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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-26
(45)【発行日】2025-03-06
(54)【発明の名称】油圧装置制御システム
(51)【国際特許分類】
   F15B 11/00 20060101AFI20250227BHJP
【FI】
F15B11/00 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024087988
(22)【出願日】2024-05-30
【審査請求日】2024-05-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504279991
【氏名又は名称】油機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廣門 建行
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/193492(WO,A1)
【文献】特開2022-137769(JP,A)
【文献】特開2021-143509(JP,A)
【文献】特開2023-105757(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 11/00-11/22;21/14
E02F 3/42- 3/43; 3/84- 3/85; 9/20- 9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧回路と、前記油圧回路に配置された油圧ポンプと、前記油圧ポンプを駆動する電動機とを有する油圧装置と、
油圧側制御プログラムを格納しているコンピュータであり、前記油圧側制御プログラムを実行することにより動作するコンピュータである、汎用の無線通信機能付きマイクロコンピュータと、
表示と情報入力との可能な表示装置を有し、前記無線通信機能付きマイクロコンピュータから前記電動機を操作するための操作画面情報を無線通信により取得し、前記電動機を操作する操作画面を前記操作画面情報に基づき前記表示装置に表示する、汎用の無線通信機能付き端末装置と、
を備え、
前記無線通信機能付き端末装置は、
前記表示装置に表示された前記操作画面への情報の入力を前記無線通信機能付き端末装置のユーザから受け付けると共に、前記操作画面へ前記情報が入力されると、前記操作画面に入力された前記情報を制御情報として無線通信により前記無線通信機能付きマイクロコンピュータに送信し、前記無線通信機能付きマイクロコンピュータに、前記制御情報に従って前記電動機を制御させる油圧装置制御システムであって、
前記操作画面は、
一連のステップが1サイクルをなす他の操作画面であるサイクルモード操作画面である油圧装置制御システム。
【請求項2】
油圧回路と、前記油圧回路に配置された油圧ポンプと、前記油圧ポンプを駆動する電動機と、前記油圧回路に配置された電磁弁とを有する油圧装置と、
油圧側制御プログラムを格納しているコンピュータであり、前記油圧側制御プログラムを実行することにより動作するコンピュータである、汎用の無線通信機能付きマイクロコンピュータと、
表示と情報入力との可能な表示装置を有し、前記無線通信機能付きマイクロコンピュータから前記電動機と前記電磁弁とを操作するための操作画面情報を無線通信により取得し、前記電動機と前記電磁弁とを操作する操作画面を前記操作画面情報に基づき前記表示装置に表示する、汎用の無線通信機能付き端末装置と、
を備え、
前記無線通信機能付き端末装置は、
前記表示装置に表示された前記操作画面への情報の入力を前記無線通信機能付き端末装置のユーザから受け付けると共に、前記操作画面へ前記情報が入力されると、前記操作画面に入力された前記情報を制御情報として無線通信により前記無線通信機能付きマイクロコンピュータに送信し、前記無線通信機能付きマイクロコンピュータに、前記制御情報に従って前記電動機と前記電磁弁とを制御させる油圧装置制御システムであって、
前記操作画面は、
一連のステップが1サイクルをなす他の操作画面であるサイクルモード操作画面である油圧装置制御システム。
【請求項3】
前記無線通信機能付き端末装置は、
汎用のブラウザを実行することにより、前記操作画面情報の取得と、前記操作画面の前記表示装置への表示と、前記操作画面への情報入力の受け付けと、前記制御情報の前記無線通信機能付きマイクロコンピュータへの送信とを行う請求項1または請求項2に記載の油圧装置制御システム。
【請求項4】
前記ブラウザは、
前記操作画面への前記情報入力を対話型で受け付ける請求項3に記載の油圧装置制御システム。
【請求項5】
前記油圧側制御プログラムは、
ウェブサイトからダウンロード可能である請求項1または請求項2に記載の油圧装置制御システム。
【請求項6】
前記無線通信機能付きマイクロコンピュータと前記無線通信機能付き端末装置との無線通信機能は、
WiFi(登録商標)である請求項1または請求項2に記載の油圧装置制御システム。
【請求項7】
前記油圧装置は、
少なくとも、前記油圧ポンプが収納されている筐体を備え、
前記筐体は、
