデータは、後述するサービスレベル合意情報を含んでもよい。
【0023】
以上のように、本例示的実施形態1に係る情報処理装置1は、エンドツーエンドの通信経路を構成する1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報を取得する取得部11と、所定のコンセンサスアルゴリズムを用いて更新されるブロックチェーンに追加するトランザクションデータであって、ログ情報を含むトランザクションデータを生成する生成部12とを備える、という構成が採用されている。この構成により、ログ情報を含むトランザクションデータをブロックチェーンに記録することができる。
【0024】
従って、本例示的実施形態1に係る情報処理装置1によれば、サービスの提供に用いられた通信インフラストラクチャに関する情報を、当該サービスの提供に関連する関係者が共有できる技術を提供することができるという効果が得られる。
【0025】
なお、
図1に示す例示的実施形態では、取得部11と生成部12とが1つの情報処理装置1に組み込まれているように記載しているが、これらは必ずしも1つの情報処理装置に組み込まれている必要はない。例えば、取得部11と生成部12が別々に配置されていてもよい。そして、これらが有線通信又は無線通信で接続されていてもよい。また、取得部11と生成部12の両方又は一方がクラウド上にあってもよい。この点は、以下に示す装置構成についても同様である。
【0026】
(情報処理方法S1の流れ)
次に、本例示的実施形態1に係る情報処理方法について、図面を参照して説明する。
図2は、例示的実施形態1に係る情報処理装置1が実行する情報処理方法S1の流れを示すフローチャートである。
図2に示すように、ステップS11において、取得部11は、エンドツーエンドの通信経路を構成する1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報を取得する。次に、ステップS12において、生成部12は、所定のコンセンサスアルゴリズムを用いて更新されるブロックチェーンに追加するトランザクションデータであって、ログ情報を含むトランザクションデータを生成する。この方法により、ログ情報を含むトランザクションデータをブロックチェーンに記録することができる。
【0027】
以上の情報処理方法S1によれば、サービスの提供に用いられた通信インフラストラクチャに関する情報を、当該サービスの提供に関連する関係者が共有できる技術を提供することができるという効果が得られる。
【0028】
(情報処理装置2の構成)
次に、例示的実施形態1に係る情報処理装置2について、図面を参照して説明する。
図3は、例示的実施形態1に係る情報処理装置2の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、情報処理装置2は、トランザクションデータ取得部21と登録部22とを備える。トランザクションデータ取得部21は、エンドツーエンドの通信経路を構成する1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報を含むトランザクションデータであって、所定のコンセンサスアルゴリズムを用いて更新されるブロックチェーンに追加するトランザクションデータを取得する。登録部22は、このトランザクションデータをブロックチェーンに登録する。トランザクションデータ取得部21は、請求の範囲に記載した「トランザクションデータ取得手段」の一実施形態である。また、登録部22は、請求の範囲に記載した「登録手段」の一実施形態である。
【0029】
トランザクションデータ取得部21は、他の装置が生成したトランザクションデータを取得する。登録部22は、トランザクションデータ取得部21が取得したトランザクションデータをブロックチェーンに登録する。
【0030】
以上のように、本例示的実施形態1に係る情報処理装置2は、エンドツーエンドの通信経路を構成する1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報を含むトランザクションデータであって、所定のコンセンサスアルゴリズムを用いて更新されるブロックチェーンに追加するトランザクションデータを取得するトランザクションデータ取得手段と、トランザクションデータをブロックチェーンに登録する登録手段と、を備えているという構成が採用されている。この構成により、ログ情報を含むトランザクションデータをブロックチェーンに登録(記録)することができる。
【0031】
従って、本例示的実施形態1に係る情報処理装置2によれば、サービスの提供に用いられた通信インフラストラクチャに関する情報を、当該サービスの提供に関連する関係者が共有できる技術を提供することができるという効果が得られる。
【0032】
(情報処理方法S2の流れ)
次に、例示的実施形態1に係る情報処理方法S2の流れについて、図面を参照して説明する。
図4は、例示的実施形態1に係る情報処理装置2が実行する情報処理方法S2の流れを示すフローチャートである。
図4に示すように、ステップS21において、トランザクションデータ取得部21は、エンドツーエンドの通信経路を構成する1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報を含むトランザクションデータであって、所定のコンセンサスアルゴリズムを用いて更新されるブロックチェーンに追加するトランザクションデータを取得する。次に、ステップS22において、登録部22は、トランザクションデータをブロックチェーンに登録する。この方法により、ログ情報を含むトランザクションデータをブロックチェーンに記録することができる。
【0033】
従って、本例示的実施形態1に係る情報処理方法S2によれば、サービスの提供に用いられた通信インフラストラクチャに関する情報を、当該サービスの提供に関連する関係者が共有できる技術を提供することができるという効果が得られる。
【0034】
(情報処理装置3の構成)
次に、例示的実施形態1に係る情報処理装置3について、図面を参照して説明する。
図5は、例示的実施形態1に係る情報処理装置3の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、情報処理装置3は、第1の取得部31、第2の取得部32、及び比較部33を備える。第1の取得部31は、あるサービスIDによって特定されるトランザクションデータであって、所定のコンセンサスアルゴリズムを用いて更新されるブロックチェーンに登録されたトランザクションデータから、あるサービスIDによって特定されるサービスの提供のために用いられた1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報を取得する。第2の取得部32は、あるサービスIDによって特定されるサービスに関するサービスレベル合意情報を取得する。比較部33は、ログ情報と、前記サービスレベル合意情報とを比較し、比較結果を出力する。第1の取得部31は、請求の範囲に記載した「第1の取得手段」の一実施形態である。また、第2の取得部32は、請求の範囲に記載した「第2の取得手段」の一実施形態である。また、比較部33は、請求の範囲に記載した「比較手段」の一実施形態である。
【0035】
