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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-26
(45)【発行日】2025-03-06
(54)【発明の名称】情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/79 20140101AFI20250227BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20250227BHJP
   A63F 13/63 20140101ALI20250227BHJP
   A63F 13/77 20140101ALI20250227BHJP
【FI】
A63F13/79 500
A63F13/533
A63F13/63
A63F13/77
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022020359
(22)【出願日】2022-02-14
(65)【公開番号】P2023117669
(43)【公開日】2023-08-24
【審査請求日】2024-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】丸山 敦史
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-529792(JP,A)
【文献】特表2010-532890(JP,A)
【文献】“フォールアウト 3”,「ファミ通Xbox 360'09 Jan. 1月号」,日本,株式会社エンターブレイン,2009年01月01日,第8巻,第1号,p.044-047
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98, 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され
参照ステップでは、ユーザ情報と、特性の多様性に関する情報とを含む参照情報を参照し、ここで
前記ユーザ情報は、ユーザに関連付けられた現実空間の位置に関する情報を含み、
前記特性は、仮想空間において使用される、ユーザに関連付けられたキャラクタに設定可能に構成されており、
前記多様性に関する情報は、前記仮想空間または現実空間における、前記特性の統計情報、利用数または利用率であり、
特定ステップでは、前記参照情報に基づいて、前記ユーザに推奨される特性である推奨特性を特定し、
表示ステップでは、前記ユーザが前記キャラクタの特性を選択可能な画面を表示させ、ここで前記画面には、前記参照情報に基づいて特定された前記推奨特性が含まれる、
情報処理システム
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記特性は、前記キャラクタの人種と、ジェンダーアイデンティティと、身体的ハンディキャップと、前記キャラクタが患う疾患とのうち少なくとも1つを示す、
情報処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記特性は、前記キャラクタに関連付けられるパラメータに影響を与えない身体的または心理的特性である
情報処理システム。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記参照情報は、前記ユーザとは異なる他のユーザに関連付けられたキャラクタの特性と、前記特性と類似する類似特性の利用率とのうち少なくとも1つを含む、
情報処理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理システムにおいて、
前記キャラクタは、前記ユーザの操作に基づいて、仮想空間内で区分された複数の領域のうち少なくとも1つに配置され、
前記参照情報は、前記領域それぞれに関連付けられた情報を含む、
情報処理システム。
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記参照情報は、前記ユーザの位置情報と、その位置における前記特性の多様性に関する情報とを含む、
情報処理システム。
【請求項7】
請求項1~請求項6の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記表示ステップでは、前記画面において、予め前記特性がプリセットされたプリセットキャラクタを表示させ、
前記プリセットキャラクタのうち少なくとも1つは、前記推奨特性が関連付けられている、
情報処理システム。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理システムにおいて、
前記特定ステップでは、前記参照情報に基づいて、前記推奨特性ごとの推奨度合いを特定し、
前記表示ステップでは、前記推奨度合いに応じて、前記プリセットキャラクタが表示される前記画面の表示態様を変動させる、
情報処理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の情報処理システムにおいて、
前記特定ステップでは、前記プリセットキャラクタに関連付ける前記推奨特性の種類を決定する抽選を実行し、
前記推奨特性は、前記推奨度合いに応じて、前記抽選において当選さる確率変動するように構成される
情報処理システム。
【請求項10】
請求項1~請求項9の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
さらに、管理ステップでは、前記画面において前記ユーザに選択された特性を、前記キャラクタに関連付けて管理する、
情報処理システム。
【請求項11】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~請求項10の何れか1つに記載の各ステップを実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが操作者として操作するキャラクタを生成することがある。特許文献1には、携帯電話等の通信端末装置の表示部に表示されるキャラクタを作成するサービスを提供する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-091644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、キャラクタの作成に際して、様々な要素をユーザが自由に決定可能な場合がある。この場合、ユーザは自身が作成したキャラクタに対して愛着を持ちやすい一方、キャラメイクの作成にあたり様々な選択をする必要があるため、ユーザに負担がかかることがあった。
【0005】
本開示では上記事情を鑑み、キャラクタ作成における利便性向上を支援する技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、特定ステップと、表示ステップと、管理ステップとを実行するように構成される。特定ステップでは、参照情報に基づいて、ユーザと関連付けられるキャラクタに設定可能な複数の特性のうちユーザに推奨される特性である推奨特性を特定する。参照情報は、ユーザのユーザ情報に基づいて特定される、仮想空間またはユーザに関連付けられた現実空間の位置における特性の多様性に関する情報を含む。表示ステップでは、推奨特性を含む、複数の特性のうちの少なくとも1つを、ユーザと関連付けられるキャラクタの特性として選択可能な画面を表示させる。画面では、特定された推奨特性がユーザに認識可能に表示される。管理ステップでは、画面においてユーザに選択された特性を、キャラクタに関連付けて管理する。
【0007】
本開示によれば、キャラクタ作成における利便性向上を支援する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係る情報処理装置2のうち、制御部23の機能構成を示すブロック図である。
図3】情報処理システム1によって実行される情報処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。
図4】特性5の一例を示すイメージ図である。
図5】特性5の多様性に関する情報の一例を示すイメージ図である。
図6】推奨特性51の種類を決定する抽選結果の一例を示すイメージ図である。
図7】キャラクタCを作成可能な画面100の一例を示すイメージ図である。
図8】キャラクタCの形態を決定する画面200の一例を示すイメージ図である。
