(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-25
(45)【発行日】2025-03-05
(54)【発明の名称】モバイル装置、カメラ・モジュールおよびモバイル装置システム
(51)【国際特許分類】
H04N 23/50 20230101AFI20250226BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20250226BHJP
G03B 17/14 20210101ALI20250226BHJP
G03B 17/48 20210101ALI20250226BHJP
【FI】
H04N23/50
G03B17/02
G03B17/14
G03B17/48
(21)【出願番号】P 2022559488
(86)(22)【出願日】2021-03-17
(86)【国際出願番号】 EP2021056791
(87)【国際公開番号】W WO2021197849
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2024-02-16
(31)【優先権主張番号】102020108961.9
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】597114889
【氏名又は名称】ライカ カメラ アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】シュミット, マルテ
(72)【発明者】
【氏名】パンテル, ボリス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイラー, フロリアン
【審査官】▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第08704944(US,B1)
【文献】特開2007-312297(JP,A)
【文献】特開2015-148720(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/02
G03B 17/14
H04N 23/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル装置(10
)であり、静止画像および/または動画像を取り込むためのカメラ・モジュール(40)用モジュール・ホルダー(12)を備え、前記カメラ・モジュール(40)は、結合セクション(42)を有し、前記モジュール・ホルダー(12)へ取り外し可能に接続可能であり、
前記モジュール・ホルダー(12)は、前記カメラ・モジュール(40)が前記モバイル装置(10)へ接続されたとき、前記結合セクション(42)が受け取られる凹部(13)を有する、モバイル装置(10)において、
前記モジュール・ホルダー(12)の前記凹部(13)は、円弧セクション(14)および割線セクション(16)によって形成される周辺輪郭を有
し、
前記円弧セクション(14)は、ラッチ・セクション(22)を有し、前記割線セクション(16)はアンダーカット・セクション(20)を有し、前記カメラ・モジュール(40)が前記モバイル装置(10)へ接続されたとき、前記ラッチ・セクション(22)は前記カメラ・モジュール(40)のラッチ・セクション(52)と協働し、前記アンダーカット・セクション(20)は前記カメラ・モジュール(40)のアンダーカット・セクション(50)と協働することを特徴とする、
モバイル装置(10)。
【請求項2】
前記円弧セクション(14)が延びる角度は、少なくとも270
°になることを特徴とする請求項1に記載のモバイル装置(10)。
【請求項3】
前記モジュール・ホルダー(12)の前記ラッチ・セクション(22)および前記アンダーカット・セクション(20)は、前記モジュール・ホルダー(12)の、周
壁に設けられることを特徴とする請求項
1に記載のモバイル装置(10)。
【請求項4】
前記モジュール・ホルダー(12)の前記アンダーカット・セクション(20)は、前記関連する割線セクション(16)の全長にわたって延び、および/または
前記モジュール・ホルダー(12)の前記ラッチ・セクション(22)は、前記関連する円弧セクション(14)の、部分セクショ
ンにわたって延びることを特徴とする請求項
2または
3に記載のモバイル装置(10)。
【請求項5】
前記モジュール・ホルダー(12)の前記ラッチ・セクション(22)は、前記カメラ・モジュール(40)の前記結合セクション(42)に設けられたそれぞれの関連するラッチ・セクション(52)と
、協働するよう
に構成される少なくとも1つの剛性ラッチ・ノーズ(22)として構成され、または
前記モジュール・ホルダー(12)の前記ラッチ・セクションは、前記カメラ・モジュール(40)の前記結合セクション(42)に設けられたそれぞれの関連するラッチ・セクションと
、協働するよう
に構成される少なくとも1つの弾力性のあるもしくはばねに支持されたラッチ要素として構成される
ことを特徴とする請求項
2~
4のいずれか一項に記載のモバイル装置(10)。
【請求項6】
前記モジュール・ホルダー(12)は、前記モバイル装置(10)と前記カメラ・モジュール(40)との間に電気信号および動作電流を伝えるための電気的インターフェースを設けるために、接続されたカメラ・モジュール(40)の前記結合セクション(42)に設けられたそれぞれの関連する電気接触要素(48)と
、協働するように構成された複数の電気接触要素(18)を有することを特徴とする請求項1~
5のいずれか一項に記載のモバイル装置(10)。
