(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-25
(45)【発行日】2025-03-05
(54)【発明の名称】エレベーターシステム
(51)【国際特許分類】
B66B 3/00 20060101AFI20250226BHJP
B66B 3/02 20060101ALI20250226BHJP
【FI】
B66B3/00 L
B66B3/00 M
B66B3/02 P
(21)【出願番号】P 2024563958
(86)(22)【出願日】2023-04-20
(86)【国際出願番号】 JP2023015808
【審査請求日】2024-10-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河野 成華
(72)【発明者】
【氏名】井上 淳
(72)【発明者】
【氏名】澤田 貴光
(72)【発明者】
【氏名】真坂 早紀
(72)【発明者】
【氏名】井澤 哲美
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 啓太
(72)【発明者】
【氏名】本間 直子
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/188639(WO,A1)
【文献】国際公開第2022/269769(WO,A1)
【文献】特開2019-059620(JP,A)
【文献】特表2015-506883(JP,A)
【文献】特開2019-137542(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 3/00- 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が所持する携帯装置に設けられ、出発階と行先階とを含むかごの呼び要求を送信する呼び送信部と、
前記かごの運行を制御し、前記呼び要求に基づいて前記かごを前記出発階に配車する制御盤と、
前記携帯装置に設けられたセンサの検出結果に基づいて、前記携帯装置が存在する高度を示す第1高度指標値を取得する第1指標取得部と、
前記第1高度指標値と前記かごの移動に関する情報とに基づいて、前記出発階において前記利用者が前記かごに乗車したと判定する第1判定部と、
前記かごに設けられ、電波を発信する発信機と、
前記携帯装置が受信した前記電波の強度に基づいて、前記携帯装置から前記かごまでの距離を演算する距離演算部と、
前記携帯装置から前記かごまでの距離が規定の接近判定距離より近い場合、前記携帯装置と前記かごとが接近したことを検出する接近検出部と、
回数計数部と、
を備え
、
前記第1判定部は、前記第1高度指標値の変化量と前記接近検出部の検出結果とに基づいて前記利用者が前記かごに乗車したと判定し、
前記回数計数部は、前記携帯装置と前記かごとが接近したことが検出され、かつ前記利用者が前記かごに乗車したと判定されなかった場合に、前記利用者が前記かごを見送った回数を1回増加させる、エレベーターシステム。
【請求項2】
前記第1判定部は、前記携帯装置と前記かごとが接近したことが検出された後に前記第1高度指標値の変化量の絶対値が第1高度閾値を超えた場合、前記利用者が前記かごに乗車したと判定する請求項
1に記載のエレベーターシステム。
【請求項3】
利用者が所持する携帯装置に設けられ、出発階と行先階とを含むかごの呼び要求を送信する呼び送信部と、
前記かごの運行を制御し、前記呼び要求に基づいて前記かごを前記出発階に配車する制御盤と、
前記携帯装置に設けられたセンサの検出結果に基づいて、前記携帯装置が存在する高度を示す第1高度指標値を取得する第1指標取得部と、
前記第1高度指標値と前記かごの移動に関する情報とに基づいて、前記出発階において前記利用者が前記かごに乗車したと判定する第1判定部と、
前記かごに設けられ、電波を発信する発信機と、
前記携帯装置が受信した前記電波の強度に基づいて、前記携帯装置から前記かごまでの距離を演算する距離演算部と、
前記携帯装置から前記かごまでの距離が規定の接近判定距離より近い場合、前記携帯装置と前記かごとが接近したことを検出する接近検出部と、
第2判定部と、
を備え、
前記第1判定部は、前記第1高度指標値の変化量と前記接近検出部の検出結果とに基づいて前記利用者が前記かごに乗車したと判定し、
前記第2判定部は、前記携帯装置と前記かごとが接近したことが検出され、かつ前記利用者が前記かごに乗車したと判定されなかった後、前記かごが前記携帯装置に接近したことが検出されない離隔継続時間が第1継続時間を超えた場合に、前記利用者が前記かごを待つことをやめたと判定す
る、エレベーターシステム。
【請求項4】
利用者が所持する携帯装置に設けられ、出発階と行先階とを含むかごの呼び要求を送信する呼び送信部と、
前記かごの運行を制御し、前記呼び要求に基づいて前記かごを前記出発階に配車する制御盤と、
前記携帯装置に設けられたセンサの検出結果に基づいて、前記携帯装置が存在する高度を示す第1高度指標値を取得する第1指標取得部と、
前記第1高度指標値と前記かごの移動に関する情報とに基づいて、前記出発階において前記利用者が前記かごに乗車したと判定する第1判定部と、
回数計数部と、
を備え、
前記第1判定部は、前記出発階から発車する前記かごの移動方向と前記第1高度指標値の変化量とに基づいて前記利用者が前記かごに乗車したと判定し、前記出発階に到着した前記かごが前記行先階への方向に出発した後に、前記第1高度指標値の変化量の絶対値が第1高度閾値を超えた場合、前記利用者が前記かごに乗車したと判定し、
前記回数計数部は、前記出発階に到着した前記かごが前記行先階への方向に出発してから規定の乗車時間が経過するまでに前記第1高度指標値の変化量の絶対値が前記第1高度閾値を超えない場合、前記利用者が前記かごを見送った回数を1回増加させ
る、エレベーターシステム。
【請求項5】
利用者が所持する携帯装置に設けられ、出発階と行先階とを含むかごの呼び要求を送信する呼び送信部と、
前記かごの運行を制御し、前記呼び要求に基づいて前記かごを前記出発階に配車する制御盤と、
前記携帯装置に設けられたセンサの検出結果に基づいて、前記携帯装置が存在する高度を示す第1高度指標値を取得する第1指標取得部と、
前記第1高度指標値と前記かごの移動に関する情報とに基づいて、前記出発階において前記利用者が前記かごに乗車したと判定する第1判定部と、
第2判定部と、
を備え、
前記第1判定部は、前記出発階から発車する前記かごの移動方向と前記第1高度指標値の変化量とに基づいて前記利用者が前記かごに乗車したと判定し、前記出発階に到着した前記かごが前記行先階への方向に出発した後に、前記第1高度指標値の変化量の絶対値が第1高度閾値を超えた場合、前記利用者が前記かごに乗車したと判定し、
前記第2判定部は、前記出発階に到着した前記かごが前記行先階への方向に出発してから規定の乗車時間が経過するまでに前記第1高度指標値の変化量の絶対値が前記第1高度閾値を超えず、かつ前記かごが出発してから第2継続時間が経過するまでに前記呼び送信部から直前の前記呼び要求の前記出発階が含まれる再呼び要求が送信されなかった場合、前記利用者が前記かごを待つことをやめたと判定す
る、エレベーターシステム。
【請求項6】
利用者が所持する携帯装置に設けられ、出発階と行先階とを含むかごの呼び要求を送信する呼び送信部と、
前記かごの運行を制御し、前記呼び要求に基づいて前記かごを前記出発階に配車する制御盤と、
前記携帯装置に設けられたセンサの検出結果に基づいて、前記携帯装置が存在する高度を示す第1高度指標値を取得する第1指標取得部と、
前記第1高度指標値と前記かごの移動に関する情報とに基づいて、前記出発階において前記利用者が前記かごに乗車したと判定する第1判定部と、
前記かごが存在する高度を示す第2高度指標値を取得する第2指標取得部
と、
を備え、
前記第1判定部は、前記第2高度指標値に基づいて前記かごが前記出発階に停車したと判定した後、前記第1高度指標値と前記第2高度指標値とに基づいて前記利用者が前記かごに乗車したと判定す
る、エレベーターシステム。
【請求項7】
前記第1判定部は、前記かごが前記出発階に停車したと判定してから規定の乗車時間が経過するまでに、前記第2高度指標値の変化量の絶対値が第2高度閾値を超え、かつ前記第1高度指標値の変化量の絶対値が第1高度閾値を超えた場合、前記利用者が前記かごに乗車したと判定する請求項
6に記載のエレベーターシステム。
【請求項8】
前記第1判定部は、前記かごが前記出発階に停車したと判定してから規定の乗車時間が経過するまでに、前記第1高度指標値と前記第2高度指標値との差が第3高度閾値を超えない場合、前記利用者が前記かごに乗車したと判定する請求項
6に記載のエレベーターシステム。
【請求項9】
前記かごが前記出発階に停車したと判定された後、前記利用者が前記かごに乗車したと判定されなかった場合、前記利用者が前記かごを見送った回数を1回増加させる回数計数部、
を更に備えた請求項
6に記載のエレベーターシステム。
【請求項10】
前記利用者が前記かごに乗車したと判定されず、かつ前記かごが前記出発階に停車したと判定されてから第3継続時間が経過するまでに前記呼び送信部から直前の前記呼び要求の前記出発階が含まれる再呼び要求が送信されなかった場合、前記利用者が前記かごを待つことをやめたと判定する第2判定部、
を更に備えた請求項
6に記載のエレベーターシステム。
【請求項11】
前記呼び送信部から前記呼び要求が送信されてから、前記利用者が乗車したと判定されるまで、または前記利用者が前記かごを待つことをやめたと判定されるまでの時間を待ち時間として計測する時間計測部、
を更に備えた請求項
3、請求項
5および請求項
10のいずれか一項に記載のエレベーターシステム。
【請求項12】
前記時間計測部によって計測された前記待ち時間に基づいて、前記利用者の満足度を演算する評価部、
を更に備えた請求項
11に記載のエレベーターシステム。
【請求項13】
前記評価部は、移動の困難性に関する前記利用者の属性に対応付けて前記満足度を演算する請求項12に記載のエレベーターシステム。
【請求項14】
前記回数計数部によって計測された、前記利用者が前記かごを見送った回数に基づいて、前記利用者の満足度を演算する評価部、
