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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-25
(45)【発行日】2025-03-05
(54)【発明の名称】センサアセンブリおよび弁装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 19/14 20060101AFI20250226BHJP
【FI】
G01L19/14
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023535651
(86)(22)【出願日】2021-12-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-19
(86)【国際出願番号】 CN2021138250
(87)【国際公開番号】W WO2022127810
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-06-12
(31)【優先権主張番号】202011478788.9
(32)【優先日】2020-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202011589518.5
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511102675
【氏名又は名称】浙江三花汽車零部件有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG SANHUA AUTOMOTIVE COMPONENTS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】#301,12th Street,Economic & Technological Development Area,Hangzhou,Zhejiang,P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フー、 シーフォン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、 ルン
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ、 ジェン
(72)【発明者】
【氏名】チエン、 カジェ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、 ロンロン
【審査官】藤澤 和浩
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-094668(JP,A)
【文献】特開2013-002621(JP,A)
【文献】特開2013-015476(JP,A)
【文献】特開2016-070813(JP,A)
【文献】特開2000-205983(JP,A)
【文献】特表2000-505205(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2006750(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0113042(US,A1)
【文献】特開2012-047725(JP,A)
【文献】国際公開第2009/153737(WO,A1)
【文献】中国実用新案第209623933(CN,U)
【文献】中国実用新案第211602261(CN,U)
【文献】特開2008-261796(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0216580(US,A1)
【文献】米国特許第05948989(US,A)
【文献】米国特許第05974893(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0304043(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 7/00 ~ 23/32
G01L 27/00 ~ 27/02
G01K 13/02
G01K 7/22
G01D 21/02
F16J 15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと感温部を含む温度センサユニットと感圧部を含む圧力センサユニットと回路ユニットと検出通路とを含み、前記感温部は、前記検出通路内に設けられ、前記検出通路内の温度を電気信号に変換可能であり、前記感圧部は、前記検出通路内の圧力を電気信号に変換可能であるセンサアセンブリであって、
前記温度センサユニットは、前記感温部と前記回路ユニットとを電気的に接続させる導電部をさらに含み、
前記センサアセンブリは、挿着ピンとコネクタ筐体とを含むコネクタをさらに含み、
前記挿着ピンは、前記回路ユニットと電気的に接続され、
