IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ローヤル株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-玩具ブロック 図1
  • 特許-玩具ブロック 図2
  • 特許-玩具ブロック 図3
  • 特許-玩具ブロック 図4
  • 特許-玩具ブロック 図5
  • 特許-玩具ブロック 図6
  • 特許-玩具ブロック 図7
  • 特許-玩具ブロック 図8
  • 特許-玩具ブロック 図9
  • 特許-玩具ブロック 図10
  • 特許-玩具ブロック 図11
  • 特許-玩具ブロック 図12
  • 特許-玩具ブロック 図13
  • 特許-玩具ブロック 図14
  • 特許-玩具ブロック 図15
  • 特許-玩具ブロック 図16
  • 特許-玩具ブロック 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-25
(45)【発行日】2025-03-05
(54)【発明の名称】玩具ブロック
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/08 20060101AFI20250226BHJP
   A63H 18/02 20060101ALI20250226BHJP
   A63H 33/10 20060101ALI20250226BHJP
【FI】
A63H33/08 E
A63H18/02 A
A63H33/10 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2024086469
(22)【出願日】2024-05-28
【審査請求日】2024-11-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591069684
【氏名又は名称】ローヤル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129791
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 真由美
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】木野 高志
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特開2024-24040(JP,A)
【文献】特開2023-136663(JP,A)
【文献】特開2020-96769(JP,A)
【文献】特表2013-545580(JP,A)
【文献】登録実用新案第3195386(JP,U)
【文献】実開昭60-49900(JP,U)
【文献】米国特許第05944575(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の玩具ブロックと結合させて球体走行路玩具を構成するための玩具ブロックであって、
一つの端部から他の端部まで球体走行路が上部に設けられた本体と、
前記本体の前記一つの端部と前記他の端部にそれぞれ配置され、基端が前記本体の前記球体走行路と連続する一方で先端が開放した案内溝が上部に設けられ、前記他の玩具ブロックを結合する結合部が下部に設けられた、一対の可動部品と、
前記一対の可動部品を、前記本体の前記端部に対して前記端部における前記球体走行路が延びる方向に対して直交する軸線周りに回動可能にそれぞれ連結する一対のヒンジ構造と
を備える、玩具ブロック。
【請求項2】
前記ヒンジ構造は、
前記本体の前記端部と前記可動部品のうちの一方に設けられた突起と、
前記本体の前記端部と前記可動部品のうちの一方に設けられて前記突起が回転自在に挿入される軸受穴と
を備える、請求項1に記載の玩具ブロック。
【請求項3】
前記本体の前記球体走行路は、球体を載せる面で構成されている、請求項1又は2に記載の玩具ブロック。
【請求項4】
前記本体の前記球体走行路は、球体を宙づり支持する一対の壁で構成されている、請求項1又は2に記載の玩具ブロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具ブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示された球体走行路玩具は、複数種類の玩具ブロックを組み立てることでユーザ自身が制作できる。複数種類の玩具ブロックには、傾斜路や非傾斜路を作るためのレール状ブロックと、レール状ブロックの両端に取り外す可能に結合される柱状ブロックとが含まれる。柱状ブロックには、高さ方向に貫通するU字状溝が設けられている。レール状ブロックの両端の形状は異なる。