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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-26
(45)【発行日】2025-03-06
(54)【発明の名称】電動工具のための電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6563 20140101AFI20250227BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20250227BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20250227BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20250227BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20250227BHJP
   H01M 50/247 20210101ALI20250227BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20250227BHJP
   H01M 50/51 20210101ALI20250227BHJP
   H01M 50/512 20210101ALI20250227BHJP
【FI】
H01M10/6563
H01M10/613
H01M10/6556
H01M50/204 401H
H01M50/211
H01M50/247
H01M50/284
H01M50/51
H01M50/512
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021062920
(22)【出願日】2021-04-01
(65)【公開番号】P2022158188
(43)【公開日】2022-10-17
【審査請求日】2024-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 和也
【審査官】宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0351979(US,A1)
【文献】特開2019-021594(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/52-10/667
H01M50/20-50/298
H01M50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に沿って積層配置された複数のパウチ型電池セルと、
前記複数のパウチ型電池セルを収容しているとともに、内部吸気口及び内部排気口を有し、前記内部吸気口が前記内部排気口よりも前記第1方向に垂直な第2方向に位置する内部ハウジングと、
前記内部ハウジングを収容しているとともに、吸気口及び排気口を有し、前記吸気口が、前記排気口よりも前記第2方向に位置するハウジングと、
を備え、
前記内部ハウジングは、前記複数のパウチ型電池セルに対して、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向から対向する内部側壁を有し、
前記内部排気口は、前記排気口へ実質的に気密に接続されている、又は、前記排気口内に配置されており、
前記内部吸気口は、前記内部側壁に設けられている、
電池パック。
【請求項2】
前記内部排気口及び前記排気口は、前記複数のパウチ型電池セルよりも、前記第2方向の反対方向に位置する、請求項に記載の電池パック。
【請求項3】
前記吸気口は、前記内部吸気口よりも、前記第2方向に位置している、請求項又はに記載の電池パック。
【請求項4】
前記吸気口は、前記複数のパウチ型電池セルよりも、前記第2方向に位置している、請求項に記載の電池パック。
【請求項5】
前記内部吸気口は、前記内部側壁に設けられた複数の貫通孔を有し、
前記複数の貫通孔は、前記第1方向に沿って配列されているとともに、各々の貫通孔が、前記第2方向に沿って延びる長孔である、請求項1から4のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項6】
前記内部ハウジングの内部側壁と、前記内部側壁に対向する前記ハウジングの側壁との少なくとも一方には、それらの他方に向けて突出するフローガイド壁が設けられており、
前記内部吸気口は、前記フローガイド壁よりも、前記第2方向に位置している、請求項1から5のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項7】
前記内部ハウジングは、前記複数のパウチ型電池セルを保持するとともに前記内部側壁を有するセルホルダと、セルホルダに取り付けられた少なくとも一つの基板とを備え、
前記少なくとも一つの基板は、前記複数のパウチ型電池セルと電気的に接続された回路を有する、請求項1からのいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項8】
前記少なくとも一つの基板は、メイン基板を含み、
前記メイン基板は、前記複数のパウチ型電池セルに対して前記第1方向に位置するとともに、外部の機器と電気的に接続するための電力ポートを有する、請求項に記載の電池パック。
【請求項9】
前記少なくとも一つの基板は、サブ基板を含み、
前記サブ基板は、前記複数のパウチ型電池セルに対して前記第2方向に位置するとともに、前記複数のパウチ型電池セルの各々の正極タブ及び負極タブに接続されている、請求項又はに記載の電池パック。
【請求項10】
前記吸気口は、前記サブ基板よりも、前記第2方向に位置している、請求項に記載の電池パック。
【請求項11】
第1方向に沿って積層配置された複数のパウチ型電池セルと、
前記複数のパウチ型電池セルを収容しているとともに、内部吸気口及び内部排気口を有し、前記内部吸気口が前記内部排気口よりも前記第1方向に垂直な第2方向に位置する内部ハウジングと、
前記内部ハウジングを収容しているとともに、吸気口及び排気口を有し、前記吸気口が前記排気口よりも前記第2方向に位置するハウジングと、
を備え、
前記内部ハウジングは、前記複数のパウチ型電池セルを保持するセルホルダと、セルホルダに取り付けられているとともに前記複数のパウチ型電池セルと電気的に接続された回路を有するメイン基板及びサブ基板と、を備え、
前記メイン基板は、前記複数のパウチ型電池セルに対して前記第1方向に位置するとともに、外部の機器と電気的に接続するための電力ポートを有し、
前記サブ基板は、前記複数のパウチ型電池セルに対して前記第2方向に位置するとともに、前記複数のパウチ型電池セルの各々の正極タブ及び負極タブに接続されており、
前記吸気口は、前記サブ基板よりも、前記第2方向に位置している、
電池パック。
【請求項12】
第1方向に沿って積層配置された複数のパウチ型電池セルと、
前記複数のパウチ型電池セルを収容しているとともに、内部吸気口及び内部排気口を有し、前記内部吸気口が前記内部排気口よりも前記第1方向に垂直な第2方向に位置する内部ハウジングと、
前記内部ハウジングを収容しているとともに、吸気口及び排気口を有し、前記吸気口が、前記排気口よりも前記第2方向に位置するハウジングと、
を備え、
前記内部ハウジングは、前記複数のパウチ型電池セルに対して、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向から対向する内部側壁を有し、
前記内部吸気口は、前記吸気口に実質的に気密に接続されている、又は、前記吸気口内に配置されており、
前記内部排気口は、前記内部側壁に設けられている、
電池パック。
【請求項13】
前記内部吸気口及び前記吸気口は、前記複数のパウチ型電池セルよりも、前記第2方向に位置する、請求項12に記載の電池パック。
【請求項14】
