(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-25
(45)【発行日】2025-03-05
(54)【発明の名称】情報伝送方法、反射装置、基地局、システム、電子機器及び媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 16/26 20090101AFI20250226BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20250226BHJP
H04W 4/44 20180101ALI20250226BHJP
【FI】
H04W16/26
H04W16/28
H04W4/44
(21)【出願番号】P 2023545889
(86)(22)【出願日】2022-05-17
(86)【国際出願番号】 CN2022093250
(87)【国際公開番号】W WO2022247685
(87)【国際公開日】2022-12-01
【審査請求日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】202110585961.3
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】李斌
(72)【発明者】
【氏名】呉楓
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-197625(JP,A)
【文献】特開2018-165099(JP,A)
【文献】特表2020-528713(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局から送信され、通信信号を用いて搬送される通信情報を取得するステップと、
反射装置の反射重みに基づいて、前記反射重みに対応するビームによってオンボード端末に前記通信信号を反射させるステップとを含み、
前記反射装置の反射重みに基づいて、前記反射重みに対応するビームによってオンボード端末に前記通信信号を反射させるステップの前に、
前記基地局から送信された制御情報を取得するステップと、
前記制御情報に基づいて、前記反射装置と前記オンボード端末との間の伝送チャネルである対象伝送チャネルに対応するビームの反射重みを調整するステップとをさらに含む、
反射装置に適用される情報伝送方法。
【請求項2】
前記オンボード端末の位置情報及び前記反射装置の位置情報に基づいて、前記制御情報が確定される、
請求項1に記載の情報伝送方法。
【請求項3】
基地局から送信された通信情報を取得するステップは、
前記反射装置と前記基地局との間の見通し線距離伝送チャネルである第1の伝送チャネルと、前記反射装置と前記基地局との間の非見通し線距離伝送チャネルである第2の伝送チャネルと、の少なくとも1つを介して、前記基地局から送信された前記通信情報を取得することを含む、
請求項1に記載の情報伝送方法。
【請求項4】
前記反射装置の反射重みに基づいて、前記反射重みに対応するビームによってオンボード端末に前記通信信号を反射させるステップの後に、
前記オンボード端末から送信された応答信号に対応するビームを前記基地局に反射させることをさらに含み、
前記応答信号は、前記オンボード端末が前記通信情報についてフィードバックした情報である応答メッセージを搬送する、
請求項1に記載の情報伝送方法。
【請求項5】
前記通信情報は、報知情報、チャネル状態情報、下り制御情報及び下りトラフィック情報のうちの1つ又は複数を含む、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報伝送方法。
【請求項6】
通信情報を搬送する通信信号を反射装置に送信して、前記反射装置の反射重みに基づいて、前記反射重みに対応するビームによって前記反射装置をしてオンボード端末に前記通信信号を反射させるステップを含み、
通信情報を搬送する前記通信信号を反射装置に送信するステップの前に、
前記反射装置と前記オンボード端末との間の伝送チャネルである対象伝送チャネルに対応するビームの反射重みを調整するように構成された制御情報を取得するステップと、
前記反射装置に前記制御情報を伝送するステップとをさらに含む、
基地局に適用される情報伝送方法。
【請求項7】
制御情報を取得するステップは、
前記反射装置の位置情報及び前記オンボード端末の位置情報を取得することと、
前記オンボード端末の位置情報及び前記反射装置の位置情報に基づいて、前記制御情報を確定することとをさらに含む、
請求項6に記載の情報伝送方法。
【請求項8】
前記反射装置は、複数の使用される反射ユニットを含み、
前記オンボード端末の前記位置情報及び前記反射装置の前記位置情報に基づいて、前記制御情報を確定することは、
前記オンボード端末の前記位置情報及び前記反射装置の前記位置情報に基づいて、前記複数の使用される反射ユニットから対象反射ユニットを選択し、前記対象反射ユニットに対応する反射重みを確定することと、
前記対象反射ユニットに対応する前記反射重みに基づいて、前記制御情報を確定することとを含む、
請求項7に記載の情報伝送方法。
【請求項9】
前記反射装置に前記制御情報を伝送するステップの前に、
前記基地局の位置情報を取得することと、
前記基地局の位置情報及び前記反射装置の位置情報に基づいて、前記反射装置と前記基地局との間の見通し線距離伝送チャネルである第1の伝送チャネルに対応するビームの角度を確定することとをさらに含む、
請求項7に記載の情報伝送方法。
【請求項10】
前記第1の伝送チャネルは、チャネル状態情報をベースとした伝送チャネル、及び/又は、同期信号及び報知物理チャネルPBCHブロックをベースとした伝送チャネルを含む、
請求項9に記載の情報伝送方法。
【請求項11】
前記対象伝送チャネルは、前記オンボード端末の第1のビームに基づいて確定されたチャネル、又は前記オンボード端末の第2のビームに基づいて確定されたチャネルを含み、前記第1のビームのビーム幅は前記第2のビームのビーム幅より小さい、
請求項6に記載の情報伝送方法。
【請求項12】
前記反射装置に前記制御情報を伝送するステップの後に、
前記対象伝送チャネルが前記オンボード端末の第2のビームに基づいて確定されたチャネルであると確定した場合、前記対象伝送チャネルによって伝送された情報を最大比合成法を用いて処理し、応答情報を取得することをさらに含み、
前記応答情報は、前記オンボード端末が前記通信情報についてフィードバックした応答情報である、
請求項11に記載の情報伝送方法。
【請求項13】
基地局から送信され、通信信号を用いて搬送された通信情報を取得するように構成された第1の取得モジュールと、
反射装置の反射重みに基づいて、前記反射重みに対応するビームによってオンボード端末に前記通信信号を反射させるように構成された反射モジュールとを含み、
前記反射装置の反射重みに基づいて、前記反射重みに対応するビームによってオンボード端末に前記通信信号を反射させるステップの前に、
前記基地局から送信された制御情報を取得し、
前記制御情報に基づいて、前記反射装置と前記オンボード端末との間の伝送チャネルである対象伝送チャネルに対応するビームの反射重みを調整するように構成された、
反射装置。
【請求項14】
通信信号を用いて通信情報を搬送するように構成された搬送モジュールと、
反射装置に前記通信信号を送信して、前記反射装置の反射重みに基づいて、前記反射重みに対応するビームによって前記反射装置をしてオンボード端末に前記通信信号を反射させるように構成された送信モジュールとを含み、
前記通信信号を前記反射装置に送信する前に、
前記反射装置と前記オンボード端末との間の伝送チャネルである対象伝送チャネルに対応するビームの反射重みを調整するように構成された制御情報を取得し、
前記反射装置に前記制御情報を伝送するように構成された、
基地局。
【請求項15】
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報伝送方法を実行するように構成された反射装置と、
請求項6から12のいずれか1項に記載の情報伝送方法を実行するように構成された基地局と、
前記基地局から送信された通信情報を取得し、前記通信情報に基づいて応答情報を生成し、対象伝送チャネルを用いて前記応答情報を前記反射装置に伝送して、前記反射装置に前記基地局へ前記応答情報を伝送させるように構成されたオンボード端末とを含む、
情報伝送システム。
【請求項16】
1つ又は複数のプロセッサと、
1つ又は複数のプログラムが記憶され、前記1つ又は複数のプログラムが前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサによって請求項1から4のいずれか1項に記載の情報伝送方
法が実現されるメモリとを含む、
電子機器。
【請求項17】
コンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1から4のいずれか1項に記載の情報伝送方
法が実現される、
可読記憶媒体。
【請求項18】
1つ又は複数のプロセッサと、