具体的には、レール状ブロックの一端は、柱状ブロックを結合したときにU字状溝を塞ぐように、つまり球体がその柱状ブロックから落下せずにレール状ブロック上に載るように構成されている。レール状ブロックの他端は、柱状ブロックを結合したときにU字状溝を開放するように、つまり球体がその柱状ブロックから落下するように構成されている。このような構成であるので、レール状ブロック上を球体が走行する向きは一端から他端に限定される。従って、ユーザが複数種類の玩具ブロックから球体走行路玩具を組み立てるにあたって、レール状ブロックの向きを考慮する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2023-136663号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数種類の玩具ブロックを組み立てて制作する球体走行路玩具は、幼児(例えば、児童福祉法では1歳から小学校就学の始期に達するまでの子供と定義されている。)も主なユーザとして意図されている。
【0005】
しかし、特許文献1に開示された球体走行路玩具の組立は、レール状ブロックの向きを考慮する必要があるので、幼児の中でも低年齢の子供(例えば1.5歳程度)では、上手く組み立てることが困難である。言い換えれば、特許文献1に開示された球体走行路玩具は、低年齢の幼児の遊戯に供することが困難である。
【0006】
本発明は、球体走行路玩具を低年齢の幼児の遊戯に供することを可能にする玩具ブロックを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、他の玩具ブロックと結合させて球体走行路玩具を構成するための玩具ブロックであって、一つの端部から他の端部まで球体走行路が上部に設けられた本体と、前記本体の前記一つの端部と前記他の端部にそれぞれ配置され、基端が前記本体の前記球体走行路と連続する一方で先端が開放した案内溝が上部に設けられ、前記他の玩具ブロックを結合する結合部が下部に設けられた、一対の可動部品と、前記一対の可動部品を、前記本体の前記端部に対して前記端部における前記球体走行路が延びる方向に対して直交する軸線周りに回動可能にそれぞれ連結する一対のヒンジ構造とを備える、玩具ブロックを提供する。

【0008】
球体走行路が設けられた本体の両端部には、球体走行路と連続する案内溝が設けられた可動部品がヒンジ構造によって連結されている。可動部品は、ヒンジ構造によって、球体走行路が延びる方向に対して交差する軸線周りに本体の端部に対して回動可能である。言い換えれば、一対の可動部品の各々を本体の端部に対して自由に折り曲げることができる。そのため、一対の可動部品をそれぞれ別の玩具ブロックに結合すれば、それらの玩具ブロックの高さ位置に応じて、球体走行路の態様、つまり傾斜の有無、傾斜の向き、及び傾斜角度が自ずと決まり、球体走行路玩具を組み立てるユーザは、他の玩具ブロックに可動部品を結合する際に球体走行路の態様を特に意識する必要がない。また、球体走行路玩具を組み立てるユーザは、他の玩具ブロックに可動部品を結合する際に、本体の向きを考慮する必要がない。以上の通りであるので、本発明に係る玩具ブロックにより、球体走行路玩具を低年齢の幼児の遊戯に供することが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る玩具ブロックによれば、球体走行路玩具を低年齢の幼児の遊戯に供することを可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係るレール状ブロックを含む球体走行路玩具を示す斜視図。
図2】柱状ブロックの上方から見た斜視図。
図3】柱状ブロックの下方から見た斜視図。
図4】第1実施形態に係るレール状ブロックの上方から見た斜視図。
図5】第1実施形態に係るレール状ブロックの下方から見た斜視図。
図6】第1実施形態に係るレール状ブロックの分解斜視図。
図7図4の線VII-VIIでの断面図。
図8図4の線VIII-VIIIでの断面図。
図9図4の線IX-IXでの断面図。
図10】第1実施形態に係るレール状ブロックの姿勢の一例を示す斜視図。
図11】第1実施形態に係るレール状ブロックの姿勢の他の一例を示す斜視図。
図12】第2実施形態に係るレール状ブロックの上方から見た斜視図。
図13】第2実施形態に係るレール状ブロックの下方から見た斜視図。
図14図12の線XIV-XIVでの断面図。
図15図12の線XV-XVでの断面図。
図16図12の線XVI-XVIでの断面図。
図17図12の線XVII-XVIIでの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1に示す球体走行路玩具1は、本発明の実施形態に係る玩具ブロックの一例である4個のレール状ブロック2A~2Dと、他の玩具ブロックの一例である10個の柱状ブロック3とにより構成されている。
