(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-26
(45)【発行日】2025-03-06
(54)【発明の名称】ゲームプログラムおよびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/54 20140101AFI20250227BHJP
A63F 13/60 20140101ALI20250227BHJP
【FI】
A63F13/54
A63F13/60
(21)【出願番号】P 2021181665
(22)【出願日】2021-11-08
【審査請求日】2024-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩本 卓也
(72)【発明者】
【氏名】薮下 剛史
(72)【発明者】
【氏名】中山 貴之
【審査官】嶋田 行志
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-296198(JP,A)
【文献】特開平08-215433(JP,A)
【文献】特開2010-057692(JP,A)
【文献】特開2006-087620(JP,A)
【文献】特開2005-198758(JP,A)
【文献】特開2013-135760(JP,A)
【文献】特開2020-054765(JP,A)
【文献】特開2004-187927(JP,A)
【文献】国際公開第2020/135211(WO,A1)
【文献】特開2020-010828(JP,A)
【文献】特開2018-126429(JP,A)
【文献】特開2018-126428(JP,A)
【文献】特開2018-126427(JP,A)
【文献】特開2018-094057(JP,A)
【文献】特開2015-126775(JP,A)
【文献】特開2012-055644(JP,A)
【文献】特開2011-056110(JP,A)
【文献】特開平11-076609(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第113440840(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112689154(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112973120(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110213601(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112423002(CN,A)
【文献】PLAY GUIDE,WHITE ALBUM 2 OFFICIAL GUIDE BOOK ホワイトアルバム2 幸せの向こう側 公式ガイドブック,2013年01月19日,pp. 26-32, 34-44,ISBN978-4-04-891298-3
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-A63F 13/98
A63F 9/24
G06F 3/00-G06F 3/18
G10L 13/00-G10L 99/00
YouTube.com
4Gamer.net
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力部と、前記出力部から出力されるセリフを示す複数のセリフデータが記憶された記憶部と、コンピュータとを備えるゲームシステムにおいて、前記コンピュータに実行されるゲームプログラムであって、
前記複数のセリフデータには、それぞれ、セリフ興奮値が設定されており、
前記コンピュータを、
仮想話者が登場するゲームを進行させるゲーム進行手段、
前記仮想話者の興奮度合いを示す話者興奮値を変更する興奮値変更手段、および、
前記話者興奮値および前記セリフ興奮値に基づき、前記仮想話者のセリフとして前記出力部から出力されるセリフを決定するセリフ決定手段、として機能させ、
前記出力部からセリフが出力され
、且つ、前記セリフが出力される前の前記話者興奮値と、出力された前記セリフの前記セリフ興奮値とが異なる場合に、前記興奮値変更手段は、前記セリフが出力される前の前記話者興奮値に比べて、前記セリフが出力された後の前記話者興奮値が、出力された前記セリフの前記セリフ興奮値に近づくよう前記話者興奮値を変更する、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを、前記出力部からのセリフの出力とは異なる前記ゲームの進行に応じたゲーム状況に基づいて、前記仮想話者の興奮度合いの目標値を設定する目標値設定手段として更に機能させ、
前記興奮値変更手段は、時間が経過するにつれて前記話者興奮値が前記目標値に近づくように、前記話者興奮値を変更する、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記興奮値変更手段は、前記出力部からのセリフの出力とは異なる前記ゲームの進行に応じたゲーム状況に基づいて、前記話者興奮値を変更する、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記出力部からのセリフの出力とは異なる前記ゲームの進行に応じた前記ゲーム状況は、下記(i)~(vi)の少なくとも1つである、請求項3に記載のゲームプログラム。
(i) キャラクタが登場するゲームにおける前記ゲームのプレイが開始される前に複数のキャラクタの中からユーザが選択したキャラクタの種類
(ii) 前記ゲームのプレイが開始してからの経過時間
(iii) 前記ゲームのプレイが開始される前に複数の仮想話者の中から選択された前記仮想話者の種類
(iv) ユーザに対して設定されたゲームランク
(v) 複数のユーザ同士が対戦可能な対戦ゲームにおける対戦する前記複数のユーザの対戦回数
(vi) 複数のラウンドの対戦結果から勝者を決定する対戦ゲームにおける前記複数のラウンドの中のどのラウンドに当たるかを示すラウンドの種類
【請求項5】
前記コンピュータを、前記話者興奮値の変更可能範囲を設定する範囲設定手段として更に機能させ、
前記興奮値変更手段は、前記変更可能範囲内において前記話者興奮値を変更し、
前記範囲設定手段は、前記ゲームの進行中における第1時点の前記変更可能範囲の限界値と比べて、前記第1時点より後の第2時点の前記変更可能範囲の限界値を高くする、請求項1~4のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
出力部と、前記出力部から出力されるセリフを示す複数のセリフデータが記憶された記憶部と、コンピュータとを備えるゲームシステムにおいて、前記コンピュータに実行されるゲームプログラムであって、
前記複数のセリフデータには、それぞれ、セリフ興奮値が設定されており、
前記コンピュータを、
仮想話者が登場するゲームを進行させるゲーム進行手段、
前記ゲームの進行に応じたゲーム状況に基づいて、前記仮想話者の興奮度合いの目標値を設定する目標値設定手段、
前記仮想話者の興奮度合いを示す話者興奮値を、時間が経過するにつれて前記話者興奮値が前記目標値に近づくように変更する興奮値変更手段、および、
前記話者興奮値および前記セリフ興奮値に基づき、前記仮想話者のセリフとして前記出力部から出力されるセリフを決定するセリフ決定手段、として機能させる、ゲームプログラム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部と、
前記プログラム記憶部に記憶されたプログラムを実行するコンピュータとを備えた、ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラムおよびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザがプレイするゲームの進行に合わせて、ゲームに登場するキャラクタなどの仮想の話者が発するセリフを出力するゲームが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
キャラクタなどのゲーム内の仮想の話者が発するセリフが、現実世界の実際の話者が発するセリフと比べてかけ離れたものであると、ユーザに違和感を生じさせることになる。
【0005】
そこで本発明は、ゲームに登場する仮想話者のセリフを現実世界で実際の話者が発するものに近づけることができる、ゲームプログラムおよびゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、出力部と、前記出力部から出力されるセリフを示す複数のセリフデータが記憶された記憶部と、コンピュータとを備えるゲームシステムにおいて、前記コンピュータに実行されるゲームプログラムであって、前記複数のセリフデータには、それぞれ、セリフ興奮値が設定されており、前記コンピュータを、仮想話者が登場するゲームを進行させるゲーム進行手段、前記仮想話者の興奮度合いを示す話者興奮値を変更する興奮値変更手段、および、前記話者興奮値および前記セリフ興奮値に基づき、前記仮想話者のセリフとして前記出力部から出力されるセリフを決定するセリフ決定手段、として機能させ、前記出力部からセリフが出力された場合に、前記興奮値変更手段は、前記セリフが出力される前の前記話者興奮値に比べて、前記セリフが出力された後の前記話者興奮値が、出力された前記セリフの前記セリフ興奮値に近づくよう前記話者興奮値を変更する。
【0007】