図9】特性5を設定する画面300の一例を示すイメージ図である。
図10】特性5が互いに類似するキャラクタCの一例を示すイメージ図である。
図11】画面100の変形例を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ゲームの説明
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示す情報処理システム1では、情報処理装置2および複数のゲーム装置3が通信ネットワーク11を介して互いに通信可能に接続され、ゲーム装置3においてゲームが実行される。
【0014】
本実施形態に係るゲームは、情報処理システム1にて実行されるオンラインのゲームである。このゲームでは、ゲーム装置3のユーザは、1または複数のプレイヤキャラクタPCを仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタPCを、ノンプレイヤキャラクタNPCである敵キャラクタECと対戦させたりする。また、キャラクタCは、オブジェクトの一例である。
【0015】
上記のようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などの電子機器であるゲーム装置3を用いて実行される。
【0016】
2.情報処理システム1の概要
図1に示されるように、情報処理システム1は、情報処理装置2および複数のゲーム装置3にて構成される。情報処理装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置3の(下記のアカウント情報ごとの)ゲームデータの管理を行う。情報処理装置2は、例えばサーバにより構成される。複数のゲーム装置3それぞれは、互いに同じ構成を有する。なお、本実施形態において、システムとは、1つまたはそれ以上の装置または構成要素からなるものである。したがって、例えば後述の情報処理装置2やゲーム装置3単体であっても情報処理システム1の一例となりうる。
【0017】
ゲーム装置3は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置3は、通信ネットワーク11を介して、情報処理装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置3に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置3から情報処理装置2に送信され、情報処理装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0018】
ユーザ認証を経て、情報処理装置2とゲーム装置3との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置3は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)を情報処理装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ4aおよびスピーカ4bに出力しながら、ゲームを進行させる。
【0019】
2.1 ハードウェア構成
以下、図1を参照して、情報処理システム1の各ハードウェア構成について説明する。
【0020】
<情報処理装置2>
図1に示されるように、情報処理装置2は、通信部21、記憶部22および制御部23を有する。通信部21および記憶部22は、通信バス20を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0021】
通信部21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク11を介して各ゲーム装置3と通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。情報処理装置2が通信部21を介して受信する主な情報としては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの抽選要求、クエスト実行要求、オートプレイの実行/終了の要求、アカウント情報、ゲームデータなどが挙げられる。情報処理装置2が通信部21を介して送信する主な情報としては、ゲームプログラムをゲーム装置3が受信したことを確認するための情報、ガチャにて得られたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
【0022】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるゲームプログラムの一部を含む各種プログラムやゲームに関する各種データなどが記憶されている。
【0023】
具体的には例えば、記憶部22は、ユーザDBや抽選リストなどを記憶している。ユーザDBには、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ユーザ名、ユーザランク、ユーザが操作するプレイヤキャラクタPCに関するステータス等の情報、仮想ゲーム空間内にて使用可能な消費媒体の額、パラメータPに関する情報などが、対応付けられて記憶されている。抽選リストは、一般にガチャと呼ばれる抽選処理に用いるものであって、選択対象となるゲーム媒体に関する情報を複数含む。抽選リストには、ゲーム媒体に関する情報(名称、能力パラメータAP、レアリティ、レベルなど)と、抽選による選択割合とが、対応づけられている。また能力パラメータAPとは、例えば、ゲーム媒体がプレイヤキャラクタPCの場合、戦力、HP、攻撃力、防御力、賢さ、または速さなどを含む。
【0024】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置である情報処理装置2の動作を制御する。特に、制御部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置である情報処理装置2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0025】
制御部23によって実行される情報処理として、例えば、課金の決済処理、ユーザアカウントの認証処理、ガチャの抽選選択処理などが挙げられる。課金の決済処理は、例えばゲーム中のパラメータPを所定量回復するために必要な課金の要求に基づいて実行される。ユーザアカウントの認証処理は、例えばゲーム装置3から受信したユーザの識別情報を用いて実行される。ガチャの抽選選択処理は、ガチャの抽選要求に伴って、抽選リストの中から、ゲーム媒体ごとの選択確率に基づいて1以上のゲーム媒体を抽選により選択する処理である。ガチャの抽選選択処理によれば、選択したゲーム媒体に関する情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とが、ユーザDBにて関連付けられ、これにより、当該ユーザには、自身でガチャを引いた結果当選したゲーム媒体が付与される。
【0026】
ここで、上記をさらに補足すると、「ゲーム媒体」とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、プレイヤキャラクタPCとして使用するキャラクタCの名称、プレイヤキャラクタPCが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具、道具)などが含まれる。ユーザは、ゲーム媒体を、課金による直接購入やクエストクリアの他、ガチャと呼ばれる抽選方法によって入手することができる。入手したゲーム媒体は、そのゲーム媒体を所有することとなったユーザの識別情報と対応づけて、ユーザDBに記憶され管理される。さらに、「ガチャ」とは、情報処理装置2にて、抽選リストの中から、所定の選択割合に基づき任意のゲーム媒体を抽選により選択する方法である。選択された任意のゲーム媒体は、ユーザのゲーム装置3に付与される。「ガチャで選択したゲーム媒体を、ユーザに付与する/ユーザが所有する」とは、「抽選処理で選択されたゲーム媒体を、ユーザを示す識別情報と関連づける/関連づけられている」ことと同義である。
【0027】
<ゲーム装置3>
ゲーム装置3には、ディスプレイ4a、スピーカ4bおよび入力デバイス4cが外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置3は、通信部31、記憶部32、制御部33、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cを有する。通信部31、記憶部32、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cは、通信バス30を介して制御部33と電気的に接続されている。
