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特許7640668情報処理装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-25
(45)【発行日】2025-03-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G01S 17/88 20060101AFI20250226BHJP
【FI】
G01S17/88
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023503544
(86)(22)【出願日】2021-03-01
(86)【国際出願番号】 JP2021007698
(87)【国際公開番号】W WO2022185377
(87)【国際公開日】2022-09-09
【審査請求日】2023-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】520001073
【氏名又は名称】パイオニアスマートセンシングイノベーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(72)【発明者】
【氏名】幸田 健志
(72)【発明者】
【氏名】竹村 到
【審査官】佐藤 宙子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-116452(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0179022(US,A1)
【文献】特表2020-529002(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00- 7/64
G01S 13/00-17/95
G06T 7/00- 7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測装置による計測データを取得する取得手段と、
前記計測装置の位置、若しくは前記計測データの被計測位置又は前記計測装置の姿勢に応じたデータの圧縮率又は圧縮アルゴリズムに関する圧縮態様を指定する圧縮関連情報に基づき、前記計測データの圧縮態様を決定する決定手段と、
前記圧縮態様に基づき、前記計測データの圧縮を行う圧縮手段と、
を有し、
前記計測装置は警備ロボットに備えられており、
前記圧縮関連情報は、警備対象となる店舗の警備レベルに関する情報を含み、
前記決定手段は、前記計測装置により計測される店舗に応じた警備レベルに基づき、前記圧縮態様を決定する、情報処理装置。
【請求項2】
前記圧縮手段が圧縮した前記計測データをデータ収集装置に送信する送信手段をさらに有する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
自己位置推定を行う自己位置推定手段をさらに有し、
前記決定手段は、前記自己位置推定により推定した前記位置、若しくは前記被計測位置又は前記姿勢と、前記圧縮関連情報とに基づき、前記圧縮態様を決定する、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記圧縮手段は、前記計測データから動的物体に対応するデータを除外したデータの圧縮を行う、請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータが実行する制御方法であって、
計測装置による計測データを取得し、
前記計測装置の位置、若しくは前記計測データの被計測位置又は前記計測装置の姿勢に応じたデータの圧縮率又は圧縮アルゴリズムに関する圧縮態様を指定する圧縮関連情報に基づき、前記計測データの圧縮態様を決定し、
前記圧縮態様に基づき、前記計測データの圧縮を行い、
前記計測装置は警備ロボットに備えられており、
前記圧縮関連情報は、警備対象となる店舗の警備レベルに関する情報を含み、
前記計測装置により計測される店舗に応じた警備レベルに基づき、前記圧縮態様を決定する、制御方法。
【請求項6】
計測装置による計測データを取得し、
前記計測装置の位置、若しくは前記計測データの被計測位置又は前記計測装置の姿勢に応じたデータの圧縮率又は圧縮アルゴリズムに関する圧縮態様を指定する圧縮関連情報に基づき、前記計測データの圧縮態様を決定し、
前記圧縮態様に基づき、前記計測データの圧縮を行い、
前記計測装置は警備ロボットに備えられており、
前記圧縮関連情報は、警備対象となる店舗の警備レベルに関する情報を含み、
前記計測装置により計測される店舗に応じた警備レベルに基づき、前記圧縮態様を決定する処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項7】