を更に備えた請求項
1、請求項
4、および請求項
9のいずれか一項に記載のエレベーターシステム。
【請求項15】
前記評価部は、移動の困難性に関する前記利用者の属性に対応付けて前記満足度を演算する請求項
14に記載のエレベーターシステム。
【請求項16】
前記第1高度指標値は、前記携帯装置の気圧センサが検出した気圧の値である請求項1から請求項
6のいずれか一項に記載のエレベーターシステム。
【請求項17】
前記第1指標取得部は、前記携帯装置の加速度センサが検出した上下方向の加速度の値を取得し、取得した加速度の値から前記携帯装置の高度を演算して前記第1高度指標値とする請求項1から請求項
6のいずれか一項に記載のエレベーターシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレベーターシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、エレベーターシステムを開示する。当該エレベーターシステムにおいて、カメラ等のセンサが乗場に設置される。センサは、かごに乗車するために形成される順番待ちの行列に並んだ人を検出する。エレベーターシステムは、当該行列の動態を監視することで、人がかごに乗車したことを検出し、人が列に並んでから乗車するまでの待ち時間を検出し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のエレベーターシステムでは、人の乗車を検出する際に、乗場に行列が形成されることが前提となる。このため、行列が形成されないと人の乗車を検出できない場合がある。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされた。本開示の目的は、人がかごに乗車したことを容易に検出することができるエレベーターシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るエレベーターシステムは、利用者が所持する携帯装置に設けられ、出発階と行先階とを含むかごの呼び要求を送信する呼び送信部と、かごの運行を制御し、呼び要求に基づいてかごを出発階に配車する制御盤と、携帯装置に設けられたセンサの検出結果に基づいて、携帯装置が存在する高度を示す第1高度指標値を取得する第1指標取得部と、第1高度指標値とかごの移動に関する情報とに基づいて、出発階において利用者がかごに乗車したと判定する第1判定部と、かごに設けられ、電波を発信する発信機と、携帯装置が受信した電波の強度に基づいて、携帯装置からかごまでの距離を演算する距離演算部と、携帯装置からかごまでの距離が規定の接近判定距離より近い場合、携帯装置とかごとが接近したことを検出する接近検出部と、回数計数部と、を備え、第1判定部は、第1高度指標値の変化量と接近検出部の検出結果とに基づいて利用者がかごに乗車したと判定し、回数計数部は、携帯装置とかごとが接近したことが検出され、かつ利用者がかごに乗車したと判定されなかった場合に、利用者がかごを見送った回数を1回増加させる。
また、本開示に係るエレベーターシステムは、利用者が所持する携帯装置に設けられ、出発階と行先階とを含むかごの呼び要求を送信する呼び送信部と、かごの運行を制御し、呼び要求に基づいてかごを出発階に配車する制御盤と、携帯装置に設けられたセンサの検出結果に基づいて、携帯装置が存在する高度を示す第1高度指標値を取得する第1指標取得部と、第1高度指標値とかごの移動に関する情報とに基づいて、出発階において利用者がかごに乗車したと判定する第1判定部と、かごに設けられ、電波を発信する発信機と、携帯装置が受信した電波の強度に基づいて、携帯装置からかごまでの距離を演算する距離演算部と、携帯装置からかごまでの距離が規定の接近判定距離より近い場合、携帯装置とかごとが接近したことを検出する接近検出部と、第2判定部と、を備え、第1判定部は、第1高度指標値の変化量と接近検出部の検出結果とに基づいて利用者がかごに乗車したと判定し、第2判定部は、携帯装置とかごとが接近したことが検出され、かつ利用者がかごに乗車したと判定されなかった後、かごが携帯装置に接近したことが検出されない離隔継続時間が第1継続時間を超えた場合に、利用者がかごを待つことをやめたと判定する。
また、本開示に係るエレベーターシステムは、利用者が所持する携帯装置に設けられ、出発階と行先階とを含むかごの呼び要求を送信する呼び送信部と、かごの運行を制御し、呼び要求に基づいてかごを出発階に配車する制御盤と、携帯装置に設けられたセンサの検出結果に基づいて、携帯装置が存在する高度を示す第1高度指標値を取得する第1指標取得部と、第1高度指標値とかごの移動に関する情報とに基づいて、出発階において利用者がかごに乗車したと判定する第1判定部と、回数計数部と、を備え、第1判定部は、出発階から発車するかごの移動方向と第1高度指標値の変化量とに基づいて利用者がかごに乗車したと判定し、出発階に到着したかごが行先階への方向に出発した後に、第1高度指標値の変化量の絶対値が第1高度閾値を超えた場合、利用者がかごに乗車したと判定し、回数計数部は、出発階に到着したかごが行先階への方向に出発してから規定の乗車時間が経過するまでに第1高度指標値の変化量の絶対値が第1高度閾値を超えない場合、利用者がかごを見送った回数を1回増加させる。
また、本開示に係るエレベーターシステムは、利用者が所持する携帯装置に設けられ、出発階と行先階とを含むかごの呼び要求を送信する呼び送信部と、かごの運行を制御し、呼び要求に基づいてかごを出発階に配車する制御盤と、携帯装置に設けられたセンサの検出結果に基づいて、携帯装置が存在する高度を示す第1高度指標値を取得する第1指標取得部と、第1高度指標値とかごの移動に関する情報とに基づいて、出発階において利用者がかごに乗車したと判定する第1判定部と、第2判定部と、を備え、第1判定部は、出発階から発車するかごの移動方向と第1高度指標値の変化量とに基づいて利用者がかごに乗車したと判定し、出発階に到着したかごが行先階への方向に出発した後に、第1高度指標値の変化量の絶対値が第1高度閾値を超えた場合、利用者がかごに乗車したと判定し、第2判定部は、出発階に到着したかごが行先階への方向に出発してから規定の乗車時間が経過するまでに第1高度指標値の変化量の絶対値が第1高度閾値を超えず、かつかごが出発してから第2継続時間が経過するまでに呼び送信部から直前の呼び要求の出発階が含まれる再呼び要求が送信されなかった場合、利用者がかごを待つことをやめたと判定する。
また、本開示に係るエレベーターシステムは、利用者が所持する携帯装置に設けられ、出発階と行先階とを含むかごの呼び要求を送信する呼び送信部と、かごの運行を制御し、呼び要求に基づいてかごを出発階に配車する制御盤と、携帯装置に設けられたセンサの検出結果に基づいて、携帯装置が存在する高度を示す第1高度指標値を取得する第1指標取得部と、第1高度指標値とかごの移動に関する情報とに基づいて、出発階において利用者がかごに乗車したと判定する第1判定部と、かごが存在する高度を示す第2高度指標値を取得する第2指標取得部と、を備え、第1判定部は、第2高度指標値に基づいてかごが出発階に停車したと判定した後、第1高度指標値と第2高度指標値とに基づいて利用者がかごに乗車したと判定する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、かごの移動に関する情報と利用者の第1高度指標値とに基づいて、利用者がかごに乗車したと判定される。このため、人がかごに乗車したことを容易に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1におけるエレベーターシステムの概要を示す図である。
【
図2】実施の形態1におけるエレベーターシステムの機能ブロック図である。
【
図3】実施の形態1におけるエレベーターシステムの動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【
図4】実施の形態1におけるエレベーターシステムの動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【
図5】実施の形態1におけるエレベーターシステムの動作の例の概要図である。
【
図6】実施の形態1におけるエレベーターシステムの動作の例の概要図である。
【
図7】実施の形態1におけるエレベーターシステムの動作の例の概要図である。
【
図8】実施の形態1におけるエレベーターシステムの動作の例の概要図である。
【
図9】実施の形態2におけるエレベーターシステムの機能ブロック図である。
【
図10】実施の形態2におけるエレベーターシステムの動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【
図11】実施の形態2におけるエレベーターシステムの動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【
図12】実施の形態2におけるエレベーターシステムの動作の例の概要図である。
【
図13】実施の形態2におけるエレベーターシステムの動作の例の概要図である。
【
図14】実施の形態2におけるエレベーターシステムの動作の例の概要図である。
【
図15】実施の形態3におけるエレベーターシステムの機能ブロック図である。
【
図16】実施の形態3におけるエレベーターシステムの動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【
図17】実施の形態3におけるエレベーターシステムの動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【
図18】実施の形態3におけるエレベーターシステムの動作の例の概要図である。
【
図19】実施の形態3におけるエレベーターシステムの動作の例の概要図である。
【
図20】実施の形態3におけるエレベーターシステムの動作の例の概要図である。
【
図21】実施の形態1から3におけるエレベーターシステムのサーバ装置のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0010】
実施の形態1.