【請求項7】
前記モジュール・ホルダー(12)の前記接触要素(18)は、剛性接触要素(18)として
、構成されることを特徴とする請求項
6に記載のモバイル装置(10)。
【請求項8】
前記モジュール・ホルダー(12)の前記接触要素(18)は、周辺輪郭から一定の間隔
で前記周辺輪郭内に配置されることを特徴とする請求項
6または
7に記載のモバイル装置(10)。
【請求項9】
前記モバイル装置(10)は前記モバイル装置(10)の複数の構成要素用のホルダーとして構成された組立枠(36)を有し、そして
前記モバイル装置(10)は組立枠(36)へ直接締結され且つ前記モジュール・ホルダー(12)を有するカメラ・モジュール・キャリア(26)を備えることを特徴とする請求項1~
8のいずれか一項に記載のモバイル装置(10)。
【請求項10】
モバイル装置(10
)用の、静止画像および/または動画像を取り込むためのカメラ・モジュール(40)であって、前記モバイル装置(10)はモジュール・ホルダー(12)を有し、前記カメラ・モジュール(40)は、前記カメラ・モジュール(40)を前記モバイル装置(10)へ取り外し可能に接続するために前記モバイル装置(10)の前記モジュール・ホルダー(12)と協働するように構成された結合セクション(42)を有し、
前記結合セクション(42)は前記モジュール・ホルダー(12)の凹部(13)に受け取られることができる、カメラ・モジュール(40)において、
前記結合セクション(42)は、円弧セクション(44)および割線セクション(46)によって形成される周辺輪郭を有
し、
前記円弧セクション(44)はラッチ・セクション(52)を有し、前記割線セクション(46)はアンダーカット・セクション(50)を有し、前記カメラ・モジュール(40)が前記モバイル装置(10)へ接続されたとき、前記ラッチ・セクション(52)は前記モジュール・ホルダー(12)のラッチ・セクション(22)と協働するように構成され、前記アンダーカット・セクション(50)は前記モジュール・ホルダー(12)のアンダーカット・セクション(20)と協働するように構成される
ことを特徴とするカメラ・モジュール(40)。
【請求項11】
前記円弧セクション(44)が延びる角度は、少なくとも270
°になることを特徴とする請求項
10に記載のカメラ・モジュール(40)。
【請求項12】
前記結合セクション(42)の前記ラッチ・セクション(52)および前記アンダーカット・セクション(50)は、前記結合セクション(42)の、周
壁に設けられることを特徴とする請求項
10に記載のカメラ・モジュール(40)。
【請求項13】
前記結合セクション(42)の前記アンダーカット・セクション(50)は、前記関連する割線セクション(46)の全長にわたって延び、そして/または
前記結合セクション(42)の前記ラッチ・セクション(52)は、前記関連する円弧セクション(44)の、部分セクションにわたっ
て延びることを特徴とする請求項
10~12のいずれか一項に記載のカメラ・モジュール(40)。
【請求項14】
前記結合セクション(42)の前記ラッチ・セクション(52)は、前記モジュール・ホルダー(12)に設けられた各関連するラッチ・セクション(22)
と協働するよう
に構成された少なくとも1つの弾力性のあるもしくはばねに支持されたラッチ要素(52)として構成され、または
前記結合セクション(42)の前記ラッチ・セクションは、前記モジュール・ホルダー(12)に設けられた各関連するラッチ・セクション
と協働するよう
に構成された少なくとも1つの剛性ラッチ・ノーズとして構成されることを特徴とする請求項
10~
13のいずれか一項に記載のカメラ・モジュール(40)。
【請求項15】
前記結合セクション(42)は、前記モバイル装置(10)と前記カメラ・モジュール(40)との間に電気信号および動作電流を伝えるための電気的インターフェースを設けるために、接続されたモバイル装置(10)の前記モジュール・ホルダー(12)に設けられたそれぞれの関連する電気接触要素(18)と
、協働するように構成された複数の電気接触要素(48)を有することを特徴とする請求項
10~
14のいずれか一項に記載のカメラ・モジュール(40)。
【請求項16】
前記結合セクション(42)の前記接触要素(48)は、弾力性のあるもしくはばねに支持された接触要素(48)として
、構成されることを特徴とする請求項
15に記載のカメラ・モジュール(40)。
【請求項17】
前記結合セクション(42)の前記接触要素(48)は、周辺輪郭から一定の間隔で好ましくは延びる曲線に沿って前記周辺輪郭内に配置されることを特徴とする請求項
15または
16に記載のカメラ・モジュール(40)。
【請求項18】
請求項1~
9のいずれか一項に記載の、モバイル装置(10
)と、
前記モバイル装置(10)へ取り外し可能に接続されるまたは接続可能である
、少なくとも一つの請求項
10~
17のいずれか一項に記載
のカメラ・モジュール(40)と、を備えるモバイル装置システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モバイル装置、好ましくは携帯電話に関し、静止画像および/または動画像を取り込むためのカメラ・モジュール用モジュール・ホルダーを備え、上記カメラ・モジュールは、結合セクションを有し、モジュール・ホルダーへ取り外し可能に接続可能であり、ここでモジュール・ホルダーは、カメラ・モジュールがモバイル装置へ接続されたとき、結合セクションが受け取られる凹部を有する。
【0002】
