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特許7641047基板印刷のためのスロットダイコーティング装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-26
(45)【発行日】2025-03-06
(54)【発明の名称】基板印刷のためのスロットダイコーティング装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/02 20060101AFI20250227BHJP
   B05C 9/12 20060101ALI20250227BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20250227BHJP
   B05D 1/28 20060101ALI20250227BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20250227BHJP
【FI】
B05C5/02
B05C9/12
B05C11/10
B05D1/28
B05D3/00 D
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2023549786
(86)(22)【出願日】2021-10-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-09
(86)【国際出願番号】 KR2021013514
(87)【国際公開番号】W WO2022085987
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-04-19
(31)【優先権主張番号】10-2020-0136608
(32)【優先日】2020-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523149709
【氏名又は名称】ナレナノテック コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】ダン、ヒョンウ
(72)【発明者】
【氏名】シム、ジフン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、サンボク
(72)【発明者】
【氏名】イ、ボラ
(72)【発明者】
【氏名】キム、デホ
【審査官】市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-196123(JP,A)
【文献】特開2013-031840(JP,A)
【文献】特開2001-000904(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0266044(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C5/00-21/00
B05D1/00-7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板印刷のためのスロットダイ(slot die)コーティング装置であって、
基板が提供されるステージ;
前記ステージ上で前記ステージの長手方向に移動可能に提供される垂直方向ガントリー;
前記垂直方向ガントリーの上部において前記垂直方向ガントリーを横切って提供され、前記ステージの水平方向の中心軸として回転する回転方向に回転可能に提供される水平方向ガントリー;
前記水平方向ガントリーに提供され、印刷材料を吐き出して前記基板上にフィルムをコーティングするスロットダイ;
前記水平方向ガントリーに提供され、前記コーティングされたフィルム上に紫外線(UV)を照射する光源;
前記スロットダイの上部に提供され、前記スロットダイ内部の圧力を調節するバルブ;
前記スロットダイと連結され、前記スロットダイから吐き出される前記印刷材料の吐出量を制御するポンプ;及び
前記ポンプと連結されて提供され、前記印刷材料を充填するキャニスターを含み、
前記フィルムのコーティングは、前記基板に対するモデル分析によって前記スロットダイの動きに関連した駆動軸を指定し、前記指定された駆動軸に対するパラメータ値を生成し、該生成されたパラメータ値に基づいて前記コーティングの印刷経路を設定し、
前記コーティングされたフィルムに対する紫外線(UV)照射は、前記基板に対するモデル分析によって前記光源の動きに関連した駆動軸を指定し、前記指定された駆動軸に対するパラメータ値を生成し、該生成されたパラメータ値に基づいて露光経路を設定することを特徴とするスロットダイコーティング装置。
【請求項2】
基板印刷のためのスロットダイ(slot die)コーティング装置であって、
基板が提供されるステージ;
前記ステージ上で前記ステージの長手方向に移動可能に提供される垂直方向ガントリー;
前記垂直方向ガントリーの上部において前記垂直方向ガントリーを横切って提供され、前記ステージの水平方向の中心軸として回転する回転方向に回転可能に提供される水平方向ガントリー;
前記水平方向ガントリーに提供され、印刷材料を吐き出して前記基板上にフィルムをコーティングするスロットダイ;
前記スロットダイを前記水平方向ガントリーの一側に連結するように提供され、前記スロットダイの水平方向及び垂直方向の移動を制御する第1移動部材;
前記水平方向ガントリーに提供され、前記コーティングされたフィルム上に紫外線(UV)を照射する光源;
前記光源を前記水平方向ガントリーの他側に連結するように提供され、前記光源の水平方向及び垂直方向の移動を制御する第2移動部材;
前記スロットダイの上部に提供され、前記スロットダイ内部の圧力を調節するバルブ;
前記スロットダイと連結され、前記スロットダイから吐き出される前記印刷材料の吐出量を制御するポンプ;及び
前記ポンプと連結されて提供され、前記印刷材料を充填するキャニスターを含み、
前記フィルムのコーティングは、前記基板に対するモデル分析によって前記スロットダイの動きに関連した駆動軸を指定し、前記指定された駆動軸に対するパラメータ値を生成し、該生成されたパラメータ値に基づいて前記コーティングの印刷経路を設定することを特徴とするスロットダイコーティング装置。
【請求項3】
前記基板に対するモデルは、コーティング印刷パターンの幅の変化に基づく形状及び前記基板の屈曲変化に基づく次元によって区分されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のスロットダイコーティング装置。
【請求項4】
基板印刷のためのスロットダイ(slot die)コーティング装置であって、
基板が提供されるステージ;
前記ステージ上で前記ステージの長手方向に移動可能に提供される垂直方向ガントリー;
前記垂直方向ガントリーの上部において前記垂直方向ガントリーを横切って提供され、前記ステージの水平方向の中心軸として回転する回転方向に回転可能に提供される水平方向ガントリー;
前記水平方向ガントリーに提供され、印刷材料を吐き出して前記基板上にフィルムをコーティングするスロットダイ;
前記水平方向ガントリーに提供され、前記コーティングされたフィルム上に紫外線(UV)を照射する光源;
前記スロットダイの上部に提供され、前記スロットダイ内部の圧力を調節するバルブ;
前記スロットダイと連結され、前記スロットダイから吐き出される前記印刷材料の吐出量を制御するポンプ;及び
前記ポンプと連結されて提供され、前記印刷材料を充填するキャニスターを含み、
前記フィルムのコーティングは、前記基板に対するモデル分析によって前記スロットダイの動きに関連した駆動軸を指定し、前記指定された駆動軸に対するパラメータ値を生成し、該生成されたパラメータ値に基づいて前記コーティングの印刷経路を設定し、
前記基板に対するモデルは、コーティング印刷パターンの幅の変化に基づく形状及び前記基板の屈曲変化に基づく次元によって区分され、
