(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-25
(45)【発行日】2025-03-05
(54)【発明の名称】吸引カテーテル、システム、及びその方法
(51)【国際特許分類】
A61M 25/00 20060101AFI20250226BHJP
【FI】
A61M25/00 540
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020195765
(22)【出願日】2020-11-26
【審査請求日】2023-09-28
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515248931
【氏名又は名称】ニューラヴィ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ブレンダン・ケーシー
(72)【発明者】
【氏名】カール・キーティング
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド・ケリー
(72)【発明者】
【氏名】デビッド・ベイル
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-511126(JP,A)
【文献】特表2019-514648(JP,A)
【文献】特表2018-529495(JP,A)
【文献】米国特許第04822338(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルであって、
前記カテーテルの遠位端に又は前記遠位端に隣接して配設された遠位先端区分であって、前記遠位先端区分は、第1の構成と第2の構成との間で、カテーテル本体と前記遠位先端区分との間の移行部の周囲で反転可能である、遠位先端区分を備え、
前記カテーテルは、前記遠位先端区分を後退させることにより、前記遠位先端区分を前記第1の構成から前記第2の構成に、前記移行部の周囲で反転させるように構成され、
前記第2の構成は、前記移行部の直径よりも大きい直径を含む開いた漏斗様遠位口を有する拡張性先端部を備え
、
前記遠位先端区分は、開いた端部が近位側に向けられた前記第1の構成におけるキノコ形状区分から、前記開いた端部が遠位側に向けられた前記第2の構成の前記開いた漏斗様遠位口に反転されるように構成された複数の封止部材を備える、カテーテル。
【請求項2】
前記第1の構成及び前記第2の構成は、ガイドカテーテル又はシースの遠位にある前記遠位先端区分の拡張構成の一部である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記遠位先端区分の前記第1の構成は、所定の距離を後退させることによって、前記第2の構成に反転され、前記開いた漏斗様遠位口を形成するように構成されたキノコ形状の半球形区分を備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記キノコ形状の半球形区分は、前記第1の構成と前記第2の構成との間で他方の鏡像である、請求項3に記載のカテーテル。
【請求項5】
それぞれの封止部材は、前記第1の構成及び前記第2の構成において半球形状を含み、前記半球形状は、前記第1の構成と前記第2の構成との間で他方に実質的に対向する他方の鏡像である、請求項
1に記載のカテーテル。
【請求項6】
それぞれの封止部材は、前記第2の構成において別個の漏斗口に対応する、請求項
1に記載のカテーテル。
【請求項7】
それぞれの封止部材は、対応する血管壁との複数の封止層に対応する、請求項
1に記載のカテーテル。
【請求項8】
それぞれの封止部材は、それぞれの移行部を反転可能である、請求項
1に記載のカテーテル。
【請求項9】
それぞれの封止部材は、前記カテーテル本体に沿って選択的に離間している、請求項
1に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記遠位先端区分は、近位部分及び遠位部分を備え、前記遠位部分は、前記近位部分の直径よりも小さい直径を含み、前記近位部分の前記直径は、前記遠位部分の前記直径の少なくとも2倍である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記遠位先端区分は、近位部分及び遠位部分を備え、前記遠位部分は、前記近位部分の直径よりも小さい直径を含み、前記近位部分と前記遠位部分との間の前記遠位先端区分の外側表面は、湾曲しているか、又は別様に輪郭付けされている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記開いた漏斗様遠位口は、血管内の流動制限を低減させるか又は除去するために、処置中又は処置後に折り畳み可能である、請求項1に記載のカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年11月27日出願の米国特許仮出願第62/941,414号に対する優先権を主張するものであり、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、全般的には、血管内医療処置中に血管から急性閉塞を除去するための装置及び方法に関する。より具体的には、本開示は、吸引カテーテルに関する。
【背景技術】
【0003】
血塊回収カテーテル及び装置は、多くの場合、患者が急性虚血性脳卒中(AIS)、心筋梗塞(MI)、及び肺塞栓症(PE)などの状態に罹患している場合に、血管内介入のための機械的血栓除去に使用される。従来の技術では特に神経血管床へのアクセスは能力が試されるが、これは標的血管が細径であり、挿入部位に対して遠隔であり、かつ非常に蛇行しているためである。従来の装置は、多くの場合、プロファイルが大きすぎて、蛇行した血管をナビゲートするために必要な送達性及び可撓性に欠けるか、又は標的部位に送達されたときに血塊を除去するのに有効ではないかのいずれかである。
【0004】
血塊自体は、血管の形状を採る単純な管状構造から、一度に複数の血管にまたがり得る長いストランド状の配置にまで及ぶ、多数の複雑な形態及び一貫性を採ることにより、処置を複雑化し得る。血塊の年齢もまた、その伸展性に影響を及ぼし得、より古い血塊が、新鮮な血塊よりも圧縮性が低い傾向にある。経験的にも、血塊回収装置との相互作用の性質に応じて、血塊の機械的特性が有意な方法で影響され得ることも実証されている。更に、いくつかの機構は、血塊を血管壁に強く付着させる役割を果たす。脆弱な神経脈管血管を損傷することなくこれらの結合を破壊することは、重大な課題である。
【0005】
小さくかつ高度に分枝した脳動脈系への有効な装置の送達は、困難なままであり、従来の血塊回収カテーテルは、多数の欠点を抱えている。最初に、カテーテル自体の直径は、患者に著しい不快感を引き起こすのを避けるために十分に小さくなければならない。回収カテーテルはまた、経路に沿って滑らかな前進を提供するために軸方向の剛性も有する一方で、脈管構造をナビゲートして高いひずみに耐えるために十分に可撓性でなければならない。標的部位に達すると、身体から回収される典型的な物体は、カテーテルの先端よりも実質的に大きいサイズであり、先端内への物体の回収をより困難にする。例えば、堅固なフィブリンに富む血塊は、従来の固定口カテーテルの先端に詰まってしまうことがあるため、多くの場合に摘出することが困難であり得る。加えて、この詰まりにより、血塊の軟質部分が堅い領域から剪断されることがある。
【0006】
細径及び固定先端サイズはまた、処置時に血液及び血栓物質の除去に必要な吸引を誘導する際にも効率が悪い。吸引は、吸引又は機械的血栓除去装置の使用の結果として生じ得る任意の断片が、遠位血管を移動して閉塞することがないように静止状態に保持され得るように、十分強くなければならない。しかしながら、従来の固定口カテーテルで吸引するとき、吸引流のかなりの部分は、血塊が存在しないカテーテルの先端部に近位の血管流体に由来することになる。これは、吸引効率を著しく低下させ、血塊除去の成功率を低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
拡張する遠位先端又は構造を使用してこれらの課題を克服しようとする任意のカテーテル設計は、血塊を把持して、拡張状態で安定した径方向の力を加えるための強度を有する必要があるであろう。同構造はまた、折り畳まれた状態のとき、蛇行した脈管構造をナビゲートする際に与えられる重度の機械的ひずみに耐えるために、十分に可撓性かつ弾性である必要があるであろう。
【0008】
本解決策は、当該技術分野のこれらの問題及び他の問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、上述の必要性を満たすシステム、装置、及び方法を提供するように設計することである。したがって、吸引血塊回収カテーテルは、血塊の吸引効率及び容易な回収のために、血栓に面する口を有する一方で、標的部位への送達性のために、複数方向において低プロファイルかつ十分に可撓性である折り畳まれた状態を有することが望ましい。カテーテルの本体はまた、動作を容易にするために、既存の設計の上に送達可能性の改良を組み込むことができる。
【0010】
いくつかの実施例では、近位端及び遠位端を有するカテーテル本体を含む吸引カテーテルが開示される。遠位先端区分は、遠位端に又は遠位端に隣接して配設することができ、遠位先端区分は、第1の構成と第2の構成との間で、カテーテル本体と遠位先端区分との間の移行部の周囲で反転可能である。遠位先端区分を後退させることにより、遠位先端区分を第1の構成から第2の構成に、移行部の周囲で反転させ、第2の構成は、移行部の直径よりも大きい直径を有する開いた漏斗様遠位口を有する拡張性先端部を備える。
【0011】
いくつかの実施例では、遠位先端区分は、ガイドカテーテル内部に折り畳まれた構成を有する。
【0012】
いくつかの実施例では、第1の構成及び第2の構成は、ガイドカテーテル又はシースの遠位にある遠位先端区分の拡張構成の一部である。
【0013】
いくつかの実施例では、遠位先端区分は、第2の構成に反転されて、開いた漏斗様遠位口を形成するように構成されたキノコ形状の区分を備える。
【0014】
いくつかの実施例では、遠位先端区分は、第1の構成において血塊剪断を低減するように形成され、かつ構成されている。
【0015】
いくつかの実施例では、遠位先端区分は、第1の構成のキノコ形状区分から第2の構成の開いた漏斗様遠位口に反転されるように構成された複数の封止部材を含む。
