(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-26
(45)【発行日】2025-03-06
(54)【発明の名称】水処理方法
(51)【国際特許分類】
C02F 1/58 20230101AFI20250227BHJP
【FI】
C02F1/58 Q
(21)【出願番号】P 2021021077
(22)【出願日】2021-02-12
【審査請求日】2023-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】595011238
【氏名又は名称】クボタ環境エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】弁理士法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩田 裕介
(72)【発明者】
【氏名】沼口 将己
(72)【発明者】
【氏名】小林 愛
(72)【発明者】
【氏名】川島 彬
(72)【発明者】
【氏名】村上 郁
(72)【発明者】
【氏名】樋口 幸男
【審査官】小久保 勝伊
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-118192(JP,A)
【文献】特開平11-221576(JP,A)
【文献】特開2018-202270(JP,A)
【文献】特開平03-087395(JP,A)
【文献】特開昭49-096994(JP,A)
【文献】特開2006-192370(JP,A)
【文献】特開2006-281067(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
硫酸イオンを硫酸バリウムとして不溶化する水処理方法であって、
硫酸イオンを含有しpHが2.5以下の被処理水に塩化バリウムを添加する第1工程と、
前記第1工程で塩化バリウムを添加した被処理水に塩基性化合物を加えてpHを4.0以上にする第2工程とを有
し、
前記第1工程において被処理水に加える塩化バリウムの物質量が被処理水に含まれる硫酸イオンの物質量の0.5倍以下であることを特徴とする水処理方法。
【請求項2】
被処理水の硫酸イオン濃度が500mg/L以上である請求項1に記載の水処理方法。
【請求項3】
前記塩基性化合物として、アルカリ金属水酸化物を加える請求項1または2に記載の水処理方法。
【請求項4】
第1工程において被処理水に加える塩化バリウムの物質量は、被処理水に含まれる硫酸イオンの物質量の
0.3倍以下である請求項1~3のいずれか一項に記載の水処理方法。
【請求項5】
第1工程に先立って
、被処理水
の一部を抜き出してこれに塩基性化合物を加えてpHを所定値A(ただしAは4.0~7.0の範囲のいずれかの値)とする予備工程を行い、
予備工程で添加した塩基性化合物の量に基づき、第1工程で添加する塩化バリウムの量を設定する請求項1~
4のいずれか一項に記載の水処理方法。
【請求項6】
前記水処理方法は、第1工程と第2工程とを
行った後に新たな被処理水にて第1工程と第2工程とを行うバッチ式で行うものであり、
第2工程において、前記塩化バリウムを添加した被処理水に塩基性化合物を加えてpHを所定値A(ただしAは4.0~7.0の範囲のいずれかの値)とし、
1つ前の前記第2工程で添加した塩基性化合物の量に基づき、第1工程で添加する塩化バリウムの量を設定する請求項1~
4のいずれか一項に記載の水処理方法。
【請求項7】
前記被処理水がメッキ廃液である請求項1~
6のいずれか一項に記載の水処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硫酸イオンを含有する被処理水をバリウム塩の添加により処理する水処理方法に関し、特に比較的高濃度に硫酸イオンを含有する被処理水にバリウム塩を添加して硫酸イオンを不溶化する水処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、硫酸イオンを含有する被処理水にバリウム塩を添加して、硫酸イオンを硫酸バリウムとして不溶化する方法が知られている。例えば特許文献1には、硫酸イオンを塩化バリウムと反応させて沈殿する方法が開示され、特許文献2には、硫酸イオンを水酸化バリウムや炭酸バリウムと反応させて沈殿する方法が開示され、特許文献3には、硫酸イオンを炭酸バリウム、水酸化バリウムまたは酸化バリウムと反応させて沈殿する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-281067号公報
【文献】特開2010-053368号公報
