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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-26
(45)【発行日】2025-03-06
(54)【発明の名称】育成装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/16 20060101AFI20250227BHJP
   A01G 7/02 20060101ALI20250227BHJP
   A01G 7/00 20060101ALI20250227BHJP
   A01G 9/18 20060101ALI20250227BHJP
【FI】
A01G9/16
A01G7/02
A01G7/00
A01G9/18
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2024564726
(86)(22)【出願日】2024-03-27
(86)【国際出願番号】 JP2024012236
【審査請求日】2024-12-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523237604
【氏名又は名称】Carbon Xtract株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】519258367
【氏名又は名称】株式会社SYNAPSE GEAR
(74)【代理人】
【識別番号】100141173
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 啓一
(72)【発明者】
【氏名】森山 哲雄
(72)【発明者】
【氏名】水谷 泰崇
【審査官】星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-78350(JP,A)
【文献】特開2023-40690(JP,A)
【文献】特表2021-533737(JP,A)
【文献】特開2021-166496(JP,A)
【文献】特開2021-145623(JP,A)
【文献】特開2019-118342(JP,A)
【文献】特開2021-45075(JP,A)
【文献】特開平3-72816(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/16
A01G 7/02
A01G 7/00
A01G 9/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉空間で植物を育成する育成装置であって、
所定の配列方向に沿って配列される複数の筐体ユニットと、
前記閉空間に前記植物の育成に使用される育成用気体を供給する供給装置と、
前記供給装置の動作を制御する制御装置と、
複数の前記筐体ユニットが収束しているか否かを検知する収束検知装置と、
を有してなり、
前記配列方向のうち、一方側の方向は第1方向であり、他方側の方向は第2方向であって、
複数の前記筐体ユニットは、
複数の前記筐体ユニットのうち、最も前記第1方向側に配置される第1端部筐体ユニットと、
前記第1端部筐体ユニットよりも前記第2方向に配置される他の筐体ユニットと、
を含み、
他の前記筐体ユニットは、
他の前記筐体ユニットのうち、最も前記第2方向側に配置される第2端部筐体ユニット、
を含み、
前記第1端部筐体ユニットは、
前記第2方向に開口する第1壁部と、
前記第1壁部により区画されて、前記植物を収容可能な第1内部空間と、
を備えて、
前記第2端部筐体ユニットは、
前記第1方向に開口する第2壁部と、
前記第2壁部により区画されて、前記植物を収容可能な第2内部空間と、
を備えて、
前記第2端部筐体ユニットは、複数の前記筐体ユニットが収束可能に移動可能であって、
複数の前記筐体ユニットが収束したとき、複数の前記筐体ユニットは、前記植物が育成される前記閉空間を区画して、
前記閉空間は、
前記第1内部空間と、
前記第2内部空間と、
を含
前記制御装置は、前記収束検知装置が複数の前記筐体ユニットの収束を検知したとき、前記育成用気体の供給を開始させる、
ことを特徴とする育成装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記収束検知装置が複数の前記筐体ユニットの収束を検知しないとき、前記育成用気体の供給を停止させる、
請求項記載の育成装置。
【請求項3】
他の前記筐体ユニットは、
前記第1端部筐体ユニットと前記第2端部筐体ユニットとの間に配置される中間筐体ユニット、
を含み、
前記中間筐体ユニットは、
前記第1方向と前記第2方向とに開口する中間壁部と、
前記中間壁部により区画されて、前記植物を収容可能な中間内部空間と、
を備えて、
前記閉空間は、
前記中間内部空間、
を含む、
請求項1記載の育成装置。
【請求項4】
前記閉空間は、
第1閉空間と、
前記第1閉空間よりも前記第2方向側に配置される第2閉空間と、
を含み、
他の前記筐体ユニットは、
前記第1端部筐体ユニットと前記第2端部筐体ユニットとの間に配置される中間端部筐体ユニット、
を含み、
前記中間端部筐体ユニットは、
前記第1方向および/または前記第2方向に開口する中間端部壁部と、
複数の前記筐体ユニットが収束したとき、前記第1閉空間と前記第2閉空間とを区画可能な区画壁部と、
を備えて、
前記第1閉空間は、
前記第1内部空間、
を含み、
前記第2閉空間は、
前記第2内部空間、
を含む、
請求項1記載の育成装置。
【請求項5】
前記育成用気体は、
前記第1閉空間に供給される第1育成用気体と、
前記第2閉空間に供給される第2育成用気体と、
を含み、
前記第1育成用気体に含まれる二酸化炭素の濃度は、前記第2育成用気体に含まれる二酸化炭素の濃度と異なる、
請求項記載の育成装置。
【請求項6】
記植物は、
前記第1閉空間で育成される第1植物と、
前記第2閉空間で育成される第2植物と、
を含み、
前記育成用気体は、
前記第1閉空間に供給される第1育成用気体と、
前記第2閉空間に供給される第2育成用気体と、
を含み、
前記制御装置は、前記第1育成用気体の流量と前記第1育成用気体に含まれる二酸化炭素の濃度それぞれが、前記第2育成用気体の流量と前記第2育成用気体に含まれる二酸化炭素の濃度それぞれと異なるように、前記供給装置の動作を制御する、
請求項記載の育成装置。
【請求項7】
前記供給装置は、
前記第1閉空間に前記第1育成用気体を供給する第1供給装置と、
前記第2閉空間に前記第2育成用気体を供給する第2供給装置と、
を備える、
請求項記載の育成装置。
【請求項8】
数の前記筐体ユニットのうち、前記第1閉空間を区画する前記筐体ユニットが収束しているか否かを検知する第1収束検知装置と、
複数の前記筐体ユニットのうち、前記第2閉空間を区画する前記筐体ユニットが収束しているか否かを検知する第2収束検知装置と、
を有してなり、
前記制御装置は、
前記第1収束検知装置が前記第1閉空間を区画する前記筐体ユニットの収束を検知したとき、前記第1閉空間への前記育成用気体の供給を開始させて、
前記第2収束検知装置が前記第2閉空間を区画する前記筐体ユニットの収束を検知したとき、前記第2閉空間への前記育成用気体の供給を開始させて、
前記第1収束検知装置が前記第1閉空間を区画する前記筐体ユニットの収束を検知しないとき、前記第1閉空間への前記育成用気体の供給を停止させて、
前記第2収束検知装置が前記第2閉空間を区画する前記筐体ユニットの収束を検知しないとき、前記第2閉空間への前記育成用気体の供給を停止させる、
請求項記載の育成装置。
【請求項9】
複数の前記筐体ユニットそれぞれは、
複数の前記筐体ユニットが収束したとき、隣り合う前記筐体ユニットに当接して、前記閉空間を密閉する密閉部材、
を備える、
請求項1記載の育成装置。
【請求項10】
記閉空間が密閉されているか否かを検知する密閉検知装置と、
を有してなり、
前記制御装置は、前記密閉検知装置が前記閉空間の密閉を検知したとき、前記育成用気体の供給を開始させる、
請求項記載の育成装置。
【請求項11】
前記制御装置は、前記密閉検知装置が前記閉空間の密閉を検知しないとき、前記供給装置の動作を制御して、前記閉空間への前記育成用気体の供給を停止させる、
請求項10記載の育成装置。
【請求項12】
前記密閉検知装置の検知状態を報知する報知装置、
を有してなる、
請求項11記載の育成装置。
【請求項13】
前記植物が削減した二酸化炭素の削減量を算出する算出部、
を有してなり、
前記収束検知装置は、複数の前記筐体ユニットが収束している収束時間を算出して、
前記算出部は、複数の前記筐体ユニットが収束している前記収束時間に基づいて、前記削減量を算出する、
請求項記載の育成装置。
【請求項14】
記削減量を表示する削減量表示部と、
前記削減量表示部に表示される前記削減量の表示態様を記憶する記憶部と、
前記表示態様を制御する表示制御部と、
を有してなり、
前記削減量表示部は、複数の前記筐体ユニットの外部から視認可能に配置される、
請求項13記載の育成装置。
【請求項15】
前記供給装置は、前記閉空間外の外気に含まれる二酸化炭素を濃縮して、前記育成用気体を生成する、
請求項1または13記載の育成装置。
【請求項16】
前記供給装置が取り付けられる前記筐体ユニットは、
前記供給装置を収容する装置収容空間、
を備えて、
前記装置収容空間は、前記閉空間とは異なる空間である、
請求項記載の育成装置。
【請求項17】
前記植物の育成に関する育成情報を記憶する記憶部と、
前記育成情報を表示する育成情報表示部と、
を有してなる、
請求項1記載の育成装置。
【請求項18】
記植物の育成に関する育成情報を記憶する記憶部と、
を有してなり、
前記制御装置は、前記育成情報に基づいて、前記供給装置の動作を制御する、
請求項1記載の育成装置。
【請求項19】
前記筐体ユニットの移動を制御する移動制御部と、
前記閉空間内の内部環境、および/または、前記閉空間外の外部環境を示す環境情報を取得する環境情報取得部と、
を有してなり、
前記移動制御部は、
前記環境情報に基づいて、他の前記筐体ユニットの移動を制御する、
請求項1記載の育成装置。
【請求項20】
前記筐体ユニットの移動を制御する移動制御部と、
前記植物の育成に関する育成情報を記憶する記憶部と、
を有してなり、
前記移動制御部は、
前記育成情報に基づいて、他の前記筐体ユニットの移動を制御する、
請求項1記載の育成装置。
【請求項21】
前記配列方向は、
第1配列方向と、
第2配列方向と、
を含み、
前記第1方向は、前記第1配列方向の一方側の方向であって、
前記第2方向は、前記第1配列方向の他方側の方向であって、
前記第2配列方向のうち、一方側の方向は第3方向であり、他方側の方向は第4方向であって、