請求項に記載のプログラムを記憶した記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、計測したデータの処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、被検出空間にレーザ光のパルスを照射し、その反射光のレベルに基づいて、被検出空間内の対象物を検出するレーザレーダ装置が知られている。例えば、特許文献1には、繰り返し出射される光パルスの出射方向(走査方向)を適切に制御することにより周辺空間を走査し、その戻り光を観測することにより、周辺に存在する物体に関する情報である距離、反射率などの情報を表す点群データを生成するライダが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-009831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ライダなどの計測装置が所定の計測周期に従い生成する点群データをアップロードしてサーバ装置により収集管理する場合には、生成される点群データの容量が大きいため、通信負荷やサーバ装置の処理負荷等が過大となることが問題となる。また、ドローンなどの航空機では、一定のデータレートで点群データを収集した場合に、搭載するストレージがすぐに一杯になってしまい、比較的短時間しか飛行できないという課題がある。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、計測したデータのデータ量の削減を好適に実行することが可能な情報処理装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項に記載の発明は、
計測装置による計測データを取得する取得手段と、
前記計測装置の位置、若しくは前記計測データの被計測位置又は前記計測装置の姿勢に応じたデータの圧縮率又は圧縮アルゴリズムに関する圧縮態様を指定する圧縮関連情報に基づき、前記計測データの圧縮態様を決定する決定手段と、
前記圧縮態様に基づき、前記計測データの圧縮を行う圧縮手段と、
を有し、
前記計測装置は警備ロボットに備えられており、
前記圧縮関連情報は、警備対象となる店舗の警備レベルに関する情報を含み、
前記決定手段は、前記計測装置により計測される店舗に応じた警備レベルに基づき、前記圧縮態様を決定する、情報処理装置である。
【0007】
また、請求項に記載の発明は、
コンピュータが実行する制御方法であって、
計測装置による計測データを取得し、
前記計測装置の位置、若しくは前記計測データの被計測位置又は前記計測装置の姿勢に応じたデータの圧縮率又は圧縮アルゴリズムに関する圧縮態様を指定する圧縮関連情報に基づき、前記計測データの圧縮態様を決定し、
前記圧縮態様に基づき、前記計測データの圧縮を行い、
前記計測装置は警備ロボットに備えられており、
前記圧縮関連情報は、警備対象となる店舗の警備レベルに関する情報を含み、
前記計測装置により計測される店舗に応じた警備レベルに基づき、前記圧縮態様を決定する、制御方法である。
【0008】
また、請求項に記載の発明は、
計測装置による計測データを取得し、
前記計測装置の位置、若しくは前記計測データの被計測位置又は前記計測装置の姿勢に応じたデータの圧縮率又は圧縮アルゴリズムに関する圧縮態様を指定する圧縮関連情報に基づき、前記計測データの圧縮態様を決定し、
前記圧縮態様に基づき、前記計測データの圧縮を行い、
前記計測装置は警備ロボットに備えられており、
前記圧縮関連情報は、警備対象となる店舗の警備レベルに関する情報を含み、
前記計測装置により計測される店舗に応じた警備レベルに基づき、前記圧縮態様を決定する処理をコンピュータに実行させるプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】データ収集システムの概略構成図である。
図2】情報処理装置のブロック構成図である。
図3】自走式ロボットである情報処理装置が行動する商業施設のマップを示す。
図4】第1適用例において情報処理装置が実行する処理手順を示すフローチャートの一例である。
図5】第2適用例におけるデータ収集の概要を示す図である。
図6】第2適用例において情報処理装置が実行する処理手順を示すフローチャートの一例である。
図7】変形例における計測データ更新処理の手順を示すフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の好適な実施形態によれば、情報処理装置は、計測装置による計測データを取得する取得手段と、位置や姿勢に応じたデータの圧縮態様に関する圧縮関連情報に基づき、前記計測データの圧縮態様を決定する決定手段と、前記圧縮態様に基づき、前記計測データの圧縮を行う圧縮手段と、を有する。情報処理装置は、この態様により、位置や姿勢に応じて計測データを好適に圧縮することができる。
【0011】
上記情報処理装置の一態様では、情報処理装置は、前記圧縮手段が圧縮した前記計測データをデータ収集装置に送信する送信手段をさらに有する。この態様によれば、情報処理装置は、データ収集装置に送信するデータ量を好適に削減することができる。
【0012】
上記情報処理装置の他の一態様では、情報処理装置は、自己位置推定を行う自己位置推定手段をさらに有し、前記決定手段は、前記自己位置推定により推定した位置や姿勢と、前記圧縮関連情報とに基づき、前記圧縮態様を決定する。この態様により、情報処理装置は、自己位置推定結果に応じて計測データの圧縮態様を好適に決定することができる。
【0013】
上記情報処理装置の他の一態様では、前記計測装置は、航空機に搭載され、前記圧縮関連情報は、データ収集範囲の高度を少なくとも指定する情報であり、前記圧縮手段は、前記自己位置推定により推定した位置や姿勢と、前記圧縮関連情報とに基づき、前記計測データを記憶させるか否かの要否判定を行う。この態様により、情報処理装置は、航空機の高度に応じて計測データを記憶させるか否かの要否判定を的確に行い、記憶させるデータ量を好適に圧縮することができる。