【0016】
いくつかの実施例では、それぞれの封止部材は、第1の構成及び第2の構成において半球形状を含み、半球形状は、第1の構成と第2の構成との間で互いに実質的に対向する他方の鏡像である。
【0017】
いくつかの実施例では、それぞれの封止部材は、第2の構成において別個の漏斗口に対応する。
【0018】
いくつかの実施例では、それぞれの封止部材は、対応する血管壁との複数の封止層に対応する。
【0019】
いくつかの実施例では、それぞれの封止部材は、対応する移行部ごとに反転可能である。
【0020】
いくつかの実施例では、それぞれの封止部材は、カテーテル本体に沿って選択的に離間している。いくつかの実施例では、封止部材は、均等に離間している。いくつかの実施例では、封止部材は、互いにより接近して、又は更に離れて徐々に離間している。いくつかの実施例では、封止部材は、共通の長手方向軸線に沿って整列される。
【0021】
いくつかの実施例では、遠位先端区分は、近位部分及び遠位部分を備え、遠位部分は、近位部分の直径よりも小さい直径を有する。近位部分の直径は、遠位部分の直径の少なくとも2倍であり得る。遠位部分は、カテーテル本体の内側ルーメンと連続した開いた非外傷性端部を有することができる。近位部分と遠位部分との間にあり得る遠位先端区分の外側表面は、湾曲しているか、又は別様に輪郭付けすることができる。
【0022】
いくつかの実施例では、開いた漏斗様遠位口は、血管内の流動制限を低減させるか又は除去するために、処置中又は処置後に折り畳み可能である。
【0023】
いくつかの実施例では、血管から閉塞性血栓を吸引する方法が開示される。方法は、吸引カテーテルを少なくとも部分的にシース又は送達カテーテルの遠位に並進させることによって、吸引カテーテルの遠位先端区分を、折り畳まれた構成から第1の拡張構成に移動させることと、遠位先端区分を後退させて、遠位先端区分を、遠位先端区分とカテーテル本体との間の移行部の周囲で第2の拡張構成に反転させることであって、第2の構成は、移行部の直径よりも大きい直径を備える開いた漏斗様遠位口を有する拡張性先端部を備える、ことと、を含むことができる。
【0024】
いくつかの実施例では、方法は、本開示による吸引カテーテルを血管内の対象の位置に送達することを含む。
【0025】
いくつかの実施例では、方法は、遠位先端区分を通って吸引して、遠位先端区分の開いた漏斗様遠位口へと血栓を促すことを含む。
【0026】
いくつかの実施例では、方法は、第2の構成に反転されて、開いた漏斗様遠位口を形成するように構成されたキノコ形状区分を有する遠位先端区分を形成することを含む。
【0027】
いくつかの実施例では、方法は、第1の構成において血塊剪断を低減するように、遠位先端区分を整形することを含む。
【0028】
いくつかの実施例では、方法は、第1の構成において、遠位先端区分により血塊剪断を低減することを含む。
【0029】
いくつかの実施例では、方法は、第1の構成のキノコ形状区分から第2の構成の開いた漏斗様遠位口に、遠位先端区分の複数の封止部材を反転させることを含む。
【0030】
いくつかの実施例では、方法は、遠位先端区分のそれぞれの封止部材を反転させて、対応する漏斗様遠位口を形成することを含む。
【0031】
いくつかの実施例では、それぞれの封止部材は、第1の構成及び第2の構成において半球形状を有し、半球形状は、第1の構成と第2の構成との間で実質的に対向する他方の鏡像である。
【0032】
いくつかの実施例では、方法は、対応する血管壁と、それぞれの封止部材のそれぞれの封止層によって複数の封止層を封止することを含む。
【0033】
いくつかの実施例では、それぞれの封止部材は、それぞれの移行部の周囲で反転可能である。
【0034】
いくつかの実施例では、方法は、それぞれの封止部材をカテーテル本体に沿って選択的に離間させることを含む。
【0035】
いくつかの実施例では、方法は、血管内の流動制限を低減させるか又は除去するために、処置中に開いた漏斗様遠位口を折り畳むことを含む。
【0036】
いくつかの実施例では、方法は、血管内の流動制限を低減させるか又は除去するために、処置後に開いた漏斗様遠位口を折り畳むことを含む。
【0037】
本開示のその他の態様及び特徴は、以下の詳細な説明を添付の図と併せて考察することで、当業者には明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本開示の上記及び更なる態様は、添付の図面の以下の説明と併せて更に考察され、様々な図面において、同様の数字は、同様の構造要素及び特徴を示す。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、本開示の原理を例示することが重視されている。図は、限定としてではなく単なる例示として、本発明の装置の1つ以上の実装形態を描写している。当業者は、ユーザーの要望により良く合うように、複数の図面から要素を着想して組み合わせ得ることが期待される。
【
図1A】遠位先端区分が第1の構成である、本開示の1つの例示的なカテーテルの実施形態の拡大図である。
【
図2B】第1の構成の
図1A~
図1Bの例示的なカテーテルの中心線に沿って取られた拡大断面斜視図である。
【
図3A】第1の構成において中心線に沿って取られた第1の構成の
図1A~
図1Bの例示的なカテーテルの代替物の拡大断面斜視図である。
【
図4A】遠位先端区分が第1の構成である、本開示の別の例示的なカテーテルの実施形態の拡大図である。
【
図5】遠位先端区分が第1の構成である、本開示の別の例示的なカテーテルの実施形態の拡大図である。
【
図6】遠位先端区分が第1の構成である、本開示の別の例示的なカテーテルの実施形態の拡大図である。
【
図7A】遠位先端区分が第1の構成である、本開示の1つの例示的なカテーテルの実施形態の拡大断面図である。
【
図7B】遠位先端区分が第1の構成である、本開示の1つの例示的なカテーテルの実施形態の拡大断面図である。
【
図7C】遠位先端区分が第1の構成である、本開示の1つの例示的なカテーテルの実施形態の拡大断面図である。
【
図8A】遠位先端区分が第1の構成である、本開示の例示的なカテーテルの実施形態の拡大図である。
【
図8B】第2の構成の
図8Aの先端区分の区分B-Bの1つの例示的なショルダ区分の拡大図である。
【
図8C】第2の構成の
図8Aの先端区分の区分B-Bの1つの例示的なショルダ区分の拡大図である。
【
図8D】第2の構成の
図8Aの先端区分の区分B-Bの1つの例示的なショルダ区分の拡大図である。
【
図8E】第2の構成の
図8Aの先端区分の区分B-Bの1つの例示的なショルダ区分の拡大図である。
【
図9】血管内の治療部位に送達されている遠位先端区分が第1の構成である、本開示の1つの例示的なカテーテルの実施形態を示す図である。
【
図10】血管内の治療部位に送達されている遠位先端区分が第1の構成である、本開示の1つの例示的なカテーテルの実施形態を示す図である。
【
図11】血管内の治療部位に送達されている遠位先端区分が第1の構成である、本開示の1つの例示的なカテーテルの実施形態を示す図である。
【
図12A】血管内で血塊吸引処置中の遠位先端区分が第1の構成である、本開示の1つの例示的なカテーテルの実施形態の拡大図である。
【
図12B】血管内で血塊吸引処置中の第2の構成の
図12Aの先端区分の拡大図である。
【
図13】シース及びバルーンガイドカテーテルと共に使用される、遠位先端区分が第1の構成と第2の構成との間で移動することが示されている、本開示の1つの例示的なカテーテルの実施形態の概略図である。
【
図14A】遠位先端区分が第1の構成である、本開示の1つの例示的なカテーテルの実施形態の拡大斜視図である。
【
図14B】遠位先端区分が第1の構成である、
図14Aの例示的なカテーテルの拡大断面図である。
【
図14C】遠位先端区分が第1の構成である、
図14Aの例示的なカテーテルの実施形態の拡大断面図である。
【
図15A】遠位先端区分が第1の構成である、本開示の1つの例示的なカテーテルの実施形態の拡大斜視図である。
【
図15B】遠位先端区分が第1の構成である、
図15Aの例示的なカテーテルの背面斜視図である。
【
図16A】遠位先端区分が第1の構成である、本開示の1つの例示的なカテーテルの実施形態の拡大斜視図である。
【
図16B】遠位先端区分が第1の構成である、
図16Aのカテーテルの背面平面図である。
【
図16C】遠位先端区分が第1の構成である、
図16Aのカテーテルの拡大断面図である。
【
図16D】遠位先端区分が第1の構成である、
図16Aのカテーテルの別の拡大断面図である。
【
図17A】遠位先端区分が第1の構成である、本開示の1つの例示的なカテーテルの実施形態の拡大斜視図である。
【
図17B】遠位先端区分が第1の構成である、
図17Aの例示的なカテーテルの背面平面図である。
【
図17C】遠位先端区分が第1の構成である、
図17Aの1つの例示的なカテーテルの拡大断面図である。
【
図18A】遠位先端区分が第1の構成である、本開示の1つの例示的なカテーテルの実施形態の拡大断面図である。
【
図18B】遠位先端区分が第1の構成である、本開示の1つの例示的なカテーテルの実施形態の拡大断面図である。
【
図19A】遠位先端区分が第1の構成である、本開示の1つの例示的なカテーテルの実施形態の拡大断面図である。
【
図19B】第1の構成の
図19Aの先端部の区分C-Cの1つの例示的なショルダ区分の拡大図である。
【
図19C】遠位先端区分が第1の構成である、本開示の1つの例示的なカテーテルの実施形態の拡大断面図である。
【
図19D】第1の構成の
図19Cの先端区分の区分D-Dの1つの例示的なショルダ区分の拡大図である。
【
図20A】遠位先端区分が第1の構成である、本開示の1つの例示的なカテーテルの実施形態の拡大断面図である。
【
図20B】遠位先端区分が第1の構成である、本開示の1つの例示的なカテーテルの実施形態の拡大断面図である。
【
図20C】第1の構成の
図20Bの先端部の区分E-Eの1つの例示的なショルダ区分の拡大図である。
【
図20D】遠位先端区分が第1の構成である、本開示の1つの例示的なカテーテルの実施形態の拡大断面図である。
【
図20E】第1の構成の
図20Dの先端区分の断面F-Fの1つの例示的なショルダ区分の拡大図である。
【
図21A】遠位先端区分が第1の構成である、本開示の1つの例示的なカテーテルの実施形態の拡大断面図である。
【
図21B】第1の構成の