前記ゲームプログラムによれば、話者興奮値およびセリフ興奮値に基づき、出力される仮想話者のセリフが決定されるため、仮想話者の興奮度合いに適したセリフを出力できる。また、出力部からセリフが出力されたときに、話者興奮値が、セリフが出力される前に比べて、出力されたセリフのセリフ興奮値に近づく。これにより、例えば今回出力されたセリフと次回出力されるセリフとの間でセリフ興奮値の差が大きすぎることによってユーザに生じる違和感を低減できる。その結果、ゲームに登場する仮想話者のセリフを現実世界で実際の話者が発するものに近づけることができる。
【0008】
前記ゲームプログラムは、前記コンピュータを、前記出力部からのセリフの出力とは異なる前記ゲームの進行に応じたゲーム状況に基づいて、前記仮想話者の興奮度合いの目標値を設定する目標値設定手段として更に機能させ、前記興奮値変更手段は、時間が経過するにつれて前記話者興奮値が前記目標値に近づくように、前記話者興奮値を変更してもよい。これにより、仮想話者の興奮度合いのアップダウンが激しくなることを抑制しつつ、ゲーム状況の変化に応じて仮想話者の興奮度合いを変化させることができる。その結果、ゲームに登場する仮想話者のセリフを現実世界で実際の話者が発するものにより近づけることができる。
【0009】
前記興奮値変更手段は、前記出力部からのセリフの出力とは異なる前記ゲームの進行に応じたゲーム状況に基づいて、前記話者興奮値を変更してもよい。
【0010】
前記出力部からのセリフの出力とは異なる前記ゲームの進行に応じた前記ゲーム状況は、下記(i)~(iv)の少なくとも1つであってもよい。
(i) キャラクタが登場するゲームにおける前記ゲームのプレイが開始される前に複数のキャラクタの中からユーザが選択したキャラクタの種類
(ii) 前記ゲームのプレイが開始してからの経過時間
(iii) 前記ゲームのプレイが開始される前に複数の仮想話者の中から選択された前記仮想話者の種類
(iv) 複数のユーザ同士が対戦可能な対戦ゲームにおける前記複数のユーザに対して設定されたゲームランク
(v) 複数のユーザ同士が対戦可能な対戦ゲームにおける対戦する前記複数のユーザの対戦回数
(vi) 複数のラウンドの対戦結果から勝者を決定する対戦ゲームにおける前記複数のラウンドの中のどのラウンドに当たるかを示すラウンドの種類
【0011】
前記ゲームプログラムは、前記コンピュータを、前記話者興奮値の変更可能範囲を設定する範囲設定手段として更に機能させ、前記興奮値変更手段は、前記変更可能範囲内において前記話者興奮値を変更し、前記範囲設定手段は、前記ゲームの進行中における第1時点の前記変更可能範囲の限界値と比べて、前記第1時点より後の第2時点の前記変更可能範囲の限界値を高くしてもよい。これにより、ゲーム序盤の話者興奮値に比べてゲーム終盤の話者興奮値が高くなる可能性を上げることができる。例えば対戦ゲームにおける対戦の終盤に盛り上がる状況を演出することができる。
【0012】
また、本発明の別の態様に係るゲームプログラムは、出力部と、前記出力部から出力されるセリフを示す複数のセリフデータが記憶された記憶部と、コンピュータとを備えるゲームシステムにおいて、前記コンピュータに実行されるゲームプログラムであって、前記複数のセリフデータには、それぞれ、セリフ興奮値が設定されており、前記コンピュータを、仮想話者が登場するゲームを進行させるゲーム進行手段、前記ゲームの進行に応じたゲーム状況に基づいて、前記仮想話者の興奮度合いの目標値を設定する目標値設定手段、前記仮想話者の興奮度合いを示す話者興奮値を、時間が経過するにつれて前記話者興奮値が前記目標値に近づくように変更する興奮値変更手段、および、前記話者興奮値および前記セリフ興奮値に基づき、前記仮想話者のセリフとして前記出力部から出力されるセリフを決定するセリフ決定手段、として機能させる。
【0013】
前記ゲームプログラムによれば、話者興奮値およびセリフ興奮値に基づき、出力される仮想話者のセリフが決定されるため、仮想話者の興奮度合いに適したセリフを出力できる。また、仮想話者の興奮度合いを示す話者興奮値が、ゲーム状況に基づいて設定された目標値に、時間が経過するにつれ近づく。これにより、仮想話者の興奮度合いのアップダウンが激しくなることを抑制しつつ、ゲーム状況の変化に応じて仮想話者の興奮度合いを変化させることができる。その結果、ゲームに登場する仮想話者のセリフを現実世界で実際の話者が発するものに近づけることができる。
【0014】
本発明の一態様に係るゲームシステムは、上記のいずれかのゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部と、前記プログラム記憶部に記憶されたプログラムを実行するコンピュータとを備える。
【0015】
なお、前記ゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部は、ゲームシステムが含む装置に内蔵または外付けされる読み書き可能または読み取り可能な記憶装置または記憶媒体であり、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、光ディスク等を用いることができる。前記プログラム記憶部に記憶されたプログラムは、前記プログラム記憶部が直接接続される装置において実行されてもよいし、前記プログラム記憶部とネットワーク(例えば、インターネット)を介して接続された装置においてダウンロードされて実行されてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ゲームに登場する仮想話者のセリフを現実世界で実際の話者が発するものに近づけることができるゲームプログラムおよびゲームシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一実施形態におけるゲームシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】ゲーム装置のコントローラを示す外観図である。
【
図4】ゲーム装置の制御部の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図5】セリフとそれに対応する各種情報との関係の一例を示す図である。
【
図6】セリフ出力処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】興奮値変更処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】時間経過に伴う話者興奮値の変化の一例を示したグラフある。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態>
以下、本発明の一実施形態に係るゲームシステムおよびゲームプログラムについて、図面を参照しつつ説明する。
【0019】
[ハードウェア構成]
まず本発明の一実施形態に係るゲームシステム1の構成について説明する。
図1は、当該ゲームシステム1を構成するゲーム装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。
図1に示すように、ゲームシステム1は、ゲーム装置2とサーバ装置4とを備え、ゲーム装置2は、ゲーム装置本体20と、ゲーム装置本体20に有線または無線で接続される一以上のコントローラ31(操作部)、ディスプレイ32(表示部)およびスピーカ33(音声出力部)を備えている。
【0020】
ゲーム装置本体20は、その動作を制御するコンピュータである制御部21を備える。制御部21は、例えばCPUを含む。制御部21には、メディアI/F部22、記憶部23、ネットワークI/F部24(通信部)、無線通信制御部25、グラフィック処理部26およびオーディオ処理部27が、それぞれバス21aを介して接続されている。
【0021】
メディアI/F部22は、ゲームを実行するためのゲームメディア34を装填可能なインターフェースである。ゲームメディア34は、例えばDVD-ROM等のディスク型記録媒体であり、その中にゲームの実行に必要なゲームプログラム34aおよびゲームデータ34bが記録されている。このゲームデータ34bには、ゲームを実行するために必要な各種データが含まれる。
【0022】
記憶部23は、例えば、大容量記録媒体であるHDD、マスクROMまたはPROMなどの半導体メモリであるROM、および、DRAMまたはSRAMなどから成るRAMで構成される。記憶部23には、ゲームメディア34から読み込んだゲームプログラム34aおよびゲームデータ34b、並びにセーブデータ等が記録される。なお、本実施形態では、ゲーム起動時にゲームメディア34内の全てのゲームデータ34bを読み込まず、ゲームの進行状況(例えばゲームシーンの変わり目など)に応じて適宜必要となるゲームデータを読み込む。
【0023】
ネットワークI/F部24は、インターネットまたはLANなどの通信ネットワークNWに対してゲーム装置2を接続するインターフェースである。ゲーム装置2は、他のゲーム装置2およびサーバ装置4との間で通信ネットワークNWを介して互いに通信可能である。例えば、ゲーム装置2は、外部と通信しながらゲームを進行させる場合に、通信ネットワークNWを介して、他のゲーム装置2との間および/またはサーバ装置4との間でデータの送受信を行う。
【0024】
無線通信制御部25は、ゲーム装置本体20に付属するコントローラ31との間で無線により接続され、コントローラ31との間でデータの送受信が可能となっている。コントローラ31は、ユーザによる操作を受け付ける操作装置である。コントローラ31がユーザにより操作されることにより、その操作に対応した操作情報が、無線通信制御部25を介してコントローラ31からゲーム装置2の制御部21に送られる。制御部21は、コントローラ31からの操作情報に基づきゲームを進行させる。
