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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-25
(45)【発行日】2025-03-05
(54)【発明の名称】エア遊具
(51)【国際特許分類】
   A63B 17/00 20060101AFI20250226BHJP
   A63G 31/12 20060101ALI20250226BHJP
   A63F 11/00 20060101ALI20250226BHJP
   A63F 13/90 20140101ALI20250226BHJP
【FI】
A63B17/00 A
A63G31/12
A63F11/00 A
A63F13/90
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021037792
(22)【出願日】2021-03-09
(65)【公開番号】P2022138024
(43)【公開日】2022-09-22
【審査請求日】2024-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】306014714
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】川合 潤
(72)【発明者】
【氏名】大澤 淳人
(72)【発明者】
【氏名】森 優太
【審査官】三田村 陽平
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3071250(JP,U)
【文献】特開2009-146903(JP,A)
【文献】特開2012-024338(JP,A)
【文献】特開平02-121215(JP,A)
【文献】サムライヒットゲーム,[online],2020年06月05日,インターネット<URL:https://onestep-miyazaki.com/23531/>,[令和6年11月15日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 17/00-17/04
A63G 31/00-31/12
A63F 9/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に空気が充填される空気膜構造部を用いてプレイ空間が画成されたエア遊具であって、
前記プレイ空間に向けて設置された表示装置と、
前記プレイ空間で遊ぶユーザが操作入力するための面状スイッチと、
前記面状スイッチからのスイッチ信号に基づく前記表示装置への演出表示を制御する制御装置と、
を備え
前記面状スイッチは、2つの接点シートの間に複数の孔部が設けられたスペーサシートが介装されたメンブレンスイッチであり、
前記面状スイッチには、壁用スイッチと床用スイッチとが少なくとも含まれ、
前記壁用スイッチを構成する前記スペーサシートの前記孔部は、前記床用スイッチを構成する前記スペーサシートの前記孔部より大きい、
エア遊具。
【請求項2】
内部に空気が充填される空気膜構造部を用いてプレイ空間が画成されたエア遊具であって、
前記プレイ空間に向けて設置された表示装置と、
前記プレイ空間で遊ぶユーザが操作入力するための面状スイッチと、
前記面状スイッチからのスイッチ信号に基づく前記表示装置への演出表示を制御する制御装置と、
を備え
前記面状スイッチには、壁用スイッチと床用スイッチとが少なくとも含まれ、
前記制御装置は、
前記壁用スイッチに係る操作入力の検出を、当該壁用スイッチからのスイッチ信号がオフからオンとなることで行い、
前記床用スイッチに係る操作入力の検出を、当該床用スイッチからのスイッチ信号がオンからオフとなることで行う、
エア遊具。
【請求項3】
前記床用スイッチには、左足用の床用スイッチと右足用の床用スイッチとがあり、
前記表示装置は、前記ユーザが、左足を前記左足用の床用スイッチに、右足を前記右足用の床用スイッチに置いて立った位置から見て正面に設けられている、
請求項1又は2に記載のエア遊具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気膜構造部を用いてプレイ空間が画成されたエア遊具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊園地やイベント会場といったレジャー施設等に設置される子供向けの遊具として、プレイ空間が空気膜構造部の柔らかいエアマット等で形成されたエア遊具が知られている。例えば、ドーム状のプレイ空間内で子供が飛び跳ねて遊ぶタイプのものや、滑り台を滑って遊ぶスライダーと呼ばれるもの等がある。また、コースを形成して、ユーザがタイムを競うようにしたものもある(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-203011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のエア遊具では、飛び跳ねるとか滑り台を滑る、コースを周回する等、ユーザの動作自体は同じ動作の繰り返しであるため、遊びが単調ですぐに飽きてしまう等、興趣性に欠ける問題があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、エア遊具の興趣性を高めることができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の発明は、内部に空気が充填される空気膜構造部を用いてプレイ空間が画成されたエア遊具であって、前記プレイ空間に向けて設置された表示装置と、前記プレイ空間で遊ぶユーザが操作入力するための面状スイッチと、前記面状スイッチからのスイッチ信号に基づく前記表示装置への演出表示を制御する制御装置と、を備えるエア遊具である。
