(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-25
(45)【発行日】2025-03-05
(54)【発明の名称】輪止めの収納構造および建設機械
(51)【国際特許分類】
B62D 25/08 20060101AFI20250226BHJP
B60T 3/00 20060101ALI20250226BHJP
【FI】
B62D25/08 E
B60T3/00
(21)【出願番号】P 2021119719
(22)【出願日】2021-07-20
【審査請求日】2024-04-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000140719
【氏名又は名称】株式会社加藤製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000512
【氏名又は名称】弁理士法人山田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 雄一
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0045236(US,A1)
【文献】韓国公開実用新案第20-2017-0003064(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 17/00-25/08
B62D 25/14-29/04
B60T 1/00- 7/10
B60P 3/00- 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪を囲むように車体に設けられたタイヤハウス内の前記車輪の径方向に関して外側且つ軸に対して斜め上の位置する
輪止めの収納構造であって、
車体の左右のうち運転室の出入扉が設けられた側に、輪止めを収納可能な収納部を設け、
前記収納部は、水平面に沿って伸びて上面をなす天井部と、車輪と対向する斜めの面をなす斜面部と、前記収納部の後部で垂直面をなす側面部とを備えると共に、車両の左右方向外側に位置する面を開口部として構成し、
前記開口部の下縁にあたる一部が前記開口部の周辺から中央部に向かって上側に突出して突出部を形成し、
前記収納部内の輪止めが前記開口部の外側へ移動することを規制した上で前記輪止めが前記収納部の外へ飛び出すことを防止したこと
を特徴とする輪止めの収納構造。
【請求項2】
前記タイヤハウスは、車両の前後方向に沿って伸びる車体のフレームと、車両の左右方向に関して外側に垂れるフェンダーとを備える
ことを特徴とする請求項1に記載の輪止めの収納構造。
【請求項3】
前記収納部は、車輪の後ろ側にあたるフェンダーに、開口部の孔が形成されること
を特徴とする請求項
2に記載の輪止めの収納構造。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の輪止めの収納構造を備えたことを特徴とする建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械の車輪に使用する輪止めを収納するための構造、およびこれを備えた建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
クレーン等の建設機械においては、停止した車両が不意に動いてしまうことを防止するために輪止めが用いられる。例えばクレーンの場合、作業現場に車両を停止させた後、資材の運搬等の作業を行うにあたって車体からアウトリガを張り出す。この際、車両を停止させてからアウトリガの設置が完了するまでの間に車輪が回転して車体が前後に動いてしまうことを防ぐために、一部の車輪の前後に輪止めが設置される。
【0003】
こうした輪止めは無論、車両の走行時には使用されないので、車両の適当な位置に収納する必要がある。輪止めを収納する部分は、建設機械の種類や規格、機種等によって様々である。例えば前後の車輪同士の間に空間的な余裕がある大型の車両では、車体における前記車輪間の一部に設けた収納箱に輪止めが収納される場合がある。一方、そのような収納箱を設置する空間を確保することが難しい比較的小型の車両においては、後輪の後方に設けられたマットガードの後面上部に、輪止めを収納するための鞘状の構造が設けられることが多い。
