(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-26
(45)【発行日】2025-03-06
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 7/10 20060101AFI20250227BHJP
【FI】
G09F7/10
(21)【出願番号】P 2024137008
(22)【出願日】2024-08-16
【審査請求日】2024-11-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524308734
【氏名又は名称】村上 憲一
(74)【代理人】
【識別番号】110004174
【氏名又は名称】弁理士法人エピファニー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 憲一
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】実公昭43-019922(JP,Y1)
【文献】特開2004-029179(JP,A)
【文献】実開昭53-143577(JP,U)
【文献】特開2019-053120(JP,A)
【文献】実開昭55-175144(JP,U)
【文献】登録実用新案第3154439(JP,U)
【文献】特開2021-014072(JP,A)
【文献】登録実用新案第3206134(JP,U)
【文献】登録実用新案第3198256(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 1/00-27/00
A63H 1/00-37/00
B42D 5/04
G09B 1/00-29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面に載置されて使用される表示装置であって、
設置面に当接する底面及び第1方向において前記底面と対向して配置されている天面を有する筐体と、
前記筐体の内部に一部が挿入されて配置され、前記天面から一部が突出している表示切換部材と、を備え、
前記筐体は、
前記筐体の側面に配置された表示部を備え、
前記表示切換部材は、
第1方向に移動可能に構成され、前記筐体によって第1方向への移動を案内され、前記底面が設置面に載置された状態において、
摩擦力によって所定の位置に保持され、ユーザーの操作によって移動するように構成されており、
前記表示部は、
前記表示切換部材が第1方向に移動し、前記表示切換部材の位置が変わることによって表示内容が変わる、
表示装置。
【請求項2】
設置面に載置されて使用される表示装置であって、
設置面に当接する底面及び第1方向において前記底面と対向して配置されている天面を有する筐体と、
前記筐体の内部に一部が挿入されて配置され、前記天面から一部が突出している表示切換部材と、を備え、
前記筐体は、
前記筐体の側面に配置された表示部を備え、
内部に前記表示切換部材を付勢する弾性部材と、
前記表示切換部材を所定の位置で保持する係止機構と、
前記係止機構を解除する解除機構と、を備え、
前記表示切換部材は、
第1方向に移動可能に構成され、前記筐体によって第1方向への移動を案内され、前記底面が設置面に載置された状態において、所定の位置に保持され、ユーザーの操作によって移動するように構成されており、
前記弾性部材は、
第1方向において、前記筐体の前記底面から前記天面に向かう方向に前記表示切換部材に弾性力を作用させ、
前記係止機構は、
前記表示切換部材に係合し、前記弾性部材の弾性力に対抗して前記表示切換部材を所定の位置に保持し、
前記解除機構は、
ユーザーの操作によって前記係止機構と前記表示切換部材との係合を解除し、
前記表示部は、
前記表示切換部材が第1方向に移動し、前記表示切換部材の位置が変わることによって表示内容が変わる、
表示装置。
【請求項3】
設置面に載置されて使用される表示装置であって、
設置面に当接する底面及び第1方向において前記底面と対向して配置されている天面を有する筐体と、
前記筐体の内部に一部が挿入されて配置され、前記天面から一部が突出している表示切換部材と、を備え、
前記筐体は、
前記筐体の側面に配置された表示部を備え、
互いに連結可能に構成された複数の筐体から構成され、
前記表示切換部材は、
第1方向に移動可能に構成され、前記筐体によって第1方向への移動を案内され、前記底面が設置面に載置された状態において、所定の位置に保持され、ユーザーの操作によって移動するように構成されており、
前記複数の筐体のそれぞれの内部に一部が挿入され、前記複数の筐体のそれぞれの前記天面から一部が突出している複数の表示切換部材から構成され、
前記表示部は、
前記表示切換部材が第1方向に移動し、前記表示切換部材の位置が変わることによって表示内容が変わる、