図21Aの先端区分の区分G-Gの1つの例示的なショルダ区分の拡大図である。
【
図22A】遠位先端区分が第1の構成である、本開示の1つの例示的なカテーテルの実施形態の拡大側面図である。
【
図22B】遠位先端区分が第1の構成である、本開示の1つの例示的なカテーテルの実施形態の拡大側面図である。
【
図22C】遠位先端区分が第1の構成である、本開示の1つの例示的なカテーテルの実施形態の拡大側面図である。
【
図22D】遠位先端区分が第1の構成である、本開示の1つの例示的なカテーテルの実施形態の拡大側面図である。
【
図22E】遠位先端区分が第1の構成である、本開示の1つの例示的なカテーテルの実施形態の拡大側面図である。
【
図22F】遠位先端区分が第1の構成である、本開示の1つの例示的なカテーテルの実施形態の拡大側面図である。
【
図22G】遠位先端区分が第1の構成である、本開示の1つの例示的なカテーテルの実施形態の拡大側面図である。
【
図23】遠位先端区分が第1の構成であり、例示的なルアーにより位置付けられた、本開示の1つの例示的なカテーテルの実施形態の側面図である。
【
図24A】遠位先端区分が第1の構成であり、例示的なルアーにより位置付けられた、
図23の例示的なカテーテルの実施形態の側面図である。
【
図24B】遠位先端区分が第2の構成であり、例示的なルアーにより位置付けられた、
図23の例示的なカテーテルの実施形態の側面図である。
【
図26】テーパロックを介して押込み装填されている、
図23~
図25Bの例示的なカテーテル及び先端区分の実施形態の分解側面図である。
【
図27A】テーパロックを介して押込み装填されている
図26の実施形態の分解側面図である。
【
図30】本開示の態様によるシステムを使用する方法を概説するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本開示の具体的な実施例が、ここで図面を参照して詳細に説明されるが、同一の参照番号は、機能的に類似又は同一の要素を示す。実施例は、限定された可撓性及び非効率的に誘導された吸引など、従来の固定口カテーテルに関連する欠陥の多くに対処する。
【0040】
本開示の解決策の目的の1つは、遠位に面する大きな口部を用いて局所的な流れの制限/停止の両方を提供することができ、脈管構造の蛇行した領域をナビゲートして閉塞性血塊に到達することができる、反転可能な拡張性カテーテルである。流動制限及び大型の先端部付き設計は、実質的により大きい吸引効率を提供する。かかる利点はまた、脳卒中の介入処置の場合において特に有益であり得、神経血管床内の血管は、特に小さく、かつ回路的であり、その結果、調整された軸方向及び曲げ剛性プロファイルは、もつれ及び結合を阻止することができる。カテーテルはまた、比較的低プロファイルのアクセスシース及び外側カテーテルと適合可能であり得、そのため(大腿部アクセスの場合)患者の鼠径部における穿刺創を容易かつ確実に閉鎖することができる。カテーテルはまた、内部及び/又は外部低摩擦ライナー、並びに支持構造体の周囲に配設された外側ポリマージャケット又は膜を特徴とすることができる。
【0041】
冠血管、肺血管、又は脳血管に関わらず、その中の様々な血管にアクセスすることは、周知の手順工程及び多数の従来の市販アクセサリ製品の使用を伴う。血管造影材料、回転止血弁、及びガイドワイヤなどのこれらの製品は、研究室及び医療処置において広く使用されている。これらの製品が、以下の説明において本開示のシステム及び方法と共に使用される場合、それらの機能及び正確な構成は、詳細には記載されない。
【0042】
図を参照すると、
図1Aは、遠位先端区分100が第1の構成の拡張状態である、本開示の1つの例示的な吸引カテーテル101の実施形態の拡大図を示す。その外側表面を含む区分100は、自己拡張性であり得、放射線不透過性のために織り合わされた白金のフィラメントと共にニチノールを含む柱体のフレームワークから作製することができる。しかしながら、区分100は、そのように限定されるものではなく、ポリマー単独から構築されることを含めて、必要に応じて又は要求に応じて、任意の材料又は材料の組み合わせを使用することができる。区分100はまた、内部及び/又は外部低摩擦ライナー、並びに支持構造体の周囲に配設された外側ポリマージャケット又は膜を特徴とすることができる。本開示の実施形態によれば、区分100が外側カテーテルの遠位にあり、脈管構造内の治療部位にある第1の構成では、区分100は、例示的なキノコ形状区分100により示されている。
【0043】
いくつかの実施例では、キノコ形状区分100は、近位部分103の直径よりも小さい直径を有する遠位部分105を含むことができる。いくつかの実施例では、部分103の直径は、部分105の直径の2倍であり得るが、部分103の直径は、必要に応じて又は要求に応じて部分105に対してより大きくてもよく、又はより小さくてもよい。部分105は、カテーテル101の内側ルーメン113と連続した開いた非外傷性端部であってもよい。部分105と部分103との間の区分100の外側表面の輪郭は、湾曲していてもよい。材料近位部分105は、先細にすることができる。
【0044】
図1Bの第2の構成では、区分100は、端部105(本明細書では、カテーテル本体117と区分100との間の「移行部」とも称される)の周囲で反転されていることが分かるが、端部105は、以前は遠位端であったが、ここでは第2の構成の区分100の近位端である。端部105に近位のカテーテル101の部分(例えば、区分100に近位のカテーテル本体)は、より弾性の区分100と比較してより堅固であり得るか、又は別様により剛性であり得、これにより、第1の構成と第2の構成との間の反転を可能にする。いくつかの実施例では、
図1Aに以前に示されている第1の構成の形状は、血管内部で区分100を後退させることにより、
図1Aのように、近位方向で所定の距離だけ半径方向外向きにテーパ状にすることと、
図1Bのように、遠位方向で半径方向外向きにテーパ状にすることとの間で切り替えて、
図1Bの第2の構成の形状に反転させることができる。いくつかの実施例では、区分100を所定の距離だけ後退させることにより、区分100を第1の構成と第2の構成との間で移行させる。第2の構成の区分100は、標的部位で展開されたときなどの漏斗様形状にサイズ決めされ、かつ構成されることができ、区分100は、拡張して、内側血管壁と非外傷的に接触し、血塊Cを吸引し、かつ受容するための最大限可能な開口部を提供する。
【0045】
部分105上又は部分105に近位の区分は、区分100が第2の構成の所定の漏斗様形状を形成する際に、送達及び反転中に自己拡張及び/又は反転を誘導するために、部分103上又は部分103に近位の部分よりも柔軟であってもよい。漏斗形状を組み込むことによって、血塊は、カテーテルを通って吸引シリンジ又はキャニスタ内に完全に吸引され得るように、回収中により小さい直径まで徐々に圧縮され得る。血塊が区分100の口部114内に留まるようになる場合、口部114は、血塊を保護し、吸引吸い込みが維持されて、カテーテル101がシース又は外側カテーテル内に後退する際に血塊が外れるのを防止することができる。
【0046】
いくつかの実施例では、カテーテル101及びその区分100は、0.090”未満、より理想的には0.087”未満、最も好ましくは0.085”未満の内径を有するシース又はガイドを通過するように構成することができる。いくつかの実施例では、カテーテル101及びその区分100は、低送達プロファイル(例えば、約0.080”又は2mm)を有することができ、更に、その遠位口を、血塊が位置する血管のサイズに拡張することができ、これは5mmの大きさであり得る。理想的な区分100は、その口部114を少なくとも3mmの直径まで拡張することができる。いくつかの実施例では、カテーテル101は、処置中又は処置後に口部114を折り畳むことができ、それにより、任意の流動制限を低減させるか又は除去し、血液及び/又は造影剤を遠位脈管構造に到達させることができる。
【0047】
第1の構成及び/又は第2の構成における区分100は、構成に応じて、血塊が位置する対応する血管の内径とほぼ等しいか、又はそれよりもわずかに大きいように、設計することができる。区分100はまた、可撓性膜又はカバー(例えば、その周囲に配設され、先端フレームワークのプロファイルを呈するように伸張されたポリマー膜)を含むことができる。いくつかの実施例では、膜は、漏斗形状を採用するようにフレームと共に拡張することができる高弾性材料であり得るか、又は、送達のためのそのプロファイルを低減するために、オーバーサイズの漏斗形状で開始して、ひだ付きにするか又はひだ折りされて又は折り目を付けて形成されてもよい。いくつかの実施例における膜は、フレームに接合されてもよく、又はフレームの周囲に巻き付けられてもよく、又はフレームの上に部分的にひだ折りされてもよい。好適な膜材料としては、理想的にはショア硬度が40A以下のクロノプレンなどの弾性ポリウレタン、又はシリコーンエラストマーを挙げることができる。
【0048】
いくつかの実施例では、部分105が対応する送達カテーテルの遠位かつ/又は外へ移動する際に、区分100は、第1の構成への拡張を開始することができる。次いで、区分100は、区分100を作動させ、部分103の周囲で部分105を反転させることによって、第2の反転漏斗構成に移動することができる。
【0049】
いくつかの実施例では、区分100は、部分105を破断するか、又は折ることによって第2の構成へと反転し始めることができる。用語「破断部」及び/又は「スナップ部」は、本明細書では、第1の構成と第2の構成との間の反転を容易にし、かつ/又は捻れを回避する区分100の領域を含む。破断部は、区分100の他の領域に対する物理的特性の1つ以上の局所的変化(例えば、可撓性の増加、予弱化領域など)を含むことができる。いくつかの実施例では、部分105に関連する破断部は、カテーテル101が平行移動した後、又は別様に所定の距離だけ後退させられた後に反転及び/又はひだ折りが生じるように、区分100のフレームワークに形成されてもよい。いくつかの実施例では、部分105の破断部は、局所的な熱処理を含んで、領域近位部分105がより延性であるが、よじれを防止するようであってもよい。いくつかの実施例では、区分100は、血塊Cと接触すると反転してもよい。
【0050】