【文献】特開2012-106215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、従来、硫酸イオンを含有する被処理水にバリウム塩を添加して、硫酸イオンを硫酸バリウムとして不溶化する方法が知られているが、硫酸イオンを比較的高濃度に含む被処理水はpHも低くなることが多く、このような被処理水を処理する場合、硫酸イオンを不溶化するとともに中和処理も必要となることがある。
【0005】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、pHが低い被処理水に対して、硫酸イオンを効率的に不溶化できるとともに、被処理水の中和を行うことができる水処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決することができた本発明の水処理方法とは、硫酸イオンを含有しpHが2.5以下の被処理水に塩化バリウムを添加する第1工程と、前記第1工程で塩化バリウムを添加した被処理水に塩基性化合物を加えてpHを4.0以上にする第2工程とを有するところに特徴を有する。本発明の水処理方法によれば、硫酸イオンを含有しpHが2.5以下の被処理水に対して、まず塩化バリウムを加え、次いで塩基性化合物を加えることにより、まず塩基性化合物を加え、次いで塩化バリウムを加える場合と比べて、被処理水中に含まれる硫酸イオンを効率的に不溶化できる。例えば、より少ない塩化バリウム添加量で、処理水の硫酸イオン濃度を所望程度まで低減することができる。また、被処理水の中和を行うことができる。
【0007】
被処理水の硫酸イオン濃度は500mg/L以上であることが好ましい。被処理水がこのように高濃度に硫酸イオンを含むものであれば、塩化バリウムを添加することによって効率的に硫酸イオンを不溶化することができる。第2工程では、塩基性化合物として、アルカリ金属水酸化物を加えることが好ましい。
【0008】
塩化バリウムを、硫酸イオンと効率的に反応する範囲で添加する観点から、第1工程において被処理水に加える塩化バリウムの物質量は、被処理水に含まれる硫酸イオンの物質量未満であることが好ましく、被処理水に含まれる硫酸イオンの物質量の0.5倍以下であることがより好ましい。
【0009】
第1工程で被処理水に添加する塩化バリウムの量は、同じ被処理水をpH4.0~7.0の範囲の所定値Aにするのに要する塩基性化合物の量に基づき設定することができる。これにより、被処理水の硫酸イオン濃度を事前に求めなくても、塩化バリウムの添加量を適切に設定することができる。例えば、第1工程に先立って、第1工程に供する被処理水に塩基性化合物を加えてpHを所定値A(ただしAは4.0~7.0の範囲のいずれかの値)とする予備工程を行い、予備工程で添加した塩基性化合物の量に基づき、第1工程で添加する塩化バリウムの量を設定することができる。第1工程と第2工程とをこの順番で繰り返し行う場合は、第2工程において、塩化バリウムを添加した被処理水に塩基性化合物を加えてpHを所定値A(ただしAは4.0~7.0の範囲のいずれかの値)とし、1つ前の前記第2工程で添加した塩基性化合物の量に基づき、第1工程で添加する塩化バリウムの量を設定することもできる。
【0010】
被処理水は、例えばメッキ廃液であることが好ましい。本発明の水処理方法は、硫酸イオンを含有するメッキ廃液を被処理水として用いることにより、メッキ廃液から効率的に硫酸イオンを不溶化することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の水処理方法によれば、被処理水中に含まれる硫酸イオンを効率的に不溶化でき、また被処理水の中和を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の水処理方法は、硫酸イオンを含有しpHが2.5以下の被処理水に塩化バリウムを添加する第1工程と、第1工程で塩化バリウムを添加した被処理水に塩基性化合物を加えてpHを4.0以上にする第2工程とを有するものである。本発明の水処理方法は、硫酸イオンを含有しpHが2.5以下の被処理水に対して、第1工程でまず塩化バリウムを加え、次いで第2工程で塩基性化合物を加えることにより、被処理水中に含まれる硫酸イオンを効率的に不溶化でき、また被処理水の中和を行うことができる。
【0013】
被処理水の硫酸イオン濃度は特に限定されないが、排出規制により硫酸イオンの除去が必要となる被処理水は、通常ある程度硫酸イオンを高濃度で含むものとなる。従って、被処理水の硫酸イオン濃度は500mg/L以上であることが好ましく、550mg/L以上がより好ましく、600mg/L以上がさらに好ましい。このような被処理水であれば、塩化バリウムを添加することにより、効率的に硫酸イオンを不溶化しやすくなる。被処理水の硫酸イオン濃度の上限は特に限定されず、例えば5,000mg/L以下、3,000mg/L以下、または1,500mg/L以下であってもよい。被処理水の溶媒は水であることが好ましい。なお、被処理水の硫酸イオン濃度は溶解性の硫酸イオン濃度を意味し、例えばイオンクロマトグラフィー等により求めることができる。