前記第1端部筐体ユニットは、複数の前記筐体ユニットのうち、最も前記第3方向側に配置されて、
前記第2端部筐体ユニットは、他の前記筐体ユニットのうち、最も前記第3方向側に配置されて、
他の前記筐体ユニットは、
他の前記筐体ユニットのうち、最も前記第1方向側、かつ、最も前記第4方向側に配置される第3端部筐体ユニットと、
他の前記筐体ユニットのうち、最も前記第2方向側、かつ、最も前記第4方向側に配置される第4端部筐体ユニットと、
を含み、
前記第3端部筐体ユニットは、
前記第2方向および/または前記第3方向に開口する第3壁部と、
前記第3壁部により区画されて、前記植物を収容可能な第3内部空間と、
を備えて、
前記第4端部筐体ユニットは、
前記第1方向および/または前記第3方向に開口する第4壁部と、
前記第4壁部により区画されて、前記植物を収容可能な第4内部空間と、
を備えて、
前記閉空間は、
前記第3内部空間と、
前記第4内部空間と、
を含む、
請求項1記載の育成装置。
【請求項22】
前記第1端部筐体ユニットは、前記配列方向に移動可能である、
請求項21記載の育成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、育成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、閉空間に収容された植物を育成する方法が知られている。閉空間は、例えば、屋内で植物を育成する植物育成工場の隔壁により区画される空間である。植物を育成する育成者は、植物の育成に際して、育成棚(例えば、植物栽培専用のラックなど)を、利用する。植物は、閉空間に収容された育成棚に配置される。育成棚が利用されるとき、閉空間は、育成空間と作業空間とを、含む。育成空間は、育成棚が配置される空間である。作業空間は、育成者が作業(例えば、植物の育成状態の確認作業、植物の収穫作業、など)をするために必要な空間である。
【0003】
ここで、従来、閉空間に収容された植物を育成する方法として、二酸化炭素を閉空間内に供給する方法がある(例えば、特許文献1参照)。同方法は、二酸化炭素を閉空間内に供給して、閉空間に収容された植物の育成を、促進させる。
【0004】
しかし、複数の育成棚が収容された閉空間において、同方法が利用されるとき、二酸化炭素は、育成空間内と作業空間内とに供給される。育成空間内と作業空間内とのうち、育成空間内に供給された二酸化炭素は、植物に吸収(削減)される。すなわち、作業空間内に供給された二酸化炭素は、植物に吸収されない。そのため、作業空間内に供給された二酸化炭素は、無駄になる。このように、同方法による育成効率は、悪い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-250759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、閉空間に収容された植物を効率よく育成できる育成装置を提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る育成装置は、閉空間で植物を育成する育成装置であって、所定の配列方向に沿って配列される複数の筐体ユニットと、閉空間に植物の育成に使用される育成用気体を供給する供給装置と、を有してなり、配列方向のうち、一方側の方向は第1方向であり、他方側の方向は第2方向であって、複数の筐体ユニットは、複数の筐体ユニットのうち、最も第1方向側に配置される第1端部筐体ユニットと、第1端部筐体ユニットよりも第2方向に配置される他の筐体ユニットと、を含み、他の筐体ユニットは、他の筐体ユニットのうち、最も第2方向側に配置される第2端部筐体ユニット、を含み、第1端部筐体ユニットは、第2方向に開口する第1壁部と、第1壁部により区画されて、植物を収容可能な第1内部空間と、を備えて、第2端部筐体ユニットは、第1方向に開口する第2壁部と、第2壁部により区画されて、植物を収容可能な第2内部空間と、を備えて、第2端部筐体ユニットは、複数の筐体ユニットが収束可能に移動可能であって、複数の筐体ユニットが収束したとき、複数の筐体ユニットは、植物が育成される閉空間を区画して、閉空間は、第1内部空間と、第2内部空間と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、閉空間に収容された植物を効率よく育成できる育成装置を、提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る育成装置の実施の形態を示す同装置の模式外観図である。
図2図1の育成装置が備える複数のユニットの機能ブロック図である。
図3図1の育成装置が備える第1ユニットの模式正面図である。
図4図1の育成装置が備える第3ユニットの模式正面図である。
図5図1の育成装置が備える制御装置の機能ブロック図である。
図6図1の育成装置の動作の例を示すフローチャートである。
図7図6の動作に含まれる算出処理の例を示すフローチャートである。
図8図6の動作に含まれる算出処理の別の例を示すフローチャートである。
図9図1の育成装置が備える複数のユニットが収束していない状態を示す同装置の模式外観図である。
図10】本発明に係る育成装置の別の実施の形態を示す同装置の模式外観図である。
図11図10の育成装置が備える複数のユニットの機能ブロック図である。
図12図10の育成装置が備える第3ユニットの模式正面図である。
図13図10の育成装置が備える複数のユニットのうち、第1ユニットと第2ユニットとのみが収束された状態を示す同装置の模式外観図である。
図14】本発明に係る育成装置のさらに別の実施の形態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る育成装置(以下「本装置」という。)実施の形態は、以下に、図面と共に説明される。
【0011】
本装置は、複数の筐体ユニットを、備える。複数の筐体ユニットは、所定の配列方向に沿って、配列される。所定の配列方向のうち、一方側の方向は、第1方向である。所定の配列方向のうち、他方側の方向は、第2方向である。第2方向は、第1方向と反対の方向である。複数の筐体ユニットの全部または一部は、収束して、閉空間を、区画する。本装置は、植物を、区画された閉空間で育成する。
【0012】
「閉空間」は、植物を、収容する。
【0013】
「植物」は、閉空間内で育成者により育成される。植物は、閉空間の気体(例えば、酸素や二酸化炭素など)を、吸収(削減)する。植物は、吸収された閉空間の気体を、育成のために使用する。植物は、例えば、水耕栽培可能な植物である。
【0014】
「育成者」は、本装置を用いて、植物を、育成する。
【0015】
「植物育成工場」は、植物が屋内で育成される施設である。
【0016】
以下の説明において、「当接」は、「1の部材が、他の部材に当たっていて接していること」をいう。
【0017】
以下の説明において、「収束」は、「1の閉空間を区画する複数の筐体ユニットが、互いに最も近づいた状態で集まること」をいう。1の閉空間を区画する複数の筐体ユニットそれぞれが、隣り合う筐体ユニットに当接したとき、複数の筐体ユニットは、収束する。すなわち、収束した複数の筐体ユニットは、閉空間を、区画する。
【0018】
以下の説明において、1の筐体ユニットが、隣り合う筐体ユニットに当接したとき、複数の筐体ユニットは、必ずしも収束するとは限られない。すなわち、例えば、1の閉空間を区画する2つの筐体ユニット(AとB)のうち、1の筐体ユニット(A)が、隣り合う筐体ユニット(B)に当接しているとき、2つの筐体ユニット(AとB)は、収束している。1の閉空間を区画する3つの筐体ユニット(CとDとE)のうち、1の筐体ユニット(C)のみが、隣り合う筐体ユニット(D)に当接しているとき、3つの筐体ユニット(CとDとE)は、収束していない。
【0019】
以下の説明において、「上流側」は、「気体の流れにおける上流側」である。「下流側」は、「気体の流れにおける下流側」である。以下の説明において、「吸気」は、「気体を吸い込むこと」をいう。「送気」は、「気体を送ること」をいう。
【0020】
以下の説明は、本装置が、植物育成工場で使用される場合の例である。
【0021】
●本装置の実施の形態(1)●
●本装置の構成(1)
本装置の構成は、以下に説明される。
【0022】
図1は、本装置の実施の形態を示す同装置の模式外観図である。
図2は、本装置が備える複数の筐体ユニット(以下単に「ユニット」という。)の機能ブロック図である。
【0023】
本装置Sは、第1ユニット1と、第2ユニット2と、第3ユニット3と、制御装置4と、レールRと、を備える。以下の説明において、第1ユニット1と、第2ユニット2と、第3ユニット3それぞれは、特に区別されない場合、「各ユニット」と指称される。
【0024】
各ユニットは、有線通信方式または無線通信方式を利用するネットワークを介して、制御装置4と接続する。各ユニットは、収束して、閉空間CSを、区画する。
【0025】
ネットワークは、例えば、インターネット、移動体通信網、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、Wi-Fi(登録商標)などの通信網である。
【0026】
床面Fは、本装置Sが使用される植物育成工場の床面である。
【0027】
レールRは、各ユニットの移動を、案内する。レールRは、床面Fに平行に敷設される。
【0028】
第1ユニット1は、各ユニットのうち、最も第1方向側に配置される。第1ユニット1は、レールR上を、移動可能である。第1ユニット1は、第1壁部11と、第1内部空間S1と、装置収容空間DSと、第1当接部12と、通信部13と、当接検知部14と、第1濃度計15と、供給装置16と、を備える。第1ユニット1は、本発明における第1端部筐体ユニットである。
【0029】
第1壁部11は、第1内部空間S1と装置収容空間DSとを、区画する。第1壁部11は、開口部111を、備える。
【0030】
第1内部空間S1は、植物を、収容する。
【0031】
装置収容空間DSは、供給装置16を、収容する。
【0032】
開口部111は、第1壁部11の第2方向側に配置される。すなわち、第1壁部11は、第2方向に開口する。
【0033】
第1当接部12は、開口部111に配置される。第1当接部12は、第2ユニット2が備える第2当接部22aに当接可能である。すなわち、第1ユニット1は、第2ユニット2に当接可能である。第2当接部22aの詳細は、後述される。
【0034】
通信部13は、ネットワークを介して、制御装置4と通信する。
【0035】
当接検知部14は、第1ユニット1と第2ユニット2との当接を、検知する。当接検知部14の具体的な動作は、後述される。
