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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-25
(45)【発行日】2025-03-05
(54)【発明の名称】生体データ測定システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/022 20060101AFI20250226BHJP
   A61B 5/0245 20060101ALI20250226BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20250226BHJP
   A61B 5/1455 20060101ALI20250226BHJP
   A61B 5/107 20060101ALI20250226BHJP
【FI】
A61B5/022 500M
A61B5/022 500L
A61B5/022 C
A61B5/022 400M
A61B5/0245 B
A61B5/02 310F
A61B5/1455
A61B5/107 300
A61B5/02 D
A61B5/0245 100B
A61B5/022 400H
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023517217
(86)(22)【出願日】2022-03-31
(86)【国際出願番号】 JP2022016610
(87)【国際公開番号】W WO2022230602
(87)【国際公開日】2022-11-03
【審査請求日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】P 2021077303
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100122770
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 和弘
(72)【発明者】
【氏名】志牟田 亨
【審査官】佐藤 秀樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-023768(JP,A)
【文献】特表2016-511667(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/022-5/0235
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に通信可能に構成された、環状生体センサと、携帯型制御ユニットと、を備える生体データ測定システムであって、
前記環状生体センサは、
手の指又は手首に装着可能に環状に形成された本体部と、
前記本体部に設けられ、血圧を含む生体データを測定するセンサ部と、
前記携帯型制御ユニットが所定の範囲内にあるときに、前記携帯型制御ユニットとの間で通信可能となるセンサ側近距離無線通信部と、を有し、
前記携帯型制御ユニットは、
画像を撮像する撮像部と、
前記環状生体センサが装着された手で前記携帯型制御ユニットを把持しているユーザに対して、ユーザの顔を撮像するように提示するとともに、前記撮像部により撮像された画像を表示する表示部と、
前記携帯型制御ユニットの鉛直方向に対する傾きを検出する傾斜センサと、
前記環状生体センサが所定の範囲内にあるときに、前記環状生体センサとの間で通信可能となるユニット側近距離無線通信部と、
前記環状生体センサとの間の無線通信状態に応じて、前記環状生体センサが装着された手で前記携帯型制御ユニットが把持されているか否かを判定するとともに、前記画像から認識した前記画像中の前記ユーザの顔の位置、及び、前記携帯型制御ユニットの鉛直方向に対する傾きから、前記ユーザの測定姿勢が適切であるか否かを判定し、前記環状生体センサが装着された手で前記携帯型制御ユニットが把持されているか否かの判定結果、及び、前記ユーザの測定姿勢が適切であるか否かの判定結果に基づいて、前記生体データ測定システムを制御し、血圧を含む生体データを取得する制御部と、を有し、
前記センサ側近距離無線通信部、及び、前記ユニット側近距離無線通信部それぞれは、NFC(Near Field Communication)モジュールからなり、
前記携帯型制御ユニットの前記制御部は、前記環状生体センサとの間でNFC通信が可能であるか否かに応じて、前記環状生体センサが装着された手で前記携帯型制御ユニットが把持されているか否かを判定することを特徴とする生体データ測定システム。
【請求項2】
相互に通信可能に構成された、環状生体センサと、携帯型制御ユニットと、を備える生体データ測定システムであって、
前記環状生体センサは、
手の指又は手首に装着可能に環状に形成された本体部と、
前記本体部に設けられ、血圧を含む生体データを測定するセンサ部と、
前記携帯型制御ユニットが所定の範囲内にあるときに、前記携帯型制御ユニットとの間で通信可能となるセンサ側近距離無線通信部と、を有し、
前記携帯型制御ユニットは、
画像を撮像する撮像部と、
前記環状生体センサが装着された手で前記携帯型制御ユニットを把持しているユーザに対して、ユーザの顔を撮像するように提示するとともに、前記撮像部により撮像された画像を表示する表示部と、
前記携帯型制御ユニットの鉛直方向に対する傾きを検出する傾斜センサと、
前記環状生体センサが所定の範囲内にあるときに、前記環状生体センサとの間で通信可能となるユニット側近距離無線通信部と、
前記環状生体センサとの間の無線通信状態に応じて、前記環状生体センサが装着された手で前記携帯型制御ユニットが把持されているか否かを判定するとともに、前記画像から認識した前記画像中の前記ユーザの顔の位置、及び、前記携帯型制御ユニットの鉛直方向に対する傾きから、前記ユーザの測定姿勢が適切であるか否かを判定し、前記環状生体センサが装着された手で前記携帯型制御ユニットが把持されているか否かの判定結果、及び、前記ユーザの測定姿勢が適切であるか否かの判定結果に基づいて、前記生体データ測定システムを制御し、血圧を含む生体データを取得する制御部と、を有し、
前記センサ側近距離無線通信部、及び、前記ユニット側近距離無線通信部それぞれは、
Bluetooth(登録商標)モジュールからなり、
前記携帯型制御ユニットの前記制御部は、前記環状生体センサから送信された電波の受信信号強度が所定値以上であるか否かに応じて、前記環状生体センサが装着された手で前記携帯型制御ユニットが把持されているか否かを判定することを特徴とする生体データ測定システム。
【請求項3】
前記センサ側近距離無線通信部は、前記環状生体センサが前記ユーザの指に装着されたときに、該指の腹側に来るように前記本体部に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の生体データ測定システム。
【請求項4】
前記携帯型制御ユニットの前記制御部は、予め記憶されている前記ユーザの身体情報を取得し、該身体情報を考慮して、前記ユーザの測定姿勢が適切であるか否かを判定することを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の生体データ測定システム。
【請求項5】