【0014】
上記情報処理装置の他の一態様では、前記計測装置は警備ロボットに備えられており、前記圧縮関連情報は、警備対象となる店舗の警備レベルに関する情報を含み、前記決定手段は、前記計測装置により計測される店舗に応じた警備レベルに基づき、前記圧縮態様を決定する。この態様により、情報処理装置は、警備ロボットが店舗を警備する場合に、店舗に応じた警備レベルに基づき、データ圧縮態様を好適に定めることができる。
【0015】
上記情報処理装置の他の一態様では、前記計測装置は、複数種類の外界センサであり、前記圧縮手段は、前記警備レベルが高いほど多い種類の前記外界センサが出力する前記計測データを、監視用データとして選択する。この態様により、情報処理装置は、監視に用いる外界センサの種類を、警備レベルに応じて好適に定めることができる。
【0016】
上記情報処理装置の他の一態様では、前記圧縮手段は、前記計測データから動的物体に対応するデータを除外したデータの圧縮を行う。この態様により、情報処理装置は、構造物などの計測を目的とする場合に、不要な動的物体のデータを好適に除外したデータを扱うことができる。
【0017】
本発明の他の好適な実施形態によれば、コンピュータが実行する制御方法であって、計測装置による計測データを取得し、位置や姿勢に応じたデータの圧縮態様に関する圧縮関連情報に基づき、前記計測データの圧縮態様を決定し、前記圧縮態様に基づき、前記計測データの圧縮を行う。コンピュータは、この制御方法を実行することで、位置や姿勢に応じて計測データを好適に圧縮することができる。
【0018】
本発明の他の好適な実施形態によれば、計測装置による計測データを取得し、位置や姿勢に応じたデータの圧縮態様に関する圧縮関連情報に基づき、前記計測データの圧縮態様を決定し、前記圧縮態様に基づき、前記計測データの圧縮を行う処理をコンピュータに実行させる。コンピュータは、このプログラムを実行することで、位置や姿勢に応じて計測データを好適に圧縮することができる。好適には、上記プログラムは、記憶媒体に記憶される。
【実施例
【0019】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
【0020】
(1)データ収集システムの概要
図1は、本実施例に係るデータ収集システムの概略構成である。データ収集システムは、センサ群2が生成するデータに関する処理を行う情報処理装置1と、データの収集及び管理を行うサーバ装置であるデータ収集装置5とを有する。
【0021】
情報処理装置1は、センサ群2と電気的に接続し、センサ群2が出力するデータの圧縮(データの選別を含む)を行い、圧縮したデータをアップロード情報「Iu」としてデータ収集装置5に送信する。情報処理装置1は、例えば、車両、ドローン、自走式ロボットなどの移動体又は当該移動体を制御するコンピュータである。情報処理装置1は、例えば、車両や船舶などの移動体に搭載されるナビゲーション装置であってもよく、当該移動体に内蔵された電子制御装置であってもよい。
【0022】
センサ群2は、外界センサ3と、内界センサ4とを含む。外界センサ3は、情報処理装置1又は情報処理装置1を搭載する移動体の外界をセンシングする1又は複数のセンサである。外界センサ3は、例えば、ライダなどの測域センサ、カメラ、超音波センサなどである。内界センサ4は、情報処理装置1又は情報処理装置1を搭載する移動体の内界をセンシングする1又は複数のセンサである。内界センサ4は、例えば、角速度センサ、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機、加速度センサ、IMU(Inertial Measurement Unit)、その他の自律測位装置などである。このように、センサ群2は、自己位置推定、障害物検知、人物検知などに用いられる種々のセンサを含んでいる。なお、センサ群2の少なくとも一部のセンサは、情報処理装置1に内蔵されたセンサであってもよい。
【0023】
データ収集装置5は、ライダによる計測データを収集する装置であり、情報処理装置1からアップロード情報Iuを受信し、受信したアップロード情報Iuを記憶する。なお、図1では、情報処理装置1及びセンサ群2の組が1組のみ図示されているが、これに代えて、複数の情報処理装置1及びセンサ群2の組が存在してもよい。この場合、データ収集装置5は、各情報処理装置1からアップロード情報Iuを受信する。
【0024】
ここで、アップロード情報Iuとして情報処理装置1からデータ収集装置5に送信されるデータは、全ての外界センサ3が出力するデータであってもよく、外界センサ3のうち特定のセンサが出力するデータであってもよい。後述するように、情報処理装置1は、アップロード情報Iuのデータ量の削減のため、計測する状況に応じてアップロード情報Iuの生成に用いるセンサを選択し、選択したセンサが出力するデータをアップロード情報Iuに含めてもよい。また、アップロード情報Iuには、外界センサ3が出力するデータの他、情報処理装置1が推定した自己位置・姿勢(即ち計測位置・姿勢)の情報及び計測時刻の情報などが含まれてもよい。
【0025】
(2)情報処理装置の構成
