(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-25
(45)【発行日】2025-03-05
(54)【発明の名称】遊技システム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20250226BHJP
【FI】
A63F7/02 328
A63F7/02 352L
(21)【出願番号】P 2024127732
(22)【出願日】2024-08-02
【審査請求日】2024-08-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591085972
【氏名又は名称】日本ゲームカード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【氏名又は名称】水崎 慎
(74)【代理人】
【識別番号】100203932
【氏名又は名称】高橋 克宗
(72)【発明者】
【氏名】小田 直樹
【審査官】平井 隼人
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-090505(JP,A)
【文献】特開2022-152698(JP,A)
【文献】特許第7465029(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技価値を使用して遊技可能な遊技機に対応付けて設置され、遊技に関連する任意のサービスである遊技関連サービスを提供可能な遊技用装置と、
遊技客が所持し、前記遊技用装置により提供される前記遊技関連サービスを利用可能な遊技用アプリケーションプログラムを動作させ得る携帯端末と、
前記遊技用装置および前記携帯端末の双方と通信が可能な管理機能部と、
を含む遊技システムであって、
前記遊技用装置は、前記遊技客
による遊技開始の操作に基づいて、自装置に設定された固有の遊技用装置特定情報を含む光学的に読取可能なコードを生成して表示する遊技用装置特定情報提示手段を備え、
前記携帯端末は、
前記遊技客が前記遊技用アプリケーションプログラムを操作することに基づいて、前記遊技用装置特定情報提示手段に表示された前記光学的に読取可能なコードから前記遊技用装置特定情報を取得する遊技用装置特定情報取得手段と、
前記遊技用装置特定情報取得手段により取得した前記遊技用装置特定情報と、前記遊技用アプリケーションプログラムに設定された固有のアプリ特定情報と、を含む通信中継情報を前記管理機能部へ送信する通信中継情報送信手段と、
を備え、
前記管理機能部は、
前記携帯端末より送信された前記通信中継情報を
、当該通信中継情報に基づき特定される前記携帯端末を所持する前記遊技客により遊技終了の操作が行われるまで、または、当該通信中継情報に基づき特定される前記携帯端末を所持する前記遊技客が当該通信中継情報に基づき特定される前記遊技用装置に対応する前記遊技機での遊技を終了した蓋然性の高い遊技終了推定条件が成立するまで、管理する通信中継情報管理手段と、
前記通信中継情報管理手段による管理対象である前記通信中継情報に基づき特定される前記携帯端末と前記遊技用装置との間の通信を中継する通信中継実行手段と、
を備える、
ことを特徴とする遊技システム。
【請求項2】
前記管理機能部の前記通信中継情報管理手段は、前記携帯端末より送信された前記通信中継情報に基づき特定される前記遊技用装置から適正な認証結果を得られた場合にのみ、当該通信中継情報を管理対象とすることを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項3】
前記遊技用装置は、有価価値を前記遊技価値に変換して前記遊技機に付与することを前記遊技関連サービスとして提供可能であり、
前記管理機能部は、前記携帯端末に設定された固有の携帯端末特定情報と紐付いた前記有価価値の出し入れを管理し、予め定めた有価価値付与条件が成立することに基づき、前記有価価値の一部または全部を、前記通信中継情報管理手段による管理対象である前記通信中継情報に基づき特定される前記携帯端末に対応する前記遊技用装置に対して付与する有価価値管理手段を備え、
前記管理機能部の前記通信中継情報管理手段による管理対象の前記通信中継情報に基づき特定される前記携帯端末および/または前記遊技用装置を前記遊技客が操作して遊技価値変換要求を行うことで、前記遊技用装置に対して付与された前記有価価値の一部または全部を前記遊技価値に変換して前記遊技機に付与する前記遊技関連サービスを利用できるようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技システム。
【請求項4】
前記管理機能部の前記有価価値管理手段は、前記遊技用装置を前記遊技客が操作することで送信される有価価値付与要求を受け、当該有価価値付与要求に対する許諾を前記携帯端末で動作している前記遊技用アプリケーションプログラムから受けることを前記有価価値付与条件の成立と判定することを特徴とする請求項3に記載の遊技システム。
【請求項5】
前記管理機能部の前記有価価値管理手段は、前記携帯端末で動作している前記遊技用アプリケーションプログラムを前記遊技客が操作することで送信される有価価値付与要求を受け、当該有価価値付与要求に対する許諾を前記遊技用装置から受けることを前記有価価値付与条件の成立と判定することを特徴とする請求項3に記載の遊技システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直接通信を行う機能が備わっていない遊技店設置の遊技用装置と遊技者が所持する携帯端末とが、あたかも直接接続されて通信しているように見せかける仮想接続を実現できる遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技店では、遊技媒体を使用した遊技機による遊技を提供している。遊技を行うには、遊技機での遊技に使用できる遊技媒体を遊技店から借り受ける必要があるので、遊技媒体を貸し出す機能を備えた遊技用装置が各遊技機に対応して設けられている。遊技店に設置されている遊技用装置に金銭を投入、あるいはチャージ済みの記録媒体(ICカードなど)を投入すると、使用可能な金銭の範囲内で遊技媒体を借り受けるサービスが受けられる。例えば、弾球遊技機では、遊技球を遊技媒体として借り受け、遊技球を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う。弾球遊技機の遊技盤面には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、当該入賞領域を遊技球が通過したことに基づいて、所定個数の遊技球が賞遊技媒体として遊技者に付与される。一方、回胴式遊技機では、遊技メダルを遊技媒体として借り受け、遊技メダルの投入によりリールを回転させ、遊技メダルの投入枚数やリール図柄の停止状況に基づいて当たり・外れの判定が行われ、当たりの場合には所定枚数の遊技メダルが賞遊技媒体として遊技者に付与される。
【0003】
近年は、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末が広く普及し、多くの遊技客が携帯端末を所持しているので、本願出願人は、遊技客が所持する標準的な携帯端末と遊技場内の遊技用装置とを簡易且つ安全に無線接続させて、様々なサービスを遊技客に提供できる遊技場管理システムを提案した(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
特許文献1に記載の遊技場管理システムでは、遊技客が所持する携帯端末と遊技場に設置されている遊技用装置とが無線接続し、相互のデータ通信を可能とすることで、携帯端末を介して遊技場内のサービスを受けることができる。遊技場内で受けられるサービスとしては、遊技途中の遊技客が遊技機から離れても、その遊技機を他の遊技客が利用できないようにしておく遊技継続サービス、携帯端末のセキュリティチップを介して取り扱える電子マネー等を使用した遊技媒体貸出サービスなどがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、現在、遊技場に設置されている遊技用装置には、近距離無線通信機能が標準で搭載されておらず、特許文献1に記載された発明のように、遊技客が所持する携帯端末装置と遊技用装置とを無線接続するためには、近距離無線通信機能を備えた遊技用装置が各遊技場に導入されている必要がある。
【0007】
そこで、本発明は、直接通信を行う機能が備わっていない遊技用装置と携帯端末とが、あたかも直接接続されて通信しているように見せかける仮想接続を実現できる遊技システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明に係る遊技システムは、遊技価値を使用して遊技可能な遊技機に対応付けて設置され、遊技に関連する任意のサービスである遊技関連サービスを提供可能な遊技用装置と、遊技客が所持し、前記遊技用装置により提供される前記遊技関連サービスを利用可能な遊技用アプリケーションプログラムを動作させ得る携帯端末と、前記遊技用装置および前記携帯端末の双方と通信が可能な管理機能部と、を含む遊技システムであって、前記遊技用装置は、前記遊技客の操作に基づいて、自装置に設定された固有の遊技用装置特定情報を含む光学的に読取可能なコードを生成して表示する遊技用装置特定情報提示手段を備え、前記携帯端末は、前記遊技客が前記遊技用アプリケーションプログラムを操作することに基づいて、前記遊技用装置特定情報提示手段に表示された前記光学的に読取可能なコードから前記遊技用装置特定情報を取得する遊技用装置特定情報取得手段と、前記遊技用装置特定情報取得手段により取得した前記遊技用装置特定情報と、前記遊技用アプリケーションプログラムに設定された固有のアプリ特定情報と、を含む通信中継情報を前記管理機能部へ送信する通信中継情報送信手段と、を備え、前記管理機能部は、前記携帯端末より送信された前記通信中継情報を管理する通信中継情報管理手段と、前記通信中継情報管理手段による管理対象である前記通信中継情報に基づき特定される前記携帯端末と前記遊技用装置との間の通信を中継する通信中継実行手段と、を備える、ことを特徴とする。
【0009】
また、前記構成において、前記管理機能部の前記通信中継情報管理手段は、前記携帯端末より送信された前記通信中継情報に基づき特定される前記遊技用装置から適正な認証結果を得られた場合にのみ、当該通信中継情報を管理対象としてもよい。
【0010】
また、前記構成において、前記遊技用装置は、有価価値を前記遊技価値に変換して前記遊技機に付与することを前記遊技関連サービスとして提供可能であり、前記管理機能部は、前記携帯端末に設定された固有の携帯端末特定情報と紐付いた前記有価価値の出し入れを管理し、予め定めた有価価値付与条件が成立することに基づき、前記有価価値の一部または全部を、前記通信中継情報管理手段による管理対象である前記通信中継情報に基づき特定される前記携帯端末に対応する前記遊技用装置に対して付与する有価価値管理手段を備え、前記管理機能部の前記通信中継情報管理手段による管理対象の前記通信中継情報に基づき特定される前記携帯端末および/または前記遊技用装置を前記遊技客が操作して遊技価値変換要求を行うことで、前記遊技用装置に対して付与された前記有価価値の一部または全部を前記遊技価値に変換して前記遊技機に付与する前記遊技関連サービスを利用できるようにしてもよい。
【0011】
また、前記構成において、前記管理機能部の前記有価価値管理手段は、前記遊技用装置を前記遊技客が操作することで送信される有価価値付与要求を受け、当該有価価値付与要求に対する許諾を前記携帯端末で動作している前記遊技用アプリケーションプログラムから受けることを前記有価価値付与条件の成立と判定してもよい。
【0012】
また、前記構成において、前記管理機能部の前記有価価値管理手段は、前記携帯端末で動作している前記遊技用アプリケーションプログラムを前記遊技客が操作することで送信される有価価値付与要求を受け、当該有価価値付与要求に対する許諾を前記遊技用装置から受けることを前記有価価値付与条件の成立と判定してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の遊技システムによれば、通信中継情報管理手段と通信中継実行手段を備える管理機能部が、遊技用装置と携帯端末との通信を中継するので、あたかも遊技用装置と携帯端末とが直接接続されて通信しているように見せかける仮想接続を実現できる。これにより、遊技客は携帯端末を介して遊技用装置にサービス要求を行えるので、遊技場内の様々なサービスを受けられるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施形態に係る遊技システムの概略構成図である。
【
図2】遊技機と遊技用装置と管理機能部と携帯端末の概略機能を示す機能ブロック図である。
【
図3】(A1)は、キャッシュレスセンタで管理している通信中継情報管理テーブルの一例を示すイメージ図である。(A2)は、キャッシュレスセンタで管理している携帯残高管理テーブルの一例を示すイメージ図である。(B1)は、中継装置で管理している通信中継情報管理テーブルの一例を示すイメージ図である。(B2)は、中継装置で管理している入金残高管理テーブルの一例を示すイメージ図である。
【
図4】遊技開始に伴って携帯端末と遊技用装置とを仮想接続させる過程の一例を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末との間の通信シーケンス図である。
【
図5】(A1)~(A5)は、携帯端末との仮想接続を行う過程の遊技用装置における表示画面の表示例である。(B1)~(B3)は、遊技用装置との仮想接続を行う過程の携帯端末における表示画面の表示例である。
【
図6】遊技開始に伴って携帯端末と遊技用装置とを仮想接続させる過程で認証に失敗した例を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末との間の通信シーケンス図である。
【
図7】(A1)~(A5)は、携帯端末との仮想接続を行う過程で認証に失敗した場合の遊技用装置における表示画面の表示例である。(B1)~(B3)は、遊技用装置との仮想接続を行う過程で認証に失敗した場合の携帯端末における表示画面の表示例である。
【
図8】遊技用装置から要求したキャッシュレス入金を行う過程の一例を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末との間の通信シーケンス図である。
【
図9】(A1)~(A4)は、遊技用装置から要求したキャッシュレス入金を行う過程の遊技用装置における表示画面の表示例である。(B1)~(B3)は、遊技用装置から要求したキャッシュレス入金を行う過程の携帯端末における表示画面の表示例である。
【
図10】遊技用装置から要求したキャッシュレス入金を行う過程で携帯端末からの認証が得られなかった場合の一例を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末との間の通信シーケンス図である。
【
図11】(1)~(3)は、遊技用装置から要求したキャッシュレス入金を行う過程で携帯端末からの認証が得られなかった場合の遊技用装置における表示画面の表示例である。
【
図12】携帯端末から要求したキャッシュレス入金を行う過程の一例を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末との間の通信シーケンス図である。
【
図13】(A1)~(A3)は、携帯端末から要求したキャッシュレス入金を行う過程の遊技用装置における表示画面の表示例である。(B1)~(B4)は、携帯端末から要求したキャッシュレス入金を行う過程の携帯端末における表示画面の表示例である。
【
図14】携帯端末から要求したキャッシュレス入金を行う過程で認証に失敗した例を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末との間の通信シーケンス図である。
【
図15】(A1)~(A3)は、携帯端末から要求したキャッシュレス入金を行う過程で認証に失敗した場合の遊技用装置における表示画面の表示例である。(B1)~(B4)は、携帯端末から要求したキャッシュレス入金を行う過程で認証に失敗した場合の携帯端末における表示画面の表示例である。
【
図16】遊技用装置から要求した玉貸を行う過程の一例を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末との間の通信シーケンス図である。
