(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-25
(45)【発行日】2025-03-05
(54)【発明の名称】自動車用光学装置
(51)【国際特許分類】
H04N 23/50 20230101AFI20250226BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20250226BHJP
B60R 1/00 20220101ALI20250226BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20250226BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20250226BHJP
【FI】
H04N23/50
H04N7/18 J
B60R1/00
G03B15/00 V
G03B17/02
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020114502
(22)【出願日】2020-07-01
【審査請求日】2023-06-30
(32)【優先日】2019-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516284976
【氏名又は名称】フィコサ アダス,ソシエダッド リミタダ ユニペルソナル
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(74)【代理人】
【識別番号】100192533
【氏名又は名称】奈良 如紘
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ガルシア・アバド
【審査官】▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-074626(JP,A)
【文献】特開2007-137286(JP,A)
【文献】国際公開第2018/061882(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0304705(US,A1)
【文献】特開2004-112553(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/50
B60R 1/00
G03B 15/00
G03B 17/02
G03B 30/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用の光学装置(100)であって、該光学装置(100)は、
少なくとも第1の表面(210)を有するハウジング(200)と、
第1の光軸(x)を有する第1の光学サブアセンブリ(300)であって、第1のレンズ(310)と、第1の画像センサ(315)と、前記第1のレンズ(310)を保持し且つ前記第1の画像センサ(315)を支持するように適合されたブラケット(500)と、を含む前記の第1の光学サブアセンブリ(300)と、
前記第1の光学サブアセンブリ(300)を、前記第1の光学サブアセンブリ(300)が前記第1の表面(210)に対して移動可能である第1の状態、及び、ブラケットインターフェース(550)が前記第1の表面(210)に固定して取り付けられる第2の状態にするように適合された取り付け手段(800)と、
を備え、
前記ブラケットインターフェース(550)は、前記ハウジング(200)の前記第1の表面(210)に部分的にマウントされ、前記第1の画像センサ(315)は、前記第1のレンズ(310)に位置合わせされ、前記取り付け手段(800)は、前記ブラケットインターフェース(550)と前記第1の表面(210)とに接触し、前記第1の表面(210)及び前記ブラケットインターフェース(550)の少なくとも1つは、前記第1の光学サブアセンブリ(300)を前記第1の状態から前記第2の状態にするように非平面の表面であり、
前記第1の表面(210)は、前記第1の光学サブアセンブリ(300)を少なくとも部分的に受容するように設計された第1の開口部(215)を更に含み、
前記第1の表面(210)及び前記ブラケットインターフェース(550)の少なくとも1つは、少なくとも1つの方向に、
凹状又は
凸状である、光学装置(100)。
【請求項2】
前記第1の光学サブアセンブリ(300)は、前記取り付け手段(800)の前記第1の状態において3自由度で前記ハウジング(200)の前記第1の表面(210)に対して移動できるように適合される、請求項1に記載の光学装置(100)。
【請求項3】
前記ブラケットインターフェース(550)の内面は、前記取り付け手段(800)を介して前記第1の表面(210)に取り付けられ、前記第1の表面(210)は、前記ハウジング(200)の外面である、請求項1~2の何れか1項に記載の光学装置(100)。
【請求項4】
前記第1の表面(210)が湾曲し前記ブラケットインターフェース(550)が非湾曲表面を含むか、又は、前記第1の表面(210)が平面であり前記ブラケットインターフェース(550)が湾曲している、請求項1~3の何れか1項に記載の光学装置(100)。
【請求項5】
前記第1の表面(210)が湾曲し前記ブラケットインターフェース(550)が湾曲した表面を含む、請求項1~
3の何れか1項に記載の光学装置(100)。
【請求項6】
前記ブラケットインターフェース(550)の湾曲した表面の曲率半径は、前記ハウジング(200)の対応する前記第1の表面(210)の曲率半径と実質的に同じである、請求項5に記載の光学装置(100)。
【請求項7】
前記ブラケットインターフェース(550)の湾曲した表面の曲率中心は、前記ハウジング(200)の対応する前記第1の表面(210)の曲率中心と同じ点である、請求項5に記載の光学装置(100)。
【請求項8】
前記取り付け手段(800)は、前記ブラケットインターフェース(550)と前記第1の表面(210)との間に配置される、請求項1~7の何れか1項に記載の光学装置(100)。
【請求項9】
前記ハウジング(200)は、第2の表面(220)を更に有し、
該光学装置(100)は、
第2の光軸(y)を有する第2の光学サブアセンブリ(400)であって、第2のレンズ(410)と、第2の画像センサ(415)と、前記第2のレンズ(410)を保持し且つ前記第2の画像センサ(415)を支持するように適合された第2のブラケット(500)と、を含む前記の第2の光学サブアセンブリ(400)と、
前記第2の光学サブアセンブリ(400)を、前記第2の光学サブアセンブリ(400)が前記第2の表面(220)に対して移動可能である第1の状態、及び、第2のブラケットインターフェース(550)が前記第2の表面(220)に固定して取り付けられる第2の状態にするように適合された第2の取り付け手段(800)と、