本発明はさらに、モジュール・ホルダーを有するモバイル装置、好ましくは携帯電話用の、静止画像および/または動画像を取り込むためのカメラ・モジュールに関し、ここでカメラ・モジュールは、カメラ・モジュールをモバイル装置へ取り外し可能に接続するためにモバイル装置のモジュール・ホルダーと協働するように構成された結合セクションを有し、ここで結合セクションは、モジュール・ホルダーの凹部に受け取られることができる。
【背景技術】
【0003】
一般に、上記モバイル装置は、モバイル、無線データ、音声および/または画像通信のための電子端末装置である。モバイル装置は、例えば、携帯電話として、好ましくはスマートフォンとして、またはポータブル小型コンピュータとして、好ましくはタブレット・コンピュータとして設計することができる。
【0004】
このカテゴリのモバイル装置には、通常、静止画像および/または動画像を取り込むことができる1つまたは複数の統合カメラが装備されている。モバイル装置は、通常、原画像の形態で取り込まれた画像を処理するための、例えば、画像修正を行うための、または画像データを圧縮するための手段を有する。処理された画像は、内部記憶媒体、すなわち、モバイル装置内へ統合された記憶媒体、および/または外部記憶媒体、例えば、モバイル装置に挿入可能なメモリカードに記憶することができる。さらに、通常、画像データおよびその他のデータを無線または有線で他の端末装置および/またはサーバーへ送信するための装置が存在している。
【0005】
統合カメラの実行能力は、モバイル装置内で、制限された設置空間のみが利用可能であるため、しばしば制限され、統合カメラの画像センサと、その光学系との両方に影響を及ぼす。したがって、画像センサの解像度および/または感度は、例えば、十分に利用可能な設置空間を有する装置と比較して低下する可能性がある。統合カメラの光学系の場合、設置空間関連の制限は、例えば、光強度および/または光学解像度に不利な影響を与える可能性がある。
【0006】
専用の静止画像カメラまたはビデオカメラ、例えば、デジタル一眼レフカメラは、確かに高品質の画像を生産することができる。しかしながら、このような専用カメラは、しばしば、重く、構造サイズも相当なものなので、取扱および移送に不利な影響を与える。さらに、記録された画像の無線送信のための手段は、しばしば、そのようなカメラには存在しない、または限られた形態でのみ存在する。
【0007】
それにもかかわらず、このカテゴリのモバイル装置で比較的高品質の画像を生成し、必要であれば、それらをモバイル装置によって他の装置へ無線で送信するために、様々な解決策が従来技術から公知である。
【0008】
例えば、米国特許出願公開第2010/0208434A1号は、その筐体外側へプロジェクタ・モジュールまたはカメラ・モジュールなどのサブモジュールを取り外し可能に締結することができるモバイル端末装置を開示している。
【0009】
カメラ・モジュールを保持するための枠は、米国特許第8704944B1号に記載されている。この、スマートフォンをクリップすることができる枠は「クレイドル(cradle)」として指定されるが、これにおいて、枠とスマートフォンとの間のコマンドおよび画像データの送信が無線で行われる。
【0010】
スマートフォンとして、米国特許出願公開第2014/0094221号から、外部モジュール、例えば、カメラ・モジュールを結合するためのバヨネット(bayonet)締結を有するものが知られている。
【0011】
外部カメラ・モジュールをモバイル装置へ確実に結合するためには、モバイル装置とカメラ・モジュールとの間の機械的に安定し且つ取り扱いやすいインターフェースが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】米国特許出願公開第2010/0208434A1号
【文献】米国特許第8704944B1号
【文献】米国特許出願公開第2014/0094221A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、モバイル装置とカメラ・モジュールとを接続するための改善されたインターフェースを有するモバイル装置およびカメラ・モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的は、請求項1の特徴を有するモバイル装置と請求項11の特徴を有するカメラ・モジュールとによって満たされる。
【0015】
本発明によるモバイル装置では、モジュール・ホルダーの凹部は円弧セクションおよび割線セクションによって形成される周辺輪郭を有するということが提供される。円弧セクションおよび割線セクションは、割線セクションが円弧セクションの2つの端点を接続するように互いに隣接している。円弧セクションと割線セクションとの間には、例えば、技術的な生産面によって引き起こされ、1mm程度の非常に小さい半径を有するそれぞれの丸み付けの形状で形成することができる遷移セクションがないか、または非常に短い遷移セクションのみがある。円弧セクションの半径は、好ましくは、円弧の長さにわたって一定である。しかしながら、一般に、円弧セクションの半径は一定の範囲内で変化することもでき、その場合、「円弧セクション」という用語は、厳密に幾何学的に文字通りの意味で解釈されるものではないが、この場合、少なくとも概略的に、周辺輪郭の連続(course)を言う。
【0016】
以下でより詳細に説明するように、カメラ・モジュールの、モジュール・ホルダーの周辺輪郭、およびそれに応じて結合セクションの周辺輪郭の発明による設計のために、モバイル装置とカメラ・モジュールとの間の機械的インターフェースのコンパクトな設計が、他の設計と比較して実装され、それにもかかわらず、回転に対して安全な結合が確保される。