表示装置。
【請求項4】
請求項1
~3の何れか1項に記載の表示装置であって、
前記表示切換部材は、
第1方向において初期位置から前記底面に向かって移動した第1位置に移動し、
前記表示部は、
前記表示切換部材が前記初期位置にあるときは初期表示内容を表示し、
前記表示切換部材が前記第1位置にあるときは第1表示内容を表示する、
表示装置。
【請求項5】
請求項
4に記載の表示装置であって、
前記表示切換部材は、
前記初期位置にあるときと前記第1位置にあるときとで前記筐体から突出している第1方向の端面が異なる位置に配置されている、
表示装置。
【請求項6】
請求項1~3の何れか1項に記載の表示装置であって、
前記表示切換部材は、
板状に形成され、
前記筐体は、
前記天面から内部に向かって延びる案内穴と、
前記側面を開口して設けられ前記案内穴に連通する窓部と、を有し、
前記案内穴は、
前記表示切換部材が挿入され、前記表示切換部材を案内し、
前記表示部は、
前記窓部から視認できる前記表示切換部材の表示面が移動することによって表示内容を切り換える、
表示装置。
【請求項7】
請求項1
又は2に記載の表示装置であって、
前記表示切換部材は、
前記筐体の内部に一部が挿入され、前記筐体の前記天面から一部が突出している複数の表示切換部材から構成されている、
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天面から突出している表示切換部材を操作することによって、表示部に表示される内容を切り換えることができる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、底面の在席表示板上に2枚の表示板が左右移動可能に取り付けてある表示装置が知られている。各板には在席、外出、会議中等の表示がされており、各板右端の小さな取っ手で移動させて目的とする項目を表示させる(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている表示装置は、筐体の内部にプレート状の表示切換部材が配置され、左右にスライドすることにより表示が切り換わるように構成されている。ユーザーは表示切換部材又は筐体に表示された情報を視認することにより、表示内容を判断する。しかし、特許文献1に開示されている表示装置を例えば忘れ物のチェックなどに使用する場合、チェックのために表示装置の操作を行ったか否かを見た目の形状的な部分で直感的に判断しにくいという課題があった。
【0005】
本発明の課題は、操作したことが直感的に判断し易い表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る表示装置は、設置面に載置されて使用される表示装置であって、設置面に当接する底面及び第1方向において前記底面と対向して配置されている天面を有する筐体と、前記筐体の内部に一部が挿入されて配置され、前記天面から一部が突出している表示切換部材と、を備え、前記筐体は、前記筐体の側面に配置された表示部を備え、前記表示切換部材は、第1方向に移動可能に構成され、前記筐体によって第1方向への移動を案内され、前記表示部は、前記表示切換部材が第1方向に移動、位置が変わることによって表示内容が変わるものである。
【発明の効果】
【0007】
上記の手段によれば、筐体から突出している表示切換部材が操作により異なる位置に移動することにより、操作したことが構造的な見た目で直感的に判断し易いため、チェック忘れを抑制できる。また、年齢の低い子供でも容易な操作が可能であると共に表示内容も視認し易いため、簡易的なチェッカーとして使用しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る表示装置100の一例を示す斜視図である。
【
図4】実施の形態1に係る表示装置100の変形例の斜視図である。
【
図5】
図4の表示装置100の変形例の平面図である。
【
図6】
図4の表示装置100の変形例の断面図である。
【
図7】実施の形態2に係る表示装置200の一例の断面構造の説明図である。
【
図8】実施の形態3に係る表示装置300の一例の断面構造の説明図である。
【
図9】実施の形態3に係る表示装置300において表示部材40が電気的な信号により作動する場合の構成の説明図である。
【
図10】実施の形態3に係る表示装置300において表示部材40が電気的な信号により作動する場合の構成の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の表示装置の好ましい実施の形態が図面を参照して詳しく説明されている。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0010】
実施の形態1.