【0014】
被処理水は、硫酸イオン以外の成分を含んでいてもよい。硫酸イオン以外の成分としては、金属イオン、塩化物イオン、亜硫酸イオン、リン酸イオン、亜リン酸イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、シアン化物イオン等が挙げられる。
【0015】
被処理水のpHは2.5以下であれば特に限定されないが、pHの下限は1.0以上が好ましく、1.5以上がより好ましい。なお、このように被処理水のpHが低く、かつ硫酸イオンを高濃度に含む廃液としては、メッキ廃液(メッキ洗浄廃液を含む)や金属酸洗浄廃液等が挙げられる。
【0016】
第1工程では、被処理水に塩化バリウムを加えることにより、被処理水に含まれる硫酸イオンを硫酸バリウムとして不溶化させる。第1工程では、被処理水に塩化バリウムを加えることにより、被処理水に含まれる硫酸イオンの少なくとも一部が不溶化された第1処理水が得られる。塩化バリウムを用いることにより、効率的に硫酸イオンを硫酸バリウムとして不溶化することができる。
【0017】
塩化バリウムは、固体(例えば粉体)として被処理水に加えてもよく、液状(水溶液)またはスラリー状として被処理水に加えてもよい。塩化バリウムを加えた被処理水は、撹拌等により適宜混合することが好ましい。第1工程では、塩化バリウムの添加前後で被処理水のpHは通常ほとんど変化しない。
【0018】
第1工程では、被処理水に含まれる硫酸イオンの全部を不溶化する必要はない。排出規制により硫酸イオンの除去が必要となる場合でも、通常、ある程度の濃度で硫酸イオンが含まれることは許容される。従って、第1工程で被処理水に加える塩化バリウムの物質量(モル数)は、被処理水に含まれる硫酸イオンの物質量(モル数)未満であることが好ましい。これにより、塩化バリウムを、硫酸イオンと効率的に反応する範囲で添加することができる。第1工程で被処理水に加える塩化バリウムの物質量はそれよりも少なくてもよく、例えば被処理水に含まれる硫酸イオンの物質量の0.8倍以下、0.7倍以下または0.6倍以下であってもよい。なお、より効率的に硫酸イオンを不溶化する観点から、第1工程で被処理水に加える塩化バリウムの物質量は、被処理水に含まれる硫酸イオンの物質量の0.5倍以下であることが好ましく、0.3倍以下がより好ましく、0.2倍以下がさらに好ましい。これにより、不溶化する硫酸イオンの物質量と比較して、使用する塩化バリウムの量を減らすことができ、廃棄物として処分する不溶物の量も減らすことができる。一方、第1工程で被処理水に加える塩化バリウムの物質量は、被処理水に含まれる硫酸イオンの物質量の0.05倍以上が好ましく、0.1倍以上がより好ましい。第1工程で被処理水に加える塩化バリウムの量は、例えば、第1処理水に含まれる硫酸イオンの濃度を測定して、第1工程で被処理水に加える塩化バリウムの物質量と被処理水に含まれる硫酸イオンの物質量の比を、経験値に基づいて好ましい値に設定することができる。
【0019】
第1工程で被処理水に塩化バリウムを加えることにより得られる第1処理水の硫酸イオン濃度は、例えば500mg/L未満であることが好ましく、400mg/L以下がより好ましく、350mg/L以下がさらに好ましい。第1処理水の硫酸イオン濃度は、基本的に排水基準等に基づき適宜設定すればよく、またそれに合わせて添加する塩化バリウムの量も設定すればよい。
【0020】
第2工程では、第1工程で得られた第1処理水、すなわち第1工程で塩化バリウムを添加した被処理水に、塩基性化合物を加える。これにより、被処理水の中和を行うことができる。第2工程では、塩基性化合物を加えることにより、pHを4.0以上とする。当該pHはさらに高くてもよく、例えば4.5以上、5.0以上、5.5以上、6.0以上、6.5以上または6.8以上であってもよい。当該pHの上限は、例えば10.0以下が好ましく、9.0以下がより好ましく、8.0以下がさらに好ましい。
【0021】
第2工程で使用する塩基性化合物は、アルカリとして作用するものであれば特に限定されず、公知の塩基性化合物を使用することができる。塩基性化合物は、固体として第1処理水に加えてもよく、液体(水溶液)として第1処理水に加えてもよいが、液体として第1処理水に加えることが好ましい。すなわち、塩基性化合物としてアルカリ溶液を第1処理水に添加することが好ましく、これにより第2工程において第1処理水のpHを速やかに高めることができる。塩基性化合物としては、アルカリ金属水酸化物を用いることが簡便であり、なかでも水酸化ナトリウムを用いることが好ましい。
【0022】
本発明の水処理方法は、硫酸イオンを含有しpHが2.5以下の被処理水に対して、まず塩化バリウムを加え、次いで塩基性化合物を加えることにより、まず塩基性化合物を加え、次いで塩化バリウムを加える場合と比べて、被処理水中に含まれる硫酸イオンを効率的に不溶化できる。例えば、より少ない塩化バリウム添加量で、処理水の硫酸イオン濃度を所望程度まで低減することができる。