前記排気口は、前記内部排気口よりも、前記第2方向に位置している、請求項12又は13に記載の電池パック。
【請求項15】
前記排気口は、前記複数のパウチ型電池セルよりも、前記第2方向の反対方向に位置している、請求項14に記載の電池パック。
【請求項16】
前記内部排気口は、前記内部側壁に設けられた複数の貫通孔を有し、
前記複数の貫通孔は、前記第1方向に沿って配列されているとともに、各々の貫通孔が、前記第2方向に沿って延びる長孔である、請求項12から15のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項17】
前記吸気口と前記排気口との少なくとも一方は、外部の機器に設けられた送風機に接続される、請求項1から16のいずれか一項に記載の電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動工具のための電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、電動工具のための電池パックが記載されている。この電池パックでは、ハウジングの内部において、複数の角型電池セルが、一方向に沿って積層配置されている。ハウジングには、冷却風のための吸気口及び排気口が形成されており、吸気口の近傍には、冷却風の流れをガイドする整流板が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-209367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電動工具のための電池パックに、パウチ型電池セルを採用することが考えられる。パウチ型電池パックは、ラミネートフィルムで構成された外装に由来して、ラミネート型電池セルとも称される。パウチ型電池セルは、高いエネルギー密度を有する。従って、電池パックにパウチ型電池セルを採用することで、電池パックの性能向上や、電池パックの軽量化を図ることができる。その一方で、電動工具のための電池パックに、パウチ型電池セルを効果的に採用するためには、電気パックの基本構造を見直す必要があり、特に、パウチ型電池セルを効果的に冷却するための技術が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する技術は、上記を鑑み、本明細書は、新規な電池パックを開示する。この電池パックは、第1方向に沿って積層配置された複数のパウチ型電池セルと、前記複数のパウチ型電池セルを収容しているとともに、内部吸気口及び内部排気口を有する内部ハウジングと、前記内部ハウジングを収容しているとともに、吸気口及び排気口を有するハウジングと、前記内部吸気口は、前記内部排気口よりも、前記第1方向に垂直な第2方向の一方側に位置しており、前記吸気口は、前記排気口よりも、前記第2方向の前記一方側に位置している。
【0006】
上記した電池パックでは、複数のパウチ型電電池セルを保持する内部ハウジングをハウジング内に収容した、二重ハウジング構造が採用されている。このような構成によると、複数のパウチ型電池セルを安定して保持することができる。また、外部からハウジング内に侵入した異物や水分に対して、複数のパウチ型電池セルが内部ハウジングによって保護される。
【0007】
加えて、内部ハウジングには、内部吸気口と内部排気口とがそれぞれ形成されており、内部ハウジングが換気されるように構成されている。これにより、複数のパウチ型電池セルで生じた熱が、内部ハウジングに籠ることが抑制される。ここで、ハウジングの吸気口は、その排気口よりも第2方向に位置しているので、ハウジングの内部では、概して、第2方向の反対方向に向けて冷却風が流れる。この冷却風の流れに合わせて、内部ハウジングにおいても、内部吸気口が内部排気口よりも第2方向に配置されており、それによって内部ハウジングの換気が促進される。
【0008】
即ち、内部ハウジングの内部では、概して、冷却風が第2方向の反対方向に向けて流れる。この冷却風が流れる第2方向の反対方向は、複数のパウチ型電池セルが積層された第1方向に対して、垂直な方向である。従って、内部ハウジングの内部では、冷却風が個々のパウチ型電池セルに沿って流れる。これにより、積層配置された複数のパウチ型電池セルを、比較的に均等に冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】電池パック10の外観を示す斜視図。
図2】電池パック10を分解して示す斜視図。
図3】セルユニット30を分解して示す斜視図。
図4】セルユニット30の正面図。
図5図4中におけるV-V線断面図。
図6図5と同じ位置の断面図で、リード板80xの一変形例を示す。
図7】フレーム50及びサブ基板70を示す斜視図。
図8図7におけるVIII部の拡大図。
図9】セルホルダ40を示す斜視図。
図10】電池パック10における冷却風の流れを示す。
図11】電池パック10における逆向きの冷却風の流れを示す。
図12】内部吸気口34の一変形例を示す。
図13】フローガイド壁38の一変形例を示す。
図14】電池パック10の製造方法の一工程を示す図。
図15】電池パック10の製造方法の一工程を示す図。
図16】電池パック10の製造方法の一工程を示す図。
図17】電池パック10の製造方法の一工程を示す図。
図18】一変形例のサブ基板170を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本技術の第1類の実施形態において、前記内部排気口は、前記排気口に実質的に気密に接続されていてもよい。あるいは、前記内部排気口は、前記排気口内に配置されていてもよい。このような構成によると、ハウジングの内部に導入された冷却風の大部分を、内部ハウジングの内部にも導入することができる。
【0011】
ここで、内部排気口が排気口に実質的に気密に接続されているとは、内部排気口を通過する冷却風の流量が、排気口を通過する冷却風の流量と実質的に等しいことを意味し、具体的には、前者が後者の70パーセントを超えることを意味する。また、内部排気口が排気口内に配置されているとは、内部排気口が排気口において外部に露出することを広く意味し、内部排気口が排気口から外部に突出していることも含む。
【0012】
上位した第1類の実施形態において、前記内部排気口及び前記排気口は、前記複数のパウチ型電池セルよりも、前記第2方向の反対方向に位置してもよい。このような構成によると、内部ハウジングの内部では、内部排気口に向けて流れる冷却風が、複数のパウチ型電池セルを完全に通り過ぎた後に、内部ハウジングから排気される。これにより、複数のパウチ型電池セルを効果的に冷却することができる。
【0013】
上記した第1類の実施形態において、前記吸気口は、前記内部吸気口よりも、前記第2方向に位置していてもよい。このような構成によると、吸気口を通じてハウジングの内部に導入された冷却風のより多くを、内部吸気口を通じて内部ハウジングの内部へ導入することができる。
【0014】
上記した第1類の実施形態において、前記吸気口は、前記複数のパウチ型電池セルよりも、前記第2方向に位置していてもよい。このような構成によると、吸気口を通じてハウジングの内部に導入された冷却風によって、ハウジングの内部を効果的に換気することができる。
【0015】
上記した第1類の実施形態において、前記内部ハウジングは、前記複数のパウチ型電池セルに対して、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向から対向する内部側壁を有してもよい。この場合、前記内部吸気口は、前記内部側壁に設けられていてもよい。このような構成によると、内部ハウジングの内部側壁には、積層配置された複数のパウチ型電池セルの各々が対向する。そのような内部側壁に内部吸気口を設けることで、内部吸気口を通じて内部ハウジングの内部へ導入された冷却風が、複数のパウチ型電池セルのより多くに接することができる。
【0016】