(表示装置100の全体構成)
図1は、実施の形態1に係る表示装置100の一例を示す斜視図である。
図2は、
図1の表示装置100の正面図である。
図3は、
図2に示す表示装置100の断面図である。
図3Aは、
図2のA-A部の断面図、
図3Bは、
図2のB-B部の断面図である。
図1~
図3に示される表示装置100は、筐体10と、表示切換部材20と、を備えている。表示切換部材20は、筐体10の天面10bから一部が突出して設置されており、z方向に移動可能に筐体10内に挿入されている。
図1において、x1側の端から2つの表示切換部材20は、押し下げられた状態(第1位置)であり、x2側の端から3つの表示切換部材20は、初期位置に配置されている。表示切換部材20は、初期位置から第1位置に押し下げられることにより、筐体10の正面に配置された表示部12に表示される内容が変わる。
【0011】
表示装置100は、例えば、チェックすべき項目を情報表示部30a、30b、30c又は30d(
図2参照)などに表示し、ユーザーがチェック完了した項目について表示切換部材20を順次押し下げることにより、チェック漏れを防止する目的で使用される。筐体10に設けられた表示部12に表示される内容は、表示切換部材20が移動することにより切り換わる。例えば、表示切換部材20が初期位置の場合は、「チェック未」などの表示が表示部12に表示される。この初期位置での表示内容を初期表示内容という。また表示切換部材20が第1位置の場合は、「チェック完」などの表示が表示部12に表示される。この第1位置での表示内容を第1表示内容という。表示装置100は、例えば、外出前の持ち物チェック、出席のチェック又は作業項目チェックなど、様々なチェックに適用することができる。
【0012】
(筐体10)
図1に示すように、筐体10は、複数の表示切換部材20が天面10bから差し込まれている。筐体10は、内部に案内穴13が形成されており、各案内穴13は、表示切換部材20を初期位置又は第1位置を保持できるように支持し、かつz方向に移動できるように案内するものである。
【0013】
図2に示すように、筐体10のy2側の側面(正面)は、表示部12が設けられている。表示部12は、筐体の正面から内側に向かって形成された穴であり、その穴が表示切換部材20を挿入している案内穴13に連通している。換言すると、表示部12は、筐体10の正面に形成された窓部である。表示部12は、案内穴13に挿入された表示切換部材20の一部である表示面21が表示されている。
図2に示す、x2側の端から3つの表示部12には、初期位置にある表示切換部材20の表示面21aが表示されており、x1側の端から2つの表示部12には第1位置にある表示切換部材20の表示面21bが表示されている。
【0014】
筐体10は、設置面に載置するための底板11を有し、底板11の上に板材14、15及び16を組み合わせて構成されている。
図1及び
図3に示すように板材14及び15は、y方向の両側から板材16をはさみこむようにして配置されている。板材16は、筐体10の板材14及び15の間の空間を複数に区切るものであり、区切られた空間は案内穴13として機能する。底板11は、板材14、15及び16の下端(z2側の端)に接合されており、案内穴13の底13aを形成している。底13aは、表示切換部材20を第1位置に位置決めするための突き当て面であり、表示切換部材20が当接することによりユーザーの操作力にかかわらず表示切換部材20の位置が決まる。なお、底13aは、必ずしも底板11により構成されていなくともよく、案内穴13の下端に配置され表示切換部材20が当接できるように構成されていれば他の部材により構成されても良い。
【0015】
(表示切換部材20)
表示切換部材20は、板状の部材であり、y2側(筐体10の正面側)の面に表示面21を備える。表示面21aは、表示切換部材20が初期位置にあるときに表示部12から視認できるような位置に配置されている。表示面21bは、表示切換部材20が第1位置にあるときに表示部12から視認できるような位置に配置されている。
