(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-25
(45)【発行日】2025-03-05
(54)【発明の名称】容器における改良およびそれに関連する改良
(51)【国際特許分類】
G21F 9/36 20060101AFI20250226BHJP
G21F 5/005 20060101ALI20250226BHJP
G21F 5/12 20060101ALI20250226BHJP
【FI】
G21F9/36 501C
G21F5/005
G21F5/12 D
G21F9/36 521
(21)【出願番号】P 2021576735
(86)(22)【出願日】2020-07-03
(86)【国際出願番号】 GB2020051605
(87)【国際公開番号】W WO2021005342
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2023-06-07
(32)【優先日】2019-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】521560148
【氏名又は名称】カプサ ソリューションズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ヒル ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ファレル マーク
【審査官】後藤 慎平
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-020075(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0246375(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21F 9/00-9/36
G21F 5/005
G21F 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レセプタクル(20)を閉じるための蓋(10)であって、前記蓋は、
閉じられるレセプタクルの開口部と実質的に一致するように配置された静止部(18)と、
前記静止部に結合された複数の旋回アーム(11)と、
手段(12)であって、前記複数の旋回アームが前記静止部の周縁内に位置する第1位置と、前記複数の旋回アームが、前記静止部の周縁外に位置し、前記レセプタク
ルと係合する、第2位置と、の間で前記複数の旋回アームを移動させるための手段(12)と、
を備
え、
前記複数の旋回アーム(11)を移動させるための手段(12)は、前記静止部に結合され、かつ前記静止部に対して移動可能である、環状部材を備え、
前記環状部材は、複数の締結具(16)によって前記静止部に結合され、前記複数の締結具(16)は、前記環状部材(12)内のそれぞれのスロット(17)を通過して前記静止部(18)に固定するように配置され、
前記環状部材(12)は、その内周に複数の歯を備える、蓋。
【請求項2】
前記複数の旋回アームを移動させるための手段および前記複数の旋回アームは、それらの間の相対的な旋回動作を容易にする相補的連結部をそれぞれ備える、請求項
1に記載の蓋。
【請求項3】
前記相補的連結部は、実質的に円形の凹部(12a)および実質的に円形の突起(11a)を備え、前記実質的に円形の突起が、前記実質的に円形の凹部内に位置し、その中で回転するように配置される、請求
項2に記載の蓋。
【請求項4】
前記複数の旋回アームは、締結具(14)によって前記静止部にそれぞれ結合され、前記締結具(14)は、前記複数の旋回アームの各々にあるそれぞれのスロット(15)を通過して前記静止部に固定するように配置される、請求項1か
ら3のいずれか1項に記載の蓋。
【請求項5】
前記蓋は、前記レセプタクル(20)内からガスを逃がすことができるように、1つ以上の通気口(50)が設けられる、請求項1か
ら4のいずれか1項に記載の蓋。
【請求項6】
前記蓋のロック状態またはアンロック状態を示すインジケーターを備える、請求項1か
ら5のいずれか1項に記載の蓋。
【請求項7】
請求項1か
ら6のいずれか1項に記載の蓋(10)を受けるように配置されたレセプタクル(20)
であって、
前記レセプタクルは、前記蓋の前記静止部(18)を受けるための開口部を備え、前記開口部の近位には、前記蓋を支持するための相対的に内向きの突起(25)が設けられ、
前記相対的に内向きの突起(25)は、使用時に、蓋(10)に相対的に上向きの力を与えるように配置された複数のバネ(23)を備える、レセプタクル。
【請求項8】
前記複数のバネ(23)は、相対的に内向きの突起(25)の凹部(24)内にそれぞれ配置される、請求