前記形状は、長方型、ポリゴン型及び曲線型に区分され、前記次元は、2次元及び2.5次元に区分され
前記指定された駆動軸は、前記基板に対するモデルの区分によって、(a)長方型の場合に、前記ステージの長手方向軸及びポンプ軸に該当し、印刷対象基板モデルが、コーティング進行方向を基準にパターンの幅の変化がない印刷パターン類型に該当し、(b)ポリゴン型及び曲線型の場合に、前記ステージの長手方向軸、スロットダイ軸、垂直方向軸及びポンプ軸に該当し、前記印刷対象基板モデルは、コーティング進行方向を基準にパターンの幅が変化する任意形状の印刷パターン類型に該当し、(c)2次元の場合に、前記ステージの長手方向軸及び垂直方向軸に該当し、前記印刷対象基板モデルは、平板基板に印刷する類型に該当し、(d)2.5次元の場合に、前記ステージの長手方向軸、垂直方向軸及び前記回転方向の軸に該当し、前記印刷対象基板モデルは、屈曲又は曲率半径を有する基板に印刷する類型に該当することを特徴とする、スロットダイコーティング装置。
【請求項5】
基板印刷のためのスロットダイ(slot die)コーティング装置であって、
基板が提供されるステージ;
前記ステージ上で前記ステージの長手方向に移動可能に提供される垂直方向ガントリー;
前記垂直方向ガントリーの上部において前記垂直方向ガントリーを横切って提供され、前記ステージの水平方向の中心軸として回転する回転方向に回転可能に提供される水平方向ガントリー;
前記水平方向ガントリーに提供され、印刷材料を吐き出して前記基板上にフィルムをコーティングするスロットダイ;
前記スロットダイを前記水平方向ガントリーの一側に連結するように提供され、前記スロットダイの水平方向及び垂直方向の移動を制御する第1移動部材;
前記水平方向ガントリーに提供され、前記コーティングされたフィルム上に紫外線(UV)を照射する光源;
前記光源を前記水平方向ガントリーの他側に連結するように提供され、前記光源の水平方向及び垂直方向の移動を制御する第2移動部材;
前記スロットダイの上部に提供され、前記スロットダイ内部の圧力を調節するバルブ;
前記スロットダイと連結され、前記スロットダイから吐き出される前記印刷材料の吐出量を制御するポンプ;及び
前記ポンプと連結されて提供され、前記印刷材料を充填するキャニスターを含み、
前記フィルムのコーティングは、前記基板に対するモデル分析によって前記スロットダイの動きに関連した駆動軸を指定し、前記指定された駆動軸に対するパラメータ値を生成し、該生成されたパラメータ値に基づいて前記コーティングの印刷経路を設定し、
前記基板に対するモデルは、コーティング印刷パターンの幅の変化に基づく形状及び前記基板の屈曲変化に基づく次元によって区分され、
前記形状は、長方型、ポリゴン型及び曲線型に区分され、前記次元は、2次元及び2.5次元に区分され
前記指定された駆動軸は、前記基板に対するモデルの区分によって、(a)長方型の場合に、前記ステージの長手方向軸及びポンプ軸に該当し、印刷対象基板モデルが、コーティング進行方向を基準にパターンの幅の変化がない印刷パターン類型に該当し、(b)ポリゴン型及び曲線型の場合に、前記ステージの長手方向軸、スロットダイ軸、垂直方向軸及びポンプ軸に該当し、前記印刷対象基板モデルは、コーティング進行方向を基準にパターンの幅が変化する任意形状の印刷パターン類型に該当し、(c)2次元の場合に、前記ステージの長手方向軸及び垂直方向軸に該当し、前記印刷対象基板モデルは、平板基板に印刷する類型に該当し、(d)2.5次元の場合に、前記ステージの長手方向軸、垂直方向軸及び前記回転方向の軸に該当し、前記印刷対象基板モデルは、屈曲又は曲率半径を有する基板に印刷する類型に該当することを特徴とする、スロットダイコーティング装置。
【請求項6】
前記ポリゴン型及び曲線型の場合に、コーティング印刷時にさらに前記バルブを制御することを特徴とする、請求項に記載のスロットダイコーティング装置。
【請求項7】
前記生成されたパラメータ値は、ユーザが入力によって直接変更可能であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のスロットダイコーティング装置。
【請求項8】
前記コーティングされたフィルムに対する紫外線(UV)照射は、前記基板に対するモデル分析によって前記光源の動きに関連した駆動軸を指定し、前記指定された駆動軸に対するパラメータ値を生成し、該生成されたパラメータ値に基づいて露光経路を設定することを特徴とする、請求項2に記載のスロットダイコーティング装置。
【請求項9】
前記基板に対するモデルは、前記基板の屈曲変化に基づく次元によって区分されることを特徴とする、請求項に記載のスロットダイコーティング装置。
【請求項10】
基板印刷のためのスロットダイ(slot die)コーティング方法であって、
印刷材料を充填する段階;
スロットダイを用いて基板上に前記印刷材料をコーティング印刷してフィルムを形成する段階;
前記コーティングされたフィルムに紫外線(UV)露光を行う段階;
前記コーティングされたフィルムの厚さを測定する段階;
前記コーティングされたフィルムを用いて前記基板と他の基板とを貼り合わせる段階;及び、
前記貼り合わされた基板の前記コーティングされたフィルムに対する検査を行う段階を含み、
前記フィルムを形成する段階は、前記基板に対するモデル分析を行う段階;前記モデル分析によってスロットダイコーティング装置のスロットダイの動きに関連した駆動軸を指定する段階;前記指定された駆動軸に対するパラメータ値を生成する段階;前記生成されたパラメータ値に基づいて前記コーティング印刷の経路を設定する段階;及び、前記コーティング印刷を行う段階を含み、
前記コーティングされたフィルムに紫外線(UV)露光を行う段階は、前記基板に対するモデル分析を行う段階;前記モデル分析によってスロットダイコーティング装置の光源の動きに関連した駆動軸を指定する段階;前記指定された駆動軸に対するパラメータ値を生成する段階;前記生成されたパラメータ値に基づいて前記露光の経路を設定する段階;及び、前記露光を行う段階を含むことを特徴とする、スロットダイコーティング方法。
【請求項11】
前記基板に対するモデルは、コーティング印刷パターンの幅の変化に基づく形状及び前記基板の屈曲変化に基づく次元によって区分されることを特徴とする、請求項10に記載のスロットダイコーティング方法。
【請求項12】
基板印刷のためのスロットダイ(slot die)コーティング方法であって、
印刷材料を充填する段階;
スロットダイを用いて基板上に前記印刷材料をコーティング印刷してフィルムを形成する段階;
前記コーティングされたフィルムに紫外線(UV)露光を行う段階;
前記コーティングされたフィルムの厚さを測定する段階;
前記コーティングされたフィルムを用いて前記基板と他の基板とを貼り合わせる段階;及び、
前記貼り合わされた基板の前記コーティングされたフィルムに対する検査を行う段階を含み、
前記フィルムを形成する段階は、前記基板に対するモデル分析を行う段階;前記モデル分析によってスロットダイコーティング装置のスロットダイの動きに関連した駆動軸を指定する段階;前記指定された駆動軸に対するパラメータ値を生成する段階;前記生成されたパラメータ値に基づいて前記コーティング印刷の経路を設定する段階;及び、前記コーティング印刷を行う段階を含み、
前記基板に対するモデルは、コーティング印刷パターンの幅の変化に基づく形状及び前記基板の屈曲変化に基づく次元によって区分され、
前記形状は、長方型、ポリゴン型及び曲線型に区分され、前記次元は、2次元及び2.5次元に区分され