放熱塗料が塗布されている請求項1または請求項2に記載の油圧装置制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端末装置によって油圧装置を無線で制御する油圧装置制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の油圧装置制御システムでは、PLC(Programmable Logic Controller)等のプログラム制御機器が使用される場合が多い。また、プログラム制御機器への入力にはタッチパネルのような入力装置が使用される場合が多い。
【0003】
例えば特許文献1では、その図2に示すように、PLCで油圧シリンダを制御する。具体的には、PLCの出力制御部が油圧シリンダに対する制御信号を生成し、出力インターフェースを介してクレーンに出力する(段落[0082])。また、特許文献1では、PLCへの入力装置(図2)としてタッチパネルを使用可能である(段落[0031])。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第7477034号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のように、油圧装置の制御にPLCのようなプログラム制御機器を使用し、PLCへの入力にタッチパネルのような入力装置を用いる場合、PLC及びタッチパネルは高価な装置であるため、コストがかさむという課題があった。
【0006】
本開示は、PLC及びタッチパネルのような高価な装置を使用することなく、汎用の装置を使用し、油圧装置を無線で制御可能な低廉な油圧装置制御システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る油圧装置制御システムは、
油圧回路と、前記油圧回路に配置された油圧ポンプと、前記油圧ポンプを駆動する電動機とを有する油圧装置と、
油圧側制御プログラムを格納しているコンピュータであり、前記油圧側制御プログラムを実行することにより動作するコンピュータである、汎用の無線通信機能付きマイクロコンピュータと、
表示と情報入力との可能な表示装置を有し、前記無線通信機能付きマイクロコンピュータから前記電動機を操作するための操作画面情報を無線通信により取得し、前記電動機を操作する操作画面を前記操作画面情報に基づき前記表示装置に表示する、汎用の無線通信機能付き端末装置と、
を備え、
前記無線通信機能付き端末装置は、
前記表示装置に表示された前記操作画面への情報の入力を前記無線通信機能付き端末装置のユーザから受け付けると共に、前記操作画面へ前記情報が入力されると、前記操作画面に入力された前記情報を制御情報として無線通信により前記無線通信機能付きマイクロコンピュータに送信し、前記無線通信機能付きマイクロコンピュータに、前記制御情報に従って前記電動機を制御させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示は、タッチパネルに代替する汎用の通信機能付き端末装置で、PLCに代替する汎用の通信機能付きマイクロコンピュータに対する制御を介することにより、油圧装置を制御する。よって、本開示によれば、油圧装置を無線で制御可能な、低廉な油圧装置制御システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1の図で、油圧装置制御システム1000のシステム構成図。
図2】実施の形態1の図で、端末装置300とマイクロコンピュータ210とが、ネットワーク400を介して通信する形態を示す図。
図3】実施の形態1の図で、油圧装置100の構成を示す図。
図4】実施の形態1の図で、油圧シリンダ160を簡略化した図。
図5】実施の形態1の図で、マイクロコンピュータ210と端末装置300のハードウェア構成を示す図。
図6】実施の形態1の図で、マイクロコンピュータ210及び端末装置300の動作を示すシーケンス図。
図7】実施の形態1の図で、マニュアルモード操作画面510を示す図。
図8】実施の形態1の図で、サイクルモード操作画面520を示す図。
図9】実施の形態1の図で、設定画面530を示す図。
図10】実施の形態1の図で、変形例として方向切換弁150の存在しない油圧装置100を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態の説明および図面において、同じ要素および対応する要素には同じ符号を付している。同じ符号が付された要素の説明は、適宜に省略または簡略化する。以下の実施の形態では、「部」を、「回路」、「プロセス」、「ステップ」、「処理」または「サーキットリー」に適宜読み替えてもよい。
【0011】
実施の形態1.
図1から図9を参照して実施の形態1の油圧装置制御システム1000を説明する。
【0012】
***構成の説明***
図1は、油圧装置制御システム1000のシステム構成図である。油圧装置制御システム1000は、油圧装置100、駆動制御システム200、汎用の通信機能付き端末装置300(以下、端末装置300と表記)を備えている。駆動制御システム200は、汎用の通信機能付きマイクロコンピュータ210(以下、マイクロコンピュータ210と表記)、マイクロコンピュータ210用の電源220、電圧返還IF(InterFace)基板230を備えている。油圧装置100、駆動制御システム200、端末装置300の詳細構成は図3及び図5で後述する。図1では、端末装置300とマイクロコンピュータ210は直接WiFi(登録商標)で無線通信する。端末装置300からの指示を受けてマイクロコンピュータ210は油圧装置100を制御する。油圧装置100の構成は図3で後述する。