上記の実施形態において、前記内部吸気口は、前記内部側壁に設けられた複数の貫通孔を有してもよい。この場合、前記複数の貫通孔は、前記第1方向に沿って配列されているとともに、各々の貫通孔が、前記第2方向に沿って延びる長孔であってもよい。このような構成によると、内部吸気口を通じて内部ハウジングの内部へ導入される冷却風を、複数のパウチ型電池セルの各々に対して、比較的に均等に分散させることができる。
【0017】
上記の実施形態において、前記内部ハウジングの内部側壁と、前記内部側壁に対向する前記ハウジングの側壁との少なくとも一方には、それらの他方に向けて突出するフローガイド壁が設けられていてもよい。この場合、前記内部吸気口は、前記フローガイド壁よりも、前記第2方向に位置していてもよい。このような構成によると、吸気口を通じてハウジングの内部に導入された冷却風を、内部吸気口を通じて内部ハウジングの内部へスムーズに案内することができる。
【0018】
上記した第1類の実施形態において、前記内部ハウジングは、前記複数のパウチ型電池セルを保持するセルホルダと、セルホルダに取り付けられた少なくとも一つの基板とを備えてもよい。この場合、前記少なくとも一つの基板は、前記複数のパウチ型電池セルと電気的に接続された回路を有してもよい。内部ハウジングの少なくとも一部を基板によって構成することで、当該基板を配置するためのスペースの削減や、内部ハウジングの軽量化を図ることができる。
【0019】
上記の実施形態において、前記少なくとも一つの基板は、メイン基板を含んでもよい。この場合、前記メイン基板は、前記複数のパウチ型電池セルに対して前記第1方向に位置してもよい。加えて、前記メイン基板は、外部の機器と電気的に接続するための電力ポートを有してもよい。
【0020】
前記メイン基板に加えて、又は代えて、前記少なくとも一つの基板は、サブ基板を含んでもよい。この場合、前記サブ基板は、前記複数のパウチ型電池セルに対して前記第2方向に位置するとともに、前記複数のパウチ型電池セルの前記正極タブ及び前記負極タブに接続されていてもよい。
【0021】
上記の実施形態において、前記吸気口は、前記サブ基板よりも、前記第2方向に位置していてもよい。このような構成によると、吸気口を通じてハウジングの内部へ導入される冷却風によって、サブ基板の効果的な冷却を図ることができる。
【0022】
本技術の第2類の実施形態において、前記内部吸気口は、前記吸気口に実質的に気密に接続されていてもよい。あるいは、前記内部吸気口は、前記吸気口内に配置されていてもよい。このような構成によると、ハウジングの内部に導入された冷却風の大部分を、内部ハウジングの内部にも導入することができる。
【0023】
上位した第2類の実施形態において、前記内部吸気口及び前記吸気口は、前記複数のパウチ型電池セルよりも、前記第2方向に位置してもよい。このような構成によると、内部ハウジングの内部では、内部吸気口から導入された冷却風が、複数のパウチ型電池セルとより長く接触することで、複数のパウチ型電池セルを効果的に冷却することができる。
【0024】
上位した第2類の実施形態において、前記排気口は、前記内部排気口よりも、前記第2方向に位置していてもよい。このような構成によると、内部ハウジングの内部を流れる冷却風を、内部排気口を通じて内部ハウジングの外部へ、そして、排気口を通じてハウジングの外部へと、スムーズに流すことができる。
【0025】
上記した第2類の実施形態において、前記排気口は、前記複数のパウチ型電池セルよりも、前記第2方向の反対方向に位置していてもよい。即ち、冷却風が流れる方向に関して、前記排気口は、前記複数のパウチ型電池セルよりも下流側に位置してもよい。このような構成によると、複数のパウチ型電池セルによって加熱された冷却風を、排気口を通じてハウジングの外部へ効率的に排出することができる。
【0026】
上記した第2類の実施形態において、前記内部ハウジングは、前記複数のパウチ型電池セルに対して、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向から対向する内部側壁を有してもよい。この場合、前記内部排気口は、前記内部側壁に設けられていてもよい。このような構成によると、内部ハウジングの内部側壁には、積層配置された複数のパウチ型電池セルの各々が対向する。そのような内部側壁に内部排気口を設けることで、内部ハウジングの内部を内部排気口に向けて流れる冷却風が、複数のパウチ型電池セルのより多くに接することができる。
【0027】
上記の実施形態において、前記内部排気口は、前記内部側壁に設けられた複数の貫通孔を有してもよい。この場合、前記複数の貫通孔は、前記第1方向に沿って配列されているとともに、各々の貫通孔が、前記第2方向に沿って延びる長孔であってもよい。このような構成によると、内部ハウジングの内部を内部排気口に向けて流れる冷却風を、複数のパウチ型電池セルの各々に対して、比較的に均等に分散させることができる。
【0028】
上記の実施形態において、前記吸気口と前記排気口との少なくとも一方は、外部の機器に設けられた送風機に接続されてもよい。即ち、電池パックは、外部の機器によって強制換気されてもよい。但し、他の実施形態として、電池パックは、吸気口と排気口との少なくとも一方に、自ら送風機を有してもよい。あるいは、電池パックは、そのような送風機を用いることなく、自然換気されてもよい。
【0029】
以下では、本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、以下に開示される追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善された電池パックを提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0030】
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、上記及び下記の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、独立及び従属クレームに記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0031】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又はクレームに記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびにクレームされた特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびにクレームされた特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【実施例
【0032】
図面を参照して、実施例の電池パック10について説明する。本実施例の電池パック10は、電動工具のための電池パックであって、特に、手持ち式の電動工具において好適に採用することができる。ここでいう電動工具とは、典型的には、モータ又はその他のアクチュエータを有する電動工具を意味する。但し、本実施例の電池パック10は、電動工具に加えて、他の電動機器に利用されてもよい。
【0033】
ここで、図面における方向FRは、前後方向における前方を示し、方向RRは、前後方向における後方であって、前方とは反対方向を示す。図面における方向LHは、左右方向における左方を示し、方向RHは、左右方向における右方であって、左方とは反対方向を示す。そして、図面における方向UPは、上下方向における上方を示し、方向DWは、上下方向における下方であって、上方とは反対方向を示す。なお、ここでいう前後方向、左右方向、上下方向は、説明の便宜を図る上で定めるものであり、電池パック10の使用時や製造時における姿勢を限定するものではない。
【0034】