前記ハウジングは、前記コネクタ筐体に固定接続され、
前記圧力センサユニットは、前記ハウジングの底壁と前記コネクタ筐体との間に位置制限され、
前記コネクタ筐体は、位置制限部を含み、
前記位置制限部は、前記圧力センサユニットの上端面に当接可能であり、
前記温度センサユニットは、台座をさらに含み、
前記台座は、前記ハウジングに位置制限されるように接続され、
前記導電部は、前記回路ユニットに直接接続される第1セグメントと、前記台座に射出成形で接続されるとともに前記第1セグメントと接触して電気的に接続される第2セグメントと、前記感温部に固定接続されるとともに前記第2セグメントに溶接固定される第3セグメントとを含み、
前記ハウジングは、前記コネクタ筐体にリベットで固定されることを特徴とするセンサアセンブリ。
【請求項2】
前記ハウジングと前記圧力センサユニットとの間に設けられた密封ユニットをさらに含み、
前記密封ユニットは、前記圧力センサユニットと前記ハウジングとの間に押し付けられた密封部を含み、
前記密封部は、前記圧力センサユニットに密封接触し、前記ハウジングに密封接触することを特徴とする請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項3】
前記感温部は、前記台座に形成された内部キャビティに設けられ、
前記検出通路は、前記台座に形成されたキャビティを含むことを特徴とする請求項2に記載のセンサアセンブリ。
【請求項4】
前記密封ユニットは、第1貫通孔を有し、
前記圧力センサユニットは、第2貫通孔を有し、
前記導電部の第1セグメントの一端は、前記第1貫通孔および前記第2貫通孔を通って前記回路ユニットと電気的に接続され、
前記第1セグメントの他端には、前記第1貫通孔の孔径よりも外径が大きく、前記第1貫通孔を覆うことが可能である第1フランジ部が形成されることを特徴とする請求項3に記載のセンサアセンブリ。
【請求項5】
前記密封ユニットは、金属枠体をさらに含み、
前記密封部は、前記金属枠体をインサートとして射出成形され、
前記金属枠体は、円環状をなし、
前記金属枠体の外縁は、前記密封ユニットの径方向に沿って前記密封部の外縁と合わせられ、
前記密封部は、前記密封ユニットの高さ方向に沿って前記金属枠体の表面から突出するように設けられ、
前記圧力センサユニットの一部は、前記密封部を圧縮して前記金属枠体と接触し、
前記金属枠体は、前記密封部を前記ハウジングの底壁に向けて押し付ける、ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のセンサアセンブリ。
【請求項6】
前記圧力センサユニットは、前記コネクタ筐体に上端面が当接し、前記密封部を圧縮して前記ハウジングに下端面が当接し、
前記密封部は、上端面が前記圧力センサユニットの下端面に当接して密封接続され、下端面が前記ハウジングに密封接続されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のセンサアセンブリ。
【請求項7】
前記密封部の主材料は、ゴム材料であり、
前記密封ユニットは、第1貫通孔を有し、
前記温度センサユニットは、導電部を含み、
前記感温部は、前記導電部によって前記回路ユニットと電気的に接続され、
前記導電部は、第1セグメントを含み、
前記第1セグメントの一端は、前記第1貫通孔を通って前記回路ユニットと電気的に接続され、
前記第1セグメントの他端には、前記第1貫通孔の孔径よりも外径が大きい第1フランジ部が形成されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のセンサアセンブリ。
【請求項8】
前記コネクタ筐体は、位置制限部を含み、
前記位置制限部は、前記圧力センサユニットの上端面に当接可能であり、
前記ハウジングは、前記コネクタ筐体にリベットで固定され、
前記台座は、上端面が前記密封ユニットの下端面に当接するとともに、下端面が前記ハウジングの底壁と接触する第2フランジ部を有し、
前記密封ユニットの上端面は、前記圧力センサユニットの下端面に当接することを特徴とする請求項5に記載のセンサアセンブリ。
【請求項9】
前記コネクタ筐体は、位置制限部を含み、
前記センサアセンブリは、前記回路ユニットが印刷された回路基板を含み、
前記位置制限部は、前記回路基板の上端面に当接可能であり、
前記圧力センサユニットは、本体部を含み、
前記感圧部は、前記本体部に固定接続され、
前記回路ユニットの下端面は、前記本体部の上端面に当接し、
前記ハウジングは、前記コネクタ筐体にリベットで固定され、
前記台座は、上端面が前記密封ユニットの下端面に当接するとともに、下端面が前記ハウジングの底壁と接触する第2フランジ部を有し、
前記密封ユニットの上端面は、前記本体部の下端面に当接することを特徴とする請求項5に記載のセンサアセンブリ。
【請求項10】
前記圧力センサユニットは、前記感圧部に固定接続される本体部をさらに含み、
前記本体部は、セラミック基体と前記セラミック基体に密封接続される金属層とを含み、