【0036】
第1濃度計15は、第1濃度を、測定する。第1濃度計15は、第1壁部11の内側に配置される。
【0037】
「第1濃度」は、閉空間CSの気体に含まれる二酸化炭素の濃度である。
【0038】
第2ユニット2は、各ユニットのうち、第1ユニット1と第3ユニット3との間に配置される。第2ユニット2は、レールR上を、移動可能である。第2ユニット2は、第2壁部21と、第2当接部22a,22bと、通信部23と、当接検知部24と、第2内部空間S2と、を備える。第2ユニット2は、本発明における中間筐体ユニットである。
【0039】
第2壁部21は、第2内部空間S2を、区画する。第2壁部21は、開口部211a,211bを、備える。第2壁部21は、本発明における中間壁部である。
【0040】
第2内部空間S2は、植物を、収容する。第2内部空間S2は、本発明における中間内部空間である。
【0041】
開口部211aは、第2壁部21の第1方向側に配置される。開口部211aの形状と大きさそれぞれは、開口部111の形状と大きさそれぞれと同一である。
【0042】
開口部211bは、第2壁部21の第2方向側に配置される。すなわち、第2壁部21は、第1方向と第2方向とに開口する。
【0043】
第2当接部22aは、開口部211aに配置される。第2当接部22aは、第1ユニット1が備える第1当接部12に当接可能である。
【0044】
第2当接部22bは、開口部211bに配置される。第2当接部22bは、第3ユニット3が備える第3当接部32に当接可能である。すなわち、第2ユニット2は、第1ユニット1と第3ユニット3それぞれに当接可能である。第3当接部32の詳細は、後述される。
【0045】
通信部23は、ネットワークを介して、制御装置4と通信する。
【0046】
当接検知部24は、第1ユニット1と第2ユニット2との当接を、検知する。当接検知部24は、第2ユニット2と第3ユニット3との当接を、検知する。当接検知部24の具体的な動作は、後述される。
【0047】
第3ユニット3は、各ユニットのうち、最も第2方向側に配置される。第3ユニット3は、レールRを、移動可能である。第3ユニット3は、第3壁部31と、第3当接部32と、通信部33と、当接検知部34と、第3内部空間S3と、を備える。第3ユニット3は、本発明における第2端部筐体ユニットである。
【0048】
第3壁部31は、第3内部空間S3を、区画する。第3壁部31は、開口部311を、備える。
【0049】
第3内部空間S3は、植物を、収容する。第3内部空間S3は、本発明における第2内部空間である。
【0050】
開口部311は、第3壁部31の第1方向側に配置される。すなわち、第3壁部31は、第1方向に開口する。開口部311の形状と大きさそれぞれは、開口部211bの形状と大きさそれぞれと同一である。
【0051】
第3当接部32は、開口部311に配置される。第3当接部32は、第2ユニット2が備える第2当接部22bに当接可能である。すなわち、第3ユニット3は、第2ユニット2に当接可能である。
【0052】
通信部33は、ネットワークを介して、制御装置4と通信する。
【0053】
当接検知部34は、第3ユニット3と第2ユニット2との当接を、検知する。当接検知部34の具体的な動作は、後述される。
【0054】
図3は、第1ユニット1の模式正面図である。
同図は、第1内部空間S1が植物を収容する状態を、示す。
同図は、気体の流れを、太矢印で示す。
【0055】
供給装置16は、外気を用いて、育成用気体を、生成する。供給装置16は、生成された育成用気体を、閉空間CSに供給する。供給装置16は、装置収容空間DSに収容される。供給装置16の動作は、制御装置4に制御される。供給装置16は、送風機161と、濃縮膜162と、ポンプ163と、流量計164と、第2濃度計165と、を備える。育成用気体の詳細は、後述される。
【0056】
閉空間CSは、第1内部空間S1と、第2内部空間S2と、第3内部空間S3と、を含む。
【0057】
「外気」は、閉空間CS外、かつ、装置収容空間DS外の気体である。外気は、二酸化炭素、窒素、酸素、などを含む。
【0058】
送風機161は、外気を、吸気する。送風機161は、送風機161により吸気された外気を、濃縮膜162に送気する。送風機161の動作は、制御装置4に制御される。送風機161は、供給装置16内において、濃縮膜162の上流側に配置される。
【0059】
濃縮膜162は、外気を、透過させる。濃縮膜162は、外気に含まれる二酸化炭素、窒素、酸素、などのうち、二酸化炭素を、優先して透過させる。そのため、育成用気体(濃縮膜162の下流側を流れる気体)に含まれる二酸化炭素の濃度は、外気(濃縮膜162の上流側を流れる気体)に含まれる二酸化炭素の濃度より、高い。換言すれば、濃縮膜162は、外気に含まれる二酸化炭素を濃縮して、育成用気体を生成する。濃縮膜162は、供給装置16内において、送風機161とポンプ163との間に配置される。濃縮膜162は、例えば、二酸化炭素の選択性と透過性とに優れた公知の膜である。
【0060】
「育成用気体」は、濃縮膜162により生成される。育成用気体は、送風機161から濃縮膜162に向けて送気された外気のうち、濃縮膜162を透過した気体である。
【0061】
ポンプ163は、供給装置16内における濃縮膜162の下流側の空間を、所定の圧力に減圧する。濃縮膜162の下流側の空間の圧力は、供給装置16内に濃縮膜162の上流側の空間の圧力より、低い。送風機161から送気された外気は、濃縮膜162前後の圧力差により、濃縮膜162を、透過する。すなわち、ポンプ163は、送風機161から送気された外気を、吸気する。ポンプ163は、育成用気体を、閉空間CSに送気(供給)する。ポンプ163の動作は、制御装置4に制御される。ポンプ163は、供給装置16内において、濃縮膜162と流量計164との間に配置される。
【0062】
流量計164は、送気流量と送気時間とを、測定する。流量計164は、供給装置16内において、ポンプ163と第2濃度計165との間に配置される。本発明における流量計は、例えば、サーモフローメータなどの熱式流量計や、羽根車式流量計、などである。
【0063】
「送気流量」は、ポンプ163から閉空間CSに送気された育成用気体の単位時間当たりの流量である。
【0064】
「送気時間」は、ポンプ163から閉空間CSに育成用気体が送気された時間である。
【0065】
第2濃度計165は、第2濃度を、測定する。第2濃度計165は、供給装置16内において、流量計164より下流側に配置される。
【0066】
「第2濃度」は、ポンプ163から閉空間CSに送気された育成用気体に含まれる二酸化炭素の濃度である。第2濃度は、外気に含まれる二酸化炭素の濃度より、高い。
【0067】
図4は、第3ユニット3の模式正面図である。
同図は、第3内部空間S3が植物を収容する状態を、示す。
図5は、制御装置4の機能ブロック図である。
【0068】
制御装置4は、本装置S全体の動作を、制御する。制御装置4は、通信部41と、記憶部42と、収束検知部43と、報知部44と、動作制御部45と、算出部46と、表示部47と、を備える。
【0069】
通信部41は、ネットワークを介して、各ユニットと通信する。
【0070】
以下の説明において、第1濃度計15と、第2濃度計165と、流量計164それぞれは、特に区別されない場合、「各計測器」と指称される。各計測器により計測された値(第1濃度、第2濃度、送気時間、送気流量)に関する情報は、特に区別されない場合、「各計測情報」と指称される。
【0071】
記憶部42は、本装置S全体の動作に必要な情報(例えば、各計測情報など)を、記憶する。記憶部42は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などの記録装置、RAM(Random Access Memory)などの半導体メモリ、などである。
【0072】
収束検知部43は、閉空間CSを区画する各ユニットの収束を、検知する。収束検知部43は、当接検知部14,24,34それぞれが、隣り合う2つのユニットの当接を検知したとき、各ユニットの収束を、検知する。収束検知部43は、当接検知部14,24,34のうち、少なくとも1の当接検知部が、隣り合う2つのユニットの当接を検知しないとき、各ユニットの収束を、検知しない。収束検知部43は、検知結果に基づいて、収束時間を、算出する。
【0073】
「収束時間」は、各ユニットが収束している時間である。
【0074】
報知部44は、収束検知部43が各ユニットの収束を検知したか否かを、判定する。報知部44は、各ユニットが収束したか否かを、育成者に報知する。
【0075】
動作制御部45は、本装置S全体の動作(例えば、供給装置16の供給動作など)を、制御する。動作制御部45は、例えば、マイコンや、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ、などである。
【0076】
「供給動作」は、供給装置16が、育成用気体を、閉空間CSに供給する動作である。動作制御部45は、収束検知部43の検知結果に基づいて、供給動作を、制御する。供給装置16が供給動作をするとき、送風機161は、外気を、吸気する。供給装置16が供給動作をするとき、ポンプ163は、育成用気体を、閉空間CSに送気する。供給装置16が供給動作をしないとき、送風機161は、外気を、吸気しない。供給装置16が供給動作をしないとき、ポンプ163は、育成用気体を、閉空間CSに送気しない。
【0077】
算出部46は、記憶部42に記憶された情報を、取得する。算出部46は、算出部46により取得された情報に基づいて、植物により削減された二酸化炭素の削減量を、算出する。第1濃度「c1」と、第2濃度「c2」と、送気流量「Q」と、送気時間「T1」と、に基づいて算出される削減量「V」は、次式(1)で表される。
【0078】
V=Q×T1×(c2-c1) (1)
【0079】
第1濃度「c1」と、第2濃度「c2」と、送気流量「Q」と、収束時間「T2」と、に基づいて算出される削減量「V」は、次式(2)で表される。
【0080】
V=Q×T2×(c2-c1) (2)
【0081】
表示部47は、算出部46により算出された二酸化炭素の削減量を、表示する。表示部47は、ディスプレイである。表示部47は、本発明における削減量表示部である。
【0082】
●本装置の動作(1)
本装置Sの動作は、以下に説明される。
【0083】
図6は、本装置Sの動作の例を示すフローチャートである。
【0084】
先ず、報知部44は、収束検知部43が各ユニットの収束を検知したか否かを、判定する(S1)。
【0085】
収束検知部43が各ユニットの収束を検知したとき(S1:Yes)、報知部44は、各ユニットが収束していることを、育成者に報知する(S2)。