前記携帯型制御ユニットの前記制御部は、前記環状生体センサと前記ユーザの心臓との高さの差が所定の範囲外である場合、及び、前記ユーザの体幹部の鉛直方向に対する傾きが所定の範囲外である場合に、前記ユーザの測定姿勢が適切ではないと判定することを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の生体データ測定システム。
【請求項6】
前記携帯型制御ユニットの前記表示部は、顔の表示位置、及び、顔の表示サイズの推奨される範囲をグラフィカルに表示することを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の生体データ測定システム。
【請求項7】
前記携帯型制御ユニットの前記制御部は、前記画像中の前記ユーザの顔を認識し、
前記携帯型制御ユニットの前記表示部は、顔の表示位置、及び、顔の表示サイズが推奨される範囲に収まっているか否かを通知することを特徴とする請求項に記載の生体データ測定システム。
【請求項8】
前記携帯型制御ユニットの前記表示部は、前記携帯型制御ユニットの傾き、及び、前記ユーザの体幹部の傾きそれぞれが、所定の範囲内であるか否かを提示することを特徴とする請求項に記載の生体データ測定システム。
【請求項9】
前記環状生体センサは、手の指又は手首に装着されているか否かを判定する判定部と、
前記携帯型制御ユニットとの間でデータを送受信するセンサ側通信部と、を有し、
前記環状生体センサの前記センサ側通信部は、前記環状生体センサが手の指又は手首に装着されているか否かの判定結果を前記携帯型制御ユニットに送信し、
前記携帯型制御ユニットの前記制御部は、前記環状生体センサが手の指又は手首に装着されていない場合には、前記ユーザの測定姿勢の判定を禁止することを特徴とする請求項に記載の生体データ測定システム。
【請求項10】
前記生体データは、血圧に加えて、血糖値、脈拍、呼吸、脈波、酸素飽和度、体表温、活動量のうち少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の生体データ測定システム。
【請求項11】
前記携帯型制御ユニットの前記制御部は、前記ユーザの測定姿勢の判定結果に基づいて、取得した血圧を含む生体データの信頼度を演算することを特徴とする請求項に記載の生体データ測定システム。
【請求項12】
前記携帯型制御ユニットの前記制御部は、前記ユーザの測定姿勢の判定結果に基づいて、血圧を含む生体データを補正することを特徴とする請求項に記載の生体データ測定システム。
【請求項13】
前記携帯型制御ユニットの前記傾斜センサは、前記携帯型制御ユニットが前記ユーザの体幹部に密着されているときの前記携帯型制御ユニットの鉛直方向に対する傾きを検出し、
前記携帯型制御ユニットの前記制御部は、検出された前記携帯型制御ユニットの鉛直方向に対する傾きに基づいて、前記ユーザの体幹部の傾きが所定の範囲内であるか否かを判定し、
前記携帯型制御ユニットの前記表示部は、前記制御部による当該判定結果を表示することを特徴とする請求項に記載の生体データ測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体データ測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
血圧の測定部位が心臓より高い位置にある場合、血圧の測定値は、重力による血管内の静水圧の圧差だけ低くなる。逆に、血圧の測定部位が心臓よりも低い位置にある場合には、血圧の測定値は、血管内の静水圧の圧差だけ高くなる。より具体的には、血圧の測定部位が心臓の高さから1cm上下すると、血圧(測定値)は約0.7mmHg変化する。
【0003】
ここで、特許文献1には、所定の撮像範囲を有し、血圧測定時に撮像動作をして画像データを出力するカメラと、画像データに基づき、当該画像データが指す撮像画像に顔の画像とカフの画像が含まれるか否かを検出する顔及びカフ検出部と、顔の画像とカフの画像の、撮像画像における位置情報を算出する位置情報算出部と、算出された顔の画像とカフの画像との位置情報が指す相対的な位置関係に基づき、電子血圧計の使用状態が適正か否かの判定処理を行う不正判定部と、不正判定部による判定の結果を出力する出力部を備える電子血圧計が開示されている。この電子血圧計によれば、血圧測定時に、撮像画像における顔の画像とカフの画像との相対的な位置関係に基づき、電子血圧計の使用状態が適正か否かを判定するので、電子血圧計の使用態様が(測定精度の点で)適正であるかを検出することができる。
【0004】
また、特許文献2には、デバイスを手に持っているユーザから血圧測定値を取得する血圧センサと、重力の方向に対するデバイスの角度を決定し、ユーザの表示画像内で、表示された所定の位置範囲に対するデバイスを手に持っているユーザの1つ又は複数の位置を特定し、重力の方向に対するデバイスの角度と、所定の位置範囲に対する画像内のユーザの1つ又は複数の位置とに基づいて、ユーザの心臓の高さに対する血圧センサの高さを決定し、ユーザの心臓の高さに対する血圧センサの高さに基づいて制御する制御ユニットとを備えるデバイスが提案されている。このデバイスによれば、ユーザの心臓の高さに対する血圧センサの高さに基づいて、デバイスを制御して血圧を測定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-247733号公報
【文献】特表2020-500052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された電子血圧計では、血圧を測定する際にカフで上腕を締め付けるため、侵襲性がある。また、カフを用いているため、装置(電子血圧計)のサイズが大きくなり、携帯に不向きである。そのため、例えば、外出先などで用いること(血圧を測定すること)ができない。
【0007】
一方、特許文献2に開示されたデバイスでは、デバイスを手に持ち、その手の指を血圧センサに接触させて血圧を測定するため、接触圧を一定に保つことが難しい。そして、接触圧が変化すると、接触している測定部の血圧が変動する(測定毎の変動もあるが、特に測定中の接触圧変動が起こりやすい)ため、血圧を安定して測定することが困難となるおそれがある。
