(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-25
(45)【発行日】2025-03-05
(54)【発明の名称】エネルギー効率のよい電子カード
(51)【国際特許分類】
G06K 19/07 20060101AFI20250226BHJP
【FI】
G06K19/07 150
G06K19/07 230
(21)【出願番号】P 2022566659
(86)(22)【出願日】2021-03-23
(86)【国際出願番号】 CN2021082408
(87)【国際公開番号】W WO2021227666
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2023-08-10
(32)【優先日】2020-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】レンチナー、ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】バスカラン、クマー
(72)【発明者】
【氏名】ユルダクル、レハ
(72)【発明者】
【氏名】クリエン、トビー
【審査官】太田 龍一
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-004634(JP,U)
【文献】特開2007-233979(JP,A)
【文献】特開2003-123035(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0070827(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー効率のよいデータ交換のためのコンピュータ・システムであって、
第1のスイッチ及び第2のスイッチを含む第1の電子カード・デバイス(ECD)であって、前記第1のスイッチは、前記第1のECDが第2のECDに係合することに応答して、前記第1のECDの電源をオンにするように構成され、前記第1のECDは、前記第2のECDとデータを交換するように構成される、第1の電子カード・デバイス(ECD)と、
前記第1のECDを受けるように構成されたドッキング・コンポーネントであって、前記ドッキング・コンポーネントは、前記第1のECDが前記ドッキング・コンポーネントに受けられることに応答して、前記第2のスイッチに係合して前記第1のECDの電源をオンにするように構成されたアクチュエータを含み、前記第1のECDは、受け取ったデータを前記第2のECDから前記ドッキング・コンポーネントと関連したモバイル・デバイスに転送するように構成される、ドッキング・コンポーネントと、
を含む、システム。
【請求項2】
前記第1のECDは、前記第1のスイッチと関連した第1の磁石・スイッチ・ペアと、前記第2のスイッチと関連した第2の磁石・スイッチ・ペアとをさらに含み、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチは並列に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のECDは、前記第1のスイッチと関連した第1の磁石と、前記第2のスイッチと関連した第2の磁石とをさらに含み、前記ドッキング・コンポーネントの前記アクチュエータは、前記第1のECDが前記ドッキング・コンポーネントに受けられたとき、前記第2の磁石と相互作用して前記第2のスイッチをアクティブ化するように構成された第3の磁石をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のECDの前記第1のスイッチは第1の機械スイッチをさらに含み、前記第1のECDの前記第2のスイッチは第2の機械スイッチをさらに含み、前記ドッキング・コンポーネントの前記アクチュエータは第3の機械スイッチをさらに含み、前記第1のECDの前記第1の機械スイッチと前記第2のECDの対応する第1の機械スイッチとの間の相互作用は、前記第1のECDの電源をオンにするように構成され、前記第1のECDの前記第2の機械スイッチと前記ドッキング・コンポーネントの前記第3の機械スイッチとの間の相互作用は、前記第1のECDの電源をオンにするように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のECDの前記第1のスイッチは第1のリード・スイッチをさらに含み、前記第1のECDの前記第2のスイッチは第2のリード・スイッチをさらに含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のECDの前記第1のスイッチは、前記第2のECDの対応する第1のスイッチに係合して前記第1のECDの電源をオンにし、前記第2のECDとのデータ交換を可能にするように構成され、前記第1のECDの前記第1のスイッチは、前記第2のECDの前記対応する第1のスイッチから係合解除して前記第1のECDの電源をオフにするように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のECDは、前記ドッキング・コンポーネントに受けられ、シャットダウン・スクリプトを実行することによって電源がオフになるように構成され、前記第1のECDの前記第1のスイッチは、前記第2のECDの対応する第1のスイッチに係合して前記第1のECDの電源をオンにし、前記第2のECDとのデータ交換を可能にするように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記ドッキング・コンポーネントは、前記モバイル・デバイスに結合されるように構成されたホルダをさらに含み、前記ホルダは、前記第1のECDが前記ホルダ内に配置されたとき、前記第1のECDの前記第2のスイッチに係合するように構成された前記アクチュエータを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1のスイッチに動作可能に結合された第1の回路経路をさらに含み、前記第1の回路経路は、前記第1のECDの前記第1のスイッチと前記第2のECDの対応する第1のスイッチとの間の相互作用に応答して閉じ、前記第1のECDの電源をオンにするように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記
第2のスイッチに動作可能に結合された第2の回路経路をさらに含み、前記第2の回路経路は、前記第1のECDの前記
第2のスイッチと前記ドッキング・コンポーネントの前記アクチュエータとの間の相互作用に応答して閉じ、前記第1のECDの電源をオンにするように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1のECDはメモリ・コンポーネントをさらに含み、前記第1のECDは、前記第1のECDの前記第2のスイッチがアクティブ化されたとき、ドッキング・レコードを前記メモリ・コンポーネントに格納するように構成され、前記第1のECDは、前記第1のECDが前記ドッキング・コンポーネントに受けられたかどうかを判断するために、前記ドッキング・レコードについて前記メモリ・コンポーネントをチェックするように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1のECDは、前記ドッキング・コンポーネントの前記第3の磁石及び前記第1のECDの前記第2の磁石が前記第2のスイッチに係合して前記第1のECDの電源をオンにすることに応答して、前記受け取ったデータを前記第2のECDから前記モバイル・デバイスに転送するように構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の磁石及び前記第1のスイッチは、前記第1のECDの第1の端部上に配置され、前記第2の磁石及び前記第2のスイッチは、前記第1の端部の反対側の、前記第1のECDの第2の端部上に配置され、前記第1のECDは、前記第2のECDと相互作用し、同時に、前記ドッキング・コンポーネントに受けられるように構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1のECDは、前記受け取ったデータの前記モバイル・デバイスへの転送が完了すると、シャットダウン・スクリプトを実行して自動的に前記第1のECDの電源をオフにするように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
コンピュータの情報処理により実行される方法であって、
第1の電子カード・デバイス(ECD)において、前記第1のECDの電源をオンにするための第1のスイッチのアクティブ化を検出することと、
前記第1のスイッチの前記アクティブ化の検出に応答して、第2のECDが前記第1のECDの閾値近接範囲内にあると判断することと、
データを前記第2のECDと交換することと、
前記第1のECDがモバイル・デバイスとドッキングされていると判断することに応答して、蓄積された情報を前記第1のECDから前記モバイル・デバイスに伝送することと、
前記第1のECDが前記モバイル・デバイスとドッキングされていないと判断することに応答して、前記蓄積された情報を前記第1のECDに格納することと、
前記第2のECDが前記第1のECDの前記閾値近接範囲の外側にあることに応答して、前記第1のECDの電源をオフにするための前記第1のスイッチの非アクティブ化を検出することと
を含む、方法。
【請求項16】
前記第1のECDにおいて、前記第1のECDの電源をオンにするための第2のスイッチのアクティブ化を検出することと、
前記第2のスイッチの前記検出されたアクティブ化に応答して、前記第1のECDが前記モバイル・デバイスとドッキングされていると判断することと、
前記蓄積された情報を前記第1のECDから前記モバイル・デバイスに伝送することと、
前記モバイル・デバイスへの前記蓄積された情報の前記
伝送の完了に応答して、シャットダウン・スクリプトを実行し、自動的に前記第1のECDの電源をオフにすることと
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のECDの電源をオンにするための前記第1のスイッチの前記アクティブ化を検出することは、
前記第1のECDの第1の磁石と前記第2のECDの対応する第1の磁石との間の相互作用に応答して、第1の回路経路を閉じることを検出することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のECDの電源をオンにするための前記第2のスイッチの前記検出されたアクティブ化に応答して、ドッキング状態を前記第1のECDのメモリに記録することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第2のECDから少なくとも1つの情報を受け取ることに応答して、前記第1のECDの前記メモリをチェックし、前記第1のECDが前記モバイル・デバイスとドッキングされているかどうかを判断することと、
前記第1のECDの前記メモリ内の前記記録されたドッキング情報を識別することに応答して、受け取った前記少なくとも1つの情報を前記モバイル・デバイスに伝送することと
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
請求項15から請求項19までのいずれか1項に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム命令を含むコンピュータ・プログラム。
【請求項21】
請求項20に記載のコンピュータ・プログラムをまとめて格納した、1つ又複数のコンピュータ可読ストレージ媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、コンピューティングの分野に関し、より詳細には、情報交換のための携帯型電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
典型的な会議設定において、人々は、例えばビジネス・カード(名刺)又は他の識別情報を手動で又は電子的な方法で交換することにより、会って連絡先情報を交換することができる。ビジネス・カードなどを交換することにより、持続的に連絡を取ることが可能になり得るが、特に、例えば、人々の間で会合が短時間しか続かない大きな会議のような人口の多い環境でビジネス・カードを交換した場合、どのビジネス・カードがどの人と関連付けられるかを後で思い出すことは困難な場合がある。別の例として、そうした大きな会議設定では、そもそも、全ての人、又は理想的に会いたいと思う全ての人と会ってビジネス・カードを交換することができない場合がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の実施形態は、エネルギー効率のよいデータ交換のためのコンピュータ・システムを開示する。本発明は、第1のスイッチ及び第2のスイッチを含む第1の電子カード・デバイス(ECD)を含むことができる。本発明は、第1のECDが第2のECDに係合することに応答して、第1のECDの電源をオンにするように構成された第1のスイッチを含むことができる。本発明は、第2のECDとデータを交換するように構成された第1のECDを含むことができる。本発明は、第1のECDを受けるように構成されたドッキング・コンポーネントを含むことができる。本発明は、第1のECDがドッキング・コンポーネントに受けられることに応答して、第2のスイッチに係合して第1のECDの電源をオンにするように構成された、アクチュエータを含むドッキング・コンポーネントを含むことができる。本発明は、受け取ったデータを第2のECDから、ドッキング・コンポーネントと関連したモバイル・デバイスに転送するように構成された第1のECDを含むことができる。
【0004】