【0028】
通信部31は、ゲーム装置3と情報処理装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク11に通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。ゲーム装置3が通信部31を介して受信する主な情報としては、アカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、ガチャ実行要求、クエスト実行要求などが挙げられる。ゲーム装置3が通信部31を介して送信する主な情報としては、ダウンロード要求情報に応じて情報処理装置2から送られてきた新たなゲームデータ、抽選処理により選択されたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
【0029】
記憶部32は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部32には、情報処理装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置であるゲーム装置3のアカウント情報、ユーザ情報61などが格納されている。なお、ユーザ情報61は、情報処理装置2の記憶部22で記憶するユーザDBの少なくとも一部の情報である。ユーザDBでユーザ情報61のマスタを管理し、ゲーム装置3の記憶部32は、このマスタの少なくとも一部の情報が情報処理装置2から配信され、これを記憶する。
【0030】
制御部33は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置であるゲーム装置3の動作を制御する。特に、制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置であるゲーム装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0031】
特に、制御部33は、自装置であるゲーム装置3のユーザによる入力デバイス4cの操作に従って、ゲームを実行するように構成される。具体的には、制御部33は、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部32から読み出すか、または情報処理装置2から受信したデータを用いて、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部34aによって処理されることにより、ディスプレイ4aには処理後のゲーム画像が逐次表示される。換言すると、制御部33は、ゲームの実行にあたり、自装置であるゲーム装置3のユーザの操作などに応じてディスプレイ4aの表示制御およびスピーカ4bの音声出力制御を行うように構成される。
【0032】
グラフィック処理部34aは、制御部33から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタCおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部34aは、例えば液晶型であるディスプレイ4aと接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ4a上に表示される。オーディオ処理部34bは、スピーカ4bと接続され、制御部33の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ4bから出力させる。操作部34cは、入力デバイス4cと接続され、操作入力に関するデータを入力デバイス4cとの間で送受信する。ユーザは、入力デバイス4cを操作することで、ゲーム装置3に操作信号を入力する。なお、入力デバイス4cは、ディスプレイ4aと一体化されたタッチパネル、外付けのゲームパッド、マウスやキーボード等の総称である。
【0033】
2.2 機能構成
次に、情報処理装置2の制御部23の各機能構成について説明する。ここで、本実施形態に係るシステムは、情報処理システム1により実現され、特に制御部23により実現される。
【0034】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置2のうち、制御部23の機能構成を示すブロック図である。制御部23は、記憶部22に記憶された各種プログラムを実行することにより、受付部231と、特定部232と、イベント制御部233と、表示制御部234(表示部)と、管理部235として機能する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部として実行されうる。
【0035】
受付部231は、受付ステップを実行可能に構成される。受付ステップにおいて、受付部231は、通信部21または記憶部22を介して情報を受け付け、これを作業メモリに読出可能に構成される。特に、受付部231は、通信ネットワーク11および通信部21を介して種々の情報を受け付けるように構成される。本実施形態では、受付部231が受け付けた種々の情報は、記憶部22に記憶されるものとして説明する。
【0036】
特に、受付部231は、入力デバイス4cを介して行われたユーザによる操作指示を受け付け可能に構成される。操作指示は、所定のコマンド操作による動作指示や、ディスプレイ4aに表示されたボタンBの押下による操作指示を含む。受付部231は、キャラクタCの移動、攻撃、防御、アイテムの使用、魔法の使用、体力回復その他の行動を指示する指示を受け付ける。
【0037】
特定部232は、特定ステップを実行可能に構成される。特定ステップにおいて、特定部232は、複数の特性5の中から所定の条件を満たした特性5を推奨特性51として特定する。また、特定部232は、特定された推奨特性51の推奨度合いをさらに特定する。また、特定部232は、抽選処理を実行することにより、推奨特性51のうち、プリセットキャラクタCaに関連付ける推奨特性51を特定する。
【0038】
イベント制御部233は、イベント制御ステップを実行可能に構成される。イベント制御ステップにおいて、イベント制御部233は、イベントの進行を制御する。イベント制御部233は、キャラクタCを制御してゲームイベントおよびキャラメイクイベントを進行可能に構成される。
【0039】
表示制御部234は、表示ステップを実行可能に構成される。表示ステップにおいて、表示制御部234は、記憶部32に記憶された種々の情報またはこれらを含む画面1000等を、ゲーム装置3で視認可能な態様で表示させる。具体的には、表示制御部234は、画面1000、画像、アイコン、メッセージ等の視覚情報を、ゲーム装置3のディスプレイ41aに表示させるように制御する。表示制御部234は、視覚情報をゲーム装置3に表示させるためのレンダリング情報だけを生成するものであってもよい。
【0040】
管理部235は、イベント制御ステップを実行可能に構成される。管理ステップにおいて、管理部235は、複数の情報を対応付けて記憶部32に記憶させることで、複数の情報を管理する。
【0041】
3.種々の情報と用語の説明
本節では、情報処理システム1によって扱われる種々の情報、用語等について説明する。
【0042】
情報処理システム1において提供されるゲームは、ユーザがプレイする主たるパートであるインゲーム(例えば、対戦ゲーム等)と、インゲームをプレイするにあたっての準備や待機等を担うパートであるアウトゲームとを含む。また、以下において、アウトゲームの一例として、対戦ゲーム以外のゲームパートを取り上げるものとする。ユーザは、アウトゲームにおいて、自身が操作するキャラクタCを生成したり、仮想空間上でゲーム内通貨を使用して買い物をしたりすることができる。また、ユーザは、例えば、キャラクタCを操作して、インゲームにおいて敵キャラクタECと対戦可能である。
【0043】
ここで、キャラクタCは、ユーザの操作に基づいて、仮想空間内で区分された複数の領域のうち少なくとも1つに配置される。例えば、複数の仮想国家からなる世界が仮想空間上で形成されている場合、キャラクタCは、その仮想国家のうちいずれか領域に配置される。仮想空間は、例えば、城、街、住宅地、田畑、森、洞窟、川、海など、現実世界と同様の構成を含み、各々が仮想空間内で区分されて管理される。また、仮想空間は、空中都市、海中都市等を含んでもよい。仮想空間は、国家により区分されず、農業地帯、工業地帯、乾燥地帯、湿潤地帯、豪雪地帯、紛争地帯等、気候や産業等により区分されるものであってもよい。また、仮想空間は、それ自体が街、都市等、国家より小さな規模であってもよい。
