(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-25
(45)【発行日】2025-03-05
(54)【発明の名称】無人搬送車
(51)【国際特許分類】
B61B 13/00 20060101AFI20250226BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20250226BHJP
【FI】
B61B13/00 V
B65G1/00 501C
(21)【出願番号】P 2023158457
(22)【出願日】2023-09-22
【審査請求日】2023-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100218084
【氏名又は名称】高橋 俊光
(72)【発明者】
【氏名】天井 雅康
(72)【発明者】
【氏名】藤井 彰
(72)【発明者】
【氏名】菅野 博文
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-130844(JP,A)
【文献】特開2022-104294(JP,A)
【文献】特開2015-166227(JP,A)
【文献】特開昭62-8915(JP,A)
【文献】中国特許第114834341(CN,B)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61B 13/00
B65G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備に向かって自動的に走行するとともに、前記設備とパレットの受け渡しを行う無人搬送車であって、
駆動力を発生させる走行用駆動源と、前記走行用駆動源の駆動力を受けて回転する駆動輪と、を有する車両本体と、
前記車両本体に支持され、前記パレットが載せられる荷台と、
前記荷台に支持されたケースと、先端部を有しかつ前記ケース内にて巻回された第1および第2のジップチェーンと、前記先端部が前記ケースから離れる方向に前記第1および第2のジップチェーンを送り出し、前記第1および第2のジップチェーンを互いに噛み合わせるモータと、を有する噛み合い式チェーン機構と、
前記第1および第2のジップチェーンの前記先端部に接続され、前記パレットと着脱自在に係合する係合部材と、を備え、
前記噛み合い式チェーン機構は、前記係合部材が車両平面視において前記荷台または前記車両本体と重なる第1位置と、前記係合部材が車両平面視において前記荷台および前記車両本体の外側に位置する第2位置との間で、前記係合部材を移動させるように構成されている、無人搬送車。
【請求項2】
前記走行用駆動源および前記モータを制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、
前記駆動輪を回転させ、かつ、前記係合部材を前記第1位置に保持する走行制御部と、
前記駆動輪を停止させ、かつ、前記係合部材を前記第1位置から前記第2位置に移動させる受け渡し制御部と、を有している、請求項1に記載の無人搬送車。
【請求項3】
前記噛み合い式チェーン機構に連結され、前記荷台からの前記パレットの落下を防止するロック機構を備え、
前記ロック機構は、前記係合部材が前記第1位置にあるときには起立し、前記係合部材が前記第1位置から前記第2位置に向けて移動すると傾倒するロック部材を備えている、請求項1に記載の無人搬送車。
【請求項4】
前記荷台に固定され、水平方向に延びる第1ガイド棒と、
前記第1ガイド棒に摺動可能に係合した第1スライダと、
前記第1スライダに固定され、前記第1ガイド棒と平行に配置された第2ガイド棒と、
前記第2ガイド棒に摺動可能に係合した第2スライダと、を備え、
前記係合部材は、前記第2スライダに固定されている、請求項1に記載の無人搬送車。
【請求項5】
前記第1ガイド棒は、車両平面視において前記荷台または前記車両本体と重なっており、
前記係合部材が前記第1位置にあるときに、前記第2ガイド棒は車両平面視において前記荷台または前記車両本体と重なり、
前記係合部材が前記第2位置にあるときに、前記第2ガイド棒の少なくとも一部は車両平面視において前記荷台および前記車両本体の外側に位置する、請求項4に記載の無人搬送車。
【請求項6】
前記噛み合い式チェーン機構に連結され、前記荷台からの前記パレットの落下を防止するロック機構を備え、
前記係合部材が前記第1位置から前記第2位置に移動する方向を第1方向、前記第2位置から前記第1位置に移動する方向を第2方向としたときに、
前記第2スライダは前記第1スライダよりも前記第1方向側に配置され、
前記ロック機構は、
前記荷台に対して前記第1方向および前記第2方向に揺動可能に接続されたロック部材と、
前記ロック部材よりも前記第2方向側に配置され、前記荷台に対して前記第1方向および前記第2方向に揺動可能に接続された揺動部材と、
前記揺動部材に対して前記第1方向および前記第2方向に揺動可能に接続された根元部と前記ロック部材に対して前記第1方向および前記第2方向に揺動可能に接続された先端部とを有するアーム部材と、
前記第2スライダに固定され、前記係合部材が前記第2位置から前記第1位置に移動するときに前記揺動部材と接触することにより前記揺動部材を揺動させ、前記係合部材が前記第1位置から前記第2位置に移動するときに前記揺動部材から離間する接触部材と、を有し、
前記ロック部材は、前記係合部材が前記第2位置から前記第1位置に移動するときに、前記揺動部材の揺動に伴って前記アーム部材に引っ張られることにより起立し、前記係合部材が前記第1位置から前記第2位置に移動するときに傾倒するように構成されている、請求項4に記載の無人搬送車。
【請求項7】
前記係合部材が前記第1位置から前記第2位置に移動する方向を第1方向、前記第2位置から前記第1位置に移動する方向を第2方向、前記第1方向と垂直な方向を第3方向、前記第3方向と逆方向を第4方向としたときに、
