(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-25
(45)【発行日】2025-03-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/14 20060101AFI20250226BHJP
【FI】
G08G1/14 A
(21)【出願番号】P 2021184386
(22)【出願日】2021-11-11
【審査請求日】2024-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000155469
【氏名又は名称】株式会社野村総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【氏名又は名称】石井 裕充
(72)【発明者】
【氏名】松下 真人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 恵子
(72)【発明者】
【氏名】皆川 渉
(72)【発明者】
【氏名】山田 直輝
(72)【発明者】
【氏名】岡田 強志
(72)【発明者】
【氏名】林 紀之
【審査官】櫻田 正紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-199298(JP,A)
【文献】特開2019-096086(JP,A)
【文献】特開2009-115679(JP,A)
【文献】特開2018-010396(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を含む情報処理装置であって、前記制御部は、
駐車場での駐車に関する駐車関連情報から、前記駐車場内の1以上の駐車スペースにつき駐車難易度を推定することと、
前記駐車難易度を、前記駐車場内を又は前記駐車場から所定距離内を走行する車両の運転者に提示することと、
過去に車両が前記1以上の駐車スペースに駐車した際の当該車両の駐車の際に左右に駐車していた車両の有無、当該車両の駐車までの所要時間又は移動速度、及び当該車両の車格を含む客観的事実を提示することと、
を含む動作を実行する、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記提示することは、前記車両に提示することと、前記運転者によって操作されるユーザ端末に提示することとの少なくとも一方を含む、情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置において、
前記動作は、前記1以上の駐車スペースのそれぞれに前記駐車難易度を関連付けて表示する画像を提示することを含む、情報処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記駐車関連情報は複数の項目を含む、情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置において、
前記複数の項目のそれぞれは重み付けされ、
前記動作は、前記複数の項目のそれぞれの重み付けを用いて、前記駐車難易度を推定することを含む、情報処理装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の情報処理装置において、
前記動作は、前記複数の項目のそれぞれに点数を付与し、点数の合計点から前記駐車難易度を推定することを含む、情報処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至
6のいずれか一項に記載の情報処理装置が搭載された車両。
【請求項8】
情報処理装置としてのコンピュータに、
駐車場での駐車に関する駐車関連情報から、前記駐車場内の1以上の駐車スペースにつき駐車難易度を推定することと、
前記駐車難易度を、前記駐車場内を又は前記駐車場から所定距離内を走行する車両の運転者に提示することと、
過去に車両が前記1以上の駐車スペースに駐車した際の当該車両の駐車の際に左右に駐車していた車両の有無、当該車両の駐車までの所要時間又は移動速度、及び当該車両の車格を含む客観的事実を提示することと、
を含む動作を実行させるプログラム。
【請求項9】
請求項
8に記載のプログラムにおいて、
前記提示することは、前記車両に提示することと、前記運転者によって操作されるユーザ端末に提示することとの少なくとも一方を含む、プログラム。
【請求項10】
請求項
8又は
9に記載のプログラムにおいて、
前記動作は、前記1以上の駐車スペースのそれぞれに前記駐車難易度を関連付けて表示する画像を提示することを含む、プログラム。
【請求項11】
請求項
8乃至
10のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記駐車関連情報は複数の項目を含む、プログラム。
【請求項12】
請求項
11に記載のプログラムにおいて、
前記複数の項目のそれぞれは重み付けされ、
前記動作は、前記複数の項目のそれぞれの重み付けを用いて、前記駐車難易度を推定することを含む、プログラム。
【請求項13】
請求項
11又は
12に記載のプログラムにおいて、
前記動作は、前記複数の項目のそれぞれに点数を付与し、点数の合計点から前記駐車難易度を推定することを含む、プログラム。
【請求項14】
情報処理装置による情報処理方法であって、
駐車場での駐車に関する駐車関連情報から、前記駐車場内の1以上の駐車スペースにつき駐車難易度を推定することと、