【0025】
図2は、
図1に示すコントローラ31を示す外観図である。コントローラ31は、略U字形をしており、ユーザが両翼部のハンドル201L,201Rを左右両手で把持して操作する。コントローラ31は、複数の操作子を有する。例えば、コントローラ31の左右上面には操作ボタン群210,220、アナログスティック212,222が設けられており、コントローラ31の右前面には右ショルダーボタン211、左前面には左ショルダーボタン221がそれぞれ設けられている。操作ボタン群210およびアナログスティック212はユーザの右手親指で操作され、操作ボタン群220およびアナログスティック222はユーザの左手親指で操作される。また、右ショルダーボタン211、左ショルダーボタン221は、それぞれユーザの右手人指し指、左手人指し指で操作される。
【0026】
さらに、コントローラ31は、操作ボタン群210と操作ボタン群220との間にタッチパッド230を備えている。タッチパッド230は、横長の長方形状を成しており、周知のように、ユーザがタッチパッド230の表面に指先等を接触または近接させることで、接触または近接点(入力点)の位置情報(座標)を、
図1の制御部21へ出力するものである。さらに、タッチパッド230は、全体を押し込むことで操作ボタンとしても機能する。
【0027】
図1に戻って、グラフィック処理部26は、制御部21の指示に従ってゲーム画像を動画形式で描画する。グラフィック処理部26によって描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ32に表示される。ディスプレイ32は、ゲーム画像を表示する表示装置(表示部)である。ディスプレイ32は、例えば液晶ディスプレイである。
【0028】
オーディオ処理部27は、制御部21の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。また、オーディオ処理部27は、外部のスピーカ33と接続される。オーディオ処理部27により再生および合成されたゲーム音声は、音響出力装置としてのスピーカ33から外部へ出力される。なお、オーディオ処理部27には、スピーカ33に加えてまたは代わりに、外部のヘッドフォンなどが接続され得る。
【0029】
サーバ装置4は、その動作を制御するコンピュータであるサーバ制御部41を備える。サーバ制御部41は、例えばCPUを含む。サーバ制御部41には、記憶部42およびネットワークI/F部43が、それぞれバス41aを介して接続されている。なお、サーバ装置4は、必要に応じてキーボード等の入力装置、および液晶ディスプレイ等の出力装置を備えていてもよい。
【0030】
記憶部42は、例えば、大容量記録媒体であるHDD、マスクROMまたはPROMなどの半導体メモリであるROM、および、DRAMまたはSRAMなどから成るRAMで構成される。ネットワークI/F部43は、インターネットまたはLANなどの通信ネットワークNWに対してサーバ装置4を接続するインターフェースである。サーバ装置4は、複数のゲーム装置2との間で通信ネットワークNWを介して互いに通信可能である。
【0031】
[ゲームの概要]
本実施の形態におけるゲームの概要について説明する。本実施形態で説明されるゲームは、ゲーム装置2から通信ネットワークNWを介してサーバ装置4にアクセスするユーザ同士を対戦可能にする対戦ゲームである。具体的には、この対戦ゲームは、一のユーザが複数のキャラクタの中から選択した一のキャラクタを操作して、対戦相手となる他のユーザが操作するキャラクタと仮想空間内で1対1の格闘を行わせる対戦型格闘ゲームである。
【0032】
図3に、ゲーム画面の一例としての対戦画面Dを示す。対戦画面Dは、仮想カメラによって撮像されたゲーム空間Sの画像を含む。ゲーム空間Sには、ユーザが操作する一のプレイヤキャラクタ(以下、ユーザキャラクタ)PAと、そのユーザキャラクタPAと戦うキャラクタ(以下、対戦相手キャラクタ)PBが配置される。仮想カメラは、ゲーム空間S内に配置され、2つのキャラクタPA,PBの位置に応じて、例えば2つのキャラクタPA,PBを撮像画像に含むように、ゲーム空間S内を移動したり、ズームしたりする。
【0033】
対戦画面Dは、様々なアイコンを含む。例えば、対戦画面Dにおける上部には、2つの体力ゲージG1,G2が左右方向に間隔をあけて配置されている。2つの体力ゲージG1,G2は、それぞれ、2つのキャラクタPA,PBの体力値を示す。また、対戦画面Dにおける2つの体力ゲージG1,G2の間に、後述のラウンドの残り時間が示される時間表示領域G3が配置されている。また、対戦画面Dにおける下部には、2つの技ゲージG4,G5が左右方向に間隔をあけて配置されている。2つの技ゲージG4,G5は、それぞれ、2つキャラクタPA,PBに特有の所定の技が発動される際に消費される技ポイントを示す。
【0034】
本実施形態で説明されるゲームでは、1つの対戦が最大3ラウンド(以下、「バトルフェーズ」とも称する)を含んでいる。つまり、本ゲームにおける対戦は、2ラウンドを先にとったものがその対戦の勝者となる、いわゆる2ラウンド先取制である。各ラウンドには制限時間が設定されている。各ラウンドでは、制限時間内に体力値がゼロになった方、あるいは制限時間がゼロになったときに体力値が少ない方が、そのラウンドの敗者となり、他方がそのラウンドの勝者となる。
【0035】
また、本ゲームには、対戦の実況を解説する仮想の実況解説者(以下、仮想話者)が登場する。具体的には、ゲーム進行中にスピーカ33から出力されるゲーム音声に、対戦の実況を解説する仮想の実況解説者のセリフ(言葉)が含まれる。例えば、ラウンドが開始した直後に、スピーカ33から例えば「さあ、試合が始まりました。」といったセリフが出力されたり、
図3のようにキャラクタPBがジャンプした状況が生じたときに、スピーカ33から例えば「飛んだ!」といったセリフが出力されたりする。また、最初のラウンド開始前、より詳しくは、ユーザが、対戦に使用するキャラクタを選択している間にも、所定のセリフが出力される。
【0036】
[機能的構成]
図4は、ゲーム装置2の制御部21の機能的な構成を示すブロック図である。ゲーム装置2の制御部21は、ゲームプログラム34aを実行することにより、ゲーム空間生成手段51、キャラクタ制御手段52、ゲーム進行手段53、状況監視手段54、候補選択手段55、セリフ決定手段56、優先度設定手段57、興奮値変更手段58、目標値設定手段59および範囲設定手段60として機能する。
【0037】
ゲーム空間生成手段51は、二次元または三次元の仮想のゲーム空間Sを生成する。ゲーム空間Sには、上述したユーザキャラクタPAおよび対戦相手キャラクタPBが配置される。
【0038】
キャラクタ制御手段52は、コントローラ31に対するユーザの操作に基づき、ゲーム内の仮想空間Sに配置されたユーザキャラクタPAの行動を制御する。例えば、ユーザはコントローラ31を操作することにより、ユーザキャラクタPAをゲーム空間S内で移動させたり、ユーザキャラクタPAに対戦相手キャラクタPBを攻撃させたりすることができる。
【0039】
具体的には、ユーザキャラクタPAの動作は、コントローラ31に対するユーザの操作に応じて決定される。コントローラ31が有する各操作子(より詳しくは、各操作子に対する操作)には、予め定めたユーザキャラクタPAの動作が割り当てられている。
【0040】
例えば、操作ボタン群210(
図2参照)が含む4つのボタンには、それぞれ、「弱パンチ」、「強パンチ」、「弱キック」、「強キック」などのユーザキャラクタPAの動作が割り当てられている。例えば、操作ボタン群220が含む4つのボタンには、それぞれ、「画面右への移動」、「画面左への移動」、「ジャンプ」、「しゃがむ」などのユーザキャラクタPAの動作が割り当てられている。
【0041】
また、このゲームでは、コントローラ31に対して予め定めた複数の操作入力(例えば操作ボタン群210,220のうちの複数のボタンの同時押しや、所定の時間内の予め定めた順での一連のボタン押し、それらの組合せなど)がなされることにより、ユーザキャラクタPAは、予め定めた1または一連の動作(以下、「特殊動作」と呼ぶ)を行う。特殊動作が一連の動作である場合、特殊動作は、例えばパンチやキックなどの複数の動作を含む。特殊動作が含む複数の動作のそれぞれは、コントローラ31に対する1つの操作入力(1回のボタン押し)に対応しているのではなく、特殊動作が含む複数の動作セットが、コントローラ31に対する複数の操作入力のセットに対応し得る。
【0042】
特殊動作は、ユーザキャラクタPAの種類に応じて異なる。例えば特殊動作は、ユーザキャラクタPAに特有の攻撃技である。特殊動作は、技ゲージG4,G5を所定量消費することによって発動可能な攻撃技を含む。特殊動作を発動するためのコントローラ31に対する予め定めた複数の操作入力は、ユーザキャラクタPAの種類に応じて異なる。
【0043】
また、キャラクタ制御手段52は、対戦相手ユーザのゲーム装置2から受信した操作情報に基づき、対戦相手キャラクタPBの行動を制御する。
【0044】
ゲーム進行手段53は、ゲームを進行させる。具体的には、例えば、ゲーム進行手段53は、最初のラウンドが開始する前に、キャラクタ選択画面をディスプレイ32に表示する。また、例えば、ゲーム進行手段53は、ラウンド中において、そのラウンドに関連する各種パラメータ(各キャラクタPA,PBの体力値やラウンドの残り時間など)を管理して、ラウンドの対戦および終了などを決定したり、対戦画面D中の情報を更新したりする。