【0023】
不溶化した硫酸バリウムは公知の固液分離手段により除去することができる。固液分離手段としては、沈降分離、遠心分離、ろ過分離(例えば、フィルタープレス、ベルトプレス、スクリュープレス)等が挙げられる。固液分離手段により、硫酸バリウムは固体(ケーキ状を含む)として回収してもよく、スラリーや濃縮液として回収してもよい。不溶化した硫酸バリウムの除去は、第1工程で得られた第1処理水に対して行ってもよく、第2工程で得られた第2処理水に対して行ってもよい。
【0024】
第1工程で被処理水に添加する塩化バリウムの量は、同じ被処理水をpH4.0~7.0の範囲の所定値Aにするのに要する塩基性化合物の量(すなわち、塩基性化合物の塩基当量(モル当量)であり、水酸化物イオンのモル数を意味する)に基づき設定することができる。これにより、被処理水の硫酸イオン濃度を事前に求めなくても、塩化バリウムの添加量を適切に設定することができる。例えば、被処理水に含まれる硫酸イオンは全量不溶化する必要なく、基準等で定められた濃度以下まで不溶化すればよく、これにより、塩化バリウムの添加量を、硫酸イオンと効率的に反応する範囲内で設定することができる。
【0025】
所定値AはpH4.0~7.0の範囲のいずれかの値であればよい。第1工程で添加する塩化バリウムの量は、被処理水のpHを所定値Aにするのに要する塩基性化合物の塩基当量(モル当量)の等倍以下であることが好ましく、0.8倍以下がより好ましく、0.6倍以下がさらに好ましく、また0.1倍以上が好ましく、0.2倍以上がより好ましく、0.3倍以上がさらに好ましい。基本的には、第1工程で添加する塩化バリウムの量は、所定値Aの値が大きいほど、被処理水のpHを所定値Aにするのに要する塩基性化合物の塩基当量(モル当量)に対して、より小さい倍率に設定することが好ましい。
【0026】
上記のように塩化バリウムの添加量を設定する場合、例えば、第1工程に先立って、第1工程に供する被処理水に塩基性化合物を加えてpHを所定値A(ただしAは4.0~7.0の範囲のいずれかの値)とする予備工程を行い、予備工程で添加した塩基性化合物の量に基づき、第1工程で添加する塩化バリウムの量を設定することができる。
【0027】
あるいは、第1工程と第2工程とをこの順番で繰り返し行う場合、すなわち本発明の水処理方法をバッチ式に何回も行う場合は、1つ前の第2工程で添加した塩基性化合物の量(すなわち、直前の第1工程で得られた第1処理水のpHを所定値Aにするのに要する塩基性化合物の塩基当量)に基づき、第1工程で添加する塩化バリウムの量を設定することもできる。この場合は、被処理水を貯める原水槽を設置し、この原水槽から被処理水を一部抜き出して第1工程と第2工程を行い、次の第1工程と第2工程を同じ原水槽から被処理水を一部抜き出して行うことが好ましい。なお、原水槽には、新たな被処理水が継ぎ足されてもよい。
【実施例】
【0028】
以下に、実施例を示すことにより本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0029】
(1)処理方法
硫酸イオンを864~1221mg/L含有し、pHが2.0~2.1の被処理水に、塩化バリウムと水酸化ナトリウムを添加して、硫酸イオンの不溶化処理を行った。処理条件を表1に示すが、処理1~3では、塩化バリウムをまず添加し、次いで水酸化ナトリウムを添加してpHを4.5とした。処理4,5では、水酸化ナトリウムをまず添加しpHを4.5または6.5とし、次いで塩化バリウムを添加した。塩化バリウムは、被処理水に含まれる硫酸イオンの0.2倍モルまたは0.5倍モル添加した。被処理水と処理水について溶解性の硫酸イオン濃度を測定し、硫酸イオンの不溶化率と塩化バリウムの反応効率を求めた。塩化バリウムの反応効率は、不溶化した硫酸イオンのモル数を、添加した塩化バリウムのモル数で除することにより求めた。
【0030】
【0031】
(2)処理結果
表1に処理結果を示すが、塩化バリウムをまず添加し、次いで水酸化ナトリウムを添加した処理1~3では、水酸化ナトリウムをまず添加し、次いで塩化バリウムを添加した処理4,5よりも、効率的に硫酸イオンを不溶化することができた。処理1~3ではpH2.0~2.1で塩化バリウムを添加し、処理4ではpH4.5で塩化バリウムを添加し、処理5ではpH6.5で塩化バリウムを添加したが、塩化バリウムを添加する際のpHが低いほど効率的に硫酸イオンを不溶化できた。従って、アルカリ溶液を加えて中和を行うのは、塩化バリウムの添加後とすることが好ましいことが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、硫酸イオンを比較的高濃度に含む被処理水から硫酸イオンを除去する処理に用いることができ、例えばメッキ廃液、金属酸洗浄廃液、排煙脱硫廃水の処理に用いることができる。