【0016】
表示切換部材20は、少なくとも初期位置において、一部が筐体10の天面10bから突出するように構成されている。また、表示切換部材20は、初期位置から底面10a側に移動した第1位置においても一部が筐体10の天面10bから突出していても良い。表示装置100は、表示切換部材20が初期位置から第1位置に移動したときに、上端22の位置が異なる高さであり、ユーザーが視認したときに初期位置と第1位置にあるときの高さの違いがはっきり認識できる程度になるように構成される。
【0017】
(表示装置100の実施例)
図1~
図3に示す表示装置100は、例えば下記のように構成される。
筐体10を構成する板材14、15、16及び表示切換部材20の少なくとも1つは、厚み方向に伸縮又は圧縮可能で復元性を有する材料で構成されると良い。例えば、段ボールシートなどである。
【0018】
例えば、表示切換部材20を段ボールシートで構成し、筐体10を構成する板材14、15及び16を樹脂製の板材で構成した場合、表示切換部材20は、板材14及び15の間に形成される案内穴13のy方向の寸法よりも若干厚く構成されている。また、ほかの言い方をすると、板材16は、表示切換部材20よりも薄く形成されている。これにより、表示切換部材20は、板材14及び15と接しかつy方向に圧縮する力を受けるため、摩擦力によりz方向に自由落下しないように保持される。また、表示切換部材20は、段ボールシートで形成されているため、比較的表面が粗く板材14及び15との接触面積が小さいため、ユーザーが操作により容易に摺動しやすく、操作も容易である。
【0019】
上記においては、表示切換部材20を段ボールシートで構成する例について説明したが、筐体10を構成する板材14、15、16及び表示切換部材20の少なくとも一つを厚み方向に圧縮又は伸長でき復元性を有する部材で構成し、表示切換部材20と案内穴13とが締まり嵌めの関係になるように構成されていれば、そのほかの材料が用いてもよい。このとき、表示切換部材20とそのほかの部材とは、ユーザーの操作により摺動できる程度の表面を有する材料を選定する。例えば、板材14、15、16及び表示切換部材20は、表面に適度な摩擦力となるような、フェルトなどを貼り付けた複合的な構造であっても良い。
【0020】
(表示装置100の変形例)
図4は、実施の形態1に係る表示装置100の変形例の斜視図である。
図4に示す表示装置100は、筐体10が2つ組み合わせて構成されており、さらに多くの筐体10を組み合わせることもできるように構成されている。
【0021】
図4に示す表示装置100においては、筐体10は、略直方体に形成され、天面10bから内部に向かって案内穴13が形成されている。表示切換部材20は、
図1に示す表示装置100と同様に案内穴13に挿入されており、初期位置及び第1位置において保持可能に構成されている。
【0022】
図5は、
図4の表示装置100の変形例の平面図である。筐体10の側面10e、10fは、連結溝18が形成されており、連結部材17を挿入することにより筐体10同士を連結している。連結部材17は、z軸に垂直な断面形状が連結溝18と相似な形状に形成され、連結溝18にはまるように形成されている。連結溝18は、平面視において台形状に形成されており、溝底よりも開放されている側が狭く形成されており、天面10b側から挿入された連結部材17がx方向に抜けないように構成されている。
【0023】
図6は、
図4の表示装置100の変形例の断面図である。変形例に係る表示装置100においても、筐体10に案内穴13が形成されており、表示部12として側面10cから穴が形成され案内穴13と連通している。
【0024】
変形例に係る表示装置100においては、1つの筐体10に対応して1つの表示切換部材20が設けられているが、1つの筐体10に複数の表示切換部材20が設置されるように構成されても良い。