前記感圧部は、前記セラミック基体に位置制限されるように接続され、
前記回路ユニットは、前記セラミック基体に成形され、
前記導電部は、前記金属層に溶接固定されることを特徴とする請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項11】
前記圧力センサユニットは、MEMS圧力センサユニットであり、
前記感圧部は、MEMS感知部と伝送部とを含み、
前記MEMS感知部は、前記伝送部によって前記回路ユニットと電気的に接続され、
前記導電部は、第1セグメントと第2セグメントとを含み、
前記セラミック基体および金属層は、貫通孔を有し、
前記第1セグメントは、一端が前記貫通孔を通って前記回路ユニットと電気的に接続され、他端が前記貫通孔の孔径よりも外径が大きい第1フランジ部を有し、
前記第1フランジ部は、上端面が前記貫通孔を覆い前記金属層に溶接固定可能であり、下端面が前記第2セグメントと電気的に接続されることを特徴とする請求項10に記載のセンサアセンブリ。
【請求項12】
前記台座は、位置制限リングをさらに含み、
前記位置制限リングの上端面が、前記圧力センサユニットの下端面との間に隙間を有し、
前記センサアセンブリは、前記ハウジングと前記圧力センサユニットとの間に設けられた密封ユニットをさらに含み、
前記密封ユニットは、前記圧力センサユニットと前記ハウジングとの間に押し付けられた密封部を含み、
前記密封部は、前記圧力センサユニットに密封接触し、前記ハウジングに密封接触し、
前記密封部は、リング状をなし、前記位置制限リングと前記ハウジングの側壁との間に設けられることを特徴とする請求項11に記載のセンサアセンブリ。
【請求項13】
前記ハウジングは、第1段差部と第2段差部とを有し、
前記第1段差部と前記第2段差部は、前記ハウジングの底壁に設けられ、
前記第1段差部は、第1段差面を有し、
前記第2段差部は、第2段差面を有し、
前記第1段差面は、前記第2段差面よりも前記圧力センサユニットに近く、
前記密封部の下端面は、前記第1段差面に密封接続され、
前記第2段差部は、取付孔を有し、
前記第2フランジ部は、前記第2段差面に当接し、前記第2段差部の側壁によって位置制限されており、
前記台座の一部は、前記取付孔内に位置することを特徴とする請求項8または請求項9に記載のセンサアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年12月15日に中国特許庁へ提出され、出願番号が202011478788.9、発明の名称が「センサアセンブリおよび弁装置」である中国特許出願、および、2020年12月29日に中国特許庁へ提出され、出願番号が202011589518.5、発明の名称が「センサアセンブリおよび弁装置」である中国特許出願という2つの中国特許出願に対する優先権の利益を主張し、その内容全体が援用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、検出の技術分野に関し、具体的には、センサアセンブリ及びこれを適用した弁装置に関する。
【背景技術】
【0003】
図24に示すように、従来のセンサアセンブリ100は、圧力センサ素子130と電子回路基板120と温度センサ素子170とを含む。
センサアセンブリ100は、開口型液密通路の入口開口部175を通じて、圧力を感知する圧力センサ素子130の表面に流体を搬送するとともに、閉鎖型液密通路を通じて、温度センサ170および導線160を流体から隔離するように構成されている。
導線160は、細長い管状素子165内に延在し、側面から台座の孔を通して電子回路基板120に接続されている。
【0004】
このように構成されたセンサアセンブリは、部品点数が多く、組立工程が複雑で製造コストが高い。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、構造が簡単で製造コストの削減に寄与するセンサアセンブリおよび弁装置を提供することである。
【0006】
前記目的を実現するために、本発明は、以下のとおりである。
即ち、ハウジングと感温部を含む温度センサユニットと感圧部を含む圧力センサユニットと回路ユニットと検出通路とを含み、前記感温部は、前記検出通路内に設けられ、前記検出通路内の温度を電気信号に変換可能であり、前記感圧部は、前記検出通路内の圧力を電気信号に変換可能であるセンサアセンブリである。
前記温度センサユニットは、前記感温部と前記回路ユニットとを電気的に接続させる導電部をさらに含み、前記センサアセンブリは、挿着ピンとコネクタ筐体とを含むコネクタをさらに含み、前記挿着ピンは、前記回路ユニットと電気的に接続され、前記ハウジングは、前記コネクタ筐体に固定接続され、前記圧力センサユニットは、前記ハウジングの底壁と前記コネクタ筐体との間に位置制限され、前記コネクタ筐体は、位置制限部を含み、前記位置制限部は、前記圧力センサユニットの上端面に当接可能である。
【0007】
