(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-25
(45)【発行日】2025-03-05
(54)【発明の名称】電気機械的リレー構造
(51)【国際特許分類】
H01H 50/04 20060101AFI20250226BHJP
H01H 50/12 20060101ALI20250226BHJP
【FI】
H01H50/04 T
H01H50/12 G
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020076421
(22)【出願日】2020-04-23
【審査請求日】2023-02-13
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】399132320
【氏名又は名称】ティーイー・コネクティビティ・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】キング,レイモンド アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】キーナー,マーク
(72)【発明者】
【氏名】マロルフ,リー
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-281618(JP,A)
【文献】特開2014-120371(JP,A)
【文献】実開昭63-009744(JP,U)
【文献】特開2016-181386(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 50/04
H01H 50/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部ハウジング(102)と、
前記ハウジング内に配置された1対の切換可能な電気コンタクト(104および106)と、
前記1対の電気コンタクトを起動する要素と、
前記ハウジング内に前記電気コンタクトに隣接して配置された温度感知素子(182、192、222、262)と
を備え、
前記電気コンタクトは、それぞれ前記電気コンタクトに取り付けられたコンタクトパッド(114、116)を含み、
前記コンタクトパッドは、前記電気コンタクトが閉状態にあるときに互いに接触するように位置決めされており、
前記温度感知素子は、前記コンタクトパッドのうちの少なくとも一方のコンタクトパッド自体に取り付けられて
おり、
前記ハウジング内に配置され、前記温度感知素子(182、192、222、262)から距離をあけて前記電気コンタクトに取付けられているさらなる温度感知素子(224、264、266、268)を備えている、電気機械的リレー(100)。
【請求項2】
前記少なくとも一方のコンタクトパッドは、その一部分(186、204、228、252、272)が前記電気コンタクトを貫通し、前記温度感知素子が前記少なくとも一方のコンタクトパッド自体の前記一部分に取り付けられるように構成されている、請求項1に記載のリレー。
【請求項3】
前記温度感知素子は、前記ハウジングから延びる電気端子に電気的に接触している、請求項1または2に記載のリレー。
【請求項4】
前記さらなる温度感知素子(224)は、前記コンタクトパッドから距離をあけて取り付けられている、請求項
1に記載のリレー。
【請求項5】
前記さらなる温度感知素子(264、266、268)は、前記電気コンタクトのそれぞれの部分(274、276、278)に、順次位置決めされている、請求項
1に記載のリレー。
【請求項6】
外部ハウジング(102)と、
前記ハウジング内に配置された1対の切換可能な電気コンタクト(104および106)と、
前記1対の電気コンタクトを起動する要素と、
前記ハウジング内に前記電気コンタクトに隣接して配置された温度感知素子(118)と
を備え、
前記電気コンタクトは、第1のコンタクトパッド(114)が取り付けられている第1のコンタクト(104)と、第2のコンタクトパッド(116)が取り付けられている第2のコンタクト(106)を含み、
前記第1のコンタクトパッドおよび前記第2のコンタクトパッドは、前記電気コンタクトが閉状態にあるときに互いに接触するように位置決めされおり、
前記温度感知素子は、前記電気コンタクトの長さに沿って延びる長手方向軸に交差する平面に沿って位置決めされ、
前記温度感知素子は、前記第1のコンタクトパッドおよび前記第2のコンタクトパッドの両方に向くように配置されている、電気機械的リレー(100)。
【請求項7】
前記温度感知素子(118)は、前記ハウジング内に実装された部材(115)に取り付けられている、請求項
6に記載のリレー。