【
図17】(A1)~(A3)は、遊技用装置から要求した玉貸を行う過程の遊技用装置における表示画面の表示例である。(B)は、遊技用装置から要求した玉貸を行う過程の携帯端末における表示画面の表示例である。
【
図18】携帯端末から要求した玉貸を行う過程の一例を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末との間の通信シーケンス図である。
【
図19】(A1),(A2)は、携帯端末から要求した玉貸を行う過程の遊技用装置における表示画面の表示例である。(B1)~(B4)は、携帯端末から要求した玉貸を行う過程の携帯端末における表示画面の表示例である。
【
図20】携帯端末から要求した離席を行う過程の一例を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末との間の通信シーケンス図である。
【
図21】(A)は、携帯端末から要求した離席を行う過程の遊技用装置における表示画面の表示例である。(B1)~(B4)は、携帯端末から要求した離席を行う過程の携帯端末における表示画面の表示例である。
【
図22】携帯端末から要求した離席解除処理を行う過程の一例を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末との間の通信シーケンス図である。
【
図23】(A1)~(A3)は、携帯端末から要求した離席解除処理を行う過程の遊技用装置における表示画面の表示例である。(B1)~(B4)は、携帯端末から要求した離席解除処理を行う過程の携帯端末における表示画面の表示例である。
【
図24】遊技用装置から要求した離席処理と離席解除処理を行う過程の一例を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末との間の通信シーケンス図である。
【
図25】(A1)~(A6)は、遊技用装置から要求した離席と離席解除処理を行う過程の遊技用装置における表示画面の表示例である。(B1)~(B3)は、遊技用装置から要求した離席と離席解除処理を行う過程の携帯端末における表示画面の表示例である。
【
図26】遊技用装置から要求した離席解除処理を行う過程で認証に失敗した例を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末との間の通信シーケンス図である。
【
図27】(A1)~(A5)は、遊技用装置から離席と離席解除処理を行う過程で認証に失敗した場合の遊技用装置における表示画面の表示例である。(B1),(B2)は、遊技用装置から要求した離席解除処理を行う過程で認証に失敗した場合の携帯端末における表示画面の表示例である。
【
図28】遊技用装置から要求した遊技情報取得を行う過程の一例を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末との間の通信シーケンス図である。
【
図29】(A1),(A2)は、遊技用装置から要求した遊技情報取得を行う過程の遊技用装置における表示画面の表示例である。(B)は、遊技用装置から要求した遊技情報取得を行う過程の携帯端末における表示画面の表示例である。
【
図30】携帯端末から要求した遊技情報取得を行う過程の一例を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末との間の通信シーケンス図である。
【
図31】(1)~(3)は、携帯端末から要求した遊技情報取得を行う過程の携帯端末における表示画面の表示例である。
【
図32】携帯端末から要求した遊技終了を行う過程の一例を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末との間の通信シーケンス図である。
【
図33】(A)は、携帯端末から要求した遊技終了を行う過程の遊技用装置における表示画面の表示例である。(B1)~(B3)は、携帯端末から要求した遊技終了を行う過程の携帯端末における表示画面の表示例である。
【
図34】遊技用装置から要求した遊技終了を行う過程の一例を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末との間の通信シーケンス図である。
【
図35】(A1)~(A4)は、遊技用装置から要求した遊技終了を行う過程の遊技用装置における表示画面の表示例である。(B1),(B2)は、遊技用装置から要求した遊技終了を行う過程の携帯端末における表示画面の表示例である。
【
図36】遊技用装置から要求した遊技終了を行う過程で携帯端末が拒否した例を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末との間の通信シーケンス図である。
【
図37】(A1)~(A4)は、遊技用装置から要求した遊技終了を行う過程で携帯端末が拒否した場合の遊技用装置における表示画面の表示例である。(B1),(B2)は、遊技用装置から要求した遊技終了を行う過程で携帯端末が拒否した場合の携帯端末における表示画面の表示例である。
【
図38】遊技用装置から要求した遊技終了を行う過程で携帯端末からの認証が得られなかった場合の一例を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末との間の通信シーケンス図である。
【
図39】(A1)~(A4)は、遊技用装置から要求した遊技終了を行う過程で携帯端末からの認証が得られなかった場合の遊技用装置における表示画面の表示例である。(B)は、遊技用装置から要求した遊技終了を行う過程で携帯端末からの認証が得られなかった場合の携帯端末における表示画面の表示例である。
【
図40】遊技用装置が通信終了条件の成立を判定して遊技終了を行う過程の一例を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末との間の通信シーケンス図である。
【
図41】(A)は、遊技用装置が通信終了条件の成立を判定して遊技終了を行う過程の遊技用装置における表示画面の表示例である。(B1),(B2)は、遊技用装置が遊技終了条件の成立を判定して遊技終了を行う過程の携帯端末における表示画面の表示例である。
【
図42】遊技用装置が通信終了条件の成立を判定して遊技終了を行う過程で携帯端末からの認証が得られなかった場合の一例を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末との間の通信シーケンス図である。
【
図43】携帯端末から要求した台移動を行う過程の一例を示す遊技用装置Bと遊技用装置Aと中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末との間の通信シーケンス図(前段)である。
【
図44】携帯端末から要求した台移動を行う過程の一例を示す遊技用装置Bと遊技用装置Aと中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末との間の通信シーケンス図(中段)である。
【
図45】携帯端末から要求した台移動を行う過程の一例を示す遊技用装置Bと遊技用装置Aと中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末との間の通信シーケンス図(後段)である。
【
図46】(1)~(5)は、携帯端末から要求した台移動を行う過程の携帯端末における表示画面の表示例である。
【
図47】(A1),(A2)は、携帯端末から要求した台移動を行う過程の遊技用装置A(遊技中の台)における表示画面の表示例である。(B1)~(B5)は、携帯端末から要求した台移動を行う過程の遊技用装置B(移動先の台)における表示画面の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、添付図面に基づいて、本発明に係る遊技システム1の実施形態を詳細に説明する。
図1に示すように、遊技システム1は、複数の遊技店10とキャッシュレスセンタ20が接続され、遊技客が所持する携帯端末30にて遊技用アプリケーションプログラム(以下、単に「遊技用アプリ」という)を立ち上げることで、利用可能となる。なお、遊技システム1における携帯端末30は、遊技用アプリを動作させることが可能な端末に限定される。また、遊技用アプリは、携帯端末30にインストールされるアプリケーションプログラムに限らず、携帯端末30のWebブラウザ上で動作するWebアプリ(Webの仕組みを活用したアプリケーションソフトウェア)であっても良い。また、携帯端末30は、遊技客が通信キャリアと契約して所有しているもの等に限らず、遊技店10内でのサービスを利用しようとする遊技客がその遊技店10内で所持しているものであれば、遊技店10から借り受けたもの等であっても構わない。
【0016】
各遊技店10には、複数の遊技機11が設置され、各遊技機11と対応させて遊技用装置12が設置され、遊技用装置12が備える遊技価値付与機能により遊技価値として付与された遊技媒体を用いて遊技機11で遊技を行うことができる。また、遊技用装置12は、遊技に関連する任意のサービスである遊技関連サービス(後に詳述)を遊技客の求めに応じて提供する機能を備える。この遊技用装置12により提供される遊技関連サービスは、遊技客が所持する携帯端末30で遊技用アプリを動作させることで利用可能となる。
【0017】
遊技店10内では、HUB13を介して中継装置14(後に詳述)や管理装置15(遊技店10内の遊技機11や遊技用装置12を統括的に管理する装置)が接続されている。なお、管理装置15は、遊技店10内の諸情報を統括的に管理できるよう、会員管理装置や売上管理装置などの機能を一体に備えるものとしたが、管理装置15とは別に会員管理装置や売上管理装置などを設けても良い。会員管理装置は、会員登録された遊技客の個人情報を含む会員情報を、携帯端末30に設定された固有の識別情報(端末IDや端末内のチップID、或いはインストールされた遊技用アプリの固有番号など)と紐付けて管理するものである。売上管理装置は、遊技客が所持する携帯端末30で使用可能な電子マネーなどの有価価値を遊技に使用可能な遊技価値(実体のある遊技球や遊技メダル等の遊技媒体のほか、遊技球や遊技メダルの数量として取り扱われる電子データを含む)に変換したとき、変換分の有価価値を店の売上として管理するものである。
【0018】
遊技店10に設置される遊技機11には、遊技に用いる遊技媒体の違いから、パチンコ機やパチスロ機がある。パチンコ機では、遊技球を遊技媒体として用い、遊技球を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う。遊技盤面には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、遊技進行によって遊技球が入賞領域を通過すると、所定個数の遊技球が賞遊技媒体として遊技者に付与され、獲得遊技媒体数として計数される。一方、パチスロ機では、遊技メダルを遊技媒体として用い、遊技メダルの投入により回胴リールを回転させ、停止ボタンの操作あるいは時間経過によりリールが停止するような遊技進行となる。そして、リール図柄の停止状況が賞に該当していれば、所定枚数の遊技メダルが賞遊技媒体として遊技者に付与され、獲得遊技媒体数として計数される。遊技球を遊技媒体とするパチンコ機には、遊技媒体として遊技球を貸し出す制御が可能な遊技用装置12が接続され、遊技メダルを遊技媒体とするパチスロ機には、遊技媒体として遊技メダルを貸し出す制御が可能な遊技用装置12が接続される。
【0019】
なお、遊技機11において、遊技に消費した消費遊技媒体数と遊技結果として獲得した獲得遊技媒体数は、実体のある遊技球や遊技メダルを実際に計数して管理する手法に限定されるものではなく、消費遊技媒体数や獲得遊技媒体数を電子情報として扱い、演算により計数管理する手法でも構わない。
【0020】
また、遊技店10に設置されている標準的な遊技用装置12は、遊技客が所持する携帯端末30(スマートフォンやタブレット端末等の電子マネー決済機能を備える装置)と直接通信する機能を備えていないので、遊技関連サービスの提供を携帯端末30から遊技用装置12に直接要求することができない。そこで、本実施形態の遊技システム1においては、遊技用装置12および携帯端末30の双方と通信が可能な管理機能部100を用いて、遊技用装置12と携帯端末30との間の通信を中継する。管理機能部100は、各遊技店10内の中継装置14と、店外にあるキャッシュレスセンタ20とで構成される。なお、キャッシュレスセンタ20と各遊技店10の中継装置14とは、通信品質およびセキュリティ性能が高いネットワークで接続することにより、管理機能部100としての信頼性を高めることが望ましい。
【0021】
遊技システム1において、各遊技店10内に設置された遊技用装置12は、店内ネットワークを介して管理機能部100の中継装置14と接続され、来店した遊技客が所持する携帯端末30は、Wi-Fi(登録商標)等の無線LANやキャリア通信を用いて管理機能部100のキャッシュレスセンタ20と接続される。すなわち、特定の遊技用装置12と特定の携帯端末30との組み合わせを管理機能部100にて管理していれば、特定の遊技用装置12と特定の携帯端末30との間で行いたい通信を管理機能部100が中継することで、あたかも遊技用装置12と携帯端末30とが直接接続されて通信しているように見せかける仮想接続を実現できる。これにより、遊技客は携帯端末30を介して遊技用装置12にサービス要求を行えるので、遊技店10内の様々なサービスを受けられるようになる。
【0022】
特定の遊技用装置12と特定の携帯端末30との通信を管理機能部100が中継するためには、通信中継のために必要な特定の遊技用装置12と特定の携帯端末30との組み合わせを通信中継情報として設定しておき、設定された通信中継情報に基づく通信の中継を実行する必要がある。このために、遊技用装置12は遊技用装置特定情報提示手段を備え、携帯端末30は遊技用装置特定情報取得手段と通信中継情報送信手段とを備え、管理機能部100は通信中継情報管理手段と通信中継実行手段とを備える。
【0023】
遊技用装置12の遊技用装置特定情報提示手段は、遊技客の操作に基づいて、自装置に設定された固有の遊技用装置特定情報U-idと自装置が設置された遊技店10の遊技店特定情報H-idを含む光学的に読取可能なコードを生成して表示パネル等の表示部に表示する。なお、光学的に読取可能なコードの種類は特に限定されず、例えば、一次元コードであるバーコード、このバーコードを縦に積み重ねたようなスタック型二次元コード、QRコード(登録商標)に代表されるマトリクス型二次元コード等、必要なデータ容量に応じて、適切なコードを使えば良い。遊技用装置特定情報U-idは、本遊技システム1を利用する各遊技店10内で管理されている全ての遊技用装置12を一意に特定できる情報であれば、各遊技店10において任意に割り振られた英数字等の管理番号でも良いし、メーカーからの出荷時に付された個体識別番号などでも良いが、遊技用装置12が接続されている遊技機11の台番号に対応させておけば、遊技用装置特定情報U-idを遊技店10における各遊技機11の台番号として扱えるので、利便性が高い。なお、遊技用装置12に付された遊技用装置特定情報U-idが、全ての遊技店10において重複しない固有の情報であれば、遊技店特定情報H-idを敢えて送信する必要は無いが、その場合、特定の遊技用装置12が設置されている遊技店10の中継装置14を特定できる情報がキャッシュレスセンタ20に必要である。
【0024】
携帯端末30の遊技用装置特定情報取得手段は、遊技客が遊技用アプリを操作することに基づいて、遊技用装置特定情報提示手段である遊技用装置12の表示部に表示された光学的に読取可能なコード(以下では、二次元コードとして説明する)から遊技用装置特定情報U-idおよび遊技店特定情報H-idを取得するものである。二次元コードを読み取って解析する機能は、標準的な携帯端末30に備わっており、遊技用アプリから利用できる。また、携帯端末30の通信中継情報送信手段は、遊技用装置特定情報取得手段により取得した遊技用装置特定情報U-idおよび遊技店特定情報H-idと、遊技用アプリに設定された固有のアプリ特定情報A-idと、を含む通信中継情報を管理機能部100のキャッシュレスセンタ20へ送信する。なお、アプリ特定情報A-idは、本遊技システム1を利用する各携帯端末30で操作可能な全ての遊技用アプリに設定された固有の情報(例えば、英数字、記号等を組み合わせた任意桁数の情報)であれば良い。