図2は、端末装置300とマイクロコンピュータ210とが、ネットワーク400を介して通信する形態を示す。ネットワーク400は例えばインターネットがあるがインターネットには限られない。LAN(登録商標)あるいはWANのようなネットワークでもよい。端末装置300はWiFiルータ380を用いて、マイクロコンピュータ210はWiFiルータ280を用いて、ネットワーク400を介して互いに通信する。
【0013】
図3は、油圧装置100の構成を示す。図3では油圧シリンダ160のピストンロッド163(図4)が前進する状態を想定する。
図4は、油圧シリンダ160を簡略化した図であり、(a)から(c)にかけて油圧シリンダ160が前進する状態、すなわちピストンロッド163の前進状態を示している。図4の(a)は、ピストンロッド163が後進端に位置する状態を示し、
図4の(b)は、ピストンロッド163が後進端と前進端との間に位置する状態を示し、図4の(c)は、ピストンロッド163が前進端に位置する状態を示している。
リミットスイッチ161は後進端の位置を検知し、リミットスイッチ162は前進端の位置を検知する。
【0014】
図3に示すように、油圧装置100は、油圧回路101と、油圧回路101に配置された油圧ポンプ140と、油圧ポンプ140を駆動する電動機130と、油圧回路101に配置された電磁弁である方向切換弁150とを有する。具体的には以下のようである。
油圧装置100は、インバータ110、インバータ110に接続されたAC100V電源120、インバータ110から電力供給を受ける電動機130、電動機130で駆動される油圧ポンプ140、油圧ポンプ140の吸入側に接続された吸入側圧力調整器180、油圧ポンプ140に接続された方向切換弁150、方向切換弁150に接続された油圧シリンダ160、後進端を検知するリミットスイッチ161、前進端を検知するリミットスイッチ162、前進時流入圧力及び後進時流出圧力を検知する圧力センサ171、172、を備える。図3では方向切換弁150における実線矢印が前進状態の作動油の流路を示している。方向切換弁150は電磁弁である。
なお油圧装置100は、少なくとも、油圧ポンプ140が収納されている筐体を備えており、この筐体は、放熱塗料が塗布されている。
【0015】
図3において、油圧ポンプ140を開始基準とすると、高圧の作動油10(図4)は油圧ポンプ140を流出して方向切換弁150に流入し、方向切換弁150を流出して油圧シリンダ160に流入する。低圧の作動油20は油圧シリンダ160を流出して方向切換弁150に流入し、方向切換弁150を流出して、吸入側圧力調整器180を介して油圧ポンプ140に流入する。油圧ポンプ140、方向切換弁150、油圧シリンダ160及び吸入側圧力調整器180は油圧配管で接続されて油圧回路101を形成する。
【0016】
図5は、マイクロコンピュータ210と端末装置300のハードウェア構成を示す。マイクロコンピュータ210は、ハードウェアとして、プロセッサ211、油圧側主記憶装置212、油圧側補助記憶装置213、油圧側通信装置214を備える。プロセッサ211は、油圧側主記憶装置212等のハードウェアと信号線219で接続されている。
マイクロコンピュータ210は、油圧側制御プログラム213Aを格納しているコンピュータであり、油圧側制御プログラム213Aを実行することにより動作するコンピュータである。油圧側制御プログラム213Aは一般公開されており、特定のウェブサイトからダウンロード可能である。プロセッサ211は機能要素として油圧側制御部211Aを備えている。マイクロコンピュータ210の機能は油圧側制御部211Aによって実現される。
【0017】
端末装置300は、ハードウェアとして、プロセッサ311、端末側主記憶装置312、端末側補助記憶装置313、端末側通信装置314、端末側表示装置315を備える。プロセッサ311は、端末側主記憶装置312等のハードウェアと信号線319で接続されている。プロセッサ311は機能要素として端末側制御部311Aを備えている。端末装置300の機能は端末側制御部311Aによって実現される。
【0018】
***動作の説明***
図6から図9を参照して、油圧装置制御システム1000の動作を説明する。油圧装置制御システム1000のマイクロコンピュータ210の動作は、油圧側制御方法に相当する。また油圧側制御方法の動作は、後述の油圧側制御プログラム213Aよる処理に相当する。油圧装置制御システム1000の端末装置300の動作は、端末側制御方法に相当する。また端末側制御方法の動作は、後述の端末側制御プログラム313Aよる処理に相当する。ブラウザ313Bは端末側制御プログラム313Aの一部(図5)に組み込まれている。
【0019】
図6は、マイクロコンピュータ210及び端末装置300の動作を示すシーケンスである。図6図1あるいは図2に対応する。
図7は、端末装置300がマイクロコンピュータ210から呼び出して端末側表示装置315に表示する第1の操作画面である。以降では第1の操作画面、第2の操作画面、第3の操作画面を説明する。第1の操作画面はマニュアルモード操作画面510であり、第2の操作画面はサイクルモード操作画面520であり、第3の入力画面は設定画面530ある。
マニュアルモード操作画面510、サイクルモード操作画面520、設定画面530はいずれも、操作画面500である。
【0020】
図6を参照してマニュアルモード操作画面510による油圧装置100の制御を説明する。