【請求項8】
前記温度感知素子(118)は、前記リレーの内部構造(164)に沿って配置されている、請求項
6に記載のリレー。
【請求項9】
前記内部構造(164)は、前記第1のコンタクト(104)および前記第2のコンタクト(106)の一方または両方に隣接している、請求項
8に記載のリレー。
【請求項10】
電気機械的リレー(100)内の温度を判定する方法であって、
請求項1または
6に記載の電気機械的リレー(100)を動作させて、前記電気コンタクトを互いに接触させる動作ステップであって、前記温度感知素子が出力信号を提供する、動作ステップと、
前記動作ステップ中に、前記出力信号を監視して、前記ハウジング内の前記温度を判定する監視ステップとを含む方法。
【請求項11】
前記リレー内で異なる場所に位置決めされた2つ以上の温度感知素子を備え、前記監視ステップは、前記2つ以上の感度感知素子からの出力信号を監視することを含む、請求項
10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する電気機械的リレーは、リレーの所望の動作条件に関する情報を提供するように構築され、そのような情報を使用して、リレーの性能を監視し、リレーが所定の動作パラメータの範囲内で実行しているか、それとも範囲外で実行しているかを判定することができる。
【背景技術】
【0002】
電気的スイッチング機能を提供する目的で電気機械的リレーデバイスなどのリレーを使用することは、当技術分野ではよく知られている。そのようなリレーデバイスは、電源からの電力を受け取る1つまたは複数の電気構成要素へ電源からなど、電気構成要素間の回路を流れている電流の有無を制御するために使用される概して電気的に動作するスイッチである。リレーの中には、電磁石を使用してスイッチを機械的に動作するものもある。電磁石は、可動電気コンタクトを1つまたは複数の静止リレーコンタクトに対して物理的に移動させるように構成される。可動電気コンタクトは、可動リレーコンタクトが静止リレーコンタクトのうちの1つまたは複数に係合したとき、回路を形成する、または閉じる(電流が回路を流れることを可能にする)ことができる。可動電気コンタクトを静止リレーコンタクトから離すことで、この回路を遮断し、もしくは開き(回路を通る電流の流れを止め)、および/または別の回路を閉じる。
【0003】
そのようなリレーは、高レベルの電流を伴う電力用途を含む様々な異なるスイッチング機能を使用することができる。そのようなコンタクトの表面は、高電流用途において障害点であることが多い。リレーの差し迫った障害を潜在的に示すものとしては、たとえばコンタクトが使用とともに劣化するにつれて抵抗加熱によって生じるコンタクトの温度の上昇が挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする課題は、リレーの温度条件に関する情報を提供するようにリレーを構築したいという要望であり、そのような情報は、局所的に、たとえばリレー自体で提供することができ、または望ましい場合は遠隔リレー監視のために遠隔の場所へ送ることができる。そのようなリレーは、コンタクトにおける温度上昇を反映するリレー内の温度に関する情報を、適時に、またはあらゆるそのような温度上昇に応答して、正確に提供するように構築されることがさらに望ましい。この機能を含むそのようなリレーは、可能な範囲でリレーの全体的なサイズを増大させないように構築されることがさらに望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
解決策は、本明細書に開示する電気機械的リレー構造によって提供され、電気機械的リレー構造は、概して、外部ハウジングと、ハウジング内に配置された1対の切換可能な電気コンタクトと、1対の電気コンタクトを起動するための要素と、ハウジング内に電気コンタクトに隣接して配置された温度感知素子とを備えている。温度感知素子またはセンサは、出力信号を受け取るためにハウジングの外側の場所へ延びる1つもしくは複数の電気コンタクトに接続することができ、または出力信号をリレーから無線で提供するための要素を有するように構成することができる。リレーは、ハウジング内に互いに所望の距離をあけて配置された2つ以上の温度感知素子を備えることができる。一例では、温度感知素子は、ハウジング内に実装された部材に取り付けることができ、この部材上に電気コンタクトに隣接して位置決めすることができる。