前記駐車難易度を、前記駐車場内を又は前記駐車場から所定距離内を走行する車両の運転者に提示することと、
過去に車両が前記1以上の駐車スペースに駐車した際の当該車両の駐車の際に左右に駐車していた車両の有無、当該車両の駐車までの所要時間又は移動速度、及び当該車両の車格を含む客観的事実を提示することと、
を含む情報処理方法。
【請求項15】
請求項
14に記載の情報処理方法において、
前記提示することは、前記車両に提示することと、前記運転者によって操作されるユーザ端末に提示することとの少なくとも一方を含む、情報処理方法。
【請求項16】
請求項
14又は
15に記載の情報処理方法において、
前記1以上の駐車スペースのそれぞれに前記駐車難易度を関連付けて表示する画像を提示することを含む、情報処理方法。
【請求項17】
請求項
14乃至
16のいずれか一項に記載の情報処理方法において、
前記駐車関連情報は複数の項目を含む、情報処理方法。
【請求項18】
請求項
17に記載の情報処理方法において、
前記複数の項目のそれぞれは重み付けされ、
前記複数の項目のそれぞれの重み付けを用いて、前記駐車難易度を推定することを含む、情報処理方法。
【請求項19】
請求項
17又は
18に記載の情報処理方法において、
前記複数の項目のそれぞれに点数を付与し、点数の合計点から前記駐車難易度を推定することを含む、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、施設に関連した駐車場に駐車待ち車列がある場合には、駐車待ち車列の最後尾の位置を特定し、最後尾の位置を目標地点として経路探索を行う技術が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、駐車場の混雑が低減されない。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、駐車場の混雑を低減することができる情報処理装置、プログラム及び情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、
制御部を含む情報処理装置であって、前記制御部は、
駐車場での駐車に関する駐車関連情報から、前記駐車場内の1以上の駐車スペースにつき駐車難易度を推定することと、
前記駐車難易度を、前記駐車場内を又は前記駐車場から所定距離内を走行する車両の運転者に提示することと、
を含む動作を実行する。
【0007】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
情報処理装置としてのコンピュータに、
駐車場での駐車に関する駐車関連情報から、前記駐車場内の1以上の駐車スペースにつき駐車難易度を推定することと、
前記駐車難易度を、前記駐車場内を又は前記駐車場から所定距離内を走行する車両の運転者に提示することと、
を含む動作を実行させる。
【0008】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、
情報処理装置による情報処理方法であって、
駐車場での駐車に関する駐車関連情報から、前記駐車場内の1以上の駐車スペースにつき駐車難易度を推定することと、
前記駐車難易度を、前記駐車場内を又は前記駐車場から所定距離内を走行する車両の運転者に提示することと、
を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態による情報処理装置、プログラム及び情報処理方法によれば、駐車場の混雑を低減することができる
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態の情報処理システムの概略図である。
【
図2】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図6】駐車スペースDB(database)のデータ構造を示す図である。
【
図8】情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本実施形態の情報処理システムSの概略図である。情報処理システムSは情報処理装置1と車両2とユーザ端末3とを含む。車両2はユーザU01によって運転される。情報処理装置1はネットワークNWを介して車両2とユーザ端末3とに通信可能である。ネットワークNWは、例えば移動体通信網又はインターネットを含む。
【0012】
図1では説明の簡便のため、情報処理装置1は1つ図示される。しかし、情報処理装置1の数はこれに限られない。例えば、情報処理装置1が実行する処理は、分散配置された複数の情報処理装置1によって実行されてよい。
【0013】
本実施形態の情報処理装置1が実行する処理の概要が説明される。情報処理装置1の制御部11は、駐車場での駐車に関する駐車関連情報から、駐車場内の1以上の駐車スペースにつき駐車難易度を推定することと、駐車難易度を、駐車場内を又は駐車場から所定距離内を走行する車両2の運転者に提示することと、を実行する。この構成により情報処理装置1は、運転者にとって時間がかかりそうな駐車を避けさせることができるので、駐車場の混雑を低減することができる。
【0014】
情報処理装置1は、事業者によるサービスの提供を支援するサーバであってよい。情報処理装置1は、例えば、事業者専用の施設、又はデータセンタを含む共用の施設に設置されてよい。代替例として、情報処理装置1は車両2に搭載されてよい。
【0015】