第2の構成及び/又は第1の構成の区分100が、図示されるような半球形状とするか、又は必要に応じて又は要求に応じて、楕円体、ハート形状、卵形、円筒状、半球形状、若しくは任意の他の漏斗様形状など、他の任意の形状とすることができる点も理解されよう。例えば、区分100は、第1の構成のイヤホン及び第2の構成の漏斗のような形状であり得る。
【0051】
図2Aは、第1の構成の
図1A~
図1Bの拡大斜視図カテーテル101である。
図2Bは、第1の構成の
図1A~
図1Bのカテーテル101の中心線に沿って取られた拡大断面斜視図である。図に示すように、区分100は、前述のように直径の変化を有する部分103、105を含み、区分100を含むカテーテル101を通って連続的に延びるルーメン113を有する、前述のキノコ形状を形成する。区分100は、次に、部分105に近接する1つ以上の補強ショルダ区分107を用いて覆いかぶせることができる。1つ以上のショルダ区分107は、より厚くすることができるか、又は可変の厚さを有することができる(例えば、端部105において、又は端部105に隣接してはより薄いが、区分100がカテーテル本体117と接合する端部105の近位では比較的厚い)。
【0052】
図3Aは、第1の構成の拡大断面斜視図代替的なカテーテル101’である。
図3Bは、
図3Aの区分A-Aの拡大図である。図に示すように、区分100は、部分105に近接する1つ以上の補強ショルダ区分107を用いて覆いかぶせることができる。図に示すように、この図示された実施形態の区分107は、部分105に隣接するより狭い区分から、区分107が本体117’と接合するより厚い区分に向かって、先細になり得る。本明細書ではスカイビング加工された外側ジャケットを含むことができる本体117’は、内側ライナー115を含むことができる。ライナー115は、いくつかの実施例では、PTFEライナー及び/又はストライク層を含むことができる。この点において、スカイビング加工された外側ジャケットは、コイル、編組、又はレーザー切断チューブ支持部材上にリフロー処理することができる。PTFEライナーは、示すように、リフロー処理された区分の上に結合されてもよく、又はスカイビング加工された外側ジャケットは、編組、コイル、又はレーザー切断チューブ自体を通ってリフロー処理されてもよく、これは次いで、下にはみ出して重なる外側ジャケットの必要性を排除することができる。
【0053】
使用(例えば、血塊回収中の血塊の吸引)中に区分100の所望の剛性及び/又は屈曲特性のために1つ以上のコイル部材119もまた含まれてもよい。コイル部材119は、同じ屈曲特性を含むことができ、等しく離間させることができる。他の実施例では、コイル部材119は、処置部位又は操作の必要に応じて又は要求に応じて、可変屈曲特性及び/又はコイル部材間の間隔を含むことができる。コイル部材119及びライナー115と連通してジャケット116もまた含まれてもよい。例えば、コイル部材119は、一般にジャケット116によって内部に配設され、入れ子式にされ、埋め込まれ、かつ/又は包囲されてもよい。いくつかの実施例では、ジャケット116は、リフロー処理されたポリマージャケットを含むことができる。
【0054】
図4Aは、前述のようにカテーテル101及び区分100と同様である、遠位先端区分400が第1の構成において拡張状態である、本開示の1つの例示的な吸引カテーテル401の実施形態の拡大図を示す。しかしながら、この実施例では、区分400は、
図4Aに示されるように、第1の構成の二重キノコ形状及び/又は反転可能な半球形状を含み、
図4Bに示されるように、第2の構成の二重漏斗を含む。この実施例の二重構成は、対応する血管壁との複数の連続層の封止を達成するように構成される。
図4A~
図4Bに示す拡大矢印は、それぞれの図示された構成に対する例示的な吸引流れ方向(複数可)を示す。いくつかの実施例では、順次配置された図示のそれぞれの封止部材432、434は、複数の連続層の封止を集合的に達成することができる。遠位封止部材432は、遠位部分405及び近位部分403を含むことができ、近位封止部材434は、遠位部分425及び近位部分423及び対応する開いた端部424を含むことができる。部材432は、近位封止部材434の直径よりも小さい直径を含み得る。しかしながら、
図4A~
図4Bの第1の構成及び第2の構成の両方において、封止部材432、434の部分403及び423の直径はそれぞれ、カテーテル本体417の外径よりも大きい。
【0055】
封止部材432、434は、部分405及び425の周囲でそれぞれ反転するように、特定の実施例では、ほぼ同時に、順番に(例えば、部材434の前に部材432が、又はその逆に)、又は操作者によって制御される対応する作動システムによって手動で反転させるように構成することができる。いくつかの実施例では、封止部材432、434は、ガイドシース又は送達カテーテルのサイズがバルーンガイド寸法と比較して最大化できるように、前進のためにガイドシース又は送達カテーテル内で圧縮されたときにそれぞれが重なり合わないように、選択的かつ/又は連続的に離間させることができる。部材432、434のそれぞれはまた、前述のように、区分100と同様に、第2の構成に反転させることができる。
【0056】
図5は、
図4A~
図4Bと同様に、複数の封止部材532、534、536を備える遠位先端区分500が第1の構成である、本開示の別の例示的なカテーテル501の実施形態の拡大図である。図に示すように、部材532、534、536は、様々な直径を含むことができ、第1の構成及び第2の構成の両方において、直径は、近位に最大であり、最小直径を有する部材532へと遠位に徐々に変化する。
【0057】
図示されるような様々な直径により、区分500は、広範囲の血管直径、並びに対応する血管との封止を維持するための冗長性の増加を可能にする。部材532、534、536の直径は、必要に応じて又は要求に応じて変更することができる。例えば、部分533に関連する部材536の外径は、部分523における部材534の直径の2倍であり得、これは次いで、部分503における部材532の直径の2倍であり得る。しかしながら、解決策はそのように限定されず、部材532、534、536の直径及び/又は間隔は、必要に応じて又は要求に応じて変化することができる。更に、
図5には3つの部材532、534、536のみが示されているが、必要に応じて又は要求に応じて、より少ない封止部材又はより多い封止部材が企図される。部材532、534、536のそれぞれはまた、先に示して説明したように、区分100と同様に、第2の構成に反転させることができる。
【0058】
図6は、遠位先端区分600が第1の構成である、本開示の別の例示的なカテーテル601の実施形態の拡大図である。図に示すように、区分600は、様々な直径を含むことができ、折り目又は破断部606は、より大きな直径の遠位部分605と近位部分603との間に位置付けられて、連続した部分的な真珠様形状区分600を形成する。折り目又は破断部606は、(
図4A~
図4Bに示すような多封止手法又は
図5の複数の様々な直径の封止部材ではなく)単一の密封部材形状を使用して、広範囲の血管の直径で対応する血管壁に対して封止することを可能にすることができる。部分603、605の直径は、必要に応じて又は要求に応じて変化させることができる。部分603、605のそれぞれはまた、前述のように区分100と同様に、第2の構成に反転させることができる。
【0059】
図7Aは、1つ以上の長手方向チャネル、溝、隆起部、及び/又は凹部を有する、第1の構成の1つの例示的な遠位先端区分の実施形態の拡大断面図である。これらの特徴は、図示された先端区分を形成し、使用中に第2の構成におけるその漏斗形状を有するように構成することができる。
図7Aに図示された実施形態はまた、半径方向の力、対応するカテーテル及び遠位先端区分の押し込み性を向上させることができ、また、外側シースを通して後退させたときに特定のひだ折りパターンを開始するのを補助することができる。
【0060】
図7Bは、同様の先端区分を示すが、螺旋形状の(又は別様にねじれた)チャネル、溝、隆起部、及び/又は凹部を有する。
図7Cは、同様の先端区分を示すが、円周方向にリング形状のチャネル、溝、隆起部、及び/又は凹部を有する。
図7A~
図7Cの図示された実施例のうちのいずれかが、それ自体によって、又は図示された例示的なチャネル、溝、隆起部、及び/若しくは凹部、並びにカテーテル及び本開示の対応する先端区分と共に使用するために企図される他の特徴のうちの1つ以上と組み合わせて使用することができることが理解される。
図7A~
図7Cに図示された区分はまた、封止部材が反転されていない場合に血塊剪断を低減するように、遠位口に小型漏斗開口部を含むことができる。
【0061】
図8Aは、遠位先端区分が第1の構成である、本開示の例示的なカテーテルの実施形態の拡大図である。
図8B~
図8Eは、遠位部分805における又は遠位部分805に隣接する例示的なショルダ区分の拡大図を示す。より具体的には、
図8B~
図8Eのショルダ区分は、実質的に細長いカテーテル本体817から部分805への移行区分を含むことができる。カテーテル101について先に参照したように、この移行部は、第1の構成から第2の構成の漏斗形状への反転のための力を低減する屈曲機構(例えば、薄い領域、1つ以上の凹部、1つ以上の折り目、1つ以上の破断部など)を含むことができる。他の実施例では、移行部は、1つ以上の補強要素(例えば、リブ、強化されたショルダ区分などの厚化領域、より堅固な又はより剛性の材料など)を含むことができる。1つ以上の補強要素は、真空下での区分800の折り畳みに対する弾力性を増大させるように構成することができる。区分800の厚さは、血管壁と接触する最も外側の部分が超軟質であり、管状部分に近い内側の部分がより硬く、真空下での折り畳みに抵抗するように、径方向外側に向かって先細になるにつれて変化させることができる。
【0062】
図9は、血管V内の血塊Cに送達されている先端区分900が第1の構成である、1つの例示的なカテーテル901の実施形態を示す。図に示すように、区分900と血塊Cとの間の血液は、血管内の大きな矢印によって示され、カテーテル901を通って近位に流れる。カテーテル901の近位端は、開閉を切り替えることができるポート950を含んでもよい。開かれると、ポート950は、カテーテル901が前進するにつれて、ポート950に隣接する大きな矢印によって示されるが、区分900と血塊Cとの間に閉じ込められた流体が逃げることを可能にする。そうでない場合、閉じられると、区分900(及びその対応する封止部材(複数可))は、血管V内でピストンのように作用し、血塊Cを遠位に移動させることができる。