さらに、本発明は、弁体とセンサアセンブリとを含む弁装置を開示し、前記弁体は、流体通路を有し、前記検出通路は、前記流体通路と連通し、前記センサアセンブリは、上述したセンサアセンブリである。
【0008】
本発明に係るセンサアセンブリおよび弁装置では、このセンサアセンブリは、圧力センサユニットと温度センサユニットと回路ユニットとコネクタとを含み、ハウジングは、コネクタ筐体に固定接続され、圧力センサユニットおよび回路ユニットは、ハウジングの底壁とコネクタ筐体との間に位置制限されるように構成されているため、部品点数を減らし、構造を簡素化し、製造コストを削減するのに寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態に係るセンサアセンブリの三次元概略図である。
図2図1に示すセンサアセンブリの分解図である。
図3図1に示すセンサアセンブリの正面図である。
図4図3に示す構造のA‐A断面図である。
図5図2における密封ユニットと第1セグメントとからなる組立体の1方向から見た三次元概略図である。
図6図2における密封ユニットと第1セグメントとからなる組立体の別の方向から見た三次元概略図である。
図7図5の上面図である。
図8図7に示す構造のA‐A断面図である。
図9図2における台座と第2セグメントとからなる組立体の1方向から見た三次元概略図である。
図10図2におけるコネクタの三次元概略図である。
図11】本発明の第2実施形態に係るセンサアセンブリの断面図である。
図12図11における台座の1方向から見た三次元概略図である。
図13図11における台座の部分構造を示す拡大図である。
図14】本発明の第1実施形態で用いた圧力センサユニットの断面図である。
図15】本発明の第3実施形態に係るセンサアセンブリの断面図である。
図16図15における台座の1方向から見た三次元概略図である。
図17図16における台座の底面図である。
図18図17に示す構造のA‐Aの断面図である。
図19】本発明の第2実施形態で用いた圧力センサユニットの断面図である。
図20】本発明の第4実施形態に係るセンサアセンブリの断面図である。
図21】本発明の第5実施形態に係るセンサアセンブリの分解図である。
図22】本発明の第5実施形態に係るセンサアセンブリの断面図である。
図23図22におけるB部の部分構造を示す拡大図である。
図24】従来技術におけるセンサアセンブリの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面および具体的な実施形態と結合して、本発明についてさらに説明する。
【0011】
本出願の明細書および特許請求の範囲に使用されている「第1」、「第2」などの用語は、順序、数量または重要性を示すものではなく、構成要件を区別するためにのみ使用される。
同様に、「1つ」や「1」などの用語も数量の制限を意味するのではなく、少なくとも1つ存在していることを示す。
特に指定しない限り、本出願に使用されている「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」などの用語は、説明の便宜上のものに過ぎず、特定の位置または空間方向に限定されるものではない。
「含む」または「包含」などの用語は、開放型表現方式であり、「含む」または「包含」の前に現れる要素が、「含む」または「包含」の後に現れる要素およびそれらの等価物をカバーすることを意味するが、「含む」または「包含」の前に現れる要素は、他の要素を含む可能性もあることを除外するものではない。
本出願に「複数」が表示されている場合、2つ以上のことを意味する。
【0012】
図1図16を参照すると、本発明によるセンサアセンブリ100は、圧力センサユニット1と温度センサユニット2と回路ユニット4とコネクタ5と密封ユニット6とハウジング9とを含む。
回路ユニット4は、圧力センサユニット1の一方側に設けられ、密封ユニット6は、圧力センサユニット1の他方側に設けられる。
図1図10において、回路ユニット4は、圧力センサユニット1よりも上方側に設けられ、密封ユニット6は、圧力センサユニット1よりも下方側に設けられ、温度センサユニット2および圧力センサユニット1は、回路ユニット4と電気的に接続される。
そして、ハウジング9とコネクタ5は、固定接続されるとともに収容キャビティ59を形成し、圧力センサユニット1および回路ユニット4は、収容キャビティ59に配置され、センサアセンブリ100は、検出通路101を有する。
温度センサユニット2は、感温部21を含み、この感温部21の少なくとも一部は、検出通路101内に配置され、感温部21は、検出通路101内の温度を電気信号に変換可能であり、感温部21は、サーミスタであるが、本発明における感温部21のタイプは、これに限定されるものではない。
圧力センサユニット1は、感圧部20と本体部10とを含み、この本体部10は、セラミック基体であり、感圧部20は、本体部10に接続され、感圧部20は、検出通路101内の圧力を電気信号に変換可能である。
収容キャビティ59は、電気制御キャビティ591を含み、回路ユニット4は、電気制御キャビティ591に配置され、電気制御キャビティ591は、検出通路101から隔離される。