1つ又は複数のプログラムが記憶され、前記1つ又は複数のプログラムが前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサによって請求項6から12のいずれか1項に記載の情報伝送方法が実現されるメモリとを含む、
電子機器。
【請求項19】
コンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項6から12のいずれか1項に記載の情報伝送方法が実現される、
可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年5月27日に中国特許庁に提出した中国特許出願202110585961.3号の優先権を主張し、そのすべての内容を参照により援用する。
【0002】
本願は、無線通信技術分野に関するがこれに限定されない。
【背景技術】
【0003】
無線通信技術の発展に伴い、通信ネットワークがカバーする面積は益々大きくなっている。自動車や電車等の高速移動手段の中で良質な通信サービスが得られるようになっている。しかし、対空カバー無線通信システムでは、見通し線(Line Of Sight:LOS)距離を用いて通信信号を伝送することが多いが、反射体がないため、このシステムにおける無線チャネルによって2つ以上のマルチストリーミングをサポートすることは困難となっており、対空カバー無線通信ネットワークの単一端末のスループットが小さく、航空機の乘客は良質な通信サービスを得られず、ユーザ体験度が低下している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願は、情報伝送方法、反射装置、基地局、システム、電子機器及び媒体を提案する。
【0005】
第1の態様において、本願は、基地局から送信され、通信信号を用いて搬送される通信情報を取得するステップと、反射装置の反射重みに基づいて、反射重みに対応するビームによってオンボード端末に通信信号を反射させるステップとを含む、反射装置に適用される情報伝送方法を提供する。
【0006】
第2の態様において、本願は、通信情報を搬送する通信信号を反射装置に送信して、反射装置の反射重みに基づいて、反射重みに対応するビームによって反射装置をしてオンボード端末に通信信号を反射させるステップを含む、基地局に適用される情報伝送方法を提供する。
【0007】
第3の態様において、本願は、基地局から送信され、通信信号を用いて搬送された通信情報を取得するように構成された第1の取得モジュールと、反射装置の反射重みに基づいて、反射重みに対応するビームによってオンボード端末に通信信号を反射させるように構成された反射モジュールとを含む、反射装置を提供する。
【0008】
第4の態様において、本願は、通信信号を用いて通信情報を搬送するように構成された搬送モジュールと、反射装置に通信信号を送信して、反射装置の反射重みに基づいて、反射重みに対応するビームによって反射装置をしてオンボード端末に通信信号を反射させるように構成された送信モジュールとを含む、基地局を提供する。
【0009】
第5の態様において、本願は、第1の態様の情報伝送方法を実行するように構成された反射装置と、第2の態様の情報伝送方法を実行するように構成された基地局と、基地局から送信された通信情報を取得し、通信情報に基づいて応答情報を生成し、対象伝送チャネルを用いて応答情報を反射装置に伝送して、反射装置に基地局へ応答情報を伝送させるように構成されたオンボード端末とを含む、情報伝送システムを提供する。
【0010】
第6の態様において、本願は、1つ又は複数のプロセッサと、1つ又は複数のプログラムが記憶され、1つ又は複数のプログラムが1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、1つ又は複数のプロセッサによって本明細書に記載の情報伝送方法のいずれかが実現されるメモリとを含む、電子機器を提供する。
【0011】
第7の態様において、本願は、コンピュータプログラムが記憶され、コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、本明細書に記載の情報伝送方法のいずれかが実現される、可読記憶媒体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本願の地対空無線通信システムの構成・構造模式図である。
【
図2】本願が提供する情報伝送方法のフローチャートである。
【
図3】本願が提供する情報伝送方法のフローチャートである。
【
図4】本願が提供する情報伝送方法のフローチャートである。
【
図5】本願が提供する反射装置の構成ブロック図である。
【
図6】本願が提供する基地局の構成ブロック図である。
【
図7】本願が提供する情報伝送システムの構成ブロック図である。
【
図8】本願が提供する情報伝送システムにおける下り情報伝送のフローチャートである。
【
図9】本願が提供する情報伝送システムにおける、無指向性アンテナを用いた上り情報伝送のフローチャートである。
【
図10】本願が提供する情報伝送システムにおける、指向性アンテナを用いた上り情報伝送のフローチャートである。
【
図11】本願が提供する情報伝送システムにおける、同期信号及びPBCHブロックをベースとした伝送チャネルを用いた下り通信信号伝送のフローチャートである。
【
図12】本願が提供する情報伝送システムにおける、チャネル状態情報をベースとした下り通信信号伝送のフローチャートである。
【
図13】本願が提供する情報伝送システムにおける、アクティブRISをベースとした下り情報伝送のフローチャートである。
【
図14】本願が提供する情報伝送システムにおける、アクティブRISをベースとした上り情報伝送のフローチャートである。
【
図15】本願が提供する情報伝送システムにおける、パッシブRISをベースとした下り情報伝送のフローチャートである。
【
図16】本願が提供する情報伝送システムにおける、パッシブRISをベースとした上り情報伝送のフローチャートである。
【
図17】本願が提供する情報伝送方法及び装置を実現可能な計算装置の例示的なハードウェアアーキテクチャの構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本願の目的、技術案及び利点をより明確にするため、以下では、図面を参照して本願の実施形態について詳しく説明する。なお、矛盾しない限り、本願の実施形態及び実施形態における特徴を任意に組み合わせることができる。
【0014】
図1は、本願の地対空無線通信システムの構成・構造模式図である。
図1に示すように、地対空(Air To Ground:ATG)無線通信システムは、コアネットワーク装置101、インターネット装置102、基地局104及びオンボード端末103を含む。
【0015】
ここで、基地局104は、地上基地局であり、オンボード端末103は、航空機に搭載される端末である。基地局104は、オンボード端末103と通信するだけでなく、航空機の乘客が使用するスマート端末(例えば、スマートフォン、タブレット等)とも通信する必要がある。
【0016】
基地局104は、航空機の乘客が使用するスマート端末と通信するとき、航空機に搭載されたオンボードモバイルホットスポット(Wi-Fi)装置を介して航空機の乘客が使用するスマート端末と通信し、このときのオンボードWi-Fi装置はベアラを必要とし、通信圧力が過度に大きい。加えて、航空機の移動時速は800~1200Km/hに達する場合もあり、超高速移動手段にあたり、航空機の乘客は良質な通信サービスを得ることができない。
【0017】
航空機の複数の乘客がモバイルデータを用いてダウンロード又はアップロードを行う状況において、個々の乘客は、所望の帯域幅リソースを得ることができず、各乘客の帯域幅ニーズを満たすためには、ATG無線通信システムの帯域幅を増やすか、又はオンボード端末103と基地局104との間でできる限りマルチストリーミングを用いることが必要となる。しかし、帯域幅リソースは極めて貴重なリソースであり、ATG無線通信システムのような専用ネットワークシステムにすべてを使用することはできない上、オンボード端末103と基地局104との間では、見通し線(Line Of Sight:LOS)距離を用いて通信信号の伝送を行うことが多い。ここで、LOS距離は、オンボード端末103と基地局104との間に、明瞭で遮断されない通信チャネルが存在し、基地局104から送信された通信信号をオンボード端末103が直接受信できることを意味する。このLOS距離に対応する通信チャネルの特殊性から、LOS距離に基づく通信チャネルはマルチストリーミングをサポートすることができない。LOS距離が優位である対空カバー等の環境において、個別ユーザのデータストリーム数及びデータレートを如何に向上させるかが、早急に解決すべき課題となっている。
【0018】
本願の第1の態様は、情報伝送方法を提供する。
図2は、本願が提供する情報伝送方法のフローチャートである。この情報伝送方法は、反射装置に適用することができる。
図2に示すように、本願の情報伝送方法は、以下のステップS201及びS202を含んでもよい。
【0019】