【0004】
尚、建設機械における輪止めの収納に関する事項を記載した先行文献としては、例えば下記特許文献1、2等がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-117016号公報
【文献】特開2003-312455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
こうした輪止めは、特に建設機械においては必要な器具であるが、一方で車輪に対して一定以上のサイズが要求され、且つ形状も特殊(略三角柱状)な嵩張る物体でもあり、建設機械の種類や規格等によっては、輪止めを不使用時に収納するための適当な空間を確保することが難しい場合がある。例えば一般的な運送用のトラックのような車両であれば、その用途上、何らかの物体を収納し得る空間がそもそも大きく設計されているので、たとえ輪止めが多少嵩張るとしても、収納のための空間の確保に困ることはない。しかしながら、例えばクレーン車のような建設機械の場合、クレーンやそれを動作させるための機器類が車体の各所に設置され、それら機器類によって車体上の空間の多くが占められ、輪止めのような物体を収納し得るような空間的な余裕が少ない場合がある。特に、比較的小型の建設機械においては、こうした収納のための空間確保の困難さは顕著である。
【0007】
そこで、建設機械では、例えば上に述べたように、後輪のマットガードの後面上部に輪止めを収納する構造が採用されることが多い(特許文献1,2に記載の車両においても、同様の位置に輪止めが収納される)。ところが、この位置は車体の前部に設置される運転席からは遠い。輪止めがこのような位置に収納されていると、輪止めの使用時や設置時にオペレータが車体の前部と後部の間を行き来する必要があり、不便である。このように、建設機械においては、嵩張る物体である輪止めを適当な位置に収納することが難しいという問題があった。
【0008】
本発明は、斯かる実情に鑑み、輪止めの収納のための空間を好適に確保し得る輪止めの収納構造および建設機械を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、車輪を囲むように車体に設けられたタイヤハウス内の前記車輪の径方向に関して外側且つ軸に対して斜め上の位置する輪止めの収納構造であって、
車体の左右のうち運転室の出入扉が設けられた側に、輪止めを収納可能な収納部を設け、
前記収納部は、水平面に沿って伸びて上面をなす天井部と、車輪と対向する斜めの面をなす斜面部と、前記収納部の後部で垂直面をなす側面部とを備えると共に、車両の左右方向外側に位置する面を開口部として構成し、
前記開口部の下縁にあたる一部が前記開口部の周辺から中央部に向かって上側に突出して突出部を形成し、
前記収納部内の輪止めが前記開口部の外側へ移動することを規制した上で前記輪止めが前記収納部の外へ飛び出すことを防止したこと
を特徴とする輪止めの収納構造にかかるものである。
【0010】
本発明の輪止めの収納構造においては、前記タイヤハウスは、車両の前後方向に沿って伸びる車体のフレームと、車両の左右方向に関して外側に垂れるフェンダーとを備えてもよい。
【0011】
本発明の輪止めの収納構造において、前記収納部は、車輪の後ろ側にあたるフェンダーに、開口部の孔が形成されてもよい。
【0012】
また、本発明は、上述の輪止めの収納構造を適用したことを特徴とする建設機械にかかるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の輪止めの収納構造および建設機械によれば、輪止めの収納のための空間を好適に確保するという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の適用対象である建設機械の全体像の一例を示す側面図である。
【
図3】
図1の建設機械における輪止めの収納構造およびその周辺の形態を示す斜視図である。
【
図4】
図3の輪止めの収納構造を別の角度から見た斜視図である。
【
図5】輪止めの収納構造に輪止めを収納した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0016】