【0007】
第1の発明によれば、空気膜構造部を用いて画成されたプレイ空間に向けて表示装置を設置するとともに、プレイ空間で遊ぶユーザが操作入力をするための面状スイッチを設置して、面状スイッチに対する操作入力に応じた表示装置への演出表示を行うことができる。これによれば、操作入力のためのスイッチとして入力面が広い面状スイッチを用いることができ、空気膜構造でバランスが取り難いプレイ空間においても操作入力が容易に行える。したがって、プレイ空間内のユーザは、柔らかい空気膜構造部の上でバランスを取りながら、表示装置を見つつ面状スイッチの操作入力を行って遊ぶことが可能となるため、エア遊具における遊戯の興趣性を高めることが可能となる。
【0008】
また、第2の発明は、前記面状スイッチには、壁用スイッチ、が少なくとも含まれる、第1の発明のエア遊具である。
【0009】
第2の発明によれば、面状スイッチとして、壁用スイッチを設けることができる。
【0010】
また、第3の発明は、前記壁用スイッチは、前記プレイ空間の壁を構成する壁構造用の空気膜構造部に突出して設けられたスイッチベース用の空気膜構造部に、設けられている、第2の発明のエア遊具である。
【0011】
第3の発明によれば、プレイ空間の壁部分に、スイッチベース用の空気膜構造部を介して壁用スイッチを設けることができる。
【0012】
また、第4の発明は、前記壁用スイッチには、前記表示装置に向かって左側の壁用スイッチおよび右側の壁用スイッチ、が少なくとも含まれる、第2又は第3の発明のエア遊具である。
【0013】
第4の発明によれば、表示装置に向かって左右の壁部分に、壁用スイッチを設けることができる。バランスを取りながら左右の壁用スイッチを押すことととなり、エア遊具における遊戯の興趣性を高めることが可能となる。
【0014】
また、第5の発明は、前記壁用スイッチには、前記表示装置に向かって正面側の壁用スイッチが含まれる、第4の発明のエア遊具である。
【0015】
第5の発明によれば、表示装置に向かって正面の壁部分に、壁用スイッチを設けることができる。
【0016】
また、第6の発明は、前記表示装置は、前記正面側の壁用スイッチより高い位置に設けられている、第5の発明のエア遊具である。
【0017】
第6の発明によれば、正面の壁用スイッチよりも高い位置に表示装置を設置できる。これによれば、表示装置から目を離さずに、当該壁用スイッチを操作することが可能となる。
【0018】
また、第7の発明は、前記面状スイッチは、メンブレンスイッチである、第1~第6の何れかの発明のエア遊具である。
【0019】
第7の発明によれば、面状スイッチをメンブレンスイッチで構成することができる。
【0020】
また、第8の発明は、前記面状スイッチには、床用スイッチ、が少なくとも含まれる、第1~第7の何れかの発明のエア遊具である。
【0021】
第8の発明によれば、面状スイッチとして、床用スイッチを設けることができる。
【0022】
また、第9の発明は、前記制御装置は、前記床用スイッチに係る操作入力の検出を、当該床用スイッチからのスイッチ信号がオンからオフとなることで行う、第8の発明のエア遊具である。
【0023】
第9の発明によれば、床用スイッチについて、スイッチ信号がオンからオフになったことをもってその操作入力を検出することができる。
【0024】
また、第10の発明は、前記面状スイッチは、2つの接点シートの間に複数の孔部が設けられたスペーサシートが介装されたメンブレンスイッチであり、前記面状スイッチには、床用スイッチ、が含まれ、前記壁用スイッチを構成する前記スペーサシートの前記孔部は、前記床用スイッチを構成する前記スペーサシートの前記孔部より大きい、第2~第6の何れかの発明のエア遊具である。
【0025】
第10の発明によれば、2つの接点シートの間に、孔部を有するスペーサシートが介装された構造のメンブレンスイッチを用いて面状スイッチを構成できる。そして、面状スイッチとしてプレイ空間の壁部分に壁用スイッチを、床部分に床用スイッチをそれぞれ設けて、床用スイッチのスペーサシートよりも壁用スイッチのスペーサシートの孔部を大きくすることができる。これによれば、ユーザが手で押す壁用スイッチを、ユーザがその上に乗って体重をかけることで操作入力が可能な床用スイッチよりも、軽い力で接点シート間の接触がし易い構成とすることが可能となる。エア遊具の主なユーザは子供であることから、子供でも簡単に壁用スイッチを操作することが可能となる。
【0026】
また、第11の発明は、前記面状スイッチには、床用スイッチ、が含まれ、前記制御装置は、前記壁用スイッチに係る操作入力の検出を、当該壁用スイッチからのスイッチ信号がオフからオンとなることで行い、前記床用スイッチに係る操作入力の検出を、当該床用スイッチからのスイッチ信号がオンからオフとなることで行う、第2~第6の何れかの発明のエア遊具である。