【0045】
例えば、ゲーム進行手段53は、対戦が開始すると、ラウンドの残り時間をカウントダウンして対戦画面Dに表示する。また、ゲーム進行手段53は、キャラクタPA,PBが受けたダメージなどに基づき、各キャラクタPA,PBの残りの体力値を算出し、算出した体力値を対戦画面D中の体力ゲージG1,G2に反映させる。ゲーム進行手段53は、技ゲージG4,G5に示された技ポイントに応じて、キャラクタPA,PBに特有の所定の技の発動を可能にしたり、技が発動されたときに残りの技ポイントを算出して対戦画面D中の技ゲージG4,G5に反映させたりする。
【0046】
状況監視手段54は、ゲームの進行に応じて変化するゲーム状況を監視する。
【0047】
ゲーム状況は、例えばキャラクタPA,PBの各種パラメータを含む。キャラクタPA,PBの各種パラメータには、例えば、キャラクタPA,PBの体力ゲージG1,G2の値(体力値)や、技ゲージG4,G5の値(技ポイント)が例示される。また、ゲーム状況は、例えばラウンドの経過時間あるいはラウンドの残り時間を含む。
【0048】
また、ゲーム状況は、対戦相手キャラクタPBが行ったまたは行っている途中の動作の種類(攻撃の種類、防御の種類、ジャンプ、移動の有無、移動方向、移動の速度、姿勢、実行中または実行された技の種類など)、キャラクタPA,PBの一方に対する他方の相対位置(キャラクタPA,PB同士の距離など)、各キャラクタPA,PBの絶対位置(ゲーム空間SにおけるキャラクタPA,PBの位置)なども含む。また、ゲーム状況は、各種パラメータの瞬間値だけでなく、所定の時間範囲内(例えば現時点から所定時間だけ遡った時点までの間)における各種パラメータの変化も含む。
【0049】
候補選択手段55は、複数のセリフデータの中から、出力候補となる1以上のセリフデータを選択する。具体的には、複数のセリフデータは、ゲーム状況データと関連付けて記憶部23に記憶されている。セリフデータは、仮想の実況解説者によって話されるセリフとしてのゲーム音声を示すゲーム音声データである。ゲーム状況データは、ゲーム状況を示すデータである。候補選択手段55は、状況監視手段54により監視されたゲーム状況を示すゲーム状況データに関連付けられた1以上のセリフデータを、出力候補として選択する。このため、セリフデータに関連付けられたゲーム状況データは、そのセリフデータが出力候補として選択されるための条件を示す条件データと呼ぶこともできる。
【0050】
図5に、セリフ(データ)とそれに対応するゲーム状況(データ)との関係の一例を概略的に示す。なお、
図5には、セリフに対応する希少度およびセリフ興奮値が示されているが、これらについて詳細は後述する。
【0051】
例えば
図5に示した「残り時間が少なくなってきた!」という内容のセリフデータは、ラウンドの残り時間が10秒であることを示すゲーム状況データと関連付けて記憶されている。すなわち、このゲーム状況データは、ラウンドの残り時間に関連するデータを含む。このため、ラウンドの残り時間が10秒となった場合には、候補選択手段55は、「残り時間が少なくなってきた!」という内容のセリフデータを、出力候補として選択する。
【0052】
また、例えば、
図5に示した「ギリギリ持ち堪えた!」という内容のセリフデータは、対戦相手キャラクタPBが所定の技を発動し、かつ、その技を受けた後のユーザキャラクタPAの体力値が1以上5以下になったことを示すゲーム状況データと関連付けて記憶されている。すなわち、このゲーム状況データは、対戦相手キャラクタPBの動作に関連するデータとユーザキャラクタPAの体力値変化に関連するデータを含む。対戦中に、対戦相手キャラクタPBが所定の技を発動し、かつ、その技を受けた後のユーザキャラクタPAの体力値が1以上5以下になった場合には、候補選択手段55は、「ギリギリ持ち堪えた!」という内容のセリフデータを、出力候補として選択する。
【0053】
このように、セリフごとに、対応するゲーム状況を示す特徴的なデータ(パラメータ)の種類が異なり得る。すなわち、ゲーム状況を表すデータ(パラメータ)が複数種類存在し、このため、対戦中のある時点における1つのゲーム状況に対して、候補選択手段55は、複数の出力候補を選択し得る。例えば、対戦中に、ラウンドの残り時間が10秒となった瞬間に、ユーザキャラクタの体力値が、対戦相手キャラクタPBが発動した技を受けることによって1以上5以下となった場合には、候補選択手段55は、「残り時間が少なくなってきた!」という内容のセリフデータと、「ギリギリ持ち堪えた!」という内容のセリフデータの双方ともを出力候補として選択する。
【0054】
このようなセリフデータとゲーム状況との対応付けは、例えばゲーム開発者が、対戦動画の一場面に対して、セリフ(言葉)と、そのセリフを選択する判断に用いた指標とをセットで選択および保存できる専用のセリフ選択ツールを製作し、それを用いて行うことができる。
【0055】
具体的には、ゲーム開発段階において、セリフ選択ツールにより、実況解説に対応するセリフが出力されない状態の予め記憶した対戦動画(リプレイ動画)をディスプレイに表示させる。対戦動画の再生中に、ゲーム開発者は、セリフ選択ツールを操作して、実況解説用のセリフが出力されてほしいと思う場面などで、一旦対戦動画の再生を停止させる。
【0056】
そして、ゲーム開発者は、セリフ選択ツールを操作して、予め定めた複数の実況解説用のセリフの中から、その場面に適切と思うセリフを選択する。さらに、ゲーム開発者は、セリフを選択した後に、セリフ選択ツールを操作して、予め定めた複数の指標の中から、そのセリフを選択するという判断の基になった1以上の指標を選択する。例えばゲーム開発者が対戦画面中の体力ゲージを見て、「体力が減ってきていますね。」というセリフを選択することに決定した場合、判断指標として体力ゲージが選択される。例えば対戦相手キャラクタPBの動作を見て、「飛んだ!」や「相手を殴った!」というセリフを選択することを決定した場合、判断指標としてキャラクタ動作が選択される。
【0057】
さらに、ゲーム開発者は、判断指標を選択した後に、セリフ選択ツールを操作して、セリフ選択の判断の基になったのが、判断指標の瞬間値なのか、一定の時間内における判断指標の変化なのかを指定する。例えば、ゲーム開発者は、対戦(ラウンド)の残り時間が10秒となったことを判断指標とした場合、判断指標として残り時間を選択するとともに、判断指標の瞬間値であることも指定する。また、例えば、ゲーム開発者は、3秒間にわたるキャラクタ体力値の減少を判断指標とした場合、判断指標としてキャラクタ体力値を選択するとともに、3秒間という時間も指定する。
【0058】
こうして、セリフ選択ツールは、実況解説用のセリフ(すなわちセリフデータ)と、判断指標として指定したパラメータの値(すなわちゲーム状況データ)とを関連付けて記憶する。このような作業を繰り返すことにより、セリフとゲーム状況との対応付けを行うことができる。
【0059】
図4に戻って、セリフ決定手段56は、候補選択手段55により選択された1以上の出力候補の中から、スピーカ33から出力されるセリフを決定する。セリフ決定手段56は、 (a)希少度、(b)既出度、並びに、(c)話者興奮値およびセリフ興奮値に基づき、仮想話者のセリフとしてスピーカ33から出力されるセリフを決定する。
【0060】
具体的には、優先度設定手段57は、選択された出力候補ごとに、(a)希少度、(b)既出度、並びに、(c)話者興奮値およびセリフ興奮値に基づき、優先度を設定する。そして、セリフ決定手段56は、優先度設定手段57により設定された各出力候補の優先度に基づいて、候補選択手段55により選択された1以上の出力候補の中から、スピーカ33から出力されるセリフを決定する。
【0061】
希少度は、出力候補に対応するゲーム状況の起こりにくさ、または、セリフ自体の珍しさに関連する指標である。
図5に示すように、セリフデータのそれぞれに対して、希少度が予め設定されている。すなわち、セリフデータのそれぞれに、希少度が関連付けて記憶部23に記憶されている。例えば、希少度は、セリフごとに、過去の多数の対戦データからそのセリフに対応するゲーム状況の起こった回数に基づいて設定される。
【0062】
優先度設定手段57は、希少度以外の他の条件(上記(b),(c))が同じなら、希少度が高いほど優先度が高くなるように、各出力候補の優先度を設定する。
【0063】
既出度は、出力候補に対応するセリフが、現時点以前にスピーカ33から出力された頻度に関連する指標である。本実施形態では、優先度設定手段57は、出力候補の既出度を、出力候補に対応するゲーム状況と、現時点から所定時間だけ遡った時点までの間にスピーカ33から出力されたセリフに対応するゲーム状況とを比較することにより決定する。
【0064】
ここで、所定時間は、所定時点から(例えばラウンド開始から)の経過時間などの変動値でもよいし、10秒など予め定めた固定値でもよい。例えば、所定時間が対戦(ラウンド)開始からの経過時間である場合、優先度設定手段57は、出力候補に対応するゲーム状況と、対戦開始以降にスピーカ33から出力されたセリフに対応するゲーム状況とを比較して決定する。また、所定時間が10秒である場合、優先度設定手段57は、出力候補に対応するゲーム状況と、過去10秒間にスピーカ33から出力されたセリフに対応するゲーム状況とを比較して決定する。
【0065】
優先度設定手段57は、既出度以外の他の条件(上記(a),(c))が同じなら、既出度が高いほど優先度が低くなるように、各出力候補の優先度を設定する。
【0066】