本例示的実施形態において、サービスIDとは、前述したトランザクションデータと紐づけられた符号である。従って、サービスIDからそれに紐づけられたトランザクションデータの内容を取得することができる。また、本例示的実施形態において、サービスレベル合意情報とは、サービスの提供者と1又は複数の通信事業者との間で合意された、サービスの提供に用いる通信インフラストラクチャの品質に関する情報である。具体的には、サービスレベル合意情報は、通信経路要件(例えば、通信経路の通信容量、通信速度等)、及び通信機器要件(例えば、通信機器の接続時間、転送速度等)を含んでもよい。また、サービスレベル合意情報は、サービスの提供者とサービスの利用者との間で合意された通信要件、又は何らかの基準に定められた通信インフラストラクチャの動作要件等を含んでもよい。本例示的実施形態においては、トランザクションデータはサービスレベル合意情報を含む。以下、サービスレベル合意情報は、SLA(Service Level Agreement)とも称する。
【0036】
比較部33が出力する比較結果とは、例えば、ある通信事業者が提供した通信インフラストラクチャのログ情報に記録されていた通信速度、通信データ量等の品質が、合意されたSLAの品質を満たしていたか否かの結果等である。
【0037】
以上のように、本例示的実施形態1に係る情報処理装置3は、あるサービスIDによって特定されるトランザクションデータであって、所定のコンセンサスアルゴリズムを用いて更新されるブロックチェーンに登録されたトランザクションデータから、あるサービスIDによって特定されるサービスの提供のために用いられた1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報を取得する第1の取得手段と、あるサービスIDによって特定されるサービスに関するサービスレベル合意情報を取得する第2の取得手段と、ログ情報と、サービスレベル合意情報とを比較し、比較結果を出力する比較手段とを備えている、という構成が採用されている。この構成により、登録されたトランザクションデータとサービスレベル合意情報とが比較され、その比較結果が出力される。
【0038】
従って、本例示的実施形態1に係る情報処理装置3によれば、サービスの提供に用いられた通信インフラストラクチャに関する情報を、当該サービスの提供に関連する関係者が共有できる技術を提供することができるという効果とともに、サービスの提供に用いられた通信サービスがサービスレベル合意情報を満たしていたか否かを、当該サービスの提供に関連する関係者が検証できるという効果が得られる。
【0039】
(情報処理方法S3の流れ)
次に、例示的実施形態1に係る情報処理方法S3の流れについて、図面を参照して説明する。
図6は、例示的実施形態1に係る情報処理装置3が実行する情報処理方法S3の流れを示すフローチャートである。
図6に示すように、ステップS31において、第1の取得部31は、あるサービスIDによって特定されるトランザクションデータであって、所定のコンセンサスアルゴリズムを用いて更新されるブロックチェーンに登録されたトランザクションデータから、あるサービスIDによって特定されるサービスの提供のために用いられた1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報を取得する。次に、ステップS32において、第2の取得部32は、あるサービスIDによって特定されるサービスに関するサービスレベル合意情報を取得する。次に、ステップS33において、比較部33は、ログ情報と、サービスレベル合意情報とを比較し、比較結果を出力する。
【0040】
従って、本例示的実施形態1に係る情報処理方法S3によれば、サービスの提供に用いられた通信インフラストラクチャに関する情報を、当該サービスの提供に関連する関係者が共有できる技術を提供することができるという効果とともに、サービスの提供に用いられた通信サービスがサービスレベル合意情報を満たしていたか否かを、当該サービスの提供に関連する関係者が検証できるという効果が得られる。
【0041】
(情報処理システム6の構成)
次に、例示的実施形態1に係る情報処理システム6について、図面を参照して説明する。
図7は、例示的実施形態1に係る情報処理システム6の構成を示すブロック図である。
図7に示すように、情報処理システム6は、取得装置61と、生成装置62と、登録装置63と、を含む。取得装置61は取得部611を備える。生成装置62は生成部621を備える。登録装置63は登録部631を備える。取得部611、生成部621、及び登録部631は、前述した取得部11、生成部12、及び登録部22と同様の機能を有する。
図7に示す例では、取得装置61、生成装置62、及び登録装置63は、例えば無線通信ネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。無線通信は、例えば、LTE(Long Term Evolution)、ローカル5G、5G、Wi-fi(登録商標)等であってもよい。
【0042】
取得部611は、エンドツーエンドの通信経路を構成する1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報を取得する。生成部621は、所定のコンセンサスアルゴリズムを用いて更新されるブロックチェーンに追加するトランザクションデータであって、ログ情報を含むトランザクションデータを生成する。登録部631は、トランザクションデータをブロックチェーンに登録する。
【0043】
取得部611と、生成部621と、登録部631とは、それぞれ独立した取得装置61、生成装置62、及び登録装置63に組み込まれている。そして、取得部611と、生成部621と、登録部631とは、互いに有線又は無線で情報通信可能に接続されている。あるいは、取得部611と、生成部621と、登録部631は、その一部又は全部がクラウド上に情報通信可能に配置されていてもよい。
【0044】
以上のように、本例示的実施形態1に係る情報処理システム6は、エンドツーエンドの通信経路を構成する1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報を取得する取得部611と、所定のコンセンサスアルゴリズムを用いて更新されるブロックチェーンに追加するトランザクションデータであって、ログ情報を含むトランザクションデータを生成する生成部621とトランザクションデータをブロックチェーンに登録する登録部631と、
を備えている、という構成が採用されている。この構成により、ログ情報を含むトランザクションデータがブロックチェーンに記録される。
【0045】
従って、本例示的実施形態1に係る情報処理システム6によれば、サービスの提供に用いられた通信インフラストラクチャに関する情報を、当該サービスの提供に関連する関係者が共有できる技術を提供することができるという効果が得られる。
【0046】
〔例示的実施形態2〕
次に、本発明の例示的実施形態2について、図面を参照して説明する。なお、例示的実施形態1にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、その説明を適宜省略する。本例示的実施形態では、サービス提供者の端末でトランザクションデータを生成し、管理者の端末でブロックを生成してブロックチェーンに登録する実施形態を説明する。
図8は、例示的実施形態2における通信ネットワークの一例を示す図である。
【0047】
(通信ネットワークの構成)
図8に示すように、本例示的実施形態では、エンドユーザが用いる端末として、サービス提供者の端末e1、サービス利用者の端末e2、管理者の端末e3、通信インフラストラクチャA事業者(以下「通信事業者A」とも称する)の端末e4、通信インフラストラクチャB事業者(以下「通信事業者B」とも称する)の端末e5を示している。サービス提供者とサービス利用者は、サービス契約を締結したエンドユーザである。一例として、サービス提供者はサービスの提供にあたり、通信事業者Aが所有する通信インフラストラクチャAと、通信事業者Bが所有する通信インフラストラクチャBを用いるとする。管理者は、本例示的実施形態に係る情報を記録するブロックチェーンを開始し、そのブロックチェーンに参加している一員である。