前記荷台は、前記係合部材の前記第3方向側および前記第4方向側に配置されたローラ群を有し、
前記各ローラ群は、前記第1方向に並べられた複数のローラを有している、請求項1に記載の無人搬送車。
【請求項8】
前記荷台、前記噛み合い式チェーン機構、および前記係合部材を支持する台車と、
前記台車が前記車両本体に対して少なくとも水平方向に移動可能なように前記車両本体と前記台車とを連結する連結装置と、
を備えている、請求項1に記載の無人搬送車。
【請求項9】
前記荷台は、前記車両本体の上方に配置され、
前記連結装置は、前記荷台の下方かつ前記車両本体の上方に配置されている、請求項8に記載の無人搬送車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設備に向かって自動的に走行すると共に設備とパレットの受け渡しを行う無人搬送車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、工場等において、複数の設備の間で荷物を自動的に搬送する無人搬送車が用いられている。無人搬送車は、設備に向かって走行し、設備の手前の位置に到達すると自動的に停止する。無人搬送車は、設備の手前で停止した後、荷物を載せたパレットを設備に引き渡し、または、荷物を載せたパレットを設備から受け取る。
【0003】
特許文献1には、無人搬送車から組立ラインの治具台車に対して、供給装置を用いて部品載置箱(すなわちパレット)を引き渡す技術が開示されている。無人搬送車は、パレットが載せられる回転可能な複数のカラー(以下、ローラという)と、ローラを駆動するモータとを備えている。供給装置も、パレットが載せられる回転可能な複数のローラと、ローラを駆動するモータとを備えている。無人搬送車が供給装置の手前に停止した後、無人搬送車および供給装置のモータが駆動され、無人搬送車および供給装置のローラが回転する。これにより、部品を載せたパレットは、それらのローラにより、無人搬送車から供給装置に運ばれる。詳しくは、無人搬送車のローラにより、パレットは無人搬送車の外部に運ばれる。供給装置のローラにより、パレットは供給装置の内部に運ばれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された技術では、供給装置の内部にパレットを運ぶために、供給装置にモータが必要である。上記の供給装置および組立ラインは、無人搬送車から荷物を受け取って加工を行う設備の一種である。特許文献1に開示された技術では、無人搬送車からパレットを受け取る駆動力を発生させるモータが必要であり、そのようなモータを設備に設置しなければならない。
【0006】
ここで、設備の低コスト化または小型化のために、設備から上記モータを削除することが考えられる。しかし、その場合、設備のローラはモータによって駆動されないため、設備はパレットを設備の内部にまで運び込むことができない。設備に代わって、無人搬送車が設備の内部にまでパレットを運び入れる必要がある。
【0007】
無人搬送車が設備の内部にまでパレットを運び入れることができるように、無人搬送車のローラを車両本体から設備の方に張り出して配置することが考えられる。しかし、例えば、無人搬送車の走行経路の途中に、障害物(例えば、停止中の他の無人搬送車)が存在する場合がある。無人搬送車が張り出し部分を有する場合、走行中に張り出し部分が障害物に接触する可能性がある。無人搬送車が設備に向かって良好に走行できるよう、無人搬送車は張り出し部分を有していないことが好ましい。
【0008】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、設備に向かって良好に走行できるとともに、パレットを引き込むモータが設けられていない設備に対して、パレットを良好に受け渡すことができる無人搬送車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ここに開示される無人搬送車は、設備に向かって自動的に走行するとともに、前記設備とパレットの受け渡しを行う無人搬送車である。前記無人搬送車は、車両本体と、荷台と、噛み合い式チェーン機構と、係合部材とを備える。前記車両本体は、駆動力を発生させる走行用駆動源と、前記走行用駆動源の駆動力を受けて回転する駆動輪と、を有する。前記荷台は前記車両本体に支持されており、前記荷台に前記パレットが載せられる。前記噛み合い式チェーン機構は、前記車両本体に支持されたケースと、先端部を有しかつ前記ケース内にて巻回された第1および第2のジップチェーンと、前記先端部が前記ケースから離れる方向に前記第1および第2のジップチェーンを送り出し、前記第1および第2のジップチェーンを互いに噛み合わせるモータと、を有する。前記係合部材は、前記第1および第2のジップチェーンの前記先端部に接続されており、前記パレットと着脱自在に係合する。前記噛み合い式チェーン機構は、前記係合部材が車両平面視において前記荷台または前記車両本体と重なる第1位置と、前記係合部材が車両平面視において前記荷台および前記車両本体の外側に位置する第2位置との間で、前記係合部材を移動させるように構成されている。
【0010】
上記無人搬送車によれば、係合部材が第1位置にあるときには、係合部材は車両平面視において荷台または車両本体と重なる位置にある。よって、係合部材が荷台または車両本体から張り出すことが防止される。走行中に係合部材を第1位置に保持することとすれば、無人搬送車が周囲の障害物に接触する可能性を低減することができる。よって、無人搬送車は設備に向かって良好に走行することができる。モータが第1および第2のジップチェーンを送り出すと、係合部材は第1位置から第2位置に移動し、係合部材は車両平面視において荷台および車両本体の外側に移動する。係合部材にはパレットが係合しているので、パレットを荷台の外側にまで運び込むことができる。よって、パレットを引き込むモータが設備に設けられていなくても、無人搬送車に備えられたモータによって、パレットを設備の内部にまで運び入れることができる。