【0025】
連結部材17及び連結溝18で形成されている連結部は、適宜他の形状に置換することもできる。例えば、筐体10の側面10eに突起を設け、筐体10の側面10fに連結溝18を設け、突起を連結溝18に嵌め合わせることにより、2つの筐体10を連結しても良い。
【0026】
(表示装置100の作用)
実施の形態1に係る表示装置100は、例えば、外出時にかばんが置いてある場所や、玄関などに設置され、例えば机や棚などの設置面に載置されて使用される表示装置100である。表示装置100は、設置面に当接する底面10a及び第1方向(z方向)において底面10aと対向して配置されている天面10bを有する筐体10と、筐体10の内部に一部が挿入されて配置され、天面10bから一部が突出している表示切換部材20と、を備える。筐体10は、筐体10の側面10cに配置された表示部12を備える。表示切換部材20は、第1方向に移動可能に構成され、筐体10によって第1方向への移動を案内される。表示部12は、表示切換部材20が第1方向に移動し、位置が変わることによって表示内容が変わるものである。
【0027】
また、表示装置100において、表示切換部材20は、第1方向(z方向)において初期位置から底面10aに向かって移動した第1位置に移動し、表示部12は、表示切換部材20が初期位置にあるときは初期表示内容を表示し、表示切換部材20が第1位置にあるときは第1表示内容を表示するように構成されている。
【0028】
また、表示切換部材20は、初期位置にあるときと第1位置にあるときとで筐体10から突出している第1方向の端面が異なる位置に配置されているものである。
【0029】
このように構成されることにより、ユーザーは、筐体10の天面10bから突出して配置される表示切換部材20を押し下げる動作により、容易にチェック作業を進めることができる。つまり、表示装置100は、作業チェック支援装置とも言える。また、筐体10の天面10bから突出する表示切換部材20の上端22の高さによって、視覚的に未チェックの項目が明らかであり、未チェック項目に対応する表示切換部材20は、チェック済みの項目に対応する表示切換部材20よりも高い位置にあるため、ユーザーに押し込みたくなるように感じさせる効果がある。そのため、表示装置100は、ユーザーにチェックを促す効果があり、より確実にユーザーにチェックを実行させる効果がある。また、ユーザーは、チェックとともに簡単に表示部12の表示を切り換えることが可能である。
【0030】
また、表示装置100において、表示切換部材20は、筐体10の内部に一部が挿入され、筐体10の天面10bから一部が突出している複数の表示切換部材20から構成されている。また、筐体10は、互いに連結可能に構成された複数の筐体10から構成され、表示切換部材20は、複数の筐体10のそれぞれの内部に一部が挿入され、複数の筐体10のそれぞれの天面10bから一部が突出している複数の表示切換部材20から構成されている。
このように構成されることにより、表示装置100は、使用されるチェック項目に応じて自由に筐体10及び表示切換部材20の数量を変更することができる。
【0031】
また、表示装置100において、表示切換部材20は、第1方向が重力方向を向いた状態において摩擦力によって初期位置及び第1位置に保持され、ユーザーの操作によって移動するように構成されている。
また、表示装置100において、表示切換部材20は、板状に形成され、筐体10は、天面10bから内部に向かって延びる案内穴13と、側面10cを開口して設けられ案内穴13に連通する窓部と、を有する。案内穴13は、表示切換部材20が挿入され、表示切換部材20を案内し、表示部12は、窓部からできる表示切換部材20の表示面21が移動することによって表示内容を切り換える。
このように構成されることにより、表示装置100は、簡易な構造で製造することができ、安価に構成できる。
【0032】
実施の形態2.