【0048】
各端末は、複数のノードn1~n6を介して互いに接続されている。通信経路NAは、サービス提供者の端末e1とノードn1とを繋ぐ経路である。通信経路NBは、サービス利用者の端末e2とノードn2とを繋ぐ経路である。各端末は、ピアネットワークPNを介して接続されていてもよい。ピアネットワークPNは、各端末がネットワーク上でEnd-to-Endで情報のやり取りが可能なように構成されたネットワークである。
図8では、管理者の端末e3、通信事業者Aの端末e4、通信事業者Bの端末e5がピアネットワークPNを介して接続されている様子を示している。管理者の端末e3、通信事業者Aの端末e4、及び通信事業者Bの端末e5は、それぞれ通信経路NC、通信経路ND、通信経路NEを介してピアネットワークPNと接続されている。また、ノードn3~ノードn6は、通信経路NF、NG、NH、NIを介してピアネットワークPNと接続されている。また、ノードn1とノードn2、ノードn3とノードn4、ノードn4とノードn5、ノードn5とノードn6は、それぞれ通信経路NJ、NK、NL、NM、NNを介して接続されている。以下、このようなネットワーク環境下において、エンドユーザがトランザクションデータを生成し、ブロックチェーンに登録する構成と手順について説明する。
【0049】
(サービス提供者端末100の構成)
図9は、本例示的実施形態におけるサービス提供者の端末100(端末e1の一例)の構成例を示すブロック図である。
図9に示すように、端末100は、制御部110、通信部120、メモリ130、及び記憶部140を備える。制御部110は、端末100の全体を統括制御する。通信部120は、外部機器との通信を行う。メモリ130は、制御部110が使用するプログラム及び各種データを記録する。記憶部140は、各種情報及び生成したトランザクションデータ(後述)を記録する。
【0050】
制御部110について詳述する。制御部110は、記録部111、取得部112、及びトランザクションデータ生成部113を備える。記録部111は、サービスを特定するサービスID、サービス時刻、通信関連情報等を記憶部140に記録する。サービスID、時刻情報、及び通信関連情報等は、通信部120を介して取得部112が取得する。時刻情報は、サービス開始時刻及びサービス終了時刻等の時刻情報である。通信関連情報等は、前述したとおり、通信機器情報及び通信経路情報である。時刻情報と通信関連情報等は、サービスの提供のために用いられた1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報である。
【0051】
トランザクションデータ生成部113は、記憶部140に記録された情報から、トランザクションデータを生成する。トランザクションデータ生成部113は、トランザクションデータ141に、サービスを特定するサービスIDを関連付ける。具体的には、本例示的実施形態においては、
図9に示すように、トランザクションデータ141は、サービスID1411、時刻情報1412、通信機器情報1413、通信経路情報1414を含む。通信機器情報とは、一例として、通信機器の状態(ステータス)を示す情報である。通信機器の状態を示す情報とは、例えば、正常に稼働している、正常に稼働していないといった状態、又は通信機器の接続に要した時間、データの転送速度等の情報である。通信経路情報とは、一例として、通信経路の状態(ステータス)を示す情報である。通信経路の状態を示す情報とは、例えば、通信経路の接続状態、通信容量、又は通信速度等を示す情報である。なお、時刻は、ネットワーク上で同期された時刻である必要があるため、例えばNTP(Network Time Protocol)を用いる。
【0052】
また、トランザクションデータ生成部113は、トランザクションデータ141に、ログ情報として、そのサービスの提供において用いられた通信経路を特定するための通信経路ID、及び、そのサービスの提供において用いられた通信機器を特定するための通信機器ID、の少なくとも何れかを含めてもよい。また、トランザクションデータ141は、通信機器情報、通信経路情報、通信機器ID、及び通信経路IDの全てを含んでいてもよい。通信経路IDは、通信経路情報に紐づけられた符号であり、通信経路IDから通信経路情報を取得することができる。通信機器IDは、通信機器情報に紐づけられた符号であり、通信機器IDから通信機器情報を取得することができる。
【0053】
(管理者端末200の構成)
図10は、本例示的実施形態における管理者の端末200(端末e3の一例)の構成例を示すブロック図である。
図10に示すように、端末200は、制御部210、通信部220、メモリ230、及び記憶部240を備える。制御部210は、端末200の全体を統括制御する。通信部220は、外部機器との通信を行う。メモリ230は、制御部210が使用するプログラム及び各種データを記録する。記憶部240は、ブロックチェーンを構成するブロックデータであるブロック1(BL1)、ブロック2(BL2)、ブロック3(BL3)・・・を記録する。
【0054】
制御部210について詳述する。制御部210は、記録部211、取得部212、ブロック生成部213、及びブロック登録部214を備える。記録部211は、通信部220を介して取得部212が取得したトランザクションデータを記憶部240に記録する。ブロック生成部213は、記憶部240に記録された情報から、ブロックチェーンに登録するためのブロックを生成する。ブロックに記録されるデータについては後述する。ブロック登録部214は、所定のコンセンサスアルゴリズムに基づいて他のエンドユーザから承認を得られたブロックを、ブロックチェーンに登録する。ブロック登録部214は、請求の範囲に記載した「登録手段」の一実施形態である。なお、本例示的実施形態においては、所定のコンセンサスアルゴリズムとしてPoW(Proof of Work)を用いて説明する。しかし、コンセンサスアルゴリズムはPoWに限られず、PoS(Proof of Stake)、PoI(Proof of Importance)、及びPoH(Proof of Human-work)等を用いてもよい。
【0055】
なお、管理者の端末200を例として説明したが、同様の構成を有する端末を、ブロックチェーンに参加する各エンドユーザが所有しており、ブロックチェーンを記録している。つまり、通信事業者Aの端末e4、及び通信事業者Bの端末e5も同様の構成を含んでいる。
【0056】
次に、ブロック生成部213が生成するブロックに含まれるデータについて説明する。
図11は、ブロック生成部213が生成するブロックに含まれるデータの一例を示す図である。ブロックは、データが承認された順に
ブロックチェーンに登録される。
図11では、ブロックBL3が最も新しいデータである。ブロックBL3に含まれるデータは、ブロックヘッダBL31とトランザクションデータBL32とを含む。
【0057】
ブロックヘッダBL31は、1つ前のブロック(
図11のブロックBL2)のブロックヘッダBL21のハッシュ値BL311、トランザクションデータのハッシュ値BL312、及びノンス値BL313を含む。ハッシュ値とは、ハッシュ関数を用いて得られるビット列である。ハッシュ関数は、任意長のビット列から、固定長のビット列を生成する関数である。ノンス値は、所定の条件を満たすランダムな固定長のビット列である。