ステップS201では、基地局から送信された通信情報を取得する。
【0020】
ここで、通信情報は、通信信号を用いて搬送される。この通信情報は、報知情報、チャネル状態情報、下り制御情報及び下りトラフィック情報のうちの1つ又は複数を含む。
【0021】
なお、反射装置は、アクティブ装置であってもよいし、パッシブ装置であってもよい。反射装置がアクティブ装置であると確定した場合、アクティブな反射装置は、対象伝送チャネルがオンボード端末に通信情報をより正確に伝送できるように、基地局から送信された制御情報に基づいて、反射装置とオンボード端末との間の対象伝送チャネルに対応するビームの角度を調整してもよい。
【0022】
反射装置がパッシブ装置であると確定した場合、パッシブな反射装置は、オンボード端末との間の反射重みを自動的に調整することができない。パッシブな反射装置を搭載するとき、パッシブな反射装置の搭載位置は、予め設定されたネットワークプランニングパラメータによって確定された位置であり、この搭載位置は、搭載角度情報、搭載高さ情報、及びこのパッシブな反射装置と基地局との間の距離情報のうちの1つ又は複数を含む。なお、このパッシブな反射装置は、専用に設けられ、オンボード端末に通信信号を反射させるように構成された装置であり、一般的な障害物ではない。
【0023】
ここで、パッシブな反射装置は、ビーム幅が予め設定された幅閾値以上であるビーム(つまり、広いビーム)を用いて、オンボード端末が通信情報を受信する確率を上げてもよい。ビーム幅は、水平ビーム幅及び/又は垂直ビーム幅を含む。予め設定された幅閾値は、ハーフパワービーム幅(HalfPowerbeamwidth:HPBW)を含む。
【0024】
ステップS202では、反射装置の反射重みに基づいて、反射重みに対応するビームによってオンボード端末に通信信号を反射させる。
【0025】
本明細書において「反射重みに対応するビームによってオンボード端末に通信信号を反射させる」とは、前記反射重みに対応するビームで通信信号を搬送し、前記通信信号を搬送するビームをオンボード端末に反射させることをいう。
【0026】
ここで、オンボード端末に反射させる通信信号に対応するビームの方向をより正確にするために、反射装置の反射重みは、自己適応的に調整されてもよい。この反射重みは、反射装置の反射角度であってもよいし、反射信号に対応するビーム幅等であってもよい。以上は反射重みについて例を挙げて説明したものに過ぎず、具体的な実現に応じて具体的に設定することができ、他の説明しない反射重みも本願の保護範囲にあり、ここでは説明を省略する。
【0027】
本願では、通信情報を搬送する通信信号を反射装置に送信することによって、反射装置の反射重みに基づいて、反射重みに対応するビームによって反射装置をしてオンボード端末に通信信号を反射させ、対象伝送チャネルを介して伝送された通信情報がオンボード端末にスムーズに達することが保証され、対空をカバーするチャネルの品質が向上する。従来の基地局及びオンボード端末の伝送チャネルに加えて、反射装置を追加することによって、基地局とオンボード端末との間の通信経路が増えて、基地局からオンボード端末に送信される同時データストリーム数が増え、これにより対空カバー無線通信システムによるマルチストリーミングのサポートが可能となり、端末の通信レートが向上する。
【0028】
図3は、本願が提供する情報伝送方法のフローチャートである。この情報伝送方法は、反射装置に適用することができる。
図3に示すように、本願の情報伝送方法は、以下のステップS301~S304を含んでもよい。
【0029】
ステップS301では、基地局から送信された通信情報を取得する。
【0030】
一例示的実施形態において、第1の伝送チャネル及び/又は第2の伝送チャネルを介して、基地局から送信された通信情報を取得する。ここで、第1の伝送チャネルは、反射装置と基地局との間の見通し線距離伝送チャネルであり、第2の伝送チャネルは、反射装置と基地局との間の非見通し線距離伝送チャネルである。
【0031】
なお、非見通し線距離伝送チャネルは、非見通し線(No Line Of Sight:NLOS)距離に基づいて確定される伝送チャネルである。見通し線距離伝送チャネルは、LOS距離をベースとして確定される伝送チャネルである。
【0032】
例えば、オンボード端末と基地局との間に複数の反射装置(例えば、第1の反射装置及び第2の反射装置)が存在し、これらの反射装置によってオンボード端末と基地局との間の通信信号が遮られ、基地局から送信された通信情報は、第1の伝送チャネルを経由して第2の反射装置に直接達してもよいし、第2の伝送チャネルを経由して(例えば、基地局から送信された通信情報を第1の反射装置によって転送して、第2の反射装置にこの通信情報を取得させて)第2の反射装置に達してもよく、これによって現在の装置(つまり、第2の反射装置)に、基地局から送信された通信情報を複数の伝送チャネルを介して取得させ、基地局から現在の装置に送信された同時データストリーム数を追加することができ、現在の装置の通信品質が向上する。
【0033】
ステップS302では、基地局から送信された制御情報を取得する。
【0034】
ここで、制御情報は、角度の大きさの調整情報、及び/又は、対象伝送チャネルに対応するビームの方向調整情報を含む。
【0035】
一例示的実施形態において、反射装置は、取得した制御情報に基づいてオンボード端末との間の対象伝送チャネルに対応するビームの角度を自動的に調整する、再構成可能なインテリジェントサーフェス(Reconfigable Intelligent Surface:RIS)装置を含む。
【0036】
ステップS303では、対象伝送チャネルに対応するビームの反射重みを制御情報に基づいて調整する。
【0037】
一例示的実施形態において、反射装置とオンボード端末との間に複数の伝送チャネルが存在し、複数の伝送チャネルから対象伝送チャネルを1つ選択して、通信情報の伝送チャネルとする。対象伝送チャネルを通信情報の伝送チャネルとして用いることによって、オンボード端末に伝送される通信情報をより正確なものとすることができる。
【0038】
RIS装置は、角度の大きさの調整情報に基づいて、オンボード端末との間の対象伝送チャネルに対応するビームの反射重みの大きさを増減させてもよいし、対象伝送チャネルに対応するビームの方向調整情報に基づいて、対象伝送チャネルに対応するビームの水平方向及び/又は垂直方向を調整してもよい。さらには、制御情報に基づいて、対象伝送チャネルに対応するビームの方向及び対象伝送チャネルに対応するビームの角度の大きさを同時に調整してもよい。これによって、対象伝送チャネルに対応するビームの焦点がオンボード端末に合い、対象伝送チャネルの正確性が保証される。
【0039】
なお、以上は制御情報について例を挙げて説明したものに過ぎず、他の説明しない制御情報も本願の保護範囲にあり、具体的な状況に応じて具体的に設定することができ、ここでは説明を省略する。
【0040】
ステップS304では、反射装置の反射重みに基づいて、反射重みに対応するビームによってオンボード端末に通信信号を反射させる。
【0041】
なお、従来の基地局とオンボード端末との間の伝送チャネルは、LOS距離ベースの対応伝送チャネルであり、従来のLOS距離ベースの対応伝送チャネルに加えて、対象伝送チャネルを追加することによって、基地局とオンボード端末との間の伝送チャネルをより豊富にすることができ、基地局からオンボード端末に送信される同時データストリーム数が増える。これによって、オンボード端末は、基地局から送信された通信情報を複数の異なる伝送チャネルを介して受信することができ、オンボード端末の信号品質が改善され、オンボード端末が受信する通信情報の完全性及び正確性が保証される。
【0042】
本願では、第1の伝送チャネル及び/又は第2の伝送チャネルを介して、基地局から送信された通信情報を取得し、即ち、複数の伝送チャネルを介して、基地局から送信された通信情報を取得し、基地局から現在の装置に送信される同時データストリーム数を増やすことができ、現在の装置の通信品質が向上する。また、第1の伝送チャネル(つまり、現在の装置と基地局との間の見通し線距離伝送チャネル)を介して制御情報を取得しており、制御情報の正確性を確保することができる。制御情報を用いて反射重みを調整することで、対象伝送チャネルを介して伝送される通信情報がオンボード端末にスムーズに達することが保証され、対空カバーするチャネルの品質が向上する。
【0043】
一例示的実施形態において、前記方法は、制御情報に基づいて対象伝送チャネルに対応するビームの反射重みを調整する前に、反射装置の位置情報及びオンボード端末の位置情報を取得することと、オンボード端末の位置情報及び反射装置の位置情報に基づいて、制御情報を確定することとをさらに含む。
【0044】
ここで、オンボード端末の位置情報は、経緯度情報であってもよく、現在の装置の位置情報も、経緯度情報であってもよく、オンボード端末と現在の装置との相対位置を経緯度情報によって正確に算出し、さらにはこの相対位置に基づいて制御情報を確定することができる。
【0045】