を更に備え、
前記第2のブラケットインターフェース(550)は、前記ハウジング(200)の前記第2の表面(220)に部分的にマウントされ、前記第2の画像センサ(415)は、前記第2のレンズ(410)に位置合わせされ、前記第2の取り付け手段(800)は、前記第2のブラケットインターフェース(550)と前記第2の表面(220)とに接触し、前記第2の表面(220)及び前記第2のブラケットインターフェース(550)の少なくとも1つは、前記第2の光学サブアセンブリ(400)を前記第1の状態から前記第2の状態にするように非平面の表面であり、前記第2の光軸(y)は、前記第1の光軸(x)に対してある角度(α)で配置される、請求項1~8の何れか1項に記載の光学装置(100)。
【請求項10】
前記第2の光学サブアセンブリ(400)は、前記第2の取り付け手段(800)の前記第1の状態において3自由度で前記ハウジング(200)の前記第2の表面(220)に対して移動できるように適合され、
前記第1の又は前記第2の光学サブアセンブリ(300, 400)の少なくとも1つが前記ハウジング(200)に固定して取り付けられる前に、前記第1又は前記第2の光学サブアセンブリ(300, 400)の対応する光軸(x, y)が、+45°から-45°の範囲の角度(α)に従って異なる方向に配置することができるように、前記第1又は前記第2の光学サブアセンブリ(300, 400)は、移動可能である、請求項9に記載の光学装置(100)。
【請求項11】
前記第2のブラケットインターフェース(550)は、前記第2の光軸(y)に対して外向きに延びるように配置され、
前記第2の表面(220)が湾曲し前記第2のブラケットインターフェース(550)が非湾曲表面を含むか、又は、前記第2の表面(220)が平面であり前記第2のブラケットインターフェース(550)が湾曲している、請求項9又は10に記載の光学装置(100)。
【請求項12】
前記第2の表面(220)が湾曲し前記第2のブラケットインターフェース(550)が湾曲した表面を含み、前記第2のブラケットインターフェース(550)の湾曲した表面の曲率半径は、前記第2の表面(220)の曲率半径と実質的に同じであり、前記第2のブラケットインターフェース(550)の湾曲した表面の曲率中心は、前記ハウジング(200)の対応する前記第2の表面(220)の曲率中心と同じ点である、請求項9~11の何れか1項に記載の光学装置(100)。
【請求項13】
前記第1の光学サブアセンブリ(300)又は前記第2の光学サブアセンブリ(400)の少なくとも1つは、車両の後部からの画像を提供するカメラ監視システムビデオカメラであり、前記第1の光学サブアセンブリ(300)又は前記第2の光学サブアセンブリ(400)の他の少なくとも1つは、前記車両の周囲の地面からのトップビュー画像を提供するためのビデオカメラである、請求項9~12の何れか1項に記載の光学装置(100)。
【請求項14】
自動車の周辺領域からの画像情報を提供するための光学システムであって、
請求項1~13の
何れか1項に記載の第1の光学装置(100)であって、前記第1の光学サブアセンブリ(300)が前記自動車の左側領域のトップビュー画像をキャプチャするように配置されるように、位置する前記第1の光学装置(100)と、
請求項9~13の
何れか1項に記載の第2の光学装置(100)であって、前記第1の光学サブアセンブリ(300)が前記自動車の右側領域のトップビュー画像をキャプチャし、且つ前記第2の光学サブアセンブリ(400)が前記自動車の後方から画像をキャプチャするように、自動車側の後部から画像をキャプチャするように配置されている前記
第2の光学装置(100)と、
前記第1及び前記第2の光学装置(100)から導出された画像データを少なくとも1つのディスプレイに提供するように構成されたコントローラと、
を備える光学システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動車用の外部リアビューミラーに関し、特に、カメラハウジングと、レンズ及び画像センサ又は光センサを有するサブアセンブリと、を備えるリアビューミラーに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の外部リアビューミラーは、ドライバの周辺の視野の外側で、自動車の後部及び側部を見るのを助ける1つ以上のカメラを含むことが知られている。このようなカメラは、外部リアビューミラーの異なる場所に及び異なる向きで配置することができる。
【0003】
カメラ監視システム(CMS: camera monitoring system)を含むアプリケーションでは、実質的に後方を向く1台のカメラが自動車に配置されている。他方、パノラマビジョン又は周辺ビジョンとも呼ばれるトップビューアプリケーションでは、カメラは、実質的に地面を指すように配置されている。
【0004】
本明細書で使用される場合、用語は、実質的に、トップビューアプリケーションでは完全に垂直ではない方向に向けられたカメラ、又は、CMSアプリケーションでは地面に完全に平行ではない方向に向けられたカメラを指す。最終的な設計、つまりカメラの最終的な位置及び方向(向き)は、最終的には、自動車の長さ、外部リアビューミラーの高さ、車両の全体的な形状など、自動車の設計に、特に、例えば、通常は完全に平坦ではない自動車のドアの外面などの、カメラが取り付けられる外面に依存する。
【0005】
当技術分野では、レンズが取り付けられている、例えばレンズがカメラハウジングに接着するデジタルカメラも知られている。カメラハウジングの前部及び後部は、例えば、両方の部品がプラスチック製の場合は超音波溶接で、両方の部品がアルミニウム製の場合はレーザー溶接で、溶接されている。或いは、カメラハウジングの前部及び後部は、例えば、ネジ、ゴムガスケットなどの留め具手段で、結合されている。このような従来技術のデジタルカメラは、画像センサ又は光センサとアダプタとをさらに備える。光センサは、画像処理が実行されるプリント回路基板(PCB: printed circuit board)に接続されている。
【0006】
自動車に対するカメラの位置と向きは重要である。自動車の自律性がますます高まっているため、カメラには、環境を検出するだけでなく、キャプチャした画像上の決定を実行することも必要となる。これらの決定には、ライン検出(LD: line detection)、警告側部衝突警告(WSC: warning side collision)、死角検出(BSD: spot detection)などがある。また、カメラが適切に配置されていないと、エラーが発生する可能性がある。例えば、新しいタイヤ又は新しいサスペンションによる車の高さの増加は、例えば上述のLD、WSC、BSDなどに重大なエラーを引き起こすのに十分である可能性がある。