車両2は、例えば、ガソリン車、ディーゼル車、HEV、PHEV、BEV、又はFCEVなどの任意の種類の自動車を含む。「HEV」は、hybrid electric vehicleの略語である。「PHEV」は、plug-in hybrid electric vehicleの略語である。「BEV」は、battery electric vehicleの略語である。「FCEV」は、fuel cell electric vehicleの略語である。車両2は、本実施形態では運転者によって運転される。代替例として車両2の運転は、任意のレベルで自動化されてよい。自動化のレベルは、例えば、SAEのレベル分けにおけるレベル1からレベル5のいずれかである。「SAE」は、Society of Automotive Engineersの略語である。車両2は、MaaS専用車両でもよい。「MaaS」は、Mobility as a Serviceの略語である。
【0016】
ユーザ端末3は、ユーザU01によって操作される端末である。ユーザ端末3は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、ウェアラブル機器、若しくはタブレットなどのモバイル機器である。代替例としてユーザ端末3は、PCなどの汎用機器、又は専用機器であってよい。「PC」は、personal computerの略語である。
【0017】
図2を参照して情報処理装置1の内部構成が詳細に説明される。
【0018】
情報処理装置1は、制御部11と通信部12と記憶部13とを含む。情報処理装置1の各構成要素は、例えば専用線を介して互いに通信可能に接続される。
【0019】
制御部11は例えば、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)を含む1つ以上の汎用プロセッサを含む。制御部11は、特定の処理に特化した1つ以上の専用プロセッサを含んでよい。制御部11は、プロセッサを含む代わりに、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってよい。制御部11は、ECU(Electronic Control Unit)を含んでもよい。
【0020】
通信部12は、ネットワークに接続するための、1つ以上の有線又は無線LAN(Local Area Network)規格に対応する通信モジュールを含む。通信部12は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、又は5G(5th Generation)を含む1つ以上の移動体通信規格に対応するモジュールを含んでよい。通信部12は、Bluetooth(登録商標)、AirDrop(登録商標)、IrDA、ZigBee(登録商標)、Felica(登録商標)、又はRFIDを含む1つ以上の近距離通信の規格又は仕様に対応する通信モジュール等を含んでよい。通信部12は、ネットワークを介して任意の情報を送信及び受信する。
【0021】
記憶部13は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、光メモリ、又はこれらのうち少なくRAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部13は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部13は、制御部11によって分析又は処理された結果の情報を記憶してよい。記憶部13は、情報処理装置1の動作又は制御に関する各種情報等を記憶してよい。記憶部13は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してよい。
【0022】
図3を参照して車両2の内部構成が詳細に説明される。
【0023】
車両2は、制御部21と通信部22と記憶部23と表示部24とを含む。車両2の各構成要素は、例えば専用線を介して互いに通信可能に接続される。
【0024】
車両2の制御部21と通信部22と記憶部23とのハードウェア構成は、情報処理装置1の制御部11と通信部12と記憶部13とのハードウェア構成と同一であってよい。ここでの説明は省略される。
【0025】
表示部24は例えば、ディスプレイである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。「LCD」は、liquid crystal displayの略語である。「EL」は、electro luminescenceの略語である。表示部24は、車両2に備えられる代わりに、外部の出力機器として車両2に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0026】
図4を参照してユーザ端末3の内部構成が詳細に説明される。
【0027】
ユーザ端末3は、制御部31と通信部32と記憶部33と表示部34とを含む。ユーザ端末3の各構成要素は、例えば専用線を介して互いに通信可能に接続される。
【0028】
ユーザ端末3の制御部31と通信部32と記憶部33と表示部34とのハードウェア構成は、車両2の制御部21と通信部22と記憶部23と表示部24とのハードウェア構成と同一であってよい。ここでの説明は省略される。
【0029】
以下、本実施形態の情報処理システムSで実行される処理が詳細に説明される。ここでは一例として、
図5に示されるように車両2が駐車場PAに駐車する場面が説明される。駐車場PAは、空いている1以上の駐車スペースPS01乃至PS06を含む。