本実施形態では、密封ユニット6は、ハウジング9と圧力センサユニット1との間に配置される。
そして、密封ユニット6は、密封部61を含み、この密封部61は、圧力センサユニット1とハウジング9との間に押し付けられ、密封部61は、圧力センサユニット1と密封接触し、密封部61は、ハウジング9と密封接触する。
これによって、検出通路101内の作動媒体が、電子制御キャビティ591に入り込むことはできず、1つの密封ユニット6によって、回路ユニット4が設けられた空間が密封されるようになり、回路ユニット4が検出対象となる作動媒体と接触したりすることはないため、シール性を確実に確保しながら構造の簡素化を図ることが可能となる。
【0013】
温度センサユニット2は、導電部22と台座3とをさらに含む。
そして、この導電部22は、感温部21と回路ユニット4とを電気的に接続させ、導電部22の少なくとも一部は、台座3に射出成形で接続され、密封部61の少なくとも一部は、台座3と圧力センサユニット1との間に配置されている。
【0014】
図5図8を参照すると、本実施形態では、密封ユニット6は、密封部62と金属枠体61とを含む。
密封部62の主材料は、ゴム材料であり、密封部62は、金属枠体61をインサートとして射出成形され、金属枠体61は、円環状をなす。
密封ユニット6の径方向に沿って、金属枠体61の外縁は、密封部62の外縁と合わせられ、ここでの合わせられることは、ある程度の組立て誤差が許容され、組立て誤差が1mm以内に制御されればよい。
密封ユニット6の高さ方向に沿って、密封部62は、金属枠体61の表面から突出するように設けられている。
これにより、圧力センサユニット1は、密封部62を圧縮することで金属枠体61と接触することができ、金属枠体61は、密封部62をハウジング9の底壁側に押し付ける。
【0015】
密封ユニット6は、第1貫通孔63を有し、感温部21は、導電部22によって回路ユニット4と電気的に接続され、導電部22は、第1セグメント221を含む。
そして、この第1セグメント221の一端は、第1貫通孔63を通して回路ユニット4と電気的に接続され、第1セグメント221の他端には、第1貫通孔63の孔径よりも外径が大きい第1フランジ部23が形成される。
これにより、密封部62と導電部22の第1セグメント221との間にラビリンス構造が形成されるため、シール性が向上する。
【0016】
導電部22は、第2セグメント222と第3セグメント223とをさらに含む。
第2セグメント222は、第1セグメント221と第3セグメント223との間に設けられ、第1セグメント221と第3セグメント223とに電気的に接続されている。
本実施形態では、第2セグメント222は、台座3に射出成形で接続されるとともに、第1セグメント221と弾性的に接触しながら電気的に接続されている。
本実施形態では、第2セグメント222の一端部には、折り曲げまたは打ち抜きによって弧状隆起部220が形成され、この弧状隆起部220は、一定の弾性を有し、第2セグメント222の他端部には、平坦部230が形成され、第1セグメント221の第1フランジ部23は、弧状隆起部220に当接して電気的に接続され、第3セグメント223は、平坦部230に溶接固定される。
そして、この平面部230にスルーホールを形成し、第3セグメント223をスルーホールに挿入した後に溶接固定することができ、平坦部230は、台座3の内部キャビティの対応する領域まで入り込む。
これにより、第3セグメント223の挿入端を真っ直ぐにすることができるため、構造が簡単である。
そして、第3セグメント223は、感温部21に固定接続され、第3セグメント223の一端部に感温部21が接続されている。
【0017】
図4および図9を参照すると、第2セグメント222の一部は、台座3に射出成形で固定され、台座3は、第2フランジ部31と円筒部32とを有する。
第2フランジ部31は、円筒部32よりも外縁寸法が大きく、第2フランジ部31は、円筒部32から突出するように設けられ、第2フランジ部31の上端面は、密封ユニット6の下端面に当接し、第2フランジ部31の下端面は、ハウジング9の底壁に接触し、密封ユニット6の上端面は、圧力センサユニット1の下端面に当接して密封接続されている。
そして、円筒部32には、感温部21の高さに対応する高さの切欠き部321が形成され、切欠き部321は、台座3の内部キャビティまたは検出通路101と連通する。
これにより、作動媒体は、切欠き部321から検出通路101内に入ることができる。
本実施形態では、切欠き部321は、4つであり、円筒部31の円周方向に沿って均一に分布している。
弧状隆起部220および平坦部230は、ともに第2フランジ部31の上端面から突出するように設けられ、弧状隆起部220および平坦部230は、とともに第2フランジ部31の上端面に露出している。
円筒部32は、一部の検出通路101の側壁を形成する。
【0018】