【0086】
次いで、動作制御部45は、供給装置16が育成用気体を供給しているか否かを、判定する(S3)。
【0087】
供給装置16が育成用気体を供給しているとき(S3:Yes)、本装置Sは、算出処理を、実行する(S4)。算出処理(S4)は、植物により削減された二酸化炭素の削減量を算出する処理である。算出処理(S4)の詳細は、後述される。
【0088】
以後、報知部44は、収束検知部43が各ユニットの収束を検知したか否かを、判定する(S1)。
【0089】
供給装置16が育成用気体を供給していないとき(S3:No)、動作制御部45は、供給装置16により、育成用気体の供給を開始させる(S5)。
【0090】
次いで、本装置Sは、算出処理を、実行する(S4)。
【0091】
収束検知部43が各ユニットの収束を検知しないとき(S1:No)、報知部44は、各ユニットが収束していないことを、育成者に報知する(S6)。
【0092】
次いで、動作制御部45は、供給装置16が育成用気体を供給しているか否かを、判定する(S7)。
【0093】
供給装置16が育成用気体を供給しているとき(S7:Yes)、動作制御部45は、供給装置16により、育成用気体の供給を停止させる(S8)。
【0094】
以後、報知部44は、収束検知部43が各ユニットの収束を検知したか否かを、判定する(S1)。
【0095】
供給装置16が育成用気体を供給していないとき(S7:No)、再び、報知部44は、収束検知部43が各ユニットの収束を検知したか否かを、判定する(S1)。
【0096】
このように、本装置Sは、収束検知部43の検知結果に基づいて、各ユニットが収束したか否かを、報知する。本装置Sは、各ユニットが収束しているとき、供給装置16により育成用気体を供給させる。本装置Sは、各ユニットが収束していないとき、供給装置16により育成用気体を供給させない。
【0097】
図7は、本装置Sの動作に含まれる算出処理(S4)のフローチャートである。
【0098】
先ず、算出部46は、第1濃度と、第2濃度と、送気流量と、供給時間と、を記憶部42から取得する(S41,S42,S43A)。
【0099】
次いで、算出部46は、算出部46により取得された第1濃度と、第2濃度と、送気流量と、供給時間と、に基づいて、植物により削減された二酸化炭素の削減量を、算出する(S44)。
【0100】
次いで、表示部47は、算出部46により算出された二酸化炭素の削減量を、表示する(S45)。
【0101】
このように、本装置Sは、植物により削減された二酸化炭素の削減量を、算出する。本装置Sは、算出部46により算出された二酸化炭素の削減量を、表示する。
【0102】
図8は、本装置Sの動作に含まれる算出処理(S4)の別の例のフローチャートである。
【0103】
以下に説明される算出処理(S4)の別の例(以下「第2算出処理」という。)は、先に説明された算出処理(S4)(以下「第1算出処理」という。)と異なる点を中心に説明される。
【0104】
先ず、算出部46は、収束時間を、記憶部42から取得する(S43B)。
【0105】
次いで、算出部46は、算出部46により取得された第1濃度と、第2濃度と、送気流量と、収束時間と、に基づいて、植物により削減された二酸化炭素の削減量を、算出する(S44)。
【0106】
このように、本装置Sは、収束時間に基づいて、植物により削減された二酸化炭素の削減量を、算出する。
【0107】
図9は、本装置Sが備える各ユニットが収束していない状態を示す本装置Sの模式外観図である。
同図は、第1ユニット1が第2ユニット2に当接している状態を、示す。
同図は、第2ユニット2が第3ユニット3に当接していない状態を、示す。
同図は、閉空間CSが区画されていない状態を、示す。
同図は、第2ユニット2と第3ユニット3との間に育成作業通路が形成されている状態を、示す。
【0108】
「育成作業通路」は、育成者が育成作業をするために必要な通路である。育成者は、育成作業通路で、育成作業をする。
【0109】
「育成作業」は、植物の育成のために必要な作業である。育成作業は、例えば、定植、収穫、メンテナンス、苗植、などである。
【0110】
このように、本装置Sは、第2ユニット2が第3ユニット3に当接せず、各ユニットが収束していないとき、育成作業通路を、第2ユニット2と第3ユニット3との間に形成する。すなわち、本装置Sは、育成作業通路が形成されているとき、供給装置16により、育成用気体を供給させない。
【0111】
●まとめ(1)
以上説明された実施の形態によれば、本装置Sは、第1ユニット1と、第2ユニット2と、第3ユニット3と、供給装置16と、を備える。第1ユニット1は、各ユニットのうち、最も第1方向側に配置される。第3ユニット3は、各ユニットのうち、最も第2方向側に配置される。第2ユニット2は、各ユニットのうち、第1ユニット1と第3ユニット3との間に配置される。第1ユニット1は、第2方向に開口する第1壁部11と、植物を収容する第1内部空間S1と、を備える。第3ユニット3は、第1方向に開口する第3壁部31と、植物を収容する第3内部空間S3と、を備える。各ユニットが収束したとき、各ユニットは、閉空間CSを、区画する。閉空間CSは、第1内部空間S1と第3内部空間S3とを、含む。供給装置16は、育成用気体を、閉空間CSに供給する。植物は、閉空間CSに供給された育成用気体を、吸収する。その結果、本装置Sは、閉空間CSに収容された植物を、効率よく育成できる。
【0112】
以上説明された実施の形態によれば、各ユニットが収束した状態から、第3ユニット3が第2方向へ移動したとき、本装置Sは、第2ユニット2と第3ユニット3との間に、育成作業通路を、形成する。その結果、本装置Sは、育成者による育成作業を、可能にする。
【0113】
従来、植物を育成する方法として、二酸化炭素は、育成空間内と作業空間内とに供給されていた。そのため、作業空間内の二酸化炭素の濃度は、高い。同方法は、作業空間に入って作業をする育成者の体調不良、育成作業の精度の低下、などの悪影響を、育成者に及ぼし得る。
一方、以上説明された実施の形態によれば、本装置Sは、制御装置4を、備える。制御装置4は、ネットワークを介して、各ユニットと接続する。制御装置4は、収束検知部43と、報知部44と、動作制御部45と、を備える。収束検知部43は、各ユニットの収束を、検知する。動作制御部45は、収束検知部43が各ユニットの収束を検知しないとき、供給装置16により、育成用気体の供給を、停止させる。本装置Sは、閉空間CSが区画されていないとき(育成作業通路が形成されているとき)、育成用気体を供給しない。その結果、育成者は、育成用気体が供給されていない状態で、育成作業をする。本装置Sは、育成者への悪影響を、防止できる。
【0114】
以上説明された実施の形態によれば、制御装置4は、算出部46と表示部47とを、備える。算出部46は、植物により削減された二酸化炭素の削減量を、算出する。表示部47は、算出部46により算出された二酸化炭素の削減量を、表示する。その結果、育成者は、表示部47に表示される二酸化炭素の削減量を、視認できる。育成者は、カーボンニュートラルの実現や炭素クレジット(温室効果ガスの排出削減量をクレジットとして認証して取引する制度)に向けて、植物により削減された二酸化炭素の削減量を、利活用できる。
【0115】
以上説明された実施の形態によれば、収束検知部43は、検知結果に基づいて、収束時間を、算出する。算出部46は、収束検知部43により算出された収束時間を、収束検知部43から取得する。その結果、本装置Sは、収束時間に基づいて、植物により削減された二酸化炭素の削減量を、算出できる。
【0116】
以上説明された実施の形態によれば、供給装置16は、外気に含まれる二酸化炭素を濃縮して、育成用気体を生成する。この結果、本装置Sは、カーボンニュートラル実現に向けて大気中の二酸化炭素ガスを削減しつつ、閉空間CSに収容された植物を、効率よく育成できる。
【0117】
以上説明された実施の形態によれば、第1壁部11は、装置収容空間DSを、区画する。装置収容空間DSは、供給装置16を、収容する。その結果、本装置Sは、供給装置16を、第1壁部11の外部の環境から保護できる。
【0118】
以上説明された実施の形態によれば、装置収容空間DSは、植物を、収容しない。供給装置16は、育成用気体を、装置収容空間DSに供給しない。供給装置16は、育成用気体を、閉空間CSのみに供給する。その結果、本装置Sは、閉空間CSに収容された植物を、効率よく育成できる。
【0119】
●本装置の実施の形態(2)●
以下に説明される本装置の別の実施の形態(以下「第2実施形態」という。)は、先に説明された本装置の実施の形態(以下「第1実施形態」という。)と異なる点を中心に説明される。
【0120】
第2実施形態は、第1端部筐体ユニットが床に固定される(移動不可能)点において、第1実施形態と相違する。第2実施形態は、本装置が、中間筐体ユニットに代えて、中間端部筐体ユニットを備える点において、第1実施形態と相違する。第2実施形態は、本装置が、2つの閉空間(第1閉空間と第2閉空間)を区画する点において、第1実施形態と相違する。
【0121】
●本装置の構成(2)
図10は、本装置の第2実施形態を示す同装置の模式図である。
図11は、第1ユニット1Aと、第2ユニット2Aと、第3ユニット3Aと、の機能ブロック図である。
【0122】
本装置SAは、第1ユニット1Aと、第2ユニット2Aと、第3ユニット3Aと、制御装置4Aと、レールRと、を備える。
【0123】
以下の説明において、第1ユニット1Aと、第2ユニット2Aと、第3ユニット3Aそれぞれは、特に区別されない場合、「各ユニット」と指称される。
【0124】
各ユニットは、有線通信方式または無線通信方式を利用するネットワークを介して、制御装置4Aと接続する。各ユニットは、収束して、第1閉空間CS1と第2閉空間CS2とを、区画する。
【0125】
第1ユニット1Aは、床に固定される。第1ユニット1Aは、移動不可能である。第1ユニット1Aは、本発明における第1端部筐体ユニットである。
【0126】
第2ユニット2Aは、各ユニットのうち、第1ユニット1Aと第3ユニット3Aとの間に配置される。第2ユニット2Aは、第2壁部21Aと第2内部空間S2Aとを、備える。第2ユニット2Aは、本発明における中間端部筐体ユニットである。
【0127】
第2壁部21Aは、第2内部空間S2Aを、区画する。第2壁部21Aは、各ユニットが収束したとき、第1閉空間CS1と第2閉空間CS2とを、区画する。第2壁部21Aは、開口部211aを、備える。第2壁部21Aは、本発明における中間端部壁部であり、本発明における区画壁部である。
【0128】
第2内部空間S2Aは、植物を、収容する。
【0129】