【0044】
本実施形態における仮想空間では、仮想国家それぞれが独自の気候、文化、風土、言語、思想等を有し、それぞれ異なる種族のノンプレイヤキャラクタNPCが住民として配置される。かかる仮想空間におけるいずれかの領域上で、ユーザは、キャラクタCを操作して、移動、買い物、戦闘等、任意のアクションを実行させることができるものとする。また、本実施形態における仮想空間内では、ノンプレイヤキャラクタNPCに加えて、他のユーザによってそれぞれ操作された複数のプレイヤキャラクタPCが配置され得るものとする。
【0045】
なお、以下において、説明上の主たるユーザであって、キャラクタCの作成を行うユーザを第1ユーザと称し、これ以外の他のユーザを第2ユーザと称する。また、本実施形態に係るゲームの利用者全体を総称して「利用ユーザ」と称するものとする。すなわち、利用ユーザは、第1ユーザと、第2ユーザとを含む。さらに、第1ユーザによって作成され、操作されるプレイヤキャラクタPCを第1キャラクタC1と称する。第2ユーザによって操作されるプレイヤキャラクタPCまたはノンプレイヤキャラクタNPCを第2キャラクタC2と称することとする。
【0046】
4.情報処理システム1の動作
本節では、前述した情報処理システム1の動作の流れについて説明する。好ましい態様の一例として、ユーザがゲームを進めるためのキャラクタCを作成する場面を例に挙げて説明する。
4.1 情報処理の概要
まず、情報処理システム1によって実行される情報処理の流れについて概説する。
【0047】
<キャラクタCの作成>
図3は、情報処理システム1によって実行される情報処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。以下、このアクティビティ図に沿って、情報処理の流れを概説する。
【0048】
まず、第1ユーザは、ディスプレイ41aに表示された不図示の画面1000において、入力デバイス4cを用いてキャラクタCの作成指示を送信する。受付部231が作成指示を受信すると、イベント制御部233は、キャラクタCを作成するキャラメイクイベントを開始する(A101)。
【0049】
次いで、特定部232は、記憶部32に記憶された参照情報6を参照する。参照情報6は、第1ユーザのユーザ情報61を含む。ユーザ情報61は、第1ユーザに、位置情報、居住地情報等が関連付けられた情報を含む。
【0050】
また、参照情報6は、特性5に関する統計情報を含む。特性5に関する統計情報とは、所定の位置または領域ごとに、特性5を集計した情報である。特に、参照情報6は、現実空間の位置における特性5の多様性に関する情報を含む。現実空間の位置における特性5の多様性に関する情報としては、利用ユーザを含む現実世界の人々の現在位置、居住地等が属する領域における特性5の分布、動態に関する情報が含まれる。具体的には、各大陸(ユーラシア大陸、アフリカ大陸、北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、オーストラリア大陸、南極大陸)、各大州(アジア、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、オセアニア)、国、州、都道府県、市町村など、各領域それぞれの居住者の特性5に関する統計情報等である。
【0051】
また、参照情報6には、第1ユーザのユーザ情報61に基づいて特定される、第1ユーザに関連付けられた現実空間の位置における特性5の多様性に関する情報が含まれる。特に、参照情報6には、第1ユーザの位置情報と、その位置における特性5の多様性に関する情報が含まれる。例えば、第1ユーザがAAA地域に位置する場合、第1ユーザに関連付けられた現実空間の位置における特性5の多様性に関する情報とは、AAA地域における特性5の多様性に関する情報を示す。
【0052】
さらに、参照情報6には、第1ユーザのユーザ情報61に基づいて特定される、第1ユーザとは異なる他のユーザである第2ユーザに関連付けられた第2キャラクタC2の特性5の多様性に関する情報が含まれる。例えば、第1ユーザがAAA地域に位置する場合、第2キャラクタC2の特性5の多様性に関する情報とは、第2キャラクタC2に関連付け可能な各特性5について、AAA地域に位置する第2ユーザに係る第2キャラクタC2に関連付けられた割合を示す。また、参照情報6は、第1ユーザが位置する地域に限らず、第1ユーザがプレイ可能な仮想空間における全ての第2ユーザに係る第2キャラクタC2に関連付けられた特性5を示す統計情報であってもよい。第1ユーザがプレイ可能な仮想空間は、その時点で第1ユーザが到達したことがある仮想空間における地域であってもよいし、未到達の地域であってもよい。即ち、参照情報6は、第1ユーザが到達し得る仮想空間の全ての地域における第2キャラクタC2の特性5に関する統計情報であってもよい。以下、特性5が関連付けられ得るキャラクタCおよび利用ユーザを含む現実世界の人々を総称して、特性付属対象とよぶことがある。
【0053】
さらに、参照情報6は、第1ユーザのユーザ情報61に基づいて特定される、仮想空間の位置における特性5の多様性に関する情報を含む。仮想空間の位置における特性5の多様性に関する情報とは、キャラクタCが配置された仮想空間内の各領域における特性5の多様性に関する情報を示す。具体的には、仮想空間の位置における特性5の多様性に関する情報は、キャラクタCに関連付けられた特性5の現時点における利用数62または利用率63を、そのキャラクタCが配置された仮想空間内の領域ごとに区分して算出された情報である。例えば、第1キャラクタC1が仮想の街であるBBB街に位置する場合、特性5の多様性に関する情報は、キャラクタCに設定可能な全ての特性5について、それぞれBBB街に位置する他のキャラクタCそれぞれに関連付けられた割合を示す。例えば、特性5の一例である種5aがBBB街に位置する全てのキャラクタCに関連付けられている場合、その利用率63は100%となる。一方、種5aがBBB街に位置するキャラクタCの合計うち、半数に関連付けられている場合、その利用率63は50%となる。このように、参照情報6には、仮想空間内または現実世界の各領域それぞれに関連付けられた情報が含まれる。
【0054】
なお、本実施形態では、参照情報6に含まれるこれらの各種情報のうち、第1ユーザのユーザ情報61に基づいて特定される、第2ユーザに関連付けられた第2キャラクタC2の特性5の多様性に関する情報を参照する場合を例に説明する。具体的には、特定部232は、第1ユーザのユーザ情報61に基づいて、第1ユーザの現在位置を特定する(A102)。例えば、第1ユーザがAAA地域に位置するものとする。このとき、特定部232は、AAA地域に位置する第2ユーザを特定する(A103)。
【0055】
また、特定部232は、特定した第2ユーザに関連付けられた第2キャラクタC2の特性5を参照する(A104)。さらに、特定部232は、キャラクタCに関連付け可能な特性5の全てまたは一部について、第2キャラクタC2に関連付けられた数を特性5毎に参照する。そして、特定部232は、キャラクタCに設定可能な特性5それぞれの利用率63を参照する(A105)。このように、特定部232は、第2ユーザに関連付けられた第2キャラクタC2の特性5の多様性に関する情報を参照する。つまり、特定部232は、特性5の多様性に関する情報を参照して、キャラクタCに設定可能な特性5それぞれについて、第2キャラクタC2の特性5として利用された割合を特定する。
【0056】
次いで、特定部232は、利用率63が閾値以下の特性5を、推奨特性51として特定する(A106)。閾値以下とは、具体的には例えば、0,0.1,0.2,0.3,0.4,0.5,0.6,0.7,0.8,0.9,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30%以下であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。このように、特定部232は、参照情報6に基づいて、ユーザと関連付けられるキャラクタCに設定可能な複数の特性5のうちユーザに推奨される特性5である推奨特性51を特定する。
【0057】