図4を参照すると、ハウジング9は、第1段差部91と第2段差部92とを有し、これらの第1段差部91および第2段差部92は、ハウジング9の底壁に配置され、第1段差部91は、第1段差面911を有し、第2段差部92は、第2段差面922を有し、第1段差面911は、第2段差面922よりも圧力センサユニット1に近く、密封部61の下端面は、第1段差面911に密封接続され、第1セグメント221の第1フランジ部23は、第1段差面911に当接して位置制限されるため、第1フランジ部23が、弧状隆起部220を押し潰すのを防止できる。
第2段差部92は、取付孔923を有し、第2フランジ部31は、第2段差面922に当接して軸方向に位置制限され、第2フランジ部32は、第2段差部92の側壁によって横方向に位置制限され、台座3の円筒部32は、取付孔923内に配置され、少なくとも切欠き部321は、ハウジング9に露出するように配置されている。
本実施形態では、ハウジング9は、第3段差面93をさらに有し、金属枠体61は、第3段差面93に当接することによって、金属枠体62が密封部62を押し付ける際の変形量が過大になったり、押し潰したりするのを防止できる。
【0019】
図4および図10を参照すると、コネクタ5は、挿着ピン52およびコネクタ筐体51を含み、挿着ピン52は、回路ユニット4と電気的に接続され、挿着ピン52は、回路ユニット4と外部電源とを電気的に接続させることができる。
挿着ピン52は、コネクタ筐体51に射出成形で固定され、ハウジング9は、コネクタ筐体51に固定接続されている。
本実施形態では、ハウジング9とコネクタ筐体51とは、リベットで固定接続され、コネクタ筐体51は、位置制限部511を含み、この位置制限部511は、圧力センサユニット1の上端面に当接可能である。
一実施形態では、温度変動に起因した部品の変形によるセンサアセンブリ100のシール性能への影響を防止するために、位置制限部511は、回路ユニット4が設けられた回路基板41と直接当接せず、回路ユニット4が設けられた回路基板41から避けて圧力センサユニット1に当接する。
こうして、位置制限部511は、位置制限柱または切欠き付きの環状部とすることができる。
図10を参照すると、位置制限部511は、切欠き付きの環状部とする場合、ハウジング9は、コネクタ筐体51に固定接続される。
そして、位置制限部511は、圧力センサユニット1に当接し、この圧力センサユニット1の下端面は、密封ユニット6の上端に当接し、密封ユニット6の下端面は、第2フランジ部31の上端面およびハウジング9の第1段差面911に当接し、第2フランジ部31の下端面は、ハウジング9の底壁に接触する。
こうして、ハウジング9をコネクタ筐体51に固定接続させることによって、回路ユニット4を電気制御キャビティ591内に密封する場合は、取付が容易である。
2つのシールリングを取り付ける必要がある場合と比べて、本発明は、1つの密封部しかないため、構造が簡単であり、また、密封部が一体的に成形され、材料が同じであるため、温度一貫性が良好であり、シール信頼性が向上する。
【0020】
図11図13は、第2実施形態のセンサアセンブリ100であり、第2実施形態と第1実施形態との間の主な違いは、導電部22の第1セグメント221および第2セグメント222が異なる方法で接続されていることにある。
本実施例では、導電部22の第1セグメント221と第2セグメント222は、固定接続され、剛性接続であり、具体的には、溶接であり得る。
本実施形態では、第2セグメント222は、台座3に射出成形で接続され、第2セグメント222の一端には、台座3を露出させる延在部224を有し、この延在部224には、第1凹溝225が形成され、第1凹溝225は、止まり孔であり、第1セグメント221の先端部が第1凹溝225内に入り込んで軸方向に位置制限されるか、又は、組付け・位置決めの基準として第1セグメント221と第2セグメント222を溶接接続する。
そして、第1セグメント221と第2セグメント222は、電気的に接続され、延在部224の外縁は、第1貫通孔63の孔径よりも大きく、延在部224の上端面は、密封部61と密封接触し、延在部224の下端面は、台座3に射出成形で固定される。
【0021】
図15図18は、第3実施形態のセンサアセンブリ100であり、第1実施形態との主な違いは、次の点にある。
本実施形態では、密封ユニット6は、金属枠体を含まず、密封部61は、第1貫通孔63を有し、圧力センサユニット1は、第2貫通孔64を有し、導電部22の第1セグメント221は、密封部61の第1貫通孔63および圧力センサユニット1の第2貫通孔64を通って回路ユニット4に機械的に接続され電気的に接続可能であり、第1セグメント221の第1フランジ部23の上端面は、密封部61の下端面に当接し、第1フランジ部23の下端面は、台座3に位置制限されるように接続される。
第2セグメント222は、垂直セグメント226を含み、この垂直セグメント226は、第1フランジ部23に当接して電気的に接続される。
本実施形態の圧力センサユニット1は、第1実施形態のセンサアセンブリ100にも適用可能である。
第1実施形態と比較して、金属枠体が省略されるため、コストをさらに削減するのに有利である。