【0027】
第11の発明によれば、面状スイッチとして、プレイ空間の壁部分に壁用スイッチを設け、床部分に床用スイッチを設けることができる。そして、壁用スイッチについてはスイッチ信号がオフからオンになったことをもってその操作入力を検出する一方、床用スイッチについてはスイッチ信号がオンからオフになったことをもってその操作入力を検出することができる。
【0028】
また、第12の発明は、前記床用スイッチには、左足用の床用スイッチと右足用の床用スイッチとがあり、前記表示装置は、前記ユーザが、左足を前記左足用の床用スイッチに、右足を前記右足用の床用スイッチに置いて立った位置から見て正面に設けられている、第8~第11の何れかの発明のエア遊具である。
【0029】
第12の発明によれば、プレイ空間の床部分に、左右の足用の床用スイッチを設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】エア遊具を右後方から俯瞰した斜視図。
図2】エア遊具を後方から俯瞰した斜視図。
図3】エア遊具を右方から俯瞰した斜視図。
図4】プレイ空間形成体を展開してその構成を示した模式図。
図5】壁面センサーマットの平面図。
図6図5のVI-VI矢視断面を示す模式図。
図7】壁用スイッチを構成するスペーサシートの平面図。
図8】足元センサーマットの平面図。
図9図8のIX-IX矢視断面を示す模式図。
図10】床用スイッチを構成するスペーサシートの平面図。
図11】ゲームの遊び方を説明する説明画面の一例を示す図。
図12】ゲームのスタート画面の一例を示す図。
図13】ゲームのプレイ画面の一例を示す図。
図14】エア遊具でのゲームを説明する図。
図15】エア遊具でのゲームを説明する他の図。
図16】エア遊具の機能構成例を示す図。
図17】ゲーム処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。また、エア遊具1に対する前後・左右・上下方向は、プレイ空間10において表示装置51に向かって立つユーザ2にとっての方向と同じとして説明する。
【0032】
[全体構成について]
図1は、本実施形態のエア遊具1を右後方から俯瞰した斜視図であり、図2は、エア遊具1を後方から俯瞰した斜視図であり、図3は、エア遊具1を右方から俯瞰した斜視図である。また、図4は、エア遊具1を構成するプレイ空間形成体31を展開してその構成を示した模式図である。本実施形態のエア遊具1は子供向けの遊具であり、例えば、各種レジャー施設や大型のショッピングセンター等の一区画に設置される。図1等に示すように、エア遊具1は、主筐体3と、副筐体9と、を備える。
【0033】
主筐体3は、弾性を有する複数の空気膜構造部で形成されたプレイ空間形成体31と、プレイ空間形成体31の位置ズレや横転を防止するための重り33と、装置本体部40と、モニタ部50と、操作入力用の壁面センサーマット600および足元センサーマット700と、を備える。重り33は、例えば、プレイ空間形成体31の底部において四隅に1つずつ設置される。
【0034】
プレイ空間形成体31は、上部が開口し、遊戯者であるユーザ2(図4等を参照)が出入りするための出入口315を有する箱型に形成されており、後述する送風部41によって内部に空気を充填することで、その内側にプレイ空間10が画成される構成となっている。より詳細には、プレイ空間形成体31は、図4の展開図に示すように、プレイ空間10の壁を構成する前後左右の各壁構造用の空気膜構造部311(311a,311b,311c,311d)と、プレイ空間10の床を構成する床構造用の空気膜構造部313とで構成されており、後壁部となる壁構造用空気膜構造部311dが出入口315を有する。ここで、ユーザ2が出入口315からプレイ空間10内へと入り、正面(後述するモニタ部50の側)を向いて立ったときの前後方向をX方向、左右方向をY方向、上下方向をZ方向として、図1図3に各方向を付記している。
【0035】
装置本体部40は、プレイ空間形成体31の前壁部となる壁構造用空気膜構造部311aの裏側に設置され、モニタ部50は、装置本体部40の上部に設置されている。装置本体部40には、制御装置400と、送風部41と、を内部に備えている。モニタ部50は、ゲーム画面を表示させるための表示装置51と、ゲーム音を音出力させるためのスピーカ53と、を備え、それらがプレイ空間形成体31の内側のプレイ空間10に向けて設置されて構成されている。
【0036】
壁面センサーマット600および足元センサーマット700は、プレイ空間10でゲームをプレイするユーザ2がゲーム操作を入力するためのものであり、それぞれが面状スイッチを内蔵している。
【0037】
先ず、壁面センサーマット600は、面状スイッチとして壁用スイッチ60を内蔵して構成され、プレイ空間10の壁部分に設けられる。本実施形態では、壁面センサーマット600は、それぞれが壁用スイッチ60a,60b,60cを内蔵しており、プレイ空間形成体31の前壁部、右壁部、および左壁部の各壁構造用空気膜構造部311a,311b,311cの表面(プレイ空間10側の面)に1つずつ設けられている。より詳細には、各壁面センサーマット600は、対応する壁構造用空気膜構造部311に突出して設けられたスイッチベース用の空気膜構造部317に、面ファスナー等で固定されて設置される。これにより、プレイ空間10の前壁部(正面の壁)に正面側の壁用スイッチ60aを配置し、左壁部に左側の壁用スイッチ60bを配置し、右壁部に右側の壁用スイッチ60cを配置した構成が実現される。