具体的なオンボード端末の位置情報及び現在の装置の位置情報を経緯度情報によって確定することによって、各装置の位置情報の正確性が向上し、制御情報の正確性が向上する。
【0046】
一例示的実施形態において、反射装置は、複数の使用される反射ユニットを含み、オンボード端末の位置情報及び反射装置の位置情報に基づいて制御情報を確定することは、オンボード端末の位置情報及び反射装置の位置情報に基づいて、複数の使用される反射ユニットから対象反射ユニットを選択し、対象反射ユニットに対応する反射重みを確定することと、対象反射ユニットに対応する反射重みに基づいて、制御情報を確定することとを含む。
【0047】
ここで、使用される反射ユニットの各々は、低コストのパッシブ反射素子であってもよいし、アクティブ反射素子であってもよい。反射素子によって対応する反射重みは異なる。
【0048】
オンボード端末の位置情報及び現在の装置の位置情報によって、反射装置に対するオンボード端末の具体的な方位(例えば、相対位置情報(例えば、振幅情報)及び/又は相対角度情報(例えば、位相情報)等)を確定することができ、さらにはこの具体的な方位に基づいて、ある反射ユニットが対象反射ユニットとして用いるのに適しているか否かを確定することができる。この対象反射ユニットは、予め設定された反射条件(例えば、この対象反射ユニットの反射角度が反射装置に対するオンボード端末の相対角度情報を満たすか、及び/又は、この対象反射ユニットの位置がオンボード端末に反射信号を送信するのにより適しているか等)を満たす必要がある。
【0049】
さらに、対象反射ユニットは、複数であってもよく、対象反射ユニットに対応する反射重み(或いは対象反射ユニットの反射重み)に基づいて、制御情報を確定することは、複数の対象反射ユニットに対応する反射重みに基づいて、複数の対象反射ユニットをソートしてソート結果を取得し(例えば、反射重みゲインが最大である対象反射ユニットを最終的な対象反射ユニットとし)、この最終的な対象反射ユニットに対応する反射重みに基づいて、制御情報を確定することを含む。反射重みゲインが最大である1つの対象反射ユニットを最終的な対象反射ユニットとすることで、制御情報の正確性を向上させることができる。
【0050】
異なる反射ユニットに対応する反射重みの情報(例えば、振幅情報及び/又は位相情報)に基づいて制御情報を確定し、複数の反射ユニットを協働させて対象伝送チャネルを実現することで、対象伝送チャネルの調節が可能となっており、無線通信ネットワークの性能が顕著に向上する。
【0051】
一例示的実施形態において、対象伝送チャネルは、増大又はヌルステアリング信号をベースとしたビームに対応するチャネルである。ここで、ヌルステアリング信号は、できる限り、所望の信号を増幅し、干渉信号を抑制し、ビームのメインローブを所望の信号の入射方向に合わせた信号であり、このヌルステアリング信号によって、ビームの方向図における最低ゲイン点を取得することができ、ビームの正確性が保証され、対象伝送チャネルの正確性が向上する。
【0052】
一例示的実施形態において、前記方法は、反射装置の反射重みに基づいて、反射重みに対応するビームによってオンボード端末に通信信号を反射した後、オンボード端末から送信された応答信号に対応するビームを基地局に反射させることをさらに含む。
【0053】
ここで、応答信号は、オンボード端末が通信情報についてフィードバックした情報である応答メッセージを搬送する。
【0054】
オンボード端末から送信された応答信号に対応する(前記応答信号を搬送する)ビームを基地局に反射させることによって、基地局はオンボード端末からフィードバックされた応答情報を正確に取得することができ、正常な通信が保証される。
【0055】
本願の第2の態様は、情報伝送方法を提供する。
図4は、本願が提供する情報伝送方法のフローチャートである。この情報伝送方法は、基地局に適用することができる。
図4に示すように、本願の情報伝送方法は、以下のステップS401及びS402を含んでもよい。
ステップS401では、通信信号を用いて通信情報を搬送する。
【0056】
ここで、制御情報は、対象伝送チャネルに対応するビームの反射重みを調整するように構成された情報であり、対象伝送チャネルは、反射装置とオンボード端末との間の伝送チャネルである。
ステップS402では、反射装置に通信信号を送信する。
【0057】
反射装置は、通信信号を受信したことを確定した場合、反射装置の反射重みに基づいて、反射重みに対応するビームによってオンボード端末に通信信号を反射させる。反射重みは、対象伝送チャネルに対応するビームの反射重みであり、対象伝送チャネルは、反射装置とオンボード端末との間の伝送チャネルである。
【0058】
一例示的実施形態において、前記方法は、反射装置に通信信号を送信する前に、制御情報を取得することをさらに含む。制御情報は、対象伝送チャネルに対応するビームの反射重みを調整するように構成され、対象伝送チャネルは、反射装置とオンボード端末との間の伝送チャネルであり、反射装置に制御情報を伝送する。
【0059】
ここで、反射装置は、オンボード端末との間の対象伝送チャネルに対応するビームの反射重みを制御情報に基づいて調整し、対象伝送チャネルに対応するビームの角度が伝送ニーズを満たす(例えば、対象伝送チャネルに対応するビームの角度をオンボード端末に正確に対応させて、反射装置から送信された通信情報をオンボード端末に正確に受信させる)ことが保証され、通信情報の伝送正確性が向上する。
【0060】
本願では、取得した制御情報及び通信情報を反射装置に伝送することによって、この制御情報に基づいて、対象伝送チャネルに対応するビームの反射重みを反射装置に調整させることで、反射装置が対象伝送チャネルを用いてオンボード端末に迅速かつ正確に通信情報を伝送するようになっており、オンボード端末が通信情報を正確に受信することが保証される。基地局とオンボード端末との間に反射装置を追加しており、反射装置を追加することによって、基地局とオンボード端末との間の通信経路が増えて、基地局からオンボード端末に送信される同時データストリーム数が増え、これにより対空カバー無線通信システムによるマルチストリーミングのサポートが可能となり、端末の通信レートが向上する。
【0061】
いくつかの例示的実施形態において、制御情報を取得することは、反射装置の位置情報及びオンボード端末の位置情報を取得することと、オンボード端末の位置情報及び反射装置の位置情報に基づいて、制御情報を確定することとを含む。
【0062】
ここで、オンボード端末の位置情報及び反射装置の位置情報は、経緯度情報を用いて示すことができ、オンボード端末と反射装置との間の相対位置を正確に表し、さらにはこの相対位置に基づいて制御情報を確定することができ、反射装置がこの制御情報に基づいてオンボード端末との間の対象伝送チャネルを正確に調整することが保証され、通信情報の伝送の正確性が向上する。
【0063】
いくつかの例示的実施形態において、前記方法は、反射装置に制御情報を伝送する前に、基地局の位置情報を取得することと、基地局の位置情報及び反射装置の位置情報に基づいて、第1の伝送チャネルに対応するビームの角度を確定することとをさらに含む。
【0064】
ここで、第1の伝送チャネルは、反射装置と基地局との間の見通し線距離伝送チャネルである。第1の伝送チャネルによって、基地局から送信された制御情報を反射装置がより簡単かつ正確に取得することが保証され、制御情報の正確性が保証される。
【0065】
なお、見通し線距離伝送チャネルは、LOS距離をベースとして確定される伝送チャネルである。基地局は、第1の伝送チャネルを介して通信情報又は制御情報を正確かつ誤りなく反射装置に送信することができ、これによって制御情報に基づいて、オンボード端末との間の対象伝送チャネルに対応するビームの角度を反射装置によって調整でき、基地局による反射装置の正確な制御が実現される。
【0066】
いくつかの例示的実施形態において、第1の伝送チャネルは、チャネル状態情報をベースとした伝送チャネル、及び/又は、同期信号及びPBCHブロックをベースとした伝送チャネルを含む。
【0067】
ここで、同期信号及びPBCHブロック(Synchronization Signal and PBCH block:SSB)は、主同期信号(Primary Synchronization Signals:PSS)、副同期信号(Secondary Synchronization Signals:SSS)及び報知物理チャネル(Physical Broadcast CHannel:PBCH)を含む。そのうち、PSS又はSSSは、搬送波の中心周波数のビンではなく、搬送波の任意の位置に柔軟に配置して、搬送波の柔軟な配置を実現することができる。
【0068】
ここで、チャネル状態情報は、通信リンクのチャネル属性を表すのに用いられる。チャネル状態情報は、各伝送チャネルにおける通信信号の減衰係数を含む。基地局は、チャネル状態情報の参照信号(Channel State Information-Reference Signal:CSI-RS)ポート及び送信ビームが指向する反射装置によって、端末がより正確なチャネル推定を取得できるようにする。