さらに、本実施形態では、台座3は、位置制限リング33を含み、この位置制限リング33の上端面は、圧力センサユニット1の下端面との間に隙間を有し、密封部61は、リング状をなし、位置制限リング33とハウジング9の側壁との間に配置されている。
【0022】
図14および図19を参照すると、圧力センサユニット1は、本体部10と感圧部20とを含む。
そして、感圧部20は、本体部10に固定接続され、位置制限部511は、本体部10の上端部に当接する。
【0023】
図14において、圧力センサユニット1は、セラミック静電容量センサである。
本実施形態では、圧力センサユニット1は、本体部10と感圧部20とを含み、この本体部10は、第1端部11を含み、感圧部20は、第2端部12を含む。
そして、これらの第1端部11と第2端部12は、圧力センサユニット1の厚さ方向の反対両側に設けられ、回路ユニット4は、第1端部11よりも上方側に設けられている。
本実施形態では、回路ユニット4は、回路基板41上に配置され、この回路基板は、第1端部11よりも上方側に設けられ、感圧部20は、第2端部12に配置されている。
さらに、第2端部12は、第1エリア121と第2エリア122とを含む。
そして、この第1エリア121は、感圧性エリアであり、第2エリア122は、第1エリア121の外縁を取り囲むように設けられている。
第1エリア121は、流体の圧力信号を電気信号に変換するために検出通路101に曝される。
本体部10は、圧力センサユニット1の厚さ方向に沿って延びる第2凹溝113を有し、第2凹溝1113は、第1エリア121に対応する。
圧力センサユニット1は、導電ピンをさらに含み、導電ピンの一端は、第2凹溝113内に配置され、導電ピンは、第1エリア121に対応し、検出通路101内の圧力信号を電気信号に変換する。
圧力センサユニット1は、導電柱14をさらに含む。
そして、この導電柱14は、第1エリア121と回路ユニット4とを電気的に接続させて第1エリア121の電気信号を回路ユニット4に伝達するために使用される。
【0024】
上記の圧力センサは、図15の実施形態に適用可能である。
圧力センサユニット1は、第2貫通孔64を有し、導電部22の第1セグメント221は、密封ユニット6の第1貫通孔63と圧力センサユニット1の第2貫通孔64を通って回路ユニット4に機械的に接続され電気的に接続可能であり、第1セグメント221の第1フランジ部23の上端面は、密封部の下端面に当接して密封される。
また、本実施形態の圧力センサユニット1は、第1実施形態のセンサアセンブリ100にも適用可能である。
図4を参照すると、第1セグメント221の第1フランジ部23の下端面は、弧状隆起部220に弾性的に当接しながら電気的に接続可能である。
もちろん、本実施形態の圧力センサユニット1は、第2実施形態のセンサアセンブリ100にも適用可能である。
図11図13を参照すると、本実施形態では、第2セグメント222は、台座3に射出成形で接続され、第2セグメント222の一端は、台座3を露出させる延在部224を有し、延在部224には、第1凹溝225が形成される。
そして、この第1凹溝225は、止まり孔であり、第1セグメント221の先端部が第1凹溝225内に入り込んで軸方向に位置制限されるか、又は組付け・位置決めの基準として第1セグメント221と第2セグメント222を溶接接続し、これらの第1セグメント221と第2セグメント222は、電気的に接続され、延在部224の外縁は、第1貫通孔63の孔径よりも大きい。
これにより、この延在部224は、第1貫通孔63を覆うことができ、延在部224の上端面は、密封部61と密封接触し、延在部224の下端面は、台座3に射出成形で固定される。
図19において、圧力センサユニット1は、MEMS(微小電気機械システム)圧力センサであり、ピエゾ抵抗型と容量型の2種類に分けられ、それぞれに微細機械加工技術と犠牲層技術をもとに製造される。
感圧部20は、感応素子と信号処理、較正、補償およびマイクロコントローラが集積化された単一チップである。
【0025】
圧力センサユニット1は、第1端部11と第2端部12とを含む。
これらの第1端部11と第2端部12とは、圧力センサユニット1の厚さ方向の反対両側に設けられ、回路ユニット4は、第1端部11よりも上方側に設けられている。
図19に示すように、本体部10には、第3貫通孔65が形成され、感圧部20は、第1端部11の一方側に設けられ、第3貫通孔65によって、感圧部20は、検出通路内の流体の圧力を検知することができる。
この圧力センサは、第3実施形態のセンサアセンブリ100に適用可能である。
圧力センサユニット1は、第2貫通孔64を有し、導電部22の第1セグメント221は、密封ユニット6の第1貫通孔63と圧力センサユニット1の第2貫通孔64とを通って回路ユニット4に機械的に接続され電気的に接続可能であり、第1セグメント221の第1フランジ部23の上端面は、密封部の下端面に当接して密封され、検出通路101は、第3貫通孔65と連通し、感圧部20の感圧フィルムは、第3貫通孔65に露出される。