図9では、区分900が周囲の血管Vよりも小さくなり得るため、血液が区分900の周りを流れることができることが理解される。しかしながら、ポート950は、区分900の周りの流れを可能にするために低減することができる。ポート950は、区分900が血管Vを封止し、遠位に前進するときに有利である。
【0063】
図10は、血塊Cに送達されている先端区分1001が第1の構成である、1つの例示的なカテーテル1000の実施形態を示す。図に示すように、区分1001とその封止部材と血塊Cとの間で、血液は、血管内部の矢印で示されるように、細孔1060を通って近位に、カテーテル1000と血管Vとの間を流れる。付与されると、吸引を血塊Cに方向づけるように、十分な所定の割合の閉塞を有しながら、血塊Cを遠位に押すことを回避するように、先端区分1001が前進すると、細孔1060は、区分1001内に選択的にサイズ決めされ、かつ/又は位置付けられて、所定の割合の血液が近位に流れることを可能にする。更に、先端区分1001が反転されて第2の構成で漏斗を形成すると、細孔1060は、最大吸引を可能にするように閉じることができる。
【0064】
図11は、血塊Cに送達されている先端区分1101が第1の構成である、1つの例示的なカテーテル1100の実施形態を示す。図に示すように、区分1101とその封止部材と血塊Cとの間で、血液は、一方向弁1170を通って近位に流れる。弁1170は、区分1101の近位のカテーテル1100上に形成されるか、又は別様に位置付けることができる。
図11には1つのバルブ1170のみが示されているが、必要に応じて又は要求に応じて、より多くのバルブを使用してもよく、含んでもよい。いくつかの実施例では、1つ以上の弁1170は、吸引中に閉じて、血塊Cの面に真空を向けるように構成することができ、区分1101が血管V内でその第1の構成で前進させられて、血液が区分1101の近位の血管に流れるように開くように構成することができる。
【0065】
図12Aは、血管V内の血塊吸引処置中の遠位先端区分1200が第2の構成である、1つの例示的なカテーテル1201の実施形態の拡大図である。
図12Bは、血管V内の血塊吸引処置中の第2の構成の拡大図区分1200である。区分1200は、その第1の構成又は第2の構成の両方又はいずれかをプランジャとして使用することができる。いくつかの実施例では、近位ポート1250は、血塊Cを妨害しないように、治療位置への前進中に開くことができる。血塊Cに到達した後、ポート1250は、血塊Cを血管Vから除去し、吸引を加える前及び/又は血塊Cを除去する前に任意の接着力を破断するために、先端区分1200を反復運動で前進かつ後退させることができるように、閉じることができる。
【0066】
いくつかの実施例では、カテーテル1201の先端区分1200は、所定の距離だけ後退され、反復運動で前進されて、血塊Cを血管Cから近位方向及び遠位方向に除去するように構成されている。いくつかの実施例では、カテーテル1201の先端区分1200は、第2の構成の図示された漏斗様形状に反転するように後退されて、血塊Cを血管Vから近位方向にのみ除去するように構成されている。いくつかの実施例では、カテーテル1201の先端区分1200は、第2の構成から第1の構成に戻るように前進されて、血管Vから遠位方向に血塊Cを除去するように構成されている。
【0067】
図13は、先端区分1300がシースS及びバルーンガイドカテーテルBと共に使用される第1の構成及び第2の構成(破線)で示されている、本開示の別の例示的なカテーテル1301の概略図である。図示するように、先端区分1300は、外側バルーンB及び/又はシースSを通って前進されて、内部頸動脈(ICA)内のn閉塞などの治療部位に到達することができる。プロファイルを最小化するために、先端区分1300は、第2の構成(例えば、漏斗様形状)に反転させ、かつ/又はガイドシースS内に挿入する前に円周方向に巻き付けることができる。反転された、かつ/又は巻き付けられた先端区分1300がICA内のガイドシースSから出る際に、区分1300は、血管壁Vを把持し、血塊Cの面に遠位に前進しながら、その第1の構成の形状に戻ることができる。次いで、第1の構成の区分1300をわずかに後退させて、吸引の前に第2の構成の漏斗様形状に反転させることができる。あるいは、先端区分1300によって覆われた先端部の管状区分1317(例えば、前述の実質的に細長いカテーテル本体区分)は、第1の構成の先端区分1300及び管状1317区分が、外側ガイドシースSを通る低プロファイルの前進のために圧縮することができるように、圧縮可能であってもよい。
【0068】
カテーテル1301を含む本明細書に開示されるカテーテルのいずれかはまた、1つ以上のステントレトリーバを用いて使用することができ、これらは、米国特許出願第16/021,505号並びに米国特許第10,292,723号、同第10,299,811号、同第10,363,054号、同第8,777,976号、同第8,852,205号、同第9,402,707号、同第9,445,829号、及び同第9,642,639号に更に明確に記載されている特徴を含むものとして、理解され得る。本明細書に開示されるカテーテルのいずれもまた、血塊面に吸引真空を向けることもできるが、一方、ステントレトリーバは、(脆砕性領域及びフィブリンに富む領域から構成される)複合血塊を、塞栓を防止しながら保持し、血塊が血管壁から除去するのを補助することができる。第2の構成の先端区分1300の漏斗様形状を介した組み合わされたステントレトリーバの後退及び吸引は、共に作用して、血塊Cを除去する際の最初の通過の成功の可能性を増加させることができる。いくつかの実施例では、先端区分1300の漏斗様形状は、カテーテル1301への進入時の血塊の剪断を低減し、流れを停止して、新しい領域の塞栓から遠位血管を保護することができ、また、ステントレトリーバが(脆砕性領域及びフィブリンに富む領域から構成される)複合血塊を、塞栓を防止しながら保持し、血塊を血管壁から脱落させるのを補助しながら、吸引真空を血塊面に向けることができる。
【0069】
図14Aは、1つ以上の外側リブ1420を有する遠位先端区分1400が第1の構成である、1つの例示的なカテーテル1401の実施形態の拡大斜視図である。図示するように、外側リブ1420は、区分1401の外側表面に沿って半径方向に、外側に突出する1つ以上の軸方向に位置付けることができ、区分1400の近位部分1403と遠位部分1405との間に延びることができる。1つ以上のリブ1420は、構造的一体性を維持する一方で、区分1400を通過するために折り畳まれる必要がある材料の体積を最小化するように構成することができる。
図14Bは、リブ1420間の区分1400の一部分に沿って取られた断面図を示し、
図14Cは、1つ以上のリブ1420のうちの1つに沿って取られた区分1400の断面図を示す。
【0070】
図に示すように、
図14Cのリブ1420は、区分1400の非リブ部分よりもかなり厚い(例えば、少なくとも2倍厚い)断面を含む。いくつかの実施例では、リブ1420は、部分1403で又は部分1403に隣接して最大幅を含むことができ、そこから部分1405に向かってより小さい幅へと先細にすることができる。しかしながら、他の実施例では、リブ1420は、全体にわたって比較的一定の厚さ及び/又は幅を含むことができる。図示するように、先端区分1400は、必要に応じて又は要求に応じてより少ない数又はより多い数のリブ1420を有するが、半径方向に整列した6つのリブ1420を含むことができる。
【0071】
図15Aは、1つ以上の内側リブ1520を有する遠位先端区分1500が第1の構成である、1つの例示的なカテーテル1501の実施形態の拡大斜視図である。図示するように、リブ1520は、区分1501の内側表面に沿って半径方向に、内側に突出する1つ以上の軸方向に位置付けられた内側リブ1520であり得、区分1500の近位部分1503と遠位部分1505との間に延びることができる。有利には、図示されかつ説明されるように位置付けられたリブ1520は、それぞれ、前進及び吸引中に血管及び血塊に対して比較的滑らかな境界面を提供する。1つ以上のリブ1520は、構造的一体性を維持する一方で、区分1500を通過するために折り畳まれる必要がある材料の体積を最小化するように構成することができる。
【0072】
図15Bは、区分1500の背面斜視図を示す。図に示すように、
図15Bのリブ1520は、区分1500の非リブ区分よりもかなり厚い(例えば、少なくとも2倍厚い)断面を含む。いくつかの実施例では、リブ1520は、部分1503で又は部分1503に隣接して最大幅を含むことができ、そこから部分1505に向かってより小さい幅へと先細にすることができる。しかしながら、他の実施例では、リブ1520は、全体にわたって比較的一定の厚さ及び/又は幅を含むことができる。図示するように、先端区分1500は、必要に応じて又は要求に応じてより少ない又はより多くの数のリブ1520を有するが、半径方向に整列した3つのリブ1520を含むことができる。
【0073】
図16Aは、1つ以上の内側リブ1620を有する遠位先端区分1600が第1の構成である、1つの例示的なカテーテル1601の実施形態の拡大斜視図である。
図16Bの背面平面図でより明確に示されるように、リブ1620は、区分1600の内側表面に沿って半径方向に、内側に突出する1つ以上の軸方向に位置付けられた内側リブ1620であってもよく、区分1600の近位部分1603と遠位部分1605との間に延びることができる。有利には、図示されかつ説明されるように位置付けられたリブ1620は、それぞれ、前進及び吸引中に血管及び血塊に対して比較的滑らかな外側表面境界面を提供する。リブ1620は、
図16C及び
図16Dにおいてより明確に示されるように、最大直径の材料の体積を最小に保つことができるように、リブ1620が、(例えば、吸引及び血塊相互作用力が最も高いカテーテル1601の口に近い)最も必要とされる区分1600の外側プロファイルの完全性を維持するように構成することができるように、部分的に形成することができる。
【0074】
図16C及び