【0011】
前記無人搬送車は、前記走行用駆動源および前記モータを制御する制御装置を備えていてもよい。前記制御装置は、前記駆動輪を回転させ、かつ、前記係合部材を前記第1位置に保持する走行制御部と、前記駆動輪を停止させ、かつ、前記係合部材を前記第1位置から前記第2位置に移動させる受け渡し制御部と、を有していてもよい。
【0012】
このことにより、無人搬送車が設備に向かって走行しているときには、係合部材が走行制御部によって第1位置に保持される。よって、無人搬送車の走行中に係合部材が張り出すことが自動的に防止される。無人搬送車は、走行中に障害物に接触しにくく、設備に向かって良好に走行することができる。無人搬送車が設備の手前で停止した後、受け渡し制御部はモータを駆動することにより、係合部材を第1位置から第2位置に移動させる。よって、無人搬送車に備えられたモータによって、パレットを設備の内部に自動的に運び入れることができる。
【0013】
前記無人搬送車は、前記噛み合い式チェーン機構に連結され、前記荷台からの前記パレットの落下を防止するロック機構を備えていてもよい。前記ロック機構は、前記係合部材が前記第1位置にあるときには起立し、前記係合部材が前記第1位置から前記第2位置に向けて移動すると傾倒するロック部材を備えていてもよい。
【0014】
このことにより、ロック部材によって、無人搬送車の走行中にパレットが荷台から落下することが防止される。
【0015】
前記無人搬送車は、前記荷台に固定され、水平方向に延びる第1ガイド棒と、前記第1ガイド棒に摺動可能に係合した第1スライダと、前記第1スライダに固定され、前記第1ガイド棒と平行に配置された第2ガイド棒と、前記第2ガイド棒に摺動可能に係合した第2スライダと、を備えていてもよい。前記係合部材は、前記第2スライダに固定されていてもよい。
【0016】
係合部材は第1および第2のジップチェーンに送り出されることにより、第1位置から第2位置に移動する。上記事項によれば、係合部材は、第1スライダを介して第1ガイド棒によって案内され、第2スライダを介して第2ガイド棒によって案内される。よって、係合部材は第1位置から第2位置に向かって、ぶれることなく安定して移動することができる。また、第1ガイド棒および第2ガイド棒は2段式に構成されているので、係合部材を案内するガイド機構の全長を短くすることができる。
【0017】
前記第1ガイド棒は、車両平面視において前記荷台または前記車両本体と重なっていてもよい。前記係合部材が前記第1位置にあるときに、前記第2ガイド棒は車両平面視において前記荷台または前記車両本体と重なっていてもよい。前記係合部材が前記第2位置にあるときに、前記第2ガイド棒の少なくとも一部は車両平面視において前記荷台および前記車両本体の外側に位置していてもよい。
【0018】
このことにより、係合部材が第1位置にあるときには、第1ガイド棒および第2ガイド棒の両方が、車両平面視において荷台または車両本体と重なっている。よって、第1ガイド棒および第2ガイド棒が荷台または車両本体から張り出すことが防止される。係合部材が第2位置にあるときには、第2ガイド棒の少なくとも一部が、車両平面視において荷台および車両本体の外側に位置する。よって、係合部材を第2位置に向けて良好に案内することができる。
【0019】
前記無人搬送車は、前記噛み合い式チェーン機構に連結され、前記荷台からの前記パレットの落下を防止するロック機構を備えていてもよい。前記係合部材が前記第1位置から前記第2位置に移動する方向を第1方向、前記第2位置から前記第1位置に移動する方向を第2方向としたときに、前記第2スライダは前記第1スライダよりも前記第1方向側に配置されていてもよい。前記ロック機構は、前記荷台に対して前記第1方向および前記第2方向に揺動可能に接続されたロック部材と、前記ロック部材よりも前記第2方向側に配置され、前記荷台に対して前記第1方向および前記第2方向に揺動可能に接続された揺動部材と、前記揺動部材に対して前記第1方向および前記第2方向に揺動可能に接続された根元部と前記ロック部材に対して前記第1方向および前記第2方向に揺動可能に接続された先端部とを有するアーム部材と、前記第2スライダに固定され、前記係合部材が前記第2位置から前記第1位置に移動するときに前記揺動部材と接触することにより前記揺動部材を揺動させ、前記係合部材が前記第1位置から前記第2位置に移動するときに前記揺動部材から離間する接触部材と、を有していてもよい。前記ロック部材は、前記係合部材が前記第2位置から前記第1位置に移動するときに、前記揺動部材の揺動に伴って前記アーム部材に引っ張られることにより起立し、前記係合部材が前記第1位置から前記第2位置に移動するときに傾倒するように構成されていてもよい。
【0020】
このことにより、ロック部材は第2スライダと連動して起立および傾倒する。ロック機構は、第2スライダと連動してON/OFFされる。このようなロック機構によって、無人搬送車の走行中にパレットが荷台から落下することが防止される。
【0021】
前記係合部材が前記第1位置から前記第2位置に移動する方向を第1方向、前記第2位置から前記第1位置に移動する方向を第2方向、前記第1方向と垂直な方向を第3方向、前記第3方向と逆方向を第4方向としたときに、前記荷台は前記係合部材の前記第3方向側および前記第4方向側に配置されたローラ群を有していてもよい。前記各ローラ群は、前記第1方向に並べられた複数のローラを有していてもよい。
【0022】