また、本実施形態では、出力候補の既出度は、出力候補に対応するセリフが、現時点以前にスピーカ33から出力されてから時間が経過するにつれて、出力候補の優先度を上昇させる方向に変化する。例えばあるセリフの優先度が既出度のみに依存する場合、そのセリフの優先度は、そのセリフが出力された時点で既出となり一時的に低下するが、出力時点から時間が経過するにつれて徐々にまたは段階的に上昇する。
【0067】
話者興奮値は、進行するゲームの状況における仮想の話者(本例では実況解説者)の興奮度合いを示す指標である。セリフ興奮値は、そのセリフ興奮値のセリフを話す仮想の話者(本例では実況解説者)の興奮度合いの最適値を示す指標である。つまり、仮想話者の興奮度合いの観点からは、複数のセリフのうち、セリフ興奮値が現在の話者興奮値に近いものほど、出力されるのにふさわしいセリフであり、優先される。
【0068】
優先度設定手段57は、話者興奮値およびセリフ興奮値以外の他の条件(上記(a),(b))が同じなら、セリフが出力される直前の話者興奮値にセリフ興奮値が近い出力候補ほど優先度が高くなるように、各出力候補の優先度を設定する。
【0069】
セリフ興奮値は、複数のセリフデータのそれぞれに関連付けられて記憶部23に記憶されている(
図5参照)。言い換えれば、複数のセリフデータには、それぞれ、セリフ興奮値が設定されている。セリフ興奮値は、そのセリフの内容に応じた値が設定される。例えば、セリフ興奮値は、セリフごとに、そのセリフを話す仮想の実況解説者の興奮の程度をゲーム開発者が例えば5段階評価などで経験則に基づき判断して設定した値である。
【0070】
話者興奮値は、興奮値変更処理によりゲームの進行に応じて変更される。興奮値変更処理は、興奮値変更手段58、目標値設定手段59および範囲設定手段60により実行される。興奮値変更手段58は、仮想話者の興奮度合いを示す話者興奮値を変更する。目標値設定手段59は、ゲームの進行に応じたゲーム状況に基づいて、仮想話者の興奮度合いの目標値、すなわち話者興奮値の目標値を設定する。範囲設定手段60は、話者興奮値の変更可能範囲を設定する。興奮値変更処理について、詳細は後述する。
【0071】
[セリフ出力処理]
セリフ出力処理について、
図6を参照して説明する。
図6は、セリフ出力処理の流れを示すフローチャートである。セリフ出力処理は、仮想の実況解説者のセリフを決定および出力する処理である。セリフ出力処理は、状況監視手段54、候補選択手段55、セリフ決定手段56、および優先度設定手段57により実行される。セリフ出力処理は、少なくとも対戦が開始されてから終了するまでの間、予め設定されたフレームレートで実行される。例えば、セリフ出力処理は、キャラクタ選択画面の表示が開始されてから対戦結果の表示を終了するまでの間、予め設定されたフレームレートで実行される。
【0072】
セリフ出力処理では、状況監視手段54が、ゲームの進行に応じて変化するゲーム状況を監視する。そして、状況監視手段54は、記憶部23に記憶されたゲーム状況データの中に、監視されたゲーム状況(つまり現時点のゲーム状況)に対応するゲーム状況データがあるか否かを判定する(ステップS1)。言い換えれば、状況監視手段54は、監視されたゲーム状況が、各セリフに関連付けられたゲーム状況に一致するか否かを判定する。
【0073】
記憶部23に記憶されたゲーム状況データの中に、監視されたゲーム状況に対応するゲーム状況データがないと判定された場合(ステップS1:No)、セリフ出力処理は終了する。
【0074】
記憶部23に記憶されたゲーム状況データの中に、監視されたゲーム状況に対応するゲーム状況データがあると判定された場合(ステップS1:Yes)、候補選択手段55は、監視されたゲーム状況を示すゲーム状況データに関連付けられた1以上のセリフデータを、出力候補として選択する(ステップS2)。
【0075】
1以上の出力候補が選択されると、優先度設定手段57は、出力候補の希少度、出力候補の既出度、出力候補のセリフ興奮値および話者興奮値に基づき、各出力候補の優先度を算出する(ステップS3)。
【0076】
セリフ決定手段56は、候補選択手段55により選択された1以上の出力候補の中から、優先度設定手段57により設定された各優先度に基づき、スピーカ33から出力されるセリフを決定する(ステップS4)。具体的には、セリフ決定手段56は、選択された複数の出力候補の中で、優先度が最も大きい出力候補を、スピーカ33から出力されるセリフとして決定する。
【0077】
[興奮値変更処理]
次に、興奮値変更処理について、
図7を参照して説明する。
図7は、興奮値変更処理の流れを示すフローチャートである。
【0078】
興奮値変更処理は、セリフ出力処理が実行される間、予め設定されたフレームレートで実行される。例えば、興奮値変更処理は、最初のラウンドが開始される前のバトル前フェーズと、最初のラウンドが開始された時点以降のバトルフェーズとにおいて、実行される。バトル前フェーズは、例えば、ゲーム進行手段53によりディスプレイ32にキャラクタ選択画面が表示されているフェーズである。興奮値変更処理は、キャラクタ選択画面が表示されたときに開始される。
【0079】
興奮値変更処理は、キャラクタ選択画面が表示されたときに開始される。興奮値変更処理では、まず話者興奮値が、初期値に設定される(ステップT1)。より詳しくは、本ゲームには、複数の仮想話者が設定されている。仮想話者に応じて異なるセリフデータが記憶部23に記憶されていてもよい。記憶部23には、仮想話者ごとに設定された各種パラメータが記憶されている。仮想話者のパラメータには、話者興奮値の初期値が含まれる。
【0080】
ステップT1では、バトル前フェーズの開始時に、複数の仮想話者の中から、対戦に使用される1以上の仮想話者がゲーム進行手段53によって例えばランダムで選択される。そして、バトル前フェーズでは、話者興奮値が、選択された仮想話者に応じた初期値に設定され、維持される。
【0081】
対戦する各ユーザによるキャラクタの選択が終了すると、ゲーム進行手段53は、最初のラウンドを開始する(ステップT2)。すなわち、バトル前フェーズからバトルフェーズに移行する。
【0082】
ラウンドが開始すると、範囲設定手段60は、話者興奮値の変更可能範囲Rを設定する(ステップT3)。興奮値変更手段58は、変更可能範囲R内において話者興奮値を変更する。本実施形態において、範囲設定手段60は、最初のラウンドである第1ラウンドが開始されたときは、話者興奮値の変更可能範囲Rを、1.0≦R≦3.0の範囲に設定する。また、範囲設定手段60は、第2ラウンドが開始されたときは、変更可能範囲Rを1.0≦R≦3.0の範囲に設定する。範囲設定手段60は、最終ラウンドである第3ラウンドが開始されたときは、変更可能範囲Rを2.0≦R≦5.0の範囲に設定する。
【0083】
目標値設定手段59は、スピーカ33からのセリフの出力とは異なるゲームの進行に応じたゲーム状況に基づいて、仮想話者の興奮度合いの目標値を設定する(ステップT4)。本例では、目標値設定手段59は、2つのキャラクタPA,PBの体力値、および、進行中のラウンド数に応じて、仮想話者の興奮度合いの目標値を設定する。目標値設定手段59は、下に示す式(1)を用いて目標値を設定する。
Tv=X1×X2×Wn+Rd ・・・(1)
ただし、
Tvは、仮想話者の興奮度合い(話者興奮値)の目標値
X1は、キャラクタPA,PBの体力値のうち低い方の体力値の低さ度合い
X2は、キャラクタPA,PBの互いの体力値の近さ度合い
Wnは、ラウンドごとに予め設定された重み値
Rdは、変更可能範囲の下限値
【0084】
キャラクタPA,PBの体力値のうち低い方の体力値の低さ度合いであるX1の範囲は、0.0≦X1≦1.0である。2つのキャラクタPA,PBの体力値のうち低い方の体力値が低いほど、X1が高くなる(1.0に近くなる)ように設定される。すなわち、X2,Wn,Rdなど、X1以外の他の条件が同じなら、キャラクタPA,PBの体力値のうち低い方の体力値が低いほど、目標値が高くなる。
【0085】
キャラクタPA,PBの互いの体力値の近さ度合いであるX2の範囲は、0.0≦X2≦1.0である。2つのキャラクタPA,PBの互いの体力値の差分が小さいほど、X2が高くなる(1.0に近くなる)ように設定される。すなわち、X1,Wn,Rdなど、X2以外の他の条件が同じなら、キャラクタPA,PBの互いの体力値の差分が小さいほど、目標値が高くなる。
【0086】
重み値Wnは、第1ラウンドおよび第2ラウンドに対しては値2.0が予め設定され、最終ラウンドである第3ラウンドに対しては値3.0が設定されている。
【0087】
第1および第2ラウンドでは、1.0≦R≦3.0であるため、Rdは1.0である。第3ラウンドでは、2.0≦R≦5.0であるため、Rdは2.0である。
【0088】
なお、目標値Tvの算出式(1)は、一例にすぎない。目標値の算出式は、別のパラメータを用いた式でもよい。
【0089】
興奮値変更手段58は、時間が経過するにつれて話者興奮値が目標値に近づくように、話者興奮値を変更する(ステップT5)。
【0090】
また、バトルフェーズ中(各ラウンド中)、興奮値変更手段58は、セリフ決定手段56により決定されたセリフが出力されたか否かを判定する(ステップT6)。そして、スピーカ33からセリフが出力された場合に(ステップT6:YES)、興奮値変更手段58は、セリフが出力される前の話者興奮値に比べて、セリフが出力された後の話者興奮値が、出力されたセリフのセリフ興奮値に近づくよう話者興奮値を変更する(ステップT7)。
【0091】
例えば、興奮値変更手段58は、下に示す式(2)に従い、セリフが出力された直後の話者興奮値E2を変更する。
E2=E1+(Ew-E1)×C ・・・(2)
ただし、