前記指定された駆動軸は、前記基板に対するモデルの区分によって、(a)長方型の場合に、ステージの長手方向軸及びポンプ軸に該当し、印刷対象基板モデルが、コーティング進行方向を基準にパターンの幅の変化がない印刷パターン類型に該当し、(b)ポリゴン型及び曲線型の場合に、前記ステージの長手方向軸、スロットダイ軸、垂直方向軸及びポンプ軸に該当し、前記印刷対象基板モデルは、コーティング進行方向を基準にパターンの幅が変化する任意形状の印刷パターン類型に該当し、(c)2次元の場合に、前記ステージの長手方向軸及び垂直方向軸に該当し、前記印刷対象基板モデルは、平板基板に印刷する類型に該当し、(d)2.5次元の場合に、前記ステージの長手方向軸、垂直方向軸及び回転方向の軸に該当し、前記印刷対象基板モデルは、屈曲又は曲率半径を有する基板に印刷する類型に該当することを特徴とする、スロットダイコーティング方法。
【請求項13】
前記ポリゴン型及び曲線型の場合に、コーティング印刷時にスロットダイコーティング装置のバルブを制御する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載のスロットダイコーティング方法。
【請求項14】
基板印刷のためのスロットダイ(slot die)コーティング方法であって、
印刷材料を充填する段階;
スロットダイを用いて基板上に前記印刷材料をコーティング印刷してフィルムを形成する段階;
前記コーティングされたフィルムに紫外線(UV)露光を行う段階;
前記コーティングされたフィルムの厚さを測定する段階;
前記コーティングされたフィルムを用いて前記基板と他の基板とを貼り合わせる段階;及び、
前記貼り合わされた基板の前記コーティングされたフィルムに対する検査を行う段階を含み、
前記フィルムを形成する段階は、前記基板に対するモデル分析を行う段階;前記モデル分析によってスロットダイコーティング装置のスロットダイの動きに関連した駆動軸を指定する段階;前記指定された駆動軸に対するパラメータ値を生成する段階;前記生成されたパラメータ値に基づいて前記コーティング印刷の経路を設定する段階;及び、前記コーティング印刷を行う段階を含み、
前記生成されたパラメータ値に基づいてコーティング印刷の経路を設定する段階は、
前記生成されたパラメータ値が確定状態であるか否かを判断する段階;及び、確定されたパラメータ値に基づいてコーティング印刷の経路を設定する段階を含み、
前記生成されたパラメータ値が未確定状態である場合に、前記生成されたパラメータ値をユーザが入力によって直接変更する段階をさらに含むことを特徴とする、スロットダイコーティング方法。
【請求項15】
前記印刷材料を充填する段階は、前記印刷材料の撹拌、脱泡及びエージングする段階をさらに含む、請求項10に記載のスロットダイコーティング方法。
【請求項16】
前記基板に対するモデルは、前記基板の屈曲変化に基づく次元によって区分されることを特徴とする、請求項10に記載のスロットダイコーティング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板印刷のためのスロットダイコーティング装置及び方法に関し、より具体的には、スロットダイコーティング時に基板モデル分析を用いてコーティング印刷パターンの幅の変化に基づく任意の形状コーティング印刷及び屈曲面を有する基板に対するコーティング印刷によって様々な形状のディスプレイを製造可能な基板印刷のためのスロットダイコーティング装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大型TVをはじめとするコンピュータモニタ、各種携帯機器及び各種医療機器をはじめとする電子産業におけるディスプレイ市場は、日々需要が高まっている。ディスプレイ製造工程の一つである紫外線硬化型接着剤として使用される光学樹脂(OCR:optically clear resin)の塗布工程は、基板上にOCRを塗布する工程によって均一なコーティング厚を得ることがディスプレイの品質において非常に重要である。
【0003】
OCRをコーティングする工程は、コーティング液を計量する方法によって、スピンコーティング(spin coating)、カーテンコーティング(curtain coating)、スライドコーティング(slide coating)及びスロットコーティング(slot coating)などが存在する。それらのコーティング工程のうち、スロットコーティングは、ノズルが基板上を直線で移動しながらコーティング液を吹き付けて膜を形成させる方式であり、スピンコーティング方式に比べてコーティング液の使用量が減少するという長所から、大型基板のコーティングに広く用いられる。したがって、ディスプレイの大型化傾向によって、上述したOCRコーティング工程としてスロットコーティング方式が最も多用されている。
【0004】
一方、大韓民国登録特許公報第10-2007653号は、コーティング幅の調節が可能なスロットダイ装置に関して開示しているが、依然として、様々な分野で要求される様々な形状のディスプレイ生産に対する機敏な対処は十分でない現状にある。このため、スロットダイ(slot die)を用いるスロットコーティング方式(以下、「スロットダイコーティング方式」という。)においてコーティング均一度を一定に維持できる上に、コーティング幅の変化及びコーティング面の屈曲変化に対する現場の様々な要求も満たし得るスロットダイコーティング装置及び方法が必要な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決するためのものであり、スロットダイコーティング方式で基板モデル分析を用いてコーティング均一度を一定に維持できる上に、コーティング幅の変化及びコーティング面の屈曲変化を有する基板に対するコーティング印刷が可能な基板印刷のためのスロットダイコーティング装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1特徴による基板印刷のためのスロットダイコーティング装置は、基板が提供されるステージ;前記ステージ上で前記ステージの長手方向に移動可能に提供される垂直方向ガントリー;前記垂直方向ガントリーの上部において前記垂直方向ガントリーを横切って、回転方向に回転可能に提供される水平方向ガントリー;前記水平方向ガントリーに提供され、印刷材料を吐き出して前記基板上にフィルムをコーティングするスロットダイ;前記水平方向ガントリーに提供され、前記コーティングされたフィルム上に紫外線(UV)を照射する光源;前記スロットダイの上部に提供され、前記スロットダイ内部の圧力を調節するバルブ;前記スロットダイと連結され、前記スロットダイから吐き出される前記印刷材料の吐出量を制御するポンプ;及び、前記ポンプと連結されて提供され、前記印刷材料を充填するキャニスターを含み、前記フィルムのコーティングは、前記基板に対するモデル分析によって前記スロットダイの動きに関連した駆動軸を指定し、前記指定された駆動軸に対するパラメータ値を生成し、該生成されたパラメータ値に基づいて前記コーティングの印刷経路を設定することを特徴とする。
【0007】
本発明の第2特徴による基板印刷のためのスロットダイコーティング装置は、基板が提供されるステージ;前記ステージ上で前記ステージの長手方向に移動可能に提供される垂直方向ガントリー;前記垂直方向ガントリーの上部において前記垂直方向ガントリーを横切って、回転方向に回転可能に提供される水平方向ガントリー;前記水平方向ガントリーに提供され、印刷材料を吐き出して前記基板上にフィルムをコーティングするスロットダイ;前記スロットダイを前記水平方向ガントリーの一側に連結するように提供され、前記スロットダイの水平方向及び垂直方向の移動を制御する第1移動部材;前記水平方向ガントリーに提供され、前記コーティングされたフィルム上に紫外線(UV)を照射する光源;前記光源を前記水平方向ガントリーの他側に連結するように提供され、前記光源の水平方向及び垂直方向の移動を制御する第2移動部材;前記スロットダイの上部に提供され、前記スロットダイ内部の圧力を調節するバルブ;前記スロットダイと連結され、前記スロットダイから吐き出される前記印刷材料の吐出量を制御するポンプ;及び、前記ポンプと連結されて提供され、前記印刷材料を充填するキャニスターを含み、前記フィルムのコーティングは、前記基板に対するモデル分析によって前記スロットダイの動きに関連した駆動軸を指定し、前記指定された駆動軸に対するパラメータ値を生成し、該生成されたパラメータ値に基づいて前記コーティングの印刷経路を設定することを特徴とする。