【0013】
図2及び図3を参照すると、柱状ブロック3は樹脂製の一体構造であって、少なくとも実質的に形状が変化しない程度の剛性を有する。柱状ブロック3は、概ね正方形の頂壁部3aと、頂壁部3aから延びる4個の側壁部3bとを備える。柱状ブロック3の頂壁部3aとは反対側は開口している。頂壁部3aの上面には4個の円柱突起3cが設けられている。4個の円柱突起3cは、平面視で等ピッチの2行2列のマトリクス状に配置されている。頂壁部3aの下面には、円筒部3dが設けられている。また、頂壁部3aの下面には、平板状であって円筒部3dから側壁部3bにそれぞれ延びる、4個の仕切部3eが設けられている。個々の仕切部3eには、2個のリブ3fが設けられている。柱状ブロック3の下部には、隣接する2個の側壁部3bの内面、円筒部3dの外面、隣接する2枚の仕切部3e、及び2個のリブ3fによって、各々が円柱突起3aと相補的な形態を有する4個の嵌合部3gが設けられている。円柱突起3aが嵌合部3gに摩擦嵌合することによって、一つの柱状ブロック3を他の柱状ブロック3に積み重ねた状態で両者を取り外し可能に結合できる。具体的には、一つの柱状ブロック3を他の柱状ブロック3に積み重ねると、後者の円柱突起3cが前者の嵌合部3gの2個のリブ3fと円筒部3dとの間には嵌まり込む。
【0014】
図1に示す球体走行路玩具1の一例では、4個の柱状ブロック3を積み重ねて結合することで、同図において最も左側の柱体4Aが構成されている。また、2個の柱状ブロック3を積み重ねて結合することで、同図において左から2番目と最も右側の柱体4B,4Eが構成されている。さらに、同図において左から3番目と4番目の柱体4C,4Dは、単一の柱状ブロック3により構成されている。
【0015】
図1に示す球体走行路玩具1の一例では、隣接する柱体4A~4Eがレール状ブロック2A~2Dによって互いに連結されることで、球体B(図7参照)が同図において左端から右端に向かって走行する走行路が構成されている。
【0016】
以下、レール状ブロック2A~2Dについて説明する。以下の説明では、4個のレール状ブロック2A~2Dについて特に区別する必要がない場合には、これらのうちの1個を単にレールブロック2と呼ぶ。
【0017】
図4から図6を参照すると、レール状ブロック2は、全体として真っ直ぐな本体21と、本体21の長手方向の一方の端部と他方の端部にそれぞれ配置された一対の可動部品22と、本体21と個々の可動部品22を回動可能にそれぞれ連結する一対のヒンジ構造23を備える。
【0018】
図4から図7を参照すると、本体21は、樹脂製の一体構造であって、少なくとも実質的に形状が変化しない程度の剛性を有する。本体21は、全体として概ね長方形状ないし長尺形状を有する頂壁部21aと、頂壁部21aの長手方向の両端から延びる一対の端壁部21bと、頂壁部21aの幅方向の両端から延びる一対の側壁部21cとを備える。頂壁部21aの下面には格子状のリブ構造21dが設けられている。
【0019】
図4図6、及び図7を参照すると、本体21の上面には、一定幅で直線状の平坦面である球体走行路21eが、長手方向の一つの端部から他方の端部まで貫通するように設けられている。球体走行路21eの幅は、本体21の上面のうち幅方向の両端側にそれぞれ設けられた一対の膨出部21fの内側面21gにより画定されている。個々の膨出部21fは平面視で直線状であり、本体21の長手方向の一つの端部から他方の端部にわたって設けられている。また、本体21の上面には、個々の膨出部21fの幅方向の最も外側から上方に突出する板状である一対の横壁部21hが、本体21の長手方向の一つの端部から他方の端部にわたって設けられている。
【0020】
図4から図6、及び図8を参照すると、可動部品22は、樹脂製の一体構造であって、少なくとも実質的に形状が変化しない程度の剛性を有する。可動部品22は、頂壁部22aと、頂壁部22aのうち本体21側、つまり基端側から延びる基端壁部22bと、頂壁部22aのうち本体21とは反対側、つまり先端側から延びる先端壁部22cと、頂壁部22aの幅方向の両端から延びる一対の側壁部22dとを備える。
【0021】
引き続き図4図6、及び図8を参照すると、頂壁部22aの上面は下向きに凸の曲面に構成されており、それによって頂壁部22aの上面に案内溝22eが設けられている。案内溝22eは本体21側の端部、つまり基端が本体21の球体走行路21eと連続する一方、基端とは反対側の端部、つまり先端が開放している。
【0022】