実施の形態2においては、実施の形態1に係る表示装置100の構造を変更したものについて説明する。実施の形態1においては、表示切換部材20を主に摩擦力で支持していいたが、実施の形態2においては、表示切換部材20をほかの方式で初期位置及び第1位置に支持する構成について説明する。
【0033】
図7は、実施の形態2に係る表示装置200の一例の断面構造の説明図である。
図7において表示装置200の各部は模式的に表示されている。表示装置200は、表示切換部材20が弾性部材44により支持されている。表示切換部材20が初期位置にあるときには、弾性部材44は表示切換部材20が初期位置にあるように支持している。ユーザーが操作する際には、弾性部材44の弾性力に抗して表示切換部材20を押し下げることになる。
【0034】
表示装置200は、筐体10の内部に表示切換部材20を所定の位置に保持する係止機構を備える。係止機構は、一例として係止部材41と、表示切換部材20に設けられた係止溝23と、を備える。係止部材41は、例えばバネ43により付勢されており、先端の突起が表示切換部材20の係止溝23に嵌った状態に保持されるように構成されている。表示切換部材20は、ユーザーに押し下げられ、第1位置に至ると係止部材41の突起41bが表示切換部材20の係止溝23に嵌り、表示切換部材20の位置が保持される。
【0035】
表示装置200は、係止部材41の突起を表示切換部材20の係止溝23から取り外す解除機構42を備える。
図7に示す係止部材41は、軸41a周りに揺動するように構成されており、突起41bが設けられている側が付勢されている。これに対し、係止部材41は、軸41aを挟んで突起と反対側の端部に解除機構42が当接できるように構成されている。解除機構42は、ユーザーが押し込む操作することにより、係止部材41の突起41bを係止溝23から取り外すことができる。解除機構42が作動すると、表示切換部材20は、弾性部材44により第1位置から初期位置に戻される。
【0036】
図7に示す係止機構及び解除機構は、一例であり、他の形態であっても良い。例えば、表示切換部材20は、第1位置からさらに押し込むことにより係止が解除される機構であっても良い。このとき、表示装置200は、
図7に示す解除機構42を備えていなくても良い。
【0037】
実施の形態2に係る表示装置200によれば、筐体10は、内部に表示切換部材20を付勢する弾性部材44と、表示切換部材20を第1位置で保持する係止機構と、係止機構を解除する解除機構42と、を備える。弾性部材44は、第1方向において、筐体10の底面10aから天面10bに向かう方向に表示切換部材20に弾性力を作用させ、係止機構は、表示切換部材20に係合し、弾性部材44の弾性力に対抗して表示切換部材20を第1位置に保持し、解除機構42は、ユーザーの操作によって係止機構と表示切換部材20との係合を解除するものである。
このように構成されることにより、表示装置200は、ユーザーが表示切換部材20及び解除機構42などに決まった操作をすることにより、表示切換部材20が初期位置及び第1位置に配置されるため、表示切換部材20を初期位置に配置させる調整をせずともよい。
【0038】
実施の形態3.
実施の形態3においては、実施の形態1に係る表示装置100の構造を変更したものについて説明する。実施の形態1においては、表示切換部材20に設けられた表示面21が移動することにより表示部12に表示される内容が切り換わる構成について説明したが、実施の形態3においては、表示切換部材20の移動により、表示部材40を動かして表示部12に表示される内容を切り替える構成について説明する。
【0039】
図8は、実施の形態3に係る表示装置300の一例の断面構造の説明図である。表示装置300は、筐体10の内部に表示部材40が配置されており、表示部材40は、表示切換部材20に連動して動くように構成されている。一例として、表示切換部材20は、円柱形状の表示部材40の側面と接触し、移動するとともに表示部材40を回転させるように構成されている。表示部材40は、円筒面に表示面21が設けられ、回転軸周りに回転することにより表示面21a、21bが切り換えられる。表示切換部材20と表示部材40との接触部は、例えばゴムシートなどの摺動しにくい材質が貼り付けられていても良い。
【0040】
表示切換部材20は、案内穴13に挿入されており、表示部材40と接触している。表示切換部材20がz方向に移動することにより、表示部材40が回転する。表示切換部材20の表示面21は、筐体10の側面10cに設けられた開口である表示部12から視認できるように構成されている。