【0058】
トランザクションデータBL32は、サービスIDBL321、時刻情報BL322、第1の通信関連情報BL323、第2の通信関連情報BL324、第3の通信関連情報BL325・・・を含む。第1の通信関連情報BL323は、第1の通信事業者(例えば通信事業者A)が所有する第1の通信経路情報と、第1の通信機器情報とを含む。同様に、第2の通信関連情報BL324は、第2の通信事業者(例えば通信事業者B)が所有する第2の通信経路情報と、第2の通信機器情報とを含み、第3の通信関連情報BL325は、第3の通信事業者が所有する第3の通信経路情報と、第3の通信機器情報とを含む。以下、関与した通信事業者の数だけの通信関連情報が含まれる。
【0059】
以上、ブロックBL3に含まれるデータについて説明した。これ以外のブロックBL2に含まれるデータ、及びブロックBL1に含まれるデータについても同様であるので、その説明は省略する。
【0060】
(データが登録されるまでの流れ)
次に、サービス提供者の端末によってトランザクションデータが生成され、各エンドユーザの端末に記録されたブロックチェーンに登録されるまでの流れについて説明する。
図12は、サービス提供者の端末が生成したブロックが各エンドユーザの端末に記録されたブロックチェーンに登録されるまでの流れを示すタイムチャートS4である。
図12に記載した「インフラA事業者」は、通信インフラストラクチャAを所有する事業者を意味し、以下「通信事業者A」と称する。また、「インフラB事業者」は、通信インフラストラクチャBを所有する事業者を意味し、以下「通信事業者B」と称する。
【0061】
図12の左端は、サービス提供者の端末e1で行われる作業である。まず、ステップS41において、サービス提供者の端末e1がサービスを提供する。なお、ステップS41の前に、サービス提供者とサービス利用者との間でサービス取引の交渉と契約が行われるが、本図では省略する。
【0062】
次に、ステップS42において、サービス提供者の端末e1は、サービスIDとサービス時刻を記録する。サービス時刻は、サービス開始時刻とサービス終了時刻を含む。次に、ステップS43において、サービス提供者の端末e1は、サービスの提供に関与した通信事業者Aの端末e4及び通信事業者Bの端末e5に、通信関連情報を提供するように問い合わせを送信する。
【0063】
これを受けて、ステップS48において、通信事業者Aの端末e4は、通信関連情報A(通信事業者Aが有する通信関連情報)をサービス提供者の端末e1に提供(送信)する。また、ステップS51において、通信事業者Bの端末e5は、通信関連情報Bをサービス提供者の端末e1に提供(送信)する。これを受けて、ステップS44において、サービス提供者の端末e1は、通信関連情報A、Bを含むトランザクションデータを生成する。そして、ステップS45において、サービス提供者の端末e1は、各エンドユーザの端末e3、e4、e5に対してブロック作成のリクエストをトランザクションデータとともに送信する。
【0064】
これを受けてエンドユーザの端末e3、e4、e5は、所定の条件を満たすノンス値を探索する。本例示的実施形態では、管理者の端末e3が所定の条件を満たすノンス値を最初に発見したとする。すると管理者の端末e3は、ステップS46において、端末e3において、サービス提供者の端末e1が送信したトランザクションデータを含むブロックを生成する。さらに、管理者の端末e3は、生成したブロックを各エンドユーザの端末e4、e5に送信し、承認を求める。各エンドユーザの端末e4、e5は、それぞれステップS49及びステップS52において、ノンス値が正しいことを確認して、管理者の端末e3に対して承認を返信する。
【0065】
これを受けて、管理者の端末e3は、ステップS47において、ブロックをブロックチェーンに登録する。同様に、通信事業者A、Bの端末e4、e5は、それぞれステップS50及びステップS53において、それぞれの記憶部に記録されたブロックチェーンに管理者の端末e3が生成したブロックを登録する。
【0066】
なお、上述の説明は、各エンドユーザの端末が所定の条件を満たすノンス値を探索する例を説明した。しかし、何らかの組織の管理者の端末がエンドユーザを代表してノンス値を探索するようにしてもよい。
【0067】
以上の流れにより、管理者の端末e3が生成したブロックがエンドユーザの端末e4、e5のブロックチェーンに登録される。以上のように、例示的実施形態2に示す構成により、エンドユーザがブロックチェーンに登録されたトランザクションデータを共有することができる。
【0068】
従って、本例示的実施形態2に係る構成によれば、サービスの提供に用いられた通信インフラストラクチャに関する情報を、当該サービスの提供に関連する関係者が共有できる技術を提供することができるという効果が得られる。
【0069】
〔例示的実施形態3〕
次に、本発明の例示的実施形態3について、図面を参照して説明する。なお、例示的実施形態1及び2にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、その説明を適宜省略する。例示的実施形態2では、サービス提供者の端末がトランザクションデータを生成する実施形態を説明した。例示的実施形態3においては、管理者の端末がトランザクションデータを生成する実施形態を説明する。
【0070】
(サービス提供者端末300の構成)
図13は、本例示的実施形態におけるサービス提供者の端末300(端末e1の一例)の構成例を示すブロック図である。
図13に示すように、端末300は、制御部310、通信部320、メモリ330、及び記憶部340を備える。制御部310は、端末300の全体を統括制御する。通信部320は、外部機器との通信を行う。メモリ330は、制御部310が使用するプログラム及び各種データを記録する。記憶部340は、各種情報及び生成したログ情報を記録する。
【0071】
制御部310について詳述する。制御部310は、記録部311、取得部312、及びログ情報生成部313を備える。記録部311は、サービスID、時刻情報、通信関連情報等を記憶部340に記録する。サービスID、時刻情報、及び通信関連情報等は、通信部320を介して取得部312が取得する。時刻情報と通信関連情報等は、例示的実施形態2において説明したとおりである。ログ情報生成部313は、記憶部340に記録された情報から、ログ情報を生成する。
図13に示すように、本例示的実施形態においては、ログ情報342は、時刻情報3421、通信機器情報3422、通信経路情報3423を含む。ログ情報342は、サービスID341と紐づけられている。
【0072】
(管理者端末400の構成)
図14は、本例示的実施形態における管理者の端末400(端末e3の一例)の構成例を示すブロック図である。
図14に示すように、端末400は、制御部410、通信部420、メモリ430、及び記憶部440を備える。制御部410は、端末400の全体を統括制御する。通信部420は、外部機器との通信を行う。メモリ430は、制御部410が使用するプログラム及び各種データを記録する。記憶部440は、ブロックチェーンを構成するブロックデータであるブロック1(BL1)、ブロック2(BL2)、ブロック3(BL3)・・・を記録する。ブロック1(BL1)等に記録されるデータについては、例示的実施形態2で説明した内容と同じであるので、その説明は省略する。
【0073】