図2は、情報処理装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置1は、主に、インターフェース11と、メモリ12と、コントローラ13と、を有する。これらの各要素は、バスラインを介して相互に接続されている。
【0026】
インターフェース11は、情報処理装置1と外部装置とのデータの授受に関するインターフェース動作を行う。本実施例では、インターフェース11は、センサ群2から出力データを取得し、コントローラ13へ供給する。また、インターフェース11は、コントローラ13の制御に基づき、コントローラ13が生成したアップロード情報Iuを、データ収集装置5へ送信する。また、インターフェース11は、情報処理装置1が車両などの移動体に搭載されている場合には、コントローラ13が生成した移動体の制御に関する信号を、移動体の電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)へ供給してもよい。インターフェース11は、無線通信を行うためのネットワークアダプタなどのワイヤレスインターフェースであってもよく、ケーブル等により外部装置と接続するためのハードウェアインターフェースであってもよい。また、インターフェース11は、入力装置、表示装置、音出力装置等の種々の周辺装置とのインターフェース動作を行ってもよい。
【0027】
メモリ12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリなどの各種の揮発性メモリ及び不揮発性メモリにより構成される。メモリ12は、コントローラ13が所定の処理を実行するためのプログラムが記憶される。なお、コントローラ13が実行するプログラムは、メモリ12以外の記憶媒体に記憶されてもよい。
【0028】
また、メモリ12には、コントローラ13が実行する処理に関連する種々の情報が記憶されている。例えば、メモリ12は、圧縮関連情報I1を記憶している。
【0029】
圧縮関連情報I1は、情報処理装置1の計測位置又は被計測位置に応じ、センサ群2から得られた計測データに対する圧縮態様を指定する情報である。ここで、「圧縮態様を指定する情報」は、圧縮率を定めた情報であってもよく、圧縮アルゴリズム(可逆圧縮、非可逆圧縮の各アルゴリズムを含む)を定めた情報であってもよく、アップロード情報Iuに含めるべきデータ(センサの種類)を定めた情報であってもよい。圧縮関連情報I1は、例えば、位置に関する情報と、当該位置において情報処理装置1が計測した場合(又は当該位置を計測対象とした場合)に得られた計測データの圧縮態様を指定する情報とを関連付けた情報である。
【0030】
なお、圧縮関連情報I1は、地図データの一部であってもよい。この場合、圧縮関連情報I1は、情報処理装置1が移動する範囲における地図データ(マップデータ)の一部であってもよい。この場合、地図データには、施設等の地物の属性を表す情報の一部として、圧縮態様を指定する情報が含まれる。
【0031】
コントローラ13は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、TPU(Tensor Processing Unit)などの1又は複数のプロセッサを含み、情報処理装置1の全体を制御する。この場合、コントローラ13は、メモリ12等に記憶されたプログラムを実行することで、後述する種々の処理を実行する。
【0032】
また、コントローラ13は、機能的には、自己位置推定部14と、データ処理部15と、アップロード部16とを有する。
【0033】
自己位置推定部14は、センサ群2が生成したデータに基づき、自己位置推定を行い、情報処理装置1の現在位置及び、自身の向き(Yaw成分)や傾き(Roll成分、Pitch成分)などの姿勢を表す情報(以降、単に「現在位置情報」と記載する。)を生成する。この場合、自己位置推定部14は、任意の自己位置推定手法により現在位置情報を生成してもよい。例えば、自己位置推定部14は、センサ群2に含まれるGNSS受信機やIMU等の出力に基づき現在位置情報を生成してもよい。他の例では、自己位置推定部14は、外界センサ3の計測データと地図データとを用いた自己位置推定手法を実行することで、現在位置情報を生成してもよい。このような自己位置推定手法として、例えば、ランドマークの計測データとランドマークの地図データとに基づく自己位置推定手法、ボクセルデータを用いたNDT(Normal Distribution Transform)マッチングに基づく自己位置推定手法などが存在する。また、自己位置推定部14は、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)に基づく自己位置推定を行ってもよい。
【0034】
データ処理部15は、現在位置情報と、圧縮関連情報I1とに基づき、センサ群2が生成したデータを圧縮したデータ(単に「圧縮データ」とも呼ぶ。)を生成する。具体的には、データ処理部15は、現在位置情報が示す位置と紐付かれた圧縮態様を、圧縮関連情報I1を参照することで特定し、特定した圧縮態様を適用することで、センサ群2が生成したデータから圧縮データを生成する。
【0035】