E2は、セリフが出力された直後の話者興奮値
E1は、セリフが出力される直前の話者興奮値
Ewは、出力されるセリフのセリフ興奮値
Cは、予め定めた重み係数であり、1.0以下の正数
【0092】
セリフが出力されない場合は(ステップT6:NO)、ステップT7はスキップされる。ラウンドが終了するまでの間(ステップT8:NO)、ステップT4~T7が繰り返される。
【0093】
ここで、時間経過に伴う話者興奮値の変化の一例を、
図8を参照して説明する。
図8は、時間経過に伴う話者興奮値の変化の一例を示したグラフである。横軸が、第1ラウンド中の経過時間であり、縦軸が、話者興奮値である。なお、
図8において、話者興奮値が実線で示されており、話者興奮値の目標値が一点鎖線で示されている。なお、話者興奮値と目標値とが重なっているところも、実線で示される。
【0094】
一点鎖線で示す話者興奮値の目標値は、スピーカ33からのセリフの出力とは異なるゲームの進行に応じたゲーム状況に基づいて設定される。具体的には、上記式(1)に従い、バトルフェーズ中に各キャラクタPA,PBの体力値が変化すると、
図7のステップT4にて目標値は変更される。
【0095】
本例において、時刻t1に、セリフ興奮値が2.0である(つまりEw=2.0である)セリフがスピーカ33から出力されており、時刻t4に、セリフ興奮値が4.0である(つまりEw=4.0である)セリフがスピーカ33から出力されており、時刻t5に、セリフ興奮値が4.0である(つまりEw=4.0である)セリフがスピーカ33から出力されている。
【0096】
例えば時刻t1において、セリフが出力される直前の話者興奮値E1が1.0であり、且つ、セリフ興奮値が2.0であるセリフがスピーカ33から出力されたと仮定する。この場合、興奮値変更手段58は、上記式(2)に従い、セリフが出力された直後の話者興奮値E2を算出する。式(2)の重み係数Cが0.5である場合、上記式(2)に従えば、算出されるセリフ出力後の話者興奮値は、1.5(=1.0+(2.0-1.0)×0.5)である。このため、時刻t1において、セリフが出力された直後の話者興奮値E2は、セリフが出力される直前の話者興奮値E1である値1.0から、値1.5に変更される。
【0097】
セリフが出力されていない間、例えば時刻t1から次のセリフが出力される時刻t4までの間では、興奮値変更手段58は、時間が経過するにつれて話者興奮値が目標値に近づくように、話者興奮値を変更する(ステップT5参照)。より詳しくは、興奮値変更手段58は、話者興奮値が若干遅れて目標値に追従するように、話者興奮値を変更する。例えば時刻t3から時刻t4までの間、キャラクタPA,PBの体力値変化が生じたことによって、目標値は減少しているが、話者興奮値はこれに若干遅れて減少する。
【0098】
例えば時刻t4において、セリフが出力される直前の話者興奮値E1が1.5であり、且つ、セリフ興奮値が4.0であるセリフがスピーカ33から出力されたと仮定する。この場合、興奮値変更手段58は、上記式(2)に従い、セリフが出力された直後の話者興奮値E2を算出する。式(2)の重み係数Cが0.5である場合、上記式(2)に従えば、算出されるセリフ出力後の話者興奮値は、2.75(=1.5+(4.0-1.5)×0.5)である。このため、時刻t4において、セリフが出力された直後の話者興奮値E2は、セリフが出力される直前の話者興奮値E1である値1.5から、値2.75に変更される。
【0099】
例えば時刻t5において、セリフが出力される直前の話者興奮値E1が2.5であり、且つ、セリフ興奮値が4.0であるセリフがスピーカ33から出力されたと仮定する。この場合、興奮値変更手段58は、上記式(2)に従い、セリフが出力された直後の話者興奮値を算出する。式(2)の重み係数Cが0.5である場合、上記式(2)に従えば、算出されるセリフ出力後の話者興奮値は、3.25(=2.5+(4.0-2.5)×0.5)である。ただし、第1ラウンドの変更可能範囲Rの上限値Ruが3.0であるため、時刻t5において、セリフが出力された直後の話者興奮値E2は、セリフが出力される直前の話者興奮値E1である値2.5から、値3.0に変更される。
【0100】
なお、
図8に示した例では、興奮値変更手段58は、セリフが出力された直後に、上記式(2)を用いて算出した値に話者興奮値を瞬間的に変更したが、興奮値変更手段58は、セリフが出力される前の話者興奮値に比べて、セリフが出力された後の話者興奮値が、出力されたセリフのセリフ興奮値に近づくよう時間の経過とともに徐々に話者興奮値を変更してもよい。この場合、話者興奮値は、段階的にまたは連続的に変更してもよい。この場合、例えば、興奮値変更手段58は、セリフが出力された後、しばらくの間は、出力されたセリフのセリフ興奮値に話者興奮値を近づける処理のみを行い、その後、話者興奮値を目標値に近づける処理に切り替わるようにしてもよい。
【0101】
図7に戻って、ゲーム進行手段53によりラウンドが終了されると(ステップT8:YES)、ゲーム進行手段53は、次のラウンドに進むか否か判定する(ステップT9)。すなわち、ゲーム進行手段53は、対戦するユーザのうちの一方が2ラウンド先取したか否かを判定する。ゲーム進行手段53は、対戦するユーザのうちの一方が2ラウンド先取したと判定した場合(ステップT9:NO)、その対戦を終了する。
【0102】
ゲーム進行手段53は、対戦するユーザのうちの一方が2ラウンド先取していないと判定した場合(ステップT9:YES)、ステップT3へ戻る。ステップT3では、上述したように、範囲設定手段60は、ラウンドに応じた変更可能範囲Rを設定する。なお、本実施形態では、次のラウンドの開始時に、話者興奮値は、前回のラウンドの終了時の話者興奮値から開始するが、各ラウンドの開始時に話者興奮値を所定の値にリセットしてもよい。
【0103】
以上をまとめると、本実施形態に係るゲームプログラム34aは、スピーカ33(出力部)と、スピーカ33から出力されるセリフを示す複数のセリフデータが記憶された記憶部23と、制御部21(コンピュータ)とを備えるゲームシステム1において、制御部21に実行されるゲームプログラム34aであって、複数のセリフデータには、それぞれ、セリフ興奮値が設定されており、制御部21を、仮想話者が登場するゲームを進行させるゲーム進行手段53、仮想話者の興奮度合いを示す話者興奮値を変更する興奮値変更手段58、および、話者興奮値およびセリフ興奮値に基づき、仮想話者のセリフとしてスピーカ33から出力されるセリフを決定するセリフ決定手段56、として機能させ、スピーカ33からセリフが出力されたときに、興奮値変更手段58は、セリフが出力される前の話者興奮値に比べて、セリフが出力された後の話者興奮値が、出力されたセリフのセリフ興奮値に近づくよう話者興奮値を変更する、ゲームプログラムである。
【0104】
このゲームプログラム34aによれば、セリフ決定手段56が、話者興奮値およびセリフ興奮値に基づき、仮想話者のセリフとしてスピーカ33から出力されるセリフを決定する。より詳しくは、セリフ決定手段56が、セリフ興奮値および話者興奮値に基づき設定された優先度に基づき、仮想話者のセリフとしてスピーカ33から出力されるセリフを決定する。このため、仮想話者の興奮度合いに適したセリフを出力できる。すなわち、話者興奮値からかけ離れたセリフ興奮値に対応するセリフが出力されるのを抑制できる。
【0105】
また、本実施形態では、スピーカ33からセリフが出力されたときに、話者興奮値が、セリフが出力される前に比べて、出力されたセリフのセリフ興奮値に近づく。これにより、例えば今回出力されたセリフと次回出力されるセリフとの間でセリフ興奮値の差が大きすぎることによってユーザに生じる違和感を低減できる。その結果、ゲームに登場する仮想話者のセリフを現実世界で実際の話者が発するものに近づけることができる。
【0106】
また、本実施形態では、目標値設定手段59が、スピーカ33からのセリフの出力とは異なるゲームの進行に応じたゲーム状況に基づいて、仮想話者の興奮度合いの目標値を設定し、興奮値変更手段58は、時間が経過するにつれて話者興奮値が目標値に近づくように、話者興奮値を変更する。これにより、仮想話者の興奮度合いのアップダウンが激しくなることを抑制しつつ、ゲーム状況の変化に応じて仮想話者の興奮度合いを変化させることができる。その結果、ゲームに登場する仮想話者のセリフを現実世界で実際の話者が発するものにより近づけることができる。
【0107】
また、本実施形態では、範囲設定手段60が、最終ラウンドである第3ラウンドの開始時に、変更可能範囲Rの限界値である上限値Ruおよび下限値Rdの双方を、第1および第2ラウンドに比べて高くする。このように、範囲設定手段60は、最終ラウンドの変更可能範囲Rの限界値を高くすることにより、第1および第2ラウンドの話者興奮値に比べて第3ラウンドの話者興奮値が高くなる可能性を上げることができる。これにより、例えば対戦ゲームにおける対戦の終盤に盛り上がる状況を演出することができる。
【0108】
<その他の実施形態>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0109】
例えばゲームプログラム34aは、ゲームメディア34に記録されていなくてもよく、例えば、外部から通信ネットワークNWを介してゲーム装置2にダウンロードされてもよい。例えば、本発明のゲームシステムが備えるゲーム装置2は、スマートフォンなどの携帯情報端末であってもよく、操作部および表示部はタッチスクリーンなどであってもよい。また、ゲーム画面を表示する表示装置は、ヘッドマウントディスプレイなどであってもよい。
【0110】