一例では、温度感知素子は、コンタクトのうちの一方の一部分に接続される。一例では、温度感知素子は、リレーの既存の内部構造に沿って配置されており、内部構造は、これらのコンタクトの静止コンタクトおよび可動コンタクトのうちの一方または両方に隣接している。温度感知素子は、測温抵抗体、負温度係数サーミスタ、サーモパイルセンサ、熱電対、およびこれらの組合せからなる群から選択することができる。リレー構造は、ハウジング内に配置された2対以上の切換可能な電気コンタクトを備えることができる。
【0006】
そのような例示的な電気機械的リレー構造内の温度は、電気機械的リレーを動作させて、コンタクトを互いに接触させることと、コンタクトが定常状態条件で互いに接触しているとき、ならびに/またはコンタクトがオンおよびオフに切り換えられているとき、リレーハウジング内に配置された温度感知素子からの出力を監視して、リレー内の温度を判定することとによって判定することができる。
【0007】
本発明について、添付の図面を参照して例として次に説明する。
【0008】
本明細書に開示する電気機械的リレーまたはリレー構造について、添付の図を参照して例として次に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】本明細書に開示する例示的なリレー構造の側面斜視図である。
【
図2】本明細書に開示する例示的なリレー構造の切欠正面図である。
【
図3】本明細書に開示する別の例示的なリレー構造の切欠正面図である。
【
図4】本明細書に開示する別の例示的なリレー構造の切欠上面図である。
【
図5】本明細書に開示する別の例示的なリレー構造の切欠上面図である。
【
図6】本明細書に開示する別の例示的なリレー構造の切欠上面図である。
【
図7】本明細書に開示する別の例示的なリレー構造の切欠正面図である。
【
図8】本明細書に開示する別の例示的なリレー構造の切欠上面図である。
【
図9】本明細書に開示する別の例示的なリレー構造の切欠上面図である。
【
図10】本明細書に開示する別の例示的なリレー構造の切欠正面図である。
【
図11】本明細書に開示する別の例示的なリレー構造の切欠上面図である。
【
図12】本明細書に開示する別の例示的なリレー構造の切欠上面図である。
【
図13】本明細書に開示する別の例示的なリレー構造の切欠上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に開示するリレー構造は、概して、ハウジングと、ハウジング内に配置された1対のコンタクトとを備え、リレーは、リレーの内部に配置された温度センサを含むように構成され、温度センサは、リレー内のコンタクトの動作条件を監視する目的で、コンタクト温度の指示を、温度上昇に応答して正確に提供するように意図的に設計されるように構築および/または位置決めされる。一例では、そのような温度情報は、リレーの障害が安全上の問題を引き起こす可能性がある場合、安全上の目的で、および/またはたとえば所定の温度条件が検出された後に障害が生じる前にサービスからリレーを除去するために、予防保守の目的で、使用することができる。
一例では、そのような温度情報は、リレーに接続されたシステムまたは構成要素の障害、たとえば1つまたは複数の接続された構成要素および/または回路の短絡を検出しまたは示すのに有用となりうる。そのような障害は、コンタクト電流、したがってコンタクト温度の急上昇によって示されるはずである。例示的な実施形態では、リレーは、そのような温度情報をそのような監視の目的で遠隔の場所へ伝送するように構成することができる。例示的な実施形態では、そのようなリレー構造は、高い電流レベルを伴う電力用途で使用することができるが、本明細書に開示するリレー構造は、そのような温度情報が有用となりうる様々な他のリレー用途でも使用することができることを理解されたい。
【0011】
図1A~
図1Eは、本明細書に開示する温度センサ機構を備えるように構成することができる例示的なリレー10の異なる図を示す。
図1A~
図1Dは、ハウジング12を備える例示的なリレー10を示し、ハウジング12は、上部14、前部16、側部18および20、後部22、ならびに底部24を有する。ハウジングは、ハウジング12を底部24に解放可能に接続するように構成された掛止部25を備えることができる。ハウジングの後部22は、リレーを介した電力伝送の所望の電気的スイッチングを提供するために必要とされる電気的接続との接続のために、そこから外方へ突出する電気的スイッチング端子26および電力端子28を含むことができる。
【0012】
図1Eは、非可動または静止コンタクト32および可動コンタクト34を含む1対のコンタクト30を備える例示的なリレー10の内部の図を示す。各コンタクト30および32は、各コンタクト上に配置されたそれぞれのコンタクトパッド35および36を備えており、コンタクトパッド35および36は、可動コンタクトが静止コンタクトの方へ動かされると互いに接触するようにコンタクト上に位置決めされる。