図1図3に示すように、電池パック10は、ハウジング12と、ハウジング12の内部に収容されたセルユニット30と、ハウジング12とセルユニット30との間に配置された緩衝部材28を備える。緩衝部材28は、ゴム材料で構成されている。ハウジング12は、上パーツ12xと下パーツ12yとを有する。ハウジング12は、概して直方体の形状を有しており、前壁12a、後壁12b、左側壁12c、右側壁12d、上壁12e及び下壁12fを有する。ハウジング12の上壁12eには、工具インターフェース20が設けられている。工具インターフェース20は、電動工具及び充電器に対して、物理的及び電気的に着脱可能に構成されている。
【0035】
一例ではあるが、本実施例における工具インターフェース20は、一対の係合レール22と、電気コネクタ24とを有する。一対の係合レール22は、電動工具又は充電器に対して物理的に係合することで、電池パック10を電動工具又は充電器に固定する。電気コネクタ24は、工具インターフェース20が電動工具又は充電器に取り付けられたときに、電動工具又は充電器と電気的に接続する。これにより、電池パック10が電動工具又は充電器に電気的に接続される。なお、工具インターフェース20の位置や構造については、特に限定されない。
【0036】
ハウジング12は、吸気口14と排気口16とを有する。吸気口14は、ハウジング12の前方部分に位置しており、排気口16は、ハウジング12の後方部分に位置している。即ち、吸気口14は、排気口16よりも前方に位置している。これにより、ハウジング12の内部では、冷却風が前後方向の後方に向けて流れる。一例ではあるが、本実施例における吸気口14は、ハウジング12の前壁12a、左側壁12c及び右側壁12dに設けられており、排気口16は、ハウジング12の上壁12eに設けられている。詳しくは後述するが、電池パック10が電動工具又は充電器といった外部の機器200に取り付けられたときに、排気口16は、外部の機器200の送風機202に接続される(図10参照)。これにより、電池パック10の内部は、外部の機器200の送風機202によって強制換気される。
【0037】
セルユニット30は、複数のパウチ型電池セル100と、複数のパウチ型電池セル100を収容する内部ハウジング32とを備える。パウチ型電池セル100は、ラミネートフィルムによって構成された外装の内部に、正負の集電シートや電解液を収容する電池セルである。各々のパウチ型電池セル100は、概して扁平な形状を有しており、複数のパウチ型電池セル100は、上方(第1方向)に沿って積層配置されている。各々のパウチ型電池セル100は、正極タブ102と負極タブ104を有する。正極タブ102と負極タブ104は、パウチ型電池セル100の電極であって、例えば金属といった導電体のシートで構成されている。各々のパウチ型電池セル100において、正極タブ102及び負極タブ104は、前方(第2方向)に向けて突出している。特に限定されないが、本実施例におけるパウチ型電池セル100は、再充電可能な二次電池セルであって、特に、リチウムイオン電池セルである。以下では、パウチ型電池セル100を、単に電池セル100と称する。
【0038】
セルユニット30は、セルホルダ40と、フレーム50と、メイン基板60と、サブ基板70と、接続部材80とを備える。セルホルダ40、フレーム50、メイン基板60及びサブ基板70は、互いに組付けられることによって、複数のパウチ型電池セル100を収容する内部ハウジング32を構成する。内部ハウジング32は、内部吸気口34と内部排気口36とを有する。内部吸気口34は、内部排気口36よりも前方に位置している。これにより、内部ハウジング32の内部でも、冷却風が前後方向の後方に向けて流れる。一例ではあるが、本実施例における内部吸気口34及び内部排気口36は、セルホルダ40に設けられている。詳しくは、内部吸気口34は、複数のパウチ型電池セル100に左右方向から対向する位置に設けられており、内部排気口36は、複数のパウチ型電池セル100よりも後方に位置している。
【0039】
メイン基板60は、複数の電池セル100に対して、上方(第1方向)に配置されている。メイン基板60は、電力ポート26を有する。電力ポート26は、工具インターフェース20の内部に位置しており、電動工具又は充電器といった外部の機器200と電気的に接続する。一例ではあるが、本実施例における電力ポート26は、導電体で構成された接触式の外部接続端子を有する。但し、電力ポート26は、例えば電磁誘導コイルを有する、ワイヤレス電力ポートであってもよい。メイン基板60は、複数のねじ61を用いて、セルホルダ40に固定されている。
【0040】
サブ基板70は、複数の電池セル100に対して、前方(第2方向)に配置されている。サブ基板70には、複数の電池セル100の正極タブ102及び負極タブ104が接続されている。これにより、複数の電池セル100は、サブ基板70によって、互いに電気的に接続されている。詳しくは後述するが、本実施例におけるサブ基板70は、複数の電池セル100を直列に接続するように構成されている。但し、他の実施形態として、サブ基板70は、複数の電池セル100の一部または全部を、互いに並列に接続するように構成されてもよい。サブ基板70は、複数のねじ71を用いて、フレーム50に固定されており、フレーム50を介して、セルホルダ40に着脱可能に取り付けられている。一例ではあるが、フレーム50は、複数のねじ51によってセルホルダ40に固定されている。
【0041】
図4図5に示すように、接続部材80は、サブ基板70とメイン基板60との間を延びており、サブ基板70とメイン基板60との間を電気的に接続する。これにより、複数の電池セル100は、サブ基板70及びメイン基板60を介して、電力ポート26と電気的に接続されている。一例ではあるが、接続部材80は、一対のリード板80x、80yを有する。一対のリード板80x、80yは、正極リード板80xと負極リード板80yとを含む。各々のリード板80x、80yは、例えば金属といった導電体で構成されている。メイン基板60は、サブ基板70の上方まで延びており、サブ基板70から上方(第1方向)に伸ばした直線と交差する。そのことから、各々のリード板80x、80yは、サブ基板70とメイン基板60との間を、上方(第1方向)と平行に延びている。このような構成によると、メイン基板60とサブ基板70との間を、最も短い経路で接続することができる。
【0042】
但し、図6に示すように、他の実施形態として、メイン基板60は、サブ基板70の上方まで延びておらず、サブ基板70から第1方向(上方)に伸ばした直線と交差しなくてもよい。この場合、リード板80x、80yは、サブ基板70とメイン基板60との間を、上方(第1方向)と角度を成して延びていてもよい。このような構成によっても、メイン基板60とサブ基板70との間を、比較的に短い経路で接続することができる。ここで、リード板80x、80yが上方(第1方向)と成す角度は、特に限定されない。リード板80x、80yは、サブ基板70とメイン基板60との間を、直線的に延びていてもよいし、湾曲しながら延びていてもよい。
【0043】
図4図6に示すように、サブ基板70は、複数のタブ接続孔78を有する。複数のタブ接続孔78のそれぞれには、複数の電池セル100のうちの対応する一つの正極タブ102又は負極タブ104が挿入されている。ここで、サブ基板70は、複数の電池セル100に対向する後面70aと、後面70aの反対側に位置する前面70bとを有する。そして、複数の電池セル100の正極タブ102及び負極タブ104の各々は、サブ基板70の前面70bにおいて、サブ基板70に接合されている。詳しくは、正極タブ102及び負極タブ104の各々は、サブ基板70の前面70bにはんだ付けによって接合されている。
【0044】
特に限定されないが、複数のパウチ型電池セル100は、一つずつ表裏を反転させて積層されている。これにより、隣接する各二つの電池セル100では、一方の電池セル100の正極タブ102と、他方の電池セル100の負極タブ104とが、上下方向において(即ち、第1方向に沿って)隣接している。このような構成によると、複数の電池セル100を直列に接続する回路を、サブ基板70において簡素に形成することができる。言い換えると、複数の電池セル100の配列や個々の姿勢は、サブ基板70に形成すべき回路に応じて、適宜設計することができる。