特定部232は、プリセットキャラクタCaに関連付ける推奨特性51の種類を決定する抽選を実行する(A107)。例えば、特定された推奨特性51が18種類であって、プリセットキャラクタCaに関連付ける推奨特性51の数は予め5種類に設定されているものとする。このとき、特定部232は、特定された18種類の推奨特性51に対して抽選を実行し、このうち5種類をプリセットキャラクタCaに関連付ける推奨特性51として決定する。
【0058】
続いて、イベント制御部233は、ユーザがキャラクタC作成の基礎とするキャラクタCの候補として、プリセットキャラクタCaを作成する。プリセットキャラクタCaとは、キャラクタCの作成に必要な各項目が予め設定されているキャラクタCである。このとき、イベント制御部233は、推奨特性51が関連付けられたプリセットキャラクタCaを作成する(A108)。具体的には、イベント制御部233は、推奨特性51のうち少なくとも一つが関連付けられたプリセットキャラクタCaを、少なくとも一つ作成する。つまり、プリセットキャラクタCaのうち少なくとも1つは、推奨特性51が関連付けられている。
【0059】
表示制御部234は、複数のプリセットキャラクタCaを含むキャラクタCを作成する画面100を表示させる(A109)。具体的には、表示制御部234は、画面100において、予め特性5がプリセットされた、複数のプリセットキャラクタCaを表示させる。このとき、画面100では、特定された推奨特性51がユーザに認識可能に表示される。具体的には、表示制御部234は、推奨特性51が関連付けられたプリセットキャラクタCaを少なくとも一つ表示させる。かかる画面100において、ユーザは、好みのプリセットキャラクタCaを選択することができる。
【0060】
ユーザによってプリセットキャラクタCaのうちいずれか一つが選択されると、イベント制御部233は、複数のプリセットキャラクタCaのうち、ユーザによって選択されたプリセットキャラクタCaをベースキャラクタCbとして決定する(A110)。
【0061】
次いで、表示制御部234は、ベースキャラクタCbをもとに、ユーザがキャラクタCの作成に必要な複数の項目iを選択可能な画面200を表示させる。本画面において、ユーザは、ベースキャラクタCbの形態を構成するパーツを変更したり、新たな特性5などの要素を追加することで、キャラクタCを作成するために詳細な項目iを編集可能である。
【0062】
受付部231は、ユーザから、上述した項目iの指定を受け付ける(A111)。このとき、ユーザは、キャラクタC自体、またはキャラクタCの形態に対応付ける特性5を、推奨特性51を含む複数の特性5の中から任意に選択可能である。換言すると、表示制御部234は、推奨特性51を含む、複数の特性5のうちの少なくとも1つを、ユーザと関連付けられるキャラクタCの特性5として選択可能な画面100を表示させる。なお、ベースキャラクタCbに対応付けられた項目iに変更を加えず、ベースキャラクタCbをそのまま自己のキャラクタCとする場合、A113にスキップしてキャラクタC作成を終了する。
【0063】
ユーザによって特性5の選択が行われた場合、受付部231は、かかる選択に係る情報を受け付ける(A112)。そして、管理部235は、画面100においてユーザに選択された特性5を、キャラクタCに関連付けて管理する。このように、特性5は、ユーザの選択に基づき決定され、そのユーザに対応するキャラクタCに対応付けられる。
【0064】
その後、受付部231がユーザの操作に基づき、全ての項目iに関する指定が終了した旨の選択を受け付けると、イベント制御部233は、キャラクタCの作成および編集を終了させる(A113)。そして、管理部235は、完成したキャラクタCを、ユーザに対応付けて管理させる。
【0065】
なお、ユーザは、キャラクタCの作成後に特性5を変更することが可能である。この際、キャラクタCのパラメータPは変更されない。なおこの場合、表示制御部234は、キャラクタCの作成後において、キャラクタCの特性5を変更可能な画面1000を表示させるものとする。
【0066】
<まとめ>
以上をまとめると、本実施形態に係る情報処理システム1は、次の各構成要素を備える。特定部232は、参照情報6に基づいて、ユーザと関連付けられるキャラクタCに設定可能な複数の特性5のうちユーザに推奨される特性5である推奨特性51を特定する。参照情報6は、ユーザのユーザ情報61に基づいて特定される、仮想空間またはユーザに関連付けられた現実空間の位置における特性5の多様性に関する情報を含む。表示制御部234(表示部)は、推奨特性51を含む、複数の特性5のうちの少なくとも1つを、ユーザと関連付けられるキャラクタCの特性5として選択可能な画面100を表示させる。画面100では、特定された推奨特性51がユーザに認識可能に表示される。管理部235は、画面100においてユーザに選択された特性5を、キャラクタCに関連付けて管理する。
【0067】
また、別の態様によれば、本実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、各ステップを実行させる。特定ステップでは、参照情報6に基づいて、ユーザと関連付けられるキャラクタCに設定可能な複数の特性5のうちユーザに推奨される特性5である推奨特性51を特定する。参照情報6は、ユーザのユーザ情報61に基づいて特定される、仮想空間またはユーザに関連付けられた現実空間の位置における特性5の多様性に関する情報を含む。表示ステップでは、推奨特性51を含む、複数の特性5のうちの少なくとも1つを、ユーザと関連付けられるキャラクタCの特性5として選択可能な画面100を表示させる。画面100では、特定された推奨特性51がユーザに認識可能に表示される。管理ステップでは、画面100においてユーザに選択された特性5を、キャラクタCに関連付けて管理する。
【0068】
さらに、別の態様によれば、本実施形態に係る情報処理装置2が実行する情報処理方法は、次の各ステップを備える。特定ステップでは、参照情報6に基づいて、ユーザに関連付けられるキャラクタCに設定可能な複数の特性5のうちユーザに推奨される特性5である推奨特性51を特定する。参照情報6は、ユーザのユーザ情報61に基づいて特定される、仮想空間またはユーザに関連付けられた現実空間の位置における特性5の多様性に関する情報を含む。表示ステップでは、推奨特性51を含む、複数の特性5のうちの少なくとも1つを、ユーザと関連付けられるキャラクタCの特性5として選択可能な画面100を表示させる。画面100では、特定された推奨特性51がユーザに認識可能に表示される。管理ステップでは、画面100においてユーザに選択された特性5を、キャラクタCに関連付けて管理する。
【0069】
このような態様によれば、情報処理システム1は、ユーザがキャラクタCの作成をする際、ユーザに対して、推奨される特性5を認識可能に表示させる。これにより、キャラクタ作成における利便性向上を支援する技術を提供することができる。同時に、人種やジェンダーアイデンティティ5b2等の多様性の尊重に寄与し、持続可能な開発目標(SDGs)の目標5である「ジェンダー平等を実現しよう」の達成に貢献することができる。
【0070】
特に、イベント制御部233は、特性5の多様性に関する情報に基づき、キャラクタCに設定可能な特性5のうち、他のユーザにあまり利用されていない特性5が関連付けられたプリセットキャラクタCaを優先的に作成する。これにより、推奨特性51がユーザに選択されやすくなる。その結果、作成されたキャラクタCが配置された仮想空間において、より多様な特性5のキャラクタCが作成されることが期待される。
【0071】
4.2 情報処理の詳細
上記概説された情報処理の詳細部分を、図を用いて説明する。
【0072】
ここで、特性5は、複数の種類を含む。例えば、特性5は、分類(種族、種別、人種等)、生態(活動地域、主な活動時間帯等)、アイデンティティ5b(エスニックアイデンティティ5b1、ジェンダーアイデンティティ5b2等)、身体的ハンディキャップ、疾患等を含む。特性5がキャラクタCに関連付けられ得る場合、特性5は、キャラクタCの分類(種族、種別、人種等)と、キャラクタC自身のアイデンティティ5b(エスニックアイデンティティ5b1、ジェンダーアイデンティティ5b2等)と、身体的ハンディキャップと、キャラクタCが患う疾患と、生態(活動地域、主な活動時間帯等)とのうち少なくとも1つを示す。また、これらの特性5は、クエスト等のイベントを進行させる際に参照される、キャラクタCに関連付けられるパラメータPに影響を与えない身体的または心理的な特性5である。このように、特性5は、パラメータPに影響を与えない形で、プレイヤキャラクタPCおよびノンプレイヤキャラクタNPCを含むキャラクタCに対応付けられ得る。
【0073】