項7に記載のレセプタクル。
【請求項9】
周溝(22)が、前記開口部の近位に設けられ、前記複数の旋回アーム(11)を受け入れるように配置される、請求
項7または8に記載のレセプタクル。
【請求項10】
請求項1か
ら6のいずれか1項に記載の蓋と、請求
項7か
ら9のいずれか1項に記載のレセプタクルと、を備える、容器(1)。
【請求項11】
請求項1か
ら6のいずれか1項に記載の蓋を使用して、容器(1)を閉じる方法であって、
レセプタクル(20)の開口部に前記蓋を置き、それに相対的に下向きの力を加える、ステップと、
前記下向きの力を加えながら閉鎖機構を操作するステップと、
前記下向きの力を取り除くステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良された容器に関する。本発明は、特に、危険物質を保管する際に使用するための改良された容器に関する。さらにより具体的には、本発明は、容器が遠隔操作で取り扱われ、充填され、操作されることが望ましい、すなわち、人間の相互作用が、最小限に抑えられ、および/または容器から安全な距離で行われる、放射性廃棄物を保管する際に使用するための容器に関する。
【背景技術】
【0002】
放射性廃棄物は、種々のカテゴリーに分類することができ、最も危険な廃棄物は、非常に特殊な取り扱いおよび保管を必要とする。より危険な物質と接触している物質および物体を含み得るより低いレベルの廃棄物は、依然として特殊な取扱いおよび保管を必要とする。
【0003】
従来技術では、廃棄される低中レベルの放射性物質は、典型的に、複数のナット/ボルトによって適所に固定される平坦な蓋を備えた大きな直方体容器内に配置される。蓋の固定は、時間がかかり、間違いが起こりやすく、遠隔で効果的に行うことが困難であり得る。
【0004】
さらに、直方体容器の体積効率は、開口部から到達することが困難であり得るコーナーで容器を適切に充填することが困難であり得るため、低くなり得る。また、そのような容器の蓋は、比較的厚くなる傾向があり、従って、利用可能な体積のかなりの割合を使う。
【0005】
本発明の実施形態の目的は、本明細書に記載されているかどうかに関わりなく、従来技術の容器に関する問題に対処することである。
【0006】
本発明によれば、添付の「特許請求の範囲」に記載された装置および方法が提供される。本発明の他の特徴は、従属請求項および以下の説明から明らかになるであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様によれば、レセプタクル(20)を閉じるための蓋(10)が提供され、その蓋は、閉じられるレセプタクルの開口部と実質的に一致するように配置された静止部(18)と、静止部に結合された複数の旋回アーム(11)と、手段(12)であって、複数の旋回アームが静止部の周縁内に位置する第1位置と、複数の旋回アームが、静止部の周縁外に位置し、レセプタクルの相補的特徴と係合する、第2位置と、の間で複数の旋回アームを移動させるための手段(12)と、を備える。
【0008】
実施形態では、複数の旋回アーム(11)を移動させるための手段(12)は、静止部に結合され、かつ静止部に対して移動可能である、環状部材を備える。
【0009】
実施形態では、環状部材は、複数の締結具(16)によって静止部に結合され、複数の締結具(16)は、環状部材(12)内のそれぞれのスロット(17)を通過して静止部(18)に固定するように配置される。
【0010】
実施形態では、環状部材(12)は、その内周に複数の歯を備える。
【0011】
実施形態では、複数の旋回アームを移動させるための手段および複数の旋回アームは、それらの間の相対的な旋回動作を容易にする相補的連結部をそれぞれ備える。
【0012】
実施形態では、相補的連結部は、実質的に円形の凹部(12a)および実質的に円形の突起(11a)を備え、実質的に円形の突起が、実質的に円形の凹部内に位置し、その中で回転するように配置される。
【0013】
実施形態では、複数の旋回アームは、締結具(14)によって静止部にそれぞれ結合され、締結具(14)は、複数の旋回アームの各々にあるそれぞれのスロット(15)を通過して静止部に固定するように配置される。
【0014】
実施形態では、蓋は、レセプタクル(20)内からガスを逃がすことができるように、1つ以上の通気口(50)が設けられる。
【0015】
実施形態では、蓋のロック状態またはアンロック状態を示すインジケーターが、提供される。
【0016】
本発明の第2態様によれば、第1態様の蓋(10)を受けるように配置されたレセプタクル(20)が、提供される。
【0017】