【0008】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、携帯性に優れ、かつ、測定値が測定部位の高さと心臓の高さとの差により影響を受ける(すなわち静水圧の影響を受ける)血圧を含む生体データを、より精度よく非侵襲で測定することが可能な生体データ測定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る生体データ測定システムは、相互に通信可能に構成された、環状生体センサと、携帯型制御ユニットと、を備える生体データ測定システムであって、環状生体センサが、手の指又は手首に装着可能に環状に形成された本体部と、本体部に設けられ、血圧を含む生体データを測定するセンサ部と、携帯型制御ユニットが所定の範囲内にあるときに、携帯型制御ユニットとの間で通信可能となるセンサ側近距離無線通信部とを有し、携帯型制御ユニットが、画像を撮像する撮像部と、環状生体センサが装着された手で携帯型制御ユニットを把持しているユーザに対して、ユーザの顔を撮像するように提示するとともに、撮像部により撮像された画像を表示する表示部と、携帯型制御ユニットの鉛直方向に対する傾きを検出する傾斜センサと、環状生体センサが所定の範囲内にあるときに、環状生体センサとの間で通信可能となるユニット側近距離無線通信部と、環状生体センサとの間の無線通信状態に応じて、環状生体センサが装着された手で携帯型制御ユニットが把持されているか否かを判定するとともに、画像から認識した画像中のユーザの顔の位置、及び、携帯型制御ユニットの鉛直方向に対する傾きから、ユーザの測定姿勢が適切であるか否かを判定し、環状生体センサが装着された手で携帯型制御ユニットが把持されているか否かの判定結果、及び、ユーザの測定姿勢が適切であるか否かの判定結果に基づいて、生体データ測定システムを制御し、血圧を含む生体データを取得する制御部とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る生体データ測定システムによれば、環状に形成されセンサ部が設けられた環状生体センサが手の指又は手首に装着されるため、測定部位との接触圧(押圧)が安定し、精度よく血圧を含む生体データを測定することができる。また、環状生体センサとの間の無線通信状態に応じて、環状生体センサが装着された手で携帯型制御ユニットが把持されているか否かが判定されるとともに、画像から認識された画像中のユーザの顔の位置、及び、携帯型制御ユニットの鉛直方向に対する傾きから、ユーザの測定姿勢が適切であるか否かが判定される。そのため、画像内のユーザの顔の位置と、携帯型制御ユニットの傾きとから、携帯型制御ユニットと顔との相対位置が推定でき、心臓からの携帯型制御ユニット(該携帯型制御ユニットを把持した手に装着された環状生体センサ)の高さを推定できる。そして、環状生体センサが装着された手で携帯型制御ユニットが把持されているか否かの判定結果、及び、ユーザの測定姿勢が適切であるか否かの判定結果に基づいて、生体データ測定システムが制御される(血圧を含む生体データが測定される)ため、より精度よく血圧を含む生体データを測定することができる。さらに、カフを用いないため、携帯性に優れ、かつ、非侵襲で血圧を含む生体データを測定することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、携帯性に優れ、かつ、測定値が測定部位の高さと心臓の高さとの差により影響を受ける(すなわち静水圧の影響を受ける)血圧を含む生体データを、より精度よく非侵襲で測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る生体データ測定システムの全体構成を示す図である。
図2】実施形態に係る生体データ測定システムの機能構成を示すブロック図である。
図3】環状生体センサにおけるセンサ側近距離無線通信部と光電脈波センサ(発光素子、受光素子)の配置を示す図である。
図4】血圧等を測定する際の、環状生体センサの装着状態、及び、携帯型制御ユニットの把持状態を示す図である。
図5】携帯型制御ユニットの傾きを示す図である。
図6】顔の表示位置、及び、顔の表示サイズの推奨される範囲の表示例を示す図である。
図7】環状生体センサとユーザの心臓との高さの差の求め方を説明するための図である。
図8】(a)体幹部のみが右に傾いている画像例、及び、(b)体幹部と携帯型制御ユニットとが右に同じように傾いている画像例を示す図である。
図9】ユーザの体幹部の傾きの測定方法を示す図である。
図10】実施形態に係る生体データ測定システムを構成する環状生体センサによる血圧等測定処理の処理手順を示すフローチャートである。
図11】実施形態に係る生体データ測定システムを構成する携帯型制御ユニットによる血圧等測定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を用いることとする。また、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0014】
まず、図1図3を併せて用いて、実施形態に係る生体データ測定システム1の構成について説明する。図1は、生体データ測定システム1の全体構成を示す図である。図2は、生体データ測定システム1の機能構成を示すブロック図である。図3は、環状生体センサ2におけるセンサ側近距離無線通信部231と光電脈波センサ22(発光素子221、受光素子222)の配置を示す図である。
【0015】
生体データ測定システム1は、主として、無線通信を介して相互に通信可能に接続された環状生体センサ2と、携帯型制御ユニット3とを備えて構成されている。特に、生体データ測定システム1は、携帯性に優れ、かつ、測定値が測定部位の高さと心臓の高さとの差により影響を受ける(すなわち静水圧の影響を受ける)血圧を含む生体データを、より精度よく非侵襲で測定する機能を有している。
【0016】
環状生体センサ2は、主として、手の指又は手首に装着可能に環状(指輪型又はリストバンド型)に形成された本体部21と、本体部21の内面に設けられ、少なくとも血圧を測定(検出)するセンサ部22と、携帯型制御ユニット3が所定の範囲内にあるときに、携帯型制御ユニット3との間で通信可能となるセンサ側近距離無線通信部231と、センサ側近距離無線通信部231よりも通信範囲が広く、携帯型制御ユニット3との間でデータ(測定データ及び制御データ等)を送受信するセンサ側通信部232と、環状生体センサ2が装着されているか否かを判定する判定部24と、体動を検出する加速度センサ25とを有している。また、環状生体センサ2は、体表温を検出する温度センサを有していることが好ましい。
【0017】
携帯型制御ユニット3は、主として、画像(静止画像又は動画像)を撮像する撮像部31と、環状生体センサ2が装着された手で携帯型制御ユニット3を把持しているユーザに対して、ユーザの顔を撮像するように提示(表示)するとともに、撮像部31により撮像された画像を表示する表示部32と、環状生体センサ2が所定の範囲内にあるときに、環状生体センサ2との間で通信可能となるユニット側近距離無線通信部331と、ユニット側近距離無線通信部331よりも通信範囲が広く、環状生体センサ2との間でデータ(制御データ及び測定データ等)を送受信するユニット側通信部332と、環状生体センサ2との間の近距離無線の通信状態に応じて、環状生体センサ2が装着された手で携帯型制御ユニット3が把持されているか否かを判定(把持判定)するとともに、画像から認識した画像中のユーザの顔の位置、及び、携帯型制御ユニット3の鉛直方向に対する傾きから、ユーザの測定姿勢が適切であるか否かを判定(姿勢判定)し、環状生体センサ2が装着された手で携帯型制御ユニット3が把持されているか否かの判定結果(把持判定結果)、及び、ユーザの測定姿勢が適切であるか否かの判定結果(姿勢判定結果)に基づいて、撮像部31、表示部32、ユニット側近距離無線通信部331、ユニット側通信部332、及び、環状生体センサ2を制御し、血圧を含む生体データ(生体情報)を取得する制御部34と、携帯型制御ユニット3の鉛直方向に対する傾きを検出する傾斜センサ(又は加速度センサ)35とを有している。
【0018】
制御端末である携帯型制御ユニット3としては、例えば、スマートフォン等の携帯端末などを好適に用いることができる。なお、本実施形態では、携帯型制御ユニット3としてスマートフォンを用いた。以下、各構成要素について説明する。