【0007】
簡単でよく知られた解決策は、カメラが配置されている外部リアビューミラーシステムを、エラーが発生しない新しい位置に回転させることである。前記解決策は、光学装置が、トップビューシステム又はCMSシステムのいずれかで、単一のカメラのみを含む場合に適しているかもしれない。その場合、適切な焦点合わせは、カメラのキャリア、つまり外部リアビューミラー又は外部ウイングレット(winglet)を適切に回転させることによって得られる。ただし、外部のリアビューミラー又はウイングレットが向き及び焦点が異なる複数のカメラを有する場合、2つのカメラを同時に回転させる必要があるため、外部のリアビューミラー又はウイングレットを回転させるだけでは、向きを修正するのは簡単ではない。
【0008】
2つのカメラを含む外部リアビューミラーは、後方に面する第1のカメラと実質的に地面に面する第2のカメラとを含む。第1の後ろ向きカメラは、カメラ監視システム(CMS)の画像を提供する。CMSは、たとえば駐車などに役立つ内部リアビューミラー又は中央リアビューミラーなどの、あらゆるタイプのディスプレイにも使用できる。第2のカメラは、通常は外側にある角度で、実質的に地面に向いている。オーバーレイは、任意選択で、例えば、自動車の駐車プロセスを示すガイドライン又はステアリングホイールの回転に従って車輪が転がる場所を示すガイドラインなどに、提供されてもよい。
【0009】
US20090091651 A1は、ディスプレイと2つのアイビューアと固定ハンドルとを備えるデュアル写真カメラ装置を開示している。回転可能なレンズのキャリアには、2つのレンズマウントベースがあり、2つのレンズを回転させることで切り替えることができる。
【0010】
EP1511312 A1は、携帯無線端末に回転可能に取り付けられた第1のレンズハウジングと、第1レンズハウジングに回転可能に取り付けられた、内部にカメラレンズが取り付けられた第2のレンズハウジングと、を備える携帯無線端末用のカメラレンズアセンブリにおいて、第1のレンズハウジングが第1の回転軸を中心に回転できること、第2のレンズハウジングが、第1の回転軸に垂直な第2の回転軸を中心に回転できること、を教示している。
【0011】
実際には、第1のカメラ及び第2のカメラを設けることは多くのスペースを占有し、したがって、これは実際的ではないことが分かっている。さらに、各種の車のモデルは、高さ及び長さの点で異なる寸法を持っているため、カメラを特定の位置に配置して方向付けるには、リアビューミラー又はウングレットの異なるサイズが必要である。例えば、最初の車のモデルでは、トップビューカメラを垂直から車の方向に向けて4°などの特定の角度に向け、CMSカメラを9°などの特定の角度で外向きに地面の向きに向ける必要がある。しかしながら、2番目の車のモデルでは、トップビューカメラを垂直から車の方向に向けて5°向きに、CMSカメラを8°外向きに地面の向きに向ける必要がある。その結果として、車のモデルごとに異なるカメラハウジングが必要になる。カメラハウジングは通常、射出成形プロセスで製造されるため、車のモデルごとにカメラハウジングを作成するための異なる金型も必要になる。
【0012】
したがって、本開示の目的は、上記の欠点を少なくとも軽減することができるトップビュー画像及びリアビュー画像を出力するように構成された、ウイングレットなどの自動車に配置された単一の装置を提供することである。
【0013】
本開示のさらなる目的は、取り付けられる前に、それが設置される車両に対して調整可能であるように、光学装置の柔軟な設計を提供することである。
【発明の概要】
【0014】
請求項1に記載の自動車用の光学装置が明細書に開示されている。本光学装置は、例えば、自動車のリアビューミラー(バックミラー)及び自動車のウイングレットに配置することができる。本光学装置は、自動車の外部の視野(field of view)から画像をキャプチャするためのマウントアセンブリに配置された外部リアビューミラーの一部であってもよい。視野は、車両の外部で少なくとも側方及び後方に広がり、車両のエクステリア部分の一部を包含する。
【0015】
特に、本発明の光学装置のハウジングは、少なくとも、第1の表面と、第1の光軸及び第1のレンズとトップビューの用途(すなわちパノラマビジョン又は周囲のビジョン)を担う第1の画像センサ(実質的に地面を指すように配置されたカメラなど)とを含む第1の光学サブアセンブリと、を備えている。第1の光学サブアセンブリの第1の画像センサは、第1のレンズに位置合わせされる。そのレンズを保持し、第1の画像センサを支持するのに適したブラケットも提供される。ブラケットは、電子機器のキャリア、又は、PCBなどの基板を保持している。画像センサは、PCBに取り付けられている。したがって、ブラケットは直接的に又は間接的に電子機器のキャリアを保持することができる。
【0016】
取り付け手段も提供されて、第1の光学サブアセンブリは、それがハウジングの第1の表面に対して移動し得る第1の状態に、及び、少なくとも部分的にハウジングの第1の表面に取り付けられるインターフェースがハウジングの第1の表面にしっかりと取り付けられている第2の状態にもたらされる。取り付け手段は、インターフェースとハウジングの第1の表面との間に配置され、そこに接触することができる。取り付け手段は、接着剤である又はステッカーなどの接着性であってもよい。もちろん、他の取り付け手段であってもよい。取り付け手段は、シール(seal)手段を含み得る。取り付け手段は、例えば、紫外光、高温等によって硬化されてもよい。インターフェースは、第1の光軸に対して外向きに延びるように配置することができる。
【0017】
カメラ監視アプリケーションに関与する第2の画像センサを含む第2の光学サブアセンブリが提供されてもよい。この場合、カメラは、実質的に後方を指すように配置される。また、この場合、ブラケットは、第1の光学サブアセンブリ又は第2の光学サブアセンブリの少なくとも一方に設けられてもよい。
【0018】
したがって、第1の光学サブアセンブリが自動車の右側領域のトップビュー画像をキャプチャするように配置され、第2の光学サブアセンブリが自動車の後方からの画像をキャプチャするように配置されるように、第1の光学装置は、位置することができる。
【0019】