図1Eで、1対のコンタクトは、開位置で示されており、可動コンタクト34のパッド36は、静止コンタクト32のパッド35に接触しておらず、または接触を形成していない。示されているように、コンタクト32および34はそれぞれ、リレーから延びるそれぞれの電気端子28に接続される。
【0013】
上述したように、本明細書に開示するリレー構造の特徴は、ハウジング内にコンタクトの一方または両方に密接して配置された温度センサを含むことである。そのような構造で有用な温度センサは、コンタクト温度を示すリレー内の温度を検出するための様々な異なるタイプとすることができ、温度を判定する目的で、入力信号を受け取ってそこから温度を判定するように構成されたプロセッサ、コントローラ、または他のデバイスを使用して、そこから出力信号を提供することが可能である。例示的な実施形態では、本明細書に開示するリレー構造を形成するのに有用な温度センサは、それだけに限定されるものではないが、抵抗温度計または測温抵抗体(RTD)、NTCサーミスタまたは温度センサ、トランスデューサ、シリコンベースの温度センサ、サーモパイルまたは赤外線温度センサなどを含む群から選択された接触および/または赤外線温度センサの形態とすることができる。
【0014】
使用される温度センサのタイプは、リレー内のコンタクトの温度および/または温度変化の敏感かつ正確な指示を得るために温度センサが実装される場所に影響することがある。以下の説明および図は、参照および例示の目的で、温度センサのタイプによって影響されうる異なる温度配置位置を含む異なる例示的なリレー構造の実施形態を導入する。
【0015】
図2は、本明細書に開示する例示的なリレー構造100の断面切欠正面図を示し、リレー構造100は、ハウジング102と、1対のコンタクト104および106と、それぞれのコンタクト104および106に接続された電気端子108および110と、
図1Eに示すリレー構造内に含まれる残りの要素とを備える。この例では、ハウジングの底面113に隣接して温度センサ112が位置決めされており、または温度センサ112は、ハウジングの底面に実装することができ、もしくは他の方法で取り付けることができる。一例では、コンタクト104および106はそれぞれ、コンタクト104および106に取り付けられたそれぞれのコンタクトパッド114および116を含み、コンタクトパッド114および116は、コンタクトが閉状態にあるときには互いに接触するように位置決めされる。
【0016】
一例では、温度センサ112は、プリント基板115を備えることができ、プリント基板115にはセンサ素子118が取り付けられている。一例では、プリント基板は、電力供給および/またはセンサ素子からの出力信号の受取りのための集積回路を有するように構成することができ、プリント基板はまた、センサ素子に電気的に接続してセンサ素子から出力信号を受け取る目的で、そこからハウジングの外側へ延びる電気コネクタ(図示せず)を含むことができる。別法として、温度センサは、出力信号の無線による受取りおよび/または提供に有用な構成要素に接続することができる。一例では、センサ素子118は、より速い応答の読取りのために接触面または一方もしくは両方のコンタクトを観察するRTD/NTCタイプの温度センサまたはサーモパイル/IRセンサとすることができる。
この例では、温度センサ112は、1対のコンタクト104および106に隣接して、より具体的にはコンタクトの長さに沿って延びる長手方向軸に平行でありかつその上に位置する平面に沿って位置決めされる。
【0017】
例示的な実施形態では、温度センサは、コンタクトのパッドの真上に距離をあけて位置決めされる。例示的な実施形態では、温度センサ素子は、それぞれのコンタクト104および106のコンタクトパッド114および116から約1mm~10mm、約2mm~5mm、および約2mm~4.2mmの距離をあけて位置決めされる。この例の温度センサに対する配置距離が提供されているが、そのような距離は、リレーのタイプならびに使用されるセンサデバイスの特定のタイプなどの要因に応じて変動しうるものであり、実際に変動することを理解されたい。
【0018】
図3は、本明細書に開示する例示的なリレー構造140の切欠正面図を示し、リレー構造140は、ハウジング102と、1対のコンタクト104および106と、それぞれのコンタクト104および106に接続された電気端子108および110と、
図1Eに示すリレー構造内に含まれる残りの要素とを備える。この例では、リレー構造140は、