【0008】
本発明の第3特徴による基板印刷のためのスロットダイコーティング方法は、印刷材料を充填する段階;スロットダイを用いて基板上に前記印刷材料をコーティング印刷してフィルムを形成する段階;前記コーティングされたフィルムに紫外線(UV)露光を行う段階;前記コーティングされたフィルムの厚さを測定する段階;前記コーティングされたフィルムを用いて前記基板と他の基板とを貼り合わせる段階;及び、前記貼り合わされた基板の前記コーティングされたフィルムに対する検査を行う段階を含み、前記フィルムを形成する段階は、前記基板に対するモデル分析を行う段階;前記モデル分析によってスロットダイコーティング装置のスロットダイの動きに関連した駆動軸を指定する段階;前記指定された駆動軸に対するパラメータ値を生成する段階;前記生成されたパラメータ値に基づいて前記コーティング印刷の経路を設定する段階;及び、前記コーティング印刷を行う段階を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施例に係る基板印刷のためのスロットダイコーティング装置及び方法は、次のような効果を提供する。
【0010】
1.印刷対象基板のモデル分析を基づく駆動軸指定及び指定された駆動軸の移動に対するパラメータ値を算出し、これに基づいてコーティング印刷経路を決定することにより、スロットダイコーティング装置の精密な制御が可能であり、よって、コーティング印刷の正確度を高めることができる。
【0011】
2.コーティング幅の変化及びコーティング面の屈曲変化を反映したコーティング印刷によって、広範囲の分野における様々な形状を有するディスプレイ製造が可能になる。これにより、OCRコーティング工程の応用分野が拡大され、既存のOCAの代わりにOCRを使用することが可能になり、ディスプレイ製造コストを低減できる。
【0012】
3.印刷パターン幅の変更時に吐出量とコーティング量をマッチングするための制御が含まれることにより、コーティング均一度を一定に維持させることができる。
【0013】
4.印刷対象基板のモデル分析を基づく駆動軸指定及び指定された駆動軸の移動に対するパラメータ値を算出し、それに基づいて紫外線(UV)露光を行うので、印刷対象基板の屈曲加工性に優れ、露光工程における不良率を下げることができる。
【0014】
5.上述した印刷対象基板のモデル分析ベースのコーティング印刷経路決定方法により、ディスプレイ製造時にコーティング幅の変化及びコーティング面の屈曲変化に対する迅速な対応が可能であり、前記基板モデル分析によって生成されたパラメータ値をユーザが入力によって直接変更できるので、工程時間が短縮し、工程便宜が増大し得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施例に係るスロットダイコーティング装置の斜視図である。
【0016】
図2】本発明の一実施例に係るスロットダイコーティング装置の側面図である。
【0017】
図3】本発明の一実施例に係るスロットダイコーティング方法のフローチャートである。
【0018】
図4A】本発明の一実施例に係る基板にフィルムを形成する具体的な方法を説明するためのフローチャートである。
【0019】
図4B】本発明の一実施例に係るユーザ入力によって駆動軸に対するパラメータ値を変更する過程を説明するためのフローチャートである。
【0020】
図5】本発明の一実施例に係る基板にフィルム形成時にコーティング印刷形状及び基板屈曲に関連した次元によって指定される駆動軸を示す図である。
【0021】
図6】本発明の一実施例に係るコーティング印刷形状及び基板屈曲に関連した次元による基板の例示的な様子をそれぞれ示す図である。
【0022】
図7A】本発明の一実施例に係るユーザ入力を用いたパラメータ値変更が印刷経路変更に反映される様子を説明するための図である。
【0023】
図7B】本発明の一実施例に係るユーザインターフェースにおいて図7Aの印刷経路変更のためにパラメータ値を変更する様子を示す図である。
【0024】
図8】本発明の一実施例に係るコーティングされたフィルムに紫外線露光を行う具体的な方法を説明するためのフローチャートである。
【0025】
図9】本発明の一実施例に係るコーティングされたフィルムに紫外線露光時に基板屈曲に関連した次元によって指定される駆動軸を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明について実施例及び図面を参照して具体的に説明する。ただし、以下の説明は、本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明を説明するとき、関連の公知技術に関する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にし得ると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0027】
図1は、本発明の一実施例に係るスロットダイコーティング装置の斜視図であり、図2は、本発明の一実施例に係るスロットダイコーティング装置の側面図である。
【0028】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施例に係る基板印刷のためのスロットダイ(slot die)コーティング装置100は、基板(図示せず)が提供されるステージ10;前記ステージ10上で前記ステージ10の長手方向(X軸方向)2に移動可能に提供される垂直方向ガントリー51;前記垂直方向ガントリー51の上部において前記垂直方向ガントリー51を横切って、回転方向(θ軸方向)8に回転可能に提供される水平方向ガントリー52;前記水平方向ガントリー52に提供され、印刷材料を吐き出して前記基板上にフィルムをコーティングするスロットダイ110;前記スロットダイ110を前記水平方向ガントリー52の一側に連結するように提供され、前記スロットダイ110の水平方向(Y軸方向)4及び垂直方向(Z軸方向)6の移動を制御する第1移動部材53;前記水平方向ガントリー52に提供され、前記コーティングされたフィルム上に紫外線(UV)を照射する光源120;前記光源120を前記水平方向ガントリー52の他側に連結するように提供され、前記光源120の水平方向(Y軸方向)4及び垂直方向(Z軸方向)6の移動を制御する第2移動部材54;前記スロットダイ110の上部に提供され、前記スロットダイ110の内部の圧力を調節するバルブ140;前記スロットダイ110と連結され、前記スロットダイ110から吐き出される前記印刷材料の吐出量を制御するポンプ130;及び、前記ポンプ130と連結されて提供され、前記印刷材料を充填するキャニスター150を含み、前記フィルムのコーティングは、前記基板に対するモデル分析によって前記スロットダイ110の動きに関連した駆動軸を指定し、前記指定された駆動軸に対するパラメータ値を生成し、該生成されたパラメータ値に基づいて前記コーティングの印刷経路を設定することを特徴とする。
【0029】
以下では、説明の便宜のために、ステージ10の長手方向はX軸方向2と、水平方向(すなわち、ステージ10の幅方向)はY軸方向4と、垂直方向(すなわち、ステージ10の高さ方向)はZ軸方向6と、水平方向、すなわち、Y軸方向4を中心軸にした回転方向はθ軸方向8と記載する。
【0030】
本発明の一実施例に係る基板印刷のためのスロットダイコーティング装置100は、Y軸方向4にステージ10と一定間隔離隔してステージ10の両側にZ軸方向6にそれぞれ垂直に延長して提供される垂直方向ガントリー51と、前記垂直方向ガントリー51の上部において前記垂直方向ガントリー51を横切って、回転方向(θ軸方向)8に回転可能に提供される水平方向ガントリー52とを含む。このような垂直方向ガントリー51及び水平方向ガントリー52は、一般的なスロットダイコーティング装置に用いられるガントリー(gantry)構造と実質的に同一又は類似の形態で構成されてよい。