端末装置300は、表示と情報入力との可能な端末側表示装置315を有する。端末装置300は、呼出指令をマイクロコンピュータ210に送信することにより(S11)、マイクロコンピュータ210から電動機130と方向切換弁150とを操作するための操作画面情報215を無線通信により取得する(ステップS12)。端末装置300は、電動機130と方向切換弁150とを操作する操作画面500を、操作画面情報215に基づき端末側表示装置315に表示する(ステップS13)。
端末装置300は、端末側表示装置315に表示された操作画面500への情報の入力を端末装置300のユーザ600から受け付ける(S13)と共に、操作画面500へ情報が入力されると、操作画面500に入力された情報を制御情報301として無線通信によりマイクロコンピュータ210に送信し(S14)、マイクロコンピュータ210に、制御情報301に従って電動機130と方向切換弁150とを制御(S15)させる。
【0021】
端末装置300の端末側制御部311Aは、汎用のブラウザ313Bを実行することにより、操作画面情報215の取得(S11,S12)と、操作画面500の端末側表示装置315への表示(S13)と、操作画面500への情報入力の受け付け(S13)と、制御情報301の無線通信機能付きマイクロコンピュータ210への送信(S15)とを行う。具体的には以下のようである。
【0022】
<ステップS11>
ステップS11において、ブラウザ313Bは、マニュアルモード操作画面510、サイクルモード操作画面520、設定画面530の各画面を表示するための操作画面情報215の呼び出しを要求する呼出指令をマイクロコンピュータ210にWiFiで無線送信する。
【0023】
<ステップS12>
ステップS12において、は、操作画面情報215をマイクロコンピュータ210から取得する。
【0024】
<ステップS13>
ステップS13において、ブラウザ313Bは、端末側表示装置315に図7に示すマニュアルモード操作画面510を表示し、ユーザ600からマニュアルモード操作画面510への入力を受け付ける。マニュアルモード操作画面510の表示がデフォルトとして設定されている。ステップS13では、ブラウザ313Bは、操作画面500への情報の入力を対話型で受け付ける。
【0025】
図7のマニュアルモード操作画面510を説明する。マニュアルモード操作画面510は、油圧装置100を手動操作するための入力画面である。
【0026】
マニュアルモード操作画面510の上部には、マニュアルモード操作画面510を表示させるボタン510A、サイクルモード操作画面520を表示させるボタン520A、設定画面530を表示させるボタン530Aが横に並ぶ。例えばボタン520Aを押下すると、画面はマニュアルモード操作画面510から図8のサイクルモード操作画面520へ切り替わる。
図8は、一連のステップが1サイクルをなす操作画面であるサイクルモード操作画面520を示す。横に並ぶボタン510A、ボタン520A、ボタン530Aの下の領域は4分割されている。図8は後述する。
【0027】
左上は、電動機130の回転速度を入力する領域である。図7では速度指令1として1500rpm、速度指令2として800rpmが入力されている。速度指令1、速度指令2のどちらか一方の押下継続で、速度指令の回転数で電動機130が回転する。図7では速度指令1が押下中である。
【0028】
右上は、マイクロコンピュータ210から送信された圧力の表示領域であり、入力領域ではない。A側圧力,B側圧力とは図4におけるA側、B側の圧力を示す。A側圧力はピストンロッド163のピストン部164に対して後進端側の圧力である。B側圧力はピストンロッド163のピストン部164に対して前進端側の圧力である。
【0029】
左下は、方向切換弁150の断続運転操作の領域である。表示されているA1スイッチ511またはB1スイッチ512のどちらか一方の押下継続で、図4のA側またはB側に作動油が流入する。A1スイッチ511の押下中において作動油は図4のA側に流入し、B1スイッチ512の押下中において作動油はB側に流入する。図7ではA1スイッチ511が押下中である。
【0030】
右下は、方向切換弁150の連続運転操作の領域である。「連続運転指令」または「押下停止指令」のどちらか一方を1回押下(ON)すると他方はOFFになる。A1スイッチ513、B1スイッチ514は、A1スイッチ511、B1スイッチ512と同じであり、作動油のA側への流入、B側への流入に対応する。デフォルトでは「押下停止指令」がONである。「連続運転指令」は、作動油がA側へ流入し、またはB側へ流入する。A側流入、B側流入はA1スイッチ513、B1スイッチ514で選択する。「押下停止指令」では方向切換弁150の弁は閉じている。左下と、右下とは排他的操作であり、どちら一方のみの操作が可能である。
【0031】
<ステップS13で画面切替>
ユーザが、マニュアルモード操作画面510の上部のボタン520Aを押下すると、表示中のマニュアルモード操作画面510は、サイクルモード操作画面520に切り替わる。図8のサイクルモード操作画面520を説明する。図8のサイクルモード操作画面520は、ステップ(1)からステップ(7)の処理を1サイクルとして複数サイクルを繰り返すモードである。
【0032】
サイクルモード操作画面520の上部には、ボタン510A、ボタン520A、ボタン530Aが横に並ぶ。横に並ぶボタン510A、ボタン520A、ボタン530Aの直下には「サイクルモード操作画面です」の文字が表示される。また、「設定保存」のボタンが表示される。ユーザが「設定保存」ボタンを押下すると、サイクルモード操作画面520の内容が保存される。「設定保存」ボタンが表示される下側は、サイクルモードの設定対象が表示される。図8では設定対象はピストンロッド163を前進させる「前進側設定」である。「前進側設定」では図4においてピストンロッド163が前進方向に前進する。