図1は実施の形態1におけるエレベーターシステムの概要を示す図である。
【0011】
図1に示されるエレベーターシステムは、例えば、エレベーター装置1と乗場発信機2aとかご発信機2bと携帯装置3とサーバ装置4とを備える。
【0012】
エレベーター装置1は、ネットワーク5aを介してサーバ装置4に通信可能に接続される。エレベーター装置1は、サーバ装置4に接続されるエレベーター装置の一例である。サーバ装置4には、多数のエレベーター装置が接続される。
【0013】
エレベーター装置1は、かご11と釣合おもり12とを備える。かご11は、昇降路13を上下に昇降する。かご11および釣合おもり12は、主ロープ14によって昇降路13に吊り下げられる。主ロープ14は、巻上機15の駆動綱車16に巻き掛けられる。巻上機15は、制御盤17によって制御される。即ち、制御盤17は、かご11の運行を制御する。制御盤17は、エレベーター装置1として、ネットワーク5a、およびサーバ装置4に通信可能に接続される。
【0014】
乗場発信機2aは、かご11が停車する乗場20に設けられる。乗場発信機2aは、かご11が停車する全ての乗場20に設けられてもよいし、かご11が停車する一部の乗場20に設けられてもよい。乗場発信機2aは、エレベーター装置1を識別する情報および乗場20の階を識別する信号を含む電波を発信する。乗場発信機2aから発信される電波は、UWB(Ultra Wide Band)、RF(Radio Frequency)、Bluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)、等の任意の規格の電波であってよい。
【0015】
かご発信機2bは、かご11に設けられる。かご発信機2bは、かご11に設けられていることを示す電波を発信する。かご発信機2bから発信される電波は、乗場発信機2aから発信される電波と同様に、任意の規格の電波であってよい。
【0016】
携帯装置3は、利用者が所持する装置である。例えば、携帯装置3は、スマートフォンである。本エレベーターシステムにおいて、利用者は、携帯装置3を利用して呼びを登録することができる。携帯装置3には、呼びを登録するための特定のアプリケーションが予めインストールされている。以降で説明される携帯装置3の機能のうち少なくとも一部は、当該アプリケーションが実行されることによって実現される。なお、特定のアプリケーションが実行されることが可能であれば、携帯装置3は、スマートウォッチ等のウェアラブルデバイスであってもよい。更に、以降で説明される携帯装置3の機能は、スマートフォンとウェアラブルデバイスとによって実現されてもよい。即ち、携帯装置3の機能の一部はスマートフォンによって実現され、携帯装置3の機能の他部はウェアラブルデバイスによって実現されてもよい。
【0017】
携帯装置3は、ネットワーク5bを介して、サーバ装置4と通信可能である。ネットワーク5bとネットワーク5aとは、別のネットワークである。なお、ネットワーク5bとネットワーク5aとは、同一のネットワークであってもよい。
【0018】
携帯装置3は、利用者から行先階の入力を受け付ける。この際、携帯装置3は、出発階の入力を受け付けてもよい。携帯装置3は、乗場発信機2aから受信した電波に含まれる情報と、出発階と、行先階と、を含む呼びである呼び要求をサーバ装置4に送信する。呼び要求には、利用者の属性が含まれてもよい。
【0019】
利用者の属性には、移動の困難性に関する属性として、車椅子、ベビーカー、押し車等の車を利用するか否かという属性が設定され得る。なお、利用者の属性には、車椅子等の移動に困難性を抱える障がいを有する人、視覚に関する障がいを有する人、移動に困難性を抱えない人、等の属性が含まれてもよい。利用者の属性は、携帯装置3に予め設定されていてもよいし、利用者によって任意のタイミングで設定されてもよい。
【0020】
サーバ装置4は、呼び要求を受信した場合、呼び要求に含まれるかご11を特定し、出発階と行先階とを含む呼びを制御盤17に送信する。制御盤17において、サーバ装置4から受信した呼びをかご11に登録する。即ち、サーバ装置4は、呼び要求に基づいてかご11を運行する。
【0021】
かご11には既に多くの人が乗車している場合、呼び要求を送信する動作を行った利用者は、出発階においてかご11に乗車せずに見送ることがある。特に、利用者は、車椅子、ベビーカー等の乗り物を有している場合、満員ではないもののかご11の内部で空いているスペースが十分でないために、かご11を見送ることが多い。利用者は、停車したかご11を見送った後、再度、同じ出発階と行先階とを含む再呼び要求を携帯装置3から送信する。エレベーターシステムでは、かご11が到着したにも関わらず利用者がかご11に乗車せずに見送った見送り回数および見送りによって発生した待ち時間が計測される。エレベーターシステムでは、見送り回数および待ち時間に基づいて、利用者の満足度が演算される。
【0022】
次に、
図2を用いて、エレベーターシステムをより詳細に説明する。
図2は実施の形態1におけるエレベーターシステムの機能ブロック図である。
【0023】
図2に示されるように、携帯装置3は、検出部30と呼び送信部31と第1指標検出部32と第1指標取得部33と距離演算部34と接近検出部35とを機能として備える。例えば、呼び送信部31と第1指標取得部33と距離演算部34とは、携帯装置3にインストールされた特定のアプリケーションによって実現される。
【0024】
例えば、検出部30は、電波を検出するアンテナである。検出部30は、乗場発信機2aからの電波およびかご発信機2bからの電波を検出する。
【0025】
呼び送信部31は、利用者から行先階の入力を受け付ける。例えば、呼び送信部31は、携帯装置3の画面に、行先階の入力を受け付けるインターフェースを表示して、情報の入力を受け付ける。呼び送信部31は、呼び要求を作成し、ネットワーク5bを介してサーバ装置4に送信する。この際、呼び送信部31は、乗場発信機2aからの電波に示される階を呼び要求に含ませる出発階としてもよいし、呼び要求に含ませる出発階の入力を利用者から受け付けてもよい。
【0026】
第1指標検出部32は、携帯装置3の高度を演算するための物理量を検出するセンサである。例えば、第1指標検出部32は、気圧を検出する気圧センサである。例えば、第1指標検出部32は、上下方向の加速度を検出する加速度センサであってもよい。なお、第1指標検出部32は、気圧センサと加速度センサとの両方であってもよい。
【0027】
第1指標取得部33は、第1指標検出部32の検出結果の情報を取得する。第1指標取得部33は、第1指標検出部32の検出結果に基づいて、携帯装置3の高度を示す指標値である第1高度指標値を取得する。第1指標検出部32が気圧を検出するセンサである場合、第1高度指標値は、検出された気圧の値であってもよい。
【0028】
なお、第1指標検出部32が気圧を検出するセンサである場合、第1指標取得部33は、検出された気圧の値から携帯装置3の高度を演算し、演算した高度を第1高度指標値とみなしてもよい。また、第1指標検出部32が上下方向の加速度を検出するセンサである場合、第1指標取得部33は、検出された加速度の値から携帯装置3の高度を演算し、演算した高度を第1高度指標値とみなしてもよい。また、第1指標検出部32が気圧を検出するセンサと上下方向の加速度を検出するセンサとの両方である場合、第1指標取得部33は、どちらかのセンサを優先した上で第1高度指標値を演算してもよいし、両方のセンサの検出結果に基づいた第1高度指標値を演算してもよい。
【0029】
距離演算部34は、検出部30に検出されたかご発信機2bからの電波の強度に基づいて、携帯装置3とかご11との距離を演算する。
【0030】
接近検出部35は、距離演算部34から携帯装置3とかご11との距離を取得する。接近検出部35は、携帯装置3とかご11との距離との関係から、かご11が携帯装置3に接近したか否かを判定する。また、接近検出部35は、かご11と携帯装置3とが接近していない状態、即ち離隔した状態が継続している離隔継続時間を計測する。
【0031】
サーバ装置4は、運行情報取得部40と呼び処理部41と第1判定部42と第2判定部43と回数計数部44と時間計測部45と蓄積部46と評価部47とを機能として備える。
【0032】
運行情報取得部40は、制御盤17から規定の周期でかご11についての運行情報を取得する。運行情報には、かご11に登録されている呼び、かご11の現在位置、かご11の進行方向、等の情報が含まれる。
【0033】
呼び処理部41は、携帯装置3から呼び要求を受信した場合、呼び要求に基づく呼びを作成し、対応するエレベーター装置1の制御盤17に送信する。
【0034】
第1判定部42は、呼び要求を受信した場合、当該呼び要求を送信した携帯装置3から規定の周期で各種の情報を取得する。第1判定部42は、取得した第1高度指標値の情報と、かご11の移動に関する情報とに基づいて、利用者が呼び要求を行ったかご11に乗車したか否かを判定する。本実施の形態において、第1判定部42は、かご11の移動に関する情報として、接近検出部35の検出結果に関する情報、即ちかご11が携帯装置3に接近したか否かの情報を利用する。
【0035】
第2判定部43は、第1判定部42で利用者がかご11に乗車しなかったと判定された後、携帯装置3からの情報、運行情報、等に基づいて、利用者がかご11を待つことをやめたか否かを判定する。第2判定部43は、利用者がかご11を待つことをやめていない、即ち利用者がかご11を待つことを継続していることを判定する。
【0036】
回数計数部44は、第1判定部42または第2判定部43の判定結果に基づいて、利用者がかご11に乗車せずに見送った見送り回数を計数する。具体的には、第1判定部42によって利用者がかご11に乗車しなかったと判定された場合、回数計数部44は、見送り回数を1回増加させる。利用者がかご11に乗車したと判定された場合、または利用者がかご11を待つことをやめたと第2判定部43によって判定された場合、回数計数部44は、見送り回数を0回にリセットする。なお、回数計数部44は、第1判定部42または第2判定部43の判定結果に依らず、第1判定部42または第2判定部43の判定動作と同様の判定を行うことで、見送り回数を計数してもよい。
【0037】
時間計測部45は、第1判定部42または第2判定部43の判定結果に基づいて、利用者がかご11への乗車を待つ待ち時間を計測する。時間計測部45は、利用者から最初の呼び要求を受信したときに、待ち時間の計測を開始する。時間計測部45は、利用者がかご11に乗車したと第1判定部42に判定された場合、または利用者がかご11を待つことをやめたと第2判定部43に判定された場合、待ち時間の計測を終了する。なお、時間計測部45は、第1判定部42または第2判定部43の判定結果に依らず、第1判定部42または第2判定部43の判定動作と同様の判定を行うことで、待ち時間の計測を行ってもよい。