【0017】
モバイル装置の有利な実施形態によれば、円弧セクションが延びる角度は、少なくとも270°、好ましくは少なくとも300°、特に好ましくは少なくとも315°になる。
【0018】
円弧セクションは、有利には、ラッチ・セクションを有し、割線セクションは、有利には、アンダーカット・セクションを有し、カメラ・モジュールがモバイル装置へ接続されるとき、ラッチ・セクションはカメラ・モジュールのラッチ・セクションと協働しアンダーカット・セクションはカメラ・モジュールのアンダーカット・セクションと協働する。これにより、モジュール・ホルダーとカメラ・モジュールとの間に安定しているが、容易に設けられ再び切り離される接続が提供される。接続を設けるために、カメラ・モジュールは、そのアンダーカット・セクションがモジュール・ホルダーのアンダーカット・セクション内にある状態で、最初に吊るされ、または斜めに引っ掛けられる。ラッチ・セクションは、その後、傾ける動きによって互いに係合される。取り外しは逆の順序で行われ、すなわち、ラッチ・セクションは最初にわずかに傾けて係合から外され、次にカメラ・モジュールのアンダーカット・セクションはモジュール・ホルダーのアンダーカット・セクションから分解され、または引っ掛けが外される。
【0019】
モバイル装置のさらなる有利な実施形態によると、モジュール・ホルダーのラッチ・セクションおよびアンダーカット・セクションは、モジュール・ホルダーの、周壁、好ましくは凹部を囲む内周壁に設けられている。このような実施形態では、モジュール・ホルダーの凹部の基部に締結要素または結合要素を設けないようにすることができる。
【0020】
モジュール・ホルダーのアンダーカット・セクションは、有利には、関連する割線セクションの全長にわたって延びる。代替または追加として、モジュール・ホルダーのラッチ・セクションは、関連する円弧セクションの、部分セクション、好ましくは割線セクションの反対側に配置された部分セクションにわたって延びる。例えば、ラッチ・セクションは、円弧長、または円弧セクションの角度範囲の25%~75%にわたって延びることができる。
【0021】
モバイル装置のさらなる有利な実施形態によると、モジュール・ホルダーのラッチ・セクションは、カメラ・モジュールの結合セクションに設けられたそれぞれの関連するラッチ・セクションと、好ましくは弾力性のあるもしくはばねに支持されたラッチ要素と、協働するように好ましくは構成される少なくとも1つの剛性ラッチ・ノーズとして構成されている。この代替として、モジュール・ホルダーのラッチ・セクションは、カメラ・モジュールの結合セクションに設けられた各関連するラッチ・セクションと、好ましくは剛性ラッチ・ノーズと、協働するように好ましくは構成される少なくとも1つの弾性もしくはばねに支持されたラッチ要素として構成されてもよい。両方の代替では、各ラッチ要素は、関連するラッチ・ノーズと協働する。
【0022】
ラッチ・ノーズは、複数のラッチ要素と協働する横方向に延びる連続ビードとして構成されることもできる。
【0023】
ラッチ・ノーズは、有利には、モジュール・ホルダーに設けられ、ラッチ要素は、それに応じて結合セクションに設けられるので、可動性があるので特に敏感な部分がモジュール・ホルダーに位置することが回避される。これにより、モバイル装置が、可動部分を覆うまたは囲むカメラ・モジュールへ接続することなく使用されるとき、モジュール・ホルダーへの損傷の危険性が低減される。
【0024】
モバイル装置のさらなる有利な実施形態によると、モジュール・ホルダーは、モバイル装置とカメラ・モジュールとの間に電気信号および動作電流を伝えるための電気的インターフェースを設けるために、接続されたカメラ・モジュールの結合セクションに設けられたそれぞれの関連する電気接触要素と、好ましくは凹部の基面に設けられているモジュール・ホルダーの接触要素と、協働するように構成された複数の電気接触要素を有する。本明細書において設けられる電気的インターフェースは、特に、供給電圧および制御信号をモバイル装置からカメラ・モジュールへ伝え、画像信号をカメラ・モジュールからモバイル装置へ送信する役割を果たすので、必要に応じて、画像信号はモバイル装置においてさらに処理および/または記憶することができ、および/またはモバイル装置から他のリモート装置へ送信することができる。さらなるデータ、特にカメラ・モジュールの設定値などのメタデータは、電気的インターフェースを介して送信することもできる。
【0025】
凹部の基面にモジュール・ホルダーの接触要素を配置することは、特にモジュール・ホルダーの周壁にラッチ・セクションおよびアンダーカット・セクションを配置することと協働して、モジュール・ホルダーとカメラ・モジュールとの間のインターフェースの機械部分と電気部分との間に良好な空間上の分離をもたらす。
【0026】
モジュール・ホルダーの接触要素は、有利には剛性接触要素として、好ましくは平面状接触面として、構成されている。この実施形態は、同様に、可動部分がモジュール・ホルダー自体に設けられる必要がないことへ寄与するので、それによりモジュール装置が、接続されたカメラ・モジュールなしで使用されるとき、損傷の危険性が同様に低減される。
【0027】
モバイル装置のさらなる有利な実施形態によると、モジュール・ホルダーの接触要素は、好ましくは周辺輪郭から一定の間隔で延びる、曲線に沿って周辺輪郭内に配置されている。周辺輪郭に対応して、曲線は同様に、円弧形状のセクションおよび線状に延びる割線形状のセクションを有する。
【0028】