図1は本発明の実施による輪止めの収納構造を適用した建設機械の形態の一例を示している。尚、ここでは建設機械としてクレーン車を想定している。
【0017】
建設機械としてのクレーン車1は、
図1に示す如く、車体2の上部に旋回台3を介してブーム4を備えている。ブーム4は、基部を旋回台3に対し水平な軸を中心に回転可能に支持されており、図示しない油圧式の起伏シリンダの伸縮により、旋回台3に対して起伏動作を行うようになっている。ブーム4は、複数の筒体がテレスコピック状に連結された構造であり、図示しない油圧機構により伸縮可能に構成されている。
【0018】
車体2の前後には、車輪(前輪6aおよび後輪6b)が設けられており、各車輪6a,6bは、車両前後方向に沿って伸びる車体2のフレームと、車体2の左右方向に関して外側に垂れるフェンダー7によって形成されたタイヤハウス8にそれぞれ包囲されている。
【0019】
車体2の上部には運転室9が設置され、該運転室9の左右方向に関して片側(ここに示した例では右側;
図1の紙面に関して手前側)には出入扉10が設けられている。出入扉10の位置は、車両の前後方向に関して前輪6aと後輪6bの間である。車輪6a,6bより高い位置に設けられた出入扉10の下方には複数段の昇降段11が設けられ、運転室9に対しオペレータが昇降段11を踏んで昇降できるようになっている。
【0020】
ここに示したクレーン車1の場合、車輪6a,6bのうち前輪6aを駆動輪と想定しており、この駆動輪である前輪6aには、必要に応じて
図1に示す如く輪止め12が使用される。
【0021】
輪止め12は、例えば
図2に示す如く、使用時において地面に接する接地面12aと、使用時において車輪6aに接する接輪面12bとを側面に有する略三角柱状の物体である。接地面12aは、平らな地面に接することを想定して全体として平らに形成されていると共に、地面との摩擦を高めるために鋸歯状の形状が施されている。接輪面12bは、車輪6aに接することを想定して凹状の円筒面状に形成されている。使用時には、一対の輪止め12が接地面12aを下に向け、接地面12aと接輪面12bに挟まれた鋭角部12cを車輪6aと地面の間に差し込むようにして車輪6aに対し前後に設置される(
図1参照)。こうして、駆動輪である車輪(前輪)6aは、前後に転動しないよう拘束される。
【0022】
このような輪止め12は、クレーン車1の走行時等、使用しない間はクレーン車1の何処かに収納する必要がある。本実施例の場合、前輪6a側のタイヤハウス8における前輪6aの後方斜め上(
図1においては、左上)の位置に、輪止め12を収納するための構造である収納部13を設けている。
【0023】
収納部13の設置位置と形態について説明する。本実施例では、上述の如く運転室9の出入扉10が車両の右側に設置され、駆動輪は前輪6aである場合を想定している。このようなクレーン車1において、収納部13は、車体2の左右のうち、運転室9の出入扉10が設けられた側(右側)に設けられ、且つ、輪止め12の設置対象である前輪6aのタイヤハウス8に設けられている。また、前輪6aのタイヤハウス8における収納部13の設置位置は、車両の前後方向に関して出入扉10に近い側(後ろ側)である。
【0024】
収納部13の形態を
図3、
図4に示す。一般に、車輪を収容するタイヤハウスには、車輪の径方向に関して外側且つ前記車輪の軸に対して斜め上にあたる領域に、縦横に伸びる車体側の構成部材と、車輪の円周面とに囲まれた側面視で三角形状の空間が存在する。本実施例における収納部13は、そのような空間に設けられた全体として略三角柱状の箱型の部材であり、内部に
図5に示す如く輪止め12を収納して使用される。
【0025】
車輪6aの径方向に関して外側且つ車輪6aの軸に対して後方斜め上の位置に設けられた収納部13は、水平面に沿って伸びて上面をなす天井部13aと、車輪6aと対向する斜めの面をなす斜面部13bと、車両に関して収納部13の後部で垂直面をなす側面部13cに囲まれた側面視で三角形状の内部空間を有している。車両の左右方向に関して外側(本実施例の場合、右側;
図1の紙面に関して手前側)から見て収納部13の手前側の面は略三角形状の開口部13dとして構成され、奥側は垂直面をなす奥面部13eによって塞がれている。開口部13dは、車両の左右方向外側に設けられたフェンダー7の位置に設けられている。