【0038】
蓄積部46は、情報を記憶する。蓄積部46には、利用者から呼び要求を受信してから、利用者が乗車するまで、または利用者がかご11を待つことをやめるまでに取得された、各種の情報が蓄積される。蓄積部46に蓄積される情報には、見送り回数の最終的な値および利用者の最終的な待ち時間が含まれる。更に、蓄積部46に蓄積される情報には、利用者の属性、第1指標取得部33によって取得された第1高度指標値の時間チャート、距離演算部34によって演算された距離の時間チャート、運行情報、満足度、等の情報が含まれてもよい。
【0039】
評価部47は、見送り回数および待ち時間の少なくとも一方に基づいて、利用者の満足度を演算する。満足度は、利用者が利用に満足していることの指標値として、利用者から呼び要求を受信してから、利用者が乗車するまで、または利用者が次のかご11を待つことをやめるまでの利用者の体験から評価される。満足度は、様々な計算方法によって評価され得る。
【0040】
満足度の第1例として、評価部47は、見送り回数の逆数に比例する数を満足度として演算する。具体的には、比例定数が1、見送り回数が2回である場合、満足度は以下の式(1)のように計算される。
満足度=1/2=0.5 (1)
【0041】
満足度の第2例として、評価部47は、待ち時間の逆数に比例する数を満足度として演算する。具体的には、比例定数が1、待ち時間が300秒である場合、満足度は以下の式(2)のように計算される。なお、有効数字は適宜決定される。
満足度=1/300=0.003 (2)
【0042】
満足度の第3例として、評価部47は、規定の定数に対する見送り回数の差を満足度として演算する。具体的には、定数が0、見送り回数が2回である場合、満足度は以下の式(3)のように計算される。
満足度=0-2=-2 (3)
【0043】
満足度の第4例として、評価部47は、規定の定数に対する待ち時間の差を満足度として演算する。具体的には、定数が0、待ち時間が300秒である場合、満足度は以下の式(4)のように計算される。
満足度=0-300=-300 (4)
【0044】
満足度の第5例として、評価部47は、見送り回数と待ち時間とを入力値とする評価関数の出力値を満足度として演算する。一例として、評価関数は、見送り回数と待ち時間との線形結合の形式であってもよい。この場合、評価関数は、定数α、β、γについて、以下の式(5)を満たす。
満足度=待ち時間×α+見送り回数×β+γ (5)
見送り回数が2回、待ち時間が300秒、定数α、β、γがそれぞれ-0.01、-1、10である場合、満足度は以下の式(6)のように計算される。
満足度=300×(-0.01)+2×(-1)+10=5 (6)
【0045】
評価部47は、任意のタイミングで、満足度を演算してよい。例えば、評価部47は、利用者がかご11に乗車したと判定されたとき、利用者がかご11を待つことをやめたと判定されたとき、に満足度を演算する。また、例えば、評価部47は、待ち時間の計測がされているときに規定の周期で満足度を演算してよい。
【0046】
次に、
図3および
図4を用いて、エレベーターシステムの動作を説明する。
図3および
図4は実施の形態1におけるエレベーターシステムの動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0047】
図3および
図4のフローチャートは、利用者が乗場20に到着して、携帯装置3のアプリケーションを起動したときから始まる。携帯装置3の検出部30は、乗場発信機2aからの電波を検出している。また、フローチャートにおいて、携帯装置3は、各機能で取得された情報、および判定結果の情報を規定の周期でサーバ装置4に送信する。
【0048】
ステップS001において、携帯装置3の呼び送信部31は、利用者から、出発階と行先階との入力を受け付ける。呼び送信部31は、サーバ装置4に呼び要求を送信する。サーバ装置4の呼び処理部41は、呼び要求を受信する。
【0049】
その後、ステップS002において、時間計測部45は、待ち時間の計測を開始する。
【0050】
その後、ステップS003において、回数計数部44は、見送り回数のカウントをリセットし、0にする。
【0051】
その後、ステップS004において、接近検出部35は、離隔継続時間の計測を開始する。第2判定部43は、離隔継続時間を監視する。
【0052】
その後、ステップS005において、第1指標取得部33は、第1高度指標値の取得を開始する。即ち、以降において、第1指標取得部33は、規定の周期で第1高度指標値を取得する。
【0053】
その後、ステップS006において、第2判定部43は、離隔継続時間が第1継続時間を超えたか否かを判定する。第1継続時間は、利用者がかご11を待つことをやめたと判断するのに十分な時間として、10分、30分、等任意の時間が設定される。
【0054】
ステップS006で、離隔継続時間が第1継続時間を超えていない場合、ステップS007の動作が行われる。ステップS007において、接近検出部35は、かご11が利用者に接近したか否かを判定する。具体的には、距離演算部34によって演算された携帯装置3とかご11との距離が規定の接近判定距離よりも近い場合に、接近検出部35は、かご11が利用者に接近したと判定する。そうでない場合、接近検出部35は、かご11が利用者に接近していないと判定する。接近判定距離には、携帯装置3が乗場20に存在する状態でかご11が当該乗場20に停車したときに想定される携帯装置3とかご11との距離が設定される。
【0055】
ステップS007で、かご11が利用者に接近していない場合、ステップS006以降の動作が繰り返される。
【0056】
ステップS007で、かご11が利用者に接近した場合、ステップS008の動作が行われる。ステップS008において、接近検出部35は、離隔継続時間をリセットし、0から計測を再開する。
【0057】
その後、ステップS009において、第1判定部42は、携帯装置3とかご11との距離が接近判定距離よりも近い状態が第1停車時間を超えたか否かを判定する。第1停車時間は、かご11が乗場20を通過せずにかご11に停車していると判定可能な時間が設定される。
【0058】
ステップS009で、第1停車時間を超えない場合、ステップS006以降の動作が行われる。この場合、かご11が乗場20を通過したに過ぎないことが想定される。
【0059】
ステップS009で、第1停車時間を超えた場合、ステップS010の動作が行われる。ステップS010において、第1判定部42は、かご11の移動に関する情報と第1高度指標値の変化量とに基づいて、利用者がかご11に乗車したか否かを判定する。具体的には、ステップS007でかご11が利用者に接近した時点から第1乗車時間が経過するまでに第1高度指標値の変化量の絶対値が第1高度閾値を超えた場合、第1判定部42は、利用者がかご11に乗車したと判定する。また、ステップS007でかご11が利用者に接近した時点から第1乗車時間が経過するまでに第1高度指標値の変化量の絶対値が第1高度閾値を超えなかった場合、第1判定部42は、利用者がかご11に乗車せずに見送ったと判定する。
【0060】
なお、ステップS009で第1停車時間を超えた時点から第1乗車時間が経過するまでに第1高度指標値の変化量の絶対値が第1高度閾値を超えた場合に、第1判定部42は、利用者がかご11に乗車したと判定してもよい。この場合、ステップS009で第1停車時間を超えた時点から第1乗車時間が経過するまでに第1高度指標値の変化量の絶対値が第1高度閾値を超えなかった場合、第1判定部42は、利用者がかご11に乗車せずに見送ったと判定してもよい。
【0061】
ステップS010で、利用者がかご11に乗車したと判定された場合、ステップS011の動作が行われる。ステップS011において、時間計測部45は、待ち時間の計測を終了する。
【0062】
その後、ステップS012において、評価部47は、見送り回数および待ち時間の少なくとも一方を用いて、満足度を演算する。
【0063】
その後、ステップS013において、各機能から蓄積部46にフローチャートによる今回の動作によって取得されたまたは計測された各種の情報が対応付けられて記憶される。
【0064】
その後、ステップS014において、回数計数部44は、見送り回数のカウントをリセットして0にする。
【0065】
その後、ステップS015において、接近検出部35は、離隔継続時間の計測を終了する。
【0066】
その後、ステップS016において、第1指標取得部33は、第1高度指標値の取得を終了する。
【0067】
その後、エレベーターシステムは、フローチャートの動作を終了する。
【0068】
ステップS010で、利用者がかご11に乗車せずに見送ったと判定された場合、ステップS017の動作が行われる。ステップS017において、回数計数部44は、見送り回数を1回増加させる。その後、ステップS006以降の動作が行われる。
【0069】
ステップS006で、離隔継続時間が第1継続時間を超えた場合、ステップS018の動作が行われる。ステップS018において、第2判定部43は、利用者がかご11を待つことをやめたと判定する。
【0070】
その後、ステップS019の動作が行われる。ステップS019において、時間計測部45は、待ち時間の計測を終了する。その後、ステップS012以降の動作が行われる。即ち、今回の満足度等の計算が行われた後、エレベーターシステムは、フローチャートの動作を終了する。
【0071】
なお、ステップS009の判定が行われずに、ステップS008の後にステップS010の動作が行われてもよい。
【0072】
次に、
図5から
図8を用いて、エレベーターシステムで行われる動作の具体例を説明する。
図5から
図8は実施の形態1におけるエレベーターシステムの動作の例の概要図である。各図において、機能に関する構成の図示は適宜省略される。
【0073】
図5に示されるように、本例において、利用者は、ベビーカーを押している。利用者は、乗場20に到着した後、呼び要求を送信するために携帯装置3に情報を入力する。
図5には図示されないサーバ装置4は、携帯装置3から呼び要求が送信されると、かご11の呼びを対応する制御盤17に送信するとともに、待ち時間および見送り回数の計測を開始する。
【0074】
その後、かご11が乗場20に停車する。携帯装置3は、かご発信機2bからの電波を受信する。接近検出部35は、かご11が携帯装置3に接近したことを検出する。
図6(A)に示されるように、利用者がかごに乗り込んだ後、かご11が行先階へ出発する。
【0075】
図6(B)は、第1指標取得部33が取得する第1高度指標値と時刻との関係である。縦軸は、携帯装置3の気圧センサで検出されて第1高度指標値として取得された気圧の値である。気圧の単位は、[hPa]である。時刻t