制御部410について詳述する。制御部410は、記録部411、取得部412、トランザクションデータ生成部413、ブロック生成部414、及びブロック登録部415を備える。このうち、記録部411、取得部412、ブロック生成部414、及びブロック登録部415については、例示的実施形態2で説明した記録部211、取得部212、ブロック生成部213、及びブロック登録部214と同様であるので、その説明は省略する。
【0074】
トランザクションデータ生成部413は、記憶部440に記録された情報から、トランザクションデータを生成する。具体的には、トランザクションデータは、例えばサービスIDとそれに紐づけられたログ情報である。
【0075】
(データが登録されるまでの流れ)
次に、管理者の端末e3によってトランザクションデータが生成され、エンドユーザの端末e3、e4、e5に記録されたブロックチェーンに登録されるまでの流れについて説明する。
図15は、管理者の端末e3が生成したブロックがエンドユーザの端末e3、e4、e5のブロックチェーンに登録されるまでの流れを示すタイムチャートS6である。
【0076】
図15に示すように、まず、ステップS61において、サービス提供者の端末e1がサービスを提供する。次に、ステップS62において、サービス提供者の端末e1は、サービスIDとサービス時刻を記録する。サービス時刻は、サービス開始時刻とサービス終了時刻を含む。次に、ステップS63において、サービス提供者の端末e1は、サービスの提供に関与した通信事業者の端末e4、e5に、通信関連情報を提供するように問い合わせを送信する。
【0077】
これを受けて、ステップS70において、通信事業者Aの端末e4は、通信関連情報Aをサービス提供者の端末e1に提供(送信)する。また、ステップS73において、通信事業者Bの端末e5は、通信関連情報Bをサービス提供者の端末e1に提供(送信)する。これを受けて、ステップS64において、サービス提供者の端末e1は、通信関連情報A、Bを含むログ情報を生成する。そして、ステップS65において、サービス提供者の端末e1は、管理者の端末e3に対してトランザクションデータ作成のリクエストをログ情報とともに送信する。
【0078】
これを受けて管理者の端末e3は、ステップS66において、ログ情報を含むトランザクションデータを生成する。次に、管理者の端末e3は、ステップS67において、通信事業者A、Bの端末e4、e5にブロック作成のリクエストをトランザクションデータとともに送信する。
【0079】
これを受けて通信事業者A、Bの端末e4、e5は、所定の条件を満たすノンス値を探索する。本例示的実施形態では、管理者の端末e3が所定の条件を満たすノンス値を最初に発見したとする。すると管理者の端末e3は、ステップS68において、自らが生成したトランザクションデータを含むブロックを生成する。さらに、管理者の端末e3は、生成したブロックを通信事業者A、Bの端末e4、e5に送信し、承認を求める。通信事業者A、Bの端末e4、e5は、それぞれステップS71及びステップS74において、ノンス値が正しいことを確認して、管理者の端末e3に承認を返信する。
【0080】
これを受けて、管理者の端末e3は、ステップS69において、ブロックをブロックチェーンに登録する。同様に、通信事業者A、Bの端末e4、e5は、それぞれステップS72及びステップS75において、自身の記憶部に記録されたブロックチェーンに管理者の端末e3が生成したブロックを登録する。
【0081】
以上の流れにより、管理者の端末e3が生成したトランザクションデータを含むブロックが、エンドユーザの端末e3、e4、e5に記録されたブロックチェーンに登録される。以上のように、例示的実施形態3に示す構成により、エンドユーザの端末e3、e4、e5がブロックチェーンに登録されたトランザクションデータを共有することができる。
【0082】
従って、本例示的実施形態3に係る構成によれば、サービスの提供に用いられた通信インフラストラクチャに関する情報を、当該サービスの提供に関連する関係者が共有できる技術を提供することができるという効果が得られる。
【0083】
〔例示的実施形態4〕
次に、本発明の例示的実施形態4について、図面を参照して説明する。なお、例示的実施形態1から3にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、その説明を適宜省略する。例示的実施形態4では、記録されたログ情報とサービスレベル合意情報とを比較して、その比較結果を出力する実施形態について説明する。
【0084】
図16は、本例示的実施形態における通信ネットワークの一例を示す図である。
図16に示す通信ネットワークは、
図8に示す通信ネットワークと比べて、各端末と通信可能に接続されたサービスデータベースe6と、このサービスデータベースe6と接続されるノードn7とを含む点が異なっている。サービスデータベースe6には、一例として、ブロックチェーンに格納されたトランザクションデータが、それに関連付けられたサービスIDとともに格納されている。また、サービスデータベースe6には、一例として、サービスレベル合意情報が格納されていてもよい。この場合、サービスレベル合意情報は、サービスIDと関連付けられて管理(格納)されている。従って、サービスレベル合意情報は、サービス毎に異なる。サービスデータベースe6には、通信関連情報が、通信関連情報に紐付けられた特定の符号とともに格納されていてもよい。
【0085】
図17は、本例示的実施形態における管理者の端末500(端末e3の一例)の構成例を示すブロック図である。
図17に示すように、端末500は、制御部510、通信部520、メモリ530、表示部540、及び記憶部550を備える。制御部510は、端末500の全体を統括制御する。通信部520は、外部機器との通信を行う。メモリ530は、制御部510が使用するプログラム及び各種データを記録する。表示部540は、例えば、後述する比較部516が比較した結果を表示する。記憶部550は、後述するトランザクションデータ生成部513が生成したトランザクションデータ551、及び後述する取得部512が通信部520を介して取得したサービスレベル合意情報552等を記録する。
【0086】
制御部510について詳述する。制御部510は、記録部511、取得部512、トランザクションデータ生成部513、ブロック生成部514、ブロック登録部515、及び比較部516を備える。このうち、記録部511、トランザクションデータ生成部513、ブロック生成部514、及びブロック登録部515については、例示的実施形態3で説明した記録部411、トランザクションデータ生成部413、ブロック生成部414、及びブロック登録部415と同様である。取得部512は、通信部520を介して、トランザクションデータ551を取得する。また、取得部512は、通信部520を介して、サービスに関するサービスレベル合意情報552を取得する。サービスレベル合意情報は、一例として、サービスデータベースe6から取得される。また、比較部516は、トランザクションデータ551に含まれるログ情報と、サービスレベル合意情報552とを比較し、比較結果を出力する。この比較結果は、表示部540に表示される。取得部512は、請求の範囲に記載した「第2の取得手段」の一実施形態である。また、比較部516は、請求の範囲に記載した「比較手段」の一実施形態である。
【0087】
本例示的実施形態では、端末の構成は管理者の端末500を例にとって説明した。しかし、取得部512と比較部516は、各エンドユーザの端末にも設けることができる。
【0088】
図18は、トランザクションデータ551とサービスレベル合意情報552に含まれるデータの一例を示す図である。