【0025】
管理機能部100の通信中継情報管理手段は、携帯端末30より送信された通信中継情報(少なくとも、遊技用装置特定情報U-idとアプリ特定情報A-idとの組み合わせを把握できる情報)を管理する。管理機能部100の通信中継実行手段は、通信中継情報管理手段による管理対象である通信中継情報に基づき特定される携帯端末30と遊技用装置12との間の通信を中継する。なお、キャッシュレスセンタ20と各遊技店10の中継装置14とで管理機能部100を構成する場合、キャッシュレスセンタ20と中継装置14それぞれに、通信中継情報管理手段と通信中継実行手段の機能を持たせておく。
【0026】
また、管理機能部100のキャッシュレスセンタ20は、遊技者が所持する携帯端末30の携帯端末特定情報S-idと紐付いた携帯端末用の口座を管理する機能を備えるので、例えば、事前に登録した銀行口座やクレジットカード会社などから携帯端末用の口座へチャージしたり、携帯端末用の口座から遊技用装置12へキャッシュレス入金して有価価値として扱えるようにしたりできる。そして、遊技システム1においては、キャッシュレスセンタ20にて通信中継情報を管理しているので、携帯端末30に対応する遊技用装置12が入金先として特定され、入金先の遊技用装置12を指定するような煩雑さが解消され、利便性の良いキャッシュレス入金が可能となる。なお、携帯端末特定情報S-idは、本遊技システム1を利用する各携帯端末30で重複しない情報(例えば、英数字、記号等を組み合わせた任意桁数の情報)であれば良く、電話番号、回線契約番号、世界共通の国際移動体装置識別番号などを用いることができる。
【0027】
次に、
図2を参照して、遊技機11と遊技用装置12と管理機能部100(中継装置14およびキャッシュレスセンタ20)の概略構成を説明する。
【0028】
遊技機11は、遊技制御を行うための制御部11aと、遊技用装置12との通信を行うための遊技用装置通信部11bを備える。遊技機11から遊技用装置12へは、遊技進行に伴って発生あるいは変化する各種の遊技情報が出力され、遊技用装置12から遊技機11へは、遊技に使用できる遊技媒体を貸し出すための貸出情報が出力される。
【0029】
上述した遊技機11より遊技情報を受信する遊技用装置12は、遊技媒体の貸出などの主要機能を制御する制御部12aと、遊技機11との通信を行う遊技機通信部12bと、中継装置14との通信を制御する中継装置通信部12cと、自装置に設定された固有の遊技用装置特定情報U-idおよび遊技店特定情報H-idを符号化して提示する符号化情報提示部12dとを備える。たとえば、遊技客が表示画面のメニュー操作で遊技開始を選択すると、符号化情報としての二次元コードが表示され、遊技開始のための事前準備が始まる。遊技用装置12においては、制御部12aや符号化情報提示部12d等が協働することで、前述した遊技用装置特定情報提示手段としての機能を実現できる。
【0030】
遊技用装置12が、管理機能部100を介して携帯端末30と仮想接続されると、仮想接続された携帯端末30で動作している遊技用アプリのアプリ特定情報A-idの会員情報を管理装置15に問い合わせ、遊技店10に預けてある遊技媒体(貯遊技媒体)を引き出して遊技機11で使用できるようにしてもよい。また、遊技用装置12は、接続対象の携帯端末30の口座から入金された有価価値を管理しており、遊技者の玉貸要求に基づいて、管理している有価価値の一部または全部を消費して遊技価値に変換し、遊技機11に付与する。
【0031】
携帯端末30は、通信機能やアプリケーションプログラムの動作機能を統括的に制御する制御部31と、制御部31の動作制御に必要な諸々の情報を管理する情報管理部32と、無線LANやキャリア通信などの無線通信を制御する無線通信部33、遊技用装置12の表示部に表示された符号化情報としての二次元コードを復号して遊技用装置特定情報U-idおよび遊技店特定情報H-idを取得する符号化情報復号部34等を備える。携帯端末30においては、画像を撮るカメラ機能や符号化情報復号部34等が協働することで、前述した遊技用装置特定情報取得手段としての機能を実現でき、制御部31や無線通信部33等が協働することで、前述した通信中継情報送信手段としての機能を実現できる。
【0032】
管理機能部100における中継装置14は、管理対象の通信中継情報に基づく携帯端末30と遊技用装置12との中継を遊技店10内で処理する制御部14aと、制御部14aにおける制御処理に必要な種々の情報を記憶・更新して適切に管理する情報管理部14bと、キャッシュレスセンタ20との通信を行うセンタ通信部14cと、遊技用装置12との通信を制御する遊技用装置通信部14dとを備える。中継装置14においては、制御部14aや情報管理部14b等が協働することで、前述した通信中継情報管理手段としての機能を実現でき、センタ通信部14cや遊技用装置通信部14d等が協働することで、前述した通信中継実行手段としての機能を実現できる。
【0033】
管理機能部100におけるキャッシュレスセンタ20は、遊技者が所持する携帯端末30に紐付いた口座へのキャッシュレスチャージや口座から遊技用装置12へのキャッシュレス入金といった電子マネーの統括的な処理を行う制御部21と、制御部21における制御処理に必要な種々の情報を記憶・更新して適切に管理する情報管理部22と、各遊技店10の中継装置14との通信を行う中継装置通信部23と、携帯端末30との通信を制御する携帯端末通信部24とを備える。このキャッシュレスセンタ20においては、制御部21や情報管理部22等が協働することで、前述した通信中継情報管理手段としての機能を実現でき、中継装置通信部23や携帯端末通信部24等が協働することで、前述した通信中継実行手段としての機能を実現できる。
【0034】
また、管理機能部100におけるキャッシュレスセンタ20は、例えば、
図3(A1)に示すような通信中継情報管理テーブルで、通信中継情報を管理する。すなわち、携帯端末30から送信された通信中継情報に含まれるアプリ特定情報A-id、遊技用装置特定情報U-id、遊技店特定情報H-idの組み合わせを管理するのが、通信中継情報管理テーブルである。例えば、アプリ特定情報A-id「1234」が送信元である通信に対しては、遊技用装置特定情報U-id「0001」が送信先と分かるので、キャッシュレスセンタ20は、該当する遊技用装置12が設置されている遊技店10の遊技店特定情報H-id「X」を指定して中継装置14へ転送すれば良い。
【0035】
一方、管理機能部100における中継装置14は、
図3(B1)に示すような通信中継情報管理テーブルで、通信中継情報を管理する。中継装置14においては、管理対象の遊技用装置12は全て店内に設置されているので、アプリ特定情報A-idと遊技用装置特定情報U-idの組み合わせを管理できればよい。例えば、アプリ特定情報A-id「1234」が送信元である通信がキャッシュレスセンタ20より転送されると、中継装置14は、遊技用装置特定情報U-id「0001」が送信先と分かるので、該当する遊技用装置12へ送信すれば、アプリ特定情報A-id「1234」の携帯端末30から遊技用装置特定情報U-id「0001」の遊技用装置12への通信中継が完了する。
【0036】
すなわち、遊技システム1においては、管理機能部100にて通信中継情報を管理しているので、送信元を示すアプリ特定情報A-idもしくは遊技用装置特定情報U-idだけで良く、送信先を逐一指定する必要が無い。しかも、通信中継情報を登録する場合、自らの操作で遊技用装置12に表示させた二次元コードを、自ら操作する携帯端末30で読み取るだけで済む。すなわち、遊技客は、自らが所持する携帯端末30と、近傍にある遊技用装置12とを操作しているだけなので、管理機能部100の存在を意識することがなく、携帯端末30と遊技用装置12とが直接接続されているように感じさせることができる。
【0037】
また、キャッシュレスセンタ20は、携帯端末30と紐付いた携帯口座を管理しており、口座残高の範囲内で遊技用装置12へのキャッシュレス入金を可能にするため、例えば、
図3(A2)に示すような携帯口座管理テーブルを用いて、携帯端末特定情報S-idに対応する携帯口座を管理している。さらに、遊技システム1においては、アプリ特定情報A-idを遊技店10における会員情報として用いているので、携帯口座管理テーブルでは、携帯端末特定情報S-idとアプリ特定情報A-idとの組み合わせが分かるようにしてある。なお、携帯端末特定情報S-idとアプリ特定情報A-idとは1対1で対応させることが望ましいが、キャッシュレスセンタ20と接続されている遊技店10が複数の系列に属し、系列ごとに異なる遊技用アプリを用いている場合などには、1つの携帯端末30に複数の遊技用アプリがインストールされる可能性もあるので、1つの携帯端末特定情報S-idに複数のアプリ特定情報A-idを対応させる管理を行ってもよい。
【0038】
一方、通信中継情報を管理している中継装置14でも、遊技店10内の遊技用装置12に対するキャッシュレス入金を仲介する関係上、通信中継情報の管理対象である携帯端末30の携帯口座管理テーブルを管理しておくことが望ましい。そこで、通信中継情報に対応する携帯口座管理情報をキャッシュレスセンタ20から中継装置14に送り、中継装置14でも携帯口座管理テーブルを管理しておく。遊技終了などで通信中継を解除するときなど適宜なタイミングで、キャッシュレスセンタ20で管理している携帯口座管理情報と中継装置14で管理している携帯口座管理情報とを突き合わせてチェックすると、遊技店10内で行われた遊技価値の不正抜き取りなどを早期に発見できる可能性がある。
【0039】
また、中継装置14では、遊技用装置12にて管理している有価価値の使用状況を管理しても良い。遊技用装置12では、携帯口座からキャッシュレス入金された残高の範囲内で玉貸操作が行われて、使用金額分の遊技価値に相当する遊技媒体が遊技機11に付与され、その使用金額分が遊技店10の売上として管理されるのであるが、使用されなかった金額分の遊技価値は、再び携帯口座に戻される。よって、遊技用装置12内で管理されている入出金と同じ入金残高管理情報を中継装置14においても管理することが望ましい。入金残高管理テーブルは、
図3(B2)に示すようなもので、携帯口座を特定できる携帯端末特定情報S-idと遊技用装置特定情報U-idに遊技用装置入金残高を組み合わせて管理できる。そして、キャッシュレス入金を実行した場合には、入金残高管理テーブルの遊技用装置入金残高に加算し、遊技用装置12から管理装置15への売上信号等に基づいて、入金残高管理テーブルの遊技用装置入金残高を減算すれば、遊技用装置入金残高を中継装置14で正確に把握できる。また、この入金残高管理テーブルをキャッシュレスセンタ20でも管理できるようにしておけば、通信中継情報による管理対象の遊技用装置12における残高をキャッシュレスセンタ20でも正確に把握でき、管理対象の携帯端末30へ遊技用装置12の正確な残高をいつでも報せることができる。
【0040】
次に、遊技者が所持する携帯端末30と、遊技を開始したい遊技機11に対応する遊技用装置12とを仮想接続する手順の一例を説明する。
図4は、遊技開始に伴って携帯端末30と遊技用装置12とを仮想接続させる過程の一例を示す遊技用装置12と中継装置14とキャッシュレスセンタ20と携帯端末30との間の通信シーケンス図である。
【0041】
遊技客は、遊技を始めたい空き台(誰も遊技していない遊技機11)の遊技用装置12のタッチパネルにて、遊技開始操作を行う。例えば、
図5(A1)のように、画面に表示された遊技開始ボタンを押すことで遊技開始操作となり、
図5(A2)のような二次元コードが表示される。
【0042】
遊技客は、遊技用装置12にて上述した遊技開始操作を行う前、あるいは遊技開始操作を行った後に、遊技用アプリを立ち上げて(
図5(B1)を参照)、遊技開始ボタンを選択することで、QRコード(登録商標)等の二次元コードの読み取りが可能になる(
図5(B2)を参照)。画面の指示通り、遊技用装置12の表示部に表示された二次元コードを携帯端末30のカメラ機能等で読み取ると、二次元コードから遊技用装置特定情報U-idおよび遊技店特定情報H-idを取得できる。次いで、携帯端末30は、アプリ特定情報A-id、遊技用装置特定情報U-id、遊技店特定情報H-idを含ませた通信中継情報を自動でキャッシュレスセンタ20へ送信する。
【0043】
携帯端末30からの通信中継情報を受信したキャッシュレスセンタ20は、アプリ特定情報A-id、遊技用装置特定情報U-id、遊技店特定情報H-idを通信中継情報として仮登録し、遊技店特定情報H-idで特定される遊技店10の中継装置14に対して、アプリ特定情報A-idと遊技用装置特定情報U-idを含ませた通信中継情報を送信する。
【0044】
キャッシュレスセンタ20からの通信中継情報を受信した中継装置14は、アプリ特定情報A-id、遊技用装置特定情報U-idを通信中継情報として仮登録し、遊技用装置特定情報U-idで特定される遊技用装置12に対して、アプリ特定情報A-idを含ませた通信中継情報を送信する。
【0045】
中継装置14からの通信中継情報を受信した遊技用装置12は、
図5(A3)に示すような認証画面を表示し、遊技客による認証操作を待つ。例えば、遊技用アプリが立ち上がっている携帯端末30の画面内に表示されているアプリ特定情報(以下、アプリIDともいう)A-idを、遊技用装置12の画面に正確に入力すれば、認証判定の結果がOKとなる。なお、遊技客による認証操作の内容は特に限定されるものではなく、携帯端末30が任意に生成したパスコード、携帯端末30を所持する遊技客が遊技用アプリで会員登録する際に設定したパスワードなど、携帯端末30の所持者と遊技用装置12を操作している遊技客とが同一である蓋然性を確認できればよい。認証判定結果がOKであれば、遊技用装置12は、送信元を示す自らの遊技用装置特定情報U-idを付けて認証結果OKの電文を中継装置14へ送信する。その後、遊技用装置12は、遊技開始可能表示(例えば、
図5(A4)を参照)を所定時間表示した後、遊技を進めることができる通常表示(例えば、
図5(A5)を参照)を行う。
【0046】
遊技用装置12から遊技用装置特定情報U-idの付された認証結果OKの電文を受信した中継装置14は、該当する遊技用装置特定情報U-idを含むアプリ特定情報A-idと遊技用装置特定情報U-idの組み合わせを通信中継情報として正規に登録する。そして、遊技用装置特定情報U-idの付された認証結果OKの電文をキャッシュレスセンタ20へ転送する。
【0047】
中継装置14から遊技用装置特定情報U-idの付された認証結果OKの電文を受信したキャッシュレスセンタ20は、該当する遊技用装置特定情報U-idを含むアプリ特定情報A-idと遊技用装置特定情報U-idと遊技店特定情報H-idの組み合わせを通信中継情報として正規に登録する。そして、遊技用装置特定情報U-idの付された認証結果OKの電文を、通信中継情報の送信先であるアプリ特定情報A-idがインストールされている携帯端末30へ転送する。
【0048】
キャッシュレスセンタ20から遊技用装置特定情報U-idの付された認証結果OKの電文を受信した携帯端末30は、遊技を行いたい遊技機11に対応する遊技用装置12の遊技用装置特定情報U-idを送信先として記憶し、該当する遊技機11で遊技を行えることを遊技客に伝える遊技開始可能表示(例えば、
図5(B3)を参照)を行う。なお、携帯端末30で遊技開始可能表示を所定時間(例えば、5秒)行った後、遊技を行うための通常表示に自動で切り替え、遊技の開始を促してもよい。
【0049】
このようにして、特定の携帯端末30と遊技用装置12との仮想接続が成立すると、遊技用装置12が提供可能な遊技関連サービス(例えば、玉貸サービス、離席サービス、遊技情報提供サービスなど)を携帯端末30との通信によって利用可能となる。なお、仮想接続が成立すると、特定のペアとなった携帯端末30と遊技用装置12は、互いの送信先を逐一指定することなく、管理機能部100によって通信を中継されるが、仮想接続された送信先の情報を、少なくとも仮想接続が維持されている間は、記憶しておくことが望ましい。また、本遊技システム1では、遊技用装置特定情報U-idを遊技機11の台番号としてあるので、仮想接続先として記憶している遊技用装置特定情報U-idを、遊技機11の台番号として遊技用アプリ内の表示に使うことができる。
【0050】
次に、遊技者が所持する携帯端末30と、遊技を開始したい遊技機11に対応する遊技用装置12との仮想接続に失敗した場合の一例を説明する。