本発明の実施形態は、エネルギー効率のよいデータ交換のための方法及びコンピュータ・プログラム製品をさらに開示する。本発明は、第1の電子カード・デバイス(ECD)の電源をオンにするための第1のスイッチのアクティブ化を検出することを含むことができる。本発明は、第1のスイッチのアクティブ化の検出に応答して、第2のECDが第1のECDの閾値近接範囲内にあると判断することを含むことができる。本発明は、第1のECDがドッキングされていると判断することに応答して、蓄積された情報を第1のECDからモバイル・デバイスに伝送することを含むことができる。本発明は、第1のECDがドッキングされていないと判断することに応答して、蓄積された情報を第1のECDに格納することを含むことができる。本発明は、第2のECDが第1のECDの閾値近接範囲の外側にあることに応答して、第1のECDの電源をオフにするための第1のスイッチの非アクティブ化を検出することを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明のこれら及び他の目的、特徴及び利点は、添付図面と共に読まれるべき、その例示的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。図面の種々の特徴は、当業者が、詳細な説明と共に本発明を理解するのを容易にする際に図を明確にするために縮尺通りに描かれてはいない。
【0006】
【
図1】少なくとも1つの実施形態による、ネットワーク化されたコンピュータ環境を示す。
【
図2】少なくとも1つの実施形態による、電子カード・システムのブロック図である。
【
図3】少なくとも1つの実施形態による、エネルギー効率のよいデータ交換プロセスを示す動作フローチャートである。
【
図4】少なくとも1つの実施形態による、例示的な電子カード・デバイスの電気図である。
【
図5】少なくとも1つの実施形態による、例示的な電子カードの相互作用を示すブロック図である。
【
図6】少なくとも1つの実施形態による、
図1に示されるコンポーネント及びサーバの内部及び外部コンポーネントのブロック図である。
【
図7】本開示の実施形態による、
図1に示されるコンピュータ・システムを含む例示的なクラウド・コンピューティング環境のブロック図である。
【
図8】本開示の実施形態による、
図7に示される例示的なクラウド・コンピューティング環境の機能層のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
特許請求される構造及び方法の詳細な実施形態が本明細書で開示されるが、開示される実施形態は、種々の形態で具体化することができる特許請求される構造及び方法の単なる例示にすぎないことを理解することができる。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書で説明される例示的な実施形態に限定されると解釈すべきではない。むしろ、これらの例示的な実施形態は、本開示が完璧かつ完全であり、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。説明においては、提示される実施形態を不必要に曖昧にしないように、周知の特徴及び技術の詳細は省略されることがある。
【0008】
本発明は、システム、方法もしくはコンピュータ・プログラム製品又はそれらの組み合わせを、いずれかの可能な技術的詳細レベルで統合したものとすることができる。コンピュータ・プログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読ストレージ媒体(単数又は複数)を含むことができる。
【0009】
コンピュータ可読ストレージ媒体は、命令実行デバイスにより使用される命令を保持及び格納できる有形デバイスとすることができる。コンピュータ可読ストレージ媒体は、例えば、これらに限定されるものではないが、電子ストレージ・デバイス、磁気ストレージ・デバイス、光ストレージ・デバイス、電磁気ストレージ・デバイス、半導体ストレージ・デバイス、又は上記のいずれかの適切な組み合わせとすることができる。コンピュータ可読ストレージ媒体のより具体的な例の非網羅的なリストとして、以下のもの、すなわち、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュ・メモリ)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ポータブル・コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリ・スティック、フロッピー・ディスク、パンチカードもしくは命令がそこに記録された溝内の隆起構造のような機械的にエンコードされたデバイス、及び上記のいずれかの適切な組み合わせが挙げられる。本明細書で使用される場合、コンピュータ可読ストレージ媒体は、電波、又は他の自由に伝搬する電磁波、導波管もしくは他の伝送媒体を通じて伝搬する電磁波(例えば、光ファイバ・ケーブルを通る光パルス)、又はワイヤを通って送られる電気信号などの、一時的信号自体として解釈されない。
【0010】
本明細書で説明されるコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読ストレージ媒体からそれぞれのコンピューティング/処理デバイスに、又は、例えばインターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、広域ネットワーク、及び/又は無線ネットワークなどのネットワークを介して外部コンピュータ又は外部ストレージ・デバイスにダウンロードすることができる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータ、もしくはエッジ・サーバ、又はそれらの組み合わせを含むことができる。各コンピューティング/処理デバイスにおけるネットワーク・アダプタ・カード又はネットワーク・インタフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受け取り、コンピュータ可読プログラム命令を転送して、それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読ストレージ媒体内に格納する。
【0011】
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路のための構成データ、又は、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、及び、「C」プログラミング言語もしくは類似のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されるソース・コード又はオブジェクト・コードとすることができる。コンピュータ可読プログラム命令は、完全にユーザのコンピュータ上で実行される場合もあり、一部がユーザのコンピュータ上で、独立型ソフトウェア・パッケージとして実行される場合もあり、一部がユーザのコンピュータ上で実行され、一部が遠隔コンピュータ上で実行される場合もあり、又は完全に遠隔コンピュータもしくはサーバ上で実行される場合もある。最後のシナリオにおいて、遠隔コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)もしくは広域ネットワーク(WAN)を含むいずれかのタイプのネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続される場合もあり、又は外部コンピュータへの接続がなされる場合もある(例えば、インターネットサービスプロバイダを用いたインターネットを通じて)。幾つかの実施形態において、例えば、プログラム可能論理回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、又はプログラム可能論理アレイ(PLA)を含む電子回路は、本発明の態様を実施するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用することによってコンピュータ可読プログラム命令を実行して、電子回路を個別化することができる。
【0012】
本発明の態様は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)及びコンピュータ・プログラム製品のフローチャート図もしくはブロック図又はその両方を参照して説明される。フローチャート図もしくはブロック図又はその両方の各ブロック、並びにフローチャート図もしくはブロック図又はその両方におけるブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装できることが理解されるであろう。
【0013】
これらのコンピュータ可読プログラム命令を、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに与えて機械を製造し、それにより、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、フローチャートもしくはブロック図又はその両方の1つ又は複数のブロック内で指定された機能/動作を実施するための手段を作り出すようにすることができる。これらのコンピュータ・プログラム命令を、コンピュータ、プログラム可能データ処理装置もしくは他のデバイス又はそれらの組み合わせを特定の方式で機能させるように指示することができるコンピュータ可読媒体内に格納し、それにより、そのコンピュータ可読媒体内に格納された命令が、フローチャートもしくはブロック図又は両方の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能/動作の態様を実施する命令を含む製品を含むようにすることもできる。
【0014】
コンピュータ可読プログラム命令を、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、又は他のデバイス上にロードして、一連の動作ステップをコンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、又は他のデバイス上で行わせてコンピュータ実施のプロセスを生産し、それにより、コンピュータ又は他のプログラム可能装置上で実行される命令が、フローチャートもしくはブロック図又はその両方の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実施するようにすることもできる。
【0015】
図面内のフローチャート及びブロック図は、本発明の様々な実施形態による、システム、方法、及びコンピュータ・プログラム製品の可能な実装の、アーキテクチャ、機能及び動作を示す。この点に関して、フローチャート内の各ブロックは、指定された論理機能を実装するための1つ又は複数の実行可能命令を含む、モジュール、セグメント、又はコードの一部を表すことができる。幾つかの代替的な実装において、ブロック内に示される機能は、図に示される順序とは異なる順序で生じることがある。例えば、連続して示される2つのブロックは、関与する機能に応じて、実際には実質的に同時に実行されることもあり、又はこれらのブロックはときとして逆順で実行されることもある。ブロック図もしくはフローチャート図又はその両方の各ブロック、及びブロック図もしくはフローチャート図又はその両方におけるブロックの組み合わせは、指定された機能又は動作を実行する、又は専用のハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせを実行する、専用ハードウェア・ベースのシステムによって実装できることにも留意されたい。
【0016】
以下に説明される例示的な実施形態は、携帯型のエネルギー効率のよい電子デバイスを用いてデータを交換するためのシステム、方法、及びプログラム製品を提供する。従って、本実施形態は、自立型電子カード・デバイスと、電子カード・デバイスによる電力消費を最小限に抑え、電子カード・デバイスの便利な収納を容易にするように構成されたカード・ホルダ(例えば、スマートフォン又は他のモバイル・デバイス・ベースのカード・ホルダ)とを提供することによって、情報を交換するための携帯型電子デバイスの技術分野を改善するための能力を有する。より具体的には、カード・ホルダは、電子カード・デバイスがカード・ホルダ内にドッキング(例えば、取り付け、配置、挿入)されたとき、電子カード・デバイス上の磁石と係合できる磁石を含むことができる。電子カード・デバイスは、これがユーザのスマートフォンに取り付けられている(例えば、ユーザのスマートフォンの背面に取り付けられたカード・ホルダ内にドッキングされている)ことを知っている場合、1つ又は複数の格納された情報をユーザのスマートフォンに自動的に転送することができる。電子カード・デバイスは、これがユーザのスマートフォンに取り付けられていない(例えば、ユーザのスマートフォンの背面に取り付けられたカード・ホルダ内にドッキングされていない)ことを知っている場合、電子カード・デバイスがユーザのスマートフォンと接触するまで、情報の格納を続行することができる。
【0017】
前述のように、典型的な会議設定において、人々は、例えばビジネス・カード又は他の識別情報を手動で又は電子的な方法で交換することにより、会って連絡先情報を交換することができる。ビジネス・カードなどを交換することにより、持続的に連絡を取ることが可能になり得るが、特に、例えば、人々の間で会合が短時間しか続かない大きな会議のような人口の多い環境でビジネス・カードを交換した場合、どのビジネス・カードがどの人と関連付けられるかを後で思い出すことは困難な場合がある。別の例として、そうした大きな会議設定では、そもそも、全ての人、又は理想的に会いたいと思う全ての人と会って、ビジネス・カードを交換することができない場合がある。
【0018】
従って、とりわけ、電子カード・デバイス(ECD)を用いて情報を交換する方法を提供することが有利であり得る。また、カード・ホルダ(例えば、スマートフォン・ベースのホルダ)におけるECDの存在を判断し、その判断を行った後にECDからユーザのスマートフォンに情報を転送する方法を提供することも有利であり得る。さらに、ユーザのスマートフォンで電子カード・デバイスを便利に収納する方法を提供することもさらに有利であり得る。