【0026】
言い換えると、タイヤハウス8の構成部材のうち、車輪6aの後ろ側にあたるフェンダー7には、収納部13の開口部13dにあたる孔が形成されており、ここから車両の左右方向に関して内側に向け、収納部13のなす収納空間が伸びている形である。
【0027】
このように形成された収納部13の内部に、
図5に示す如く一対の輪止め12が収納される。収納部13に対する輪止め12の向きや姿勢は、輪止め12を好適に収納しうる限りにおいてどのようであってもよいが、例えばここに示す如く、鋭角部12cを下に向け、斜面部13bと側面部13cの間に鋭角部12cが位置するような姿勢で、2個の輪止め12を車両の左右方向に並べるように収納するとよい。このように、本実施例の収納部13は簡便な構造で輪止め12をタイヤハウス8内の空間に好適に収納することができる。
【0028】
また、本実施例の場合、このように輪止め12を収納部13に収納した状態において、輪止め12を収納部13内に留め置くための構造として突出部13fを備えている。開口部13dの縁をなすフェンダー7の部材は、下縁にあたる一部が開口部13dの周辺から中央部に向かって上側に突出して突出部13fをなしている(
図4参照;
図4には、フェンダー7の奥側に位置する収納部13の輪郭を破線で示しており、開口部13dの下縁に設けられた突出部13fは、破線で示された開口部13dの下縁から上方へ突出している)。例えばクレーン車1の走行に伴う振動等によって収納部13内の輪止め12が開口部13d側に寄ってくるようなことがあったとしても、開口部13dの下縁部に突出部13fが存在していることにより、輪止め12が開口部13dを越えて車両の左右方向外側へ移動することは妨げられ、輪止め12が収納部13の外へ飛び出すような事態は防止される。尚、ここでは突出部13fを開口部13dの下縁に設けた場合を説明したが、ここに示した例のように車両の左右方向に関して内側に向けて収納空間が伸びる形の収納部を設ける場合、輪止めの飛び出しを防ぐための突出部は開口部の下縁以外の部分に設けてもよく、例えば開口部の全周に設けてもよい。ただし、輪止めの飛び出しを効果的に防ぐためには、突出部を開口部の少なくとも下縁に設けるようにすると好適である。
【0029】
以上が本実施例における輪止め12の収納構造である。車両において、本実施例のような位置に輪止め12を収納するための収納部13を設けることには、いくつかのメリットがある。まず、タイヤハウス8の上部に存在する車体2側の構成部材と車輪6aに囲まれた空間は、形状と寸法が輪止め12の収納に適している。
【0030】
上に述べたように、輪止め12は一定の大きさと略三角柱状の形状を有する嵩張る物体である。一方、タイヤハウス8上部の前記空間は、側面視で三角形状をなす特殊な形状を有し、しかも車輪6aと隣接していることから、一般的な機器や資材等を収納するには向かず、用途をもたないデッドスペースとなりがちである。
【0031】
ここで、タイヤハウス8上部の前記空間の下方には、該空間と対称をなすように、地面と車輪6aに挟まれたほぼ同形の空間が存在する。そして、輪止め12はその下側の空間に配置して使用される物品である。つまり、輪止め12はその用途上、タイヤハウス8上部の前記空間と同じ形の空間にちょうど収まるような形状および寸法の物体として形成される。したがって、タイヤハウス8上部の前記空間は、輪止め12を収納する目的に必然的に適しているのである。嵩張る物体である輪止め12を、デッドスペースとなりがちな前記空間に収納することにより、大小の機器類を搭載し、機器類の設置や収納のための空間が限定されがちな建設機械(クレーン車1)において、空間の有効利用を図ることができる。
【0032】
また、このようにタイヤハウス8の位置に収納部13を設置すると、該輪止め12の使用時の設置対象である車輪6aの近傍に輪止め12が収納されることになり、輪止め12の設置や収納にあたって便利である。例えば従来(特許文献1、2参照)のように、車両を停止した後に運転室から輪止めの収納された車両後部へ移動して輪止めを取り出し、さらに車輪の位置まで移動して輪止めを設置するといった手間は必要なく、運転室9から降りたら輪止め12の設置対象である前輪6aの位置まで直接移動し、そこで収納部13から輪止め12を取り出して設置すればよい。