【0069】
いくつかの例示的実施形態において、対象伝送チャネルは、オンボード端末の第1のビームに基づいて確定されたチャネル、又はオンボード端末の第2のビームに基づいて確定されたチャネルを含み、第1のビームのビーム幅は第2のビームのビーム幅より小さい。
【0070】
ここで、ビーム幅は、水平ビーム幅及び/又は垂直ビーム幅を含む。予め設定された幅閾値は、ハーフパワービーム幅を含む。
【0071】
オンボード端末の第1のビームに基づいて確定されたチャネル、又はオンボード端末の第2のビームに基づいて確定されたチャネルを対象伝送チャネルとし、この対象伝送チャネルを用いてオンボード端末と基地局との間の通信情報を伝送することによって、オンボード端末と基地局との間の同時データストリーム数が増え、これにより対空カバー無線通信システムによるマルチストリーミングのサポートが可能となり、端末の通信レートが向上する。
【0072】
いくつかの例示的実施形態において、前記方法は、反射装置に制御情報を伝送した後、対象伝送チャネルがオンボード端末の第2のビームに基づいて確定されたチャネルであると確定した場合、対象伝送チャネルによって伝送された情報を最大比合成法を用いて処理し、応答情報を取得することをさらに含む。ここで、応答情報は、反射装置によって転送され、オンボード端末が通信情報についてフィードバックした応答情報である。
【0073】
ここで、最大比合成法は、基地局が、受信した受信信号の強弱に基づいて、各受信信号に対応する重みを確定し、各受信信号に対し重み付け合成処理をして、処理された受信信号をより鮮明にするものであり、処理された受信信号によって一層完全な応答情報を確実に取得できることが保証される。
【0074】
例えば、第2のビームは、無指向性アンテナに対応するビームであってもよく、この無指向性アンテナの放射エネルギーは、オンボード端末と基地局との間のLOS距離だけでなく、このオンボード端末と他の反射装置との間のNLOS距離にも作用してもよい。このとき、基地局は、各反射装置に対応する反射エネルギーの大きさに基づいて、対象伝送チャネルによって伝送された情報を最大比合成法を用いて処理することによって、オンボード端末から送信されて取得される応答情報を一層完全なものとすることができる。
【0075】
本願の第3の態様は、反射装置を提供する。
図5は、本願が提供する反射装置の構成ブロック図である。
図5に示すように、反射装置は、基地局から送信され、通信信号を用いて搬送された通信情報を取得するように構成された第1の取得モジュール501と、反射装置の反射重みに基づいて、反射重みに対応するビームによってオンボード端末に通信信号を反射させるように構成された反射モジュール502とを含む。
【0076】
本願では、基地局から送信された制御情報及び通信情報を第1の取得モジュールによって取得し、調整モジュールを用いて制御情報に基づいて対象伝送チャネルに対応するビームの角度を調整することによって、対象伝送チャネルを介して伝送される通信情報がオンボード端末にスムーズに達することが保証され、対空カバーするチャネルの品質が向上する。第1の伝送モジュールを用いて対象伝送チャネルを介してオンボード端末に通信情報を伝送し、従来の基地局とオンボード端末との伝送チャネルに加えて、対象伝送チャネルを追加することによって、基地局からオンボード端末に送信される同時データストリーム数が増え、これにより対空カバー無線通信システムによるマルチストリーミングのサポートが可能となり、端末の通信レートが向上する。
【0077】
本願の第4の態様は、基地局を提供する。
図6は、本願が提供する基地局の構成ブロック図である。
図6に示すように、基地局は、通信信号を用いて通信情報を搬送するように構成された搬送モジュール601と、反射装置に通信信号を送信することによって、反射装置の反射重みに基づいて、反射重みに対応するビームによって反射装置をしてオンボード端末に通信信号を反射させるように構成された送信モジュール602とを含む。
【0078】
本願では、第2の取得モジュールによって対象伝送チャネルに対応するビームの角度を調整するための制御情報と、通信情報とを取得した後で、第2の伝送モジュールを用いて反射装置に制御情報及び通信情報を伝送することによって、反射装置とオンボード端末との間の伝送チャネルがより正確となり、対象伝送チャネルを介して伝送される通信情報がオンボード端末にスムーズに達することが保証され、対空カバーするチャネルの品質が向上する。従来の基地局とオンボード端末との伝送チャネルに加えて、対象伝送チャネルを追加することによって、基地局からオンボード端末に送信される同時データストリーム数が増え、これにより対空カバー無線通信システムによるマルチストリーミングのサポートが可能となり、端末の通信レートが向上する。
【0079】
本願の第5の態様は、情報伝送システムを提供する。
図7は、本願が提供する情報伝送システムの構成ブロック図である。
図7に示すように、この情報伝送システムは、第1の態様の情報伝送方法を実行するように構成された反射装置710と、第2の態様の情報伝送方法を実行するように構成された基地局720と、基地局720から送信された通信情報を取得し、通信情報に基づいて応答情報を生成し、対象伝送チャネルを用いて反射装置710に応答情報を伝送して、反射装置710に基地局720へ応答情報を伝送させるように構成されたオンボード端末730とを含む。
【0080】
ここで、反射装置は、第1の態様の情報伝送方法を実行するように構成されたアクティブ装置であってもよいし、異なる反射重みによって、オンボード端末730に基地局720から送信されて受信した通信情報を転送するパッシブ装置であってもよい。オンボード端末730は、航空機、無人機又は他の対空カバーシステムによってサポートされる端末であってもよい。基地局720は、地上基地局であってもよい。
【0081】
基地局720は、CSI-RSに対応するポートを介して、反射装置710に制御情報を送信することによって、この制御情報に基づいて反射装置710を指向するビームの角度を反射装置710に調整させて、基地局から送信された通信情報を反射装置710からオンボード端末730に正確に転送させる。オンボード端末730が、より正確なチャネル推定、チャネル品質指標(Channel Quality Indicator:CQI)、ランク指標(Rank Indication:RI)及びプリコード化マトリクス指標(Precoding Matrix Indicator:PMI)等の情報を取得することが保証される。
【0082】
ここで、CQIは、物理下り共用チャネル(Physical Downlink Shared Channel:PDSCH)のチャネル品質を評価し反映するのに用いられる。例えば、0~15を用いてPDSCHのチャネル品質を示す。0は、チャネル品質が最も悪いことを示し、15は、チャネル品質が最も良いことを示す。PDSCHのチャネル品質が良い場合、基地局720は、オンボード端末730に多くのデータを伝送することができる。PDSCHのチャネル品質が悪い場合、基地局720は、オンボード端末730に一部のデータしか伝送することができない。RIは、PDSCHの有効なデータ層数を示すのに用いられる。基地局720は、オンボード端末730から報告されたRIによって、オンボード端末730がサポートする符号語(Code Word:CW)の数量を取得してもよい。例えば、RIが1に等しい場合、オンボード端末730が1つのCWをサポート可能であることを示し、RIが1より大きい場合、オンボード端末730が2つのCWをサポート可能であることを示す。PMIは、コードブック集合のインデックスを示すのに用いられる。オンボード端末730から報告されたPMIによって、PDSCHによって伝送された通信信号が最適な信号であるか否かを確定することができる。
【0083】
ここで、制御情報は、オンボード端末730の位置情報、及び/又は、反射装置710と基地局730との間の非見通し線距離伝送チャネルである第1の伝送チャネルに対応するビームの角度調整情報を含む。通信情報は、報知情報、チャネル状態情報、下り制御情報及び下りトラフィック情報のうちの1つ又は複数を含む。そのうち、下り制御情報は、下りトラフィック情報に対応する構成情報であり、異なるトラフィックデータを構成及び調整するのに用いられる。
【0084】
一例示的実施形態において、反射装置710は、オンボード端末730の位置情報を取得した後、反射装置710それ自体の位置情報及びオンボード端末730の位置情報に基づいて、反射装置710とオンボード端末730との間の対象伝送チャネルに対応するビームの角度を確定することができ、さらにはこの角度に基づいて、対象伝送チャネルに対応するビームの角度を調整して、反射装置710によって転送された通信情報をオンボード端末730に正確に受信させることができ、対空カバーする信号品質が向上する。
【0085】
なお、情報伝送システムにおける上りチャネル(オンボード端末730は異なる伝送チャネルを介して基地局720のチャネルに伝送する)は、オンボード端末730が用いる送信アンテナのタイプに応じて、各伝送チャネルに対応することができる。