【0045】
本実施例におけるサブ基板70は、上方に沿って断続的に延びる第1導体ライン72と、第1導体ライン72と並行して断続的に延びる第2導体ライン74と、第1導体ライン72と第2導体ライン74との間を上方に沿って延びる第3導体ライン76とを有する。第1導体ライン72と第2導体ライン74の各々には、前述した複数のタブ接続孔78が配列されており、各々の電池セル100の正極タブ102又は負極タブ104が接合されている。第1導体ライン72の上端は、正極リード板80xに接続されており、第2導体ライン74の下端は、第3導体ライン76を介して負極リード板80yに接続されている。サブ基板70の前面70bでは、複数の電池セル100の正極タブ102及び負極タブ104が、接着剤92によって覆われている。接着剤92は、正極タブ102及び負極タブ104に加えて、第1導体ライン72、第2導体ライン74及び第3導体ライン76も併せて覆っている。
【0046】
上記の構成により、複数の電池セル100は、正極リード板80xと負極リード板80yとの間で、電気的に直列に接続されている。なお、正極リード板80xには、メイン基板60の最寄りに位置する最上段の電池セル100の正極タブ102が、第1導体ライン72を介して接続されている。一方、負極リード板80yには、メイン基板60から最も離れて位置する電池セル100の負極タブ104が、第3導体ライン76を介して接続されている。
【0047】
図5図8を参照して、フレーム50の構造について説明する。フレーム50は、例えば樹脂といった、高分子材料で構成されている。但し、フレーム50を構成する材料は、特に限定されない。前述したように、フレーム50には、サブ基板70が取り付けられている。フレーム50は、サブ基板70に沿って、複数の電池セル100の周囲を一巡する形状を有する。フレーム50に取り囲まれた範囲には、封止材90が充填されている。封止材90には、複数の電池セル100からサブ基板70へ延びる正極タブ102及び負極タブ104が封入されている。これにより、正極タブ102及び負極タブ104が、それらが接続されたサブ基板70が、外部から侵入する異物や水分から保護されて、電池パック10の内部で短絡が生じることを抑制することができる。ここで、封止材90は、ポッティング材又は光硬化性材料で構成されてもよい。光硬化性材料としては、例えば紫外線硬化樹脂を一例として挙げることができる。
【0048】
フレーム50には、サブ基板70に接するフレーム面56が設けられている。フレーム面56は、サブ基板70に対向するように前方を向いており、サブ基板70の周縁70cに沿って環状に設けられている。このような構成によると、サブ基板70がフレーム50によって安定して支持される。また、電池パック10を製造するときに、サブ基板70とフレーム50との間の隙間から、硬化前の封止材90が漏れ出すことを抑制することができる。ここで、図6に示すように、フレーム50のフレーム面56と、サブ基板70との間には、フレーム50及びサブ基板70よりも柔軟なシート材57を介在させてもよい。
【0049】
フレーム50は、複数の電池セル100に対向する内面52を有する。内面52は、複数の電池セル100を取り囲むように、環状に延びている。フレーム50の内面52には、複数のリブ54が設けられている。複数のリブ54は、上下方向に沿って配置されており、各々のリブ54は、前後方向に沿って延びている。複数のリブ54は、複数の電池セル100をそれぞれ支持する。即ち、各々の電池セル100は、隣接する二つのリブ54の間に挿入されている。このような構成によると、電池パック10の製造において、封止材90が硬化するまでの間、複数の電池セル100が、フレーム50によって安定して支持される。
【0050】
複数のリブ54の各々と、サブ基板70との間には、隙間CLが設けられている。言い換えると、複数のリブ54の各々と、フレーム面56との間には、隙間CLが設けられている。このように、複数のリブ54の各々が、サブ基板70から離れて位置していると、電池パック10を製造するときに、硬化前の封止材90が、リブ54に阻害されることなく、広い範囲に亘って流動することができる。なお、リブ54とサブ基板70との間の隙間CLは、リブ54に設けられた切欠と解釈することもできる。また、このような切欠は、リブ54の端部に代えて、リブ54の長手方向における中間部分に設けられてもよい。このような構成によっても、硬化前の封止材90は、切欠を通じて、広い範囲に亘って流動することができる。
【0051】
フレーム50は、複数のリブ54の隣接する各二つの間に、突出部55をさらに有する。突出部55は、複数の電池セル100のうちの対応する一つに当接して、当該電池セル100を前方から支持している。なお、突出部55の具体的な構造は特に限定されない。突出部55は、電池セル100に前方から当接するものであればよく、例えば、フレーム面56の反対側から後方に突出してもよいし、リブ54の側面から上方又は下方に突出するものであってもよい。
【0052】
フレーム50は、前方に向けて突出するリム部58を有する。リム部58は、フレーム50の左右にそれぞれ設けられている。リム部58は、サブ基板70の周縁70cに沿って上下方向に延びており、サブ基板70の周縁70cを覆っている。このような構成によると、フレーム50によってサブ基板70を保護することができる。また、サブ基板70をフレーム50に取り付けるときに、リム部58を、フレーム50に対してサブ基板70を位置決めするガイドとして利用することができる。
【0053】
図3図9に示すように、セルホルダ40は、ハウジング12の内部で、複数の電池セル100を保持している。セルホルダ40は、複数の電池セル100に対向する内面42を有する。セルホルダ40の内面42には、複数のリブ44が設けられている。特に限定されないが、本実施例におけるセルホルダ40では、複数のリブ44が、複数の電池セル100に対して後方に位置している。即ち、複数の電池セル100に対して、サブ基板70や正極タブ102及び負極タブ104とは反対側に位置している。複数のリブ44は、上下方向に沿って配置されており、各々のリブ44は、左右方向に沿って延びている。複数のリブ44は、複数の電池セル100をそれぞれ支持する。即ち、各々の電池セル100は、隣接する二つのリブ44の間に挿入されている。
【0054】
セルホルダ40は、左パーツ40xと右パーツ40yとを有し、左パーツ40xと右パーツ40yとの間に、複数の電池セル100を収容する。左パーツ40xは、セルホルダ40の左側壁40aと、セルホルダ40の後壁40cの一部を構成する。右パーツ40yは、セルホルダ40の右側壁40bと、セルホルダ40の後壁40cの他の一部を構成する。上記した複数のリブ44は、セルホルダ40cの後壁に位置しており、左パーツ40xと右パーツ40yとのそれぞれに設けられている。前述したように、セルホルダ40は、メイン基板60及びサブ基板70と共に、複数の電池セル100を収容する内部ハウジング32を構成している。詳しくは、内部ハウジング32の上壁の少なくとも一部が、メイン基板60によって構成されており、内部ハウジング32の前壁の少なくとも一部が、サブ基板70によって構成されている。このように、内部ハウジング32の少なくとも一部を、一又は複数の基板60、70によって構成することで、それらの基板60、70を配置するためのスペースの削減や、内部ハウジング32の軽量化を図ることができる。
【0055】