取り付け手段の第1の状態において、第1の光学サブアセンブリは、垂直面上で実行される移動に関して、3自由度でハウジングの第1の表面に対して移動できるように適合される。すなわち、取り付け手段の第1の状態は、第1の次元、第2の次元、及び第3の次元を含むことができ、第3の次元は、回転である。第1の条件は、取り付け手段への硬化プロセスを適用する前の条件に対応してもよく、第2の条件は、前記硬化プロセスを適用した後の条件に対応してもよい。一例において、取り付け手段は、光学サブアセンブリをハウジングの第1の表面に結合するのに適した硬化した接着性のある部材(接着性部材)である。前記接着性部材は、光学サブアセンブリが所与の配向に配置された後のUV光への曝露を含むことができる初期硬化プロセスで最初に硬化することができる。次に、最初に硬化した接着性部材を、自動車での光学装置の使用のために、以下にさらに説明するブラケットに対して光学サブアセンブリを保持するのに十分強い二次硬化プロセスで、さらに硬化強度に硬化する。
【0020】
ハウジングの第1の表面は、第1の光学サブアセンブリを少なくとも部分的に受容するように設計された第1の開口部を、さらに含むことができる。前記第1の表面は、平面であってもよく、インターフェース(界面)は、湾曲していてもよい。しかしながら、ハウジングの第1の表面が湾曲しており、インターフェースが湾曲した表面又は湾曲していない表面を含むことが好ましい場合がある。より具体的には、第1の表面は、少なくとも1つの方向に凹状又は凸状であり得、より詳細には、第1の表面は、2つの(垂直)方向(球形)で凹状又は凸状であり得る。ハウジングの一方の側は、凹状であり得、ハウジングのもう一方の側は、凸状であり得る。
【0021】
本開示の意味の範囲内では、凸状は、ブラケットの外向きに湾曲したインターフェースの表面に適用され、凹状は、ハウジングの内側に内向きに湾曲したインターフェースの表面に適用される。いずれの場合でも、インターフェースの湾曲した表面の曲率半径は、ハウジングの対応する第1の表面の曲率半径と実質的に同じとすることができる。また、インターフェースの曲面の曲率中心と、ハウジングの対応する第1の表面の少なくとも1つの曲率中心とは、同じ点にあってもよい。
【0022】
光学装置は、第2の開口を有する第2の表面と、第1の光軸に対してある角度で配置される第2の光軸を有して第2のレンズを含む第2の光学サブアセンブリと、をさらに備えることができる。第2の画像センサは、ハウジングの第2の開口部に受容されるように提供することができる。第2の表面は、凸状又は凹状であり得る。言い換えると、光学装置が、対応する光学サブアセンブリとともに、第1の表面及び第2の表面を含む場合、第1の表面又は第2の表面の少なくとも1つは、平面であるか、或いは、第1の表面又は第2の表面の少なくとも1つは、非平面(例えば、円筒形、又は、部分的に半球形、又は、完全に球形、などの湾曲)である。どのような構成でも、これらの光学サブアセンブリを第1の状態又は第2の状態にすることができる。
【0023】
ハウジングの第1の開口部又は第2の開口部の少なくとも1つは、対応する第1の画像センサ又は第2の画像センサよりも大きくてもよい。その結果、所与の画像センサと対応する開口部との間に、ギャップが存在する可能性がある。このようなギャップは、光学サブアセンブリを移動(変位、回転、スライドなど)させるのに適している。これにより、第1の又は第2の光学サブアセンブリの少なくとも1つが前述のようにハウジングにしっかりと取り付けられる前に、光学サブアセンブリを対応する光軸の配置で、所与の配向に、位置すること、向けることができる。すなわち、第1の又は第2の光学サブアセンブリの少なくとも1つがハウジングにしっかりと取り付けられる前に、第1の開口部又は第2の開口部と対応する光学サブアセンブリとの間のギャップは、第1又は第2の光学サブアセンブリの対応する光軸が、異なる適切な位置又は向きに、配置することができる。前記配向は、ブラケットが互いに接触する点での幾何学的干渉から単に生じ、また、例えば、+5°から-5°の範囲又は+8°から-8°の範囲であり得る。他の値も可能である。したがって、より一般的には、第1の開口部又は第2の開口部は、対応する光学サブアセンブリに対して移動でき、第1の又は第2の光学サブアセンブリの少なくとも1つがハウジングにしっかりと取り付けられる前に、第1又は第2の光学サブアセンブリの対応する光軸は、移動して、+45°から-45°の範囲の角度内で異なる方向に配置することができる。特に、第1の開口部又は第2の開口部は、対応する光学サブアセンブリに対して移動して、第1又は第2の光学サブアセンブリの対応する光軸が、移動して、+30°から-30°の範囲の角度内で異なる方向に配置できることが好ましい。
【0024】
第1の開口部及び第2の開口部のうちの少なくとも1つの直径は、光学サブアセンブリからシリアライザ(serializer)へと通過する電気ケーブルの外径に対応することができる。
【0025】
要するに、光学装置は、以下の要素を有するように構成することができる。
- 光学サブアセンブリ全体がハウジングの外側にマウントされ、キャプチャされた画像データがワイヤレスで送信されるような開口部は存在しない。
- データ又は電力のケーブルを通すことができるサイズの開口部が少なくとも1つ。
- 少なくとも1つの開口部のサイズは、画像センサがハウジング内に配置されたとき、つまり光学サブアセンブリがハウジングに部分的に挿入されたときに、対応する画像センサセンサーよりも大きい。
【0026】
上記の構成によって、必要に応じてサブアセンブリを配置するだけで、単一のカメラハウジングとサブアセンブリとは、多数の異なる自動車モデルに使用できるようになる。前記構成は、第1の光学サブアセンブリ又は第2の光学サブアセンブリの少なくとも1つが車両の後方からの画像を提供する監視システムであり、第1の光学サブアセンブリ又は第2の光学サブアセンブリの他の少なくとも1つが車両の周囲の地面からのトップビュー画像を提供するビデオカメである場合に有利であることが示された。
【0027】
画像センサ又は光センサは、第1のサブアセンブリ及び第2のサブアセンブリの内部に配置することができる。ただし、第1のサブアセンブリと第2のサブアセンブリとは、たとえば、溶接される場合、或いは、留め具手段又は固定手段又は取り付け手段の接着剤やデュアルバンド接着テープなどで結合できる場合、カメラハウジングの同じ構造の一部である場合がある。したがって、サブアセンブリは、カメラハウジングに取り付ける個別のモジュールにすることができます。
【0028】
ブラケットはまた、プリント回路基板(PCB)などの少なくとも1つの電子機器キャリア又は基板を支持するように構成されてもよい。場合によっては、ブラケットは、メイン(主)プリント回路基板とセカンダリ(副)プリント回路基板とを支持するように構成できます。その場合、セカンダリプリント回路基板は、電子制御ユニット(ECU: Electronic Control Unit)として、好ましくは画像信号プロセッサ(ISP: Image Signal Processor)として構成されてもよい。画像センサとプリント回路基板とは、ハウジング内に配置することができる。メインプリント回路基板とセカンダリプリント回路基板とは、両方ともブラケットによって担持されてもよい。