図4は、特性5の一例を示すイメージ図である。図4の例では、キャラクタCに設定可能な特性5の一例として、種5aおよびアイデンティティ5bが示される。表示制御部234は、特性5それぞれについて、例えば、2~50種類の中から少なくとも一つをユーザが選択可能に表示させる。具体的には例えば、2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24,26,28,30,32,34,36,38,40,42,44,46,48,50種類であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。そして、ユーザは、これらの特性5の中から、好みの特性5をキャラクタCに設定可能である。
【0074】
本実施形態において、身体的ハンディキャップとは、特性付属対象の形態について、先天的または後天的に機能の全てまたは一部に制限を受けた状態をいい、かかる形態のうち少なくとも一つまたはその一部を有しない場合を含む。また、疾患とは、特性付属対象の心または身体について何らかの不調、不都合等が生じた状態をいう。
【0075】
図5は、特性5の多様性に関する情報の一例を示すイメージ図である。図5の例では、AAA地域に位置する第2ユーザに関連付けられた第2キャラクタC2に係る特性5の多様性に関する情報の一例が示される。図5では、特性5の一種である種5aおよびアイデンティティ5bについて、それぞれ利用数62および利用率63が示される。例えば、種5aの一種である「RA」は、AAA地域に位置する第2ユーザに関連付けられた1,000,000の全ての第2キャラクタC2のうち、1,000の第2キャラクタC2に関連付けられていることが示される。また、AAA地域における「RA」の利用率63は、0.1%であることが示される。また、アイデンティティ5bの一種である「IA1a」は、AAA地域に位置する第2ユーザに関連付けられた全第2キャラクタC2のうち、300,000の第2キャラクタC2に関連付けられていることが示される。また、AAA地域における「IA1a」の利用率63は、30%であることが示される。このように、特性5の多様性に関する情報には、キャラクタCに設定可能な特性5それぞれの利用状況を示す情報が含まれる。
【0076】
ここで、推奨特性51として特定される条件が、種5aについては1%以下、アイデンティティ5bについては10%以下に設定されているものとする。このとき、A106において、特定部232は、図5で示される種5aの一例(「RA」、「RB」、「RC」、「RD」および「RE」)のうち、利用率63が1%以下である「RA」、「RB」および「RD」を推奨特性51に特定する。特定部232は、図5で示されるアイデンティティ5bの一例(「IA1a」、「IA1b」、「IB2a」、「IB2b」および「IB2c」)のうち、利用率63が10%未満である「IB2a」、「IB2b」および「IB2c」を推奨特性51として特定する。
【0077】
図6は、推奨特性51の種類を決定する抽選結果の一例を示すイメージ図である。図6では、種51aおよびアイデンティティ51bについて、プリセットキャラクタCaに関連付ける推奨特性51をそれぞれ1種類ずつ抽選する場合の例が示される。A107において、特定部232は、推奨特性51に決定された種51a(「RA」、「RB」および「RD」)と、推奨特性51に決定されたアイデンティティ51b(「IB2a」、「IB2b」および「IB2c」)とについて、それぞれ1つを抽選により選択する。図6では、「RA」がプリセットキャラクタCaに関連付ける種51aとして決定されるとともに、「IB2b」がプリセットキャラクタCaに関連付けるアイデンティティ51bとして決定された場合の例が示される。
【0078】
図7は、キャラクタCを作成可能な画面100の一例を示すイメージ図である。表示制御部234は、それぞれ外見の少なくとも一部が異なる複数のプリセットキャラクタCaを含む画面100を表示させる。画面100に表示させるプリセットキャラクタCaは、具体的には例えば、2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24,26,28,30,32,34,36,38,40,42,44,46,48,50種類であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。図7の例において、表示制御部234は、それぞれ異なる形態である8種類のプリセットキャラクタCa(プリセットキャラクタCa1、プリセットキャラクタCa2、プリセットキャラクタCa3、プリセットキャラクタCa4、プリセットキャラクタCa5、プリセットキャラクタCa6、プリセットキャラクタCa7およびプリセットキャラクタCa8)を表示させる。
【0079】
このとき、ユーザによってプリセットキャラクタCa41(プリセットキャラクタCa4)が選択されたものとする。この場合、表示制御部234は、プリセットキャラクタCa41を拡大させたプリセットキャラクタCa42(プリセットキャラクタCa4)を表示させる。そして、プリセットキャラクタCa4が選択された状態でユーザによりボタンB1が押下されると、表示制御部234は、画面1000を画面100から画面200に遷移させる。このように、ユーザは、表示されたプリセットキャラクタCaの中から自身が作成するキャラクタCのイメージに最も近いプリセットキャラクタCaを選択可能である。
【0080】
ここで、表示制御部234は、画面100において、推奨特性51をユーザに認識可能に表示させる。具体的には、表示制御部234は、プリセットキャラクタCaに関連付けるアイデンティティ51bとして決定された前述の「IB2b」が、プリセットキャラクタCa4に設定されていることを示す情報を表示させる。図7の例では、画面100に特性表示欄101が設けられており、表示制御部234は、この特性表示欄101において、「IB2b」を表示させる。
【0081】
図8は、キャラクタCの形態を決定する画面200の一例を示すイメージ図である。図8で示されるように、表示制御部234は、ユーザに選択されたベースキャラクタCbとともに、表示制御部234は、キャラクタCの形態を構成する複数の項目iをユーザが選択可能に表示させる。身体的特徴を表す項目iの例として、頭i1、肌i2、顔i3、眉i4、目i5、鼻i6、口i7、ひげi8、化粧i9、手i10、足i11、尻尾i12が示される。なお、これ以外の項目iの例としては、身長(全長)、体重、性別、体格(骨格)、肩幅、筋肉量、脂肪量、手、足、歯、爪、髪、えら、ひれ、鱗、表皮、尻尾、羽などのパーツの形、色、大きさ、質感等が挙げられる。
【0082】
また、図8の例において、表示制御部234は、ユーザによる編集操作に応じてベースキャラクタCbの表示態様を変化させる。これにより、ユーザは、現時点のキャラクタCの外見を確認しながら、項目iを編集可能である。受付部231がユーザによるボタンB2の押下を受け付けると、表示制御部234は、項目iの選択を終了したものとして、画面1000を画面200から画面300に遷移させる。
【0083】
図9は、特性5を設定する画面300の一例を示すイメージ図である。図9で示されるように、表示制御部234は、キャラクタCに対応付ける特性5を選択可能に表示させる。ユーザは、キャラクタCの形態だけでなく、キャラクタCの種5a、アイデンティティ5b、習性、活動性向、疾患等の特性5を選択することができる。
【0084】
受付部231がユーザによるボタンB3の押下を受け付けると、表示制御部234は、キャラクタCの作成が終了したものとして画面1000を遷移させる。一方、形態の再選択を所望するユーザによるボタンB4の押下を受付部231が受け付けた場合、表示制御部234は、画面1000を遷移させて図8で示される画面200を再度表示させる。
【0085】
[その他]
前述の実施形態に係る情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0086】
特性5は、キャラクタCの形態を構成するパーツの少なくとも1つに関連付けられた情報に基づき決定され、そのキャラクタCに対応付けられてもよい。このとき、ユーザは、キャラクタCの形態を構成する各パーツに対応付ける特性5を複数の特性5の中から任意に選択可能である。また、ハンディキャップは、何らかの条件によって一時的に発生するものである場合を含む。例えば、ユーザは、任意のハンディキャップを魚類であるキャラクタCの下半身に対応付けて、陸上を移動する際の歩行に支障が出るという身体的ハンディキャップが発現するように設定可能である。