【0086】
本願における情報伝送システムは、基地局(及び/又はRF装置)及びオンボード端末との間に反射装置を配置することによって、従来の基地局とオンボード端末との伝送チャネルに加えて、対象伝送チャネルを追加し、基地局からオンボード端末に送信される同時データストリーム数が増え、これにより対空カバー無線通信システムによるマルチストリーミングのサポートが可能となり、端末の通信レートが向上する。
【0087】
図8は、本願が提供する情報伝送システムにおける下り情報伝送のフローチャートである。
図8に示すように、情報伝送システムは、複数の反射装置(例えば、第1の反射装置711、第2の反射装置712、第3の反射装置713、……、第Nの反射装置71N)を含んでもよい。ここで、Nは、1以上の整数である。
【0088】
図8に示すように、情報伝送システムにおける下り伝送チャネルは、基地局720から送信された通信情報をオンボード端末730に伝送するためのものである。この下り伝送チャネルは、0)第0の下りチャネル:基地局720→オンボード端末730;1)第1の下りチャネル:基地局720→第1の反射装置711→オンボード端末730;2)第2の下りチャネル:基地局720→第2の反射装置712→オンボード端末730;3)第3の下りチャネル:基地局720→第3の反射装置713→オンボード端末730;……;N)第Nの下りチャネル:基地局720→第Nの反射装置71N→オンボード端末730を含む。
【0089】
なお、N個の反射装置は、アクティブ装置を含んでもよいし、パッシブ装置を含んでもよい。ここで、パッシブ装置とは、反射装置がオンボード端末730との間の反射重みを自動的に調整できないことをいう。搭載時において、パッシブな反射装置の搭載位置は、予め設定されたネットワークプランニングパラメータによって確定された位置であり、この搭載位置は、搭載角度情報、搭載高さ情報、及びこのパッシブな反射装置と基地局720との間の距離情報のうちの1つ又は複数を含む。このとき、このパッシブな反射装置は、ビーム幅が予め設定された幅閾値以上であるビーム(つまり、広いビーム)を用いて、オンボード端末730が通信情報を受信する確率を上げてもよい。
【0090】
ここで、ビーム幅は、水平ビーム幅及び垂直ビーム幅を含む。水平ビーム幅は、水平方向において最大輻射方向両側の輻射電力が3dB低下した2方向の夾角をいう。垂直ビーム幅は、垂直方向において最大輻射方向両側の輻射電力が3dB低下した2方向の夾角をいう。予め設定された幅閾値は、ハーフパワービーム幅を含む。
【0091】
アクティブ装置は、反射装置によって転送される通信情報がオンボード端末730にスムーズに達するように、基地局720から送信された制御情報に基づいて、オンボード端末730との間の対象伝送チャネルに対応するビームの反射重みを反射装置によって自動的に調整することができ、オンボード端末730の信号品質が向上する。
【0092】
一例示的実施形態において、基地局720は、放射角度が固定されたビームを発生させて、このビームの角度とその周囲の反射装置を対応させ、基地局720から送信された制御情報及び通信情報が各反射装置に正確に伝送されることを保証する。
【0093】
ここで、各反射装置からオンボード端末730に転送される下り情報は、通信情報だけであり、基地局720から各反射装置に送信される制御情報を含まない。また、オンボード端末730は、異なる各下り伝送チャネルを介して、基地局720から送信された通信情報を受信する。
【0094】
一例示的実施形態において、基地局720は、全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)によってオンボード端末730の位置情報及び各反射装置の位置情報を取得し、さらには上記位置情報に基づいて、各反射装置それぞれとオンボード端末730との間の対象伝送チャネルのビームに対応する角度を確定してもよい。
【0095】
一例示的実施形態において、複数の使用される反射ユニットを含み、反射装置は、オンボード端末730の位置情報及びこの反射装置それ自体の位置情報に基づいて、複数の使用される反射ユニットから対象反射ユニットを選択し、対象反射ユニットに対応する反射重みを確定してもよく、対象反射ユニットに対応する反射重み(或いは対象反射ユニットの反射重み)に基づいて、この反射装置とオンボード端末730との間の対象伝送チャネルのビームに対応する角度を確定してもよい。
【0096】
一例示的実施形態において、情報伝送システムにおけるオンボード端末730に用いるアンテナは、無指向性アンテナであってもよいし、方向を調整可能であれば指向性アンテナであってもよい。
図9は、本願が提供する情報伝送システムにおける、無指向性アンテナを用いた上り情報伝送のフローチャートである。
図10は、本願が提供する情報伝送システムにおける、指向性アンテナを用いた上り情報伝送のフローチャートである。
【0097】
図9又は
図10に示すように、情報伝送システムにおける上り伝送チャネルは、オンボード端末730から送信された通信情報をオンボード端末720に伝送するためのものである。この上り伝送チャネルは、0)第0の下りチャネル:オンボード端末730→基地局720;1)第1の下りチャネル:オンボード端末730→第1の反射装置711→基地局720;2)第2の下りチャネル:オンボード端末730→第2の反射装置712→基地局720;3)第3の下りチャネル:オンボード端末730→第3の反射装置713→基地局720;……;N)第Nの下りチャネル:オンボード端末730→第Nの反射装置71N→基地局720を含む。
【0098】
図9に示すように、オンボード端末730に用いるアンテナは、対応するビームが広い(つまり、この無指向性アンテナに対応するビームのビーム幅が予め設定された幅閾値以上である)無指向性アンテナである。この無指向性アンテナの放射エネルギーは、オンボード端末730と基地局720との間のLOS距離だけでなく、このオンボード端末730と他の反射装置との間のNLOS距離にも作用してもよい(つまり、オンボード端末730と基地局720との間に複数の反射装置が存在し、オンボード端末730と基地局720との間の通信信号を遮ってもよい)。このとき、基地局720は、各反射装置に対応する反射エネルギーの大きさに基づいて、受信した信号を最大比合成法を用いて処理することによって、オンボード端末730から送信されて取得した通信情報を一層完全なものとすることができる。
【0099】
ここで、最大比合成法は、受信した受信信号の強弱に基づいて各受信信号に対応する重みを確定し、各受信信号に対し重み付け合成処理をして、処理された受信信号をより鮮明するものであり、処理された受信信号によって一層完全な応答情報を確実に取得することが保証される。
【0100】
図10に示すように、オンボード端末730に用いるアンテナは、対応するビームが狭い(つまり、この指向性アンテナに対応するビームのビーム幅が予め設定された幅閾値未満である)、方向調整可能な指向性アンテナである。この指向性アンテナの主な放射エネルギーは、オンボード端末730と基地局720との間のLOS距離に作用して、オンボード端末730から送信された上り通信情報が基地局720へより正確に達する。
【0101】
無指向性アンテナ又は方向調整可能な指向性アンテナをオンボード端末730のアンテナとすることで、オンボード端末730と基地局720との間の同時データストリーム数が増え、これにより端末の通信レートが向上する。
【0102】
一例示的実施形態において、情報伝送システムにおける基地局720は、同期信号及びPBCHブロックをベースとした伝送チャネルを用いて下り通信信号の伝送を行ってもよい。
図11は、本願が提供する情報伝送システムにおける、同期信号及びPBCHブロックをベースとした伝送チャネルを用いた下り通信信号伝送のフローチャートである。
【0103】
図11に示すように、この情報伝送システムは、5Gをベースとした時分割複信(Time Division Dual:TDD)対空カバー無線通信システムである。ここで、基地局720は2つの反射装置(つまり、第1の反射装置711及び第2の反射装置712)に対応し、反射装置は各々アクティブ装置である。ここで、基地局720から送信されるビームは、第1の単側波帯変調ビーム741、第2の単側波帯変調ビーム742、第3の単側波帯変調ビーム743及び第4の単側波帯変調ビーム744を含む。第3の単側波帯変調ビーム743は、第1の反射装置711に対応し、第4の単側波帯変調ビーム744は、第2の反射装置712に対応する。
【0104】
一例示的実施形態において、情報伝送システムにおける基地局720は、チャネル状態情報をベースとして下り通信信号の伝送を行ってもよい。
図12は、本願が提供する情報伝送システムにおける、チャネル状態情報をベースとした下り通信信号伝送のフローチャートである。
【0105】
ここで、チャネル状態情報は、通信リンクのチャネル属性を表すのに用いられる。チャネル状態情報は、通信信号の各伝送チャネルにおける減衰係数を含む。例えば、信号スキャッタリング(Scattering)情報、環境減衰(fading,multipath fading or shadowing fading)情報及び距離減衰(power decay of distance)情報のうちの1つ又は複数である。