【0038】
一方、足元センサーマット700は、面状スイッチとして、左足用の床用スイッチ70dと、右足用の床用スイッチ70eとを内蔵して構成され、プレイ空間10の床部分に設けられる。すなわち、足元センサーマット700は、プレイ空間形成体31の床構造用空気膜構造部313の上面に設けられている。より詳細には、足元センサーマット700は、プレイ空間10内で正面を向いて(正面側にある表示装置51を見て)立ったユーザ2の左側が左足用の床用スイッチ70d、右側が右足用の床用スイッチ70eとなる向きで、面ファスナー等で固定されて設置される。これにより、プレイ空間10の床に、左足用の床用スイッチ70dと、右足用の床用スイッチ70eとを配置した構成が実現される。
【0039】
各壁面センサーマット600と足元センサーマット700との表面には、対応する面状スイッチ(壁用スイッチ60a,60b,60c又は床用スイッチ70d,70e)を操作入力するための目印であって、それらを識別するための固有の色の図柄が操作入力マークMa,Mb,Mc,Md,Meとして表示されている。例えば、操作入力マークMa,Mb,Mc,Md,Meは、図5図8において操作入力マークMa,Md,Meについてそれぞれ示すように、該当するセンサーマット600,700の表層を構成するPVC(ポリ塩化ビニル:Polyvinyl Chloride)シート610,710に印刷される等して、当該センサーマット600,700の表面に表示される。
【0040】
ここで、壁用スイッチ60a,60b,60cは、ユーザ2が手で押して操作入力をすることを想定しており、床用スイッチ70d,70eは、ユーザ2が足で踏んで操作入力をすることを想定している。ユーザ2は、壁用スイッチ60a,60b,60cに対する操作入力をするときには、前や左右に腕を伸ばして操作入力マークMa,Mb,Mcの部分を手で押す。床用スイッチ70d,70eに対する操作入力をする場合であれば、足踏みをする要領で操作入力マークMd,Meの部分を左右の足で押す(踏む)。
【0041】
また、表示装置51は、プレイ空間10内のユーザ2がその表示画面に視線を向けたまま壁用スイッチ60の操作入力が行えるように、壁用スイッチ60より高い位置に設置される。本実施形態では、表示装置51は、前壁部の壁構造用空気膜構造部311aの上端面よりも高い位置にモニタ部50が設けられることで、正面側の壁用スイッチ60aの上方において、プレイ空間10のユーザ2から見えるように配置される。
【0042】
より詳細には、表示装置51や壁用スイッチ60の高さは、ユーザ2の平均的な身長等を想定して設定される。すなわち、図4の展開図においてそれらの高さと対比させて示しているように、ユーザ2として想定するのは子供であり、対象年齢の子供がプレイ空間10に立ったときの目の高さを考慮して表示装置51の高さが調整・決定され、腕の高さを考慮して各壁用スイッチ60a,60b,60cの高さが調整・決定される。
【0043】
したがって、ユーザ2は、プレイ空間10に入ったら正面を向いて足元センサーマット700の上に乗り、左足を操作入力マークMdの上に置き、右足を操作入力マークMeの上に置いて立つ。そして、前方斜め上の表示装置51に表示されるゲーム画面を見ながら、操作入力マークMa,Mb,Mcの部分を手で押して壁用スイッチ60a,60b,60cに対する操作入力をし、操作入力マークMd,Meの部分を足踏みして床用スイッチ70d,70eに対する操作入力をしてゲームを楽しむ。プレイ空間形成体31は、複数の空気膜構造部で形成されているため、プレイ空間10内に立つユーザ2は、バランスを上手く取りながら体を動かして操作入力をする必要に迫られる。また、ユーザ2は視線をゲーム画面に向けながら操作入力をすることが多くなるため、より一層、バランスを取るのが難しくなる。そのため、ユーザ2は、エア遊具ならではのフワフワ感を楽しみつつ、興趣性高い遊戯をすることができる。
【0044】
制御装置400は、エア遊具1の動作制御のためのコンピュータである。本実施形態では、エア遊具1におけるゲームの進行を制御するため、表示装置51や各センサーマット600,700の面状スイッチ(壁用スイッチ60a,60b,60cおよび床用スイッチ70d,70e)等との間のデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、各スイッチ60a,60b,60c,70d,70eからのスイッチ信号等に基づき各種演算処理を実行して、エア遊具1でのゲームの進行制御が実現する。ゲームの進行制御には、面状スイッチである各スイッチ60a,60b,60c,70d,70eからのスイッチ信号に基づく表示装置51への演出表示の制御が含まれる。
【0045】
副筐体9は、携行可能なカード型の記憶媒体であるICカード(不図示)と非接触通信を行ってデータの読み出しや書き込みをするリーダライタ装置91と、硬貨投入装置93とを備える。ユーザ2は、硬貨投入装置93への硬貨投入によってプレイ対価を支払うことができる。また、ICカードとしてプリペイドカード機能を有するものを用い、硬貨の投入にかえてプレイ対価の支払いに利用することも可能である。