【0033】
(ステップ(1)領域)
ステップ(1)の領域は「遅延タイマー」の設定領域である。「遅延タイマー」の設定とは、サイクルモードのステップ(1)が開始するまでの空き時間である。0secは、空き時間が0sec(直ちに開始)に設定されていることを示す。ステップ(1)領域に示すように空き時間である動作遅延時間は0~99.9secの範囲で設定可能である。「クエスチョンマーク」を押下すると、そのステップについての説明文が表示される。
【0034】
(ステップ(2)領域)
ステップ(2)の領域は「前進指令」の設定領域である。「前進指令」は図4の(a)において「ピストンロッド163は前進方向へ進め」の指令である。
ステップ(2)領域の「(2)a 前進回転速度」は、前進開始における電動機130の回転数を設定する領域である。0~3000rpmの間で回転数を設定可能である。
「(2)b 加速時間」は、「前進」の開始時から、(2)aで指定された回転数にいたる時間を示す。「(2)b 加速時間」は、0~99.9secの間で設定可能である。「(2)b 加速時間」では0secと設定されているが、0secは「前進」開始時から直ちに(2)aの1500rpmになるべきことを指令する。
【0035】
(ステップ(3)領域)
ステップ(3)の領域は「前進減速指示条件」の設定領域である。図4の(a)で前進開始し、図4の(b)から、ステップ(2)で設定した電動機130の状態が減速状態に移るとする。ステップ(3)の「前進減速指示条件」は、図4の(b)に対応する減速状態開始を設定する領域である。
【0036】
(3)aは、前進の減速起因となる減速起因動作を設定する領域である。減速起因動作として、0と1とのいずれかの設定が可能である。「0」は、減速起因がリミットスイッチ動作に基づく。「1」は、減速起因がタイマー動作に基づく。なおマイクロコンピュータ210の油圧側制御部211Aはタイマー機能を持つ。
【0037】
(3)bは、監視時間、または、切替である。設定範囲は0~99.9secである。監視時間は、(3)aが「0」(リミットスイッチ動作)の場合に対応し、監視時間内(設定時間内)にリミットスイッチがONしない場合にアラーム停止となる。切替は、(3)aが「1」(タイマー動作)の場合に対応し、(3)bの設定時間経過後に、(2)aの回転速度から、(3)cの減速回転速度に切替となる。なお(3)aが「1」、かつ、(3)bが「0sec」の場合は減速なしである。
【0038】
(3)cは、(2)aの回転速度から減速として切り替わる電動機130の回転数である。設定範囲は0~3000rpmである。
【0039】
(3)dの減速時間は、(2)aの回転速度から、(3)cの減速回転速度になるまでの時間が設定される。(3)dの減速時間は短いほど急な減速を行う。減速負荷が大きい場合は、減速時間を長くする。減速時間の設定範囲は0~99.9secである。
【0040】
(ステップ(4)領域)
ステップ(3)では第1回の減速をするが、このステップ(4)は第2回の減速であり前進端に向けての減速である。ステップ(4)は、どのような条件下で第2回の減速をするかの設定である。ステップ(5)は、ステップ(4)の第2回の減速の条件が充足された場合に、どのように減速するかの設定領域である。ステップ(4)の領域は「前進端減速指示条件」の設定領域である。「前進端減速指示条件」とは、前進端への到達におけるピストンロッド163の減速に関する条件である。
【0041】
(4)aは、減速起因となる減速起因動作を設定する領域である。(4)aの「0:圧力到達動作(センサ)」では、ステップ(3)が終わった後、後述の(4)bの保持切替圧力になった時点で減速する。(4)aの「1:タイマー動作」では、ステップ(3)が終わった後、後述の(4)cの時間が経過したら減速する。
(4)aの「2:圧力到達(全域)」では、ステップ(1)らステップ(4)までの間に、(4)bの圧力になったら減速する。
【0042】
(4)bは、保持切り替え圧力を示す。この圧力は(4)aの「0:圧力到達動作(センサ)」と、「2:圧力到達(全域)」との到達圧力の閾値に相当する。設定範囲は0~25.0 MPaである。
【0043】
(4)cは、監視時間または保持時間の設定領域である。(4)aで「0:圧力到達動作(センサ)」または「2:圧力到達(全域)」を設定している時には、(4)cの時間は圧力の監視時間となり、監視時間の経過後も圧力が立たない時はアラーム発生になる。一方、監視時間内に圧力が立てば条件充足によりステップ(5)の保持条件となる。
【0044】
また(4)cでは、(4)aが「1:タイマー動作」の場合、4(c)の時間経過したら減速する(ステップ(5)の保持条件となる)。設定範囲は0~99.9 secである。
【0045】
(ステップ(5)領域)
ステップ(5)は前進端減速状態の保持条件の領域であり、上記のように、ステップ(4)の減速指示条件が充足された場合にどのように第2回の減速をするかの設定領域である。
【0046】
(5)aは、保持回転速度の領域である。図8では500rpmであり、第1回減速の(3)cと同一である。これは、第2回減速の(5)aでは(3)cの500rpm維持を示している。設定範囲は0~3000rpmである。(5)bの保持切替時間は、(3)cの減速回転速度から(5)aの保持回転速度になるまでの時間である。設定範囲は0~99.9 secである。