【0019】
環状生体センサ2の本体部21は、手の指に装着可能に環状(指輪型)に形成されている。又は、本体部21は、手首に装着可能に環状(リストバンド型)に形成されている。なお、本実施形態では、環状生体センサ2として、手の指に装着する指輪型の生体センサを例にして説明する。環状生体センサ2は、例えば、一方の手(図4~7の例では右手)の人差し指に装着される。ただし、環状生体センサ2が装着される指は、中指、薬指、小指、又は、親指でもよい。なお、携帯型制御ユニット3は、環状生体センサ2が装着された手(図4~7の例では右手)で把持される。
【0020】
センサ部22は、例えば、発光素子(発光部)221及び受光素子(受光部)222を含み、光電脈波信号を検出する光電脈波センサである。光電脈波センサは、血中ヘモグロビンの吸光特性を利用して、脈拍などを光学的に計測する。以下、センサ部22を光電脈波センサ22と呼ぶこともある。センサ部(光電脈波センサ)22は、本体部21の内面に設けられる。
【0021】
また、センサ部(光電脈波センサ)22は、環状生体センサ2がユーザの指に装着されたときに、該指の腹側に来るように(位置するように)本体部21に配置されていることが好ましい。光電脈波センサ22を含む脈波センサでは、指の腹側の方が指の背側よりも生体信号を取得しやすいためである。なお、図3に示されるように、センサ側近距離無線通信部231が指の腹側に来るように配置するとセンサ部(光電脈波センサ)22と位置が重なってしまう場合には、センサ部(光電脈波センサ)22が指の側面に来るように、ずらして配置してもよい。
【0022】
センサ部22は、少なくとも血圧を測定(検出)する。本実施形態では、光電脈波波形から血圧を推定する血圧センサを例として説明する。光電脈波波形から血圧を推定する方法としては、公知の方法(例えば、特開2016-16295号公報等を参照)を用いることができる。すなわち、環状生体センサ2は、カフを用いないいわゆるカフレス血圧計である。なお、その他、脈波伝播時間を用いた血圧推定技術(方法)などを利用してもよい。
【0023】
ただし、いずれの手法であっても、得られる血圧測定値は、静水圧の影響により不正確になることがある。静水圧の影響を回避するために、血圧測定がユーザの心臓の高さ又はその近くで行われる必要がある。血圧測定が心臓の高さより上で行われた場合、測定結果は低くなり過ぎることになり、血圧測定が心臓の高さより下で行われた場合、測定結果は高くなり過ぎることになる。血圧測定位置と心臓の高さとの差が10cmあると7~8mmHgが誤って血圧測定値にもたらされる。つまり、腕をだらんと下げた状態で、指で血圧測定が行われた場合、50cm程度の高低差が発生し、35~40mmHgの誤差をもたらす。医療従事者のように訓練を受けていない一般ユーザが血圧測定を行う場合、ユーザの心臓の高さとかなり異なる高さで血圧測定が行われることがしばしばあり、血圧測定値の誤差を生じさせる。指で測定する光電脈波波形から血圧を推定する方法でも、正確な血圧測定を行うために、静圧の影響を最小限に抑える、又は取り除くことが必要とされる。
【0024】
また、光電脈波形から血糖値を推定する方法も、公知の方法(例えば、特願2017-506158等を参照)を用いることができる。ただし、光電脈波形はそのときの血圧値の影響も受けてしまうため、推定血糖値にも影響する。従って、血糖値センサでも血圧の影響を限定するために適切な測定姿勢をとる必要がある。また、前かがみのような腹部を圧迫した姿勢では血圧が高くなることがあるが、姿勢によって、脈拍や呼吸も変化することがあり、適切な測定姿勢をとることが必要となる場合がある。光電脈波波形には血管抵抗の情報も含まれる。血管抵抗を求める場合、光電脈波波形は血圧の影響も受けてしまうため、心臓の高さで測定することでばらつきを低減できる。血管抵抗を例に挙げたが、血流量、血糖値、動脈硬化度を波形から推定する場合も同様である。また、測定姿勢は、脈拍数、血流量、体表温、呼吸自体に影響を与えるため、決まった姿勢で測定を行うことで測定ばらつきを低減できる。ここで、測定する生体データ(生体情報)としては、血圧に加えて、例えば、脈波、脈拍、酸素飽和度、血糖値、体表温、活動量、血管抵抗、血流量、動脈硬化度、及び、呼吸等を含んでもよい。このように、複数の生体データ(情報)を同時に測定することで、体調の良否や疾患の兆候などを推定することが可能になる。
【0025】
センサ側近距離無線通信部231は、携帯型制御ユニット3が所定の範囲内にあるときに、携帯型制御ユニット3との間で通信可能となる近距離無線通信を行う。例えば、センサ側近距離無線通信部231は、NFC(Near Field Communication)モジュールからなる。センサ側近距離無線通信部(NFCモジュール)231が組み込まれた環状生体センサ2が指に装着された手で、ユニット側近距離無線通信部331(詳細は後述する)が組み込まれた携帯型制御ユニット3が把持されることにより、環状生体センサ2(センサ側近距離無線通信部231)と、携帯型制御ユニット3(ユニット側近距離無線通信部331)とが近接し、双方の間で近距離無線通信(NFC通信)が可能となる。
【0026】
図3に示されるように、センサ側近距離無線通信部231は、環状生体センサ2がユーザの指に装着されたときに、該指の腹側に来るように(位置するように)本体部21に配置されている。なお、図3は、環状生体センサ2の軸方向(かつ指の先端側)から見た場合のセンサ側近距離無線通信部(NFCモジュール)231と光電脈波センサ22(発光素子221、受光素子222)の配置を示す図である。ところで、環状生体センサ3を装着した手で携帯型制御ユニット3を把持する場合、手のひら側が携帯型制御ユニット3に接触することになる。そのとき、指の背側にセンサ側近距離無線通信部(NFCモジュール)231が来ると、指を挟んで携帯型制御ユニット3と通信することになる。生体(指)は電磁波を吸収するため、このようなレイアウトでは、指の影響を受けることになる。一方、センサ側近距離無線通信部(NFCモジュール)231が指の腹側に来るようにすることにより、指の影響を受け難くなり、通信状態をより安定させることができる。
【0027】
センサ側通信部232は、NFCよりも広い通信範囲を有する無線通信方式(無線通信規格)が採用され、携帯型制御ユニット3との間でデータ(測定データ及び制御データ等)を送受信する。ここで、本実施形態では、無線通信規格として、Bluetooth(登録商標)を採用した。すなわち、センサ側通信部232は、Bluetooth(登録商標)に基づいた送信機能及び受信機能を有している。なお、使用する無線通信規格はBluetooth(登録商標)に限られることなく、他の規格を用いてもよい。より具体的には、センサ側通信部232は、環状生体センサ2の装着状態情報(詳細は後述する)を携帯型制御ユニット3に送信する。一方、センサ側通信部232は、携帯型制御ユニット3から送信される測定(開始)コマンドを受信する。そして、センサ側通信部232は、取得された血圧等の生体データを(所定のタイミング(又は周期))で携帯型制御ユニット3に送信する。
【0028】