【0029】
ブラケットは、所与の向きでハウジングの第1の表面又は第2の表面の少なくとも一方に取り付けるためのインターフェース(界面)を有することができる。前記ブラケットインターフェースは、曲面(湾曲した表面)などの非平面の表面、例えば、凸面又は凹面を有することができる。この場合、ブラケットインターフェースの湾曲した表面(ブラケット境界曲面)の曲率半径は、ハウジングの対応する第1の表面又は第2の表面のうちの少なくとも1つの表面の曲率半径と実質的に同じである。その場合、ブラケットインターフェースの湾曲した表面の曲率中心と、対応する第1の表面又は第2の表面のうちの少なくとも一方の表面の曲率中心とが同じ点にあることも好ましい。特に、ブラケットインターフェースの湾曲した表面の曲率半径は、100mmから5mmの範囲、好ましくは50mmから10mmの範囲であり、一例では15mmである。
【0030】
本光学装置において、第1の光学サブアセンブリ又は第2の光学サブアセンブリのうちの少なくとも1つは、カメラ監視システム(CMS)ビデオカメラであり得る。CMSビデオカメラは、車両の側方又は後方から画像を提供するのに適している。また、本光学装置において、第1の光学サブアセンブリ又は第2の光学サブアセンブリの他の少なくとも1つは、車両の周囲の地面からのトップビュー画像を提供するためのビデオカメラであり得る。
【0031】
第1の光学サブアセンブリの第1のレンズ及び第1の画像センサは両方とも、第1の光軸に沿って位置合わせされる。次に、第2の光学サブアセンブリの第2のレンズ及び第2の画像センサは、両方とも第2の光軸に沿って位置合わせされる。
【0032】
請求項15に記載のような、自動車の周辺領域から画像情報を提供するための光学システムも、本明細書に開示されている。
【0033】
本光学システムは、第1の光学サブアセンブリが自動車の左側領域のトップビュー画像をキャプチャするように配置されるように位置する上記の少なくとも第1の光学装置と、第1の光学サブアセンブリが自動車の右側領域のトップビュー画像をキャプチャし、且つ第2の光学サブアセンブリが自動車の後方から画像をキャプチャするよう、自動車の後方から画像をキャプチャするように配置されている上記の少なくとも第2の光学装置と、を備えている。しかしながら、光学装置は、自動車のその他の異なる位置に配置されてもよい。この配置位置は、例えば、自動車の前部位置(例えば、フロントバンパー内)又は自動車の後部位置(例えば、パーキングカメラの代わりに)などであり、用途には、例えば、トップビュー、フロントビュー、リア/駐車のビュー、バックアップカメラなどが、含まれる。光学装置は、例えばバンなどには、例えば、車両のルーフ(シャークフィン(sharkfin)装置)に配置することもできる。
【0034】
光学装置から得られる画像データを少なくとも1つのディスプレイに提供するように構成されたコントローラが提供される。コントローラは、光学装置から得られる画像データを少なくとも1つのディスプレイに提供するように構成される。
【0035】
上記によれば、開口部内で複数の向きに配置された1つ又は複数の光学サブアセンブリを受け入れるように構成されたワンピースのハウジングを提供することができる。このようにして、2つのサブアセンブリ間の相対角度(実際にはそれに垂直な第1の角度及び第2の角度)は、所与のカメラハウジングと対応するサブアセンブリとで異なり得る。上記のように、第1及び第2の光学サブアセンブリは両方とも、3つの自由度、つまり2つの自由度と光軸の周りの回転とを持ち、第2の自由度は、第1の角度に垂直な上記の第2の角度に対して定義されます。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本開示の非限定的な例は、本光学装置の一例が示されている添付の図面を参照して、以下に、説明される。
【0037】
【
図1】
図2の線2-2に沿った本光学装置の一例の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0038】
一般に、
図1及び
図2は、本光デバイス100の一例を示す。それは、第1の開口部215及び第1の光学サブアセンブリ300を有するハウジング200を備える。第1の光学サブアセンブリ300は、ハウジング200に部分的に挿入されるが、光学サブアセンブリ300は、ハウジング200の外側にあることも可能である。第1の光学サブアセンブリ300は、リアビューミラーなどのアクチュエータによって、ハウジング200に対して移動、変位、回転、スライドなどを行うことができる。本光学装置100は、いくつかの視野角が得られるように、例えばドア外面などの自動車の表面に固定されてもよい。
【0039】
本光学装置100のハウジング200は、第1のカメラレンズ310及び第1の画像センサ315を受け入れるための第1の開口215を有する少なくとも第1の表面210を含む。第1のカメラレンズ310及び第1の画像センサ315は、光学サブアセンブリ300に関連する第1の光軸xを有する第1の光学サブアセンブリ300の一部である。第1の光学サブアセンブリ300は、軸Xを中心に回転することができる。これは、第1の画像センサ315が矩形の形状である場合に重要である。
【0040】
図面は、第1のカメラレンズ310を有する第1の光学サブアセンブリ300を示しているが、必要に応じて、いくつかのカメラレンズを含めることができる。円筒形バレル(barrel)を有するブラケット500も提供される。バレルは、第1の平面及び第2の平面を有するプリント回路基板(PCB)600などの電子機器キャリア又は基板を含むか又はその一部である、好ましくは平坦かつ円形の形状のベース部材を有する。第1の画像センサ315は、PCB600の第1の表面上に配置される。PCB600の前記第1の表面は、ブラケットバレルに接続される。ブラケットには、上記ブラケットバレルの上部に外方に突出する突起が配置されている。ただし、突起は、ブラケットバレルの途中まである場合がある。一例では、突起は、非平坦であるか、又は、2つの垂直方向に湾曲するなどの少なくとも1つの方向に湾曲している、すなわち部分的に球形である。カメラレンズ310は、ブラケット500の内部に少なくとも部分的に挿入される。ブラケットインターフェース550の上面は、カメラレンズ310に、取り付けられ、例えば接着される。
【0041】
取り付け手段800は、ブラケット500を対応する第1の光学サブアセンブリ300と共に、ハウジング200に取り付けるために提供される。示される特定の非限定的な一例において、取り付け手段800は、ブラケット500を取り付けるために、接着剤又は接着シートを含むことができる。もちろん、ネジ結合などの他の取り付け手段800を使用してもよい。