図2に示す例に関して上述したものと同じ温度センサ112を備え、温度センサ112は、プリント基板115と、プリント基板115に取り付けられたセンサ素子118と、そこから延びる電気端子(図示せず)とを備える。別法として、上述したように、温度センサは、無線による信号の受取りおよび/または提供を行うように構成することができる。この例では、温度センサ素子は、ハウジング内の異なる場所に位置決めされており、具体的にはコンタクトのうちの一方に隣接して位置決めされる。
この特定の例では、温度センサ素子は、可動コンタクトであるコンタクト106の上に距離をあけて位置決めされる。この例では、温度センサ素子は、コンタクトの長さに沿って延びる長手方向軸に直交する平面に沿って位置決めされる。一例では、温度センサ素子は、可動センサに対して距離をあけて位置決めされ、その距離は、特定のリレーおよび可動コンタクト106の移動距離に応じて変動する。一例では、温度センサは、可動コンタクト106のコンタクトパッド116から約0.5mm以上あけて位置決めされる。一例では、温度センサは、可動コンタクトのコンタクトパッド116から約0.5~5mmをあけて位置決めすることができる。
【0019】
図4は、本明細書に開示する例示的なリレー構造150の切欠上面図を示し、リレー構造150は、ハウジング102と、1対のコンタクト104および106と、
図1Eに示すリレー構造内に含まれる残りの要素とを備える。この例では、リレー構造150は、
図2に示す例に関して上述したものと同じ温度センサ112を備え、温度センサ112は、プリント基板115と、プリント基板115に取り付けられたセンサ素子118と、そこから延びる電気端子(図示せず)とを備え、または無線による情報の受取りおよび/もしくは提供を行うように構成することができる。この例では、温度センサ素子は、ハウジング内の異なる場所に位置決めされ、具体的には1対のコンタクトの前に隣接して位置決めされる。この特定の例では、温度センサ素子は、両方のコンタクト104および106のパッド114および116の前に距離をあけて位置決めされる。
この例では、温度センサ素子は、コンタクトの長さに沿って延びる長手方向軸に直交および交差する平面に沿って位置決めされる。一例では、温度センサ素子は、それぞれのコンタクト104および106のパッド114および116から約0.5mm~約8mmをあけて位置決めされる。
【0020】
図5は、本明細書に開示する例示的なリレー構造160の切欠上面図を示し、リレー構造160は、ハウジング102と、1対のコンタクト104および106と、
図1Eに示すリレー構造内に含まれる残りの要素とを備える。この例では、ハウジング内に内部ハウジング構造に隣接して温度センサ162が位置決めされ、内部ハウジング構造は、既存ものとすることができ、または温度センサを取り付ける目的で形成、たとえば成形することができる。この例では、温度センサ162は、ハウジングの側部20から内方へ延びる内部ハウジング壁164に接合され、または他の方法で取り付けられ、コンタクト104および106のパッド114および116の前に距離をあけて位置決めされる。この特定の例の温度センサ162の特徴は、温度センサ162が、上述したタイプから選択されたセンサ素子の形態であり、基板PCボードなどを使わずにリレー構造に接合され、または他の方法で取り付けられていることである。
温度センサ162は、温度センサに電気的に接続して温度センサから出力信号を受け取る目的で、ハウジング102から延びる電気端子(図示せず)に電気的に接触することができ、または別法として、リレーからの無線による信号の受取りおよび/もしくは提供を行うように構成することができる。一例では、センサ素子は、トランスデューサとすることができる。この例では、温度センサ162は、1対のコンタクト104および106の前に、より具体的にはコンタクトの長さに沿って延びる長手方向軸に直交および交差する平面に沿って距離をあけて位置決めされる。
【0021】
例示的な実施形態では、温度センサ162は、コンタクトのすぐ前に距離をあけて位置決めされる。例示的な実施形態では、温度センサは、それぞれのコンタクト104および106のコンタクトパッド114および116から約0.5mm~5mm、および約0.1mm~1.5mmの距離をあけて位置決めされる。例示的な実施形態では、温度センサ素子は、コンタクトのパッドから約0.3mmをあけて位置決めされる。温度センサに対する配置距離が提供されているが、そのような距離は、リレーのタイプならびに使用されるセンサ素子の特定のタイプなどの要因に応じて変動しうるものであり、実際に変動することを理解されたい。
【0022】
図6は、本明細書に開示する例示的なリレー構造170の切欠上面図を示し、リレー構造170は、ハウジング102と、1対のコンタクト104および106と、それぞれのコンタクト104および106に接続された電気端子108および110と、