図16Dにおいて具体的に示すように、リブ1620は、区分1600の非リブ部分よりも厚い断面を含むことができる。いくつかの実施例では、リブ1620は、部分1603で又は部分1603に隣接して最大幅を含むことができ、そこから部分1605に向かってより小さい幅へと先細にすることができる。しかしながら、他の実施例では、リブ1620は、全体にわたって比較的一定の厚さ及び/又は幅を含むことができる。図示するように、先端区分1600は、半径方向に整列された6つのリブ1620を含むことができる。しかしながら、区分1600はそのように限定されず、必要に応じて又は要求に応じて、より少ない又はより多くのリブ1620を含むことができる。図示されたリブ1620は、等しく離間して示されているが、それらは様々な間隔で位置付けることができることが企図される。
【0075】
図17Aは、1つ以上の内側リブ1720を有する遠位先端区分1700が第1の構成である、1つの例示的なカテーテル1701の実施形態の拡大斜視図である。
図17Bの背面平面図でより明確に示されるように、リブ1720は、区分1700の内側表面に沿って半径方向に、内側に突出する1つ以上の軸方向に位置付けられた内側リブ1720であってもよく、区分1700の近位部分1703と遠位部分1705との間に延びることができる。有利には、図示されかつ説明されるように位置付けられたリブ1720は、それぞれ、前進及び吸引中に血管及び血塊に対して比較的滑らかな外側表面境界面を提供する。
図17Cにおいてより明確に示されるように、最大直径の材料の体積を最小に保ち、リブ1720が、(例えば、吸引と血塊の相互作用力が最も高いカテーテル1701の口に近い)最も必要とされる区分1700の外側プロファイルの完全性を維持するように構成され得るように、リブ1720を部分的に形成することができる。
【0076】
区分1700は、血管内で使用中に区分1700の近位の位置から遠位の位置までに制御された方法で血流が通過することを可能にする、遠位部分1705上又は遠位部分1705に隣接して配設された1つ以上の開口部1722を含んでもよい。1つ以上の開口部1722は、血管の長さが封止された区分1700と封止された血塊との間にある場合、血液の一部が開口部1722を通って流れることを可能にすることによって、高い吸引下で血管の潰れを防止するように構成される。1つ以上の開口部1722はまた、外側カテーテルを通って前進する間の空気吸い込みに対して、かつ血管を通って前進するときの血液の遠位変位に対して、軽減することができる。1つ以上の開口部1722は、リブ1720から分離することができ(例えば、隣接するリブ1720間に半径方向に配置することができ)、かつ/又は遠位部分1705における若しくは遠位部分1705に隣接するリブ1720のうちの1つ以上に含まれてもよい。
【0077】
図18Aは、遠位先端区分1800が第1の構成にある、1つの例示的なカテーテル1801の実施形態の拡大斜視図である。図示された例示的な区分1800は、遠位部分1805で又は遠位部分1805に隣接して比較的薄い壁を有する血管内で封止するように構成されているため、遠位部分1805のすぐ近位の部分1813は、比較的より厚い。部分1803と部分1805との間の壁は、部分1805で又は部分1805に隣接して画定されたショルダ部よりも厚くてもよく、これは次いで、区分1800の折り畳み性及びその外径の全体的な剛性を補助する。
【0078】
図18Bは、遠位先端区分1900が第1の構成にある、1つの例示的なカテーテル1901の実施形態の拡大斜視図である。図示された例示的な区分1900は、遠位部分1905で又は遠位部分1905に隣接して比較的薄い壁を有する血管内で封止するように構成され、部分1903で又は部分1903に隣接してより薄くなるように先細となるため、遠位部分1905のすぐ近位の部分1913は、比較的より厚くなる。部分1903と部分1905との間の壁は、比較的より薄くして、カテーテル1901の全体的な剛性のために、部分1917に沿って比較的より厚い壁を有する区分1900の折り畳み体積を低減することができる。
【0079】
図19Aは、遠位先端区分2000が第1の構成にある、1つの例示的なカテーテル2001の実施形態の拡大斜視図である。
図19Bは、
図19Aの先端区分の区分C-Cの例示的なショルダ区分の拡大図である。図示された例示的な区分2000は、遠位部分2005で又は遠位部分2005に隣接して比較的薄い壁を有する血管内で封止するように構成され、遠位部分2005のすぐ近位の部分2013が比較的より厚くなるように、遠位部分2005の外側湾曲表面上に配置された部分2005aを含む。部分2003と部分2005との間の壁は、部分2005で又は部分2005に隣接して画定されたショルダ部よりも比較的より薄いままであってもよく、これは次いで、区分2000の折り畳み性及びその外径の全体的な剛性を補助する。区分2000は、1種以上の形状記憶合金材料のニチノール編組又は編組みされた区分などの1つ以上の支持構造体を含むことができ、これらは共に、比較的強い半径方向の支持及び対応する血管封止能力を有する比較的大きな近位に延びる半径を含むことができる。
【0080】
図19Cは、遠位先端区分2100が第1の構成にある、1つの例示的なカテーテル2101の実施形態の拡大斜視図である。
図19Dは、
図19Cの先端区分の区分D-Dの例示的なショルダ区分の拡大図である。図示された例示的な区分2100は、遠位部分2105で又は遠位部分2105に隣接して比較的より厚い壁を有する血管内で封止するように構成されているため、区分2101は、血管内で遠位に前進される前に最初に遠位に反転されるはずである。部分2103と部分2105との間の壁は、同様に比較的厚くすることができる。更に、区分2101がカテーテル2101の口の上で短い距離のみ近位に延びるため、区分2100は、前進のために容易に反転され、反転を可能にするのに十分な大きさの血管内のカテーテルから覆われていない状態に一度に容易に反転することができる。区分2100のより厚い壁はまた、材料がその形成された形状に向かって付勢するのを補助する。
【0081】
図20Aは、「ベル」形状及び比較的薄い外側膜を有する遠位先端区分2200が第1の構成である、1つの例示的なカテーテル2201の実施形態の拡大斜視図である。図示された例示的な区分2200は、遠位部分2205で又は遠位部分2205に隣接して比較的薄い壁を有する血管内で封止するように構成されているため、遠位部分2205のすぐ近位の部分2213は、比較的より厚い。部分2203と部分2205との間の壁は、部分2205で又は部分2205に隣接して画定されたショルダ部よりも薄いままであってもよく、これは次いで、区分2200の折り畳み性及びその外径の全体的な剛性を補助する。
【0082】
図20Bは、「ベル」形状及びそれに沿って様々な厚さを有する遠位先端区分2300が第1の構成である、1つの例示的なカテーテル2301の実施形態の拡大斜視図である。
図20Cは、
図20Bの先端区分2300の区分E-Eの例示的なショルダ区分の拡大図である。図示された例示的な区分2300は、部分2305aを含む遠位部分2305で又は遠位部分2305に隣接して比較的薄い壁を有する血管内で封止するように構成され、次いで、部分2303と部分2305aとの間で徐々により厚くなり、外側先端隣接部分2303aにおいて再び比較的薄くなり得る。部分2305bで又は部分2305bに隣接して画定されたショルダ部は、部分2305aよりも比較的より厚くすることができる。
【0083】
図20Dは、遠位先端区分2400が第1の構成である、1つの例示的なカテーテル2401の実施形態の拡大斜視図である。
図20Eは、
図20Dの先端区分2400の区分E-Eの例示的なショルダ区分の拡大図である。図示された例示的な区分2400は、部分2405aを含む遠位部分2405で又は遠位部分2405に隣接して比較的厚い壁を有する血管内で封止し、部分2403と部分2405との間の残部が部分2403aで又は部分2403aの周囲で比較的薄く、フェザー縁部隣接部分2403で遠位に終端する比較的堅固な支持体を提供するように構成されている。次いで、区分2400は、より広範囲の血管サイズで容易に折り畳むように構成することができ、より小さい血管を通って前進することを可能にする。
【0084】
図21Aは、比較的大きい近位延在半径で終端する「ベル」形状を有する遠位先端区分2500が第1の構成である、1つの例示的なカテーテル2501の実施形態の拡大斜視図であり、「ベル」形状は、前述の「ベル」形状の区分よりも比較的より短い。次いで、区分2500は、外部シースを通して近位方向に引かれるとき、比較的滑らかな反転を可能にするように特別に構成されている。
図21Bは、
図21Aの先端区分2500の区分E-Eの例示的なショルダ区分の拡大図である。図示された例示的な区分2500は、部分2505aを含む遠位部分2505で又は遠位部分2505に隣接して比較的薄い壁を有する血管内で封止し、次いで、遠位部分2505bで又は遠位部分2505bに隣接して(また、部分2517に向かって遠位部分2505bに近位で)厚くなるが、部分2503で又は部分2503の周囲で遠位部分2505bの対向側が薄くなるように構成されている。
【0085】
図22Aは、第1の構成の別の例示的な遠位先端区分2600の拡大側面図である。ここで、区分2600は、編組、ワイヤ、又はレーザー切断支持フレームの上に形成することができる。そのような支持フレームは、区分2600の形状の一体性を失うことなく、非常に薄い膜(例えば、5~50マイクロメートル)の使用を可能にすることができるため、そのカテーテルの残りの区分と関連した区分2600は、吸引力、血塊摂取、並びに外側カテーテル内の圧縮及び血管を通した圧縮に耐えることができる。いくつかの実施例では、区分2600は、金属材料及び/又はポリマー材料から作製された支持フレームを含むことができる。金属及び特定の耐熱性ポリマーは、リフロー成形プロセス、成形プロセス、及び圧縮成形プロセスによって、区分2600の膜を形成することを受容することができる。他の実施例では、浸漬プロセスを使用して、金属支持フレーム及び/又はポリマー支持フレームを有する区分2600を構築することができ、この場合、ポリマーは、膜浸漬材料に使用される溶媒と相溶性である。
【0086】
図22Bは、支持フレームが複数のワイヤから構成されている第1の構成の別の例示的な遠位先端区分2700の拡大側面図である。
図22Cは、支持フレームがレーザー切断されている第1の構成の別の例示的な遠位先端区分2800の拡大側面図である。
【0087】
図22Dは、第1の構成の別の例示的な遠位先端区分2900の拡大側面図である。この実施例では、区分2900は、1つ以上のポリマー層、例えば、層2950、2960を含むことができる。いくつかの実施例では、膜層2950は、薄膜2960に接着することができ、それにより、層2950は、膜2960に対して対応する増加した曲げ剛性を有する、より堅固な長手方向支持部材であり得、これは、同様に区分2900に適切な径方向支持を提供する。