アップロード部16は、データ処理部15が生成した圧縮データを含むアップロード情報Iuを、インターフェース11を介してデータ収集装置5に送信する。この場合、例えば、アップロード部16は、データ処理部15が生成した圧縮データを逐次的にデータ収集装置5に送信してもよく、所定時間間隔ごとにまとめてデータ収集装置5に送信してもよい。
【0036】
そして、コントローラ13は、「取得手段」、「決定手段」、「圧縮手段」、「自己位置推定手段」、「送信手段」及びプログラムを実行するコンピュータ等として機能する。
【0037】
なお、コントローラ13が実行する処理は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現してもよい。また、コントローラ13が実行する処理は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)又はマイコン等の、ユーザがプログラミング可能な集積回路を用いて実現してもよい。この場合、この集積回路を用いて、コントローラ13が本実施例において実行するプログラムを実現してもよい。
【0038】
(3)適用例
次に、情報処理装置1の具体的な処理を例示した適用例(第1適用例、第2適用例)について説明する。
【0039】
(3-1)第1適用例:商業施設でのセキュリティ
第1適用例として、情報処理装置1がショッピングモール等の商業施設におけるセキュリティ用途に使用される自走式ロボットである場合について具体的に説明する。以後では、情報処理装置1自体が自走式ロボットであるものとして説明を行うが、これに限らず、情報処理装置1は、自走式ロボットを制御(データ通信による遠隔制御を含む)する装置であってもよい。
【0040】
図3は、自走式ロボットである情報処理装置1が行動する商業施設のマップを示す。情報処理装置1は、商業施設内の所定範囲内に存在する店舗を巡回して警備する自走式ロボットであり、センサ群2及び走行機構が一体化されている。そして、各店舗には、事前に行われた警備サービスの契約により、セキュリティのレベル(警備レベル)が「1」~「3」の3段階に設定されており、さらに、警備契約を行っていない店舗(契約なしの店舗)も存在する。図3の例では、店舗A~店舗Hのうち、店舗Gが警備レベル1となり、店舗A及び店舗Hが警備レベル2となり、店舗B、店舗C及び店舗Fが警備レベル3となり、店舗Dが警備サービスの契約なしとなっている。なお、警備レベルは3段階に限らず、2段階又は4段階以上となる所定段階に設定されてもよい。
【0041】
そして、情報処理装置1は、警備レベルの高い警備サービスを契約した店舗に近づくと、情報収集のレベルを引き上げて高精細の情報を収集し、収集したデータを監視用データとして用いる。ここで、「監視用データ」は、不審物・不審者の監視又は/及びアップロード情報Iuの生成に用いるデータとなる。一方、情報処理装置1は、警備レベルの低いサービスを契約した店舗に近づくと、情報収集のレベルを引き下げ、引き下げたレベルにより収集されたデータを監視用データとして用いる。この場合、情報収集のレベルは、監視に用いるセンサ(即ち、監視用データとして用いるデータを出力するセンサ)の種類数によって調整される。具体的には、情報処理装置1は、警備レベルが高いほど、監視に用いるセンサの種類数を多くする。言い換えると、情報処理装置1は、警備レベルが高いほど多い種類の外界センサ3が出力する計測データを、監視用データとして選択する。また、情報処理装置1は、警備サービスの契約が無い店舗周辺では、情報を収集せず素通りする。
【0042】
なお、第1適用例では、圧縮関連情報I1は、監視に用いるべきセンサの種類を警備レベルごとに示す情報と、店舗ごとの警備レベル(及び契約の有無)の情報とを含んでいる。そして、情報処理装置1は、圧縮関連情報I1を参照し、各店舗において監視に用いるべきセンサの種類を特定する。また、第1適用例では、例えば、情報処理装置1が警備すべき商業施設における各店舗の位置を示す施設マップ(地図データ)がメモリ12等に記憶されており、情報処理装置1は、施設マップを参照することで、各店舗の位置を特定する。この場合、各店舗には固有の識別情報(店舗ID)が割り当てられており、施設マップ及び圧縮関連情報I1において上述の識別情報が用いられている。
【0043】
図4は、第1適用例において情報処理装置1が実行する処理手順を示すフローチャートの一例である。図4では、一例として、情報処理装置1は、警備レベルに応じて各店舗の監視を行い、不審物や不審者を発見した場合に監視に用いたデータをアップロード情報Iuとしてデータ収集装置5に送信する。また、ここでは、一例として、情報処理装置1は、外界センサ3として、カメラ、ライダ、及び超音波センサを少なくとも備えているものとする。
【0044】
まず、情報処理装置1は、警備順路に沿って巡回走行を行う(ステップS11)。この場合、例えば、予め定められた警備順路を示す警備順路情報がメモリ12等に記憶されており、情報処理装置1は、警備順路情報に基づき、走行制御を行う。この場合、情報処理装置1は、後述するステップS13で実行する自己位置推定処理において推定した情報処理装置1の位置に基づき、警備順路に情報処理装置1の位置が追従するように走行制御を行ってもよい。
【0045】
そして、情報処理装置1は、センサ群2が出力するデータを取得する(ステップS12)。そして、情報処理装置1は、ステップS12で取得したデータに基づき、自己位置推定処理を実行する(ステップS13)。