0は、かご11が利用者に接近したと判定された時刻である。第1高度指標値の変化量の絶対値は、時刻t
1において、第1高度閾値を超えた。この時、第1判定部42は、利用者がかご11に乗車したことを検出する。時間計測部45は、待ち時間の計測を3分00秒で終了する。
【0076】
本例の別のパターンとして、
図5の後、利用者が、かご11に乗車せずにこれを見送ることがある。
図7(A)に示されるように、かご11が乗場20に停車し、かご11が携帯装置3に接近したことが検出される。利用者は、かご11の内部にベビーカーを乗車させるほどのスペースが無いと考え、乗車を見送った。その後、例えば、利用者は、もう一度呼び要求の入力を携帯装置3に行った。
【0077】
図7(B)には、このパターンにおける第1高度指標値と時刻との関係が表される。かご11が利用者に接近したと判定された時刻t
0から第1乗車時間が経過した時刻t
2までの間に、第1高度指標値の変化量の絶対値は、第1高度閾値を超えなかった。この場合、第1判定部42は、利用者がかご11に乗車しなかったと判定する。回数計数部44は、見送り回数を1回増加させる。
【0078】
本例の更に別のパターンとして、
図5の後、利用者が、かご11を見送り、かご11を待つことをやめることがある。
図8(A)に示されるように、かご11が乗場20に停車し、かご11が携帯装置3に接近したことが検出される。利用者は、かご11の内部にベビーカーを乗車させるほどのスペースが無いと考え、乗車を見送った。その後、利用者は、次のかご11を待つことをやめて、乗場20から立ち去った。
【0079】
図8(B)には、このパターンにおける第1高度指標値と時刻との関係が表される。かご11が利用者に接近したと判定された時刻t
0から第1乗車時間が経過した時刻t
2までの間に、第1高度指標値の変化量の絶対値は、第1高度閾値を超えなかった。さらに、離隔継続時間が第1継続時間を超えた、即ちかご11が利用者に接近したと判定された時刻t
0から第1継続時間が経過した時刻t
3までの間に、かご11が利用者に接近したと判定されなかった。この場合、第2判定部43は、利用者がかご11を待つことをやめたと判定する。
【0080】
時間計測部45は、待ち時間の計測を終了する。この際、時間計測部45は、第2判定部43が判定した時点での待ち時間から第1継続時間を減じた時間で、待ち時間の計測を終了する。即ち、時間計測部45は、時刻t0の時点で待ち時間の計測を終了する。なお、時間計測部45は、時刻t0から第1停車時間が経過した時刻にさかのぼった時点で待ち時間の計測を終了してもよい。
【0081】
以上で説明した実施の形態1によれば、エレベーターシステムは、呼び送信部31と制御盤17と第1指標取得部33と第1判定部42とを備える。第1判定部42は、かご11の移動に関する情報と第1高度指標値とに基づいて、利用者がかご11に乗車したことを判定する。従来とは異なり、この判定のために乗場20に行列が形成される必要がない。このため、エレベーターシステムは、人がかごに乗車したことを容易に検出することができる。
【0082】
以上で説明した実施の形態によれば、エレベーターシステムには、さらに以下のような付加的な構成要素が含まれてもよい。
【0083】
エレベーターシステムは、かご11に設けられたかご発信機2bと距離演算部34と接近検出部35とを備える。第1判定部42は、かご11の移動に関する情報である接近検出部35の検出結果と、第1高度指標値の変化量とに基づいて、利用者がかご11に乗車したことを検出する。即ち、携帯装置3が操作されることでかご11に呼びが登録されるようなエレベーターシステムにおいて、乗車を判定するためにかご11に機器が設置されるだけでよく、従来の様に乗場20ごとにカメラ等の別途の機器が設置される必要がない。このため、エレベーターシステムの保守員の作業の負荷を軽減することができる。
【0084】
また、第1判定部42は、かご11が携帯装置3に接近したことが検出された後に第1高度指標値の変化量の絶対値が第1高度閾値を超えた場合、利用者がかご11に乗車したと判定する。このため、エレベーターシステムは、利用者がかご11に乗車したという判定を精度よく行うことができる。
【0085】
また、エレベーターシステムは、回数計数部44を更に備える。回数計数部44は、利用者がかご11に乗車したと判定されなかった場合に、利用者がかご11を見送った見送り回数を1回増加させる。このため、利用者がかご11を見送った回数を容易に計数することができる。なお、図示されないが、見送り回数が、かご11の内部に報知されてもよい。この場合、かご11に乗車している他の利用者に対して、乗車を譲ることを促すことができる。
【0086】
また、エレベーターシステムは、第2判定部43を備える。第2判定部43は、離隔継続時間に基づいて、利用者がかご11を待つことをやめたと判定する。このため、乗場20にカメラ等の利用者の動きを検知する機器を別途設けることなく、利用者が乗場20を離れたと判定することができる。
【0087】
また、エレベーターシステムは、時間計測部45を備える。時間計測部45は、利用者がかご11を継続して待っている待ち時間を計測する。当該計測をするために、従来の様に乗場20に行列が形成される必要がない。このため、エレベーターシステムは、容易に待ち時間を計測することができる。また、利用者は、カメラ等で監視されているという印象を受けることがなく、心理的に安心してかご11を待つことができる。
【0088】
なお、図示されないが、待ち時間が、かご11の内部に報知されてもよい。この場合、かご11に乗車している他の利用者に対して、乗車を譲ることを促すことができる。また、図示されないが、制御盤17は、待ち時間が規定の閾値を超えた利用者がいる階の乗場20にかご11を優先的に配車するように運行してもよい。このため、利用者の利便性を向上させることができる。更に、エレベーターシステムのオーナーは、見送り回数および待ち時間の少なくとも一方の情報を利用することで、見送り回数または待ち時間が長くなる時間帯に乗場20に集中的に誘導の人員を配置する等の計画を立てることができる。その結果、利用者の利便性が向上する。
【0089】
また、エレベーターシステムは、評価部47を備える。評価部47は、見送り回数および待ち時間の少なくとも一方を用いて、利用者の満足度を算出する。このため、エレベーターシステムは、利用者の利便性を定量的に評価することができる。このような満足度は、かご11を満足度の低い階へ直行運転させる等の運行制御に利用される、かご11または乗場20にて報知される、エレベーターの利用状況を分析する際に利用される、混雑度の指標へ変換される、等の用途に使用され得る。
【0090】
なお、評価部47は、利用者の属性と対応付けた満足度を演算してもよい。例えば、当該属性は、移動の困難性に関するものである。このため、車椅子、ベビーカー、押し車、等を利用する利用者にとっての利便性を、これらを利用しない利用者にとっての利便性と切り分けて評価をすることができる。その結果、特に移動に関する困難性を抱えた利用者にとって快適なエレベーターシステムを構築する計画を立てることができる。
【0091】
また、第1指標取得部33は、第1指標検出部32である携帯装置3の気圧センサが検出した気圧の値を第1高度指標値としてもよい。このため、第1高度指標値を容易に利用することができる。一般的に、スマートフォンには気圧センサが内蔵されていることが多い。特に、携帯装置3がスマートフォンである場合、既存のセンサを利用して第1高度指標値を利用することができる。
【0092】
また、第1指標取得部33は、第1指標検出部32である携帯装置3の加速度センサが検出した上下方向の加速度の値を取得し、携帯装置3の高度を演算して第1高度指標値としてもよい。このため、第1高度指標値を容易に利用することができる。一般的に、スマートフォンには加速度センサが内蔵されている。特に、携帯装置3がスマートフォンである場合、既存のセンサを利用して第1高度指標値を利用することができる。
【0093】
なお、かご発信機2bは、電波ではなく、超音波、レーダー、等の任意の形態で信号を発信してもよい。この場合、携帯装置3は、かご発信機2bが発信する信号の形態に対応する受信機を有し、当該受信機で受信した情報に基づいてかご11との距離を演算する。
【0094】
なお、呼び送信部31は、第1判定部42によってかご11に乗車しなかったと判定されたときに、追加の操作が行われなくても同じ出発階と行先階とを含む呼び要求である再呼び要求をサーバ装置4に送信してもよい。
【0095】
なお、利用者の属性は、事業者から配布された専用のデバイス、保持器具、等によって判別され、予め携帯装置3に設定されてもよい。また、利用者は、事業者より配布された1次元コード、2次元コード、IDとパスワードとの組、等を携帯装置3のアプリケーションに入力することで、属性を設定してもよい。また、利用者の属性は、かご11への乗車時に、マルチビームドアセンサの検出結果に基づいて制御盤17によって判定されて、サーバ装置4に通知されてもよい。
【0096】
なお、第1判定部42は、接近検出部35の検出結果とかご11の移動に関する情報との両方に基づいて、各種の判定を行ってもよい。
【0097】
なお、サーバ装置4において、かご11の重量を測定する秤装置の測定値が都度取得されてもよい。第1判定部42は、秤装置の測定値を更に用いて、利用者が乗車したか否かの判定の精度を向上させてもよい。また、第1判定部42によってかご11に乗車しなかったと判定された場合に、見送り回数と秤装置の測定値とが対応付けられた情報が蓄積部46に蓄積されてもよい。この場合、秤装置の測定値によって、利用者が乗車を見送った理由が推定されてもよい。例えば、秤装置の測定値が規定の満員閾値以上である場合、利用者が満員なので見送ったと推定されてもよい。秤装置の測定値が満員閾値より小さい場合、既に乗車した人がかご11の内部にスペースを空けなかった等のマナー違反であるまたは利用者の都合によって見送ったと推定されてもよい。
【0098】
なお、エレベーターシステムには、回数計数部44および時間計測部45の少なくとも一方のみが設けられてもよい。
【0099】
なお、評価部47は、評価モデルに基づいて満足度を演算してもよい。評価モデルは、事前に作成された学習済モデルである。この場合、例えば、主観的な満足度のアンケート調査が事前に利用者に対して実施される。当該アンケート調査では、見送り回数と待ち時間とが同様に計測される。アンケート調査の結果から、見送り回数と待ち時間と主観的な満足度とが対応付けられた学習用データが作成される。評価モデルは、当該学習用データを正解データとした教師あり学習によって学習されたモデルである。評価部47は、評価モデルを用いて、見送り回数と待ち時間とを入力として満足度を出力する。
【0100】
実施の形態2.