【0033】
ここで、本実施例ではさらに、車両の左右に関して出入扉10と同じ側(右側)に収納部13を備えているので、輪止め12の設置や収納に際し、車両の左右を移動する必要はない。運転室9への出入りと、輪止め12の設置・収納を車両の左右に関して同じ側で実行できる。
【0034】
また、車両の移動を確実に防止する観点から、輪止め12の設置対象とする車輪は駆動輪であることが好ましいが、本実施例ではこの点に鑑み、駆動輪である前輪6aのタイヤハウス8に収納部13を備えている。したがって、例えば駆動輪ではない車輪のタイヤハウスに備えた収納部から輪止めを取り出し、駆動輪の位置に移動して輪止めを設置するといった手間が不要で、輪止め12の設置・収納作業がより簡便である。
【0035】
しかも、本実施例では、収納部13の設置対象(駆動輪)である車輪6aに対し、出入扉10に近い側(本実施例では駆動輪である前輪6aの後ろに出入扉10が設けられているので、前輪6aの後ろ側にあたる位置)に収納部13を配置している。こうすることにより、運転室9から収納部13へのアクセスを容易にし、輪止め12の設置・収納作業をいっそう簡便にすることができる。
【0036】
尚、収納部の好適な設置位置は、車両の構成によって様々に変わり得る。例えば、運転室の出入扉が車両の左側にある場合には、車両の左側のタイヤハウスに収納部を設けるとよいし、駆動輪が後輪であれば、後輪のタイヤハウスに収納部を設けるとよい。また、輪止めの設置対象である駆動輪に対して運転室の出入扉が前方に位置する場合には、駆動輪である車輪の前方に収納部を設けるとよい。
【0037】
また、ここでは本発明の適用対象としてクレーン車を想定して説明したが、本発明を適用する建設機械の種類はこれに限定されない。車輪を備え、輪止めを収納する必要のある建設機械であれば、種々の建設機械に対して本発明を適用することができる。収納部についても、ここでは箱状の形態を例に説明したが、例えば輪止めを差し込む鞘状の部材として収納部を構成してもよい。上述の如くタイヤハウスの上部の空間に設置することができ、且つ輪止めを好適に収容し得る構造である限りにおいて、収納部としては各種の構造を採用し得る。また、輪止めに関しても、輪止めとしての機能を果たし、且つタイヤハウス上部の空間に設けた収納部に収納し得る限りにおいて、上に述べた以外にも適宜の形態の輪止めを用い得る。
【0038】
以上のように、本実施例の輪止めの収納構造は、車輪6aを囲むように車体2に設けられたタイヤハウス8内の車輪6aの径方向に関して外側且つ軸に対して斜め上の位置に、輪止め12を収納可能な収納部13を設けて構成されている。このようにすれば、デッドスペースとなりがちなタイヤハウス8の上部の空間に輪止め12を収納することにより、空間の有効利用を図ることができる。
【0039】
また、本実施例の輪止めの収納構造においては、車体2の左右のうち、運転室9の出入扉10が設けられた側に位置する車輪6aのタイヤハウス8に、収納部13が設けられている。このようにすれば、輪止め12の設置や収納に際し、車両の左右を移動する必要がなく、運転室9への出入りと、輪止め12の設置・収納を車両の左右に関して同じ側で実行できる。
【0040】
また、本実施例の輪止めの収納構造において、収納部13は、車体2の左右方向に関して外側に設けられた開口部13dから内側へ伸びる収納空間を有する。このようにすれば、簡便な構造で輪止め12をタイヤハウス8内の空間に好適に収納することができる。
【0041】
また、本実施例においては、上述の輪止めの収納構造を建設機械(クレーン車)1に適用しているので、建設機械1において上記と同様の作用効果を奏することができる。
【0042】
したがって、上記本実施例によれば、輪止めの収納のための空間を好適に確保し得る。
【0043】
尚、本発明の輪止めの収納構造および建設機械は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0044】
1 建設機械(クレーン車)
6a 車輪(前輪)
8 タイヤハウス
9 運転室
10 出入扉
12 輪止め
13 収納部
13d 開口部