【0019】
少なくとも1つの実施形態によれば、ECDは、例えば、電子ビジネス・カード・デバイス、ビジネス・カード・デバイス、カード・デバイス、カード、又はデバイスと呼ぶこともできる。ECDは、(磁石、リード・スイッチの)のペアで配置された2つの磁石及び2つのリード・スイッチを備えることができる。1つの磁石・リード・ペアは、ECDが別のECD(例えば、パートナー電子ビジネス・カード)の存在下にあるときに電力をもたらすように構成され、連絡先及び潜在的に他の情報の交換を可能にする。別の磁石・リード・ペアは、ECDがカード・ホルダ内にドッキングされているときに電力をもたらすように構成することができる。第1及び第2のリード・スイッチは、並列に配置することができる。
【0020】
一実施形態によれば、ECDがユーザのスマートフォン上のカード・ホルダ内に配置されると、第1のリード・スイッチとは独立してECD上に存在する第2のリード・スイッチが係合されて、ECDの電源をオンにすることができる。次に、情報が利用可能である場合、ECDは、ECD上に含まれる情報をスマートフォンと交換することができる。さらに、ECDは、ECDがスマートフォンに取り付けられている(例えば、カード・ホルダ内にドッキングされている)という表示を、デバイス・メモリに登録することができる。ひとたびこの情報がECDと交換もしくは登録されると、又はその両方が行われると、ソフトウェアによって自動的にECDの電源がオフにされ得る。次に、ECDが別のECDと接触すると、第1のリード・スイッチを係合し、ECDは情報を交換することができる。この場合も、ひとたび情報がECDと交換もしくは登録されると、又はその両方が行われると、ソフトウェアによって自動的にECDの電源がオフにされ得る。その後、ECDが、ユーザのスマートフォンに取り付けられていることを知っている場合、ECDは、蓄積された情報をユーザのスマートフォンに直ちに転送することができる。ECDが、スマートフォンに取り付けられていないことを知っている場合、ECDがスマートフォンに接触したときのために、蓄積された情報を格納することができる。
【0021】
少なくとも1つの実施形態によれば、ECDが「ドッキングされている」とき、又は近距離無線通信(NFC)信号が検出されたときはいつでも、ユーザは、電話とのみ情報を交換することを選択することができる。ドッキング時のみの選択肢(only-when-docked option)は、よりエネルギー効率がよいものであると考えられる。NFCは、NFCの消費電力が低く、正式なペアリング要件がないため、Bluetooth(登録商標)(全てのBluetooth及びBluetoothベースの商標並びにロゴは、Bluetooth SIG,Inc.もしくはその関連会社、又はその両方の商標又は登録商標である)よりも好ましい場合がある。
【0022】
一実施形態によれば、ユーザは、最初に、他のNFCデバイスから離れた安全な領域においてECDと接続することによって、ユーザのECDから、他の誰かの電話又はECDがドッキングされている電話以外の別のNFCデバイスに誤って情報を伝送する(例えば、近接するNFC信号を受信することがあるため)ことを回避することができる。この最初のドッキング「ハンドシェイク」の際、ユーザの電話は、一意の番号/トークンをECDと交換することによって自分自身を識別することができる。その後、情報を送信する際、電子カード・デバイスはトークンを使用して、ユーザの電話に送信される情報を暗号化することができる。
【0023】
一実施形態によれば、カード・ホルダにおいてECDの存在を判断すると、ECDは、そのメモリに、スマートフォンとドッキングされているレコードを格納することができる。カード・ホルダから解放されると、このレコードは、ECDがもはやスマートフォンに隣接していないこと、又はドッキングされていないことを反映するように更新することができる。
【0024】
一実施形態によれば、連絡先情報が、カード間の相互作用の結果としてECDによって格納され、ECDがホルダ内にある場合、その情報は、NFC、Bluetooth、又は任意の他の近接ベースの通信機構を介して、ユーザのスマートフォンに転送することができる。必要なトランザクションが完了すると、ECDは、自動的にそれ自体の電源をオフにすることができる。本開示の結果として、開示されたECDは、一貫して使用されたとしても、およそ1年に1回しか充電する必要がないと考えられる。
【0025】
幾つかの実施形態において、共有される電子情報は、基本的な連絡先情報を含むことができる。写真、関心ある領域、及び合致基準などの他の情報を共有することもできる。幾つかの実施形態においては、コンピュータ実装エージェントが、1つ又複数の基準に基づいて情報の共有又は交換をフィルタリング又はネゴシエートすることができる。基準の例としては、これらに限定されるものではないが、関心ある領域又は主題、肩書又は役割、1つ又は複数の特定の専門分野(例えば、技術的専門分野)を有する個人、又はその他を含むことができる。コンピュータ実装エージェントは、ECD上に常駐し、実行することができる。別の態様では、コンピュータ実装エージェントは、例えば、クラウド・コンピューティング環境などの遠隔コンピュータ・システム上で実行され、ECDと通信し、ECDの代わりに振る舞うことができる。幾つかの実施形態では、電話番号などの情報を交換するのには、ネゴシエーション又は許可を必要とすることがある。
【0026】
幾つかの実施形態において、情報が仲間の会議参加者又は出席者と共有され、次に、仲間の会議参加者又は出席者が、次にそのECDを介して他の誰かと情報を交換し、その他の誰かが合致基準が指定するような十分な重複する関心を有する場合、この新しい人に関する情報は、例えば、この新しい人についての情報は、情報を発信する新しい人からの許可と共に、元の人物に送信されることがある。このような許可又は承認を基準の一部として指定し、含ませることができる。この新しい人が、第1の人の合致基準を超える十分な重複する関心を有するさらなる人と出会った場合、そうした人の連絡先及び関心を、その人の許可と共に、第1の人に中継することなども可能である。このようにして、会合又は会議の任意の当事者は、所定の閾値を超える関心に合致する会合又は会議のおける全ての人に効率的に会うことができる。次に、所定の合致条件の数又は量に基づいて、実際に出会った個人に、追跡のための優先順位をつけることができる。
【0027】
幾つかの実施形態において、合致基準は対称的である必要はない。例えば、1つのECDは、当事者と関連した極めて厳格な合致基準(例えば、特定の技術領域などの具体的な又は狭く規定された関心)を格納し、一方、別の会合出席者と関連した第2のECDは、あらゆる参加者又は出席者に実際に会うことを含むことができる、一般的な広い関心基準を格納することができる。幾つかの実施形態では、情報を差し出す人は、関心の重複が、受信者のその閾値だけでなく、それ自身の閾値を超える場合に、その情報を差し出そうとするにすぎない。他の場合には、会合の出席者は、所与の個人に個人的に会わない限り、自分の情報の交換を望まない場合がある。このように、それぞれのECDは、特定のユーザと関連した異なる基準に従って格納し、機能することができる。ECD及びその方法は、全てのそうしたユーザの基準及びその情報交換の要件を全てサポートすることができる。さらに、所与の個人の基準(従って、その個人と関連したECDと関連付けられた基準)は、例えば、バルク広告を避けるために、マイクロペイメントと引き換えに、個人情報を与えるように指定することができる。
【0028】
幾つかの実施形態において、ビジネス・カード・デバイス又はECDは、プロセッサ、メモリ、及びバッテリなどの電源を含むことができる。自立型ECDは、新しい近接場デバイスの追加を検出することによって開始することができ、情報の連続的な交換を直ちに開始することもできる。幾つかの実施形態では、ユーザは、この交換を行うためにポケット又はバッグからデバイスを取り出す必要がない場合がある。
【0029】
幾つかの実施形態では、近接により誤って連絡先を収集してしまうのを回避するために、ECDは、連絡先の交換を開始するためのボタン又は他のアクチュエータを有するように実装することができる。ECDはまた、連絡先の交換を開始するために、ECDを振るなどの動作を検出するためのセンサを有するように実装することもできる。例えば、ユーザがECDを振ってウェイクアップさせることができる(そのプロセスにおいてECDに潜在的に電力を与える)。さらに別の態様では、ECDは、タッピングもしくは互いに数ミリメートル以内にいること、又はその両方を検出し、これに応答して連絡先の交換を開始するように実装することができる。種々の実施形態において、デバイスは、無線技術(例えば、NFC、Bluetooth)を介して、ユーザのスマートフォンと同期することができる。
【0030】
別の実施形態において、ECDは、トークンを交換するように実装することができる。次に、トークンを、トークンに作用し得る別のコンピュータ又はシステムに通信し又は返し、例えばトークンと関連した連絡先情報をECDのユーザと関連したデバイスに送ることができる。例えば、ビジネスECDは、会議に出席するユーザに配布し、トークンを交換するように実装することができる。一態様において、ECDは、会議が行われている定義された境界内でトークンを交換するように実装することができる。ECDが会議の登録ディスクに返されると、リーダ・デバイスは、収集したトークンをダウンロードし、トークンを登録データベースと相互参照し、次に、収集した連絡先、並びにユーザの基準に合致する他の連絡先をユーザに送ることができる。一態様において、この最終的な転送は、電子メール(E-mail)、ショート・メッセージ・サービス(SMS)、アプリ、又は別のサービスもしくは方法を介して行うことができる。
【0031】
本開示の実施形態において、ECDは、例えば、リチウム・イオン電池などの1つ又は複数の電源を含むことができる。ECDは、情報もしくはトークン、又はその両方を交換するためのプログラム命令により符号化することができる。ECDは、別のそうしたECDの近接性を検出することができるセンサを備えることができる。カードは、連絡先情報を電子的に転送することができ、また、別のECDに緊密に接触したとき、他の経歴(biographical)情報を転送することもできる。例えば、ECDによって格納された又はECDによって取り出された1つ又は複数の基準に基づいて、交換される情報の詳細の程度を、カード間でネゴシエートすることができる。一態様では、ECDのユーザの発見された関心の類似性の程度に基づいて、多量の連絡先情報を交換することができる。ECD上のプロセッサは、コンピュータ実装エージェントを実行することができ、このコンピュータ実装エージェントは、中立のサード・パーティ・エージェント(例えば、遠隔コンピュータ・システム上で実行されている)と通信し、ECDのユーザと関連した情報を中立のサード・パーティ・エージェントに提供することができる。中立のサード・パーティ・エージェントは、第1のECDと近接した別のECD又はデバイスとの間の共通性の程度又はレベルを判断し、共通性の程度をECD上で動作するエージェントに又はECDの代わりに報告することができる。共通性のレベルに基づいて、ECDのエージェントは、どの情報を共有するかを決定し、情報を中立のサード・パーティ・エージェントに提供することができる。次に、中立のサード・パーティ・エージェントは、共有される情報を近接した別のECD又はデバイスに通信することができる。上述のように、別の態様において、コンピュータ実装エージェントは、ECDの代わりに常駐し、遠隔で実行し、ECDのプロセッサと通信することができる。さらに別の態様では、情報を共有するための直接的なネゴシエーションは、例えば、サード・パーティ・エージェントを介さずに、それぞれのECDのコンピュータ実装エージェント間で実行することができる。
【0032】
一実施形態によれば、連絡先及び経歴情報を電子的に転送することにより、それらのパーティの同意と、さらに共通の関心を確立するエージェント・ベースのネゴシエーションとに基づいて、あるパーティの連絡先を別のパーティと共有することが可能になる。一態様では、情報の提供は、支払いと引き換えに行うことができる。
【0033】
一態様において、2つのデバイスの近接性の確立に応答して、例えば、NFC又はBluetoothなどの無線技術標準を用いて、物理的ECD内に含まれる又はそれにリンクされる連絡先情報をアップロードすることができる(ペアリングされたスマートフォン又は同様のデバイスに)。別の態様では、物理的ビジネス・カードのようなデバイス上に含まれる連絡先情報は、例えば、無線通信又は別の通信方法を介して、必要に応じて別のデバイスにアップロードすることができる。
【0034】
図1を参照すると、一実施形態による例示的なネットワーク化コンピュータ環境100が示される。ネットワーク化コンピュータ環境100は、プロセッサ104と、ソフトウェア・プログラム108を実行することが可能なデータ・ストレージ・デバイス106と、電子カード・プログラム110aとを有するコンピュータ102を含むことができる。ネットワーク化コンピュータ環境100は、データベース114と相互作用できる電子カード・プログラムll0bを実行することが可能なサーバ112と、通信ネットワーク116とを含むこともできる。ネットワーク化コンピュータ環境100は、複数のコンピュータ102及びサーバ112を含んでもよく、その1つだけが示されている。通信ネットワーク116は、広域ネットワーク(WAN)、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、電気通信ネットワーク、無線ネットワーク、公衆交換回線網もしくは衛星ネットワーク、又はそれらの組み合わせなど、種々のタイプの通信ネットワークを含むことができる。