また、上記実施形態では、セリフ決定手段56が決定したセリフを、ゲーム音声として出力する態様が説明されたが、本発明は、これに限定されない。例えば、本発明は、セリフ決定手段56が決定したセリフを表示装置に文字として出力するものにも適用可能である。すなわち、本発明における「出力部」は、スピーカ、ヘッドフォン、イヤフォンなどのセリフをゲーム音声として出力可能に構成された音声出力装置であってもよいし、ディスプレイ単体、タッチスクリーン、ヘッドマウントディスプレイなどの表示装置であってもよい。出力部が表示装置である場合、セリフデータは、セリフとしてのゲーム音声を示すゲーム音声データでなく、セリフとしての文字を示す文字データである。また、本発明は、セリフ決定手段56が決定したセリフを、文字とゲーム音声の両方で出力してもよい。
【0111】
また、上記実施形態では、ゲームシステム1は、ゲーム装置2およびサーバ装置4を備えていたが、本発明のゲームシステムは、サーバ装置4を備えない構成であってもよい。本発明は、オンラインゲームだけでなく、オフラインゲームにも適用可能である。例えば、本発明は、ユーザが操作するユーザキャラクタを操作して、CPUにより動作が制御されるノンプレイヤキャラクタとしての対戦相手キャラクタと対戦させるCPU対戦可能なゲームに適用可能である。また、本発明は、対戦型格闘ゲームだけでなく、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム、シューティングゲーム、スポーツゲーム、レースゲームなどにも適用可能である。
【0112】
ゲームシーンに応じて、目標値の算出方法、変更可能範囲の限界値の設定方法などを変えてもよい。例えば、ユーザが操作するキャラクタの周りに敵がいる戦闘シーンと、ユーザが操作するキャラクタの周りに敵がいない非戦闘シーンとが存在するゲームにおいて、戦闘シーンにおける変更可能範囲の上限値が、非戦闘シーンにおける変更可能範囲の上限値より高くなるように、変更可能範囲が設定されてもよい。
【0113】
また、本発明は、ゲームのプレイ動画の配信にも適用可能である。つまり、本発明における「出力部」は、ゲームをプレイするプレイヤに対して出力するものに限らず、配信されるゲームのプレイ動画を視聴する視聴者に対して出力するものであってもよい。例えば、ゲームをプレイするプレイヤ(配信者)のための出力部からは、セリフを出力しなくてもよく、ゲームのプレイ動画を視聴する視聴者のための出力部からのみセリフを出力するようにしてもよい。例えば、ゲームのプレイ動画を視聴する視聴者のための出力部からだけセリフを出力するために、(実況セリフありの動画を視聴するために)、何らかの対価が必要であってもよい。例えば、対価は、課金することであったり、サブスクリプション契約を行うことであったり、配信者に対する金銭の寄付(いわゆる投げ銭)を行うことであったりしてもよい。
【0114】
また、上記実施形態では、サーバ装置4のサーバ制御部41が、記憶部42に記憶されたゲームプログラムを実行することにより、機能部51~60の一部または全部として機能してもよい。この場合、本発明のゲームプログラムは、サーバ装置4に記憶され、またはゲーム装置2およびサーバ装置4に分散して記憶されており、このようなゲームプログラムを実行する制御部21およびサーバ制御部41が本発明のゲームプログラムを実行する「コンピュータ」に対応する。
【0115】
また、上記実施形態では、ゲーム装置2の制御部21は、ゲームプログラム34aを実行することにより、ゲーム空間生成手段51、キャラクタ制御手段52、ゲーム進行手段53、状況監視手段54、候補選択手段55、セリフ決定手段56、優先度設定手段57、興奮値変更手段58、目標値設定手段59および範囲設定手段60として機能したが、これら機能部51~60の一部の機能部については機能しなくてもよい。例えば本発明は、仮想空間を生成しないゲームや、キャラクタを制御しないゲームにも適用可能である。
【0116】
また、上記実施形態では、目標値設定手段59が、スピーカ33からのセリフの出力とは異なるゲームの進行に応じたゲーム状況に基づいて、仮想話者の興奮度合いの目標値を設定し、興奮値変更手段58が、時間が経過するにつれて話者興奮値が目標値に近づくように、話者興奮値を変更したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、ゲーム装置2の制御部21は、目標値設定手段59として機能しなくてもよい。
【0117】
例えば、興奮値変更手段が、出力部からセリフが出力されていない間、話者興奮値を変更しなくてもよい。つまり、興奮値変更手段が、出力部からセリフが出力されたときにだけ、セリフが出力される前の話者興奮値に比べて、セリフが出力された後の話者興奮値が、出力されたセリフのセリフ興奮値に近づくよう話者興奮値を変更してもよい。
【0118】
興奮値変更手段は、目標値に基づき話者興奮値を変更する代わりに、出力部からのセリフの出力とは異なるゲームの進行に応じたゲーム状況に基づいて、話者興奮値を変更してもよい。
【0119】
この場合、出力部からのセリフの出力とは異なるゲームの進行に応じたゲーム状況は、キャラクタが登場するゲームにおけるゲームのプレイが開始される前に複数のキャラクタの中からユーザが選択したキャラクタの種類であってもよい。すなわち、興奮値変更手段は、ユーザまたはコンピュータによりどのキャラクタが選択されたかに応じて話者興奮値を変更してもよい。
【0120】
また、出力部からのセリフの出力とは異なるゲームの進行に応じたゲーム状況は、ゲームのプレイが開始してからの経過時間であってもよい。すなわち、興奮値変更手段は、ゲームのプレイ開始からどのくらい時間が経過したかに応じて話者興奮値を変更してもよい。例えば、制限時間が設けられた対戦ゲームにおいて、興奮値変更手段は、制限時間に達するまでの残り時間に応じて話者興奮値を変更してもよい。例えば、興奮値変更手段は、対戦開始から時間が経過するにつれて話者興奮値を徐々に上昇させてもよい。
【0121】
また、出力部からのセリフの出力とは異なるゲームの進行に応じたゲーム状況は、ゲームのプレイが開始される前に複数の仮想話者の中から選択された仮想話者の種類であってもよい。この場合、話者興奮値の上がりやすい仮想話者や、話者興奮値が変化しにくい仮想話者など、仮想話者ごとに、話者興奮値の変化度合いが異なってもよい。この場合、ユーザが自由に仮想話者を選択可能であってもよいし、ユーザの選択によらず仮想話者がコンピュータにより選択されてもよい。
【0122】
また、出力部からのセリフの出力とは異なるゲームの進行に応じたゲーム状況は、複数のユーザ同士が対戦可能な対戦ゲームにおける複数のユーザに対して設定されたゲームランクであってもよい。例えば興奮値変更手段は、複数のユーザ同士が対戦可能な対戦ゲームにおける複数のユーザに対して設定されたゲームランクであってもよく、この場合、互いのゲームランクが一致した場合に、話者興奮値を上昇させてもよい。また、例えば、興奮値変更手段は、対戦相手を決定するためのマッチング処理が実行された結果、特定のゲームランクの対戦相手とマッチングされた場合に、話者興奮値を上昇させてもよい。
【0123】
また、出力部からのセリフの出力とは異なるゲームの進行に応じたゲーム状況は、複数のユーザ同士が対戦可能な対戦ゲームにおける対戦する前記複数のユーザの対戦回数であってもよい。例えば、興奮値変更手段は、ユーザが過去に対戦したことのある別のユーザと対戦することが決定した場合に、話者興奮値を上昇させてもよい。
【0124】
また、出力部からのセリフの出力とは異なるゲームの進行に応じたゲーム状況は、複数のラウンドの対戦結果から勝者を決定する対戦ゲームにおける前記複数のラウンドの中のどのラウンドに当たるかを示すラウンドの種類であってもよい。例えば、興奮値変更手段は、予選ラウンドや一回戦ラウンドの話者興奮値に比べて、決勝ラウンドや最終ラウンドの話者興奮値を上昇させてもよい。
【0125】
出力部からのセリフの出力とは異なるゲームの進行に応じたゲーム状況は、上記した例に限定されない。
【0126】
また、上記実施形態では、スピーカ33からセリフが出力されたときに、興奮値変更手段58が、セリフが出力される前の話者興奮値に比べて、セリフが出力された後の話者興奮値が、出力されたセリフのセリフ興奮値に近づくよう話者興奮値を変更したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、興奮値変更手段58が、スピーカ33からセリフが出力されたときに、セリフが出力される前の話者興奮値に比べて、セリフが出力された後の話者興奮値が、出力されたセリフのセリフ興奮値に近づくよう話者興奮値を変更したが、本発明はこれに限定されない。
【0127】
例えば、本発明に係るゲームプログラムは、出力部と、前記出力部から出力されるセリフを示す複数のセリフデータが記憶された記憶部と、コンピュータとを備えるゲームシステムにおいて、前記コンピュータに実行されるゲームプログラムであって、前記複数のセリフデータには、それぞれ、セリフ興奮値が設定されており、前記コンピュータを、仮想話者が登場するゲームを進行させるゲーム進行手段、前記ゲームの進行に応じたゲーム状況に基づいて、前記仮想話者の興奮度合いの目標値を設定する目標値設定手段、前記仮想話者の興奮度合いを示す話者興奮値を、時間が経過するにつれて前記話者興奮値が前記目標値に近づくように変更する興奮値変更手段、および、前記話者興奮値および前記セリフ興奮値に基づき、前記仮想話者のセリフとして前記出力部から出力されるセリフを決定するセリフ決定手段、として機能させる、ゲームプログラムであってもよい。すなわち、出力部からセリフが出力されたときか否かに関わらず、興奮値変更手段は、時間が経過するにつれて前記話者興奮値が前記目標値に近づくように、前記話者興奮値を変更してもよい。この場合にも、話者興奮値およびセリフ興奮値に基づき、出力される仮想話者のセリフが決定されるため、仮想話者の興奮度合いに適したセリフを出力できる。また、仮想話者の興奮度合いを示す話者興奮値が、ゲーム状況に基づいて設定された目標値に、時間が経過するにつれ近づく。これにより、仮想話者の興奮度合いのアップダウンが激しくなることを抑制しつつ、ゲーム状況の変化に応じて仮想話者の興奮度合いを変化させることができる。その結果、ゲームに登場する仮想話者のセリフを現実世界で実際の話者が発するものに近づけることができる。