モバイル装置は、有利には、モバイル装置の複数の構成要素用のホルダーとして構成された組立枠を有し、ここで、モバイル装置は、組立枠へ直接締結され且つモジュール・ホルダーを有するカメラ・モジュール・キャリアを備える。モジュール・ホルダーは、カメラ・モジュール・キャリアの残りの部分へ取り外し可能に締結することができ、好ましくは交換可能に締結することができる。カメラ・モジュール・キャリアは、結合されたカメラ・モジュールによってモジュール・ホルダー上へ加えられる力を、通常は金属部分として構成される非常に安定した組立枠へ確実に伝達する役割を果たす。カメラ・モジュールとモバイル装置との間の安全な接続が、これにより確保され、モジュール装置への損傷、特にモジュール・ホルダーの引き剥がしまたは引き裂きの危険性が実質的に低減される。
【0029】
本発明によるカメラ・モジュールでは、結合セクションは円弧セクションおよび割線セクションによって形成される周辺輪郭を有することが提供される。結合セクションの周辺輪郭は、好ましくは、カメラ・モジュールとモバイル装置との間の問題のない結合が可能になるように、モジュール・ホルダーの周辺輪郭へ相補的に形成される。
【0030】
カメラ・モジュールの有利な実施形態は以下で説明され、ここで、モバイル装置のそれぞれの対応する有利な実施形態の上述した利点は、これらの利点が以下において明示的に言及されていなくても、カメラ・モジュールの有利な実施形態に対しても同様に適用される。さらに有利な実施形態および利点は、カメラ・モジュールの有利な実施形態とモバイル装置の有利な実施形態との組み合わせからも生じる。
【0031】
カメラ・モジュールの有利な実施形態によると、円弧セクションが延びる角度は、少なくとも270°、好ましくは少なくとも300°、特に好ましくは少なくとも315°になる。
【0032】
カメラ・モジュールのさらなる有利な実施形態によると、円弧セクションはラッチ・セクションを有し、割線セクションはアンダーカット・セクションを有し、カメラ・モジュールがモバイル装置へ接続されたとき、ラッチ・セクションはカメラ・モジュールのラッチ・セクションと協働するように構成され、アンダーカット・セクションは、モジュール・ホルダーのアンダーカット・セクションと協働するように構成される。
【0033】
結合セクションのラッチ・セクションおよびアンダーカット・セクションは、有利には、結合セクションの、周壁、好ましくは外周壁に設けられている。したがって、結合セクションの端面には、締結要素または結合要素がない。
【0034】
カメラ・モジュールのさらなる有利な実施形態によると、結合セクションのアンダーカット・セクションは、関連する割線セクションの全長にわたって延びる。代替的または追加として、結合セクションのラッチ・セクションは、関連する円弧セクションの、部分セクションにわたって、好ましくは割線セクションの反対側に配置された部分セクションにわたって延びている。対応する様式では、結合セクションのラッチ・セクションは、有利には、円弧セクションの弧長または角度範囲の25~75%にわたって延びる。
【0035】
結合セクションのラッチ・セクションは、有利には、モジュール・ホルダーに設けられた各関連するラッチ・セクションと、好ましくは剛性ラッチ・ノーズと、協働するように好ましくは構成された少なくとも1つの弾力性のあるもしくはばねに支持されたラッチ要素として構成される。代替として、結合セクションのラッチ・セクションは、モジュール・ホルダーに設けられた各関連するラッチ・セクションと、好ましくは弾力性のあるもしくはばねに支持されたラッチ要素と、協働するように好ましくは構成される少なくとも1つの剛性ラッチ・ノーズとして構成することができる。それに応じて、1つまたは複数のラッチ要素を設けることができる。
【0036】
第1の代替によると、ラッチ要素が結合セクションに設けられ、それに応じてラッチ・ノーズがモジュール・ホルダーに設けられる場合、これは、有利には、可動部分がモジュール・ホルダーに位置する必要がないことへ寄与するので、接続されたカメラ・モジュールなしのモバイル装置の使用時に損傷の危険性が低減される。
【0037】
さらなる有利な実施形態によると、結合セクションは、モバイル装置とカメラ・モジュールとの間に電気信号および動作電流を伝えるための電気的インターフェースを設けるために、接続されたモバイル装置のモジュール・ホルダーに設けられたそれぞれの関連する電気接触要素と、好ましくは結合セクションの端面に設けられている結合セクションの接触要素と、協働するように構成された複数の電気接触要素を有する。結合セクションの上記端面は、カメラ・モジュールがモバイル装置へ接続されるとき、カメラ・モジュールの光入口開口部の反対側に配置され、好ましくはモジュール・ホルダーの凹部の基面と平行に延びる、面である。
【0038】
結合セクションの接触要素は、有利には、弾力性のあるもしくはばねに支持された接触要素として、好ましくは接触ピンまたは接触ばねとして、構成されている。結合セクションの接触要素は、好ましくは、軸方向、すなわちカメラ・モジュールの光軸の方向に変位可能に支持されている。これにより、モジュール・ホルダーの接触要素との確実な接触が確保される。カメラ・モジュールの結合セクションに弾力性のあるもしくはばねに支持された接触要素を配置することで、モジュール・ホルダーの対応する接触要素は剛性のものとして形成することができ、このことはまた、モジュール・ホルダーに可動部分がないままであることへ寄与し、カメラ・モジュールが結合されていないとき、損傷の危険性を低減する。
【0039】