実施形態では、レセプタクルは、蓋の静止部(18)を受けるための開口部を備え、開口部の近位には、蓋を支持するための相対的に内向きの突起(25)が設けられる。
【0018】
実施形態では、相対的に内向きの突起(25)は、使用時に、蓋(10)に相対的に上向きの力を与えるように配置された複数のバネ(23)を備える。
【0019】
実施形態では、複数のバネ(23)は、相対的に内向きの突起(25)の凹部(24)内にそれぞれ配置される。
【0020】
実施形態では、周溝(22)が、開口部の近位に設けられ、複数の旋回アーム(11)を受け入れるように配置される。
【0021】
本発明の第3態様によれば、第1態様の蓋と第2態様のレセプタクルとを備える容器(1)が提供される。
【0022】
本発明の第4態様によれば、第1の態様の蓋を使用して容器(1)を閉じる方法が提供され、その方法は、
レセプタクル(20)の開口部に蓋を置き、それに相対的に下向きの力を加える、ステップと、
下向きの力を加えながら閉鎖機構を操作するステップと、
下向きの力を取り除くステップと、
を含む。
【0023】
本発明のより良い理解のために、および本発明の実施形態をどのように実施し得るかを示すために、例として、添付の概略図を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態による蓋および容器の斜視図を示す。
【
図2】本発明の実施形態による容器の蓋の平面図を示す。
【
図3】本発明の実施形態による蓋および容器の断面図を示す。
【
図4】本発明の実施形態による蓋と容器との間の境界領域の詳細な断面図を示す。
【
図5a】オープン構成の本発明の実施形態による蓋を示す。
【
図5b】ロック構成の本発明の実施形態による蓋を示す。
【
図6a】本発明の実施形態による、容器への蓋の取り付けおよびロックの様々な段階を示す。
【
図6b】本発明の実施形態による、容器への蓋の取り付けおよびロックの様々な段階を示す。
【
図6c】本発明の実施形態による、容器への蓋の取り付けおよびロックの様々な段階を示す。
【
図6d】本発明の実施形態による、容器への蓋の取り付けおよびロックの様々な段階を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明の実施形態による、レセプタクル20および蓋10を備える容器1の斜視図を示す。レセプタクル20は、開口の円形断面円筒の形をとり、開口を通して廃棄物を受け入れるように配置されている。開口は、蓋10を受け入れるように配置され、蓋10は、容器1を閉鎖し、その中に含まれる廃棄物が、その中に安全におよび外的環境から離れて保たれることを確実にする。
【0026】
一度充填されると、そのような各容器1は、確実な保管施設にかなり長年にわたって保管され得る。それらはそのような長期間保管されるので、容器1は、頑丈で、強く、腐食の危険性がなく、容器1の内部からの材料の流出を抑制しなければならない。本発明の実施形態による容器は、グレード1.4404(316L)のオーステナイト系ステンレス鋼から実質的に形成される。グレード1.4404のステンレス鋼の耐食性能と機械的性質は、一般に放射性廃棄物のパッケージングに最適と見なされている。
【0027】
レセプタクル20は、3つの別個の構成要素から形成される。上部20cは、蓋を受け入れるように配置され、中間部20aは、各端部で開口した単純な管であり、下部20bは、中間部20aの直径に合った直径の閉じた皿である。3つの部分20a、20b、および20cは全て、互いに溶接されて、完成したレセプタクル20を形成する。溶接プロセスは、典型的に、アーク溶接技術を使用し、それは、当該技術分野で周知であり、適切で確実な結果を提供する。異なる高さのレセプタクルが必要とされる場合、これは、適切な中間部20aの選択によって達成される。上部および下部は標準的であり、レセプタクルの高さによって変化しないからである。
【0028】
レセプタクル20は、蓋10の反対側の端部にサポート30を備える。サポートは、溶接作業によってレセプタクルに固定的に取り付けられている。サポート30は、レセプタクルの半径よりも大きい半径を有する環状構造を含む。これは、安定性を提供し、いくつかの容器1が保管のために積み重ねられることを可能にする。
【0029】
サポート30は、1対のフォークリフトポケット31も備え、例えばフォークリフトトラックから1対のフォークを受け取り、必要に応じて容器1を持ち上げて移動することを可能にする。
【0030】
追加的にまたは代替的に、レセプタクルは、レセプタクルの開口の近位に突出リッジ21を備える。この突出リッジ21は、フォークリフトトラックの代わりに把持機構が使用され得る手段を提供する。そのような把持機構は、例えば、1対の協働アームを備えてよく、それは、容器が把持機構のグリップから滑り落ちないことを保証するのに役立つ、突出リッジ21と共に容器1を把持するように一斉に作用する。