【0030】
情報処理装置1の制御部11は、車両2の位置情報等を用いて、駐車場PA内を、又は、駐車場PAから所定距離内を車両2が走行するか否かを判定する。
【0031】
制御部11は、駐車場PA内を又は駐車場PAから所定距離内を車両2が走行すると判定すると、空いている1以上の駐車スペースPS01乃至PS06のそれぞれにつき、駐車難易度を推定する。具体的には制御部11は、各駐車スペースにつき、駐車場PAでの駐車に関する駐車関連情報を判定する。
図6に示されるように、制御部11は、駐車関連情報を記憶部13の駐車スペースDBに記憶する。ここでの駐車関連情報は例えば次の複数の項目を含むが、これらに限られない。
・切り返しの多さ
・通路の狭さ
・駐車スペースの狭さ
・左右に駐車している車両の有無
・駐車までの所要時間
【0032】
代替例として制御部11は、車両2の位置にかかわらず、駐車難易度の推定を定期的又は不定期的に実行してよい。
【0033】
複数の項目が詳細に説明される。
【0034】
「切り返しの多さ」は、過去に各駐車スペースに駐車した1以上の車両が、各駐車スペースに駐車をするために行った切り返しの回数の多さを示す。1以上の車両は、任意の車両であってよいし、車両2と同一又は類似の車格(例えば車幅、全長、価格、メーカー、性能、車種)を有する車両であってもよい。過去の情報は記憶部13に記憶されている。各車両での切り返しの回数は、例えば舵角センサから判定される。制御部11は、切り返しの回数の平均値が高いほど、高い点数を付与する。例えば制御部11は、切り返しの回数の平均値を、平均値の高さに応じて5段階に分類して、段階が高い順に20、15、10、5又は0点を付与してよい。
【0035】
「通路の狭さ」は、各駐車スペースに駐車するまでに車両2が通過する通路の幅の狭さを示す。通路の幅は駐車場PAの管理者によってあらかじめ登録されてよいし、過去に車両によって撮像された画像から測定されてよい。通路の狭さは車両2の車幅に応じて判定されてよい。制御部11は、通路が狭いほど、高い点数を付与する。例えば制御部11は、通路の狭さを、狭さに応じて5段階に分類して、段階が高い順に20、15、10、5又は0点を付与してよい。
【0036】
「駐車スペースの狭さ」は、各駐車スペースの面積の狭さを示す。各駐車スペースの狭さは、駐車場PAの管理者によってあらかじめ登録されてよいし、過去に車両によって撮像された画像から測定されてよい。制御部11は、駐車スペースが狭いほど、高い点数を付与する。例えば制御部11は、駐車スペースの狭さを、狭さに応じて5段階に分類して、段階が高い順に20、15、10、5又は0点を付与してよい。
【0037】
「左右に駐車している車両の有無」は、車両2が駐車を行う時点で、各駐車スペースの左又は右に駐車している他車両が存在するか否かを示す。各駐車スペースの左又は右に駐車している車両が存在するか否かは、駐車場PAの管理者によって登録された情報から判定されてよいし、駐車場PAに設置されたカメラの撮像画像から判定されてよい。制御部11は、左右に駐車している車両が多いほど、高い点数を付与してよい。例えば制御部11は、各駐車スペースにつき、左右のどちらにも車両が駐車していなければ0点を付与してよい。制御部11は、左右のどちらかに車両が駐車していれば10点を付与してよい。制御部11は、左右の両方に車両が駐車していれば20点を付与してよい。制御部11は、左又は右に駐車スペースが存在せず壁が存在する場合は、左又は右に車両が駐車しているとみなして点数を付与してよい。
【0038】
「駐車までの所要時間の長さ」は、過去に各駐車スペースに駐車した1以上の車両が、各駐車スペースに駐車をするために要した時間の長さを示す。1以上の車両は、任意の車両であってよいし、車両2と同一又は類似の車格を有する車両であってもよい。駐車をするために要した時間は、例えば車両が駐車場PAに入ってから駐車スペースに駐車するまでの時間を測定することによって判定されてよい。制御部11は、所要時間の長さの平均値が長いほど、高い点数を付与する。例えば制御部11は、所要時間の長さの平均値を、平均値の高さに応じて5段階に分類して、段階が高い順に20、15、10、5又は0点を付与してよい。
【0039】
追加例として又は代替例として、駐車難易度の項目は、過去に1以上の車両が各駐車スペースに駐車した際の移動速度であってよい。
【0040】
図6では複数の項目のそれぞれにつき点数は20点満点である。代替例として複数の項目のそれぞれは重み付けされてよい。例えば制御部11は、「切り返しの多さ」を60点満点とし、その他の項目のそれぞれを10点満点としてもよい。
【0041】
図6に示されるように、制御部11は各駐車スペースにつき、各項目の点数の合計点を算出する。例えば駐車スペースPS01の合計点は、15+15+20+20+15=85(点)である。同様に駐車スペースPS02の合計点は50点である。駐車スペースPS03の合計点は40点である。
【0042】
制御部11は、合計点に応じて、各駐車スペースの駐車難易度を推定する。例えば制御部11は、合計点が基準値(例えば55点)より高ければ駐車難易度を「難」と推定し、合計点が別の基準値(例えば45点)より低ければ駐車難易度「易」と推定し、それ以外の場合に駐車難易度を「並」と判定する。代替例として駐車難易度は合計点そのものであってもよいし、合計点と「難」等の文字との両方であってもよい。
【0043】