図9は実施の形態2におけるエレベーターシステムの機能ブロック図である。
図10および
図11は実施の形態2におけるエレベーターシステムの動作の概要を説明するためのフローチャートである。なお、実施の形態1の部分と同一または相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0101】
実施の形態2おいて、第1判定部42および第2判定部43が利用する情報であるかご11の移動に関する情報は、実施の形態1における情報と異なる。
図9に示されるように、実施の形態2において、サーバ装置4は、運行監視部48を更に備える。
【0102】
運行監視部48は、制御盤17から運行情報を取得する。運行監視部48は、かご11の停車階と、かご11が停車階から移動した方向と、を監視する。
【0103】
第1判定部42は、判定を行う際に、かご11の移動に関する情報として運行監視部48の監視結果または運行情報を用いる。第2判定部43は、判定を行う際に、かご11の移動に関する情報として運行監視部48の監視結果または運行情報を用いる。
【0104】
図10および
図11のフローチャートにおいて、ステップS101からステップS105で行われる動作は、
図3および
図4のフローチャートにおいてステップS001からステップS005で行われる動作と同じである。
【0105】
ステップS105の後、ステップS106の動作が行われる。ステップS106において、運行監視部48は、運行情報に基づいて、かご11が呼び要求に含まれる出発階に停車し、かつその後にかご11が出発階から行先階への方向に出発したか否かを判定する。なお、当該判定は、運行監視部48ではなく、第1判定部42が行ってもよい。ステップS106において、かご11が出発階に停車していない、または、出発階に停車した後に行先階とは逆の方向に出発した場合、ステップS106の動作が繰り返される。
【0106】
ステップS106で、かご11が出発階に停車した後に行先階への方向に出発した場合、ステップS107の動作が行われる。ステップS107において、第1判定部42は、出発階に到着した後のかご11の移動方向と第1高度指標値の変化量とに基づいて、利用者がかご11に乗車したか否かを判定する。具体的には、ステップS106でかご11が出発階から行先階への方向に出発した時点から第2乗車時間が経過するまでに第1高度指標値の変化量の絶対値が第1高度閾値を超えた場合、第1判定部42は、利用者がかご11に乗車したと判定する。また、ステップS106でかご11が出発階から行先階への方向に出発した時点から第2乗車時間が経過するまでに第1高度指標値の変化量の絶対値が第1高度閾値を超えなかった場合、第1判定部42は、利用者がかご11に乗車せずに見送ったと判定する。第2乗車時間は、実施の形態1における第1乗車時間と同じ時間であってもよいし、異なる時間であってもよい。
【0107】
ステップS107で、利用者がかご11に乗車した場合、ステップS108以降の動作が行われる。ステップS108からステップS113で行われる動作は、
図3および
図4のフローチャートにおいてステップS011からステップS016で行われる動作と同じである。
【0108】
ステップS107で、利用者がかご11に乗車せずに見送ったと判定された場合、ステップS117の動作が行われる。ステップS114において、回数計数部44は、見送り回数を1回増加させる。
【0109】
その後、ステップS115において、第2判定部43は、ステップS106でかご11が出発階から行先階への方向に出発してから第2継続時間が経過したか否かを判定する。第2継続時間は、実施の形態1における第1継続時間と同じでもよいし、異なってもよい。
【0110】
ステップS115で、第2継続時間が経過していない場合、ステップS116の動作が行われる。ステップS116において、第2判定部43は、直前の呼び要求の出発階と同じ出発階が含まれる呼び要求である再呼び要求をサーバ装置4が呼び送信部31から受信したか否かを判定する。
【0111】
ステップS116で、再呼び要求を受信した場合、第2判定部43は、利用者がかご11を待つことをやめていないと判定する。即ち、ステップS115からステップS116にかけて、かご11が行先階への方向に出発してから第2継続時間が経過するまでに再呼び要求が送信された場合、第2判定部43は、利用者がかご11を待つことをやめていないと判定する。この場合、ステップS106以降の動作が行われる。
【0112】
ステップS116で、再呼び要求を受信しない場合、ステップS115以降の動作が行われる。
【0113】
ステップS115で、第2継続時間が経過した場合、第2判定部43は、利用者がかご11を待つことをやめたと判定する。即ち、ステップS115からステップS116の繰り返しによって、かご11が行先階への方向に出発してから第2継続時間が経過するまでに再呼び要求が送信されなかった場合、第2判定部43は、利用者がかご11を待つことをやめたと判定する。この場合、ステップS117の動作が行われる。ステップS117において、時間計測部45は、待ち時間の計測を終了する。その後、ステップS109以降の動作が行われる。
【0114】
次に、
図12から
図14を用いて、エレベーターシステムで行われる動作の具体例を説明する。
図12から
図14は実施の形態2におけるエレベーターシステムの動作の例の概要図である。各図において、機能に関する構成の図示は適宜省略される。
【0115】
本例において、実施の形態1の例と同様に、利用者は、ベビーカーを押している。利用者は、乗場20に到着した後、呼び要求を送信するために携帯装置3に情報を入力する。本例において、利用者は、出発階が2階であり、行先階が5階である旨を入力する。サーバ装置4は、携帯装置3から呼び要求が送信されると、かご11の呼びを対応する制御盤17に送信するとともに、待ち時間および見送り回数の計測を開始する。
【0116】
その後、かご11が乗場20に停車する。
図12(A)に示されるように、利用者がかごに乗り込んだ後、かご11が行先階へ出発する。運行監視部48は、かご11が呼び要求の出発階に停車した後、行先階への方向に出発したと判定する。
【0117】
図12(B)は、第1指標取得部33が取得する第1高度指標値と時刻との関係である。時刻t
4は、かご11が出発階に停車した後に行先階への方向に出発したと判定された時刻である。第1高度指標値の変化量の絶対値は、時刻t
4から第2乗車時間が経過するより前の時刻t
5において、第1高度閾値を超えた。この時、第1判定部42は、利用者がかご11に乗車したと判定する。時間計測部45は、待ち時間の計測を3分00秒で終了する。
【0118】
本例の別のパターンとして、利用者が、かご11に乗車せずにこれを見送ることがある。
図13(A)に示されるように、利用者は、出発階が2階であり、行先階が5階である旨を再び携帯装置3に入力する。呼び送信部31は、再呼び要求をサーバ装置4に送信する。
【0119】
図13(B)には、このパターンにおける第1高度指標値と時刻との関係が表される。時刻t
4から第2乗車時間が経過した時刻t
6までの間に、第1高度指標値の変化量の絶対値は、第1高度閾値を超えなかった。この場合、第1判定部42は利用者がかご11に乗車しなかったと判定し、回数計数部44は、見送り回数を1回増加させる。
【0120】
その後、呼び処理部41は、時刻t4から第2継続時間が経過するより前の時刻t7に再呼び要求を受信した。第2判定部43は、利用者がかご11を待つことを継続したと判定する。
【0121】
本例の更に別のパターンとして、利用者が、かご11を見送り、かご11を待つことをやめることがある。
図14(A)に示されるように、かご11が乗場20に停車した後、行先階への方向に出発する。この際、利用者は、乗車を見送った。その後、利用者は、次のかご11を待つことをやめて、乗場20から立ち去った。
【0122】
図14(B)には、このパターンにおける第1高度指標値と時刻との関係が表される。時刻t
4から第2乗車時間が経過した時刻t
6までの間に、第1高度指標値の変化量の絶対値は、第1高度閾値を超えなかった。さらに、時刻t
4から第2継続時間が経過した時刻t
8までの間に、呼び送信部31から再呼び要求が送信されなかった。この場合、第2判定部43は、利用者がかご11を待つことをやめたと判定する。
【0123】
時間計測部45は、待ち時間の計測を終了する。この際、時間計測部45は、第2判定部43が判定した時点での待ち時間から第2継続時間を減じた時間で、待ち時間の計測を終了する。即ち、時間計測部45は、時刻t4の時点で待ち時間の計測を終了する。
【0124】
以上で説明した実施の形態2によれば、第1判定部42は、かご11の移動に関する情報として運行情報を用い、出発階から発車するかご11の移動方向と第1高度指標値の変化量とに基づいて、利用者がかご11に乗車したと判定する。より具体的には、第1判定部42は、出発階に到着したかご11が行先階への方向に出発した後に、第1高度指標値の変化量の絶対値が第1高度閾値を超えた場合に、利用者がかご11に乗車したと判定する。携帯装置3から呼び要求を受け付けるようなエレベーターシステムにおいて、運行情報は、元々制御盤17から取得されて利用されている。即ち、エレベーターシステムは、別途の機器を設置することなく、容易に利用者がかご11に乗車したと判定することができる。
【0125】
また、回数計数部44は、第1判定部42と同様の判定を行ってもよい。具体的には、回数計数部44は、かご11が行先階への方向に出発してから規定の乗車時間である第2乗車時間が経過するまでに第1高度指標値の変化量の絶対値が第1高度閾値を超えない場合、利用者がかご11に乗車しなかったと判定し、見送り回数を1回増加させてもよい。このため、エレベーターシステムは、実施の形態2においても、見送り回数を計数することができる。
【0126】
また、第2判定部43は、かご11が行先階への方向に出発してから規定の乗車時間である第2乗車時間が経過するまでに第1高度指標値の変化量の絶対値が第1高度閾値を超えず、かつ第2継続時間が経過するまでに再呼び要求が送信されなかった場合、利用者がかご11を待つことをやめたと判定する。このため、エレベーターシステムは、実施の形態2においても、利用者がかご11を待つことをやめたと判定する構成を容易に実現することができる。
【0127】
実施の形態3.