【0031】
垂直方向ガントリー51はX軸方向2に移動可能であり、水平方向ガントリー52はθ軸方向8の回転移動が可能である。また、水平方向ガントリー52は、Y軸方向4及びZ軸方向6の移動が可能な任意の所定セクション(例えば、第1移動部材53及び第2移動部材54)を含んでよい。
【0032】
より具体的には、本発明の一実施例において、図2を参照すると、水平方向ガントリー52は、Y軸方向4及びZ軸方向6の移動が個別に又は同時になされ得る第1移動部材53及び第2移動部材54を含んでもよい。この場合、第1移動部材53及び第2移動部材54は、X軸方向2を基準にして水平方向ガントリー52の一側及び他側にそれぞれ提供されてよい。このような第1移動部材53及び第2移動部材54はそれぞれ、例えば、公知のリニアモーションガイドなどの通常の駆動軸部品によって具現されてよい。
【0033】
スロットダイ110は下部にスロットノズルを具備し、印刷材料を加圧によって均一に吐き出して基板上にフィルムをコーティングして形成できる。本発明の一実施例において、印刷材料は、紫外線硬化型接着剤として用いられる光学樹脂(OCR:optically clear resin)であってよく、それ以外に、他の接着剤やフィルム原液のような高粘性の液体又は流動体であってもよいという点が、本発明の分野における技術者に十分に理解されるであろう。
【0034】
光源120は、紫外線を放出可能な任意の光源であってよい。例えば、光源120として、低圧水銀蒸気ランプ、中圧水銀蒸気ランプ、高圧水銀蒸気ランプ、超高圧水銀蒸気ランプ、カーボンアークランプ、金属ハライドランプ、キセノンランプなどが用いられてよい。また、光源120として、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、エキシマランプ、シンクロトロン線などが用いられてよい。
【0035】
ポンプ130は、スロットダイ110の印刷材料吐出量を制御する機能を果たし、バルブ140は、スロットダイ110の内部圧力を調節する機能を果たす。キャニスター150は、印刷材料を充填する機能を果たし、さらには、印刷材料の撹拌、脱泡及びエージングする機能も共に果たすことができる。
【0036】
本発明の一実施例において、スロットダイ110及び光源120は水平方向ガントリー52に提供されてよく、より詳細には、水平方向ガントリー52においてY軸方向4及びZ軸方向6の移動が可能な任意の所定セクション(例えば、第1移動部材53及び第2移動部材54)によって水平方向ガントリー52と連結されるように提供されてよい。
【0037】
この場合、第1移動部材53及び第2移動部材54は同時に又は個別に制御されてよく、これにより、スロットダイ110及び光源120のY軸方向4及びZ軸方向6の移動は同時に又は独立して行われ得る。
【0038】
本発明の一実施例において、ポンプ130及びバルブ140はそれぞれ、スロットダイ110と連結されるように提供され、キャニスター150は前記ポンプ130と連結されるように提供される。キャニスター150からポンプ130への印刷材料の供給はチューブを通してなされるのが一般であるが、これに限定されず、印刷材料の供給機能を有し得るいかなる手段も可能である。
【0039】
再び図1及び図2を参照すると、本発明の一実施例において、図2に示す文字(すなわち、X、Y、Z、及びθ)は、上述したスロットダイコーティング装置の構成要素を制御する駆動軸を示す。
【0040】
より具体的には、本発明の一実施例において、Y軸は、スロットダイ110の第1ダイ110aのY軸方向4の移動に関連した駆動軸であり、Y軸は、スロットダイ110の第2ダイ110bのY軸方向4の移動に関連した駆動軸に該当する。前記Y、Y駆動軸の制御によって前記第1及び第2ダイ110a,110bをY軸方向4に移動させ、スロットダイ110のノズルの吐出スロットの吐出幅を拡張又は縮小させることができる。以下では、説明の便宜のために、前記Y軸及びY軸を総称してスロットダイ軸(S軸)という。
【0041】
上述したように、本発明の一実施例において、X軸は、垂直方向ガントリー51のX軸方向2の移動に関連した駆動軸であり、θ軸は、水平方向ガントリー52のθ軸方向8の回転移動に関連した駆動軸に該当する。水平方向ガントリー52は、Y軸方向4及びZ軸方向6の移動が個別になされ得る第1移動部材53及び第2移動部材54を含んでよく、Y軸及びZ軸はそれぞれ、スロットダイ110をY軸方向4及びZ軸方向6に移動させるための第1移動部材53のY軸方向4及びZ軸方向6の移動に関連した駆動軸であり、Y軸及びZ軸はそれぞれ、光源120をY軸方向4及びZ軸方向6に移動させるための第2移動部材54のY軸方向4及びZ軸方向6の移動に関連した駆動軸に該当する。
【0042】
本発明の一実施例において、図2に示すP軸はポンプ130の流量を調節するので、前記P軸と共にスロットダイ110の内部圧力を調節するバルブ140をさらに制御し、印刷材料の吐出量を調節することが可能である。
【0043】
図3は、本発明の一実施例に係るスロットダイコーティング方法のフローチャートであり、図4Aは、本発明の一実施例に係る基板にフィルムを形成する具体的な方法を説明するためのフローチャートであり、図4Bは、本発明の一実施例に係るユーザ入力によって駆動軸に対するパラメータ値を変更する過程を説明するためのフローチャートである。
【0044】
図3及び図4Aを参照すると、本発明の一実施例に係る基板印刷のためのスロットダイコーティング方法300は、印刷材料を充填する段階310;スロットダイを用いて基板上に前記印刷材料をコーティング印刷してフィルムを形成する段階320;前記コーティングされたフィルムに紫外線(UV)露光を行う段階330;前記コーティングされたフィルムの厚さを測定する段階340;前記コーティングされたフィルムを用いて前記基板と他の基板とを貼り合わせる段階350;及び、前記貼り合わされた基板の前記コーティングされたフィルムに対する検査を行う段階360を含み、前記フィルムを形成する段階320は、前記基板に対するモデル分析を行う段階410;前記モデル分析によってスロットダイコーティング装置100のスロットダイ110の動きに関連した駆動軸を指定する段階420;前記指定された駆動軸に対するパラメータ値を生成する段階430;前記生成されたパラメータ値に基づいて前記コーティング印刷の経路を設定する段階440;及び、前記コーティング印刷を行う段階450を含むことを特徴とする。
【0045】
上述した本発明の一実施例に係る基板印刷のためのスロットダイコーティング方法300の印刷材料を充填する段階310は、前記印刷材料の撹拌、脱泡及びエージングする段階をさらに含んでよい。
【0046】
本発明の一実施例において、スロットダイコーティング方法300の段階430で生成されたパラメータ値は、ユーザが入力によって当該値を直接変更することが可能である。より詳細には、図4Bを参照すると、前記生成されたパラメータ値に基づいてコーティング印刷の経路を設定する段階440は、前記生成されたパラメータ値が確定状態であるか否かを判断する段階440a;及び、確定されたパラメータ値に基づいて前記コーティング印刷の経路を設定する段階440cを含み、前記生成されたパラメータ値が未確定状態であれば、前記生成されたパラメータ値をユーザが入力によって直接変更する段階440bをさらに含んでよい。
【0047】