【0031】
図2は、蓋10およびレセプタクル20の平面図を示す。これは、歯車12を示し、それは、蓋10の露出面からアクセス可能であり、閉鎖機構を作動させるために使用される。これについては、簡単に説明する。
【0032】
図3は、
図2の線A-Aに対応する断面図を示す。ここで、レセプタクル20、サポート30および蓋10の内部を原位置で見ることができる。
【0033】
左上角に、
図4に対応するBで示された部分があり、
図4は、レセプタクル20と蓋10との間の境界領域であるこの部分の詳細図を示す。この図は、ロックされたまたは閉鎖された構成の蓋を示す。
【0034】
レセプタクル20は、レセプタクル20の主外部本体から外向きに延びる突起21を備える。レセプタクル20の最上部には、円周溝22があり、それは、レセプタクル20の内面の周りに延びる。溝22は、後述するように、蓋10の部分11を受け入れるように配置されている。
【0035】
また、レセプタクル20の上部に配置されるのは、内向きに延びている突起25である。これは、レセプタクル20の内面の周りに延び、蓋10を受けて支持するように配置される。蓋10の長径は、蓋が、レセプタクル20の上部にぴったりと適合し、突起25によって支持されるように、レセプタクルの上部の直径に適合するように配置される。
【0036】
突起25の周りの様々な箇所には、凹部24が設けられている。各凹部24は、凹部にぴったりと適合するバネ23を受け入れるように形成されている。複数のバネ23は、一度嵌め込まれると、蓋10に相対的に上向きの力を加えるように設けられる。典型的に、突起25の周りに等間隔で配置された、直径19mmの24個のそのような凹部24があり、その各々にバネ23が設けられている。バネ23の動作のさらなる詳細は、
図6a-6dに関連して後述する。
【0037】
図5aおよび5bは、それぞれ、ロック解除(開放)およびロック(閉鎖)構成の蓋10の図を示す。通常所定の位置にある蓋の上部カバーは、蓋10の内部の動きを示すために取り外されている。通常の使用では、蓋10は
図2のように見える。
【0038】
図5aは、ロック解除構成の蓋10を示す。これは、ロック構成の蓋10を示す
図5bと対照的である。違いは、複数のアーム11の延在によって明らかであり、それは、
図5bでは、蓋10の長径を超えて延びる。この文脈では、長径は、レセプタクル20の突起25に静止するように配置された蓋10の静止部18を指す。
【0039】
静止部18は、レセプタクル20に通じている開口部の直径に適合する長径を有する。静止部18の外周の最外部は、突起25と協働するように配置されたショルダー部を有し、ショルダー部の下側が、複数のバネ23および突起25と対向するように配置されるようになっている。
【0040】
静止部18は、平面図で円形であり、その上面にほぼ環状の部材12が設けられている。環状部材12は、複数の歯がその内周に設けられている。環状部材12は、その内周と外周のほぼ中間に複数のスロット17が設けられている。これらのスロットの各々は、環状部材の中心に対して実質的に弓形に延びる。
【0041】
締結具16が設けられ、それは、スロット17を通り抜け、静止部材18に固定し、環状部材12が、複数のスロット17の長さによって規定される回転の範囲で、静止部材18に対して回転することができるようになっている。
図5aに見られるように、ロック解除構成で、締結手段16は、スロット17の一端部に向かって位置し、
図5bでは、ロック構成で、締結手段16は、スロット17の端部に向かって位置する。
【0042】
締結手段16は、ナットまたはネジの形をとってよく、それは、静止部18に設けられた適切な開口と結合する。ナットまたはネジの頭部は、スロット17よりも幅広になるように配置され、それによって環状部材12を適所に保持する。ナットまたはボルト16は、環状部材12が静止部18に取り付けられるが比較的自由に回転する程度に締め付けられる。
【0043】
環状部材12の外周は、実質的に円形の複数の凹部12aを備え、その外縁にチャネルが設けられている。各凹部12aは、アーム11の端部に設けられた対応する形状の嵌合部材11aを受け入れるように配置される。図示の実施形態では、合計12個のそのような凹部があるが、特定の要件に応じて、これより多くても少なくてもよい。
【0044】