図6は、遊技開始に伴って携帯端末30と遊技用装置12とを仮想接続させる過程で認証に失敗した例を示す遊技用装置12と中継装置14とキャッシュレスセンタ20と携帯端末30との間の通信シーケンス図である。
【0051】
遊技客は、遊技を始めたい空き台の遊技用装置12のタッチパネルにて、
図7(A1)のように、画面に表示された遊技開始ボタンを押すことで遊技開始操作となり、
図7(A2)のような二次元コードが表示される。遊技客が、携帯端末30で遊技用アプリを立ち上げて(
図7(B1)を参照)、遊技開始ボタンを選択することで、QRコード(登録商標)の読み取りが可能になり(
図7(B2)を参照)、二次元コードを携帯端末30で読み取ると、二次元コードから遊技用装置特定情報U-idおよび遊技店特定情報H-idを取得できる。
【0052】
アプリ特定情報A-id、遊技用装置特定情報U-id、遊技店特定情報H-idを含ませた通信中継情報を携帯端末30がキャッシュレスセンタ20へ送信する。キャッシュレスセンタ20は、アプリ特定情報A-id、遊技用装置特定情報U-id、遊技店特定情報H-idを通信中継情報として仮登録し、遊技店特定情報H-idで特定される遊技店10の中継装置14に対して、アプリ特定情報A-idと遊技用装置特定情報U-idを含ませた通信中継情報を送信する。中継装置14は、アプリ特定情報A-id、遊技用装置特定情報U-idを通信中継情報として仮登録し、遊技用装置特定情報U-idで特定される遊技用装置12に対して、アプリ特定情報A-idを含ませた通信中継情報を送信する。
【0053】
中継装置14からの通信中継情報を受信した遊技用装置12は、
図7(A3)に示すような認証画面を表示し、遊技客による認証操作を待つ。誤ったアプリ特定情報A-idが入力されると、
図7(A4)に示すような認証失敗画面が表示される。認証失敗は、所定回数(例えば3回)まで猶予され、アプリ特定情報A-idの再入力を促す。しかしながら、所定回数続けて認証判定の結果がNGになると遊技用装置12は、送信元を示す自らの遊技用装置特定情報U-idを付けて認証結果NGの電文を中継装置14へ送信する。その後、遊技用装置12は、遊技開始不可表示(例えば、
図7(A5)を参照)を所定時間表示した後、空き台の通常表示を行う。
【0054】
遊技用装置12から遊技用装置特定情報U-idの付された認証結果NGの電文を受信した中継装置14は、該当する遊技用装置特定情報U-idを含む仮登録の通信中継情報を削除する。そして、遊技用装置特定情報U-idの付された認証結果NGの電文をキャッシュレスセンタ20へ転送する。
【0055】
中継装置14から遊技用装置特定情報U-idの付された認証結果NGの電文を受信したキャッシュレスセンタ20は、該当する遊技用装置特定情報U-idを含む仮登録の通信中継情報を削除する。そして、遊技用装置特定情報U-idの付された認証結果NGの電文を、通信中継情報の送信先であるアプリ特定情報A-idがインストールされている携帯端末30へ転送する。
【0056】
キャッシュレスセンタ20から遊技用装置特定情報U-idの付された認証結果NGの電文を受信した携帯端末30は、遊技を行いたい遊技機11に対応する遊技用装置12の遊技用装置特定情報U-idとの仮想接続を中止し、遊技用装置12の二次元コードから読み取った遊技用装置特定情報U-idおよび遊技店特定情報H-idを破棄する。また、携帯端末30は、遊技開始不可表示(例えば、
図7(B3)を参照)を行う。
【0057】
このように、本実施形態の遊技システム1においては、携帯端末30より送信された通信中継情報に基づき特定される遊技用装置12から適正な認証結果(例えば、携帯端末30に表示されたアプリ特定情報A-idの入力)を得られた場合にのみ、管理機能部100として機能するキャッシュレスセンタ20と中継装置14が通信中継情報を管理対象として正規登録し、特定のペアとなる携帯端末30と遊技用装置12との間の通信を中継可能にする。遊技用装置12での認証を必須とすれば、携帯端末30を所持する遊技客が、ペアとなる遊技用装置12の近傍にいることを確認できるので、その遊技客が認証を行った遊技用装置12に対応する遊技機11で遊技を開始する蓋然性が高いと判断できる。なお、遊技用装置12での認証を省略して、特定のペアとなる携帯端末30と遊技用装置12との仮想接続を実行できるようにすれば、遊技客が気軽に遊技開始の手続を行えるので、遊技客にとっての利便性が高まる。その反面、すぐに遊技を開始するつもりがないのに席取り感覚で遊技機11を確保しておく使い方が想定されるので、遊技機11の稼働率を低下させないような運用上の工夫が必要である。
【0058】
上記のように、特定のペアとなる携帯端末30と遊技用装置12との仮想接続が確立され、キャッシュレスセンタ20と中継装置14による通信中継が可能となった後、遊技用装置12に接続された遊技機11で遊技を行うためには、遊技機11で遊技媒体を使用可能にしなければならない。遊技用装置12に現金と等価な有価価値があれば、この有価価値を遊技価値に変換して遊技機11に付与することで、遊技機11で遊技媒体を使用可能となる。そこで、遊技用装置12に現金を投入することなく(キャッシュレスで)有価価値を預ける処理(以下、キャッシュレス入金処理という)を
図8~
図15を用いて説明する。
【0059】
図8は、遊技用装置12から要求したキャッシュレス入金を行う過程の一例を示す遊技用装置12と中継装置14とキャッシュレスセンタ20と携帯端末30との間の通信シーケンス図である。
【0060】
遊技開始操作によって、特定の携帯端末30と仮想接続されている遊技用装置12にてキャッシュレス入金要求操作を行うと(例えば、
図9(A1)を参照)、遊技用装置12は認証情報としての入金用コードを生成して遊技客が確認できるように表示し(例えば、
図9(A2)を参照)、この認証用コードと自装置の遊技用装置特定情報U-idを中継装置14へ送信する。
【0061】
遊技用装置12からの入金用コードと遊技用装置特定情報U-idを受けた中継装置14は、通信中継情報管理テーブルから遊技用装置特定情報U-idに対応するアプリ特定情報A-idを特定でき、携帯口座管理テーブルからアプリ特定情報A-idに対応する携帯端末特定情報S-idを特定できる。そこで、中継装置14は、入金用コードと携帯端末特定情報S-idをキャッシュレスセンタ20へ送信する。
【0062】
中継装置14からの入金用コードと携帯端末特定情報S-idを受けたキャッシュレスセンタ20は、携帯端末特定情報S-idに対応する携帯端末30の携帯口座から、携帯端末30のアプリ特定情報A-idに対応する遊技用装置特定情報U-idの遊技用装置12へのキャッシュレス入金の要求であると解釈する。キャッシュレスセンタ20は、携帯口座管理テーブルにて、携帯端末30に固有の携帯端末特定情報S-idと紐付いた有価価値の出し入れを管理しているので、携帯端末特定情報S-idに対応する携帯口座の残高を把握でき、この口座に対応する携帯端末30のアプリ特定情報A-idを把握できる。そこで、キャッシュレスセンタ20は、キャッシュレス入金の対象となる遊技用装置12を特定できるように、通信中継情報管理テーブルからアプリ特定情報A-idに対応する遊技用装置特定情報U-idと遊技店特定情報H-idを特定し、店舗名、遊技用装置特定情報U-id、携帯口座の残高、キャッシュレス入金要求操作を行った遊技用装置12が生成した入金用コードを携帯端末特定情報S-idに対応する携帯端末30へ送信する。
【0063】
キャッシュレスセンタ20からキャッシュレス入金に関する情報(店舗名、遊技用装置特定情報U-id、残高、入金用コード)を受けた携帯端末30は、携帯端末30を所持する遊技客に対して、入金用コードの入力による認証と許諾を促す(例えば、
図9(B1)を参照)。仮想接続されている遊技用装置12に表示されている入金用コードを遊技客が正しく携帯端末30に入力し、認証ボタンを押下すると、キャッシュレス入金要求に対する認証と、遊技客の許諾が得られたものと判断され、入金額を遊技客に選択させる(例えば、
図9(B2)を参照)。なお、携帯端末30には、キャッシュレスセンタ20から携帯口座の残高が通知されているので、選択できる入金額が携帯口座の残高を超えないように選択可能な金額を調整することが望ましい。また、口座残高が最小の入金額に満たない場合など、携帯口座にチャージするよう促す画面を携帯端末30に表示するようにしてもよい。
【0064】
携帯端末30は、遊技客が入金額を選択すると、入金額と携帯端末特定情報S-idをキャッシュレスセンタ20へ送信し、これにより、キャッシュレスセンタ20は携帯端末特定情報S-idに対応する携帯口座の残高から入金額分を減算して携帯口座管理テーブルを更新することでキャッシュレス入金を実行する。同様に、キャッシュレスセンタ20から入金額と携帯端末特定情報S-idを受けた中継装置14も、携帯端末特定情報S-idに対応する携帯口座の残高から入金額分を減算して携帯口座管理テーブルを更新することでキャッシュレス入金を実行する。中継装置14から入金額を受けた遊技用装置12は、入金額分の有価価値を遊技媒体の貸出に使えるように記憶管理することで、キャッシュレス入金を実行する。
【0065】
なお、遊技用装置12でキャッシュレス入金が実行されることで、キャッシュレス入金処理を完了したものとして扱ってもよいが、
図8においては、より信頼性を高めるために、遊技用装置12でキャッシュレス入金処理が実行された後に、遊技用装置12への入金が完了したことを携帯端末30へ知らせる入金完了処理を行うようにした。
【0066】
具体的には、キャッシュレス入金処理を実行した遊技用装置12から中継装置14へ完了情報と遊技用装置特定情報U-idを送信すると、中継装置14では、遊技用装置特定情報U-idに対応する入金残高管理テーブルを更新し、キャッシュレスセンタ20へ完了情報と遊技用装置特定情報U-idを送信する。これを受けたキャッシュレスセンタ20では、遊技用装置特定情報U-idの接続対象であるアプリ特定情報A-idに対応する携帯口座管理テーブルを選定し、キャッシュレス入金分を減じた口座残高に更新する。キャッシュレスセンタ20より完了情報を受けた携帯端末30では、キャッシュレス入金完了表示を行う(例えば、
図9(B3)を参照)。一方、キャッシュレス入金が完了した遊技用装置12においてもキャッシュレス入金完了表示を行うが(例えば、
図9(A3)を参照)、携帯端末30にキャッシュレス入金完了表示が行われるまでのディレイタイムを考慮して、キャッシュレス入金の実行からキャッシュレス入金完了表示までのタイミングを若干遅くしてもよい。また、キャッシュレス入金完了表示を行って所定時間(例えば、3秒)が経過すると、遊技用装置12の表示画面を遊技用の通常表示に自動で変更し(例えば、
図9(A4)を参照)、遊技客に遊技開始を促すようにしてもよい。
【0067】
上述したように、管理機能部100としてのキャッシュレスセンタ20は、携帯端末30に固有の携帯端末特定情報S-idと紐付いた有価価値の出し入れを携帯口座管理テーブルにて管理しており、遊技用装置12を操作することによるキャッシュレス入金要求操作が実行されるなど、予め定めた有価価値付与条件が成立することに基づき、キャッシュレスセンタ20と中継装置14が連携して、遊技客が携帯端末30で選択した金額(有価価値の一部または全部)を、携帯端末30に対応する遊技用装置12に対して付与するキャッシュレス入金を可能にする。すなわち、遊技システム1における管理機能部100は、キャッシュレス入金を可能にする有価価値管理手段としての機能を備える。そして、この有価価値管理手段は、遊技客が操作することで遊技用装置12から送信される有価価値付与要求を受け、当該有価価値付与要求に対する許諾を携帯端末30で動作している遊技用アプリケーションから受けることを有価価値付与条件の成立と判定する。
【0068】
また、本遊技システム1における遊技用装置12は、有価価値の記憶されたプリペイドカードを取り扱う機能を備えていないが、遊技客が遊技用装置12を操作して有価価値付与要求を行えば、遊技機11で使用可能な遊技価値に変換するための有価価値を、携帯端末30の携帯口座から遊技用装置12に付与(キャッシュレス入金)できるので、遊技客の利便性を損なうことはない。その反面、携帯端末30の所持者ではない第三者が遊技用装置12を操作して有価価値付与要求を行った場合など、携帯端末30の携帯口座から遊技用装置12へ不正なキャッシュレス入金が行われる懸念があり、携帯口座からの出金には高いセキュリティが求められるので、本遊技システム1では、キャッシュレス入金の実行に際して、携帯端末30での認証操作を必須とし、適正な認証が得られなかった場合には、キャッシュレス入金は実行しないものとした。
図10は、遊技用装置12から要求したキャッシュレス入金を行う過程で携帯端末30からの認証が得られなかった場合の一例を示す遊技用装置12と中継装置14とキャッシュレスセンタ20と携帯端末30との間の通信シーケンス図である。
【0069】
遊技開始操作によって、特定の携帯端末30と仮想接続されている遊技用装置12にてキャッシュレス入金要求操作を行うと(例えば、
図11(1)を参照)、遊技用装置12は認証情報としての入金用コードを生成して遊技客が確認できるように表示し(例えば、
図11(2)を参照)、この認証用コードと自装置の遊技用装置特定情報U-idを中継装置14へ送信する。そして、中継装置14およびキャッシュレスセンタ20を経て、携帯端末30へキャッシュレス入金に関する情報(店舗名、遊技用装置特定情報U-id、残高、入金用コード)が送信される。
【0070】
このとき、携帯端末30がキャッシュレスセンタ20と通信不能な状態であったり、遊技客が携帯端末30に表示された認証・許諾画面に気付かなかったりした場合、所定時間(例えば、1分)を経過しても、携帯端末30からキャッシュレスセンタ20への応答は無く、有価価値付与要求に対する許諾が得られないので、有価価値付与条件は成立しない。また、有価価値付与条件が成立せず、有価価値付与要求に対するキャッシュレス入金が実行されないまま携帯端末30からの応答を待ち続けるのは無駄であるから、所定時間を経過しても、携帯端末30からキャッシュレスセンタ20への応答が無いことをキャッシュレス入金無効条件としておく。すなわち、携帯端末30を所持している遊技客が自ら遊技用装置12を操作してキャッシュレス入金要求をしたのであれば、携帯端末30から入金コードの入力が必要であることを認識しているはずであるから、携帯端末30で認証・許諾を行わないのは、携帯端末30を所持する遊技客とは異なる第三者がキャッシュレス入金要求操作を行った可能性が高いと考えられるので、このようなキャッシュレス入金の要求を無効にすれば、携帯端末30を所持する遊技客の携帯口座を保護できる。
【0071】
そこで、キャッシュレスセンタ20は、キャッシュレス入金無効条件が成立すると、携帯端末30からの指示を待つこと無く、自動で入金キャンセルを決定し、無効情報と携帯端末特定情報S-idを中継装置14へ送信することで中継装置14にも入金をキャンセルさせる。中継装置14は、キャッシュレス入金要求元の遊技用装置12へ無効情報を送信する。この無効情報を受けた遊技用装置12は、キャッシュレス入金を実行せず、キャッシュレス入金無効表示(例えば、
図11(3)を参照)を行う。このように、携帯端末30による認証・許諾を必須としておけば、遊技客が望まないキャッシュレス入金が第三者によって実行されてしまうことを未然に防げる。
【0072】
なお、キャッシュレス入金無効条件は、携帯端末30からの応答が無い場合に限らず、遊技用装置12からのキャッシュレス入金要求操作が適正で無いと判断できる条件であればよい。例えば、キャッシュレス入金に対する認証・許諾を求められた携帯端末30を所持する遊技客が、キャッシュレス入金のキャンセルを選択して有価価値付与条件が不成立となった場合、この拒否応答をキャッシュレスセンタ20が受信することをキャッシュレス入金無効条件としてもよい。
【0073】
また、キャッシュレス入金要求操作は、遊技用装置12から行う場合に限らず、携帯端末30から行ってもよい。
図12は、携帯端末30から要求したキャッシュレス入金を行う過程の一例を示す遊技用装置12と中継装置14とキャッシュレスセンタ20と携帯端末30との間の通信シーケンス図である。すなわち、ここでは、管理機能部100が備える有価価値管理手段が、携帯端末30で動作している遊技用アプリケーションを遊技客が操作することで送信される有価価値付与要求を受け、当該有価価値付与要求に対する許諾を遊技用装置12から受けることを有価価値付与条件の成立と判定するのである。