【0047】
ステップ(6)は、前進端の減速状態の保持時間の領域である。ステップ(6)はステップ(5)aの回転数を保持する時間の設定領域である。設定範囲は0~99.9 secである。
【0048】
ステップ(7)において1サイクルが終了する。
【0049】
(ステップS14)
図6に戻り説明を続ける。ステップS14において、端末側制御部311Aは、端末側通信装置314を用いたWiFiによる無線通信で、制御情報301をマイクロコンピュータ210に送信する。
【0050】
ここで「制御情報301」とは以下を意味する。図7のマニュアルモード操作画面510の場合、制御情報301は(a)及び(b)である。
(a)「電動機回転速度指令」の押下中の速度指令。
(b)「電磁弁連動押下運転指令」、または、「電磁弁連動連続運転指令」とのどちらかにおける方向切換弁150への指示。
図8のサイクルモード操作画面520の場合、制御情報301は、サイクルモード操作画面520の各ステップの設定データである。制御情報301は、電動機130及び方向切換弁150に対する制御情報である。図8のサイクルモード操作画面520は「前進側設定」であるので「前進」は方向切換弁150への前進のポート使用の制御情報301である。
図9は、設定画面530を示す。設定画面530には、基本的な設定情報が入力される。図9の設定画面530の場合、制御情報301は基礎回転数として設定されたデータである。
【0051】
(ステップS15)
ステップS15において、油圧側制御部211Aは、油圧側通信装置214を介して制御情報301をWiFiで受信する。油圧側制御部211Aは、制御情報301に従って、電動機130及び方向切換弁150を制御する。
【0052】
(ステップS16)
ステップS16において、油圧側制御部211Aは、油圧側通信装置214を介して制御終了の通知をWiFiで送信する。ブラウザ313Bは、端末側通信装置314を介して、制御終了の通知をWiFiで受信する。ブラウザ313Bの制御終了の通知の受信で、端末装置300によるマイクロコンピュータ210を介する油圧装置100の制御が終了する。
【0053】
他の操作画面であって一連のステップが1サイクルをなす他の操作画面であるサイクルモード操作画面50に、ユーザ600の操作によって切り替わる。
【0054】
<変形例>
図10は、油圧装置制御システム1000の変形例を示す。図10の変形例は、油圧装置100が電磁弁である方向切換弁150を持たない構成である。方向切換弁150の存在しない油圧回路101なので、マイクロコンピュータは電動機130を制御する。電動機130が回転方向を切り替えることで作動油の流れる方向が変わる。電動機130が一方の方向に回転する場合、作動油は方向141に流れ、電動機130が他方の方向に回転する場合、作動油は方向142に流れる。
また、図10では吸入側圧力調整器接続回路181を設けている。吸入側圧力調整器接続回路181により、作動油の流れる方向141、方向142に応じて、吸入側圧力調整器180は、油圧ポンプ140の吸入側となるように調整される。
【0055】
図10の油圧装置制御システム1000は、以下の構成である。油圧装置制御システム1000は、油圧装置100と、マイクロコンピュータ210と、端末装置300とを備える。油圧装置100は、油圧回路101と、油圧回路101に配置された油圧ポンプ140と、油圧ポンプ140を駆動する電動機13とを有する。マイクロコンピュータ210は、油圧側制御プログラム213Aを格納しているコンピュータであり、油圧側制御プログラム213Aを実行することにより動作する。端末装置300は、表示と情報入力との可能な端末側表示装置315を有する。端末装置300は、マイクロコンピュータ210から電動機130を操作するための操作画面情報を無線通信により取得し、電動機130を操作する操作画面を操作画面情報に基づき端末側表示装置315に表示する。端末装置300は、端末側表示装置315に表示された操作画面への情報の入力を端末装置300のユーザから受け付ける。端末装置300は、操作画面へ情報が入力されると、操作画面に入力された情報を制御情報として無線通信によりマイクロコンピュータ210に送信し、マイクロコンピュータ210に、制御情報に従って電動機130を制御させる。
【0056】
***実施の形態1の効果***
(1)低廉化
油圧装置制御システム1000では、従来のタッチパネルに代えてスマートフォンあるいはタブレット型コンピュータのような、汎用の無線通信機能付き端末装置を使用して情報を入力する。また油圧装置制御システム1000では、従来のPLCに代えて汎用の通信機能付きマイクロコンピュータを使用して油圧装置100を制御する。
よって、油圧装置100を無線で制御可能な、低廉な油圧装置制御システムを提供できる。図10のような方向切換弁150の存在しない油圧回路101に対して、特に低廉化の効果がある。
(2)低廉化及び簡易化
従来のPLCのような制御装置の場合にはプログラム作成に専門知識が必要になる。このため専門家へ依頼する必要があり、高額な依頼費用が必要であった。
これに対して、油圧装置制御システム1000では、WEB上で一般開放されている、油圧装置100の制御に特化した油圧側制御プログラム213Aをダウンロードできる。
よって、ユーザは、専門知識を必要とすることなく、安価にプログラムを取得できる。またユーザは、油圧側制御プログラム213Aをウェブからのダウンロードで取得できるので、プログラム作成知識の習得の必要がない。