【0046】
そして、情報処理装置1は、店舗周辺に接近したか否か判定する(ステップS14)。例えば、情報処理装置1は、施設マップと、ステップS13で推定された情報処理装置1の位置とに基づき、所定距離以内に店舗が存在するか否か判定する。上述の所定距離は、外界センサ3の計測可能距離等を勘案した距離であり、例えばメモリ12等に予め記憶されている。そして、情報処理装置1は、店舗周辺に接近していないと判定した場合(ステップS14;No)、ステップS11へ処理を戻す。
【0047】
情報処理装置1は、店舗周辺に接近していると判定した場合(ステップS14;Yes)、情報処理装置1が接近している店舗の警備レベルの判定(警備サービスの契約の有無の判定を含む、以下同じ)を行う(ステップS15)。この場合、情報処理装置1は、例えば、圧縮関連情報I1を参照することで、情報処理装置1が接近している店舗の警備レベルの判定を行う。
【0048】
そして、情報処理装置1は、情報処理装置1が接近している店舗(対象店舗)の警備レベルが最高レベルのレベル3であった場合(ステップS15;レベル3)、全ての外界センサ3(カメラ、ライダ、超音波センサを含む)が出力するデータを監視用データとして収集する(ステップS16)。監視用データは、後述するステップS21での不審物・不審者の判定において用いられるデータとなる。さらに、情報処理装置1は、店舗との契約に応じて対象店舗内に入り、店舗内の警備も行うようにしてもよい(ステップS17)。
【0049】
一方、情報処理装置1は、対象店舗の警備レベルがレベル2であった場合(ステップS15;レベル2)、カメラ及び超音波センサが出力するデータを監視用データとして収集する(ステップS18)。また、情報処理装置1は、対象店舗の警備レベルがレベル1であった場合(ステップS15;レベル1)、カメラが出力するデータを監視用データとして収集する(ステップS19)。
【0050】
そして、情報処理装置1は、ステップS17、ステップS18、又はステップS19のいずれかを実行した場合、監視用データに基づき、不審物又は不審者を発見したか否か判定する(ステップS20)。この場合、情報処理装置1は、外界センサを用いた任意の不審物・不審者検出技術(例えば、不審物・不審者検出を行う自律走行型警備ロボットにて採用されている技術)に基づき、不審物・不審者の検出を行ってもよい。
【0051】
そして、情報処理装置1は、不審物又は不審者を検出した場合(ステップS20;Yes)、ステップS17、ステップS18、又はステップS19において収集したデータをアップロード情報Iuとしてデータ収集装置5に送信する(ステップS21)。この場合、情報処理装置1は、ステップS17、ステップS18、又はステップS19において収集したデータに対し、任意の圧縮アルゴリズムによる圧縮を行ってもよい。
【0052】
一方、情報処理装置1は、対象店舗の警備レベルの判定において警備サービスの契約がないと判定した場合(ステップS15;契約なし)、カメラによる監視のみを行う(ステップS22)。この場合、情報処理装置1は、ステップS22で生成したデータをデータ収集装置5に送信しない。
【0053】
そして、情報処理装置1は、不審物又は不審者を検出しなかった場合(ステップS20;No)、又は、ステップS21若しくはステップS22の実行後、処理を終了すべきか否か判定する(ステップS23)。この場合、情報処理装置1は、例えば、警備順路の終点まで到達した場合、処理を終了すべきと判定する。そして、情報処理装置1は、処理を終了すべきと判定した場合(ステップS23;Yes)、フローチャートの処理を終了する。この場合、情報処理装置1は、例えば、充電可能な所定の収納位置に戻る。一方、情報処理装置1は、処理を終了すべきでないと判定した場合(ステップS23;No)、ステップS11へ処理を戻し、引き続き巡回走行を行う。
【0054】
本フローチャートの処理によれば、情報処理装置1は、不審物・不審者を検出した場合に限りアップロード情報Iuを送信し、かつ、警備レベルに応じてアップロード情報Iuに含めるデータを選択することで、アップロード情報Iuのデータ量を好適に削減することができる。
【0055】
次に、第1適用例に関する技術的効果について補足説明する。
【0056】
ショッピングモールなどの、複数店舗がテナントとして入居しているような商業施設において、ロボット警備などが現実的になりつつある。現在は警備員が各店舗を巡回するケースが多いが、センサを搭載した警備ロボットによる巡回警備なども今後普及が見込まれる。現状では、警備ロボットは、共用エリアを巡回することが多く、場所を問わずデータを収集し、不審物・不審者を発見した場合に警備会社に通報し、収集した不審物・不審者のデータを送信する。一方、提供する警備サービスについては、全店一律ではなく店舗毎に異なるセキュリティレベルのサービスが求められることが想定される。このような場合には店舗毎にきめ細かく収集する情報及び、警備会社に送信する情報の制御などの対応が必要となる。各店舗を個別に識別することができないと、このようなサービスを行うことは困難である。
【0057】
以上を勘案し、第1適用例では、情報処理装置1は、店舗の位置情報と警備レベル(及び警備レベルごとの圧縮態様)を紐づけた情報(施設マップ及び圧縮関連情報I1)に基づき、店舗に応じた情報収集及び伝送制御を行う。これにより、情報処理装置1は、処理負荷及びデータ伝送量の削減を行うことが可能になる。