【0074】
遊技開始操作によって、特定の遊技用装置12と仮想接続されている携帯端末30にてキャッシュレス入金要求操作を行うと(例えば、
図13(B1)を参照)、入金額を選択可能となり(例えば、
図13(B2)を参照)、ここで入金額を選択すると、携帯端末30は認証情報としての入金用コードを生成して遊技客が確認できるように表示し(例えば、
図13(B3)を参照)、この入金用コードと入金額と携帯端末特定情報S-idをキャッシュレスセンタ20へ送信する。
【0075】
携帯端末30からの入金用コードと入金額と携帯端末特定情報S-idを受けたキャッシュレスセンタ20は、携帯口座管理テーブルから携帯端末特定情報S-idに対応するアプリ特定情報A-idを特定でき、通信中継情報管理テーブルからアプリ特定情報A-idに対応する遊技用装置特定情報U-idおよび遊技店特定情報H-idを特定できるので、該当する店舗の中継装置14へキャッシュレス入金用の情報(入金用コード、入金額、携帯端末特定情報S-id)を転送する。
【0076】
キャッシュレスセンタ20からキャッシュレス入金用の情報を受けた中継装置14は、携帯口座管理テーブルから携帯端末特定情報S-idに対応するアプリ特定情報A-idを特定でき、通信中継情報管理テーブルからアプリ特定情報A-idに対応する遊技用装置特定情報U-idを特定できるので、該当する遊技用装置12へ入金用コードと入金額を送信する。
【0077】
中継装置14からキャッシュレス入金用の情報(入金用コード、入金額)を受けた遊技用装置12は、携帯端末30を所持する遊技客に対して、入金用コードの入力による認証を促す(例えば、
図13(A1)を参照)。仮想接続されている携帯端末30が生成した入金用コードを遊技客が正しく遊技用装置12の認証画面に入力し、認証ボタンを押下すると、キャッシュレス入金要求に対する認証・許諾が得られたものと判断し、認証結果OKと遊技用装置特定情報U-idを中継装置14へ送信する。これを受けた中継装置14は、キャッシュレスセンタ20へのキャッシュレス入金実行依頼として、認証結果OKと携帯端末特定情報S-idを送信する。
【0078】
これを受けたキャッシュレスセンタ20は、有価価値付与条件の成立と判定し、携帯口座管理テーブルの口座残高を更新(口座残高から入金額を減算)してキャッシュレス入金を実行し、減算分の入金額と入金対象の携帯口座を特定できる携帯端末特定情報S-idを中継装置14へ送信する。これを受けた中継装置14は、入金残高管理テーブルを更新(遊技用装置特定情報U-idに対応する遊技用装置入金残高に入金額を加算)し、キャッシュレス入金を行う入金額を対応する遊技用装置12へ送信する。中継装置14より入金額を受けた遊技用装置12は、入金額分の有価価値を遊技媒体の貸出に使えるように記憶管理することで、キャッシュレス入金を実行する。この後、前述した入金完了処理を行えば、携帯端末30でキャッシュレス入金完了表示が行われ(例えば、
図13(B4)を参照)、遊技用装置12においてもキャッシュレス入金完了表示が行われる(例えば、
図13(A2)を参照)。また、遊技用装置12でキャッシュレス入金完了表示を行った後、遊技用装置12の表示画面を遊技用の通常表示に自動で変更してもよい(例えば、
図13(A3)を参照)。
【0079】
また、携帯端末30からキャッシュレス入金要求操作を行う場合にも、キャッシュレス入金要求操作が適正で無いと判断できるキャッシュレス入金無効条件を設定して構わない。
図14は、携帯端末30から要求したキャッシュレス入金を行う過程で認証に失敗した例を示す遊技用装置12と中継装置14とキャッシュレスセンタ20と携帯端末30との間の通信シーケンス図である。すなわち、有価価値付与要求に対する許諾を遊技用装置12から受けられないで有価価値付与条件が不成立となった場合、例えば、入金用コードによる認証に所定回数(例えば、3回)失敗した第1無効条件、又は、遊技用装置12で適正な認証・許諾が得られずに所定時間(例えば、1分)が経過した第2無効条件のうち、何れか一方の無効条件が成立したことをキャッシュレス入金無効条件とする。携帯端末30に表示された入金用コードが分からない第三者が遊技用装置12に誤った入金用コードを所定回数入力した場合、又は、正しい入金用コードを入力できないまま所定時間が経過した場合は、携帯端末30を所持している本来の遊技客が望んだ有価価値付与要求では無い可能性が高いので、キャッシュレス入金を無効とするのである。なお、第1無効条件もしくは第2無効条件の一方のみをキャッシュレス入金無効条件の成否判定に用いても良い。
【0080】
遊技開始操作によって、特定の遊技用装置12と仮想接続されている携帯端末30にてキャッシュレス入金要求操作を行うと(例えば、
図15(B1)を参照)、入金額を選択可能となり(例えば、
図15(B2)を参照)、ここで入金額を選択すると、携帯端末30は認証情報としての入金用コードを生成して遊技客が確認できるように表示し(例えば、
図15(B3)を参照)、この入金用コードと入金額と携帯端末特定情報S-idをキャッシュレスセンタ20へ送信する。そして、キャッシュレスセンタ20および中継装置14を介して、キャッシュレス入金用の情報(入金用コード、入金額)がキャッシュレス入金の対象となる遊技用装置12へ送信され、携帯端末30を所持する遊技客に対して、入金用コードの入力による認証を促す(例えば、
図15(A1)を参照)。
【0081】
ここで、仮想接続されている携帯端末30が生成した入金用コードとは異なるコードを遊技客が遊技用装置12の認証画面に入力し、認証ボタンを押下すると、遊技用装置12は、中継装置14を介して得た入金用コードと一致しないため、入金用コードが違っていることを示す認証失敗画面を表示する(
図15(A2)を参照)。認証失敗は、所定回数(例えば3回)まで猶予され、入金用コードの再入力を促す。しかしながら、所定回数続けて認証判定の結果がNGになる、或いは適正な入金用コードが入力されないまま(有価価値付与条件が成立しないまま)、所定の猶予時間(例えば、1分)が経過してキャッシュレス入金無効条件が成立すると、遊技用装置12は送信元を示す自らの遊技用装置特定情報U-idを付けて認証結果NGの電文を中継装置14へ送信する。その後、遊技用装置12は、遊技開始不可表示(例えば、
図15(A3)を参照)を所定時間表示した後、空き台の通常表示を行う。
【0082】
遊技用装置12から遊技用装置特定情報U-idの付された認証結果NGの電文を受信した中継装置14は、入金をキャンセルして、遊技用装置特定情報U-idの付された認証結果NGの電文をキャッシュレスセンタ20へ転送する。これを受けたキャッシュレスセンタ20は、入金をキャンセルして、認証結果NGの電文を携帯端末30へ転送する。これを受けた携帯端末30は、キャッシュレス入金要求を破棄し、キャッシュレス入金無効表示(例えば、
図15(B4)を参照)を行う。
【0083】
このように、携帯端末30からキャッシュレス入金要求が行われた場合であっても、この携帯端末30と仮想接続された遊技用装置12による認証・許諾を必須としておけば、本来の遊技客が望まないキャッシュレス入金が第三者によって実行されてしまうことを未然に防げる。
【0084】
次に、遊技用装置12が提供可能な遊技関連サービスの一つである玉貸サービスについて、
図16~
図19に基づいて説明する。この玉貸サービスとは、遊技用装置12または携帯端末30を遊技客が操作して遊技価値変換要求を行うことで、遊技用装置12に対して付与された有価価値の一部または全部を遊技価値に変換して遊技機11に付与する遊技関連サービスである。
【0085】
図16は、遊技用装置12から要求した玉貸を行う過程の一例を示す遊技用装置12と中継装置14とキャッシュレスセンタ20と携帯端末30との間の通信シーケンス図である。
図16においては、遊技開始操作によって、遊技用装置12と携帯端末30との間の通信中継が可能な仮想接続が成立しており、また、玉貸に使える有価価値を携帯口座から遊技用装置12に付与するキャッシュレス入金も完了している。
【0086】
遊技用装置12における遊技用のメニューから玉貸ボタンを遊技客が押下することで有価価値変換要求としての玉貸要求を行うと(例えば、
図17(A1)を参照)、遊技用装置12の入金残高を超えない範囲で貸出額の選択を促す(例えば、
図17(A2)を参照)。遊技客が貸出額を選択すると、遊技用装置12は貸出額を確定して遊技客による貸出操作を受け付け、貸出額相当の遊技価値に変換した貸出情報を遊技機11へ送信する。この貸出情報を受けた遊技機11は、遊技価値分の遊技媒体(遊技球や遊技メダルなど)を払い出したり、遊技に使用可能な電子データとして加算したりすることで、貸出動作を行い、貸出動作が完了すると貸出完了信号などを遊技用装置12へ返す。
【0087】
遊技機11からの貸出完了を確認した遊技用装置12は、入金残高から貸出額分を減算して入金残高を更新し、玉貸完了表示を行う(例えば、
図17(A3)を参照)。また、遊技価値に変換した有価価値分の貸出額は遊技店10の売上となるので、遊技用装置12は、貸出額に基づく売上情報を遊技店10の売上管理装置(例えば、管理装置15)等へ送信する。このように、遊技用装置12を遊技客が操作して遊技価値変換要求を行うことで、遊技用装置12に対して付与された有価価値の一部または全部を遊技価値に変換して遊技機11に付与する遊技関連サービスを利用できる。
【0088】
なお、本遊技システム1の中継装置14は、入金残高管理テーブルを用いて遊技用装置12の入金残高を管理しているので、入金残高を更新した遊技用装置12は、自装置の遊技用装置特定情報U-idを付して貸出額を中継装置14へ送信する。これを受けた中継装置14は、遊技用装置特定情報U-idに対応する遊技用装置入金残高から貸出額を減算して入金残高を更新する。また、このような入金残高管理テーブルをキャッシュレスセンタ20でも管理している場合には、中継装置14が貸出額と遊技用装置特定情報U-idをキャッシュレスセンタ20へ送信し、これを受けたキャッシュレスセンタ20が遊技用装置特定情報U-idに対応する遊技用装置入金残高から貸出額を減算して入金残高を更新する(
図16中、二点鎖線で示す)。
【0089】
さらに、遊技用装置12で玉貸が実行されたことを携帯端末30にも知らせる場合には、キャッシュレスセンタ20が、遊技用装置特定情報U-idに対応する通信中継情報の送信先となるアプリ特定情報A-idで特定される携帯端末30に貸出額と残高を送信する(
図16中、二点鎖線で示す)。これにより、携帯端末30には貸出結果が表示され(例えば、
図17(B)を参照)、この玉貸動作における貸出額と、遊技用装置12に残っている入金残高を携帯端末30にて確認できる。例えば、遊技用装置12における貸出要求を、携帯端末30を所持する遊技客が行っていなかった場合、この貸出結果の表示から異変に気づけるので、迅速な対応が可能となる。
【0090】
上述したような貸出要求(遊技価値返変換要求)は、遊技用装置12を直接操作せずに、携帯端末30から貸出要求を行うことも可能である。すなわち、管理機能部100の通信中継情報管理手段による管理対象の通信中継情報に基づき特定される携帯端末30を遊技客が操作して貸出要求を行うことで、遊技用装置12が記憶管理している入金額の一部または全部を遊技価値に変換して遊技機11に付与する玉貸サービスを利用できる。
【0091】
図18は、携帯端末30から要求した玉貸を行う過程の一例を示す遊技用装置12と中継装置14とキャッシュレスセンタ20と携帯端末30との間の通信シーケンス図である。
図18においては、遊技開始操作によって、遊技用装置12と携帯端末30との間の通信中継が可能な仮想接続が成立しており、また、玉貸に使える有価価値を携帯口座から遊技用装置12に付与するキャッシュレス入金も完了している。
【0092】
携帯端末30における遊技用アプリのメニューから玉貸ボタンを遊技客が押下することで有価価値変換要求としての玉貸要求を行うと(例えば、
図19(B1)を参照)、遊技用装置12の入金残高を超えない範囲で貸出額の選択を促す(例えば、
図19(B2)を参照)。遊技客が貸出額を選択すると、携帯端末30は貸出額を確定して遊技客による貸出操作を受け付けた旨を画面表示し(例えば、
図19(B3)を参照)、貸出額とアプリ特定情報A-idをキャッシュレスセンタ20へ送信する。
【0093】
これを受けたキャッシュレスセンタ20は、通信中継情報管理テーブルで管理する通信中継情報に基づいて中継先の遊技店10を特定し、該当する中継装置14へ貸出額とアプリ特定情報A-idを送信する。これを受けた中継装置14は、通信中継情報管理テーブルで管理する通信中継情報に基づいて中継先の遊技用装置特定情報U-idを特定し、該当する遊技用装置12へ貸出額を送信する。
【0094】
中継装置14からの貸出額を貸出指示として受信した遊技用装置12は、玉貸実行中である旨を表示し(例えば、
図19(A1)を参照)、貸出額相当の遊技価値に変換した貸出情報を遊技機11へ送信する。この貸出情報を受けた遊技機11は、遊技価値分の遊技媒体(遊技球や遊技メダルなど)を払い出したり、遊技に使用可能な電子データとして加算したりすることで、貸出動作を行い、貸出動作が完了すると貸出完了信号などを遊技用装置12へ返す。
【0095】
遊技機11からの貸出完了を確認した遊技用装置12は、入金残高から貸出額分を減算して入金残高を更新し、玉貸完了表示を行う(例えば、
図19(A2)を参照)。また、遊技価値に変換した有価価値分の貸出額は遊技店10の売上となるので、遊技用装置12は、貸出額に基づく売上情報を遊技店10の売上管理装置(例えば、管理装置15)等へ送信する。
【0096】
次いで、遊技用装置12は、貸出動作を実行したことに伴う貸出完了結果と貸出額と遊技用装置特定情報U-idを中継装置14へ送信し、これを受けた中継装置14は、入金残高管理テーブルにて管理する遊技用装置入金残高を更新し、通信中継情報に基づく送信先へ貸出完了結果と貸出額と遊技用装置特定情報U-idを中継する。なお、キャッシュレスセンタ20が1つであれば、中継装置14はそのキャッシュレスセンタ20へ入金完了結果等を転送するだけでよいが、複数の遊技用システムを併存させるために複数のキャッシュレスセンタ20が設置されているような場合には、通信中継情報にて対応するキャッシュレスセンタ20を管理しておき、送信元の遊技用装置特定情報U-idに対応するキャッシュレスセンタ20を指定して送信する必要がある。
【0097】
中継装置14から貸出完了結果と貸出額と遊技用装置特定情報U-idを受信したキャッシュレスセンタ20は、通信中継情報に基づき特定されるアプリ特定情報A-idの携帯端末30へ貸出完了結果と貸出額を送信する。これを受けた携帯端末30は、貸出操作完了表示を行う(例えば、
図19(B4)を参照)。このように、携帯端末30を遊技客が操作して遊技価値変換要求を行うことで、遊技用装置12に対して付与された有価価値の一部または全部を遊技価値に変換して遊技機11に付与する遊技関連サービスを利用できる。
【0098】
次に、遊技用装置12が提供可能な遊技関連サービスの一つである離席サービスについて、
図20~
図27に基づいて説明する。この離席サービスとは、遊技用装置12または携帯端末30を遊技客が操作して離席要求を行うことで、遊技用装置12に対応する遊技機11で第三者が遊技できない離席状態にして、遊技客が安心して台を離れられるようにする遊技関連サービスである。
【0099】
図20は、携帯端末30から要求した離席を行う過程の一例を示す遊技用装置12と中継装置14とキャッシュレスセンタ20と携帯端末30との間の通信シーケンス図である。
図20においては、遊技開始操作によって、遊技用装置12と携帯端末30との間の通信中継が可能な仮想接続が成立している。
【0100】
携帯端末30における遊技用アプリのメニューから離席ボタンを遊技客が押下することで離席要求を行うと(例えば、
図21(B1)を参照)、離席のために遊技を中断する遊技機11の台番号で確認を求める(例えば、
図21(B2)を参照)。これを遊技客が認証することで、携帯端末30は離席操作を受け付け、離席要求とアプリ特定情報A-idをキャッシュレスセンタ20へ送信する。
【0101】
これを受けたキャッシュレスセンタ20は、通信中継情報管理テーブルで管理する通信中継情報に基づいて中継先の遊技店10を特定し、該当する中継装置14へ離席要求とアプリ特定情報A-idを送信する。これを受けた中継装置14は、通信中継情報管理テーブルで管理する通信中継情報に基づいて中継先の遊技用装置特定情報U-idを特定し、該当する遊技用装置12へ離席要求を送信する。