【0046】
[センサーマットの構成について]
1.壁面センサーマット
図5は、壁面センサーマット600の平面図である。より詳細には、図5では、前壁部に設けられる壁面センサーマット(正面側の壁面センサーマット)600を図示しているが、そのPVCシート610に印刷される操作入力マークMaと図柄が異なる他は、左側や右側の各壁面センサーマット600も同様に構成される。また、図6は、図5のVI-VI矢視断面を示す模式図であり、壁面センサーマット600が内蔵する壁用スイッチ60(ここでは正面側の壁用スイッチ60a)について断面を拡大して示している。図7は、壁用スイッチ60を構成するスペーサシート65の平面図である。
【0047】
図5および図6に示すように、壁面センサーマット600は、壁用スイッチ60と、外装ケース630とを備える。外装ケース630は、表面側外装ケース631と裏面側外装ケース633とで内部空間を画成して構成され、その内部空間に壁用スイッチ60の端部と、センサーマット基板620と、ケーブル640の端部とを収容する。ケーブル640は、壁用スイッチ60からのスイッチ信号(オン/オフ)を制御装置400に出力するフラットケーブルである。
【0048】
壁用スイッチ60は、図6中の拡大図に示すように、2つの接点シート61,63の間にスペーサシート65が介装されたメンブレンスイッチであり、接点シート61の表面側に目隠しシート67が配置されて構成されている。また、壁用スイッチ60は、全体を保護するためのPVCシート610で被覆されている。
【0049】
スペーサシート65は、図7に示すように、複数の孔部651が設けられた、弾性を有する樹脂製のシートである。具体的には、スペーサシート65には、所定サイズの孔部651がスペーサシート65の全域に所定ピッチで複数列に配列されて離散的に設けられている。したがって、壁面センサーマット600の表面が押され、表面側の接点シート61が孔部651の部分で裏面側の接点シート63と接触すると両者が導通し、スイッチ信号はオンになる。接点シート61,63間が離れればスイッチ信号はオフになる。孔部651のサイズが大きいほど、ユーザ2は、孔部651の部分に簡単に接触することができるようになり、且つ、弱い力で簡単に導通状態とすることができるようになる。また、孔部651の配置間隔(ピッチ)を狭めて孔部651の数が多くなるほど、導通状態にすることができる面積が増えるため、ユーザ2は、操作し易くなる。
【0050】
2.足元センサーマット
図8は、足元センサーマット700の平面図である。また、図9は、図8のIX-IX矢視断面を示す模式図であり、左足用の床用スイッチ70dについて断面を拡大して示している。図10は、床用スイッチ70dを構成するスペーサシート75の平面図である。
【0051】
足元センサーマット700の構成は壁面センサーマット600と基本的には同じで、2つの面状スイッチを左足用の床用スイッチ70dおよび右足用の床用スイッチ70eとして内蔵する点が相違する。すなわち、図8および図9に示すように、足元センサーマット700は、左足用の床用スイッチ70dと、右足用の床用スイッチ70eと、外装ケース730と、を備える。外装ケース730は、表面側外装ケース731と裏面側外装ケース733とで内部空間を画成して構成され、その内部空間に床用スイッチ70d,70eの端部と、センサーマット基板720と、ケーブル740の端部とを収容する。ケーブル740は、各床用スイッチ70d,70eからのスイッチ信号(オン/オフ)を制御装置400に出力するフラットケーブルである。
【0052】
左足用の床用スイッチ70dは、図9中の拡大図に示すように、2つの接点シート71,73の間にスペーサシート75が介装されたメンブレンスイッチであり、接点シート71の表面側に目隠しシート77が配置されて構成されている。右足用の床用スイッチ70eも同様に構成される。また、床用スイッチ70d,70eは、全体を保護するためのPVCシート710で被覆されている。
【0053】
PVCシート710の表面には、図8に示すように、左足用の床用スイッチ70dの位置にその操作入力マークMdが印刷され、右足用の床用スイッチ70eの位置にその操作入力マークMeが印刷されている。
【0054】
スペーサシート75は、図10に示すように、複数の孔部751が設けられた、弾性を有する樹脂製のシートである。具体的には、スペーサシート75には、図7に示した壁用スイッチ60のものよりも小さいサイズの孔部751が、スペーサシート75の全域に所定ピッチで複数列に配列されて離散的に設けられている。
【0055】
ここで、プレイ空間10を画成する空気膜構造のプレイ空間形成体31は、乗るとふわふわしてバランスが取り難い。また、上記したように、壁用スイッチ60(60a,60b,60c)はユーザ2が手で押すことを想定し、床用スイッチ70d,70eはユーザ2が上に乗って足で踏むことを想定している。そのため、ユーザ2の体重がかかる床用スイッチ70d,70eは力がかかり易いのに対して、壁用スイッチ60は、押す力が足りずに押し損ねる事態が生じ易い。
【0056】