(3)修理、保守の低廉化及び簡易化
従来のPLC及びタッチパネルを使用するシステムの場合には、修理、保守の難易度高いものであった。このため油圧装置制御システムの放置期間が長期化した。また、修理、保守は専門家に依頼してい。このためコストがかさむ事態が生じていた。
これに対して油圧装置制御システム1000では、汎用の無線通信機能付き端末装置、汎用の通信機能付きマイクロコンピュータを使用する。また油圧側制御プログラム213Aはダウンロードできる。
よって、修理、保守が短期となり、修理、保守の費用も低減される。
(4)遠隔制御の容易化
油圧装置制御システム1000では端末装置として汎用の無線通信機能付き端末装置を使用する。無線通信機能がWiFiの場合、図2に示すように、WiFiルータ及びインターネットを介して、無線通信機能付き端末装置から遠隔地に位置する汎用の通信機能付きマイクロコンピュータ(すなわち油圧装置)を制御できる。
(5)端末装置を選ばないこと
油圧装置制御システム1000では端末装置として汎用の無線通信機能付き端末装置を使用され、マイクロコンピュータとの通信には汎用のブラウザが使用される。汎用のブラウザによって図6のステップS11からS14が実施される。よって、「汎用のブラウザを使用する」という点で、油圧装置制御システム1000は、端末装置を選ばない、という効果を有する。
(6)油圧装置の制御情報入力の容易化
図6のステップ13において、ユーザ600は、情報を端末側表示装置315の画面に対話型で入力できるので、やりたいことを直感的に入力できる。よって油圧装置制御システム1000ではユーザの利便性が向上する。
(7)放熱性
また油圧装置制御システム1000では、油圧装置の有する筐体には放熱塗料が塗布されているので、放熱性が向上する。
【0057】
(ハードウェアの補足)
図5を参照して、マイクロコンピュータ210及び端末装置300のハードウェア構成を補足しておく。
【0058】
(マイクロコンピュータ210のハードウェア構成)
マイクロコンピュータ210は、プロセッサ211を備える。マイクロコンピュータ210は機能要素として、油圧側制御部211Aを備えている。油圧側制御部211Aの機能は、油圧側制御プログラム213Aにより実現される。油圧側制御部211Aによってマイクロコンピュータ210の機能が実現される。
【0059】
プロセッサ211は、油圧側制御プログラム213Aを実行する装置である。プロセッサ211が油圧側制御プログラム213Aを実行することで、油圧側制御部211Aの機能が実現される。プロセッサ211は、演算処理を行うIC(Integrated Circuit)である。
【0060】
油圧側主記憶装置212の具体例は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)である。油圧側主記憶装置212は、プロセッサ211の演算結果を保持する。
【0061】
油圧側補助記憶装置213は、データを不揮発的に保管する記憶装置である。油圧側補助記憶装置213の具体例は、HDD(Hard Disk Drive)である。油圧側補助記憶装置213は、可搬記録媒体であってもよい。油圧側補助記憶装置213は、油圧側制御プログラム213Aを記憶している。
【0062】
油圧側通信装置214は、プロセッサ211が端末装置300のような他の装置と無線通信するための装置である。
【0063】
プロセッサ211は油圧側補助記憶装置213から油圧側制御プログラム213Aを油圧側主記憶装置212にロードする。プロセッサ211は、ロードされた油圧側制御プログラム213Aを油圧側主記憶装置222から読み込んで実行する。
【0064】
油圧側制御プログラム213Aは、油圧側制御部211Aの「部」を「処理」、「手順」あるいは「工程」に読み替えた各処理、各手順あるいは各工程を、コンピュータに実行させるプログラムである。
【0065】
また、マイクロコンピュータ210が油圧側制御プログラム213Aを実行することにより行われる方法は、油圧側制御方法である。油圧側制御プログラム213Aは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納されて提供されてもよいし、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0066】
(端末装置300のハードウェア構成)
端末装置300はコンピュータである。端末装置300のハードウェア構成はマイクロコンピュータ210と同様であり、マイクロコンピュータ210の説明における「油圧側」を「端末側」に置き換えることで、マイクロコンピュータ210の説明は端末装置300の説明に代替する。さらに端末装置300はハードウェアとして端末側表示装置315を備えている。端末側表示装置315は画面表示及び画面へのデータ入力が可能である。ブラウザ313Bは、端末側表示装置315に図7から図9で説明したマニュアルモード操作画面510、サイクルモード操作画面520、設定画面530の画面を表示する。
【0067】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
油圧回路と、前記油圧回路に配置された油圧ポンプと、前記油圧ポンプを駆動する電動機とを有する油圧装置と、
油圧側制御プログラムを格納しているコンピュータであり、前記油圧側制御プログラムを実行することにより動作するコンピュータである、汎用の無線通信機能付きマイクロコンピュータと、