【0087】
また、疾患は、慢性的なもののみならず、予め設定した条件を満たした場合に一時的に発現するものである場合を含む。予め設定した条件は、例えば、時期的条件、環境的条件であり、キャラクタC自身または他のキャラクタCによって所定の行動が実行されることを含む。時期的条件とは、期間に応じて特性5の発生可否が決定される条件である。例えば、春夏秋冬や季節に依存する条件や、ハロウィン場等の所定のイベント期間中であるという条件である。環境的条件とは、現実世界の外部環境または仮想空間内の環境に応じて条件を満たすか否かが決定される条件である。例えば、環境的条件は、太陽下であること、新月または満月の夜であること、水中であることなどの環境要因を満たす条件である。例えば、ユーザは、夜行性の鬼であるキャラクタCに対して、太陽の光を浴びる環境に置かれた場合に所定の症状が発現するという疾患を設定可能である。
【0088】
特定部232は、特定部232は、第1ユーザの現在位置が属する地域と隣接する地域に位置する第2ユーザを特定してもよい。具体的には例えば、特定部232は、第1ユーザの現在位置が属する都道府県または国等と隣接する都道府県または国等に位置する第2ユーザを特定してもよい。
【0089】
A102において、特定部232は、第1ユーザの現在位置から所定の範囲内に位置する第2ユーザを特定してもよい。所定の範囲内とは、具体的には例えば、1,5,10,20,30,40,50,100,200,300,400,500,1000kmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内の数値を含む。
【0090】
また、特定部232は、第2ユーザの特定に際して、アクティブユーザのみを対象としてもよい。例えば、特定部232は、所定の期間内にログインが行われた第2ユーザに関連付けられた第2キャラクタC2の特性5に係る多様性に関する情報のみを参照してもよい。
【0091】
上述の実施形態では、新たにキャラクタCを作成する場合を例に示したが、本実施形態において、キャラクタCの作成後、キャラクタCの項目iや特性5の変更する場合にも適用され得る。すなわち、第1キャラクタC1を後からキャラメイクをやり直すことができる。このとき、特定部232は、第1ユーザのユーザ情報61に基づいて特定される、第1キャラクタC1の仮想空間の位置における特性5の多様性に関する情報に基づき、推奨特性51を決定してもよい。そして、表示制御部234は、決定された推奨特性51をユーザに認識可能に表示させてもよい。
【0092】
例えば、第1キャラクタC1が仮想の街であるBBB街に位置する状態で、第1キャラクタC1の項目i、特性5等の変更指示を受け付けた場合、特定部232は、BBB街に位置する他のキャラクタCの特性5を参照する。特定部232は、キャラクタCに設定可能な特性5それぞれについて、BBB街に位置する他のキャラクタCに利用された利用数62および利用率63を参照する。そして、特定部232は、かかる利用率63が閾値以下の特性5を、推奨特性51として特定する。
【0093】
また例えば、特定部232は、第1ユーザによるゲームの進捗状況、ゲームのプレイ履歴等に基づき、推奨特性51を決定してもよい。例えば、ゲームの進行に応じて、第1キャラクタC1が滞在することとなる地域が異なるとともに、地域ごとに、ノンプレイヤキャラクタNPCの特性5に共通点があるものとする。このとき、特定部232は、次に滞在予定となる仮想空間内の領域を特定する。また、特定部232は、特定された地域に配置されたノンプレイヤキャラクタNPCによる利用率63が閾値以下の特性5を、推奨特性51として特定する。なお、特定部232は、ノンプレイヤキャラクタNPCに加え、かかる領域に現時点において位置する第2キャラクタC2の特性5をさらに考慮して、利用率63を参照してもよい。
【0094】
特定部232は、第1ユーザの現在位置における、特性5の多様性に関する統計情報に基づき、推奨特性51を特定してもよい。例えば、特定部232は、かかる統計情報から参照される、第1ユーザの現在位置が属する領域の居住者の特性5と、キャラクタCに設定可能な特性5とが対応するものとする。このとき、特定部232は、現実世界の人々がもちうる特性5それぞれについて、第1ユーザに係る領域の居住者がもちうる割合が閾値以下の特性5を推奨特性51として特定してもよい。この場合、現実世界の人々がもちうる特性5のうち、いわゆるマイノリティに属する特性5が、他の特性5に優先して推奨特性51に決定されることとなる。
【0095】
なお、第1ユーザの現在位置が属する領域の居住者の特性5と、キャラクタCに設定可能な特性5とが一致しない場合、特定部232は、何らかの手段により、これらの特性5を対応付けして推奨特性51を決定してもよい。例えば、特定部232は、第1ユーザの現在位置が属する領域の居住者の特性5と、キャラクタCに設定可能な特性5とについて共通点または類似点がある特性5について、第1ユーザの現在位置が属する領域の居住者の特性5と、キャラクタCに設定可能な特性5とが対応するものとみなして推奨特性51を決定してもよい。
【0096】
特定部232は、キャラクタCに設定可能な特性5のうち、実際にキャラクタCに利用された割合が相対的に少ない特性5を推奨特性51として特定してもよい。また、特定部232は、キャラクタCの特性5として利用された特性5の数を順位付けして、順位が低い特性5を優先的に推奨特性51として決定してもよい。このように、特定部232は、上記に限らず何らかの手段により、利用ユーザに選択されていない特性5を優先的に抽出し、推奨特性51として選択する。
【0097】
なお、特定部232は、特性5の多様性に関する情報を参照する際、必ずしも第1ユーザの位置情報または居住地情報に基づかなくてもよい。例えば、特定部232は、キャラクタC作成指示の受付から遡った所定期間の間に作成されたキャラクタCに係る特性5の多様性に関する情報を参照して、推奨特性51を特定してもよい。所定期間とは、具体的には例えば、1日、1週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、1年、5年、10年であり、ここで例示した期間の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0098】
特性5の多様性に関する情報(参照情報6)は、第2キャラクタC2の特性5と類似する類似特性52の利用率63を含んでもよい。換言すると、A104において、特定部232は、第2キャラクタC2の特性5と類似する類似特性52をさらに参照してもよい。図10は、特性5が互いに類似するキャラクタCの一例を示すイメージ図である。図10の例では、種5aが温暖地帯出身の人族(RQ)である第1キャラクタC1と、砂漠地帯出身の人族(RW)である第2キャラクタC2αと、寒冷地帯出身の鳥族(RE)である第2キャラクタC2bと、寒冷地帯出身の熊族(RR)である第2キャラクタC2cとが示される。これら4つのキャラクタCの特性5はいずれも完全同一でないものの、第1キャラクタC1の種5aおよび第2キャラクタC2aの種5aは、ともに人族であるという点が共通し、互いに特性5が類似する。また、第2キャラクタC2の種5aおよび第2キャラクタC2cの種5aは、ともに出身地帯が寒冷地域である点が共通し、互いに特性5が類似する。
【0099】
このとき、特定部232は、推奨特性51の決定に際して、利用率63が閾値以下の特性5が複数ある場合、その類似特性52についても利用率63がより低い特性5を、優先して推奨特性51に決定する。また、特定部232は、キャラクタCへの利用率63が閾値以下であり、かつ、類似特性52の利用率63が低い特性5から順番に、推奨特性51に決定してもよい。このとき、特定部232は、プリセットキャラクタCaに関連付ける推奨特性51の種類を決定する抽選を行わなくてもよい。
【0100】
第2ユーザに複数のキャラクタCが関連付けられている場合、特定部232は、全ての第2キャラクタC2の特性5を参照してもよいし、第2ユーザに最も利用されているキャラクタCの特性5のみを参照してもよい。
【0101】