このことにより、係合部材がパレットと係合しながら第1位置から第2位置に移動するときに、ローラがパレットを支持しながら回転することにより、パレットを安定して移動させることができる。
【0023】
前記無人搬送車は、前記荷台、前記噛み合い式チェーン機構、および前記係合部材を支持する台車と、前記台車が前記車両本体に対して少なくとも水平方向に移動可能なように前記車両本体と前記台車とを連結する連結装置と、を備えていてもよい。
【0024】
このことにより、台車が車両本体に対して水平方向に移動可能であるので、車両本体を停止させた後、台車を水平方向に移動させることにより、設備に対して荷台を位置決めすることができる。荷台と設備との位置を高精度に合わせることができるので、パレットの受け渡しを良好に行うことができる。
【0025】
前記荷台は、前記車両本体の上方に配置されていてもよい。前記連結装置は、前記荷台の下方かつ前記車両本体の上方に配置されていてもよい。
【0026】
このことにより、荷台と車両本体とが上下に重なっているので、無人搬送車の前後方向および左右方向の寸法を小さくすることができる。無人搬送車を小型化することができる。また、連結装置が車両本体から側方へ張り出すことを抑制することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、設備に向かって良好に走行できるとともに、パレットを引き込むモータが設けられていない設備に対して、パレットを良好に受け渡すことができる無人搬送車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】工場等における設備および無人搬送車の平面図である。
【
図5】パレットが取り外された無人搬送車の斜視図である。
【
図10A】噛み合い式チェーン機構が収縮したときの搬送機構の平面図である。
【
図10B】噛み合い式チェーン機構が伸張している途中の搬送機構の平面図である。
【
図10C】噛み合い式チェーン機構が伸張したときの搬送機構の平面図である。
【
図11A】ロック機構がロックされたときの搬送機構の鉛直断面図である。
【
図11B】ロック機構が解除されたときの搬送機構の鉛直断面図である。
【
図12】搬送機構の第1ガイド棒、第2ガイド棒、第1スライダ、および第2スライダの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る無人搬送車1は、工場等における複数の設備100の間で荷物200を自動的に搬送する車両である。無人搬送車1は、設備100に向かって走行し、設備100の手前の位置100Pに到達すると自動的に停止する。また、無人搬送車1は、設備100との間で荷物200を自動的に受け渡しする。なお、荷物200の受け渡しとは、荷物200の受け取りおよび引き渡しのことである。以下の実施形態では、無人搬送車1が搬送する荷物200は、設備100によって加工される加工部品であり、設備100は加工部品を加工する加工装置とする。
【0030】
以下の説明では特に断らない限り、無人搬送車1の前方、後方、左方、右方のことを、それぞれ前方、後方、左方、右方とする。図中の矢印F、Rr、L、Rは、それぞれ前方、後方、左方、右方を表す。無人搬送車1は、複数の設備100の間を移動するときに、前方に向かって走行する。
【0031】
図2は無人搬送車1の斜視図である。
図3は無人搬送車1の正面図である。
図4は無人搬送車1の右側面図である。無人搬送車1は、車両本体2と、台車3と、車両本体2と台車3とを連結する連結装置20と、荷物200が載せられるパレット80とを備えている。
図5は、パレット80が取り外された無人搬送車1の斜視図である。
【0032】
図6は車両本体2および連結装置20の正面図である。
図7は車両本体2および連結装置20の右側面図である。車両本体2は、自動走行が可能に構成されている。車両本体2は、シャーシ2Aと、シャーシ2Aに固定された左右の電動モータ(以下、単にモータという)4と、シャーシ2Aに取り付けられた左右の駆動輪5と、シャーシ2Aに取り付けられた左右の前輪5Fと、シャーシ2Aに取り付けられた左右の後輪5Bとを備えている。また、車両本体2は、シャーシ2Aに固定されたフロントバンパー9を備えている。
【0033】
モータ4は、走行用の駆動力を発生させる「走行用駆動源」の一例である。本実施形態では、左の駆動輪5は左のモータ4に連結され、右の駆動輪5は右のモータ4に連結されている。ただし、左右の駆動輪5を駆動するモータの数は2つに限られない。例えば、車両本体2は走行用駆動源として単一のモータを備え、左右の駆動輪5は単一のモータに連結されていてもよい。前輪5Fおよび後輪5Bは従動輪であって、モータ4に連結されていない。本実施形態では、駆動輪5は前輪5Fの後方かつ後輪5Bの前方に配置されている。ただし、駆動輪5の位置は特に限定されない。
【0034】
台車3は、車両本体2によって牽引される車両である。台車3には荷物200(
図1参照)が積載される。
図2に示すように、本実施形態に係る台車3は、車両本体2に覆い被さるように配置されている。車両平面視において、台車3の少なくとも一部は車両本体2と重なっている。
図5に示すように、台車3は、荷台8と、パレット80(
図2参照)を搬送する搬送機構30Aとを備えている。
【0035】
図8は台車3の正面図である。
図9は台車3の右側面図である。台車3は、荷台8を支持する右前支柱7FR、右後支柱7BR、左前支柱7FL、および左後支柱7BLを備えている。なお、
図9において、左後支柱7BLは右後支柱7BRの裏側に位置しており、右後支柱7BRと重なっている。右後支柱7BRは、右前支柱7FRの後方に配置されている。左前支柱7FLは、右前支柱7FRの左方に配置されている。左後支柱7BLは、右後支柱7BRの左方かつ左前支柱7FLの後方に配置されている。
【0036】