本実施形態では、プレイ空間10の壁に壁用スイッチ60を設け、床に床用スイッチ70d,70eを設けることで、操作入力のためのスイッチとして入力面が広い面状スイッチを用いることができる。また、本実施形態では、図7および図10を参照して説明したように、手で押す壁用スイッチ60に係るスペーサシート65の孔部651のサイズが、足で踏む床用スイッチ70d,70eに係るスペーサシート75の孔部751よりも大きいサイズとされる。これによれば、壁用スイッチ60の構成として、床用スイッチ70d,70eと比べて接点シート61,63間の接触がし易い構成を実現でき、壁用スイッチ60の操作性が向上する。したがって、ユーザ2は、プレイ空間10内でバランスを取りつつ、容易に操作入力をすることが可能となる。なお、孔部のサイズによるところもあるが、壁用スイッチ60に係るスペーサシート65の孔部651の配置間隔は、床用スイッチ70d,70eに係るスペーサシート75の孔部751の配置間隔より大きくなっている。
【0057】
[ゲーム画面について]
本実施形態のゲームは、表示装置51に表示されるゲーム画面を見ながら各面状スイッチ(壁用スイッチ60a,60b,60cおよび床用スイッチ70d,70e)に対する操作入力を行って、高得点を目指すゲームである。
【0058】
図11図13は、表示装置51におけるゲーム画面の遷移例を示す図である。ユーザ2がプレイ対価の支払いを済ませると、図11に示す遊び方の説明画面W1が表示された後、図12に示すスタート画面W2が表示されてゲームが開始する。具体的には、制限時間のカウントが開始されて、図13に示すプレイ画面W3が表示される。
【0059】
詳細は後述するが、本実施形態のゲームでは、ユーザ2は、制限時間が経過するまでの間、各面状スイッチ(壁用スイッチ60a,60b,60cや床用スイッチ70d,70e)に対する操作入力を行って、ゲーム操作を入力する。また、プレイ画面W3におけるボーナスマークの表示に適合した操作入力を行うことで高得点をかせぎ、高スコアを狙う。
【0060】
図13に示すように、プレイ画面W3は、ボーナスマーク表示部A31と、演出表示部A33と、スコア表示部A35と、タイマー表示部A37と、を備える
【0061】
ボーナスマーク表示部A31は、プレイ画面W3の中央付近に設けられて、ボーナスマーク(図13では操作入力マークMe)を見易いように手前側に大きく表示する。
【0062】
演出表示部A33には、各面状スイッチ(壁用スイッチ60a,60b,60cおよび床用スイッチ70d,70e)の操作入力マークが並べて配置される。そして、ゲーム中に何れかの面状スイッチに対する操作入力があったときには、その操作入力マーク(図13の例では右側の壁用スイッチ60cの操作入力マークMc)の表示を他と識別可能に表示することで演出表示がなされる。例えば、操作入力マークMcが光るとか点滅する等して他と識別可能な表示形態で表示されるとともに、その操作入力で付与される(加算される)スコアの表示I3が付される。
【0063】
スコア表示部A35は、ゲーム中の操作入力(ゲーム操作)に応じて付与されるスコアの累計を表示する。
【0064】
タイマー表示部A37は、制限時間の残り時間を表示する。
【0065】
制限時間が経過すると、最終的に獲得したスコア等を表示した成績画面が表示されて、ゲームが終了する。なお、成績画面では、獲得スコアを複数段階(例えば5段階)で評価して評価結果を表示したり、当日に行われたゲームプレイを獲得スコアでランキングし、当該ユーザ2の順位を表示する等して成績表示を行う構成としてもよい。
【0066】
[ゲームについて]
図14および図15は、エア遊具1でのゲームを説明する図であり、プレイ空間形成体31の展開図とともに、プレイ空間10内にいるゲーム中のユーザ2の様子を併せて示した模式図である。また、図14,15では、該当する場面でのプレイ画面W31,W33の表示例を合わせて示している。
【0067】
本実施形態では、ゲーム中、全ての面状スイッチ(壁用スイッチ60a,60b,60cおよび床用スイッチ70d,70e)に対する操作入力を受け付ける。そして、操作入力があったときには、その操作入力種類(どの面状スイッチに対する操作入力があったのか)に応じて当該操作入力に係るスコアを付与する。具体的には、全ての操作入力に対して一律に基準スコア(例えば10ポイント)を付与し、それがボーナスマークの表示に適合した操作入力であれば、ボーナススコア(例えば100ポイント)をさらに付与する。従って、ユーザ2は、間髪を入れずに操作入力を繰り返し何度も行うことでスコアをかせぐこともできるし、ボーナスマークの表示に適合した操作入力を狙って高スコアを狙うこともできる。エア遊具1の上に乗って楽しむゲームプレイとして好適なゲームである。
【0068】
ボーナスマークは、ランダムに選出することができる。例えば、ゲーム中の所定のタイミングをボーナスマークの更新タイミングとし、当該更新タイミングが到来した際に次のボーナスマークを選出する。そして、プレイ画面においてボーナスマーク表示部A31の表示を選出したボーナスマークに従って更新することで、ユーザ2に今のボーナスマークを提示する。更新タイミングとするタイミングは、例えば、ゲーム中の所定の時間間隔毎(例えば5秒毎等)のタイミングとするのでもよいし、当該時間間隔をゲーム序盤では長くする一方、ゲーム終盤では短くする等して可変に設定するのでもよい。
【0069】