コーティング印刷の経路は、印刷対象基板のモデルに対する分析に基づくので、既に生成されたパラメータ及び/又は既コーティング印刷経路を修正しなければならない場合に、印刷対象基板のモデルを再び分析する過程が必要であるが、本発明の一実施例に係るスロットダイコーティング方法300では、解析されたコーティング経路の座標値を抽出し、ユーザが任意に修正して適用することが可能である。これにより、スロットダイコーティング装置100の精密な制御が可能であり、工程時間の短縮及び工程便宜性の増大が可能になる。
【0048】
図5は、本発明の一実施例に係る基板へのフィルム形成時にコーティング印刷形状及び基板屈曲に関連した次元によって指定される駆動軸を示す図であり、図6は、本発明の一実施例に係るコーティング印刷形状及び基板屈曲に関連した次元による基板の例示的な様子をそれぞれ示す図である。
【0049】
図5を参照すると、本発明の一実施例において、基板に対するモデル分析は、コーティング印刷パターンの幅の変化に基づく形状及び基板の屈曲変化に基づく次元(D:dimension)によって区分してなされてよい。より具体的には、コーティング印刷パターンの幅の変化に基づく形状の区分は、長方型、ポリゴン型(polygon type)/曲線型(curve type)であってよく、基板屈曲の変化に基づく次元は、後述する2D及び2.5Dであってよい。上述したような具体的な形状及び次元に加え、他の形状及び次元も、本発明の様々な実施例に含まれてよいという点が、本発明の分野における技術者に十分に理解されるであろう。
【0050】
本発明の一実施例に係る上述した基板モデルの様々な形状及び次元の例示的な様子を図6に示す。図6の(a)は、長方型、ポリゴン型及び曲線型を含むコーティング印刷パターンの幅の変化に基づく形状を上方から視た概略平面図であり、図6の(b)は、基板の屈曲変化に基づく次元を側方から視た概略側面図である。
【0051】
再び図4Aと共に図5を参照すると、本発明の一実施例において、基板モデル分析によってスロットダイ動きに関連した駆動軸を指定する段階420において、前記指定された駆動軸は、前記基板に対するモデルの区分によって、(a)長方型の場合に、前記ステージの長手方向軸及びポンプ軸(すなわち、X軸及びP軸)、(b)ポリゴン型及び曲線型の場合に、前記ステージの長手方向軸、スロットダイ軸、垂直方向軸及びポンプ軸(すなわち、X軸、S軸、Z軸、P軸)、(c)2Dの場合に、前記ステージの長手方向軸及び垂直方向軸(すなわち、X軸、Z軸)、(d)2.5Dの場合に、前記ステージの長手方向軸、垂直方向軸及び前記回転方向の軸(すなわち、X軸、Z軸、θ軸)に該当することを特徴とする。
【0052】
また、本発明の一実施例において、(b)ポリゴン型及び曲線型の場合は、コーティング印刷時に、上述したような指定された駆動軸の制御に加え、バルブ140を制御する段階をさらに含んでよい。
【0053】
より詳細には、(a)長方型の場合(指定された駆動軸:X軸及びP軸)に、印刷対象基板モデルは、コーティング進行方向(X軸方向)を基準にパターンの幅の変化がない長方形の印刷パターン類型に該当する。X軸方向と関連して、スロットダイコーティング装置100の垂直方向ガントリー51は等速で動作し、P軸方向と関連して、ポンプ130も等速で動作し、一定の流量の印刷材料をスロットダイ110に供給するように設定される。ここで、X軸は、2個の垂直方向ガントリー51のそれぞれと関連して別個に駆動される駆動軸であってよいという点(例えば、X軸及びX軸)が、本発明の分野における技術者にとって十分に理解でき、このような点は、以下の説明においても同様に適用される。
【0054】
(b)ポリゴン型及び曲線型の場合(指定された駆動軸:X軸、S軸、Z軸及びP軸)に、印刷対象基板モデルは、コーティング進行方向(X軸方向)を基準にパターンの幅が変化する任意形状の印刷パターン類型に該当する。コーティング進行方向を基準にコーティング量の変化によって印刷幅を変化させ、印刷対象基板モデルの分析時に、X軸、S軸(すなわち、Y軸及びY軸)、Z軸及びP軸の動作速度が制御され、バルブ140の開閉も能動的に制御される。この場合、上述したように設定されたパラメータ(或いは、印刷条件)やコーティング印刷の経路は、ユーザが入力によって任意に修正可能である。
【0055】
より具体的には、本発明の例示的な一実施例に係るコーティング進行方向(X軸方向)を基準にコーティング幅が狭くなる場合及びコーティング幅が広くなる場合のそれぞれに対して指定された駆動軸及びバルブの制御に関して説明する。
【0056】
コーティング幅が狭くなる場合は、S軸(すなわち、Y軸及びY軸)と関連して、スロットダイ110のノズルの吐出幅を縮小させる。X軸と関連して、吐出幅が縮小しながらスロットダイ110の内部体積の縮小による吐出圧力が増加するが、このような圧力増加を補償するために、垂直方向ガントリー51のX軸方向の動作速度を加速させ、必要な場合にはさらに、バルブ140を開き状態に制御し、スロットダイ110のノズル内部の圧力を減少させる。また、Z軸と関連して、スロットダイ110が基板から遠ざかる方向に移動(すなわち、スロットダイ110と基板との間隔が増加)して増加した吐出量によってスロットダイ110のノズル部分が濡れ状態(wetting)になることを防ぐ。参考として、ノズル濡れ現象が発生してノズルが濡れているかノズルに溶液が付くと、吐出液滴(droplet)の直進性に影響を与えたり吐き出されないようにし、正常なコーティングができないことがある。また、P軸と関連して、印刷材料の流量が減少するように流量を制御するポンプ140のP軸の動作速度を減少させる。
【0057】
コーティング幅が増える場合は、S軸(すなわち、Y軸及びY軸)と関連して、スロットダイ110のノズルの吐出幅を拡張する。X軸と関連して、吐出幅が拡張されながらスロットダイ110の内部体積の膨脹による吐出圧力が減少し、気泡が発生するが、これを補償するために、垂直方向ガントリー51のX軸方向の動作速度を減少させ、必要な場合にはさらに、バルブ140を閉じ状態に制御し、スロットダイ110のノズル内部の圧力を増加させる。また、Z軸と関連して、スロットダイ110が基板に近づく方向に移動(すなわち、スロットダイ110と基板との間隔が減少)して減った吐出量によってスロットダイ110のノズル部分にメニスカス破壊(meniscus break)が起こることを防ぐ。参考として、メニスカスは、スロットダイノズルと基板との間に凝集する印刷材料の形状であり、一般に、印刷材料の供給される流量、ノズルの移動速度、ノズルと基板との間隔に影響を受け、コーティング品質はメニスカスによって影響を受ける。また、P軸と関連して、印刷材料の流量が増加するように流量を制御するポンプ140のP軸の動作速度を増加させる。
【0058】
ここで、Z軸は、水平方向ガントリー52に提供される第1移動部材53及び第2移動部材54に関連したそれぞれの駆動軸であってもよいという点(例えば、Z軸及びZ軸)が、本発明の分野における技術者にとって十分に理解でき、また、上述したX軸と同様に、2個の垂直方向ガントリー51のそれぞれと関連して別個に駆動される駆動軸であってもよいという点(例えば、Z軸及びZ軸、このような場合、スロットダイ110は水平状態ではなく傾いた状態になる。)が、本発明の分野における技術者にとって十分に理解でき、このような点は、以下の説明においても同様に適用される。
【0059】
(c)2Dの場合に(指定された駆動軸:X軸、Z軸)、印刷対象基板モデルは、平板基板に印刷する類型に該当し、コーティング印刷開始時にスロットダイ110のノズルから吐き出される印刷材料のビーズ(bead)の形成のために基板に接近する動作と、コーティング印刷後にスクイズ(squeeze)のためにスロットダイ110のノズルが復帰する動作(すなわち、ノズルが基板から離隔する動作)では、Z軸の駆動が必要であり、コーティング印刷動作の進行中にはノズルと基板は等間隔を保ち得るようにZ軸の駆動が必要でない。
【0060】