右前支柱7FR、左前支柱7FL、右後支柱7BR、左後支柱7BLの下端部には、それぞれ右前輪6FR、左前輪6FL、右後輪6BR、左後輪6BLが回転可能に接続されている。なお、
図9において、左後輪6BLは右後輪6BRの裏側に位置しており、右後輪6BRと重なっている。
【0037】
前述したように、台車3は車両本体2に覆い被さるように配置されている。
図6に示すように、連結装置20は車両本体2の上部に接続されている。
図8に示すように、連結装置20は荷台8の下方に配置されている。車両平面視において、連結装置20は台車3および車両本体2と重なっている。連結装置20は、台車3が車両本体2に対して車両左右方向および車両上下方向に移動可能なように、車両本体2と台車3とを連結している。なお、台車3および車両本体2は、車両前後方向には互いに移動不能となっている。また、連結装置20は、台車3が車両本体2に対して左右かつ前後に回転可能なように、車両本体2と台車3とを連結している。ただし、車両本体2に対する台車3の位置が大きくずれないように、車両本体2に対する台車3の移動範囲および回転範囲は予め制限されている。
【0038】
搬送機構30Aは、パレット80を荷台8から設備100に搬送可能に構成されている。また、搬送機構30Aは、パレット80を設備100から荷台8に搬送可能に構成されている。無人搬送車1は、走行用のモータ4および搬送機構30Aを制御する制御装置17を備えている。次に、搬送機構30Aの詳細について説明する。
【0039】
図5に示すように、搬送機構30Aは、パレット80と着脱自在に係合する係合部材47と、噛み合い式チェーン機構30と、パレット80を支持する回転可能な複数のローラ60とを備えている。噛み合い式チェーン機構30は、係合部材47を左右に移動させるアクチュエータである。噛み合い式チェーン機構30が係合部材47を右方に移動させると、係合部材47に係合したパレット80を荷台8から設備100に送り出すことができる。噛み合い式チェーン機構が係合部材47を左方に移動させると、係合部材47に係合したパレット80を設備100から荷台8に引き込むことができる。
【0040】
図10A、
図10B、および
図10Cは、搬送機構30Aを模式的に表した平面図である。
図10Aは、噛み合い式チェーン機構30が収縮した状態を表している。
図10Bは、噛み合い式チェーン機構30が伸張している途中の状態を表している。
図10Cは、噛み合い式チェーン機構30が伸張したときの状態を表している。
図11Aおよび
図11Bは、搬送機構30Aを模式的に表した鉛直断面図である。
図11Aは、
図10AのXIA-XIA線断面図であり、後述するロック機構50がロックされた状態を表している。
図11Bは、ロック機構50のロックが解除された状態を表している。なお、本実施形態では、右方、左方、前方、後方が、それぞれ「第1方向」、「第2方向」、「第3方向」、「第4方向」に対応する。
【0041】
図10Aに示すように、噛み合い式チェーン機構30は、ケース35と、第1ジップチェーン31と、第2ジップチェーン32と、モータ33(
図11A参照)と、スプロケット34とを備えている。ケース35は、荷台8に直接的または間接的に支持されている。噛み合い式チェーン機構30が収縮しているときには、第1ジップチェーン31および第2ジップチェーン32はケース35の内部で巻回されている。スプロケット34はケース35の内部に設けられ、第1ジップチェーン31と噛み合っている。モータ33はスプロケット34と接続され、スプロケット34を回転させる。係合部材47は、第1ジップチェーン31および第2ジップチェーン32の先端部に接続されている。
【0042】
モータ33を駆動すると、スプロケット34が回転し、第1ジップチェーン31はスプロケット34によってケース35の外部に送り出される。このとき、第2ジップチェーン32は、第1ジップチェーン31と噛み合いながら、ケース35の外部に送り出される。これにより、第1ジップチェーン31および第2ジップチェーン32は伸張し、係合部材47は右方に移動する。なお、第1ジップチェーン31および第2ジップチェーン32を保護するために、第1ジップチェーン31および第2ジップチェーン32におけるケース35の外部の部分を覆う蛇腹状のカバー(図示せず)をケース35に取り付けるようにしてもよい。
【0043】
モータ33を逆方向に駆動すると、スプロケット34が逆方向に回転し、第1ジップチェーン31はスプロケット34によってケース35の内部に引き込まれる。このとき、第2ジップチェーン32は、第1ジップチェーン31と共にケース35の内部に引き込まれる。これにより、第1ジップチェーン31および第2ジップチェーン32は収縮し、係合部材47は左方に移動する。
【0044】
図12に示すように、搬送機構30Aは、第1ガイド棒40、第2ガイド棒41、第1スライダ42、および第2スライダ43を備えている。第1ガイド棒40は荷台8に固定され、右方に延びている(
図10A参照)。第1ガイド棒40は、車両平面視において荷台8または車両本体2と重なっている。第1スライダ42は第1ガイド棒40に摺動可能に係合している。第2ガイド棒41は第1ガイド棒40の上方に配置され、第1ガイド棒40と平行に右方に延びている。第2ガイド棒41の左端部は第1スライダ42に固定されている。第2ガイド棒41は、第1スライダ42と共に移動可能である。第2スライダ43は第1スライダ42よりも右方に配置されている。第2スライダ43は第2ガイド棒41に摺動可能に係合している。第2スライダ43には、第1ジップチェーン31および第2ジップチェーン32の先端部が接続されている(
図10A参照)。第1ガイド棒40の先端には、第1スライダ42が第1ガイド棒40から離脱しないよう第1ストッパ44が設けられている。第2ガイド棒41の先端には、第2スライダ43が第2ガイド棒41から離脱しないよう第2ストッパ45が設けられている。