表示と情報入力との可能な表示装置を有し、前記無線通信機能付きマイクロコンピュータから前記電動機を操作するための操作画面情報を無線通信により取得し、前記電動機を操作する操作画面を前記操作画面情報に基づき前記表示装置に表示する、汎用の無線通信機能付き端末装置と、
を備え、
前記無線通信機能付き端末装置は、
前記表示装置に表示された前記操作画面への情報の入力を前記無線通信機能付き端末装置のユーザから受け付けると共に、前記操作画面へ前記情報が入力されると、前記操作画面に入力された前記情報を制御情報として無線通信により前記無線通信機能付きマイクロコンピュータに送信し、前記無線通信機能付きマイクロコンピュータに、前記制御情報に従って前記電動機を制御させる油圧装置制御システム。
(付記2)
油圧回路と、前記油圧回路に配置された油圧ポンプと、前記油圧ポンプを駆動する電動機と、前記油圧回路に配置された電磁弁とを有する油圧装置と、
油圧側制御プログラムを格納しているコンピュータであり、前記油圧側制御プログラムを実行することにより動作するコンピュータである、汎用の無線通信機能付きマイクロコンピュータと、
表示と情報入力との可能な表示装置を有し、前記無線通信機能付きマイクロコンピュータから前記電動機と前記電磁弁とを操作するための操作画面情報を無線通信により取得し、前記電動機と前記電磁弁とを操作する操作画面を前記操作画面情報に基づき前記表示装置に表示する、汎用の無線通信機能付き端末装置と、
を備え、
前記無線通信機能付き端末装置は、
前記表示装置に表示された前記操作画面への情報の入力を前記無線通信機能付き端末装置のユーザから受け付けると共に、前記操作画面へ前記情報が入力されると、前記操作画面に入力された前記情報を制御情報として無線通信により前記無線通信機能付きマイクロコンピュータに送信し、前記無線通信機能付きマイクロコンピュータに、前記制御情報に従って前記電動機と前記電磁弁とを制御させる油圧装置制御システム。
(付記3)
前記無線通信機能付き端末装置は、
汎用のブラウザを実行することにより、前記操作画面情報の取得と、前記操作画面の前記表示装置への表示と、前記操作画面への情報入力の受け付けと、前記制御情報の前記無線通信機能付きマイクロコンピュータへの送信とを行う付記1または付記2に記載の油圧装置制御システム。
(付記4)
前記ブラウザは、
前記操作画面への前記情報入力を対話型で受け付ける付記3に記載の油圧装置制御システム。
(付記5)
前記操作画面は、
一連のステップが1サイクルをなす他の操作画面であるサイクルモード操作画面である付記1から4のいずれか1項に記載の油圧装置制御システム。
(付記6)
前記油圧側制御プログラムは、
ウェブサイトからダウンロード可能である付記1から5のいずれか1項に記載の油圧装置制御システム。
(付記7)
前記無線通信機能付きマイクロコンピュータと前記無線通信機能付き端末装置との無線通信機能は、 WiFiである付記1から6のいずれか1項に記載の油圧装置制御システム。
(付記8)
前記油圧装置は、
少なくとも、前記油圧ポンプが収納されている筐体を備え、
前記筐体は、
放熱塗料が塗布されている付記1から7のいずれか1項に記載の油圧装置制御システム。
【符号の説明】
【0068】
10,20 作動油、100 油圧装置、101 油圧回路、110 インバータ、120 AC100V電源、130 電動機、140 油圧ポンプ、150 方向切換弁、160 油圧シリンダ、161,162 リミットスイッチ、163 ピストンロッド、164 ピストン部、171,172 圧力センサ、180 吸入側圧力調整器、200 駆動制御システム、210 マイクロコンピュータ、211 プロセッサ、211A 油圧側制御部、212 油圧側主記憶装置、213 油圧側補助記憶装置、213A 油圧側制御プログラム、214 油圧側通信装置、215 操作画面情報、219 信号線、220 電源、230 電圧返還IF基板、280 WiFiルータ、300 端末装置、301 制御情報、311 プロセッサ、311A 端末側制御部、312 端末側主記憶装置、313 端末側補助記憶装置、313A 端末側制御プログラム、313B ブラウザ、314 端末側通信装置、315 端末側表示装置、319 信号線、380 WiFiルータ、400 ネットワーク、500 操作画面、510 マニュアルモード操作画面、510A,520A,530A ボタン、511,513 A1スイッチ、512,514 B1スイッチ、520 サイクルモード操作画面、530 設定画面、600 ユーザ、1000 油圧装置制御システム。
【要約】
【課題】PLC及びタッチパネルのような高価な装置を使用することなく、汎用の装置を使用し、油圧装置を無線で制御可能な低廉な油圧装置制御システムを提供する。
【解決手段】端末装置300は、汎用の無線通信機能付き端末装置である。端末装置300は情報入力可能な端末側表示装置を有し、汎用の無線通信機能付きマイクロコンピュータ210から電動機130と方向切換弁150を操作する操作画面情報215を無線通信で取得し、操作画面情報215に基づき操作画面を端末側表示装置に表示する。端末装置300は、表示された操作画面への情報入力をユーザから受け付けると共に、操作画面に入力された情報を、制御情報301として無線通信により無線通信機能付きマイクロコンピュータ210に送信し、無線通信機能付きマイクロコンピュータ210に、制御情報301に従って電動機130と方向切換弁150とを制御させる。
【選択図】図6
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10