複数のアーム11が、環状部材12の外周の周りに設けられている。各アーム11は、環状部材12の凹部12aに適合するように配置されたほぼ円形状の突起11aを有する。各アーム11は、環状部材12および静止部18を固定するために使用されるのと同様の方法で適所に保持される。各アーム11は、スロット15を有する。締結手段14が設けられ、それは、スロット15を通って延び、静止部材18に設けられた開口に固定し、アームが、スロット15によって決定された程度まで移動できるようになっている。各締結手段14を囲むのは、
図4に示すリン青銅ブッシュ14aである。図示しない同様のブッシュは、締結手段16も囲む。
【0045】
ほぼ円形の突起11aは、一度凹部12a内に配置されると、アームがこの結合箇所で効果的に旋回することを可能にする。この旋回運動により、環状部材12が静止部18に対して回転するにつれて、
図5bに示す配置を取るようにアーム11が相対的に外側に押し出される。
【0046】
図5bに見られるように、一度環状部材12が静止部材18に対して回転すると、アーム11の全てが静止部材18の長径を越えて延びる。この機構によって、蓋10は、レセプタクル20に取り付けられて固定されることができ、蓋10が、適所にしっかりと留まり、誤って取り外されることがないようになっている。
【0047】
取り付けプロセスは、取り付け動作の様々な段階を示す
図6a-6dに関連して、より完全に説明される。これらの図は、
図4に示される図におおむね対応する。
【0048】
図6aでは、蓋10は、レセプタクル20の頂部の開口部内に配置されている。この構成では、バネ23は、蓋10に上向きの力を加え、それにより、蓋10が突起25からわずかに上に位置する。蓋10の重みだけでは、バネ23の付勢力に打ち勝つには不十分である。
【0049】
図6bでは、プロセスの次の段階が示されている。ここで、バネ23の付勢力に打ち勝つために、相対的に下向きの力が加えられる。見られるように、蓋18の静止部は今や突起25に直接当接し、バネ23は圧縮されている。
【0050】
必要とされる下向きの力は、外部装置によって提供され、それは、蓋10をレセプタクルに配置するように、そして閉鎖機構を作動させるように、動作可能である。
【0051】
凹部24内に位置する離散バネ23が示されているが、他の付勢配置を使用してよいことが理解されるであろう。例えば、コイルバネ23の代わりに波形バネを使用してよい。
【0052】
図6bでは、溝22は、ここで、アーム11の外側部分と整列し、閉鎖機構が作動する準備ができていることが分かる。
【0053】
図6cは、閉鎖機構が作動する際の構成を示す。閉鎖機構の作動は、
図5aおよび5bを参照して最も良く理解される。蓋の実際の外観は、
図2に示す蓋に似ていることに留意すべきである。
【0054】
一度、蓋10がレセプタクル20の頂部のアパーチャ内に配置され、相対的に下向きの力が加えられると、閉鎖機構が作動され得る。これを行うために、遠隔操作装置が、環状部材12の歯付き内周に係合する。相対的に回転の力を歯に付与することにより、環状部材12は、静止部材18に対して回転し、それにより、複数のアーム11は、旋回し、静止部材18の長径を越えて外側に延びる。遠隔操作装置の詳細は、特定のユーザの特定の要件に従って決定される。しかしながら、そのような装置が作動する1つの方法は、中央ハブから延びる複数の延在アームによってであり、一度ハブが蓋のほぼ中央に位置すると、アームは、環状部材12の歯付き内周と係合するように延びることができるようになっている。ハブに加えられた回転力により、ロック動作が完了する。
【0055】
複数の歯の使用は、例示的に過ぎず、1つ以上の異なる技術が、遠隔操作装置が回転力を環状部材12に提供することができるように、使用され得る。例えば、内周は平滑であってよく、遠隔操作装置は、係合する摩擦(例えば、ゴムまたは同様の)グリッパを有してよく、摩擦力が付与されてよい。内周は、必要であれば、この点に関して役立つために、粗くされてよい。
【0056】
そのような配置の利点は、蓋をインデックスする必要がないことである。言い換えれば、遠隔操作装置の中心ハブと、蓋と、の間の相対的な角度関係は重要ではない。これは、複数の個々のボルトが遠隔的に取り付けられて締め付けられることが要求される、典型的な従来技術の容器と対照的である。そのような動作は、慎重で正確な制御を必要とし、本発明の実施形態の数秒に比べて、何十分または何時間もかかる可能性がある。何千ものそのような容器が充填され、ロックされ、保管される場合、時間の節約は、非常に重要であり得る。
【0057】
相対的に下向きの力が、バネ23の付勢を克服するのに十分であるならば、アーム11の外向き部は、
図6cに示すように、溝22内に延びる。今や、全てのアームが溝にしっかりと係合し、蓋10がレセプタクル20に固定されている。
【0058】
最終段階では、