判定部24は、環状生体センサ2が手の指(又は手首)に装着されているか否かを判定する。環状生体センサ2が装着されていない場合に姿勢判定(詳細は後述する)を行ってしまうと、適切な姿勢ではないにも関わらず適切と誤判定するおそれがあるが、環状生体センサ2が装着されているときのみ姿勢判定を行うことで、そのような問題を回避できる。
【0029】
ここで、環状生体センサ2を装着しているかの判定を行う方法としては、光電脈波センサ22で脈波が検出されるかどうかで判定することが望ましい。指に装着されていないにもかかわらず装着していると誤判定する可能性が低いためである。ただし、脈波であると判定するためには2拍以上測定する必要があるため、時間が3秒以上かかる可能性がある。そのため、光電脈波センサ22での受光光量が閾値を超えたかどうかで判定してもよい。光電脈波センサ22が反射型の場合、装着していないと受光光量が低くなるため閾値を下回った場合に装着していないとみなす。光電脈波センサ22が透過型の場合、装着していないと受光光量が高くなるため閾値を上回った場合に装着していないとみなす。この方法によれば短時間での判定が可能である。ただし、光を遮るものであればどのようなものが環状生体センサ2に挿入されたとしても、装着されていると判定(すなわち誤判定)されてしまうおそれがある。そのため、加速度センサ25、ジャイロセンサ等で動きが検出されない場合には環状生体センサ2が装着されていないと判定する方法や、体表温を検出する温度センサを設け、その検出温度が所定値以下であるときには環状生体センサ2が装着されていないと判定する方法等と組み合わせて、環状生体センサ2が指に装着されているか否かを判定する構成としてもよい。
【0030】
判定部24による判定結果は、センサ側通信部232から、携帯型制御ユニット3に送られる。携帯型制御ユニット3の制御部34は、環状生体センサ2が手の指又は手首に装着されていない場合には、ユーザの姿勢判定(詳細は後述する)を禁止する。
【0031】
加速度センサ25は、環状生体センサ2の加速度、すなわち、環状生体センサ2を装着しているユーザの体動を検出する。なお、加速度センサ25による検出結果も、センサ側通信部232から、携帯型制御ユニット3に送られる。
【0032】
一方、携帯型制御ユニット3の撮像部(カメラ)31は、画像(静止画像又は動画像)を撮像する。撮像部31は、携帯型制御ユニット3の表示部32側の面に設けられている。撮像部31は、図4~7に示されるように、例えば、環状生体センサ2が装着された一方の手(例えば右手)で携帯型制御ユニット3を把持したユーザの顔を撮像する。
【0033】
表示部32は、例えば、LCDディスプレイなどからなる。表示部32は、例えば、次の(1)~(5)の画像や情報等を表示(通知)する。
(1)表示部32は、ユーザに対して、環状生体センサ2を装着した手で携帯型制御ユニット3を持つように表示(通知)する。
(2)表示部32は、ユーザに対して、ユーザの顔がフレームに納まるように携帯型制御ユニット3で撮像するように表示(提示)する。
(3)表示部32は、撮像部31により撮像された画像(静止画像又は動画像)をリアルタイムで表示する。また、表示部32は、顔の表示位置、及び、顔の表示サイズの推奨される範囲をグラフィカルに表示(提示)する。より具体的には、表示部32は、図6に示されるように、適切な顔の位置と大きさを表す略楕円や長方形等の図形をスーパーインポーズする。このように、顔の表示位置、顔の表示サイズ(大きさ)の適切な範囲を表示部32(ディスプレイ)上にグラフィカルに表示することで、ユーザが適切な範囲を認識しやすくなる。そのため、ユーザは、表示される顔の位置、大きさをユーザ自身で容易に修正できる。
(4)携帯型制御ユニット3の制御部34により、画像中のユーザの顔が認識されたときに、表示部32は、顔の表示位置、及び、顔の表示サイズが推奨される範囲に収まっているか否かを通知(表示)する。このように、画像中の実際の顔の位置とサイズ(大きさ)と、適切な範囲の顔の位置とサイズ(大きさ)が両方表示されるため、ユーザの修正が容易になる。なお、顔の高さの基準を目の高さにすることが望ましいが、顔の自動判別で目の位置も自動判別すれば顔と心臓の相対位置の推定精度が向上できる。
(5)表示部32は、ユーザの体幹部が鉛直方向(適切な測定姿勢)になるように表示(通知)して、ユーザに調整を促す。
【0034】
ユニット側近距離無線通信部331は、環状生体センサ2が所定の範囲内にあるときに、環状生体センサ2との間で通信可能となる近距離無線通信を行う。例えば、ユニット側近距離無線通信部331は、NFC(Near Field Communication)モジュールからなる。そのため、センサ側近距離無線通信(NFCモジュール)231が組み込まれた環状生体センサ2が指に装着された手で、ユニット側近距離無線通信(NFCモジュール)331が組み込まれた携帯型制御ユニット3が把持されることにより、環状生体センサ2(センサ側近距離無線通信231)と、携帯型制御ユニット3(ユニット側近距離無線通信331)とが近接し、双方の間で近距離無線通信(NFC通信)が可能となる。
【0035】
そこで、携帯型制御ユニット3の制御部34は、環状生体センサ2との間でNFC通信(近距離無線通信)が可能であるか否かに応じて、環状生体センサ2が装着された手で携帯型制御ユニット3が把持されているか否かを判定する。すなわち、携帯型制御ユニット3の制御部34は、環状生体センサ2との間でNFC通信(近距離無線通信)が可能である場合には、環状生体センサ2が装着された手で携帯型制御ユニット3が把持されていると判定する。一方、携帯型制御ユニット3の制御部34は、環状生体センサ2との間でNFC通信が不能である場合には、環状生体センサ2が装着された手で携帯型制御ユニット3が把持されていないと判定する。このように、NFCを利用することで、携帯型制御ユニット3を把持している手に環状生体センサ2が装着されているか否かを容易に判定できる。そして、環状生体センサ2が装着されていない状態で誤った血圧値等を測定してしまうことを防止できる。
【0036】
なお、センサ側近距離無線通信部231、及び、ユニット側近距離無線通信部331それぞれが、NFCモジュールに代えて、Bluetooth(登録商標)モジュールからなる構成とすることもできる。この場合、携帯型制御ユニット3の制御部34は、環状生体センサ2から送信された電波の受信信号強度が所定値以上であるか否かに応じて、環状生体センサ2が装着された手で携帯型制御ユニット3が把持されているか否かを判定する。
【0037】
Bluetooth(登録商標)は、一般的に10m以上離れていても通信できるため、環状生体センサ2を装着した手で携帯型制御ユニット3を把持しているか否かは、通信可能か否かだけでは判定できない。よって、携帯型制御ユニット3での受信信号強度(RSSI)が所定の値以上となる場合に、環状生体センサ2が装着された手で携帯型制御ユニット3が把持されていると判定する。ただし、RSSIは環境や障害物等で値が大きく変動する。そのため、センサ側近距離無線通信部231が指の背側に配置されると、指を通しての通信となり、指の大きさ(個人差)や装着具合などの影響を受けてRSSIが安定しないおそれがある。よって、通信状態を安定化するため、環状生体センサ2が指に装着されたときに、センサ側近距離無線通信部231(Bluetooth(登録商標)モジュール)が指の腹側に来るように本体部21に配置することが望ましい。