第1閉空間CS1は、第1内部空間S1と第2内部空間S2Aと、を含む。
【0130】
第2当接部22aは、開口部211aに配置される。第2当接部22aは、第1ユニット1Aが備える第1当接部12に当接可能である。すなわち、第2ユニット2Aは、第1ユニット1Aに当接可能である。
【0131】
第3ユニット3Aは、第3壁部31Aと、第3当接部32Aと、第3濃度計35と、供給装置36と、を備える。
【0132】
第3壁部31Aは、第3内部空間S3Aと装置収容空間DS2とを、区画する。
【0133】
第3内部空間S3Aは、植物を、収容する。
【0134】
装置収容空間DS2は、供給装置36を、収容する。
【0135】
第2閉空間CS2は、第3内部空間S3Aを、含む。
【0136】
第3当接部32Aは、開口部311に接続する。第3当接部32Aは、第2ユニット2Aが備える第2壁部21Aに当接する。すなわち、第3ユニット3Aは、第2ユニット2Aに当接する。
【0137】
第3濃度計35は、第3濃度を、測定する。第3濃度計35は、第3壁部31Aの内側に配置される。
【0138】
「第3濃度」は、第2閉空間CS2の気体に含まれる二酸化炭素の濃度である。
【0139】
図12は、第3ユニット3Aの模式正面図である。
同図は、第3内部空間S3Aが植物を収容する状態を、示す。
同図は、気体の流れを、太矢印で示す。
【0140】
供給装置36は、外気を用いて、育成用気体を、生成する。供給装置36は、生成された育成用気体を、第2閉空間CS2に供給する。供給装置36は、装置収容空間DS2に収容される。供給装置36の動作は、制御装置4Aに制御される。
【0141】
供給装置36が備える各構成(送風機361と、濃縮膜362と、ポンプ363と、流量計364と、第4濃度計365)の機能は、供給装置16が備える各構成(送風機161と、濃縮膜162と、ポンプ163と、流量計164と、第2濃度計165)の機能と同じである。
【0142】
第4濃度計365は、第4濃度を、測定する。
【0143】
「第4濃度」は、ポンプ363から第2閉空間CS2に送気された育成用気体に含まれる二酸化炭素の濃度である。
【0144】
●本装置の動作(2)
第2実施形態における本装置SAの動作は、以下に説明される。
【0145】
本装置SAは、第1閉空間CS1と第2閉空間CS2それぞれにおいて、本装置S(第1実施形態における本装置)と同じ動作をする。すなわち、本装置SAは、第1閉空間CS1と第2閉空間CS2それぞれにおいて、図6に示された処理(S1)から処理(S8)までを、実行する。
【0146】
図13は、本装置SAが備える各ユニットのうち、第1ユニット1Aと第3ユニット3Aとのみが収束している状態を示す本装置SAの模式外観図である。
同図は、第3ユニット3Aが第2ユニット2Aに収束していない状態を、示す。
同図は、第1閉空間CS1が区画されている状態を、示す。
同図は、第2閉空間CS2が区画されていない状態を、示す。
同図は、第2ユニット2Aと第3ユニット3Aとの間に通路が形成されている状態を、示す。
【0147】
このように、本装置SAは、第2ユニット2Aが第1ユニット1Aに収束しているとき、育成作業通路(以下「第1育成作業通路」という。)を、第1ユニット1Aと第2ユニット2Aとの間に形成しない。本装置SAは、第3ユニット3Aが第2ユニット2Aに収束していないとき、育成作業通路(以下「第2育成作業通路」という。)を、第2ユニット2Aと第3ユニット3Aとの間に形成する。すなわち、本装置SAは、第2育成作業通路が形成されていて、第1育成作業通路が形成されていないとき、供給装置16の供給動作を開始させて、供給装置36の供給動作を停止させる。
【0148】
●まとめ(2)
以上説明された実施の形態によれば、本装置SAは、第1ユニット1Aと、第2ユニット2Aと、第3ユニット3Aと、供給装置16,36と、を備える。第1ユニット1Aは、各ユニットのうち、最も第1方向側に配置される。第2ユニット2Aは、各ユニットのうち、第1ユニット1Aと第3ユニット3Aとの間に配置される。第3ユニット3Aは、各ユニットのうち、最も第2方向側に配置される。第2ユニット2Aは、第1方向に開口する第2壁部21Aと、植物を収容する第2内部空間S2Aと、を備える。第3ユニット3Aは、第1方向に開口する第3壁部31Aと、植物を収容する第3内部空間S3Aと、を備える。各ユニットが収束したとき、各ユニットは、第1閉空間CS1と第2閉空間CS2とを、区画する。第1閉空間CS1は、第1内部空間S1と第2内部空間S2とを、含む。第2閉空間CS2は、第3内部空間S3を、含む。供給装置16は、育成用気体を、第1閉空間CS1に供給する。供給装置36は、育成用気体を、第2閉空間CS2に供給する。植物は、第1閉空間CS1と第2閉空間CS2それぞれに供給された育成用気体を、吸収する。その結果、本装置SAは、第1閉空間CS1と第2閉空間CS2それぞれに収容された植物を、効率よく育成できる。第1閉空間CS1に収容された植物は、供給装置16から供給された育成用気体を、吸収できる。第2閉空間CS2に収容された植物は、供給装置36から供給された育成用気体を、吸収できる。
【0149】
以上説明された実施の形態によれば、本装置SAは、第1閉空間CS1と第2閉空間CS2それぞれにおいて、本装置Sと同じ動作(供給動作など)をする。第1閉空間CS1が区画されていて(第2ユニット2Aが第1ユニット1Aに収束している状態)、第2閉空間CS2が区画されていない(第3ユニット3Aが第2ユニット2Aに収束していない状態)とき、本装置SAは、供給装置16により育成された育成用気体を、第1閉空間CS1のみに供給させる。本装置SAは、第2ユニット2Aと第3ユニット3Aとの間に、第2育成作業通路を、形成する。その結果、本装置SAは、育成者が第3内部空間S3Aに収容された植物に必要な育成作業をしているとき、育成用気体を、第1閉空間CS1に供給できる。本装置Sは、育成者が育成作業をしつつ、第1閉空間CS1に収容された植物を、効率よく育成できる。
【0150】
●その他の実施の形態●
●配列
以上説明された実施の形態において、第2ユニット2Aが備える第2壁部21Aは、第1方向のみに開口していた。しかし、本発明における中間端部ユニットは、第1方向および/または第2方向に開口する中間端部壁部と、複数の筐体ユニットが収束したとき、第1閉空間と第2閉空間とを区画可能な区画壁部と、を備えればよく、本発明における中間端部壁部は、第1方向のみに開口しなくてもよい。すなわち、例えば、本発明における中間端部壁部は、第1方向と第2方向とに開口してもよい。
【0151】
図14は、本装置のさらに別の実施の形態を示す模式図である。
同図は、重力方向視における複数の本装置を、示す。
同図は、複数の本装置それぞれを構成する複数の筐体ユニットが収束している状態を、示す。
【0152】
ここで、以上説明された実施の形態において、本装置Sは、第1ユニット1と、第2ユニット2と、第3ユニット3と、を備えていた。本装置SAは、第1ユニット1Aと、第2ユニット2Aと、第3ユニット3Aと、を備えていた。しかし、本発明における複数の筐体ユニットは、植物が育成される閉空間を区画できればよく、本発明における複数の筐体ユニットの数は、「3」に限定されない。すなわち、例えば、本発明における複数の筐体ユニットの数は、「2」でもよく、「4」以上でもよい。
【0153】
本装置SBは、本発明における第1端部筐体ユニットと、本発明における第2端部筐体ユニットと、を備える。すなわち、本装置SBは、2つの筐体ユニットを、備える。
【0154】
本装置SCは、本発明における第1端部筐体ユニットと、本発明における中間端部筐体ユニットと、本発明における第2端部筐体ユニットと、を備える。すなわち、本装置SCは、3つの筐体ユニットを、備える。
【0155】
本装置SDは、本発明における第1端部筐体ユニットと、2つの本発明における中間筐体ユニットと、本発明における第2端部筐体ユニットと、を備える。すなわち、本装置SDは、4つの筐体ユニットを、備える。
【0156】
さらに、以上説明された実施の形態において、各ユニットが配列される配列方向は、第1方向と第2方向とであった。しかし、本発明における複数の筐体ユニットは、収束したときに、植物が育成される閉空間を区画できればよく、本発明における複数の筐体ユニットが配列される方向は、第1方向と第2方向とに限定されない。すなわち、例えば、本発明における複数の筐体ユニットは、所定の配列方向(以下「第1配列方向」という。)とは異なる他の配列方向(以下「第2配列方向」という。)に配列されてもよい。第2配列方向は、第1配列方向に平行ではない。
【0157】
この場合、第2配列方向のうち、一方側の方向は第3方向であり、他方側の方向は第4方向である。第1端部筐体ユニットは、複数の筐体ユニットのうち、最も第1方向側、かつ、最も第3方向側に配置される。第2端部筐体ユニットは、他の筐体ユニットのうち、最も第2方向側、かつ、最も第3方向側に配置される。他の筐体ユニットは、第3端部筐体ユニットと第4端部筐体ユニットとを、含む。第3端部筐体ユニットは、他の筐体ユニットのうち、最も第1方向側、かつ、最も第4方向側に配置される。第3端部筐体ユニットは、第3壁部と第3内部空間と、を備える。第3壁部は、第2方向および/または第3方向に開口する。第3内部空間は、第3壁部により区画されて、植物を、収容可能である。第4端部筐体ユニットは、他の筐体ユニットのうち、最も第2方向側、かつ、最も第4方向側に配置される。第4端部筐体ユニットは、第4壁部と第4内部空間とを、備える。第4壁部は、第1方向および/または第3方向に開口する。第4内部空間は、第4壁部により区画されて、植物を、収容可能である。閉空間は、第1内部空間と、第3内部空間と、第3内部空間と、第4内部空間と、を含む。
【0158】
本装置SEは、本発明における第1端部筐体ユニットと、本発明における第2端部筐体ユニットと、本発明における第3端部筐体ユニットと、本発明における第4端部筐体ユニットと、を備える。すなわち、本装置SEは、4つの筐体ユニットを、備える。
【0159】
本装置SFは、本発明における第1端部筐体ユニットと、本発明における第2端部筐体ユニットと、本発明における第3端部筐体ユニットと、本発明における第4端部筐体ユニットと、5つの筐体ユニットと、を備える。すなわち、本装置SFは、9つの筐体ユニットを、備える。
【0160】
さらにまた、本発明における複数の筐体ユニットは、全部または一部の閉空間を区画したまま移動してもよく、収束した状態から通路を形成する(収束していない状態)ように移動してもよい。複数の筐体ユニットは、1の閉空間を区画する複数の筐体ユニットの組み合わせを変更するように移動してもよい。この場合、本装置は、複数の筐体ユニットの配列を変更して、閉空間の数や大きさ、閉空間に育成用気体を供給する供給装置の数、筐体ユニットが配置される場所、などを、変更できる。そのため、本装置は、複数の筐体ユニットの配列を変更して、植物を育成できる。