【0042】
ブラケットインターフェース550の内面は、ハウジング200の表面に、前記取り付け手段800を介して取り付けられる(接着される)。画像センサ315は、上部がレンズ310によって囲まれ、横方向がブラケット500によって囲まれ、下部が上記のPCB600によって囲まれている。光学装置100におけるカメラレンズ310の適切な又は所望の位置決め又は配向が達成されると、例えば接着剤は、例えば紫外線照射によって硬化され、その結果、光学サブアセンブリ300は、所定の位置に保持され、動かない。
【0043】
図示されているように、第1の光学サブアセンブリ300内の第1のカメラレンズ310及び第1の画像センサ315は両方とも、上述の第1の光軸xに沿って位置合わせされている。このような画像センサレンズ315,310の位置合わせは、ブラケット500を適切にスイング又はスライドさせることによって達成される。ハウジング200は、光学サブアセンブリ300を受け入れるように構成され、光学サブアセンブリ300は、カメラレンズ310を受け入れるように構成される。
【0044】
第1の開口215は、対応する第1の画像センサ315及び第2の画像センサ415よりも大きい。したがって、開口部215と画像センサ315との間にギャップが存在する。そのようなギャップは、第1の光学サブアセンブリ300がハウジング200に固定して取り付けられる(接着される)前に、光学サブアセンブリ300が上述の対応する光軸xで所与の向きに配置して適切に配置されるのに適している。
【0045】
図示の例では、光学サブアセンブリ300の少なくとも一部は、第1の開口215よりも大きい。ブラケット500の最も遠い点は、第1の開口215よりも大きい距離だけ離れている。
【0046】
本光学装置100の第1の表面210は、例えば湾曲した、より具体的には凸状又は凹状のような非平面であってもよい。この点で、サブアセンブリ300は、サブアセンブリが所与の向き又は所与の焦点に面した状態で、同じカメラハウジング200内に受けられることができる。
【0047】
本明細書では、自動車用の光学装置100が開示されており、光学装置部品及び電子機器を内部に受け入れるための内部空間を画定するハウジング200を備える。ハウジング200は、図示されていないメインハウジング又はフロントハウジング部などの第1の部分と、図示されていないカバー又はバックハウジング部などの第2の部分と、を備える。図面に示されるように、ハウジング200は、少なくとも第1の表面210を備える。ハウジング200の第1の表面210は、第1のカメラレンズ310及び第1の画像センサ315を受け入れるための第1の開口215を有する。第1のレンズ310及び第1の画像センサ315は、第1の光学サブアセンブリ300に関連付けられた第1の光軸xを有する第1の光学サブアセンブリ300の一部である。
【0048】
上述のように、また示された例に示されるように、光学デバイス100は、第1の光学サブアセンブリ300及び第2の光学サブアセンブリ400にそれぞれ関連付けられるブラケット500を備える。ブラケット500は、第1の光学サブアセンブリの第1の画像センサ315を支持するように構成される。各ブラケット500は、第1のカメラレンズ310を保持し、第1の画像センサ315を直接に又はPCB600を介して支持するのに適している。
【0049】
図示の例では、ブラケット500は、所定の向きでハウジング200の第1の表面210又は第2の表面220に取り付けるために定義されたブラケットインターフェース550を有する。図示の例では、前記第1及び第2の表面210,220は、湾曲している。前記湾曲した表面(曲面)の曲率半径は、ハウジング200の対応する第1又は第2の表面210,220のうちの少なくとも1つの表面の曲率半径と実質的に同じであってもよい(この例では15mm)。また、ブラケットインターフェース550の湾曲した表面の曲率中心と、ハウジング200の対応する第1又は第2の表面210,220のうちの少なくとも1つの表面の曲率中心は、この場合、同じ点にあるため、同心に配置される。ブラケット500が曲率中心より高いか又は曲率中心から離れているため、ブラケットインターフェー550の曲率半径は、第1又は第2の表面210,220の曲率半径よりも実質的に大きい。
【0050】
したがって、第1のカメラレンズ310及び第2のカメラレンズ410は、ブラケットインターフェース550の湾曲した表面に適切に取り付けられたハウジング200の湾曲した表面210,220の適切な向きに従って保持され得る。この理由は、ブラケット500がしっかりと取り付けられる前に、例えば、光学装置100におけるカメラレンズ310,410の適切な位置決め又は配向が達成されたときにブラケット500がハウジング200に接着される前に、ブラケット500がハウジング200の表面210,220上のそのブラケットインターフェース550を通してスライド可能するからである。
【0051】
接着剤が硬化する前に、ハウジング200の第1の表面210及びブラケットインターフェース550が同じ曲率半径を有するように湾曲している場合、第1のカメラレンズ310及び第2のカメラレンズ410のうちの少なくとも1つは、移動、変位、回転、スライド、チルト(tilt)、スイングなどのうちの1つ又は複数が実行可能である。他の例では、ハウジング200の第1の表面210及びブラケットインターフェース550の少なくとも一方が湾曲しており、ハウジング200の第1の表面210及びブラケットインターフェース550の他方が湾曲していない場合、接着剤が硬化する前に、第1のカメラレンズ310及び第2のカメラレンズ410のうちの少なくとも1つは、移動、変位、回転、スライド、チルト、スイングなどのうちの1つ又は複数が実行可能である。
【0052】
一般的に、第1の表面210とブラケットインターフェース550の両方が湾曲しており、同じ曲率半径を有する場合、接着剤が硬化する前に、ブラケット500のスライドは、実行可能である。また、一般的に、第1の表面210及びブラケットインターフェース550の少なくとも一方が湾曲し、第1の表面210又はブラケットインターフェース550の他方が湾曲していない場合、接着剤が硬化する前に、ブラケット500のチルト及び/又はスライドは、実行可能である。
【0053】
第1の表面210とブラケットインターフェース550との両方が湾曲しており、同じ曲率半径を有する例が好ましい。より大きな接触面を利用できるため、シールが強化される一方、接着剤又は接着テープの厚さは、たとえば0.5mmのオーダーなどで、一定のままであるからです。
【0054】