【0041】
表示切換部材20は、実施の形態1と同様に案内穴13との間の摩擦力により支持されていても良い。または、表示切換部材20は、円柱又は円筒形状の表示部材40との間の摩擦力により支持されていても良い。表示部材40は、軸周りに回転するのに抵抗が付されており、表示切換部材20を介したユーザーの操作により回転するように構成されていると良い。表示部材40は、例えば両方向に回転可能なラチェット機構などにより回転の抵抗が付されていると良い。また、表示部材40は、円柱又は円筒形状に限定されず、断面形状が多角形であってもよいし、表裏に情報が記載された複数の薄板を円周上に配置し、回転するごとに薄板がめくられ表示が切り換わるようなフリップ方式の表示面21を備えていても良い。
【0042】
また、表示切換部材20と表示部材40とは、他の機構によって連動して作動するように構成されていていても良い。例えば、表示切換部材20と表示部材40とを歯車、レバーなどによって連結し、表示切換部材20のz方向の移動と連動して表示部材40が作動するように構成されていていても良い。
【0043】
(表示装置300の変形例1)
図9及び
図10は、実施の形態3に係る表示装置300において表示部材40が電気的な信号により作動する場合の構成の説明図である。表示部材40は、電気的な信号により作動するように構成されていていても良い。この場合、表示装置300は、表示切換部材20の位置を検出するセンサ51が設けられており、例えば表示切換部材20が第1位置にあることをセンサ51が検出し、センサ51からの信号により、モーターなどの駆動装置によって表示部材40を作動させ、表示面21を動かしても良い。また、表示部材40は、ディスプレイやランプなどの電気的な制御で表示を制御するものであっても良い。
【0044】
制御部50は、センサ51からの信号を、表示部材40を作動させる信号に変換するためのものであり、例えば電気回路であっても良いし、CPU及びメモリなどから構成される情報処理を行う装置であっても良い。
【0045】
例えば、表示部材40は、赤色のランプと青色のランプにより構成され、表示切換部材20が初期位置にあるときは赤色のランプが点灯しており、表示切換部材20が第1位置にあるときは青色のランプが点灯するように構成されていても良い。
【0046】
また、表示部材40がディスプレイである場合には、表示装置300は、制御部50に記憶された画像を表示させるように構成されていても良い。
【0047】
(表示装置300の変形例2)
表示装置300は、複数の表示切換部材20を備える場合、表示切換部材20に対応する全てのチェック項目が完了したときにユーザーに報知する機能を有していても良い。
図10に示すように、表示装置300は、全ての表示切換部材20の位置を検出できるように構成されており、表示切換部材20が全て第1位置に移動したら、制御部50が報知装置41を作動させる。
図10の例では、左から三番目に位置する表示切換部材20のみが第1位置にあり、他の表示切換部材20が初期位置にある状態を示している。
【0048】
報知装置41は、例えばランプを点灯させる、画面の表示を切り替える、音声を出す、などの手段により、全てのチェック項目が完了したことを報知する。
図10において、センサ51は、物体に赤外線などを照射しその反射を検出する近接センサ、第1位置に表示切換部材20が存在することを検出するセンサなどでもよい。または、センサ51は、表示切換部材20が第1位置にいるときに作動するように構成されたスイッチでもよい。
【0049】
表示装置300は、報知装置41を備えることにより、全てのチェック項目の完了をユーザーに報知することができる。この報知が完了していない場合には、ユーザーはチェック項目が完了していないことを認識できるため、報知装置41によりユーザーにチェックを促す効果がある。
【0050】
以上に本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施の形態の構成のみに限定されるものではない。実施の形態1~3に示した表示装置100、200、300は、それぞれの構造を適宜組み合わせて構成することもできる。要するに、いわゆる当業者が必要に応じてなす種々なる変更、応用、利用の範囲をも本発明の要旨(技術的範囲)に含むことを念のため申し添える。
【0051】
また、上記に説明した表示装置100、200、300は、以下の付記1~8に示す各特徴の組み合わせも含み得るものである。その組み合わせについて下記に示す。
【0052】