図1Eに示すリレー構造内に含まれる残りの要素とを備える。
図5に示す上記の例と同様に、この例では、
図5の例示的なリレー構造に関して説明したものと同じように温度センサ162が構成され、温度センサ162は、ハウジング(図示せず)から延びる電気端子に電気的に接続することができ、または別法としてリレーからの無線による信号の受取りおよび/もしくは提供を行うように構成することができる。温度センサは、ハウジング内に内部ハウジング構造に隣接して位置決めされ、内部ハウジング構造は、既存のものとすることができ、または温度センサを取り付ける目的で形成、たとえば成形することができる。
この特定の例では、温度センサ162は、ハウジングの側部20の内面に沿って延びる内部ハウジング壁172に接合され、または他の方法で取り付けられ、コンタクトのうちの一方の後ろに距離をあけて位置決めされる。この例では、温度センサ162は、静止コンタクト104の後ろに位置決めされている。一例では、温度センサ162は、コンタクト104の後面からセンサ162までの間で測定される
図5に示す例示的なリレー構造に関して上述したものと同じ距離パラメータの範囲内に位置決めすることができる。
【0023】
図7は、本明細書に開示する例示的なリレー構造180の切欠正面図を示し、リレー構造180は、ハウジング102と、1対のコンタクト104および106と、それぞれのコンタクト104および106に接続された電気端子108および110と、
図1Eに示すリレー構造内に含まれる残りの要素とを備える。
図5に示す上記の例と同様に、この例では、ハウジング(図示せず)から延びる電気端子に温度センサ162が電気的に接続され、または無線による信号の受取りおよび/もしくは提供を行うように構成することができる。温度センサ162は、ハウジング内に内部ハウジング構造に隣接して位置決めされ、内部ハウジング構造は、既存のものとすることができ、または温度センサを取り付ける目的で形成、たとえば成形することができる。
この特定の例では、温度センサ162は、ハウジングの上部14の内面182に接合され、または他の方法で取り付けられ、コンタクト104および106のパッド114および116の真下に距離をあけて位置決めされる。一例では、温度センサ162は、パッドからセンサまでの間で測定される約1~10mm、および約2~5mmをあけて位置決めすることができる。
【0024】
図8は、本明細書に開示する例示的なリレー構造190の切欠上面図を示し、リレー構造190は、ハウジング102と、1対のコンタクト104および106と、
図1Eに示すリレー構造内に含まれる残りの要素とを備える。この例では、ハウジング内に温度センサ192が位置決めされ、温度センサ192は、コンタクト104および106のうちの一方の構造に、たとえばプラズマ気相堆積プロセスなどによって形成することができ、接合することができ、または他の方法で取り付けることができる。この例の温度センサはコンタクトに直接取り付けられているが、そのような例で使用される温度センサは、トランスデューサとして形成することができ、すなわちコンタクト自体に形成することができ、またはコンタクト(形成後)に取り付けられる既存のパッケージもしくはトランスデューサとすることができることを理解されたい。
この例では、温度センサ192は、上述したタイプから選択されたセンサ素子の形態であり、温度センサに電気的に接続して温度センサから出力信号を受け取る目的で、ハウジング102から延びる電気端子(図示せず)に電気的に接触しており、またはリレー構造からの無線による信号の提供もしくは受取りを行うように構成される。一例では、センサ素子は、トランスデューサとすることができる(コンタクトに形成され、または既存のものであり、コンタクトに取り付けられる)。この例では、温度センサ182は、パッド114とは反対側で静止コンタクト104の後面184に取り付けられる。一例では、コンタクトパッド114は、パッドの一部分186がコンタクト104を貫通し、温度センサがコンタクトパッド自体の後部に取り付けられるように構成することができる。
そのように温度センサを取り付けることで、コンタクト温度の変化に対する応答の増大を促進させる。一例では、いくつかの使用用途のために、感知素子が接触面から電気的に分離されることが望ましいことがある。そのような電気的な分離は、それだけに限定されるものではないが、絶縁層の堆積、コンタクト上のコーティングもしくは膜、または高分子などの電気絶縁材料から形成された誘電体密閉容器もしくはケース内への感知素子の包装を含む様々な方法によって実現することができる。一例では、そのような手法は、熱絶縁を最小にしながら電気絶縁を最大にするように動作するはずである。