【0038】
この場合、センサ側近距離無線通信部231及びユニット側近距離無線通信部331をBluetooth(登録商標)モジュールとすることで、環状生体センサ2が装着された手で携帯型制御ユニット3が把持されているか否かの判定と、データ通信とを(双方を)Bluetooth(登録商標)モジュールのみで担うこと(すなわち双方を兼ねること)ことができる。
【0039】
ユニット側通信部332は、NFCよりも広い通信範囲を有する無線通信方式(無線通信規格)が採用され、環状生体センサ2(センサ側通信部232)との間でデータ(制御データ(コマンド)及び測定データ等)を送受信する。上述したように、本実施形態では、無線通信規格として、Bluetooth(登録商標)を採用した。すなわち、ユニット側通信部332は、Bluetooth(登録商標)に基づいた送信機能及び受信機能を有している。より具体的には、ユニット側通信部332は、測定(開始)コマンドをセンサ側通信部232に送信する。一方、ユニット側通信部332は、環状生体センサ2から送信される装着状態情報を受信する。また、ユニット側通信部332は、環状生体センサ2から送信される血圧等の生体データを受信する。
【0040】
制御部34は、環状生体センサ2との間の無線通信状態に応じて、環状生体センサ2が装着された手で携帯型制御ユニット3が把持されているか否かを判定する(把持判定)とともに、画像から認識した画像中のユーザの顔の位置、及び、携帯型制御ユニット3の鉛直方向に対する傾きから、ユーザの測定姿勢が適切であるか否かを判定し(姿勢判定)、環状生体センサ2が装着された手で携帯型制御ユニット3が把持されているか否かの判定結果(把持判定結果)、及び、ユーザの測定姿勢が適切であるか否かの判定結果(姿勢判定結果)に基づいて、撮像部31、表示部32、ユニット側近距離無線通信部(NFCモジュール)331、ユニット側通信部332、及び、環状生体センサ2を制御し、血圧を含む生体データ(生体情報)を取得する。そのため、制御部34は、主として、演算を行うマイクロプロセッサ、該マイクロプロセッサに各処理を実行させるためのプログラム等を記憶するEEPROM、データを一時的に記憶するRAM、及び、外部インターフェース(I/F)等を有して構成されている。制御部34の各機能は、EEPROM等に記憶されているプログラムがマイクロプロセッサによって実行されることにより実現される。
【0041】
制御部34は、身長から、顔の大きさ、及び、顔と心臓との距離を統計的に推定する。次に、制御部34は、顔の大きさから顔と携帯型制御ユニット3との距離を求める。続いて、制御部34は、ユーザの体幹部が傾いていなければ、顔と心臓との距離を、顔と心臓の高さの差とみなす。そして、制御部34は、顔と心臓の高さの差と、顔と携帯型制御ユニット3との距離とに基づいて、携帯型制御ユニット3(環状生体センサ2)と心臓との高さの差を求める。
【0042】
より具体的には、制御部34は、顔と心臓の相対位置を身長から統計的に推定する。ただし、前かがみなど体幹部を大きく曲げた姿勢では相対位置がずれるため、ここでは、座位で体幹部が傾いていないことを前提とする。例えば「AIST 人体寸法データベース1991-1992」には、心臓の高さのデータはないため、本実施形態では、乳頭高のデータで代用した。顔と心臓の高さの差はB2 内眼角高-B6 乳頭高を代用とすることで統計的に求めることができる。制御部34は、画像内の顔の大きさ(全頭高)から、例えば、目(内眼角高)と乳首(乳頭高)の差(図7参照)を統計データから推定する。
【0043】
上述したように、表示部(ディスプレイ)32上の所定の位置に顔が表示されると、携帯型制御ユニット3の撮像部(カメラ)31から顔がある方向が決まる。標示部32上に所定の大きさで顔が表示されると、携帯型制御ユニット3と顔との距離(図7参照)が推定できる。ただし、顔の大きさは個人差があるので、ユーザの身体情報(例えば身長や体重等)から統計的に顔の大きさを推定することで、携帯型制御ユニット3と顔との距離の推定精度が向上する。ユーザの身体情報(身長等)は、事前にユーザに携帯型制御ユニット3に入力させてメモリやサーバーに保存しておいたものを読み出してもよいし、サーバーに保管されている健康診断などのデータを読み出してもよい。
【0044】
上述したように、顔の大きさが推定でき、顔が表示部32上の所定の位置と大きさになれば、顔に対しての携帯型制御ユニット3の相対位置が決まる。携帯型制御ユニット3の傾きは傾斜センサ(加速度センサ)35から求める。顔に対しての携帯型制御ユニット3の相対位置と、携帯型制御ユニット3の傾きとから、携帯型制御ユニット3の顔に対しての絶対位置が決まる(鉛直方向が決まるため)。携帯型制御ユニット3と環状生体センサ2の相対位置は、図4のような把持方法であれば、おおよそ携帯型制御ユニット3の背面側中央付近に環状生体センサ2がくる。鉛直方向は携帯型制御ユニット3の傾きで分かるため、携帯型制御ユニット3と環状生体センサ2との絶対位置が推定できる。
【0045】
そして、ユーザの体幹部が傾いていなければ、顔と心臓との距離を、顔と心臓の高さの差とみなすことができるため、制御部34は、顔と心臓の高さの差と、顔と携帯型制御ユニット3との絶対位置と、携帯型制御ユニット3と環状生体センサ2との絶対位置とに基づいて、環状生体センサ2と心臓との高さの差を求める。すなわち、制御部34は、顔と心臓の高さの差と、顔と携帯型制御ユニット3との距離と、携帯型制御ユニット3の傾きとに基づいて、携帯型制御ユニット3と心臓との高さの差を求め(図7参照)、さらに、携帯型制御ユニット3と環状生体センサ2との絶対位置に基づいて、環状生体センサ2と心臓との高さの差を求める。
【0046】
なお、ユーザの体幹部の傾きのうち、左右方向の傾きについては、画像内の顔の左右方向の傾きと携帯型制御ユニット3の左右方向の傾きとから推定できる。左右の傾きが所定の範囲を超えている場合は、表示部32などを介して、ユーザに通知する。ここで、図8(a)に、体幹部のみが右に傾いている画像例を示す。また、図8(b)に、体幹部と携帯型制御ユニット3とが右に同じように傾いている画像例を示す。
【0047】
携帯型制御ユニット3は、自機(携帯型制御ユニット3)の鉛直方向に対する傾きを検出する傾斜センサ(又は加速度センサ)35を有している。制御部34は、傾斜センサ35により検出された携帯型制御ユニット3の鉛直方向に対する傾きに基づいて、ユーザの体幹部の鉛直方向かつ左右方向に対する傾きが所定の範囲内であるか否かを判定する。
【0048】
また、ユーザの体幹部の前後方向の傾きについては、図9に示されるように、携帯型制御ユニット3がユーザの体幹部に密着されているときの携帯型制御ユニット3の鉛直方向に対する傾きを、傾斜センサ(加速度センサ)35により検出することにより把握することができる。
【0049】
このとき、携帯型制御ユニット3の制御部34は、取得(検出)された携帯型制御ユニット3の鉛直方向に対する傾きに基づいて、ユーザの体幹部の(鉛直方向かつ前後方向に対する)傾きが所定の範囲内であるか否かを判定する。そして、携帯型制御ユニット3の表示部32は、制御部34による当該判定結果を表示する。この場合、携帯型制御ユニット3を体幹部に密着させ、そのときの携帯型制御ユニット3の傾きを測定することで、体幹部の鉛直方向からの傾きを判定できるため、前かがみや反り返っていることをユーザに通知してユーザ自身に修正させることができる。