【0106】
マルチアンテナシステムにおいて、基地局720は、複数のビームを送信してもよい。
図12に示すように、基地局720から送信されるビームは、第1のチャネル状態ビーム751、第2のチャネル状態ビーム752、第3のチャネル状態ビーム753及び第4のチャネル状態ビーム754を含む。各チャネル状態ビームによって伝送されるチャネル状態情報によって、通信の信頼性を保証することができる。
【0107】
基地局720は、チャネル状態情報をベースとした参照信号(Channel State Information-Reference Signal:CSI-RS)に対応するポートによって、異なる送信ビームに異なる反射装置を指向させる。例えば、第3のチャネル状態ビーム753を第1の反射装置711に対応させるか、又は第4のチャネル状態ビーム754を第2の反射装置712に対応させる等して、端末がより正確なチャネル推定を取得できるようにする。
【0108】
図13は、本願が提供する情報伝送システムにおける、アクティブRISをベースとした下り情報伝送のフローチャートである。
図13に示すように、基地局720と、第1のオンボード端末731及び第2のオンボード端末732とは、以下の方法によって下り通信を行う。
【0109】
まず、基地局720から第1の反射装置711に第1の制御信号7631を送信し、この第1の制御信号7631に基づいて、第1の反射装置711に第1のオンボード端末731との間の放射角度を調整させる。同時に、基地局720から第2の反射装置712に第2の制御信号7632を送信し、この第2の制御信号7632に基づいて、第2の反射装置712に第2のオンボード端末732との間の放射角度を調整させる。
【0110】
一例示的実施形態において、基地局720は、WIFI又は4G通信ネットワークにおける通信チャネルを介して、第1の制御信号7631及び/又は第2の制御信号7632を伝送してもよい。
【0111】
次に、基地局720は、TDD通信方式によって、第1の時刻に第1の時刻の時間分割多重ビーム7611を用いて第1の下り通信情報を送信し、第2の時刻に第2の時刻の時間分割多重ビーム7621を用いて第2の下り通信情報を送信する。
【0112】
第1の反射装置711は、第1の下り通信情報を受信した場合、第1の時刻の時間分割多重ビーム76111を用いて第1のオンボード端末731にこの第1の下り通信情報を転送する。第1の反射装置711は、第2の下り通信情報を受信した場合、第2の時刻の時間分割多重転送ビーム76211を用いて第1のオンボード端末731にこの第2の下り通信情報を転送する。
【0113】
第2の反射装置712は、第1の下り通信情報を受信した場合、第1の時刻の時間分割多重ビーム76112を用いて第2のオンボード端末732にこの第1の下り通信情報を転送する。第2の反射装置712は、第2の下り通信情報を受信した場合、第2の時刻の時間分割多重転送ビーム76212を用いて第2オンボード端末732にこの第2の下り通信情報を転送する。
【0114】
第1の反射装置及び第2の反射装置によって、基地局から送信された異なる下り通信情報を異なる時刻にオンボード端末に転送することで、オンボード端末は、基地局から送信された下り通信情報を複数の伝送チャネルを介して受信することができ、基地局からオンボード端末に送信される同時データストリーム数が増え、これによりこの情報伝送システムによるマルチストリーミングのサポートが可能となり、端末の通信レートが向上する。
【0115】
図14は、本願が提供する情報伝送システムにおける、アクティブRISをベースとした上り情報伝送のフローチャートである。
図14に示すように、第1のオンボード端末731が用いる第3の上りフィードバックビーム773及び第2のオンボード端末732が用いる第4の上りフィードバックビーム774は、指向性アンテナ(例えば、方向調整可能な指向性アンテナ)ベースの対応するビームであってもよいし、無指向性アンテナ(例えば、オムニアンテナ)ベースの対応するビームであってもよい。
【0116】
ここで、方向調整可能な指向性アンテナに対応するビームのビーム幅は、無指向性アンテナに対応するビームのビーム幅と異なる。ある反射装置の下り伝送チャネルが、方向調整可能な指向性アンテナに対応するビームに基づいて確定されたチャネルである場合、その上り伝送チャネルも、方向調整可能な指向性アンテナに対応するビームに基づいて確定されたチャネルであることが必要となる。同様に、ある反射装置の下り伝送チャネルが、無指向性アンテナに対応するビームに基づいて確定されたチャネルである場合、その上り伝送チャネルも無指向性アンテナに対応するビームに基づいて確定されたチャネルとして、上り伝送チャネルのチャネルゲイン(例えば、上りチャネルのフェージング状況)を改善することが必要となる。
【0117】
図14に示すように、第1のオンボード端末731及び第2のオンボード端末732は、以下の方法によって基地局720と上り通信を行う。
【0118】
第1のオンボード端末731は、第3の上りフィードバックビーム773によって第1の上りフィードバック情報を基地局720に送信してもよいし、第1の反射装置711を介して第1の上りフィードバックビーム771を用いて、第1のオンボード端末731から送信されて受信した第1の上りフィードバック情報を基地局720に転送してもよい。基地局720は、複数の異なる伝送チャネルを介して、第1のオンボード端末731から送信される第1の上りフィードバック情報を取得し、受信する信号の品質を向上させることができ、受信する第1の上りフィードバック情報の完全性及び正確性が保証される。
【0119】
同様に、第2のオンボード端末732は、第4の上りフィードバックビーム774によって基地局720に第2の上りフィードバック情報を送信してもよいし、第2の反射装置712を介して第2の上りフィードバックビーム772を用いて、第2のオンボード端末732から送信されて受信した第2の上りフィードバック情報を基地局720に転送してもよい。基地局720は、複数の異なる伝送チャネルを介して、第2のオンボード端末732から送信される第2の上りフィードバック情報を取得し、受信する信号の品質を向上させることができ、受信する第2の上りフィードバック情報の完全性及び正確性が保証される。
【0120】
一例示的実施形態において、情報伝送システムは、4Gをベースとした周波数分割複信(Frequency Division Duplexing:FDD)対空カバー無線通信システムである。ここで、情報伝送システムは、3つのパッシブな反射装置(つまり、第3の反射装置713、第4の反射装置714及び第5の反射装置715)、基地局720、第1のオンボード端末731及び第2のオンボード端末732を含む。
【0121】
図15は、本願が提供する情報伝送システムにおける、パッシブRISをベースとした下り情報伝送のフローチャートである。
図15に示すように、基地局720はそれぞれ、第3の反射装置713、第4の反射装置714及び第5の反射装置715に対応し、パッシブな反射装置の各々は、ビーム幅が予め設定された幅閾値以上であるビーム(つまり、広いビーム)を用いる。
【0122】
基地局720は、第1の下り送信ビーム781を用いて報知によって下り情報を送信することによって、第1のオンボード端末731及び第2のオンボード端末732にこの下り情報を取得させる。ここで、下り情報は、同期情報及び/又は下り報知情報を含み、第1の下り送信ビームは、物理下り共用チャネル(Physical Downlink Shared Channel:PDSCH)に対応するビームである。
【0123】
第3の反射装置713は、基地局720から送信された下り情報を受信したと確定した場合、第2の下り送信ビーム782を用いて第1のオンボード端末731にこの下り情報を転送する。第4の反射装置714は、基地局720から送信された下り情報を受信したと確定した場合、第3の下り送信ビーム783を用いて第2のオンボード端末732にこの下り情報を転送する。第5の反射装置715は、基地局720から送信された下り情報を受信したと確定した場合、第4の下り送信ビーム784を用いて第2のオンボード端末732にこの下り情報を転送する。
【0124】
基地局から送信された下り情報を複数のパッシブな反射装置を介して転送することによって、オンボード端末が受信するデータストリーム数が増え、これにより4GをベースとしたFDD対空カバー無線通信システムによるマルチストリーミングのサポートが可能となり、端末の通信レートが向上する。
【0125】
図16は、本願が提供する情報伝送システムにおける、パッシブRISをベースとした上り情報伝送のフローチャートである。ここで、各オンボード端末は、方向調整可能な指向性アンテナを用いてもよく、各反射装置は、各パッシブな反射装置のいずれにも、ビーム幅が予め設定された幅閾値以上であるビーム(つまり、広いビーム)を用いるようにしてもよい。
【0126】