図1は、1つの実装の例示のみを提供し、異なる実施形態を実装することができる環境に関していかなる制限も示唆しないことを理解されたい。設計及び実装要件に基づいて、示される環境に対する多くの修正を行うことができる。
【0035】
クライアント・コンピュータ102は、通信ネットワーク116を介して、サーバ・コンピュータ112と通信する。通信ネットワーク116は、有線、無線通信リンク、又は光ファイバ・ケーブルなどの接続を含むことができる。
図6を参照して説明するように、サーバ・コンピュータ112は、内部コンポーネント902a及び外部コンポーネント904aをそれぞれ含むことができ、クライアント・コンピュータ102は、内部コンポーネント902b及び外部コンポーネント904bをそれぞれ含むことができる。サーバ・コンピュータ112はまた、Software as a Service(SaaS)、Platform as a Service(PaaS)、又はInfrastructure as a Service(IaaS)などのクラウド・コンピューティング・サービス・モデルで動作することができる。サーバ112は、プライベート・クラウド、コミュニティ・クラウド、パブリック・クラウド、又はハイブリッド・クラウドなどのクラウド・コンピューティング・デプロイメント・モデル内に配置することもできる。クライアント・コンピュータ102は、例えば、モバイル・デバイス、電話、携帯情報端末、ネットブック、ラップトップ・コンピュータ、タブレット・コンピュータ、デスクトップ・コンピュータ、又はプログラムを実行し、ネットワークにアクセスし、データベース114にアクセスすることができる任意のタイプのコンピューティング・デバイスとすることができる。本実施形態の種々の実装によれば、電子カード・プログラム110a、110bは、これらに限定されるものではないが、コンピュータ/モバイル・デバイス102、ネットワーク化サーバ112、又はクラウド・ストレージ・サービスなどの種々のストレージ・デバイス内に組み込むことができるデータベース114と相互作用することができる。
【0036】
ここで
図2を参照すると、少なくとも1つの実施形態による例示的な電子カード・システム200を示すブロック図が示される。一実施形態において、電子カード・システム200は、
図1を参照して説明されるネットワーク化コンピュータ環境100と類似したネットワーク化コンピュータ環境において実装することができる。
【0037】
電子カード・システム200は、物理的ビジネス・カード(又はスマート・カード又はポケット・サイズのカード又は同様のサイズのカード)の形状を有する、電子カード・デバイス(ECD)202などの装置を含むことができる。一実施形態では、電子カード・システム200内の第1のECD202は、例えば、第2のECD204(例えば、パートナーECD)、又はスマートフォン206(又は、例えばタブレットもしくはラップトップなどの類似のモバイル・デバイス)などの別の装置と近接していることがある。デバイス、例えば、ECD202及びパートナーECD204がそれぞれのデバイス(202、204)上のセンサによって検出可能な閾値近接範囲(threshold proximity)(例えば、数ミリメートル乃至約25センチメートルの範囲)内にあることに応答して、ECD202は、パートナーECD204とペアリングし、無線でデータの交換を開始することができる。例えば、ECD202は、例えばパートナーECD204のユーザ204aと関連した連絡先情報などのデータを受け取り、ECD202のユーザ202aと関連した連絡先情報を、パートナーECD204に伝送することができる。別の態様では、パートナーECD204のユーザ204aと関連した識別子を有するトークンを受け取り、例えば、コンピュータ・システムがトークンを読み取り、データベースからトークンと関連した連絡先情報を抽出することにより、トークンを別のデバイスによって連絡先情報に変換することができる。コンピュータ・システムは、クラウド内、別の遠隔コンピュータ上、又はECD202、204上に常駐することができる。
【0038】
一実施形態によれば、NFCなどの無線技術は、例えば、そうしたデバイスの少なくとも2つが十分な近接範囲内にある場合、デバイス202、204、206の間の通信を可能にすることができる。少なくとも幾つかの実施形態では、代替的又は付加的に、種々の他の無線技術、例えば、Bluetooth、IEEE802.11プロトコルによって規定されるような標準Wi-Fiなどを使用することができる。そうした無線技術は、例えば、ECD202、204などのデバイスのペアリング及び情報の交換を可能にすることができる。
【0039】
一実施形態によれば、ECD202及びパートナーECD204は、ECD202を参照してさらに詳述される1つ又は複数のコンポーネントを含むことができる。一実施形態では、ECD202は、メモリ212に格納された1又は複数の情報210を含むことができる。情報210は、ユーザ202aが他の人(例えば、会議設定におけるユーザ204a)と交換したいと思うことがある、連絡先情報、他の経歴情報もしくはユーザ202aに対応する写真、又はそれらの組み合わせを含むことができる。一実施形態では、情報210は、1つ又は複数の他のデバイス(例えば、パートナーECD204)と交換するために、ECD202に予めロードすることができる。別の実施形態では、メモリ212は、ECD202と関連した特定の識別子を有するトークン208を含むことができる。トークン208は、ユーザ202aの遠隔(例えば、クラウド常駐)のデータベース格納情報(例えば、連絡先情報、他の経歴情報もしくは写真、又はそれらの組み合わせ)内のレコードと関連付けること又はリンクさせることができる。
【0040】
一態様において、ECD202は、マイクロチップ又は集積回路(IC)214が埋め込まれたスマート・カードを含むことができる。少なくとも1つの実施形態において、ECD202は、電子カード・プログラム110a、110b(
図1に示す)を実行するマイクロプロセッサを含むことができる。電子カード・プログラム110a、110bは、ネットワーク化コンピュータ環境の1つ又は複数のプロセッサによって実行される単一のコンピュータ・プログラム又は複数のプログラム・モジュール又は命令のセットを含むことができる。電子カード・プログラム110a、110bは、通信ネットワーク(例えば、通信ネットワーク116)を介してリンクされ得る遠隔処理デバイスによってタスクを実行することができる分散型クラウド・コンピューティング環境において実施することができる。一実施形態では、電子カード・プログラム110a、110bは、例えば、メモリ212又は他のストレージ・デバイス(例えば、
図1に示すストレージ・デバイス106及びデータベース114)などの1つ又は複数のコンピュータ可読ストレージ媒体上にまとめて格納できるプログラム命令を含むことができる。電子カード・プログラム110a、110bは、特定のタスクを実行すること、又は特定の抽象データ型を実装することができるルーチン、オブジェクト、コンポーネント、ユニット、論理、データ構造、及びアクションを含むことができる。
【0041】
一実施形態によれば、電子カード・プログラム110a、110bは、ECD202とパートナーECD204との間の情報の交換をネゴシエーションするためのエージェントとして機能するように実行することができる。例えば、マイクロプロセッサ上で実行される電子カード・プログラム110a、110b(例えば、エージェント・コンポーネント)は、ECD202のユーザ202aの関心などの情報がパートナーECD204のユーザ204aの関心などの情報と交わるかどうかを判断することができる。関心の閾値レベルが交わると判断したことに応答して、電子カード・プログラム110a、110bを実行し、ECD202とパートナーECD204との間で連絡先情報を交換するように実行することができる。それぞれのユーザ202a、204aの関心は、それぞれのECD202、204に格納すること、もしくはそうした情報のデータベースを格納するコンピュータ・システムからダウンロードすること、又はその両方を行うことができる。
【0042】
一実施形態において、電子カード・プログラム110a、110bは、情報の交換をネゴシエートする際、現在の文脈を組み込むことができる。現在の文脈は、例えば、ECD202のユーザ202aの関心が、パートナーECD204のユーザ204aの関心と合致することを指定する基準を含むことができる。また、現在の文脈は、例えば、ECDと関連した個人が参加する会議又は会合などの現在の会合設定を含むことができる。ECD202は、例えば、会合の参加者のデータベースに問い合わせることによって、その会合と関連したバッジから電子信号を取得する又は受け取ることによって、又は他の方法によって、パートナーECD204と関連した個人がその会合又は会議の参加者であることを検証可能な形で確立することができる。一例では、会議又は会合の参加者又は出席者のみを、そうしたECDを与えることができ、従って、別のそうしたECDとの接触によって、個人がフェロー・会合又は会議の同席者であると自動的に判定することができる。
【0043】
一実施形態において、ECD202は、スマートフォン206と通信し、ECD202内に蓄積された情報(例えば、パートナーECD204から受け取った)をスマートフォン206にアップロードするように構成又はプログラムすることができる。
【0044】
一実施形態において、ECD202は、状態表示のために構成された発光ダイオード(LED)216を含むことができる。一実施形態において、LED216は、ECD202とパートナーECD204との間のネゴシエーションの開始時に(例えば、ネゴシエーションが開始されることに応答して)点灯することができる。一実施形態では、LED216は、ネゴシエーションが失敗した後、又はECD202とパートナーECD204との間の情報交換が完了した後(例えば、ネゴシエーションの終了)、消すことができる。種々の実施形態において、異なるLEDのシェーディング(shading)を利用することができる。例えば、LED216は、接触の開始時及びECD202とパートナーECD204との間のネゴシエーションの際に黄色になるように構成することができる。次いで、LED216は、ひとたびネゴシエーションが成功したと判断されると短い間緑色になり、又はネゴシエーションが失敗したと判断される場合には間赤色になるように構成することができる。他の実施形態では、LED216によって、異なる光ネゴシエーションを採用することができる。別の態様では、ECD202は、ネゴシエーションの開始時に振動するように構成し、ネゴシエーションが失敗した後、又は情報交換が完了した後、振動を停止するように構成することができる。
【0045】
一実施形態によれば、以下にさらに詳述するように、電子カード・プログラム110a、110bは、ECD202のバッテリ218のエネルギー要件を最小化するように、ECD202のパワー・サイクル(例えば、電源オン/オフ)を制御するように実行することができる。
【0046】
一実施形態において、ECD202は、最初に(例えば、デフォルトで)完全に電源をオフにすることができる。一実施形態では、以下にさらに詳述するように、ECD202は、パートナーECD204から係合解除されたとき、スマートフォン206とドッキングされる前に、電源をオフにすることができる。少なくとも1つの実施形態において、ECD202は、パートナーECD204と係合することによって、電源をオンにすることができる。種々の実施形態において、ECD202は、以下にさらに詳述するように、スマートフォン206とドッキングすることによって、電源をオンにすることができる。一実施形態では、電子カード・プログラム110a、110bは、ECD202がパートナーECD204との接触、又はスマートフォン206との接触によって電源がオンにされるかどうかに基づいて、2つの異なる起動スクリプトを有することができる。別の実施形態では、電子カード・プログラム110a、110bは、ECD202がパートナーECD204との接触によって電源がオンにされるか、又はスマートフォン206との接触によって電源がオンにされるかを示すパラメータを含む1つの起動スクリプトを有することができる。或いは、電子カード・プログラム110a、110bは、1つの起動スクリプトを有することができ、近接ベースの通信機構(例えば、NFC、Bluetooth)を実装し、ECD202がパートナーECD204又はスマートフォン206に接続されているかどうかを判断することができる。
【0047】
少なくとも1つの実施形態において、以下にさらに詳述するように、パートナーECD204もしくはスマートフォン206、又はその両方から物理的に係合解除することに応答して、自動的にECD202の電源をオフすることができる。種々の実施形態において、スマートフォン206上で実行されている電子カード・プログラム110a、110bのコンパニオン・アプリ・コンポーネント上の設定を介して、スマートフォン206と共に、ECD202の電源をオフすることができる。
【0048】
一態様において、ECD202、204の電源オン及びオフは、ECDと付随するリード・デバイスの磁石を連結することによって達成することができる。一態様では、ECD202、204の電源オン及びオフは、物理的機械スイッチによって達成することができる。
【0049】