【0045】
図10Aに示すように、係合部材47は第2スライダ43に取り付けられている。係合部材47は、第2スライダ43を介して第1ジップチェーン31および第2ジップチェーン32の先端部に接続されている。係合部材47は、第2スライダ43と共に左右に移動する。以下の説明では、噛み合い式チェーン機構30が最も収縮したときの係合部材47の位置を第1位置とし、噛み合い式チェーン機構30が最も伸張したときの係合部材47の位置を第2位置とする。
図10Aは係合部材47が第1位置にあるときの図であり、
図10Cは係合部材47が第2位置にあるときの図である。第1位置は、係合部材47が車両平面視において荷台8または車両本体2と重なる位置である。第2位置は、係合部材47が車両平面視において荷台8および車両本体2の外側にあるときの位置である。噛み合い式チェーン機構30は、係合部材47を第1位置と第2位置との間で移動させるように構成されている。
【0046】
無人搬送車1にはロック機構50が備えられている。ロック機構50は、無人搬送車1の走行中に、荷台8からパレット80が落下することを防止する。
図11Aに示すように、ロック機構50は、ロック部材51と、アーム部材52と、揺動部材53とを有している。ロック部材51は、軸51aにより荷台8に接続されている。ロック部材51は軸51a周りに揺動可能であり、左右に揺動可能である。揺動部材53は軸53aにより荷台8に接続されている。揺動部材53は軸53a周りに揺動可能であり、左右に揺動可能である。アーム部材52は、ロック部材51と揺動部材53とを連結している。アーム部材52は、根元部52bと先端部52aとを有している。アーム部材52の根元部52bは、揺動部材53に左右に揺動可能に接続されている。アーム部材52の先端部52aは、ロック部材51に左右に揺動可能に接続されている。
【0047】
揺動部材53はローラ53bを有している。第2スライダ43には、係合部材47が第1位置にあるときにローラ53bと接触可能な接触部材46が備えられている。接触部材46は、第2スライダ43が左方に移動する際に、ローラ53bと接触することによりローラ53bを押し下げるように構成されている。ローラ53bが押し下げられると、揺動部材53は軸53aを中心として
図11Aの時計回りに回転し、アーム部材52は揺動部材53によって左方に引っ張られる。すると、ロック部材51はアーム部材52によって左方に引っ張られ、軸51aを中心として
図11Aの時計回りに回転することによって起立する。これにより、ロック機構50がロックされ、荷台8からパレット80が落下することを防止できる。図示は省略するが、揺動部材53には、ローラ53bを上昇させる方向に揺動部材53を付勢するばねが設けられている。
図11Bに示すように、第2スライダ43が右方に移動すると、接触部材46はローラ53bから離れる。揺動部材53は上記ばねの力を受けることによって軸53aを中心として
図11Bの反時計回りに回転し、ローラ53bは上昇する。揺動部材53の回転に伴い、アーム部材52は揺動部材53によって右方に押される。これにより、ロック部材51はアーム部材52によって右方に押され、軸51aを中心として
図11Bの反時計回りに回転することにより、傾倒する。これにより、ロック機構50のロックが解除され、無人搬送車1と設備100の間でパレット80の受け渡しを行うことができる。
【0048】
図10Aに示すように、荷台8には、係合部材47の前方および後方に配置されたローラ群60Gが設けられている。各ローラ群60Gは、左右に並べられた複数のローラ60を有している。ローラ60により、パレット80を支持することができ、パレット80を左右に円滑に搬送することができる。
【0049】
前述したように、無人搬送車1は制御装置17を備えている(
図2参照)。制御装置17は、無人搬送車1の走行を制御する。また、制御装置17は、無人搬送車1と設備100とのパレット80の受け渡しを自動的に行うために、搬送機構30Aを制御する。詳しくは、制御装置17は、走行用のモータ4と、噛み合い式チェーン機構30のモータ33とを制御する。制御装置17はマイクロコンピュータによって構成されている。
図13は、制御装置17の機能ブロック図である。制御装置17は、コンピュータプログラムを実行することによって、走行制御部17Aおよび受け渡し制御部17Bとして機能する。制御装置17は、走行制御部17Aおよび受け渡し制御部17Bを有している。走行制御部17Aは、係合部材47を第1位置に保持しつつ、駆動輪5を回転させることにより無人搬送車1を走行させる。受け渡し制御部17Bは、無人搬送車1から設備100にパレット80を搬送するときに、駆動輪5を停止させつつ、モータ33を制御することにより係合部材47を第1位置から第2位置へと移動させる。受け渡し制御部17Bは、設備100から無人搬送車1にパレット80を搬送するときには、駆動輪5を停止させつつ、モータ33を制御することにより係合部材47を第2位置から第1位置へと移動させる。
【0050】
以上が無人搬送車1の構成である。次に、無人搬送車1の動作について説明する。
【0051】
荷物200を載せたパレット80を搭載した無人搬送車1は、設備100とパレット80の受け渡しを行うために、設備100の手前の位置100P(
図1参照)に到達すると停止する。なお、無人搬送車1が設備100に向かって走行している間、係合部材47は第1位置(
図10A参照)に保持されている。また、ロック部材51は起立しており(
図11A参照)、パレット80の落下が防止されている。
【0052】
連結装置20により、台車3は車両本体2に対して左右方向および上下方向に移動可能に連結されている。無人搬送車1が設備100の手前で停止した後、荷台8の位置が設備100に対してずれている場合には、台車3を左右方向または上下方向に移動させることにより、設備100に対して荷台8を位置決めすることができる。荷台8の位置を設備100の位置に高精度に合わせることができる。