【0102】
中継装置14からの離席要求を受信した遊技用装置12は、遊技機11が遊技を継続できないようにすると共に、自らも遊技用のメニューから遊技関連の要求を受け付けない離席状態へ遷移する。続いて、遊技用装置12は、離席要求に対する処理動作を行ったという処理結果と遊技用装置特定情報U-idを中継装置14へ送信する。なお、遊技用装置12は、離席状態に遷移した後、離席中表示を行い(例えば、
図21(A)を参照)、遊技ができない台であることを第三者に知らせる。
【0103】
遊技用装置12から処理結果と遊技用装置特定情報U-idを受けた中継装置14は、通信中継情報に基づく送信先へ処理結果と遊技用装置特定情報U-idを中継する。なお、本遊技システム1では、キャッシュレスセンタ20が1つなので、中継装置14はキャッシュレスセンタ20へ処理結果と遊技用装置特定情報U-idを転送する。中継装置14から処理結果と遊技用装置特定情報U-idを受信したキャッシュレスセンタ20は、通信中継情報に基づき特定されるアプリ特定情報A-idの携帯端末30へ処理結果を送信する。これを受けた携帯端末30は、離席操作完了表示を行う(例えば、
図21(B3)を参照)。なお、離席操作完了表示の後、所定時間(例えば、5秒)が経過すると、離席中の通常表示へ自動で復帰させてもよい(例えば、
図21(B4)を参照)。このように、携帯端末30を遊技客が操作して離席要求を行うことで、遊技用装置12を離席状態に遷移させて遊技機11での遊技を行えないようにし、遊技客が安心して台を離れられる離席サービスを利用できる。
【0104】
上記のような離席サービスを利用して、休憩などで席を離れた遊技客が戻ってきたとき、遊技機11での遊技を再開するためには、離席解除の操作が必要となる。
図22は、携帯端末30から要求した離席解除処理を行う過程の一例を示す遊技用装置12と中継装置14とキャッシュレスセンタ20と携帯端末30との間の通信シーケンス図である。
図22においては、遊技開始操作によって、遊技用装置12と携帯端末30との間の通信中継が可能な仮想接続が成立しており、離席操作によって遊技用装置12を離席状態に遷移させている。
【0105】
遊技用装置12は、離席状態にある場合、第三者の操作を受け付けないために離席中表示を行っている(
図23(A1)を参照)。一方、携帯端末30の遊技用アプリでは、離席中のメニューが開いており(例えば、
図23(B1)を参照)、ここで離席解除ボタンを押下すると、離席解除の認証を促し(例えば、
図23(B2)を参照)、認証が得られると、遊技客による離席解除操作として受け付け、離席解除要求とアプリ特定情報A-idをキャッシュレスセンタ20へ送信する。
【0106】
これを受けたキャッシュレスセンタ20は、通信中継情報管理テーブルで管理する通信中継情報に基づいて中継先の遊技店10を特定し、該当する中継装置14へ離席解除要求とアプリ特定情報A-idを送信する。これを受けた中継装置14は、通信中継情報管理テーブルで管理する通信中継情報に基づいて中継先の遊技用装置特定情報U-idを特定し、該当する遊技用装置12へ離席解除要求を送信する。
【0107】
中継装置14からの離席解除要求を受信した遊技用装置12は、遊技機11での遊技を可能にすると共に、自らも離席状態を解除して、離席状態を解除した旨を表示する(例えば、
図23(A2)を参照)。なお、離席状態解除の後、所定時間(例えば、5秒)が経過すると、遊技関連サービスの要求を受け付け可能な通常表示へ自動で復帰させてもよい(例えば、
図23(A3)を参照)。続いて、遊技用装置12は、離席解除要求に対する処理動作を行ったという処理結果と遊技用装置特定情報U-idを中継装置14へ送信する。
【0108】
遊技用装置12から処理結果と遊技用装置特定情報U-idを受けた中継装置14は、通信中継情報に基づく送信先へ処理結果と遊技用装置特定情報U-idを中継する。なお、本遊技システム1では、キャッシュレスセンタ20が1つなので、中継装置14はキャッシュレスセンタ20へ処理結果と遊技用装置特定情報U-idを転送する。中継装置14から処理結果と遊技用装置特定情報U-idを受信したキャッシュレスセンタ20は、通信中継情報に基づき特定されるアプリ特定情報A-idの携帯端末30へ処理結果を送信する。これを受けた携帯端末30は、離席解除操作完了表示を行う(例えば、
図23(B3)を参照)。なお、離席解除操作完了表示の後、所定時間(例えば、5秒)が経過すると、遊技用アプリの通常表示へ自動で復帰させてもよい(例えば、
図23(B4)を参照)。このように、携帯端末30を遊技客が操作して離席解除要求を行うことで、遊技用装置12を離席状態から遊技可能な状態に戻して、遊技機11での遊技を再開する離席サービスを利用できる。
【0109】
上述した離席サービスは、携帯端末30からの操作で離席要求および離席解除要求を行うものであったが、遊技用装置12を遊技客が操作して離席要求および離席解除要求を行えるようにしてもよい。
図24は、遊技用装置12から要求した離席処理と離席解除処理を行う過程の一例を示す遊技用装置12と中継装置14とキャッシュレスセンタ20と携帯端末30との間の通信シーケンス図である。24においては、遊技開始操作によって、遊技用装置12と携帯端末30との間の通信中継が可能な仮想接続が成立している。
【0110】
遊技用装置12における表示メニューから離席ボタンを遊技客が押下することで離席要求を行うと(例えば、
図25(A1)を参照)、離席のために遊技を中断することの確認を求める(例えば、
図25(A2)を参照)。これを遊技客が認証することで、遊技用装置12は離席操作を受け付け、遊技機11が遊技を継続できないようにすると共に、自らも遊技用のメニューから遊技関連の要求を受け付けない離席状態へ遷移する。続いて、遊技用装置12は、離席要求に対する離席処理を行った結果である離席中の電文と遊技用装置特定情報U-idを中継装置14へ送信する。なお、遊技用装置12は、離席状態に遷移した後、離席中表示を行い(例えば、
図25(A3)を参照)、遊技ができない台であることを第三者に知らせる。
【0111】
遊技用装置12から処理結果と遊技用装置特定情報U-idを受けた中継装置14は、通信中継情報に基づく送信先へ離席中の電文と遊技用装置特定情報U-idを中継する。中継装置14から離席中の電文と遊技用装置特定情報U-idを受信したキャッシュレスセンタ20は、通信中継情報に基づき特定されるアプリ特定情報A-idの携帯端末30へ離席中の電文を送信する。これを受けた携帯端末30は、離席中表示を行う(例えば、
図25(B1)を参照)。このように、遊技用装置12を遊技客が操作して離席要求を行うことで、遊技用装置12を離席状態に遷移させて遊技機11での遊技を行えないようにし、遊技客が安心して台を離れられる離席サービスを利用できる。
【0112】
上記のように離席処理を行って休憩等で離席した遊技客が台に戻ってきたとき、遊技用装置12に離席中の表示が出ている(例えば、
図25(A3)を参照)。この離席中画面にタッチすると、離席解除用の画面が表示され(例えば、
図25(A4)を参照)、ここで離席解除ボタンを押下すると、離席解除の認証を促すアプリID入力画面が表示される(例えば、
図25(A5)を参照)。すなわち、離席解除の認証に、携帯端末30にインストールされている遊技用アプリのアプリID(アプリ特定情報A-id)を用いることで、この遊技用装置12と仮想接続されている携帯端末30を所持していない第三者にはアプリ画面に表示されたアプリID(例えば、
図25(B1)を参照)がわからないので、離席解除を行うことは困難である。遊技用装置12に適正なアプリ特定情報A-idが入力されて、認証判定がOKであれば、遊技機11での遊技を可能にすると共に、自らも離席状態を解除して、離席状態を解除した旨を表示する(例えば、
図25(A6)を参照)。なお、離席状態解除の後、所定時間(例えば、5秒)が経過すると、遊技関連サービスの要求を受け付け可能な通常表示へ自動で復帰させる。
【0113】
離席解除を行った遊技用装置12は、離席解除の電文と遊技用装置特定情報U-idを中継装置14へ送信する。遊技用装置12から離席解除の電文と遊技用装置特定情報U-idを受けた中継装置14は、キャッシュレスセンタ20へ離席解除の電文と遊技用装置特定情報U-idを中継する。中継装置14から離席解除の電文と遊技用装置特定情報U-idを受信したキャッシュレスセンタ20は、通信中継情報に基づき特定されるアプリ特定情報A-idの携帯端末30へ離席解除の電文を送信する。
【0114】
キャッシュレスセンタ20から離席解除の電文を受けた携帯端末30は、離席解除表示を行う(例えば、
図25(B2)を参照)。なお、離席解除操作完了表示の後、所定時間(例えば、5秒)が経過すると、遊技用アプリの通常表示へ自動で復帰させてもよい(例えば、
図25(B3)を参照)。このように、遊技用装置12を遊技客が操作して離席解除要求を行うことで、遊技用装置12を離席状態から遊技可能な状態に戻して、遊技機11での遊技を再開する離席サービスを利用できる。
【0115】
なお、遊技用装置12にて離席解除操作を行うときに、認証に失敗した場合は、第三者が離席中の台を触った可能性が高いと考えられるので、離席操作を行った遊技客が不利にならないよう、遊技機11の凍結などはせず、離席状態を保持することが望ましい。
図26は、遊技用装置12から要求した離席解除処理を行う過程で認証に失敗した例を示す遊技用装置12と中継装置14とキャッシュレスセンタ20と携帯端末30との間の通信シーケンス図である。
【0116】
離席状態の遊技用装置12には離席中の表示が出ており(例えば、
図27(A1)を参照)、この離席中画面にタッチすると、離席解除用の画面が表示され(例えば、
図27(A2)を参照)、ここで離席解除ボタンを押下すると、離席解除の認証を促すアプリID入力画面が表示される(例えば、
図27(A3)を参照)。すなわち、離席解除の認証に、携帯端末30にインストールされている遊技用アプリのアプリID(アプリ特定情報A-id)を用いることで、この遊技用装置12と仮想接続されている携帯端末30を所持していない第三者にはアプリ画面に表示されたアプリID(例えば、
図27(B1)を参照)がわからないので、離席解除を行うことは困難である。
【0117】
遊技用装置12は、遊技客による認証操作を待ち、誤ったアプリ特定情報A-idが入力されると、
図27(A4)に示すような認証失敗画面が表示される。認証失敗は、所定回数(例えば3回)まで猶予され、アプリ特定情報A-idの再入力を促す。本遊技システム1では、所定回数続けて認証判定の結果がNGになる第1失敗条件、又は、所定時間経過しても正しいアプリ特定情報A-idが入力されない第2失敗条件のうち、何れか一方の失敗条件が成立したことを離席解除失敗条件とし、この離席解除失敗条件が成立した場合、遊技用装置12は、送信元を示す自らの遊技用装置特定情報U-idを付けて離席解除NGの電文を中継装置14へ送信する。その後、遊技用装置12は、離席解除失敗表示(例えば、
図27(A5)を参照)を所定時間表示した後、離席中の表示に戻る。なお、第1失敗条件もしくは第2失敗条件の一方のみを離席解除失敗条件の成否判定に用いても良い。
【0118】
遊技用装置12から遊技用装置特定情報U-idの付された離席解除NGの電文を受信した中継装置14は、離席解除NGの電文と遊技用装置特定情報U-idをキャッシュレスセンタ20へ転送する。中継装置14から離席解除NGの電文と遊技用装置特定情報U-idを受信したキャッシュレスセンタ20は、通信中継情報に基づく送信先である携帯端末30へ離席解除NGの電文を送信する。キャッシュレスセンタ20から離席解除NGの電文を受信した携帯端末30は、離席解除失敗表示(例えば、
図27(B2)を参照)を行う。例えば、遊技用装置12における離席解除要求を、携帯端末30を所持する遊技客が行っていなかった場合、この離席解除失敗表示から異変に気づけるので、迅速な対応が可能となる。
【0119】
次に、遊技用装置12が提供可能な遊技関連サービスの一つである遊技情報提供サービスについて、
図28~
図31に基づいて説明する。この遊技情報提供サービスとは、遊技用装置12に接続された遊技機11で行った遊技に関する諸情報を携帯端末30で受け取れる遊技関連サービスである。
【0120】
図28は、遊技用装置12から要求した遊技情報取得を行う過程の一例を示す遊技用装置12と中継装置14とキャッシュレスセンタ20と携帯端末30との間の通信シーケンス図である。
図28においては、遊技開始操作によって、遊技用装置12と携帯端末30との間の通信中継が可能な仮想接続が成立しており、また、玉貸に使える有価価値を携帯口座から遊技用装置12に付与するキャッシュレス入金も完了している。
【0121】
遊技用装置12にキャッシュレス入金した有価価値を遊技価値に変換して遊技機11に付与する遊技媒体貸出を行い、遊技機11での遊技が開始されると、その遊技進行に伴って蓄積される様々な遊技情報を遊技用装置12で記憶しておく。なお、遊技情報提供サービスで提供できる遊技情報は特に限定されるものではなく、遊技機11より得られる遊技関連情報や、遊技用装置12自身が管理している情報であれば提供可能である。例えば、入金(携帯口座からの入金額の合計)・消費(玉貸に消費した貸出額の合計)・計数(遊技機11の賞遊技媒体数を獲得遊技媒体数として計数した値)・再プレイ(遊技店10に預けておいた貯玉を引き出して遊技機11での遊技に使った遊技媒体数)・大当たり(比較的短時間に多くの遊技利益を獲得できる特別ゲームを開始できる遊技状態に突入した回数)・回転数(遊技機11で遊技した実行回数)・確変回数(確率変動当たりを引いた回数)・アウト(遊技に使った遊技媒体の総数)・セーフ(遊技結果の賞として獲得した遊技媒体の総数)などを遊技情報とする。
【0122】
遊技客が遊技用装置12のメニューから遊技情報ボタンを押下して遊技情報取得要求を行うと(例えば、
図29(A1)を参照)、遊技情報取得要求の確認表示を行い(例えば、
図29(A2)を参照)、遊技客が遊技情報取得要求の実行を選択すると、遊技情報取得操作が遊技用装置12に受け付けられ、以下に説明する遊技情報送信処理が行われる。
【0123】
遊技情報送信処理においては、先ず、遊技用装置12が遊技情報と自装置を特定する遊技用装置特定情報U-idを中継装置14へ送信し、これを受けた中継装置14は遊技情報と遊技用装置特定情報U-idをキャッシュレスセンタ20へ転送する。中継装置14から遊技情報と遊技用装置特定情報U-idを受信したキャッシュレスセンタ20は、通信中継情報に基づく送信先である携帯端末30へ遊技情報を送信する。キャッシュレスセンタ20から遊技情報を受信した携帯端末30は、遊技情報表示(例えば、
図29(B)を参照)を行う。すなわち、遊技用装置12からの遊技情報が、管理機能部100である中継装置14とキャッシュレスセンタ20により中継されて、携帯端末30に届けられるのである。
【0124】
また、遊技情報提供サービスは、携帯端末30からの操作によっても受けることができる。
図30は、携帯端末30から要求した遊技情報取得を行う過程の一例を示す遊技用装置12と中継装置14とキャッシュレスセンタ20と携帯端末30との間の通信シーケンス図である。
図30においては、遊技開始操作によって、遊技用装置12と携帯端末30との間の通信中継が可能な仮想接続が成立しており、また、玉貸に使える有価価値を携帯口座から遊技用装置12に付与するキャッシュレス入金も完了しており、遊技機11での遊技進行に伴って蓄積される遊技情報が遊技用装置12に記憶されている。
【0125】
遊技客が携帯端末30のメニューから遊技情報ボタンを押下して遊技情報取得要求を行うと(例えば、
図31(1)を参照)、遊技情報取得要求の確認表示を行い(例えば、
図31(2)を参照)、遊技客が遊技情報取得要求の実行を選択すると、遊技情報取得操作が携帯端末30に受け付けられる。遊技情報取得操作を受け付けた携帯端末30は、遊技情報取得要求とアプリ特定情報A-idをキャッシュレスセンタ20へ送信し、これを受けたキャッシュレスセンタ20は通信中継情報に基づく遊技店10の中継装置14へ遊技情報取得要求とアプリ特定情報A-idを転送する。キャッシュレスセンタ20から遊技情報取得要求とアプリ特定情報A-idを受信した中継装置14は、通信中継情報に基づく送信先である遊技用装置12へ遊技情報取得要求を送信する。
【0126】