【0161】
さらにまた、以上説明された実施の形態において、植物は、水耕栽培可能な植物であった。しかし、本装置により育成される植物は、以上説明された実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、植物は、土壌栽培可能な植物でもよい。
【0162】
●本装置
以上説明された実施の形態において、本装置S,SAは、レールRを、備えていた。しかし、本発明における第2端部筐体ユニットが移動可能であればよく、本発明におけるレールの数は、「1」に限定されない。すなわち、例えば、本発明におけるレールの数は、「2」以上でもよく、「0」でもよい。本装置は、レールを備えない無軌条式(レールレス)の育成装置でもよい。
【0163】
また、以上説明された実施の形態において、本装置S,SAは、植物育成工場内で使用されていた。しかし、本装置が使用される場所は、植物育成工場内に限定されない。すなわち、例えば、本装置が使用される場所は、倉庫内でもよく、あるいは、屋外でもよい。
【0164】
さらに、以上説明された実施の形態において、本装置S,SAは、ネットワークを介して各ユニットと接続する制御装置4,4Aを、備えていた。しかし、本装置が備える制御装置は、これに限定されない。すなわち、例えば、制御装置が備える各構成は、本発明における複数の筐体ユニットのいずれか(例えば、第1端部筐体ユニット)に備えられてもよく、複数の筐体ユニットそれぞれに備えられてもよい。
【0165】
●筐体ユニット
本発明における複数の筐体ユニットの形状は、特に限定されない。すなわち、例えば、本発明における筐体ユニットの形状は、矩形箱状でもよく、あるいは、半球状でもよい。筐体ユニットは、複数の移動棚を備える移動棚ユニットでもよい。この場合、第1端部筐体ユニットは、移動棚または固定棚である。他の筐体ユニットは、移動棚である。移動棚は、例えば、手動式の手引き式移動棚や電動式移動棚である。
【0166】
また、以上説明された実施の形態において、本装置Sが備える各ユニットは、全て移動可能であった。本装置SAが備える各ユニットのうち、第1ユニット1Aは、移動不可能に固定されていた。しかし、本発明における複数の筐体ユニットそれぞれが移動可能か否かは、以上説明された実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、本発明における中間筐体ユニットは、移動不可能に固定されてもよい。
【0167】
さらに、本発明における第1壁部と、第2壁部と、中間壁部と、中間端部壁部それぞれの材質は、特に限定されない。すなわち、例えば、本発明における第1壁部と、第2壁部と、中間壁部と、中間端部壁部それぞれは、ビニール製、樹脂製、あるいは、光を反射可能な反射材でもよい。
【0168】
●供給装置
以上説明された実施の形態において、1つの閉空間で植物を育成する本装置Sは、供給装置16を、備えていた。しかし、本発明における供給装置は、閉空間に育成用気体を供給できればよく、本発明における供給装置の数は「1」に限定されない。すなわち、例えば、1つの閉空間で植物を育成する本装置が備える供給装置の数は、「2」以上でもよい。
【0169】
また、以上説明された実施の形態において、2つの閉空間で植物を育成する本装置SAは、供給装置16と供給装置36とを、備えていた。供給装置16により生成された育成用気体(以下、「第1育成用気体」という。)は、第1閉空間CS1に供給されていた。供給装置36により生成された育成用気体(以下、「第2育成用気体」という。)は、第2閉空間CS2に供給されていた。しかし、本発明における供給装置は、閉空間に育成用気体を供給できればよく、1の供給装置から供給される育成用気体の供給先の数「1」に限定されない。すなわち、例えば、本発明における1の供給装置は、育成用気体を、複数の閉空間に供給してもよい。この場合、1の供給装置は、供給装置と複数の閉空間それぞれとの間に配置される分岐配管を、備えてもよい。1の供給装置は、複数の閉空間それぞれに供給される育成用気体の流量を調節可能な弁を、備えてもよい。このように、複数の閉空間を区画する本装置は、1の供給装置を備えればよく、複数の供給装置が必要な場合と比較して、コストを削減できる。
【0170】
さらに、以上説明された実施の形態において、供給装置16,36は、濃縮膜162,362を、備えていた。しかし、本発明における供給装置は、育成用気体を閉空間に供給すればよく、濃縮膜を備えなくてもよい。すなわち、例えば、本発明における供給装置は、物理吸着法により二酸化炭素を回収するDAC(Direct Air Capture)装置、深冷分離法により二酸化炭素を回収するDAC装置、パイプライン、ドライアイス供給装置、二酸化炭素ガスボンベ、あるいは、燃焼式の二酸化炭素施用機でもよい。
さらにまた、以上説明された実施の形態において、流量計164は、供給装置16内において、ポンプ163と第2濃度計165との間に配置されていた。第2濃度計165は、供給装置16内において、流量計164より下流側に配置されていた。しかし、本発明における流量計は、濃縮膜より下流側に配置されて送気流量と送気時間とを測定できればよく、本発明における流量計が配置される場所は、以上説明された実施の形態に限定されない。本発明における第2濃度計は、濃縮膜より下流側に配置されて第2濃度を測定できればよく、本発明における第2濃度計が配置される場所は、以上説明された実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、本発明における第2濃度計は、供給装置内において、ポンプと流量計との間に配置されてもよい。本発明における流量計は、第2濃度計より下流側に配置されてもよい。本発明における第2濃度計と本発明における流量計それぞれは、供給装置と閉空間との間に接続される供給流路に配置されてもよい。
【0171】
さらにまた、以上説明された実施の形態において、供給装置16は、第1ユニット1,1Aに備えられていた。供給装置36は、第3ユニット3Aに備えられていた。しかし、本発明における供給装置は、外気に含まれる二酸化炭素を濃縮して、育成用気体を生成できればよく、本発明における供給装置が配置される場所は、以上説明された実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、本発明における供給装置が取り付けられる筐体ユニットは、本発明における中間筐体ユニットでもよい。供給装置が取り付けられる筐体ユニットは、供給装置を収容してもよく、収容しなくてもよい。供給装置を収容する筐体ユニットは、供給装置を、閉空間とは異なる装置収容空間に収容してもよく、閉空間に収容してもよい。
【0172】
さらにまた、以上説明された実施の形態において、動作制御部45は、収束検知部43により検知された収束検知に基づいて、供給装置による育成用気体の供給を開始させて、または、停止させていた。しかし、本発明における制御装置による育成用気体の供給を開始する制御と停止させる制御とは、これに限定されない。すなわち、例えば、本発明における制御装置は、供給装置の電源のON/OFFを制御してもよく、供給装置が備える弁を制御してもよい。
【0173】
さらにまた、以上説明された実施の形態において、動作制御部45による供給装置16の供給動作の制御は、「供給の開始」と「供給の停止」とであった。しかし、本発明における制御装置による供給装置の制御は、以上説明された実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、本発明における制御装置は、供給装置により供給される育成用気体の流量を増減する制御をしてもよく、育成用気体に含まれる二酸化炭素の濃度を増減する制御をしてもよい。
【0174】
●育成用気体
以上説明された実施の形態において、育成用気体は、特に限定されていない。すなわち、例えば、本発明における育成用気体は、アセトインやブタンジオールなどの揮発成分を含む気体でもよい。
【0175】
従来、閉空間に収容された複数の植物(例えば、第1植物と第2植物)を育成する方法として、複数の植物ごとに閉空間を区画することは、困難であった。そのため、同方法において、二酸化炭素は、第1植物と第2植物それぞれを収容する1の閉空間に供給される。その結果、第1植物の育成に最適な二酸化炭素の濃度が、第2植物の育成に最適な二酸化炭素の濃度と異なるとき、第1植物と第2植物とのうち、少なくともいずれか一方の植物に吸収される二酸化炭素の濃度は、同植物の育成に最適でない。すなわち、同方法による育成効率は、悪い。
一方、以上説明された実施の形態において、第1育成用気体と第2育成用気体との異同は、特に限定されていない。すなわち、第1育成用気体は、第2育成用気体と、異なってもよく、同じでもよい。第1育成用気体に含まれる二酸化炭素の濃度は、第2育成用気体に含まれる二酸化炭素の濃度と、異なってもよく、同じでもよい。
つまり、第1植物を収容する第1閉空間と、第2植物を収容する第2閉空間それぞれが、区画されるとき、本発明における動作制御部は、第1育成用気体に含まれる二酸化炭素の濃度が、第2育成用気体に含まれる二酸化炭素の濃度と異なるように、供給装置の動作を制御してもよい。この場合、本装置は、第1植物の育成に適した第1育成用気体を、第1閉空間に供給する。本装置は、第2植物の育成に適した第2育成用気体を、第2閉空間に供給する。その結果、本装置は、複数の植物それぞれの育成に適した育成用気体を複数の閉空間それぞれに供給して、複数の植物を効率よく育成できる。
【0176】
さらにまた、以上説明された実施の形態において、流量計164に計測される送気流量と、流量計364に計測される送気流量と、の異同は、特に限定されない。すなわち、例えば、本発明における第1供給装置が供給する育成用気体の流量は、本発明における第1供給装置が供給する育成用気体の流量と、異なってもよく、同じでもよい。
つまり、第1植物を収容する第1閉空間と、第2植物を収容する第2閉空間それぞれが、区画されるとき、本発明における動作制御部は、第1育成用気体の流量が、第2育成用気体の流量と異なるように、供給装置の動作を制御してもよい。この場合、本装置は、第1植物の育成に最適な量の育成用気体を、第1閉空間に供給する。本装置は、第2植物の育成に最適な量の育成用気体を、第2閉空間に供給する。その結果、本装置は、複数の植物それぞれの育成に最適な量の育成用気体を複数の閉空間それぞれに供給して、複数の植物を効率よく育成できる。
【0177】
●収束と密閉