【0050】
なお、携帯型制御ユニット3の制御部34は、環状生体センサ2とユーザの心臓との高さの差が所定の範囲外である場合、及び、ユーザの体幹部の鉛直方向に対する傾きが所定の範囲外である場合に、ユーザの測定姿勢が適切ではないと判定する。体幹部の鉛直方向からの傾きは顔と心臓の高さの推定値がずれてしまう要因となる。その傾きが所定範囲外か否かの判定を行うことで測定血圧値が真の値からずれているか否かが分かる。
【0051】
測定時に前かがみになっていたり、そり返っていたり(後傾)すると、顔と心臓の高さの位置関係がずれ、実際の心臓の高さより心臓の高さを低く見積もってしまい、血圧値の精度が低下する。また、前かがみのような腹部を圧迫した姿勢では血圧が高くなることがある。しかしながら、このような前かがみやそり返りはユーザ自身では気づきにくい。体幹部の鉛直方向からの傾きを判定することにより、前かがみになっていることや、そり返っていることをユーザに通知してユーザ自身に修正させることができる。
【0052】
上述したように、血圧は安静時に心臓の高さで測定することが重要になるため、適切な姿勢で測定を行わないと正確な血圧値が測定できない。一方、心臓の高さで測定することはユーザの測定姿勢を限定(制限)してしまうため、連続データや定期的なデータが必要な場合には難しい場合がる。そのため、測定値の信頼度を算出することや、適切な測定姿勢の場合の血圧値と略同等になるように補正することが重要になる。適切な姿勢からずれる程血圧の値が不正確になってしまうため、適切な姿勢からのずれに応じて測定値の信頼度を算出することで、ユーザが血圧測定値が真値からずれているリスクを考慮して測定値を扱うことができる。
【0053】
そのため、制御部34は、ユーザの体幹部の傾きの判定結果(姿勢判定結果)に基づいて、(測定された)血圧を含む生体データの信頼度を演算(算出)する。血圧は安静時に心臓の高さで測定することが重要になるため、適切な姿勢で測定を行わないと正確な血圧値が測定できない。適切な姿勢からずれる程血圧の値が不正確になってしまうが、その信頼度を算出することで、血圧測定値が真値からずれているリスクを考慮して測定値を扱うことができる。
【0054】
また、測定した血圧値を適切な測定姿勢の場合の血圧値と略同等になるように補正することで、ユーザにとってさらに便利になる。顔と携帯型制御ユニット3の絶対位置が推定できれば環状生体センサ2と心臓との高さのずれが推定できるため、その高さのずれに相当する血圧値補正を行えばよい。また、制御部34は、ユーザの体幹部の傾きの判定結果(姿勢判定結果)に基づいて、血圧等の生体データを補正してもよい。例えば、前かがみでは血圧が高くなることがあるため、前かがみの場合、予め取得しておいた体幹部の傾きと血圧値のデータとから、推定値を低く補正してもよい。
【0055】
環状生体センサ2と心臓の高さの差が推定できれば血圧値補正は可能であるが、環状生体センサ2を心臓の(鉛直)高さにして測定する方が血圧推定精度は向上する。すなわち、毎回心臓の高さで測定する方が、心臓より低い位置で測定したり高い位置で測定したりするより血圧精度は安定する。ただし心臓の高さで測定することはユーザの測定姿勢を限定してしまうことになるため、連続データや定期的なデータが必要な場合には難しい場合がある(ユーザに苦痛を与えるおそれがある)。そのため測定した血圧値を適切な測定姿勢の場合の血圧値と略同等になるように補正することで、連続データや定期的なデータの取得が可能になる。
【0056】
次に、図10図11を参照しつつ、生体データ測定システム1の動作について説明する。図10は、生体データ測定システム1を構成する環状生体センサ2による血圧等測定処理の処理手順を示すフローチャートである。図11は、生体データ測定システム1を構成する携帯型制御ユニット3による血圧等測定処理の処理手順を示すフローチャートである。図10に示される処理は、主として環状生体センサ2により、所定のタイミングで繰り返して実行される。図11に示される処理は、主として携帯型制御ユニット3により、所定のタイミングで繰り返して実行される。
【0057】
まず、図10を参照しつつ、環状生体センサ2の動作(血圧等測定処理)について説明する。ステップS100では、Bluetooth(登録商標)で携帯型制御ユニット3と接続されているか否かについての判断が行われる。ここで、携帯型制御ユニット3と接続されていない場合には、本処理から一旦抜ける。一方、携帯型制御ユニット3と接続されているときには、ステップS102に処理が移行する。
【0058】
ステップS102では、光電脈波信号が取得される。そして、ステップS104では、ステップS102で取得された光電脈波信号に基づいて、環状生体センサ2が指に装着されているか否かについての判断が行われる。ここで、環状生体センサ2が指に装着されていない場合には、ステップS102に処理が移行し、環状生体センサ2が指に装着されるまで、上述したステップS102~S104の処理が繰り返して実行される。一方、環状生体センサ2が指に装着されているときには、ステップS106に処理が移行する。
【0059】
ステップS106では、環状生体センサ2が指に装着されていることを示す情報(装着状態情報)が、携帯型制御ユニット3に送信される。
【0060】
続くステップS108では、近距離無線通信(NFC)で携帯型制御ユニット3と通信可能か否かについての判断が行われる。ここで、近距離無線通信(NFC)で携帯型制御ユニット3と通信不能な場合には、本処理から一旦抜ける。一方、近距離無線通信(NFC)で携帯型制御ユニット3と通信可能なときには、ステップS110に処理が移行する。
【0061】
ステップS110では、加速度データ(体動データ)が取得される。そして、取得された加速度データ(体動データ)が、ステップ112において、携帯型制御ユニット3に送信される。
【0062】
続いて、ステップS114では、携帯型制御ユニット3から測定(開始)コマンドが受信されたか否かについての判断が行われる。ここで、測定(開始)コマンドが受信されていない場合には、ステップS110に処理が移行し、測定(開始)コマンドが受信されるまで、上述したステップS110~S114の処理が繰り返して実行される。一方、測定(開始)コマンドが受信されたときには、ステップS116に処理が移行する
【0063】
ステップS116では、光電脈波データ(血圧データ)、及び、加速度データ(体動データ)が取得される。そして、ステップS118では、ステップS116において取得された光電脈波データ(血圧データ)、及び、加速度データ(体動データ)が、携帯型制御ユニット3に送信される。その後、本処理から一旦抜ける。
【0064】
次に、図11を参照しつつ、携帯型制御ユニット3の動作(血圧等測定処理)について説明する。ステップS200では、Bluetooth(登録商標)で環状生体センサ2と接続されているか否かについての判断が行われる。ここで、環状生体センサ2と接続されていない場合には、ステップS202において、Bluetooth(登録商標)で環状生体センサ2との接続が確立(ペアリング)された後、ステップS204に処理が移行する。一方、環状生体センサ2と接続されているときには、ステップS204に処理が移行する。