ECD202は、2つの磁石(第1の磁石220a及び第2の磁石222a)、並びに2つのスイッチ・デバイス(第1のスイッチ・デバイス220b及び第2のスイッチ・デバイス222b)を含むことができる。種々の実施形態において、スイッチ・デバイス220b、222bは、1つ又は複数のリード・リレーもしくはリード・スイッチ、又はその両方を含むことができる。少なくとも幾つかの実施形態では、2つのスイッチ・デバイス220b、222bは、機械スイッチを含むこともできる。従って、本開示の実施形態は、リード・リレー、リード・スイッチ、もしくは機械スイッチ、又はそれらの組み合わせを含むように、「スイッチ」という用語を使用することができる。一実施形態では、2つの磁石及び2つのスイッチ・デバイスは、磁石・スイッチ・ペアに配置することができ、第1の磁石220a及び第1のスイッチ・デバイス220bは、第1の磁石・スイッチ・ペアを提供することができ、第2の磁石222a及び第2のスイッチ・デバイス222bは、第2の磁石・スイッチ・ペアを提供することができる。一実施形態によれば、第1及び第2のスイッチ・デバイス220b、222bは、並列に配置され、ECD202の電源をオンにする又はこれをアクティブ化するように構成された回路を(例えば、機械スイッチをオンにすること、又はリード・スイッチ又はリレーを係合することによって)完成するための2つの経路を提供することができる。
【0050】
パートナーECD204は、同様に、第1の磁石・スイッチ・ペアに配置された第1の磁石224a及び第1のスイッチ・デバイス224bと、第2の磁石・スイッチ・ペアに配置された第2の磁石226a及び第2のスイッチ・デバイス226bとを含むことができる。
【0051】
一実施形態によれば、ECD202の第1のスイッチ・デバイス220b及びパートナーECD204の第1のスイッチ・デバイス224bが機械スイッチである場合、磁石は必要でない場合がある。そうした実施形態では、ECD202の第1の機械スイッチ(例えば、第1のスイッチ・デバイス220b)とパートナーECD204の第1の機械スイッチ(例えば、第1のスイッチ・デバイス224b)を、反対の方向に一緒に押して、それぞれの回路経路を完成し、それぞれのECDの電源をオンにすることができる。
【0052】
一実施形態において、ECD202の第1の磁石・スイッチ・ペア(例えば、第1の磁石220a、第1のスイッチ・デバイス220b)は、パートナーECD204の第1の磁石・スイッチ・ペア(例えば、第1の磁石224a、第1のスイッチ・デバイス224b)に係合し、ECD202の第1の磁石220aとパートナーECD204の第1の磁石224aとの間の相互作用が、それぞれECD202、204の第1のスイッチ・デバイス220b、224bを作動するようにすることができる。従って、それぞれのECD202、204上の第1の磁石220a、224aは、付随するスイッチ・デバイス220b、224bをアクティブ化して、第1の回路経路(スイッチ・デバイスに動作可能に結合された)を閉じ、それぞれのECD202、204の電源をオンすることができる。一実施形態では、ECD202の第1の磁石・スイッチ・ペアは、パートナーECD204の対応する第1の磁石・スイッチ・ペアから係合解除して、ECD202の電源をオフにするように構成することができる。スイッチ・デバイス220b、224bは、オフの位置に跳ね返り、スイッチ・デバイス220b、224bがECD202とパートナーECD204との間の接触に応答して再係合できるようにすることができる。
【0053】
他の実施形態によれば、ECD202の第1のスイッチ・デバイス220b及びパートナーECD204の第1のスイッチ・デバイス224bが機械スイッチである場合、磁石を機械スイッチとペアリングすることができる(例えば、磁石・機械スイッチ・ペア)。そうした実施形態において、ECD202の第1の磁石220aとパートナーECD204の第1の磁石224aとの間の相互作用は、ECD202、204の第1の機械スイッチをそれぞれアクティブ化して、それぞれの回路経路を完成させ、それぞれのECDの電源をオンすることができる。
【0054】
少なくとも1つの実施形態において、第1のユーザ202aのスマートフォン206は、ホルダ228などの、ドッキング・コンポーネントを含むことができる。一実施形態では、ホルダ228は、収納及び携帯性のためにECD202を受け取るよう構成することができる。ECD202は、ホルダ228内でスマートフォン206とドッキングし、ECD202に格納されたデータ(例えば、パートナーECDから受け取ったデータ)をスマートフォン206に転送又はこれと交換するように構成することができる。一実施形態では、ホルダ228は、スマートフォン206に取り外し可能に取り付けることができる。一実施形態では、ホルダ228は、ホルダ228によってECD202が受け取られる(例えば、配置される、又はドッキングされる)とき、ECD202の第2の磁石222aと相互作用することができる、第3の磁石230などのアクチュエータを含むことができる。ホルダ228の第3の磁石230とECD202の第2の磁石222aとの間の相互作用は、ECD202の第2のスイッチ・デバイス222bをアクティブ化し、ECD202の電源をオンするように構成された第2の回路経路(スイッチ・デバイスに動作可能に結合された)を閉じることができる。
【0055】
一実施形態によれば、ECD202の第2のスイッチ・デバイス222bが第2の機械スイッチである場合、ECD202の第2の磁石222aは随意的なものである。そうした実施形態では、ホルダ228の第3の磁石230は、第2の機械スイッチを作動させて、ECD202の電源をオンにするように構成された第2の回路経路(機械スイッチに動作可能に結合された)を閉じるように構成することができる。別の実施形態によれば、ホルダ228は、第2の機械スイッチに係合して(例えば、これを押して)、ECD202の電源をオンするように構成された第2の回路経路を閉じるように構成された機械式アクチュエータを含むことができる。少なくとも1つの実施形態によれば、ホルダ228内のアクチュエータは、第3の機械スイッチを含むことができる。そうした実施形態では、反対方向におけるECD202の第2の機械スイッチとホルダ228の第3の機械スイッチとの間の相互作用(例えば、一緒に押される)は、ECD202の第2のスイッチ・デバイス222bをアクティブ化してECD202の電源をオンにするように構成された第2の回路経路を閉じることができる。さらに、第3の機械スイッチをアクティブ化することで、ECD202からの通信に対する注意をドッキング・コンポーネントに与え、ドッキング・コンポーネントがより多くのサイクルをNFC又はBluetoothにあてることができるようにできる。
【0056】
ECD202がホルダ228内に配置又はドッキングされると、ECD202内に含まれる第2のスイッチ・デバイス222bは、第1のスイッチ・デバイス220bとは独立して、ECD202の電源をオンにするように係合することができる。第2のスイッチ・デバイス222bは、ホルダ228の第3の磁石230とECD202の第2の磁石222aとの間の相互作用に応答して、アクティブ化することができる。ひとたびECD202がホルダ228内にドッキングされ、電源がオンにされると、電子カード・プログラム1l0a、ll0bは、新しい情報が利用可能であれば、スマートフォン206と情報210を交換することができる。一実施形態では、電子カード・プログラム110a、110bは、ECD202のメモリ212にドッキング状態を登録することができる。種々の実施形態において、ひとたびECD202とスマートフォン206との間の情報交換が完了すると、もしくはドッキング状態がメモリ212に登録されると、又はその両方が行われると、電子カード・プログラム110a、110bは、スクリプトを実施して、ECD202の電源をオフにすることができる。一実施形態によれば、ECD202がパートナーECD204と接触した場合、前述したように、第1のスイッチ・デバイス220bを係合させて、ECD202の電源をオンにすることができる。次に、電子カード・プログラム110a、110bを実行して、ECD202、204の間で情報210を交換することができる。その後、電子カード・プログラム110a、110bは、ECD202がスマートフォン206とドッキングされていると判断した場合、受け取った情報をスマートフォン206に伝送することができる。そうでない場合、電子カード・プログラム110a、110bは、ECD202がスマートフォン206と接触するまで、受け取った情報をメモリ212に格納することができる。
【0057】
一実施形態によれば、電子カード・プログラム110a、110bは、メモリ212内のドッキング状態をチェックすることによって、ECD202がスマートフォン206とドッキングされているかどうかを判断することができる。別の実施形態では、電子カード・プログラム110a、110bは、NFC又は他の通信方法(例えば、Bluetooth)を実装し、スマートフォン206に情報を伝送するために、ECD202がスマートフォン206の十分に近くにあるかどうかを判断することができる。
【0058】
少なくとも1つの実施形態によれば、電子カード・プログラム110a、110bは、ユーザ202aが、ECD202が、202がホルダ228内にドッキングされているときにだけ、スマートフォン206との情報交換と関連した第1の選択肢を(例えば、スマートフォン206上で実行されているコンパニオン・アプリケーションにおいて)選択することを可能にすることができる。また、電子カード・プログラム110a、110bは、スマートフォン206からNFC信号が検出されたとき(例えば、ECD202がスマートフォン206の十分に近くにあるが、ホルダ228内にドッキングされていないとき)はいつでも、スマートフォン206との情報交換と関連した第2の選択肢を提供することができる。第1の選択肢(例えば、ドッキング時のみの選択肢)を選択することは、第2の選択肢(例えば、NFC信号検出選択肢)を選択するよりも、ECD202にとってエネルギー効率がよい場合があると考えられる。
【0059】
一実施形態によれば、電子カード・プログラム110a、110bは、ECD202とスマートフォン206との間の無線通信を行うためにNFCを実装することができる。NFCは、NFCのバッテリ218の消費電力が低く、ECD202とスマートフォン206との間の正式なペアリング要件がないことから、Bluetoothと比較して好ましい場合がある。ユーザ202aが最初にECD202をスマートフォン206に接続すると、スマートフォン206は、ECD202と一意の番号又は識別トークンを交換することができる。この最初のハンドシェイク動作の後、情報をスマートフォン206に送ると、ECD202は、一意の番号又は識別トークンを使用して、スマートフォン206に送られている情報を暗号化することができる。一実施形態では、ユーザ202aは、あらゆる他のNFCデバイスから遠く離れた安全な領域で最初のハンドシェイク動作を実行し、ECD202が受け取った一意の番号又は識別トークンがスマートフォン206からのものであることを保証することができる。
【0060】
最初のハンドシェイク動作及びスマートフォン206の一意の番号又は識別トークンを用いた情報の暗号化の結果として、ユーザ202aのスマートフォン206ではなく、別のユーザのスマートフォンに、情報(例えば、連絡先情報)を意図せず伝送してしまう問題(例えば、近くのNFC信号を受け取ることがあるため)を回避することができる。
【0061】
幾つかの実施形態において、ECD202は、ユーザ202aが、手動でECD202の電源をオン/オフにするのを可能にするように構成された物理スイッチを含むことができる。例えば、ユーザ202aがスマートフォン206に取り付けられたホルダ228を有していない場合、ユーザ202aは、情報を交換するためにスマートフォン206に接近したとき、物理スイッチを使用して、手動でECD202の電源をオンにすることができる。その後、ユーザ202aは、物理スイッチを使用して、ECD202の電源をオフにすることができる。
【0062】
さらに別の実施形態では、デフォルトでECD202の電源をオンにし、スマートフォン206上で実行されているコンパニオン・アプリケーション上の設定を介して、スマートフォン206の電源をオフにし、これとドッキングするための機能を制御することができる。そうした実施形態では、次にECD202がスマートフォン206と接続されたとき(例えば、ドッキングを介して)、NFCを介して、ECD202を最新の設定変更で更新することができる。
【0063】
別の実施形態において、第1のスイッチ・デバイス220bをアクティブにすることによってECD202の電源がオンにされるとき、ECD202は、パートナーECD204と最初に出会うまで、電源をオフにすることができる。その後、ECD202は、ECD202が蓄積された情報をスマートフォン206上にアップロードするまで、(例えば、パートナーECD204と接触しなくなった後でも)電源がオンのままである場合もある。その後、電子カード・プログラム110a、110bは、ソフトウェアを介して、ECD202の電源をオフすることができる。このように、ECD202は、別のECD(例えば、パートナーECD204)から初めて新しい情報をキャプチャするまで、その電源をオフにすることができ、その後、ECD202は、蓄積された情報がペアリングされたスマートフォン206にアップロードされるまで、電源をオンにしたままにすることができる。
【0064】
本実施形態によれば、クライアント・コンピュータ102又はサーバ・コンピュータ112を用いるユーザは、電子カード・プログラム110a、110b(それぞれ)を使用し、別のユーザと携帯可能でエネルギー効率のよい電子デバイス(例えば、ECD202)を用いて情報を交換することができる。電子カード方法は、
図2(上に詳述)及び
図3乃至
図5(以下に詳述)に関して、以下でより詳細に説明される。
【0065】