(d)2.5Dの場合に(指定された駆動軸:X軸、Z軸、θ軸)、印刷対象基板モデルは、屈曲又は曲率半径を有する基板(すなわち、curved substrate)に印刷する類型に該当する。コーティング印刷時にスロットダイ110のノズルは、基板に対する接触点又は接触線を基準にノズルが基板と直交状態を維持できるようにθ軸角度を変化させる。この場合、θ軸の角度の変化によって、設定された印刷速度が影響を受けないように、X軸駆動はθ軸駆動と同期方式で駆動され、Z軸駆動もθ軸回転角度が変化してもスロットダイ110のノズルと基板間の間隔設定値が維持されるようにθ軸駆動と同期方式で駆動される。より具体的には、θ軸がスロットダイ110が印刷進行方向に回転する場合に、X軸及びZ軸の動作速度はθ軸と同期方式で減少し、印刷進行方向と反対方向に回転する場合に、X軸及びZ軸の動作速度はθ軸と同期方式で増加する。
【0061】
図7Aは、本発明の一実施例に係るユーザ入力を用いたパラメータ値変更が印刷経路変更に反映される様子を説明するための図であり、図7Bは、本発明の一実施例に係るユーザインターフェースにおいて図7Aの印刷経路変更のためにパラメータ値を変更する様子を示す図である。
【0062】
図7A及び図7Bを共に参照すると、本発明の一実施例において、図7Bの表に示す数値は、図7Aに参照された文字(K1~K6)と表示された地点でのX軸、S軸(Y,Y)、P軸の駆動に関連した例示的なパラメータに該当する。
【0063】
図7Aの上段に示す基板に対するK2~K5地点について説明すると、本発明の例示的な一実施例において、K2地点では、スロットダイ110の第1ダイ及び第2ダイに関連した駆動軸Y軸、Y軸の位置が0mmであり、K3地点にスロットダイ110が移動しながら(すなわち、印刷が進行しながら)スロットダイ110の第2ダイに関連した駆動軸であるY軸の位置が30mmに変化する。上述したように、コーティング幅の減少による吐出圧力増加の補償のためにX軸速度を増加させることが確認できる。K4地点からK5地点へのコーティング印刷の進行は、Y軸の位置が30mmから0mmへと変化し、上述したようにコーティング幅の増加による吐出圧力減少の補償のためにX軸速度は減少させる。
【0064】
本発明の一実施例において、ユーザは、生成されたパラメータ値を入力によって任意に直接変更可能であり、図7Bのように、K3及びK4地点のY軸の位置を30mmから60mmに変更する場合に、図7Aの下段に示す形状のようにコーティング印刷が可能である。
【0065】
このような方法により、ユーザは、より簡便に、より深いノッチゾーン(notch zone)を有するポリゴン形状に対するコーティング印刷が可能になる。上の図7A及び図7Bではユーザの任意のパラメータ値の変更によってポリゴン形状のコーティング印刷経路が変更される例示的な一実施例を示したが、その他にも、ユーザの任意のパラメータ値の入力によって様々な形状或いは次元の基板に対するコーティング印刷経路も変更可能であるという点が、本発明の分野における技術者にとって十分に理解できよう。
【0066】
図8は、本発明の一実施例に係るコーティングされたフィルムに紫外線露光を行う具体的な方法を説明するためのフローチャートである。
【0067】
図8図3と共に参照すると、本発明の一実施例に係る基板印刷のためのスロットダイ(slot die)コーティング方法300は、印刷材料を充填する段階310;スロットダイを用いて基板上に前記印刷材料をコーティング印刷してフィルムを形成する段階320;前記コーティングされたフィルムに紫外線(UV)露光を行う段階330;前記コーティングされたフィルムの厚さを測定する段階340;前記コーティングされたフィルムを用いて前記基板と他の基板とを貼り合わせる段階350;及び、前記貼り合わされた基板の前記コーティングされたフィルムに対する検査を行う段階360を含み、前記コーティングされたフィルムに紫外線(UV)露光を行う段階330は、前記基板に対するモデル分析を行う段階810;前記モデル分析によってスロットダイコーティング装置100の光源120の動きに関連した駆動軸を指定する段階820;前記指定された駆動軸に対するパラメータ値を生成する段階830;前記生成されたパラメータ値に基づいて前記露光の経路を設定する段階840;及び、前記露光を行う段階850を含むことを特徴とする。
【0068】
図9は、本発明の一実施例に係るコーティングされたフィルムに紫外線露光時に基板屈曲に関連した次元によって指定される駆動軸を示す図である。
【0069】
図9を参照すると、本発明の一実施例において、露光工程のための基板に対するモデル分析は、基板の屈曲変化に基づく次元によって区分してなされてよい。より具体的には、基板屈曲変化に基づく次元は、2D及び2.5Dであってよい。上述したような具体的な次元に加えて他の可能な次元も本発明の様々な実施例に含まてよいという点が、本発明の分野における技術者に十分に理解されるであろう。
【0070】
本発明の一実施例において、基板モデル分析によってスロットダイ動きに関連した駆動軸を指定する820において、前記指定された駆動軸は、前記基板に対するモデルの区分によって、(a)2Dの場合に、水平方向軸及び垂直方向軸(すなわち、X軸、Z軸)に該当してよく、(b)2.5Dの場合、水平方向軸、垂直方向軸及び前記回転方向の軸(すなわち、X軸、Z軸、θ軸)に該当してよい。
【0071】
本発明の一実施例において、上述したように、水平方向ガントリー52がY軸方向4及びZ軸方向6の移動が個別になされ得る第1移動部材53及び第2移動部材54を含む場合に、光源120は第2移動部材54に提供されてよく、この場合、前記Z軸はZ軸に該当する。
【0072】
以上、述べたように、本発明の実施例に係る基板印刷のためのスロットダイコーティング装置及び方法は、印刷対象基板のモデル分析を基づく駆動軸指定、及び指定された駆動軸の移動に対するパラメータ値を算出し、それに基づいてコーティング印刷経路を決定することにより、スロットダイコーティング装置の精密な制御が可能であるため、コーティング印刷の正確度を高めることができ、ディスプレイ製造時にコーティング幅の変化及びコーティング面の屈曲変化に対する迅速な対応が可能であり、前記基板モデル分析によって生成されたパラメータ値をユーザが入力によって直接変更することが可能なため、工程時間が短縮し、工程便宜が増大し得るという効果を提供する。
【0073】
(付記)
(付記1)
基板印刷のためのスロットダイ(slot die)コーティング装置であって、
基板が提供されるステージ;
前記ステージ上で前記ステージの長手方向に移動可能に提供される垂直方向ガントリー;
前記垂直方向ガントリーの上部において前記垂直方向ガントリーを横切って、回転方向に回転可能に提供される水平方向ガントリー;
前記水平方向ガントリーに提供され、印刷材料を吐き出して前記基板上にフィルムをコーティングするスロットダイ;
前記水平方向ガントリーに提供され、前記コーティングされたフィルム上に紫外線(UV)を照射する光源;
前記スロットダイの上部に提供され、前記スロットダイ内部の圧力を調節するバルブ;
前記スロットダイと連結され、前記スロットダイから吐き出される前記印刷材料の吐出量を制御するポンプ;及び
前記ポンプと連結されて提供され、前記印刷材料を充填するキャニスターを含み、
前記フィルムのコーティングは、前記基板に対するモデル分析によって前記スロットダイの動きに関連した駆動軸を指定し、前記指定された駆動軸に対するパラメータ値を生成し、該生成されたパラメータ値に基づいて前記コーティングの印刷経路を設定することを特徴とするスロットダイコーティング装置。
【0074】
(付記2)
基板印刷のためのスロットダイ(slot die)コーティング装置であって、
基板が提供されるステージ;
前記ステージ上で前記ステージの長手方向に移動可能に提供される垂直方向ガントリー;
前記垂直方向ガントリーの上部において前記垂直方向ガントリーを横切って、回転方向に回転可能に提供される水平方向ガントリー;
前記水平方向ガントリーに提供され、印刷材料を吐き出して前記基板上にフィルムをコーティングするスロットダイ;