[付記1]
設置面に載置されて使用される表示装置であって、
設置面に当接する底面及び第1方向において前記底面と対向して配置されている天面を有する筐体と、
前記筐体の内部に一部が挿入されて配置され、前記天面から一部が突出している表示切換部材と、を備え、
前記筐体は、
前記筐体の側面に配置された表示部を備え、
前記表示切換部材は、
第1方向に移動可能に構成され、前記筐体によって第1方向への移動を案内され、
前記表示部は、
前記表示切換部材が第1方向に移動し、位置が変わることによって表示内容が変わる、
表示装置。
[付記2]
付記1に記載の表示装置であって、
前記表示切換部材は、
第1方向において初期位置から前記底面に向かって移動した第1位置に移動し、
前記表示部は、
前記表示切換部材が前記初期位置にあるときは初期表示内容を表示し、
前記表示切換部材が前記第1位置にあるときは第1表示内容を表示する、
表示装置。
[付記3]
付記2に記載の表示装置であって、
前記表示切換部材は、
前記初期位置にあるときと前記第1位置にあるときとで前記筐体から突出している第1方向の端面が異なる位置に配置されている、
表示装置。
[付記4]
付記1~3の何れか1項に記載の表示装置であって、
前記表示切換部材は、
板状に形成され、
前記筐体は、
前記天面から内部に向かって延びる案内穴と、
前記側面を開口して設けられ前記案内穴に連通する窓部と、を有し、
前記案内穴は、
前記表示切換部材が挿入され、前記表示切換部材を案内し、
前記表示部は、
前記窓部から視認できる前記表示切換部材の表示面が移動することによって表示内容を切り換える、
表示装置。
[付記5]
付記1~4の何れか1項に記載の表示装置であって、
前記表示切換部材は、
第1方向が重力方向を向いた状態において摩擦力によって所定の位置に保持され、ユーザーの操作によって移動するように構成されている、
表示装置。
[付記6]
付記1~4の何れか1項に記載の表示装置であって、
前記筐体は、
内部に前記表示切換部材を付勢する弾性部材と、
前記表示切換部材を所定の位置で保持する係止機構と、
前記係止機構を解除する解除機構と、を備え、
前記弾性部材は、
第1方向において、前記筐体の前記底面から前記天面に向かう方向に前記表示切換部材に弾性力を作用させ、
前記係止機構は、
前記表示切換部材に係合し、前記弾性部材の弾性力に対抗して前記表示切換部材を所定の位置に保持し、
前記解除機構は、
ユーザーの操作によって前記係止機構と前記表示切換部材との係合を解除する、
表示装置。
[付記7]
付記1~6の何れか1項に記載の表示装置であって、
前記表示切換部材は、
前記筐体の内部に一部が挿入され、前記筐体の前記天面から一部が突出している複数の表示切換部材から構成されている、
表示装置。
[付記8]
付記1~7の何れか1項に記載の表示装置であって、
前記筐体は、
互いに連結可能に構成された複数の筐体から構成され、
前記表示切換部材は、
前記複数の筐体のそれぞれの内部に一部が挿入され、前記複数の筐体のそれぞれの前記天面から一部が突出している複数の表示切換部材から構成されている、
表示装置。
【符号の説明】
【0053】
10 :筐体
10a :底面
10b :天面
10c :側面
10e :側面
10f :側面
11 :底板
12 :表示部
13 :案内穴
13a :底
14 :板材
15 :板材
16 :板材
17 :連結部材
18 :連結溝
20 :表示切換部材
21 :表示面
21a :表示面
21b :表示面
22 :上端
23 :係止溝
30a :情報表示部
30b :情報表示部
30c :情報表示部
40 :表示部材
41 :係止部材
41a :軸
41b :突起
42 :解除機構
43 :バネ
44 :弾性部材
50 :制御部
51 :センサ
100 :表示装置
200 :表示装置
300 :表示装置
【要約】
【課題】
操作したことが直感的に判断し易い表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
表示装置は、設置面に載置されて使用される表示装置であって、設置面に当接する底面及び第1方向において底面と対向して配置されている天面を有する筐体と、筐体の内部に一部が挿入されて配置され、天面から一部が突出している表示切換部材と、を備え、筐体は、筐体の側面に配置された表示部を備え、表示切換部材は、第1方向に移動可能に構成され、筐体によって第1方向への移動を案内され、表示部は、表示切換部材が第1方向に移動し、位置が変わることによって表示内容が変わるものである。
【選択図】
図1