図18に示すように、トランザクションデータ600(トランザクションデータ551の一例)は、サービスID610、時刻情報620、第1の通信経路情報及び第1の通信機器情報(併せて第1の通信関連情報という)630、第2の通信経路情報及び第2の通信機器情報(併せて第2の通信関連情報という)640、第3の通信経路情報及び第3の通信機器情報(併せて第3の通信関連情報という)650・・・を含む。各通信関連情報は、サービスの提供に関与した事業者がそれぞれ記録し所有する通信関連情報である。
【0089】
また、サービスレベル合意情報700(サービスレベル合意情報552の一例)は、第1の通信経路要件及び第1の通信機器要件(併せて第1の通信関連要件という)710、第2の通信経路要件及び第2の通信機器要件(併せて第2の通信関連要件という)720、第3の通信経路要件及び第3の通信機器要件(併せて第3の通信関連要件という)730・・・を含む。各通信関連要件は、サービスの提供に関与した事業者がそれぞれ提示、又は保証する通信の品質要件である。なお、サービスレベル合意情報700には、サービスIDが含まれていてもよい。
【0090】
図19は、比較部516が行った比較の結果を表示部540に表示する画面の一例である。比較結果を表示する画面800には、第1の比較結果810、第2の比較結果820、及び第3の比較結果830が表示されている。この画面800は、サービスが3つの通信事業者が所有する通信インフラストラクチャを利用して提供された場合の表示例を示している。第1の比較結果810は、第1の通信事業者が所有する通信インフラストラクチャについての比較結果である。同様に、第2の比較結果820は、第2の通信事業者が所有する通信インフラストラクチャについての比較結果である。第3の比較結果830は、第3の通信事業者が所有する通信インフラストラクチャについての比較結果である。
【0091】
図19に示す例では、第1の通信事業者の通信インフラストラクチャを用いて行われた通信は、通信経路要件(例えば、通信経路の通信容量、通信速度等)は満たしているが、通信機器要件(例えば、通信機器の接続時間、転送速度等)を満たしていないことが表示されている。また、第2の通信事業者と第3の通信事業者の通信インフラストラクチャについては、いずれの要件も満たしていることが表示されている。
【0092】
次に、管理者の端末500が実行する、ログ情報とサービスレベル合意情報とを比較し、比較結果を出力する比較・出力方法の流れについて説明する。なお、ログ情報とサービスレベル合意情報との比較が必要となるのは、例えば、サービス提供者が提供したサービスに不備が発生し、その不備が、通信事業者が所有する通信インフラストラクチャの不備による可能性がある場合等である。
【0093】
図20は、比較・出力方法の流れS8を示すフローチャートである。
図20に示すように、まず、ステップS81において、制御部510は、不備が発生したサービスのサービスIDを取得済か否かを判定する。サービスIDを取得済であると判定された場合(ステップS81:Y)は、ステップS83に移行する。一方、サービスIDを取得済ではないと判定された場合(ステップS81:N)は、ステップS82に移行する。ステップS82において、取得部512は、ブロックチェーンに記録された当該サービスのサービスIDを、通信部520を介して取得する。そして、フローはステップS83に移行する。
【0094】
ステップS83において、取得部512は、サービスデータベースe6にアクセスして、サービスIDに紐付けられたログ情報を取得する。取得するログ情報は、通信関連情報を含んでいる。次に、ステップS84において、比較部516は、サービスレベル合意情報と取得したログ情報を比較する。サービスレベル合意情報は、サービスIDに紐付けられてサービスデータベースe6に記録されている場合は、サービスデータベースe6から取得することができる。あるいは、サービスレベル合意情報がブロックチェーンのトランザクションデータに記録されている場合は、トランザクションデータから取得してもよい。
【0095】
次に、ステップS85において、比較部516は、サービスレベル合意情報を満たさない通信インフラストラクチャを出力する。表示部540は、比較部516から出力された情報を表示する。例えば、表示部540は、
図19に示すように、関与したすべての通信インフラストラクチャの比較結果を表示する。あるいは、比較部516は、サービスレベル合意情報を満たさない通信インフラストラクチャのみを出力してもよい。なお、出力する方法、及び出力された情報を表示する方法は以上の例に限定されない。
【0096】
以上のように、ログ情報がサービスIDに紐付けられてサービスデータベースe6に格納されている場合、エンドユーザの端末のブロックチェーンにログ情報を記録する必要がなく、エンドユーザの端末に記録すべきブロックチェーンのデータ量を少なくすることができる。また、サービスレベル合意情報がサービスIDに紐付けられてサービスデータベースe6に格納されている場合、エンドユーザの端末のブロックチェーンにサービスレベル合意情報を記録する必要がなく、記録すべきデータ量を更に小さくすることができる。
【0097】
以上のように、例示的実施形態4に係る構成により、比較部516は、ログ情報と、サービスレベル合意情報とを比較し、比較結果を出力することができる。各エンドユーザは、その比較結果から、不備があった通信インフラストラクチャを確認することができる。
【0098】
従って、例示的実施形態4に係る構成によれば、エンドユーザがブロックチェーンに登録されたトランザクションデータを共有することができるという効果に加えて、サービスに不備があった場合に、通信インフラストラクチャのどこで不備が発生したのかを表示させ、エンドユーザが確認することができるという効果が得られる。
【0099】
〔ソフトウェアによる実現例〕
情報処理装置1、情報処理システム6等、又はこれらの情報処理装置及び情報処理システムに含まれる取得部11、トランザクションデータ取得部21、第1の取得部31、第2の取得部32、生成部12、トランザクションデータ生成部113、ブロック生成部213、ログ情報生成部313、登録部22、ブロック登録部214、比較部33、制御部210、記録部411等(以下、「情報処理装置等」という)の一部又は全部の機能は、集積回路(ICチップ)等のハードウェアによって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0100】
後者の場合、情報処理装置等は、例えば、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータによって実現される。このようなコンピュータの一例(以下、コンピュータCと記載する)を
図21に示す。コンピュータCは、少なくとも1つのプロセッサC1と、少なくとも1つのメモリC2と、を備えている。メモリC2には、コンピュータCを情報処理装置等として動作させるためのプログラムPが記録されている。コンピュータCにおいて、プロセッサC1は、プログラムPをメモリC2から読み取って実行することにより、情報処理装置等の各機能が実現される。
【0101】
プロセッサC1としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)、FPU(Floating point number Processing Unit)、PPU(Physics Processing Unit)、マイクロコントローラ、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。メモリC2としては、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。