図15は実施の形態3におけるエレベーターシステムの機能ブロック図である。
図16および
図17は実施の形態3におけるエレベーターシステムの動作の概要を説明するためのフローチャートである。なお、実施の形態1または2の部分と同一または相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0128】
実施の形態3において、第1判定部42および第2判定部43が利用する情報であるかご11の移動に関する情報は、実施の形態1における情報と異なる。
図15に示されるように、実施の形態3において、エレベーターシステムは、第2指標装置6を備える。第2指標装置6は、かご11に固定される。第2指標装置6は、第2指標検出部60と第2指標取得部61とを機能として備える。
【0129】
第2指標検出部60は、かご11の高度を演算するための物理量を検出するセンサである。例えば、第2指標検出部60は、気圧を検出する気圧センサである。例えば、第2指標検出部60は、上下方向の加速度を検出する加速度センサであってもよい。なお、第2指標検出部60は、気圧センサと加速度センサとの両方であってもよい。
【0130】
第2指標取得部61は、第2指標検出部60の検出結果の情報を取得する。第2指標取得部61は、第2指標検出部60の検出結果に基づいて、かご11の高度を示す指標値である第2高度指標値を取得する。第2高度指標値は、第1高度指標値と同じ物理量または演算値である等、第1高度指標値と比較可能な値である。例えば、第2指標取得部61が気圧センサである場合、第2高度指標値は、検出された気圧の値であってもよい。
【0131】
なお、第2指標検出部60が気圧センサである場合、第2指標取得部61は、検出された気圧の値からかご11の高度を演算し、演算した高度を第2高度指標値とみなしてもよい。また、第2指標検出部60が加速度センサである場合、第2指標取得部61は、検出された加速度の値からかご11の高度を演算し、演算した高度を第2高度指標値とみなしてもよい。また、第2指標検出部60が気圧センサと加速度センサとの両方である場合、第2指標取得部61は、どちらかのセンサを優先した上で第2高度指標値を演算してもよいし、両方のセンサの検出結果に基づいた第2高度指標値を演算してもよい。
【0132】
サーバ装置4は、規定の周期で第2指標取得部61が取得した第2高度指標値を取得する。第1判定部42は、判定を行う際に、かご11の移動に関する情報として第2高度指標値の変化量を用いる。第2判定部43は、判定を行う際に、第2高度指標値の変化量を用いる。
【0133】
図16および
図17のフローチャートにおいて、ステップS201からステップS205で行われる動作は、
図3および
図4のフローチャートにおいてステップS001からステップS005で行われる動作と同じである。
【0134】
ステップS205の後、ステップS206の動作が行われる。ステップS206において、第2指標取得部61は、第2高度指標値の取得を開始する。
【0135】
その後、ステップS207において、第1判定部42は、第2高度指標値に基づいて、かご11が呼び要求に対応する利用者と同じ階に停車したか否かを判定する。具体的には、第2高度指標値が呼び要求に含まれる出発階に対応する高度範囲に含まれる時間が第2停車時間を超えた場合、第1判定部42は、かご11が利用者と同じ階に停車したと判定する。なお、第1判定部42は、第1高度指標値と第2高度指標値との差が停車閾値よりも小さい状態が第2停車時間を超えた場合に、かご11が利用者と同じ階に停車したと判定してもよい。ステップS207で、かご11が利用者と同じ階に停車したと判定されない場合、ステップS207の動作が繰り返される。
【0136】
その後、ステップS207で、かご11が利用者と同じ階に停車したと判定された場合、ステップS208の動作が行われる。ステップS208において、第2高度指標値の変化量の符号が、呼び要求に含まれる出発階から行先階への方向に移動した場合の符号と一致するか否かを判定する。具体的には、出発階よりも行先階が上側である場合の符号は、プラスである。出発階よりも行先階が下側である場合の符号は、マイナスである。
【0137】
ステップS208で、第2高度指標値の変化量の符号が一致しない場合、かご11が逆方向に向かうかごであったと判断され、ステップS207以降の動作が行われる。
【0138】
ステップS208で、第2高度指標値の変化量の符号が一致する場合、ステップS209の動作が行われる。ステップS209において、第1判定部42は、規定の時間以内に第2高度指標値の変化量の絶対値が第2高度閾値を超えたか否かを判定する。第2高度閾値は、第1高度閾値と同じ値に設定されてもよいし、異なる値に設定されてもよい。
【0139】
ステップS209で、第2高度指標値の変化量の絶対値が第2高度閾値を超えていないと判定された場合、ステップS207以降の動作が繰り返される。
【0140】
ステップS209で、第2高度指標値の変化量の絶対値が第2高度閾値を超えた場合、ステップS210の動作が行われる。ステップS210において、第2判定部43は、少なくとも第1高度指標値を用いて、第1高度指標値と第2高度指標値とが同じように変化しているか否かを判定する。具体的には、例えば、かご11が利用者と同じ階に停車したと判定されてから第3乗車時間が経過するまでに第1高度指標値の変化量の絶対値が第1高度閾値を超えた場合に、第1判定部42は、ステップS209からS210を通して第1高度指標値と第2高度指標値とが同じように変化していると判定する。第3乗車時間は、第1乗車時間または第2乗車時間と同じでもよいし、異なってもよい。
【0141】
ステップS210で、第1高度指標値と第2高度指標値とが同じように変化していると判定された場合、第1判定部42は、利用者がかご11に乗車したと判定する。この場合、ステップS211以降の動作が行われる。ステップS211からステップS216で行われる動作は、
図3および
図4のフローチャートにおいてステップS011からステップS016で行われる動作と同じである。
【0142】
ステップS210で、第1高度指標値と第2高度指標値とが同じように変化していないと判定された場合、第1判定部42は、利用者がかご11に乗車せずに見送ったと判定する。この場合、ステップS217の動作が行われる。ステップS217において、回数計数部44は、見送り回数を1回増加させる。
【0143】
その後、ステップS218において、第2判定部43は、ステップS207でかご11が利用者と同じ階に停車して第3継続時間が経過したか否かを判定する。即ち、第2判定部43は、かご11が利用者と同じ階に停車した後、利用者がかご11に乗車したと判定されないまま第3継続時間が経過したか否かを判定する。第3継続時間は、実施の形態1における第1継続時間または実施の形態2における第2継続時間と同じでもよいし、異なってもよい。
【0144】
ステップS218で、第3継続時間が経過していない場合、ステップS219の動作が行われる。ステップS219において、第2判定部43は、再呼び要求をサーバ装置4が呼び送信部31から受信したか否かを判定する。
【0145】
ステップS219で、再呼び要求を受信した場合、第2判定部43は、利用者がかご11を待つことをやめていないと判定する。即ち、ステップS218からステップS219にかけて、かご11が行先階への方向に出発してから第3継続時間が経過するまでに再呼び要求が送信された場合、第2判定部43は、利用者がかご11を待つことをやめていないと判定する。この場合、ステップS207以降の動作が行われる。
【0146】
ステップS219で、再呼び要求を受信しない場合、ステップS218以降の動作が行われる。
【0147】
ステップS218で、第3継続時間が経過した場合、第2判定部43は、利用者がかご11を待つことをやめたと判定する。即ち、ステップS218からステップS219の繰り返しによって、かご11が行先階への方向に出発してから第3継続時間が経過するまでに再呼び要求が送信されなかった場合、第2判定部43は、利用者がかご11を待つことをやめたと判定する。この場合、ステップS220の動作が行われる。ステップS220において、時間計測部45は、待ち時間の計測を終了する。その後、ステップS212以降の動作が行われる。
【0148】
なお、ステップS210において、かご11が利用者と同じ階に停車したと判定されてから第3乗車時間が経過するまで第1高度指標値と第2高度指標値との差が第3高度閾値を超えない場合に、第1判定部42は、第1高度指標値と第2高度指標値とが同じように変化していると判定してもよい。また、この場合、ステップS208の動作がスキップされ、代わりにステップS209の動作が行われてもよい。
【0149】
次に、
図18から
図20を用いて、エレベーターシステムで行われる動作の具体例を説明する。
図18から
図20は実施の形態3におけるエレベーターシステムの動作の例の概要図である。各図において、機能に関する構成の図示は適宜省略される。
【0150】
本例において、実施の形態1の例と同様に、利用者は、ベビーカーを押している。利用者は、乗場20に到着した後、呼び要求を送信するために携帯装置3に情報を入力する。本例において、利用者は、出発階が2階であり、行先階が5階である旨を入力する。サーバ装置4は、携帯装置3から呼び要求が送信されると、かご11の呼びを対応する制御盤17に送信するとともに、待ち時間および見送り回数の計測を開始する。
【0151】
その後、
図18(A)に示されるように、かご11が乗場20に停車する。利用者がかごに乗り込んだ後、かご11が行先階へ出発する。第1判定部42は、第2高度指標値の変化量の符号がプラスであり、当該変化量の符号が2階から5階への移動の際の符号と一致すると判定する。
【0152】
図18(B)の上段は、第1指標取得部33が取得する第1高度指標値と時刻との関係である。
図18(B)の下段は、第2指標取得部61が取得する第2高度指標値と時刻との関係である。
【0153】