セルホルダ40の左側壁40a及び右側壁40bは、それぞれ内部ハウジング32の側壁を構成している。本明細書では、内部ハウジング32の側壁を、ハウジング12の側壁12c、12dと区別するために、内部側壁と称することがある。セルホルダ40の側壁40a、40b(即ち、内部側壁)は、複数の電池セル100に対して、上方(第1方向)及び前方(第2方向)に垂直な左方又は右方(第3方向)から対向している。セルホルダ40の側壁40a、40bには、前述した内部吸気口34が設けられている。内部吸気口34は、セルホルダ40の側壁40a、40bに設けられた複数の貫通孔を有する。内部吸気口34の複数の貫通孔は、上方(第1方向)に沿って配列されているとともに、各々の貫通孔が、前方(第2方向)に沿って延びる長孔となっている。
【0056】
セルホルダ40の側壁40a、40bには、フローガイド壁38が設けられている。フローガイド壁38は、セルホルダ40の側壁40a、40bと、セルホルダ40の側壁40a、40bに対向するハウジング12の側壁12c、12dとの間に位置している。フローガイド壁38は、ハウジング12の側壁12c、12dに向けて突出している。内部吸気口34は、フローガイド壁38よりも、前方に位置している。このような構成によると、吸気口14を通じてハウジング12の内部に導入された冷却風を、内部吸気口34を通じて内部ハウジング32の内部へスムーズに案内することができる。
【0057】
一方、セルホルダ40の後壁40cには、前述した内部排気口36が設けられている。内部排気口36は、後壁40cの上端に位置しており、上方に向けて開口している。後壁40cにはさらに、内部排気口36に接続された排気通路46が設けられている。排気通路46は、複数の電池セル100の後方において、上下方向に延びている。
【0058】
図10を参照して、電池パック10における冷却風の流れを説明する。図10では、冷却風の流れが、矢印によって模式的に示されている。前述したように、電池パック10が電動工具又は充電器といった外部の機器200に取り付けられると、ハウジング12の排気口16は、外部の機器200の送風機202に接続される。ここで、内部ハウジング32の内部排気口36は、ハウジング12の排気口16内に配置されており、排気口16へ実質的に気密に接続されている。送風機202は、電池パック10とは反対向きに送風することで、電池パック10の内部から空気を吸引する。
【0059】
送風機202が作動すると、外気が吸気口14を通じてハウジング12の内部へ導入される。ハウジング12の内部では、後方に向けて冷却風が流れる。このとき、吸気口14がサブ基板70よりも前方に位置するので、サブ基板70も冷却風によって効果的に冷却される。ハウジング12内の冷却風は、内部吸気口34を通じて内部ハウジング32の内部へ導入される。内部吸気口34が、上下方向に沿って配列された複数の貫通孔を有しているので、上下方向に積層配置された複数の電池セル100に対して、冷却風が均等に分配される。内部吸気口34の内部では、冷却風が後方へ流れた後に、内部排気口36及び排気口16を通じて外部へ排気される。内部排気口36及び排気口16が複数の電池セル100よりも後方に位置することで、冷却風は複数の電池セル100を完全に通り過ぎた後に外部へ排気される。
【0060】
図11に示すように、外部の機器200の送風機202は、電池パック10に向けて送風するものであってもよい。この場合、ハウジング12の吸気口14及び排気口16は、それぞれハウジング12の排気口及び吸気口として機能する。同様に、内部ハウジング32の内部吸気口34及び内部排気口36は、それぞれ内部ハウジング32の内部排気口及び内部吸気口として機能する。この場合、内部吸気口(36)が、吸気口(16)内に配置されて、吸気口(16)と実質的に気密に接続される。内部吸気口(36)及び吸気口(16)は、複数の電池セル100よりも後方に位置し、ハウジング12及び内部ハウジング32の内部では、冷却風が前方に向けて流れる。ハウジング12の排気口(14)は、内部ハウジング32の内部排気口(34)よりも前方に位置し、さらに、複数の電池セル100よりも前方に位置する。内部排気口(34)は、セルホルダ40の側壁40a、40bに位置し、上下方向に沿って配列された複数の貫通孔を有する。そして、各々の貫通孔は、前後方向に沿って延びる長孔となる。
【0061】
図12は、内部吸気口34の一変形例を示す。図12に示すように、内部吸気口34の複数の貫通孔の一部又は全部が、互いに異なるサイズを有してもよい。この場合、一例ではあるが、複数の貫通孔の一部又は全部において、前後方向における寸法が互いに異なってもよい。その一方で、複数の貫通孔の各々と、フローガイド壁38との間の距離は、互いに等しくてもよい。なお、他の実施形態として、内部吸気口34の複数の貫通孔の一部又は全部において、前後方向における寸法が互いに異なってもよい。
【0062】
図13は、フローガイド壁38の一変形例を示す。図13に示すように、フローガイド壁38は、セルホルダ40に代えて、又は加えて、ハウジング12に設けられてもよい。この場合、フローガイド壁38は、ハウジング12からセルホルダ40に向けて、即ち、内部ハウジング32に向けて突出するとよい。このような構成であっても、ハウジング12の内部に導入された冷却風を、内部吸気口34を通じて内部ハウジング32の内部へスムーズに案内することができる。
【0063】
次に、図14図16を参照して、電池パック10の製造方法について説明する。先ず、図14に示すように、フレーム50、サブ基板70及び複数の電池セル100を互いに組み付けて、セルユニット30の半製品30Aが用意される。この半製品30Aでは、複数の電池セル100が、上方(第1方向)に沿って積層配置されている。また、各々の電池セル100は、前方に突出する正極タブ102及び負極タブ104を有する。複数の電池セル100は、一つずつ表裏を反転させて積層されている。これにより、隣接する各二つの電池セル100において、一方の電池セル100の正極タブ102と、他方の電池セル100の負極タブ104とが、上下方向において隣接している。
【0064】
複数の電池セル100の正極タブ102及び負極タブ104は、サブ基板70へ電気的に接続されている。前述したように、サブ基板70には、複数のタブ接続孔78が設けられている。複数のタブ接続孔78のそれぞれには、複数の電池セル100のうちの対応する一つの正極タブ102又は負極タブ104が挿入される。そして、複数のタブ接続孔78に挿入された正極タブ102及び負極タブ104の各々は、サブ基板70の前面70bに接合される。詳しくは、正極タブ102及び負極タブ104の各々は、サブ基板70の前面70bに設けられた第1導体ライン72又は第2導体ライン74に接合される。フレーム50は、サブ基板70に沿って複数の電池セル100の周囲を一巡する。
【0065】
次に、図15に示すように、フレーム50によって取り囲まれた範囲が、サブ基板70の上方に位置するように、半製品30Aを配置する。そして、フレーム50に取り囲まれた範囲に、流動性を有する材料91を充填する。この材料91は、封止材90を構成する材料であり、例えば、硬化前のポッティング材料又は光硬化性材料であってよい。その後、流動性を有する材料91を硬化させることによって、複数の電池セル100からサブ基板70へ延びる正極タブ102及び負極タブ104を封入する封止材90が形成される。このように、フレーム50及びサブ基板70をモールドとして用いることで、封止材90の成形を容易に行うことができる。
【0066】
次に、図16に示すように、半製品30Aに、セルホルダ40及びメイン基板60を組み付けることによって、セルユニット30が完成する。そして、図17に示すように、セルユニット30が、緩衝部材28と共にハウジング12内に収容される。これにより、電池パック10が完成する。
【0067】