【0053】
パレット80を設備100に搬送するため、制御装置17は搬送機構30Aを駆動する。制御装置17は、モータ33を駆動することにより、スプロケット34を回転させる。すると、第1ジップチェーン31および第2ジップチェーン32がケース35から送り出される。第1ジップチェーン31および第2ジップチェーン32の先端部は、ケース35から離れる方向に送り出される。第2スライダ43は第1ジップチェーン31および第2ジップチェーン32の先端部に接続されているので、第1ジップチェーン31および第2ジップチェーン32が伸張することにより、第2スライダ43は右方に移動する。これにより、ロック部材51は傾倒し、ロック機構50のロックが解除される(
図11B参照)。係合部材47が右方に移動することにより、パレット80は荷台8から設備100に向かって押し出される。
【0054】
第2スライダ43が第2ガイド棒41に沿って右方に移動すると、
図10Bに示すように、やがて第2スライダ43は第2ストッパ45に突き当たり、第2ストッパ45を右方に押す。第2ストッパ45は、第2ガイド棒41を介して第1スライダ42に接続されている。そのため、第2スライダ43が第2ストッパ45を右方に押すと、第2ストッパ45、第2ガイド棒41、および第1スライダ42が一体となって、第2スライダ43と共に右方に移動する。
【0055】
第1スライダ42が第1ガイド棒40に沿って右方に移動すると、
図10Cに示すように、やがて第1スライダ42は第1ストッパ44に突き当たる。これにより、第2スライダ43の移動が停止する。このとき、第2ガイド棒41の少なくとも一部は荷台8および車両本体2の外側に位置していて、係合部材47は第2位置にある。パレット80は、設備100の内部に搬入される。
【0056】
無人搬送車1が設備100にパレット80を引き渡した後は、上述と逆の動作が行われる。すなわち、制御装置17はモータ33を逆方向に駆動することにより、スプロケット34を逆方向に回転させる。すると、第1ジップチェーン31および第2ジップチェーン32がケース35に引き込まれ、係合部材47は第2位置から第1位置へと戻る。はじめに、第2スライダ43のみが左方に移動する。その後、第2スライダ43が第1スライダ42に突き当たり、第1スライダ42を左方に押す。すると、第1スライダ42、第2ガイド棒41、および第2ストッパ45が一体となって、第2スライダ43と共に左方に移動する。そして、係合部材47が第1位置に移動すると、ロック部材51が起立し、モータ33は停止される。
【0057】
このように、係合部材47をパレット80に係合させ、第1位置から第2位置に移動させることにより、荷台8から設備100にパレット80を引き渡すことができる。その後、パレット80に係合していない係合部材47を第2位置から第1位置に移動させることにより、係合部材47を荷台8の上方に移動させることができ、搬送機構30Aを初期状態に戻すことができる。
【0058】
なお、上述の動作は、無人搬送車1が設備100にパレット80を引き渡す動作であるが、無人搬送車1が設備100からパレット80を受け取る動作もほぼ同様にして行うことができる。すなわち、パレット80に係合していない係合部材47を第1位置から第2位置に移動させることにより、係合部材47を荷台8の外側に移動させることができ、設備100の内部にまで移動させることができる。その後、係合部材47をパレット80に係合させ、第2位置から第1位置に移動させることにより、設備100から荷台8にパレット80を移動させることができる。
【0059】
次に、本実施形態によってもたらされる様々な効果について説明する。
【0060】
本実施形態に係る無人搬送車1は、パレット80を搬送させる搬送機構30Aを備え、搬送機構30Aは噛み合い式チェーン機構30を備えている。噛み合い式チェーン機構30の第1ジップチェーン31および第2ジップチェーン32の先端部に、パレット80と着脱自在に係合する係合部材47が接続されている。第1ジップチェーン31および第2ジップチェーン32を伸縮させることにより、係合部材47を第1位置と第2位置との間で移動させることができ、パレット80を搬送することができる。
【0061】
無人搬送車1が設備100とパレット80の受け渡しを行うとき以外では、第1ジップチェーン31および第2ジップチェーン32はケース35の内部で巻回されている(
図10A参照)。第1ジップチェーン31および第2ジップチェーン32は、ケース35の内部にコンパクトに収納されている。そのため、本実施形態によれば、走行時の無人搬送車1を小型化することができる。
【0062】
本実施形態によれば、係合部材47が第1位置にあるときに、係合部材47は車両平面視において荷台8または車両本体2と重なる位置にある(
図10A参照)。係合部材47が荷台8および車両本体2から張り出すことが防止される。よって、無人搬送車1が走行中に周囲の障害物に接触する可能性を低減することができる。したがって、無人搬送車1は設備100に向かって良好に走行することができる。
【0063】
モータ33が第1ジップチェーン31および第2ジップチェーン32を送り出すと、係合部材47は第1位置から第2位置に移動し、係合部材47は車両平面視において荷台8および車両本体2の外側に移動する(
図10C参照)。係合部材47にはパレット80が係合しているので、パレット80を荷台8の外側にまで運び込むことができる。よって、パレット80を引き込むモータが設備100に設けられていなくても、無人搬送車1に備えられたモータ33によって、パレット80を設備100の内部にまで運び入れることができる。
【0064】