一実施形態によれば、電子カード方法は、一般に、第1のECDを別の第2のECD(例えば、パートナーECD)に接続することを含むことができる。次に、電子カード方法は、第1のECDの第1の磁石と第2のECDの第1の磁石との間の相互作用に応答して、第1のスイッチ・デバイス(例えば、第1のリード・スイッチ/リレー)を介してECDの電源をオンにすることを含むことができる。次に、電子カード方法は、NFC又は他の無線通信プロトコルを介して、第2のECDと情報を交換することを含むことができる。その後、電子カード方法は、第1のECDがモバイル・デバイスとドッキングされているかどうかを判断することを含むことができる。電子カード方法が、第1のECDがモバイル・デバイスとドッキングされていると判断した場合、電子カード方法は、NFC又は他の無線通信プロトコルを介して、モバイル・デバイスと情報を交換する(例えば、第1のECDからモバイル・デバイスに蓄積された情報をアップロードする)ことを含むことができる。電子カード方法が、第1のECDがモバイル・デバイスとドッキングされていないと判断した場合、電子カード方法は、第2のECDとの接触が失われること(第1のスイッチ・デバイスの非アクティブ化)、又は第2のECDとの情報交換後に電源をオフにするソフトウェア命令のいずれかを介して、第1のECDの電源をオフにすることを含むことができる。
【0066】
少なくとも1つの実施形態において、電子カード方法は、ECDと他の第2のECDとの間の1又は複数の情報交換後、第1のECDがモバイル・デバイスとドッキングすることを含むことができる。次に、電子カード方法は、第1のECDの第2の磁石とユーザのモバイル・デバイスに取り付けられたカード又はECDホルダの第3の磁石との間の相互作用に応答して、第2のスイッチ・デバイス(例えば、第2のリード・スイッチ/リレー)を介して、第1のECDの電源をオンにすることを含むことができる。ひとたびモバイル・デバイスとドッキングされると、電子カード方法は、NFC又は他の無線通信プロトコルを介して、第1のECDが、モバイル・デバイスと情報を交換することを含むことができる。その後、電子カード方法は、モバイル・デバイスとの情報交換の後、電源をオフにするためのソフトウェア命令を介して、第1のECDの電源をオフにすることを含むことができる。
【0067】
ここで
図3を参照すると、少なくとも1つの実施形態による、
図2に関連して説明される電子カード・プログラム110a及び110bによって使用される例示的なエネルギー効率のよいデータ交換プロセス300を示す動作フローチャートが示される。
【0068】
302において、第1のスイッチ・デバイスを介して、電力が検出される。一実施形態によれば、第1のECD(例えば、ECD202)は、それぞれのECD上に格納された情報を交換するために、別の第2のECD(例えば、パートナーECD204)と接触することができる。電子カード・プログラム110a、110bは、第1のECDにおいて、第1のスイッチ・デバイス(例えば、スイッチ又はリレー)のアクティブ化を検出し、第1のECDの電源をオンにすることができる。
【0069】
図2を参照して前述したように、ECDは、磁石・スイッチ・ペアに配置された2つの磁石及び2つのスイッチ・デバイスを含むことができ、第1の磁石及び第1のスイッチ・デバイスは、第1の磁石・スイッチ・ペアを提供し、第2の磁石及び第2のスイッチ・デバイスは、第2の磁石・スイッチ・ペアを提供することができる。一実施形態によれば、第1及び第2のスイッチ・デバイスは、並列に配置することができ、ECDの電源をオンにする又はこれをアクティブ化するように構成された回路を(例えば、物理的にスイッチをオンにすること又はスイッチ・リレーを係合することを介して)完成するための2つの経路を提供することができる。一実施形態では、ECDの第1の磁石・スイッチ・ペアは、パートナーECDの第1の磁石・スイッチ・ペアに係合し、それぞれのECD上の第1の磁石間の相互作用が、付随する第1のスイッチ・デバイスをアクティブ化して第1の回路経路を閉じ、それぞれのECDの電源をオンにするようにできる。電子カード・プログラム110a、110bは、第1のスイッチ・デバイスのアクティブ化を検出することに応答して、第2のECDが第1のECDの閾値近接範囲内にあると判断することができる。一実施形態では、第1のECD及び第2のECDは、第1のECDの第1の磁石が第2のECDの対応する第1の磁石と連結することに応答して、一緒にスナップすることができる。
【0070】
次に304において、データがパートナーECDと交換される。第1のECDは、第1のECDの第1の磁石・スイッチ・ペアが、第2の又はパートナーECDの対応する第1の磁石・スイッチ・ペアと係合して第1のECDの電源をオンすることに応答して、通信を開始することができる。ECDのメモリには、ECDのユーザと関連した情報をロードすることができる。一実施形態では、
図2を参照して前述したように、ECDのマイクロプロセッサ上で実行される電子カード・プログラム110a、110bは、現在の文脈に基づいて、パートナーECDとデータの交換をネゴシエートすることができる。交換可能なデータは、例えば、連絡先情報、経歴情報及び/又は写真、及び/又は他の情報を含むことができる。別の態様では、メモリにロード可能な情報は、トークンを含むことができ、トークンは、連絡先情報、経歴情報もしくは写真、又はそれらの組み合わせなどの情報を格納するデータベース内のレコードにリンクすることができる。現在のコンテキストは、ECDの第1のユーザの関心が、ECDによって識別されるような、パートナーECDの第2のユーザの関心とマッチするという基準を含むことができる。現在のコンテキストは、ECDの第1のユーザとパートナーECDの第2のユーザが指定された会議の参加者であるという基準を含むこともできる。
【0071】
次に306において、電子カード・プログラム110a、110bは、ECDがモバイル・デバイス上にドッキングされているかどうかを判断する。一実施形態によれば、ユーザのモバイル・デバイス(例えば、スマートフォン206)は、収納及び携帯性のためにECDを受け取るように構成されたドッキング・コンポーネント又はホルダ(例えば、ホルダ228)を含むことができる。一実施形態では、ホルダは、ECDがホルダ内に配置される(例えば、ドッキングされる)とき、ECDの第2の磁石と相互作用することができる第3の磁石を含むことができる。ホルダの第3の磁石とECDの第2の磁石との間の相互作用は、ECDの第2のスイッチ・デバイスをアクティブ化し、ECDの電源をオンにするように構成された第2の回路経路を閉じることができる。一実施形態では、電子カード・プログラム110a、110bは、第2のスイッチ・デバイスが第2の回路経路を閉じてECDの電源をオンにするのを検出することに応答して、ECDのメモリにドッキング状態又はドッキング・レコードを登録することができる。従って、電子カード・プログラム110a、110bは、ECDのメモリ内のドッキング状態をチェックすることによって、ECDがモバイル・デバイスにドッキングされているかどうかを判断することができる。別の実施形態では、電子カード・プログラム110a、110bは、NFC又は任意の他の近接ベースの通信機構(例えば、Bluetooth)を実装し、ECDがモバイル・デバイスに十分に近接し、ECDをホルダ内にドッキングすることができるかどうかを判断することができる。
【0072】
電子カード・プログラム110a、110bが、306においてECDがドッキングされていると判断した場合、次に312において、以下にさらに説明されるように、情報がモバイル・デバイスと交換される。しかしながら、電子カード・プログラム110a、110bが、306においてECDがドッキングされていないと判断した場合、次に308において、ECDにおいて電源が切られる。一実施形態によれば、パートナーECDとの接触が失うことによって、ECDの電源をオフにすることができる。電子カード・プログラム110a、110bは、第2のECDが第1のECDの閾値近接範囲の外側にあることに応答して、第1のECDの電源をオフにするように構成された第1のスイッチ・デバイスの非アクティブ化を検出することができる。そうした実施形態では、それぞれのECDの第1の磁石は相互作用することができず、第1のスイッチ・デバイスの非アクティブ化、及び第1の回路経路の開又は中断をもたらす。少なくとも1つの実施形態において、電子カード・プログラム110a、110bは、パートナーECDとのトランザクションの完了時に、自動的にECDの電源をオフするためのシャットダウン・スクリプトを実行することができる。一実施形態によれば、ECDの電源がオフにされる前に、電子カード・プログラム110a、110bは、ECDがモバイル・デバイス(例えば、ホルダ内に受け取られた)と接触するまでの間、受け取ったデータ又は蓄積したデータをECDのメモリに格納することができる。一実施形態では、電子カード・プログラム110a、110bは、ECDがモバイル・デバイスとドッキングされていないことを反映するために、ECDのメモリ内のレコードを更新することができる(例えば、非ドッキング状態を記録することによって)。
【0073】
幾つかの例において、ECDは、データをモバイル・デバイスに転送するためにECDがドッキングされる前に、情報を交換するために複数の他のECD(例えば、複数のパートナーECD)と接続することができる。そうした例では、電子カード・プロセス300は、別のECDに接続することに応答して、302に戻って、第1のリード・デバイスを介して電源を入れることができる。
【0074】
次に310において、第2のスイッチ・デバイスを介して、電力が検出される。ECDがホルダに挿入される(例えば、ドッキングされる)と、ECDの第1のスイッチ・デバイスとは独立して、ECD内に含まれる第2のスイッチ・デバイス(例えば、リード・スイッチ/リレー又は機械スイッチ)を係合させ、ECDの電源をオンにすることができる。一実施形態では、電子カード・プログラム110a、110bは、ECDの電源をオンにするための第2のスイッチ・デバイスのアクティブ化を検出することができる。
図2を参照して既述されたように、ホルダの第3の磁石とECDの第2の磁石との間の相互作用に応答して、第2のスイッチ・デバイスをアクティブ化することができる。一実施形態では、電子カード・プログラム110a、110bは、ホルダの第3の磁石とECDの第2の磁石との間の相互作用に応答して、第2の回路経路の閉を検出することができる。一実施形態において、電子カード・プログラム110a、110bは、ECDの電源をオンにするための第2のリード・デバイスのアクティブ化を検出することに応答して、ECDのメモリにドッキング状態又はドッキング・レコードを登録することもできる。
【0075】
次に312において、データがモバイル・デバイスに転送される。ひとたびECDがホルダ内にドッキングされ、その電源がオンにされると、電子カード・プログラム110a、110bは、新しい情報が利用可能である場合には、モバイル・デバイスへのデータの転送を開始することができる。一実施形態では、転送用のデータは、例えば、パートナーECDからデータを受け取ることによって、ECD内に蓄積された情報を含むことができる。一実施形態では、ECDのマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ上で実行される電子カード・プログラム110a、110bは、NFC又は他の近接ベースの通信機構を用いて、モバイル・デバイスへのデータの転送を実行することができる。別の態様では、ECDのマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラと通信する遠隔エージェントが、モバイル・デバイスへの情報の転送を開始することができる。
【0076】
その後、314において、電源が切られる。ひとたびデータがモバイル・デバイスに転送又はアップロードされると、電子カード・プログラム110a、110bは、自動的にECDの電源をオフにするために、シャットダウン・スクリプトを実装することができる。
【0077】
一実施形態によれば、ECDが、モバイル・デバイス上にドッキングされ、ソフトウェア(例えば、シャットダウン・スクリプト)を介してオフにされる間、データを交換するために他のパートナーECDと相互作用することができる。そうした実施形態では、電子カード・プロセス300は、別のパートナーECDに接続することに応答して、302に戻って、第1のスイッチ・デバイスを介して電源を入れることができる。
【0078】
種々の実施形態において、ECDがモバイル・デバイスのホルダ内に保持される場合、前述のように、電子カード・プロセスは、ECDが第2のスイッチ・デバイスのアクティブ化を介して電源がオンにされる312において開始することができる。この相互作用は、
図5を参照して以下にさらに説明される。
【0079】
ここで
図4を参照すると、少なくとも1つの実施形態による例示的な電子カード・デバイス(ECD)402の電気回路
図400が示される。一実施形態によれば、ECD402は、
図2を参照して前述したECD202及びパートナーECD204に類似している。
【0080】
一実施形態によれば、
図2を参照して説明されるように、ECD402は、別のそうしたパートナーECDをアクティブ化することができる第1の磁石404aと、ECDホルダの第3の磁石と相互作用することができる第2の磁石404bとを含むことができる。一実施形態において、ECD402は、例えば、示される超低消費電力マイクロコントローラ:MSP430-G2(しかし、これに限定されない)などのマイクロコントローラ406を含むことができる。一実施形態では、マイクロコントローラ406は、並列接続された2つのスイッチ・デバイス(例えば、リード・デバイス)を含むスイッチ回路408に接続することができる。一実施形態では、スイッチ回路408の第1のリード・リレー410aは、第1の回路経路412aを完成することができ、スイッチ回路408の第2のリード・リレー410bは、第2の回路経路412bを完成することができる。種々の実施形態において、前述のように、他のスイッチ・デバイス(例えば、機械スイッチ)も考えられる。
【0081】