カメラ・モジュールのさらなる有利な実施形態によると、結合セクションの接触要素は、周辺輪郭から一定の間隔で好ましくは延びる曲線に沿って周辺輪郭内に配置されている。
【0040】
本発明はさらに、本発明による実施形態のいずれか1つまたは有利な実施形態のいずれか1つによるモバイル装置と、モバイル装置へ取り外し可能に接続されるまたは接続可能である本発明による実施形態のいずれか1つまたは有利な実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つのカメラ・モジュールとを備えるモバイル装置システムに関する。
【0041】
モバイル装置、カメラ・モジュール、およびモバイル装置システムの、さらなる有利な実施形態は、従属請求項、明細書、および図面から、生じる。
【0042】
以下に、本発明を実施形態および図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】実施形態によるモバイル装置の斜視図である。
【
図2】実施形態によるカメラ・モジュールの斜視図である。
【
図4】カメラ・モジュール・キャリアの分解組立図である。
【
図5】モバイル装置用の背面シェルの斜視内部図であり、上記背面シェルは、
図4のカメラ・モジュール・キャリアに接続されている。
【
図6】
図1のモバイル装置のさらなる斜視図である。
【
図7】異なる組立位置にあるカメラ・モジュールおよびモジュール・ホルダーを通る断面図である。
【
図8】異なる組立位置にあるカメラ・モジュールおよびモジュール・ホルダーを通る断面図である。
【
図9】変形例による接続位置におけるカメラ・モジュールおよびモジュール・ホルダーを通る断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
同一または類似の要素には、以下において同一の符号を付す。
【0045】
図1では、本実施形態において、携帯電話またはスマートフォンとして設計されたモバイル装置10が示されている。一般に、本発明は、タブレット・コンピュータとしても指定される小型ポータブル・コンピュータなどの他のタイプのモバイル装置と共に使用することもできる。
【0046】
図1は、モバイル装置10をその後側、すなわち、モバイル装置10のスクリーンの反対側から示している。モバイル装置10は、背面シェル38を備える筐体を有する。背面シェル38のほぼ中央には、モジュール・ホルダー12が配置された円形凹部が位置している。モジュール・ホルダー12の外側輪郭も同様に円形である。
【0047】
モジュール・ホルダー12は、モバイル装置10の外側へ面し且つ周辺輪郭に囲まれる凹部13を有し、ここで、周辺輪郭は、円弧セクション14および直線状に延びている割線セクション16を有する。円弧セクション14および割線セクション16は、いわば、凹部13を横方向に囲む周壁を画定する。モジュール・ホルダー12のさらなる詳細も、
図3、6、7、および
図8から見ることができる。
【0048】
凹部13は、複数の電気接触要素18が埋め込まれた基面24を有する。電気接触要素18は、例えば、平面状接触面として形成することができる。接触要素18は、周辺輪郭から一定の間隔で延びている曲線に沿って周辺輪郭内に分布して配置されている。
【0049】
図2では、モジュール・ホルダー12によってモバイル装置10へ取り外し可能に接続可能であるカメラ・モジュール40が示されている。カメラ・モジュール40は、静止画像または動画像を取り込むように構成された画像センサと、画像センサ上に画像を生成するための1つまたは複数のレンズを有する対物レンズとを備えることができる。画像センサおよび対物レンズは、簡略化のため図面には示されていない。
【0050】
カメラ・モジュール40は、光入口開口部の反対側に配置された一端面が軸方向においてある程度突出している結合セクション42に隣接しているほぼ円筒形の本体60を有する。結合セクション42は、本体60の周辺輪郭に対してわずかに内側に後退し且つ円弧セクション44および割線セクション46から構成される周辺輪郭を有する。
【0051】
カメラ・モジュール40の円弧セクション44および割線セクション46は、カメラ・モジュール40をモバイル装置10へ接続するために結合セクション42を凹部13に受け取り且つモジュール・ホルダー12へ掛け合わせることができるようにモジュール・ホルダー12(
図1、6、7、および8)の円弧セクション14および割線セクション16へ合わせる。結合セクション42の設計は、
図9に関して説明した変形例に対応する。
【0052】
モジュール・ホルダーの接触要素18に数および配置に関して対応する接触要素48が、カメラ・モジュール40の各接触要素48がモジュール・ホルダー12の関連する接触要素18と電気的に接触できるように、結合セクション42の端面62に配置されている。接触要素48は、例えば、カメラ・モジュール40がモバイル装置10へ接続されるとき、確実な電気的接触に必要な接触圧を加えるためのバネ式の接触ピンとして構成することができる。
【0053】
接触要素18、48は、カメラ・モジュール40とモバイル装置10との間に電気的インターフェースを画定し、それを介して電気的インターフェース制御信号をモバイル装置10からカメラ・モジュール40へ送信し、画像センサによって生成された画像信号をカメラ・モジュール40からモバイル装置10へ送信することができる。さらに、モバイル装置10のアキュムレータ(accumulator)によって提供される電源電圧は、カメラ・モジュール40がそれ自体の電源を有していない場合、カメラ・モジュール40へ送ることもできる。
【0054】
図7および