【0025】
図9は、本明細書に開示する例示的なリレー構造200の切欠上面図を示し、リレー構造200は、ハウジング102と、1対のコンタクト104および106と、
図1Eに示すリレー構造内に含まれる残りの要素とを備える。
図8に示す上記の例と同様に、この例では、ハウジング内に温度センサ182が配置され、ハウジング(図示せず)から延びる電気端子に電気的に接続され、または温度センサ182は、リレー構造からの無線による信号の受取りもしくは提供を行うように構成することができる。この例では、温度センサ182は、パッド116とは反対側で可動コンタクト106の後面202に取り付けられる。一例では、コンタクトパッド116は、パッドの一部分204がコンタクト106を貫通し、温度センサがコンタクトパッド自体の後部に取り付けられるように構成することができる。そのように温度センサを取り付けることで、コンタクト温度の変化に対する応答の増大を促進させる。
【0026】
図10は、本明細書に開示する例示的なリレー構造210の切欠正面図を示し、ハウジング102と、1対のコンタクト104および106と、
図1Eに示すリレー構造内に含まれる残りの要素とを備える。
図8に示す上記の例と同様に、この例では、ハウジング内に温度センサ182が配置され、ハウジング(図示せず)から延びる電気端子に電気的に接続され、または温度センサ182は、リレー構造からの無線による信号の受取りもしくは提供を行うように構成することができる。この例では、温度センサ182は、静止コンタクト104の一部分212にコンタクトパッド114から電気端子108の方へ距離をあけて取り付けられる。別法として、温度センサは、可動コンタクト106の一部分にコンタクトパッド116から距離をあけて取り付けることができる。
一例では、温度センサ182は、コンタクト104のコンタクトパッド114から約0.2mm~25mm、約0.5mm~19mm、および約0.8~10mmの距離をあけて位置決めされる。例示的な実施形態では、温度センサは、コンタクトのパッドから約1.3mmをあけて位置決めされる。温度センサに対する配置距離が提供されているが、そのような距離は、リレーのタイプならびに使用されるセンサ素子の特定のタイプなどの要因に応じて変動しうるものであり、実際に変動することを理解されたい。
【0027】
図2~
図10に示す本明細書に開示のリレー構造は、異なるタイプの温度センサおよびリレー内の温度センサの配置位置の使用を含む異なる実施形態の例を提供しているが、差分/勾配温度測定を提供する目的で、2つ以上の温度センサをリレー内に含むことが望ましいことがある。複数の温度センサの使用から得ることができるそのような差分/勾配温度測定は、コンタクト温度のほぼ瞬時の計算を提供するために望ましい。したがって、以下の例示的なリレー構造は、リレー構造内に配置された複数の温度センサを備えるそのような実施形態の参照の目的で提供される。
【0028】
図11は、
図8に示す例にある程度類似している例示的なリレー構造220の切欠上面図を示し、リレー構造220は、ハウジング102と、1対のコンタクト104および106と、
図1Eに示すリレー構造内に含まれる残りの要素とを備える。この例では、リレー構造は、ハウジング内に位置決めされた2つの温度センサ222および224を備え、温度センサ222および224は、コンタクト104および106のうちの一方の構造に、たとえばプラズマ気相堆積プロセスなどによって形成することができ、接合することができ、または他の方法で取り付けることができる。この例では、温度センサ222および224は、上述したタイプから選択されたセンサ素子の形態であり、温度センサに電気的に接続して温度センサから出力信号を受け取る目的で、ハウジング102から延びる1つまたは複数の電気端子(図示せず)に電気的に接触する。
別法として、温度センサ222および224は、リレー構造からの無線による信号の受取りおよび/または提供を行うように構成することができる。一例では、センサは、トランスデューサとすることができる。この例では、第1の温度センサ222は、パッド114とは反対側で静止コンタクト104の後面226に取り付けられる。一例では、コンタクトパッド114は、パッドの一部分228がコンタクト104を貫通し、温度センサがコンタクトパッド自体の後部に取り付けられるように構成することができる。第2の温度センサ224は、コンタクトの一部分230にパッド114から距離をあけて取り付けられる。一例では、第1の温度センサに対する第2の温度センサの配置位置は、使用されるセンサのタイプ、第1のセンサの特定の取付け点、ならびに使用されているリレーのタイプに応じて変動しうるものである。