図5を参照すると、頂壁部22aの下面には、幅方向の中央に、平板状であって基端壁部22bと先端壁部22cとの間を延びる仕切部22fが設けられている。基端壁部22bの内面、先端壁部22cの内面、側壁部22dの内面、及び仕切部22fの両面には、それぞれリブ22gが設けられている。可動部品22の下部には、それぞれ4個のリブ22gによって、各々が柱状ブロック3の円柱突起3aと相補的な形態を有する2個の嵌合部22hが設けられている。柱状ブロック3の円柱突起3aが嵌合部3gに摩擦嵌合することによって、レール状ブロック2の可動部品22を柱状ブロック3に積み重ねた状態で両者を取り外し可能に結合できる。
【0023】
図4から図6、及び図9を参照すると、ヒンジ構造23は、本体21の一方及び他方の端部にそれぞれ設けられている。個々のヒンジ構造23は本体21の端部において幅方向に突出する、短円柱状の一対の突起23aと、可動部品22の側壁部22dの本体21側の端部、つまり基端側の端部にそれぞれ設けられた断面円形の貫通穴からなる一対の軸受穴23bとを備える。突起23aは軸受穴23bに差し込まれて、回転自在な態様で支持されている。そのため、一対の可動部品22はそれぞれ、ヒンジ構造23により、本体21の端部において球体走行路21eが延びる方向に対して直交する水平方向に延びる軸線AX周りに、本体21の端部に対して回動可能である。言い換えれば、一対の可動部品22の各々を本体21の端部に対して上向きにも下向きにも折り曲げることができ、折り曲げる角度も特に限定されない。例えば、図10では、同図において左側の可動部品22を上向きに、右側の可動部品22を下向きに本体21に対して折り曲げており、図11では、同図において左側の可動部品22を下向きに、右側の可動部品を上向きに本体21に対して折り曲げており、図10よりも図11の方が個々の可動部品22の本体21に対する折り曲げの角度が小さい。
【0024】
図1に示す球体走行路玩具1は、例えば柱状ブロック3を積み重ねて結合することで前述した柱体4A,4B,4Eを作った後(柱体柱体4C,4Dは、単一の柱状ブロック3により構成されている)、隣接する柱体4A~4B間をそれぞれレール状ブロック2A~2Dで連結することで組み立てることができる。この際、レール状ブロック2Aの一方の端部の可動部品23を柱体4Aの最上段の柱状ブロック3に積み重ねて結合し、他方の端部の可動部品23を柱体4Bの上段の柱状ブロック3に積み重ねて結合すれば、柱状ブロック3の2個の高さ分の下り傾斜を有する球体走行路21eが得られる。また、レール状ブロック2Dの一方の端部の可動部品23を柱体4Dを構成する柱状ブロック3に積み重ねて結合し、他方の端部の可動部品23を柱体4Eの上段の柱状ブロックに積み重ねて結合すれば、柱状ブロック3の1個の高さ分の上り傾斜を有する球体走行路21eが得られる。さらに、レール状ブロック4Cの一方の端部の可動部品23を柱体4Cを構成する柱状ブロック3に積み重ねて結合し、他方の端部の可動部品23を柱体4Dを構成する柱状ブロック3に積み重ねて結合すれば、水平ないし非傾斜の球体走行路21eが得られる。
【0025】
このように、レール状ブロック4が備える一対の可動部品22をそれぞれ別の柱状ブロック3に結合すれば、それらの柱状ブロック3の高さ位置に応じて、球体走行路21eの態様、つまり傾斜の有無、傾斜の向き、及び傾斜角度が自ずと決まり、球体走行路玩具1を組み立てるユーザは、柱状ブロック3にレール状ブロック2の可動部品22を結合する際に、球体走行路21eの態様を特に意識する必要がない。また、球体走行路玩具1を組み立てるユーザは、柱状ブロック3にレール状ブロック2の可動部品22を結合する際に、本体21の向きを考慮する必要がない。以上の通りであるので、本実施形態のレール状ブロック2により球体走行路玩具1を低年齢の幼児の遊戯に供することが可能となる。
【0026】
上流側から本実施形態のレール状ブロック2に走行してきた球体Bは、まずレール状ブロック2の一方の端部の可動部品22の案内溝22cを当該可動部品22の先端から基端に向けて走行し、本体21の球体走行路21eに進入する。球体走行路21eを通過した球体Bは、他方の端部の可動部品22の案内溝22cに基端側から先端側に向かって走行し、下流側に出て行く。
【0027】
図7を参照すると、本実施形態では、本体21の球体走行路21e(前述のように平坦面で構成されている)の幅は、球体Bが載るように設定されている。具体的には、一対の膨出部21fの内側面21gの両方に同時に接触させずに、球体走行路21e上に球体Bを載せることができるように、一対の膨出部21fの内側面21gの間隔が設定されている。そのため、球体走行路21eにおける球体Bの走行は、球体B自体の転動(自転)と、球体走行路21eを構成する面に対する球体Bの滑動の両方が含まれ得る。可動部品22の案内溝22eの幅も球体走行路21eと同様に球体Bを載せることができるように設定されている。そのため、案内溝21における球体Bの走行は、球体Bの転動と滑動の両方が含まれ得る。