図8に関して、カメラ・モジュール40とモバイル装置10との間の機械的インターフェースの設計について、次に、より詳細に説明する。明瞭さの理由から、カメラ・モジュール40は、ある程度、単純化され、例として示されるいくつかの接触要素48を除いて、電気的および光学的構成要素なしで示されている。モバイル装置10のうち、モジュール・ホルダー12のみが示され、ここで、カメラ・モジュール40の場合もそうであるように、電気的接触要素は、より明瞭にするために示されていない。
【0055】
モジュール・ホルダー12またはカメラ・モジュール40の割線セクション16、46は、それぞれアンダーカット・セクション20、50を有し、それらは、それらの長さの大部分にわたって互いに協働する。モジュール・ホルダー12の円弧セクション14の部分領域では、凹部13の周壁に沿って基面24から離隔して延びるビード形状(bead-shaped)のラッチ・ノーズ22として構成されたラッチ・セクションが設けられている。結合セクション42の凹部13内への問題のない挿入を可能にするために、ビード形状のラッチ・ノーズ22は、アンダーカット・セクション20の反対側へわずかに180°未満になる角度範囲にわたって延びている。
【0056】
結合セクション42の外向き周壁には、移動可能に支持された球形状のラッチ要素52が相補的なラッチ・セクションとして設けられ、圧縮ばね58およびピボット・アーム56を介して径方向外側に予圧されている。一方では、予圧は、ラッチ要素52がラッチ・ノーズ22の後ろに確実に係合するので、モジュール・ホルダー12からのカメラ・モジュール40の滑り落ちが回避されるという効果を有する。さらに、圧縮ばね58の力は、アンダーカット・セクション20、50を係合状態で保持する締付力を生成する。圧縮ばね58によって生成される予圧または締付力、ひいては機械的インターフェースの保持力を設定することができるように、圧縮ばね58の予圧は、圧縮ばね58と協働し、例えば、グラブねじとして構成される調整ねじ57を回すことによって変更することができる。
【0057】
カメラ・モジュール40をモバイル装置10またはモジュール・ホルダー12へ接続する、または掛け合わせるために、カメラ・モジュール40は、最初に、結合セクション42でわずかに傾けて凹部13内へ挿入され、ここで、アンダーカット・セクション20と50との間の接触が最初に確立される(
図7参照)。次いで、カメラ・モジュール40は、ラッチ要素52がラッチ・ノーズ22の上を滑動するように傾けられ、ここで、ラッチ・ノーズ22を通過すると、ラッチ要素52は、圧縮ばね58によって加えられる力に逆らって結合セクション42の内部へわずかに跳ね返り、次いでラッチ・ノーズ22の後ろに係合する(
図8参照)。カメラ・モジュール40を取り外す、またはラッチを外すには、反対の手順に従って、圧縮ばね58によって加えられる力に打ち勝ち且つラッチ要素52の跳ね返りをもたらすために、この目的のために十分な傾きトルクが適用されなければならない。
【0058】
カメラ・モジュール40とモバイル装置10との間の
図7および8に関して説明した機械的インターフェースの変形例を
図9に示す。モジュール・ホルダー12は
図7および8に関して説明した実施形態に対応するが、ラッチ・ノーズ22のわずかに異なる輪郭づけを除いて、結合セクション42は以下で説明する特徴に関して変化する。
【0059】
球形状のラッチ要素52の代わりに、圧縮ばね58を介して径方向外側に予圧される、枢動可能に支持されたレバー状のラッチ要素52´が設けられている。
図7および8の実施形態によると、予圧は、ラッチ要素52’に形成されたラッチ・セクション53がラッチ・ノーズ22の後ろに確実に係合するので、カメラ・モジュール40のモジュール・ホルダー12からの滑り落ちが回避されるという効果を有する。さらに、圧縮ばね58´の力は、アンダーカット・セクション20、50を係合状態で保持する締付力を生成する。
【0060】
モジュール・ホルダー12へのカメラ・モジュール40の接続または掛合は、
図7および8による実施形態と同様に行うことができるが、
図9による変形例では、ラッチ要素52´に設けられた作動セクション54を、カメラ・モジュールを取り外すためにカメラ・モジュール40を傾けることに加えて押圧しなければならない。というのは、異なる輪郭づけのため、ラッチ・セクション53およびラッチ・ノーズ22は、作動要素54を押圧することなく掛合を外すことが不可能であるように
図7および8による実施形態と比較して互いの後ろで係合するからである。作動要素54の押圧により、ラッチ要素52´は、圧縮ばね58の力に逆らって結合セクション42の内部へ、わずかに後方へ枢動し、ラッチ・セクション53はラッチ・ノーズ22との係合から外される。
【0061】
ラッチ・セクション53およびラッチ・ノーズ22の輪郭づけは、傾けまたは転倒のみによってモジュール・ホルダー12からカメラ・モジュール40を取り外すことが不可能であるように選択されるので、カメラ・モジュール40の意図しない切り離しの危険性が、
図7および8による実施形態と比較して、
図9によるインターフェースの実施形態において、低減される。
【0062】
図3から
図6に関して、モジュール・ホルダー12がモバイル装置10の残りの部分へ接続される様式について、以下においてより詳細に説明する。モバイル装置10は、金属から好ましくは製造され且つモバイル装置10の内部に実質的に延びる組立枠36を有する。設計に応じて、組立枠36の部分セクションは、外側から見ることができるので、モバイル装置10の狭い側を画定することができる。ボタンなどの操作要素または電気接続は、この領域に特に設けることができる。組立枠36は、モバイル装置10の異なる構成要素、例えば、電気構成要素、回路基板、さらなるカメラ、電源用アキュムレータ、無線モジュールなどのキャリアとしての役割を果たす。