一例では、両方のセンサがコンタクトに取り付けられている場合、2つのセンサ間の距離は、2つのセンサ間で測定される約1.5mm~20mm、約2mm~18mm、および約5mm~15mmとすることができる。例示的な実施形態では、第2の温度センサは、第1の温度センサから約10mmをあけて位置決めされる。
【0029】
図12は、
図9に示す例にある程度類似している例示的なリレー構造250の切欠上面図を示し、リレー構造250は、ハウジング102と、1対のコンタクト104および106と、
図1Eに示すリレー構造内に含まれる残りの要素とを備える。この例では、リレー構造は、ハウジング内に位置決めされた2つの温度センサ222および224を備え、温度センサ222および224は、コンタクト104および106のうちの一方の構造に、たとえばプラズマ気相堆積プロセスなどによって形成することができ、接合することができ、または他の方法で取り付けることができる。この例では、温度センサ222および224は、
図11に示す例に関して上述したものに類似の形態である。この例では、第1の温度センサ222は、パッド116とは反対側で可動コンタクト106の後面226に取り付けられる。
一例では、コンタクトパッド116は、パッドの一部分252がコンタクト106を貫通し、温度センサがコンタクトパッド自体の後部に取り付けられるように構成することができる。第2の温度センサ224は、コンタクトの一部分254にパッド116から距離をあけて取り付けられる。一例では、第1のセンサ配置位置と第2のセンサ配置位置との間の距離は、
図11に示す例に関して上述した距離パラメータの範囲内とすることができる。
【0030】
図13は、
図11に示す例にある程度類似している例示的なリレー構造260の切欠上面図を示し、リレー構造260は、ハウジング102と、1対のコンタクト104および106と、
図1Eに示すリレー構造内に含まれる残りの要素とを備える。この例では、リレー構造は、3つ以上の温度センサを備える。これらの温度センサは、コンタクト104および106のうちの一方の構造に、たとえばプラズマ気相堆積プロセスなどによって形成することができ、接合することができ、または他の方法で取り付けることができる。この例では、リレー構造は、
図11に示す例に関して上述したものに類似の形態である4つの温度センサ262、264、266、および268を備える。この例では、第1の温度センサ262は、パッド114とは反対側で静止コンタクト104の後面270に取り付けられる。
一例では、コンタクトパッド114は、パッドの一部分272がコンタクト104を貫通し、第1の温度センサがコンタクトパッド自体の後部に取り付けられるように構成することができる。第2の温度センサ264、第3の温度センサ266、および第4の温度センサ268は、コンタクト104のそれぞれの部分274、276、および278に、第1のセンサ262から増大する距離をあけて順次位置決めされ、これらのセンサはそれぞれ、互いに隔置される。一例では、第1のセンサと第2のセンサとの間、第2のセンサと第3のセンサとの間、第3のセンサと第4のセンサとの間の距離を等しくすることができる。しかし、そのような等距離のセンサ間隔は、使用されるセンサのタイプ、たとえばセンサがすべて同じであるか、それとも異なるか、およびリレーのタイプなどの要因に応じて当てはまらないことがあることを理解されたい。
また、
図13の例示的なリレー構造は、複数の温度センサが静止コンタクトに配置されることを示すが、そのような複数の温度センサを可動コンタクトに配置することもできることを理解されたい。一例では、複数のセンサが同じタイプであり、互いに等しく隔置された場合、隣接するセンサ間の距離は、約0.5mm~15mm、約1mm~10mm、および約2mm~5mmとすることができる。例示的な実施形態では、
図13に示すように、隣接する複数のセンサ間の距離は約3mmである。
【0031】
複数の温度センサを備える例示的なリレー構造を開示し、
図11~
図13に示したが、本明細書に開示する他のリレー構造の例が、
図11~
図13に示す例とは異なる形で位置決めまたは取付けまたは形成された複数の温度センサを備えることもできることを理解されたい。たとえば、リレー構造は、リレー構造の既存の内部構造に沿って位置決めされた複数の温度センサを備えることができ、かつ/またはリレー構造内のある場所に位置決めされたプリント基板などの部材もしくは基板に配置することができる。複数の温度センサを備えるそのような例示的な実施形態はすべて、本明細書に開示するリレー構造の範囲に入ることが意図される。