以上説明された実施の形態において、第1ユニット1は、第2当接部22aに当接する第1当接部12を、備えていた。しかし、本装置発明における複数の筐体ユニットそれぞれは、隣り合う筐体ユニットに当接する密閉部材を、備えてもよい。密閉部材は、閉空間を、密閉する。密閉部材の材質は、特に限定されない。すなわち、例えば、本発明における密閉部材は、発泡スポンジ製のガスシール材、ゴム製、あるいは、板状の樹脂製でもよい。
【0178】
また、以上説明された実施の形態において、収束検知部43は、複数の筐体ユニットの収束を、検知していた。しかし、これに代えて、本装置は、閉空間が密閉されているか否かを検知する密閉検知装置を、備えてもよい。この場合、本発明における制御装置は、密閉検知装置が閉空間の密閉を検知したとき、育成用気体の供給を開始させる。制御装置は、密閉検知装置が閉空間の密閉を検知しないとき、供給装置の動作を制御して、閉空間への育成用気体の供給を停止させる。本発明における報知装置は、密閉検知装置の検知状態を、報知する。
【0179】
さらにまた、本発明における報知装置は、密閉検知装置の検知状態を報知できればよく、報知装置による報知態様は、特に限定されない。すなわち、例えば、報知装置は、LEDでもよい。この場合、報知装置は、光を発して、各ユニットが収束したか否かを、報知する。報知装置は、スピーカーでもよい。この場合、報知装置は、報知音を発して、各ユニットが収束したか否かを報知する。報知装置は、報知の開始から所定の時間が経過したとき、LEDの発光や報知音を、止めてもよい。報知装置は、複数の筐体ユニットの外部に向けて報知してもよく、あるいは、複数の筐体ユニットの内部に向けて報知してもよい。
【0180】
●削減量の算出と表示
以上説明された実施の形態において、本装置Sは、第1濃度計15と第2濃度計165とを、備えていた。しかし、本装置は、算出部により二酸化炭素の削減量が算出できればよく、第2濃度計を、備えなくてもよい。すなわち、例えば、本発明における供給装置が、所定濃度の二酸化炭素を供給するガスボンベであるとき、記憶部は、予め育成者により入力された値(ガスボンベから供給される二酸化炭素の濃度の値)を、記憶してもよい。算出部は、記憶部により記憶された同値に基づいて、削減量を、算出する。
また、以上説明された実施の形態において、供給装置16,36は、流量計164,364を、備えていた。しかし、本装置は、算出部により二酸化炭素の削減量が算出できればよく、本発明における供給装置は、流量計を備えなくてもよい。すなわち、例えば、本発明における記憶部は、予め計測された正常時の送気流量を、記憶してもよい。本発明における算出部は、記憶部により記憶された送気流量を、取得する。算出部は、算出部により取得された送気流量に基づいて、削減量を、算出する。
【0181】
さらに、以上説明された実施の形態において、削減量を表示する表示部47は、制御装置4,4Aに備えられていた。しかし、本発明における削減量表示部は、複数の筐体ユニットの外部から視認可能に配置されていればよく、制御装置4,4Aに備えられなくてもよい。すなわち、例えば、本発明における第1端部筐体ユニットは、削減量表示部を、備えてもよい。削減量表示部は、第1壁部の外側に配置される。
【0182】
さらにまた、本発明における削減量表示部は、削減量を表示できればよく、削減量表示部に表示される削減量の表示態様は、特に限定されない。すなわち、例えば、本発明における削減量表示部に表示される削減量の表示態様は、直接表示態様でもよく、間接表示態様でもよく、その両方でもよい。直接表示態様は、削減量を直接的に表示する態様である。直接表示態様は、例えば、「ppm」などの単位表示、「g」などの換算表示、「L」や「m」の体積表示、「L/min」などの流量表示、である。間接表示態様は、削減量を間接的に表示する態様である。間接表示態様は、例えば、削減量に応じて変化するアイコン(例えば、植物の葉っぱ、花の数、木の数、など)による表示、削減量に応じて変化する色による表示、などである。
【0183】
●その他の情報
本発明における本装置の構成は、以上説明された実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、本装置は、植物の育成に関する育成情報を記憶する記憶部と、育成情報を表示する育成情報表示部と、を備えてもよい。育成情報は、育成植物情報と育成作業情報とを、含む。育成植物情報は、閉空間で育成される植物の特性や状態に関する情報である。育成植物情報は、例えば、植物の種類、閉空間内に供給された二酸化炭素の積算量、与えられた栄養の積算量、育成期間、などである。育成作業情報は、育成作業に関する情報である。育成作業情報は、例えば、作業内容、作業者、作業時刻、出荷先、などである。この場合、制御装置は、記憶部に記憶された育成情報に基づいて、供給装置の動作を、制御する。そのため、本装置は、植物や育成作業に応じて、閉空間に収容された植物を、効率よく育成できる。
【0184】
また、本発明における本装置の構成は、以上説明された実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、本装置は、内部環境制御部を、備えてもよい。この場合、内部環境制御部は、記憶部に記憶された情報(例えば、各計測情報、育成情報、環境情報、など)に基づいて、閉空間の内部環境を、制御する。具体的には、内部環境制御部は、閉空間内のLED照射量を制御して、人為的な昼夜の切り替えをしてもよい。内部環境制御部は、閉空間内の温度を制御して、寒暖差によるストレスを、植物に与えてもよい。内部環境制御部は、閉空間内の気体に含まれる二酸化炭素の濃度、閉空間内の湿度、などを、制御してもよい。本装置が複数の閉空間を備えるとき、内部環境制御部は、複数の閉空間ごとに、複数の閉空間それぞれの内部環境を、制御してもよい。
【0185】
●移動の制御
以上説明された実施の形態において、第1ユニット1と、第2ユニット2,2Aと、第3ユニット3,3Aと、は移動可能であった。しかし、本発明における筐体ユニットの移動方法は、特に限定されない。すなわち、例えば、本発明における移動可能な筐体ユニットは、モータを備える電動式の筐体ユニットでもよく、棚搬送型ロボットにより移動可能な筐体ユニットでもよい。本装置は、筐体ユニットの移動を制御する移動制御部を、備えてもよい。
【0186】
また、移動可能な筐体ユニットと移動制御部とを備える本装置は、閉空間内の内部環境、および/または、閉空間外の外部環境を示す環境情報を取得する環境情報取得部を、備えてもよい。内部環境は、例えば、閉空間内のLED照射量、閉空間内の温度、閉空間内の二酸化炭素の濃度、などである。外部環境は、例えば、日射量、温度、天気、などである。この場合、移動制御部は、環境情報に基づいて、筐体ユニットの移動を、制御する。移動制御部は、閉空間の二酸化炭素の濃度に基づいて、複数の筐体ユニットそれぞれの間隔が一定の間隔になるように制御してもよい。移動制御部は、記憶部に記憶された外部環境を示す環境情報に基づいて、植物の育成に適した環境(植物育成工場内においてLED照射される場所、日光が照射されるテラス、屋外ビニールハウス内の明るい場所、など)に、閉空間を区画する複数の筐体ユニットを移動させてもよい。
【0187】
また、移動制御部は、育成情報に基づいて、移動可能な筐体ユニットの移動を、制御してもよい。具体的には、移動制御部は、記憶部に記憶された作業時刻に基づいて、通路を形成するように、筐体ユニットの移動を制御してもよい。移動制御部は、記憶部に記憶された作業内容と、作業時刻と、作業場所と、に基づいて、筐体ユニットを、育成作業をする作業者がいる場所に移動させてもよい。
【0188】
●本装置の特徴●
これまでに説明された本装置の特徴は、以下にまとめて記載される。
【0189】
本装置は、
閉空間(例えば、閉空間CS,第1閉空間CS1,第2閉空間CS2)で植物を育成する育成装置(例えば、本装置S,SA)であって、
所定の配列方向に沿って配列される複数の筐体ユニット(例えば、第1ユニット1,1A、第2ユニット2,2A、第3ユニット3,3A)と、
前記閉空間に前記植物の育成に使用される育成用気体を供給する供給装置(例えば、供給装置16,36)と、
を有してなり、
前記配列方向のうち、一方側の方向は第1方向であり、他方側の方向は第2方向であって、
複数の前記筐体ユニットは、
複数の前記筐体ユニットのうち、最も前記第1方向側に配置される第1端部筐体ユニット(例えば、第1ユニット1,1A)と、
前記第1端部筐体ユニットよりも前記第2方向に配置される他の筐体ユニット(例えば、第2ユニット2,2A、第3ユニット3,3A)と、
を含み、
他の前記筐体ユニットは、
他の前記筐体ユニットのうち、最も前記第2方向側に配置される第2端部筐体ユニット(例えば、第3ユニット3,3A)、
を含み、
前記第1端部筐体ユニットは、
前記第2方向に開口する第1壁部(例えば、第1壁部11)と、
前記第1壁部により区画されて、前記植物を収容可能な第1内部空間(例えば、第1内部空間S1)と、
を含み、
前記第2端部筐体ユニットは、
前記第1方向に開口する第2壁部(例えば、第3壁部31,31A)と、
前記第2壁部により区画されて、前記植物を収容可能な第2内部空間(例えば、第3内部空間S3,S3A)と、
を備えて、
前記第2端部筐体ユニットは、複数の前記筐体ユニットが収束可能に移動可能であって、
複数の前記筐体ユニットが収束したとき、複数の前記筐体ユニットは、前記植物が育成される前記閉空間を区画して、
前記閉空間は、
前記第1内部空間と、
前記第2内部空間と、
を含む、
ことを特徴とする。
【0190】
本装置において、
他の前記筐体ユニットは、
前記第1端部筐体ユニットと前記第2端部筐体ユニットとの間に配置される中間筐体ユニット(例えば、第2ユニット2)、
を含み、
前記中間筐体ユニットは、
前記第1方向と前記第2方向とに開口する中間壁部(例えば、第2壁部21)と、
前記中間壁部により区画されて、前記植物を収容可能な中間内部空間(例えば、第2内部空間S2)と、
を備えて、
前記閉空間は、
前記中間内部空間、
を含む、
ものでもよい。
【0191】
本装置において、
前記閉空間は、
第1閉空間(例えば、第1閉空間CS1)と、
前記第1閉空間よりも前記第2方向側に配置される第2閉空間(例えば、第2閉空間CS2)と、
を含み、
他の前記筐体ユニットは、
前記第1端部筐体ユニットと前記第2端部筐体ユニットとの間に配置される中間端部筐体ユニット(例えば、第2ユニット2A)、
を備えて、
前記中間端部筐体ユニットは、
前記第1方向および/または前記第2方向に開口する中間端部壁部(例えば、第2壁部21A)と、
複数の前記筐体ユニットが収束したとき、前記第1閉空間と前記第2閉空間とを区画可能な区画壁部(例えば、第2壁部21A)と、