中継装置14より遊技情報取得要求が送信された遊技用装置12は、通信中継情報に基づく通信先である携帯端末30からの遊技情報取得要求として受け付ける。この遊技情報取得要求を遊技用装置12が受け付けることにより、前述した遊技情報送信処理が行われて、遊技用装置12から送信された遊技情報が、管理機能部100である中継装置14およびキャッシュレスセンタ20の中継によって携帯端末30に届けられ、遊技情報を受信した携帯端末30は、遊技情報表示(例えば、
図31(3)を参照)を行う。すなわち、携帯端末30から遊技情報取得要求を行った場合でも、遊技用装置12による遊技情報提供サービスを受けられる。
【0127】
上述したように、特定の携帯端末30と遊技用装置12との通信を中継できる通信中継情報が管理機能部100であるキャッシュレスセンタ20および中継装置14にて管理されている間は、携帯端末30を所持する遊技客が、その携帯端末30とペアになった遊技用装置12に接続された遊技機11を専有できる。そのため、遊技客が遊技機11での遊技を行わないまま専有し続けていると、他の遊技客が利用できないために利益機会損失となり、遊技店10の収益を低下させる要因となる可能性がある。そこで、本遊技システム1の管理機能部100が備える通信中継情報管理手段は、管理対象である通信中継情報に基づき特定される携帯端末30と遊技用装置12に関して、予め定めた通信終了条件が成立することに基づき、当該通信終了条件が成立した携帯端末30と遊技用装置12に対応する通信中継情報を管理対象から除外することにより、通信中継実行手段による携帯端末30と遊技用装置12との間の通信の中継を終了させるようにした。
【0128】
最も一般的な通信終了条件は、携帯端末30または遊技用装置12を介して、遊技客による遊技終了操作が行われることである。
図32は、携帯端末30から要求した遊技終了を行う過程の一例を示す遊技用装置12と中継装置14とキャッシュレスセンタ20と携帯端末30との間の通信シーケンス図である。
図32においては、遊技開始操作によって、遊技用装置12と携帯端末30との間の通信中継が可能な仮想接続が成立しており、携帯端末30とペアになった遊技用装置12に接続された遊技機11は、携帯端末30を所持する遊技客が専有している状態である。
【0129】
ここで、遊技客が携帯端末30のメニューから遊技終了ボタンを押下して遊技終了要求を行うと(例えば、
図33(B1)を参照)、遊技終了要求の確認表示を行い(例えば、
図33(B2)を参照)、遊技客が遊技終了の実行を選択すると、遊技終了操作が携帯端末30に受け付けられる。携帯端末30が遊技終了確定の電文とアプリ特定情報A-idをキャッシュレスセンタ20へ送信し、これを受けたキャッシュレスセンタ20は通信中継情報に基づく遊技店10の中継装置14へ遊技終了確定の電文とアプリ特定情報A-idを転送する。キャッシュレスセンタ20から遊技終了確定の電文とアプリ特定情報A-idを受信した中継装置14は、通信中継情報に基づく送信先である遊技用装置12へ遊技終了確定の電文を送信する。
【0130】
中継装置14から遊技終了確定の電文を受けた遊技用装置12は、遊技終了処理を行う。遊技終了処理は、遊技機11を他の遊技客が使えるようにする処理全般であり、例えば、遊技機11に残っている貸出遊技媒体や賞遊技媒体を計数してアプリ特定情報A-idに紐付いた会員の持ち玉として管理装置15に送信する処理などである。遊技用装置12によって遊技終了処理が行われると、以下のような中継解除処理が実行される。
【0131】
中継解除処理においては、先ず、遊技用装置12が、仮想接続による通信先である携帯端末30の登録を抹消することで通信中継を解除し、中継解除の電文と遊技用装置特定情報U-idを中継装置14へ送信する。これを受けた中継装置14は中継解除の電文と遊技用装置特定情報U-idをキャッシュレスセンタ20へ転送し、アプリ特定情報A-idと遊技用装置特定情報U-idに対して設定された通信中継情報を削除(或いは、管理対象から除外して過去の通信中継情報履歴に記憶)する。中継装置14から中継解除電文と遊技用装置特定情報U-idを受信したキャッシュレスセンタ20は、通信中継情報に基づく送信先である携帯端末30へ中継解除の電文を送信し、アプリ特定情報A-idと遊技用装置特定情報U-idに対して設定された通信中継情報を削除(或いは、管理対象から除外して過去の通信中継情報履歴に記憶)する。キャッシュレスセンタ20から中継解除の電文を受信した携帯端末30は、仮想接続による通信先である遊技用装置12の登録を抹消することで通信中継を解除する。
【0132】
すなわち、中継解除処理を実行すると、管理機能部100である中継装置14とキャッシュレスセンタ20が通信中継情報に基づいて行う携帯端末30と遊技用装置12との間の通信中継が解除され、遊技用装置12に接続されている遊技機11は空き台となり、他の遊技客が使えるようになる。なお、遊技用装置12での中継解除処理を行った後、遊技終了表示(例えば、
図33(A)を参照)を行って、この遊技用装置12に接続されている遊技機11での遊技が終了したことを報知してもよい。同様に、携帯端末30での中継解除処理を行った後、遊技終了表示(例えば、
図33(B3)を参照)を行って、この携帯端末30との仮想接続が解除された遊技用装置12に接続されている遊技機11での遊技が終了したことを報知してもよい。
【0133】
また、遊技終了操作は、携帯端末30から行う場合に限らず、遊技用装置12から行ってもよいが、この場合、携帯端末30を所持する遊技客ではない第三者が遊技用装置12を操作している可能性を考慮しておくことが望ましい。
図34は、遊技用装置12から要求した遊技終了を行う過程の一例を示す遊技用装置12と中継装置14とキャッシュレスセンタ20と携帯端末30との間の通信シーケンス図である。
図34においては、遊技開始操作によって、遊技用装置12と携帯端末30との間の通信中継が可能な仮想接続が成立しており、携帯端末30とペアになった遊技用装置12に接続された遊技機11は、携帯端末30を所持する遊技客が専有している状態である。
【0134】
ここで、遊技客が遊技用装置12のメニューから遊技終了ボタンを押下して遊技終了要求を行うと(例えば、
図35(A1)を参照)、遊技終了要求の確認表示を行い(例えば、
図35(A2)を参照)、遊技客が遊技終了の実行を選択すると、遊技終了操作が遊技用装置12に受け付けられる。このとき、遊技用装置12では、携帯端末30への注意喚起表示(例えば、
図35(A3)を参照)を行い、携帯端末30で認証が必要であることを遊技客に報せる。続いて、遊技用装置12は遊技終了確認の電文と送信元である自装置の遊技用装置特定情報U-idを中継装置14へ送信し、これを受けた中継装置14は通信中継情報に基づきキャッシュレスセンタ20へ遊技終了確認の電文と遊技用装置特定情報U-idを転送する。中継装置14から遊技終了確認の電文と遊技用装置特定情報U-idを受信したキャッシュレスセンタ20は、通信中継情報に基づく送信先である携帯端末30へ遊技終了確認の電文を送信する。
【0135】
キャッシュレスセンタ20から遊技終了確認の電文を受けた携帯端末30は、遊技終了要求の確認表示を行い(例えば、
図35(B1)を参照)、遊技客が遊技終了の実行を選択すると、遊技終了操作が携帯端末30に受け付けられる。携帯端末30が遊技終了確定の電文とアプリ特定情報A-idをキャッシュレスセンタ20へ送信し、これを受けたキャッシュレスセンタ20は通信中継情報に基づく遊技店10の中継装置14へ遊技終了確定の電文とアプリ特定情報A-idを転送する。キャッシュレスセンタ20から遊技終了確定の電文とアプリ特定情報A-idを受信した中継装置14は、通信中継情報に基づく送信先である遊技用装置12へ遊技終了確定の電文を送信する。中継装置14から遊技終了確定の電文を受けた遊技用装置12は、遊技終了処理を行う。
【0136】
上記のようにして遊技終了処理を行った後、前述した中継解除処理を実行し、管理機能部100である中継装置14とキャッシュレスセンタ20が通信中継情報に基づいて行う携帯端末30と遊技用装置12との間の通信中継が解除され、遊技用装置12に接続されている遊技機11は空き台となる。なお、遊技用装置12での中継解除処理を行った後、遊技終了表示(例えば、
図35(A4)を参照)を行って、この遊技用装置12に接続されている遊技機11での遊技が終了したことを報知してもよい。同様に、携帯端末30での中継解除処理を行った後、遊技終了表示(例えば、
図35(B2)を参照)を行って、この携帯端末30との仮想接続が解除された遊技用装置12に接続されている遊技機11での遊技が終了したことを報知してもよい。
【0137】
一方、携帯端末30を所持する遊技客ではない第三者が遊技用装置12から遊技終了操作を行った場合など、携帯端末30で遊技終了を認証しない可能性もある。
図36は、遊技用装置12から要求した遊技終了を行う過程で携帯端末30が拒否した例を示す遊技用装置12と中継装置14とキャッシュレスセンタ20と携帯端末30との間の通信シーケンス図である。
図36においては、遊技開始操作によって、遊技用装置12と携帯端末30との間の通信中継が可能な仮想接続が成立しており、携帯端末30とペアになった遊技用装置12に接続された遊技機11は、携帯端末30を所持する遊技客が専有している状態である。
【0138】
遊技客が遊技用装置12のメニューから遊技終了ボタンを押下して遊技終了要求を行うと(例えば、
図37(A1)を参照)、遊技終了要求の確認表示を行い(例えば、
図37(A2)を参照)、遊技客が遊技終了の実行を選択すると、遊技終了操作が遊技用装置12に受け付けられる。このとき、遊技用装置12では、携帯端末30への注意喚起表示(例えば、
図37(A3)を参照)を行い、携帯端末30で認証が必要であることを遊技客に報せる。続いて、遊技用装置12は遊技終了確認の電文と送信元である自装置の遊技用装置特定情報U-idを中継装置14へ送信し、これを受けた中継装置14は通信中継情報に基づきキャッシュレスセンタ20へ遊技終了確認の電文と遊技用装置特定情報U-idを転送する。中継装置14から遊技終了確認の電文と遊技用装置特定情報U-idを受信したキャッシュレスセンタ20は、通信中継情報に基づく送信先である携帯端末30へ遊技終了確認の電文を送信する。
【0139】
キャッシュレスセンタ20から遊技終了確認の電文を受けた携帯端末30は、遊技終了要求の確認表示を行うが(例えば、
図37(B1)を参照)、遊技客が遊技終了のキャンセルを選択すると、遊技終了拒否が携帯端末30に受け付けられ、遊技終了拒否の電文とアプリ特定情報A-idをキャッシュレスセンタ20へ送信する。また、携帯端末30は、遊技終了無効表示(例えば、
図37(B2)を参照)を行って、この携帯端末30と仮想接続された遊技用装置12に接続されている遊技機11で遊技を継続できることを報知する。
【0140】
携帯端末30より遊技終了拒否の電文とアプリ特定情報A-idを受けたキャッシュレスセンタ20は、通信中継情報に基づく遊技店10の中継装置14へ遊技終了拒否の電文とアプリ特定情報A-idを転送する。キャッシュレスセンタ20から遊技終了拒否の電文とアプリ特定情報A-idを受信した中継装置14は、通信中継情報に基づく送信先である遊技用装置12へ遊技終了拒否の電文を送信する。中継装置14から遊技終了拒否の電文を受けた遊技用装置12は、遊技終了無効表示(例えば、
図37(A4)を参照)を行い、遊技終了操作を受け付ける前の状態に復帰する。すなわち、遊技用装置12で行われた遊技終了要求に対して、携帯端末30での認証を必須とすることで、携帯端末30を所持する遊技客の意に沿わない遊技終了処理が実行されることを未然に防ぐことができ、第三者による遊技用装置12に対する不正操作への迅速な対応が可能となる。
【0141】
一方、仮想接続が実行された携帯端末30を所持する遊技客が、離席処理や遊技終了処理を行わずに、通信中継の対象となっている遊技用装置12から離れ、そのまま店外へ出て電波の届かない場所に行ったり、キャッシュレスセンタ20からの遊技終了確認表示に気がつかなかったり、敢えて遊技終了確認を無視したりした場合、その携帯端末30を所持する遊技客には遊技機11での遊技を継続するつもりが無いと考えられる。そこで、第三者が遊技用装置12で遊技終了要求を行った場合でも、携帯端末30を所持する遊技客がその遊技機11での遊技を継続しない蓋然性が高い場合には、仮想接続を強制解除して、その遊技機11を開放するようにしてもよい。
【0142】
図38は、遊技用装置12から要求した遊技終了を行う過程で携帯端末30からの認証が得られなかった場合の一例を示す遊技用装置12と中継装置14とキャッシュレスセンタ20と携帯端末30との間の通信シーケンス図である。
図38においては、遊技開始操作によって、遊技用装置12と携帯端末30との間の通信中継が可能な仮想接続が成立しており、携帯端末30とペアになった遊技用装置12に接続された遊技機11は、携帯端末30を所持する遊技客が専有している状態である。
【0143】
遊技客が遊技用装置12のメニューから遊技終了ボタンを押下して遊技終了要求を行うと(例えば、
図39(A1)を参照)、遊技終了要求の確認表示を行い(例えば、
図39(A2)を参照)、遊技客が遊技終了の実行を選択すると、遊技終了操作が遊技用装置12に受け付けられる。このとき、遊技用装置12では、携帯端末30への注意喚起表示(例えば、
図39(A3)を参照)を行い、携帯端末30で認証が必要であることを遊技客に報せる。続いて、遊技用装置12は遊技終了確認の電文と送信元である自装置の遊技用装置特定情報U-idを中継装置14へ送信し、これを受けた中継装置14は通信中継情報に基づきキャッシュレスセンタ20へ遊技終了確認の電文と遊技用装置特定情報U-idを転送する。中継装置14から遊技終了確認の電文と遊技用装置特定情報U-idを受信したキャッシュレスセンタ20は、通信中継情報に基づく送信先である携帯端末30へ遊技終了確認の電文を送信する。
【0144】
そして、キャッシュレスセンタ20が遊技終了確認の電文を携帯端末30へ送信した後、所定時間(例えば、1分)、携帯端末30からの応答が無い場合、携帯端末30を所持する遊技客の意向(遊技終了確定か遊技終了拒否か)は分からない。しかしながら、携帯端末30とキャッシュレスセンタ20とが通信できない状況にあるとすれば、仮想接続を維持しても遊技用装置12による遊技関連サービスを受けることはできないので、仮想接続を維持して、その遊技機11を特定の遊技客の専有下におくことは望ましくない。また、携帯端末30とキャッシュレスセンタ20とは通信できる状況にあるが、遊技終了確認の表示が目に止まらないほど他の事に集中しているとすれば、早急に遊技機11へ戻って遊技を再開する可能性は低いと考えられる。なお、携帯端末30の遊技終了確認に気付いているが、遊技終了確定か遊技終了拒否かの選択を行わないような場合も、遊技機11へ戻って遊技を再開する可能性は低いと考えられる。
【0145】
そこで、キャッシュレスセンタ20は、遊技終了確認の電文を携帯端末30へ送信した後、所定時間、携帯端末30からの応答が無い場合、通信終了条件の成立と判定し、通信の中継を強制解除する。例えば、キャッシュレスセンタ20は、強制中継解除の電文と解除対象を示すアプリ特定情報A-idを中継装置14へ送信し、この通信終了条件が成立した携帯端末30と遊技用装置12に対応する通信中継情報を削除(或いは、管理対象から除外)する。また、キャッシュレスセンタ20より強制中継解除の電文とアプリ特定情報A-idを受けた中継装置14は、通信中継情報に基づく通信先の遊技用装置12へ強制中継解除の電文とアプリ特定情報A-idを送信し、強制中継解除の対象である携帯端末30と遊技用装置12に対応する通信中継情報を削除(或いは、管理対象から除外)する。
【0146】
そして、中継装置14から強制中継解除の電文を受けた遊技用装置12は、遊技終了処理を行い、携帯端末30との通信中継を解除し、遊技終了表示(例えば、
図39(A4)を参照)を行う。これにより、通信中継が解除された遊技用装置12に接続されている遊技機11は空き台となり、他の遊技客が利用できる。なお、強制中継解除を行ったケースはキャッシュレスセンタ20にて記憶しておき、強制中継解除された携帯端末30が遊技用アプリを介してキャッシュレスセンタ20に通信をした場合など、携帯端末30に強制中継解除を知らせる表示(例えば、
図39(B)を参照)を行わせて、現状を遊技客に報せてもよい。
【0147】