本実施例の電池パック10では、サブ基板70の第1導体ライン72、第2導体ライン74及び第3導体ライン76が、サブ基板70の表面に形成された導体膜(詳しくは、銅膜)で構成されている。しかしながら、第1導体ライン72、第2導体ライン74及び第3導体ライン76は、導体板又は導体ケーブルといった、その他の導体部材で構成されてもよい。一例ではあるが、図18に、一変形例のサブ基板170を示す。このサブ基板170では、第3導体ライン76の少なくとも一部が、サブ基板170に取り付けられた導体板で構成されている。この種の導体板は、バスバーとも称され、導体膜よりも大きな断面積を有する。このように、第1導体ライン72、第2導体ライン74及び第3導体ライン76の少なくとも一部に、バスバーといった導体板で構成することによって、サブ基板170における電気抵抗を低減することができる。
【0068】
以下、上述した実施例の電池パック10から把握される、電動工具のための電池パックの好適な実施形態を列記する。
【0069】
[実施形態1-1]
第1方向に沿って積層配置されているとともに、各々が前記第1方向に垂直な第2方向へ突出する正極タブ及び負極タブを有する複数のパウチ型電池セルと、
前記複数のパウチ型電池セルに対して前記第1方向に配置されているとともに、外部の機器と電気的に接続するための電力ポートを有するメイン基板と、
前記複数のパウチ型電池セルに対して前記第2方向に配置されているとともに、前記複数のパウチ型電池セルの前記正極タブ及び前記負極タブに接続されたサブ基板と、
前記サブ基板と前記メイン基板との間を電気的に接続する接続部材と、
を備える電池パック。
[実施形態1-2]
前記接続部材は、少なくとも一つのリード板を含む、実施形態1-1に記載の電池パック。
[実施形態1-3]
前記メイン基板は、前記サブ基板から前記第1方向に伸ばした直線と交差し、
前記リード板は、前記サブ基板と前記メイン基板との間を、前記第1方向と平行に延びている、実施形態1-2に記載の電池パック。
[実施形態1-4]
前記メイン基板は、前記サブ基板から前記第1方向に伸ばした直線と交差せず、
前記リード板は、前記サブ基板と前記メイン基板との間を、前記第1方向と角度を成して延びている、実施形態1-2に記載の電池パック。
[実施形態1-5]
前記複数のパウチ型電池セルを保持するセルホルダをさらに備える、実施形態1-1から4のいずれか一項に記載の電池パック。
[実施形態1-6]
前記セルホルダは、前記複数のパウチ型電池セルに対向する内面を有し、
前記セルホルダの前記内面には、前記複数のパウチ型電池セルをそれぞれ支持する複数のリブが設けられている、実施形態1-5に記載の電池パック。
[実施形態1-7]
前記複数のリブは、前記複数のパウチ型電池セルに対して、前記第2方向の反対方向に位置する、実施形態1-6に記載の電池パック。
[実施形態1-8]
前記セルホルダを収容するハウジングと、
前記セルホルダと前記ハウジングとの間に配置された緩衝部材と、をさらに備える実施形態1-6又は7に記載の電池パック。
[実施形態1-9]
前記メイン基板は、前記セルホルダに取り付けられている、実施形態1-5から8のいずれか一項に記載の電池パック。
[実施形態1-10]
前記サブ基板は、前記セルホルダに取り付けられている、実施形態1-5から9のいずれか一項に記載の電池パック。
[実施形態1-11]
前記サブ基板は、フレームを介して、前記セルホルダに取り付けられており、
前記フレームは、前記サブ基板の周縁の少なくとも一部を覆っている、実施形態1-10に記載の電池パック。
[実施形態1-12]
前記フレームは、前記複数のパウチ型電池セルに対向する内面を有し、
前記フレームの前記内面には、前記複数のパウチ型電池セルをそれぞれ支持する複数のリブが設けられている、実施形態1-11に記載の電池パック。
[実施形態1-13]
前記フレームは、前記セルホルダに対して、着脱可能に取り付けられている、実施形態1-12に記載の電池パック。
[実施形態1-14]
前記サブ基板は、前記複数のパウチ型電池セルを電気的に接続する回路を有する、実施形態1-1から13のいずれか一項に記載の電池パック。
[実施形態1-15]
前記回路は、前記複数のパウチ型電池セルを直列に接続する、実施形態1-1から14のいずれか一項に記載の電池パック。
[実施形態1-16]
前記複数のパウチ型電池セルは、一つずつ表裏を反転させて積層されており、
隣接する各二つのパウチ型電池セルにおいて、一方のパウチ型電池セルの前記正極タブと、他方のパウチ型電池セルの前記負極タブとが、前記第1方向に沿って隣接している、実施形態1-15に記載の電池パック。
[実施形態1-17]
前記サブ基板の前記回路は、前記第1方向に沿って断続的に延びる第1導体ラインと、前記第1導体ラインと並行して断続的に延びる第2導体ラインとを有し、
前記複数のパウチ型電池セルの各々では、前記正極タブと前記負極タブとの一方が、前記第1導体ラインに接続されており、前記正極タブと前記負極タブとの他方が、前記第2導体ラインに接続されてもよい、実施形態1-16に記載の電池パック。
[実施形態1-18]
前記サブ基板の前記回路は、前記第1導体ラインと前記第2導体ラインとの間を、前記第1方向に沿って延びる第3導体ラインをさらに備え、
前記第1導体ラインと前記第2導体ラインとの一方は、前記第3導体ラインを介して、前記接続部材に接続されている、実施形態1-17に記載の電池パック。
[実施形態1-19]
前記第3導体ラインは、前記メイン基板から最も離れて位置するパウチ型電池セルの前記負極タブと、前記接続部材との間を電気的に接続する、実施形態1-14に記載の電池パック。
[実施形態1-20]
前記電力ポートは、導電体で構成された接触式の外部接続端子を有する、実施形態1-1から19のいずれか一項に記載の電池パック。
【0070】
[実施形態2-1]
第1方向に沿って積層配置されているとともに、各々が前記第1方向に垂直な第2方向へ突出する正極タブ及び負極タブを有する複数のパウチ型電池セルと、
前記複数のパウチ型電池セルに対して前記第2方向に配置されているとともに、前記複数のパウチ型電池セルの前記正極タブ及び前記負極タブが接続されている基板と、
前記基板が取り付けられているとともに、前記基板に沿って前記複数のパウチ型電池セルの周囲を一巡するフレームと、
前記フレームに取り囲まれた範囲に充填されているとともに、前記複数のパウチ型電池セルから前記基板へ延びる前記正極タブ及び前記負極タブが封入されている封止材と、
前記複数のパウチ型電池セル、前記基板及び前記フレームを収容しているハウジングと、
を備える電池パック。
[実施形態2-2]
前記封止材は、ポッティング材又は光硬化性材料で構成されている、実施形態2-1に記載の電池パック。
[実施形態2-3]
前記フレームには、前記基板に接するフレーム面が、前記基板の周縁に沿って設けられている、実施形態2-1又は2に記載の電池パック。
[実施形態2-4]
前記フレームの前記フレーム面と、前記基板との間には、前記フレーム及び前記基板よりも柔軟なシート材が介在している、実施形態2-1から3のいずれか一項に記載の電池パック。
[実施形態2-5]
前記フレームは、前記複数のパウチ型電池セルに対向する内面を有し、
前記フレームの前記内面には、前記複数のパウチ型電池セルをそれぞれ支持する複数のリブが設けられている、実施形態2-1から4のいずれか一項に記載の電池パック。
[実施形態2-6]
前記複数のリブの各々は、前記基板から離れて位置している、実施形態2-5に記載の電池パック。
[実施形態2-7]
前記複数のリブの各々は、前記封止材の内部に位置する切欠を有する、実施形態2-5又は6に記載の電池パック。
[実施形態2-8]
前記フレームは、前記複数のリブの隣接する各二つの間に突出部を有し、
前記突出部は、前記複数のパウチ型電池セルのうちの対応する一つを、前記第2方向から支持している、実施形態2-5から7のいずれか一項に記載の電池パック。
[実施形態2-9]
前記基板は、複数のタブ接続孔を有し、
前記複数のタブ接続孔のそれぞれには、前記複数のパウチ型電池セルのうちの対応する一つの前記正極タブ又は前記負極タブが挿入されている、実施形態2-1から8のいずれか一項に記載の電池パック。
[実施形態2-10]