【0063】
本実施形態では、モジュール・ホルダー12は、組立枠36へ接続されたカメラ・モジュール・キャリア26の一部である。特に
図3および4に容易に見られるように、カメラ・モジュール・キャリア26は、モジュール・ホルダー12が設けられた中央領域28を有する。本実施形態では、カメラ・モジュール・キャリア26は、複数の部分に形成され、モジュール・ホルダー12の他に、モジュール・ホルダー12用の円形受取部32が形成されたキャリア板27を備える。この点では、モジュール・ホルダー12は、例えば、損傷または他の理由で必要とされる取替えの場合にモジュール・ホルダー12の交換を行うことができるように、キャリア板27へねじ込まれる。図示しない変形例によると、モジュール・ホルダー12は、しかしながら、カメラ・モジュール・キャリア26に一体的に形成することもできる。
【0064】
カメラ・モジュール・キャリア26またはキャリア板27は、中央領域28から離れて延び、それらの遠位端に向かって先細りになる6つの指状のストラット30を有する。ストラット30の遠位端点では、締結ねじを受け取るためのボアおよび少なくとも部分的にフランジ状の厚肉部を有する各締結点34が設けられて、十分な設置空間が組立枠36とカメラ・モジュール・キャリア26との間にモバイル装置10のさらなる構成要素を受け取るために依然として利用可能であるように、組立枠36とカメラ・モジュール・キャリアとの間の所望の間隔を設ける。
【0065】
ストラット30の間に延びているフリースペースを有するカメラ・モジュール・キャリア16またはキャリア板27の蜘蛛様の設計は、一方では、十分な設置空間がモバイル装置10のさらなる構成要素のために利用可能であり、カメラ・モジュール・キャリア26によって不必要に占有されないということを確実にする。さらに、カメラ・モジュール・キャリア26の重量は、この設計により、必要量まで低減することができる。カメラ・モジュール・キャリア26が金属から生産される場合、遮蔽および/または反射効果による無線信号の受信経路の障害は、スリムな蜘蛛形状の設計によって低減することができる。
【0066】
次に、
図5および6に関して、背面シェル38およびカメラ・モジュール・キャリア26を組立枠36へ接続することができる方法について、より詳細に説明する。
【0067】
背面シェル38は、例えば、安定したプラスチック材料から製造することができるが、モジュール・キャリア26との重なり領域において、背面シェル38の材料厚みがある程度低減された深部39を有する。深部39の輪郭は、カメラ・モジュール・キャリア26の外側輪郭に大部分は追従する。
【0068】
カメラ・モジュール・キャリア26は、最初に組立枠36へ締結することができ、特に組立枠36へねじ込むことができる。この目的のために、締結ねじは、カメラ・モジュール・キャリア26の締結点34におけるボアを通して導かれ、組立枠36に設けられた対応するねじ付きボアにねじ込むことができる。カメラ・モジュール・キャリア26を覆う背面シェル38は、次いで、同様に組立枠36へ締結され、これは、例えば、特に内側からのねじ込み、掛合、または接着接合によって行うことができる。安定性をさらに高めるために、背面シェル38はカメラ・モジュール・キャリア26へ追加的に接着接合することができる。
【0069】
変形例によると、背面シェル38は、カメラ・モジュール・キャリア26と共に組立枠36へ接続することもできる。背面シェル38は、カメラ・モジュール・キャリア26の締結点34においてボアと整列するボアを有することができる。背面シェル38およびカメラ・モジュール・キャリア26の締結は、締結ねじが背面シェル38の外側からボアを通して導かれ、組立枠36に設けられた対応するねじ付きボアにねじ込むように行われる。したがって、モジュール・キャリアは、これらの締結ねじの助けで、背面シェル38と共に組立枠36へ固定される。追加で、接着接合を、背面シェル38とカメラ・モジュール・キャリア26との間に設けることができる。背面シェル38およびカメラ・モジュール・キャリア26が互いへ接着接合される場合、背面シェル38におけるボアは、この点で、締結ねじの頭部が背面シェル38とフォーム・フィッティング接続にならないように大きくすることもできるが、背面シェル38におけるボアは、背面シェル38の外面に対して面一である、または凹んでいるねじ頭部を受け取るための、いわばくぼみとして形成される。締結ねじ用ボアを覆うために、背面シェル38の外側は、モバイル装置10の内部への汚れまたは湿気の侵入を防止するためにボアを覆うカバーまたはフィルムで覆うことができる。
【符号の説明】
【0070】
10 モバイル装置
12 モジュール・ホルダー
13 凹部
14 円弧セクション
16 割線セクション
18 接触要素
20 アンダーカット・セクション
22 ラッチ・ノーズ
24 基面
26 カメラ・モジュール・キャリア
27 キャリア板
28 中央領域
30 ストラット
32 受取部
34 締結点
36 組立枠
38 背面シェル
39 深部
40 カメラ・モジュール
42 結合セクション
44 円弧セクション
46 割線セクション
48 接触要素
50 アンダーカット・セクション
52、52´ ラッチ要素
53 ラッチ・セクション
54 作動セクション
56 ピボット・アーム
57 調整ねじ
58 圧縮ばね
60 本体
62 端面