【0058】
(3-2)第2適用例:ドローンによるデータ収集
次に、第2適用例として、情報処理装置1がライダを搭載したドローン(無人航空機)であり、高度情報及びエリアに応じて地形(地物)データを収集する場合について具体的に説明する。以後では、情報処理装置1自体がドローンであるものとして説明を行うが、これに限らず、情報処理装置1は、ドローンを制御(データ通信による遠隔制御を含む)する装置であってもよい。
【0059】
図5は、第2適用例におけるデータ収集の概要を示す図である。第2適用例では、ドローンの高度に応じたデータ収集範囲が設定されており、飛行高度に応じて、データの収集レートをコントロールする。目的が地形データの収集の場合、地物の測距範囲よりも高い位置をドローンが飛行している際には、データ収集を停止しても問題がない。以上を勘案し、第2適用例では、情報処理装置1は、情報処理装置1の高度が閾値以上となる場合には、ライダによるデータ収集を停止し、高度が閾値未満の場合に限りライダによるデータ収集を行う。上述の閾値は、地物を測距可能な情報処理装置1の高度の上限値になるように設定される。これにより、情報処理装置1は、処理負荷及びデータ伝送量の削減を行うことが可能になる。また、ドローンの位置・高度・速度に関係なく常に一定のデータレートでデータ収集を行った場合には、ドローンに搭載するストレージの容量が上限に達してしまい比較的短時間しか飛行できないという問題が生じる。これに対し、第2適用例における情報処理装置1は、データ収集範囲を設定し、データ収集範囲に応じて計測データを記憶するか否かの要否判定を行う。これにより、メモリ12の容量制限に基づく飛行時間の問題を好適に解消することが可能となる。
【0060】
なお、情報処理装置1は、地物情報(建物の位置・高さなどの情報を含む)が予めメモリ12に記憶されている場合、現在位置情報と地物情報とに基づき、高度の閾値を動的に変化させてもよい。この場合、情報処理装置1は、自己位置推定により推定した位置に基づきライダの測距範囲を特定し、特定したライダの測距範囲に地物情報が示す地物の位置が含まれている場合に限り、ライダによるデータ収集を行う。この場合、例えば、ライダの最大測距距離の情報等がメモリ12等に予め記憶されており、情報処理装置1は、自己位置推定により推定した位置から上述の最大測距距離以内の範囲を、ライダの測距範囲とみなす。
【0061】
また、情報処理装置1は、高度以外の指標として、自身の姿勢の傾きに基づきデータ収集の要否を判定してもよい。この場合、例えば、情報処理装置1は、自己位置推定により推定した姿勢によりライダなどの外界センサ3の視野に地物が含まれないと判断した場合なども、データ収集を停止してもよい。この場合、情報処理装置1は、自己位置推定により推定した位置及び姿勢に基づきライダの測距範囲を特定し、特定したライダの測距範囲に地物情報が示す地物の位置が含まれている場合に限り、ライダによるデータ収集を行う。このように、情報処理装置1は、自身の姿勢に基づきデータ収集量を動的に制御することで収集データの容量を削減するようにしてもよい。
【0062】
図6は、第2適用例において情報処理装置1が実行する処理手順を示すフローチャートの一例である。
【0063】
まず、情報処理装置1は、飛行を行い、ライダにより計測したデータを取得する(ステップS31)。この場合、情報処理装置1は、情報処理装置1が移動する目標軌道を定める情報が存在する場合には、当該目標軌道に沿って飛行してもよく、マニュアル操作に基づく外部制御信号を受信することで飛行を行ってもよい。
【0064】
次に、情報処理装置1は、センサ群2に含まれるGPS受信機が出力するデータ等に基づき、高度を含む現在位置を示す現在位置情報を取得する(ステップS32)。そして、情報処理装置1は、データ収集範囲内に情報処理装置1が存在するか否か判定する(ステップS33)。この場合、データ収集範囲は、少なくとも高度を規定した範囲であり、情報処理装置1は、現在位置情報が示す現在位置がデータ収集範囲内に属するか否か判定する。
【0065】
そして、情報処理装置1は、データ収集範囲内に情報処理装置1が存在すると判定した場合(ステップS33;Yes)、ステップS31で取得したデータをメモリ12に格納する(ステップS34)。また、情報処理装置1は、所定のタイミングにおいて、メモリ12に格納したデータをデータ収集装置5に送信する。一方、情報処理装置1は、データ収集範囲内に情報処理装置1が存在しないと判定した場合(ステップS33;No)、ステップS31で取得したデータをメモリ12に格納することなく破棄する(ステップS35)。これにより、情報処理装置1は、記憶及び伝送するデータを効果的に圧縮することができる。なお、情報処理装置1は、データ収集範囲に存在しない場合に計測したデータを破棄する代わりに、データの収集レートを所定率だけ下げてもよい。
【0066】
そして、情報処理装置1は、処理が終了したか否か判定する(ステップS36)。そして、情報処理装置1は、処理が終了したと判定した場合(ステップS36;Yes)、フローチャートの処理を終了する。一方、情報処理装置1は、処理を終了すべきでないと判定した場合(ステップS36;No)、ステップS31へ処理を戻す。
【0067】