図6dに示すように、蓋10に加えられた相対的に下向きの力が取り除かれる。これにより、バネ23を圧縮する力が取り除かれ、それは、蓋10を突起25からわずかに持ち上げるのに十分な上向きの力を今や付与する。これは、今や静止部18の下側と突起25との間にわずかな間隙がある
図6dに見られる。また、アーム11の上面は、溝22の下側に直接当接する。一度蓋がロックされると、相対的に上向きの力が連続的に加えられる。
【0059】
この最終構成では、蓋10は、放射性廃棄物を保管するのに適した方法で容器にしっかりと固定されている。
【0060】
放射性物質格納の分野では、「蛇行性経路」の概念は、容器からの粒子の起こり得る流出に関連して定義される。「蛇行性経路」を使用することによって、物質は、容器の内部から容器の外部への直接ルートがないことによって、漏れることが、防止されるかまたは少なくとも妨げられる。一度容器1がロックされると、必ずしも気密である必要はないことに留意されたい。内容物は、何百年もの間保管され得るので、内容物が減衰するにつれて、ガスが生成され得るかもしれない。ガス圧によって容器が破裂する危険性は、現実的であり、典型的に回避されるべきである。従って、容器には、任意のガスを逃がすことができるように、1つ以上の通気口50が取り付けられ得る。そのような通気口50が必要な場合、
図5aに示すように蓋10に取り付けられる。通気口が設けられるかどうかは、エンドユーザの裁量による。
【0061】
蓋10は、確実にロックされているという視覚的表示が設けられ得る。これは、蓋の露出面上の単純な位置合わせアイコンの形をとってよく、環状部材12上の矢印または類似物が、必要に応じて、蓋10の静止部上のロックアイコンまたはラベルまたはロック解除アイコンまたはラベルと位置合わせされるようになっている。そのような表示は、蓋10が適切に取り付けられてロックされていることを保証する簡単で信頼性のある手段を提供する。
【0062】
本発明の実施形態は、この分野で使用される従来技術の容器に勝る利点を提供する。特に、各容器における部品の数が減少する。各容器を製造するのに必要な個々の溶接部の数も減少し、それは、生産時間を減少させ、エラーの機会を低減させる。
【0063】
正方形または長方形の形状を有する従来技術の容器と比較して、本発明の実施形態は、より容易なアクセスおよび充填を提供する。特に、レセプタクルに通じる開口部は、内径に対応し、従って隠れた「コーナー」はない。さらに、内部の全てのコーナーを充填することが困難な正方形または長方形の容器とは異なり、レセプタクルの内部の円形形状は、容易に充填され、保管のための利用可能な体積を最大化する。
【0064】
本発明の実施形態は、隠れたまたは到達困難なコーナーを回避することによって、利用可能な体積を最適化する方法で、迅速かつ容易な充填を可能にする。容器1は、所望の高さまで積み重ねられ、この構成で保管されてよい。
【0065】
容器1は、指定された高さまで、概して垂直な仕方で、上下に積み重ねられてよい。あるいは、上部20cおよびサポート30の外径によって規定されるように、容器の頂部および底部の最外径が同一であるので、容器1は、それらの側面で、概して水平な仕方で、保管されてよい。
【0066】
容器が閉鎖された後に開放することが望ましい場合には、
図6a-6dに関連して記載されたステップが効率よく反転され、レセプタクルの内部が利用可能およびアクセス可能である。
【0067】
本出願に関連して本明細書と同時またはそれ以前に提出され、本明細書と共に公衆の閲覧に供される、全ての書類および文書に注意を払い、全てのそのような書類および文書の内容を参照により本明細書に援用する。
【0068】
本明細書(添付の特許請求の範囲、要約、および図面を含む)に開示された特徴の全て、および/またはそのように開示された任意の方法またはプロセスのステップの全ては、そのような特徴および/またはステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。
【0069】
本明細書(添付の特許請求の範囲、要約、および図面を含む)に開示された各特徴は、明示的に別段の定めをした場合を除き、同じ、同等または同様の目的を果たす代替の特徴によって置き換えることができる。従って、明示的に別段の定めをした場合を除き、開示された各特徴は、同等または同様の特徴の一般的シリーズの一例にすぎない。
【0070】
本発明は、前述の実施形態の詳細に限定されるものではない。本発明は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約、および図面を含む)に開示された特徴の任意の新規な1つ、または任意の新規な組み合わせ、またはそのように開示された任意の方法またはプロセスのステップの任意の新規な1つ、または任意の新規な組み合わせに及ぶ。