接着剤又は接着テープは、ブラケットインターフェース550の1つの底面に配置され得るか、又はそれは、ハウジング200の第1の表面210の1つの上面に配置され得る。接着剤硬化は、例えば、おおよそ5秒~20秒間紫外線を当てることで構成されてもよいが、これはいくつかの要因によって異なり得る。その後、電子機器の最大許容温度(通常は120℃)である最高温度を超えずに、100℃で又は100℃未満でおおよそ5分間~10分間加熱炉に供給されます。
【0055】
光学装置100におけるカメラレンズ310の向きの非限定的な例は、各方向で約8°、すなわち合計で16°である。光学サブアセンブリ300は、それぞれ、その1つ軸が図面に垂直である2つの軸の周りを回転させることができる。
【0056】
図面に示すように、自動車用の光学装置100は、第1のサブアセンブリ300及び第2のサブアセンブリ400の2つのサブアセンブリを有する。第1のサブアセンブリは、ハウジング200の第1の表面210に取り付けられ、第2のサブアセンブリは、ハウジング200の第2の表面220に取り付けられる。特に、両方のサブアセンブリ300,400は、部分的にハウジング200の外側に配置される。
【0057】
また、図面に示されるように、第1の光学サブアセンブリ300内の第1のカメラレンズ310及び第1の画像センサ315は、両方とも、上述の第1の光軸xに沿って位置合わせされる。同様に、第2の光学サブアセンブリ400の第2のカメラレンズ410及び第2の画像センサ415は両方とも、上述の第2の光軸yに沿って位置合わせされる。
【0058】
図示の例では、ハウジング200の第1の開口215及び第2の開口225は、対応する第1の画像センサ315及び第2の画像センサ415よりも大きい。開口215,225と画像センサ315,415との間にギャップが存在する。そのようなギャップは、第1又は第2の光学サブアセンブリ300,400の少なくとも1つがハウジング200に固定して取り付けられる(接着される)前に、上述の対応する光軸x,yが所定の向きに配置されるように光学サブアセンブリ300,400が適切に配置されるのに適している。具体的には、図示の例によれば、ギャップは、ブラケット500のバレルと開口215,225との間に形成される。
【0059】
第1又は第2の開口215,225と対応する光学サブアセンブリ300,400との間のギャップは、第1又は第2の光学サブアセンブリ300,400の対応する光軸x,yが、(第1又は第2の光学サブアセンブリ300,400のうちの少なくとも1つがハウジング200に固定して取り付けられる(接着される)前の、例えば、所与の配向から+8°から-8°の範囲の角度αに従って)異なる配向で配置できるようなものであることが好ましい場合がある。
【0060】
角度αが変化すると、サブアセンブリ300及び400は、それらが互いに接触するまで、それらが互いに近づくようにスライドする。図示されている例では、角度αは、8°であるが、他の値も可能である。
【0061】
本光学デバイス100の第1の表面210又は第2の表面220の少なくとも1つは、例えば湾曲した、より具体的には凸状又は凹状などの非平面であってもよい。ハウジング200及び第1及び/又は第2の光学サブアセンブリ300,400の表面の非平坦な形状は、特に2つ以上のカメラが提供される場合に最も重要である。この点で、2つ以上のサブアセンブリ300,400は、各サブアセンブリが所与の向きに又は所与の焦点に面している状態で、同じカメラハウジング200内に受容され得る。
【0062】
図示の例では、光学デバイス100は、第1の光学サブアセンブリ300及び第2の光学サブアセンブリ400にそれぞれ関連付けられたブラケット500を備える。複数のブラケット500は、第1の光学サブアセンブリ300の第1の画像センサ315と第2の光学サブアセンブリ400の第2の画像センサ415とを支持するように構成される。
【0063】
図示の例では、ブラケット500は、所定の向きでハウジング200の第1の表面210又は第2の表面220に取り付けるために定義されたブラケットインターフェースを有する。図示の例では、前記第1及び第2の表面210,220は湾曲している。前記湾曲した表面の曲率半径は、ハウジング200の対応する第1又は第2の表面210,220のうちの少なくとも1つの表面の曲率半径、例えば15mmと実質的に同じであってもよい。また、ブラケットインターフェース550の湾曲した表面の曲率中心と、ハウジング200の対応する第1又は第2の表面210,220のうちの少なくとも1つの表面の曲率中心とは、この場合、同じ点にある。したがって、第1のカメラレンズ310及び第2のカメラレンズ410は、ブラケットインターフェース550の湾曲した表面に適切に取り付けられたハウジング200の湾曲した表面210,220の適切な向きに従って保持され得る。これは、光学装置100におけるカメラレンズ310,410の適切な位置決め又は配向が達成される場合にブラケット500がハウジング200にしっかりと取り付けられる(接着される)前に、ブラケット500は、ハウジング200の表面210,220上のそのブラケットインターフェース550を通ってスライドすることができるからである。
【0064】
示された特定の非限定的な例では、接着剤又は接着シートを使用して、ブラケット500を対応する第1及び第2の光学サブアセンブリ300,400と一緒にハウジング200に取り付ける。もちろん、ネジ結合等の他の取り付け手段800を使用してもよい。光学装置100におけるカメラレンズ310,410の前記位置決め又は配向が達成されると、前記接着剤は、紫外線照射などによって硬化され、光学サブアセンブリ300,400が所定の位置に保持され、動かないようになる。光学装置100におけるカメラレンズ310,410の非限定的な例の向きは、各方向で約8°、すなわち合計で16°である。光学サブアセンブリ300,400は、それぞれ、2つの軸を中心に回転させることができる。
【0065】
本光学装置100では、第1及び第2の光学サブアセンブリ300,400は、ブラケット500によって担持される対応するプリント回路基板600,700を含む。メイン(主)電子制御ユニット(ECU)、特に画像信号プロセッサ(ISP)が光学装置100からのトップビュー画像を処理するために、メインプリント回路基板600は、ブラケット500によって第1の光学サブアセンブリ300内で担持される。ISPは、画像センサ315,415と同じPCB内に提供されても、されなくてもよい。各光学サブアセンブリ300,400が、例えば2mm~20mmのギャップで上下に間隔をあけて配置された、並列などの2つのPCB600,700を有し、1つのPCBが1つの画像センサ315,415に関連付けられ、他のPCBがISPに関連付けられている場合がある。
【0066】