【0102】
なお、コンピュータCは、プログラムPを実行時に展開したり、各種データを一時的に記憶したりするためのRAM(Random Access Memory)を更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、他の装置との間でデータを送受信するための通信インタフェースを更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、キーボードやマウス、ディスプレイやプリンタなどの入出力機器を接続するための入出力インタフェースを更に備えていてもよい。
【0103】
また、プログラムPは、コンピュータCが読み取り可能な、一時的でない有形の記録媒体Mに記録することができる。このような記録媒体Mとしては、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、又はプログラマブルな論理回路などを用いることができる。コンピュータCは、このような記録媒体Mを介してプログラムPを取得することができる。また、プログラムPは、伝送媒体を介して伝送することができる。このような伝送媒体としては、例えば、通信ネットワーク、又は放送波などを用いることができる。コンピュータCは、このような伝送媒体を介してプログラムPを取得することもできる。
【0104】
〔付記事項1〕
本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述した実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0105】
〔付記事項2〕
上述した実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載され得る。ただし、本発明は、以下に記載する態様に限定されるものではない。
【0106】
(付記1)
エンドツーエンドの通信経路を構成する1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報を取得する取得手段と、所定のコンセンサスアルゴリズムを用いて更新されるブロックチェーンに追加するトランザクションデータであって、前記ログ情報を含むトランザクションデータを生成する生成手段とを備えていることを特徴とする情報処理装置。
【0107】
上記の構成によれば、サービスの提供に用いられた通信インフラストラクチャに関する情報を、当該サービスの提供に関連する関係者が共有できる技術を提供することができる。
【0108】
(付記2)
前記トランザクションデータを前記ブロックチェーンに登録する登録手段を更に備えていることを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
【0109】
上記の構成によれば、トランザクションデータをブロックチェーンに登録することができる。
【0110】
(付記3)
前記ログ情報は、あるサービスの提供のために用いられた前記1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報であり、前記生成手段は、前記トランザクションデータに、前記あるサービスを特定するサービスIDを関連付けることを特徴とする付記1又は2に記載の情報処理装置。
【0111】
上記の構成によれば、サービスIDによりトランザクションデータを特定することができる。
【0112】
(付記4)
前記生成手段は、前記トランザクションデータに、前記サービスIDを含めることを特徴とする付記3に記載の情報処理装置。
【0113】
上記の構成によれば、トランザクションデータに含まれるサービスIDからログ情報を取得することができる。
【0114】
(付記5)
前記生成手段は、前記トランザクションデータに、前記ログ情報として、前記あるサービスの提供時刻を特定する時刻情報を含めることを特徴とする付記3又は4に記載の情報処理装置。
【0115】
上記の構成によれば、トランザクションデータからサービスの提供時刻を取得することができる。
【0116】
(付記6)
前記生成手段は、前記トランザクションデータに、前記ログ情報として、前記あるサービスの提供において用いられた通信経路の状態を示す通信経路情報、及び、前記あるサービスの提供において用いられた通信機器の状態を示す通信機器情報の少なくとも何れかを含めることを特徴とする付記3から5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【0117】
上記の構成によれば、トランザクションデータから通信経路情報と通信機器情報の少なくとも何れかを取得することができる。
【0118】
(付記7)
前記生成手段は、前記トランザクションデータに、前記ログ情報として、前記あるサービスの提供において用いられた通信経路を特定するための通信経路ID、及び、前記あるサービスの提供において用いられた通信機器を特定するための通信機器IDの少なくとも何れかを含めることを特徴とする付記3から6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【0119】
上記の構成によれば、トランザクションデータから、サービスの提供に用いられた通信経路及び通信機器を特定することができる。
【0120】
(付記8)
前記あるサービスに関するサービスレベル合意情報を取得する第2の取得手段と、前記ログ情報と、前記サービスレベル合意情報とを比較し、比較結果を出力する比較手段とを更に備えていることを特報とする付記3から7の何れか1項に記載の情報処理装置。
【0121】
上記の構成によれば、ログ情報とサービスレベル合意情報とを比較した結果を当該サービスの提供に関連する関係者が入手でき、不備が生じた原因を各関係者が検証することができる。
【0122】
(付記9)
あるサービスIDによって特定されるトランザクションデータであって、所定のコンセンサスアルゴリズムを用いて更新されるブロックチェーンに登録されたトランザクションデータから、前記あるサービスIDによって特定されるサービスの提供のために用いられた1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報を取得する第1の取得手段と、前記あるサービスIDによって特定されるサービスに関するサービスレベル合意情報を取得する第2の取得手段と、前記ログ情報と、前記サービスレベル合意情報とを比較し、比較結果を出力する比較手段とを備えていることを特徴とする情報処理装置。
【0123】
上記の構成によれば、サービスの提供に用いられた通信インフラストラクチャに関する情報を、当該サービスの提供に関連する関係者が共有できる技術を提供することができる。
【0124】
(付記10)
エンドツーエンドの通信経路を構成する1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報を取得する取得手段と、所定のコンセンサスアルゴリズムを用いて更新されるブロックチェーンに追加するトランザクションデータであって、前記ログ情報を含むトランザクションデータを生成する生成手段と前記トランザクションデータを前記ブロックチェーンに登録する登録手段とを備えていることを特徴とする情報処理システム。
【0125】
上記の構成によれば、サービスの提供に用いられた通信インフラストラクチャに関する情報を、当該サービスの提供に関連する関係者が共有できる技術を提供することができる。