制御部11は、推定された駐車難易度を提示する。提示は、画像と音声との少なくとも一方によって行われる。例えば制御部11は、駐車場PAの1以上の駐車スペースのそれぞれに、駐車難易度を関連付けて表示する画像情報を生成する。制御部11は、画像情報を車両2又はユーザ端末3に送信する。
図7に示されるように、車両2の表示部24又はユーザ端末3の表示部34は、受信した画像情報に対応する画像を表示する。ユーザU01は、表示された画像を視認する。ユーザU01は、駐車難易度を参考に、いずれの駐車スペースに車両2を駐車するかを決定する。
【0044】
追加例として制御部11は、過去に車両が1以上の駐車スペースに駐車した際の客観的事実を車両2又はユーザ端末3に提示してよい。客観的事実は記憶部13に記憶され、例えば次の情報を含む。
・駐車スペースに駐車するために行われた切り返しの回数
・通路の幅
・駐車スペースの広さ
・駐車の際に左右に駐車していた車両の有無
・駐車までの所要時間又は移動速度
・駐車した車両の車格
【0045】
図8を参照して、情報処理装置1の制御部11による情報処理方法が説明される。
【0046】
ステップS1にて制御部11は、記憶部13内の駐車関連情報を参照する。
【0047】
ステップS2にて制御部11は、駐車関連情報から、駐車場PA内の1以上の駐車スペースにつき駐車難易度を推定する。
【0048】
ステップS3にて制御部11は、駐車場PAから所定距離内に車両2を検知したか否かを判定する。代替例として制御部11は、駐車場PA内に車両2を検知したか否かを判定してよい。
【0049】
ステップS3にてNoのとき制御部11は、フローを終了する。
【0050】
ステップS3にてYesのとき制御部11はステップS4にて、車両2の運転者に駐車難易度を提示する。
【0051】
以上述べたように本実施形態によれば、情報処理装置1の制御部11は、駐車場PAでの駐車に関する駐車関連情報から、駐車場PA内の1以上の駐車スペースにつき駐車難易度を推定することと、駐車難易度を、駐車場PA内を又は駐車場PAから所定距離内を走行する車両2の運転者に提示することと、を含む動作を実行する。この構成により情報処理装置1は、運転者にとって時間がかかりそうな駐車を避けさせることができるので、駐車場の混雑を低減することができる。
【0052】
また本実施形態によれば、提示することは、車両2に提示することと、運転者によって操作されるユーザ端末3に提示することとの少なくとも一方を含む。この構成により、様々な提示が可能である。
【0053】
また本実施形態によれば、動作は、1以上の駐車スペースのそれぞれに駐車難易度を関連付けて表示する画像を提示することを含む。この構成により情報処理装置1は、駐車スペースごとの駐車難易度を運転者に容易に認識させることができる。
【0054】
また本実施形態によれば、駐車関連情報は複数の項目を含む。複数の項目のそれぞれは重み付けされる。動作は、複数の項目のそれぞれの重み付けを用いて、駐車難易度を推定することを含む。この構成により情報処理装置1は、比較的重要な項目に大きな重みを付けることができるので、駐車難易度を的確に推定することができる。
【0055】
また本実施形態によれば、動作は、複数の項目のそれぞれに点数を付与し、点数の合計点から駐車難易度を推定することを含む。この構成により情報処理装置1は、駐車難易度を総合的に推定することができる。
【0056】
また本実施形態によれば、動作は、過去に車両が1以上の駐車スペースに駐車した際の客観的事実を提示することを含む。この構成により情報処理装置1は、具体的な事例を運転者に通知することができるので、駐車難易度を具体的に認識させることができる。
【0057】
本開示が諸図面及び実施例に基づき説明されるが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。例えば、各手段又は各ステップに含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段又はステップを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0058】
例えば、上記の実施形態において、情報処理装置1の機能又は処理の全部又は一部を実行するプログラムは、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読取り可能な記録媒体は、非一時的なコンピュータ読取可能な媒体を含み、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記録したDVD(Digital Versatile Disc)又はCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。またプログラムの流通は、プログラムを任意のサーバのストレージに格納しておき、任意のサーバから他のコンピュータにプログラムを送信することにより行ってもよい。またプログラムはプログラムプロダクトとして提供されてもよい。本開示は、プロセッサが実行可能なプログラムとしても実現可能である。
【0059】
コンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【符号の説明】
【0060】
1 情報処理装置
11 制御部
12 通信部
13 記憶部
2 車両
21 制御部
22 通信部
23 記憶部
24 表示部
3 ユーザ端末
31 制御部
32 通信部
33 記憶部
34 表示部