特定部232は、特性5の多様性に関する情報(参照情報6)に基づいて、推奨特性51ごとの推奨度合いを特定してもよい。例えば、表示制御部234は、利用数62が少ない特性5ほど、推奨度合いが大きいものとして特定する。表示制御部234は、利用率63が低い特性5ほど、推奨度合いが大きいものとして特定する。さらに、管理部235は、推奨度合いに応じて、プリセットキャラクタCaに関連付ける推奨特性51の数を変動させる。例えば、推奨度合いが閾値以上の特性5の数が閾値以上ある場合、表示制御部234は、画面100に表示される8種類のプリセットキャラクタCaのうち、推奨特性51が関連付けられたプリセットキャラクタCaの数が4種類以上となるように設定する。また、推奨特性51の推奨度合いが小さく、推奨度合いが大きい閾値以上の特性5の数が閾値以下である場合、表示制御部234は、推奨特性51が関連付けられたプリセットキャラクタCaの数が3種類以下となるように設定する。
【0102】
特定部232は、推奨特性51ごとの推奨度合いに基づき、推奨特性51の種類を決定してもよい。具体的には、特定部232は、推奨度合いが最も高い推奨特性51から順番に、プリセットキャラクタCaに関連付ける推奨特性51として特定してもよい。このとき、特定部232は、プリセットキャラクタCaに関連付ける推奨特性51の種類を決定する抽選を行わない。
【0103】
さらに、表示制御部234は、推奨度合いに応じて、プリセットキャラクタCaが表示される画面100の表示態様を変動させてもよい。例えば、表示制御部234は、推奨度合いに応じて、プリセットキャラクタCaの表示順序を変動させる。具体的には、表示制御部234は、推奨度合いが大きい推奨特性51が関連付けられたプリセットキャラクタCaを、強調表示させる。図11は、画面100の変形例を示すイメージ図である。例えば、プリセットキャラクタCaとして表示された8種類のキャラクタCのうち、プリセットキャラクタCa8に推奨度合いが最も大きい推奨特性51が関連付けられているものとする。このとき、図11に示されるように、表示制御部234は、プリセットキャラクタCaの表示順序を、上位に表示させる。なお、表示制御部234は、推奨特性51が関連付けられたプリセットキャラクタCaを、推奨度合いが大きいほど大きく表示させたり、そのプリセットキャラクタCaに対して特別なエフェクトを付加して表示させてもよい。
【0104】
さらに、管理部235は、推奨度合いに応じて、その推奨特性51を抽選に当選させる確率を変動させてもよい。具体的には、表示制御部234は、推奨度合いが高い特性5ほど、抽選に当選するように高い確率に設定し、推奨度合いが低い特性5は、当選確率を下げる。
【0105】
ベースキャラクタCbの決定後、キャラクタCに対応付ける特性5を選択可能ないずれかの画面1000において、推奨特性51のうち少なくとも一つを、おすすめの特性5として強調表示させてもよい。
【0106】
特性5の多様性に関する統計情報は、国籍ごとに特性5の統計情報を含んでもよい。特性5が現実世界の人々に係るものである場合、前述した特性5の他、生活習慣、風習等を含んでもよい。
【0107】
上述の実施形態において、説明の都合上、表示制御部234は、キャラクタCの形態の選択後に画面1000を遷移させて特性5を選択可能な画面200を表示させる例を示したが、これに限られない。例えば、表示制御部234は、キャラクタCの特性5を、キャラクタCの形態の選択と同時に選択可能な画面1000を表示させることができる。
【0108】
本実施形態では、受付部231、特定部232、イベント制御部233、表示制御部234および管理部235を、情報処理装置2の制御部23によって実現される機能部として説明しているが、この少なくとも一部を、ゲーム装置3の制御部33によって実現される機能部として実施してもよい。
【0109】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理システムにおいて、前記特性は、前記キャラクタの人種と、ジェンダーアイデンティティと、身体的ハンディキャップと、前記キャラクタが患う疾患とのうち少なくとも1つを示す、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記特性は、前記キャラクタに関連付けられるパラメータに影響を与えない身体的または心理的特性で、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記参照情報は、前記ユーザとは異なる他のユーザに関連付けられたキャラクタの特性と、前記特性と類似する類似特性の利用率とのうち少なくとも1つを含む、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記キャラクタは、前記ユーザの操作に基づいて、仮想空間内で区分された複数の領域のうち少なくとも1つに配置され、前記参照情報は、前記領域それぞれに関連付けられた情報を含む、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記参照情報は、前記ユーザの位置情報と、その位置における前記特性の多様性に関する情報とを含む、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記表示ステップでは、前記画面において、予め前記特性がプリセットされたプリセットキャラクタを表示させ、前記プリセットキャラクタのうち少なくとも1つは、前記推奨特性が関連付けられている、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記特定ステップでは、前記参照情報に基づいて、前記推奨特性ごとの推奨度合いを特定し、前記表示ステップでは、前記推奨度合いに応じて、前記プリセットキャラクタが表示される前記画面の表示態様を変動させる、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記特定ステップでは、前記プリセットキャラクタに関連付ける前記推奨特性の種類を決定する抽選を実行し、前記管理ステップでは、前記推奨度合いに応じて、その推奨特性を前記抽選に当選させる確率を変動させる、情報処理システム。
プログラムであって、コンピュータに、前記各ステップを実行させる、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【0110】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、開示の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、開示の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された開示とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0111】
1 :情報処理システム
11 :通信ネットワーク
2 :情報処理装置
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
231 :受付部
232 :特定部
233 :イベント制御部
234 :表示制御部
235 :管理部
3 :ゲーム装置
4a :ディスプレイ
4b :スピーカ
4c :入力デバイス
5 :特性
5a :種
5b :アイデンティティ
6 :参照情報
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
34a :グラフィック処理部
34b :オーディオ処理部
34c :操作部
41a :ディスプレイ
51 :推奨特性
51a :種
51b :アイデンティティ
52 :類似特性
61 :ユーザ情報
62 :利用数
63 :利用率
100 :画面
101 :特性表示欄
200 :画面
300 :画面
AP :能力パラメータ
B :ボタン
B1 :ボタン
B2 :ボタン
B3 :ボタン
B4 :ボタン
C :キャラクタ
C1 :第1キャラクタ
C2 :第2キャラクタ
C2a :第2キャラクタ
C2b :第2キャラクタ
C2c :第2キャラクタ
C2α :第2キャラクタ
Ca :プリセットキャラクタ
Ca1 :プリセットキャラクタ
Ca2 :プリセットキャラクタ
Ca3 :プリセットキャラクタ
Ca4 :プリセットキャラクタ
Ca41 :プリセットキャラクタ
Ca42 :プリセットキャラクタ
Ca5 :プリセットキャラクタ
Ca6 :プリセットキャラクタ
Ca7 :プリセットキャラクタ
Ca8 :プリセットキャラクタ
Cb :ベースキャラクタ
EC :敵キャラクタ
P :パラメータ
i :項目
i1 :頭
i10 :手
i11 :足
i12 :尻尾
i2 :肌
i3 :顔
i4 :眉
i5 :目
i6 :鼻
i7 :口
i9 :化粧
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11