上述したような通信終了条件は、管理機能部100の管理対象として通信中継情報が記憶されている携帯端末30もしくは遊技用装置12を遊技客が操作して行われた終了操作に基づき判定するものであるが、遊技客による終了操作が行われるまでに、遊技機11が稼動していない時間が長くなると、それだけ遊技機11の稼働率を低下させてしまう。そこで、管理機能部100の管理対象として通信中継情報が記憶されている遊技用装置12において、対応する遊技機11で遊技客が遊技を終了した蓋然性の高い遊技終了推定条件が成立することを契機として、通信終了条件の成否を判定してもよい。
図40は、遊技用装置12が通信終了条件の成立を判定して遊技終了を行う過程の一例を示す遊技用装置12と中継装置14とキャッシュレスセンタ20と携帯端末30との間の通信シーケンス図である。
図40においては、遊技開始操作によって、遊技用装置12と携帯端末30との間の通信中継が可能な仮想接続が成立しており、携帯端末30とペアになった遊技用装置12に接続された遊技機11は、携帯端末30を所持する遊技客が専有している状態である。
【0148】
ここで、遊技用装置12に接続された遊技機11で遊技情報が一定期間(例えば、5分)変化しない場合、遊技機11での遊技を一定期間行っていないと推定できる。例えば、最後に遊技機11での遊技を確認できたタイミングから遊技用装置12が所定期間の計時を開始し、所定期間が経過することで、通信終了条件の成立と判定する。なお、遊技開始操作を行って通信中継可能状態になった後、所定期間遊技が開始されなかった場合も、遊技客に遊技を行う意思がないものと推定されるので、遊技開始操作の完了時から所定期間遊技が行われなかった場合も、通信終了条件の成立と判定してよい。
【0149】
続いて、遊技用装置12は遊技終了確認の電文と送信元である自装置の遊技用装置特定情報U-idを中継装置14へ送信し、これを受けた中継装置14は通信中継情報に基づきキャッシュレスセンタ20へ遊技終了確認の電文と遊技用装置特定情報U-idを転送する。中継装置14から遊技終了確認の電文と遊技用装置特定情報U-idを受信したキャッシュレスセンタ20は、通信中継情報に基づく送信先である携帯端末30へ遊技終了確認の電文を送信する。
【0150】
キャッシュレスセンタ20から遊技終了確認の電文を受けた携帯端末30は、遊技終了要求の確認表示を行い(例えば、
図41(B1)を参照)、遊技客が遊技終了の実行を選択すると、遊技終了操作が携帯端末30に受け付けられる。携帯端末30が遊技終了確定の電文とアプリ特定情報A-idをキャッシュレスセンタ20へ送信し、これを受けたキャッシュレスセンタ20は通信中継情報に基づく遊技店10の中継装置14へ遊技終了確定の電文とアプリ特定情報A-idを転送する。キャッシュレスセンタ20から遊技終了確定の電文とアプリ特定情報A-idを受信した中継装置14は、通信中継情報に基づく送信先である遊技用装置12へ遊技終了確定の電文を送信する。中継装置14から遊技終了確定の電文を受けた遊技用装置12は、遊技終了処理を行う。
【0151】
上記のようにして遊技終了処理を行った後、前述した中継解除処理を実行し、管理機能部100である中継装置14とキャッシュレスセンタ20が通信中継情報に基づいて行う携帯端末30と遊技用装置12との間の通信中継が解除され、遊技用装置12に接続されている遊技機11は空き台となる。なお、遊技用装置12での中継解除処理を行った後、遊技終了表示(例えば、
図41(A)を参照)を行って、この遊技用装置12に接続されている遊技機11での遊技が終了したことを報知してもよい。同様に、携帯端末30での中継解除処理を行った後、遊技終了表示(例えば、
図41(B2)を参照)を行って、この携帯端末30との仮想接続が解除された遊技用装置12に接続されている遊技機11での遊技が終了したことを報知してもよい。
【0152】
なお、携帯端末30に対する遊技終了確認にて、遊技客が遊技終了を拒否した場合には、遊技客の意向を尊重して、遊技終了を無効とし、遊技用装置12に接続された遊技機11を、携帯端末30を所持する遊技客が引き続き専有できるようにしてもよい。しかしながら、携帯端末30に遊技終了確認を行ってから所定期間応答が無い場合、この携帯端末30を所持する遊技客に遊技機11を専有させることは望ましくないので、遊技機11を開放して第三者が使えるようにすれば、遊技機11の稼働率が低下することを防げる。
【0153】
図42は、遊技用装置12が通信終了条件の成立を判定して遊技終了を行う過程で携帯端末30からの認証が得られなかった場合の一例を示す遊技用装置12と中継装置14とキャッシュレスセンタ20と携帯端末30との間の通信シーケンス図である。
図42においては、遊技開始操作によって、遊技用装置12と携帯端末30との間の通信中継が可能な仮想接続が成立しており、携帯端末30とペアになった遊技用装置12に接続された遊技機11は、携帯端末30を所持する遊技客が専有している状態である。
【0154】
遊技用装置12に接続された遊技機11で遊技情報が一定期間(例えば、5分)変化しないことで、遊技用装置12が通信終了条件の成立を判定すると、遊技終了確認の電文と送信元である自装置の遊技用装置特定情報U-idを中継装置14へ送信し、これを受けた中継装置14は通信中継情報に基づきキャッシュレスセンタ20へ遊技終了確認の電文と遊技用装置特定情報U-idを転送する。中継装置14から遊技終了確認の電文と遊技用装置特定情報U-idを受信したキャッシュレスセンタ20は、通信中継情報に基づく送信先である携帯端末30へ遊技終了確認の電文を送信する。
【0155】
そして、キャッシュレスセンタ20が遊技終了確認の電文を携帯端末30へ送信した後、所定時間(例えば、1分)、携帯端末30からの応答が無い場合、通信終了条件の成立と判定し、通信の中継を強制解除するために、強制中継解除の電文と解除対象を示すアプリ特定情報A-idを中継装置14へ送信し、この通信終了条件が成立した携帯端末30と遊技用装置12に対応する通信中継情報を削除(或いは、管理対象から除外)する。また、キャッシュレスセンタ20より強制中継解除の電文とアプリ特定情報A-idを受けた中継装置14は、通信中継情報に基づく通信先の遊技用装置12へ強制中継解除の電文とアプリ特定情報A-idを送信し、強制中継解除の対象である携帯端末30と遊技用装置12に対応する通信中継情報を削除(或いは、管理対象から除外)する。
【0156】
そして、中継装置14から強制中継解除の電文を受けた遊技用装置12は、遊技終了処理を行い、携帯端末30との通信中継を解除し、遊技終了表示を行う。これにより、通信中継が解除された遊技用装置12に接続されている遊技機11は空き台となり、他の遊技客が利用できる。なお、キャッシュレスセンタ20からの遊技終了確認を受けた携帯端末30が遊技終了を拒否した場合、遊技終了を無効として、遊技用装置12に接続された遊技機11を、携帯端末30を所持する遊技客が引き続き専有できるようにするが、携帯端末30と遊技用装置12との仮想接続を維持することが望ましくない場合もありうる。例えば、遊技終了を無効とした後も、遊技客が遊技機11での遊技を行わないまま再度の通信終了条件が成立した場合など、この携帯端末30を所持する遊技客に遊技機11を専有させることが望ましくないと想定される。そこで、遊技終了条件が成立したことをキャッシュレスセンタ20あるいは中継装置14にて記憶しておき、遊技が中断して(もしくは、遊技が開始されることなく)通信終了条件の成立が所定回数(例えば、2~3回)に達すると、強制中継解除を行って、遊技機11を開放するようにしてもよい。
【0157】
上述した遊技システム1では、携帯端末30と遊技用装置12との仮想接続が成立すると、対応する遊技用装置12に接続された遊技機11は、その携帯端末30を所持する遊技客に専有させるので、遊技客にとっての利便性は高いはずであるが、その遊技機11に拘束されるために自由が制限されてしまう。例えば、ICカードやICコイン等の記録媒体を使える旧来の遊技店10では、遊技機11での遊技を中断して離席する際、遊技用装置12から記録媒体を抜き取って携帯できるので、離席中に他の良い台を見つけて、離席中の台へ戻らずに、そのまま別の台で遊技を始めるような台移動が認められている場合もあった。このとき、離席を設定した遊技用装置12に戻って離席の解除あるいは遊技終了の操作を行わなければならない制約があると、その間に目的の台が他の遊技客にとられてしまう可能性があるので、遊技客にとって不自由となる。そこで、本遊技システム1においても、遊技客が台移動を望む場合に、簡易な操作で台移動を可能にできれば、遊技客の利便性を一層高めることができる。この台移動を可能にする処理について、
図43~
図47に基づいて説明する。
【0158】
図43~
図45は、携帯端末30から要求した台移動を行う過程の一例を示す遊技用装置B(以下、遊技用装置12Bという)と遊技用装置A(以下、遊技用装置12Aという)と中継装置14とキャッシュレスセンタ20と携帯端末30との間の通信シーケンス図であり、
図43はその前段を、
図44は中断を、
図45は後段を夫々示す。
図43においては、遊技開始操作によって、遊技用装置12Aと携帯端末30との間の通信中継が可能な仮想接続が成立しており、携帯端末30とペアになった遊技用装置12Aに接続された遊技機11は、携帯端末30を所持する遊技客が専有している状態である。また、携帯端末30を所持する遊技客は、離席処理を行っており、遊技用装置12Aには離席中表示(例えば、
図47(A1)を参照)が行われ、他の遊技客が遊技できない状態である。
【0159】
遊技客が、離席中に見つけた空き台で遊技を行おうと考えた場合、携帯端末30の遊技用アプリから台移動を選択すると(例えば、
図46(1)を参照)、QRコード(登録商標)の読み取りが可能になる(
図46(2)を参照)。この携帯端末30での台移動操作の後、或いは台移動操作を行う前に、移動先の遊技機11に対応する遊技用装置12Bのタッチパネルにて、遊技開始操作を行う。例えば、
図47(B1)に示すように、画面に表示された遊技開始ボタンを押すことで遊技開始操作となり、
図47(B2)のような二次元コードが表示される。
【0160】
上記のようにして遊技用装置12Bに表示された二次元コードを携帯端末30で読み取ると、二次元コードから遊技用装置特定情報U-idBおよび遊技店特定情報H-idを取得できる。ここで、携帯端末30は、離席中の台A(遊技用装置特定情報U-idAである遊技用装置12Aに接続された遊技機11)と移動先の台B(遊技用装置特定情報U-idBである遊技用装置12Bに接続された遊技機11)の確認表示を行い(例えば、
図46(3)を参照)、遊技客に確認操作を促す。遊技客が携帯端末30で確認操作を行うと、アプリ特定情報A-id、遊技店特定情報H-id、台移動情報(遊技用装置特定情報U-idAの接続解除と、遊技用装置特定情報U-idBの接続とを含む情報)をキャッシュレスセンタ20へ送信する。なお、本遊技システム1では、台移動に際して、移動先の台Bでの認証を必須とするため、台Bでの認証を促す表示(例えば、
図43(4)を参照)を行う。
【0161】
携帯端末30からの台移動情報等を受信したキャッシュレスセンタ20は、アプリ特定情報A-id、遊技用装置特定情報U-idB、遊技店特定情報H-idを通信中継情報として仮登録し、遊技店特定情報H-idで特定される遊技店10の中継装置14に対して、アプリ特定情報A-idと台移動情報を送信する。キャッシュレスセンタ20からアプリ特定情報A-idと台移動情報を受信した中継装置14は、アプリ特定情報A-id、遊技用装置特定情報U-idBを通信中継情報として仮登録し、遊技用装置特定情報U-idBで特定される遊技用装置12Bに対して、アプリ特定情報A-idを含ませた通信中継情報を送信する。
【0162】
中継装置14からの通信中継情報を受信した遊技用装置12Bは、
図47(B3)に示すような認証画面を表示し、遊技客による認証操作を待つ。例えば、遊技用アプリが立ち上がっている携帯端末30の画面内に表示されているアプリ特定情報A-idを、遊技用装置12の画面に正確に入力すれば、認証判定の結果がOKとなる。この場合も、遊技客による認証操作の内容は特に限定されるものではなく、携帯端末30が任意に生成したパスコード、携帯端末30を所持する遊技客が遊技用アプリで会員登録する際に設定したパスワードなど、携帯端末30の所持者と遊技用装置12Bを操作している遊技客とが同一である蓋然性を確認できればよい。認証判定結果がOKであれば、遊技用装置12Bは、送信元を示す自らの遊技用装置特定情報U-idBを付けて認証結果OKの電文を中継装置14へ送信する。その後、遊技用装置12は、遊技開始可能表示(例えば、
図47(B4)を参照)を所定時間表示した後、遊技を進めることができる通常表示(例えば、
図47(B5)を参照)を行う。
【0163】
遊技用装置12Bから遊技用装置特定情報U-idBの付された認証結果OKの電文を受信した中継装置14は、仮登録したアプリ特定情報A-idと遊技用装置特定情報U-idBの組み合わせを通信中継情報として正規に登録する。そして、正規登録した通信中継情報に基づく送信先のキャッシュレスセンタ20へ、遊技用装置特定情報U-idBの付された認証結果OKの電文を転送する。また、中継装置14は、アプリ特定情報A-idと遊技用装置特定情報U-idAの組み合わせに対応する通信中継情報に基づいて、離席中の遊技機11に対応する遊技用装置12Aへ遊技終了確定の電文を送信する。
【0164】
中継装置14から遊技用装置特定情報U-idBの付された認証結果OKの電文を受信したキャッシュレスセンタ20は、仮登録したアプリ特定情報A-idと遊技用装置特定情報U-idBと遊技店特定情報H-idの組み合わせを通信中継情報として正規に登録する。そして、正規登録した通信中継情報に基づく送信先の携帯端末30へ、遊技用装置特定情報U-idBの付された認証結果OKの電文を転送する。これにより、携帯端末30と遊技用装置12Bとの仮想接続は成立しているが、遊技用装置12Aとの通信中継が解除されるまで待機する。
【0165】
中継装置14より遊技終了確定の電文を受けた遊技用装置12Aは、遊技終了処理を行い、仮想接続による通信先である携帯端末30の登録を抹消することで通信中継を解除し、中継解除の電文と遊技用装置特定情報U-idAを中継装置14へ送信する。また、遊技用装置12Aは、遊技終了表示(例えば、
図47(A2)を参照)を行うことで、遊技用装置12Aに接続された遊技機11が自由に使えることを表示した後、遊技を開始するための通常メニューやデモ画面などの通常表示に復帰する。
【0166】
遊技用装置12Aから中継解除の電文と遊技用装置特定情報U-idAを受けた中継装置14は、中継解除の電文と遊技用装置特定情報U-idAをキャッシュレスセンタ20へ転送し、アプリ特定情報A-idと遊技用装置特定情報U-idAに対して設定された通信中継情報を削除(或いは、管理対象から除外して過去の通信中継情報履歴に記憶)する。中継装置14から中継解除電文と遊技用装置特定情報U-idAを受信したキャッシュレスセンタ20は、通信中継情報に基づく送信先である携帯端末30へ中継解除の電文を送信し、アプリ特定情報A-idと遊技用装置特定情報U-idAに対して設定された通信中継情報を削除(或いは、管理対象から除外して過去の通信中継情報履歴に記憶)する。
【0167】
キャッシュレスセンタ20から中継解除の電文を受信した携帯端末30は、待機していた遊技用装置12Aとの通信中継を解除して、台移動完了表示(例えば、
図47(5)を参照)を行う。これにより、遊技客は、離席処理を行った台A(遊技用装置12Aに対応する遊技機11)での遊技を終了し、新たに遊技開始の操作を行った台B(遊技用装置12Bに対応する遊技機11)での遊技が可能になったことを確認できる。
【0168】
以上、本発明に係る遊技システムを実施形態に基づき説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りにおいて実現可能な全ての遊技システムを権利範囲として包摂するものである。
【符号の説明】
【0169】
1 遊技システム
10 遊技店
11 遊技機
12 遊技用装置
14 中継装置
20 キャッシュレスセンタ
30 携帯端末
100 管理機能部
【要約】
【課題】直接通信を行う機能が備わっていない遊技用装置と携帯端末とが、あたかも直接接続されて通信しているように見せかける仮想接続を実現する。
【解決手段】管理機能部100が、特定の携帯端末30と遊技用装置12との組み合わせを通信中継情報として管理し、遊技用装置12と携帯端末30との通信の中継を行うので、あたかも遊技用装置12と携帯端末30とが直接接続されて通信しているように見せかける仮想接続を実現できる遊技システム1となる。
【選択図】
図1