一実施形態において、別のECDの第1の磁石414がECD402に近接していることに応答して、第1のリード・リレー410aをアクティブ化する(例えば、スイッチを入れる)ことができる。同様に、第1のリード・リレー410aは、別のECDの第1の磁石414が近くにないとき、非アクティブ化する(例えば、スイッチを切る)ことができる。一実施形態では、ECD402の第2の磁石404bがECDホルダの第3の磁石(図示せず)と相互作用することに応答して、第2のリード・リレー410aをアクティブ化する(例えば、スイッチを入れる)ことができる。前述のように、第2のリード・リレー410bをアクティブ化することで、モバイル・デバイスとのデータの送信又は交換を自動的にトリガすることができる。具体的には示されていないが、種々の実施形態において、ECD402は、モバイル・デバイスとデータを送信又は交換するために手動でトリガすることができる押しボタンを含むこともできる。
【0082】
少なくとも1つの実施形態において、マイクロコントローラ406は、NFCモジュール416と結合することもでき、これにより、ECD402が、例えば、別のパートナーECDもしくはモバイル・デバイス、又はその両方のような別のデバイスと通信することが可能になる。具体的には示されていないが、種々の実施形態において、ECD402は、Wi-Fiモジュール、及び、例えば、別のデバイスと近接ベースの通信を行うためのBluetoothモジュールなどの他の無線通信モジュールを含むこともできる。
【0083】
種々の実施形態において、ECD402は、LEDコンポーネント418を含むことができる。一実施形態では、LED418は、ECD402において実行されている異なる機能に基づいて、異なる色合いで点灯することができる。例えば、LED418は、デバイスが準備完了であることを示すために赤色で点灯することがあり、LED418は、情報が他のデバイスと共有又は交換されていることを示すために黄色で点灯することがあり、LED418は、識別が受信されたことを示すために緑色で点灯することがある。他の薄い色合いのコード化を利用することもできる。具体的には示されないが、種々の実施形態において、ECD402は、振動コンポーネントを含むこともできる。一実施形態では、振動コンポーネントは、振動して、ECD402の異なる機能又はモードを示すことができる。例えば、情報を共有又は交換するためのネゴシエーションを開始することに応答して、振動コンポーネントが振動してもよく、ネゴシエーションが失敗した後又は情報の交換が完了した後、振動を停止することができる。
【0084】
一実施形態によれば、ECD402は、マイクロコントローラ406のプログラミングを可能にするためのプログラミング・ポート420を含むこともできる。一実施形態では、プログラミング・ポート420は、ECD402が、電子カード・プログラム110a、110bでプログラムされることを可能にすることができる。一実施形態では、マイクロコントローラ406上で実行される電子カード・プログラム110a、110bは、マイクロコントローラ406が、ECD402に電力供給するために提供されるバッテリ422のエネルギーを節約するように構成される方法で、別のデバイス(例えば、パートナーECD)にデータを提供し、別のデバイス(例えば、パートナーECD)からデータを受け取り、及び/又は別のデバイス(例えば、パートナーECD)とデータを交換することができるエネルギー効率のよいエージェントとして機能することを可能にできる。エネルギー効率のよいエージェントは、バッテリ422のエネルギーを節約するように構成される方法で、他のデバイスから蓄積されたデータを、モバイル・デバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップ)もしくは別のコンピュータ・システム、又はその両方などの別のデバイスにアップロードするように機能することもできる。
【0085】
ここで
図5を参照すると、少なくとも1つの実施形態による、第1のECD502と第2のECD504との間の例示的な電子カードの相互作用を示すブロック
図500が示される。一実施形態によれば、
図2を参照して前述したように、第1及び第2のECD502、504は、ECD202、204と類似し得る。
【0086】
図5に示されるような一実施形態において、第1のECD502は、モバイル・デバイス508に取り付けられたホルダ506(例えば、ドッキング・コンポーネント)内に配置することができる。一実施形態では、モバイル・デバイス508は、スマートフォンを含むことができる。他の実施形態では、モバイル・デバイス508は、例えば、タブレット又はラップトップなどの他のユーザ・デバイスを含むことができる。第1のECD502は、2つの磁石(第1の磁石510a及び第2の磁石512a)並びに2つのスイッチ・デバイス(第1のリード・デバイス510b及び第2のリード・デバイス512b)を含むことができる。一実施形態において、2つの磁石及び2つのリード・デバイスは、磁石・リード・ペアに配置することができ、そこで第1の磁石510a及び第1のリード・デバイス510bは、第1の磁石・リード・ペアを提供し、第2の磁石512a及び第2リード・デバイス512bは、第2の磁石・リード・ペアを提供することができる。一実施形態によれば、ホルダ506は、第1のECD502の第2の磁石512aと係合するように構成された第3の磁石518を含むことができる。
【0087】
一実施形態によれば、
図5に示すように、第1の磁石・リード・ペアは、それぞれのECD502、504の第1の端部上に提供又は配置することができ、第2の磁石・リード・ペアは、第1の端部の反対側の、それぞれのECD502、504の第2の端部に提供又は配置することができるので、ECD502は、ホルダ506の第3の磁石518及びパートナーECD504の第1の磁石・リード・ペア(例えば、514a、514b)と同時に相互作用することができる。
【0088】
一実施形態によれば、第1のECD502上で実行される電子カード・プログラム110a、110bは、ECD502の第2の磁石512aとホルダ506の第3の磁石518との間の相互作用に応答して、第2のリード・デバイス512bのアクティブ化(ECDの電源をオンにするために)を検出することに基づいて、第1のECD502がホルダ506内にドッキングされていることを判断することができる。ホルダ506内に第1のECD502が存在すると推論すると、電子カード・プログラム110a、110bは、第1のECD502のメモリにドッキング状態又はレコードを登録することができる。次いで、電子カード・プログラム110a、110bは、NFC又は任意の他の近接ベースの通信機構を介して、第1のECD502に格納された任意の新しいデータをモバイル・デバイス508に転送することができる。モバイル・デバイス508に情報が転送されると、電子カード・プログラム110a、110bによって実装されるシャットダウン・スクリプトを介して、自動的に第1のECD502の電源をオフにすることができる。
【0089】
その後、第1のECD502は、モバイル・デバイス508のホルダ506内にドッキングされ、ソフトウェアを介して電源がオフにされる間、データの交換のために第2のECD504と相互作用することができる。
【0090】
一実施形態において、第1のECD502の第1の磁石・リード・ペア(例えば、第1磁石510a、第1のリード・デバイス510b)は、第2のECD504の第1の磁石・リード・ペア(例えば、第1の磁石514a、第1のリード・デバイス514b)に係合することができるので、第1のECD502の第1の磁石510aと第2のECD504の第1の磁石514aとの間の相互作用が、それぞれECD502、504の第1のリード・デバイス510a、514bを作動させることができる。従って、それぞれのECD502、504上の第1の磁石510a、514bは、付随するリード・デバイス510b、514bをアクティブ化して第1の回路経路を閉じ、それぞれのECD502、504をオンにすることができる。
【0091】
一実施形態において、第1のECD502のマイクロプロセッサ上で実行される電子カード・プログラム110a、110bは、
図2を参照して前述したように、現在のコンテキストに基づいて、第2のECD504とのデータの交換をネゴシエートすることができる。ひとたびECD間のデータの交換が完了すると、電子カード・プログラム110a、110bは、第1のECD502のメモリ内の記録されたドッキング状態に基づいて、第1のECD502がモバイル・デバイス508とドッキングされていると判断することができる。ドッキング状態の判断に応答して、第1のECD502上で実行される電子カード・プログラム110a、110bは、NFC又は他の近接ベースの通信機構を用いて、受け取ったデータのモバイル・デバイス508への転送を実行することができる。その後、第1のECD502は、電子カード・プログラム110a、110bが実装するシャットダウン・スクリプトを介して、再び自動的に電源をオフにすることができる。
【0092】
電子カード・プログラム110a、110bは、コンピュータが、他の電子デバイスとデータを交換するように構成された携帯型ECDのエネルギー要件を最小限にすることを可能にできるので、電子カード・プログラム110a、110bにより、コンピュータの機能を改善することができる。電子カード・プログラム110a、110bは、より多くのエネルギーを消費し得る近接ベースの通信機構に依存するのではなく、ECDの電源をオンにする方法(例えば、第1のリード・デバイス又は第2のリード・デバイス)を検出することによって、コンピュータが、別の電子デバイスが無線通信範囲内にある可能性があると判断することを可能にする。また、電子カード・プログラム110a、110bは、必要なデータ交換トランザクションの完了時に、コンピュータが、自動的にECDの電源をオフにすることを可能にすることもできる。
【0093】
図2乃至
図5は、一実施形態の例示のみを提供し、異なる実施形態がどのように実装され得るかに関していかなる制限も意味しないことが理解されるであろう。設計及び実装要件に基づいて、示される実施形態に対する多くの変更を行うことができる。
【0094】
図6は、本発明の例示的な実施形態による、
図1に示されるコンピュータの内部コンポーネント及び外部コンポーネントのブロック
図900である。
図6は、1つの実装の例示のみを与えるものであり、異なる実施形態を実装できる環境に関するいずれの限定も意味しないことを認識されたい。設計及び実装要件に基づいて、示される環境に対する多くの変更を行うことができる。
【0095】
データ処理システム902、904は、機械可読プログラム命令を実行することができる任意の電子デバイスを表す。データ処理システム902、904は、スマートフォン、コンピュータ・システム、PDA、又は他の電子デバイスを表すことができる。データ処理システム902、904により表すことができるコンピュータ・システム、環境もしくは構成、又はそれらの組み合わせの例として、これらに限定されるものではないが、パーソナル・コンピュータ・システム、サーバ・コンピュータ・システム、シン・クライアント、シック・クライアント、手持ち式もしくはラップトップ・デバイス、マルチプロセッサ・システム、マイクロプロセッサ・ベースのシステム、ネットワークPC、ミニコンピュータ・システム、及び上記のシステムもしくはデバイスのいずれかを含む分散型クラウド・コンピューティング環境が挙げられる。
【0096】
ユーザ・クライアント・コンピュータ102及びネットワーク・サーバ112は、
図6に示される内部コンポーネント902a、b及び外部コンポーネント904a、bのそれぞれのセットを含むことができる。内部コンポーネント902a、bの各セットは、1つ又は複数のバス912上の1つ又は複数のプロセッサ906、1つ又は複数のコンピュータ可読RAM908、及び1つ又は複数のコンピュータ可読ROM910、並びに1つ又は複数のオペレーティング・システム914及び1つ又は複数のコンピュータ可読有形ストレージ・デバイス916を含む。1つ又は複数のオペレーティング・システム914、ソフトウェア・プログラム108、及びクライアント・コンピュータ102における電子カード・プログラム110a、及びネットワーク・サーバ112における電子カード・プログラム110bは、1つ又は複数のRAM908(典型的には、キャッシュ・メモリを含む)を介して、1つ又は複数のプロセッサ906による実行のために1つ又は複数のコンピュータ可読有形ストレージ・デバイス916上に格納することができる。
図6に示される実施形態において、コンピュータ可読有形ストレージ・デバイス916の各々は、内部ハードドライブの磁気ディスクストレージ・デバイスである。或いは、コンピュータ可読有形ストレージ・デバイス916の各々は、ROM910、EPROM、フラッシュ・メモリ、又はコンピュータ・プログラム及びデジタル情報を格納することができる任意の他のコンピュータ可読有形ストレージ・デバイスなどの半導体ストレージ・デバイスである。
【0097】
内部コンポーネント902a、bの各セットはまた、CD-ROM、DVD、メモリ・スティック、磁気テープ、磁気ディスク、光ディスク、又は半導体ストレージ・デバイスなどの1つ又は複数の携帯型コンピュータ可読有形ストレージ・デバイス920との間で読み書きを行うためのR/Wドライブ又はインターフェース918も含む。ソフトウェア・プログラム108及び電子カード・プログラム110a及び110bなどのソフトウェア・プログラムは、それぞれの携帯型コンピュータ可読有形ストレージ・デバイス920の1つ又は複数上に格納し、それぞれのR/Wドライブ又はインターフェース918を介して読み出し、それぞれのハードドライブ916にロードすることができる。
【0098】