【0065】
ステップS204では、環状生体センサ2から、環状生体センサ2が指に装着されていることを示す情報(装着状態情報)が受信されたか否かについての判断が行われる。ここで、装着状態情報が受信されていない場合には、ステップS206において、ユーザに対して、環状生体センサ2の装着を促す情報が表示(通知)された後、ステップS204に処理が移行し、再度、装着状態情報が受信されたか否かについての判断が行われる。一方、装着状態情報が受信されたときには、ステップS208に処理が移行する。
【0066】
ステップS208では、近距離無線通信(NFC)で環状生体センサ2と通信可能か否かについての判断が行われる。ここで、近距離無線通信(NFC)で環状生体センサ2と通信不能な場合には、近距離無線通信(NFC)で環状生体センサ2と通信可能となるまで本処理が繰り返して実行される。一方、近距離無線通信(NFC)で環状生体センサ2と通信可能なときには、ステップS210に処理が移行する。
【0067】
ステップS210では、撮像部(カメラ)31で撮像された画像が表示されるとともに、ユーザに対して、自身を撮影するように促す情報が表示(通知)される。
【0068】
次に、ステップS212では、ユーザに対して、画像中の顔の大きさ、及び、携帯型制御ユニット3の傾きを所定の範囲(適切な範囲)に入れるように促す情報が表示(通知)される。
【0069】
続いて、ステップS220では、環状生体センサ2から送信された加速度データ(体動データ)が受信(取得)される。そして、ステップS216では、測定姿勢が適切な範囲にあるか否か、及び、体動が適切な範囲にあるか否かについての判断が行われる。ここで、測定姿勢及び体動それぞれが適切な範囲に入っていない場合には、ステップS218において、ユーザに対して、測定姿勢及び体動を適切な範囲に入れるように促す情報が表示(通知)された後、ステップS224に処理が移行する。一方、測定姿勢及び体動それぞれが適切な範囲に入っているときには、ステップS220に処理が移行する。なお、測定姿勢が適切な範囲にあるか否かの認識(判定)方法については、上述したとおりであるので、ここでは詳細な説明を詳細する。
【0070】
ステップS220では、環状生体センサ2に対して、測定の開始を指示する測定(開始)コマンドが送信される。そして、ステップS222において、環状生体センサ2から送信された光電脈波データ(血圧データ)、及び、加速度データ(体動データ)が受信(取得)される。ここで、光電脈波データから、血圧、血糖値、脈拍、酸素飽和度、呼吸が取得される。加速度データから、活動量、環状生体センサ2の傾きが取得される。また、温度センサを備えている場合には、その温度データから体表温が取得される。その後、ステップS224に処理が移行する。
【0071】
ステップS224では、Bluetooth(登録商標)による環状生体センサ2との接続を解除するか否かについての判断が行われる。ここで、接続を解除する場合には、Bluetooth(登録商標)による環状生体センサ2との接続が解除された後、本処理から一旦抜ける。一方、接続を解除しないときには、ステップS210に処理が移行し、上述したステップS210~S224の処理が繰り返して実行される。
【0072】
以上、詳細に説明したように、本実施形態によれば、環状に形成されセンサ部22が設けられた環状生体センサ2が手の指又は手首に装着されるため、測定部位との接触圧(押圧)が安定し、精度よく血圧を含む生体データを測定することができる。また、環状生体センサ2との間の近距離無線の通信状態(通信可能か否か)に応じて、環状生体センサ2が装着された手で携帯型制御ユニット3が把持されているか否かが判定(把持判定)されるとともに、画像から認識された画像中のユーザの顔の位置、及び、携帯型制御ユニット3の鉛直方向に対する傾きから、ユーザの測定姿勢が適切であるか否かが判定(姿勢判定)される。そのため、画像内のユーザの顔の位置と、携帯型制御ユニット3の傾きとから、携帯型制御ユニット3と顔との相対位置が推定でき、心臓からの携帯型制御ユニット3(該携帯型制御ユニット3を把持した手に装着された環状生体センサ2)の高さを推定できる。
【0073】
そして、環状生体センサ2が装着された手で携帯型制御ユニット3が把持されているか否かの判定結果(把持判定結果)、及び、ユーザの測定姿勢が適切であるか否かの判定結果(姿勢判定結果)に基づいて、環状生体センサ2が制御される(血圧を含む生体データが測定される)ため、より精度よく血圧を含む生体データを測定することができる。さらに、カフを用いないため、携帯性に優れ、かつ、非侵襲で血圧を含む生体データを測定することができる。その結果、本実施形態によれば、携帯性に優れ、かつ、測定値が測定部位の高さと心臓の高さとの差により影響を受ける(すなわち静水圧の影響を受ける)血圧を含む生体データを、より精度よく非侵襲で測定することが可能となる。
【0074】
その際に、本実施形態によれば、画像中のユーザの顔が自動認識され、その顔の表示位置、表示サイズに基づいて、画像中のユーザの心臓の位置が推定される。このように、顔のサイズ(大きさ)から顔と心臓との距離が推定できるため、環状生体センサ2が心臓の高さにあるか否かの判定精度を向上することが可能となる。
【0075】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、測定した血圧等のデータ(測定データ)を携帯型制御ユニット3に逐次送信する構成としたが、測定データを
環状生体センサ2のEEPROM又はRAMに記憶しておき、後で(測定後に)読み出す構成としてもよい。
【0076】
上記実施形態では、環状生体センサ2(センサ部22)として光電脈波センサを用いたが、環状生体センサ2(センサ部22)は、光電脈波センサには限られない。
【0077】
上記実施形態では、環状生体センサ2が装着された手で携帯型制御ユニット3が把持されているか否かを判定するための近距離無線通信にNFCを採用したが、NFC以外の近距離無線通信方式を採用してもよい。また、環状生体センサ2と携帯型制御ユニット3との間でデータ(制御データ(コマンド)及び測定データ等)を送受信する無線通信規格としてBluetooth(登録商標)を採用したが、Bluetooth(登録商標)に代えて、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)などを採用してもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 生体データ測定システム
2 環状生体センサ
21 本体部
22 センサ部(光電脈波センサ)
221 発光素子(発光部)
222 受光素子(受光部)
231 センサ側近距離無線通信部(NFCモジュール)
232 センサ側通信部(BTモジュール)
24 判定部
25 加速度センサ
3 携帯型制御ユニット
31 撮像部
32 表示部
331 ユニット側近距離無線通信部(NFCモジュール)
332 ユニット側通信部(BTモジュール)
34 制御部
35 傾斜センサ(加速度センサ)
図1
図2
図3
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