前記基板は、前記複数のパウチ型電池セルに対向する第1面と、前記第1面の反対側に位置する第2面とを有し、
前記複数のパウチ型電池セルの前記正極タブ及び前記負極タブの各々は、前記第2面において前記基板に接合されている、実施形態2-10に記載の電池パック。
[実施形態2-11]
前記基板の前記第2面では、前記複数のパウチ型電池セルの前記正極タブ及び前記負極タブが、接着剤によって覆われている、実施形態2-10に記載の電池パック。
[実施形態2-12]
前記ハウジングの内部に位置するとともに、前記複数のパウチ型電池セルを保持するセルホルダをさらに備え、
前記フレームは、前記セルホルダに取り付けられている、実施形態2-1から11のいずれか一項に記載の電池パック。
[実施形態2-13]
電池セルの製造方法であって、
第1方向に沿って積層配置されているとともに、各々が前記第1方向に垂直な第2方向へ突出する正極タブ及び負極タブを有する複数のパウチ型電池セルと、前記複数のパウチ型電池セルに対して前記第2方向に配置されているとともに、前記複数のパウチ型電池セルの前記正極タブ及び前記負極タブが接続されている基板と、前記基板が取り付けられているとともに、前記基板に沿って前記複数のパウチ型電池セルの周囲を一巡するフレームと、を有する半製品を用意する工程と、
前記フレームによって取り囲まれた範囲が前記基板の上方に位置するように前記半製品を配置して、前記フレームに取り囲まれた前記範囲に流動性を有する材料を充填する工程と、
前記材料を硬化させて、前記複数のパウチ型電池セルから前記基板へ延びる前記正極タブ及び前記負極タブを封入する封止体を形成する工程と、
前記複数のパウチ型電池セル、前記基板及び前記フレームを、前記封止体とともにハウジングに収容する工程と、
を備える電池パック。
[実施形態2-14]
前記半製品を用意する工程は、前記基板に設けられた複数のタブ接続孔のそれぞれには、前記複数のパウチ型電池セルのうちの対応する一つの前記正極タブ又は前記負極タブを挿入する工程を含む、実施形態2-13に記載の製造方法。
[実施形態2-15]
前記基板は、前記複数のパウチ型電池セルに対向する第1面と、前記第1面の反対側に位置する第2面とを有し、
前記半製品を用意する工程は、前記複数のタブ接続孔に挿入された前記複数のパウチ型電池セルの前記正極タブ及び前記負極タブの各々を、前記第2面に接合する工程をさらに含む、実施形態2-14に記載の製造方法。
【0071】
[実施形態3-1]
第1方向に沿って積層配置された複数のパウチ型電池セルと、
前記複数のパウチ型電池セルを収容しているとともに、内部吸気口及び内部排気口を有する内部ハウジングと、
前記内部ハウジングを収容しているとともに、吸気口及び排気口を有するハウジングと、
を備え、
前記内部吸気口は、前記内部排気口よりも、前記第1方向に垂直な第2方向に位置しており、
前記吸気口は、前記排気口よりも、前記第2方向に位置している、
電池パック。
[実施形態3-2]
前記内部排気口は、前記排気口へ実質的に気密に接続されている、又は、前記排気口内に配置されている、実施形態3-1に記載の電池パック。
[実施形態3-3]
前記内部排気口及び前記排気口は、前記複数のパウチ型電池セルよりも、前記第2方向の反対方向に位置する、実施形態3-2に記載の電池パック。
[実施形態3-4]
前記吸気口は、前記内部吸気口よりも、前記第2方向に位置している、実施形態3-2又は3に記載の電池パック。
[実施形態3-5]
前記吸気口は、前記複数のパウチ型電池セルよりも、前記第2方向に位置している、実施形態3-4に記載の電池パック。
[実施形態3-6]
前記内部ハウジングは、前記複数のパウチ型電池セルに対して、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向から対向する内部側壁を有し、
前記内部吸気口は、前記内部側壁に設けられている、実施形態3-2から5のいずれか一項に記載の電池パック。
[実施形態3-7]
前記内部吸気口は、前記内部側壁に設けられた複数の貫通孔を有し、
前記複数の貫通孔は、前記第1方向に沿って配列されているとともに、各々の貫通孔が、前記第2方向に沿って延びる長孔である、実施形態3-6に記載の電池パック。
[実施形態3-8]
前記内部ハウジングの内部側壁と、前記内部側壁に対向する前記ハウジングの側壁との少なくとも一方には、それらの他方に向けて突出するフローガイド壁が設けられており、
前記内部吸気口は、前記フローガイド壁よりも、前記第2方向に位置している、実施形態3-6又は7に記載の電池パック。
[実施形態3-9]
前記内部ハウジングは、前記複数のパウチ型電池セルを保持するセルホルダと、セルホルダに取り付けられた少なくとも一つの基板とを備え、
前記少なくとも一つの基板は、前記複数のパウチ型電池セルと電気的に接続された回路を有する、実施形態3-1から8のいずれか一項に記載の電池パック。
[実施形態3-10]
前記少なくとも一つの基板は、メイン基板を含み、
前記メイン基板は、前記複数のパウチ型電池セルに対して前記第1方向に位置するとともに、外部の機器と電気的に接続するための電力ポートを有する、実施形態3-9に記載の電池パック。
[実施形態3-11]
前記少なくとも一つの基板は、サブ基板を含み、
前記サブ基板は、前記複数のパウチ型電池セルに対して前記第2方向に位置するとともに、前記複数のパウチ型電池セルの各々の正極タブ及び前記負極タブに接続されている、実施形態3-9又は10に記載の電池パック。
[実施形態3-12]
前記吸気口は、前記サブ基板よりも、前記第2方向に位置している、実施形態3-11に記載の電池パック。
[実施形態3-13]
前記内部吸気口は、前記吸気口に実質的に気密に接続されている、又は、前記吸気口内に配置されている、実施形態3-1に記載の電池パック。
[実施形態3-14]
前記内部吸気口及び前記吸気口は、前記複数のパウチ型電池セルよりも、前記第2方向に位置する、実施形態3-14に記載の電池パック。
[実施形態3-15]
前記排気口は、前記内部排気口よりも、前記第2方向に位置している、実施形態3-13又は14に記載の電池パック。
[実施形態3-16]
前記排気口は、前記複数のパウチ型電池セルよりも、前記第2方向の反対方向に位置している、実施形態3-15に記載の電池パック。
[実施形態3-17]
前記内部ハウジングは、前記複数のパウチ型電池セルに対して、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向から対向する内部側壁を有し、
前記内部排気口は、前記内部側壁に設けられている、実施形態3-13から16のいずれか一項に記載の電池パック。
[実施形態3-18]
前記内部排気口は、前記内部側壁に設けられた複数の貫通孔を有し、
前記複数の貫通孔は、前記第1方向に沿って配列されているとともに、各々の貫通孔が、前記第2方向に沿って延びる長孔である、実施形態3-17に記載の電池パック。
[実施形態3-19]
前記吸気口と前記排気口との少なくとも一方は、外部の機器に設けられた送風機に接続される、実施形態3-1から18のいずれか一項に記載の電池パック。
【符号の説明】
【0072】
10:電池パック
12:ハウジング
14:吸気口
16:排気口
26:電力ポート
28:緩衝部材
30:セルユニット
32:内部ハウジング
34:内部吸気口
36:内部排気口
38:フローガイド壁
40:セルホルダ
50:フレーム
54:フレームのリブ
55:フレームの突出部
56:フレームのフレーム面
58:フレームのリム部
60:メイン基板
70、170:サブ基板
72:第1導体ライン
74:第2導体ライン
76:第3導体ライン
78:タブ接続孔
80:接続部材
80x:正極リード板
80y:負極リード板
90:封止材
92:接着剤
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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