内部コンポーネント902a、bの各セットはまた、TCP/IPアダプタ・カード、無線wi-fiインターフェース・カード、又は3Gもしくは4G無線インターフェース・カード、又は他の有線もしくは無線通信リンクなどのネットワーク・アダプタ(又はスイッチ・ポート・カード)又はインターフェース922を含むこともできる。ソフトウェア・プログラム108及びクライアント・コンピュータ102における電子カード・プログラム110a、及びネットワーク・サーバ・コンピュータ112における電子カード・プログラム110bは、ネットワーク(例えば、インターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、又は他の広域ネットワーク)及びそれぞれのネットワーク・アダプタ又はインターフェース922を介して、外部コンピュータ(例えば、サーバ)からダウンロードすることができる。ネットワーク・アダプタ(又はスイッチ・ポート・アダプタ)又はインターフェース922から、ソフトウェア・プログラム108及びクライアント・コンピュータ102における電子カード・プログラム110a、ネットワーク・サーバ・コンピュータ112における電子カード・プログラム110bは、それぞれのハードドライブ916にロードされる。ネットワークは、銅線、光ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータ、もしくはエッジ・サーバ、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0099】
外部コンポーネント904a、bの各セットは、コンピュータ・ディスプレイ・モニタ924、キーボード926、及びコンピュータ・マウス928を含むことができる。外部コンポーネント904a、bはまた、タッチ・スクリーン、仮想キーボード、タッチパッド、ポインティング・デバイス、及び他のヒューマン・インタフェース・デバイスを含むこともできる。内部コンポーネント902a、bの各セットはまた、コンピュータ・ディスプレイ・モニタ924、キーボード926、及びコンピュータ・マウス928にインターフェース接続するためのデバイス・ドライバ930も含む。デバイス・ドライバ930、R/Wドライブ又はインターフェース918、及びネットワーク・アダプタ又はインターフェース922は、(ストレージ・デバイス916もしくはROM910、又はその両方に格納された)ハードウェア及びソフトウェアも含む。
【0100】
本開示は、クラウド・コンピューティングに関する詳細な説明を含むが、本明細書に記載される教示の実装は、クラウド・コンピューティング環境に限定されないことが予め理解される。むしろ、本発明の実施形態は、現在知られている、又は後に開発される任意の他のタイプのコンピューティング環境と関連して実施することが可能である。
【0101】
クラウド・コンピューティングは、最小限の管理労力又はサービスプロバイダとの対話で迅速にプロビジョニング及び解放することができる構成可能なコンピューティング・リソース(例えば、ネットワーク、ネットワーク帯域幅、サーバ、処理、メモリ、ストレージ、アプリケーション、仮想マシン、及びサービス)の共有プールへの、便利なオンデマンドのネットワークアクセスを可能にするためのサービス配信のモデルである。このクラウドモデルは、少なくとも5つの特徴、少なくとも3つのサービス・モデル、及び少なくとも4つのデプロイメント・モデルを含むことができる。
【0102】
特徴は、以下の通りである。
オンデマンド・セルフ・サービス:クラウド・コンシューマは、必要に応じて、サーバ時間及びネットワーク・ストレージ等のコンピューティング機能を、人間がサービスのプロバイダと対話する必要なく自動的に、一方的にプロビジョニングすることができる。
広範なネットワークアクセス:機能は、ネットワーク上で利用可能であり、異種のシン又はシック・クライアント・プラットフォーム(例えば、携帯電話、ラップトップ、及びPDA)による使用を促進する標準的な機構を通じてアクセスされる。
リソース・プール化:プロバイダのコンピューティング・リソースは、マルチテナントモデルを用いて複数のコンシューマにサービスを提供するためにプールされ、異なる物理及び仮想リソースが要求に応じて動的に割り当て及び再割り当てされる。コンシューマは、一般に、提供されるリソースの正確な位置についての制御又は知識を持たないという点で、位置とは独立しているといえるが、より抽象化レベルの高い位置(例えば、国、州、又はデータセンタ)を特定できる場合がある。
迅速な弾力性:機能を、迅速かつ弾力的に、場合によっては自動的に、プロビジョニングしてすばやくスケールアウトし、迅速に解放して素早くスケールインすることができる。コンシューマにとって、プロビジョニングに利用可能な機能は、多くの場合、無制限であるように見え、いつでもどんな量でも購入できる。
計測されるサービス:クラウドシステムは、サービスのタイプ(例えば、ストレージ、処理、帯域幅、及びアクティブなユーザアカウント)に適した何らかの抽象化レベルでの計量機能を用いることによって、リソースの使用を自動的に制御及び最適化する。リソース使用を監視し、制御し、報告して、利用されるサービスのプロバイダとコンシューマの両方に対して透明性をもたらすことができる。
【0103】
サービス・モデルは、以下の通りである。
Software as a Service(SaaS):コンシューマに提供される機能は、クラウド・インフラストラクチャ上で実行されるプロバイダのアプリケーションを使用することである。これらのアプリケーションは、ウェブブラウザ(例えば、ウェブベースの電子メール)などのシンクライアントインターフェースを通じて、種々のクライアントデバイスからアクセス可能である。コンシューマは、限定されたユーザ固有のアプリケーション構成設定を想定される例外として、ネットワーク、サーバ、オペレーティング・システム、ストレージ、又は個々のアプリケーション能力機能をも含めて、基礎をなすクラウド・インフラストラクチャを管理又は制御しない。
Platform as a Service(PaaS):コンシューマに提供される機能は、プロバイダによってサポートされるプログラミング言語及びツールを用いて作成された、コンシューマが作成又は取得したアプリケーションを、クラウド・インフラストラクチャ上にデプロイすることである。コンシューマは、ネットワーク、サーバ、オペレーティング・システム、又はストレージを含む基礎をなすクラウド・インフラストラクチャを管理又は制御しないが、デプロイされたアプリケーション、及び場合によってはアプリケーションをホストする環境構成を制御する。
Infrastructure as a Service(IaaS):コンシューマに提供される機能は、コンシューマが、オペレーティング・システム及びアプリケーションを含み得る任意のソフトウェアをデプロイして実行させることができる、処理、ストレージ、ネットワーク、及び他の基本的なコンピューティング・リソースをプロビジョニングすることである。コンシューマは、基礎をなすクラウド・インフラストラクチャを管理又は制御しないが、オペレーティング・システム、ストレージ、デプロイされたアプリケーションに対する制御、及び場合によってはネットワークコンポーネント(例えば、ホストのファイアウォール)選択に対する限定された制御を有する。
【0104】
デプロイメント・モデルは以下の通りである。
プライベート・クラウド:クラウド・インフラストラクチャは、ある組織のためだけに運営される。これは、その組織又は第三者によって管理することができ、オンプレミス又はオフプレミスに存在することができる。
コミュニティ・クラウド:クラウド・インフラストラクチャは、幾つかの組織によって共有され、共通の関心事項(例えば、ミッション、セキュリティ要件、ポリシー、及びコンプライアンス上の考慮事項)を有する特定のコミュニティをサポートする。これは、それらの組織又は第三者によって管理することができ、オンプレミス又はオフプレミスに存在することができる。
パブリック・クラウド:クラウド・インフラストラクチャは、一般公衆又は大規模な業界グループによって利用可能であり、クラウド・サービスを販売する組織によって所有される。
ハイブリッド・クラウド:クラウド・インフラストラクチャは、固有のエンティティのままであるが、データ及びアプリケーションのポータビリティを可能にする標準化技術又は専用技術(例えば、クラウド間の負荷平衡のためのクラウドバースティング)によって互いに結び付けられた、2つ又はそれより多いクラウド(プライベート、コミュニティ、又はパブリック)の混成物である。
【0105】
クラウド・コンピューティング環境は、サービス指向であり、ステートレス性、低結合性、モジュール性、及びセマンティック相互運用性に焦点を置く。クラウド・コンピューティングの中心は、相互接続されたノードのネットワークを含むインフラストラクチャである。
【0106】
ここで
図7を参照すると、例示的なクラウド・コンピューティング環境1000が示される。図示のように、クラウド・コンピューティング環境1000は、例えば、携帯情報端末(PDA)もしくはセルラ電話1000A、デスクトップ・コンピュータ1000B、ラップトップ・コンピュータ1000C、もしくは自動車コンピュータ・システム1000N又はその組み合わせなどの、クラウド・コンシューマによって使用されるローカル・コンピューティング・デバイスが通信することができる、1つ又は複数のクラウド・コンピューティングノード100を含む。ノード100は、互いに通信することができる。ノード100は、上述されるプライベート・クラウド、コミュニティ・クラウド、パブリック・クラウド、又はハイブリッド・クラウド、又はその組み合わせなどの、1つ又は複数のネットワークにおいて物理的に又は仮想的にグループ化することができる(図示せず)。このことは、クラウド・コンピューティング環境1000が、クラウド・コンシューマがローカル・コンピューティング・デバイス上にリソースを保持する必要のないInfrastructure as a Service、Platform as a ServiceもしくはSoftware as a Service又はその組み合わせを提供することを可能にする。
図7に示されるコンピューティング・デバイス1000A~Nのタイプは、単に例示的であることが意図され、コンピューティング・ノード100及びクラウド・コンピューティング環境1000は、任意のタイプのネットワークもしくはネットワーク・アドレス指定可能な接続又はその両方を介して任意のタイプのコンピュータ化されたデバイスと通信することが可能である(例えば、ウェブブラウザを用いて)ことが理解される。
【0107】
ここで
図8を参照すると、クラウド・コンピューティング環境1000によって提供される機能抽象化層1100のセットが示される。
図8に示されるコンポーネント、層及び機能は単に例示であることを意図し、本発明の実施形態はそれらに限定されないことを予め理解されたい。図示されるように、以下の層及び対応する機能が提供される。
【0108】
ハードウェア及びソフトウェア層1102は、ハードウェア・コンポーネント及びソフトウェア・コンポーネントを含む。ハードウェア・コンポーネントの例として、メインフレーム1104、RISC(Reduced Instruction Set Computer(縮小命令セット・コンピュータ))アーキテクチャ・ベースのサーバ1106、サーバ1108、ブレード・サーバ1110、ストレージ・デバイス1112、並びにネットワーク及びネットワーキング・コンポーネント1114が含まれる。幾つかの実施形態において、ソフトウェア・コンポーネントは、ネットワーク・アプリケーション・サーバ・ソフトウェア1116と、データベース・ソフトウェア1118とを含む。
【0109】
仮想化層1120は、抽象化層を提供し、この層により、仮想エンティティの以下の例、すなわち、仮想サーバ1122、仮想ストレージ1124、仮想プライベート・ネットワークを含む仮想ネットワーク1126、仮想アプリケーション及びオペレーティング・システム1128、並びに仮想クライアント1130を提供することができる。
【0110】
一例において、管理層1132は、以下で説明される機能を提供することができる。リソース・プロビジョニング1134は、クラウド・コンピューティング環境内でタスクを実行するために利用されるコンピューティング・リソース及び他のリソースの動的な調達を提供する。計量及び価格決定1136は、クラウド・コンピューティング環境内でリソースが利用されたときの費用追跡と、これらのリソースの消費に対する課金又は請求とを提供する。一例において、これらのリソースは、アプリケーション・ソフトウェア・ライセンスを含み得る。セキュリティは、クラウド・コンシューマ及びタスクについての識別検証、並びにデータ及び他のリソースに対する保護を提供する。ユーザ・ポータル1138は、コンシューマ及びシステム管理者に対して、クラウド・コンピューティング環境へのアクセスを提供する。サービスレベル管理1140は、必要なサービスレベルが満たされるように、クラウド・コンピューティング・リソースの割当て及び管理を提供する。サービス・レベル・アグリーメント(Service Level Agreement、SLA)の計画及び履行1142は、SLAに従って将来的な必要性が予測されるクラウド・コンピューティング・リソースの事前配置及び調達を提供する。
【0111】
ワークロード層1144は、クラウド・コンピューティング環境を利用することができる機能の例を提供する。この層から提供することができるワークロード及び機能の例として、マッピング及びナビゲーション1146、ソフトウェア開発及びライフサイクル管理1148、仮想教室教育配信1150、データ分析処理1152、トランザクション処理1154、及びエネルギー効率のよいデータ交換1156が挙げられる。電子カード・プログラム110a、110bは、携帯型エネルギー効率のよい電子デバイスを用いて情報を交換する方法を提供する。
【0112】
本開示の種々の実施形態の説明は、例証の目的のために提示されたが、これらは、網羅的であること、又は開示した実施形態に限定することを意図するものではない。当業者には、説明される実施形態の範囲から逸脱することなく、多くの修正及び変形が明らかであろう。本明細書で用いられる用語は、実施形態の原理、実際の適用、又は市場に見られる技術に優る技術的改善を最もよく説明するため、又は、当業者が、本明細書に開示される実施形態を理解するのを可能にするために選択された。