例えば、図14の例では、ボーナスマークが示すのは右足用の床用スイッチ70eであるが、ユーザ2が操作入力をしたのは右側の壁用スイッチ60cであり、ボーナスマークの表示とは適合しない操作入力である。よって、当該場面では、演出表示部A33での操作入力マークMcの識別表示と、付与するスコア(基準スコア)の表示と、によって当該操作入力に応答した演出表示がなされる。
【0070】
これに対し、図15の例では、ボーナスマークが示すのは左足用の床用スイッチ70dであり、ユーザ2が当該スイッチ70dを操作入力しているため、ボーナスマークの表示と適合している。よって、当該場面では、演出表示部A33での操作入力マークMdの識別表示と、付与するスコア(基準スコア+ボーナススコア)の表示と、によって当該操作入力に応答した演出表示がなされる。
【0071】
[機能構成について]
図16は、エア遊具1の機能構成例を示すブロック図である。図16に示すように、エア遊具1は、操作入力部80と、リーダライタ装置91と、硬貨投入装置93と、モニタ部50に設置される表示装置51およびスピーカ53と、制御装置400と、を備える。制御装置400は制御部410、通信部450、および記憶部470を備える。なお、制御装置400は、メンテナンス等のための入力装置や表示装置等を含む構成とすることができる。
【0072】
操作入力部80は、ユーザ2がゲーム操作を入力するための面状スイッチである正面側の壁用スイッチ60a、左側の壁用スイッチ60b、右側の壁用スイッチ60c、左足用の床用スイッチ70d、および右足用の床用スイッチ70eで構成される。
【0073】
リーダライタ装置91は、ICカードから情報を読み出して制御部410へ出力するとともに、制御部410の制御に応じた情報の書き込みを行う。
【0074】
硬貨投入装置93は、プレイ対価分の硬貨の投入を検知し、検知信号を制御部410へ出力する。
【0075】
制御部410は、例えばCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のマイクロプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ICメモリ等の電子部品によって実現され、遊具各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部80の各面状スイッチ(壁用スイッチ60a,60b,60cおよび床用スイッチ70d,70e)からのスイッチ信号等に基づく演算処理を行って、エア遊具1の動作を統括的に制御する。
【0076】
この制御部410は、操作入力検出部420と、ゲーム処理部430と、を含む。これらの機能部は、プログラムを実行することによりソフトウェアとして実現される処理ブロックであってもよいし、ASICやFPGA等のハードウェア回路によって実現される回路ブロックであってもよい。本実施形態では、制御部410が記憶部470からゲームプログラム471を読み出して実行することにより、ソフトウェアとして実現される処理ブロックとして説明する。
【0077】
操作入力検出部420は、操作入力検出処理を行う機能部であり、正面側の壁用スイッチ60aからのスイッチ信号を入力して当該壁用スイッチ60aに対する操作入力を検出する正面側検出部421と、左側の壁用スイッチ60bからのスイッチ信号を入力して当該壁用スイッチ60bに対する操作入力を検出する左側検出部422と、右側の壁用スイッチ60cからのスイッチ信号を入力して当該壁用スイッチ60cに対する操作入力を検出する右側検出部423と、左足用の床用スイッチ70dからのスイッチ信号を入力して当該床用スイッチ70dに対する操作入力を検出する左足検出部424と、右足用の床用スイッチ70eからのスイッチ信号を入力して当該床用スイッチ70eに対する操作入力を検出する右足検出部425と、で構成される。
【0078】
操作入力検出処理では、ゲームの開始後、終了するまでの間、各検出部421~425がスイッチ信号をそれぞれ監視し、操作入力を検出する。具体的には、壁用スイッチ60(60a,60b,60c)に係る操作入力の検出を行う正面側検出部421、左側検出部422、および右側検出部423は、対応する壁用スイッチ60から入力されるスイッチ信号がオフからオンになったことをもって当該壁用スイッチ60に対する1回の操作入力を検出する。
【0079】
一方、床用スイッチ70d,70eに係る操作入力の検出を行う左足検出部424および右足検出部425は、対応する床用スイッチ70d,70eから入力されるスイッチ信号がオンからオフになったことをもって当該床用スイッチ70d,70eに対する1回の操作入力を検出する。床用スイッチ70d,70eは、ユーザ2がその上に乗るため基本的にスイッチ信号はオンであるが、当該床用スイッチ70d,70eに対する操作入力を行うためにユーザ2が足踏みの動作をすると、スイッチ信号は一旦オンからオフになる。床用スイッチ70d,70eについてはこれを検出することで、操作入力の検出を行う。
【0080】
ゲーム処理部430は、上記したエア遊具1でのゲームを実現するためのゲーム処理として、ゲームの進行制御を行って表示装置51にゲーム画面を表示させる進行制御処理と、実行中のゲームの制限時間の間に操作入力検出部420によって検出された操作入力をユーザ2のゲーム操作として受け付ける受付制御処理と、受け付けた操作入力種類に応じて当該操作入力に係るスコアを付与するスコア付与処理と、受け付けた操作入力種類と付与するスコアとに従って表示装置51に演出表示を行わせる制御をする演出制御処理と、を行う。