トップビュー画像などの画像は、例えばタッチディスプレイであり得る、ダッシュボードディスプレイユニット、又は、内部リアビューミラーに取り付けられたディスプレイのいずれか一方を介して、表示され得る。セカンダリPCB(ISP)700は、第2の光学サブアセンブリ400内のブラケット500によって担持される。電源を有するシリアライザとして構成された第3のPCBも提供される。第3のPCBは、光学装置100の内部の第1及び第2の光学サブアセンブリ300,400の少なくとも一方の外側に配置される。第3のPCBは、メインプリント回路基板600と、他方では、例えばPoC(power over coax)、可撓線などのコネクタと、の両方に接続される。
【0067】
第1の光学サブアセンブリ300又は第2の光学サブアセンブリ400、或いは、第1及び第2の光学サブアセンブリ300,400の両方は、カメラ監視システム(CMS)ビデオカメラの一部であり得る。CMSビデオカメラは、車両の後方からの画像を提供するように構成されている。また、この例では、第1の光学サブアセンブリ300又は第2の光学サブアセンブリ400、或いは、第1及び第2の光学サブアセンブリ300,400の両方は、車両の周囲の地面からトップビュー画像を提供するビデオカメラであり得る。
【0068】
示された例では、CMSビデオカメラのフレームレートは、毎秒30フレームよりも高く、好ましくは毎秒60フレームである一方、トップビューカメラのフレームレートは、例えば毎秒15フレームのようなCMSのフレームレートよりも低い。
【0069】
上述の光学装置100は、自動車の周辺領域からの画像情報を提供するための光学システムに有利に適合され得る。そのような光学システムは、上述の光学装置100を備えることができ、光学装置100の配置によって、第1の光学サブアセンブリ300が自動車の左側領域のトップビュー画像をキャプチャするように配置され、また、第2の光学サブアセンブリ400が自動車側の後部から画像をキャプチャするように配置される。光学システムは、上述の別の光学装置100を更に備えることができ、別の光学装置100の配置によって、第1の光学サブアセンブリ300が自動車の右側領域のトップビュー画像をキャプチャするように配置され、また、第2の光学サブアセンブリ400が自動車の後部から画像をキャプチャするように配置される。光学システムは、光学装置100から導出された画像データを少なくとも1つのディスプレイに提供するように構成されたコントローラを、さらに備えることができる。
【0070】
上記の光学システムは、ウイングレットとして、好ましくは自動車の2つのウイングレットとして具体化されてもよく、各ウイングレットは、上記の光学装置100を備える。したがって、車両の後部からのカメラ監視システム(CMS)ビデオカメラからの画像は、車両ドアの内側に配置されたディスプレイ(好ましくは、タッチディスプレイ)によって表示することができる。前記ディスプレイによって表示された画像は、タッチアンドドラッグ(touch-and-drag)操作又はジョイスティックによって、ユーザーがパン(pan)することができる。画像がパンされると、ウイングレットが移動するか、マスク若しくは画像表示セクションが光学装置のCMSカメラによってキャプチャされた画像よりも小さくなり、したがって、キャプチャされた画像内でマスクが移動できるようになる。
【0071】
車両の視野(画像/映像)システムは、(i)車両の前方の視野を有する前方視野カメラと、(ii)車両の後方の視野を有する後方視野カメラと、(iii)実質的に地面を指す運転席側視野カメラ(トップビューのドライバのカメラ)と、(iv)実質的に地面を指す助手席側視野カメラ(トップビューのパッセンジャのカメラ)と、備える。視野(画像/映像)システムは、(v)車両の側面の一部を包含する視野の運転席側に側方視野(CMSのドライバの視野)を有する運転席側視野カメラと、(vi)車両の側面の一部を包含する視野の助手席側に側方視野(CMSのパッセンジャの視野)を有する助手席側視野カメラと、を更に備える。
【0072】
画像処理システムは、(i)、(ii)、(iii)及び(iv)によってキャプチャされた画像データを処理して、前記キャプチャされた画像データから導出された混成画像(composite image)を統合(合成)するように動作可能である。さらに、第2の画像処理システムは、(v)によってキャプチャされた画像データを処理して、好ましくは車両に配置され、より好ましくは運転席側ドアに配置される、ディスプレイに画像を表示するように動作可能である。さらに、第3の画像処理システムは、(vi)によってキャプチャされた画像データを処理して、好ましくは車両に配置され、より好ましくは助手席側ドアに配置される、ディスプレイに画像を表示するように動作可能である。
【0073】
本明細書ではいくつかの例しか開示されていないが、他の代替、修正、使用、及び/又はそれらの等価物が実施可能である。例えば、カメラハウジングは、特定の形状に限定されず、例えば、6つの実質的に平坦な表面を有するプリズム状であってもよいが、他の異なる形状も可能である。さらに、説明された例のすべての可能な組み合わせもカバーされている。したがって、本開示の範囲は、特定の例によって限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲を公正に読むことによってのみ決定されるべきである。図面に関連する参照符号が請求項内の括弧内に配置されている場合、それらは請求項の内容理解を高めるためのものであり、請求項の内容範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0074】
本明細書では、上述の光学サブアセンブリを取り付ける方法も開示されている。この方法は、プリント回路基板(PCB)上に画像センサを提供することと、前記PCBをブラケットに取り付けることと、(例えば、ブラケットインターフェース上面の上に、又は、レンズの上に、又は、ブラケットインターフェース上面とレンズとの両方の上に、塗布された接着剤を使用して)レンズをブラケットに取り付けることと、を含む。レンズは、ねじ込みなどの他の手段でブラケットに取り付けられてもよい。レンズは、適切な位置又は所望の位置に配置され、すなわち配向され、光学的に中央に位置合わせされるように、画像センサに焦点整合される。このようにして、レンズと画像センサとが位置合わせされる。取り付け手段が接着剤を含む場合、接着剤は、その後に、UV又は熱放射などによって硬化される。次に、光学サブアセンブリがハウジングに取り付けられる。シーリング接着剤は、ハウジングの外側の外面及び/又はブラケットインターフェース下面に適用されます。次に、光学サブアセンブリを所定の位置に配置し、接着剤を最終的にUV又は熱放射などで硬化させる。