【0126】
(付記11)
前記トランザクションデータは、あるサービスIDによって特定されるサービスのトランザクションデータであり、前記サービスに関するサービスレベル合意情報を取得する第2の取得手段と、前記ログ情報と、前記サービスレベル合意情報とを比較し、比較結果を出力する比較手段とを更に備えていることを特徴とする付記10に記載の情報処理システム。
【0127】
上記の構成によれば、サービスの提供に用いられた通信インフラストラクチャに関する情報を、当該サービスの提供に関連する関係者が共有できる技術を提供することができる。
【0128】
(付記12)
エンドツーエンドの通信経路を構成する1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報を取得すること、所定のコンセンサスアルゴリズムを用いて更新されるブロックチェーンに追加するトランザクションデータであって、前記ログ情報を含むトランザクションデータを生成することを含むことを特徴とする情報処理方法。
【0129】
上記の構成によれば、サービスの提供に用いられた通信インフラストラクチャに関する情報を、当該サービスの提供に関連する関係者が共有できる技術を提供することができる。
【0130】
(付記13)
あるサービスIDによって特定されるトランザクションデータであって、所定のコンセンサスアルゴリズムを用いて更新されるブロックチェーンに登録されたトランザクションデータから、前記あるサービスIDによって特定されるサービスの提供のために用いられた1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報を取得すること、前記あるサービスIDによって特定されるサービスに関するサービスレベル合意情報を取得すること、前記ログ情報と、前記サービスレベル合意情報とを比較し、比較結果を出力することを含むことを特徴とする情報処理方法。
【0131】
上記の構成によれば、サービスの提供に用いられた通信インフラストラクチャに関する情報を、当該サービスの提供に関連する関係者が共有できる技術を提供することができる。
【0132】
(付記14)
コンピュータを、エンドツーエンドの通信経路を構成する1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報を取得する取得手段、及び所定のコンセンサスアルゴリズムを用いて更新されるブロックチェーンに追加するトランザクションデータであって、前記ログ情報を含むトランザクションデータを生成する生成手段として機能させるためのプログラム。
【0133】
上記の構成によれば、サービスの提供に用いられた通信インフラストラクチャに関する情報を、当該サービスの提供に関連する関係者が共有できる技術を提供することができる。
【0134】
(付記15)
コンピュータを、あるサービスIDによって特定されるトランザクションデータであって、所定のコンセンサスアルゴリズムを用いて更新されるブロックチェーンに登録されたトランザクションデータから、前記あるサービスIDによって特定されるサービスの提供のために用いられた1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報を取得する第1の取得手段、前記あるサービスIDによって特定されるサービスに関するサービスレベル合意情報を取得する第2の取得手段、及び前記ログ情報と、前記サービスレベル合意情報とを比較し、比較結果を出力する比較手段、として機能させるためのプログラム。
【0135】
上記の構成によれば、サービスの提供に用いられた通信インフラストラクチャに関する情報を、当該サービスの提供に関連する関係者が共有できる技術を提供することができる。
【0136】
また、上記のプログラムは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録されていてもよい。
【0137】
(付記16)
エンドツーエンドの通信経路を構成する1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報を含むトランザクションデータであって、所定のコンセンサスアルゴリズムを用いて更新されるブロックチェーンに追加するトランザクションデータを取得するトランザクションデータ取得手段と、前記トランザクションデータを前記ブロックチェーンに登録する登録手段とを備えていることを特徴とする情報処理装置。
【0138】
上記の構成によれば、サービスの提供に用いられた通信インフラストラクチャに関する情報を、当該サービスの提供に関連する関係者が共有できる技術を提供することができる。
【0139】
(付記17)
エンドツーエンドの通信経路を構成する1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報を含むトランザクションデータであって、所定のコンセンサスアルゴリズムを用いて更新されるブロックチェーンに追加するトランザクションデータを取得すること、前記トランザクションデータを前記ブロックチェーンに登録することを含むことを特徴とする情報処理方法。
【0140】
上記の構成によれば、サービスの提供に用いられた通信インフラストラクチャに関する情報を、当該サービスの提供に関連する関係者が共有できる技術を提供することができる。
【0141】
(付記18)
コンピュータを、エンドツーエンドの通信経路を構成する1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報を含むトランザクションデータであって、所定のコンセンサスアルゴリズムを用いて更新されるブロックチェーンに追加するトランザクションデータを取得する取得手段、及び前記トランザクションデータを前記ブロックチェーンに登録する登録手段、として機能させるためのプログラム。
【0142】
上記の構成によれば、サービスの提供に用いられた通信インフラストラクチャに関する情報を、当該サービスの提供に関連する関係者が共有できる技術を提供することができる。
【0143】
〔付記事項3〕
上述した実施形態の一部又は全部は、更に、以下のように表現することもできる。
【0144】
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、エンドツーエンドの通信経路を構成する1又は複数の通信インフラストラクチャのログ情報を取得する取得処理と、所定のコンセンサスアルゴリズムを用いて更新されるブロックチェーンに追加するトランザクションデータであって、前記ログ情報を含むトランザクションデータを生成する生成処理とを実行する情報処理装置。
【0145】
なお、この情報処理装置は、更にメモリを備えていてもよく、このメモリには、前記第1の取得処理と、前記取得処理と、前記生成処理とを前記プロセッサに実行させるためのプログラムが記憶されていてもよい。
【符号の説明】
【0146】
1,2,3 情報処理装置
6 情報処理システム
11,112,212,312,412,512,611 取得部
21 トランザクションデータ取得部
31 第1の取得部
32 第2の取得部
12,621 生成部
113,413,513 トランザクションデータ生成部
213,414 ブロック生成部
313 ログ情報生成部
22,631 登録部
214,415,514 ブロック登録部
33,516 比較部
120,220,320 通信部
130,230,330 メモリ
140,240,340 記憶部
210,313,410,510 制御部
411,511 記録部