【0081】
通信部450は、例えば無線通信モジュールやルータ、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等で実現される有線或いは無線の通信装置であり、外部装置との間で通信を行う。
【0082】
記憶部470には、エア遊具1を動作させ、エア遊具1が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。
【0083】
また、記憶部470には、制御部410を操作入力検出部420やゲーム処理部430として機能させるためのゲームプログラム471が格納される。
【0084】
[処理の流れについて]
図17は、本実施形態のゲーム処理の流れを示すフローチャートである。ここで説明する処理は、制御部410がゲームプログラム471を読み出して実行することによって実現される。ゲーム処理は、ユーザ2がプレイ対価の支払いを済ませると開始する。また、ゲーム処理に先立ち、操作入力検出部420が操作入力検出処理を開始する。
【0085】
図17に示すように、ゲーム処理では、ゲーム処理部430は、制限時間のカウントを始めて表示装置51へとプレイ画面を表示し、ゲームの進行制御を開始する(ステップS1)。ゲーム中は、ボーナスマークの更新タイミングで次のボーナスマークを選出し、プレイ画面の表示を更新する制御を繰り返す。
【0086】
そして、別途操作入力検出部420が実行している操作入力検出処理で何れかの面状スイッチ(壁用スイッチ60a,60b,60c又は床用スイッチ70d,70e)に対する操作入力が検出された場合には(ステップS3:YES)、ゲーム処理部430は、ボーナスマークの表示との適合判定を行って、判定結果に応じたスコアを付与する(ステップS5)。また、ゲーム処理部430は、検出された操作入力種類や付与されたスコアに従って、プレイ画面における演出表示を制御する(ステップS7)。
【0087】
その後は、制限時間が経過するまでの間は(ステップS9:NO)、ステップS3に戻って上記した処理を繰り返す。制限時間を経過したならば(ステップS9:YES)、ゲーム処理部430は、獲得スコアの表示を含む成績表示を行って(ステップS11)、ゲームを終了する。
【0088】
以上説明したように、本実施形態によれば、エア遊具1における遊戯の興趣性を高めることが可能となる。
【0089】
なお、壁面センサーマット600の配置(つまり壁用スイッチ60の配置)は一例であり、正面および左右の各壁に1つずつ壁用スイッチ60a,60b,60cを配置した構成に限定されない。例えば、左右の壁のみに壁用スイッチを配置した構成とすることもできる。また、出入口315を扉用の空気膜構造部で開閉する構成とし、背面の壁(後壁部)に背面側の壁用スイッチを配置した構成とすることもできる。
【0090】
また、壁用スイッチのみを配置し、床用スイッチは配置しない構成としてもよい。逆に、床用スイッチのみを配置し、壁用スイッチは配置しない構成とすることもできる。
【0091】
また、上記実施形態では、1人のユーザ2がプレイ空間10に入って遊ぶ1人用のエア遊具1を例示した。これに対し、2人以上のユーザが同時にプレイ可能な構成とすることもできる。例えば、ユーザが2人並んでゲームをプレイできるようにプレイ空間形成体の床面積を左右方向(図1等のY方向)に広げて、互いに獲得スコアを競う対戦ゲームを行う構成も可能である。
【0092】
また、プレイ空間形成体の床面積を広げる場合は、ユーザの立ち位置として床用スイッチが配置されないエリアを設け、床用スイッチに対する操作入力をするときにだけ床用スイッチの上に乗る(踏む)ようにしてもよい。その場合は、床用スイッチから入力されるスイッチ信号がオフからオンになったことをもって、当該床用スイッチに対する操作入力を検出すればよい。
【0093】
また、上記実施形態では、面状スイッチとしてメンブレンスイッチを例示したが、マットスイッチを用いて実現することもできる。
【符号の説明】
【0094】
1…エア遊具
3…主筐体
31…プレイ空間形成体
311(311a,311b,311c,311d)…壁構造用空気膜構造部
313…床構造用空気膜構造部
315…出入口
317…スイッチベース用空気膜構造部
33…重り
40…装置本体部
41…送風部
50…モニタ部
51…表示装置
53…スピーカ
600…壁面センサーマット
60(60a,60b,60c)…壁用スイッチ
61,63…接点シート
65…スペーサシート
610…PVCシート
620…センサーマット基板
700…足元センサーマット
70d,70e…床用スイッチ
71,73…接点シート
75…スペーサシート
720…PVCシート
720…センサーマット基板
Ma,Mb,Mc,Md,Me…操作入力マーク
9…副筐体
91…リーダライタ装置
93…硬貨投入装置
400…制御装置
410…制御部
420…操作入力検出部
421…正面側検出部
422…左側検出部
423…右側検出部
424…左足検出部
425…右足検出部
430…ゲーム処理部
450…通信部
470…記憶部
471…ゲームプログラム
80…操作入力部
10…プレイ空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17