【0128】
また、話者興奮値の目標値を算出する式として、上記式(1)が例示されたが、目標値の算出方法はこれに限定されない。例えば目標値は、ラウンドの残り時間などの別のパラメータに基づき算出されてもよい。また、セリフが出力された直後の話者興奮値の算出式として、上記式(2)が例示されたが、セリフが出力された直後の話者興奮値の算出方法はこれに限定されない。
【0129】
また、上記実施形態では、範囲設定手段60が、最終ラウンドである第3ラウンドの開始時に、変更可能範囲Rの限界値を高くしたが、変更可能範囲の設定方法はこれに限定されない。ただし、範囲設定手段は、上記実施形態のように、ゲームの進行中における第1時点の変更可能範囲の限界値と比べて、第1時点より後の第2時点の変更可能範囲の限界値を高くすることが望ましい。ゲーム序盤の話者興奮値に比べてゲーム終盤の話者興奮値が高くなる可能性を上げることができるためである。例えば対戦ゲームにおける対戦の終盤に盛り上がる状況を演出することができる。なお、第1時点および第2時点の双方は、例えば1つの対戦中の時点であってもよいし、ラウンドなどの1つのフェーズにおける時点であってもよい。
【0130】
例えば、1つの対戦が複数のフェーズに区切られている場合において、範囲設定手段は、第1フェーズに対して設定する変更可能範囲の限界値に比べて、第1フェーズより後の第2フェーズに対して設定する変更可能範囲の限界値を高くしてもよい。また、例えば、範囲設定手段は、ゲーム進行中における所定の時点(例えば、第1ラウンドの開始時点)から時間が経過するにつれて変更可能範囲の限界値を高くしてもよい。なお、限界値は、変更可能範囲の上限値および下限値のうちの一方または双方である。すなわち、範囲設定手段は、変更可能範囲の限界値である上限値および下限値のうちの一方のみを高くしてもよい。ここで、フェーズは、例えば、格闘ゲームであればラウンドであり、バスケットボールゲームであればクォーターであり、アクションゲームであればゲームステージやクエストなどであり得る。
【0131】
また、セリフデータおよびゲーム状況データの一方または双方は、ゲーム装置2の記憶部23に記憶されていなくてもよく、例えばサーバ装置4の記憶部42などの別の記憶装置に記憶されていてもよい。
【0132】
上記実施形態で説明された、状況監視手段54により監視されるゲーム状況は、例示にすぎない。状況監視手段54により監視されるゲーム状況は、上記実施形態で説明されたものの一部のみであってもよい。また、状況監視手段54により監視されるゲーム状況は、上記実施形態で説明されたもの以外のゲーム状況も含み得る。
【0133】
上記実施形態では、優先度設定手段57は、話者興奮値およびセリフ興奮値以外の他の条件(上記(a),(b))が同じなら、セリフが出力される直前の話者興奮値にセリフ興奮値が近い出力候補ほど優先度が高くなるように、各出力候補の優先度を設定したが、出力候補の設定における話者興奮値およびセリフ興奮値の使用方法はこれに限定されない。
【0134】
例えば優先度設定手段57は、セリフが出力される直前の話者興奮値よりも大きいセリフ興奮値と関連した出力候補は、セリフが出力される直前の話者興奮値よりも小さいセリフ興奮値と関連した出力候補に比べて、優先されやすくなるように出力候補の優先度を設定してもよい。これにより、話者興奮値より大きいセリフ興奮値のセリフが優先されやすくなる。話者興奮値より大きいセリフ興奮値のセリフが出力されるたびに、話者興奮値は大きくなるため、ゲームが進行するにつれて、より大きいセリフ興奮値のセリフが出力されやすくなる。
【0135】
また、例えば優先度設定手段57は、セリフが出力される直前の話者興奮値とセリフ興奮値との差分が所定の範囲内にあり、かつ、セリフが出力される直前の話者興奮値よりも大きいセリフ興奮値と関連した出力候補を、それ以外の出力候補に比べて優先されやすくなるように出力候補の優先度を設定してもよい。
【0136】
また、上記実施形態では、各出力候補には、希少度、既出度、話者興奮値およびセリフ興奮値に基づいて算出された優先度が設定されたが、優先度の設定方法はこれに限定されない。例えば、希少度、既出度、話者興奮値、セリフ興奮値の各パラメータの算出方法、決定方法または取得方法は、上記実施形態で説明されたものに限定されない。
【0137】
例えば希少度は、セリフごとに、各セリフに対して関連付けられたゲーム状況を示す情報に基づき、予め定めた算出式を用いて算出されてもよい。例えば希少度は、セリフごとに、そのセリフに対応するゲーム状況の起こりにくさをゲーム開発者が経験則に基づき例えば5段階評価などで判断して設定されてもよい。
【0138】
既出度は、時間が経過するにつれて優先度を上昇させる方向に変化しなくてもよい。例えば既出度は、その既出度が設定されたセリフが出力されてからの経過時間に依存しない値でもよい。また、例えば、既出度は、その既出度が設定されたセリフが出力された時点からの経過時間の増加の代わりに、その既出度が設定されたセリフが出力された時点以降に別のセリフが出力される回数が増加するにつれて、そのセリフの優先度を上昇させる方向に変化してもよい。
【0139】
例えば、出力候補の優先度の算出に、(a)希少度および(b)既出度の一方または双方が用いられなくてもよい。出力候補の優先度は、(c)セリフ興奮値および話者興奮値のみに基づき算出されてもよい。
【0140】
また、候補選択手段55は、必ず複数の出力候補を選択する必要はなく、ゲーム状況によっては出力候補を1つだけ選択することもある。上記実施形態のセリフ出力処理において、ステップS2で出力候補として選択されたセリフデータが1つだけであった場合、ステップS3を省略してもよい。この場合、ステップS4で、セリフ決定手段56は、出力候補として選択された1つのセリフデータを、出力されるセリフに決定してもよい。
【0141】
上記実施形態では、セリフ決定手段56は、対戦の実況を解説する仮想の実況解説者のセリフを決定したが、セリフ決定手段56が決定するセリフはこれに限定されない。例えば、セリフ決定手段56は、例えば仮想空間に配置されるキャラクタなど、仮想の実況解説者とは異なる仮想話者のセリフを決定してもよい。
【0142】
上記実施形態では、セリフ決定手段56は、優先度設定手段57により設定された各出力候補の優先度に基づいて、スピーカ33から出力されるセリフを決定したが、本発明はこれに限定されない。本発明において、出力候補の優先度が算出されなくてもよい。例えばセリフ決定手段は、セリフ興奮値および話者興奮値から、直接セリフを決定してもよい。
【0143】
上記実施形態では、バトル前フェーズ開始時に、複数の仮想話者の中から、対戦に使用される仮想話者がランダムで選択されたが、ゲーム進行手段53は、対戦に使用する仮想話者を、複数の仮想話者の中から操作部に対するユーザの操作に応じて選択してもよい。上記実施形態では、興奮値変更手段58は、話者興奮値が若干遅れて目標値に追従するように、話者興奮値を変更したが、目標値への追従速度、すなわち話者興奮値の単位時間当たりの変動値は、仮想話者ごとに異なってもよい。また、複数の仮想話者の中から、対戦に使用される仮想話者が選択されなくてもよく、予め定めた仮想話者が対戦に使用されてもよい。
【0144】
また、バトル前フェーズでは、話者興奮値が、選択された仮想話者に応じた初期値に設定される代わりに、予め定めた固定値でもよいし、別の計算式または規則に基づき設定されてもよい。例えば、各ユーザに、ゲームの技量を示す指標となるゲームランクが設定されている場合には、対戦するユーザ同士のランク差が大きいほど、バトル前フェーズにおける話者興奮値が高くなるように設定されてもよい。あるいは、例えば話者興奮値が、日ごとにまたは対戦ごとにランダムで設定されてもよい。
【0145】
また、話者興奮値に応じてセリフの出力の仕方が調整されてもよい。例えば、話者興奮値がセリフ興奮値より低い場合、出力されるセリフの音声のボリュームが、基準となるボリュームより小さくなるように調整され、話者興奮値がセリフ興奮値より高い場合、出力されるセリフの音声のボリュームが、基準となるボリュームより大きくなるように調整されてもよい。
【0146】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本発明の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0147】
1 :ゲームシステム
2 :ゲーム装置
4 :サーバ装置
21 :制御部
23 :記憶部
31 :コントローラ
32 :ディスプレイ
33 :スピーカ
41 :サーバ制御部
42 :記憶部
51 :ゲーム空間生成手段
52 :キャラクタ制御手段
53 :ゲーム進行手段
54 :状況監視手段
55 :候補選択手段
56 :セリフ決定手段
57 :優先度設定手段
58 :興奮値変更手段
59 :目標値設定手段
60 :範囲設定手段