本実施形態に係る無人搬送車1は、走行用のモータ4および搬送機構30Aのモータ33を制御する制御装置17を備えている。制御装置17は、無人搬送車1が設備100に向かって走行しているときに、係合部材47を第1位置に保持する。よって、無人搬送車1の走行中に係合部材47が張り出すことを自動的に防止することができる。無人搬送車1が設備100の手前で停止した後、制御装置17がモータ33を駆動することにより、パレット80を荷台8の外側に移動させることができる。よって、無人搬送車1に備えられたモータ33によって、パレット80を設備100の内部に自動的に運び入れることができる。
【0065】
本実施形態に係る無人搬送車1は、パレット80の落下を防止するロック機構50を備えている。ロック機構50は噛み合い式チェーン機構30に連結されており、噛み合い式チェーン機構30と連動して作動する。ロック機構50により、無人搬送車1の走行中にパレット80が荷台8から落下することを防止することができる。
【0066】
本実施形態に係る無人搬送車1は、第1ガイド棒40、第1スライダ42、第2ガイド棒41、および第2スライダ43を備えている(
図12参照)。係合部材47は、第1スライダ42を介して第1ガイド棒40によって案内され、第2スライダ43を介して第2ガイド棒41によって案内される。これにより、係合部材47は安定して第1位置から第2位置に移動できる。また、第1ガイド棒40および第2ガイド棒41は2段式に構成されているので、係合部材47を案内するガイド機構の全長を短くすることができる。
【0067】
本実施形態に係る無人搬送車1によれば、係合部材47が第1位置にあるときに、第1ガイド棒40および第2ガイド棒41は、車両平面視において荷台8または車両本体2と重なっている(
図10A参照)。これにより、無人搬送車1の走行中に、第1ガイド棒40および第2ガイド棒41が荷台8または車両本体2から張り出すことを防止できる。係合部材47が第2位置にあるときに、第2ガイド棒41の一部は、車両平面視において荷台8および車両本体2の外側に位置している(
図10C参照)。これにより、係合部材47を第2位置に向けて良好に案内することができる。
【0068】
本実施形態に係る無人搬送車1は、係合部材47の前方および後方に配置されたローラ群60Gを備えている。これにより、係合部材47がパレット80と係合しながら第1位置から第2位置に移動するときに、パレット80を安定して移動させることができる。
【0069】
本実施形態に係る無人搬送車1は、台車3と車両本体2とを左右方向に移動可能なように連結する連結装置20を備えている。これにより、車両本体2が設備100の手前で停止した後、台車3を左右方向に移動させることにより、設備100に対して荷台8を位置決めすることができる。荷台8と設備100との位置を高精度に合わせることができるので、パレット80の受け渡しを良好に行うことができる。
【0070】
本実施形態によると、荷台8は車両本体2の上方に配置されている。連結装置20は荷台8の下方かつ車両本体2の上方に配置されている。荷台8と車両本体2とが上下に重なっているので、無人搬送車1の前後方向および左右方向の寸法を小さくすることができる。よって、無人搬送車1を小型化することができる。また、連結装置20が車両本体2から側方へ張り出すことを抑制することができる。
【0071】
以上、本発明の実施の一形態について説明したが、前述の実施形態は一例に過ぎない。 本発明は、他にも様々な形態で実施することができる。
【0072】
パレット80の落下を防止するロック機構は、前述のロック機構50に限定されない。また、ロック機構は必ずしも必要ではなく、省略することが可能である。
【0073】
荷台8と設備100との間でパレット80を搬送できる限り、ローラ60は無くてもよい。
【0074】
荷台8は車両本体2の上方に配置されていなくてもよい。例えば、台車3が車両本体2の後方に配置され、荷台8が車両本体2の後方に配置されていてもよい。連結装置20は、荷台8の下方に配置されていなくてもよく、車両本体2の上方に配置されていなくてもよい。
【0075】
前記実施形態では、車両本体2と台車3とは連結装置20によって互いに移動可能に連結されているが、車両本体2と台車3とは互いに移動不能なように一体化されていてもよい。この場合、連結装置20は無くてもよい。
【0076】
走行用駆動源はモータ4に限定されず、内燃機関等であってもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 無人搬送車
2 車両本体
3 台車
4 モータ(走行用駆動源)
5 駆動輪
8 荷台
17 制御装置
20 連結装置
30 噛み合い式チェーン機構
31 第1ジップチェーン
32 第2ジップチェーン
33 モータ
35 ケース
40 第1ガイド棒
41 第2ガイド棒
42 第1スライダ
43 第2スライダ
46 接触部材
47 係合部材
50 ロック機構
51 ロック部材
52 アーム部材
53 揺動部材
60 ローラ
60G ローラ群
80 パレット
100 設備
【要約】
【課題】設備に向かって良好に走行できるとともに、パレットを引き込むモータが設けられていない設備に対して、パレットを良好に受け渡すことができる無人搬送車を提供する。
【解決手段】無人搬送車1は噛み合い式チェーン機構30を備えている。噛み合い式チェーン機構30の第1ジップチェーン31および第2ジップチェーン32は、ケース35の内部で巻回されている。第1ジップチェーン31および第2ジップチェーン32の先端部には係合部材47が設けられている。係合部材47はパレットと着脱自在に係合する。モータによって第1ジップチェーン31および第2ジップチェーン32を設備に向かって送り出すことで、無人搬送車1と設備との間でパレットの受け渡しを行う。
【選択図】
図10A