を備えて、
前記第1閉空間は、
前記第1内部空間、
を含み、
前記第2閉空間は、
前記第2内部空間、
を含む、
ものでもよい。
【0192】
本装置において、
前記育成用気体は、
前記第1閉空間に供給される第1育成用気体と、
前記第2閉空間に供給される第2育成用気体と、
を含み、
前記第1育成用気体に含まれる二酸化炭素の濃度は、前記第2育成用気体に含まれる二酸化炭素の濃度と異なる、
ものでもよい。
【0193】
本装置は、
前記供給装置の動作を制御する制御装置(例えば、動作制御部45)、
を有してなり、
前記植物は、
前記第1閉空間で育成される第1植物と、
前記第2閉空間で育成される第2植物と、
を含み、
前記育成用気体は、
前記第1閉空間に供給される第1育成用気体と、
前記第2閉空間に供給される第2育成用気体と、
を含み、
前記制御装置は、前記第1育成用気体の流量と前記第1育成用気体に含まれる二酸化炭素の濃度それぞれが、前記第2育成用気体の流量と前記第2育成用気体に含まれる二酸化炭素の濃度それぞれと異なるように、前記供給装置の動作を制御する、
ものでもよい。
【0194】
本装置において、
前記供給装置は、
前記第1閉空間に前記第1育成用気体を供給する第1供給装置(例えば、供給装置16)と、
前記第2閉空間に前記第2育成用気体を供給する第2供給装置(例えば、供給装置36)と、
を備える、
ものでもよい。
【0195】
本装置は、
前記供給装置の動作を制御する制御装置(例えば、動作制御部45)と、
複数の前記筐体ユニットが収束しいるか否かを検知する収束検知装置(例えば、収束検知部43)と、
を有してなり、
前記制御装置は、前記収束検知装置が複数の前記筐体ユニットの収束を検知したとき、前記育成用気体の供給を開始させる、
ものでもよい。
【0196】
本装置において、
前記制御装置は、前記収束検知装置が複数の前記筐体ユニットの収束を検知しないとき、前記供給装置の動作を制御して、前記閉空間への前記育成用気体の供給を停止させる、
ものでもよい。
【0197】
本装置は、
前記供給装置の動作を制御する制御装置(例えば、動作制御部45)と、
複数の前記筐体ユニットのうち、前記第1閉空間を区画する前記筐体ユニットが収束しているか否かを検知する第1収束検知装置(例えば、収束検知部43)と、
複数の前記筐体ユニットのうち、前記第2閉空間を区画する前記筐体ユニットが収束しているか否かを検知する第2収束検知装置(例えば、収束検知部43)と、
を有してなり、
前記制御装置は、
前記第1収束検知装置が前記第1閉空間を区画する前記筐体ユニットの収束を検知したとき、前記第1閉空間への前記育成用気体の供給を開始させて、
前記第2収束検知装置が前記第2閉空間を区画する前記筐体ユニットの収束を検知したとき、前記第2閉空間への前記育成用気体の供給を開始させて、
前記第1収束検知装置が前記第1閉空間を区画する前記筐体ユニットの収束を検知しないとき、前記第1閉空間への前記育成用気体の供給を停止させて、
前記第2収束検知装置が前記第2閉空間を区画する前記筐体ユニットの収束を検知しないとき、前記第2閉空間への前記育成用気体の供給を停止させる、
ものでもよい。
【0198】
本装置において、
複数の前記筐体ユニットそれぞれは、
複数の前記筐体ユニットが収束したとき、隣り合う前記筐体ユニットに当接して、前記閉空間を密閉する密閉部材、
を備える、
ものでもよい。
【0199】
本装置は、
前記供給装置の動作を制御する制御装置と、
前記閉空間が密閉されているか否かを検知する密閉検知装置と、
を有してなり、
前記制御装置は、前記密閉検知装置が前記閉空間の密閉を検知したとき、前記育成用気体の供給を開始させる、
ものでもよい。
【0200】
本装置において、
前記制御装置は、前記密閉検知装置が前記閉空間の密閉を検知しないとき、前記供給装置の動作を制御して、前記閉空間への前記育成用気体の供給を停止させる、
ものでもよい。
【0201】
本装置は、
前記密閉検知装置の検知状態を報知する報知装置、
を有してなる、
ものでもよい。
【0202】
本装置において、
複数の前記筐体ユニットが収束した状態から、前記第2端部筐体ユニットが前記第2方向へ移動したとき、
複数の前記筐体ユニットのうち、少なくとも一対の隣り合う前記筐体ユニットの間には、前記植物の育成者が進入可能な通路が形成される、
ものでもよい。
【0203】
本装置において、
前記第1端部筐体ユニットは、前記配列方向に移動不可能に固定される、
ものでもよい。
【0204】
本装置において、
前記第1端部筐体ユニットは、前記配列方向に移動可能である、
ものでもよい。
【0205】
本装置は、
前記植物が削減した二酸化炭素の削減量を算出する算出部(例えば、算出部46)と、
前記削減量を表示する削減量表示部(例えば、表示部47)と、
を有してなり、
前記削減量表示部は、複数の前記筐体ユニットの外部から視認可能に配置される、
ものでもよい。
【0206】
本装置は、
前記削減量表示部に表示される前記削減量の表示態様を記憶する記憶部と、
前記表示態様を制御する表示制御部と、
を有してなる、
ものでもよい。
【0207】
本装置において、
前記算出部は、複数の前記筐体ユニットが収束している収束時間に基づいて、前記削減量を算出する、
ものでもよい。
【0208】
本装置において、
前記育成用気体に含まれる二酸化炭素の濃度は、前記閉空間外の外気に含まれる二酸化炭素の濃度より、高い、
ものでもよい。
【0209】
本装置において、
前記供給装置は、前記外気に含まれる二酸化炭素を濃縮して、前記育成用気体を生成する、
ものでもよい。
【0210】
本装置において、
前記供給装置は、複数の前記筐体ユニットのうち、少なくとも1つの前記筐体ユニットに取り付けられる、
ものでもよい。
【0211】
本装置において、
前記供給装置が取り付けられる前記筐体ユニットは、前記供給装置を収容する、
ものでもよい。
【0212】
本装置において、
前記供給装置が取り付けられる前記筐体ユニットは、
前記供給装置を収容する装置収容空間(例えば、装置収容空間DS,DS2)、
を備えて、
前記装置収容空間は、前記閉空間とは異なる空間である、
ものでもよい。
【0213】
本装置は、
前記植物の育成に関する育成情報を記憶する記憶部と、
前記育成情報を表示する育成情報表示部と、
を有してなる、
ものでもよい。
【0214】
本装置は、
前記供給装置の動作を制御する制御装置と、
前記植物の育成に関する育成情報を記憶する記憶部と、
を有してなり、
前記制御装置は、前記育成情報に基づいて、前記供給装置の動作を制御する、
ものでもよい。
【0215】
本装置は、
前記筐体ユニットの移動を制御する移動制御部と、
前記閉空間内の内部環境、および/または、前記閉空間外の外部環境を示す環境情報を取得する環境情報取得部と、
を有してなり、
前記移動制御部は、
前記環境情報に基づいて、他の前記筐体ユニットの移動を制御する、
ものでもよい。
【0216】
本装置は、
前記筐体ユニットの移動を制御する移動制御部と、
前記植物の育成に関する育成情報を記憶する記憶部と、
を有してなり、
前記移動制御部は、
前記育成情報に基づいて、他の前記筐体ユニットの移動を制御する、
ものでもよい。
【0217】
本装置において、
前記配列方向は、
第1配列方向と、
第2配列方向と、
を含み、
前記第1方向は、前記第1配列方向の一方側の方向であって、
前記第2方向は、前記第1配列方向の他方側の方向であって、
前記第2配列方向のうち、一方側の方向は第3方向であり、他方側の方向は第4方向であって、
前記第1端部筐体ユニットは、複数の前記筐体ユニットのうち、最も前記第3方向側に配置されて、
前記第2端部筐体ユニットは、他の前記筐体ユニットのうち、最も前記第3方向側に配置されて、
他の前記筐体ユニットは、
他の前記筐体ユニットのうち、最も前記第1方向側、かつ、最も前記第4方向側に配置される第3端部筐体ユニットと、
他の前記筐体ユニットのうち、最も前記第2方向側、かつ、最も前記第4方向側に配置される第4端部筐体ユニットと、
を含み、
前記第3端部筐体ユニットは、
前記第2方向および/または前記第3方向に開口する第3壁部と、
前記第3壁部により区画されて、前記植物を収容可能な第3内部空間と、
を備えて、
前記第4端部筐体ユニットは、
前記第1方向および/または前記第3方向に開口する第4壁部と、
前記第4壁部により区画されて、前記植物を収容可能な第4内部空間と、
を備えて、
前記閉空間は、
前記第3内部空間と、
前記第4内部空間と、
を含む、
ものでもよい。
【0218】
本装置において、
複数の前記筐体ユニットは、複数の移動棚を備える移動棚ユニットであり、
他の前記筐体ユニットは、前記移動棚であり、
前記第1端部筐体ユニットは、前記移動棚、または、移動しない固定棚である、
ものでもよい。
【符号の説明】
【0219】
S :本装置
1 :第1ユニット
11 :第1壁部
111 :開口部
12 :第1当接部
13 :通信部
14 :当接検知部
15 :第1濃度計
16 :供給装置
161 :送風機
162 :濃縮膜
163 :ポンプ
164 :流量計
165 :第2濃度計
2 :第2ユニット
21 :第2壁部
211a :開口部
211b :開口部
22a :第2当接部
22b :第2当接部
23 :通信部
24 :当接検知部
3 :第3ユニット
31 :第3壁部
311 :開口部
32 :第3当接部
33 :通信部
34 :当接検知部
35 :第3濃度計
36 :供給装置
4 :制御装置
41 :通信部
42 :記憶部
43 :収束検知部
44 :報知部
45 :動作制御部
46 :算出部
47 :表示部
S1 :第1内部空間
S2 :第2内部空間
S3 :第3内部空間
CS :閉空間
DS :装置収容空間
【要約】
本発明は、閉空間に収容された植物を効率よく育成できる育成装置を提供する。
本発明に係る育成装置は、所定の配列方向に沿って配列される複数の筐体ユニットと、閉空間に植物の育成に使用される育成用気体を供給する供給装置と、を有してなり、複数の筐体ユニットは、複数の筐体ユニットのうち、最も第1方向側に配置される第1端部筐体ユニットと、第1端部筐体ユニットよりも第2方向に配置される他の筐体ユニットと、を含み、他の筐体ユニットは、他の筐体ユニットのうち、最も第2方向側に配置される第2端部筐体ユニット、を含み、第1端部筐体ユニットは、第1壁部により区画されて、植物を収容可能な第1内部空間を備えて、第2端部筐体ユニットは、第2壁部により区画されて、植物を収容可能な第2内部空間を備えて、複数の筐体ユニットが収束したとき、複数の筐体ユニットは、植物が育成される閉空間を区画する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図14