前記スロットダイを前記水平方向ガントリーの一側に連結するように提供され、前記スロットダイの水平方向及び垂直方向の移動を制御する第1移動部材;
前記水平方向ガントリーに提供され、前記コーティングされたフィルム上に紫外線(UV)を照射する光源;
前記光源を前記水平方向ガントリーの他側に連結するように提供され、前記光源の水平方向及び垂直方向の移動を制御する第2移動部材;
前記スロットダイの上部に提供され、前記スロットダイ内部の圧力を調節するバルブ;
前記スロットダイと連結され、前記スロットダイから吐き出される前記印刷材料の吐出量を制御するポンプ;及び
前記ポンプと連結されて提供され、前記印刷材料を充填するキャニスターを含み、
前記フィルムのコーティングは、前記基板に対するモデル分析によって前記スロットダイの動きに関連した駆動軸を指定し、前記指定された駆動軸に対するパラメータ値を生成し、該生成されたパラメータ値に基づいて前記コーティングの印刷経路を設定することを特徴とするスロットダイコーティング装置。
【0075】
(付記3)
前記基板に対するモデルは、コーティング印刷パターンの幅の変化に基づく形状及び前記基板の屈曲変化に基づく次元によって区分されることを特徴とする、付記1又は2に記載のスロットダイコーティング装置。
【0076】
(付記4)
前記形状は、長方型、ポリゴン型及び曲線型に区分され、前記次元は、2D及び2.5Dに区分されることを特徴とする、付記3に記載のスロットダイコーティング装置。
【0077】
(付記5)
前記指定された駆動軸は、前記基板に対するモデルの区分によって、(a)長方型の場合に、前記ステージの長手方向軸及びポンプ軸、(b)ポリゴン型及び曲線型の場合に、前記ステージの長手方向軸、スロットダイ軸、垂直方向軸及びポンプ軸、(c)2Dの場合に、前記ステージの長手方向軸及び垂直方向軸、(d)2.5Dの場合に、前記ステージの長手方向軸、垂直方向軸及び前記回転方向の軸に該当することを特徴とする、付記4に記載のスロットダイコーティング装置。
【0078】
(付記6)
前記ポリゴン型及び曲線型の場合に、コーティング印刷時にさらに前記バルブを制御することを特徴とする、付記5に記載のスロットダイコーティング装置。
【0079】
(付記7)
前記生成されたパラメータ値は、ユーザが入力によって直接変更可能であることを特徴とする、付記1又は2に記載のスロットダイコーティング装置。
【0080】
(付記8)
前記コーティングされたフィルムに対する紫外線(UV)調査は、前記基板に対するモデル分析によって前記光源の動きに関連した駆動軸を指定し、前記指定された駆動軸に対するパラメータ値を生成し、該生成されたパラメータ値に基づいて露光経路を設定することを特徴とする、付記1又は2に記載のスロットダイコーティング装置。
【0081】
(付記9)
前記基板に対するモデルは、前記基板の屈曲変化に基づく次元によって区分されることを特徴とする、付記8に記載のスロットダイコーティング装置。
【0082】
(付記10)
前記次元は、2D及び2.5Dに区分され、
前記指定された駆動軸は、前記基板に対するモデルの区分によって、(a)2Dの場合に、水平方向軸及び垂直方向軸、(b)2.5Dの場合に、水平方向軸、垂直方向軸及び前記回転方向の軸に該当することを特徴とする、付記9に記載のスロットダイコーティング装置。
【0083】
(付記11)
基板印刷のためのスロットダイ(slot die)コーティング方法であって、
印刷材料を充填する段階;
スロットダイを用いて基板上に前記印刷材料をコーティング印刷してフィルムを形成する段階;
前記コーティングされたフィルムに紫外線(UV)露光を行う段階;
前記コーティングされたフィルムの厚さを測定する段階;
前記コーティングされたフィルムを用いて前記基板と他の基板とを貼り合わせる段階;及び、
前記貼り合わされた基板の前記コーティングされたフィルムに対する検査を行う段階を含み、
前記フィルムを形成する段階は、前記基板に対するモデル分析を行う段階;前記モデル分析によってスロットダイコーティング装置のスロットダイの動きに関連した駆動軸を指定する段階;前記指定された駆動軸に対するパラメータ値を生成する段階;前記生成されたパラメータ値に基づいて前記コーティング印刷の経路を設定する段階;及び、前記コーティング印刷を行う段階を含むことを特徴とする、スロットダイコーティング方法。
【0084】
(付記12)
前記基板に対するモデルは、コーティング印刷パターンの幅の変化に基づく形状及び前記基板の屈曲変化に基づく次元によって区分されることを特徴とする、付記11に記載のスロットダイコーティング方法。
【0085】
(付記13)
前記形状は、長方型、ポリゴン型及び曲線型に区分され、前記次元は、2D及び2.5Dに区分されることを特徴とする、付記12に記載のスロットダイコーティング方法。
【0086】
(付記14)
前記指定された駆動軸は、前記基板に対するモデルの区分によって、(a)長方型の場合に、前記基板が提供されるステージの長手方向軸及びポンプ軸、(b)ポリゴン型及び曲線型の場合に、前記ステージの長手方向軸、スロットダイ軸、垂直方向軸及びポンプ軸、(c)2Dの場合に、前記ステージの長手方向軸及び垂直方向軸、(d)2.5Dの場合に、前記ステージの長手方向軸、垂直方向軸及び回転方向の軸に該当することを特徴とする、付記13に記載のスロットダイコーティング方法。
【0087】
(付記15)
前記ポリゴン型及び曲線型の場合に、コーティング印刷時にスロットダイコーティング装置のバルブを制御する段階をさらに含むことを特徴とする、付記14に記載のスロットダイコーティング方法。
【0088】
(付記16)
前記生成されたパラメータ値に基づいてコーティング印刷の経路を設定する段階は、
前記生成されたパラメータ値が確定状態であるか否かを判断する段階;及び、確定されたパラメータ値に基づいてコーティング印刷の経路を設定する段階を含み、
前記生成されたパラメータ値が未確定状態である場合に、前記生成されたパラメータ値をユーザが入力によって直接変更する段階をさらに含むことを特徴とする、付記11に記載のスロットダイコーティング方法。
【0089】
(付記17)
前記印刷材料を充填する段階は、前記印刷材料の撹拌、脱泡及びエージングする段階をさらに含む、付記11に記載のスロットダイコーティング方法。
【0090】
(付記18)
前記コーティングされたフィルムに紫外線(UV)露光を行う段階は、前記基板に対するモデル分析を行う段階;前記モデル分析によってスロットダイコーティング装置の光源の動きに関連した駆動軸を指定する段階;前記指定された駆動軸に対するパラメータ値を生成する段階;前記生成されたパラメータ値に基づいて前記露光の経路を設定する段階;及び、前記露光を行う段階を含むことを特徴とする、付記11に記載のスロットダイコーティング方法。
【0091】
(付記19)
前記基板に対するモデルは、前記基板の屈曲変化に基づく次元によって区分されることを特徴とする、付記18に記載のスロットダイコーティング方法。
【0092】
(付記20)
前記次元は、2D及び2.5Dに区分され、
前記指定された駆動軸は、前記基板に対するモデルの区分によって、(a)2Dの場合に、水平方向軸及び垂直方向軸、(b)2.5Dの場合に、水平方向軸、垂直方向軸及び回転方向の軸に該当することを特徴とする、付記19に記載のスロットダイコーティング方法。
【産業上の利用可能性】
【0093】
様々な変形例が、本発明の範囲を逸脱することなく、本明細書に記述及び例示された構成及び方法によって作られてよく、上記の詳細な説明に含まれるか添付の図面に示されている全ての事項は例示的なものであり、本発明を限定するためのものではない。したがって、本発明の範囲は、上述した例示的な実施例によって限定されず、以下の特許請求の範囲及びその均等物によってのみ定められるべきである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9