図16に示すように、第1のオンボード端末731は、第2の上り送信ビーム792を用いて基地局720に第1の上り情報を送信し、第2のオンボード端末732は、第4の上り送信ビーム794を用いて基地局720に第2の上り情報を送信する。
【0127】
第3の反射装置713は、第1のオンボード端末731から送信された第1の上り情報を受信したと確定した場合、第1の上り送信ビーム791を用いて基地局720にこの第1の上り情報を転送する。したがって、基地局720が受信した第1の上り情報は、2つの異なる伝送チャネル(つまり、第1のオンボード端末731と基地局720との間のLOS距離伝送チャネル、並びに第1のオンボード端末731、第3の反射装置713及び基地局720からなるNLOS距離伝送チャネル)を介して取得された情報であり、基地局720と第1のオンボード端末731との間のデータストリーム数が増加する。
【0128】
第4の反射装置714は、第2のオンボード端末732から送信された第2の上り情報を受信したと確定した場合、第3の上り送信ビーム793を用いて基地局720にこの第2の上り情報を転送する。第5の反射装置715は、第2のオンボード端末732から送信された第2の上り情報を受信したと確定した場合、第5の上り送信ビーム795を用いて基地局720にこの第2の上り情報を転送する。
【0129】
したがって、基地局720が受信する第2の上り情報は、3つの異なる伝送チャネル(つまり、第2のオンボード端末732と基地局720との間のLOS距離伝送チャネル、第2のオンボード端末732、第4の反射装置714及び基地局720からなるNLOS距離伝送チャネル、並びに第2のオンボード端末732、第5の反射装置715及び基地局720からなるLOS距離伝送チャネル)を介して取得される情報であり、基地局720と第2のオンボード端末732との間のデータストリーム数が増え、これにより基地局720の上り伝送チャネルのチャネルゲイン(例えば、上りチャネルのフェージング状況)が改善される。
【0130】
なお、本発明は、以上の実施形態で説明し図中に示した特定の構成及び処理に限定されない。説明を容易で簡単にするために、ここでは既知の方法に対する詳細な説明を省略し、以上で説明したシステム、モジュール及びユニットの具体的な動作過程は、前述した方法の実施形態における対応する過程を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0131】
図17は、本願が提供する情報伝送方法及び装置を実現可能な計算装置の例示的なハードウェアアーキテクチャの構造図である。
【0132】
図17に示すように、計算装置1700は、入力装置1701、入力インターフェース1702、中央処理装置1703、メモリ1704、出力インターフェース1705及び出力装置1706を含む。ここで、入力インターフェース1702、中央処理装置1703、メモリ1704及び出力インターフェース1705は、バス1707を介して互いに接続され,入力装置1701及び出力装置1706はそれぞれ、入力インターフェース1702及び出力インターフェース1705を介してバス1707に接続され、さらには計算装置1700の他のアセンブリに接続されている。
【0133】
例示的には、入力装置1701は、外部からの入力情報を受信し、入力インターフェース1702を介して中央処理装置1703に入力情報を伝送する。中央処理装置1703は、メモリ1704に記憶したコンピュータ実施可能命令に基づいて入力情報を処理して出力情報を生成し、出力情報を一時的又は永久的にメモリ1704に記憶してから、出力インターフェース1705を介して出力装置1706に出力情報を伝送する。出力装置1706は、計算装置1700の外部に出力情報を出力してユーザの使用に供する。
【0134】
一実施形態において、
図17が示す計算装置は、電子機器として実現されてもよい。この電子機器は、プログラムを記憶するように構成されたメモリと、メモリに記憶されたプログラムを実行して、上記実施形態で説明した情報伝送方法を実行するように構成されたプロセッサとを含んでもよい。
【0135】
一実施形態において、
図17が示す計算装置は、情報伝送システムとして実現されてもよい。この情報伝送システムは、プログラムを記憶するように構成されたメモリと、メモリに記憶されたプログラムを実行して、上記実施形態で説明した情報伝送方法を実行するように構成されたプロセッサとを含んでもよい。
【0136】
本願の情報伝送方法、反射装置、電子機器及び対応する可読記憶媒体によれば、反射装置の反射重みに基づいて、反射重みに対応するビームによってオンボード端末に通信信号を反射させることによって、通信情報が、オンボード端末にスムーズに達することが保証され、対空カバーするチャネルの品質が向上する。従来の基地局とオンボード端末との伝送チャネルに加えて、反射装置を追加することによって、基地局とオンボード端末との間の通信経路が増えて、基地局からオンボード端末に送信される同時データストリーム数が増え、これにより対空カバー無線通信システムによるマルチストリーミングのサポートが可能となり、端末の通信レートが向上する。
【0137】
本願の情報伝送方法、基地局、電子機器及び対応する可読記憶媒体によれば、通信情報を搬送する通信信号を反射装置に送信して、反射装置の反射重みに基づいて、反射重みに対応するビームによって反射装置をしてオンボード端末に通信信号を反射させ、通信情報がオンボード端末にスムーズに達することが保証され、対空をカバーするチャネルの品質が向上する。従来の基地局及びオンボード端末の伝送チャネルに加えて、反射装置を追加することによって、基地局とオンボード端末との間の通信経路が増えて、基地局からオンボード端末に送信される同時データストリーム数が増え、これにより対空カバー無線通信システムによるマルチストリーミングのサポートが可能となり、端末の通信レートが向上する。
【0138】
本願の情報伝送システムによれば、基地局とオンボード端末との間に反射装置を追加することによって、基地局とオンボード端末との間の通信経路が増えて、基地局からオンボード端末に送信される同時データストリーム数が増え、これにより対空カバー無線通信システムによるマルチストリーミングのサポートが可能となり、端末の通信レートが向上する。
【0139】
以上は、本願の例示的な実施形態にすぎず、本願の保護範囲を限定するものではない。一般的に、本願の様々な実施形態は、ハードウェア若しくは専用回路、ソフトウェア、論理又はそれらの任意の組み合わせにおいて実現されてもよい。例えば、いくつかの態様は、ハードウェアにおいて実現されてもよく、その他の態様は、コントローラ、マイクロプロセッサ又は他の計算装置によって実行可能なファームウェア又はソフトウェアにおいて実現されてもよく、本願はこれらに限定されない。
【0140】
本願の実施形態は、モバイル装置のデータプロセッサによってコンピュータプログラム命令を実行して実現されてもよい。例えば、プロセッサエンティティにおいて、ハードウェアによって、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。コンピュータプログラム命令は、アセンブリ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械語命令、機械語関連命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又は1つ或いは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれたソースコード又はオブジェクトコードであってもよい。
【0141】
本願の図面における論理的な流れのブロック図はいずれも、プログラムステップを示す場合も、互いに接続された論理回路、モジュール及び機能を示す場合も、プログラムステップと論理回路、モジュール及び機能の組み合わせを示す場合もある。コンピュータプログラムは、メモリに記憶されてもよい。メモリは、ローカルの技術環境に適したタイプであってもよいし、任意の適切なデータストレージ技術を用いて実現してもよく、例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、光メモリ装置及びシステム(デジタル多機能光ディスクDVD又はCD光ディスク)等であってもよい。コンピュータ可読媒体は、非一時的記憶媒体を含んでもよい。データプロセッサは、ローカル技術環境に適した任意のタイプのものであってもよく、例えば、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(FGPA)、及びマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサを含むがこれに限定されない。
【0142】
以上、例示的及び非制限的な例を示して、本願の例示的な実施形態について詳しく説明した。しかし、当業者には、図面及び請求項を参照して行う上記の実施形態に対する様々な修正及び調整は自明ではあるが、本発明の範囲から逸脱するものではない。したがって、本発明の好適な範囲は、請求項によって定められる。