時刻t9は、かご11が利用者と同じ階に停車したと判定された時刻である。第2高度指標値の変化量の絶対値は、時刻t9から第3乗車時間が経過するより前の時刻t10において、第2高度閾値を超えた。第1高度指標値の変化量の絶対値は、時刻t9から第3乗車時間が経過するより前の時刻t11において、第1高度閾値を超えた。この時、第1判定部42は、第1高度指標値と第2高度指標値とが同じように変化していると判定し、利用者がかご11に乗車したと判定する。時間計測部45は、待ち時間の計測を3分00秒で終了する。
【0154】
本例の別のパターンとして、利用者が、かご11に乗車せずにこれを見送ることがある。
図19(A)に示されるように、利用者は、出発階が2階であり、行先階が5階である旨を再び携帯装置3に入力する。呼び送信部31は、再呼び要求をサーバ装置4に送信する。
【0155】
図19(B)には、このパターンにおける第1高度指標値と時刻との関係および第2高度指標値と時刻との関係が表される。
図19(B)の上段は、第1指標取得部33が取得する第1高度指標値と時刻との関係である。
図19(B)の下段は、第2指標取得部61が取得する第2高度指標値と時刻との関係である。時刻t
9から第3乗車時間が経過した時刻t
12までの間に、第2高度指標値の変化量の絶対値が第2高度閾値を超えたものの、第1高度指標値の変化量の絶対値は、第1高度閾値を超えなかった。この場合、第1判定部42は、第1高度指標値と第2高度指標値とが同じように変化しなかったと判定し、利用者がかご11に乗車しなかったと判定する。回数計数部44は、見送り回数を1回増加させる。
【0156】
その後、呼び処理部41は、時刻t9から第3継続時間が経過するより前の時刻に再呼び要求を受信した。第2判定部43は、利用者がかご11を待つことを継続したと判定する。
【0157】
本例の更に別のパターンとして、利用者が、かご11を見送り、かご11を待つことをやめることがある。
図20(A)に示されるように、かご11が乗場20に停車した後、行先階への方向に出発する。この際、利用者は、乗車を見送った。その後、利用者は、次のかご11を待つことをやめて、乗場20から立ち去った。
【0158】
図20(B)には、このパターンにおける第1高度指標値と時刻との関係および第2高度指標値と時刻との関係が表される。
図20(B)の上段は、第1指標取得部33が取得する第1高度指標値と時刻との関係である。
図20(B)の下段は、第2指標取得部61が取得する第2高度指標値と時刻との関係である。
【0159】
時刻t9から第3乗車時間が経過した時刻t12までの間に、第1高度指標値の変化量の絶対値は、第1高度閾値を超えなかった。このため、第1判定部42は、利用者がかご11に乗車しなかったと判定している。さらに、時刻t9から第3継続時間が経過した時刻t13までの間に、呼び送信部31から再呼び要求が送信されなかった。この場合、第2判定部43は、利用者がかご11を待つことをやめたと判定する。
【0160】
時間計測部45は、待ち時間の計測を終了する。この際、時間計測部45は、第2判定部43が判定した時点での待ち時間から第3継続時間を減じた時間で、待ち時間の計測を終了する。即ち、時間計測部45は、時刻t9の時点で待ち時間の計測を終了する。
【0161】
以上で説明した実施の形態3によれば、エレベーターシステムは、第2指標取得部61を備える。第1判定部42は、かご11の移動に関する情報として第2高度指標値の情報を利用し、かご11が出発階に乗車したことを判定する。その後、第1判定部42は、第1高度指標値と第2高度指標値とに基づいて、利用者がかご11に乗車したと判定する。このため、エレベーターシステムは、利用者がかご11に乗車したことを容易に判定することができる。
【0162】
また、第1判定部42は、第1高度指標値と第2高度指標値とが同じように変化していることの判定として、第2高度指標値の変化量の絶対値が第2高度閾値を超えてから規定の乗車時間である第3乗車時間が経過するまでに、第1高度指標値の変化量の絶対値が第1高度閾値を超えた場合、利用者がかご11に乗車したと判定する。このため、エレベーターシステムは、利用者がかご11に乗車したことを容易に判定することができる。
【0163】
なお、第1判定部42は、第1高度指標値と第2高度指標値とが同じように変化していることの判定として、かご11が出発階に停車したと判定した後、第1高度指標値と第2高度指標値との差が第3高度閾値を超えない場合、利用者がかご11に乗車したと判定してもよい。この場合であっても、このため、エレベーターシステムは、利用者がかご11に乗車したことを容易に判定することができる。
【0164】
また、回数計数部44は、第1判定部42によってかご11が出発階に停車したと判定された後、利用者がかご11に乗車したと判定されなかった場合、見送り回数を1回増加させる。なお、回数計数部44は、第1判定部42と同様の判定を行ってもよい。このため、エレベーターシステムは、実施の形態3においても、見送り回数を計数することができる。
【0165】
また、第2判定部43は、利用者がかご11に乗車したと判定されず、かつかご11が出発階に停車したと判定されてから第3継続時間が経過するまでに再呼び要求が送信されなかった場合、利用者がかご11を待つことをやめたと判定する。このため、エレベーターシステムは、実施の形態3においても、利用者がかご11を待つことをやめたと判定する構成を容易に実現することができる。
【0166】
次に、
図21を用いて、サーバ装置4を構成するハードウェアの例を説明する。
図21は実施の形態1から3におけるサーバ装置のハードウェア構成図である。
【0167】
サーバ装置4の各機能は、処理回路により実現し得る。例えば、処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える。例えば、処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える。
【0168】
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える場合、サーバ装置4の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、少なくとも1つのメモリ100bに格納される。少なくとも1つのプロセッサ100aは、少なくとも1つのメモリ100bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、サーバ装置4の各機能を実現する。少なくとも1つのプロセッサ100aは、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。例えば、少なくとも1つのメモリ100bは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等である。
【0169】
処理回路が少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。例えば、サーバ装置4の各機能は、それぞれ処理回路で実現される。例えば、サーバ装置4の各機能は、まとめて処理回路で実現される。
【0170】
サーバ装置4の各機能について、一部を専用のハードウェア200で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。例えば、評価部47の機能については専用のハードウェア200としての処理回路で実現し、評価部47の機能以外の機能については少なくとも1つのプロセッサ100aが少なくとも1つのメモリ100bに格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現してもよい。
【0171】
なお、サーバ装置4は、クラウドサーバ上に実現されてもよい。この場合、処理回路は、複数の部分回路によって構成される。複数の部分処理回路は、クラウドサーバを構成する複数の装置にそれぞれ設けられる。クラウドサーバを構成する複数の装置は、それぞれが別の建物に設けられてもよい。
【0172】
このように、処理回路は、ハードウェア200、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせでサーバ装置4の各機能を実現する。
【0173】
図示されないが、携帯装置3の各機能も、サーバ装置4の各機能を実現する処理回路と同等の処理回路で実現される。
【0174】
なお、携帯装置3の機能のうち検出部30、呼び送信部31、および第1指標検出部32以外の機能について、少なくとも1つがサーバ装置4に設けられてもよい。また、サーバ装置4の機能のうち呼び処理部41以外の機能について、少なくとも1つが携帯装置3に設けられてもよい。どのような場合であっても、各機能の動作に必要な情報は、機器の内部回路またはネットワークを介して、各機能の間でやり取りされる。
【産業上の利用可能性】
【0175】
以上のように、本開示に係るエレベーターシステムは、利用者が所持する端末からかごの呼びを行うことができるシステムに利用できる。
【符号の説明】
【0176】
1 エレベーター装置、 2a 乗場発信機、 2b かご発信機、 3 携帯装置、 4 サーバ装置、 5a ネットワーク、 5b ネットワーク、 6 第2指標装置、 11 かご、 12 釣合おもり、 13 昇降路、 14 主ロープ、 15 巻上機、 16 駆動綱車、 17 制御盤、 20 乗場、 30 検出部、 31 呼び送信部、 32 第1指標検出部、 33 第1指標取得部、 34 距離演算部、 35 接近検出部、 40 運行情報取得部、 41 呼び処理部、 42 第1判定部、 43 第2判定部、 44 回数計数部、 45 時間計測部、 46 蓄積部、 47 評価部、 48 運行監視部、 60 第2指標検出部、 61 第2指標取得部、 100a プロセッサ、 100b メモリ、 200 ハードウェア
【要約】
人がかごに乗車したことを容易に検出することができるエレベーターシステムを提供する。エレベーターシステムは、利用者が所持する携帯装置に設けられ、出発階と行先階とを含むかごの呼び要求を送信する呼び送信部と、かごの運行を制御し、呼び要求に基づいてかごを出発階に配車する制御盤と、携帯装置に設けられたセンサの検出結果に基づいて、携帯装置が存在する高度を示す第1高度指標値を取得する第1指標取得部と、第1高度指標値とかごの移動に関する情報とに基づいて、出発階において利用者がかごに乗車したと判定する第1判定部と、を備えた。