【0028】
(第2実施形態)
図12から図17は、本発明の第2実施形態に係る玩具ブロックであるレール状ブロック2を示す。これらの図において、第1実施形態と同一又は同様の要素には同一の符号を付している。また、以下の説明で特に言及しない点については、第1実施形態と同様である。
【0029】
図14に示すように、本実施形態のレール状ブロック2の本体21が備える球体走行路21eは、幅方向に対向する一対の横壁部21hによって構成されている。具体的には、一対の横壁部21hの間隔は、球体Bの対向する端部を載せることで球体Bを宙づり支持するように設定されている。
【0030】
図12及び図15を参照すると、本体21は、両方の端部に遷移部22jを備える。遷移部22jの上面には、下向きに凸の案内溝22iが設けられている。案内溝22iは可動部品22に向かって下向きの傾斜を有する。案内溝22iの幅は、案内溝22i上に球体Bが載せることができるように設定されている。
【0031】
図12図13、及び図17を参照すると、ヒンジ構造23の突起23aは遷移部22jに設けられている。
【0032】
上流側から本実施形態のレール状ブロック2に走行してきた球体Bは、まずレール状ブロック2の一方の端部の可動部品22の案内溝22cを当該可動部品22の先端から基端に向けて走行し、本体21の一方の遷移部22jに設けられた案内溝22iに進入する。案内溝22i上の球体Bの走行は転動と滑動の両方が含まれ得る。
【0033】
続いて、球体Bは遷移部22jの案内溝22iから本体21の球体走行路21eに進入する。第1実施形態における球体走行路21e(例えば図7参照)では、球体Bの走行は転動と滑動の両方を含み得る。これに対して、本実施形態における球体走行路21eは球体Bを宙づり支持する一対の横壁部21hで構成されているので、球体走行路21eにおける球体Bの走行は、実質的に球体Bの転動(自転)のみによる。そのため、球体搬送路21eを走行する際の球体Bの回転数は、本実施形態の方が第1実施形態よりも大幅に多い。一つの球体走行路玩具1に第1実施形態のレール状ブロック3と本実施形態のレール状ブロック3の両方を使用することで、球体Bの走行形態に多様性を持たせることができる。
【0034】
球体Bは球体走行路21eから遷移部22jの案内溝22iに落下し、さらに他方の端部の可動部22の案内溝22eを介して下流側へ走行する。
【0035】
本発明は上記の実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、球体走行路21eは平面視で一部又は全部に曲がり、蛇行等の非直線形状を有していてもよい。また、ヒンジ構造23は、本体21に軸受穴23bを設け、可動部品22に突起23aを設けたものでもよい。軸受穴23bは貫通穴ではなく、有底穴であってもよい。レール状ブロック2は、取り外し可能に結合できる限り、柱状ブロック3以外の玩具ブロックと組み合わせて使用できる。例えば、球体走行路玩具1は、レール状ブロック2、柱状ブロック3、及びそれら以外の玩具ブロックを組み立てたものであってもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 球体走行路玩具
2,2A~2D レール状ブロック(玩具ブロック)
3 柱状ブロック(他の玩具ブロック)
3a 頂壁部
3b 側壁部
3c 円柱突起
3d 円筒部
3e 仕切部
3f リブ
3g 嵌合部
4A~4E 柱体
21 本体
21a 頂壁部
21b 端壁部
21c 側壁部
21d リブ構造
21e 球体走行路
21f 膨出部
21g 内側面
21h 横壁部
22 可動部品
22a 頂壁部
22b 基端壁部
22c 先端壁部
22d 側壁部
22e 案内溝
22f 仕切部
22g リブ
22h 嵌合部
22i 案内溝
22j 遷移部
23 ヒンジ構造
23a 突起
23b 軸受穴
【要約】
【課題】
球体走行路玩具を低年齢の幼児の遊戯に供することを可能にする玩具ブロックを提供する。
【解決手段】
レール状ブロック2は、一つの端部から他の端部まで球体走行路21eが上部に設けられた本体21と、本体21の一つの端部と他の端部にそれぞれ配置され、基端が本体21の球体走行路21eと連続する一方で先端が開放した案内溝22eが上部に設けられ、他の玩具ブロックを結合する嵌合部22hが上部に設けられた、一対の可動部品22と、一対の可動部品22を、本体21の端部に対して球体走行路21eが延びる方向に対して交差する軸線AX周りに回動可能にそれぞれ連結する一対のヒンジ構造23とを備える。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17