もちろん、この圧力センサユニット1は、第1実施形態、第2実施形態にも適用可能である。
台座3内に第2セグメント222が密封固定されるように、台座3は、導電部22の第2セグメント222を射出成形用インサートとして射出成形法(イナート成形)によって成形される。
【0026】
図20は、第4実施形態のセンサアセンブリ100であり、第3実施形態との主な違いは、次の点にある。
本実施形態では、感温部21の導電部22は、弾性部227をさらに含み、第1セグメント221は、弾性部227によって回路ユニット4と電気的に接続される。
本実施形態では、弾性部227は、バネであり、回路ユニット4は、回路基板41上に印刷され、弾性部227は、回路基板41と第1セグメント221との間に当接する。
回路基板41には、パッドが設けられ、第1セグメント221には、段差部2211が設けられ、弾性部227は、パッドと段差部2211に当接し、弾性部227は、パッドと段差部2211との間に圧縮状態にある。
もちろん、この弾性部227は、パッドまたは段差部2211の一方に溶接されて他方に当接されるものであってもよい。
第2セグメント222は、第1セグメント221に固定接続され、この第1セグメント221の第1フランジ部23の下端は、第2セグメント222の上端面に溶接固定または圧着固定される。
圧力センサユニット1の本体部10は、セラミック基体であり、このセラミック基体は、第2貫通孔64を有し、弾性部227は、第2貫通孔64内に配置され、これにより、弾性部227の案内安定性を高めるのに寄与する。
【0027】
図21図23は、第5実施形態のセンサアセンブリ100の概略図である。
本実施形態では、センサアセンブリ100は、ハウジング9、温度センサユニット2、圧力センサユニット1および回路ユニット4を含む。
温度センサユニット2および圧力センサユニット1は、回路ユニット4と電気的に接続され、温度センサユニット2は、感温部21を含み、圧力センサユニット1は、感圧部20および本体部10を含む。
そして、この本体部10は、セラミック基体であり、感温部21は、検出通路101内の温度を電気信号に変換可能であり、感圧部20は、検出通路101内の圧力を電気信号に変換可能である。
さらに、圧力センサユニット1は、金属層228を含み、この金属層228は、セラミック基体に密封さ接続され、感圧部20は、セラミック基体に位置制限されるように接続される。
また、回路ユニット4は、セラミック基体に成形され、温度センサユニット2の導電部22は、感温部21と回路ユニット4とを電気的に接続させ、導電部22は、金属層228に溶接固定される。
こうして、セラミック基体を直接利用して回路ユニット4を成形するため、回路基板を別途配置する必要がない。
【0028】
本実施形態の圧力センサユニット1は、MEMS圧力センサであり、感圧部20は、MEMS感知部111と伝送部112とを含み、MEMS感知部111は、伝送部112によって回路ユニット4と電気的に接続される。
セラミック基体および金属層228は、第2貫通孔64を有し、第1セグメント221の一端は、第2貫通孔64を通って回路ユニット4と電気的に接続され、第1セグメント221の他端は、第2貫通孔64の孔径よりも外径が大きい第1フランジ部23を有し、第1フランジ部23の上端面は、第2貫通孔64を覆いながら金属層228に溶接固定されることができ、第1フランジ部23の下端面は、第2セグメント222と電気的に接続されている。
センサアセンブリ100は、流路を有する部材上に取り付けることができ、この部材は、冷媒の絞りを実現するために車両空調システムの冷媒流量制御に使用される電子膨張弁であり得る。
センサアセンブリ100は、温度圧力複合型センサとして、流路を流れる冷媒の圧力および温度の両方を検出するために使用され得る。
もちろん、この部材は、四方弁、熱交換器、流体パイプライン熱管理システム用素材などであってもよく、熱管理システム用素材内部冷媒の圧力および温度を測定することができる。
第3実施形態と同じ部分について、ここでは贅言しない。
【0029】
弁体部とセンサアセンブリ100とを含む弁装置であって、センサアセンブリ100は弁体部に固定的に取り付けられ、この弁体部は、流路を含む。
センサアセンブリ100の検出通路101は、流路と連通し、圧力センサユニット1は、流路内の流体の圧力を検知することができ、温度センサユニット2は、流路内の流体の温度を検知することができる。
【0030】
なお、以上の実施形態は、本発明を限定するものではなく、本発明を説明するためのものに過ぎない。
本明細書では、上記の実施形態を参照して本発明について詳細に説明したが、本発明を修正又は同等置換することができ、本発明の精神及び範囲から逸脱しない全ての改良は、いずれも請求項の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10
図11
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