図22Eは、第1の構成の別の例示的な遠位先端区分3000の拡大側面図であり、1つ以上のより堅固な長手方向支持部材を覆って(区分2900におけるように、それらの下ではなく)位置付けられているこの場合の追加の外側膜層を含む区分3000を除いて、区分2900と同様である。
【0088】
図22Fは、第1の構成の別の例示的な遠位先端区分3100の拡大側面図である。この実施例では、区分3100は、1つ以上のポリマー層、例えば、層3107を含むことができる。層3107は、可撓性であるが、窓3110が接着される1つ以上の切り欠きを有する支持体を提供するのに十分に堅固である膜であり得る。窓3110は、血流の制御された通過を可能にしながら、最小限の体積で折り畳む能力を更に増大させるために、多孔質であり得る。この実施形態における血流の通過は、パラシュートに類似して、吸引中に、区分3100の比較的薄い膜をその形成された形状に保つのに役立ち得る。
図22Gは、第1の構成の別の例示的な遠位先端区分3200の拡大側面図であり、近位に延びる窓3210を含む区分3200を除いて、特定の実施例では区分3100の近位端に到達するまでを含み、区分3100と同様である。
【0089】
図23は、遠位先端区分3300が第1の構成にあり、例示的なルアー3470と共に位置付けられたカテーテル3301の実施形態の側面図である。図示するように、区分3300は、区分3300の外側表面の下に折り畳み式シャフト部分3337(例えば、編組フレームで構成されたシャフト)を含むことができる。外側カテーテルのルアー3471を通って前進するか、又はルアー3471を通って折り畳まれると、折り畳み式シャフト部分3337は、相対的に柔らかい区分3300のための追加の空間を提供して、外側シャフトの内径(ID)に折り畳むか、又はひだ折りすることができる。この機能を達成するために、部分3337の支持フレームは、前述の編組フレームを含むことができる。しかしながら、支持フレームは、そのように限定されるものではなく、ワイヤ構成であってもよく、又はレーザー切断ステント様チューブは、構造体を通ってリフロー処理されるか、又は構造体を覆って成形された弾性ひずみ回復特性を有するエラストマー性ポリマー又はポリマーを有する。いくつかの実施例では、部分3337のすぐ近位に、カテーテル3301は、非折り畳み式シャフト部分3335を含むことができる。
【0090】
いくつかの実施例では、部分3337は、シャフトの引張伸びに対する押し込み性及び抵抗性を高めるために、1つ以上の軸方向スパイン3342を有することができる。1つ以上の軸方向スパイン3342は、先端区分3300の手前(例えば、そのすぐ近位に位置付けられてもよい)で止まり、区分3337の遠位端又は部分3337の遠位端まで延び、区分3300の壁を通って近位に戻ってもよい。
【0091】
いくつかの実施例では、部分3337は、視認性を高めるためにリング又はコイルマーカーバンド3330を装着することができる。あるいは、放射線不透過性ワイヤ又はコイルは、部分3337のフレームに追加されてもよい(又は、他のマーカー挿入物は、レーザー切断支持フレーム内に含まれてもよく、又は、放射線不透過性充填剤は、区分3300の軟質材料に含まれてもよい)。カテーテル3301はまた、曲げ可撓性及び押し込み性の変動性をもたらすように、異なる柔軟性特性を有する一連のポリマージャケット3350を含むことができる。ジャケット3350は、低摩擦内側ルーメンのためのPTFEライナー、及びPTFEライナー上の支持構造(例えば、コイル、編組、レーザー処理チューブパターン、スパイン、又はこれらの組み合わせ)を覆ってリフローして、耐ねじれ性、トルク特性及び押込み特性を提供することができる。
【0092】
図24Aを参照すると、カテーテル3301の側面図は、例示的なルアー3440、3470を有するガイドカテーテル3400内の第1の構成にある区分3300と共に示されている。
図24Bは、同様の図を示すが、区分3300は、ここでカテーテル3400の遠位に遠位方向に並進移動されている。図示するように、カテーテル3400の内部で、区分3300を含むカテーテル3301は、内部を通過するための外径が減少し、その遠位になると、区分3300は、自動的に拡張することができる。
【0093】
図25Aは、区分H-Hにおける
図24Aのカテーテル3301、3400の拡大図であり、カテーテル3400内に折り畳まれたときの先端区分3301をより明確に示す。
図25Bは、区分I-Iにおける
図24Bのカテーテル3301、3400の拡大図であり、少なくとも部分的にカテーテル3400の遠位及び部分3305、3303が以前の折り畳まれた直径よりも大きい直径に拡張したときの先端区分3301をより明確に示す。特定の実施例では、部分3303と部分3305との間に形成される最大直径は、カテーテル3400の外径よりも大きくてもよい。いくつかの実施例では、最大直径は、カテーテル3400の外径よりも少なくとも2倍大きくすることができる。しかしながら、区分3300は、任意の直径に限定されず、必要に応じて又は要求に応じて、より大きい又はより小さい直径を使用することができる。
【0094】
図26を参照すると、カテーテル3400、3301の分解側面図であり、対応する先端区分3300は、テーパロックルアー3450を介して押込み装填されている。区分3300は、外側カテーテル3400のテーパロックルアー3450を通って前進させたときに直径を減少させるように構成されている。いくつかの実施例では、ルアー3450は、内部テーパを有する特注ルアーであり得る。例えば、ルアー3450は、内径減少を低減するためにテーパの段階を進展させるように構成された表面3457を含むことができるため、ルアー3450をテーパロックルアー3450に位置付けるか、又は別様にテーパロックルアー3450の上に螺合させることができ、継ぎ目のない移行部を設けて、区分3300の直径を段階的に減少させることができる。ルアーはまた、ルアー3450の最大直径を有する外側取り付けフランジ3459、及びルアー3450の最小直径を有する反対側の遠位端3453を含むことができる。
【0095】
ルアー3450は、区分3300が通過し、直径が減少した後にアセンブリから取り外すことができるように、分割設計を含んでもよい。装填ルアー3450を取り外すことにより、いくつかの実施例では、カテーテル3301のシャフトの使用可能な長さを低減しないことを確実にすることができ、分割された設計は、ねじれ、スナップ嵌め機構を引き離すこと、又はルアー3450の磁気的に結合した側部を引っ張ることによって除去されてもよい。
【0096】
図27Aを参照すると、テーパロック3450及び第2の装填ルアー3480を介して押込み装填されているカテーテル3301の分解側面図である。
図27Bは、ロック3450、3480により位置付けられた
図27Aの実施形態の側面図である。図示するように、ルアー3450のODは、固体装填ルアーであり得るルアー3480のIDの内側に適合するように輪郭付けすることができる。この点において、ルアー3480を含めることで、カテーテル3301及びルアー3480に関連するカテーテルシャフトの使用可能な長さが減少せず、ルアー3480は、カテーテル3301の使用可能な長さを最大化するために除去される必要はない。ルアー3301はまた、止血弁と適合性があり得る。
【0097】
図28Aを参照すると、方向移動を表す大きな矢印により示されているように、区分3300を遠位に反転させるように、先に説明した特徴と関連する、装填ツール3460によって遠位に押込み装填されているカテーテル3301の側面図である。
図28Bでは、ツール3460は、反転した区分3000がツール3406の遠位端と整列するまで、
図28Aから遠位に並進されている。
【0098】
図29Aは、ここで、反転区分3300と共にツール3460の遠位端がカテーテル3400のルアー3450内に挿入された第3の構成を示す。他の例では、ルアー3450は、代わりにルアー3450に接続された止血弁であってもよい。
図29Bを参照すると、第4の構成は、遠位に出るまで、好ましくは区分3300のODよりも大きいIDを有する血管内に出るまで、カテーテル3400を通って遠位に前進させられた区分3300と共に示されている。いくつかの実施例では、説明及び図示されるように遠位に出ることにより、
図29Bに示すように、区分3300の元の「イヤホン」形状への復帰を可能にすることができる。次いで、区分3300は、血管を通って治療部位まで遠位に前進させることができる。
【0099】
図30は、血管からの閉塞性血栓について本明細書に開示されるカテーテルのいずれかを使用するための方法の工程を示すフロー図である。方法の工程は、本明細書に説明される例示的なシステム、装置、及び/又は器具のいずれかによって、又は当業者に既知である手段によって実施され得る。
図30に概説される方法3000を参照すると、工程3010は、吸引カテーテルを少なくとも部分的にシース又は送達カテーテルの遠位に並進させることによって、吸引カテーテルの遠位先端区分を、折り畳まれた構成から第1の拡張構成に移動させることを説明する。工程3020は、遠位先端区分を後退させて、遠位先端区分を、遠位先端区分とカテーテル本体との間の移行部の周りで第2の拡張構成に反転させることを説明し、第2の構成は、移行部の直径よりも大きい直径を含む開いた漏斗様遠位口を有する拡張性先端部を備える。
【0100】
方法3000のいくつかの実施例では、遠位先端区分はまた、血管を通って近位方向に引かれたときに反転せず、外側シースを通って後退するときにのみ反転するように構成することができる。
【0101】
方法3000のいくつかの実施例では、ユーザーがどのように流量制限及び/又はシールを展開したかに応じて、吸引カテーテルを通って吸引を加えて血塊をカテーテルの漏斗口部内へと促すことができる。吸引のみでは血栓を取り除きかつ捕捉するには不十分である場合、又は初期の吸引及び取り除き中に血塊の更なる把持が所望される場合、機械的血栓除去血塊回収装置を標的まで前進させることができる。次いで、当該技術分野において一般的に知られている任意の方法を使用して、機械的血栓除去装置を展開して血塊を捕捉することができる。吸引は、血液の還流を防止し、血塊の緊密な把持を維持するために本工程全体で、又はユーザーによって選択された間隔で継続することができる。いくつかの例では、ステント回収器を用いた血塊の吸引及び引っ張りは、初回通過成功の機会を増加させるのに最適であり得る。