このように、第2適用例によれば、情報処理装置1は、計測時点での高度に基づいて、計測データを記憶させるか否かの要否判定を行う。これにより、情報処理装置1は、記憶及び伝送するデータ量を好適に削減することができる。
【0068】
以上説明したように、本実施例に係る情報処理装置1のコントローラ13は、計測装置であるセンサ群2による計測データを取得する。そして、コントローラ13は、位置や姿勢に応じたデータの圧縮態様に関する圧縮関連情報I1に基づき、計測データの圧縮態様を決定する。そして、コントローラ13は、決定した圧縮態様に基づき、計測データの圧縮を行う。これにより、コントローラ13は、計測データのデータ量を好適に削減することができる。
【0069】
(4)変形例
情報処理装置1は、動的物体を検出し、動的物体に対応するデータを、記憶及び伝送するデータの対象から除外してもよい。
【0070】
例えば、情報処理装置1は、車両に搭載されており、道路上を移動しながら地図データの生成に必要な計測データを取得する場合、道路や建物の構造物のデータのみが必要であり、トラックや自転車などの動的物体の情報は不要となる。従って、この場合、情報処理装置1は、外界センサ3が生成した計測データから、動的物体の計測データについては削除し、残りの計測データの記憶及びデータ収集装置5への伝送を行う。
【0071】
図7は、本変形例に係る計測データの更新処理の手順を示すフローチャートの一例である。情報処理装置1は、図7に示すフローチャートの処理を、例えば、第2適用例における図6のステップS31において実行する。
【0072】
まず、情報処理装置1は、ライダなどの外界センサ3が出力する計測データを取得する(ステップS41)。そして、情報処理装置1は、ステップS41で取得した計測データに基づき、物体認識処理を行う(ステップS42)。この場合、例えば、情報処理装置1は、任意の物体認識技術を適用することで、計測データに基づき、計測範囲内に存在する物体の種類を認識する。
【0073】
そして、情報処理装置1は、計測した物体に動的物体が含まれるか否か判定する(ステップS43)。この場合、情報処理装置1は、ステップS42で物体の種類を認識した場合には、特定種類(例えば人、車等)の物体を、動的物体とみなす。
【0074】
そして、情報処理装置1は、計測した物体に動的物体が含まれると判定した場合(ステップS43;Yes)、動的物体に対応するデータを、ステップS41で取得した計測データから破棄する(ステップS44)。一方、情報処理装置1は、計測した物体に動的物体が含まれてないと判定した場合(ステップS43;No)、フローチャートの処理を終了する。その後、情報処理装置1は、圧縮関連情報I1を参照して位置に応じた計測データの圧縮(データの選別を含む)を行い、圧縮データのメモリ12への記憶及びデータ収集装置5への伝送を行う。
【0075】
本フローチャートの処理によれば、情報処理装置1は、動的物体のデータを記憶及び伝送の対象から好適に除外することができる。
【0076】
ここで、本変形例について補足説明する。自動運転用の地図の生成や店舗内などの3次元空間をライダの点群データ等を用いて作成する用途がある。このような空間を生成するためには基本的に静止構造物のデータのみが必要であり、車両や人間などの動的物体を排除したデータのみ取得できるのが望ましい。一般的な道路環境の場合、車両や人間を完全に排除してデータを取得することは困難であり、実際には動的物体が含まれたデータを収集した後、データ収集装置5などがアップロード情報Iuに基づきSLAMなどを用いて空間を構築する処理を行う際に、動的物体を検出して削除するなどの手法が用いられたりする。この場合、動的物体のデータも含め、情報処理装置1が生成する全てのデータをデータ収集装置5が収集する必要があるため、データ伝送量を削減することが難しいという課題がある。
【0077】
以上を勘案し、変形例に係る情報処理装置1は、動的物体に対応するデータを、記憶及び伝送するデータの対象から除外することで、ドローンの記憶容量の制限に伴う飛行時間の短時間化を抑制し、かつ、データ伝送量を好適に削減することができる。
【0078】
なお、上述した実施例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータであるコントローラ等に供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記憶媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記憶媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記憶媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。
【0079】
以上、実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。すなわち、本願発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。
【符号の説明】
【0080】
1 情報処理装置
2 センサ群
3 外界センサ
4 内界センサ
5 データ収集装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7