【0102】
方法3000のいくつかの実施例では、捕捉された血塊及び血塊回収カテーテルを患者から抜去することができるか、又は機械的血栓除去血塊回収装置が患者から血塊と共に抜去されるときに、血塊回収カテーテルを所定の位置に残してアクセスを維持することができる。血塊が吸引源及び/又は血栓除去装置において観察され、流れが血塊回収カテーテル内で遮断されていない場合、この工程は、既知の技術を使用して、システムに低圧下で造影剤を慎重に注入して、血管が開いているかどうかを判定することを伴う場合がある。血管が開いている場合、血塊回収カテーテルを除去することができる。閉塞が残っている場合、血管が開くまで、吸引、血栓除去、又はこれらの組み合わせの追加の通過が繰り返されてもよい。
【0103】
いくつかの実施例では、吸引カテーテル及び対応するシステムは、局所的な流動制限及び/又は停止並びに大きな血塊対向口の両方を提供することができる血塊回収カテーテルを作製するように構成されている。いくつかの実施例では、本開示の吸引カテーテルは、蛇行した神経脈管構造をナビゲートして閉塞性血塊に到達することができ、かつ高度に可撓性であり得る。いくつかの実施例では、吸引カテーテルは、比較的低プロファイルのアクセスシース及び外側カテーテルと適合可能であり得、そのため患者の鼠径部における穿刺創(例えば、大腿部アクセス)を容易かつ確実に閉鎖することができる。いくつかの実施例では、本開示の吸引カテーテル及び対応するシステムは、AISに苦しむ患者の大脳動脈から、MIに苦しむ患者の本来の血管又は移植血管から、肺塞栓症に苦しむ患者の肺動脈から、並びに血塊が閉塞を引き起こしているその他の末梢動脈及び末梢静脈から、血塊を除去するのに特に適している。
【0104】
本開示は、構成及び詳細において変化し得る、記載された実施例に限定されない。「遠位」及び「近位」という用語は、前述の説明をとおして使用され、処置医師に対する位置及び方向を指すことを意味する。したがって、「遠位」又は「遠位に」は、医師に対して離れた位置又は医師から離れる方向を指す。同様に、「近位」又は「近位に」は、医師に対して近い位置又は医師に向かう方向を指す。
【0105】
例示的な実施形態の説明では、明確性を期すために専門用語を用いる。各用語は、当業者によって理解されるその最も広い意味を有することが企図されており、類似の目的を実現するために同様に作用する全ての技術的な均等物を含むことが意図される。方法の1つ以上の工程への言及は、追加の方法工程又は明示的に識別されたそれらの工程間に介在する方法工程の存在を排除しないことも理解されたい。方法の各工程は、開示される技術の範囲から逸脱することなく、本明細書に述べられる順序とは異なる順序で行うことができる。同様に、装置又はシステムにおける1つ以上の構成要素への言及は、追加の構成要素又は明示的に識別されたそれらの構成要素間に介在する構成要素の存在を排除しないことも理解されたい。
【0106】
本明細書で検討されるとき、「患者」又は「被験者」は、人間又は任意の動物であることができる。動物は、限定されるものではないが、哺乳類、獣医学的動物、家畜動物、又はペット類の動物などを含む、種々のあらゆる該当する種類のものであり得ることを理解するべきである。一例として、動物は、ヒトに類似したある特定の性質を有するように特に選択された実験動物(例えば、ラット、イヌ、ブタ、サルなど)であり得る。
【0107】
本明細書で任意の数値又は数値の範囲について用いる「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書において説明されるその意図された目的に沿って機能することを可能とする、好適な寸法の許容誤差を示すものである。より具体的には、「約」又は「およそ」とは、列挙された値の±20%の値の範囲を指してもよく、例えば「約90%」は、71%~99%の値の範囲を指してもよい。
【0108】
「備える(comprising)」又は「含む(containing)」又は「含む(including)」とは、少なくとも指定された化合物、要素、粒子、又は方法工程が、組成又は物品又は方法内に存在するが、他の化合物、物質、粒子、方法工程が、指定されたものと同じ機能を有する場合でも、他のそのような化合物、物質、粒子、方法工程の存在を除外しないことを意味する。
【0109】
本明細書及び添付の特許請求の範囲では、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈上別途明白に指示しない限り、複数の指示対象も含むことにも留意されたい。範囲は、本明細書では、「約」又は「およそ」の1つの特定の値から「約」又は「およそ」の別の特定の値として表すことができる。そのような範囲を表すとき、他の例示的な実施形態も、1つの特定の値から他の特定の値を含む。
【0110】
本明細書に含まれる記述は、本開示の実施形態の例であり、本開示の範囲を何ら制限するものではない。本開示の特定の実施例を説明しているが、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、装置及び方法に対する様々な修正を行うことができる。例えば、本明細書に記載する実施例は、特定の構成要素に言及するが、本開示は、記載する機能性を達成するために様々な構成要素の組み合わせを利用し、記載する機能性を達成するために代替の材料を利用し、様々な実施例からの構成要素を組み合わせ、様々な実施例からの構成要素を既知の構成要素と組み合わせるなどの、他の実施例を含む。本開示は、本明細書に例示された構成要素部分を他の周知の市販製品での置き換えを企図する。本開示に関わる当業者には、これらの修正は多くの場合に明らかであり、以下の特許請求の範囲内にあることが意図される。
【0111】
〔実施の態様〕
(1) カテーテルであって、
前記カテーテルの遠位端に又は前記遠位端に隣接して配設された遠位先端区分であって、前記遠位先端区分は、第1の構成と第2の構成との間で、カテーテル本体と前記遠位先端区分との間の移行部の周囲で反転可能である、遠位先端区分を備え、
前記カテーテルは、前記遠位先端区分を後退させることにより、前記遠位先端区分を前記第1の構成から前記第2の構成に、前記移行部の周囲で反転させるように構成され、
前記第2の構成は、前記移行部の直径よりも大きい直径を含む開いた漏斗様遠位口を有する拡張性先端部を備える、カテーテル。
(2) 前記第1の構成及び前記第2の構成は、ガイドカテーテル又はシースの遠位にある前記遠位先端区分の拡張構成の一部である、実施態様1に記載のカテーテル。
(3) 前記遠位先端区分の前記第1の構成は、所定の距離を後退させることによって、前記第2の構成に反転され、前記開いた漏斗様遠位口を形成するように構成されたキノコ形状の半球形区分を備える、実施態様1に記載のカテーテル。
(4) 前記キノコ形状の半球形区分は、前記第1の構成と前記第2の構成との間で他方の鏡像である、実施態様3に記載のカテーテル。
(5) 前記遠位先端区分は、開いた端部が近位側に向けられた前記第1の構成におけるキノコ形状区分から、前記開いた端部が遠位側に向けられた前記第2の構成の前記開いた漏斗様遠位口に反転されるように構成された複数の封止部材を備える、実施態様1に記載のカテーテル。
【0112】
(6) それぞれの封止部材は、前記第1の構成及び前記第2の構成において半球形状を含み、前記半球形状は、前記第1の構成と前記第2の構成との間で他方に実質的に対向する他方の鏡像である、実施態様5に記載のカテーテル。
(7) それぞれの封止部材は、前記第2の構成において別個の漏斗口に対応する、実施態様5に記載のカテーテル。
(8) それぞれの封止部材は、対応する血管壁との複数の封止層に対応する、実施態様5に記載のカテーテル。
(9) それぞれの封止部材は、それぞれの移行部を反転可能である、実施態様5に記載のカテーテル。
(10) それぞれの封止部材は、前記カテーテル本体に沿って選択的に離間している、実施態様5に記載のカテーテル。
【0113】
(11) 前記遠位先端区分は、近位部分及び遠位部分を備え、前記遠位部分は、前記近位部分の直径よりも小さい直径を含み、前記近位部分の前記直径は、前記遠位部分の前記直径の少なくとも2倍である、実施態様1に記載のカテーテル。
(12) 前記遠位先端区分は、近位部分及び遠位部分を備え、前記遠位部分は、前記近位部分の直径よりも小さい直径を含み、前記近位部分と前記遠位部分との間の前記遠位先端区分の外側表面は、湾曲しているか、又は別様に輪郭付けされている、実施態様1に記載のカテーテル。
(13) 前記開いた漏斗様遠位口は、血管内の流動制限を低減させるか又は除去するために、処置中又は処置後に折り畳み可能である、実施態様1に記載のカテーテル。
(14) 方法であって、
吸引カテーテルを、少なくとも部分的にシース又は送達カテーテルの遠位に並進させることによって、前記吸引カテーテルの前記遠位先端区分を折り畳まれた構成から第1の拡張構成に移動させることと、
前記遠位先端区分を後退させて、前記遠位先端区分を、前記遠位先端区分と前記吸引カテーテルのカテーテル本体との間の移行部の周囲で、前記第2の拡張構成に反転させることであって、前記第2の構成は、前記移行部の直径よりも大きい直径を含む開いた漏斗様遠位口を有する拡張性先端部を備える、ことと、を含む、方法。
(15) 前記遠位先端区分を通って吸引して、前記遠位先端区分の前記開いた漏斗様遠位口内へと血栓を促すことを更に含む、実施態様14に記載の方法。
【0114】
(16) 前記第1の構成において、前記遠位先端区分により血塊剪断を低減することを更に含む、実施態様14に記載の方法。
(17) 前記遠位先端区分の複数の封止部材を、前記第1の構成におけるキノコ形状区分から前記第2の構成の前記開いた漏斗様遠位口に反転させることを更に含む、実施態様14に記載の方法。
(18) 前記遠位先端区分のそれぞれの封止部材を反転させて、対応する漏斗様遠位口を形成することを更に含む、実施態様17に記載の方法。
(19) それぞれの封止部材のそれぞれの封止層によって、対応する血管壁と複数の封止層を封止することを更に含み、それぞれの封止部材は、それぞれの移行部の周囲で反転可能である、実施態様17に記載の方法。
(20) 処置中に前記開いた漏斗様遠位口を折り畳んで、血管内の流動制限を低減させるか又は除去することを更に含む、実施態様14に記載の方法。